(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-11
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】内腔に沿った管腔内デバイスの管腔内経路の推定
(51)【国際特許分類】
A61B 6/12 20060101AFI20230512BHJP
A61B 6/00 20060101ALI20230512BHJP
【FI】
A61B6/12
A61B6/00 370
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021035416
(22)【出願日】2021-03-05
(62)【分割の表示】P 2018566583の分割
【原出願日】2017-06-22
【審査請求日】2021-04-02
(32)【優先日】2016-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513022955
【氏名又は名称】エスワイエヌシー-アールエックス、リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ザーキ マイケル
【審査官】松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-507304(JP,A)
【文献】特開2010-131371(JP,A)
【文献】特開2015-062680(JP,A)
【文献】特開2016-034351(JP,A)
【文献】特表2015-515913(JP,A)
【文献】特表2005-528946(JP,A)
【文献】特表2015-519957(JP,A)
【文献】国際公開第2015/044983(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0223702(US,A1)
【文献】国際公開第2016/083275(WO,A1)
【文献】特表2016-503667(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数のX線不透過部を備える管腔内デバイスと、
出力装置と、
少なくとも1つのコンピュータ処理装置と
を備える装置の作動方法であって、前記方法は、
前記少なくとも1つのコンピュータ処理装置が、X線撮像装置
から前記対象者の体の一部のX線画像のシーケンスを取得するステップと、
前記少なくとも1つのコンピュータ処理装置
が、前記X線画像のシーケンスを分析することによって、
前記X線画像内の前記管腔内デバイスの前記1つ又は複数のX線不透過部が撮像された位置を識別するステップと、
前記少なくとも1つのコンピュータ処理装置が、前記管腔内デバイスの前記1つ又は複数のX線不透過部が置かれた位置のセットを、識別された前記位置に基づいて画定するステップと、
前記少なくとも1つのコンピュータ処理装置が、画定された前記位置のセットの中心線に基づいて、
前記X線画像内の前記管腔内デバイスの管腔内経路を推定するステップと、
前記出力装置
が、前記管腔内デバイスの管腔内経路の画像の出力を生成するステップと
を有する、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのコンピュータ処理装置
が、前記内腔が可視である前記内腔の画像を受信するステップと、
前記少なくとも1つのコンピュータ処理装置が、受信した前記内腔の前記画像内の前記内腔の中心線の指示を受信するステップと
をさらに有する方法であって、
前記少なくとも1つのコンピュータ処理装置が前記内腔を通る前記管腔内デバイスの前記管腔内経路を推定するステップは、前記位置のセットを前記内腔の前記中心線と共に使用して、前記
X線画像内の前記管腔内デバイスの前記管腔内経路を推定するステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つのコンピュータ処理装置が前記位置のセットを画定するステップは、前記管腔内デバイスの前記X線不透過部が識別された画像を、互いに重ね合わせることによって、識別された前記位置が統合された位置のセットを形成する合成画像を生成するステップを有する、請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのコンピュータ処理装置が前記内腔を通る前記管腔内デバイスの前記管腔内経路を推定するステップは、前記合成画像内の前記位置のセットを画定する曲線を識別するステップと、前記
X線画像内の前記管腔内デバイスの前記管腔内経路が、識別された前記曲線に沿っていることを推定するステップとを有する、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのコンピュータ処理装置が、前記管腔内デバイスの推定された前記管腔内経路に基づいて、前記内腔の中心線の位置を推定するステップをさらに有する、請求項1
又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのコンピュータ処理装置が前記内腔の前記中心線の前記位置を推定するステップは、
前記
少なくとも1つのコンピュータ処理装置
が、
前記X線撮像装置から前記内腔が可視である前記内腔の画像を受信するステップと、
前記少なくとも1つのコンピュータ処理装置が、前記管腔内デバイスの推定された前記管腔内経路を、前記中心線の位置を推定するための入力として使用し、受信した前記内腔の前記画像に対する前記中心線の位置を推定するステップと
を有する、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
1つ又は複数のX線不透過部を備え、対象者の内腔を通って移動する管腔内デバイスと、
出力装置と、
少なくとも1つのコンピュータ処理装置と
を備え、前記コンピュータ処理装置は、
前記管腔内デバイスが前記内腔を通って移動する間に、前記内腔が置かれている前記対象者の体の一部のX線画像のシーケンスを、管腔外X線撮像装置から受信し、
前記X線画像のシーケンスを分析することによって、前記管腔内デバイスの前記1つ又は複数のX線不透過部が撮像された位置を識別し、
前記内腔を通って前記管腔内デバイスが移動する間に、前記管腔内デバイスの前記1つ又は複数のX線不透過部が置かれた位置のセットを、識別された前記位置に基づいて画定し、
画定された前記位置のセットの中心線に基づいて、前記内腔を通る前記管腔内デバイスの管腔内経路を推定し、
推定された前記管腔内デバイスの管腔内経路の画像の出力を前記出力装置上に生成する、
装置。
【請求項8】
前記内腔は、動きを受ける前記対象者の内腔を含み、前記コンピュータ処理装置は、前記動きを受ける内腔を通る前記管腔内デバイスの前記管腔内経路を推定する、請求項
7に記載の装置。
【請求項9】
前記内腔は、前記対象者の生理的周期の結果として周期的に動かされる内腔を含み、前記コンピュータ処理装置は、前記対象者の生理的周期の所与の位相で前記管腔内デバイスの前記1つ又は複数のX線不透過部が撮像された位置のセットを識別することによって前記位置のセットを画定する、請求項
7に記載の装置。
【請求項10】
前記コンピュータ処理装置は、前記管腔内デバイスの前記X線不透過部が識別された画像を、互いに重ね合わせることにより、識別された前記位置が統合された位置のセットを形成する合成画像を生成することによって、前記位置のセットを画定する、請求項
7乃至
9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記コンピュータ処理装置は、前記合成画像内の前記位置のセットを画定する曲線を識別し、前記内腔を通る前記管腔内デバイスの前記管腔内経路が識別された前記曲線に沿っていることを推定することによって、前記内腔を通る前記管腔内デバイスの前記管腔内経路を推定する、請求項
10に記載の装置。
【請求項12】
前記コンピュータ処理装置は、前記管腔内デバイスの推定された前記管腔内経路に基づいて、前記内腔の中心線の位置を推定する、請求項
7乃至
9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記コンピュータ処理装置は、
前記内腔が可視である前記内腔の画像を受信し、
