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特許7278264中間ループを有するコンベヤベルトスパイラルオーバーレイ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-11
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】中間ループを有するコンベヤベルトスパイラルオーバーレイ
(51)【国際特許分類】
   B65G 15/54 20060101AFI20230512BHJP
   B65G 15/02 20060101ALI20230512BHJP
【FI】
B65G15/54
B65G15/02
【請求項の数】 35
(21)【出願番号】P 2020514237
(86)(22)【出願日】2018-09-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-10
(86)【国際出願番号】 US2018051101
(87)【国際公開番号】W WO2019055797
(87)【国際公開日】2019-03-21
【審査請求日】2020-08-04
(31)【優先権主張番号】15/705,792
(32)【優先日】2017-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514287694
【氏名又は名称】アシュワース ブロス.,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トリンチ,クリス
(72)【発明者】
【氏名】ラセッキ,ジョナサン,アール.
(72)【発明者】
【氏名】バンクス,ウィリアム
【審査官】山▲崎▼ 歩美
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-172533(JP,A)
【文献】特表平05-500349(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 15/54
B65G 15/02
B65G 17/00
B65G 17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトを横切って延びて側方方向を画定する側方軸、前記ベルトの搬送方向に沿って延びる長手方向軸、および前記側方軸と前記長手方向軸とに垂直であって垂直方向を画定する垂直軸を有するコンベヤベルト用のスパイラルオーバーレイであって、
前記コンベヤベルトは、前記ベルトを横切って側方に延びる複数の接続ロッドで形成され、前記オーバーレイは、前記接続ロッド上で互いに噛み合った関係で一緒に組み立てられ、前記垂直方向に延びるベルト厚さを伴う搬送面とその対向面とを提供する複数のワイヤスパイラルを備え、
前記ベルト厚さは前記搬送面と前記対向面との間の距離によって画定され、
前記ワイヤスパイラルのそれぞれが、単一長さのワイヤで形成され、前記ベルトを横切って側方に延びる螺旋を形成し、前記ワイヤスパイラルは、前記長手方向軸に沿って前方端部および後方端部における対向する円弧状リンクベンドと、少なくとも1つの前記ワイヤスパイラルに含まれる少なくとも1つの中間ループであって、前記対向する円弧状リンクベンドの間にあって、かつその中間ループの全体が隣接する前記接続ロッド間に設置されるように構成されて前記ベルト厚さ内に配置された、少なくとも1つの中間ループとを備え、
前記中間ループは前記搬送面に平行な中心軸の周りにコイル状に巻かれ、
前記スパイラルは、1つのスパイラルの前記リンクベンドが、すぐ隣の前記スパイラルのリンクベンドと噛み合うように互いに対して配置され、
隣接するスパイラルの前記噛み合ったリンクベンドは、前記スパイラルを動作可能に接続するように前記接続ロッドの1つを受け入れるように適合されている、スパイラルオーバーレイ。
【請求項2】
前記中間ループは、前記スパイラルの前方円弧状リンクベンドと後方円弧状リンクベンドとの間に形成される、請求項1に記載のスパイラルオーバーレイ。
【請求項3】
前記ワイヤスパイラルは、少なくとも第1の組の対向する円弧状リンクベンドの間に形成された第1の複数の中間ループを備え、前記第1の複数の中間ループは、前記ベルト厚さ内に配置される、請求項1に記載のスパイラルオーバーレイ。
【請求項4】
前記ワイヤスパイラルは、少なくとも第2の組の対向する円弧状リンクベンドの間に形成された第2の複数の中間ループを備え、前記第2の複数の中間ループは前記ベルト厚さ内に配置され、
前記第2の複数の中間ループは、前記第1の複数の中間ループとは異なる数の中間ループからなる、請求項3に記載のスパイラルオーバーレイ。
【請求項5】
前記スパイラルが、互いに隣接する第1の組の前方円弧状リンクベンドと、互いに隣接する第2の組の前方円弧状リンクベンドとを備え、
前記少なくとも1つの中間ループは、前記第1の組の前方円弧状リンクベンドと前記第2の組の前方円弧状リンクベンドとの間に側方に配置される、請求項1に記載のスパイラルオーバーレイ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの中間ループは、コンベヤベルトの側方縁部に近接して配置されるように構成された前記スパイラルオーバーレイの一部に設けられ、
コンベヤベルトの幅の実質的に大部分を形成するように構成された前記スパイラルオーバーレイの中央部分は、前記スパイラルの円弧状リンクベンド間の中間ループなしで形成される、請求項1に記載のスパイラルオーバーレイ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの中間ループは、コンベヤベルトの中央領域に配置されるように構成された前記スパイラルオーバーレイの中央部分に設けられ、
コンベヤベルトの側方縁部を形成するように構成された前記スパイラルオーバーレイの側方部分は、前記スパイラルの円弧状リンクベンド間の中間ループなしで形成される、請求項1に記載のスパイラルオーバーレイ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの中間ループは、前記搬送方向にて長さが変化する複数の中間ループを含み、
コンベヤベルトの側方縁部に近接して配置されるように構成された前記スパイラルオーバーレイの側方部分に配置された中間ループは、前記スパイラルオーバーレイの中央部分に配置された中間ループよりも前記搬送方向の長さが短い、請求項1に記載のスパイラルオーバーレイ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの中間ループは、前記搬送方向に変化する長さを有する複数の中間ループを含み、
前記搬送方向における対向する円弧状リンクベンド間の距離は、前記スパイラルオーバーレイの中央部分よりも前記スパイラルオーバーレイの側方部分の方が短い、請求項1に記載のスパイラルオーバーレイ。
【請求項10】
前記ワイヤスパイラルの少なくとも1つは、コンベヤベルトの接続ロッドの周りに延びるように構成された第1の円弧状リンクベンドを含む対向する円弧状リンクベンドを含む、請求項1に記載のスパイラルオーバーレイ。
【請求項11】
前記少なくとも1つのスパイラルの前記対向する円弧状リンクベンドは、コンベヤベルトの3つの接続ロッドにまたがるように構成されている、請求項10に記載のスパイラルオーバーレイ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの中間ループは、実質的に楕円形状を有する1つ以上の中間ループを含む、請求項1に記載のスパイラルオーバーレイ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの中間ループは、実質的に長方形形状を有する1つ以上の中間ループを含む、請求項1に記載のスパイラルオーバーレイ。
【請求項14】
前記対向する円弧状リンクベンドの間に形成され、前記搬送面の上に延びるように構成された直立部を有する少なくとも1つの中間ループをさらに含む、請求項1に記載のスパイラルオーバーレイ。
【請求項15】
前記中間ループは、隣接する接続ロッド間の所定の最小間隔を維持することにより、前記ベルトの長手方向の折り畳みを制限するように構成されている、請求項1に記載のスパイラルオーバーレイ。
【請求項16】
前記中間ループを含むワイヤの前記長さが、前記中間ループで不連続な前記搬送面の一部を形成するように構成されている、請求項1に記載のスパイラルオーバーレイ。
【請求項17】
ワイヤの前記長さが、第1の平面にて延びる第1の部分と、第2の平面にて延びる第2の部分とを含み、
前記少なくとも1つのワイヤの前記第1の部分はそれぞれ、前記長手方向軸に対して非ゼロ角度で延びている、請求項1に記載のスパイラルオーバーレイ。
【請求項18】
