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特許7278287層状構造及び層状構造を製造するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-11
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】層状構造及び層状構造を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   B81C 1/00 20060101AFI20230512BHJP
   B81B 7/02 20060101ALI20230512BHJP
   G01H 17/00 20060101ALI20230512BHJP
   H04R 19/00 20060101ALI20230512BHJP
   B32B 7/025 20190101ALI20230512BHJP
【FI】
B81C1/00
B81B7/02
G01H17/00 Z
H04R19/00 330
B32B7/025
【請求項の数】 63
(21)【出願番号】P 2020533239
(86)(22)【出願日】2018-12-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 CA2018051618
(87)【国際公開番号】W WO2019119127
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-11-09
(31)【優先権主張番号】62/607,641
(32)【優先日】2017-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502087932
【氏名又は名称】ザ ユニヴァーシティ オブ ブリティッシュ コロンビア
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド,カルロス ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ローリング,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】クレトゥ,エドモンド
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-352823(JP,A)
【文献】特開2008-193652(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102249181(CN,A)
【文献】国際公開第2017/186781(WO,A1)
【文献】特開2015-064614(JP,A)
【文献】特開2015-098054(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0174573(US,A1)
【文献】国際公開第2014/134723(WO,A1)
【文献】国際公開第2007/029357(WO,A1)
【文献】特開2014-140958(JP,A)
【文献】国際公開第2016/147908(WO,A1)
【文献】特許第5535534(JP,B2)
【文献】特許第5362060(JP,B2)
【文献】特許第4723670(JP,B2)
【文献】特表2005-505429(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B81C 1/00
B81B 7/02
G01H 17/00
H04R 19/00
B32B 7/025
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
層状構造を製造するための方法であって、
(a)下部電極として機能する基板アセンブリ上に犠牲層を堆積させることと、
(b)前記犠牲層を第1形状にパターン化することと、
(c)パターン化された前記犠牲層上に、第1ポリマーベースの層を堆積させることと、
(d)パターン化された前記犠牲層の上の前記第1ポリマーベースの層上に、上部電極をパターン化することと、
(e)第2ポリマーベースの層を前記上部電極上に、前記電極が前記第1及び第2ポリマーベースの層の間にあるように堆積させることと、
(f)前記第2ポリマーベースの層が前記上部電極上に堆積された後に、前記犠牲層をエッチング除去して、前記電極の下に空洞を形成することと、
を含む、方法。
【請求項2】
記第1ポリマーベースの層が、エッチャントが前記第1ポリマーベースの層の上部からパターン化された前記犠牲層に流れることを可能にする導管を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2ポリマーベースの層が、前記導管を塞ぐように堆積され、
前記方法は、前記導管を塞ぐ前記第2ポリマーベースの層の一部をエッチング除去することをさらに含み、
パターン化された前記犠牲層をエッチング除去することが、前記導管を通じて前記エッチャントを流すことを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記犠牲層を前記第1形状にパターン化することパターン化された前記犠牲層をエッチング除去して前記空洞を形成することと、が有機及び非毒性溶媒を使用して行われる、請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記層状構造が、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサを含み、
前記第1形状が、前記トランスデューサの空洞を含み、
前記方法は、
(a)パターン化された前記犠牲層まで前記第1ポリマーベースの層を通るビアホールをパターン化することであって、前記エッチングが前記ビアホールを使用して行われて前記空洞を形成することと、
(b)前記空洞を閉じることと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記トランスデューサの前記空洞として形成されるように前記犠牲層をパターン化することパターン化された前記犠牲層をエッチング除去して前記トランスデューサの前記空洞を形成することと、前記ビアホールをパターン化することと、が有機及び非毒性溶媒を使用して行われる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記空洞を閉じることをさらに含む、請求項1~4の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記空洞を閉じることが、前記第1及び第2ポリマーベースの層を生体適合性材料で被包することを含む、請求項5~7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記生体適合性材料が、ポリ(p-キシリレン)ポリマーを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記上部電極をパターン化することが、前記上部電極への金属接続をパターン化することを含み、
前記金属接続が、前記空洞が閉じられた後に前記第2ポリマーベースの層によって覆われず、
前記空洞を閉じることが、前記金属接続上に生体適合性材料を堆積させることを含む、請求項5~9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記空洞を閉じることが、0.001トル以下の圧力で、ポリマー蒸発器チャンバーで行われる、請求項5~10の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記空洞を閉じることが、前記空洞の周りに水密シールを形成することを含む、請求項5~11の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記上部電極が、前記第1及び第2ポリマーベースの層内に埋め込まれている、請求項5~12の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記犠牲層が感光性であり、前記犠牲層をパターン化して、前記空洞を形成することが、
(a)前記第1形状として形成された前記犠牲層の一部を架橋することと、
(b)現像液を施して、架橋されていない前記犠牲層の一部をエッチング除去することと、
を含む、請求項1~13の何れか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記犠牲層が感光性でなく、前記犠牲層をパターン化して、前記空洞を形成することが、
(a)前記犠牲層上にポジティブフォトレジスト層を堆積させることと、
(b)前記空洞として形成される前記犠牲層の一部に対応する前記ポジティブフォトレジスト層の一部を架橋することと、
(c)フォトレジスト現像液を施して、架橋されていない前記フォトレジスト層、及び架橋されていない前記フォトレジスト層の下にある前記犠牲層をエッチング除去することと、
(d)前記フォトレジスト層及び前記犠牲層がエッチング除去された後に、架橋されている前記フォトレジスト層を除去することと、
を含む、請求項1~13の何れか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記第2ポリマーベースの層が、前記第1ポリマーベースの層よりも厚い、請求項1~15の何れか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記第2ポリマーベースの層が、前記第1ポリマーベースの層よりも少なくとも5倍厚い、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1ポリマーベースの層に対する前記第2ポリマーベースの層の相対的な厚さが、前記上部電極が少なくとも1MHzの周波数で共振するように選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記製造が、150℃以下の温度で行われる、請求項1~18の何れか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記基板アセンブリが、可撓性である、請求項1~19の何れか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記上部電極が、導電性ポリマーを含む、請求項1~20の何れか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記基板アセンブリが、光透過性材料を含む、請求項1~21の何れか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記基板アセンブリが、基板上に光透過性導電性下部電極をさらに備える、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
パターン化された前記犠牲層がエッチング除去された後に、
(a)前記上部電極に接触する前記第1ポリマーベースの層の一部が引き寄せられて前記基板アセンブリと接触するように、前記上部電極及び前記基板アセンブリにわたって電圧を印加することと、
(b)前記上部電極に接触する前記第1ポリマーベースの層の前記一部及び前記基板アセンブリを、ある期間の間接触状態を維持することと、次いで、
(c)前記電圧を印加することをやめることと、
をさらに含む、請求項1~23の何れか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記犠牲層が、ポリマーを含む、請求項1~24の何れか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記犠牲層を堆積させることが、前記犠牲層を前記基板アセンブリ上にスピンコーティング又はスプレーコーティングすることを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
パターン化された前記犠牲層上に前記第1ポリマーベースの層を堆積させることが、前記基板アセンブリと接触する底面を除くパターン化された前記犠牲層のすべての表面を前記第1ポリマーベースの層で覆うことを含む、請求項1~26の何れか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記基板アセンブリが、導電性基板を備える、請求項1~27の何れか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記基板アセンブリが、非導電性基板と、前記基板上の導電性下部電極と、を備える、請求項1~27の何れか一項に記載の方法。
