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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-11
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】無線電力充電用のシステム
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/60 20160101AFI20230512BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20230512BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20230512BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20230512BHJP
【FI】
H02J50/60
H02J50/10
H02J50/80
H02J7/00 301D
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019548378
(86)(22)【出願日】2018-03-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-16
(86)【国際出願番号】 IL2018050260
(87)【国際公開番号】W WO2018163172
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2021-03-02
(31)【優先権主張番号】62/467,903
(32)【優先日】2017-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/535,987
(32)【優先日】2017-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509212421
【氏名又は名称】パワーマット テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】シャーマン,イタイ
(72)【発明者】
【氏名】グルズマン,イリア
(72)【発明者】
【氏名】マッハ,エリザー
(72)【発明者】
【氏名】サルハブ,アミール
(72)【発明者】
【氏名】ベン-イツァク,シャロン
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-502385(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0111154(US,A1)
【文献】特表2015-508987(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0021798(US,A1)
【文献】国際公開第2014/068992(WO,A1)
【文献】特表2013-536664(JP,A)
【文献】特開2015-226411(JP,A)
【文献】国際公開第2013/031988(WO,A1)
【文献】特表2014-512158(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/60
H02J 50/10
H02J 50/80
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスに充電するための電力を誘導的に伝送するように適合されたリレーと、前記デバイスに充電するための電力を前記リレーに誘導的に送信するためのドライバを制御するように構成されたコントローラを有する送信器とを有するシステム内の異物を検出するための方法であって、前記送信器および前記リレーが、媒体によって隔てられており、前記異物の検出が、前記送信器と前記コントローラとの間で行われ、前記コントローラが、前記デバイスと通信することができ、前記方法が、前記コントローラによる、
前記送信器によって消費された電力を決定することと、
交流出力電流の連続測定値に従って前記送信器上での電力損失を決定することであって、前記送信器上での電力損失の決定が、周知の抵抗および計算反射インピーダンスの乗算に基づくことと、
前記送信器と前記リレーとの間の結合係数を取得することと、
取得された結合係数および前記交流出力電流の連続測定値に基づいて前記リレー上での電力損失を決定することと、
前記送信器によって消費された電力から前記送信器上での電力損失および前記リレー上での電力損失を減算して結果を生成することと、
前記デバイスの消費電力を前記デバイスから取得することと、
前記結果を前記デバイスの消費電力と比較することと、
前記比較に基づいて前記異物の存在を判定することと、
の動作を備える、方法。
【請求項2】
前記リレー上での電力損失を決定することが、前記送信器の動作周波数、ならびに前記リレーおよび前記送信器のジョイント共振周波数にも基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記異物の存在を判定する際に、前記コントローラが、前記電力を誘導的に伝送するのを中止する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記異物の存在を判定する際に、前記コントローラが、最小の誘導的伝送電力のために前記動作周波数を変更する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記交流出力電流の連続測定値が、前記コントローラと前記送信器のコイルとの間、または前記ドライバと前記送信器のコイルとの間の地点からサンプリングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記交流出力電流の連続測定値が、ピークおよび位相の測定値を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ピークおよび位相の測定値が、それらの間の一定の時間間隔に関する駆動サイクルの間に少なくとも2回サンプリングされる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記コントローラが、多重的試料ノイズ全体の平均値を取る、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記結合係数が、0.15より大きい所定の値である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記所定の値が、30ミリメートルまでの厚さを備える媒体に関しては0.25より大きい、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
リレーを介してデバイスに無線で充電するための送信器であって、前記送信器および前記リレーが、媒体によって隔てられており、前記送信器が、前記デバイスと通信し、
交流出力電流の連続測定値に従って前記送信器上での電力損失を、および前記送信器によって消費された電力を決定することであって、前記送信器上での電力損失の決定が、周知の抵抗および計算反射インピーダンスの乗算に基づくことと、
前記デバイスから前記デバイスの消費電力を、および前記送信器と前記リレーとの間の結合係数を取得することと、
前記交流出力電流の連続測定値および取得された結合係数に基づいて前記リレー上での電力損失を決定することと、
前記送信器上での電力損失、前記リレー上での電力損失、および前記送信器によって消費された電力から計算結果を決定することと、
前記計算結果および前記デバイスの消費電力との間の比較に基づいて前記デバイスと前記送信器との間の異物の存在を判定することと、
によって、前記異物を検出するように構成されたコントローラを備える、送信器。
【請求項12】
前記リレー上での電力損失を決定することが、前記送信器の動作周波数、ならびに前記リレーおよび前記送信器のジョイント共振周波数にも基づいている、請求項11に記載の送信器。
【請求項13】
前記コントローラが、前記異物の存在を判定する際に、前記送信器によって前記リレーを介する前記デバイスの無線充電を中止するように構成される、請求項12に記載の送信器。
【請求項14】
前記コントローラが、前記異物の存在を判定する際に、最小の誘導的伝送電力のために前記動作周波数を変更するように構成される、請求項12に記載の送信器。
【請求項15】