前記管腔内デバイスの推定された前記管腔内経路を、前記中心線の位置を推定するための入力として使用し、受信した前記内腔の前記画像に関する前記中心線の位置を推定することによって、前記内腔の前記中心線の位置を推定する、請求項
12に記載の装置。
【請求項14】
1つ又は複数のX線不透過部を備える、対象者の内腔を通って移動する管腔内デバイスと、前記内腔を通る前記管腔内デバイスが移動する間に前記内腔が置かれた前記対象者の体の一部のX線画像のシーケンスを取得するX線撮像装置とを使用するためのプログラム命令が格納される非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記プログラム命令は、コンピュータによって読み出されるとき、前記X線画像のシーケンスを分析することによって、前記内腔を通って前記管腔内デバイスが移動する間に、前記管腔内デバイスの前記1つ又は複数のX線不透過部が撮像された位置を識別するステップと、前記内腔を通って前記管腔内デバイスが移動する間に、前記管腔内デバイスの前記1つ又は複数のX線不透過部が置かれた位置のセットを、前記識別された位置に基づいて画定するステップと、前記内腔を通る前記管腔内デバイスの管腔内経路を画定された前記位置のセットの中心線に基づいて推定するステップと、出力装置上に推定された前記管腔内デバイスの管腔内経路の画像の出力を生成するステップとを、前記コンピュータに実行させる、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明のある用途は、概ね、自動的な画像処理に関する。詳細には、本発明のある用途は、医療用の撮像及びその画像の分析に関する。
【背景技術】
【0002】
疾患を治療し診断するために、医療用の撮像が行われる。医療用画像を生成するために使用される、ビデオ撮像、X線透視法、血管造影法、超音波、CT、MR、PET、PET-CT、CT血管造影法、SPECT、ガンマカメラ撮像、光干渉断層撮影(OCT)、近赤外線分光法(NIRS)、振動反応撮像(VRI)、光学式撮像、赤外線撮像、電気式画像マッピング、他の実用的な撮像の形態、集束した音波をコンピュータ処理する断層撮影法(FACT)、光周波数領域撮像法(OFDI)を含む、多種の撮像法がある。
【0003】
治療及び診断の両方の目的のために使用される、非常に様々な医療用管腔内デバイスがある。血管内超音波(IVUS)プローブ、冠血流予備量比(FFR)、及び瞬時血流予備量比(iFR)プローブなどのデバイスは、通常は、内腔を通って移動する間に管腔内のデータを取得する。
【発明の概要】
【0004】
本発明のある適用例に従って、1つ又は複数のX線不透過部を備える管腔内デバイスは、対象者の内腔を通って移動する。内腔は、通常は、対象者の心臓周期、呼吸周期、及び/又は対象者の体が大きく動いた結果、動く血管である。たとえば、血管は、冠状動脈である。X線撮像装置を使用して、管腔内デバイスが内腔を通って移動する間に、内腔が置かれている対象者の体の一部の、X線画像のシーケンスが取得される。たとえば、管腔内デバイスは、そのデバイスが内腔に沿って移動する間に内腔の内側からデータを取得する、管腔内データ取得デバイス、たとえばIVUSプローブなどの管腔内撮像デバイスである。
【0005】
コンピュータ処理装置は、X線画像のシーケンスを分析することによって、内腔を通って管腔内デバイスが移動する間に管腔内デバイスの1つ又は複数のX線不透過部が撮像された位置を、識別する。コンピュータ処理装置は、内腔を通って管腔内デバイスが移動する間に、管腔内デバイスの1つ又は複数のX線不透過部が置かれた位置のセットを、識別された位置に基づいて画定する。
【0006】
たとえば、管腔内デバイスのX線不透過部が識別された画像を、互いに重ね合わせることによって、識別された位置が1組の統合された位置を形成する合成画像が生成される。この位置のセットに基づいて、内腔を通るデバイスの管腔内経路が推定される。通常は、位置のセットを画定する曲線が識別され、内腔を通るデバイスの管腔内経路がその曲線に基づいて判定される。内腔に沿ったデバイスの推定された管腔内経路に基づいて、出力装置上に出力が生成される。
【0007】
本発明は、その実施形態の以下の詳細な説明から、また以下の図面と共に、より完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】カテーテル法実験室で使用される、本発明のある適用例による、装置の概略図である。
【
図2A】処理装置によって実行されたアルゴリズムのステップを示す、本発明のある適用例による、フローチャートである。
【
図2B】処理装置によって実行されたアルゴリズムのステップを示す、本発明のある適用例による、フローチャートである。
【
図3A】本発明のある適用例に従って、複数の2値化画像を互いに重ね合わせることによって生成された合成画像の例である。
【
図3B】本発明のある適用例に従って、
図3Aに示す合成画像内で管腔内デバイスのX線不透過部の位置を識別するために、
図3Aの合成画像に画像処理技術を適用することによって生成された画像の例である。
【
図3C】本発明のある適用例に従って、
図3Aに示す合成画像内で管腔内デバイスのX線不透過部の位置を識別するために、
図3Aの合成画像に画像処理技術を適用することによって生成された画像の例である。
【
図4】本発明のある適用例に従って、
図3Cに示す画像内で識別された管腔内デバイスのX線不透過部の位置に基づいて推定された、内腔を通る管腔内デバイスの管腔内経路の画像の例である。
【
図5B】(a)血管造影画像から手動で導出された血管の中心線と、(b)血管を通る管腔内デバイスの推定された管腔内経路との、両方が、血管造影画像上に重ね合わされた、本発明のある適用例による、血管の造影画像である。
【
図6】(a)血管造影画像から手動で導出された血管の中心線と、(b)血管を通る管腔内デバイスの推定された管腔内経路との、両方が、
図3Cに示す画像上に重ね合わされた、本発明のある適用例による、画像である。
【
図7】(a)血管を通る管腔内デバイスの推定された管腔内経路と、(b)血管を通る管腔内デバイスの推定された管腔内経路を使用して自動的に導出された、血管の推定された中心線との、両方を、血管の造影画像上に重ね合わされた、本発明のある適用例による、画像である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここで
図1を参照すると、これはカテーテル法実験室で使用された、本発明のある適用例による、装置の概略図である。通常、対象者は、管腔外撮像装置(すなわち管腔外の画像取得装置)20を使用して撮像され、この管腔外撮像装置は、撮像されている対象者の血管内に造影剤がないときにはX線透視画像を取得し、且つ/又は撮像されている対象者の血管内に造影剤があるときには血管造影モードで取得するX線透視装置を含む。
【0010】
図1はさらに、対象者の内腔(たとえば、冠状動脈などの血管)に、ガイドワイヤ24を覆って挿入されているガイドカテーテル22を示す。管腔内デバイス26が、対象者の内腔(たとえば、対象者の冠状動脈などの対象者の血管)に、ガイドカテーテルを通ってガイドワイヤを覆って、挿入されている。通常は、管腔内デバイスは、X線不透過部27(たとえば、X線造影マーカ)を備える。ある適用例では(たとえば、管腔内デバイスがiFRプローブである適用例については)、管腔内デバイスは、ガイドワイヤ24がない状態で血管内に挿入される。
【0011】
ある適用例では、管腔内デバイス26は、対象者の血管の内側からデータ(たとえば、機能上のデータ又は画像)を取得するよう構成される、管腔内データ取得デバイスを含む。ある適用例では、管腔内データ取得デバイスは、IVUSプローブなどの撮像プローブである。ある適用例では、管腔内データ取得デバイスは、FFRプローブ及び/又はiFRプローブなど、画像以外の形態のデータを取得するプローブである。たとえば、このデータは、血圧、血流、温度、電気的活動、酸素、生化学的組成、又はその任意の組合せに関係するデータを含む。
【0012】
ある適用例では、管腔内デバイス26は、ステント、バルーン(たとえば、血管形成バルーン)、グラフト、フィルタ、バルブなどの治療用デバイス、及び/又は異なる種類の治療用管腔内デバイスを含む。
【0013】
