(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-11
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】画像獲得ワークフローを最適化するためのデバイス、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
G16H 30/40 20180101AFI20230512BHJP
【FI】
G16H30/40
(21)【出願番号】P 2020503898
(86)(22)【出願日】2018-07-25
(86)【国際出願番号】 EP2018070231
(87)【国際公開番号】W WO2019020717
(87)【国際公開日】2019-01-31
【審査請求日】2021-07-20
(32)【優先日】2017-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(73)【特許権者】
【識別番号】311005921
【氏名又は名称】ザ ユニヴァーシティー オブ シカゴ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】セブンスター メルライン
(72)【発明者】
【氏名】シャーデヴァルト ニコル
(72)【発明者】
【氏名】ターマセービ アミール モハマド
(72)【発明者】
【氏名】チャン パウル ヨセフ
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-011829(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークフローサーバーにおいて、
実施された以前の画像獲得手法に関連したデータを受信するステップであって、前記画像獲得手法が、それぞれの画像オーダーを含み、前記画像オーダーが、それぞれのコンテキストを含み、前記画像獲得手法の各々が、画像を捕捉するために少なくとも1つのシーケンス
において規定
された設定を使用
し、前記画像獲得手法に関連したデータが、前記画像獲得手法において画像を捕捉するために使用された前記少なくとも1つのシーケンスの情報を含む、受信するステップと、
前記コンテキストのうちの第1のコンテキスト
に対する前記少なくとも1つのシーケンスのうちの第1のシーケンスの使用
の優先度又は必要性を示す少なくとも1つの尺度を決定するステップと、
前記少なくとも1つの尺度
が示す優先度又は必要性に基づいて
、前記第1のコンテキストを含む後続の画像獲得手法に対して前記第1のシーケンスを含めるか除外するかを表すルールを生成するステップと、を有
し、
前記少なくとも1つの尺度が、前記第1のシーケンスが使用される前記第1のコンテキストに対する前記以前の獲得手法における画像捕捉のパーセンテージ、前記画像捕捉が使用される前記第1のコンテキストに対する前記以前の獲得手法における解釈のパーセンテージ、又はそれらの組合せを含む、方法。
【請求項2】
前記
画像獲得手法に関連したデータが、少なくとも1つの電子医療記録(EMR)、画像オーダーの理由を包含した画像オーダー情報
、又はそれらの組合せを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記優先度は、前記第1のシーケンスが、前記第1のコンテキストに対して必須であるか、前記第1のコンテキストに対して提案対象であるか、又は前記第1のコンテキストに対して省略対象であるかである、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のコンテキストが、前記第1のシーケンスを含む第1のプロトコル、第1の画像獲得手法に対応した第1の画像オーダー、前記第1の画像オーダーに対する第1の理由、前記第1の画像獲得手法を受けた少なくとも1人の患者の臨床プロファイル、又はそれらの組合せに基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
さらなるルールに対する手動入力を受信するステップをさらに有し、前記さらなるルールが、ユーザーにより修正されたルール、ユーザーにより生成されたルール、安全ルール、コンプライアンスルール、又はそれらの組合せのうちの1つである、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記後続の画像獲得手法に対応した後続の画像オーダーを受信するステップであって、前記後続の画像オーダーが、後続のコンテキストを含む、ステップと、
前記後続のコンテキストが前記第1のコンテキストに対応しているか否かを判定するステップと、
前記後続のコンテキストが前記第1のコンテキストに対応している場合、前記ルールに基づいて前記第1のシーケンスを前記後続の画像獲得手法に含めるか除外するかの標示を決定するステップと、
をさらに有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記後続の画像獲得手法における前記第1のシーケンスに対する前記標示に対応した推奨案を生成するステップと、
前記後続の画像獲得手法において使用されるシーケンスを選択するユーザーデバイスに前記推奨案を送信するステップと、
をさらに有する、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記後続の画像獲得手法における前記第1のシーケンスに対する前記標示を自動的に実施することをさらに有する、
請求項
6に記載の方法。
【請求項9】
前記画像獲得手法が、X線手法、コンピュータ断層撮影(CT)手法、磁気共鳴イメージング(MRI)手法、超音波手法、陽電子放射断層撮影(PET)スキャン手法、単光子放射型コンピュータ断層撮影(SPECT)スキャン手法、又はそれらの組合せを使用して実施される画像捕捉動作に対応する、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
通信ネットワークを介して通信する送受信器であって、前記送受信器が、実施された以前の画像獲得手法に関連したデータを受信し、前記画像獲得手法が、それぞれの画像オーダーを含み、前記画像オーダーが、それぞれのコンテキストを含み、前記画像獲得手法の各々が、画像を捕捉するために少なくとも1つのシーケンス
において規定
された設定を使用
し、前記画像獲得手法に関連したデータが、前記画像獲得手法において画像を捕捉するために使用された前記少なくとも1つのシーケンスの情報を含む、送受信器と、
実行可能プログラムを記憶するメモリと、
プロセッサであって、
前記コンテキストのうちの第1のコンテキスト
に対する前記少なくとも1つのシーケンスのうちの第1のシーケンスの使用
の優先度又は必要性を示す少なくとも1つの尺度を決定することと、
前記少なくとも1つの尺度
が示す優先度又は必要性に基づいて前記第1のコンテキストを含む後続の画像獲得手法に対して前記第1のシーケンスが選択されるか否かを表すルールを生成することと、
を含む動作を前記プロセッサに実施させる前記実行可能プログラムを実行する、プロセッサと、を備え、
前記少なくとも1つの尺度が、前記第1のシーケンスが使用される前記第1のコンテキストに対する前記以前の獲得手法における画像捕捉のパーセンテージ、前記画像捕捉が使用される前記第1のコンテキストに対する前記以前の獲得手法における解釈のパーセンテージ、又はそれらの組合せを含む、ワークフローサーバー。
【請求項11】
前記優先度は、前記第1のシーケンスが、前記第1のコンテキストに対して必須であるか、前記第1のコンテキストに対して提案対象であるか、又は、前記第1のコンテキストに対して省略対象であるかである、
請求項
10に記載のワークフローサーバー。
【請求項12】
前記第1のコンテキストが、前記第1のシーケンスを含む第1のプロトコル、第1の画像獲得手法に対応した第1の画像オーダー、前記第1の画像オーダーに対する第1の理由、前記第1の画像獲得手法を受けた少なくとも1人の患者の臨床プロファイル、又はそれらの組合せに基づく、
請求項
10に記載のワークフローサーバー。
【請求項13】
前記送受信器が、さらなるルールに対する手動入力をさらに受信し、前記さらなるルールが、ユーザーにより修正されたルール、ユーザーにより生成されたルール、安全ルール、コンプライアンスルール、又はそれらの組合せのうちの1つである、
請求項
10に記載のワークフローサーバー。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001] 医師は、様々な異なる手法を使用し、適切な処置の追求のために実施される様々な異なる試験を推奨して、患者に健康管理サービスを提供する。例えば、医師は、患者の体における対象エリアのさらなる検査が必要とされることを推奨する。したがって、医師は、患者が例えばコンピュータ断層撮影(CT)スキャン、磁気共鳴(MR)スキャンなどの画像獲得手法を予定に入れることを推奨する。画像獲得手法は別の者(例えば画像解釈者、及び医師ではない者)により実施されるので、処置工程は、後続の決定が行われるために画像獲得手法の結果が医師に到達することを待つ。医師は、画像獲得手法において適切な操作を実施する画像解釈者に画像オーダーを提供する照会医師(referring physician)である。
【0002】