前記交流出力電流の連続測定値が、前記コントローラと前記送信器のコイルとの間、または前記デバイスに充電するための電力を前記リレーに誘導的に送信するためのドライバと前記送信器のコイルとの間の地点からサンプリングされる、請求項11に記載の送信器。
【請求項16】
前記交流出力電流の連続測定値が、ピークおよび位相の測定値を備える、請求項11に記載の送信器。
【請求項17】
前記ピークおよび位相の測定値が、それらの間の一定の時間間隔に関する駆動サイクルの間に少なくとも2回サンプリングされる、請求項16に記載の送信器。
【請求項18】
前記コントローラが、多重的試料ノイズ全体の平均値を取る、請求項17に記載の送信器。
【請求項19】
前記結合係数が、0.15より大きい所定の値である、請求項11に記載の送信器。
【請求項20】
前記所定の値が、30ミリメートルまでの厚さを備える媒体に関しては0.25より大きい、請求項19に記載の送信器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の主題は、無線電力充電システムに関する。より詳細には、本開示の主題は、媒体を介した誘導充電および異物検出の方法に関する。
関連出願の相互参照
【0002】
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で同時係属の、2017年7月3日に出願された、Itay Sherman、Elieser Mach、Ilya Gluzman、Amir Salhuvによる「Large Range Inductive Tx」という名称の米国仮特許出願第62/467,903号、および2017年7月24日に出願された、Itay Sherman、Elieser Mach、Sharon Ben-Itzhak、Amir Salhuvによる「Smart Inductive extensions」という名称の米国仮特許出願第62/535,987号からの優先権を請求し、同仮特許出願を全ての目的で参考文献として援用する。
【背景技術】
【0003】
幅広い種類の場所において、劇的な配備増に導かれる、無線電力充電システムに対する需要が増えつつあることで、送信器と受信器との間の有効充電距離を増大させる必要性が増している。市販のシステムでは、そのようなシステムの送信器と受信器との間の最大距離が約10ミリメートルに制限されている。
【0004】
無線電力充電システムは、レストラン、コーヒーショップ、空港、バス発着所;駅、銀行、学校、図書館、ホテル、公用建築物等、などの公共施設に通常配備されている。典型的には、システムは、ユーザが接近可能である、テーブル、棒材等などの、表面の最上部上に据え付けられており、したがって、装飾的な外観、および危険のない設備が求められる。一方でこれらの要件、他方で距離制限を満たすことは、配線が表面の最上部上に配索されること、ならびに距離制限を満たすために表面をドリル加工することが必要となる。いくつかの事例では、そのような市販のシステムの送信器は、表面の切欠き穴の内部に据え付けられることができる。これは、顧客の備品に損傷を与えることに加えて、設備を複雑にし、費用を上昇させる。
【0005】
明らかに、そのような市販の解決策は、消費者市場では所望されていない。さらに、これらの利用可能な解決策の無線電力充電水準は、15ワット未満を要求する手持ち型デバイスを充電することに限定される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の主題の第1の態様によれば、デバイスに充電するための電力を誘導的に伝送するように作られたリレーと、デバイスに充電するための電力をリレーに誘導的に送信するように構成されたコントローラを有する送信器とを有するシステム内の異物検出のための方法であって、送信器およびリレーが、媒体によって隔てられており、コントローラが、デバイスと通信することができ、方法は、コントローラによる以下の動作、すなわち:送信器によって消費された電力を決定すること、交流出力電流の連続測定によって送信器上での電力損失を決定すること、送信器とリレーとの間の結合係数を取得すること、交流出力電流の連続測定および結合係数に基づいてリレー上での電力損失を決定すること、送信器によって消費された電力から送信器上での電力損失およびリレー上での電力損失を減算すること、デバイスの消費電力をデバイスから取得すること、減算の結果をデバイスの消費電力と比較すること、異物存在を確定することを含む。
【0007】
いくつかの例示的実施形態では、中継器上での電力損失を決定することは、さらに、送信器の動作周波数、および中継器および送信器のジョイント共振周波数に基づいている。
【0008】
いくつかの例示的実施形態では、異物存在を確定すると、コントローラは、誘導的伝送電力を中止する。
【0009】
いくつかの例示的実施形態では、異物存在を確定すると、コントローラは、誘導的伝送電力を最小にするために動作周波数を変更する。
【0010】
特に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術的および科学的用語は、本開示の主題が属する技術の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書において記載されるものと類似または同等の方法および材料は、本開示の主題の実践または試験で使用されることができるが、適切な方法および材料を以下に記載する。矛盾する場合、定義を含む明細書が制御する。さらに、材料、方法、および例は、説明するためのものにすぎず、制限的であるようには意図されていない。
【0011】
記載される開示の主題のいくつかの実施形態は、添付の図面を参照しながら、ほんの一例として記載される。これより特に図面を詳細に参照するにあたり、示される詳細は、一例として、本開示の主題の好適な実施形態の例証的な考察を目的とするものにすぎず、開示の主題の原理および概念上の態様についての最も有用な、かつ容易に理解される記述であると信じられるものを提供するために提示されていることを強調しておく。この点に関して、開示の主題の構造細部を、開示の主題の基本的な理解に必要なものより詳細に示そうとは試みられてはなく、記述を図面と合わせて読むことで、開示の主題のいくつかの形態が、実際に具現化される方法が、当業者には明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】開示の主題のいくつかの例示的実施形態による、無線電力充電システムの設備の断面図を示す。
図2】開示の主題のいくつかの例示的実施形態による、別の無線電力充電システムの設備の断面図を示す。
図3】開示の主題のいくつかの例示的実施形態による、媒体を介した無線電力充電用のシステムのブロック線図を示す。
図4】開示の主題のいくつかの例示的実施形態による、異物検出のための方法の流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
開示の主題の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、開示の主題は、その適用において、以下の記述で説明されるまたは図面に図示される構造の詳細、および構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。開示の主題は、他の実施形態でも可能である、またはさまざまな方法で実践される、もしくは遂行されることが可能である。さらに、本明細書において使用される言い回しおよび専門用語は、説明を目的としており、制限的とみなされてはならないことを理解されたい。図面は、概括的には正確な縮尺ではない。明暸性のために、非必須要素が省略された図面もある。
【0014】
用語「備える」、「備えること」、「含む」、「含むこと」、および「有すること」は、それらの同根語とともに、「含むこと、しかしこれに限定されるわけではない」ことを意味する。用語「で構成されること」は、「含み、かつこれに限定されること」と同じ意味を有する。
【0015】
用語「で本質的に構成されること」は、付加的な成分、段階、および/または部分が、請求される組成物、方法、または構造の基本的および新規な特性を実質的に変更しない場合に限り、組成物、方法、または構造は、付加的な成分、段階、および/または部分を含む可能性があることを意味する。
【0016】
本明細書で使用される場合、コンテクストが特に明確に指図しない限り、単数形「a」、「an」、および「the」は、複数の言及を含む。例えば、用語「合成物」または「少なくとも1つの合成物」は、それらの混合物を含む複数の合成物を含む可能性がある。