【請求項30】
パターンされた前記犠牲層が、前記第1及び第2ポリマーベースの層、並びに、前記第1及び第2ポリマーベースの層の前記パターン化の間に使用されるフォトレジスト現像液、に曝されるときに非反応性であり、
前記第1及び第2ポリマーベースの層が、パターン化された前記犠牲層をエッチング除去するために使用されるエッチャントに曝されるときに非反応性である、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記第1及び第2ポリマーベースの層が、SU8フォトレジストを含む、請求項1~30の何れか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記犠牲層が、OmniCoat(商標)組成物を含む、請求項1~31の何れか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記空洞が、前記構造の動作電圧が50ボルト以下になるように選択される高さを有する、請求項1~32の何れか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記空洞が、0.3μm以下の高さを有する、請求項1~33の何れか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記犠牲層を堆積させることが、溶媒を含む組成物を蒸発させることと、次いで、前記組成物を前記犠牲層として堆積させることと、を含み、前記溶媒の少なくとも70%かつ90%以下が蒸発する、請求項1~34の何れか一項に記載の方法。
【請求項36】
層状構造を製造するための方法であって、
(a)下部電極として機能する基板アセンブリ上に第1ポリマーベースの層を堆積させることと、
(b)前記第1ポリマーベースの層をパターン化して、空洞にすることと、
(c)別個の基板上に犠牲層を堆積させることと、
(d)前記犠牲層上に第2ポリマーベースの層を堆積させることと、
(e)前記第2ポリマーベースの層上に上部電極を堆積させることと、
(f)第3ポリマーベースの層を前記電極上に、前記上部電極が前記第2及び第3ポリマーベースの層の間にあるように堆積させることと、
(g)前記空洞が前記第1及び第3ポリマーベースの層によって閉じられるように、前記第1及び第3ポリマーベースの層を一緒に接着することと、
(h)前記第2ポリマーベースの層が前記別個の基板から解放されるように、前記犠牲層をエッチング除去することと、
を含む、方法。
【請求項37】
前記上部電極が、前記第2及び第3ポリマーベースの層内に埋め込まれている、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記第1及び第3ポリマー層を一緒に接着する前に、前記第1及び第3ポリマーベースの層を架橋することをさらに含む、請求項36又は37に記載の方法。
【請求項39】
前記第1ポリマーベースの層をパターン化すること及び前記犠牲層をエッチング除去することが、有機及び非毒性溶媒を使用して行われる、請求項36~38の何れか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記第1ポリマーベースの層が感光性であり、前記第1ポリマーベースの層をパターン化して、前記空洞にすることが、
(a)前記第1ポリマーベースの層の一部を、前記エッチングの後に残るように、前記一部を紫外線照射に曝すことによって架橋することと、
(b)フォトレジスト現像液を施して、前記第1ポリマーベースの層の架橋されていない領域をエッチングすることと、
を含む、請求項36~39の何れか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記第2ポリマーベースの層が、前記第3ポリマーベースの層よりも厚い、請求項36~40の何れか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記第2ポリマーベースの層が、前記第3ポリマーベースの層よりも少なくとも5倍厚い、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記第3ポリマーベースの層に対する前記第2ポリマーベースの層の相対的な厚さが、前記上部電極が少なくとも1MHzの周波数で共振するように選択される、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
製造が、150℃以下の温度で行われる、請求項36~43の何れか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記基板アセンブリが、可撓性であり、剛性のキャリアに結合されている、請求項36~44の何れか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記上部電極が、導電性ポリマーを含む、請求項36~45の何れか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記第1及び第3ポリマー層を一緒に接着することが、
(a)互いに接着されるように前記第1及び第3ポリマー層の表面をプラズマで処理することと、
(b)前記表面を互いに位置合わせすることと、
(c)前記表面を一緒に押し付けることと、
を含む、請求項36~46の何れか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記接着が、0.001トル以下の圧力で、ボンディングチャンバーで行われる、請求項36~47の何れか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記接着の後に、
(a)前記上部電極に接触する前記第1ポリマーベースの層の一部が引き寄せられて前記基板アセンブリと接触するように、前記上部電極及び前記基板アセンブリにわたって電圧を印加することと、
(b)前記上部電極に接触する前記第1ポリマーベースの層の前記一部及び前記基板アセンブリを、ある期間の間接触状態を維持することと、次いで、
(c)前記電圧を印加することをやめることによって、前記第1ポリマーベースの層に電荷を捕獲することと、
をさらに含む、請求項36~48の何れか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記犠牲層が、ポリマーを含む、請求項36~49の何れか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記犠牲層上に前記第2ポリマーベースの層を堆積させることが、前記犠牲層を前記第2ポリマーベースの層で完全に覆うことを含む、請求項36~50の何れか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記基板アセンブリが、導電性基板を備える、請求項36~51の何れか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記基板アセンブリが、非導電性基板と、前記基板上の導電性下部電極と、を備える、請求項36~52の何れか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記基板アセンブリが、光透過性材料を含む、請求項36~53の何れか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記基板アセンブリが、前記基板上に光透過性導電性下部電極をさらに備える、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記接着の後に、水密シールが前記空洞の周りにある、請求項36~55の何れか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記犠牲層が、前記第2ポリマーベースの層及び前記第2ポリマーベースの層の前記パターン化の間に使用されるフォトレジスト現像液に曝されるときに非反応性であり、
前記第2ポリマーベースの層が、前記犠牲層をエッチング除去するために使用されるエッチャントに曝されるときに非反応性である、請求項36に記載の方法。
【請求項58】
前記第1、第2及び第3ポリマーベースの層が、SU8フォトレジストを含む、請求項36~57の何れか一項に記載の方法。
【請求項59】
前記犠牲層が、OmniCoat(商標)組成物を含む、請求項36~58の何れか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記空洞が、トランスデューサの動作電圧が50ボルト以下になるように選択される高さを有する、請求項36~59の何れか一項に記載の方法。
【請求項61】
前記空洞が、0.3μm以下の高さを有する、請求項36~60の何れか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記犠牲層を堆積させることが、溶媒を含む組成物を蒸発させることと、次いで、前記組成物を前記犠牲層として堆積させることと、を含み、前記溶媒の少なくとも70%かつ90%以下が蒸発する、請求項36~61の何れか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記層状構造が、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサを含む、請求項36~62の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、「Layered Structure and Method for Fabricating Same」と題する2017年12月19日出願の米国仮特許出願第62/607,641号の優先権を主張する。
【0002】
[0002] 本開示は、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサなどの層状構造を製造するための方法、システム、及び技術、ならびに構造自体を対象とする。
【背景技術】
【0003】
[0003] 超音波撮像は、毎年生成される画像の点で、世界で最も広く使用された医療撮像モダリティである。超音波は、人間の体内の様々な目標の画像を生成するのに有用である。超音波撮像が多くの医療用途を有するため、高品質で、手が届きやすい費用対効果の高い方法で画像を取得することが重要である。超音波トランスデューサは、体へ及び体からの超音波の送信及び受信に関係する重要なハードウェアである。その結果、トランスデューサの能力を向上させる継続的な必要性が存在する。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 第1態様によれば、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサを製造するための方法が提供され、本方法は、下部電極として機能する基板アセンブリ上に犠牲層を堆積させることと、トランスデューサの空洞として形成されるように犠牲層をパターン化することと、犠牲層上に第1ポリマーベースの層を堆積させることと、犠牲層まで第1ポリマーベースの層を通るビアホールをパターン化することと、犠牲層の上の第1ポリマーベースの層上に上部電極をパターン化することと、第2ポリマーベースの層を上部電極上に、上部電極が第1及び第2ポリマーベースの層の間にあるように堆積させることと、ビアホールを使用して、犠牲層をエッチング除去して、トランスデューサの空洞を形成することと、空洞を閉じることと、を含む。
【0005】
[0005] 上部電極は、第1及び第2ポリマーベースの層内に埋め込まれていてもよい。
【0006】
[0006] トランスデューサの空洞として形成されるように犠牲層をパターン化すること、犠牲層をエッチング除去して、トランスデューサの空洞を形成すること、及びビアホールをパターン化することは、有機及び非毒性溶媒を使用して行われてもよい。
【0007】
[0007] 第1ポリマーベースの層は、感光性であってもよく、ビアホールをパターン化することは、第1ポリマーベースの層の一部を、パターン化の後に残るように、一部を紫外線照射に曝すことによって架橋することと、フォトレジスト現像液を施して、ビアホールを塞ぐ第1ポリマーベースの層をエッチング除去することと、を含んでもよい。残る部分が、ビアホールを塞ぐ第1ポリマーベースの層を除外してもよい。
【0008】
[0008] 犠牲層は、感光性でなくてもよく、犠牲層をパターン化して、空洞を形成することは、第1形状として形成された犠牲層の一部を架橋することと、現像液を施して、架橋されていない犠牲層の一部をエッチング除去することと、を含んでもよい。