[0002] 画像獲得手法を実施する過程で、画像解釈者は、様々な異なる手法を使用し、様々な異なるアプローチを使用して患者の所望のエリアの画像を捕捉する。当業者が理解するように、画像獲得手法は複数のシーケンスを含み、各シーケンスが異なる設定のもとで所望のエリアの解剖学的構造を調査する。例えば、設定は、コントラストの使用、スライス厚、(MRスキャンのための)パルスシーケンスなどを含む。設定は、例えば繰り返し期間、反転期間、フリップ角などのモダリティパラメータの異なる組合せにおいても使用される。したがって、特定のシーケンスが画像を捕捉することにおいて特性の固有な集合を含む場合に使用される多数の異なるシーケンスが存在する。
【0003】
適切な獲得を管理するために、選択シーケンスは、プロトコル又は検査カード(以下まとめて「プロトコル」と呼ばれる)にひとまとめにされる。プロトコルは、照会医師から受信された画像オーダーに基づいて画像解釈者により選択され、画像オーダーは画像獲得手法の結果に含まれる期待及び必要性を含む。したがって、画像オーダーは、使用される1つ又は複数のプロトコルを決定するために画像解釈者により使用され、各プロトコルが1つ又は複数のシーケンスを含む。特に、各プロトコルは、画像獲得手法に対してプロトコルが使用される条件を指定する関連するインジケーターを含む。
【0004】
画像獲得手法に対して選択されたプロトコルは、例えば、画像解釈者に対して、画像獲得手法が実施される機関に対して、領域に対してなど特有である。プロトコルは、さらに経時的に進化する。適切に管理されている場合、新しいプロトコルが追加されるとともに、古いプロトコルが除去される。例えば、利用可能プロトコルの集合は、新しいガイドライン、新規な刊行物、最近の研究などに基づいて変化する。さらに、適切に管理されている場合、各プロトコルにおける各シーケンスは、また、同様の手法で修正される。例えば、プロトコルは、複数のシーケンスを含むが、例えば、既存のシーケンスを変えるように、新しいシーケンスを追加するように、古いシーケンスを除去するようになど修正される。したがって、特に、現代の実務に合わせて時代に付いて行くために、ますます多くのシーケンスがプロトコルに追加される場合、使用されるプロトコルが雑然としたものになるおそれがある。
【0005】
使用される1つ又は複数のプロトコル、及び、プロトコルの各々における1つ又は複数のシーケンスの観点から、シーケンスを使用した画像の獲得は、大幅な時間を消費する。この時間は、患者、技術者、及び画像解釈者に影響を与え、使用されるモダリティ又は機器を占有する。したがって、プロトコルを適切に管理しなければ、患者がさらなる造影及び不必要な画像捕捉を不必要に受けることになる。追加的なシーケンスは、解釈中に画像解釈者の邪魔になる。実際、不正確なプロトコル(及び関連するシーケンス)を含む画像オーダーに対して実施される検査が、推定で5%から10%存在する。不正確なプロトコルが使用された場合、対応するシーケンスを使用して捕捉された画像が画像解釈者により使用すらされず、読み取られもしないことになる。これは、画像獲得手法に対して使用される時間に不必要なオーバーヘッドをもたらし、この時間の使用に対して何の価値も与えない。
【0006】
不適切なプロトコルが使用されているか否かにかかわらず、プロトコルにおいてシーケンスの数を減らすことにより恩恵を受ける可能性のある検査が非常に多いという推定さえも存在する。プロトコルにおけるシーケンスの適切な管理がなければ、不必要なシーケンスを使用して捕捉された無関係な画像が画像獲得手法の結果をさらに雑然とさせ、このことが最終的に効率及びスループットを下げる。無関係な画像が多い場合、画像解釈者が解釈を実施することが妨げられる。実際、経験不足の人は、これらの無関係な画像を考察することにさらなる時間を浪費する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、医療目的に役立つ適切なシーケンスを使用して獲得された画像のみが画像獲得手法において獲得されることが必須である。関連性及び医療目的の特定は、様々な異なる因子(例えば、患者の病歴、検査の理由、臨床的な疑問点、最近の検査結果、以前に受けたシーケンスなど)に依存した複雑な判断である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
例示的な実施形態は、ワークフローサーバーにおいて、実施された以前の画像獲得手法に関連したデータを受信することであって、画像獲得手法が、それぞれの画像オーダーを含み、画像オーダーが、それぞれのコンテキストを含み、画像獲得手法の各々が、画像を捕捉するために少なくとも1つのシーケンス規定設定を使用している、受信することと、コンテキストのうちの第1のコンテキストのための少なくとも1つのシーケンスのうちの第1のシーケンスの使用に関連した少なくとも1つの尺度を決定することと、少なくとも1つの尺度に基づいて第1のコンテキストを含む後続の画像獲得手法に対して第1のシーケンスを含めるか除外するかを表すルールを生成することとを有する方法に関する。
【0009】
例示的な実施形態は、通信ネットワークを介して通信する送受信器であって、送受信器が、実施された以前の画像獲得手法に関連したデータを受信するように構成され、画像獲得手法が、それぞれの画像オーダーを含み、画像オーダーが、それぞれのコンテキストを含み、画像獲得手法の各々が、画像を捕捉するために少なくとも1つのシーケンス規定設定を使用している、送受信器と、実行可能プログラムを記憶するメモリと、プロセッサであって、コンテキストのうちの第1のコンテキストのための少なくとも1つのシーケンスのうちの第1のシーケンスの使用に関連した少なくとも1つの尺度を決定することと、少なくとも1つの尺度に基づいて第1のコンテキストを含む後続の画像獲得手法に対して第1のシーケンスが選択されるか否かを表すルールを生成することとを含む動作をプロセッサに実施させる実行可能プログラムを実行する、プロセッサとを備えるワークフローサーバーに関する。
【0010】
例示的な実施形態は、ワークフローサーバーにおいて、患者に実施させる画像獲得手法を含むように照会医師から画像オーダーを受信することであって、画像オーダーが、関連するコンテキストを含む、受信することと、関連するコンテキストが、実施された以前の画像獲得手法の以前のコンテキストに対応するか否かを判定することと、関連するコンテキストが以前のコンテキストに対応している場合、以前のコンテキストに関連した少なくとも1つのルールを特定することであって、少なくとも1つのルールが、画像獲得手法に対してそれぞれのシーケンスを含めるか除外するかを示し、少なくとも1つのルールの各々が、以前のコンテキストに対するそれぞれのシーケンスの使用に関連した少なくとも1つの尺度に基づく、少なくとも1つのルールを特定することと、少なくとも1つのルールに基づいて画像獲得手法においてそれぞれのシーケンスをどのように組み込むかを決定することとを有する方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】例示的な実施形態によるシステムを示す図である。
【
図2】例示的な実施形態による
図1のワークフローサーバーを示す図である。
【
図3】例示的な実施形態によるプロトコル及びプロトコルのシーケンスを管理する方法を示す図である。
【
図4】例示的な実施形態による画像オーダーに対するプロトコル及び/又はシーケンスを選択する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的な実施形態は、以下の説明及び関連する添付図面を参照しながらさらに理解され、同様の要素は同じ参照符号を付されている。例示的な実施形態は、画像獲得手法に対するワークフローを最適化するためのデバイス、システム、及び方法に関する。特に、例示的な実施形態は、照会医師からの画像オーダーに応答して使用される1つ又は複数のプロトコル及び/又は1つ又は複数のシーケンスを画像解釈者に自動的に決定又は推奨するように構成される。ルールベースのアプローチを使用した画像オーダーの特性及びプロトコル/シーケンスの選択に基づいて、例示的な実施形態は、画像獲得手法をどのように進めるかに関する推奨案を自動的に決定又は生成するように構成される。
【0013】
例示的な実施形態が、画像獲得手法に対するワークフロー、及び、照会医師に対する画像オーダーに対する結果を生成することにおける様々なシーケンスを実施する画像解釈者のための関連する読み取り環境を最適化することに関連して説明されることに留意されたい。しかし、画像獲得手法、シーケンス、シーケンスを含む関連するプロトコル、及び、画像オーダーは、例示にすぎない。例示的な実施形態は、照会医師が、対応する設定を使用して1つ又は複数の異なる動作を選択する手法を使用して結果を生成するように別の技術者にオーダーを出す任意の工程フローとともに使用されるように修正される。
【0014】
例示的な実施形態は、後続の画像獲得手法が、無関係な結果又は出力をほとんど生成しないか、全く生成しない動作を使用することにより効率的な手法により実施される手法を更新及び維持するように、画像獲得手法の履歴データを使用するメカニズムを提供する。例示的な実施形態によるメカニズムは、以前の画像獲得手法により獲得された画像を追跡して、無駄な動作として規定される、依然として使用されている、又は実施されているシーケンス及び/又はプロトコルを特定するために、結論を導く。特に、これらの後続の画像獲得手法が(技術者による)捕捉動作からすべての他の下流の動作(画像解釈者による解釈)まで、より効果的な手法により実施されるように、シーケンス又はプロトコルが後続の画像獲得手法に対する使用から省略されるとみなされる。したがって、例示的な実施形態は、プロトコル/シーケンスのための最適化ルールを規定して、画像獲得ワークフローの適切な削減を実施し、又は可能にする。例示的な実施形態のこの特徴を通して、オーバーヘッド及び無駄が削減され、効率が最適化される。さらに、例示的な実施形態は、特定のシーケンス/プロトコルの有用性に関する洞察をもたらすために、及び、異なる機関の間における、又は、医療分野における透明性及び標準化提供するために使用される。