コンピュータ処理装置28は通常、画像(たとえば、管腔外画像又は管腔内画像)を受信し処理する。コンピュータ処理装置は、メモリ29と通信する。ユーザインタフェース部30を介して、ユーザ(たとえば、医師及び/又はカテーテル法実験室の技師)は、コンピュータ処理装置に命令を送信する。ある適用例では、ユーザインタフェース部はキーボード32、マウス34、ジョイスティック36、タッチスクリーン装置38(スマートフォン又はタブレット型コンピュータなど)、タッチパッド、トラックボール、音声命令インタフェース、及び/又は当該分野で知られる他の種類のユーザインタフェース部を含む。通常は、コンピュータ処理装置は、出力装置40を使用して出力を生成する。さらに通常は、出力装置は、モニタなどのディスプレイ(
図1に示す)を含み、また出力は、ディスプレイ上に表示される出力を含む。ある適用例では、ディスプレイはヘッドアップディスプレイ及び/又はGoogle Glass(登録商標)などのヘッドマウントディスプレイを含む。ある適用例では、処理装置は、異なる種類の映像、テキスト、グラフィック、触覚、音声、及び/又はビデオの出力装置、たとえば、スピーカ、ヘッドフォン、スマートフォン、又はタブレット型コンピュータ上に、出力を生成する。ある適用例では、ユーザインタフェース部30は、入力装置及び出力装置の、両方として振る舞う。ある適用例では、処理装置は、ディスク又はポータブルUSBドライブなどの、コンピュータ可読媒体(たとえば、非一時的なコンピュータ可読媒体)上に出力を生成する。
【0014】
ある適用例では、コンピュータ処理装置28によって実行されるような本明細書に記載の機能を実行するために、2台以上のコンピュータ処理装置が使用されることに留意されたい。ある適用例では、2台以上の管腔外撮像装置が、コンピュータ処理装置28と共に使用される。たとえば、第1の管腔外撮像装置は、管腔外画像の第1の組を取得するために使用され、第2の管腔外撮像装置は、管腔外画像の第2の組を取得するために使用される。
【0015】
ここで
図2A及び
図2Bを参照すると、これらは本発明のある適用例に従って実行されるアルゴリズムのステップを示す、フローチャートである。
図2Aは、本発明のある適用例に従って実行される通常のアルゴリズムを示し、
図2Bは、
図2Aに示すアルゴリズムのいくつかのステップ内で実行されるサブステップを示す。
【0016】
ある適用例では、管腔内デバイス26は、血管などの内腔に沿って移動する。たとえば、管腔内デバイスは、内腔を通って前に押し出されることによって、又は内腔を通って引き戻されることによって、内腔を通って移動する。通常は、管腔内デバイス26は、動いている血管に沿って移動する。たとえば、血管は、対象者の心臓周期のため、対象者の呼吸周期のため、対象者の体が大きく動くため、及び/又は血管に沿ってデバイス26が動くために(たとえば、デバイスが置かれている血管の一部の形状をデバイスが変えるために)、動かされる。ある適用例では、血管は、冠状動脈である。ある適用例では、管腔内デバイス26は、IVUSプローブなどの管腔内データ取得デバイスであり、デバイスが血管に沿って移動するときに、血管に沿ったそれぞれの位置で、血管内部からの各データのセットを取得するよう構成されている。たとえば、血管に沿ったそれぞれの位置で取得されたデータのセットは、その位置で取得された画像、及び/又はその位置において血管の機能上の特徴を示す位置で取得されるデータのセットである(すなわち、機能上のデータのセット)。
【0017】
図2Aを参照して、第1のステップ50では、血管を通って管腔内デバイス26が移動する間に、X線画像のシーケンスが取得される。ある適用例では、画像のシーケンスは、血管内に造影剤がないときに取得されるX線透視画像のシーケンスである。血管内に造影剤がないために、画像内で血管自体は大幅に見辛いが、画像内で管腔内デバイス26のX線不透過部27は可視である。さらに、他のX線造影上の特徴、たとえば解剖学的な特徴(対象者の肋骨など)及び/又は非解剖学的な特徴(CABGクリップ又はワイヤなど)は、X線画像のシーケンスに属する画像の中で可視である。ある適用例では、造影剤は、画像のシーケンスが取得される間、定期的に血管に注射されることに留意されたい。
【0018】
第2のステップ52において、コンピュータ処理装置28は、X線画像のシーケンスに属する画像を分析することによって、管腔内デバイス26のX線不透過部(群)27が画像のシーケンスに属する画像内で撮像された位置を識別する。
【0019】
図2Bを参照して、ある適用例では、以下のアルゴリズムを使用してステップ52が実行される。第1のサブステップ80において、コンピュータ処理装置は画像のシーケンスに属する画像上で前処理を実行する。たとえば、前処理は、静的な、且つ/又は動的なノイズの低減、背景部除去、背景部正規化、又はその組合せを含む。ある適用例では、前処理は、画像フレームから冠状動脈バイパス移植術(CABG)ワイヤ、CABGクリップ、ペースメーカ又は除細動器など埋め込まれた器具のワイヤ及び/又は電極、並びに/或いはECGモニタなど外部デバイスのワイヤ及び/又は電極、並びに/或いは外部の除細動器の検出及び除去を含む。
【0020】
第2のサブステップ81において、コンピュータ処理装置は管腔内デバイスのX線不透過部の候補である画像の部分を強調するために、フィルタリングを実行する。
【0021】
第3のサブステップ82において、管腔内デバイスのX線不透過部の候補は、その候補がX線不透過部の特徴を示す程度に基づいて、採点される。
【0022】
第4のサブステップ83において、閾値の得点を超える得点を有する候補が、相対的な位置、距離、向き、視覚的類似性及び/又は他の要因に基づいて、互いに整合し得るか又は対になり得るかどうかが、判定される。マッチング及び/又はペアリングの基準を満たす候補は、器具のX線不透過部に対応するものとして識別される。
【0023】
本明細書に以下説明されるように、ステップ86を参照して、また
図3Aから
図3Cを参照して、いくつかの可視の要素は、管腔内デバイスのX線不透過部に対応するものとして、誤って識別される可能性があることに留意されたい。通常、ステップ86は、こうした要素を考慮に入れるために実行される。
【0024】
ある適用例では、コンピュータ処理装置は、デバイスのX線不透過部を識別するために、デバイスのX線不透過部が所与の機械学習可能な特徴(たとえば、所与の形状又はパターン)を有している場合、機械学習技術を使用する。
【0025】
ある適用例では、管腔内デバイスのX線不透過部(群)はX線造影マーカを備え、参照して本明細書に組み入れた米国特許第8,781,193号(Steinberg)に記載される1つ又は複数の技術を使用して、そのマーカは識別される。ある適用例では、管腔内デバイスのX線不透過部(群)は、細長いX線造影要素(たとえば、ガイドワイヤのX線造影チップ)を含む。極大の高い固有値及び低い固有値の低い絶対値を有する1組のピクセルを検出することによって、このような要素は検出される。ある適用例では、参照して本明細書に組み入れた国際特許出願PCT/IL2015/050509(Klaiman)(WO15/173821として公開)に記載される画像内の物体を識別するための技術を使用して、管腔内デバイスのX線不透過部(群)が識別される。
【0026】
ある適用例では、X線造影マーカ及び/又は細長いX線造影要素は、1つ又は複数の以下のステップを用いて識別される。
a.前処理:後のマーカの識別を容易にするために、画像のシーケンスに沿って、個々の画像フレーム(又はこうしたフレーム内の関心領域(ROI))は前処理される。このような前処理は通常、静的な、且つ/又は動的なノイズの低減、背景部除去、又はその組合せを含む。ある適用例では、個々の画像フレームに、メディアンフィルタ、メキシカンハットフィルタ、指向性メキシカンハットフィルタ、及び/又はローパスフィルタが適用される。ある適用例では、前処理は、画像フレームからCABGワイヤ、CABGクリップ、ペースメーカ又は除細動器など埋め込まれた器具のワイヤ及び/又は電極、並びに/或いはECGモニタなど外部デバイスのワイヤ及び/又は電極、並びに/或いは外部の除細動器の検出及び除去を含む。
b.マーカ状でない特徴のフィルタリング:画像のシーケンスに沿って、個々の画像フレーム(又はこうしたフレーム内のROI)は、残っている明らかにマーカでない特徴をフィルタリングして除去するよう処理される。ある適用例では、フィルタリングは、メディアンフィルタ、メキシカンハットフィルタ、指向性メキシカンハットフィルタ、最大安定極限領域(MSER)フィルタ、MSERと類似のフィルタ、ヘシアンフィルタ、又はその組合せの、画像フレームへの適用を含む。