【0009】
[0009] 犠牲層は、感光性でなくてもよく、トランスデューサの空洞として形成されるように犠牲層をパターン化することは、犠牲層上にポジティブフォトレジスト層を堆積させることと、空洞として形成される犠牲層の一部に対応するポジティブフォトレジスト層の一部を架橋することと、フォトレジスト現像液を施して、架橋されていないフォトレジスト層、及び架橋されていないフォトレジスト層の下にある犠牲層をエッチング除去することと、フォトレジスト層及び犠牲層がエッチング除去された後に、架橋されているフォトレジスト層を除去することと、を含んでもよい。
【0010】
[0010] 第2ポリマーベースの層は、第1ポリマーベースの層よりも厚くてもよい。
【0011】
[0011] 第2ポリマーベースの層は、第1ポリマーベースの層よりも少なくとも5倍厚くてもよい。
【0012】
[0012] 第1ポリマーベースの層に対する第2ポリマーベースの層の相対的な厚さは、上部電極が少なくとも1MHzの周波数で共振するように選択されてもよい。
【0013】
[0013] 製造は、150℃以下の温度で行われてもよい。
【0014】
[0014] 基板アセンブリは、可撓性であってもよい。
【0015】
[0015] 上部電極は、導電性ポリマーを含んでもよい。
【0016】
[0016] 基板アセンブリは、光透過性材料を含んでもよい。
【0017】
[0017] 基板アセンブリは、基板上に光透過性導電性下部電極をさらに備えてもよい。
【0018】
[0018] 空洞を閉じることは、第1及び第2ポリマーベースの層を生体適合性材料で被包することを含んでもよい。
【0019】
[0019] 生体適合性材料は、ポリ(p-キシリレン)ポリマーを含んでもよい。
【0020】
[0020] 上部電極をパターン化することは、上部電極への金属接続をパターン化することを含んでもよい。金属接続が、空洞が閉じられた後に第2ポリマーベースの層によって覆われなくてもよく、空洞を閉じることが、金属接続上に生体適合性材料を堆積させることを含んでもよい。
【0021】
[0021] 空洞を閉じることは、0.001トル以下の圧力で、ポリマー蒸発器チャンバーで行われてもよい。
【0022】
[0022] 犠牲層がエッチング除去された後に、上部電極に接触する第1ポリマーベースの層の一部が引き寄せられて基板アセンブリと接触するように、上部電極及び基板アセンブリにわたって電圧を印加することと、上部電極に接触する第1ポリマーベースの層の一部及び基板アセンブリを、ある期間の間接触状態を維持することと、次いで、電圧を印加することをやめることによって、第1ポリマーベースの層に電荷を捕獲することが行われてもよい。
【0023】
[0023] 犠牲層は、ポリマーを含んでもよい。
【0024】
[0024] 犠牲層を堆積させることは、犠牲層を含むポリマーを基板アセンブリ上にスプレーコーティングすることを含んでもよい。
【0025】
[0025] 犠牲層上に第1ポリマーベースの層を堆積させることは、基板アセンブリと接触する底面を除く犠牲層のすべての表面を第1ポリマーベースの層で覆うことを含んでもよい。
【0026】
[0026] 基板アセンブリは、導電性基板を備えてもよい。
【0027】
[0027] 基板アセンブリは、非導電性基板と、基板上の導電性下部電極と、を備えてもよい。
【0028】
[0028] 空洞を閉じることは、空洞の周りに水密シールを形成することを含んでもよい。
【0029】
[0029] 犠牲層は、第1及び第2ポリマーベースの層、ならびに第1及び第2ポリマーベースの層のパターン化の間に使用されるフォトレジスト現像液に曝されるときに非反応性であってもよく、第1及び第2ポリマーベースの層は、犠牲層をエッチング除去するために使用されるエッチャントに曝されるときに非反応性であってもよい。
【0030】
[0030] 第1及び第2ポリマーベースの層は、SU8フォトレジストを含んでもよい。
【0031】
[0031] 犠牲層は、OmniCoat(商標)組成物を含んでもよい。
【0032】
[0032] 空洞は、トランスデューサの動作電圧が50ボルト以下になるように選択される高さを有してもよい。
【0033】
[0033] 空洞は、0.3μm以下の高さを有してもよい。
【0034】
[0034] 犠牲層を堆積させることは、溶媒を含む組成物を蒸発させることと、次いで、組成物を犠牲層として堆積させることと、を含んでもよい。溶媒の少なくとも70%かつ90%以下が、蒸発してもよい。
【0035】
[0035] 別の態様によれば、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサを製造するための方法が提供され、本方法は、下部電極として機能する基板アセンブリ上に第1ポリマーベースの層を堆積させることと、第1ポリマーベースの層をパターン化して、トランスデューサの空洞にすることと、別個の基板上に犠牲層を堆積させることと、犠牲層上に第2ポリマーベースの層を堆積させることと、第2ポリマーベースの層上に上部電極を堆積させることと、第3ポリマーベースの層を上部電極上に、上部電極が第2及び第3ポリマーベースの層の間にあるように堆積させることと、空洞が閉じられるように、第1及び第3ポリマーベースの層を一緒に接着することと、第2ポリマーベースの層が別個の基板から解放されるように、犠牲層をエッチング除去することと、を含む。
【0036】
[0036] 上部電極は、第2及び第3ポリマーベースの層内に埋め込まれていてもよい。
【0037】
[0037] 本方法は、第1及び第3ポリマー層を一緒に接着する前に、第1及び第3ポリマーベースの層を架橋することをさらに含んでもよい。
【0038】
[0038] 第1ポリマーベースの層をパターン化すること、及び犠牲層をエッチング除去することは、有機及び非毒性溶媒を使用して行われてもよい。
【0039】
[0039] 第1ポリマーベースの層は、感光性であってもよく、第1ポリマーベースの層をパターン化して、トランスデューサの空洞にすることは、第1ポリマーベースの層の一部を、エッチングの後に残るように、一部を紫外線照射に曝すことによって架橋することと、フォトレジスト現像液を施して、第1ポリマーベースの層の架橋されていない領域をエッチングすることと、を含んでもよい。
【0040】
[0040] 第2ポリマーベースの層は、第3ポリマーベースの層よりも厚くてもよい。
【0041】
[0041] 第2ポリマーベースの層は、第3ポリマーベースの層よりも少なくとも5倍厚くてもよい。
【0042】
[0042] 第3ポリマーベースの層に対する第2ポリマーベースの層の相対的な厚さは、上部電極が少なくとも1MHzの周波数で共振するように選択されてもよい。
【0043】
[0043] 製造は、150℃以下の温度で行われてもよい。
【0044】
[0044] 基板アセンブリは、可撓性であってもよく、剛性のキャリアに結合されていてもよい。
【0045】
[0045] 上部電極は、導電性ポリマーを含んでもよい。
【0046】
[0046] 基板アセンブリは、光透過性材料を含んでもよい。
【0047】
[0047] 基板アセンブリは、基板上に光透過性導電性下部電極をさらに備えてもよい。
【0048】
[0048] 第1及び第3ポリマー層を一緒に接着することは、互いに接着されるように第1及び第3ポリマー層の表面をプラズマで処理することと、表面を互いに位置合わせすることと、表面を一緒に押し付けることと、を含んでもよい。
【0049】
[0049] 接着は、0.001トル以下の圧力で、ボンディングチャンバーで行われてもよい。
【0050】
[0050] 本方法は、接着の後に、上部電極に接触する第1ポリマーベースの層の一部が引き寄せられて基板アセンブリと接触するように、上部電極及び基板アセンブリにわたって電圧を印加することと、上部電極に接触する第1ポリマーベースの層の一部及び基板アセンブリを、ある期間の間接触状態を維持することと、次いで、電圧を印加することをやめることによって、第1ポリマーベースの層に電荷を捕獲することをさらに含んでもよい。
【0051】
[0051] 犠牲層は、ポリマーを含んでもよい。
【0052】
[0052] 犠牲層上に第2ポリマーベースの層を堆積させることは、犠牲層を第2ポリマーベースの層で完全に覆うことを含んでもよい。
【0053】
[0053] 基板アセンブリは、導電性基板を備えてもよい。
【0054】
[0054] 基板アセンブリは、非導電性基板と、基板上の導電性下部電極と、を備えてもよい。
【0055】
[0055] 接着の後に、水密シールが空洞の周りにあってもよい。
【0056】
[0056] 犠牲層は、第2ポリマーベースの層、及び第2ポリマーベースの層のパターン化の間に使用されるフォトレジスト現像液に曝されるときに非反応性であってもよい。第2ポリマーベースの層が、犠牲層をエッチング除去するために使用されるエッチャントに曝されるときに非反応性であってもよい。
【0057】
[0057] 第1、第2、及び第3ポリマーベースの層は、SU8フォトレジストを含んでもよい。
【0058】
[0058] 犠牲層は、OmniCoat(商標)組成物を含んでもよい。
【0059】
[0059] 空洞は、トランスデューサの動作電圧が50ボルト以下になるように選択される高さを有してもよい。
【0060】
[0060] 空洞は、0.3μm以下の高さを有してもよい。
【0061】
[0061] 犠牲層を堆積させることは、溶媒を含む組成物を蒸発させることと、次いで、組成物を犠牲層として堆積させることと、を含んでもよい。溶媒の少なくとも70%かつ90%以下が、蒸発してもよい。
【0062】
[0062] 別の態様によれば、層状構造を製造するための方法が提供され、本方法は、下部電極として機能する基板アセンブリ上に犠牲層を堆積させることと、犠牲層を第1形状にパターン化することと、犠牲層上に第1ポリマーベースの層を堆積させることと、犠牲層の上の第1ポリマーベースの層上に上部電極をパターン化することと、第2ポリマーベースの層を上部電極上に、電極が第1及び第2ポリマーベースの層の間にあるように堆積させることと、犠牲層をエッチング除去して、電極の下に空洞を形成することと、を含む。
【0063】
[0063] 電極は、第1及び第2ポリマーベースの層内に埋め込まれていてもよい。
【0064】
[0064] 第1形状は、第1ポリマーベースの層を通って延在し、かつエッチャントが第1ポリマーベースの層の上部から犠牲層に流れることを可能にする導管を備えてもよい。
【0065】
[0065] 第2ポリマーベースの層は、導管を塞ぐように堆積させられてもよく、本方法は、導管を塞ぐ第2ポリマーベースの層の一部をエッチング除去することをさらに含んでもよい。犠牲層をエッチング除去することが、導管を通じてエッチャントを流すことを含んでもよい。
【0066】
[0066] 犠牲層を第1形状にパターン化すること、及び犠牲層をエッチング除去して、空洞を形成することは、有機及び非毒性溶媒を使用して行われてもよい。
【0067】
[0067] 犠牲層は、感光性でなくてもよく、犠牲層をパターン化して、空洞を形成することは、第1形状として形成された犠牲層の一部を架橋することと、現像液を施して、架橋されていない犠牲層の一部をエッチング除去することと、を含んでもよい。
【0068】
[0068] 犠牲層は、感光性でなくてもよく、犠牲層をパターン化して、空洞を形成することは、犠牲層上にポジティブフォトレジスト層を堆積させることと、空洞として形成される犠牲層の一部に対応するポジティブフォトレジスト層の一部を架橋することと、フォトレジスト現像液を施して、架橋されていないフォトレジスト層、及び架橋されていないフォトレジスト層の下にある犠牲層をエッチング除去することと、フォトレジスト層及び犠牲層がエッチング除去された後に、架橋されているフォトレジスト層を除去することと、を含んでもよい。
【0069】
[0069] 第2ポリマーベースの層は、第1ポリマーベースの層よりも厚くてもよい。
【0070】
[0070] 第2ポリマーベースの層は、第1ポリマーベースの層よりも少なくとも5倍厚くてもよい。
【0071】
[0071] 第1ポリマーベースの層に対する第2ポリマーベースの層の相対的な厚さは、上部電極が少なくとも1MHzの周波数で共振するように選択されてもよい。
【0072】
[0072] 製造は、150℃以下の温度で行われてもよい。
【0073】
[0073] 基板アセンブリは、可撓性であってもよい。
【0074】
[0074] 上部電極は、導電性ポリマーを含んでもよい。
【0075】
[0075] 基板アセンブリは、光透過性材料を含んでもよい。
【0076】
[0076] 基板アセンブリは、基板上に光透過性導電性下部電極をさらに備えてもよい。
