(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-11
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】バッテリーパッケージ
(51)【国際特許分類】
B65D 75/36 20060101AFI20230512BHJP
【FI】
B65D75/36
(21)【出願番号】P 2020520465
(86)(22)【出願日】2018-10-15
(86)【国際出願番号】 US2018055864
(87)【国際公開番号】W WO2019075458
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-10-14
(32)【優先日】2017-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】315014051
【氏名又は名称】デュラセル、ユーエス、オペレーションズ、インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】スコット、スチュワート
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ、セローン
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン、ショウバ
(72)【発明者】
【氏名】ケリー、リン
(72)【発明者】
【氏名】ジャクリーン、デンマン
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0035746(US,A1)
【文献】特開2016-182960(JP,A)
【文献】特表2007-525810(JP,A)
【文献】特開2011-207516(JP,A)
【文献】特開2008-230701(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00-79/02
B65D 81/18-81/30
B65D 81/38
B65D 85/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹状部と、前記凹状部の外周にわたって前記凹状部の縁部から外方に延びる外周フランジとを有するトレイと、
前記凹状部内に配置される湾曲面部であって、前記各湾曲面部が円筒状のバッテリーを内部で受けるように構成される、湾曲面部と、
前記凹状部と前記外周フランジの少なくとも一部とを覆うように配置されるカバーと、 前記トレイと前記カバーとの間に配置される接着剤と、
前記トレイ上及び前記カバー上にわたって摺動するように構成されるパネル部を有するスリーブであって、前記トレイが前記スリーブ内に挿入される際に前記パネル部が前記カバー及び前記トレイの周囲で延びるようになっている、スリーブと、
を備えるものであり、
前記トレイは、そのフランジの縁部から延びるとともに吊り下げ機能部を含むタブを含み、前記タブが前記スリーブの上端を貫通して突出するものであり、
前記スリーブは、その上端に隣接するとともにその上端を越えて突出するように構成されるフラップを含み、前記フラップは、前記スリーブの上端に開口を画定して、前記開口を通じて前記タブを受け、それにより、前記トレイを前記スリーブと位置合わせする、バッテリーパッケージ。
【請求項2】
前記カバーが可撓性フィルム材料である、請求項1に記載のバッテリーパッケージ。
【請求項3】
前記接着剤が前記カバーの内面に配置される、請求項1から2のいずれか一項に記載のバッテリーパッケージ。
【請求項4】
前記接着剤は、前記カバーが前記トレイに接着されるときに前記カバーが前記トレイ内に受けられる円筒状のバッテリーに接着しないように、前記トレイの前記凹状部と位置合わせされる空隙を含む、請求項3に記載のバッテリーパッケージ。
【請求項5】
前記接着剤が前記トレイの前記外周フランジ上に配置される、請求項1から2のいずれか一項に記載のバッテリーパッケージ。
【請求項6】
前記トレイがスタンド部を含み、該スタンド部は、前記トレイがその前記スタンド部上に少なくとも部分的に載って直立に立つべく構成されるように後方に突出する、請求項1から5のいずれか一項に記載のバッテリーパッケージ。
【請求項7】
前記トレイが前記スリーブ内に挿入されるときに前記スリーブのバックパネル部が前記トレイの前記スタンド部に当接するようになっている、請求項6に記載のバッテリーパッケージ。
