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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-11
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】集積回路を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20230512BHJP
【FI】
H01L21/92 604Q
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019194604
(22)【出願日】2019-10-25
(65)【公開番号】P2020080405
(43)【公開日】2020-05-28
【審査請求日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】1817370.8
(32)【優先日】2018-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512221197
【氏名又は名称】エスピーティーエス テクノロジーズ リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トニー ウィルビー
(72)【発明者】
【氏名】スティーブ バージェス
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0172444(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0009777(US,A1)
【文献】特開2018-046148(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0048496(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0047674(US,A1)
【文献】特開平05-259127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H01L 21/3065
H01L 21/52
H01L 23/12-23/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路製造プロセス中に金属配線層の過剰な金属を除去する方法であって、前記方法は、
前記金属配線層は誘電体層上に配置され、前記誘電体層の表面上に位置する前記金属配線層の過剰な金属部分を、希ガスを含むプラズマを使用して、エッチ期間の間、プラズマエッチングする工程であり、前記過剰な金属部分は前記誘電体層上に配置された少なくとも1つのバリヤ層と前記バリヤ層上に配置された銅層を含み、前記希ガスはアルゴンを含み、前記誘電体層は有機誘電体を含む、工程;
前記バリヤ層上の前記銅層の少なくともいくらか、及び前記バリヤ層の少なくともいくらかを除去し、前記過剰な金属部分が前記誘電体層から完全に除去される前に前記プラズマエッチングを停止するように前記エッチ期間を調節する工程であり、これにより前記誘電体層の表面が前記プラズマに露出しない、工程;及び
残留する過剰な金属部分をエッチングして前記誘電体層から過剰な金属残留物を除去する工程;
を含み、
前記残留する過剰な金属部分のエッチングが、ウェットケミカルエッチングを含む、方法。
【請求項2】
集積回路製造プロセス中に金属配線層の過剰な金属を除去する方法であって、前記方法は、
前記金属配線層は誘電体層上に配置され、前記誘電体層の表面上に位置する前記金属配線層の過剰な金属部分を、希ガスを含むプラズマを使用して、エッチ期間の間、プラズマエッチングする工程であり、前記過剰な金属部分は前記誘電体層上に配置された少なくとも1つのバリヤ層と前記バリヤ層上に配置された銅層を含み、前記希ガスはアルゴンを含み、前記プラズマエッチングは方向性又は異方性スパッタエッチングであり、前記誘電体層は有機誘電体を含む、工程;
前記バリヤ層上の前記銅層の少なくともいくらか、及び前記バリヤ層の少なくともいくらかを除去し、前記過剰な金属部分が前記誘電体層から完全に除去される前に前記プラズマエッチングを停止するように前記エッチ期間を調節する工程であり、これにより前記誘電体層の表面が前記プラズマに露出しない、工程;及び
残留する過剰な金属部分をエッチングして前記誘電体層から過剰な金属残留物を除去する工程;
を含み、
前記残留する過剰な金属部分のエッチングが、塩素を使用するケミカルドライエッチングを含む、方法。
【請求項3】
前記過剰な金属残留物がバリヤ層残留物を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記エッチプロセス中にエッチ期間を動的に算出する工程をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記エッチ期間が、前記プラズマエッチング中に前記誘電体層の表面が検出されたときに定められる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記誘電体層の表面が、発光分光分析法(OES)又は二次イオン質量分析法(SIMS)を使用して検出される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