【0077】
[0077] 本方法は、空洞を閉じることをさらに含んでもよい。
【0078】
[0078] 空洞を閉じることは、第1及び第2ポリマーベースの層を生体適合性材料で被包することを含んでもよい。
【0079】
[0079] 生体適合性材料は、ポリ(p-キシリレン)ポリマーを含んでもよい。
【0080】
[0080] 上部電極をパターン化することは、上部電極への金属接続をパターン化することを含んでもよい。金属接続が、空洞が閉じられた後に第2ポリマーベースの層によって覆われなくてもよく、空洞を閉じることが、金属接続上に生体適合性材料を堆積させることを含んでもよい。
【0081】
[0081] 空洞を閉じることは、0.001トル以下の圧力で、ポリマー蒸発器チャンバーで行われてもよい。
【0082】
[0082] 空洞を閉じることは、空洞の周りに水密シールを形成することを含んでもよい。
【0083】
[0083] 本方法は、犠牲層がエッチング除去された後に、第1ポリマーベースの層に電荷を捕獲することをさらに含んでもよく、電荷を捕獲することが、上部電極に接触する第1ポリマーベースの層の一部が引き寄せられて基板アセンブリと接触するように、上部電極及び基板アセンブリにわたって電圧を印加することと、上部電極に接触する第1ポリマーベースの層の一部及び基板アセンブリを、ある期間の間接触状態を維持することと、次いで、電圧を印加することをやめることによって生じ得る。
【0084】
[0084] 犠牲層は、ポリマーを含んでもよい。
【0085】
[0085] 犠牲層を堆積させることは、犠牲層を含むポリマーを基板アセンブリ上にスプレーコーティングすることを含んでもよい。
【0086】
[0086] 犠牲層上に第1ポリマーベースの層を堆積させることは、基板アセンブリと接触する底面を除く犠牲層のすべての表面を第1ポリマーベースの層で覆うことを含んでもよい。
【0087】
[0087] 基板アセンブリは、導電性基板を備えてもよい。
【0088】
[0088] 基板アセンブリは、非導電性基板と、基板上の導電性下部電極と、を備えてもよい。
【0089】
[0089] 犠牲層は、第1及び第2ポリマーベースの層、ならびに第1及び第2ポリマーベースの層のパターン化の間に使用されるフォトレジスト現像液に曝されるときに非反応性であってもよく、第1及び第2ポリマーベースの層は、犠牲層をエッチング除去するために使用されるエッチャントに曝されるときに非反応性であってもよい。
【0090】
[0090] 第1及び第2ポリマーベースの層は、SU8フォトレジストを含んでもよい。
【0091】
[0091] 犠牲層は、OmniCoat(商標)組成物を含んでもよい。
【0092】
[0092] 空洞は、構造の動作電圧が50ボルト以下になるように選択される高さを有してもよい。
【0093】
[0093] 空洞は、0.3μm以下の高さを有してもよい。
【0094】
[0094] 犠牲層を堆積させることは、溶媒を含む組成物を蒸発させることと、次いで、組成物を犠牲層として堆積させることと、を含んでもよい。溶媒の少なくとも70%かつ90%以下が、蒸発してもよい。
【0095】
[0095] 別の態様によれば、層状構造を製造するための方法が提供され、本方法は、下部電極として機能する基板アセンブリ上に第1ポリマーベースの層を堆積させることと、第1ポリマーベースの層をパターン化して、空洞にすることと、別個の基板上に犠牲層を堆積させることと、犠牲層上に第2ポリマーベースの層を堆積させることと、第2ポリマーベースの層上に上部電極を堆積させることと、第3ポリマーベースの層を電極上に、上部電極が第2及び第3ポリマーベースの層の間にあるように堆積させることと、空洞が第1及び第3ポリマーベースの層によって閉じられるように、第1及び第3ポリマーベースの層を一緒に接着することと、第2ポリマーベースの層が別個の基板から解放されるように、犠牲層をエッチング除去することと、を含む。
【0096】
[0096] 上部電極は、第2及び第3ポリマーベースの層内に埋め込まれていてもよい。
【0097】
[0097] 本方法は、第1及び第3ポリマー層を一緒に接着する前に、第1及び第3ポリマーベースの層を架橋することをさらに含んでもよい。
【0098】
[0098] 第1ポリマーベースの層をパターン化すること、及び犠牲層をエッチング除去することは、有機及び非毒性溶媒を使用して行われてもよい。
【0099】
[0099] 第1ポリマーベースの層は、感光性であってもよく、第1ポリマーベースの層をパターン化して、空洞にすることは、第1ポリマーベースの層の一部を、エッチングの後に残るように、一部を紫外線照射に曝すことによって架橋することと、フォトレジスト現像液を施して、第1ポリマーベースの層の架橋されていない領域をエッチングすることと、を含んでもよい。
【0100】
[0100] 第2ポリマーベースの層は、第3ポリマーベースの層よりも厚くてもよい。
【0101】
[0101] 第2ポリマーベースの層は、第3ポリマーベースの層よりも少なくとも5倍厚くてもよい。
【0102】
[0102] 第3ポリマーベースの層に対する第2ポリマーベースの層の相対的な厚さは、上部電極が少なくとも1MHzの周波数で共振するように選択されてもよい。
【0103】
[0103] 製造は、150℃以下の温度で行われてもよい。
【0104】
[0104] 基板アセンブリは、可撓性であってもよく、剛性のキャリアに結合されていてもよい。
【0105】
[0105] 上部電極は、導電性ポリマーを含んでもよい。
【0106】
[0106] 基板アセンブリは、光透過性材料を含んでもよい。
【0107】
[0107] 基板アセンブリは、基板上に光透過性導電性下部電極をさらに備えてもよい。
【0108】
[0108] 第1及び第3ポリマー層を一緒に接着することは、互いに接着されるように第1及び第3ポリマー層の表面をプラズマで処理することと、表面を互いに位置合わせすることと、表面を一緒に押し付けることと、を含んでもよい。
【0109】
[0109] 接着は、0.001トル以下の圧力で、ボンディングチャンバーで行われてもよい。
【0110】
[0110] 本方法は、接着の後に、上部電極に接触する第1ポリマーベースの層の一部が引き寄せられて基板アセンブリと接触するように、上部電極及び基板アセンブリにわたって電圧を印加することと、上部電極に接触する第1ポリマーベースの層の一部及び基板アセンブリを、ある期間の間接触状態を維持することと、次いで、電圧を印加することをやめることによって、第1ポリマーベースの層に電荷を捕獲することをさらに含んでもよい。
【0111】
[0111] 犠牲層は、ポリマーを含んでもよい。
【0112】
[0112] 犠牲層上に第2ポリマーベースの層を堆積させることは、犠牲層を第2ポリマーベースの層で完全に覆うことを含んでもよい。
【0113】
[0113] 基板アセンブリは、導電性基板を備えてもよい。
【0114】
[0114] 基板アセンブリは、非導電性基板と、基板上の導電性下部電極と、を備えてもよい。
【0115】
[0115] 接着の後に、水密シールが空洞の周りにあってもよい。
【0116】
[0116] 犠牲層は、第2ポリマーベースの層、及び第2ポリマーベースの層のパターン化の間に使用されるフォトレジスト現像液に曝されるときに非反応性であってもよい。第2ポリマーベースの層が、犠牲層をエッチング除去するために使用されるエッチャントに曝されるときに非反応性であってもよい。
【0117】
[0117] 第1、第2、及び第3ポリマーベースの層は、SU8フォトレジストを含んでもよい。
【0118】
[0118] 犠牲層は、OmniCoat(商標)組成物を含んでもよい。
【0119】
[0119] 空洞は、トランスデューサの動作電圧が50ボルト以下になるように選択される高さを有してもよい。
【0120】
[0120] 空洞は、0.3μm以下の高さを有してもよい。
【0121】
[0121] 犠牲層を堆積させることは、溶媒を含む組成物を蒸発させることと、次いで、組成物を犠牲層として堆積させることと、を含んでもよい。溶媒の少なくとも70%かつ90%以下が、蒸発してもよい。
【0122】
[0122] 別の態様によれば、下部電極として機能する基板アセンブリと、第1ポリマーベースの層であって、第1ポリマーベースの層と基板アセンブリとの間のシールされた空洞の上に懸架された第1ポリマーベースの層と、第1ポリマーベースの層上に配置された第2ポリマーベースの層と、第1及び第2ポリマーベースの層の間の上部電極と、を備える、容量性マイクロマシン超音波トランスデューサが提供される。
【0123】
[0123] 上部電極は、第1及び第2ポリマーベースの層内に埋め込まれていてもよい。
【0124】
[0124] 第2ポリマー層は、第1ポリマーベースの層よりも厚くてもよい。
【0125】
[0125] 第2ポリマーベースの層は、第1ポリマーベースの層よりも少なくとも5倍厚くてもよい。
【0126】
[0126] 空洞は、トランスデューサの動作電圧が50ボルト以下になるように選択される高さを有してもよい。
【0127】
[0127] 空洞は、0.3μm以下の高さを有してもよい。
【0128】
[0128] 空洞は、水密であってもよい。
【0129】
[0129] 基板アセンブリは、導電性基板を備えてもよい。
【0130】
[0130] 基板アセンブリは、非導電性基板と、基板上の導電性下部電極と、を備えてもよい。
【0131】
[0131] 犠牲層は、第1及び第2ポリマーベースの層、ならびに第1及び第2ポリマーベースの層のパターン化の間に使用されるフォトレジスト現像液に曝されるときに非反応性であってもよい。第1及び第2ポリマーベースの層が、犠牲層をエッチング除去するために使用されるエッチャントに曝されるときに非反応性であってもよい。
【0132】
[0132] 第1及び第2ポリマーベースの層は、SU8フォトレジストを含んでもよい。
【0133】
[0133] 犠牲層は、OmniCoat(商標)組成物を含んでもよい。
【0134】
[0134] 別の態様によれば、下部電極として機能する基板アセンブリと、第1ポリマーベースの層であって、第1ポリマーベースの層と基板アセンブリとの間の閉じた空洞の上に懸架された第1ポリマーベースの層と、第1ポリマーベースの層上に配置された第2ポリマーベースの層と、第1及び第2ポリマーベースの層の間の上部電極と、を備える、層状構造が提供される。
【0135】
[0135] 上部電極は、第1及び第2ポリマーベースの層内に埋め込まれていてもよい。
【0136】
[0136] 第2ポリマー層は、第1ポリマー層よりも厚くてもよい。
【0137】
[0137] 第2ポリマー層は、第1ポリマー層よりも少なくとも5倍厚くてもよい。
【0138】
[0138] 空洞は、構造の動作電圧が50ボルト以下になるように選択される高さを有してもよい。
【0139】
[0139] 空洞は、0.3μm以下の高さを有してもよい。
【0140】
[0140] 空洞は、水密であってもよい。
【0141】
[0141] 基板アセンブリは、導電性基板を備えてもよい。
【0142】
[0142] 基板アセンブリは、非導電性基板と、基板上の導電性下部電極と、を備えてもよい。
【0143】
[0143] 犠牲層は、第2ポリマーベースの層、及び第2ポリマーベースの層のパターン化の間に使用されるフォトレジスト現像液に曝されるときに非反応性であってもよい。第2ポリマーベースの層が、犠牲層をエッチング除去するために使用されるエッチャントに曝されるときに非反応性であってもよい。
【0144】
[0144] 第1及び第2ポリマーベースの層は、SU8フォトレジストを含んでもよい。
【0145】
[0145] 犠牲層は、OmniCoat(商標)組成物を含んでもよい。
【0146】
[0146] 本概要は、必ずしもすべての態様の全体の範囲を説明しているわけではない。他の態様、特徴、及び利点は、特定の実施形態の以下の説明を検討すると、当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0147】
[0147] 1つ以上の例示的な実施形態を示す添付図面で、
【0148】