ある適用例では、ヘシアン固有値は、各画像フレーム内の各ピクセルに対して、又は画像フレームのROI内のすべてのピクセルに対して、計算される。高い最小固有値をもつピクセルの局所クラスタは通常、画像内で「放物面状の」領域を示し、X線造影マーカの可能性があると識別される。
c.採点:画像のシーケンスに沿った個々の画像フレーム(又は、こうしたフレーム内のROI)内に残った特徴は、それらがマーカである可能性を表現する「適合」点(すなわち、「マーカ」点、又は大抵のマーカの場合「ドット」点)が割り当てられる。ある適用例では、得点は上記説明のフィルタリングから計算される。
d.マッチング:個々の画像フレーム(又は、こうしたフレーム内のROI)内に残った特徴は、互いのマッチングのために分析される。たとえば、管腔内デバイスの2つのX線造影マーカを検出しようとする場合、ペアマッチングが実行される。このようなマッチングは通常、相対的な位置、距離、向き、視覚的類似性、及び/又は他の要因に基づいて、実行される。
e.検出:ある適用例では、1対のクラスタ(このような2つのクラスタが、器具のマーカの強い候補である場合)が、連続する数枚の画像フレームでお互いから同様の距離で識別される、且つ/又は互いに関連する角度であると識別されると、その1対のクラスタは器具の2つのマーカであると判定される。
f.ブリッジング:ある適用例では、2つの細長い要素が検出される場合、コンピュータ処理装置は、この要素の位置及びこの要素の端部の向きに基づいて、この要素の端部が互いに整合するかどうかを判定する。整合がとれた端部は直線で接続され、2つの要素は1つの細長い要素に合成される。
【0027】
通常、
図2Aのステップ52を実行した出力として、1組の2値画像が生成される。その2値画像において、その組に属するそれぞれの画像の中で、管腔内デバイスのX線不透過部に対応するものとして識別されたピクセルは第1の値を割り当てられ、管腔内デバイスのX線不透過部に対応するものとして識別されなかったピクセルは、第2の値を有する。
【0028】
図2Aを再び参照して、第3のステップ54では、コンピュータ処理装置は、内腔を通って管腔内デバイスが移動する間に、管腔内デバイスの1つ又は複数のX線不透過部が置かれた位置のセットを、識別された位置に基づいて画定する。
図2Bに示すように、ある適用例では、第3のステップは、まずサブステップ84を実行して合成された画像を生成することによって、またお互いを重ね合わせることによって、ステップ52で生成された2値画像を使用して実行される。
【0029】
ここで
図3A及び
図3Bを参照すると、これらは本発明の適用例による、複数の2値画像を互いに重ね合わせることによって生成された合成画像の例(
図3A)、及び合成された画像上で形態学的演算を実行することによって生成された画像の例(
図3B)である。
【0030】
図3Aは、対象者であるヒトの冠状動脈のX線画像のシーケンスを、X線造影チップを備えるガイドワイヤが冠状動脈を通って引き戻される間に取得することによって、生成されたものである。2値画像は、画像のシーケンスに属する画像に基づいて生成され、次いでこの2値画像は、上記に示す手法で互いに重ね合わされたものである。図示のように、ガイドワイヤのX線造影チップが撮像された位置に対応するものとして識別された可視の要素の位置のセットは、合成画像の白い部分である。
図3Bは、本発明のある適用例により、
図3Aに示す合成画像内でガイドワイヤのX線造影チップが撮像された位置のセット上でクロージング処理を実行することによって生成されたものである。
【0031】
ある適用例では、血管は、対象者の生理的周期(対象者の心臓周期、又は呼吸周期など)の結果として、周期的な動きを受ける。ある適用例では、コンピュータ処理装置は、
図2Aのステップ54(すなわち、位置のセットを画定するステップ)を、対象者の生理的周期の所与の位相で管腔内デバイスの1つ又は複数のX線不透過部が撮像された位置のセットを画定することによって、実行する。たとえば、コンピュータ処理装置は、対象者のECG信号を受信し、またコンピュータ処理装置は、ECG信号を用いて、心臓周期の所与の位相で管腔内デバイスのX線不透過部(群)が置かれていたと判定された位置を、確定する。
【0032】
ある適用例では、コンピュータ処理装置は、
図2Aのステップ54(すなわち、位置のセットを画定するステップ)を、管腔内デバイスのX線不透過部(群)の識別された位置のサブセットを識別することにより実行し、識別された位置のサブセットの各部分は、識別された位置のサブセットの他の少なくとも1つの部分の所与の距離の範囲内に置かれている。たとえば、識別された位置のサブセットは、サブセットの各部分がそのサブセットの他の少なくとも1つの部分と重なり合う、且つ/又は、サブセットの各部分がそのサブセットの他の少なくとも1つの部分の所与のピクセル数の範囲内にあると識別される。コンピュータ処理装置は、次いでそのサブセットを、内腔を通って管腔内デバイスが移動する間に、管腔内デバイスの1つ又は複数のX線不透過部が置かれた位置のセットとして識別する。
【0033】
上記で言及したように、
図2Aのステップ52において、いくつかの可視の要素は、管腔内デバイスのX線不透過部に対応するものとして、誤って識別される可能性がある。たとえば、
図3A(形態学的演算が適用される前の合成画像を示す)及び
図3B(クロージング処理が適用された後の合成画像を示す)において、ほぼ管腔の形状をもつ白い部分92に加えて、X線画像のシーケンスに属する画像の中に存在する他の可視の特徴(CABGクリップ又はワイヤなど)に対応する、他の白い部分94がある。通常、ステップ54のサブステップ86は、こうした要素を考慮に入れるために実行される。
【0034】
サブステップ86において、コンピュータ処理装置は、合成画像内で管腔内デバイスのX線不透過部(群)が識別された、真の位置と偽の位置との間を区別する。通常、コンピュータ処理装置は、X線画像のシーケンス内でX線不透過部の特徴が撮像された、合成画像内の1つ又は複数の位置が、管腔内デバイスのX線不透過部が置かれた位置に対応しないことを識別し、位置のセットからその1つ又は複数の位置を除外する。
【0035】
ある適用例では、コンピュータ処理装置は、(a)X線画像のシーケンスのコースにわたる動き、及び(b)大幅に周期的でない要素を含む動きを受ける、可視の特徴を識別するために、X線画像のシーケンスを分析する。デバイスは、X線造影画像のシーケンスのコースにわたり血管に沿って移動し、一方移動する他の可視の要素は、ただ対象者の体の周期的な動きの結果として(たとえば、対象者の心臓周期又は呼吸周期の結果として)、大幅に動くことが予想される。したがって、処理装置は、可視の要素が(a)X線画像のシーケンスのコースにわたる動きを受ける、及び(b)大幅に周期的でない要素を含む動きを受ける場合、管腔内デバイスのX線不透過部(群)に対応するように可視の要素を識別する。
【0036】
管腔内デバイスのX線不透過部(群)は、X線画像のシーケンスのコースにわたり内腔に沿って移動するので、管腔内デバイスのX線不透過部(群)は、X線画像のシーケンスの比較的小さいほんの一部分に対するどんな特定の位置でも撮像されると予想される。それとは対照的に、画像内の他の可視の要素(CABGクリップ又はワイヤなど)は、それらが装着されている対象者の体の一部に対して静止したままであると予想されるので、このような特徴は(対象者の体の一部が受ける動きの他は)X線画像のシーケンスのいずれでもほぼ同じ位置にあると予想される。したがって、ある適用例では、コンピュータ処理装置は、画像のシーケンス内のX線造影要素が識別されたそれぞれの位置に対して、どの画像がその位置にX線造影要素を含んでいたかを判定する。この手法で、コンピュータ処理装置は(a)撮像された、管腔内デバイスのX線不透過部(群)に対応するX線造影要素と(b)撮像された、他のX線造影要素との間を、区別することができる。たとえば、処理装置は、画像のシーケンスに属する所与の割合より少ない画像内の位置で撮像された可視の要素を判定することによって、管腔内デバイスのX線不透過部(群)の真の位置に対応するような位置を識別する。
【0037】