プラズマエッチング前にエッチ期間を算出する工程をさらに含み、前記エッチ期間は前記過剰な金属部分の既知のエッチ速度に基づいて算出される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
前記過剰な金属部分をプラズマエッチングする工程が、前記金属配線層に対して実質的に横切る方向に沿って前記過剰な金属部分を選択的にエッチングすることを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
前記金属配線層は、前記誘電体層と前記集積回路の銅ピラーの間に配置される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項10】
前記バリヤ層は、Ti、TiW、またはTaを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記有機誘電体は、ポリイミド、またはポリベンゾオキサゾールである、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は集積回路を製造する方法に関する。特に、本発明は、集積回路製造プロセス中に金属配線層の過剰な金属を除去することに関する。ここで、金属配線層は誘電体層と集積回路との間に配置されている。
【背景技術】
【0002】
図面の図1を参照すると、多くの先進のパッケージングプロセスでは、銅ピラー10又は銅再分配層(RDL)の電着に先立って、物理蒸着(PVD)を使用してアンダーバンプメタル(under-bump metal(UBM))層が形成される。UBMは、典型的には、バリヤ層、例えばチタン(Ti)層、チタン-タングステン合金(TiW)もしくは等価な層、又は例えば窒化チタン層とチタン層との組み合わせ(TiN/Ti)と、電解めっき中に電流を運ぶ銅(Cu)シード層12とを含む。これらのシード層は、有機誘電体14、典型的には、基板15を覆うポリイミド(PI)14又はポリベンゾオキサゾール(PBO)上に堆積される。電解めっきプロセスが完了すると、新たに形成された構造体を電気的に孤立させるために、UBMの望ましくない部分がウェットエッチングにより除去される。
【0003】
従来、Cuシード層12は、Cu(NH34Cl2、Cu(NH32Cl、NH3及びNH4Clなどのアルカリ性エッチャントが使用されるアンモニアエッチングを使用して除去された。その結果生じるCuOなどの化学物質は、次にNH3及び水を使用して除かれる。しかしながら、このプロセスは、横方向エッチングに対して縦方向エッチングの選択性がないため、銅構造体の幅の望ましくない減少をもたらす(図2)。この問題は、銅ピラー10のサイズ及びピッチの下限を決める。
【0004】
銅エッチ後、例えばTiなどのバリヤ層13の露出部分は、次にフッ化水素酸(HF)溶液を使用してウェットエッチされる。バリヤ層の横方向エッチングのためにアンダーカット11が形成されることが観察される(図2)。その結果、構造体全体が弱体化し、離層することがあり、低い歩留まり及び/又は信頼性をもたらす。
【0005】
ウェットエッチングによるTi/Cuシード12、13の除去後、Cuピラー幅が減少し、Ti層13は、使用されるエッチプロセスの等方的性質のためにアンダーカット11を示す。等方的ウェットエッチプロセスを、上記の問題を解決する異方的ドライエッチに置き換えることが知られているが、かかるアプローチには多くの問題があることが確認されている。
【0006】
第1に、揮発性のCuFx又はCuClx化合物が形成されないために、標準的な金属エッチプラズマプロセスを使用してCuをうまくエッチできないことが当業界でよく知られている。しかしながら、Cuシード12を物理的にスパッターするために、アルゴンArドライエッチプロセスを使用することができる。プラテンバイアスにより生じる方向性のために、かかるプロセスは、横方向よりも縦方向でより速くエッチし、そのため、上記の問題を回避する。
【0007】
適切なデバイス機能性を確保するには、金属表面に、密着性に影響を及ぼし得る有機残留物がないことが重要である。PI 14又は他の誘電体がライン間漏れ電流を増加させ得る金属残留物を含まないことも重要である。この理由から、ウェハの全領域が十分にエッチされるようにオーバーエッチを用いることが通常である。これらの要件は、下記のとおりのスパッタエッチプロセスを使用する場合に特定の課題を提示する。
【0008】
エッチプロセス中に、金属は誘電体14の表面にスパッターされ、また、潜在的には誘電体14中にインプラントされることさえあり、その場合には、漏れ電流の問題及び信頼性の問題を生じる。
【0009】
オーバーエッチ中に、炭素及び酸素は、露出した誘電体からプロセス周囲環境に放出され、露出した金属表面を汚染し得る。この炭素汚染は、標準的な方法、例えばO2アッシングによっては除去することが非常に困難である金属炭化物を形成するため、問題となり得る。これらの問題を説明するデータが、Ti/Cuシード層をクリアにするためにArスパッタエッチ(50%オーバーエッチを含む)を使用して処理されたサンプルに関する図3~6に示されている。図4は、著しい(9.6%)炭素汚染を示す。図6は、誘電体中へのかなりの金属インプランテーションを示す(Ti 3%、Cu 2%)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の1つの目的は、上に概説した問題に対する技術的解決法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様によると、集積回路製造プロセス中に金属配線層の過剰な金属を除去する方法であって、金属配線層は誘電体層と集積回路との間に配置され、