図1】例示的な一実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図2】例示的な一実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図3】例示的な一実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図4】例示的な一実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図5】例示的な一実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図6】例示的な一実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図7】例示的な一実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図8】例示的な一実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図9】例示的な一実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図10】例示的な一実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図11】例示的な一実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図12】例示的な一実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図13】例示的な一実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図14】例示的な一実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図15】例示的な一実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図16図1図15に表された実施形態と対照的なCMUTの概略図を表す。
図17】追加の例示的な実施形態による、湾曲したポリマーベースのCMUTの概略図を表す。
図18】追加の例示的な実施形態による、湾曲したポリマーベースのCMUTの概略図を表す。
図19】別の例示的な実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図20】別の例示的な実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図21】別の例示的な実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図22】別の例示的な実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図23】別の例示的な実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図24】別の例示的な実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図25】別の例示的な実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図26】別の例示的な実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図27】別の例示的な実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図28】別の例示的な実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図29】別の例示的な実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図30】別の例示的な実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。
図31】別の例示的な実施形態による、電荷捕獲効果を受けるポリマーベースのCMUTの概略図を表す。
図32】別の例示的な実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された斜視図を表す。
図33】別の例示的な実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された斜視図を表す。
図34】別の例示的な実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された斜視図を表す。
図35】別の例示的な実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された斜視図を表す。
図36】別の例示的な実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された斜視図を表す。
図37】別の例示的な実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された斜視図を表す。
図38図1図15の例示的な実施形態に従って製造されたCMUTに関する実験データを表す。
図39図1図15の例示的な実施形態に従って製造されたCMUTに関する実験データを表す。
図40図1図15の例示的な実施形態に従って製造されたCMUTに関する実験データを表す。
図41図1図15の例示的な実施形態に従って製造されたCMUTに関する実験データを表す。
図42図1図15の例示的な実施形態に従って製造されたCMUTに関する実験データを表す。
図43図1図15の例示的な実施形態に従って製造されたCMUTに関する実験データを表す。
図44図1図15の例示的な実施形態に従って製造されたCMUTに関する実験データを表す。
【発明を実施するための形態】
【0149】
[0155] 超音波撮像システムでは、トランスデューサによって送られる超音波が軟部組織に沿って伝わり、様々な密度を有する組織(例えば、脂肪及び筋肉)間の境界面で波の反射(エコー)を生成し、これらのエコーが伝わってトランスデューサに戻り、収集及び処理されて超音波画像を形成する。様々な方向に沿った複数のエコー信号の収集及び操作は、超音波画像形成の基礎である。超音波トランスデューサは、電気電圧を音波に、そしてその逆にも変換する超音波撮像システムでの重要な構成要素である。
【0150】
[0156] 医療超音波システムは、1930年代からそれらのトランスデューサのために圧電材料を従来から使用してきた。圧電結晶(例えば、石英)、セラミック(例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT))、及び熱可塑性フルオロポリマー(例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF))などの材料が、トランスデューサ材料として使用されてきた。圧電トランスデューサ技術は成熟しているという事実にもかかわらず、ダイレベルでの電子機器との相互接続技術及び統合による大きな2次元アレイの製造での技術的な課題などの多くの欠点に悩まされている。
【0151】
[0157] 音響インピーダンス(すなわち、材料での音速にその密度を掛けたもの、単位:レイル)は、システムに印加される音圧から生じる音響流に対する、システムが提示する抵抗の尺度である。それは、音響パワーが組織に効果的に伝達される量を表す音響効率を判定するため、圧電ベースの超音波システムでは重要な数値である。通常、音響整合層が、結晶と組織との間のインピーダンス不整合(30メガレイル~1.5メガレイル)を低減するために、生物医学の圧電ベースのシステムで使用され、それ以外の場合は、音響パワーのごく一部が使用され得る。これらの整合層は通常、液体ゲルと組み合わされた高密度ゴムで作られ、結晶と体との間に配置される。
【0152】
[0158] 容量性マイクロマシン超音波トランスデューサ(CMUT)は、従来の圧電ベースのトランスデューサの代替の技術である。CMUTは、下部での固定電極、閉じた空洞上の懸架された膜、空洞の上部でパターン化された別の電極を有する平行板コンデンサとしてモデル化され得る。超音波は、DC電圧に重畳されたAC信号が両方の電極間に印加されると生成され、逆に、超音波は、入力超音波の存在下でDC電圧が印加される間にデバイスの静電容量の変化を測定することによって検出され得る。静電容量の変化が大きな静電容量デバイス(すなわち、比較的薄い誘電体を有するそれらのデバイス)についてより大きいため、有効な距離(すなわち、空洞及び膜の厚さ)は、2つの理由のために、すなわち、1)送信の(すなわち、超音波がCMUTから生成される)間に低い(例えば、150V未満の)動作電圧を維持するために、及び2)受信の(すなわち、超音波がCMUTに到達する)間に良好な感度を維持するために、可能な限り小さいことが好ましい。
【0153】
[0159] アルミニウム又はクロムなどの金属が膜の上部でパターン化されて上部電極となるが、窒化シリコン及びポリシリコンは、従来のCMUT製造での膜の最も一般的な材料である。膜材料は主に、それらの機械的特性のために選択されるため、膜は、下部及び上部(又は「ホット」)電極間の有効な間隙を最小にするために可能な限り薄くすることができる。
【0154】
[0160] 電極間の有効な間隙を減らすことによって、間隙の電界シェア及び静電容量が増加し、電子機器へのインピーダンス整合が向上する。望ましい動作周波数及びバイアス電圧の特定の限度から始めて、CMUT膜は、その帯域幅がその厚さとともに直線的に増加するという事実を考慮して、可能な限り厚くなるように設計されるべきである。
【0155】
[0161] 上記の材料と対照的に、フォトポリマーは安価であり、UV光を使用してパターン化され得、主に、超音波が送信及び受信される媒体との音響インピーダンス整合が大幅に向上し得るため、それらの低密度及び高い機械的強度により、超音波分野でそれらのポリマーのアプリケーションが興味深いものになる。それにもかかわらず、ポリマーを使用してCMUTを製造する際の課題は、MHz領域に到達するために上部に金属電極を有する厚い膜が必要であり、低い動作電圧及び最大感度のために電極間の短い間隙が必要とされることに反することである。ポリマー材料を使用してCMUTを製造するいくつかの研究があるが、しかしながら、それらの大きな膜の厚さを考慮すると、動作電圧は数百ボルトのオーダーであり、これは、生物医学の超音波アプリケーションと不整合である。さらに、前述のデバイスは、空気中での動作にのみ好適であり、人間の組織と関連する動作に好適ではない。
【0156】
[0162] 本明細書で説明される実施形態は、CMUTなどの層状構造を製造するための方法、及びその構造自体を対象とする。少なくともいくつかの例示的な実施形態では、表面マイクロマシニングが使用されて、層状構造を製造し得る。表面マイクロマシニングが使用されるとき、犠牲層が基板上に堆積させられ、犠牲層が第1形状にパターン化され、第1ポリマーベースの層が犠牲層上に堆積させられ、電極が、犠牲層の上の第1ポリマーベースの層上に堆積させられ、第2ポリマーベースの層が、電極上に、電極が第1及び第2ポリマーベースの層の間にあり、いくつかの実施形態では第1及び第2ポリマーベースの層内に埋め込まれるように堆積させられ、次いで、犠牲層がエッチング除去されて、電極の下に空洞を形成する。
【0157】
[0163] 表面マイクロマシニングが使用されてCMUTを製造する少なくともいくつかの例示的な実施形態では、犠牲層が、下部電極として機能する基板アセンブリ上に堆積させられ、犠牲層が、パターン化されてCMUTの空洞として形成され、第1ポリマーベースの層が、犠牲層上に堆積させられ、ビアホールが、犠牲層まで第1ポリマーベースの層を通ってパターン化され、上部電極が、犠牲層の上の第1ポリマーベースの層上にパターン化され、第2ポリマーベースの層が、上部電極上に、上部電極が第1及び第2ポリマーベースの層内に埋め込まれるように堆積させられ、犠牲層が、ビアホールを使用して、エッチング除去されて、CMUTの空洞を形成し、空洞が閉じられる。
【0158】
[0164] 少なくともいくつかの異なる実施形態では、ウェハボンディングが使用されて、層状構造を製造し得る。ウェハボンディングが使用されるとき、第1ポリマーベースの層が、第1基板上に堆積させられ、第1ポリマーベースの層が、パターン化されて空洞になり、犠牲層が、第2基板上に堆積させられ、第2ポリマーベースの層が、犠牲層上に堆積させられ、電極が、第2ポリマーベースの層上に堆積させられ、第3ポリマーベースの層が、電極上に、電極が第2及び第3ポリマーベースの層の間にあり、いくつかの実施形態では第2及び第3ポリマーベースの層内に埋め込まれるように堆積させられ、第2及び第3ポリマーベースの層が架橋され、空洞がそれらの層によってシールされるように、第1及び第3ポリマーベースの層が一緒に接着され、第2ポリマーベースの層が第2基板から解放されるように、犠牲層がエッチング除去される。
【0159】