前記少なくとも1つのワイヤの前記第2の部分が長手方向に延びる、請求項17に記載のスパイラルオーバーレイ。
【請求項19】
搬送面と対向面とを有するベルトを横切って側方に延びる複数の接続ロッドで形成されたコンベヤベルト用のスパイラルオーバーレイであって、
それぞれが、単一長さのワイヤで形成され、前記ベルトを横切って延びるように構成された螺旋を形成する複数のワイヤスパイラルであって、各前記スパイラルは、各前記スパイラルを横切る位置に、対向する円弧状リンクベンドを備え、前記スパイラルは、前記リンクベンドがすぐ隣の前記スパイラルのリンクベンドと噛み合うように互いに対して配置され、隣接するスパイラルの前記噛み合ったリンクベンドは、前記スパイラルを動作可能に接続するように前記ロッドの1つを受け入れるように適合されている、複数のワイヤスパイラルを備え、
前記複数のワイヤスパイラルは、前記ベルトの前記搬送面を画定するために第1の平面において構成され、前記第1の平面に実質的に平行な前記ベルトの前記対向面を画定するために第2の平面において構成され、前記第1の平面と前記第2の平面との間の距離は前記スパイラルオーバーレイの垂直厚さを画定し、
ベルトスペースは、前記第1の平面、前記第2の平面、および前記第1の平面と前記第2の平面との間のスペースを含み、
前記スパイラルオーバーレイを形成する少なくとも1つのワイヤは、前記対向する円弧状リンクベンドの間に配置され、前記第1の平面に平行な中心軸の周りにコイル状に巻かれた中間ループを含み、
前記中間ループ前記ベルトスペース内に配置され、かつ前記中間ループの全体が隣接する前記接続ロッドの間に設置されるように構成され、前記中間ループは、隣接する接続ロッド間の最小間隔を維持することにより、前記ベルトの長手方向の折り畳みを制限するように構成されている、スパイラルオーバーレイ。
【請求項20】
前記中間ループを含む前記少なくとも1つのワイヤは、前記中間ループで不連続である前記搬送面の一部を形成するように構成されている、請求項19に記載のスパイラルオーバーレイ。
【請求項21】
前記少なくとも1つのワイヤは、それらの間にギャップを有する前記搬送面の2つの部分を形成するように構成され、
前記搬送面の前記2つの部分は、前記少なくとも1つのワイヤの厚さよりも大きい距離だけ互いに側方にずれている、請求項20に記載のスパイラルオーバーレイ。
【請求項22】
前記少なくとも1つのワイヤは、前記第1の平面にて延びる第1の部分と、前記第2の平面にて延びる第2の部分とを含み、
前記少なくとも1つのワイヤの前記第1の部分はそれぞれ、前記ベルトの搬送方向に沿って延びる長手方向軸に対して非ゼロ角度で延びている、請求項19に記載のスパイラルオーバーレイ。
【請求項23】
前記少なくとも1つのワイヤの前記第2の部分が長手方向に延びる、請求項22に記載のスパイラルオーバーレイ。
【請求項24】
前記少なくとも1つのワイヤは、前記第1の平面にて延びる部分と、前記第2の平面にて延びる部分とを含み、
前記第1の平面にて延びる前記部分は、連続し、
前記第2の平面にて延びる前記部分は、前記対向する円弧状リンクベンドの間に配置された中間ループで不連続である、請求項19に記載のスパイラルオーバーレイ。
【請求項25】
ベルトを横切って延びて側方方向を画定する側方軸、前記ベルトの搬送方向における長手方向軸、および前記側方軸と前記長手方向軸とに垂直であって垂直方向を画定する垂直軸を有するコンベヤベルトであって、
前記ベルトを横切って側方に延びる複数の接続ロッドと、
それぞれが、単一長さのワイヤで形成され、前記ベルトを横切って延びる螺旋を形成する複数のワイヤスパイラルを含むスパイラルオーバーレイであって、各前記スパイラルは、各前記スパイラルを横切る位置に、対向する円弧状リンクベンドを備え、前記スパイラルは、前記リンクベンドがすぐ隣の前記スパイラルのリンクベンドと噛み合うように互いに対して配置され、隣接するスパイラルの前記噛み合ったリンクベンドは、前記スパイラルを動作可能に接続するように前記ロッドの1つを受け入れるよう適合されている、スパイラルオーバーレイとを備え、
前記複数のワイヤスパイラルは、前記ベルトの搬送面と対向面とを画定し、
前記搬送面は第1の平面にて延び、前記対向面は前記第1の平面に実質的に平行な第2の平面にて延び、前記第1の平面と前記第2の平面との間の距離は前記スパイラルオーバーレイの厚さを画定し、
前記スパイラルオーバーレイを形成する少なくとも1つのワイヤは、2つの前記対向する円弧状リンクベンドの間に少なくとも1つの中間ループを形成しその中間ループは対向する2つの前記円弧状リンクベンドの間に配置され、かつその中間ループの全体が隣接する前記接続ロッド間に配置され、
前記少なくとも1つの中間ループは、前記第1の平面に実質的に平行な中心軸の周りにコイル状に巻かれ、
前記少なくとも1つの中間ループは、前記垂直方向に互いに反対に向けられた、第1の縁部と対向する第2の縁部とを有し、
前記少なくとも1つの中間ループの前記第1の縁部は、前記第1の平面に配置されている、コンベヤベルト。
【請求項26】
前記少なくとも1つの中間ループが、前記スパイラルオーバーレイの前記厚さと実質的に同じ高さを有するように、前記少なくとも1つの中間ループの前記対向する第2の縁部が前記第2の平面に配置される、請求項25に記載のコンベヤベルト。
【請求項27】
前記少なくとも1つのワイヤは、前記第1の平面にて延びる第1の部分と、前記第2の平面にて延びる第2の部分とを含み、
前記少なくとも1つのワイヤの前記第1の部分はそれぞれ、前記長手方向軸に対して非ゼロ角度で延びている、請求項26に記載のコンベヤベルト。
【請求項28】
前記少なくとも1つのワイヤの前記第2の部分が長手方向に延びる、請求項27に記載のコンベヤベルト。
【請求項29】
前記少なくとも1つのワイヤは、前記第1の平面にて延びる部分と、前記第2の平面にて延びる部分とを含み、
前記第1の平面にて延びる前記部分は、連続し、
前記第2の平面にて延びる前記部分は、前記対向する円弧状リンクベンドの間に配置された中間ループで不連続である、請求項26に記載のコンベヤベルト。
【請求項30】
前記少なくとも1つの中間ループは、隣接する接続ロッド間の所定の最小間隔を維持することにより、前記ベルトの長手方向の折り畳みを制限するように構成されている、請求項25に記載のコンベヤベルト。
【請求項31】
前記少なくとも1つの中間ループを含む前記少なくとも1つのワイヤは、前記中間ループで不連続な前記搬送面の一部を形成するように構成されている、請求項25に記載のコンベヤベルト。
【請求項32】
前記少なくとも1つのワイヤは、それらの間にギャップを有する前記搬送面の2つの部分を形成するように構成され、
前記搬送面の前記2つの部分は、前記少なくとも1つのワイヤの厚さよりも大きい距離だけ互いに側方にずれている、請求項31に記載のコンベヤベルト。
【請求項33】
前記少なくとも1つの中間ループは、前記ベルトを横切って側方に間隔を空けられた複数の中間ループを含み、
前記コンベヤベルトは、前記側方に間隔を空けられた中間ループ内に配置された細長いロッドをさらに含む、請求項25に記載のコンベヤベルト。
【請求項34】
前記複数のワイヤスパイラルは、第1の組のスパイラルおよび第2の組のスパイラルを含み、前記第1の組のスパイラルと前記第2の組のスパイラルとが交互に配置され、
前記第1の組のスパイラルは、前記搬送面に、前記長手方向軸に対して第1の非ゼロ角度に向けられたワイヤセグメントを含み、
前記第2の組のスパイラルは、前記搬送面に、前記長手方向軸に対して第2の非ゼロ角度に向けられたワイヤセグメントを含み、
前記第2の非ゼロ角度は、前記第1の非ゼロ角度の反対である、請求項25に記載のコンベヤベルト。
【請求項35】
前記複数のワイヤスパイラルは、第1のゲージを有するワイヤで形成された少なくとも第1のワイヤスパイラルと、第2のゲージを有するワイヤで形成された少なくとも第2のワイヤスパイラルとを含み、前記第2のゲージは、前記第1のゲージよりも大きい、請求項25に記載のコンベヤベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤベルトに関し、より具体的には、中間ループを有するコンベヤベルトスパイラルオーバーレイに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかのコンベヤベルトは、ベルトを横切って側方に延びる接続ロッドによって互いに動作可能に接続されたワイヤメッシュのコンポーネントを伴うワイヤメッシュを利用する。そのようなワイヤメッシュは、ベルトの重量を減らしつつ、コンベヤベルトによって運ばれる物品を支持するための分散搬送面を提供する。そのようなメッシュは、搬送面を通る換気も可能にする。さらに、そのようなメッシュは、ベルト上に置かれている間、物品を完全に溶液に浸すことを可能にしてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのような設計には、矛盾する性能特性がある。たとえば、搬送面の表面積を最大化するために、より密に配置されたワイヤメッシュが使用されてもよいが、より密に配置されたワイヤメッシュは、メッシュのワイヤと接続ロッドとの間の接触表面積も増加させ、これは、結合の増加、柔軟性の低下、および摩耗の増加をもたらす。したがって、より疎に配置されているが搬送面の表面積を同じかまたは同様の量に実質的に維持するワイヤメッシュを提供することが望ましいであろう。