【請求項8】
前記トレイが2つの隣接する凹状部を含み、前記各凹状部が複数の湾曲面部を含み、前記トレイが前記隣接する前記凹状部間で延びる仕切りを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のバッテリーパッケージ。
【請求項9】
前記スリーブの前記パネル部は、前記カバーの外周及び前記トレイの前記フランジに対応する外周を有するカバーパネル、前記トレイの
前記凹状部の幅に対応する幅を有するバックパネル、及び、前記カバーと前記バックパネルとの間で延びるサイドパネルを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のバッテリーパッケージ。
【請求項10】
後壁と、前記後壁の縁部から延びる側壁と、前記側壁の縁部から外側に延びる外周フランジとを有するベースと、
前記ベース内に入り込むように構成されるトレイであって、凹状部を含むトレイと、
前記凹状部内に配置される湾曲面部であって、前記各湾曲面部が円筒状のバッテリーを内部で受けるように構成される、湾曲面部と、
前記トレイの前記凹状部と前記ベースの前記外周フランジの少なくとも一部とを覆うように配置されるカバーと、
前記ベースと前記カバーとの間に配置される接着剤と、
前記トレイ上及び前記カバー上にわたって摺動するように構成されるパネル部を有するスリーブであって、前記トレイが前記スリーブ内に挿入される際に前記パネル部が前記カバー及び前記ベースの周囲で延びるようになっている、スリーブと、
を備えるものであり、
前記トレイは、その前記凹状部の縁部から延びるとともに吊り下げ機能部を含むタブを含み、前記タブが前記カバーと前記ベースとの間で前記スリーブの上端を貫通して突出するものであり、
前記スリーブは、その上端に隣接するとともにその上端を越えて突出するように構成されるフラップを含み、前記フラップは、前記スリーブの上端に開口を画定して、前記開口を通じて前記タブを受け、それにより、前記トレイ、前記ベース、及び、前記カバーを前記スリーブと位置合わせする、バッテリーパッケージ。
【請求項11】
前記ベースの前記側壁は、前記側壁を貫通して延びる開口を含み、前記開口は、前記タブを挿通して受けるように構成される、請求項10に記載のバッテリーパッケージ。
【請求項12】
前記接着剤が前記カバーの内面上に配置される、請求項10から11のいずれか一項に記載のバッテリーパッケージ。
【請求項13】
前記接着剤は、前記カバーが前記ベースに接着されるときに前記カバーが前記トレイ内に受けられる円筒状のバッテリーに接着しないように、前記トレイの前記凹状部と位置合わせされる空隙を含む、請求項12に記載のバッテリーパッケージ。
【請求項14】
前記接着剤が前記ベースの前記外周フランジ上に配置される、請求項10から11のいずれか一項に記載のバッテリーパッケージ。
【請求項15】
前記ベースが後方に突出する下部を含み、前記スリーブは、前記ベースが前記スリーブ内に挿入されるときに前記後方に突出する下部と当接するようになっているリアパネルを含む、請求項10から14のいずれか一項に記載のバッテリーパッケージ。
【請求項16】
前記トレイが2つの隣接する凹状部を含み、前記各凹状部が複数の湾曲面部を含み、前記トレイが前記隣接する前記凹状部間で延びる仕切りを含む、請求項10から15のいずれか一項に記載のバッテリーパッケージ。
【請求項17】
前記スリーブの前記パネル部は、前記カバーの外周及び前記ベースの前記フランジに対応する外周を有するカバーパネル、前記ベースの幅に対応する幅を有するバックパネル、及び、前記カバーと前記バックパネルとの間で延びるサイドパネルを含む、請求項10から16のいずれか一項に記載のバッテリーパッケージ。
【請求項18】
前記カバーが可撓性フィルム材料である、請求項10から17のいずれか一項に記載のバッテリーパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般にパッケージに関し、より具体的には、バッテリー用のパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリーは、それらが金属と接触する場合に又は1つのバッテリーのプラス端子が他のバッテリーのマイナス端子と接触する場合に電気の伝導を開始する場合がある。結果として、金属と接触する状態になるバッテリー又はマイナス端子と接触する状態になるプラス端子を伴うバッテリーは、急速に消耗して、熱をもたらし得る。したがって、適切な保管がそのような事象の発生を最小限に抑えるはずである。
