(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-11
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】クロマトグラフィ装置のための弁ユニット
(51)【国際特許分類】
G01N 30/26 20060101AFI20230512BHJP
G01N 30/46 20060101ALI20230512BHJP
G01N 30/32 20060101ALI20230512BHJP
G01N 30/82 20060101ALI20230512BHJP
【FI】
G01N30/26 M
G01N30/46 A
G01N30/32 C
G01N30/82
(21)【出願番号】P 2020516661
(86)(22)【出願日】2018-09-21
(86)【国際出願番号】 EP2018075694
(87)【国際公開番号】W WO2019057937
(87)【国際公開日】2019-03-28
【審査請求日】2021-08-23
(32)【優先日】2017-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】597064713
【氏名又は名称】サイティバ・スウェーデン・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【氏名又は名称】田中 研二
(72)【発明者】
【氏名】ラーシュ・オロフ・ニルス・ローセングレーン
(72)【発明者】
【氏名】シェシュティン・エリサベト・エリクソン
(72)【発明者】
【氏名】ティム・フランソワ
【審査官】高田 亜希
(56)【参考文献】
【文献】特開昭51-107279(JP,A)
【文献】特表2017-508143(JP,A)
【文献】特表2009-511900(JP,A)
【文献】登録実用新案第3123803(JP,U)
【文献】国際公開第2015/121425(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 30/00 -30/96
B01J 20/281-20/292
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロマトグラフィ装置のための弁ユニット(100)であって、
入力流体を受け入れるように構成されている流体入口(110)と、
出力流体を供給するように構成されている流体出口(120)と、
第1のカラムに結合されるように構成されている第1の対の流体ポート(130)と、
第2のカラムに結合されるように構成されている第2の対の流体ポート(140)と、
1つまたは複数の制御信号に応答して、前記流体入口(110)、前記流体出口(120)、前記第1の対の流体ポート(130)、および前記第2の対の流体ポート(140)の中から選択されたものの間で流体を導くように構成されている結合用弁組立体(200)と、
を備えており、
前記結合用弁組立体(200)が、前記結合用弁組立体(200)の本体(201)の中に含まれている流体チャネルによって結合される膜弁(231、232、241、242、250、260、271~276)の中から選択されたものを使用して、流体を導くように構成されて
おり、
前記流体チャネルは、線の始点と線の終点との間に分岐または分かれ目のない線に従った、直系的な形状を有し、
前記直系的な形状は、前記流体チャネルの機能していない、静止している、または停滞している区間を回避している、
弁ユニット(100)。
【請求項2】
前記第1の対の流体ポート(130)は、前記第1のカラムの上部に結合されるように構成されている第1の流体ポート(131)と、前記第1のカラムの下部に結合されるように構成されている第2の流体ポート(132)と、を備え、
前記第2の対の流体ポート(140)は、前記第2のカラムの上部に結合されるように構成されている第3の流体ポート(141)と、前記第2のカラムの下部に結合されるように構成されている第4の流体ポート(142)と、を備える、請求項1に記載の弁ユニット。
【請求項3】
前記結合用弁組立体(200)が、第1の制御信号(1_DOWN)に応答して、前記流体入口(110)を前記第1の流体ポート(131)に結合し、且つ前記第2の流体ポート(132)を前記流体出口(120)に結合するように構成されている、請求項2に記載の弁ユニット。
【請求項4】
前記結合用弁組立体(200)が、第2の制御信号(2_DOWN)に応答して、前記流体入口(110)を前記第3の流体ポート(141)に結合し、且つ前記第4の流体ポート(142)を前記流体出口(120)に結合するように構成されている、請求項2に記載の弁ユニット。
【請求項5】
前記結合用弁組立体(200)が、第3の制御信号(1_UP)に応答して、前記流体入口(110)を前記第2の流体ポート(132)に結合し、且つ前記第1の流体ポート(131)を前記流体出口(120)に結合するように構成されている、請求項2に記載の弁ユニット。
【請求項6】
前記結合用弁組立体(200)が、第4の制御信号(2_UP)に応答して、前記流体入口(110)を前記第4の流体ポート(142)に結合し、且つ前記第3の流体ポート(141)を前記流体出口(120)に結合するように構成されている、請求項2に記載の弁ユニット。
【請求項7】
前記結合用弁組立体(200)が、第5の制御信号(1_DOWN-2_DOWN)に応答して、
前記流体入口(110)を前記第1の流体ポート(131)に結合し、
前記第2の流体ポート(132)を前記第3の流体ポート(141)に結合し、且つ
前記第4の流体ポート(142)を前記流体出口(120)に結合するように構成されている、請求項2に記載の弁ユニット。
【請求項8】
前記結合用弁組立体(200)が、第6の制御信号(2_DOWN-1_DOWN)に応答して、
前記流体入口(110)を前記第3の流体ポート(141)に結合し、
前記第4の流体ポート(142)を前記第1の流体ポート(131)に結合し、且つ
前記第2の流体ポート(132)を前記流体出口(120)に結合するように構成されている、請求項2に記載の弁ユニット。
【請求項9】
前記結合用弁組立体(200)が、第7の制御信号(BY_PASS_ALL)、第8の制御信号(BY_PASS_TOP)、または第9の制御信号(BY_PASS_BOTTOM)に応答して、前記流体入口(110)を前記流体出口(120)に結合するように構成されている、請求項1または2に記載の弁ユニット。
【請求項10】
前記結合用弁組立体(200)が、廃棄流体ポート(160)をさらに備え、
前記結合用弁組立体(200)は、第10の制御信号(WASTE)に応答して、前記流体入口(110)を前記廃棄流体ポート(160)に結合するように構成されている、請求項1または2に記載の弁ユニット。
【請求項11】
前記結合用弁組立体(200)の前記本体(201)の中に含まれている前記流体チャネルが、直系的な形状で形成されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の弁ユニット。
【請求項12】
前記結合用弁組立体(200)は、前記流体入口(110)に結合された第1の圧力センサ(281)であって、前記受け入れられた流体の第1の圧力を測定するように構成されている第1の圧力センサ(281)と、前記流体出口(120)に結合された第2の圧力センサ(282)であって、前記供給された流体の第2の圧力を測定するように構成されている第2の圧力センサ(282)と、をさらに備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の弁ユニット。
【請求項13】
請求項1による弁ユニット内に含まれた結合用弁組立体(200)の中に含まれている膜弁(231、232、241、242、250、260、271-276)であって、
本体(201)と、
前記本体(201)の中に配置された膜(310)であって、開放位置に位置決めされているときに中心ポート(306)とサイドポート(307)との間の流体の流れを可能にし、閉鎖位置に位置決めされているときに前記中心ポート(306)と前記サイドポート(307)との間の流体の前記流れを遮断するように構成されている膜(310)と、
長手方向軸(315)に沿って配置されたピストン(304)であって、前記膜(310)に結合されているピストン(304)と、
前記長手方向軸(315)に沿って配置されたばね(314)であって、前記ピストン(304)に一方の端部において結合され、動作可能な駆動部(301)に対向端部において結合されているばね(314)と、
を備え、
前記駆動部(301)が、受信した制御信号に応答して、前記長手方向軸(315)に沿って前記ばね(314)の前記対向端部を移動させて、前記膜の前記開放位置および前記膜の前記閉鎖位置を得るように構成されている、
膜弁(231、232、241、242、250、260、271-276)。
【請求項14】
クロマトグラフィ装置(400)であって、