【0015】
以下で詳細に説明されるように、例示的な実施形態が様々な異なる手法により使用される。第1の例において、例示的な実施形態は、最適化ルールが、パラメータの特定の集合に整合した画像オーダーに対して使用される既定のプロトコル/シーケンスの全体的な使用のためのものである全体にわたる手法に使用される。したがって、所与のプロトコルに対する特定のシーケンスが、プロトコルすべての使用に対して除去される。第2の例において、例示的な実施形態は、特定の患者に対して受信された特定の画像オーダーに整合した利用可能プロトコル/シーケンスを最適化ルールがフィルタ処理する動的な手法に使用される。したがって、特定の選択されたプロトコルが、特定の画像オーダーに対して特に指定される。画像オーダーのコンテキストの特定の意味論的に正規化された機械解釈可能な理解に基づいて、プロトコル/シーケンスを除外することにより、画像獲得手法に対してモダリティの直接的なセットアップが例示的な実施形態の特徴に基づいて実施される。
【0016】
図1は、例示的な実施形態によるシステム100を示す。システム100は、画像獲得手法を要求すること、画像獲得手法を実施すること、画像獲得手法の結果を生成することに関与する様々なコンポーネント間の通信に関連する。特に、システム100は、医師が、照会医師に戻される試験結果を生成する画像獲得手法が実施されるために、患者を画像解釈者に会わせるシナリオに関連する。システム100は、医師デバイス105、通信ネットワーク110、及び画像解釈者デバイス115を含む。以下でさらに詳細に説明されるように、システム100は、画像オーダー及びプロトコル/シーケンスに関連した所定のパラメータに基づいて、画像獲得手法において使用されるプロトコル/シーケンスを特定するように構成される。例示的な実施形態の第1の態様において、所定のパラメータが決定される。したがって、システム100は、医療データ保存部120、プロファイル生成器デバイス125、放射線医学情報システム(RIS)130、検査正規化デバイス135、画像保管通信システム(PACS)140、及びシーケンス正規化デバイス145をさらに含む。システム100は、所定のパラメータを決定することにおいてこれらのコンポーネントからの情報を使用するワークフローサーバー150をさらに含む。例示的な実施形態の第2の態様において、ワークフローサーバー150は、所定のパラメータに基づいて画像オーダーを処理することにおいても使用される。
【0017】
医師デバイス105は、医師に関連した機能を実施するように構成された任意の電子デバイスを表す。例えば、医師デバイス105は、ポータブルデバイス、例えばタブレット、ラップトップなど、又は、据置型デバイス、例えばデスクトップ端末である。医師デバイス105は、医療処置に関連した様々な動作を実施するための必要なハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアを含む。医師デバイス105は、システム100の他のコンポーネントとの接続をさらに確立するために、通信ネットワーク110との接続を確立するための、必要な接続性ハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェア(例えば送受信器)をさらに含む。
【0018】
医師デバイス105は、医師が医療処置に関連した様々な動作を実施することを可能にするように構成される。例えば、医師デバイス105は、カレンダーアプリケーションを使用して患者に対する予約を予定に入れ、患者の処置又は手法などを追跡する。別の例において、医師デバイス105は、画像捕捉デバイス117を使用して患者に実施される画像獲得手法を予定に入れ、又は要求する。より具体的には、医師デバイス105は、画像獲得手法に対して使用される画像オーダーを生成するために使用される。続いて、患者は、どこで、及びいつ画像獲得手法を受けるかを決定する。医師は、画像オーダーを生成するために様々な入力を入れる。例えば、画像オーダーは、画像獲得手法を実施する(例えば、使用されるプロトコル又はシーケンスを選択する)画像解釈者又は技術者により使用される情報(例えば、対象エリア、結果からの情報の種類の期待するものなど)を含む。医師デバイス105は、画像オーダーを生成する任意の手法を使用する。例えば、医師デバイスは、自由形式の文字列入力、標準化された選択形成、又はそれらの組合せを使用する。さらなる一例において、医師デバイス105は、画像獲得手法に関連した試験結果を受信して、結果を医師に表示する。
【0019】
通信ネットワーク110は、データを交換するためにシステム100の様々なコンポーネントを通信可能に接続するように構成される。通信ネットワーク110は、互いに通信するためにシステム100のコンポーネントにより使用される任意の1つ又は複数のネットワークを表す。例えば、医師デバイス105が病院において使用される場合、通信ネットワーク110はプライベートネットワークを含み、医師デバイス105は最初にプライベートネットワーク(例えば病院ネットワーク)と接続する。プライベートネットワークは、インターネットに接続するためにインターネットサービスプロバイダーのネットワークに接続する。続いて、インターネットを通して、接続が他の電子デバイスに対して確立される。例えば、ワークフローサーバー150は、病院に対して遠隔にあるが、インターネットに接続される。したがって、医師デバイス105は、ワークフローサーバー150に通信可能に接続される。通信ネットワーク110、及び、通信ネットワーク110に含まれるすべてのネットワークは、任意の種類のネットワークであることに留意されなければならない。例えば、通信ネットワーク110は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、仮想LAN(VLAN)、WiFiネットワーク、ホットスポット、セルラーネットワーク(例えば3G、4G、ロングタームエボリューション(LTE)など)、クラウドネットワーク、これらのネットワークの有線接続形態、これらのネットワークの無線形態、これらのネットワークの有線/無線組合せ形態などである。
【0020】
画像解釈者デバイス115は、画像解釈者に関連した機能を実施するように構成された任意の電子デバイスを表す。例えば、例として医師デバイス105、画像解釈者デバイス115は、ポータブルデバイス、例えばタブレット、ラップトップなど、又は、据置型デバイス、例えばデスクトップ端末である。画像解釈者デバイス115は、イメージング手法に関連した様々な動作を実施するための、必要なハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアをさらに含む。画像解釈者デバイス115は、システム100の他のコンポーネントとの接続をさらに確立するために通信ネットワーク110との接続を確立するための、必要な接続性ハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェア(例えば送受信器)をさらに含む。
【0021】
画像解釈者デバイス115は、画像解釈者が画像獲得手法に関連した様々な動作を実施することを可能にするように構成される。当業者が理解するように、異なるイメージングモダリティを使用して実施される複数の異なる画像獲得手法が存在する。例えば、画像獲得手法は、X線手法、コンピュータ断層撮影(CT)手法、磁気共鳴イメージング(MRI)手法、超音波手法、陽電子放射断層撮影(PET)スキャン手法、単光子放射型コンピュータ断層撮影(SPECT)スキャン手法などである。各画像獲得手法は読み取り環境を使用し、この読み取り環境において画像解釈者が解釈するために画像が捕捉される。画像獲得手法中に捕捉された画像の各々は、プロトコルに含まれるシーケンスにおいて規定された様々な設定に基づく。以下でさらに詳細に説明されるように、画像解釈者デバイス115は、医師デバイス105から画像オーダー、及びワークフローサーバー150からのさらなる出力を受信して、患者のために画像獲得手法において画像がどのように捕捉されるかを規定する、使用されるシーケンス及び/又はプロトコルを決定する。
【0022】
画像捕捉デバイス117は、画像獲得手法のために画像を捕捉することにおいて技術者により使用される機器を表す。上述のように、画像捕捉デバイス117は、利用可能な様々な異なる種類の画像獲得手法のうちの対応する1つのために使用される特定のタイプの機器である。例えば、画像捕捉デバイス117は、CT機器、MRI機器、超音波機械などである。使用されるシーケンス/プロトコルが画像解釈者デバイス115を使用して決定された場合、画像捕捉デバイス117がこのシーケンス/プロトコル情報を提供され、結果として、技術者が適切なシーケンス/プロトコルを実施して、画像解釈者により指示された適切な画像を捕捉する。画像獲得手法の捕捉部分が完了した後、画像解釈者デバイス115が解釈のために、捕捉された画像を提供される。捕捉された画像のうちの少なくとも1つを使用して、画像解釈者デバイス115が画像解釈者により使用されて、画像獲得手法から試験結果を生成し、次に、試験結果が医師デバイス105に送信される。