【0017】
本出願を通して、本開示の主題のさまざまな実施形態は、適用範囲フォーマットの中で提示され得る。適用範囲フォーマット内の説明は、単に便宜上、および簡潔にするためのものであることを理解されるべきであり、開示の主題の範囲上の柔軟性のない制限として解釈されてはならない。したがって、適用範囲の説明は、明確に開示される全ての可能な部分範囲、ならびにその適用範囲の中の個別的な数値を有すると考えられなければならない。
【0018】
明暸性のために、別の実施形態との関連で記載される、開示の主題の特定の特徴は、単一の実施形態の中に組み合わせて提供されてもよいことを理解されたい。これとは逆に、簡潔さのために、単一の実施形態との関連で記載される、開示の主題のさまざまな特徴は、さらに、別々に、もしくは何らかの適切な下位組合せで、または開示の主題の何らかの他の実施形態において適切であるように提供されてもよい。さまざまな実施形態との関連で記載される特定の特徴は、実施形態が、そうした要素がなければ動作不能になるのでない限り、そうした実施形態の必須の特徴と考えられるべきではない。
【0019】
次に、開示の主題のいくつかの例示的実施形態による、無線電力充電システムの設備の断面図を示す図1を参照する。無線電力充電システムは、送信器(Tx)100および少なくとも1つのリレー200を備えることができる。
【0020】
いくつかの例示的実施形態では、Tx100は、媒体10の一方の側に取り付けられることができ、他方で、リレー200は、媒体10の反対側に取り付けられることができる。媒体10は、例えば木、可塑性花崗岩、大理石、それらの組合せ等などの、電気を導通しないどのような材料で作られてもよい。本開示では、媒体10は、公共の場所でユーザが接近することができるテーブル、机、棒材等などの、表面を指していることに留意されよう。例えば:レストラン、コーヒーショップ、空港、バス発着所;駅、銀行、学校、図書館、ホテル、公用建築物等。
【0021】
いくつかの例示的実施形態では、Tx100は、送信器コイル(Lt)110、送信器コンデンサ(Ct)130、送信器フェライト(Tx-ferrite)119、および送信器電子回路(Tx-elec.)150を備え、全て、ファスナ102によって媒体10に固定され得る送信器エンクロージャ(Tx enclosure)101の内部に組み込まれている。
【0022】
いくつかの例示的実施形態では、リレー200は、リレーコイル(Lr)210、リレーフェライト219、およびリレーコンデンサ(Cr)230を備えることができ、全て、媒体10の反対側に固定され得るリレーエンクロージャ201の中に組み込まれている。エンクロージャ201は、マット、パッド、ソーサ、コースタ、それらの組合せ等の形状および形状因子を有していてもよい。リレー200のエンクロージャ201は、接着剤または何らかの他の方法で媒体10に固定されることができ、これは、リレー200およびTx100が、媒体10の両側から相互に重なることを保証する。リレー200およびTx100は、Lt110およびLr210が、図1に図示されるように、2つの間のインダクタンスを最適化するために、向かい合うように実質的に位置合わせされるべきであるように、相互に重なり合うことに留意されよう。
【0023】
いくつかの例示的実施形態では、Tx100は、電源(PS:power supply)160(図示せず)によって電力を供給されていて、リレー200上に置かれる誘導的(無線)充電デバイス20のためにリレー200を利用するように構成されることができる。デバイス20は、タブレット、ラップトップ、多機能電話、または何らかの充電可能な可搬式ハンドセットなどのユーザのデバイスであってもよく、誘導電力を受容して、デバイス20の電池を充電するように構成された組込みコイル22を備える。組込みコイル22は、上で列挙されたデバイスの標準的受信器のコイルを指し、典型的には、この標準的受信器のコイルは、およそ40ミリメートルの直径を有することに留意されたい。
【0024】
本開示の中の構成要素Lt110、Lr210/Lr310、およびコイル22の専門用語は、関連仮特許出願の第1のTxコイル、第2のTxコイル、およびRxコイルにそれぞれ対応していることに留意されたい。
【0025】
Lr210およびLt110と同様の、コイル22およびLr210は、有効な充電判定基準の1つを満たすために、実質的に相互に向かい合って重なることができる、すなわち、コイル22およびLr210の中心は、位置合せされることができる。位置合せを確実にするために、リレー200のエンクロージャ201は、有効な充電を得るように、リレー200の最上部上にデバイス20を配置するのに最適な場所をユーザに指示するレイアウトに印を付けられることができる。しかしながら、図1に図示されるように、デバイス20が、リレー200の最上部上に正確に配置されていない場合であっても、無線電力充電システムは、電力充電を提供するように適合されることができる。
【0026】
いくつかの例示的実施形態では、Lr210およびLt100は両方とも、100mmより大きい直径を有する平坦な螺旋空心コイルであってもよい。そのような大きいコイルを利用することで、媒体10の30ミリメートル以上の厚さにもかかわらず、Lr210とLt100との間の比較的高度な結合が可能になる。図1に描写される実施形態では、Lr210とLt100との間の結合係数は、0.25より大きくなり得る。典型的なコイル22とLr210との間の結合は、図1に描写される実施形態では、0.15より大きくなり得る。
【0027】
いくつかの例示的実施形態では、Tx100は、送信器フェライト(Tx-ferrite)119を備える。Tx-ferrite119は、透磁性及び磁心損失の適切な磁気的特性を備えたフェライト材でできた層であることができる。Tx-ferrite119を利用する1つの技術的理由は、Tx-electronics150を誘導エネルギーから防護するためのバッファを提供することである。Tx-ferrite119を利用する別の技術的理由は、リレー200に面する磁場、したがって、Lt110のインダクタンスを増大させるためであり得る。厚さ、可撓性、脆性、その組合せ等などのTx-ferrite119の特性は、本開示のシステムが提供される用途によって決められ得る。例えば、厚さおよび媒体10が作られている材料。Lt110が、円の形状を有する場合があるので、Tx-ferrite119の形状は、同様に、Lt110の外径以上の直径を有する円であり得る。あるいは、Lt110の外径が、幾何学的平面図形内の内接円であるのであれば、Tx-ferrite119は、何らかの幾何学的平面図形の形状を有する場合がある。
【0028】
いくつかの例示的実施形態では、リレー200は、リレーフェライト219を備えていてもよい。リレーフェライト219は、Tx-ferrite119と同様のフェライト材で作られた層であってもよい。リレーフェライト219を利用する1つの技術的理由は、デバイス20の電子回路構成を誘導エネルギーから防護するためのバッファを提供するためである。リレーフェライト219を利用する別の技術的理由は、Tx100に面する磁場、したがって、Lr210のインダクタンスを増大させるためであり得る。リレーフェライト219は、Tx-ferrite119の特性に類似した特性を持っている。Lr210が、円の形状を有する場合があるので、リレーフェライト219の形状は、同様に、Lr210の外径以上の直径を有する円であり得る。あるいは、Lr210の外径が、幾何学的平面図形内の内接円であるのであれば、リレーフェライト219は、何らかの幾何学的平面図形の形状を有する場合がある。
【0029】
リレーフェライト219は、中心に位置している切欠きを必要とすることに留意されたい。切欠きのサイズは、デバイス20のコイル22などの、充電可能なデバイスの典型的な受信器コイルの外径と等しくても、またはそれよりわずかに大きくてもよい。切欠きの形状は、Lr210とコイル22との間で磁束の通過を可能にするために、コイル22形状を取り囲む、円または何らかの幾何学的表面であってもよい。
【0030】
開示の主題のいくつかの例示的実施形態では、少なくとも1つの共振コンデンサ(Ct)130は、Lt110に直列で接続されることができ、少なくとも1つの共振コンデンサ(Cr)230は、Lr210に直列で接続されることができる。したがって、共振コンデンサは、それぞれのコイルの内径空間の中に置かれる。あるいは、したがって、共振コンデンサは、それぞれのコイルの外径空間の隣に、または関係するエンクロージャ内の他の場所に置かれることができる。