請求項1から11のいずれか一項に記載の弁ユニット(100)であって、リザーバ(451)に結合されている流体入口(110)、流体を供給するように構成されている流体出口(120)、第1のカラム(441)の上部に結合されるように構成されている第1の流体ポート(131)、前記第1のカラム(441)の下部に結合されるように構成されている第2の流体ポート(132)、前記第2のカラム(442)の上部に結合されるように構成されている第3の流体ポート(141)、および前記第2のカラム(442)の下部に結合されるように構成されている第4の流体ポート(142)を備える、弁ユニット(100)と、回路機構を備える制御ユニット(410)とを備え、
前記回路機構が、
プロセッサ(412)と、
メモリ(415)と、
を備え、前記メモリ(415)が、前記プロセッサ(412)によって実行可能な命令を含み、それによって、前記クロマトグラフィ装置が、1つまたは複数の制御信号を前記弁ユニット(
100)に送信することによって、前記流体入口(110)、前記流体出口(120)、前記第1の流体ポート(131)、前記第2の流体ポート(132)、前記第3の流体ポート(141)、および前記第4の流体ポート(142)の中から選択されたものの間で流体を導くように前記弁ユニット(100)を制御するように動作する、
クロマトグラフィ装置(400)。
【請求項15】
前記流体入口(110)を前記第1の流体ポート(131)に結合し、且つ前記第2の流体ポート(132)を前記流体出口(120)に結合するように前記弁ユニット(100)を制御するために第1の制御信号(1_DOWN)を送信することによって、前記弁ユニット(100)を制御するように動作する、請求項14に記載のクロマトグラフィ装置(400)。
【請求項16】
前記流体入口(110)を前記第3の流体ポート(141)に結合し、且つ前記第4の流体ポート(142)を前記流体出口(120)に結合するように前記弁ユニット(100)を制御するために第2の制御信号(2_DOWN)を送信することによって、前記弁ユニット(100)を制御するように動作する、請求項14に記載のクロマトグラフィ装置(400)。
【請求項17】
第3の制御信号(1_UP)に応答して、前記流体入口(110)を前記第2の流体ポート(132)に結合し、且つ前記第1の流体ポート(131)を前記流体出口(120)に結合するように前記弁ユニット(100)を制御するために第3の制御信号(1_UP)を送信することによって、前記弁ユニット(100)を制御するように動作する、請求項14に記載のクロマトグラフィ装置(400)。
【請求項18】
前記流体入口(110)を前記第4の流体ポート(142)に結合し、且つ前記第3の流体ポート(141)を前記流体出口(120)に結合するように前記弁ユニット(100)を制御するために第4の制御信号(2_UP)を送信することによって、前記弁ユニット(100)を制御するように動作する、請求項14に記載のクロマトグラフィ装置(400)。
【請求項19】
前記流体入口(110)を前記第1の流体ポート(131)に結合し、
前記第2の流体ポート(132)を前記第3の流体ポート(141)に結合し、且つ
前記第4の流体ポート(142)を前記流体出口(120)に結合するように前記弁ユニット(100)を制御するために第5の制御信号(1_DOWN-2_DOWN)を送信することによって、前記弁ユニット(100)を制御するように動作する、請求項14に記載のクロマトグラフィ装置(400)。
【請求項20】
前記流体入口(110)を前記第3の流体ポート(141)に結合し、
前記第4の流体ポート(142)を前記第1の流体ポート(131)に結合し、且つ
前記第2の流体ポート(132)を前記流体出口(120)に結合するように前記弁ユニット(100)を制御するために第6の制御信号(2_DOWN-1_DOWN)を送信することによって、前記弁ユニット(100)を制御するように動作する、請求項14に記載のクロマトグラフィ装置(400)。
【請求項21】
前記流体入口(110)を前記流体出口(120)に結合するように前記弁ユニット(100)を制御するために第7の制御信号(BY_PASS_ALL)、第8の制御信号(BY_PASS_TOP)、または第9の制御信号(BY_PASS_BOTTOM)を送信することによって、前記弁ユニット(100)を制御するように動作する、請求項14に記載のクロマトグラフィ装置(400)。
【請求項22】
前記弁ユニット(100)が、廃棄流体ポート(160)をさらに備え、
前記クロマトグラフィ装置(400)が、前記流体入口(110)を前記廃棄流体ポート(160)に結合するように前記弁ユニット(100)を制御するために第10の制御信号(WASTE)を送信することによって、前記弁ユニット(100)を制御するように動作する、請求項14に記載のクロマトグラフィ装置(400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クロマトグラフィ装置のための弁ユニットに関する。本発明は、さらに、弁ユニットを備えるクロマトグラフィ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クロマトグラフィは、化学混合物または化学試料を解析し、調合するのによく知られている手順である。試料は、通常、緩衝液組成物または樹脂と呼ばれる流体中に懸濁し得る。混合物の様々な試料成分は、異なる速度で進み、それにより分離が生じる。この分離は、たとえばクロマトグラフィ装置の出口弁によって、移動相を異なるコンテナに導くことができる分別段階(fractionation step)において試料成分を分離するのに用いることができる。
【0003】
いくつかの適用例においては、たとえば、生物医薬品分野では、遺伝子工学および細胞培養技術における近年の進歩により、これまでよりも発現量が高く押し上げられて、化学試料の下流の精製、特には分別段階に相当な負担がかかっている。新規クロマトグラフィ緩衝液組成物を導入することにより、従来の固定床クロマトグラフィに基づくプロセスの効率が著しく向上するとともに、連続方式で動作させることによってさらなる利得が達成され得る。後者は、潅流モードで動作する生物反応器など、連続生物反応器が採用される場合には、特に魅力的である。
【0004】
連続クロマトグラフィにおいては、いくつかの同一のカラムが、方法要件に応じてカラムを直列でおよび/または並列で動作できるようにする構成で連結されている。したがって、すべてのカラムを原理上、同時に動かすことができるが、方法段階でわずかにシフトさせることができる。手順は、各カラムが、プロセスにおいて数回、装填/充填され、溶出され、再生されるように繰り返すことが可能である。単一のクロマトグラフィサイクルが、装填、洗浄、溶出、および再生などのいくつかの逐次段階に基づいている「従来型(conventional)」クロマトグラフィと比較すると、複数の同一のカラムに基づく連続クロマトグラフィにおいては、これらのすべての段階が、同時に、ただし異なるカラムそれぞれにおいて行われる。連続したクロマトグラフィの動作の結果的として、クロマトグラフィ樹脂または緩衝液組成物の利用がより良好になり、プロセス時間が抑えられ、緩衝液要件が低減され、それらはすべて、プロセス経済の利益になる。連続クロマトグラフィは、模擬移動床(SMB:simulated moving bed)クロマトグラフィと呼ばれることもある。
【0005】
実際に、模擬移動床技術は、様々な他の分野において、数十年間、利用されてきている。たとえば、米国特許第3,291,726号(Universal Oil Products)では、早くも1966年には、石油化学産業向けの連続した模擬向流吸着プロセス(continuous simulated counter-current sorption process)について記載されている。
【0006】
先に述べたように、各カラムは、プロセスにおいて数回、装填/充填され、溶出され、清浄され、再生され得る。信頼性のある連続クロマトグラフィプロセスの必須因子は、使用されるカラムの品質であり、より具体的には、カラム間の類似性または同一性でもある。カラムが同一でない場合、理論計算は正しくなくなり、効率的でロバストな連続クロマトグラフィプロセスを設計することは困難になる。しかしながら、たとえば、クロマトグラフィ緩衝液組成物などの流体でカラムを装填/充填することは、繰返し可能な結果を得るのに非常に複雑である。プレートの数または他の充填特性におけるわずかな差ですら、最終結果に莫大な影響を与える可能性がある。
【0007】
従来の解決策に関する問題は、連続クロマトグラフィを行うことが、面倒で、複雑で、時間のかかる動作であることである。流体継手/管の再連結を行うこと、カラムの充填を行うことまたはあらかじめ充填されたカラムを装填すること、清浄動作を行うことなどをするには、多くの場合、プロセスを中断しなくてはならない。
【0008】
したがって、連続クロマトグラフィを行うための改良されたクロマトグラフィ装置の必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の実施形態の目的は、上述した欠点および問題をなくす、または解決する解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のさらなる目的は、本明細書に記載の主題によって達成される。本発明のさらなる有利な実装形態の形は、本明細書においてさらに定義される。
【0012】