【0023】
以下でさらに詳細に説明されるように、医師デバイス105、画像解釈者デバイス115、及び画像捕捉デバイス117は、システム100の他のコンポーネントのうちのコンポーネントを選択するためにデータが送信されるさらなる機能を含む。以下から明らかなように、他方のコンポーネントは、医師デバイス105、画像解釈者デバイス115、及び/又は画像捕捉デバイス117からデータを受信し、ワークフローサーバー150を含む他のコンポーネントに情報を転送する機能を含む。
【0024】
医療データ保存部120は、患者に関連した情報に対してクエリを受ける医療データの保存部である。例えば、医療データ保存部120は、アプリケーションプログラムインターフェース(API)を使用して構成され、APIから、システム100のコンポーネントが特定の患者に対する医療データを要求する。医療データ保存部120は、各患者が患者の異なる手法、処置、来診などを追跡するために使用される電子医療記録(EMR)をもつ患者病歴を特に対象とされる。第1の例において、医療データ保存部120は、医師デバイス105、画像解釈者デバイス115などから受信された、又は、医師デバイス105、画像解釈者デバイス115などからの情報に基づく物語的報告を含む。特に、物語的報告は、放射線医学の、手術の、病理の、及び推移の報告、入院時診療記録などに関連した報告である。第2の例において、医療データ保存部120は、コードリストを含む。特に、コードリストは、例えば、問題リスト(例えばICD10)、病歴及び健康診断(例えばICD10)、投薬(例えばRxNorm)、臨床検査(例えばLOINC)などの様々な医療的に関連した情報を示す。医療データ保存部120は、医療データ保存部120において追跡される患者のためのEMRをコンパイルすることにおいて、任意のソース又は情報キャリアからの情報を受信する。したがって、複数の異なる情報キャリアであって、その情報キャリアから情報が生じる情報キャリアが存在する。
【0025】
プロファイル生成器デバイス125は、患者に対して維持された記録に基づいて患者に対する意味論的に正規化された臨床プロファイルを生成するコンポーネントである。特に、特定の患者に対するそれぞれのEMRは正規化される。医療データ保存部120に記憶された情報は、様々な種類の情報キャリアを介して分配されるので、情報に任意の一貫性が存在するとは限らない。例えば、各情報キャリアは、完全ではないもの、又は、他の情報キャリアに整合しないものである。加えて、情報は、例えば様々な情報キャリア間においてシェアされたバックグラウンドオントロジーにおいて体系化された意味論的に正規化された手法により示されないものである。特に、医療データ保存部120が物語的報告を記憶する場合、患者情報が中に含まれる標準化されたフォーマットが存在しない場合がある。したがって、プロファイル生成器デバイス125は、情報キャリアからの情報を正規化するように構成される。
【0026】
プロファイル生成器デバイス125は、情報キャリアのうちの1つ又は複数から表現型のステータスを抽出するために専用レイヤーを使用して構成される。この手法により、情報キャリアからの情報は、患者が特定の疾患をもっているか否か、特定の手法を受けたか否か、特定の処置を受けたか否かなどを判定することにより正規化される。例えば、医療データ保存部120におけるEMRは、糖尿病コードに対して患者の問題リストを検索すること、インスリンコードに対して患者の医療リストを検索すること、グルコースレベルの増加に対して患者の直近の検査報告を検索することなどにより、患者が糖尿病を患っているか否かを示す臨床プロファイルとともに記憶される。したがって、プロファイル生成器デバイス125は、様々な情報キャリアから抽出されたステータスをインテリジェントに組み合わせるための様々なメカニズムを含む。
【0027】
これらの患者に対するEMRにおいて維持される患者に対する臨床プロファイルを維持する特定の例において、プロファイル生成器デバイス125は、各表現型がICD(国際疾患分類)コードとしてモデル化される、表現型のリストを各々が指定する1つ又は複数のプロファイルテンプレートを維持する。指定される各表現型に対して、プロファイル生成器デバイス125は、様々な情報源からの情報に基づいて所与の患者における表現型のステータスを評価するために表現型抽出エンジンを使用する。
【0028】
RIS130は、画像オーダーに関連した理由を包含する画像オーダーに関連した情報を追跡するシステムである。画像オーダーの理由は、(例えば電子化医師オーダー入力(CPOE)ワークフローステップの一部として)医師デバイス105を使用して医師により入力される1つ又は複数のICDコードを包含する。当業者が理解するように、RIS130は、様々な機能を提供し、照会医師からの画像オーダーを受信及び転送することにおける特徴を提供する。したがって、システム100において、RIS130は、画像オーダーを受信し、クエリコンポーネントに画像オーダーを転送する機能を含むように構成される。
【0029】
検査正規化デバイス135は、画像オーダーの意味論的に正規化された理由を生成するコンポーネントである。プロファイル生成器デバイス125と実質的に同様の手法により、検査正規化デバイス135は、画像オーダーに対して正規化動作を提供する。すべての画像オーダーがCPOEワークフローを使用して、又は、別の標準化されたフォーマットによりRIS130に提供されるというわけではないので、画像オーダーは物語的である。したがって、検査正規化デバイス135は、画像オーダーの理由を含む物語的コンテンツを意味論的に正規化する。
【0030】
特定の例示的な実施形態において、検査正規化デバイス135は、様々な自然言語処理又は学習技術を使用して実施される。第1の例において、これらの技術は、略語曖昧性解消のために使用される。医師は様々な理由により略語を入力するので、検査正規化デバイス135は、略語を検出して、略語をそれらの対応する長い形態に置換する(例えば「Eval PE」は「肺塞栓症に対する評価」に置換される)。第2の例において、これらの技術は、複数の文が存在する場合に文の終わりが検出される文検出のために使用される。第3の例において、これらの技術は、概念抽出のために使用される。特に、検査正規化デバイス135は、概念がバックグラウンドオントロジーに存在する物語的文字列から概念を検出及び抽出する。第4の例において、これらの技術は、否定検出のために使用される。概念を検出及び抽出することと同様の手法により、検査正規化デバイス135は、否定を検出して、どの概念がそのスコープのもとにあるか特定する(例えば、否定キーワードのリスト、及び、文に関するコンテキストにおいて否定のスコープを特定するルールの集合に基づく「NegEx」が使用される)。
【0031】
これらの技術を使用することにより、自然言語処理パイプラインは、文から概念を抽出し、画像オーダーの理由として概念をどのように正規化するかを決定する。正規化は、検査の正規化された理由とみなされる否定ステータスを使用して拡張された概念のリストを使用することにより実施される。例えば、北米放射線学会(RSNA)は検査正規化デバイス135により使用される画像オーダーの理由の正規化されたリストを公開した。概念は、画像オーダーから抽出され、正規化のためにマッピングされる。
【0032】
PACS140は、画像獲得手法において使用されるシーケンス及び/又はプロトコルを追跡し、及びログに記録するシステムである。したがって、画像解釈者デバイス115を使用して画像解釈者により決定された選択されたプロトコル/シーケンス、及び、画像捕捉デバイス117を使用して技術者により実際に使用されるプロトコル/シーケンスに関連したデータが、この機能を実施するためにPACS140により受信される。この手法により、画像獲得手法のイメージング研究は、例えば、使用されてきた、開かれてきたシーケンス/プロトコルの後をたどることなどに費やされる。当業者が理解するように、PACS140は、様々な機能を提供し、捕捉された画像を含む画像獲得手法に関連した情報を受信及び転送することにおける特徴を提供する。したがって、PACS140は、画像解釈者デバイス115からの選択、及び、画像捕捉デバイス117からの使用に基づいて、画像獲得手法の情報を受信する機能を使用して構成される。加えて、システム100において、PACS140は、要求された情報をクエリコンポーネントに転送する。
【0033】
シーケンス正規化デバイス145は、画像オーダーに対して意味論的に正規化されたシーケンスの使用を生成するコンポーネントである。シーケンス正規化デバイス145は、シーケンス名称の標準化された語彙集(例えば、外部的に管理される規格)に基づいて、PACS140に記憶されたシーケンス/プロトコルを正規化する。シーケンス正規化デバイス145は、(1)(例えば、文字列ヘッダー及びフィジカル獲得パラメータにより)シーケンスを特徴付ける、及び、(2)シーケンス語彙集にこの特徴ベクトルをマッピングするための、ヘテロジニアス因子を使用する。このマッピングは、医療機関において維持されるローカルマッピングテーブルに基づき、又は、シーケンスヘッダー名(例えば解剖学的構造)から要素をインテリジェントに構文解析する所定の動作に基づく。シーケンス正規化デバイス145により実施される正規化は、異なる手法によりラベル付けされたモダリティにわたって同一のシーケンスを比較するために使用される。