【発明の概要】
【0003】
本明細書中には、凹状部と、該凹状部の外周にわたって凹状部の縁部から外方に延びる外周フランジとを有するトレイを含むバッテリーパッケージが記載される。凹状部は湾曲面部を含み、この場合、各湾曲面部は、円筒状のバッテリーを内部で受けるように構成される。バッテリーパッケージは、凹状部と外周フランジの少なくとも一部とを覆うように配置されるカバーと、トレイとカバーとの間に配置される再密閉可能な接着剤とを更に含む。更に、バッテリーパッケージは、トレイ上及びカバー上にわたって摺動するように構成されるパネル部を有するスリーブを含む。パネル部は、トレイがスリーブ内に挿入される際にカバー及びトレイの周囲で延びるように構成される。
【0004】
実施形態において、トレイは、そのフランジの縁部から延びてスリーブの上端を貫通して突出するタブを含むことができる。実施形態において、スリーブは、その開口した上端に隣接するとともにその開口した上端を越えて突出するように構成されるフラップを含むことができ、この場合、フラップは、スリーブの上端に開口を画定して、該開口を通じてタブを受け、それにより、トレイをスリーブと位置合わせする。
【0005】
幾つかの実施形態では、トレイがスタンド部を含むことができ、該スタンド部は、トレイがそのスタンド部上に少なくとも部分的に載って直立に立つべく構成されるように後方に突出する。実施形態において、スリーブは、トレイがスリーブ内に挿入されるときにスタンド部に当接するリアパネルを含むことができる。
【0006】
他の形態では、後壁と、該後壁の縁部から延びる側壁と、該側壁の縁部から外側に延びる外周フランジとを有するベースを含むバッテリーパッケージが本明細書中に記載される。バッテリーパッケージは、ベース内に入り込むように構成される凹状部を伴うトレイを更に含む。凹状部は湾曲面部を含み、この場合、各湾曲面部は、円筒状のバッテリーを内部で受けるように構成される。また、バッテリーパッケージは、トレイの凹状部とベースの外周フランジの少なくとも一部とを覆うように配置されるカバー、ベースとカバーとの間に配置される再密閉可能な接着剤、並びに、トレイ上及びカバー上にわたって摺動するように構成されるパネル部を有するスリーブも含む。パネル部は、トレイがスリーブ内に挿入される際にカバー及びベースの周囲で延びるように構成される。
【0007】
実施形態において、トレイは、その凹状部の縁部から延びるタブを含み、該タブはカバーとベースとの間でスリーブの上端を貫通して突出する。実施形態において、スリーブは、その上端に隣接するとともにその上端を越えて突出するように構成されるフラップを含むことができ、フラップは、上端に開口を画定して、該開口を通じてタブを受け、それにより、トレイ、ベース、及び、カバーをスリーブと位置合わせする、実施形態において、ベースの側壁は、該側壁を貫通して延びる開口を含むことができ、開口は、タブを挿通して受けるように構成される。
【0008】
幾つかの実施形態では、ベースは、ベースがそのスタンド部上に少なくとも部分的に載って直立に立つべく構成されるように後方に突出する下部を含むことができる。実施形態において、スリーブは、ベースがスリーブ内に挿入されるときに後方に突出する下部と当接するようになっているリアパネルを含むことができる。
【0009】
先のニーズは、特に図面と併せて検討される場合に、以下の詳細な説明に記載されるバッテリーパッケージを提供することによって少なくとも部分的に満たされる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の様々な実施形態に係るバッテリーパッケージの背面斜視図である。
【
図2】本開示の様々な実施形態に係る
図1のバッテリーパッケージの背面図である。
【
図3】本開示の様々な実施形態に係る
図1のバッテリーパッケージの正面図である。
【
図4】本開示の様々な実施形態に係る
図1のバッテリーパッケージの側面図である。
【
図5】本開示の様々な実施形態に係る
図1のバッテリーパッケージの上面図である。
【
図6】本開示の様々な実施形態に係る
図1のバッテリーパッケージの底面図である。
【
図7】本開示の様々な実施形態に係る
図1のバッテリーパッケージのトレイ及びカバーの斜視図である。
【
図8】本開示の様々な実施形態に係るバッテリーパッケージの第2の実施形態における分解斜視図である。
【
図9】本開示の様々な実施形態に係る