本発明の第1の態様によれば、上述のおよび他の目的は、クロマトグラフィ装置のための弁ユニットによって達成され、この弁ユニットは、入力流体を受け入れるように構成されている流体入口と、出力流体を供給するように構成されている流体出口と、第1のカラムに結合されるように構成されている第1の対の流体ポートと、第2のカラムに結合されるように構成されている第2の対の流体ポートと、1つまたは複数の制御信号に応答して、流体入口、流体出口、第1の対の流体ポート、および第2の対の流体ポートの中から選択されたものの間で流体を導くように構成されている結合用弁組立体とを備え、結合用弁組立体は、結合用弁組立体の本体の中に含まれている流体チャネルによって結合される膜弁の中から選択されたものを使用して、流体を導くように構成されている。
【0013】
第1の態様による本発明の利点は、連続クロマトグラフィをあまり面倒でなく、あまり複雑でなく、あまり時間のかからない動作にさせることを含む。
【0014】
本発明の第2の態様によれば、上述のおよび他の目的は、第1の態様による結合用弁組立体の中に含まれている膜弁によって達成される。この膜弁は、本体と、本体の中に配置され、開放位置に位置決めされているときに中心ポートとサイドポートとの間の流体の流れを可能にし、閉鎖位置に位置決めされているときに中心ポートとサイドポートとの間の流体の流れを遮断するように構成されている膜と、長手方向軸に沿って配置され、膜に結合されているピストンと、長手方向軸に沿って配置され、ピストンに一方の端部において結合され、動作可能な駆動部に対向端部において結合されているばねとを備え、駆動部は、受信した制御信号に応答して、長手方向軸に沿ってばねの対向端部を移動させて、前記開放膜位置および前記閉鎖膜位置を得るように構成されている。
【0015】
本発明の第3の態様によれば、前述のおよび他の目的は、第1の態様による弁ユニットを含むクロマトグラフィ装置によって達成される。
【0016】
本発明の第2の態様および第3の態様の利点は、少なくとも本発明の第1の態様の利点と同じである。
【0017】
本発明の実施形態のさらなる適用例および利点は、次の詳細な説明から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本開示の1つまたは複数の実施形態によるクロマトグラフィ装置のための弁ユニットを示す図である。
【
図2】本開示の1つまたは複数の実施形態による弁ユニットの断面図である。
【
図3】本開示の1つまたは複数の実施形態による結合用弁組立体の中に含まれている1つの膜弁の断面図である。
【
図4】本開示の1つまたは複数の実施形態によるクロマトグラフィ装置を示す図である。
【
図5】本発明の1つまたは複数の実施形態による制御ユニットを示す図である。
【
図6A】本発明の1つまたは複数の実施形態による単一カラム流れモードで動作する結合用弁組立体を概略的に示す図である。
【
図6B】本発明の1つまたは複数の実施形態による単一カラム流れモードで動作する結合用弁組立体を概略的に示す図である。
【
図6C】本発明の1つまたは複数の実施形態による単一カラム流れモードで動作する結合用弁組立体を概略的に示す図である。
【
図6D】本発明の1つまたは複数の実施形態による単一カラム流れモードで動作する結合用弁組立体を概略的に示す図である。
【
図7A】本発明の1つまたは複数の実施形態による二重カラム連続流れモードで動作する結合用弁組立体を概略的に示す図である。
【
図7B】本発明の1つまたは複数の実施形態による二重カラム連続流れモードで動作する結合用弁組立体を概略的に示す図である。
【
図8A】本発明の1つまたは複数の実施形態によるバイパスモードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示す図である。
【
図8B】本発明の1つまたは複数の実施形態によるバイパスモードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示す図である。
【
図8C】本発明の1つまたは複数の実施形態によるバイパスモードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示す図である。
【
図9】本発明の1つまたは複数の実施形態による廃棄モードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示す図である。
【
図10A】本発明の1つまたは複数の実施形態による非充填用モードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示す図である。
【
図10B】本発明の1つまたは複数の実施形態による非充填用モードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示す図である。
【
図10C】本発明の1つまたは複数の実施形態による非充填用モードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示す図である。
【
図10D】本発明の1つまたは複数の実施形態による非充填用モードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示す図である。
【
図11A】本発明の1つまたは複数の実施形態によるインテリジェント充填用モードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示す図である。
【
図11B】本発明の1つまたは複数の実施形態によるインテリジェント充填用モードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態のより完全な理解、ならびにそれらのさらなる利点の認識は、1つまたは複数の実施形態の次の詳細な説明を考慮することによって当業者にもたらされることになる。同様の参照数字は、図のうちの1つまたは複数に示されている同様の要素を特定するのに使用されていることを認識すべきである。
【0020】
本明細書および対応する特許請求の範囲における「または(or)」は、「および(and)」および「または(or)」をカバーする数学的ORとして理解すべきであり、XOR(排他的OR(exclusive OR))と理解すべきではない。本開示および特許請求の範囲における不定冠詞「a」は、「1つ(one)」に限定するものではなく、「1つまたは複数(one or more)」、すなわち、複数形としても理解され得る。
【0021】
本開示においては、流体を保持するのに適切な容器を表すコンテナまたはリザーバを互いに交換可能に参照することになる。本開示においては、制御システム、プロセッサ、および処理手段を互いに交換可能に参照することになる。
【0022】
本開示においては、連続した線を実質的に辿る、すなわち、線の始点と線の終点との間に分岐または分かれ目のない形状を表す、直系的な形状(direct shape)、連続した形状、またはコヒーレントな形状を互いに交換可能に参照することになる。
【0023】
図1は、本開示の1つまたは複数の実施形態によるクロマトグラフィ装置400の弁ユニット100を示している。クロマトグラフィ装置400は、連続クロマトグラフィを行うように構成され得る。弁ユニット100は、入力流体を受け入れるように構成された流体入口110を備える。入力流体は、たとえば、緩衝液組成物中に懸濁した化学試料とすることができる。弁ユニット100は、弁ユニット100からの出力流体を供給するように構成された流体出口120をさらに備える。供給された出力流体は、典型的には、受け入れられた入力流体をクロマトグラフィ装置400の1つまたは複数のカラムに通した後に結果として生じた流体とすることができる。弁ユニット100は、第1のカラムに結合されるように構成された第1の対の流体ポート130、および/または第2のカラムに結合されるように構成された第2の対の流体ポート140をさらに備える。弁ユニット100は、1つまたは複数の制御信号に応答して、流体入口110、流体出口120、第1の対の流体ポート130、および第2の対の流体ポート140の中から選択されたものの間で流体を導くように構成された結合用弁組立体200をさらに備える。
【0024】
弁ユニット100は、たとえばプロセッサおよびメモリの形態で、回路機構または制御回路機構をさらに備える。メモリは、プロセッサによって実行可能な命令を含み、それによって、弁ユニット100は、1つまたは複数の制御信号に基づいて、流体を導くように動作し、および/または構成されている。1つの例においては、回路機構は、制御信号を受信し、結合用弁組立体200の中に含まれている膜弁の組を開放位置または閉鎖位置に制御する。
【0025】
制御信号は、結合用弁組立体200の所望の流体結合振舞いを示す、すなわち、流体入口110、流体出口120、第1の対の流体ポート130、および第2の対の流体ポート140との間で流体を導くための所望の方式を示す、単一のまたは複数の制御信号もしく制御信号成分を含むことができる。結合用弁組立体200は、結合用弁組立体200の本体201の中に含まれている流体チャネルによって結合されている膜弁231、232、241、242、250、260、271~276の中から選択されたものを使用して、流体を導くように構成されている。制御信号は、情報を含むことができるワイヤードのまたはワイヤレスの信号、たとえばコンピュータバス信号を含むことができる。