【0034】
ワークフローサーバー150は、例示的な実施形態による画像獲得手法のために使用されるシーケンス及び/又はプロトコルを決定することに関連した機能を実施するシステム100のコンポーネントである。以下でさらに詳細に説明されるように、ワークフローサーバー150は、過去の画像獲得手法及び対応する画像オーダーからの情報が、特定のシーケンス又はプロトコルが後続の画像オーダーのために画像獲得手法においていつ使用されるかを規定するパラメータ又はルールを生成するために使用される第1のメカニズムを含む。したがって、データは、医療データ保存部120、RIS130、及び/又はPACS140から要求される。ワークフローサーバー150は、新しい画像オーダーが受信される、及び、画像獲得手法において使用されるシーケンス及び/又はプロトコルが決定される第2のメカニズムを含む。したがって、画像解釈者デバイス115が画像オーダーに対して使用されるシーケンス/プロトコルを決定するために使用されるとき、ワークフローサーバー150は、選択を自動的に示す出力を提供し、又は、選択のための推奨案を提供する。
【0035】
システム100が、複数の医師デバイス105、複数の画像解釈者デバイス115、複数の画像捕捉デバイス117、及び複数のワークフローサーバー150を含んでよいことに留意されたい。すなわち、多くの異なる医師及び画像解釈者がシステム100を使用してよい。異なる医師デバイス105及び画像解釈者デバイス115にサービス提供する多くの異なるワークフローサーバー150が存在してもよい。医療データ保存部120、RIS130、及びPACS140は、複数の異なるコンポーネント(例えば、それぞれ、プロファイル生成器デバイス125、検査正規化デバイス135、及びシーケンス正規化デバイス)を含むシステムであってもよい。
【0036】
システム100の別々のコンポーネントにおいて実施されるプロファイル生成器デバイス125、検査正規化デバイス135、及びシーケンス正規化デバイス145とともに、医療データ保存部120、RIS130、及びPACS140の機能は例示にすぎないことにも留意されたい。別の例示的な実施形態によると、医療データ保存部120は、プロファイル生成器デバイス125の機能を組み込み、RIS130は、検査正規化デバイス135の機能を組み込み、PACS140は、シーケンス正規化デバイス145の機能を組み込む。さらなる例示的な実施形態によると、ワークフローサーバー150は、プロファイル生成器デバイス125、検査正規化デバイス135、及びシーケンス正規化デバイス145の機能を組み込む。したがって、ワークフローサーバー150は、医療データ保存部120、RIS130、及びPACS140から任意の種類のデータを受信する。さらに別の例示的な実施形態によると、ワークフローサーバー150は、医療データ保存部120、プロファイル生成器デバイス125、RIS130、検査正規化デバイス135、PACS140、及びシーケンス正規化デバイス145のすべての機能を組み込む。
【0037】
上述のように、ワークフローサーバー150はルールを生成し、本ルールにより、シーケンス/プロトコルの選択が以前の画像獲得手法に基づいて行われる。
図2は、例示的な実施形態による
図1のワークフローサーバー150を示す。ワークフローサーバー150は、画像獲得手法のためのシーケンス/プロトコルの選択を決定することにおける様々な機能を提供する。ワークフローサーバー150はネットワークコンポーネント(特にサーバー)として説明されるが、ワークフローサーバー150は、例えば、ポータブルデバイス(例えばタブレット、スマートフォン、ラップトップなど)、据置型デバイス(例えばデスクトップ端末)などの様々なハードウェアコンポーネントにおいて具現化され、医師デバイス105及び/又は画像解釈者デバイス115に組み込まれ、ウェブサイトサービスに組み込まれ、クラウドデバイスなどとして組み込まれる。ワークフローサーバー150は、プロセッサ205、メモリ配置体210、ディスプレイデバイス215、入出力(I/O)デバイス220、送受信器225、及び、他のコンポーネント230(例えば撮像器、音声I/Oデバイス、電池、データ獲得デバイス、ワークフローサーバー150を他の電子デバイスに電気的に接続するためのポートなど)を含む。
【0038】
プロセッサ205は、ワークフローサーバー150の複数のアプリケーションを実行するように構成される。以下でさらに詳細に説明されるように、プロセッサ205は、分析エンジン235及びレビューエンジン245を含む複数のエンジンを使用する。分析エンジン235は、ルールを生成する第1のメカニズムに関連した動作のために使用される。特に、分析エンジン235は、シーケンス/プロトコルが画像獲得手法においてどのように使用されたかを特定し、適切なルールを生成するように構成される。レビューエンジン245は、分析エンジン235により生成されたルールとともに、画像オーダーを処理し、使用されるシーケンス/プロトコルを決定する第2のメカニズムに関連した動作のために使用される。特に、レビューエンジン245は、画像オーダーを処理するように、及び、使用されるシーケンス/プロトコルを決定するように構成される。
【0039】
各々がプロセッサ205により実行されるアプリケーション(例えばプログラム)である上述のアプリケーション及びエンジンが例示にすぎないことに留意されなければならない。アプリケーションに関連した機能は、1つ又は複数の多機能プログラムのコンポーネント、ワークフローサーバー150の独立した、組み込まれたコンポーネントとしても表され、又は、例えばファームウェアを含む、又は含まない集積回路といった、ワークフローサーバー150に結合されたモジュール式コンポーネントである。
【0040】
メモリ210は、ワークフローサーバー150により実施される動作に関連したデータを記憶するように構成されたハードウェアコンポーネントである。特に、メモリ210は、画像オーダー及びそのパラメータなどの、エンジン235、245に関連したデータを記憶する。メモリ210は、レビューエンジン245により使用されるルールデータベース240に分析エンジン235により生成されたルールをさらに記憶する。ディスプレイデバイス215は、ユーザーにデータを示すように構成されたハードウェアコンポーネントであり、また、I/Oデバイス220は、ユーザーが入力を入れることを可能にするハードウェアコンポーネントである。例えば、ワークフローサーバー150の管理者は、I/Oデバイス220を使用して入れられた入力とともにディスプレイデバイス215に示されるユーザーインターフェースを通してワークフローサーバー150の機能を維持及び更新する。ディスプレイデバイス215及びI/Oデバイス220は、独立したコンポーネントであるか、又は、例えばタッチスクリーンのように一緒に統合されてよいことに留意されなければならない。送受信器225は、通信ネットワーク110を介してデータを送信及び/又は受信するように構成されたハードウェアコンポーネントである。
【0041】
例示的な実施形態による、ワークフローサーバー150は、画像捕捉デバイス117を使用して技術者により画像オーダーに対して使用されるシーケンス/プロトコルを決定するために、様々な異なる動作を実施する。最初に、上述のように、分析エンジン235は、シーケンス/プロトコルが画像獲得手法においてどのように使用されたかを特定するように、及び、適切なルールを生成するように構成される。特に、分析エンジン235は、画像獲得手法が実施されたコンテキストに基づいて以前の画像獲得手法における使用のために選択されたシーケンス及び/又はプロトコルの関連性を分析する。以前の画像獲得手法を評価することにおいて、分析エンジン235は、照会医師からの画像オーダー、及び、患者に対する画像解釈者からの選択にわたって使用されるシーケンス及び/又はプロトコルを追跡する。上述のように、分析エンジン150は、医療データ保存部120、RIS130、及びPACS140に、この機能を実施するための適切なデータを要求する。
【0042】
分析エンジン235は、画像オーダーであって、その画像オーダーから画像獲得手法が実施された画像オーダーのコンテキスト(例えば所与の理由)に関連した特定のシーケンス又はプロトコルに関連した重要な尺度を決定する。例えば、シーケンス又はプロトコルは、特定の理由に対するその関連性に基づいて分析される。特に、分析エンジン235は、シーケンス又はプロトコルが画像を獲得するために使用された画像獲得手法のパーセンテージを特定するために、医療データ保存部120、RIS130、及びPACS140からの情報を使用する。分析エンジン235は、シーケンス又はプロトコルを使用して捕捉された画像が開かれた解釈のパーセンテージを特定するために、医療データ保存部120、RIS130、及びPACS140からの情報をさらに使用する。この比率に基づいて、分析エンジン235は、画像オーダーの所与の理由に対するシーケンス又はプロトコルの優先度又は必要性の標示を提供する。例えば、0から100のスケールに基づいて、パーセンテージの比率が0に近い、又は0に等しい、又は低い値(例えば0から32)である場合、標示は、所与の理由が画像オーダーにおいて発生したとき、シーケンス又はプロトコルが除外のための候補であるということである。別の例において、パーセンテージの比率が間の値(例えば33から66)である場合、標示は、所与の理由が画像オーダーにおいて発生したとき、シーケンス又はプロトコルが、提案されるための候補であるが必要というわけではないというものである。さらなる一例において、パーセンテージの比率が高い値(例えば67から100)である場合、標示は、所与の理由が画像オーダーにおいて発生したとき、シーケンス又はプロトコルが必要とされる候補であるというものである。