誘電体層の表面上に位置する金属配線層の過剰な金属部分を、希ガスを含むプラズマを使用して、エッチ期間の間、プラズマエッチングする工程;
過剰な金属部分が誘電体層から完全に除去される前にプラズマエッチングを停止するようにエッチ期間を調節する工程;及び
残留する過剰な金属部分をエッチングして誘電体層から過剰な金属残留物を除去する工程;
を含む方法が提供される。
【0012】
一実施形態において、希ガスはアルゴンを含む。
【0013】
一実施形態において、残留する過剰な金属部分のエッチングはウェットケミカルエッチングを含むが、代替的一実施形態において、これはケミカルドライエッチングにより行われてもよい。
【0014】
一実施形態において、ケミカルドライエッチングはフルオロカーボン、例えばテトラフルオロメタンなどを使用するエッチングを含む。代わりに、又はそれに加えて、ケミカルドライエッチングは塩素を使用するエッチングを含む。
【0015】
一実施形態において、過剰な金属部分は、誘電体層上に配置された1又は複数のバリヤ層と、上記1又は複数のバリヤ層上に配置された銅層とを含む。過剰な金属残留物はバリヤ層残留物を含むことがある。
【0016】
一実施形態において、上記方法は、エッチプロセス中にエッチ期間を動的(dynamically)に算出する工程をさらに含む。エッチ期間は、プラズマエッチング中に誘電体層の表面が検出されたときに定めることができる。一実施形態において、誘電体層の表面は、発光分光分析法(OES)又は二次イオン質量分析法(SIMS)を使用して検出される。
【0017】
一実施形態において、上記方法は、プラズマエッチング前にエッチ期間を算出する工程をさらに含み、当該エッチ期間は過剰な金属部分の既知のエッチ速度に基づいて算出される。
【0018】
一実施形態において、過剰な金属部分をプラズマエッチングする工程は、金属配線層に対して実質的に横切る方向に沿って過剰な金属部分を選択的にエッチングすることを含む。
【0019】
本発明の第2の態様によると、第1の態様に従う方法により得られる集積回路が提供される。
【0020】
本発明を説明してきたが、本発明は、上記の特徴又は以下の記載中の任意の発明的組み合わせにまで及ぶ。本発明の例示的実施形態を添付の図面を参照して本開示で詳しく説明したが、本発明はこれらの明確な実施形態に限定されない。
【0021】
さらに、個別に又は一実施形態の一部として記載した特定の特徴を、他の個別に記載した特徴又は他の実施形態に部分と組み合わせられることが、たとえ他の特徴及び実施形態がその特定の特徴に言及していなくても、想定される。すなわち、本発明は、まだ記載さいていないかかる特定の組み合わせにも及ぶ。
【0022】
本発明は、様々な手段で実施することができ、単に例示のためにそれらの実施形態を添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、シード除去前の銅ピラー構造体を示す。
図2図2は、ウェットエッチングによるシード除去後の図1の銅ピラー構造体を示す。
図3図3は、Arスパッターエッチング後の炭素で汚染された再分配層(RDL)金属の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す。
図4図4は、Arスパッターエッチング後のRDL金属(C 9.6%)のエネルギー分散型X線(EDX)スペクトルを示す。
図5図5は、Arスパッターエッチング後の誘電体上に目に見える金属残留物があることを示す光学電子顕微鏡写真を示す。
図6図6は、スクライブレーンでXPSにより求めた誘電体の表面の組成を示す表であって、Arスパッターエッチング後の誘電体上の金属残留物(Ti 3%、Cu 2%)であることを示す表である。
図7図7は、本発明の第1の実施形態に従う方法の工程を示すフローチャートを示す。
図8図8は、本発明の第2の実施形態に従う方法の工程を示すフローチャートを示す。
図9図9は、シード除去前の銅ピラー構造体を示す。
図10図10は、ドライエッチングによるシード除去後の図9の銅ピラー構造体であって、エッチプロファイルにおける改善があった銅ピラー構造体を示す。
図11図11は、図7又は8のいずれかに例示した方法を使用して得られたTi/Cuシード厚さ対Arスパッターエッチングのエッチ時間のグラフ図である。
図12図12は、図7又は8のいずれかに例示した方法を使用して得られた再分配(RDL)金属の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す。
図13図13は、図7又は8のいずれかに例示した方法を使用して得られた再分配層(RDL)金属の別の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す。
図14図14は、図7又は8のいずれかに例示した方法を使用して得られたRDL金属のエネルギー分散型X線(EDX)スペクトルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ここで、本発明を詳細に説明する。本発明の実施形態は、誘電体層中への再スパッター金属のインプランティングを最低限に抑え、露出したポリマーから放出された炭素による金属表面の汚染を最低限に抑える。CuピラーまたはRDLの望ましくない横方向エッチングも著しく低減される。また、本発明は、Ti層アンダーカットの問題を解決し、汚染のない金属層を残す。