図8のバッテリーパッケージの正面図である。
【
図10】本開示の様々な実施形態に係る
図8のバッテリーパッケージの側面図である。
【
図11】本開示の様々な実施形態に係る
図8のバッテリーパッケージの背面図である。
【0011】
当業者であれば分かるように、図中の要素は、簡単に且つ明確にするように例示されており、必ずしも原寸に比例して描かれていない。例えば、図中の要素の幾つかの寸法及び/又は相対的な位置は、本発明の様々な実施形態の理解を高めるのを助けるべく他の要素に対して誇張される場合がある。また、商業的に実現可能な実施形態において有用な一般的であるが十分に理解された要素は、これらの様々な実施形態の視野が殆ど遮られないように促すべく描かれない場合がある。特定の行為及び/又はステップが特定の発生順序で説明される又は描写される場合があることが更に分かるが、当業者であれば理解できるように、シーケンスに関するそのような特異性は実際には必要とされない。異なる特定の意味が本明細書中に別段に記載されている場合を除き、本明細書中で使用される用語及び表現が、前述の技術分野の当業者によりそのような用語及び表現と合致されるような通常の技術的意味を有することも理解され得る。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書中にはバッテリーパッケージが記載され、このバッテリーパッケージは、該バッテリーパッケージ内に受けられるバッテリー間の分離を有利に維持しつつ、バッテリーパッケージからバッテリーを順次に取り出すための再密閉可能な開口ももたらす。更に、バッテリーパッケージは、保管中に様々な個々の構成要素を一緒に保持するための外側カバー又はスリーブを含むことができる。
【0013】
第1の形態の典型的なバッテリーパッケージ10が
図1~
図7に示される。バッテリーパッケージ10は、トレイ12、カバー14、及び、長手方向軸Lにほぼ沿って延びるスリーブ16を含む。
図7に示されるように、トレイ12は、円筒側壁20を有するバッテリー18を内部で受けるように構成され、一方、カバー14は、トレイ12に接着してトレイとの間でバッテリー18を固定するように構成される。閉じられた形態では、すなわち、トレイ12がスリーブ16内に収容される際には、スリーブ16がトレイ12及びカバー14の周囲で延びる。
【0014】
トレイ12の詳細が
図7に示される。トレイ12は、凹状の中央部22と、凹状の中央部22から外側に延びる外周フランジ24とを含む。凹状の中央部22は、後壁26と、後壁26と外周フランジ24との間で延びる側壁28とを有する。凹状の中央部22は、バッテリー18を内部で受けるように構成され、好ましくは、バッテリー18が外周フランジ24の平面を破壊しないようにバッテリー18が内部に完全に受けられるべく寸法付けられる。
【0015】
後壁26は、それぞれが湾曲した部分的に円筒状の形態を伴う表面を有する複数のベイ30を含み、各ベイ30は、パッケージ10の長手方向軸Lに沿って平行方向に延びる。好ましくは、ベイ28の円筒形態は、バッテリー18がベイ内に受けられるときにベイ28がバッテリーの横方向の動きを制限するようにバッテリー18の円筒側壁20に対して相補的となるべく寸法付けられる。更に、ベイの端壁29間のベイ28の長さは、ベイ内に受けられるようになっているバッテリー18の長さよりも僅かに大きくなる、例えば約1~5mm大きくなるように寸法付けられ得る。そのように構成されると、ベイ28と凹状の中央部22の寸法とが協働してバッテリー18の動きを制限する。更に、バッテリー18の動きを制限することは、バッテリー18の端子31がパッケージ10内に受けられるときに互いに接触するのを防止することにも有利に役立つ。
【0016】
トレイ12は、好適には、任意の所望の数のバッテリー18をその内部に格納するように構成され得る。例えば、図示のトレイ12は4つのベイ30の列32を含むが、任意の所望の数のベイ30が列32を成して設けられ得る。更に、
図7に示されるように、トレイ12は複数の凹状部22を含むことができる。複数の凹状部22をそれらの間で延びる仕切り34を伴う積み重ね形態で設けることができ、仕切り34はその両側にベイ30のための端壁29を設ける。1つの手法において、仕切り34は、端壁29間で延びる前方に面する壁36を含む。前方に面する壁36は、ベイ30の底面の上方に配置され、また、端壁29は、凹状部22内のバッテリー18のマイナス端子と第2の凹状部22内の異なるバッテリー18のプラス端子との間の接触を防止できる。図示の形態では、前方に面する壁36がフランジ24に対して凹んでいる。或いは、前方に面する壁36は、フランジ24と同一平面上にあってもよい。