【0031】
本開示のリレーフェライト219は、市販の標準規格伝達コイルを用いてコイル22の挙動をよりよくシミュレートするために、コイル22およびLr210の結合係数を増大させ、さらに、本開示のシステムでは所望されない、Lt110からコイル22へのいくらかの直接結合を低減させる。さらに、Tx100およびリレー200両方の共振コンデンサは、システム動作点、コイル22装荷の依存度を安定させ、電力伝送の高効率を可能にすることを目的とする。いくつかの例示的実施形態では、Lt110およびCt130(すなわちTx100LC回路)の共振周波数は、コイル22などの典型的なコイルの共振周波数(およそ100kHz)よりかなり低く、Lr210およびCr230(すなわちリレー200LC回路)の共振周波数より大幅に低くなるように設定されることができる。
【0032】
いくつかの例示的実施形態では、Tx100とリレー200LC回路の組合せは、負荷が存在していないとき、2つの異なる共振周波数、以下ジョイント共振周波数(JRF:joint resonance frequencies)を形成することができる。JRFの第1の共振周波数は、Tx100LC回路の共振周波数に近接していてもよいが、いずれの場合でも、それより低い。JRFの第2の共振周波数は、リレー200LC回路の共振周波数に近接していてもよいが、いずれの場合でも、それより高い。「Tx100およびリレー200LC回路の組合せ」という語句は、本開示では、図1に描写されたような、Tx100およびリレー200が相互に向かい合っており、電力がTx100に加えられている状態を指していることに留意される必要がある。第2の共振周波数、すなわちより高い共振周波数は、本開示システムでは主共振周波数(MRF:main resonance frequency)としてみなされるべきであることにさらに留意される必要がある。
【0033】
Tx100LC回路およびリレー200LC回路の共振周波数は、JRFが、上にCoil22がない状態で、Tx100の所望される最大動作周波数より低い特定の範囲(標準的には20~50kHz)であるように調整され、コイル22共振周波数より高くなるような方法で設計される。
【0034】
一例として、Lt110のインダクタンスは、およそ30μHであってもよく、Ct130のキャパシタンスは、およそ54kHzのTx100LC回路の共振周波数を提供する、およそ290μFであってもよい。他方で、Lr210のインダクタンスは、およそ60μHであってもよく、Ct130のキャパシタンスは、およそ106kHzのリレー200LC回路の共振周波数を提供するおよそ37.5nFであってもよい。そのような好ましい例示的実施形態では、システムMRFは、117kHz(すなわちリレー200LC回路の共振周波数の106kHzより高い)であってもよく、その場合、据え付けられたリレー200とTx110との間の間隙は、およそ30ミリメートルであり得る。さらに、Lt110およびLr210の外径は、およそ125ミリメートルであってもよく、他方で、フェライト219の切欠き直径は、およそ55ミリメートルであってもよい。
【0035】
いくつかの例示的実施形態では、動作周波数(OPF:operating frequency)は、121kHz~140kHzの範囲であってもよく、範囲の低い方のOPFは、MRF、すなわち117kHzより4kHz高くなり得、最大周波数は、規制限度、すなわち145kHzより5kHz低くなり得る。あるいは、最大OPFは、MRFおよび規制最大周波数限度を下回って設定されてもよい。上記例のように類似のコイルを有する設備では、0.5”の媒体10の厚さを備えていて、MRFは、140kHzであってもよい。したがって、動作範囲は、115kHz~136kHzに設定されてもよく、最大周波数は、MRFより4kHz低く、規制限度より低い。
【0036】
本開示のシステムは、共振周波数での動作を回避することを理解されたい。本開示システムの好適なOPFは、主共振周波数(MRF)より低いまたは高い周波数にシフトされる周波数の範囲にあることができる。
【0037】
次に、開示の主題のいくつかの例示的実施形態による、別の無線電力充電システムの設備の断面図を示す図2を参照する。
【0038】
いくつかの例示的実施形態では、Tx100は、媒体10の一方の側に取り付けられることができ、他方で、リレー300は、表面10の反対側に取り付けられることができる。媒体10は、例えば木、可塑性花崗岩、大理石、それらの組合せ等などの、電気を導通しないどのような材料ででも作られることができる。本開示では、媒体10は、公共の場所でユーザが接近することができるテーブル、机、棒材等などの、表面を指していることに留意されよう。例えば:レストラン、コーヒーショップ、空港、バス発着所;駅、銀行、学校、図書館、ホテル、公用建築物等。
【0039】
いくつかの例示的実施形態では、Tx100は、送信器コイル(Lt)110、送信器コンデンサ(Ct)130、送信器フェライト(Tx-ferrite)119、および送信器電子回路(Tx-elec.)150を備え、全て、ファスナ102によって媒体10に固定され得る送信器エンクロージャ(Tx enclosure)101の内部に組み込まれている。
【0040】
いくつかの例示的実施形態では、リレー300は、リレーコイル(Lr)310、第2のリレーコイル(sLr)320、リレーフェライト319、第2のリレーフェライト329、およびリレーコンデンサ(Cr)330を備え、全て、媒体10の反対側に固定され得るリレーエンクロージャ301の中に組み込まれている。エンクロージャ301は、マット、パッド、ソーサ、コースタ、それらの組合せ等の形状および形状因子を有することができる。リレー300のエンクロージャ301は、リレー300およびTx100が、媒体10の両側から相互に重なることを保証する、接着剤または何らかの他の方法で媒体10に固定されることができる。リレー300およびTx100は、Lt110およびLr310が、図2に図示されるように、2つの間のインダクタンスを最適化するため向かい合うように実質的に位置合せされるべきであるように、相互に重なり合うことに留意されよう。
【0041】
いくつかの例示的実施形態では、Tx100は、電源(PS)160(図2には図示されず、図3に図示される)によって電力を供給されていて、リレー300上に置かれる誘導的(無線)充電デバイス20のためにリレー300を利用するように構成されてもよい。デバイス20は、タブレット、ラップトップ、多機能電話、または何らかの充電可能な可搬式ハンドセットなどのユーザのデバイスであってもよく、誘導電力を受容して、デバイス20の電池を充電するように構成された組込みコイル22を備える。
【0042】
開示の主題のいくつかの例示的実施形態では、リレー300は、Lr310と直列で電気的に接続されることができる二次リレーコイルsLr320をさらに含んでいてもよい。代わりに、Lr310は、2つのより平らな高さに位置している2つの部分に配置されることができ、内側コイル(すなわちsLr320)または代わりにLr310の部分は、Lt110に面するLr310の外側部分と比べて高くなっている。
【0043】
コイル22およびsLr320は、実質的に相互に向かい合って重なることができる、すなわちコイル22およびsLr320の中心は、有効な充電判定基準の一方を満たすために、位置合せされる。位置合せのために、リレー300のエンクロージャ301は、有効な充電を得るためにリレー300の最上部上にデバイス20を配置するのに最適な場所をユーザに指示するレイアウトに印を付けられてもよい。しかしながら、図2に図示されるように、デバイス20が、リレー300の最上部上に正確に配置されていない場合であっても、無線電力充電システムは、電力充電を提供するように適合され得る。
【0044】
いくつかの例示的実施形態では、Lr310およびLt100は両方とも、100mmより大きい直径を有する平坦な螺旋空心コイルであってもよく、一方で、sLr320は、同様に平坦な螺旋空心コイルを有していて、コイル22などの典型的な受信器コイルに適するより小さい直径を有していてもよい。そのような大きいコイルを利用することで、媒体10の30mm以上の厚さを克服するために、Lr310とLt100との間の比較的高度な結合が可能になる。図2に描写される実施形態では、Lr310とLt100との間の結合係数は、最大30ミリメートルの媒体厚さでは、0.25より大きくなり得る。典型的なコイル22とsLr320との間の結合は、図2に描写される実施形態では0.15より大きくなり得る。
【0045】