【0043】
上述の優先度決定の特定の例において、プロトコルは、第1の、第2の、及び第3のシーケンスを含む。プロトコルは、画像オーダーの特性又はパラメータに基づいて、画像獲得プロトコルにおける使用のために選択されたものである。しかし、画像オーダーの特性は、第1のシーケンスが必須であること、第2のシーケンスが提案対象であること、及び第3のシーケンスが除外対象であることを特定するために使用される。この手法により、画像獲得手法に対するプロトコル/シーケンスが最終的に選択された場合、第1のシーケンスが含まれ、第3のシーケンスが省略され、第2のシーケンスが画像オーダーに対応した画像獲得手法に対するプロトコル/シーケンスを選択する画像解釈者の裁量により含まれる。
【0044】
上述の尺度に加えて、分析エンジン235は、画像オーダーの所与の理由のために使用されるシーケンス/プロトコルを分析するために、さらなる工程を伴うように構成される。特に、分析されるシーケンス/プロトコルの基礎となる任意のパターンを調査するために、さらなる工程が使用される。例えば、パターンは、特定のシーケンスがまれに使用されること、又は、特定のシーケンスを使用して捕捉された画像がまれに開かれることを提案する。分析エンジン235は、医療データ保存部120におけるEMRの臨床プロファイルのレベル、及び/又は、画像オーダーの性質又はパラメータにおいてパターンを決定する。
【0045】
分析エンジン235のさらなる工程は、様々な手法により実施される。第1の例において、分析エンジン235は、調査されたシーケンス/プロトコルの各々に対する関連情報(例えば、シーケンス又はプロトコル名、照会医師又は画像解釈者の識別情報、画像オーダーの理由、獲得モダリティ名、患者臨床プロファイルなど)を表示する。第2の例において、分析エンジン235は、分配に関連した所与のシーケンス又はプロトコルを調査するための分析フロントエンド(例えばフィルタシステム)を提供する。特に、調査は、読み取る画像解釈者などによりグループ化された、期間をまたいだ画像オーダーの理由にわたる分配のためのものである。第3の例において、分析エンジン235は、関連情報をグループ化し、それに対応した統計データを提供する。この手法により、分析エンジン235は、特定のシーケンス又はプロトコルが所与の理由にどのように関連したか(例えば、特定のシーケンスを使用して捕捉された画像が画像オーダーの理由として「頭痛」を伴う画像獲得手法において、15回のうち10回開かれた)を示す。第4の例において、分析エンジン235は、階層的推論に基づいて関連情報をグループ化する。特に、分析エンジン235は、シーケンス又はプロトコルが特定の理由のためにどのように使用されるかを決定する(例えば、特定のシーケンスを使用して捕捉された画像が癌患者に対して15回のうち13回開かれたことを見出す)ために、固有のものから概括的なものまでオントロジーにおいて概念を横断する。
【0046】
分析エンジン235は、(シーケンスに対する)所与のプロトコル、画像オーダー、画像オーダーの理由、臨床プロファイルなどに関するコンテキストにおいて、特定のシーケンス又はプロトコルを使用して画像を獲得する(又は、しない)ように提案するルールデータベース240に存在するif-thenルールを生成及び編集する。分析エンジン235は、生成されるルールが一貫性を保つように、画像解釈者とプロトコル又はシーケンスの仕様との間の相違を検出するようにさらに構成される。
【0047】
ルールデータベース240は、レビューエンジン245による使用のために分析エンジン235により生成又は更新されたルールを記憶するように構成される。特に、記憶された後、レビューエンジン245は、画像オーダーに対する画像獲得手法において使用されるように、シーケンス又はプロトコルを含むこと、又は、使用されないようにシーケンス又はプロトコルを除外することを決定又は提案するためにルールを使用する。この場合も、ルールは、画像オーダーのコンテキスト(例えば、プロトコル、画像オーダー、画像オーダーの理由、臨床プロファイルなど)に基づいてシーケンス又はプロトコルを決定又は提案するために使用される。
【0048】
最初に、メモリ210に記憶されたデータベースであるルールデータベース240が例示にすぎないことに留意されたい。ルールデータベース240は、ワークフローサーバー150により生成及び使用されるルールが記憶される任意のデータ保存部を表す。別の例示的な実施形態によると、ルールデータベース240は、独立したルール保存部(図示されていない)として実施され、ワークフローサーバー150が、ルール保存部内のデータにアクセスするために通信可能に接続される。
【0049】
ルールデータベース240に記憶されたルールは、異なる手法によりラベル付けされる。上述のように、分析エンジン235は、ルールの優先度又は必要性を決定する。したがって、ルールは、例えば、必須、提案対象、又は除外対象にラベル付けされる。特定のシーケンス又はプロトコルが所与のコンテキストに対して必須、又は除外対象であることをルールが示している場合、ルールが遵守されなければならないものである。例えば、第1のコンテキストに対して、ルールは、特定のシーケンスが画像獲得手法に対する選択に含まれるように、特定のシーケンスが必須であることを示す。別の例において、第2のコンテキストに対して、ルールは、シーケンスを含むプロトコルが画像獲得手法からこのシーケンスを除去するように更新されるように、特定のシーケンスが除外対象であることを示す。特定のシーケンス又はプロトコルが所与のコンテキストに対して提案対象であることをルールが示している場合、ルールは、(例えば、画像解釈者からの肯定に基づいて)検討されるものである。例えば、所与のコンテキストに対して、ルールは、画像解釈者からの標示がこの画像獲得手法に対してプロトコルを含める、又は除外するために使用される判断であるように、特定のプロトコルが医療的に関連した画像を提供する画像を捕捉するために使用されることを示す。
【0050】
ルールデータベース240に記憶されたルールは、分析エンジン235の決定のみに基づくのではないさらなる種類のルールを含む。第1の例において、分析エンジン235により自動的に生成されたルールに加えて、ルールは、1つ又は複数のユーザーにより修正された、又はユーザーにより指定されたルールを含む。上述のように、管理者は、ディスプレイデバイス215及びI/Oデバイス220を使用して、様々な理由により入力を提供する。1つの理由は、手作業により作成されたルールを追加すること、自動的に生成されたルールを除去すること、又は、ルールデータベース240に既に記憶されているルールを修正することを含む。この手法により、ルールデータベース240は、ルールに対するこの修正をさらに可能にする。
【0051】
第2の例において、ルールは、患者に実施された以前の画像獲得手法との、患者の新しい画像オーダーに対する比較にてこ入れをする比較ルールを含む。この比較は、新しい画像オーダーと、使用された以前の画像獲得手法及びプロトコル/シーケンスのうちの少なくとも1つとの間の対応を特定するために使用される。したがって、新しい画像オーダーに対して画像獲得手法において使用されるプロトコル/シーケンスを決定する工程は、適切に整合された以前の画像獲得手法において使用されたプロトコル/シーケンスの選択を参照することにより、より効果的に実施される。
【0052】
例えば、新しい画像オーダーの理由が患者に関連した以前の画像オーダー(例えば直近のイメージング調査)に対応した以前の画像獲得オーダーの理由と同一である、又は以前の画像獲得オーダーの理由と実質的に同様である場合、ルールは、その整合した理由を伴う以前の画像獲得オーダーが新しい画像オーダーに対する整合した解剖学的構造及びモダリティをさらに含むか否かを特定するために使用される。このようなシナリオにおいて、ルールは、以前の整合した画像獲得手法の一部として使用されたプロトコル/シーケンスを使用して画像を獲得することのみを提案する。このルールは、画像解釈者が画像獲得手法の解釈態様中に対応する画像を後で使用しなかった場合、以前の整合した画像獲得手法において選択されたプロトコル/シーケンスを省略するようにさらに改良される。すなわち、以前に使用されなかったものであるシーケンス又はプロトコルが存在する。さらに、(例えば、省略されたシーケンスは初期画像獲得手法において使用されるのみであり、整合した特性をもつ後の画像獲得手法に必要とされないので)省略は、新しい画像オーダーにおける選択からの除去を正当化する任意の理由に起因する。
【0053】
第3の例において、ルールは、1つ又は複数の安全ルールを含む。安全ルールは、特に安全プロトコルに関するユーザーにより指定されたルールの特定の例である。例えば、知られた症状(例えば、医療データ保存部120に記憶された患者のEMRにおける臨床プロファイルに示されるような腎不全)を患う患者は、画像を捕捉するために使用される特定のシーケンス(例えば、コントラストシーケンス)を含んではならない安全プロトコルが存在する。この手法により、ルールデータベース240は、患者の症状が最初に検討されるまでに限って特定のプロトコル/シーケンスが含まれることを確実なものとするために安全ルールを含む。