【0017】
図4に示されるように、トレイ12は、後方に突出するスタンド部38を更に含むことができる。そのように構成されると、トレイ12は、その前部42に沿ってフランジ24の下縁部40上に載るとともにその後部46でスタンド部38の下縁部又は表面44上に載る直立姿勢で立つことができる。必要に応じて、フランジ24及びスタンド部38は、トレイ12が垂直に対して僅かに傾斜した向きで静止するように寸法付けられ得る。例えば、トレイ12は、垂直に対して約5度~約30度、より具体的には約10度~約20度、更に具体的には約10度~約15度の角度を成すことができる。
【0018】
図示の形態において、スタンド部38は、ベイ30の最下列32に対応する後壁26の下部48から後方に延びる略平行六面体形状を有する。この形状により、スタンド部38は、英数字材料(例えば、ブランド又はバッテリー18の他の識別)の配置に適した後壁50、上壁54、下壁56、及び、それらの間で延びる側壁58を含む。英数字材料は、図示のようにトレイ12に形成され、エンボス加工され、印刷され、ラベルなどを使用してトレイに接着され得る。
【0019】
別の形態(図示せず)において、スタンド部38は、後壁26、後壁26と側壁28との間の角部、又は、フランジ24の下縁部40から突出する1つ以上の後方に延びる壁によってもたらされ得る。後方に延びる壁は、長手方向軸Lに対して略垂直、長手方向軸に対して角度を成す、複数の略垂直な壁など、任意の所望の形態を有することができる。
【0020】
また、トレイ12は、そこから突出するタブ60を含むこともでき、該タブは、吊るし穴などの吊り下げ機能部62を有する。図示の実施形態において、タブ60は、外周フランジ24の上縁部64から突出している。図示のように、タブ60は、外周フランジ24から突出しつつ、後壁26に向かって折り曲げられて、トレイ12の中間の深さの上方に突出する。より具体的には、タブ60は、長手方向軸Lに対して略垂直な第1の折り曲げ部66であって、フランジ24の上縁部64から延びる第1の折り曲げ部66と、第1の折り曲げ部66に対して略垂直な第2の折り曲げ部68であって、後方に延びる壁部70によって第1の折り曲げ部66から離間されるとともに、第1の折り曲げ部66とは反対側の後方に延びる壁部70の縁部から延びる第2の折り曲げ部68とを含む。この形態において、タブ60は、トレイ12がスリーブ16内に収容されるときに長手方向軸Lにほぼ沿って上方に突出する。図示の形態において、壁部70は、トレイ12の凹状の中央部22の深さ、より具体的には、凹状の中央部22の深さの約半分よりも浅くなるように寸法付けられる。吊り下げ機能部62は、一般に理解されているように、任意の適切な形状及び/又は形態を成すことができる。
【0021】
トレイ12は、プレスされた紙パルプ、射出成形、ブロー成形などを使用するモールドにおけるなど、任意の適切な方法を使用して形成され得る。任意の適切な板紙又はプラスチック材料を使用してトレイを形成してもよく、例えば、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、アクリル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、及び、ポリエチレンテレフタレートが使用されてもよい。
【0022】
図7に示されるように、カバー14は、トレイ12、より具体的にはそのフランジ24にほぼ対応するフットプリントを伴う平面形態を有する。図示の形態では、カバー14が可撓性フィルム材料である。更に、カバー14は、ユーザがトレイ12内に残っているバッテリー18を見ることができるように透明又は半透明にすることができる。勿論、もう1つの方法として、カバー14を必要に応じて可撓性、剛性、又は、半剛性にすることができる。一般に、カバー14は、インフレーションフィルム押出、キャストフィルム押出などにより製造される。カバー14は、任意の適切な板紙又はプラスチック材料を備えてもよく、例えば、ナイロン、セロファン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、アクリル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、及び、ポリエチレンテレフタレートが使用されてもよい。更に、必要に応じて、例えば複数の凹状部22を有するトレイ12の場合には、カバー14を複数の別個の部分に分割することができる。例えば、各カバー14は、凹状部22のうちの1つを覆って、その周囲で延びるフランジ24の部分に接着することができる。更に、仕切り壁36がフランジ24と同一平面上にある又はフランジ24から僅かにオフセットしている場合、1つ又は複数のカバー14は、仕切り壁36の一部に更に接着できるとともに、列32内に収容されたバッテリー18が取り外され/使用された時点でカバーを容易に除去できるように穿孔可能であってもよい。