さらに代替的又は追加的に、コンピュータ処理装置は、可視の要素がX線画像のシーケンスのコースにわたって位置している位置のセットを識別し、統合された位置のセットとして見るとき、それは管腔の形状を有している。管腔内デバイスはX線画像のシーケンスのコースにわたり内腔に沿って移動したので、このような位置は、デバイスのX線不透過部(群)の真の位置に対応するものとして識別される。
【0038】
ここで
図3Cを参照すると、本発明のある適用例により、これは
図3Bに示す画像上でステップ86を実行した出力を示す。図示のように、ステップ86を適用した後で、ほぼ管腔の形状を有する白い部分92だけが画像内に現れており、一方他の白い部分(
図3Bの部分94)は除去されている。
【0039】
図2Aを再び参照して、ステップ56では、コンピュータ処理装置は、管腔内デバイスのX線不透過部(群)が置かれた位置のセットを使用して、血管に沿ったデバイスの管腔内経路を推定する。
図2Bを参照して、ある適用例では、曲線を識別するステップであるサブステップ88を実行することにより、ステップ56を実行する。曲線は、位置のセットを統合することにより得られる。ある適用例では、識別された位置の中心線が、曲線として識別される。
【0040】
上記で説明したように、ある適用例では、曲線を識別する前に、コンピュータ処理装置は、管腔内デバイスのX線不透過部が撮像された、識別された位置のセット上で、形態学的演算を実行する。たとえば、クロージング処理の演算が位置のセット上で実行され、曲線は閉じた位置のセットに基づいて識別される。ある適用例では、閉じた位置のセットの中心線が、曲線として識別される。サブステップ90において、デバイスの管腔内経路は識別された曲線に基づいて推定される。デバイスの管腔内経路は通常、曲線であるものとして推定される。
【0041】
上記で説明したように、ある適用例では、コンピュータ処理装置は、
図2Aのステップ54(すなわち、位置のセットを画定するステップ)を、対象者の生理的周期の所与の位相で管腔内デバイスの1つ又は複数のX線不透過部が撮像された位置のセットを画定することによって、実行する。このような適用例では、この位置のセットに基づいて、内腔を通るデバイスの管腔内経路が推定される。たとえば、位置のセットを画定する曲線が識別される。ある適用例では、識別された位置の中心線が、曲線として識別される。
【0042】
また上記で説明したように、ある適用例では、コンピュータ処理装置は、
図2Aのステップ54(すなわち、位置のセットを画定するステップ)を、管腔内デバイスのX線不透過部(群)の識別された位置のサブセットを識別することにより実行し、識別された位置のサブセットの各部分が、識別された位置のサブセットの他の少なくとも1つの部分から所与の距離の範囲内に置かれている。ある適用例では、識別された位置の識別されたサブセットに基づいて、内腔を通るデバイスの管腔内経路が推定される。たとえば、位置の識別されたサブセットを画定する曲線が識別される。ある適用例では、位置のサブセットの中心線が、曲線として識別される。
【0043】
ここで
図4を参照すると、本発明のある適用例に従って、
図4は内腔を通る管腔内デバイスの管腔内経路100を推定した例であり、この推定は
図3Cに示す画像内の管腔内デバイスのX線不透過部(群)の位置のセットに基づくものである。
図4に示す管腔内経路は、上記に記載の技術に従って、
図3Cで識別されたX線造影ガイドワイヤチップの閉じた位置のセットの中心線を識別することにより推定されたものである。
【0044】
ある適用例では、アルゴリズム的な演算がコンピュータ処理装置によって実行され、この演算は合成画像と同等のものが生成され(
図3Aに示す)、合成画像上で形態学的な演算が実行され(
図3Bに示す)、管腔内デバイスのX線不透過部(等)の真の位置が識別され(
図3Cに示す)、且つ/又は位置のセットを画定する曲線が識別されるものであることに留意されたい。こうしたアルゴリズム的な演算は、
図3Aから
図3Cに示すような画像及び/又は
図4に示す曲線が実際に表示されることなく、実行される。本明細書に説明する技術に従って、上記に説明した、実行されるアルゴリズム的な演算に基づいて、コンピュータ処理装置によって出力が生成される。
【0045】
図5A及び
図5Bを参照して、本発明の適用例により、
図5Aは血管の造影画像を示し、
図5Bは(a)手動入力を使用して血管造影画像から導出された血管の中心線102と、(b)血管を通る管腔内デバイスの推定された管腔内経路100との、両方が、血管造影画像上に重ね合わされた、血管の造影画像を示す。
図6もまた参照して、本発明の適用例により、(a)血管造影画像から導出された血管の中心線102と、(b)血管を通る管腔内デバイス26の推定された管腔内経路100との、両方が、合成され且つ画像処理された
図3Cの画像上に重ね合わされた図を示す。
【0046】
図5Aは、
図3Aに示す画像を生成するために、X線検査で撮像された血管と同じ血管造影画像であり、この血管造影画像は、血管内部に造影剤があるときに取得され、したがって
図5Aでは血管が可視である。曲線102は、
図5Bでは血管造影上に重ね合わされており、手動で導出された、すなわち可視の血管に基づいてユーザにより中心線の位置が導出された、可視の血管の中心線である。
図5及び
図6の両方において、血管造影画像から導出された血管の中心線102の形状と、推定された管腔内デバイスの管腔内経路100とが一致していることに注目されたい。
【0047】
経路100は、冠状動脈を通って移動していたガイドワイヤに対して推定されたことに留意されたい。冠状動脈は大幅な動きを受けるので、血管に沿ったガイドワイヤの管腔内経路は連続する曲線を画定しなかった。それにもかかわらず、
図5B及び
図6に示すように、本明細書に記述の技術を使用して推定された管腔内デバイスの経路は、管腔内デバイスがそれに沿って移動した管腔内経路の、合理的な推定を実現している。したがって、ある適用例では、本明細書に記載する1つ又は複数の技術に対して、推定される管腔内経路が使用される。
図2Aを参照して、通常、手順の最後となるステップ58において、推定された管腔内デバイスの管腔内経路に基づいて、出力が生成される。出力は通常、出力装置40、たとえばディスプレイ(
図1に示す)上に生成される。
【0048】
ある適用例では、コンピュータ処理装置28は、血管の長手方向の部分の物理的な長さと血管の長手方向の部分に対応する推定された管腔内経路の部分でのピクセル数との間の関係(たとえば、推定された管腔内経路に沿った1ピクセル当りの、血管に沿った長さ(mm))を求めることによって、管腔内デバイスの推定された管腔内経路を較正する。通常、画像内の管腔内デバイスの管腔内経路のそれぞれの長手方向の部分に関連する較正係数は、管腔外撮像装置に対してそれぞれの角度に置かれた血管のそれぞれの部分のために変わり、したがって、それに関連するそれぞれの短縮量を有することに留意されたい。したがって、コンピュータ処理装置は通常、デバイスの推定された管腔内経路のそれぞれの部分を短縮する程度を判定するように、推定された管腔内経路に沿って複数の局所の較正係数を確定する。
【0049】
ある適用例では、管腔内デバイスの推定された管腔内経路に沿った局所の較正要因を推定するために技術が使われ、この技術は一般に、本明細書に参照して組み入れられている米国特許出願公開第2014/0094691号(Steinberg)に記載されるロードマップの経路に沿った局所の較正係数を確定するための技術と同様である。
【0050】
ある適用例では、較正は、管腔内デバイスのX線不透過部(群)に関連する既知の寸法に基づいて実行される。たとえば、コンピュータ処理装置は、管腔内デバイスのX線不透過部の既知の長さ、及び/又は2つのX線不透過部間の既知の間隔を使用する。推定された管腔内経路は撮像されたX線不透過部に基づいて判定されるので、コンピュータ処理装置は、X線不透過部(群)がその位置に現れた画像内のX線不透過部(群)を識別し、画像内のX線不透過部(群)に関連する寸法を求めることによって、管腔内経路に沿った任意の所与の位置で、その位置に関連する較正係数を判定することができる。
【0051】
ある適用例では、X線不透過部(群)に関連する物理的寸法が既知でない場合でさえも、コンピュータ処理装置は、管腔内デバイスが推定された管腔内経路に沿って相対的な位置に置かれていたときに、所与のX線不透過部又はX線不透過部同士の間隔が占める相対的なピクセル数に基づいて、管腔内デバイスの推定された管腔内経路の長手方向の各部分の相対的な較正係数を判定する。