【0004】
さらに、ターンカーブベルトは、ベルトの片側または両側で長手方向に折り畳まれるように構成されている。特に、カーブをナビゲートするとき、ベルトは、端部リンクのスロット内でスライドしている接続ロッドによって、片側で短くなる。ベルトが過度に折り畳まれると、ベルトの座屈が発生する可能性がある。よりタイトなターンでは、ベルトが片側または両側で折り畳まれてもよい量を制限する構成を伴うターンカーブベルトを提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、搬送面の支持面積の量を実質的に維持または増加させつつ、スパイラルオーバーレイと接続ロッドとの間の接触表面積の量を減少させるスパイラルオーバーレイに関する。特に、本発明のスパイラルオーバーレイは、ベルトの接続ロッドの間に位置する中間ループを含む。中間ループは、ベルトの搬送面とベルトの対向面とを含んでそれらの間にある領域に限定される。特に、中間ループは、ベルトの搬送面の平面に配置されたその最上部を含む。
【0006】
さらに、各中間ループは、搬送面にて不連続部を提供し、それにより、スパイラルオーバーレイの支持部分を側方に広げる。これには、スパイラルオーバーレイと接続ロッドとの間の接触点の数を減らす効果もある。したがって、接続ロッドに接触しているスパイラルの数が少なくても、搬送面に提供される表面積の量は、中間ループがない場合の表面積と実質的に同じかまたはそれよりも大きい。いくつかの実施形態では、搬送表面積の量は、中間ループなしの場合よりもわずかに少ない場合があるが、搬送表面積は、ベルトの搬送表面積がより少なくても所望の物品を支持できるように、より均等に分散されてもよい。
【0007】
中間ループのさらなる利点は、ループにより、ベルトの縁部が所定量よりも多く長手方向に折り畳まれることが防止されることである。特に、カーブをナビゲートする場合、ベルトの一方の側で互いに近づくようにスライドしている接続ロッドにより、ベルトがその一方の側で短くなる。中間ループはベルトの搬送面と対向面との間に配置されているため、中間ループは、少なくとも中間ループの直径に相当する距離だけ接続ロッド間の間隔を維持する。
【0008】
1つの態様では、本発明は、ベルトを横切って延びて側方方向を画定する側方軸、ベルトの搬送方向に沿って延びる長手方向軸、および側方軸と長手方向軸とに垂直であって垂直方向を画定する垂直軸を有するコンベヤベルト用のスパイラルオーバーレイに関し、コンベヤベルトは、ベルトを横切って側方に延びる複数の接続ロッドで形成されている。オーバーレイは、接続ロッド上で互いに噛み合った関係で一緒に組み立てられた複数のワイヤスパイラルを含み、垂直方向に延びるベルト厚さを伴う搬送面および対向面を提供する。前記ワイヤスパイラルのそれぞれが、単一長さのワイヤで形成され、ベルトを横切って側方に延びる螺旋を形成し、前記スパイラルは、長手方向軸に沿って前方端部および後方端部における対向する円弧状リンクベンドと、前記対向する円弧状リンクベンドの間に形成されてベルト厚さ内に配置された少なくとも1つの中間ループとを備え、前記スパイラルは、1つのスパイラルの前記リンクベンドが、すぐ隣の前記スパイラルのリンクベンドと噛み合うように互いに対して配置され、隣接するスパイラルの前記噛み合ったリンクベンドは、前記スパイラルを動作可能に接続するように接続ロッドの1つを受け入れるように適合されている。
【0009】
別の態様では、本発明は、ベルトを横切って側方に延びる複数の接続ロッドで形成されたコンベヤベルト用のスパイラルオーバーレイに関し、ベルトは、搬送面および対向面を有する。スパイラルオーバーレイは、それぞれが、単一長さのワイヤで形成され、ベルトを横切って延びるように構成された螺旋を形成する複数のワイヤスパイラルを含み、前記スパイラルのそれぞれは、前記スパイラルのそれぞれを横切る位置に、対向する円弧状リンクベンドを備え、前記スパイラルは、前記リンクベンドがすぐ隣の前記スパイラルのリンクベンドと噛み合うように互いに対して配置され、隣接するスパイラルの前記噛み合ったリンクベンドは、前記スパイラルを動作可能に接続するように接続ロッドの1つを受け入れるように適合されている。複数のワイヤスパイラルは、ベルトの搬送面を画定するために第1の平面において構成され、第1の平面に実質的に平行なベルトの対向面を画定するために第2の平面において構成され、第1の平面と第2の平面との間の距離はスパイラルオーバーレイの垂直厚さを画定する。また、ベルトスペースは、第1の平面、第2の平面、および第1の平面と第2の平面との間のスペースを含み、スパイラルオーバーレイを形成する少なくとも1つのワイヤは、対向する円弧状リンクベンドの間の中間ループを含み、中間ループ全体がベルトスペース内に配置される。
【0010】
別の態様では、本発明は、ベルトを横切って延びて側方方向を画定する側方軸、ベルトの搬送方向における長手方向軸、および側方軸と長手方向軸とに垂直であって垂直方向を画定する垂直軸を有するコンベヤベルトに関する。コンベヤベルトは、ベルトを横切って側方に延びる複数の接続ロッドと、それぞれが、単一長さのワイヤで形成され、ベルトを横切って延びる螺旋を形成する複数のワイヤスパイラルを含むスパイラルオーバーレイとを含み、前記スパイラルのそれぞれは、前記スパイラルのそれぞれを横切る位置に、対向する円弧状リンクベンドを備え、前記スパイラルは、前記リンクベンドがすぐ隣の前記スパイラルのリンクベンドと噛み合うように互いに対して配置され、隣接するスパイラルの前記噛み合ったリンクベンドは、前記スパイラルを動作可能に接続するように接続ロッドの1つを受け入れるように適合されている。複数のワイヤスパイラルは、ベルトの搬送面および対向面を画定し、搬送面は第1の平面にて延び、対向面は第1の平面に実質的に平行な第2の平面にて延び、第1の平面と第2の平面との間の距離はスパイラルオーバーレイの厚さを画定する。さらに、スパイラルオーバーレイを形成する少なくとも1つのワイヤは、2つの対向する円弧状リンクベンドの間に中間ループを含む。中間ループは、第1の平面に実質的に平行な中心軸の周りにコイル状に巻かれており、中間ループは、垂直方向に互いに反対に向けられた、第1の縁部と対向する第2の縁部とを有する。さらに、中間ループの第1の縁部は、第1の平面に配置されている。
【0011】
別の態様では、本発明は、ベルトを横切って延びて側方方向を画定する側方軸、ベルトの搬送方向における長手方向軸、および側方軸と長手方向軸とに垂直であって垂直方向を画定する垂直軸を有するコンベヤベルト用のスパイラルオーバーレイに関し、コンベヤベルトは、ベルトを横切って側方に延びる複数の接続ロッドから形成され、ベルトは、搬送面および対向面を有する。スパイラルオーバーレイは複数のワイヤスパイラルを含み、それぞれが、単一長さのワイヤで形成され、ベルトを横切って側方に延びるように構成された螺旋を形成し、前記スパイラルのそれぞれが、前記スパイラルのそれぞれを横切る位置に、対向する円弧状リンクベンドを備え、前記スパイラルは、前記リンクベンドがすぐ隣の前記スパイラルのリンクベンドと噛み合うように互いに対して配置され、隣接するスパイラルの前記噛み合ったリンクベンドは、前記スパイラルを動作可能に接続するように接続ロッドの1つを受け入れるように適合されている。複数のワイヤスパイラルは、ベルトの搬送面を画定するために第1の平面において構成され、第1の平面に実質的に平行なベルトの対向面を画定するために第2の平面において構成され、第1の平面と第2の平面との間の距離はスパイラルオーバーレイの垂直厚さを画定する。さらに、スパイラルオーバーレイを形成する少なくとも1つのワイヤは、オーバーレイの2つの対向する円弧状リンクベンドの間に中間ループを含む。さらに、中間ループは、第1の平面に実質的に平行な中心軸の周りにコイル状に巻かれている。また、中間ループは、垂直方向において中心軸から最も遠くに配置された第1の縁部と、垂直方向において第1の縁部に対向して配置されるように構成された第2の縁部とを有し、中間ループの第1の縁部は、第1の平面に配置される。
【0012】
本発明の他のシステム、方法、特徴、および利点は、以下の図面および詳細な説明を検討すると、当業者には明らかであるか、または明らかになるであろう。そのような追加のシステム、方法、特徴、および利点はすべて、この説明およびこの概要に含まれ、本発明の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。