【0023】
前述のように、トレイ12及びカバー14は互いに接着接続される。好ましい手法において、トレイ12及びカバー14は、
図7に示されるように再密閉可能な接着剤72を使用して互いに結合される。例えば、再密閉可能な接着剤72が感圧接着剤であってもよい。このようにすると、ユーザがカバー14を引き剥がして1つ以上のバッテリー18を取り外すときに、ユーザは、トレイ12に対してカバー14を再密閉して、残りのバッテリー18をトレイ内に固定することができる。更に、ベイ30の複数の列32を有するパッケージ10を用いると、ユーザは、トレイ12の所望の部分を露出させるためにカバー14を引き剥がすだけで済む。必要に応じて、接着剤のないカバー14のタブ33を設けて、ユーザがカバー14を開放のために容易に握ることができるようにすることができる。タブ33は、図示のように角部にあってもよく、側面に沿ってあってもよく、又は、それらの組み合わせであってもよい。
【0024】
第1の手法により、再密閉可能な接着剤72をトレイ12の外周フランジ24上に配置することができる。そのように構成されると、カバー14をフランジ24と位置合わせしてフランジに貼り付けることができる。感圧接着剤を使用すると、圧力を使用してカバー14をフランジ24に接着することができる。
【0025】
第2の手法により、再密閉可能な接着剤72を、少なくともトレイ12の外周フランジ24に対応して外周フランジ24と接触できる領域でカバー14上に配置することができる。この形態の再密閉可能な接着剤72は、カバー14の外周から内側に離間されるとともにカバー14がトレイ12に接着されるときに凹状部22と位置合わせするように構成される空隙74を含むことができる。したがって、カバー14は、トレイ12内のバッテリー18に付着しない。空隙74は、その上に接着剤が配置されていない領域でもよく、又は、接着剤が不活性にされるように接着剤72上に接着鈍化材料が配置された領域でもよい。
【0026】
スリーブ16の一例が
図1~
図7に示される。スリーブ16は、フロントパネル76、リアパネル78、及び、フロントパネル76とリアパネル78との間で延びるサイドパネル80を含む。そのように構成されると、スリーブ16は、上端82と下端84との間に延びる管状形態を有する。図示のように、上端82及び下端84は開放し得る。スリーブ16は、トレイ及びカバーが互いに接着されるときにトレイ12上及びカバー14にわたって摺動するように構成される。
【0027】
図示の形態では、スリーブ16の断面が略台形形態を有し、この場合、フロントパネル76は、トレイ12及びカバー14の外周フランジ24に対応する外周を有し、リアパネル78は凹状部22の幅に対応する幅を有し、サイドパネル80はフロントパネルとリアパネルとの間で延びる。リアパネル78は、トレイ12及びカバー14がスリーブ16内に完全に受けられるときにスタンド部38と当接するようになっている長さを有することができる。したがって、この形態のリアパネル78は、フロントパネル76よりも短い長さを有する。随意的に、サイドパネル80は、図示のようにリアパネル78に又はフロントパネル76に対応する長さを有することができる。スリーブ16は、板紙又は段ボールなどの任意の適した材料から形成され得る。スリーブ16は、材料のシートから切断されて、図示のように折り曲げられ、そのパネル部を形成することができる。スリーブの管状形態を保持するために、スリーブは、例えばそのサイドパネル80のうちの1つに沿う重合部を含むことができ、それにより、重合部を互いに接着或いはさもなければ固定することができる。或いは、任意の適したプラスチック材料、例えば、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、アクリル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、及び、ポリエチレンテレフタレートが使用されてもよい。