【0026】
膜弁231、232、241、242、250、260、271~276は、
図3との関連でさらに説明するように、開放位置に位置決めされているときに流体の流れを可能にし、閉鎖位置に位置決めされているときに流体の流れを遮断するように構成されている。各流体チャネルは、流体流れ、または連続した流体流れ、またはコヒーレントな流体流れを提供するように、直系的な方式、連続した方式、またはコヒーレントな方式で2つの点を連結する直系的な形状、連続した形状、またはコヒーレントな形状を有し、それによって、機能していない/静止している/停滞している区間(leg)が回避され、たとえば、流体チャネル内の分かれ目または分岐が回避される。
【0027】
1つの例においては、直系的な方式、連続した方式、またはコヒーレントな方式で、第1の流体チャネルが、流体入口110を第1の膜弁に直系的に連結し、後続の第2の流体チャネルが、第1の膜弁を第2の膜弁に直系的に連結し、それによって、機能していない/静止している/停滞している区間が回避される。
【0028】
1つの例においては、1つまたは複数の制御信号は、膜弁231、232、241、242、250、260、271~276の所望の位置、すなわち、開放位置または閉鎖位置を示す。
【0029】
弁ユニット100は、本開示の教示から逸脱することなく、追加のカラムのための任意の数の追加の対の流体ポートをさらに備えることができる。
【0030】
第1の対の流体ポート130は、典型的には、第1のカラムの上部に結合されるように構成された第1の流体ポート131、および第1のカラムの下部に結合されるように構成された第2の流体ポート132を含むことができる。第2の対の流体ポート140は、典型的には、第2のカラムの上部に結合されるように構成された第3の流体ポート141、および第2のカラムの下部に結合されるように構成された第4の流体ポート142を含む。
【0031】
弁ユニット100は、1つまたは複数の実施形態では、
図6Bおよび
図6Dとの関連でさらに説明する単一カラム下向き流れモードで動作することができる。
【0032】
一実施形態においては、結合用弁組立体200は、第1の制御信号1_DOWNに応答して、流体入口110を第1の流体ポート131に結合し、第2の流体ポート132を流体出口120に結合するように構成されている。
【0033】
一実施形態においては、結合用弁組立体200は、第2の制御信号2_DOWNに応答して、流体入口110を第3の流体ポート141に結合し、第4の流体ポート142を流体出口120に結合するように構成されている。
【0034】
弁ユニット100は、1つまたは複数の実施形態では、
図6Aおよび
図6Cとの関連でさらに説明する単一カラム上向き流れモードで動作することができる。
【0035】
一実施形態においては、結合用弁組立体200は、第3の制御信号1_UPに応答して、流体入口110を第2の流体ポート132に結合し、第3の制御信号1_UPの受信に応答して、第1の流体ポート131を流体出口120に結合するように構成されている。
【0036】
一実施形態においては、結合用弁組立体200は、第4の制御信号2_UPに応答して、流体入口110を第4の流体ポート142に結合し、第3の流体ポート141を流体出口120に結合するように構成されている。
【0037】
弁ユニット100は、1つまたは複数の実施形態では、
図7Aおよび
図7Bとの関連でさらに説明する二重カラム連続流れモードで動作することができる。
【0038】
一実施形態においては、結合用弁組立体200は、第5の制御信号1_DOWN-2_DOWNに応答して、流体入口110を第1の流体ポート131に結合し、第2の流体ポート132を第3の流体ポート141に結合し、第4の流体ポート142を流体出口120に結合するように構成されている。
【0039】
一実施形態においては、結合用弁組立体200は、第6の制御信号2_DOWN-1_DOWNに応答して、流体入口110を第3の流体ポート141に結合し、第4の流体ポート142を第1の流体ポート131に結合し、第2の流体ポート132を流体出口120に結合するように構成されている。
【0040】
弁ユニット100は、1つまたは複数の実施形態では、
図8A~
図8Cとの関連でさらに説明するバイパスモードで動作することができる。
【0041】
一実施形態においては、結合用弁組立体(200)は、第7の制御信号BY_PASS_ALL、第8の制御信号BY_PASS_TOP、または第9の制御信号BY_PASS_BOTTOMの受信に応答して、流体入口110を流体出口120に結合するように構成されている。
【0042】
弁ユニット100は、1つまたは複数の実施形態では、
図9との関連でさらに説明する廃棄モードで動作することができる。
【0043】
一実施形態においては、結合用弁組立体200は、廃棄流体ポート160をさらに備え、結合用弁組立体200は、制御信号1_IPまたは2_IPの受信に応答して、流体入口110を廃棄流体ポート160に結合するように構成されている。
【0044】
弁ユニット100は、1つまたは複数の実施形態では、
図11A~
図11Bとの関連でさらに説明する充填またはインテリジェント充填用モードで動作することができる。
【0045】
一実施形態においては、結合用弁組立体200は、インテリジェント充填用流体ポートまたは充填用流体ポート150をさらに備え、結合用弁組立体200は、制御信号1_IPまたは2_IPの受信に応答して、流体入口110をインテリジェント充填用流体ポートまたは充填用流体ポート150に結合するように構成されている。
【0046】
弁ユニット100は、1つまたは複数の実施形態では、直系的な形状で形成されている流体チャネルを備えることができる。
【0047】
一実施形態においては、結合用弁組立体200の本体201の中に含まれている流体チャネルは、直系的な形状で形成されている。流体チャネルは、各個々の流体チャネルが開始点で終端する一方の端部および終点で終端する対向端部により形成されているという意味で直系的な形状で形成されている。各個々の流体チャネルは、流体チャネルに沿う断面の実質的に一定の面積によりさらに成形され得る。始点および終点は、流体入口110、流体出口120、第1の流体ポート130、第2の流体ポート132、第3の流体ポート141、第4の流体ポート142、中心ポート306、およびサイドポート307のうちの少なくとも1つを含む。中心ポート306およびサイドポート307は、典型的には、膜弁231、232、241、242、250、260、271~276のうちの1つで構成されている。それによって、流体が流体チャネルに流入するとき、流体が静止したままの状態である、機能していない/静止している/停滞している区間が回避される。流体チャネルについては、
図2との関連でさらに説明する。
【0048】
弁ユニット100は、1つまたは複数の実施形態では、流体入口110および/または流体出口120における流体圧力を示す1つまたは複数の制御信号もしくはセンサ信号を提供するように構成され得る。
【0049】
一実施形態においては、結合用弁組立体200は、流体入口110に結合され、受け入れられた流体の第1の圧力を測定するように構成された第1の圧力センサ281、および流体出口120に結合され、供給された流体の第2の圧力を測定するように構成された第2の圧力センサ282をさらに備える。
【0050】
図2は、本開示の1つまたは複数の実施形態による弁ユニット100の断面図を示している。
図1との関連でさらに説明するように、弁ユニット100は、流体入口110と、流体出口120と、第1の膜弁231のサイドポートに結合された第1の流体ポート131と、第2の膜弁232のサイドポートに結合された第2の流体ポート132と、第3の膜弁241のサイドポートに結合された第3の流体ポート141と、第4の膜弁242のサイドポートに結合された第4の流体ポート142とを備える。弁ユニット100は、第5の膜弁271、第6の膜弁272、第7の膜弁273、第8の膜弁274、第9の膜弁275、および第10の膜弁276をさらに備える。
【0051】
弁ユニット100は、オプションで、第11の膜弁250および第12の膜弁260をさらに備えてもよい。
【0052】
直系的な形状で形成された第1の流体チャネル291は、流体入口110を第7の膜弁273たとえば第7の膜弁273の中心ポートに結合する。直系的な形状で形成された第2の流体チャネル292は、第7の膜弁273たとえばサイドポートを第10の膜弁276たとえば中心ポートに結合する。直系的な形状で形成された第3の流体チャネル293は、第10の膜弁276たとえばサイドポートを第6の膜弁272たとえば中心ポートに結合する。直系的な形状で形成された第4の流体チャネル294は、第6の膜弁272たとえばサイドポートを流体出口120に結合する。直系的な形状で形成された第5の流体チャネル295は、第8の膜弁274たとえばサイドポートを第9の膜弁275たとえば中心ポートに結合する。第8の膜弁274の中心ポートは、第1の流体チャネル291にさらに結合される。直系的な形状で形成された第6の流体チャネル296は、第9の膜弁275たとえばサイドポートを第5の膜弁271たとえば中心ポートに結合する。