【0013】
本発明は、以下の図面および説明を参照してよりよく理解することができる。図中のコンポーネントは必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに本発明の原理を説明することに重点が置かれている。さらに、図において、同様の符号は、異なる図を通して対応する部分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態によるコンベヤベルトの一部の概略上面図である。
図2】従来技術の実施形態によるコンベヤベルトの一部の概略上面図である。
図3図1に示すコンベヤベルトの一部の概略拡大上面図である。
図4図1に示すコンベヤベルトの右縁部領域の概略上面図である。
図5図4に示すコンベヤベルト領域の概略側面図である。
図6図1に示すコンベヤベルトの左縁部領域の概略斜視図である。
図7】本発明の実施形態によるスパイラルオーバーレイの一部の概略拡大図である。
図8】カーブをナビゲートしている間の、図1に示すコンベヤベルトの一部の概略上面図である。
図9図8に示すコンベヤベルトの左縁部領域の概略図である。
図10】本発明の別の実施形態によるコンベヤベルトの一部の概略図である。
図11】本発明の別の実施形態によるコンベヤベルトの一部の概略図である。
図12】本発明の別の実施形態によるコンベヤベルトの一部の概略図である。
図13】本発明の別の実施形態によるコンベヤベルトの一部の概略図である。
図14】本発明の別の実施形態によるコンベヤベルトの一部の概略図である。
図15】本発明の別の実施形態によるコンベヤベルトの一部の概略図である。
図16】本発明の別の実施形態によるコンベヤベルトの一部の概略図である。
図17】本発明の別の実施形態によるコンベヤベルトの一部の概略図である。
図18】本発明の別の実施形態によるコンベヤベルトの一部の概略図である。
図19】本発明の別の実施形態によるコンベヤベルトの一部の概略図である。
図20】本発明の別の実施形態によるコンベヤベルトの一部の概略図である。
図21】本発明の別の実施形態によるコンベヤベルトの一部の概略図である。
図22】本発明の別の実施形態によるコンベヤベルトの一部の概略図である。
図23】本発明の別の実施形態によるコンベヤベルトの一部の概略図である。
図24】本発明の別の実施形態によるコンベヤベルトの一部の概略図である。
図25】本発明の別の実施形態によるコンベヤベルトの一部の概略図である。
図26】本発明の別の実施形態によるコンベヤベルトの一部の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、コンベヤベルト100の一部の上面図である。図1において、方向の向きは軸で示される。特に、図1に示すように、コンベヤベルト100は、コンベヤベルト100を横切って延びて側方方向を画定する側方軸105を有する。図1は、ベルトの搬送方向を含む、ベルトに沿って延びる長手方向軸110も示す。さらに、図1は、側方軸105と長手方向軸110とに垂直であって垂直方向を画定する垂直軸115を示す。
【0016】
同じく図1に示すように、コンベヤベルト100は、コンベヤベルト100を横切って側方に延びる複数の接続ロッド120で形成されている。さらに、コンベヤベルト100は、搬送面および対向面を有する。図1はコンベヤベルト100の上面図であるため、図1は、搬送面を示す。搬送面は、スパイラルオーバーレイとエンドリンクとで全体的に形成されている。
【0017】
図1に示すように、コンベヤベルト100は、スパイラルオーバーレイ125を含む。スパイラルオーバーレイ125は、それぞれが少なくとも1つのワイヤ130で形成されている複数のワイヤスパイラルを含む。各ワイヤスパイラルは、単一長さのワイヤで形成され、コンベヤベルト100を横切って側方に延びるように構成される螺旋を形成する。たとえば、図1は、第1のワイヤスパイラル126および第2のワイヤスパイラル127を示す。各スパイラルは、各前記スパイラルを横切る位置に、対向する円弧状リンクベンドを含む。
【0018】
図1に示すように、第1のワイヤスパイラル126は、第1の円弧状リンクベンド128および第2の円弧状リンクベンド129を含む。コンベヤベルト100のスパイラルは、リンクベンドがすぐ隣のスパイラルのリンクベンドと噛み合うように互いに対して配置される。図1に示すように、第1のワイヤスパイラル126の円弧状リンクベンドは、第2のワイヤスパイラル127の円弧状リンクベンドと噛み合ってもよい。図1にさらに示すように、隣接するスパイラルの噛み合ったリンクベンドは、スパイラルを動作可能に接続するように接続ロッドの1つを受け入れるように適合されている。
【0019】
スパイラルオーバーレイ125に加えて、コンベヤベルト100は、ベルトの側方縁部にU字型エンドリンクも含む。たとえば、図1は、右エンドリンク135および左エンドリンク140を示す。エンドリンクは、溶接部によって接続ロッドに溶接されてもよい。図1に示すように、溶接部145は、エンドリンクを接続ロッドに固定的に取り付ける。
【0020】
いくつかの実施形態では、溶接部145は、図1に示すように、ボタンレスの溶接部である。他の実施形態では、エンドリンクは、他の適切な方法で接続ロッドに固定されてもよい。たとえば、いくつかの場合では、エンドリンクが接続ロッドから滑り落ちることを防ぐために、接続ロッドにボタンヘッドが使用されてもよい。いくつかのそのような実施形態では、ボタンヘッドはエンドリンクに溶接されてもよい。
【0021】
当業者によって認識されるように、コンベヤベルトの文脈における「ボタンヘッド」という用語は、ロッドの外側端部の球状突起を指す。そのような球状突起はリンクの外面から突出するだけでなく、ロッドが所定の位置から外れないようにするためにロッドが通るリンク脚部の開口部よりも大きい直径を有する。「ボタンレス」という用語は、同じく当業者によって認識されるように、ボタンヘッドを有しないロッド、より具体的には、残りのロッドと実質的に同じであるかまたはそれよりも小さい直径を有する自由端部で終端するロッドを指す。ただし、「ボタンレス」は、小さな段差領域がリンク開口をオーバーレイし、それにより、小さな段差領域が、外側リンク表面と正確に同一平面にならずとも外側リンク表面と実質的に同一平面にある可能性を排除しないことも理解されるべきである。ボタンヘッド付きおよびボタンレスのコンベヤベルトロッドの詳細な説明は、2010年6月15日に発行されたMontgomeryらの米国特許第7735637号に記載され、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0022】
本発明の実施形態では、スパイラルオーバーレイは、各ワイヤスパイラルの円弧状リンクベンド間に配置された中間ループを含む。たとえば、図1に示すように、スパイラルオーバーレイ125のワイヤ126を形成するワイヤ130は、スパイラルオーバーレイ125の2つの対向する円弧状リンクベンドの間に中間ループ150を含む。中間ループ150は、中心軸155の周りにコイル状に巻かれたワイヤ130の部分を含む。図1に示すように、中心軸155は、側方軸105に実質的に平行であり、図示するように単一のワイヤスパイラルの構造の説明を目的として画定される。説明を目的として、前方もしくは後方または前後などの方向形容詞を使用する場合があり、これらの方向形容詞はベルトの搬送方向またはベルトの側方範囲を指す場合があることが、文脈から理解されよう。
【0023】
図2は、比較のための従来技術の実施形態によるコンベヤベルトの一部の上面図である。図2に示すように、従来技術のコンベヤベルト200は、スパイラルオーバーレイ205を含み、これは、複数の接続ロッド220により互いに動作可能に接続された複数のワイヤスパイラルを含む。図2のワイヤスパイラルは従来のものであり、隣接する接続ロッド間に延びるワイヤの直線セグメントとして形成されている。接続ロッド間に形成されている中間ループはない。図2に示すように、このような構成では、密なスパイラルオーバーレイと、ワイヤおよび接続ロッド間の接触点の間の狭い間隔とが提供される。
【0024】
特定の用途では、スパイラルオーバーレイの全体密度を低減するために各スパイラルの接続ロッドとの接触点のいくつかを排除しつつ、搬送面を提供することが望ましい場合がある。接触点の数を減らすことにより、より開いたベルトも提供され、これにより、隙間をなくしつつ、ベルトを清潔に保ち、清掃し、搬送物品の上および中を通る流体の流れを可能にすることが容易となってもよい。より開いたベルトは、搬送物品の加熱または冷却/凍結も促進してもよい。中間ループでワイヤスパイラルを形成すると、搬送面の完全性が維持されると同時に、ベルトコンポーネント間の接触点の数が減り、より開いたオーバーレイが提供される。