【0052】
ある適用例では、確定された較正係数に基づいて、ロードマップ画像のロードマップの経路に沿って定規が配置される。
【0053】
上記に記載したように、ある適用例では、管腔内デバイス26は、管腔内データ取得デバイスであり、デバイスが血管に沿って移動するときに、血管に沿ったそれぞれの位置で、血管内部からの各データのセットを取得するよう構成される。ある適用例では、管腔内データ取得デバイスは、IVUSプローブなどの撮像プローブである。ある適用例では、管腔内データ取得デバイスは、FFRプローブ及び/又はiFRプローブなど、画像以外の形態のデータを取得するプローブである。たとえば、このデータは、血圧、血流、温度、電気的活動、酸素、生化学的組成、又はその任意の組合せに関係するデータを含む。すなわち、ある適用例では、血管に沿ったそれぞれの位置で取得されたデータのセットは、その位置で取得された画像、及び/又はその位置において血管の機能上の特徴を示す位置で取得されるデータのセット(すなわち、機能上のデータのセット)である。
【0054】
あるこのような適用例では、コンピュータ処理装置28は、内腔を通るデバイスの推定された管腔内経路に沿ったそれぞれの位置に、管腔内のそれぞれのデータのセットを合せ込みする。たとえば、コンピュータ処理装置は、いつ所与の管腔内のデータのセットが取得されたか、いつX線画像のシーケンスに属するX線画像のうちの1枚が取得されたかを判断する。コンピュータ処理装置は、X線画像内の管腔内デバイスのX線不透過部(群)の位置に基づいて、管腔内デバイスの推定された管腔内経路に関連する管腔内のデータのセットの位置を導出する。
【0055】
ある適用例では、上記に説明した手法で、コンピュータ処理装置は、それぞれの管腔内データのセットを、ユーザが血管内腔の形状及び/又は位置の指示を入力する必要なしに、内腔を通る管腔内デバイスの推定された管腔内経路に沿ったそれぞれの位置に位置合せする。このような適用例では、コンピュータ処理装置は、ユーザの、管腔内データのセットの内腔経路への位置合せを実行したいという要望を示すユーザからの単一の入力に応答して、自動的に位置合せを実行する。
【0056】
ある適用例では、コンピュータ処理装置28は、管腔内データのセットを使用して、管腔内デバイスの推定された管腔内経路に沿ったそれぞれの位置での血管の直径を判定する。この手法で、コンピュータ処理装置は、たとえば、管腔内デバイスの推定された管腔内経路に関連する、血管内の病変(たとえば、部分的な閉塞)の位置を識別し、且つ/又はデバイスの推定された管腔内経路に関連する、血管の定量分析を実行する。ある適用例では、コンピュータ処理装置は、識別された病変の寸法を測定し、それに応答して病変のあるところに置くための器具(たとえば、ステント又は血管形成バルーン)が選択される。
【0057】
代替的又は追加的に、コンピュータ処理装置は、ディスプレイ上に血管の仮想表示を生成する。たとえば、コンピュータ処理装置は、管腔内デバイスの推定された管腔内経路を使用し、血管の形状に関する情報及び導出された血管の直径を提供し、血管に沿ったそれぞれの長手方向の位置での血管の直径に関する情報を提供する。
【0058】
ある適用例では、コンピュータ処理装置は、コンピュータ処理装置が受信した血管の造影画像から、血管の中心線の位置を導出する。それぞれの適用例に従って、管腔内デバイスが内腔に置かれる前に、管腔内デバイスが内腔に置かれているときに、又は管腔内デバイスが内腔から取り除かれた後に、血管造影画像が取得される。たとえば
図5は、その上に中心線が重ね合わされた血管造影画像から得られる中心線102を示す。
【0059】
中心線102は、手動で(すなわち、ユーザからの入力に基づいて)得られたことに留意されたい。ただしある適用例では、コンピュータ処理装置は、コンピュータ処理装置が受信した血管の造影画像から、血管の中心線の位置を自動的に導出する。たとえば、コンピュータ処理装置は、能動的な輪郭描画方法を用いて、推定された経路の曲線を入力として使用して、血管の中心線の位置を導出する。或いは、コンピュータ処理装置は、画像内の血管構造を表すグラフ上で最適化を実行する。
【0060】
代替的又は追加的に、コンピュータ処理装置は、ユーザから、血管の造影画像上の血管の中心線の位置の指示を受ける。たとえば、コンピュータ処理装置は、本明細書に参照して組み入れられている米国特許第8,781,193号(Steinberg)に記載の技術を使用して、血管の中心線の位置を導出する。ある適用例では、ユーザは、入力装置を使用して表示された血管造影画像上の血管の中心線の位置を示す。ある適用例では、コンピュータ処理装置は、自動画像処理ステップと組み合わせた手動入力に基づいて、コンピュータ処理装置が受信した血管の造影画像から、血管の中心線の位置を導出する。たとえば、自動的に導出された中心線が表示され、コンピュータは、ユーザが、自動的に導出された中心線上に局所的に訂正を行うことを可能にする。
【0061】
ある適用例では、コンピュータ処理装置は、管腔内デバイスの推定された管腔内経路の形状を、血管造影画像から(手動及び/又は自動で)得られた血管の中心線の形状に変形するための座標変換関数を確定する。たとえば、その両方の出願が本明細書に参照として組み入れられている米国特許出願公開第2010/0222671号(Cohen)及び/又は米国特許出願公開第2014/0094691号(Steinberg)に記載の技術を使用して、座標変換関数は確定される。この手法で、コンピュータ処理装置は、内腔を通るデバイスの推定された管腔内経路に沿ったそれぞれの位置を、内腔の血管造影画像内の内腔の中心線に沿ったそれぞれの位置に、合せ込みする。
【0062】
ある適用例では、コンピュータ処理装置は、上述の座標変換関数を使用して、管腔内デバイスの推定された管腔内経路に沿ったそれぞれの長手方向の位置と、血管造影画像から得られた血管の中心線に沿ったそれぞれの長手方向の位置との間の、一致度を判定する。上記記載のように、ある適用例では、コンピュータ処理装置28は、管腔内のそれぞれのデータのセットを、内腔を通るデバイスの推定された管腔内経路に沿ったそれぞれの位置に合せ込みする。あるこのような適用例では、後のステップにおいて、コンピュータ処理装置は、それぞれの管腔内データのセットを、血管造影画像から導出された血管の中心線に沿ったそれぞれの長手方向の位置に位置合せする。通常は、コンピュータ処理装置は、管腔内デバイスの推定された管腔内経路に沿ったそれぞれの長手方向の位置と、血管造影画像から得られた血管の中心線に沿ったそれぞれの長手方向の位置との間の、一致判定に基づいて、上述の位置合せするステップを実行する。すなわち、まずそれぞれの管腔内データのセットを推定された管腔内経路に沿ったそれぞれの位置に位置合せし、次いで、推定された管腔内経路を、血管の中心線に位置合せすることによって、管腔内データのセットの血管の中心線への位置合せが実行される。代替的に、直接、それぞれの管腔内データのセットの、血管の中心線に沿ったそれぞれの位置への位置合せが実行されることによって、管腔内データのセットの血管の中心線への位置合せが実行される。
【0063】
ある適用例では、上記に説明したように、コンピュータ処理装置は、ユーザが内腔の経路の形状及び/又は位置の指示を入力する必要なしに、それぞれの管腔内データのセットを、内腔を通る管腔内デバイスの推定された管腔内経路に沿ったそれぞれの位置へ位置合せする。代替的又は追加的に、コンピュータ処理装置は、上記に記載したように、それぞれの管腔内データのセットを、推定された管腔内経路を使用して得られた、自動的に導出された血管の中心線に沿ったそれぞれの位置に、位置合せする。ある適用例では、コンピュータ処理装置は、ユーザの、管腔内データのセットの、血管の中心線への位置合せを実行したいという要望を示すユーザからの単一の入力に応答して、本明細書に記載の位置合せ技術を使用して、自動的に位置合せを実行する。
【0064】
ある適用例では、それぞれの管腔内データのセットの、血管造影画像から導出された血管の中心線に沿った長手方向のそれぞれの位置への位置合せに基づいて、コンピュータ処理装置は、血管の中心線に関連する血管内の病変(たとえば、部分的な閉塞)の位置を識別する。ある適用例では、コンピュータ処理装置は、識別された病変の寸法を測定し、またオプションで、それに応答して病変のあるところに置く器具(たとえば、ステント又は血管形成バルーン)が選択される。