第2のリレーフェライト329が、磁場を遮断する(下文でさらに詳細に記述される)ので、sLr320は、Lt110によって直接影響を及ぼされることはあり得ないが、Lr310およびsLr320が、直列に接続されているので、Lr310に誘導される同じ電流が、sLr320を流れることに留意されたい。
【0046】
いくつかの例示的実施形態では、Tx100は、送信器フェライト(Tx-ferrite)119を備えていてもよい。Tx-ferrite119は、透磁性及び磁心損失の適切な磁気的な特性を備えたフェライト材でできた層であってもよい。Tx-ferrite119を利用する1つの技術的理由は、Tx-elec.150を誘導エネルギーから防護するためのバッファを提供するためであり得る。Tx-ferrite119を利用する別の技術的理由は、リレー300に面する磁場、したがって、Lt110のインダクタンスを増大させるためであり得る。厚さ、可撓性、脆性、その組合せ等などのTx-ferrite119特性は、本開示のシステムが提供され得る用途によって決められ得る。例えば、厚さおよび媒体10が作られる材料。Lt110が、円の形状を有する場合があるので、Tx-ferrite119の形状は、同様に、Lt110の外径以上の直径を有する円であり得る。あるいは、Lt110の外径が、幾何学的平面図形内の内接円であるのであれば、Tx-ferrite119は、何らかの幾何学的平面図形の形状を有する場合がある。
【0047】
いくつかの例示的実施形態では、リレー300は、リレーフェライト319を備えていてもよい。リレーフェライト319は、Tx-ferrite119に類似したフェライト材で作られた層であってもよい。リレーフェライト319を利用する1つの技術的理由は、デバイス20の電子回路構成を誘導エネルギーから防護するためのバッファを提供するためであり得る。リレーフェライト319を利用する別の技術的理由は、Tx100に面する磁場、したがって、Lr310のインダクタンスを増大させるためである。リレーフェライト319は、Tx-ferrite119の特性に類似した特性を持つことができる。Lr310が、円の形状を有する場合があるので、リレーフェライト319の形状は、同様に、Lr310の外径以上の直径を有する円であり得る。あるいは、Lr310の外径が、幾何学的平面図形内の内接円であるのであれば、リレーフェライト319は、何らかの幾何学的平面図形の形状を有することができる。
【0048】
リレーフェライト319は、中心に位置している切欠きを必要とし得ることに留意されたい。切欠きのサイズは、デバイス20のコイル22などの、充電可能なデバイスの典型的な受信器コイルの外径と等しくても、またはわずかに大きくてもよい。切欠きの形状は、Lr310とコイル22との間で磁束の通過を可能にするために、コイル22形状を取り囲む、円または何らかの幾何学的平面であってもよい。
【0049】
開示の主題のいくつかの例示的実施形態では、リレー300は、Lt110によってsLr320に誘導される磁場を遮断し、コイル22に向かうsLr320インダクタンスを強化するように構成された第2のリレーフェライト329をさらに備える。第2のリレーフェライト329は、Tx-ferrite119およびリレーフェライト319の特性に類似した特性を持っている。形状フェライト329は、リレーフェライト319の切欠き形状と等しくても、またはわずかに大きくてもよい。実際的には、リレーフェライト319の切欠きは、Lr310の内径の内部に、そして同じ平面に位置しているフェライト329として使用されることができ、一方でsLr320は、フェライト229の最上部上に位置していてもよい。
【0050】
開示の主題のいくつかの例示的実施形態では、少なくとも1つの共振コンデンサ(Ct)130は、Lt110に直列で接続されることができ、少なくとも1つの共振コンデンサ(Cr)330は、Lt310に直列で接続されてもよい。したがって、共振コンデンサは、それぞれのコイルの内径空間の内部に置かれてもよい。あるいは、したがって、共振コンデンサは、それぞれのコイルの外径空間の隣に、または関係するエンクロージャ内の他の場所に置かれることができる。
【0051】
本開示のリレーフェライト319は、市販の標準規格伝達コイルを用いてコイル22の挙動をよりよくシミュレートするために、コイル22およびLr310の結合係数を増大させ、さらに、本開示のシステムでは所望されない、Lt110からコイル22へのいくらかの直接結合を低減させる。さらに、Tx100およびリレー300両方の共振コンデンサは、システム動作点、コイル22装荷の依存度を安定させ、電力伝送の高効率を可能にすることを目的とする。いくつかの例示的実施形態では、Lt110およびCt130(すなわちTx100LC回路)の共振周波数は、典型的なコイル22の共振周波数(およそ100kHz)よりかなり低く、Lr310およびCr330(すなわちリレー300LC回路)の共振周波数より大幅に低くなるように設定されてもよい。
【0052】
いくつかの例示的実施形態では、Tx100とリレー300LC回路の組合せは、負荷が存在していないとき、2つの異なる共振周波数、以下共振周波数(JRF)を形成することができる。JRFの第1の共振周波数は、Tx100LC回路の共振周波数に近接している場合があるが、いずれの場合でも、それより低いようになる。JRFの第2の共振周波数は、リレー300LC回路の共振周波数に近接している場合があるが、それより高いようになる。「Tx100およびリレー300LC回路の組合せ」という語句は、本開示では、図2に描写されたような、Tx100およびリレー300が相互に向かい合っており、電力がTx100に加えられている状態を指していることに留意される必要がある。第2の共振周波数、すなわちより高い共振周波数は、本開示システムでは主共振周波数(MRF)としてみなされるべきであることにさらに留意される必要がある。
【0053】
Tx100LC回路およびリレー300LC回路の共振周波数は、JRFが、上にCoil22がない状態で、Tx100の所望される最大OPFより低い特定の範囲(標準的には20~50kHz)であるように調整され、コイル22共振周波数より高くなるような方法で設計される。
【0054】
1つの好適な例示的実施形態では、Lt110のインダクタンスは、およそ30μHであることができ、Ct130のキャパシタンスは、およそ54kHzのTx100LC回路の共振周波数を提供するおよそ290μFであることができる。他方で、Lr310のインダクタンスは、およそ60μHであることができ、Ct130のキャパシタンスは、およそ106kHzのリレー300LC回路の共振周波数を提供するおよそ37.5nFであることができる。そのような好適な例示的実施形態では、システムMRFは、117kHz(すなわちリレー300LC回路の共振周波数の106kHzより高い)であることができ、その場合、据え付けられたリレー300とTx110との間の間隙が、およそ30ミリメートルであることができる。さらに、Lt110およびLr310の外径は、およそ125ミリメートルであってもよく、他方で、Lr320の外径は、およそ55ミリメートルであってもよい。
【0055】
いくつかの例示的実施形態では、OPFは、121kHz~140kHzの間の範囲であり、範囲の低い方のOPFは、MRF、すなわち117kHzより4kHz高くなることができ、最大周波数は、規制限度、すなわち145kHzより5kHz低くなることができる。あるいは、最大OPFは、MRFおよび規制最大周波数限度を下回って設定されることができる。本明細書で上記した例のように類似したコイルを有する設備では、0.5”の媒体厚さを備えていて、MRFは、140kHzであることができる。したがって、動作範囲は、115kHz~136kHzに設定されることができ、最大周波数は、MRFより4kHz低く、規制限度より低い。
【0056】
次に、開示の主題のいくつかの例示的実施形態による、媒体を介した無線電力充電用のシステムのブロック線図を示す図3を参照する。媒体を介した無線電力充電用のシステムは、PS160、Tx100送信器、およびリレー200もしくはリレー300のどちらかを備える。
【0057】