【0053】
第1の流体チャネル291はまた、第11の膜弁250たとえば中心ポートに結合され得る。第1の流体チャネル291はまた、第12の膜弁260たとえば中心ポートに結合され得る。
【0054】
オプションの実施形態においては、結合用弁組立体200は、流体入口110に結合され、入力流体の第1の圧力を測定するように構成された第1の圧力センサ281をさらに備える。圧力センサ281は、たとえば、流体入口110と第11の膜弁250との間の第1の流体チャネル291によって流体入口110に結合され得る。さらなるオプションの実施形態においては、結合用弁組立体200は、流体出口120に結合され、出力流体の第2の圧力を測定するように構成された第2の圧力センサ282をさらに備える。
【0055】
図3は、示されている本開示の1つまたは複数の実施形態による結合用弁組立体200の中に含まれている1つの膜弁231、232、241、242、250、260、271~276の、その開放位置と閉鎖位置との中間の断面図を示している。実施に際しては、弁は、後述の技法に従って、デフォルト位置として閉鎖され、必要に応じて開放されることになる。
【0056】
膜弁は、結合用弁組立体200の本体201を含む。膜弁は、本体201の中に配置されている膜310をさらに備え、この膜310は、開放位置に位置決めされているときに中心ポート306とサイドポート307との間の流体の流れを可能にし、閉鎖位置に位置決めされているときに中心ポート306とサイドポート307との間の流体の流れを遮断するように構成されている。
【0057】
膜弁は、長手方向軸315に沿って配置され膜310に結合されているピストン304をさらに備える。膜弁は、膜弁長手方向軸315に沿って配置されピストン304に一方の端部において接触しているばね314をさらに備え、このばねは、駆動部301によって対向端部において付勢することができる。駆動部301は、受信した制御信号に応答して長手方向軸315に沿ってばね314の対向端部を移動させて、前記開放膜位置および前記閉鎖膜位置を得るように構成されている。
【0058】
膜弁231、232、241、242、250、260、271~276は、弁前部308および弁後部305をさらに備えることができ、この場合には、弁前部308および弁後部305はともに、弁本体201の一部である。弁膜310は、弁本体201の前部308と後部305との間に堅く保持されている。
【0059】
膜弁231、232、241、242、250、260、271~276を動作させる1つの例においては、「開放」位置から閉鎖手順が開始される。弁ユニット100の中に含まれているマイクロプロセッサなどの回路機構は、弁の閉鎖が望まれていることを示す、クロマトグラフィ装置内の制御ユニット410からの制御信号を取得する。この回路機構により、駆動部301、たとえばステッパモータは、ばね筐体313を前方に移動させることになり、ばね314が押されてピストン304が押され、膜310が台座309に押し付けられ、それによって、中心ポート306がサイドポート307から閉鎖される。中心ポート306は、通常は、流入する流体用のポートであるが、流出用のポートとすることもできる。膜310が台座309に到達すると、ピストン304は、それ以上の移動が妨げられるが、駆動部301は、押すことを継続し、それによって、ばね314が圧縮され、膜310に対してさらなる力が与えられて、弁が閉鎖される。ばね筐体313が特定の位置に到達したとき、位置フラッグ閉鎖302が、位置センサ閉鎖303によって検出される。次いで、ステッパモータは、停止することができ、または必要に応じて、知られている量の余分な段階をとって、膜310に加えられる力をさらに高めることができる。
【0060】
諸実施形態においては、結合用弁組立体200の中に含まれている膜弁231、232、241、242、250、260、271~276の中には、短い動作時間に対する要求が高いものもあれば、速度に対する要求はより低いものの閉鎖力に対する要求がより高いものもある。短い動作時間に対する要求が高い膜弁は、フラグにおいて停止することができる。速度に対する要求はより低いものの閉鎖力に対する要求がより高い膜弁では、余分な固定距離がとられることがある。フラグに関する弁の振舞いは、制御ユニットソフトウェアから完全に構成設定され得、すなわち、ハードウェアは、まったく同じである。たとえば、本明細書における結合用弁組立体200では、結合用弁組立体200の中の異なる位置に両方の振舞いタイプの弁を有することが可能である。
【0061】
膜弁231、232、241、242、250、260、271~276を動作させる1つの例においては、「閉鎖」位置から開放手順が開始される。駆動部301は、弁の開放が望まれていることを示す、クロマトグラフィ装置400内の制御ユニット410からのコマンドにより、または制御信号に応答して移動する。駆動部301は、ばね筐体313を引っ張る。これにより、ばね力が解除されて、ピストン304の背面部分がばね筐体と係合され、駆動部301は、ピストン304における引っ張りを開始する。ピストンは、膜を引っ張り、膜は、開放位置に引っ張り出される。位置フラグ開放312がピストンセンサ開放311によって検出されると、駆動部301は、停止する。駆動部301は、開放位置に移動するときには、余分な段階を何らとることはないが、もちろん、必要に応じて、それはあり得る。
【0062】
図4は、本開示の1つまたは複数の実施形態によるクロマトグラフィ装置400を示している。クロマトグラフィ装置400は、典型的には、少なくとも1つの入口455を備えることができる。入口は、オプションで、流体を保持するように構成されたリザーバ451に結合され得る。入口455は、たとえば、管またはホースなどの管状要素として実装され得る。クロマトグラフィ装置400は、
図1との関連でさらに説明される弁ユニット100をさらに備えることができる。弁ユニット100は、流体入口110に結合される入口455によってリザーバ451に結合され得る。弁ユニット100は、第1の対の流体ポート130によって第1のカラム441に結合されるように構成され、および/または第2の対の流体ポート140によって第2のカラム442に結合されるように構成され得る。第1のカラム441および/または第2のカラム442は、クロマトグラフィ装置400内に備えられていても、またはクロマトグラフィ装置400の外部に配置されていてもよい。
【0063】
クロマトグラフィ装置400は、第1のカラム441または第2のカラム442の充填用ポートに結合されるように構成されたインテリジェント充填用流体ポートまたは充填用流体ポート150をさらに備えることができる。クロマトグラフィ装置400は、廃棄リザーバまたはドレインに結合されるように構成された廃棄流体ポート160をさらに備えることができる。
【0064】
クロマトグラフィ装置400は、回路機構、たとえば、プロセッサおよびメモリを備える制御ユニット410をさらに備えることができる。メモリは、プロセッサによって実行可能な命令を含んでいることができ、それによって、前記クロマトグラフィ装置は、本明細書に記載の段階または方法のうちのいずれかを行うように動作する。制御ユニット410については、
図5との関連でさらに説明する。
【0065】
クロマトグラフィ装置400は、オプションで、スプリッタ470を備えることができ、このスプリッタ470は、弁ユニット100の流体出口120に結合され、pHセンサ431、伝導度センサ(conductivity sensor)432、および出口弁420のうちのいずれかの中から選択されたものに結合されている。スプリッタ470は、注入ユニット480から受け入れられた流体をpHセンサ431、伝導度センサ432、および出口弁420のうちのいずれかに導くように構成され得る。オプションで、スプリッタ470は、制御ユニットに通信可能に結合され、制御ユニット410からの制御信号に応答して流体の結合を行うことができる。
【0066】
pHセンサ431は、制御ユニット410に通信可能に結合され、スプリッタ470によって供給される流体のpHを測定するように構成され得る。クロマトグラフィ装置400は、伝導度センサ432をさらに備えることができ、この伝導度センサ432は、制御ユニット410に通信可能に結合され、スプリッタ470によって供給される流体の伝導度を測定するように構成されている。pHセンサ431および/または伝導度センサ432は、測定データを含む制御信号として、測定されたpHおよび測定された伝導度を制御ユニット410に提供するようにさらに構成され得る。
【0067】
クロマトグラフィ装置400は、スプリッタ470に結合された出口弁420をさらに備えることができる。出口弁420は、1つまたは複数の出口または出口ポート421~423を有することができ、たとえば制御ユニット410から受け取った制御信号に応答して、スプリッタ470によって供給される流体を1つまたは複数の出口421~423に供給するように構成されている。
【0068】