[0165] ウェハボンディングが使用されてCMUTを製造する少なくともいくつかの例示的な実施形態では、第1ポリマーベースの層が、下部電極として機能する基板アセンブリ上に堆積させられ、第1ポリマーベースの層が、パターン化されてCMUTの空洞になり、犠牲層が、別個の基板上に堆積させられ、第2ポリマーベースの層が、犠牲層上に堆積させられ、上部電極が、第2ポリマーベースの層上に堆積させられ、第3ポリマーベースの層が、上部電極上に、上部電極が第2及び第3ポリマーベースの層内に埋め込まれるように上部電極上に堆積させられ、空洞が閉じられるように、第1及び第3ポリマーベースの層が、一緒に接着され、第2ポリマーベースの層が別個の基板から解放されるように、犠牲層がエッチング除去される。
【0160】
[0166] 本明細書で使用されるように、電極をポリマーで「埋め込むこと」は、その電極で行われる任意の電気接続を除いて、電極をポリマーで完全に覆うことを意味する。
【0161】
[0167] また、本明細書で使用されるように、材料を「パターン化すること」は、(例えば、感光性である場合)直接、又は(例えば、以下でさらに論じられるように、OmniCoat(商標)組成物の場合)マスキング層を使用することによって、その材料を選択的に除去することを意味する。
【0162】
[0168] ポリマーベースのCMUTが製造される実施形態の少なくともいくつかでは、ポリマー材料は、安価であり、処理が容易であり、大きなアレイで作られることができ得る。さらに、従来のCMUTと対照的に、上部電極は、2つのポリマー層内に埋め込まれており、下部層が上部層よりも薄くなっており、これは、犠牲層をエッチング除去することによって十分に薄いCMUT空洞を形成することと組み合わされて、許容できないほど高い動作電圧を必要とせずにCMUTがMHz動作領域に到達することを可能にする。
【0163】
[0169] 製造動作及び使用される材料に関する関連情報の詳細な説明が続く。図1図18は、表面マイクロマシニングの実施形態によるポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された概略図である。図19図30は、ウェハボンディングの実施形態による類似の方法を表す。
【0164】
表面マイクロマシニング
[0170] ここで図1を参照すると、電気的導電性基板10(この場合、電気的導電性シリコンウェハ)の形態の基板アセンブリの断面図が示されている。この基板10の低い電気抵抗は、基板10が完成したCMUTでの下部電極として機能するのを容易にする。いくつかの異なる実施形態(図示せず)では、専用の下部電極が、代替として絶縁基板10上にパターン化され得る。CMUTは通常、基板としてシリコンウェハを使用して製造されるが、滑らかな親水性表面を有する剛性から半剛性の表面の任意のバージョンが、本方法で使用されるのに十分である。基板10の表面は、少なくともいくつかの例示的な実施形態では、後続の動作で説明される最終的な膜の湿潤解放を達成するために親水性である。
【0165】
[0171] 犠牲層11は、スピンコーティングによって基板10上に堆積させられる。この犠牲層11は、完成したCMUTでの除去された空洞21となる。CMUTに必要な犠牲層11の厚さは、数百ナノメートル(nm)(例えば、300nm)~数マイクロメートル(μm)(例えば、2μm)の範囲であり得る。高選択性エッチャントが使用されて、以下で説明されるような後続の動作で形成されるCMUTの膜を損傷することなく、犠牲層11をエッチング除去する。
【0166】
[0172] MicroChem Corp.によるOmniCoat(商標)組成物は、エッチングの間に優れた選択性を有し、様々な基板へのフォトレジストの接着を向上させる。OmniCoat(商標)組成物での2つの主要な化学成分は、シクロペンタノン(蒸発した状態になる溶媒)及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)である。OmniCoat(商標)組成物はまた、ポリマー(全容量の1%未満)と、界面活性剤(同様に全容量の1%未満)とを含む。OmniCoat(商標)組成物は、感光性でなく、スピンコーティングの間のその典型的な厚さは、5nm~15nmの範囲であり、これは、構造が解放された状態になって支持基板から浮き上がるまで数時間現像液に浸すことによって大きな構造の解放にその従来の使用を限定する。それでも、この厚さの範囲(5~15nm)は、従来のCMUTが製造されるときに犠牲層のために使用される典型的な厚さ(200nm~5000nm)を十分に下回る。表された例示的な実施形態では、OmniCoat(商標)組成物は、犠牲層11のために使用される。少なくともいくつかの例示的な実施形態では、OmniCoat(商標)組成物は、それを犠牲層11として堆積させる前に蒸発する。例えば、その堆積の前に既製のOmniCoat(商標)組成物の溶媒の特定のパーセンテージ(例えば、85%)を蒸発させることにより、比較的厚い犠牲層11(例えば、0.3μm)が単一のステップで堆積させられることができる。これは、効率を増加させ、望ましい厚さの犠牲層11を敷設する際のより高い精度を可能にするのに役立ち得る。少なくともいくつかの他の実施形態(図示せず)では、OmniCoat(商標)組成物は、犠牲層11としてのその堆積の前に全く蒸発しなくてもよく、例えば、堆積前のいかなる蒸発もなく、OmniCoat(商標)組成物の複数の層が、望ましい厚さに到達するために堆積させられてもよい。さらなる追加の実施形態(図示せず)では、その溶媒の特定の割合が蒸発し得るが、その割合は、85%より大きくても小さくてもよい。例えば、より薄い犠牲層11が望ましい場合、OmniCoat(商標)組成物での溶媒のより小さいパーセンテージ(例えば、70%)が蒸発し得、あるいは、溶媒のより大きいパーセンテージ(例えば、90%)が蒸発し得る。より一般的には、この堆積前蒸発は、犠牲層11として使用されるいかなる組成物に対しても行われ得る。
【0167】
[0173] 犠牲層11は、パターン化されて、最終的なデバイスでの(図15に示される)空洞21、及びこの空洞21へのアクセスを可能にするための解放チャネルとなる領域を生成する。OmniCoat(商標)組成物が感光性でないことを考慮して、直接パターン化され得ず、間接的に除去される必要がある。
【0168】
[0174] ここで図2を参照すると、ポジティブフォトレジスト(PR)12の層が、犠牲層11の上部に堆積させられる。このフォトレジスト(S1813)は、その現像液が(図3に示される)架橋されたフォトレジスト13を溶解するように選択され、これは、紫外線(UV)曝露及び犠牲材料11の後に生じる。
【0169】
[0175] ここで図3を参照すると、フォトレジスト層12は、フォトマスク及びマスクアライナーを使用してUVに曝される。UVに曝される領域は、架橋されたフォトレジスト13となり、UVに曝されない領域は、そのままで(架橋されずに)残る。
【0170】
[0176] ここで図4を参照すると、架橋されたフォトレジスト13は、アルカリベースのフォトレジスト現像液(MF319)を含む水溶液にサンプルを配置することによって、エッチング除去(除去)される。架橋されていないフォトレジスト12は、そのまま残る。
【0171】
[0177] ここで図5を参照すると、サンプルが依然として図4のフォトレジスト現像液(MF319)にある間、エッチングが継続し、犠牲層11を溶解し始める。パターン化されたフォトレジスト層12は、下にある犠牲層11を保護するためのマスキング層として機能する。架橋されたフォトレジスト13の下の犠牲層11が除去されるとすぐにエッチングが停止し、基板10が後続の動作のために曝されたままになる。
【0172】
[0178] ここで図6を参照すると、ポジティブフォトレジスト12のマスキング層は、犠牲層11を損傷することなくポジティブPR12を溶解するのに好適なアセトン又は他の任意の溶媒にサンプルを浸すことによって除去される。犠牲層11は、使用される溶媒(アセトン)に対して優れた選択性(耐薬品性)を提供する。後に残されるのは、最終的なデバイスでの空洞21及びエッチングチャネルとなる領域を含むパターン化された犠牲層11である。
【0173】
[0179] ここで図7を参照すると、ネガティブ感光性ポリマーベースの材料(以下、単に「SU8」と同じように呼ばれるSU8フォトレジスト)14を含む第1ポリマーベースの層14が堆積させられ、コンフォーマルに犠牲層11を覆う。層14の厚さは、犠牲層11をコンフォーマルにコーティングし、完成したCMUTの下部電極で機能する導電性基板10と、(図10図15に示される)上部電極16との間の良好な電気絶縁を維持できるように、可能な限り薄くなるように設計される。SU8は、有機溶媒に溶解するビスフェノールAノボラックエポキシを含み、最大10wt%のトリアリールスルホニウム/ヘキサフルオロアンチモン塩を含み、異なる例示的な実施形態(図示せず)では、ポリマーベースの材料は、異なる組成物を有し得る。SU8はまた、光透過性であり、これは、完成したデバイスの検査を容易にする。少なくともいくつかの異なる実施形態では、SU8の代わりの材料が使用され得、その代替材料は透明(すなわち、部分的又は全体的に透過性)であり得る。
【0174】
[0180] 少なくとも表された例示的な実施形態での層14は、フォトポリマーを含む。フォトポリマーは安価であり、UVを使用してパターン化され得、主に、超音波が送信され、反射波が受信される媒体とのインピーダンス整合が大幅に向上し得るため、それらの低密度及び高い機械的強度により、超音波分野でそれらのポリマーのアプリケーションが興味深いものになる。それにもかかわらず、ポリマーを使用してCMUTを製造する際の課題は、従来から、MHz動作領域に到達するために上部に金属電極を有する厚い膜が必要であり、低い動作電圧及び最大感度を容易にする、電極間の短い間隙が必要とされることに反することである。
【0175】
[0181] ここで図8を参照すると、層14は、フォトマスク及びマスクアライナーを使用してUVに曝される。UV光に曝される領域は、層14の架橋された領域15となり、UVに曝されない領域は、架橋されていない領域として残る。
【0176】
[0182] ここで図9を参照すると、第1ポリマーベースの層14の架橋されていない領域は、ネガティブフォトレジスト現像液(SU8現像液)を含む水溶液中にサンプルを配置することによって、エッチング除去(除去)される。架橋された領域15は、そのまま残る。
【0177】
[0183] ここで図10を参照すると、電気的導電性上部電極(クロム)16が、リフトオフ法を使用して第1ポリマーベースの層14の架橋された領域15の上部にパターン化される。この電極16は、少なくともいくつかの例示的な実施形態では、後で、完成したデバイスの膜となる架橋された領域15の構造特性を大幅に修正しないように、電気導電率を犠牲にすることなく可能な限り薄く作られる。
【0178】
[0184] 少なくとも表された例示的な実施形態でのこの電極16の材料は、典型的には金属であるが、それにもかかわらず、上部電極16の機能を果たすことができる任意の他の材料(例えば、導電性ポリマー、光透過性材料など)が使用され得る。この上部電極16と架橋された領域15との間の良好な接着は、完成したデバイスの通常の動作の間のいかなる潜在的な層間剥離も回避するために存在する。架橋された領域15がSU8を含む場合に上部電極16としてクロムを使用することは、接着を容易にするのに役立ち得る。
【0179】
[0185] この時点で、膜(すなわち、架橋された領域15及び上部電極16)の全体的な厚さは、その直径と比較して薄いので、その共振周波数は、完成したデバイスでの望ましい動作周波数のごく一部である。例えば、MHz範囲で望ましい動作周波数に到達するために、はるかに厚い膜が必要とされる。
【0180】
[0186] ここで図11を参照すると、第2ポリマーベースの層17が膜上に堆積させられ、犠牲層11、第1ポリマーベースの層15、及び上部電極16をコンフォーマルにコーティングする。第2ポリマーベースの層17は、少なくとも表された例示的な実施形態での第1ポリマーベースの層14と同じ感光性ポリマー(SU8)であるが、しかしながら、様々な実施形態(図示せず)では、層14、17は、様々なポリマーを含み得る。この第2ポリマーベースの層17の厚さは、第1ポリマーベースの層14の架橋された領域15の厚さよりも数倍(~5倍)厚くなるように設計される。
【0181】
[0187] ここで図12を参照すると、図8に関して説明されたのと同じプロセスに従って、第2ポリマーベースの層17は、フォトマスク及びマスクアライナーを使用してUVに曝される。UV光に曝される領域は、架橋された領域18となり、UVに曝されない領域は、そのままで(架橋されずに)残る。