いくつかの例示的実施形態では、システムは、図1および図2のデバイス20などの、ユーザの充電可能なデバイスにリレー200またはリレー300を介して充電するためにTx100を利用するように適合されることができる。リレー200およびリレー300の両方とも、充電エネルギーをデバイス20等に無線で送信するための中継器として作用する受動的な電子回路であることができる。リレー200は、図1に描写されるような、LC共振回路を形成する、少なくとも1つのコイル(誘導子)および1つのコンデンサを備えることができる。インダクタンスおよびデバイス20のコイル22との結合を強化するために、代替リレー、すなわちリレー300が、提供されることができる。リレー300は、図2に描写される回路などのLC共振回路を形成する、少なくとも2つのコイルおよび1つのコンデンサを備える。
【0058】
いくつかの例示的実施形態では、Tx100は、図1および図2にそれぞれ描写されるように、リレー200またはリレー300のどちらかのコイルに電流を誘導するために構成される送信器電子回路(Txelect)150、少なくとも1つのLx110コイル、およびコンデンサCt130を備えることができる。
【0059】
いくつかの例示的実施形態では、Tx-elect150は、コントローラ151、フルまたはハーフブリッジドライバ152、直流電流センサ153、直流電圧センサ154、および交流電流センサ155を備える。
【0060】
コントローラ151は、中央処理ユニット(CPU:central processing unit)、マイクロプロセッサ、電子回路、集積回路(IC:integrated circuit)等であることができる。さらにまたは代替的に、コントローラ151は、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)またはマイクロコントローラなどの特定のプロセッサ用に書き込まれた、または移植されたファームウェアとして実装されることができる、または、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)または特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)などのハードウェアまたは設定可能ハードウェアとして実装されることができる。コントローラ151は、Tx110、またはその下位構成要素のいずれかによって要求される計算を行うために利用されることができる。
【0061】
開示の主題のいくつかの例示的実施形態では、コントローラ151は、以下のパラメータを決定するように構成される:
a. 直流電圧センサ154の結果を取得するおよび測定することによって、PS160にわたる直流電圧。
b. 直流電流センサ153の結果を取得するおよび測定することによって、PS160によって供給される直流電流。
c. 交流電流センサ155の結果を取得するおよび測定することによって、Lt110に供給される交流電流。あるいは、出力交流電流は、直流電流センサ153を用いて電源からドライバに流れる瞬時電流を感知することによって決定されることができる。
【0062】
交流電流用のパラメータを決定することは、ピーク電流、絶対電流の平均値、RMS電流、基本振動の振幅、およびそれらの何らかの組合せ等を含むことができることに留意されたい。
【0063】
いくつかの例示的実施形態では、コントローラ151は、半導体メモリ構成要素(図示せず)を備える。メモリは、例えば、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM:random-access memory)、プログラマブル読出し専用メモリ(PROM:programable read only memory)、リプログラマブルメモリ(FLASH)、およびそれらの何らかの組合せ等などの、永続的または揮発性メモリであってもよい。
【0064】
いくつかの例示的実施形態では、メモリは、フルまたはハーフブリッジドライバ152を制御するパルス幅変調(PWM:pulse width modulation)信号を決定することに関連付けられた作用を行うためにコントローラ151を起動するプログラムコードを保持する。ドライバ152は、Lt110を通って流れる電流のOPFおよび/またはデューティサイクルを調節することによって、Lt110を通って流れる出力電流、すなわちTx100によって提供された電力を調整することができる。いくつかの例示的実施形態では、コントローラ151で生成されるPWM信号は、デバイス20などの電子機器を無線充電する必要性を満たすために、変調を調整する。代替実施形態では、直流電源の振幅が、制御されてもよい。
【0065】
PWM信号周波数およびデューティサイクルは、前述したように、OPF範囲の中でコントローラ151によって設定されることができることに留意されたい。さらに、コントローラ151は、デバイス20の電力要求に基づいて、OPF範囲の中でOPFを変更することができる。
【0066】
いくつかの例示的実施形態では、コントローラ151は、接続性ソフトウェア、モニター情報、構成および制御情報、および本開示システムの充電管理に関連付けられる適用を保持するためにメモリを利用することができる。
【0067】
いくつかの例示的実施形態では、コントローラ151は、以下の通信規格、パワーマターズアライアンス(PMA:power matters alliance);無線パワーコンソーシアム(WPC:wireless power consortium)、およびAirFuel Allianceに従うプロトコルに基づいて、デバイス20と通信するように構成されることができる。これらの通信方式によれば、これらに限定するわけではないが、コントローラ151は、充電サービスを許可して、調整することに関してユーザを認証するために、デバイス20からユーザの証明書を得るように構成されることができる。さらにまたは代替的に、コントローラ151は、デバイス20から所要電力を得るようにさらに構成されることができる。
【0068】
以下記述される解決策/手順は、同じ日付に本明細書に開示される主題の出願人によって提出された同時係属出願の中で開示された較正方法を利用してもよいことにさらに留意されよう。同時係属出願は、参考文献としてその全体が援用されている。いくつかの例示的実施形態では、較正方法は、Tx100とリレーとの間の結合係数(k)、Tx100のJRF、MRF、OPF、OPF範囲、デジタルピング、およびそれらの何らかの組合せ等を決定することをさらにもたらすことができる。いくつかの例示的実施形態では、結合係数(k)は、所定の値である。
【0069】
開示の主題によって取り組まれる1つの技術的問題は、電磁界の部分を吸収して、熱くなることによって、効率損失、および安全上の問題が起こり得る原因となる可能性のある不所望の金属物体(異物)である。典型的には、硬貨、紙用クリップ、または携帯電話ケースに取り付けられる金属物体などの不所望の金属物体が、ユーザのデバイス(例えば装置20)と送信器(例えばリレー200またはリレー300)との間、もしくは近くに位置している場合があり、磁場に影響を与え得る。
【0070】
当技術における従来式のやり方は、今日では、システムの電力損失を検出することが求められ、異物によって引き起こされる可能性がある、電力損失が所定の閾値を超える場合、システムは、電力伝送をシャットダウンする。1つの技術的な解決策は、起こり得る影響を防止することができる異物検出(FOD:foreign objects detection)のための方法を本明細書に開示されるシステムに加えて、より安全な設計をユーザに提供することである。
【0071】
しかしながら、本開示のシステムアーキテクチャは、Tx100とリレー200/300との間で送信機能性を分割することを特徴としており、2つの間にガルバーニ電気接続を有していない。そのうえ、電力損失は、未知の厚みおよび材料特性を有する媒体10に引き起こされる可能性がある。したがって、ガルバーニ電気接続の欠如およびTx100とリレー200/300との間にある未知の媒体は、本開示が解決する別の技術的問題を有する。
【0072】
1つの技術的な解決策は、リレー200またはリレー300のどちらかからデバイス20などのユーザの装置に実際に送給された電力を、コントローラ151を用いて決定し、それをデバイス20によって報告された消費された電力値と比較するための方法に基づく。差が既定の閾値を超えている場合、コントローラ151は、異物が存在しており、問題を軽減させるために、測定を始動するという結論を下す。
【0073】
FOD方法の説明を簡素化するために、リレー200およびリレー300は、「リレー」と呼ばれる場合があり、さらに、コイルLr210およびLr310は、「Lr」と呼ばれる場合がある。以下の方法は、リレー200およびリレー300の両方、およびそれらの関係する下位構成要素に適用されることに留意される必要がある。
【0074】