【0025】
図3は、コンベヤベルト100の一部の拡大上面図である。図3は、第1の接続ロッド160と第2の接続ロッド165とを含む2つの接続ロッド120を示す。図3に示すように、ワイヤ130は、スパイラルオーバーレイ125の第1のワイヤスパイラル126を形成する。ワイヤスパイラル126は、コンベヤベルト100を横切って側方に延びる螺旋を形成する。第1のワイヤスパイラル126は、第1の接続ロッド160と第2の接続ロッド165とにおける各前記スパイラルの前方端部および後方端部の位置に、対向する円弧状リンクベンドを含む。
【0026】
図3に示すように、ワイヤ130は、中間ループ150を含む搬送面の部分を形成する。第1の接続ロッド160と第2の接続ロッド165との間に延びて中間ループ150を含むワイヤ130の部分は、搬送面の2つの別個の部分を形成する。つまり、ワイヤが片側からループに入ると、ワイヤは搬送面の平面の下でカーブする。ワイヤはループの周りで延び、ループの反対側でカーブして搬送面の平面まで戻る。ループのワイヤが搬送面の平面と交差するこれらの2つの位置は、互いに側方に変位しており、したがって、ワイヤ130によって形成される搬送面の部分の間にギャップを形成する。搬送面の2つの部分は、少なくとも1つのワイヤの厚さよりも大きい距離だけ互いに側方にずれている。たとえば、図3に示すように、変位量は、第1の寸法170として示される。第1の寸法170で示されるこの変位量は、第2の寸法171で示されるワイヤ130の厚さよりも大きい。搬送面におけるこの不連続部とワイヤ130の部分の間の関連する側方変位とが、第1のワイヤスパイラル126の円弧状リンクベンド間に、より大きな間隔を作成し、これは、図3において寸法175として示されている。他の実施形態では、各中間ループによって提供される側方変位は、ワイヤの厚さと同じか、またはそれより小さくてもよい。
【0027】
図4図7は、コンベヤベルト100の中間ループがベルトの搬送面を越えて上方に延びておらず、また、ベルトの対向面の下に延びていないことを示す。すなわち、中間ループはベルトの平面内にあり、したがってベルトの表面に対して平らである。図4は、コンベヤベルト100の右縁部領域の上面図であり、図5は、図4に示すコンベヤベルト100の部分の側面図を示す。図5に示すように、中間ループ150は、エンドリンク135のスロット付き開口部を通して見ることができる。エンドリンク135の高さは、寸法180で示されている。図5に示すように、中間ループ150は、スロット付き開口部を通してしか見ることができず、したがって、中間ループ150は、寸法180より大きい高さを有しない。
【0028】
コンベヤベルトの複数のワイヤスパイラルは、ベルトの搬送面を画定する第1の平面において構成され、第1の平面に実質的に平行なベルトの対向面を画定する第2の平面において構成されてもよい。第1の平面と第2の平面との間の距離はスパイラルオーバーレイの垂直厚さを画定する。中間ループは、スパイラルオーバーレイの垂直厚さと同じかまたはそれよりも小さい高さを有してもよい。
【0029】
図6は、コンベヤベルト100の左縁部領域の斜視図である。図6は、垂直軸115をよりよく示している。図6は、スパイラルオーバーレイ125が第1の平面内に搬送面166を提供することも示している。さらに、スパイラルオーバーレイ125は、第2の平面において対向面167を提供する。図6は、中心軸155の周りにコイル状に巻かれた中間ループ150を示し、これは、第1の平面に実質的に平行である。
【0030】
図7は、スパイラルオーバーレイ125の一部の拡大図である。図7は、中間ループ150と第2の中間ループ185とを含む2つの中間ループを示す。中間ループ150は、垂直方向において中心軸155から最も遠くに配置された第1の縁部900と、垂直方向において第1の縁部900の反対側に配置された第2の縁部905とを有する。
【0031】
図7に示すように、スパイラルオーバーレイ125は、搬送面の第1の平面と対向面の第2の平面との間に厚さ190を有してもよい。同じく図7に示すように、第1の中間ループ150を含む中間ループは、スパイラルオーバーレイ125の厚さ190と実質的に同じである高さ195を有する。したがって、中間ループ150の第1の縁部900は、第1の平面に配置される。また、中間ループ150の第2の縁部905は、第2の平面に配置される。
【0032】
いくつかの実施形態では、コンベヤベルトは、ベルトの長手方向の折り畳みを制限するための手段を含んでもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、コンベヤベルトは、接続ロッドが所定の最小距離よりも近くなることを中間ループが防止されるように構成されてもよい。すなわち、中間ループは、ベルトの折り畳みを制限するバンプストップまたはスペーサとして機能してもよい。
【0033】
図8および図9は、コンベヤベルト100のベルト折り畳み制限機能を示す。図8は、カーブをナビゲートしている間の、コンベヤベルト100の一部の上面図である。図9は、図8に示されるコンベヤベルト100の左縁部領域の拡大図である。図9に示すように、中間ループ908は、隣接する接続ロッド120間の最小間隔915を維持することにより、ベルト100の長手方向の折り畳みを制限するように構成されている。
【0034】
本明細書に示されたものなどの実施形態では、中間ループの上縁部および下縁部は、それぞれ搬送面の平面および対向面の平面にあり、支持面の量は、全体的な構成について実質的に最大化されるであろう。しかし、用途によっては、搬送面または対向面のスパイラルオーバーレイの表面積を小さくすることが望ましい場合がある。たとえば、コンベヤベルト上の物品に、下からのより大きなアクセスを提供することが望ましい場合がある。そのような実施形態では、上述の折り畳み防止を提供するために中間ループを含むことが望ましい場合がある。
【0035】
したがって、いくつかの実施形態では、中間ループの上縁部は、スパイラルオーバーレイの搬送面の平面の下に配置されてもよい。同様に、中間ループの下縁部は、スパイラルオーバーレイの対向面の平面の上に配置されてもよい。第1の平面、第2の平面、および第1の平面と第2の平面との間のスペースを含むベルトスペースが考慮される場合、いくつかの実施形態では、中間ループ全体がベルトスペース内に配置される。
【0036】
いくつかの実施形態では、スパイラルオーバーレイの構成は異なってもよい。たとえば、中間ループの形状、ワイヤスパイラルの向きの角度、ループの数、各スパイラルのコイルの数、およびその他のパラメータが異なってもよい。あるいはまたはさらに、同じベルト内の異なる中間ループの構成は異なってもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、中間ループは、スパイラルオーバーレイの製造を容易にするように構成されてもよい。たとえば、スパイラルオーバーレイは、ワイヤベンドプロセスを使用して製造されてもよい。ワイヤ内に配置されるベンドが多いほど、プロセスに時間がかる可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、スパイラルオーバーレイは、減らされた数の中間ループを含んでもよい。
【0038】
図10は、本発明の別の実施形態によるコンベヤベルト1000の一部の上面図である。図10に示すように、コンベヤベルト1000は、スパイラルオーバーレイ1025と複数の接続ロッド1020とを含む。スパイラルオーバーレイ1025は、搬送面の第1の平面にて延びる部分および対向面の第2の平面にて延びる部分を含む、少なくとも1つのワイヤ1030を含む。図10に示すように、スパイラルオーバーレイ1025は、複数の中間ループを含む。
【0039】
図10に示す実施形態では、中間ループは、オーバーレイの他のすべてのスパイラル上に設けられている。たとえば、図10に示すように、ワイヤ1030の第1のセグメント1055は接続ロッド120の間で直接延びている一方で、第2のセグメント1060は、ワイヤ1030の対向する円弧状リンクベンドの間に中間ループ1050を含む。
【0040】