図5は、本発明の1つまたは複数の実施形態による制御ユニット410を示している。制御ユニット410は、たとえば、電子制御ユニット(Electronic Control Unit)、サーバ、搭載コンピュータ、固定コンピューティングデバイス、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、手首装着型コンピュータ、スマートウォッチ、スマートフォン、またはスマートTVの形態であってよい。制御ユニット410は、ワイヤードまたはワイヤレスの通信用に構成設定された送受信機404に通信可能に結合されたプロセッサ412を備えることができる。制御ユニット410は、少なくとも1つのオプションのアンテナ(図示せず)をさらに備えることができる。アンテナは、送受信機404に結合され得、WiFi、Bluetooth、3G、4G、5Gなどの通信ネットワークでワイヤードまたはワイヤレスの信号を送信および/もしくは送出ならびに/または受信するように構成されている。1つの例においては、プロセッサ412は、処理回路機構、および/または中央処理ユニットおよび/またはプロセッサモジュールおよび/または互いに協働するように構成されている複数のプロセッサの中から選択されたもののいずれかとすることができる。さらには、制御ユニット410は、メモリ415をさらに備えることができる。メモリ415は、たとえば、ハードRAM、ディスクドライブ、フロッピディスクドライブ、フラッシュドライブ、または他の取外し式もしくは固定式の媒体ドライブ、あるいは当技術分野において知られている任意の他の適切なメモリの中から選択されたものを備えることができる。メモリ415は、本明細書に記載の段階または方法のうちのいずれかを行うようにプロセッサによって実行可能な命令を含んでいてよい。プロセッサ412は、送受信機404、メモリ415、pHセンサ431、伝導度センサ432、出口弁420、およびスプリッタ470のうちのいずれかの中から選択されたものに通信可能に結合され得る。制御ユニット410は、制御信号を上述のユニットのうちのいずれかに、もしくは外部ノードに直接、送信/受信するように、あるいは制御信号をワイヤードおよび/またはワイヤレスの通信ネットワークを介して送信/受信するように構成され得る。
【0069】
ワイヤード/ワイヤレスの送受信機404および/またはワイヤード/ワイヤレスの通信ネットワークアダプタは、プロセッサ412との間で信号としてのデータ値もしくはパラメータを、または他の外部ノードとの間で、たとえば測定されたpHもしくは伝導度の値を送信および/または受信するように構成され得る。
【0070】
一実施形態においては、送受信機404は、外部ノードに直接、またはワイヤレス通信ネットワークを介して通信する。
【0071】
1つまたは複数の実施形態においては、制御ユニット410は、ユーザからの入力または指示を受信するように、およびユーザの入力または指示を示すユーザ入力信号を処理手段412に送信するように構成された入力デバイス417をさらに備えることができる。
【0072】
1つまたは複数の実施形態においては、制御ユニット410は、処理手段412から、テキストまたはグラフィカルのユーザ入力オブジェクトなどのレンダリングされたオブジェクトを示すディスプレイ信号を受信するように、および受信した信号をテキストまたはグラフィカルのユーザ入力オブジェクトなどのオブジェクトとして表示するように構成されたディスプレイ418をさらに備えることができる。
【0073】
1つの実施形態においては、ディスプレイ418は、ユーザ入力デバイス417と一体であり、処理手段412からのテキストまたはグラフィカルのユーザ入力オブジェクトなどのレンダリングされたオブジェクトを示すディスプレイ信号を受信するように、および受信した信号をテキストまたはグラフィカルのユーザ入力オブジェクトなどのオブジェクトとして表示するように構成され、ならびに/あるいはユーザからの入力または指示を受信するように、およびユーザ入力または指示を示すユーザ入力信号を処理手段412に送信するように構成されている。
【0074】
さらなる実施形態においては、制御ユニット410は、クロマトグラフィ装置400に関する物理的特性を受信および/または取得および/または測定し、物理的特性を示す1つまたは複数のセンサ信号を処理手段412に送信するように構成された1つまたは複数の追加のセンサ(図示せず)をさらに備えていても、ならびに/あるいはこれらの追加のセンサに結合されていてもよい。
【0075】
1つまたは複数の実施形態においては、処理手段412は、さらに、入力デバイス417および/またはディスプレイ418および/または追加のセンサに通信可能に結合されている。
【0076】
図6Aは、本発明の1つまたは複数の実施形態による、第1のカラム441の、単一カラム上向き流れモードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示している。
図6Aは、
図2との関連でさらに説明する結合用弁組立体200によって含まれている様々な膜弁および流体チャネルをさらに示している。
【0077】
1つの例においては、すべての膜弁231、232、241、242、250、260、271~276は、最初は閉鎖位置にある。次いで、制御信号1_UPが、たとえば、結合用弁組立体200の中に含まれている回路機構によって受信され、次いで、膜弁の組が開放位置へと制御される。その場合、第7の膜弁273、第10の膜弁276、第2の膜弁232、第1の膜弁231、第9の膜弁275、および第5の膜弁271は、開放位置へと制御される。次いで、第1のカラム441は、たとえば、次のクロマトグラフィの動作に向けて準備をするために、流体で充填または満たすことができる。
【0078】
図6Bは、本発明の1つまたは複数の実施形態による、第1のカラム441の、単一カラム下向き流れモードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示している。
図6Bは、
図2との関連でさらに説明する結合用弁組立体200によって含まれている様々な膜弁および流体チャネルをさらに示している。
【0079】
1つの例においては、すべての膜弁231、232、241、242、250、260、271~276は、最初は閉鎖位置にある。次いで、制御信号1_DOWNが、たとえば、結合用弁組立体200の中に含まれている回路機構によって受信され、次いで、膜弁の組が開放位置へと制御される。その場合、第8の膜弁274、第1の膜弁231、第2の膜弁232、および第6の膜弁272は、開放位置へと制御される。次いで、第1のカラム441は、たとえば、次のクロマトグラフィの動作に向けて準備をするために、流体で充填または満たすことができる。
【0080】
図6Cは、本発明の1つまたは複数の実施形態による、第2のカラム442の、単一カラム上向き流れモードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示している。
図6Cは、
図2との関連でさらに説明する結合用弁組立体200によって含まれている様々な膜弁および流体チャネルをさらに示している。
【0081】
1つの例においては、すべての膜弁231、232、241、242、250、260、271~276は、最初は閉鎖位置にある。次いで、制御信号2_UPが、たとえば、結合用弁組立体200の中に含まれている回路機構によって受信され、次いで、膜弁の組が開放位置へと制御される。その場合、第8の膜弁274、第9の膜弁275、第4の膜弁242、第3の膜弁241、および第10の膜弁276は、開放位置へと制御される。次いで、第2のカラム442は、たとえば、次のクロマトグラフィの動作に向けて準備をするために、流体で充填または満たすことができる。
【0082】
図6Dは、本発明の1つまたは複数の実施形態による、第2のカラム442の、単一カラム下向き流れモードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示している。
図6Dは、
図2との関連でさらに説明する結合用弁組立体200によって含まれている様々な膜弁および流体チャネルをさらに示している。
【0083】
1つの例においては、すべての膜弁231、232、241、242、250、260、271~276は、最初は閉鎖位置にある。次いで、制御信号2_DOWNが、たとえば、結合用弁組立体200の中に含まれている回路機構によって受信され、次いで、膜弁の組が開放位置へと制御される。その場合、第7の膜弁273、第3の膜弁241、第4の膜弁242、および第5の膜弁271は、開放位置へと制御される。次いで、第1のカラム441は、たとえば、次のクロマトグラフィの動作に向けて準備をするために、流体で充填または満たすことができる。
【0084】
図7Aは、本発明の1つまたは複数の実施形態による、第2のカラム442から第1のカラム441への二重カラム連続流れモードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示している。
図7Aは、
図2との関連でさらに説明する結合用弁組立体200によって含まれている様々な膜弁および流体チャネルをさらに示している。
【0085】