次に、開示の主題のいくつかの例示的実施形態による、異物検出のための方法の流れ図を示す図4を参照する。
【0075】
段階401では、電源PS160(ピン)から消費された電力が決定され、Tx100の電力喪失(Ploss)が、決定され得る。いくつかの例示的実施形態では、Plossは、Tx100測定値の交流電流、およびコントローラ151の中に保持されている所定の寄生的抵抗パラメータを計算することで導出されることができる。Iacは、コントローラ151によって測定されて、計算されたパラメータに基づいて決定されることができる。
【0076】
1つの例示的実施形態では、Pinは、以下の式によって与えられ得る。
ハーフブリッジを有するドライバ152では:
【数1】
フルブリッジを有するドライバ152では:
【数2】
上式では、
Dは、デューティサイクルを示す。
fは、動作周波数を示す。
Vinは、ドライバ152への入力電圧を示す。
I(t)は、経時的に測定された交流電流を示す。
【0077】
別の例示的実施形態では、Pinの決定は、正弦波状形状に近い電流がLt100に流れていると仮定する計算に基づいていてもよい。したがって、システムに流れる電流の周波数応答は、大部分は基本振動から成っていることができ、以下のように概算され得る:
【数3】
【数4】
上式では、Iは、基本振動の電流振幅である。
したがって、入力電力(ピン)は、以下の通りに表され得る。:
【数5】
【0078】
上記式によってPinを決定するために、交流電流のピークのおよび位相は、好ましくは交流電流信号全体を試料採取せずに、コントローラ151によって測定されることができる。いくつかの例示的実施形態では、交流電流は、駆動サイクルの間に少なくとも2回、少なくとも2つの試料の間に一定の時間間隔T1を有しながら、センサ155によって試料採取されることができ、試料採取は、駆動サイクルごとに繰り返され得る。駆動サイクルは、コントローラ151のPWM信号によって発生される興奮波周波数(w)の単一期間であり得ることに留意される必要がある。その結果、各駆動サイクルの、離散(T1)間隔で離間された複数の対の測定値が、取得されることができる。いくつかの例示的実施形態では、各駆動サイクル開始時刻と第1の試料(T2)との間の時間は、一定であることができる。試料は、(Sx、y)と表わされてもよく、xは、1対の試料数を示し、yは、対数を示す。
したがって、以下の関係が、確立され得る:
【数6】
【数7】
【数8】
【数9】
【数10】
Nは、ノイズ機能を示す。
ノイズ影響を低減させるために、多重的試料全体の平均化を行うことができる。
【数11】
したがって、上で描写された式によってPinを計算するのに必要な最後の引数は、以下の式によって与えられることができる:
【数12】
【数13】
結果的に、Tx100のPlossは、以下の式から取得することができる。
【数14】
上式で、IRMSは、Tx100のRMS電流であり得る。
RMSは、フル交流電流曲線I(t)に基づいて、
【数15】
として決定されることができる。
あるいは、第1の高調波電流振幅Iに基づく、
【数16】
【0079】
さらに別の例示的実施形態では、Pinを決定することは、他の調波の測定値を考慮に入れる計算に基づくことができ、したがって、高調波に起因する電力損失に取り組むことができる。そのような実施形態では、交流電流は、試料Sを生成するために、高速で試料採取されることができ、Tは、試料間の間隔であり、Tは、駆動サイクル位相0から第1の試料までの間隔である。
【0080】
段階402では、リレー上で消耗される電力損失(Pr)が、決定され得る。いくつかの例示的実施形態では、リレー上で、その寄生的な抵抗に起因して消耗される電力は、測定された直流電圧および/または交流電流、解析、シミュレーション、経験的測定値、およびそれらの何らかの組合せ等に基づいた関数を用いて決定されることができる。さらにまたは代替的に、関数は、Lr、Lt110、Tx100の他の構成要素の特性、動作周波数、Tx100とリレーとの間の距離によって決まる場合もある。
【0081】
いくつかの例示的実施形態では、リレー上で消耗されるPrは、以下の数式を用いて与えられることができる。
【数17】
上式では、
は、LrおよびCr230の周知の抵抗を示す。
は、Lt110のインダクタンスを示す。
は、Lrのインダクタンスを示す。
【数18】
は、Tx 100 LC回路の共振周波数を示す。
fは、動作周波数を示す。
【数19】
は、リレーLC回路の共振周波数を示す。
RMSは、交流電流のRMSを示す。
【0082】
他の例示的実施形態では、上記式は、LrおよびLt110の周知の特性と、基本振動の複合交流電流(振幅および位相)測定値とを用いて動的に計算されることができる。
Lrコイル反射インピーダンスは、以下によって与えられ得る:
【数20】
Lr絶対電流(第1の調波寄与だけを仮定する)は、以下の通りであり得る:
【数21】
上式では、wは、ドライブの角振動数である。
したがって、Lr電力損失Prは、以下の通りである:
【数22】
kは、結合係数である。
【0083】
さらに別の例示的実施形態では、上記式は、LrおよびLt110の周知の特性と、他の調波の複合交流電流(振幅および位相)測定値とを用いて動的に計算されることができる。多重的調波計算が行われるそのような実施形態では、調波当たりの電力が計算され、次いで、すべての調波からの電力が合計されて、リレー上の全出力損失Prを決定する。
【0084】
段階403では、デバイス20などのユーザのデバイスに送給された実際の電力が、決定されることができる。いくつかの例示的実施形態では、コントローラ151は、PMA、WPC、AirFuel、または同種のものなどの通信プロトコルを利用して、デバイス20から取得された電力の値を取得することができる。
【0085】
段階404では、異物存在が、検出され得る。いくつかの例示的実施形態では、Tx100電力損失(Ploss)にリレー(リレー200またはリレー300)電力損失(Pr)を加えた合計が、デバイス20に送給された実際の電力に対応する所定の電力損失閾値を超える場合、FODの結論が、提供され得る。いくつかの例示的実施形態では、Tx100は、電力伝送を中止することができる。
【0086】
上で詳述された構成要素は、例えばコントローラ151によって、または別のプロセッサによって実行される、相互関係のあるコンピュータ命令の1つまたは複数のセットとして実施されることができる。構成要素は、何らかのプログラミング言語で、そして何らかのコンピューティング環境下でプログラムされる、1つまたは複数の実行可能ファイル、ダイナミックライブラリ、スタティックライブラリ、方法、関数、サービス等として配置される。
【0087】
本開示の主題は、システム、方法、および/またはコンピュータプログラム製品であってもよい。コンピュータプログラム製品は、プロセッサに本開示の主題の態様を遂行させるためのコンピュータ可読プログラム命令をそこに有するコンピュータ可読記憶媒体(または複数の媒体)を含むことができる。
【0088】
コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行デバイスによって使用される命令を保持および記憶することができる有形のデバイスであることができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、これらに限定するわけではないが、電子記憶デバイス、磁気記憶デバイス、光学記憶デバイス、電磁記憶デバイス、半導体記憶デバイス、または前述のものの何らかの適切な組合せであってもよい。コンピュータ可読記憶媒体のさらなる特定の例の網羅的ではない一覧は、以下を含む:可搬式コンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM:read-only memory)、消去可能なプログラマブル読取り専用メモリ(EPROM:erasable programmable read-only memoryまたはフラッシュメモリ)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM:static random access memory)、可搬式コンパクトディスクによる読み取り専用メモリ(CD-ROM:compact disc read-only memory)、デジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disk)、メモリスティック、フロッピディスク、穿孔カードまたはそこに記録される命令を有する溝の中の隆起構造物などの、機械的に符号化されたデバイス、および前述のものの何らかの適切な組合せ。本明細書で用いられるコンピュータ可読記憶媒体は、電波、または他の自由伝播電磁波、導波管または他の伝送媒体を通る電磁波(例えば、光ファイバケーブルを通る光パルス)、またはワイヤを通って送信される電気信号などの、それ自体で一時的信号であると解釈されるべきではない。