図10の実施形態では、表面に不連続部を形成する中間ループの縁部は、ベルトの下面に設けられている。すなわち、図10に示すように、第1の平面(たとえば、第1のセグメント1055)にて延びるワイヤ1030の部分は連続的であり、第2の平面(たとえば、第2のセグメント1060)にて延びる部分は、スパイラルオーバーレイ1025の対向する円弧状リンクベンドの間に配置された中間ループにて不連続である。いくつかの実施形態では、図10の構成は反転されてもよく、中間ループの不連続部分はベルトの上面に配置されてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態では、スパイラルオーバーレイは、スパイラルおよび中間ループの生成を促進するための他の手段を含んでもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、ワイヤのセグメントがスパイラルオーバーレイを形成する角度が変わってもよい。場合によっては、特定のセグメントが長手方向に向けられてもよい一方で、ワイヤの他のセグメントが長手方向に対して非ゼロ角度に向けられてもよい。長手方向に向けられたいくつかのワイヤセグメントでスパイラルオーバーレイを形成すると、ワイヤベンドプロセスの複雑さが軽減される可能性がある。
【0042】
図11は、本発明の別の実施形態によるコンベヤベルト1100の一部の上面図である。コンベヤベルト1100は、スパイラルオーバーレイ1125と複数の接続ロッド1120とを含む。図11は、スパイラルオーバーレイ1125の1つのワイヤ1130を示す。ワイヤ1130は、搬送面の第1の平面にて延びる第1の部分1155と、ベルトの対向面の第2の平面にて延びる第2の部分1160とを含む。同じく図11に示すように、第1の部分1155はそれぞれ、長手方向軸1110に対して非ゼロ角度1165で延びている。さらに、第2の部分1160は、長手方向(すなわち、長手方向軸1110に平行)に延びる。他の実施形態では、スパイラルオーバーレイのセグメントの角度方向は異なってもよい。
【0043】
中間ループの形状および/またはサイズは、異なる特性を提供するために変えることができる。たとえば、中間ループの形状および/またはサイズを変えて、搬送面の表面積を増減させることができる。このような変動は、メッシュ内にどれくらい多くの開けられたスペースが存在するかについて影響を及ぼす可能性があり、ベルトの重量にも影響を及ぼす可能性がある。
【0044】
図12は、本発明の別の実施形態によるコンベヤベルトの一部の概略図である。図12に示すように、コンベヤベルト1200は、スパイラルオーバーレイ1225のワイヤスパイラルを接続する複数の接続ロッド1220で形成されている。
【0045】
図12では、方向の向きは軸で示される。特に、図1に示すように、コンベヤベルト1200は、コンベヤベルト1200を横切って延びて側方方向を画定する側方軸1205を有する。図12は、ベルトの搬送方向を含むベルトに沿って延びる長手方向軸1210も示す。さらに、図12は、側方軸1205と長手方向軸1210とに垂直であって垂直方向を画定する垂直軸1215を示す。
【0046】
図12に示すように、コンベヤベルト1200は、実質的に楕円形状を有する少なくとも1つの中間ループ1230を含む。すなわち、図12に示すように、中間ループ1230は、長手方向軸1210の方向に長さ1245を、垂直軸1215の方向に高さを有してもよく、長さ1245は高さ1250よりも長い。楕円形の中間ループを使用すると、円形の中間ループと比較して、搬送面における表面積が増加する可能性がある。
【0047】
いくつかの実施形態において、コンベヤベルト1200は、楕円形の中間ループ1230に加えて、他の形状を有する中間ループを有する。たとえば、図12に示すように、コンベヤベルト1200は、実質的に円形の中間ループ1250を有する。他の実施形態では、中間ループのすべてが楕円形であってもよい。
【0048】
他の実施形態では、中間ループは他の非円形形状を有してもよい。たとえば、図13は、少なくとも1つの実質的に長方形の中間ループを有するコンベヤベルトの一部の概略図である。特に図13は、スパイラルオーバーレイ1325のワイヤスパイラルを接続する複数の接続ロッド1320で形成されたコンベヤベルト1300を示す。図13に示すように、コンベヤベルト1300のスパイラルオーバーレイ1325は、実質的に長方形の形状を有する少なくとも1つの中間ループ1330を含む。楕円形の中間ループのように、長方形の中間ループは、円形の中間ループと比較して、搬送面の表面積を増加させる可能性がある。
【0049】
いくつかの実施形態では、1つ以上の中間ループは、ベルトの搬送面の上に延びる直立部を形成してもよい。そのような直立部は、製品をベルトの所望の領域に保持するための仕切りまたはフェンスを形成してもよい。たとえば、そのような直立部は、レーン仕切りを形成するために長手方向に配置されてもよい。他の実施形態では、そのような直立部は、ベルトの長手方向断面を分割するために側方に配置されてもよい。他の実施形態では、そのような直立部は、製品がベルトから落ちることを防ぐために、ベルトの側方縁部に設けられてもよい。
【0050】
図14は、コンベヤベルト1400の一部を示す概略図である。コンベヤベルト1400は、スパイラルオーバーレイ1425のワイヤスパイラルを接続する複数の接続ロッド1420で形成されている。図14に示すように、コンベヤベルト1400のスパイラルオーバーレイ1425は、他の実施形態に関して上述したように、コンベヤベルト1400の厚さ内に形成された少なくとも1つの中間ループ1428を含む。スパイラルオーバーレイ1425の上部は、搬送面1432を形成している。さらに、スパイラルオーバーレイ1425は、スパイラルオーバーレイ1425の対向する円弧状リンクベンドの間に形成されて搬送面1432の上に延びるように構成された直立部1434を有する、少なくとも1つの中間ループ1430も含む。図14に示すように、コンベヤベルト1400は厚さ1435を有し、中間ループ1430の直立部1434はコンベヤベルト1400の厚さ1435よりも大きな高さ1440を有する。
【0051】
いくつかの実施形態では、スパイラルオーバーレイの対向する円弧状リンクベンドの間に2つ以上の中間ループを設けることができる。対向する円弧状リンクベンド間の中間ループの数により、スパイラルと接続ロッドとの間の接触面積の量が決まる。対向する円弧状リンクベンドの間の中間ループが多いほど、対向する円弧状リンクベンドの間の側方距離が大きくなる。いくつかの実施形態では、スパイラルオーバーレイのワイヤスパイラルは、スパイラルオーバーレイの少なくとも第1の組の対向する円弧状リンクベンドの間に形成された複数の中間ループを含んでもよく、複数の中間ループはベルト厚さ内に配置されてもよい。
【0052】
図15は、コンベヤベルト1500の一部の概略図である。コンベヤベルト1500は、スパイラルオーバーレイ1525のワイヤスパイラルを接続する複数の接続ロッド1520で形成されている。図15に示すように、スパイラルオーバーレイ1525は、第1の円弧状リンクベンド1530と、第1の円弧状リンクベンド1530に対向する第2の円弧状リンクベンド1535とを含む。図15にさらに示すように、ワイヤスパイラルは、第1の円弧状リンクベンド1530と第2の円弧状リンクベンド1535との間に形成された複数の中間ループ1540を含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、中間ループの配置は特定のパターンで提供されてもよい。たとえば、ベルトの幅を横切る対向する円弧状リンクベンドの各対の間に同数の中間ループが設けられてもよい。他の実施形態では、中間ループの数は、ベルトにわたって異なってもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、より多くの重量を支持するために、ベルトの中央部分がより多くの対向する円弧状リンクベンドを含むように、より多くの中間ループをベルトの側方縁部に設けてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、中間ループの配置は、ベルトにわたる特定のパターンなしで提供されてもよい。すなわち、対向する円弧状リンクベンドの各対の間の中間ループの数は、特定のパターンなしでベルトの幅にわたって変化してもよい。たとえば、中間ループは2つ、3つ、および4つのグループで設けられてもよいが、必ずしも数の順に配置される必要はない。
【0055】
図16は、コンベヤベルト1600の一部の概略図である。コンベヤベルト1600は、スパイラルオーバーレイ1625のワイヤスパイラルを接続する複数の接続ロッド1620で形成されている。スパイラルオーバーレイ1625は、第1の円弧状リンクベンド1630、第2の円弧状リンクベンド1635、第3の円弧状リンクベンド1645、第4の円弧状リンクベンド1655、第5の円弧状リンクベンド1660を含む。スパイラルオーバーレイ1625は、第1の円弧状リンクベンド1630と第2の円弧状リンクベンド1635との間に形成された第1の複数の中間ループ1640を含む。
【0056】