1つの例においては、すべての膜弁231、232、241、242、250、260、271~276は、最初は閉鎖位置にある。次いで、制御信号2_DOWN-1_DOWNが、たとえば、結合用弁組立体200の中に含まれている回路機構によって受信され、次いで、膜弁の組が開放位置へと制御される。その場合、第7の膜弁273、第3の膜弁241、第4の膜弁242、第9の膜弁275、第1の膜弁231、第2の膜弁232、および第6の膜弁272は、開放位置へと制御される。次いで、第2のカラム442および/または第1のカラム441は、たとえば、次のクロマトグラフィの動作に向けて準備をするために、流体で充填または満たすことができる。
【0086】
図7Bは、本発明の1つまたは複数の実施形態による、第1のカラム441から第2のカラム442への二重カラム連続流れモードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示している。
図7Bは、
図2との関連でさらに説明する結合用弁組立体200によって含まれている様々な膜弁および流体チャネルをさらに示している。
【0087】
1つの例においては、すべての膜弁231、232、241、242、250、260、271~276は、最初は閉鎖位置にある。次いで、制御信号1_DOWN-2_DOWNが、たとえば、結合用弁組立体200の中に含まれている回路機構によって受信され、次いで、膜弁の組が開放位置へと制御される。その場合、第8の膜弁274、第1の膜弁231、第2の膜弁232、第10の膜弁276、第3の膜弁241、第4の膜弁242、および第5の膜弁271は、開放位置へと制御される。次いで、第1のカラム441および/または第2のカラム442は、たとえば、次のクロマトグラフィの動作に向けて準備をするために、流体で充填または満たすことができる。
【0088】
図8Aは、本発明の1つまたは複数の実施形態による、上部バイパスモードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示している。
図8Aは、
図2との関連でさらに説明する結合用弁組立体200によって含まれている様々な膜弁および流体チャネルをさらに示している。
【0089】
1つの例においては、すべての膜弁231、232、241、242、250、260、271~276は、最初は閉鎖位置にある。次いで、制御信号BY_PASS_TOPが、たとえば、結合用弁組立体200の中に含まれている回路機構によって受信され、次いで、膜弁の組が開放位置へと制御される。その場合、第7の膜弁273、第10の膜弁276、および第6の膜弁272は、開放位置へと制御される。次いで、カラムの上部に流体を供給する流体チャネルは、たとえば、次のクロマトグラフィの動作に向けて流体チャネルの準備をするために、満たされ、洗い流され、または清浄される。
【0090】
図8Bは、本発明の1つまたは複数の実施形態による、下部バイパスモードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示している。
図8Bは、
図2との関連でさらに説明する結合用弁組立体200によって含まれている様々な膜弁および流体チャネルをさらに示している。
【0091】
1つの例においては、すべての膜弁231、232、241、242、250、260、271~276は、最初は閉鎖位置にある。次いで、制御信号BY_PASS_BOTTOMが、たとえば、結合用弁組立体200の中に含まれている回路機構によって受信され、次いで、膜弁の組が開放位置へと制御される。その場合、第8の膜弁274、第9の膜弁275、および第5の膜弁271は、開放位置へと制御される。次いで、カラムの下部に流体を供給する流体チャネルは、たとえば、次のクロマトグラフィの動作に向けて流体チャネルの準備をするために、満たされ、洗い流され、または清浄される。
【0092】
図8Cは、本発明の1つまたは複数の実施形態による、すべてのバイパスモードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示している。
図8Cは、
図2との関連でさらに説明する結合用弁組立体200によって含まれている様々な膜弁および流体チャネルをさらに示している。
【0093】
1つの例においては、すべての膜弁231、232、241、242、250、260、271~276は、最初は閉鎖位置にある。次いで、制御信号BY_PASS_ALLが、たとえば、結合用弁組立体200の中に含まれている回路機構によって受信され、次いで、膜弁の組が開放位置へと制御される。その場合、第7の膜弁273、第10の膜弁276、および第6の膜弁272、ならびに第8の膜弁274、第9の膜弁275、および第5の膜弁271は、開放位置へと制御される。次いで、カラムの上部および下部に流体を供給する流体チャネルは、次のクロマトグラフィの動作に向けて流体チャネルの準備をするために、満たされ、洗い流され、または清浄される。
【0094】
図9は、本発明の1つまたは複数の実施形態による、廃棄モードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示している。
図9は、
図2との関連でさらに説明する結合用弁組立体200によって含まれている様々な膜弁および流体チャネルをさらに示している。
【0095】
1つの例においては、すべての膜弁231、232、241、242、250、260、271~276は、最初は閉鎖位置にある。次いで、制御信号WASTEが、たとえば、結合用弁組立体200の中に含まれている回路機構によって受信され、次いで、膜弁の組が開放位置へと制御される。その場合、第12の膜弁260は、開放位置へと制御される。次いで、流体は、典型的には、廃棄コンテナに供給される。
【0096】
図10Aは、本発明の1つまたは複数の実施形態による、第1のカラム下向き非充填用モードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示している。
図10Aは、
図2との関連でさらに説明する結合用弁組立体200によって含まれている様々な膜弁および流体チャネルをさらに示している。
【0097】
1つの例においては、すべての膜弁231、232、241、242、250、260、271~276は、最初は閉鎖位置にある。次いで、制御信号1_UNPACK_DOWNが、たとえば、結合用弁組立体200の中に含まれている回路機構によって受信され、次いで、膜弁の組が開放位置へと制御される。その場合、第8の膜弁274および第1の膜弁231は、開放位置へと制御される。
【0098】
図10Bは、本発明の1つまたは複数の実施形態による、第1のカラム上向き非充填用モードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示している。
図10Bは、
図2との関連でさらに説明する結合用弁組立体200によって含まれている様々な膜弁および流体チャネルをさらに示している。
【0099】
1つの例においては、すべての膜弁231、232、241、242、250、260、271~276は、最初は閉鎖位置にある。次いで、制御信号1_UNPACK_UPが、たとえば、結合用弁組立体200の中に含まれている回路機構によって受信され、次いで、膜弁の組が開放位置へと制御される。その場合、第7の膜弁273、第10の膜弁276、および第2の膜弁232は、開放位置へと制御される。
【0100】
図10Cは、本発明の1つまたは複数の実施形態による、第2のカラム下向き非充填用モードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示している。
図10Cは、
図2との関連でさらに説明する結合用弁組立体200によって含まれている様々な膜弁および流体チャネルをさらに示している。
【0101】
1つの例においては、すべての膜弁231、232、241、242、250、260、271~276は、最初は閉鎖位置にある。次いで、制御信号2_UNPACK_DOWNが、たとえば、結合用弁組立体200の中に含まれている回路機構によって受信され、次いで、膜弁の組が開放位置へと制御される。その場合、第8の膜弁274、第9の膜弁275、および第4の膜弁242は、開放位置へと制御される。
【0102】
図10Dは、本発明の1つまたは複数の実施形態による、第2のカラム上向き非充填用モードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示している。
図10Dは、
図2との関連でさらに説明する結合用弁組立体200によって含まれている様々な膜弁および流体チャネルをさらに示している。
【0103】
1つの例においては、すべての膜弁231、232、241、242、250、260、271~276は、最初は閉鎖位置にある。次いで、制御信号2_UNPACK_UPが、たとえば、結合用弁組立体200の中に含まれている回路機構によって受信され、次いで、膜弁の組が開放位置へと制御される。その場合、第8の膜弁274、第9の膜弁275、および第4の膜弁242は、開放位置へと制御される。
【0104】
図11Aは、本発明の1つまたは複数の実施形態による、第1のカラム441のインテリジェント充填流れモードまたは充填流れモードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示している。
図11Aは、
図2との関連でさらに説明する結合用弁組立体200によって含まれている様々な膜弁および流体チャネルをさらに示している。