【0025】
図面の図7及び図9~10を参照すると、本発明の第1の実施形態に従う集積回路製造中に金属配線層320、330の過剰な金属を除去する方法100の工程を示すフローチャートが例示されている。特に、金属配線層320、330はアンダーバンプメタル(UBM)層320、330を含んでもよく、アンダーバンプメタル(UBM)層320、330は、銅層320と、バリヤ層330、例えばTi、TiW又はタンタル(Ta)などを含んでもよい。金属配線層320、330は、銅ピラー310を、誘電体層340で覆われたウェハ表面361から分離することができる。
【0026】
工程101で、工程102におけるプラズマエッチングに先立ってプラズマエッチング期間を算出することができる。ここで、エッチ期間は、過剰な金属部分350の既知のエッチ速度、例えば銅層320の既知のエッチ速度及びバリヤ層330の既知のエッチ速度に基づいて算出される。
【0027】
工程102で、金属配線層320、330の過剰な金属部分350が、エッチ期間の間、希ガスを含むプラズマを使用してプラズマエッチされる。過剰な金属部分350は誘電体層340の表面341上に位置する。特に、プラズマエッチング102は、アルゴンを含むプラズマを使用する方向性又は異方性スパッターエッチを含んでよい。方向性又は異方性スパッターエッチは、金属配線層320、330に対して垂直方向、すなわち実質的に横切る方向に沿って選択的に、及び集積回路300の周囲で、過剰な金属部分350をエッチングすることを含む。この工程は、金属幅の制御を容易にし、アンダーカットを最低限に抑える。
【0028】
工程103で、金属部分350が誘電体340から完全に除去される前にプラズマエッチング102を停止するようにエッチ期間が調節される。さもなければ、誘電体層340の表面341が完全に露出することになる。エッチ期間は、過剰な金属部分350の既知のエッチ速度に基づいて工程101で算出される。特に、プラズマエッチングは、金属部分350が完全に除去される前、したがって、誘電体層340が露出又は完全に露出する前に停止される。例えば図11に例示されているように、アルゴンを含むプラズマを使用する銅層320及びチタン層を含む過剰な金属部分350の30秒間のスパッターエッチング102は、銅層320をエッチし、過剰な金属部分350の厚さを1700Åから700Åまで減少させることによって、チタン層330を露出させる。さらに70秒間のエッチング102は、厚さ700Åのチタン層330を完全に除去する。したがって、90秒間のArスパッターエッチング時間の閾値が、誘電体層340を露出させずに銅層320とチタン層330のほとんどとを完全に除去するのに十分であるということが導かれる。
【0029】
工程104で、誘電体層340の露出した表面が、誘電体層340の表面340から過剰な金属残留物、例えばチタン残留物などを除去するために、さらなるエッチング期間のエッチングによりクリアにされる。工程104で誘電体層340の表面341をエッチングすることは、液体もしくはウェットケミカルエッチング又はケミカルドライエッチングを含むことができる。ケミカルドライエッチングは、フルオロカーボン、例えばテトラフルオロメタン(CF4)などを使用して、又は塩素(Cl)を使用して行うことができる。最低限の過剰な金属残留物のみが誘電体層340の表面341上に残ったときにプラズマエッチング102を停止することによって、通常可能であるよりもかなり短いウェットエッチ時間を使用することが可能である。これは、金属配線層320、330のアンダーカットの減少をもたらし、ウェハ表面361の汚染を最低限に抑える。
【0030】
図8は、集積回路製造プロセス中に金属配線層320、330の過剰な金属を除去する方法200の第2の実施形態を示す。工程201は、方法100の工程102に対応する。工程202で、金属部分350が完全に除去される前にプラズマエッチング201を停止するようにプラズマエッチング時間の期間が調節される。さもなければ、誘電体層340の表面341が完全に露出することになる。エッチ期間は、プラズマエッチング201中に誘電体層340の表面341が検出されたときに定められるように工程202で動的に算出することができる。特に、誘電体層340の表面341は、発光分光分析法(OES)又は二次イオン質量分析法(SIMS)を使用して検出される。工程201におけるプラズマエッチングは、したがって、誘電体層340の表面341が検出される工程202まで継続する。誘電体層340が検出されたら、第1の実施形態の方法の工程104に対応する工程203でのウェットエッチングが行われる。
【0031】
図12及び13は、本発明に従う方法を使用して得られた再分配層(RDL)金属の走査型電子顕微鏡(SEM)画像を示す。示した構造体にアンダーカットが無いことは明らかである。図14は、第1の実施形態に従う方法100を使用して得られたRDL金属のエネルギー分散型X線(EDX)スペクトルを示す。検出された含有率は99.5%の純銅を含み、有意な炭素汚染は検出されなかった。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14