【0065】
ある適用例では、コンピュータ処理装置28は、血管の中心線に関連する血管の定量分析を実行する。ある適用例では、コンピュータ処理装置は、ディスプレイ上に血管の仮想表示を生成する。たとえば、コンピュータ処理装置は、血管造影画像から得られる血管の中心線を使用し、血管の形状に関する情報及び導出された血管の直径を提供し、血管の中心線に沿った長手方向のそれぞれの位置での血管の直径に関する情報を提供する。
【0066】
ある適用例では、管腔内経路100は、血管造影画像から(手動又は自動で)得られる血管の中心線を入力として使用することによって、少なくとも部分的に識別される。血管の中心線は通常、X線画像のシーケンスにわたる管腔内デバイスのX線不透過部(群)の識別された位置と組み合わせて使用される。たとえば、コンピュータ処理装置は、血管の中心線を、管腔内デバイスのX線不透過部(群)の識別される位置に最も適合させるために、最適な動作を実行する。
【0067】
ここで
図7を参照すると、これは本発明のある適用例による、(a)血管を通る管腔内デバイス26の推定された管腔内経路100、(b)推定された管腔内経路100に基づいて自動的に導出された血管の中心線104の両方が、血管造影画像上に重ね合わされた血管の造影画像を示す。
【0068】
ある適用例では、コンピュータ処理装置は、内腔を通る管腔内デバイスの推定された管腔内経路を、内腔の中心線の位置を判定するための入力として使用する。たとえば、コンピュータ処理装置は、血管の造影画像を受信し、血管を通る管腔内デバイスの推定された管腔内経路を、血管造影画像に関連する血管の中心線の位置を判定するための入力として使用する。上記で言及したように、
図5B及び
図6を参照して、血管の中心線の形状と、血管を通る管腔内デバイスの推定された管腔内経路とは、通常一致する。したがって、ある適用例では、コンピュータ処理装置は、推定された管腔内経路を、血管の中心線を推定するための入力として使用する。この手法で、血管の中心線は、ユーザからの入力を必要とせずに、自動的に確定される。
図7に見られるように、自動的に導出された中心線は、血管の中心線の位置の合理的な推定値を提供する。
【0069】
ある適用例では、血管を通る管腔内デバイスの推定された管腔内経路を、血管造影画像に対する血管の中心線の位置を判定するための入力として使用する、上記で説明した技術は、血管の中心線がその上に表示された複数の血管造影画像を生成する等のために、複数の血管造影画像に適用される。あるこのような適用例では、コンピュータ処理装置は、次いで、結果として得られる中心線の品質に基づいて、追加の処理ステップのために使用される(又は、ユーザに表示される)血管の中心線の1つを選択する。たとえば、中心線を選択するときに、コンピュータ処理装置は、入力画像と、結果として得られる中心線との間の形状の一致品質、及び/又は結果として得られる中心線に基づく画像内の血管値の強度を含む基準を、使用する。ある適用例では、コンピュータ処理装置は、ユーザが、使用する中心線を選択できるようにする。
【0070】
本明細書に記載のいくつかの技術は、主に管腔外透視/血管造影画像に関して説明されているが、本発明の範囲は、本明細書に記載の技術を必要な変更を加えて管腔外画像の他の形態に適用することを含むことに留意されたい。
【0071】
本明細書に記載のある適用例では、主に動脈に対して実行されるものとして説明しているが、本適用例の範囲は、脈管系、呼吸管、消化管、尿管、患者の体内の他のどんな好適な管腔構造の任意の内腔、又は患者の体内の他のどんな好適な解剖学的構造に対しても、同様の技術が必要な変更を加えて実行されることを含む。本明細書に記載の技術が適用される解剖学的構造の例は、冠状血管、冠状動脈病変、血管、血管病変、内腔、管腔病変、及び/又は弁を含む。
【0072】
本明細書に記載の本発明の適用例は、コンピュータが使用可能な又はコンピュータ可読の媒体(たとえば、非一時的なコンピュータが可読の媒体)からアクセス可能で、コンピュータによって又はコンピュータと共に使用されるプログラムコードを提供するコンピュータプログラムの形態、或いはコンピュータ処理装置28などの任意の命令実行システムの形態をとることができる。本説明では、コンピュータが使用可能な又はコンピュータが可読の媒体は、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって又はそれらと共に使用されるプログラムを含む、格納する、通信する、伝搬する、或いは転送することが可能な任意の装置であってもよい。媒体は、電子、磁気、光、電磁気、赤外線、若しくは半導体のシステム(又は装置又はデバイス)、或いは伝播媒体であってもよい。コンピュータが使用可能な又はコンピュータが可読の媒体は通常、非一時的なコンピュータが使用可能な又はコンピュータ可読の媒体である。
【0073】
コンピュータが可読の媒体の例は、半導体又は固体メモリ、磁気テープ、取り外し可能なコンピュータのフロッピーディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、剛性磁気ディスク、及び光ディスクを含む。光ディスクの例は、読み出し専用メモリのコンパクトディスク(CD-ROM)、読み/書きできるコンパクトディスク(CD-R/W)及びDVDを含む。
【0074】
プログラムコードを格納及び/又は実行するのに好適なデータ処理システムは、システムバスを介してメモリ部(たとえば、メモリ29)に直接的又は間接的に結合された少なくとも1つの処理装置(たとえば、コンピュータ処理装置28)を備える。メモリ部は、プログラムコードを実際に実行中使用されるローカルメモリ、大容量記憶装置、及び実行中に大容量記憶装置からコードを読み出さなければならない回数を低減させるための少なくともいくつかのプログラムコードの一時的な格納を提供するキャッシュメモリを含むことができる。システムは、プログラム記憶装置上の本発明の命令を読み取り、これらの命令に従って本発明の実施形態の手法を実行することができる。
【0075】
ネットワークアダプタは処理装置に結合され、プライベートネットワーク又はパブリックネットワークが介在することによって、この処理装置が、他の処理装置又は遠隔のプリンタ若しくは遠隔の記憶装置と結合されることを可能にする。モデム、ケーブルモデム、及びイーサネット(登録商標)カードが、ほんの少数の、現在入手可能な種類のネットワークアダプタである。
【0076】
本発明の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、スモールトーク、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、及びCプログラミング言語又は類似のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つ或いは複数のプログラミング言語の任意の組合せで書かれたものである。
【0077】
図2A及び2Bに示すフローチャートの各ブロック及びフローチャート内のブロックの組合せは、コンピュータのプログラム命令によって実施可能であることが理解されよう。こうしたコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置の処理部に提供され、機械を製造し、その結果コンピュータの処理部(たとえば、コンピュータ処理装置28)又は他のプログラム可能なデータ処理装置により実行される命令は、本出願に記載のフローチャート及び/又はアルゴリズムで指定された機能/動作を実施するための手段を作り出す。こうしたコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置を特定の手法で機能させることができるコンピュータが可読の媒体(たとえば、非一時的なコンピュータが可読の媒体)に格納され、コンピュータが可読の媒体に格納された命令は、フローチャートのブロック及びアルゴリズムの中で指定される機能/動作を実施する命令手段を含む製造物品を製造する。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされ、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置上で一連の動作ステップを実行させ、コンピュータに実施されるプロセスを生成し、その結果コンピュータ又は他のプログラム可能な装置上で実行される命令は、本出願に記載のフローチャート及び/又はアルゴリズムの中で指定される機能/動作を実施するためのプロセスを提供する。