【0028】
図1に示されるように、スリーブ16は、リアパネル78の上縁部88から延びるフラップ86を更に含むことができる。フラップ86は、スリーブ16の開放した上端82を覆うように折れ曲がって上端82上にわたって固定されるように構成される。例えば、フラップ86は、接着剤、フラップのタブ及び開口部とフロントパネル76の上縁部などとの間の機械的相互作用などの任意の適した機構によってフロントパネル76の内面に固定され得る。或いは、フラップ86は、サイドパネル80の上縁部から延びるフラップに固定され得る。必要に応じて、下端84は同様の形態を含むことができる。フラップ86は、随意的に、細長いスロット開口90を更に含む又は画定する。スロット開口90は、フラップ86を貫通して延びることができ、又は、その縁部に隣接することができる。開口90は、フラップ86が折り曲げられるときに、フロントパネル76とリアパネル78との間の中間位置に配置されるように構成される。したがって、トレイ12がスリーブ16内に滑り込まされる際に、そのタブ60が開口90を通って延び、その壁部70がフラップ86に当接する。この形態は、カバー14が接着されたトレイ12をスリーブ16内で効果的に位置合わせする。更に、タブ60の吊り下げ機能部62を使用して製品ディスプレイにトレイ12が吊り下げられると、スリーブ16が外れることが防止される。必要に応じて、フラップ86とリアパネル78との間の接続部は、ユーザが購入後にフラップ86を容易に取り外すことができるように、ミシン目、切り込み線などの脆弱ラインとすることができる。同様に、タブ60とトレイ12との間に脆弱ラインが含まれてもよい。
【0029】
バッテリーパッケージ100のための別の形態が
図8~
図11に示される。この形態のパッケージ100は、前述のパッケージ10との多くの類似点を含むため、ここでは相違点のみを説明する。
【0030】
この形態のパッケージ100は、トレイ12’、カバー14’、及び、スリーブ16’を含むとともに、ベース102を更に含む。ベース102は、後壁104、側壁106、及び、後壁104と対向する側壁106の外周から外側に延びる外周フランジ108を含む。ベース102は、その中にトレイ12’を受けるように構成される内部110を画定する。
【0031】
図示のように、トレイ12’は、ベース102内に入れ込まれ、ベース102とカバー14’との間に捕捉される。再密閉可能な接着剤72’をカバー14’とベース102の外周フランジ108との間に配置することができる。或いは、カバー14’をトレイ12’のフランジ24’に接着することができる。上記の形態と同様に、接着剤72’は、対応する空隙74を伴うカバー14’上に配置され得る、或いは、ベースの外周フランジ108上及び/又はトレイのフランジ24’上に配置され得る。
【0032】
他の態様において、トレイ12’のタブ60’は、上記の形態の折り曲げ部を伴うことなく上方に突出することができる。したがって、第1の形態では、トレイ12’がベース102内に入れ込まれると、タブ60’は、ベース102のフランジ108の前方に突出し、カバー14’がベース102に接着される際にフランジ108とカバー14’との間に少なくとも部分的に捕捉され得る。必要に応じて、スリーブ16’は、随意的に、ベース102、トレイ12’、及び、カバー14’をスリーブ16’内で位置合わせするために同様に構成されたフラップ86’を含むことができる。第2の形態では、
図11に示されるベース102のように、側壁106は、トレイ12’がベース102内に入れ込まれるときにタブ60’を挿通して受けるように構成される細長い開口111をその上端部に含むことができる。
【0033】
更に、トレイ12’の入れ子形態に起因して、ベース102は、スリーブ16’のリアパネル78’に当接する後方突出部112を含むことができる。後方突出部112は、パッケージ100のための直立機能を与えるように構成されなくてもよいが、後方突出部112は、パッケージ100が同様に直立姿勢で立って後方突出部112上及びフランジ108の前縁部114上に載ることができるように前述のスタンド部38と同様の寸法又は形態を有することができる。
【0034】
当業者であれば分かるように、本発明の範囲から逸脱することなく、前述の実施形態に関して多種多様な修正、変更、及び、組み合わせを成すことができ、また、そのような修正、変更、及び、組み合わせは本発明の概念の範囲内にあると見なされるべきである。