【0182】
[0188] ここで図13を参照すると、第2ポリマーベースの層17の架橋されていない領域は、ネガティブフォトレジスト現像液(SU8現像液)を含む水溶液中にサンプルを配置することによって、エッチング除去(除去)される。架橋された領域18は、そのまま残る。
【0183】
[0189] この時点で、上部電極16は、2つのポリマーベースの層14、17の架橋された領域15、18の間に埋め込まれた状態となる。このアプローチの利点は、有効な剛性が増加するが、下部基板10と埋め込まれた上部電極16との間の小さい有効な距離により、低い動作電圧を依然として維持する、第2ポリマーベースの層17からの追加された厚さのため、依然として膜がMHz領域で動作できることである。
【0184】
[0190] 本製造プロセスは、生物医学の超音波撮像についてのMHz範囲での動作に限定されない。必要があれば、同じ又は類似の製造プロセスが使用されて、例えば、空気結合動作アプリケーションについてのHz及びkHz領域で動作する膜を取得することができる。膜の最終的な動作周波数は、セルの形状に依存する。これは、様々な周波数で共振する膜が非常に類似した電圧で動作できることを意味する。例えば、同じ直径を有する2つの膜は、同じ電圧(電極間の同じ有効な距離)で動作できるが、一方は、より低い周波数のためにより薄くすることができ、他方は、高周波数動作のためによりチックすることができる。
【0185】
[0191] ここで図14を参照すると、次いで、サンプルは、犠牲層11のエッチャント(MF319)を含むアルカリベースの水溶液に浸される。パターン化された犠牲層11は、完全に溶解するまで、ビアホール及びエッチングチャネルを通じて徐々に除去される。この時点で、エッチャントは、水、次いでイソプロパノール(IPA)に置き換えられる。臨界点乾燥システムは、膜を解放するために使用され、スティクションの問題を回避し、シールされていない空洞19の上に膜が懸架されたままになる。
【0186】
[0192] ここで図15を参照すると、サンプルは、低圧チャンバー内部で生体適合性材料20(パリレンなどのポリ(p-キシリレン)ポリマー)によって被包されるが、様々な圧力が使用され得、表された例示的な実施形態では、チャンバー内の圧力は1×10-3トルである。被包材料20は、全体のサンプルをコンフォーマルにコーティングし、ビアホール及びエッチングチャネルをシールして、閉じた空洞21を形成する。少なくとも表された例示的な実施形態では、空洞21は真空シールされ、水密及び気密であり、これにより、スクイーズフィルム効果を回避し、電圧破壊のリスクを低減するのに役立つ。様々な例示的な実施形態では、空洞21は、真空シールされなくてもよく、又は水密であり気密でなくてもよい。
【0187】
[0193] この時点で製造プロセスが完了し、完成したデバイス(すなわち、CMUT)が生じる。生体適合性材料(パリレン)は優れた電気絶縁体であり、人間が使用するのに安全であるため、このステップの前に任意の電気相互接続が行われる。
【0188】
[0194] 本製造プロセスは、基板(例えば、ガラス又は石英)のうちの任意の1つ以上、電極(例えば、半透過性である酸化インジウム)、及びシーリング層(パリレン)について光透過性又は半透過性材料を使用し得る。これは、光透過性又は半透過性のトランスデューサにつながる。
【0189】
[0195] 図15で表されるCMUTでは、第1ポリマーベースの層14の架橋された領域15は、第2ポリマーベースの層17の架橋された領域18よりもかなり薄い。図16は、電極16が第2ポリマーベースの層18の上に配置され、次いで被包材料20によって被包される、例示的なCMUTを表す。
【0190】
[0196] 図15のCMUTの動作電圧は、図16のものよりもはるかに低い。例えば、図15及び図16での膜の共振周波数は、上部電極の場所を除いてすべての材料及び厚さが同じままであるため、同じである。図15に示されるCMUTの動作電圧は50ボルトであるが、一方、図16に示されるCMUTの動作電圧は300ボルトであり、これは医療超音波システムで禁止されている。
【0191】
[0197] 図1図15の説明された材料及び製造プロセスが使用されて、可撓性基板上にCMUTを製造し得る。これは、図17及び図18で表されるように、超音波素子が人間の体の様々な部分の周りで湾曲するようなコンフォーマル撮像システムについての利点である。製造のために使用されるポリマー材料は、十分に可撓性であり、CMUTが、性能又は機械的安定性を犠牲にすることなく小さな曲率半径で曲がることができる。
【0192】
[0198] ポリシリコン及び窒化シリコンで製造される従来のCMUTは、一般的に可撓性でなく、エッチングの間に有害な化学物質(水酸化カリウム及び塩酸)を利用する。化学物質は腐食性であり、蒸気は内臓の損傷を引き起こし、深刻な、場合によっては致命的な結果を生じ得るため、化学物質は、それらの材料で作業する人々にリスクをもたらし得る。本明細書の例示的な実施形態の少なくともいくつかによる製造動作は、単純な低コストで安全な製造設備で行われ得る。
【0193】
[0199] 少なくともいくつかの例示的な実施形態での前述の製造プロセスは、無害な材料を利用する、すなわち、製造の間に有機溶媒のみ(アセトン、イソプロパノール、SU8現像液、及びポジティブフォトレジスト現像液)が使用される。これらの材料への偶発的な長期の曝露に関連する健康リスクは、一般的に、眠気及び軽度の皮膚刺激に限定される。OmniCoat(商標)組成物(水で希釈されたMF319又はテトラメチルアンモニウムヒドロキシド)を除去するために使用されるエッチャントは、水で希釈すると軽い塩基と見なされるため、通常の実験室の排水システムで安全に処置され得る。
【0194】
[0200] 図1図15で表される製造プロセスに関連する製造コストは、従来の設計を製造するのに必要なコストよりもかなり少ない。2017年12月の時点で、超音波トランスデューサのアレイを製造するための推定材料コストは、大学の実験室内で100米ドル未満であり、大量生産の場合のコスト低減の可能性があり、製造されたデバイスが、ある時点で使い捨てと見なされ得ることを意味する。
【0195】
[0201] このプロセスについて図1図15での説明されたプロセスを使用してCMUTを製造するのに必要な最大温度は150℃であり、その結果、ポリシリコンを使用する従来の製造プロセスと比較して、最小のサーマルプロテクションシステムを必要とし、最小のサーマルバジェットを使用する。
【0196】
[0202] さらに、CMUTのための構造材料としてポリマーを使用することは、音響整合層が必要な場合、埋め込まれたフィラーで同じ種類のポリマー材料を使用して製造され得ることを意味する。
【0197】
[0203] ここで図32図37を参照すると、別の例示的な実施形態による、ポリマーベースのCMUTを製造するための方法を含む動作を示すために順次配置された斜視図が表される。
【0198】
[0204] ここで図32を参照すると、電気的導電性基板10(例えば、シリコンウェハ)は、犠牲材料(例えば、OmniCoat(商標)組成物)で均一にコーティングされ、ベークされて、犠牲層11を形成する。ポジティブフォトレジスト(S1813)の層がOmniCoat(商標)組成物の上部に堆積させられ、ベークされる。サンプルがUVに選択的に曝されて、犠牲層11の設計をパターン化する。サンプルはポジティブフォトレジスト現像液(MF319)に浸される。現像液は、S1813での曝されていない領域及びその下のOmniCoat(商標)組成物の両方を溶解し、それによって、犠牲層11のパターン化された設計が残る。犠牲層11は、最終的にCMUT空洞21ならびにエッチングチャネル37及びエッチングビアホール35を形成するための領域を含む。
【0199】
[0205] ここで図33を参照すると、サンプルは、ポリマーベースの材料(SU8)を含み、犠牲層11をコンフォーマルに覆う第1ポリマーベースの層14でコーティングされる。層14の厚さは、犠牲層14が覆われ、ポリマーの破壊電圧が望ましい動作電圧を超える限り、可能な限り薄くなるように選択される設計による。サンプルがUVに曝されて、サンプルのアンカーポイント及び膜の第1層をパターン化する。サンプルはベークされ、SU8現像液で現像され、エッチングチャネル37のための開いたウィンドウが残る。
【0200】
[0206] ここで図34を参照すると、電気的導電性電極16(クロム)が、リフトオフマイクロマシニング法を使用して第1ポリマーベースの層14の上部にパターン化され、電極16への電気接続39が同時にパターン化される。電極16の厚さは、低い抵抗経路が維持される限り、可能な限り薄い。少なくともいくつかの異なる実施形態(図示せず)では、電極16は、1つ以上の導電性ポリマーなどの非金属材料を含み得る。
【0201】
[0207] ここで図35を参照すると、第2ポリマーベースの層17が電極16の上部にコンフォーマルにコーティングされ、犠牲層11、第1ポリマーベースの層14、及び金属電極16を備えるスタックを覆う。第2ポリマーベースの層17はまた、SU8を含む。サンプルがUVに曝されて、CMUT膜をパターン化し、第1ポリマーベースの層14上のビアホール35のための開いた領域を残す。この第2ポリマーベースの層17の目的は、膜の有効な厚さを増加させ、したがってその共振周波数を増加させることである。電気接点は、空気に曝される。表された例示的な実施形態では、完成したCMUTで空洞21が配置される場所に対応する領域のみが、第2ポリマーベースの層17でパターン化され、様々な実施形態(図示せず)では、これらの領域を超えて、第2ポリマーベースの層17でパターン化され得る。
【0202】
[0208] ここで図36を参照すると、サンプルは、ポジティブフォトレジスト現像液(MF319、OmniCoat(商標)組成物と同じエッチング化学物質)に浸される。現像液は、ビアホール35及びエッチングチャネル37を通じて犠牲材料を除去する。現像液(MF319)は、湿潤環境で水、次いでイソプロピルアルコール(IPA)に置き換えられる。サンプルは、臨界点乾燥システム内部のIPAに浸され、膜を解放する。液体COは、高圧環境下でIPAを置き換え、次いで、液体COは、ガス状COに変換される。この時点で、膜は空洞19上で懸架される。臨界点システムが図32図37で表される製造で使用されるが、様々な実施形態(図示せず)では、特に、その寸法を考慮してCMUT膜がスティクションを起こしにくい場合、それは省略され得る。
【0203】
[0209] ここで図37を参照すると、サンプルは、(例えば、1×10-3トルで動作する)低圧チャンバーに配置され、空洞21が真空シールされ(すなわち、気密で)、水密になるように、ポリマー材料(パリレン)を含む被包材料20でコンフォーマルにコーティングされる。パリレンの厚さは、完成したCMUTでの被包材料20の機械的特性が(例えば、密度及びヤング率の点で)SU8と非常に類似する(いくつかの実施形態では同一である)ように選択され、したがって、少なくともいくつかの実施形態では、被包材料20及び第2ポリマーベースの層17の集合の厚さは、第1ポリマーベースの層15の厚さに対するその厚さを比較するときに考慮され、その比率は、完成したCMUTの動作周波数に影響を与える。被包材料20は、ビアホール35及びエッチングチャネル37をシールし、サンプルが低圧チャンバーから除去されると、真空シールされた水密の空洞を残す。電気相互接続のための領域は、このシールステップの前に保護される。
【0204】
[0210] 結果として生じる完成したCMUTは、電極間のその小さい有効な分離を考慮した低いプルイン電圧でのシールされたCMUT素子である。支持基板は、剛性材料に限定される必要はなく、剛性のキャリアに一時的に取り付けられた可撓性材料が、同様に使用され得る。サンプルは、シールをする前に(図36)、インターフェース回路に電気的に相互接続され得る。ポリマー材料と電極との間の許容可能な接着が使用されて、動作の間に機械的故障を回避する。
【0205】
ウェハボンディング
[0211] 少なくともいくつかの例示的な実施形態では、ウェハボンディング技術が使用されて、図15で表されるCMUTの類似のバージョンを製造することができる。このアプローチでは、シリコンウェハなどの2つの別個の基板で材料が堆積させられて処理される。次いで、別個の基板上に堆積させられた材料が一緒に接着されてさらに処理されて、CMUTを取得する。詳細な製造の説明が続く。
【0206】
[0212] ここで図19を参照すると、ポリマーベースの材料(SU8)を含む第1ポリマーベースの層14は、完成したCMUTの下部電極として機能し、かつ表された例示的な実施形態では電気的導電性である下部電極10を備える基板アセンブリの上部に堆積させられる。