【0054】
第4の例において、ルールは、1つ又は複数のコンプライアンス又は規制ルールを含む。コンプライアンスルールは、(例えば規制機関、連邦規格エンティティ、第三者、例えば保険会社などにより設定された)特にコンプライアンス及び規制プロトコルに関するユーザーにより指定されたルールの別の特定の例である。この手法により、ルールデータベース240は、法的な、及び外部の意見が、画像オーダーに対応した画像獲得手法におけるプロトコル及びシーケンスの選択工程に組み込まれることを確実なものとするためのコンプライアンスルールを含む。
【0055】
その中に記憶されたルールは、含まれているすべてのルールの包括的なものではないが、入来画像オーダーに適用されるルールのみを含むように、ルールデータベース240が動的に更新されることに留意されたい。例えば、新しい研究が、全体的な手法において、又は、所与のコンテキストに対して特定のシーケンスを含める、又は除外する必要性を無条件に示している場合、対応するルールがこのシーケンスに対するすべての他のルールより優先する。別の例において、ルールが経時的に変化することが知られている場合、特定の期間にわたって効力があったルールは、維持されるか、失効したという理由により除外されるかについて見直され、又は、使用されるが失効した可能性を示す警報とともに使用される。
【0056】
レビューエンジン245は、画像オーダーを処理するように、及び、使用されるシーケンス/プロトコルを決定するように構成される。特に、レビューエンジン245は、画像オーダーに対する画像獲得手法が相応に計画されるように、画像解釈者デバイス115に、プロトコル及び/又はシーケンスの選択に対する情報を提供するために使用される。例示的な実施形態によると、レビューエンジン245は、受信された画像オーダー及びルールデータベース240におけるルールを使用したレビューエンジン245の動作に基づいて、使用されるプロトコル及びシーケンスの決定を含むユーザーインターフェースを画像解釈者デバイス115に提供する。特に、受信された画像オーダーの特性は、コンテキストを特定するためにレビューエンジン245により特定される。このコンテキストに基づいて、ルールデータベース240に記憶されたこのコンテキストに対応したルールは、特定されたコンテキストを含むこの画像オーダーに対する画像獲得手法においてどのプロトコル及び/又はシーケンスが使用されるかを決定することに使用される。
【0057】
インターフェースは、画像解釈者が画像オーダーを見直して、異なる手法により進めることを可能にする。第1の手法では、画像解釈者は、結果として得られる画像獲得手法のために使用されるプロトコル及び/又はシーケンスを手動で選択する。続いて、レビューエンジン245は、選択されたプロトコル/シーケンスに対する何らかの修正(例えば追加、除外、又は変更)を要するものが存在するか否かを判定する。例えば、追加される不足した必須のプロトコルが存在する。別の例において、省略される選択された不必要なシーケンスが存在する。第2の手法では、画像解釈者は、結果として得られる画像獲得手法に含まれるレビューエンジン245からのプロトコル及び/又はシーケンスを要求する。いずれの場合も、画像解釈者は、ワークフローサーバー150からの出力を承諾するために自動化された特徴を使用し、又は、プロトコル/シーケンスの選択に関連したすべての最終的な判断を行うために手動による特徴を使用する。上述のように、手動による特徴が使用される場合、画像解釈者がさらなる情報を得た上での判断を行うように、画像解釈者は優先度標示(例えば必須、提案対象、及び除外対象)をさらに提供される。
【0058】
特定の例示的な実施形態において、ワークフローサーバー150により決定されたプロトコル及び/又はシーケンスの選択は、自動的に適用されることに留意されたい。例えば、(例えば100付近のスコアをもつ)所与のコンテキストに対して必須の、及び、ユーザーの介入を一切伴わずに含まれる特定のプロトコル又はシーケンスを示すルールが存在する。別の例において、所与のコンテキストに対して除外される(例えば0付近のスコアをもつ)、及び、及び、ユーザーの介入を一切伴わずに省略される特定のプロトコル又はシーケンスを示すルールが存在する。
【0059】
画像オーダーに対して画像解釈者によりプロトコル及び/又はシーケンスの選択が行われた後、検査カードが、対応する画像獲得手法に対して生成される。技術者がモダリティワークリストから患者を選択した後、この検査カードは、直接消費される画像捕捉デバイス117に提供される。この効率化された工程は、検査のモダリティを用意する観点から時間を短縮し、不正確に選択されたプロトコルを除外する。
【0060】
図3は、例示的な実施形態によるプロトコル及びプロトコルのシーケンスを管理する方法300を示す。特に、方法300は、ワークフローサーバー150のための分析エンジン235が以前の画像獲得手法の情報に基づいて画像オーダーを処理することにおいて使用されるルールを決定する、例示的な実施形態の第1のメカニズムに関連する。したがって、方法300は、ワークフローサーバー150の観点から説明される。方法300は、さらに、
図1のシステム100及び
図2のワークフローサーバー150に関連して説明される。
【0061】
305において、ワークフローサーバーが、医療データ保存部120、RIS130、及びPACS140からデータを受信する。この手法により、それぞれの患者の対応するEMRにおける臨床プロファイルに関連したプロファイルデータが受信される。画像オーダーが患者のために予定に入れられた理由に関連した検査データも受信される。この手法により、画像オーダー及び画像獲得手法に対するコンテキストが特定される。プロトコル及び/又はシーケンスが画像獲得手法においてどのように使用されるかに関連したイメージングデータがさらに受信される。上述の説明及び例示的な実施形態は、例示を目的として、プロトコル及び/又はシーケンスを決定することに関連しているが、方法300は、シーケンスのみに関連して説明される。しかし、方法300は、プロトコルに対して使用されてもよい。上述のように、データは、プロファイル生成器デバイス125、検査正規化デバイス135、及びシーケンス正規化デバイス145を使用して何らかの手法で正規化されたものである。正規化された後、データ間の関連は、より標準化されたフォーマットにより特定される。したがって、310において、ワークフローサーバー150は、患者に対するシーケンスの関連性及び/又はコンテキストを特定する。
【0062】
315において、ワークフローサーバー150は、特定のシーケンスが画像を捕捉するための画像獲得手法の捕捉段階における使用のために選択された期間のパーセンテージ、及び、特定のシーケンスを使用することにより結果として得られる捕捉された画像が画像獲得手法の解釈段階において使用される期間のパーセンテージに基づいて、シーケンスの統計データを特定する。統計データは、シーケンスが所与のコンテキストに対して、又は、全体的な検討において必須、提案対象、又は除外対象である(例えば、すべてのコンテキストから除外される)とみなされる場合を特定するために使用される。統計データは例示にすぎず、ここまでに詳細に説明されるように、ワークフローサーバー150は、選択されたコンテキストに対してシーケンスがどのように使用されたかを特定することにおいて、任意の尺度又は値を使用することに留意されたい。
【0063】
320において、ワークフローサーバー150は、画像オーダーに対するコンテキストを選択する。上述のように、コンテキストは、例えば、プロトコル名、照会医師の識別情報、画像解釈者の識別情報、画像オーダーの理由、獲得モダリティ、患者のEMR、それらの組合せなどの様々な検討に基づく。325において、ワークフローサーバー150は、コンテキストにおけるシーケンスを選択する。上述のように、(コンテキストに関連した)画像獲得手法は、1つ又は複数のシーケンスを含む1つ又は複数のプロトコルを使用する。330において、ワークフローサーバー150は、コンテキストを与えられたシーケンスの必要性又は優先度を決定する。例えば、優先度は、シーケンスが所与のコンテキストに対して必須、提案対象、又は除外対象であることを示す。
【0064】
335において、ワークフローサーバー150は、コンテキストにさらなるシーケンスが存在するか否かを判定する。さらなるシーケンスが存在する場合、ワークフローサーバー150は325に戻る。この工程は、所与のコンテキストに対するすべてのシーケンスが優先度に関して分析されるまで続く。
【0065】
選択されたコンテキストに対するシーケンスが分析されたとき、さらなるコンテキストが同様に分析される。340において、ワークフローサーバー150は、さらなるコンテキストが存在するか否かを判定する。さらなるコンテキストが存在する場合、ワークフローサーバー150は320に戻る。すべてのコンテキスト、及び、すべての含まれるシーケンスが分析されるまで、この工程が続く。
【0066】
345において、ワークフローサーバー150は、上述のように行われた判定に基づいて、ルールデータベース240におけるルールを更新する。上述のように、ルールは、追加され、除去され、又は変えられる。この手法により、ルールは、レビューエンジン245による使用のために利用可能である。
【0067】