図16に示すように、第1の複数の中間ループ1640は、3つの中間ループを含む。さらに、スパイラルオーバーレイ1625は、第2の円弧状リンクベンド1635と第3の円弧状リンクベンド1645との間に形成された第2の複数の中間ループ1650を含む。図16に示すように、第2の複数の中間ループ1650は、4つの中間ループを含み、したがって、第1の複数の中間ループ1640とは異なる数の中間ループからなる。また、スパイラルオーバーレイ1625は、第4の円弧状リンクベンド1655と第5の円弧状リンクベンド1660との間に形成された第3の複数の中間ループ1665を含む。図16に示すように、第3の複数の中間ループ1665は、2つの中間ループを含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、中間ループ間で一緒にグループ化される対向する円弧状リンクベンドの数は異なってもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、互いに隣接する第1の組の円弧状リンクベンドは複数のリンクベンドを有してもよく、第2の組の円弧状リンクベンドも複数のリンクベンドを含んでもよい。1つ以上の中間ループは、第1の組の円弧状リンクベンドと第2の組の円弧状リンクベンドとの間に配置されてもよい。中間ループよりも多くのリンクベンドを使用すると、ベルトの負荷容量が増加する可能性がある。
【0058】
図17は、コンベヤベルト1700の一部の概略図である。コンベヤベルト1700は、スパイラルオーバーレイ1725のワイヤスパイラルを接続する複数の接続ロッド1720で形成されている。スパイラルオーバーレイ1725の少なくとも1つのスパイラルは、互いに隣接する第1の組の前方円弧状リンクベンド1730と、互いに隣接する第2の組の前方円弧状リンクベンド1735とを含む。図17に示すように、ワイヤは、第1の組の前方円弧状リンクベンド1730と第2の組の前方円弧状リンクベンドとの間に側方に配置された少なくとも1つの中間ループ1740を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、ベルトの選択部分に中間ループを設けてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、中間ループは、ベルトの側方縁部にのみ設けられてもよい。そのような構成は、接続ロッドが長手方向に互いに向かって折り畳まれてもよい量を制限することにより、ベルトの座屈を防いでもよい。他の実施形態では、ターン中に接続ロッドを互いに向かって折り畳むことを容易にするために、中間ループなしでスパイラルオーバーレイの側方縁部を設けてもよい。そのような実施形態では、ベルトの中央部分でより大きなサイズの中間ループを利用してもよく、ベルトの側方部分で使用される場合、ロッドの折り畳みを抑制するであろう。
【0060】
図18は、コンベヤベルト1800の一部の概略図である。コンベヤベルト1800は、スパイラルオーバーレイ1825のワイヤスパイラルを接続する複数の接続ロッド1820で形成されている。
【0061】
図18に示すように、スパイラルオーバーレイ1825は、コンベヤベルト1800の側方縁部1815に近接して配置されるように構成された側方縁部1830を含む。さらに、スパイラルオーバーレイ1825は、コンベヤベルト1800の幅の実質的な大部分を形成するように構成された中央部分1835を含む。図18にさらに示すように、スパイラルオーバーレイ1825は、スパイラルオーバーレイ1825の側方縁部1830に設けられた少なくとも1つの中間ループ1840を含む。さらに、スパイラルオーバーレイ1825の中央部分1835は、スパイラルの円弧状リンクベンドの間に中間ループなしで形成される。
【0062】
図19は、コンベヤベルト1900の一部の概略図である。コンベヤベルト1900は、スパイラルオーバーレイ1925のワイヤスパイラルを接続する複数の接続ロッド1920で形成されている。図19に示すように、スパイラルオーバーレイ1925は、コンベヤベルト1900の側方縁部1915に近接して配置されるように構成された側方縁部1930を含む。さらに、スパイラルオーバーレイ1925は、コンベヤベルト1900の幅の実質的に大部分を形成するように構成された中央部分1935を含む。スパイラルオーバーレイ1925は、スパイラルオーバーレイ1925の中央部分1935に設けられた少なくとも1つの中間ループ1940も含む。
【0063】
図19に示すように、スパイラルオーバーレイ1925の側方縁部1930は、スパイラルの円弧状リンクベンドの間に中間ループなしで形成される。中間ループは長さ1945を有する。したがって、中間ループは、第2の接続ロッド1922への第1の接続ロッド1921の折り畳みを、長さ1945と同じ最小距離1950に制限する。しかし、スパイラルオーバーレイ1925の側方縁部1930は中間ループを含まないため、接続ロッドは、中間スパイラルの長さ1945よりも短い距離1955まで折り畳むことができる。この構成は、ベルトのターンをナビゲートする能力を制限することなく、ベルトの中央部分の中間スパイラルの利点を利用する。
【0064】
いくつかの実施形態では、ベルトの側方部分で中間ループを完全に省略する代わりに、ベルトの側方領域で中間ループの長さを短くしてもよい。たとえば、ベルトは、搬送方向にて変化する長さを有する複数の中間ループを含んでもよく、コンベヤベルトの側方縁部に近接して配置されるように構成されたスパイラルオーバーレイの側方部分に配置された中間ループは、スパイラルオーバーレイの中央部分に位置する中間ループよりも搬送方向にてより短い長さを有してもよい。これにより、スパイラルオーバーレイの側方縁部までずっと、中間ループの利点(たとえば、搬送表面積の増加)が得られる可能性がある。
【0065】
図20は、コンベヤベルト2000の一部の概略図である。コンベヤベルト2000は、スパイラルオーバーレイ2025のワイヤスパイラルを接続する複数の接続ロッド2020で形成されている。図20に示すように、スパイラルオーバーレイ2025は、搬送方向に第1の長手方向長さ2050を有する、第1の中間ループ2040を含む。さらに、スパイラルオーバーレイ2025は、搬送方向に第2の長手方向長さを有する、スパイラルオーバーレイ2025の側方部分に配置された第2の中間ループ2055を含む。図20に示すように、第2の長手方向長さ2055を、第1の長手方向長さ2050よりも短くしてもよい。
【0066】
このより短い第2の長手方向長さ2055は、第1の接続ロッド2021が第2の接続ロッド2022に向かって長手方向距離2060まで折り畳まれることを可能にしてもよい。図20に示すように、ベルトの側方部分の接続ロッド間の長手方向距離2060を、第1の長手方向長さ2050よりも短くしてもよい。
【0067】
さらに、図20に示すように、スパイラルオーバーレイ2025は、一貫した距離を有する対向する円弧状リンクベンドを有してもよい。たとえば、第1の円弧状リンクベンド2026と第2の円弧状リンクベンド2027とは、それらの間に距離2065を有してもよい。この距離は、スパイラルオーバーレイ2025のすべての対向する円弧状リンクベンドについて実質的に同じであってもよい。これにより、コンベヤベルト2000を直線走行とおよびカーブの周りとで利用することが可能になってもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、スパイラルオーバーレイは、カーブした搬送経路のみで使用するように構成されてもよい。したがって、両方の中間ループの長さと、スパイラル内の対向する円弧状リンクベンド間の距離とを、ベルトの側方部分でより小さくしてもよい。これにより、スパイラルオーバーレイを介して力がより均等に分散されてもよい。
【0069】
図21は、コンベヤベルト2100の一部の概略図である。コンベヤベルト2100は、スパイラルオーバーレイ2125のワイヤスパイラルを接続する複数の接続ロッド2120で形成されている。図21に示すように、スパイラルオーバーレイ2125は、搬送方向に第1の長手方向長さ2142を有する、第1の中間ループ2140を含む。さらに、スパイラルオーバーレイ2125は、搬送方向に第2の長手方向長さ2155を有する、スパイラルオーバーレイ2125の側方部分に配置された第2の中間ループ2145を含む。図21に示すように、第2の長手方向長さ2155は、第1の長手方向長さ2142よりも短い。
【0070】
さらに、搬送方向における対向する円弧状リンクベンド間の距離は、スパイラルオーバーレイの中央部分よりもスパイラルオーバーレイの側方部分で短い。スパイラルオーバーレイ2125は、第1の長さ2165を画定する第1の円弧状リンクベンド2126と第2の円弧状リンクベンド2127とを含む。スパイラルオーバーレイ2125は、第2の長さ2170を画定する第3の円弧状リンクベンド2128と第4の円弧状リンクベンド2129と、も含む。図21に示すように、第2の長さ2170は、第1の長さ2165よりも短い。