【0207】
[0213] ここで図20を参照すると、第1ポリマーベースの層14は、フォトマスクを使用してUVに曝される。UVに曝される領域は、架橋された領域15となり、UVに曝されない領域は、架橋されずに残る。
【0208】
[0214] ここで図21を参照すると、第1ポリマーベースの層14の架橋されていない領域は、フォトレジスト現像液(SU8現像液)を使用してエッチング除去(除去)される。架橋された領域15は、そのまま残る。エッチングの後に残る架橋された領域15は、CMUT膜を支持する柱として機能する。
【0209】
[0215] ここで図22を参照すると、別個の基板30(シリコンウェハ又は任意の他の剛性の滑らかな基板)で、犠牲層11がスピンコーティングによって上部に堆積させられる。この犠牲層11は、以下でさらに論じられるように、接着の後に別個の基板30を解放するために使用される。
【0210】
[0216] ここで図23を参照すると、表された例示的な実施形態では、第1ポリマーベースの層14のために使用されるのと同じ感光性ポリマー(SU8)を含む第2ポリマーベースの層17が、犠牲層11の上部に堆積させられ、この層17は、完成したCMUTの上部となる。
【0211】
[0217] ここで図24を参照すると、第2ポリマーベースの層17は、フォトマスク及びマスクアライナーを使用してUVに曝される。UVに曝される領域は、架橋された領域18となる。
【0212】
[0218] ここで図25を参照すると、電気的導電性上部電極16(クロム)が、リフトオフ法を使用して架橋された領域18の上部にパターン化される。
【0213】
[0219] ここで図26を参照すると、第1及び第2ポリマーベースの層14、17を含む同じ感光性ポリマー(SU8)の第3ポリマーベースの層32が上部電極16上に堆積させられ、金属電極16及び第2ポリマーベースの層17の架橋された領域18をコンフォーマルにコーティングする。この時点で、上部電極16は、第2ポリマーベースの層17の架橋された領域18と、第3ポリマーベースの層32との間で被包された状態となる。
【0214】
[0220] ここで図27を参照すると、第3ポリマーベースの層32は、フォトマスク及びマスクアライナーを使用してUVに曝される。UVに曝される領域は、架橋された領域33となる。架橋された領域33の目的は、完成したCMUTでの2つの電極(下部基板10と上部電極16との)間で誘電体層として機能することである。第1及び第3ポリマーベースの層14、32を架橋することは、それらの層の間の接着を促進するのに役立ち、少なくともいくつかの異なる例示的な実施形態(図示せず)では、架橋することなく、層14、32が互いに好適に接着され得る場合、架橋することは飛ばされ得る。
【0215】
[0221] ここで図28を参照すると、図21及び図27に示されるような別個のサンプルの表面は、酸素プラズマで処理され、これにより、両方のサンプルの表面が永久に接着されることができる。サンプルが、真空環境で向かい合わせに位置合わせされて配置され、互いに押し付けられる。真空は、表面マイクロマシニングの実施形態で上述したように、1×10-3トルなどの任意の好適な圧力であり得る。異なる実施形態(図示せず)では、サンプルは、酸素プラズマで処理されなくてもよい。
【0216】
[0222] ここで図29を参照すると、圧力を解放した後、両方のサンプルがここで永久に取り付けられ、真空シールされた空洞21のアレイを生成する。
【0217】
[0223] ここで図30を参照すると、サンプルは、犠牲層11のエッチャント(MF319)を含むアルカリベースの水溶液に浸される。犠牲層11は、別個の基板30が解放されるまで徐々に除去される。このエッチャントは、ポリマーを侵さず、使用される金属材料を侵さない。この時点で製造プロセスが完了し、デバイスは水密となる。図1図15の表面マイクロマシニングの実施形態と同様に、特定の実施形態では、空洞21は、閉じられている間、気密又は水密でなくてもよく、他の実施形態では、空洞21は、水密であり気密でなくてもよい。
【0218】
[0224] 空洞21が接着後に真空シールされるような、表された例示的な実施形態では、ウェハボンディングを使用して製造されるCMUTは、被包材料20を含まない。これにより製造が簡単になる。
【0219】
[0225] 解放するホール(ビア)及びチャネルが存在しないため、CMUTが互いにより近くに配置され得るため、ウェハボンディングを使用して、充填因子(単位面積あたりのCMUTの数)が表面マイクロマシニングに対して向上し得る。六角形又は四角形の膜を使用することによって、円形膜に比べて充填因子が増加し得る。
【0220】
[0226] 少なくともいくつかの例示的な実施形態では、ロールツーロール(R2R)技術が施されて、空洞21を製造し得る。
【0221】
[0227] ウェハボンディングの実施形態では、基板10、30の一方又は両方が、剛性のキャリアに結合される場合、可撓性であり得る。
【0222】
電荷捕獲
[0228] CMUTでの電荷捕獲効果は、例えば、プルインを超えて大きなバイアス電圧を印加することによって誘電体層に電気電荷を故意に捕獲することによって、ゼロバイアス共振器が製造されるときに観察され得る。より一般的には、電荷捕獲効果は、ゼロバイアスではないものを含む、本明細書で説明される実施形態に従って製造される、(CMUTを含む)任意の共振器又は層状デバイスについて観察され得る。本明細書で説明される例では、捕獲された電荷の効果は、共振器の通常の動作にポジティブに寄与する(例えば、捕獲された電荷が存在するとき、著しくより低い動作電圧が使用され得る)。
【0223】
[0229] ここで図31を参照すると、プルイン(VPI=65V)よりも大きいDC電圧が上部電極16と、下部電極として機能する下部基板10との間に印加されると、例えば図15又は図30のCMUTの上部電極16の下にあるSU8膜に電気電荷が捕獲された状態になる。これは、膜を崩壊させ(例えば、引き寄せて基板10と接触させ)、膜に作用する電界が増加する結果を生じる。少なくともいくつかの異なる例示的な実施形態(図示せず)では、空洞21は、DC電圧が印加されるとき、膜が下部基板10と接触しないように十分に高い。DC電圧を除去した後、膜は、誘電体フィルム(SU8)に捕獲される電気電荷22を有するその最初の位置に戻る。
【0224】
[0230] 膜に捕獲される電気電荷22は、動作の間の静電気力に寄与し(ビルトイン電圧のように作用し)、より低いDCバイアス電圧が使用されて、膜を下部基板10により近づけ得ることを意味する。
【0225】
[0231] 電気電荷22は、(理論上は、分子の双極子配列によって)SU8フィルムの容量で捕獲された状態になり、(通常のコンデンサとして)金属電極16上に捕獲された状態にならないことが実験的に示されてきた。これにより、CMUTが、その端子が短絡する場合でさえ、「放電」するのを防ぐ。
【0226】
実験結果
[0232] 図1図15に関して説明された表面マイクロマシニングの実施形態を使用して、64個及び128個のCMUT素子を含む直線アレイのセットが、それぞれの素子が導電性基板10(シリコンウェハ)の形態で共通の下部電極を共有するCMUTセルの相互接続されたマトリクスを備えて製造された。これらのCMUT素子は、図38(64個の素子)及び図39(128個の素子)に示される。全製造時間は、16時間であった。
【0227】
[0233] 製造されたアレイの詳細図が、それぞれ64個及び128個の素子アレイについて図40及び図41に示される。CMUTセルの直径は、それぞれ64個及び128個の素子アレイについて100μm及び90μmである。CMUT膜の厚さは7.31μmであり、これは、上部電極16及び第1ポリマーベースの層14の架橋された領域15を含み、真空充填された空洞21は、0.3μmの高さを有する。外部インターフェースのための電気接続は、素子上のそれぞれの端に配置されている。
【0228】
[0234] 音響測定は、圧電トランスデューサを使用してオイルバスで行われて、製造されたポリマーCMUTの動作を検証した。測定された応答は、図42に示され、超音波トランスデューサの短いパルス特性を示す。測定されたパルスの周波数スペクトル(FFT)は、図43に示され、111%の比帯域幅を有する。
【0229】
[0235] 予備的な結果は、パッシブレシーバ(すなわち、DCバイアス電圧が印加されていない)としてポリマーCMUT素子を使用して超音波パルスを測定できることを示す。図44は、典型的に医療超音波撮像についての音圧で動作する液体媒体でポリマーCMUT素子の上に配置された圧電結晶によって生成される超音波パルスの測定を示す。CMUTの端子(上部電極及び下部電極)は、オシロスコープに直接接続された。
【0230】
[0236] CMUTがパッシブデバイス(DCバイアス電圧がない)として動作するときの受信された信号の振幅は、264mVppであった。これは、典型的な圧電ベースのトランスデューサから取得される予想電圧よりはるかに大きいことを表し、端子にわたる予想生成電圧は、数マイクロボルト~100mVの範囲である。15Vのバイアス電圧が印加されたとき、受信された信号の振幅は、さらに約500mVppまでも増加した。
【0231】
[0237] これは、市販の圧電ベースの超音波システムで使用される低ノイズ及び高ゲインの増幅器を必要とすることなく、超音波信号が直接処理され得、場合によっては、超音波プローブの物理的な容量及び重量を低減し、軽量、低電力コンフォーマル超音波システムへの前進ステップを記すことを示唆する。
【0232】
[0238] 少なくともいくつかの実施形態では、音響整合層は、製造されたCMUTを(表面マイクロマシニングを使用して製造されたか、ウェハボンディングを使用して製造されたかに関係なく)水性媒体に結合する必要はない。これは、従来の圧電ベースの超音波撮像システムでの必須の音響整合層と対照的である。
【0233】
[0239] さらに、少なくともいくつかの例示的な実施形態では、表面マイクロマシニング及びウェハボンディングの実施形態の一方又は両方は、アニーリング動作をさらに含み得る。製造の間にSU8が使用されるとき、アニーリングは、例えば150℃で5分間行われて、現像の間に形成され得る任意のクラックをアニールし得る。
【0234】
[0240] 本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定することを意図するものではない。したがって、本明細書で使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数形も含むことを意図している。本明細書で使用されるとき、「備える」及び「含む」という用語は、1つ以上の述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の機能、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及びグループの存在又は追加を排除しないことがさらに理解されるであろう。「上」、「下」、「上方」、「下方」、「垂直に」、及び「水平に」などの方向の用語は、相対的な参照のみを提供する目的で以下の説明で使用されており、使用の間に任意のものがどのように配置されるべきか、又はアセンブリでもしくは環境に対してどのように取り付けられるべきかのいかなる限定も示唆することを意図していない。さらに、「結合」、ならびにこの説明で使用されるような「結合され」、「結合する」、及び「結合している」などのその変形は、別段の指示がない限り、間接及び直接接続を含むことを意図している。例えば、第1デバイスが第2デバイスに結合されている場合、その結合は、直接接続によるもの、又は他のデバイス及び接続を介した間接接続によるものであり得る。同様に、第1デバイスが第2デバイスに通信して結合されている場合、通信は、直接接続によるもの、又は他のデバイス及び接続を介した間接接続によるものであり得る。
【0235】
[0241] 本明細書で論じられた任意の態様又は実施形態の任意の部分は、本明細書で論じられた任意の他の態様又は実施形態の任意の部分で実装又は組み合わされ得ると考えられる。
【0236】
[0242] 1つ以上の例示的な実施形態は、例示としてのみ説明されてきた。この説明は、例示及び説明の目的で提示されるが、網羅的であること、又は開示される形態に限定されることを意図していない。特許請求の範囲から逸脱することなく、多くの変更及び修正を行うことができることは、当業者には明らかであろう。
図1
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