【0105】
1つの例においては、すべての膜弁231、232、241、242、250、260、271~276は、最初は閉鎖位置にある。第11の膜弁250は、第1のカラムに結合されている。次いで、制御信号1_IPが、たとえば、結合用弁組立体200の中に含まれている回路機構によって受信され、次いで、膜弁の組が開放位置へと制御される。その場合、第11の膜弁250、第2の膜弁232、および第6の膜弁272は、開放位置へと制御される。次いで、第1のカラム441は、たとえば、次のクロマトグラフィの動作に向けて準備をするために、流体で充填または満たすことができる。
【0106】
図11Bは、本発明の1つまたは複数の実施形態による、第2のカラム442のインテリジェント充填流れモードまたは充填流れモードで動作する結合用弁組立体200を概略的に示している。
図11Bは、
図2との関連でさらに説明する結合用弁組立体200によって含まれている様々な膜弁および流体チャネルをさらに示している。
【0107】
1つの例においては、すべての膜弁231、232、241、242、250、260、271~276は、最初は閉鎖位置にある。第11の膜弁250は、第2のカラムに結合されている。次いで、制御信号2_IPが、たとえば、結合用弁組立体200の中に含まれている回路機構によって受信され、次いで、膜弁の組が開放位置へと制御される。その場合、第11の膜弁250、第4の膜弁242、および第5の膜弁271は、開放位置へと制御される。次いで、第1のカラム441は、たとえば、次のクロマトグラフィの動作に向けて準備をするために、流体で充填または満たすことができる。
【0108】
諸実施形態においては、通信ネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN:Metropolitan Area Network)、グローバルシステムフォーモバイルネットワーク(GSM:Global System for Mobile Network)、拡張データGSM環境(EDGE:Enhanced Data GSM Environment)、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションズシステム(Universal Mobile Telecommunications System)、ロングタームエボリューション(Long term evolution)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA:High Speed Downlink Packet Access)、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA:Wideband Code Division Multiple Access)、符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)、時分割多元接続(TDMA:Time Division Multiple Access)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Wi-Fi、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP:Voice over Internet Protocol)、LTEアドバンスト(LTE Advanced)、IEEE802.16m、ワイヤレスマンアドバンスト(WirelessMAN-Advanced)、発展型高速パケット接続(HSPA+:Evolved High-Speed Packet Access)、3GPPロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、モバイルWiMAX(IEEE802.16e)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB:Ultra Mobile Broadband)(かつては、エボリューションデータオプティマイズド(EV-DO:Evolution-Data Optimized)Rev.C)、シームレスハンドオフ直交周波数分割多重化による高速低レイテンシ接続(Flash-OFDM:Fast Low-latency Access with Seamless Handoff Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、高容量空間分割多元接続(High Capacity Spatial Division Multiple Access)(iBurst(登録商標))、およびモバイルブロードバンドワイヤレス接続(MBWA:Mobile Broadband Wireless Access)(IEEE802.20)システム、高性能無線メトロポリタンエリアネットワーク(HIPERMAN:High Performance Radio Metropolitan Area Network)、ビーム分割多元接続(BDMA:Beam-Division Multiple Access)、マイクロ波接続のための国際相互運用(Wi-MAX:World Interoperability for Microwave Access)、ならびに超音波通信などのうちの少なくとも1つを含むことができるワイヤードまたはワイヤレスの通信技法を使用して通信するが、これらに限定するものではない。
【0109】
その上、制御ユニット410が、本解決策を行うための機能、手段、ユニット、要素などの形態で、必要な通信性能を備えることができることは、当業者によって認識される。他のそのような手段、ユニット、要素および機能の例は、プロセッサ、メモリ、バッファ、制御論理部、エンコーダ、デコーダ、レートマッチャ、デレートマッチャ、マッピングユニット、乗算器、決定ユニット、選択ユニット、スイッチ、インターリーバ、デインターリーバ、変調器、復調器、入力部、出力部、アンテナ、増幅器、受信機ユニット、送信機ユニット、DSP、MSD、TCMエンコーダ、TCMデコーダ、電源ユニット、給電装置、通信インタフェース、通信プロトコルなどであり、これらは、本解決策を行うために適切に一緒に配置される。
【0110】
特に、本開示のプロセッサおよび/または処理手段は、処理回路機構、プロセッサモジュール、および互いに協働するように構成された多数のプロセッサ、中央処理ユニット(CPU)、処理ユニット、処理回路、プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または命令を解釈し実行することができる他の処理論理部のうちの1つまたは複数の例を含むことができる。したがって、「プロセッサ」および/または「処理手段」という表現は、たとえば、上述したもののうちのいずれか、一部、またはすべてなど、複数の処理回路を含む処理回路機構を表すことができる。処理手段は、呼処理制御、またはユーザインタフェース制御などのデータバッファリングおよびデバイス制御機能を含むデータの入力、出力、および処理のためのデータ処理機能をさらに行うことができる。
【0111】
最後に、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、添付の独立請求項の範囲内のすべての実施形態に関し、その範囲内にすべての実施形態を組み込んでいること理解すべきである。
【符号の説明】
【0112】
100 弁ユニット
110 流体入口
120 流体出口
130 第1の対の流体ポート
131 第1の流体ポート
132 第2の流体ポート
140 第2の対の流体ポート
141 第3の流体ポート
142 第4の流体ポート
150 インテリジェント充填用流体ポートまたは充填用流体ポート
160 廃棄流体ポート
200 結合用弁組立体
201 結合用弁組立体の本体
231、232、241、242、250、260、271~276 膜弁
281 第1の圧力センサ
282 第2の圧力センサ
291 第1の流体チャネル
292 第2の流体チャネル
293 第3の流体チャネル
294 第4の流体チャネル
295 第5の流体チャネル
296 第6の流体チャネル
301 駆動部
302 位置フラッグ閉鎖
303 位置センサ閉鎖
304 ピストン
305 弁後部
306 中心ポート
307 サイドポート
308 弁前部
309 台座
310 膜
311 ピストンセンサ開放
312 位置フラグ開放
313 ばね筐体
314 ばね
315 長手方向軸
400 クロマトグラフィ装置
404 送受信機
410 制御ユニット
412 プロセッサ、処理手段
415 メモリ
417 入力デバイス
418 ディスプレイ
420 出口弁
421~423 出口ポート、出口
431 pHセンサ
432 伝導度センサ
441 第1のカラム
442 第2のカラム
451 リザーバ
455 入口
470 スプリッタ
1_DOWN 第1の制御信号
2_DOWN 第2の制御信号
1_UP 第3の制御信号
2_UP 第4の制御信号
1_DOWN-2_DOWN 第5の制御信号
2_DOWN-1_DOWN 第6の制御信号
BY_PASS_ALL 第7の制御信号
BY_PASS_TOP 第8の制御信号
BY_PASS_BOTTOM 第9の制御信号