【0071】
いくつかの実施形態では、中間ループは、コンベヤベルトの接続ロッドの周りに延びるように構成されてもよい。したがって、中間ループは、一方端部で接続ロッドの周りに延びてもよく、中間ループの反対端部の接続ロッド間で自由に浮遊してもよい。この構成により、スパイラルワイヤと接続ロッドとの間の接触量が減る可能性があるが、接続ロッド間に完全に存在する中間ループに対して追加のサポート強度を提供してもよい。
【0072】
図22は、コンベヤベルト2200の一部の概略図である。コンベヤベルト2200は、スパイラルオーバーレイ2225のワイヤスパイラルを接続する複数の接続ロッド2220で形成されている。図22に示すように、スパイラルオーバーレイ2225は、第1の円弧状リンクベンド2230と第1の円弧状リンクベンド2230に対向する第2の円弧状リンクベンド2235とを含む。さらに、スパイラルオーバーレイ2225は、中間ループ2238を含む。中間ループ2238は、コンベヤベルトの接続ロッドの周りに延びるように構成された第1の円弧状リンクベンド2240と、第1の接続ロッド2221と第2の接続ロッド2222との間に配置されるように構成された第2の円弧状リンクベンド2245とを含む、対向する円弧状リンクベンドを含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、スパイラルオーバーレイの対向する円弧状リンクベンドは、3つ以上の接続ロッドに及んでもよい。さらに、中間ループは、接続ロッドにもまたがってもよい。そのような構成は、搬送面の一部として配置されたワイヤスパイラルのより長い長さを提供してもよい。
【0074】
図23は、コンベヤベルト2300の一部の概略図である。コンベヤベルト2300は、スパイラルオーバーレイ2325のワイヤスパイラルを接続する複数の接続ロッド2320で形成されている。図23に示すように、接続ロッド2320は、第1の接続ロッド2321、第2の接続ロッド2322、および第3の接続ロッド2323を含む。スパイラルオーバーレイ2325は、第1の円弧状リンクベンド2330と、第1の円弧状リンクベンド2330の反対側の第2の円弧状リンクベンド2335とを含む。図23に示すように、対向する円弧状リンクベンド2330および2335は、第1の接続ロッド2321、第2の接続ロッド2322、および第3の接続ロッド2323を含む3つの接続ロッドにまたがる。また、スパイラルオーバーレイ2325は中間ループ2340を含む。中間ループ2340は、第1の円弧状リンクベンド2345と、対向する第2の円弧状リンクベンド2350とを含む。図23に示すように、第1の円弧状リンクベンド2345および対向する第2の円弧状リンクベンド2350は、第2の接続ロッド2322にまたがる。
【0075】
いくつかの実施形態では、ロッドまたは他の構造を、中間ループを通して配置することができる。これにより、接続ロッド間のスペースが埋められ、アイテムがベルトから落下することを防いでもよい。
【0076】
図24は、コンベヤベルト2400の一部の概略図である。コンベヤベルト2400は、スパイラルオーバーレイ2425のワイヤスパイラルを接続する複数の接続ロッド2420で形成されている。スパイラルオーバーレイ2425は、コンベヤベルト2400を横切って側方に間隔を空けられた複数の中間ループ2430を含む。図24に示すように、細長いロッド2435は、側方に離間した中間ループ2430内に配置される。
【0077】
いくつかの実施形態では、スパイラルオーバーレイは、一方向織り(unilateral weave)または平衡織り(balanced weave)を有してもよい。たとえば、図24は、一方向織りを示している。すなわち、搬送面上のスパイラルのすべての部分には同じように角度が付けられ、ベルトの反対側の(下側)表面上のスパイラルのすべての部分には反対方向に角度が付けられている。
【0078】
他の実施形態では、スパイラルオーバーレイの交互スパイラルが反対の角度で配向される平衡織りが提供されてもよい。すなわち、スパイラルオーバーレイを形成する複数のワイヤスパイラルは、第1の組のスパイラルおよび第2の組のスパイラルを含み、第1の組のスパイラルと第2の組のスパイラルとが交互に配置される。さらに、第1の組のスパイラルは、搬送面に、ベルトの長手方向軸に対して第1の非ゼロ角度に向けられたワイヤセグメントを含む。また、第2の組のスパイラルは、搬送面に、長手方向軸に対して第2の非ゼロ角度に向けられたワイヤセグメントを含む。第2の非ゼロ角度は、第1の非ゼロ角度の反対であってもよい。
【0079】
これは、ヘリンボーンパターンに似ており、ベルト上の貨物がベルトの一方縁部に向かって側方に「歩く」ことを防いでもよい。
【0080】
図25は、コンベヤベルト2500の一部の概略図である。コンベヤベルト2500は、スパイラルオーバーレイ2525のワイヤスパイラルを接続する複数の接続ロッド2520で形成されている。長手方向軸2510は、コンベヤベルト2500の搬送方向を示す。
【0081】
コンベヤベルト2500のスパイラルオーバーレイ2525は、平衡織りを有する。図25に示すように、スパイラルオーバーレイ2525は、第1のスパイラル2526、第2のスパイラル2527、および第3のスパイラル2528を含む。第1のスパイラル2526は、長手方向軸2510に対して第1の非ゼロ角度2530に向けられてもよい。第2のスパイラル2527は、長手方向軸2510に対して第2の非ゼロ角度2535に向けられてもよい。第2の非ゼロ角度2535は、第1の非ゼロ角度2530の反対として示されている。図25では、第1の非ゼロ角度2530および第2の非ゼロ角度2535は、等しく、かつ反対であるように示されている。しかし、いくつかの実施形態では、これらの角度は必ずしも等しい大きさである必要はない。
【0082】
さらに、第3のスパイラル2528は、長手方向軸2510に対して第3の非ゼロ角度2540に向けられている。図25に示すように、第3の非ゼロ角度2540は第1の非ゼロ角度2530と実質的に同じである。したがって、3つのスパイラルは、それらが長手方向軸2510に対して配向される角度に関して交互配置を有している。
【0083】
いくつかの実施形態では、スパイラルオーバーレイの異なるワイヤスパイラルは、異なるゲージを有してもよい。たとえば、より大きなゲージワイヤスパイラル間に散在する、より小さなゲージワイヤスパイラルを利用することで、強度を大幅に犠牲にすることなく重量を節約できる。
【0084】
図26は、コンベヤベルト2600の一部の概略図である。コンベヤベルト2600は、スパイラルオーバーレイ2625のワイヤスパイラルを接続する複数の接続ロッド2620で形成されている。スパイラルオーバーレイ2625は、第1のゲージを有するワイヤで形成された少なくとも第1のワイヤスパイラル2626と、第2のゲージを有するワイヤで形成された少なくとも第2のワイヤスパイラル2627とを含む複数のワイヤスパイラルを含み、第2のゲージは第1のゲージとは異なる。第1のワイヤスパイラル2626は第1の厚さ2630を有し、第2のワイヤスパイラル2627は第2の厚さ2635を有する。図26に示すように、第1の厚さ2630は第2の厚さ2635よりも大きい。
【0085】
上述の実施形態のさらなる変形例も可能である。本明細書で論じられるものなどのいくつかの実施形態では、ベルトが、垂直および側方の対称性を有する可能性があることに留意されたい。したがって、そのようなベルトは、ひっくり返して、対向面を搬送面とすることができる。これは、ベルトの寿命を延ばすのに役立つ。他の実施形態では、ベルトは、垂直方向および/または側方方向にて非対称である可能性がある。
【0086】
様々な実施形態を説明したが、説明は限定ではなく例示を意図したものであり、当業者には、本実施形態の範囲内にあるさらに多くの実施形態および実施態様が可能であることが明らかであろう。特徴の多くの可能な組み合わせが添付の図に示され、この詳細な説明で説明されているが、本発明の特徴の、他の多くの組み合わせが可能である。特に制限されない限り、任意の実施形態の任意の特徴は、任意の他の実施形態の任意の他の特徴または要素と組み合わせて、またはその代わりに使用されてもよい。したがって、本発明で示されおよび/または説明される特徴のうちの任意のものが、任意の適切な組み合わせで一緒に実装されてもよいことが理解されるであろう。したがって、実施形態は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物を考慮した場合を除いて制限されるべきではない。また、添付の特許請求の範囲内で様々な修正および変更を行ってもよい。
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