【0089】
本明細書において記述されるコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ可読記憶媒体からそれぞれの計算/処理デバイスに、またはネットワーク、例えばインターネット、ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、および/または無線ネットワークを介して外部コンピュータもしくは外部記憶デバイスにダウンロードされることができる。ネットワークは、銅製伝送ケーブル、光学伝送ファイバ、無線通信等、ルータ、ファイアウォール、スイッチ、ゲートウェイコンピュータ、および/またはエッジサーバを含むことができる。それぞれの計算/処理デバイスの中のネットワークアダプタカードまたはネットワークインターフェースは、ネットワークからコンピュータ可読プログラム命令を受信し、それぞれの計算/処理デバイスの中のコンピュータ可読記憶媒体内の記憶装置にコンピュータ可読プログラム命令を転送する。
【0090】
本開示の主題の動作を遂行するためのコンピュータ可読プログラム命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA:instruction-set-architecture)命令、機械命令、機械依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、C++等などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語もしくは類似のプログラミング言語などの従来型の手続きプログラミング言語を含む1つまたは複数のプログラミング言語の何れかを組み合わせて書き込まれたソースコードもしくはオブジェクトコードのどちらかであってもよい。コンピュータ可読プログラム命令は、完全にユーザのコンピュータ上で、独立型ソフトウェアパッケージとして、一部分をユーザのコンピュータ上で、一部分をユーザのコンピュータ上、そして一部分を遠隔コンピュータ上で、または完全に遠隔コンピュータもしくはサーバ上で実行してもよい。後者のシナリオでは、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)もしくは広域ネットワーク(WAN:wide area network)を含むどんな種類のネットワークを通してでも、ユーザのコンピュータに接続され得る、または外部コンピュータへの接続が、(例えばインターネットサービスプロバイダーを使用してインターネットを通して)作られてもよい。いくつかの実施形態では、例えばプログラマブルロジック回路構成、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)またはプログラマブルロジックアレイ(PLA:programmable logic arrays)を含む電子回路構成は、本開示の主題の態様を行うために、コンピュータ可読プログラム命令の状態情報を利用して、電子回路構成を個人化することによって、コンピュータ可読プログラム命令を実行することができる。
【0091】
本開示の主題の態様は、本明細書において、開示の主題の実施形態による、方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品の流れ図説明および/またはブロック線図を参照しながら記載される。流れ図説明および/またはブロック線図のそれぞれのブロック、および流れ図説明、および/またはブロック線図の中のブロックの組み合わせは、コンピュータ可読プログラム命令によって実施されることができることを理解されたい。
【0092】
これらのコンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを利用して行われる命令が、流れ図および/またはブロック線図の1つまたは複数のブロックの中に明記された機能/作用を実施するための手段を作成するように、機械を作り出すために、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されることができる。これらのコンピュータ可読プログラム命令は、その中に記憶された命令を有するコンピュータ可読記憶媒体が、流れ図および/またはブロック線図の1つまたは複数のブロックに明記された機能/作用の態様を実施する命令を含む製品を備えるように、コンピュータ、プログラマブルデータ処理装置、および/または他のデバイスに特定の様式で機能するように指示することができるコンピュータ可読記憶媒体の中にさらに記憶されていてもよい。
【0093】
コンピュータ可読プログラム命令は、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で実行する命令が、流れ図および/またはブロック線図の1つまたは複数のブロックの中に明記された機能/作用を実施するように、一連の動作段階を、コンピュータ、他のプログラマブル装置、または他のデバイス上で行わせて、コンピュータ実施プロセスを生成するために、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他のデバイス上にさらにロードされてもよい。
【0094】
図中の流れ図およびブロック線図は、本開示の主題のさまざまな実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能性、および動作を図示する。この点に関して、流れ図またはブロック線図の中のそれぞれのブロックは、明記された論理機能を実施するための1つまたは複数の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、または命令の一部を表すことができる。いくつかの代替的実装では、ブロックの中に書き留められた機能は、図中に書き留められた順序とは異なる順序で発生してもよい。例えば、連続して示される2つのブロックは、実際には、実質的に同時発生的に実行されてもよく、またはブロックは、関係している機能性によっては、逆順で実行されることもあり得る。ブロック図、および/または流れ図説明のそれぞれのブロック、およびブロック図および/または流れ図説明の中のブロックの組み合わせは、明記される機能または作用を行う、または特殊目的ハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせを遂行する特殊目的ハードウェアベースシステムによって実施されることができることにさらに留意されよう。
【0095】
本明細書において使用される専門用語は、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、開示の主題を制限することを目的としていない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、コンテクストが特に明確に指示しない限り、さらに複数形も含むように意図されている。用語「備える」および/または「備えること」は、本仕様で使用されるとき、表示された特徴、整数、段階、動作、要素、および/または構成要素の存在を明記するものであるが、1つまたは複数の他の特徴、整数、段階、動作、要素、構成要素、および/またはその群の存在または追加を排除していないことをさらに理解されたい。
【0096】
下記の特許請求の範囲の中の対応する構造物、材料、作用、および全ての手段または段階プラス機能素子の等価物は、明確に請求されるように、他の請求される要素と組み合わせて機能を行うためのどのような構造、材料、または作用でも含むように意図されている。本開示の主題の記載は、図解および説明のために提示されてきたが、網羅的であるようには、または開示された形態の開示の主題に限定されるようには意図されていない。開示の主題の範囲および精神から逸脱することのない、多くの修正および変更が、当業者には明らかとなろう。実施形態は、開示の主題の原理および実際の適用を最もうまく説明するために、そして、他の当業者が、想定される特定の用途に適しているようにさまざまな変更を加えたさまざまな実施形態に関する開示の主題を理解することを可能にするために、選択されて記載された。
図1
図2
図3
図4