上述のように、ルールデータベース240は、様々な種類のルールを含む。上述のメカニズムは、自動的に生成されたルールが様々な発生源からのデータに基づいてどのように生成されるかを説明している。しかし、他のルール、例えば、ユーザーにより生成されたルール、安全ルール、コンプライアンスルールなどが存在してよい。自動的に生成されたルールは、ユーザーにより修正されたルールとして変更されてもよい。350において、ワークフローサーバー150は、任意の手動シーケンス入力又はそれに対する変更が行われたか否かを判定する。手動入力が行われた場合、355において、ワークフローサーバー150が手動シーケンス入力に基づいてルールを修正する。
【0068】
図4は、例示的な実施形態による画像オーダーに対するプロトコル及び/又はシーケンスを選択する方法400を示す。特に、方法400は、ワークフローサーバー150のための分析エンジン235が以前の画像獲得手法の情報に基づいて画像オーダーを処理することにおいて使用されるルールを決定する例示的な実施形態の第2のメカニズムに関連する。したがって、方法300は、ワークフローサーバー150の観点から説明される。方法300は、
図1のシステム100及び
図2のワークフローサーバー150に関連してさらに説明される。
【0069】
405において、ワークフローサーバー150は、照会医師から画像獲得オーダーを受信する。上述のように、医師デバイス105を使用する医師は、画像獲得手法が実施される対象の患者に対する画像オーダーを提示する。画像オーダーは、画像オーダーに対するコンテキストを特定することに使用される様々な種類の情報を含む。例えば、画像オーダーは、コンテキストを特定することに使用される理由を含む。
【0070】
410において、ワークフローサーバー150は、画像オーダーに関連した患者の識別情報を特定する。画像オーダーが、以前の患者、又は、医療データ保存部120、RIS130、及び/又はPACS140において利用可能な情報をもつ患者に関連している場合、ワークフローサーバー150は、画像オーダーが患者に対する経過観察の来診に関連しているか否かを判定する。すなわち、経過観察の来診は、以前の画像獲得手法と同一の、又は実質的に同様のパラメータを含む任意の後続の画像獲得手法を表す。画像オーダーが経過観察の来診に対するものであるか否かに関するさらなる検討がなされる。例えば、画像オーダーが以前の画像オーダーから所定の時間フレーム内のものである場合に、経過観察の来診であると判定される。画像オーダーが以前の患者の経過観察の来診に対するものである場合、420において、ワークフローサーバーは、以前の画像獲得手法のために選択及び使用された以前に使用されていたシーケンスを特定する。方法300と同様に、上述の説明及び例示的な実施形態は、例示を目的として、プロトコル及び/又はシーケンスを決定することに関連しているが、方法400はシーケンスのみに関連して説明される。しかし、方法400は、プロトコルに対して使用されてもよい。方法400は、追加的な動作を含むことに留意されたい。例えば、画像オーダーが経過観察の来診に対するものであるという観点から、以前に使用されていたシーケンスが改良される場合である。
【0071】
画像オーダーが以前の患者に対するものではない場合、又は、画像オーダーが以前の患者に対するものであるが経過観察の来診に対するものではない場合、ワークフローサーバー150は410又は415から425まで続ける。425において、ワークフローサーバー150は、受信された画像オーダーのコンテキストに基づいて、画像オーダーとともに使用されるシーケンスを決定する。特に、405において受信された画像オーダーのコンテキストが、ルールデータベース240におけるコンテキストと比較するために使用される。受信された画像オーダーのコンテキストを以前のコンテキストと比較することにより、シーケンスのうちのいずれが、受信された画像オーダーに対する画像獲得手法に含まれるかを決定するために、コンテキストに対する関連するルールが特定及び使用される。
【0072】
430において、ワークフローサーバー150は、画像獲得手法において使用されるシーケンスに対する選択を画像解釈者が既に行ったか否かを判定する。上述のように、ワークフローサーバー150の特徴は、様々な手法により使用される。第1の例において、画像解釈者は、シーケンスを選択して、選択が最適であるか否かに関するワークフローサーバー150からの出力を受信する。第2の例において、画像解釈者は、425において決定されたように提案されたシーケンスを提供することをワークフローサーバー150に要求する。
【0073】
決定されたシーケンスが提供されることを画像解釈者が要求した場合、ワークフローサーバー150は435に進む。435において、ワークフローサーバー150は、シーケンスの提案された選択を画像解釈者に送信する。提案された選択が、提案された選択が必須、提案対象、又は除外対象のいずれのシーケンスに対するものであるかを特定する指標とともに提供されることにも留意されたい。440において、画像解釈者は、ワークフローサーバー150により決定されたシーケンスの選択を見直し、何らかの変更を要するものが存在するか否かを判定する。例えば、画像解釈者は、提案されなかったシーケンスを追加すること、又は、含まれていたシーケンスを除去することを望む。別の例において、提案されるが必須ではないシーケンスが存在する場合、画像解釈者は、これらのシーケンスを画像獲得手法に含めるか、画像獲得手法から除外するか選択するように要求される。画像解釈者からの入力が存在しない場合、ワークフローサーバー150は450に進む。しかし、画像解釈者からの入力が存在する場合、ワークフローサーバー150は、シーケンスが入力を組み込むように更新される445に進む。したがって、450において、ワークフローサーバー150は、画像オーダーに対する画像獲得手法を生成する。
【0074】
430に戻ってみると、画像解釈者がシーケンスに対する選択を行った場合、ワークフローサーバー150は440に進む。455において、ワークフローサーバー150は、画像解釈者の選択に対して適用又は推奨される変更が存在するか否かを判定する。例えば、選択が必須のシーケンスを省略した場合、又は、省略されなければならない古いシーケンスを含んでいた場合がある。画像解釈者による選択が425において決定されたシーケンスに整合している場合、ワークフローサーバー150は450に進む。しかし、画像解釈者による選択が、変更が行われることを必要とする場合、ワークフローサーバーは460に進む。460において、ワークフローサーバー150が画像解釈者により行われた選択に対する提案された変更を送信する。したがって、440において、提案された変更に基づく画像解釈者からの任意の入力が組み込まれる。提案された変更が必須、提案対象、又は除外対象のシーケンスのいずれに対するものであるかを特定する指標とともに、提案された変更が提供されることにも留意されたい。
【0075】
例示的な実施形態は、無駄を最小化する、又は無くす、画像獲得手法においてどのシーケンス又はプロトコルが使用されるかを決定することにより、画像獲得ワークフローを最適化するデバイス、システム、及び方法を提供する。特に、以前の画像獲得手法の履歴情報を使用して、及び他のルールを組み込んで生成されたルールに基づいて、例示的な実施形態によるメカニズムは、(例えば、解釈中に常に使用される)医療的に関連した画像を捕捉する確率の高いことが知られたシーケンス/プロトコルを含み、及び、(例えば、解釈中に全く使用されない)医療的に関連した画像を捕捉する確率の低いことが知られたシーケンス/プロトコルを省略する。したがって、例示的な実施形態は、技術者が、役に立つシーケンス/プロトコルのみを使用した画像獲得手法を実施することを可能にする。この手法によれば、画像獲得手法の画像捕捉部分を実施することにおいて、技術者により追加的な期間が必要とされず、画像獲得手法の解釈部分を実施することにおいて、画像解釈者に対して無駄な時間が生じない。さらに、画像オーダーを予定に入れる照会医師は、さらに、タイムリーな手法により結果を受信する。
【0076】
当業者は、上述の例示的な実施形態が任意の適切なソフトウェア又はハードウェア構成、又はそれらの組合せにおいて実施されることを理解する。例示的な実施形態を実施するための例示的なハードウェアプラットフォームとして、例えば、対応するオペレーティングシステムを使用したIntel x86ベースのプラットフォーム、Windowsプラットフォーム、Macプラットフォーム及びMAC OS、例えばiOS、Androidなどのオペレーティングシステムを含むモバイルデバイスが挙げられる。さらなる一例において、上述の方法の例示的な実施形態は、プロセッサ又はマイクロプロセッサにおいて実行されるコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコードのラインを含むコンピュータプログラム製品として具現化されてよい。記憶媒体は、例えば、任意の記憶演算処理を使用した上述のオペレーティングシステムに対応した、又は、任意の記憶演算処理を使用した上述のオペレーティングシステムとともに使用するためにフォーマットされたローカル又は遠隔データ保存部であってよい。
【0077】
本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、本開示において様々な変形がなされてよいことが当業者に明らかである。したがって、本開示は、本開示の修正例及び変形例が添付の請求項及びその均等なものの範囲に入る限り、それらを網羅することが意図される。