【0078】
コンピュータ処理装置28は通常、専用コンピュータを製造するためのコンピュータのプログラム命令を使用してプログラムされたハードウェア装置である。たとえば、
図2A及び
図2Bを参照して説明されたアルゴリズムを実行するためにプログラムされるとき、コンピュータ処理装置28は通常、専用の経路推定装置であるコンピュータ処理装置として振る舞う。通常、コンピュータ処理装置28によって実行される本明細書に記載の動作は、実際の物理的な物品であるメモリ29の物理的状態を、使用されるメモリの技術に応じて、異なる磁気極性、電荷などを有するよう変えさせる。
【0079】
したがって、本発明のある適用例による、1つ又は複数のX線不透過部を備え、対象者の内腔を通って移動する管腔内デバイスを用いて使用する方法が提供され、この方法は、
X線撮像装置を使用し、管腔内デバイスが内腔を通って移動する間に、内腔が置かれている対象者の体の一部の、X線画像のシーケンスを取得するステップと、
少なくとも1つのコンピュータ処理装置を使用するステップと
を有し、コンピュータ処理装置を使用するステップは、
X線画像のシーケンスを分析することによって、管腔内デバイスの1つ又は複数のX線不透過部が、内腔を通って管腔内デバイスが移動する間に、撮像された位置を識別するステップと、
内腔を通って管腔内デバイスが移動する間に、管腔内デバイスの1つ又は複数のX線不透過部が置かれた位置のセットを、識別された位置に基づいて画定するステップと、
この位置のセットに基づいて、内腔を通るデバイスの管腔内経路を推定するステップと、
出力装置上に出力を生成するステップと
を有する、方法である。
【0080】
ある適用例では、内腔は、動きを受ける対象者の内腔を含み、管腔内経路を推定するステップは、動かされる内腔を通るデバイスの管腔内経路を推定するステップを有する。
【0081】
ある適用例では、この方法はさらに、推定された管腔内経路に基づいて、取得した追加画像と取得したX線画像のシーケンスとの間の対象者の体の一部の位置の変化を考慮に入れることによって、対象者の体の一部の現在の位置を、対象者の体の一部の追加画像に合せ込みするステップを有する。
【0082】
ある適用例では、この方法はさらに、コンピュータ処理装置を使い、複数のX線画像を分析することによって、内腔を通るデバイスの管腔内経路のそれぞれの部分を短縮する程度を判定するステップを有する。
【0083】
ある適用例では、内腔は、対象者の生理的周期の結果として周期的に動かされる内腔を含む。また位置のセットを画定するステップは、対象者の生理的周期の所与の位相で管腔内デバイスの1つ又は複数のX線不透過部が撮像された位置のセットを識別するステップを有する。
【0084】
ある適用例では、位置のセットを画定するステップは、
管腔内デバイスの1つ又は複数のX線不透過部が撮像された、識別された位置のサブセットを識別し、識別された位置のサブセットのそれぞれの部分が、識別された位置のサブセットの他の少なくとも1つの部分から所与の距離の範囲内に置かれているステップと、
識別された位置のサブセットを、内腔を通って管腔内デバイスが移動する間に、管腔内デバイスの1つ又は複数のX線不透過部が置かれていた位置のセットとして画定するステップと
を有する。
【0085】
ある適用例では、この方法はさらにコンピュータ処理装置を使用して、
内腔が可視である内腔の画像を受信するステップと、
受信した内腔の画像内で、内腔の中心線の指示を受信するステップと、
内腔を通るデバイスの推定された管腔内経路に沿ったそれぞれの位置を、受信した内腔の画像内の内腔の中心線に沿ったそれぞれの位置に、合せ込みするステップと
を有する。
【0086】
ある適用例では、この方法はさらにコンピュータ処理装置を使用して、
内腔が可視である内腔の画像を受信するステップと、
受信した内腔の画像内で、内腔の中心線の指示を受信するステップと、
内腔の中心線と共に位置のセットを使用して、内腔を通るデバイスの管腔内経路を推定するステップを有する、内腔を通るデバイスの管腔内経路を推定するステップと
を有する。
【0087】
ある適用例では、管腔内デバイスは、内腔に沿ったそれぞれの位置での複数の管腔内データのセットを取得するよう構成される、管腔内データ取得デバイス含み、この方法はさらにそれぞれの管腔内データのセットを、内腔を通るデバイスの推定された管腔内経路に沿ったそれぞれの位置に合せ込みするステップを有する。
【0088】
ある適用例では、この方法はさらにコンピュータ処理装置を使用して、
内腔が可視である内腔の画像を受信するステップと、
それぞれの管腔内データのセットを、内腔を通るデバイスの推定された管腔内経路に沿ったそれぞれの位置に合せ込みするステップに基づいて、それぞれの管腔内データのセットを、受信した画像内の内腔に沿ったそれぞれの位置に合せ込みするステップと
を有する。
【0089】
ある適用例では、この方法はさらに、それぞれの管腔内データのセットを、内腔を通るデバイスの推定された管腔内経路に沿ったそれぞれの位置に合せ込みするステップに基づいて、内腔を通るデバイスの推定された管腔内経路に沿ったそれぞれの位置で、内腔の直径を判定するステップを有する。
【0090】
ある適用例では、この方法はさらに、判定された内腔の直径に基づいて、内腔を通るデバイスの推定された管腔内経路に沿った病変の位置を識別するステップを有する。
【0091】
ある適用例では、位置のセットを画定するステップは、管腔内デバイスのX線不透過部が識別された画像を、互いに重ね合わせることによって、識別された位置が1組の統合された位置を形成する合成画像を生成するステップを有する。
【0092】
ある適用例では、位置のセットを画定するステップはさらに、X線画像のシーケンス内のX線不透過部の特徴が撮像された、合成画像内の1つ又は複数の位置が、管腔内デバイスのX線不透過部が置かれた位置に対応しないことを識別するステップと、位置のセットからその1つ又は複数の位置を除外するステップとを有する。
【0093】
ある適用例では、内腔を通るデバイスの管腔内経路を推定するステップは、合成画像内の位置のセットを画定する曲線を識別するステップと、内腔を通るデバイスの管腔内経路が、識別された曲線に沿っていることを推定するステップとを有する。
【0094】
ある適用例では、この方法はさらに、デバイスの推定された管腔内経路に基づいて、内腔の中心線の位置を推定するステップを有する。
【0095】
ある適用例では、内腔の中心線の位置を推定するステップは、
コンピュータ処理装置を使用して、内腔が可視である内腔の画像を受信するステップと、
デバイスの推定された管腔内経路を、中心線の位置を推定するための入力として使用し、受信した内腔の画像に関する中心線の位置を推定するステップと
を有する。
【0096】
ある適用例では、管腔内デバイスは、内腔に沿ったそれぞれの位置での複数の管腔内データのセットを取得するよう構成される、管腔内データ取得デバイス含み、この方法はさらにそれぞれの管腔内データのセットを推定された中心線に沿ったそれぞれの位置に合せ込みするステップを有する。
【0097】
ある適用例では、それぞれの管腔内データのセットを推定された中心線に沿ったそれぞれの位置に合せ込みするステップは、それぞれの管腔内データのセットを推定された中心線に沿ったそれぞれの位置に直接合せ込みするステップを有する。
【0098】
ある適用例では、それぞれの管腔内データのセットを、推定された中心線に沿ったそれぞれの位置に合せ込みするステップは、
それぞれの管腔内データのセットを、デバイスの推定された管腔内経路に沿ったそれぞれの位置に合せ込みするステップと、
推定された管腔内経路を、推定された中心線に合せ込みするステップと
を有する。
【0099】
本発明のある適用例に従って、
1つ又は複数のX線不透過部を備え、対象者の内腔を通って移動するよう構成される管腔内デバイスと、
管腔内デバイスが内腔を通って移動する間に、内腔が置かれている対象者の体の一部の、X線画像のシーケンスを取得するよう構成されるX線撮像装置と、
出力装置と、
少なくとも1つのコンピュータ処理装置と
を備え、このコンピュータ処理装置は、
X線画像のシーケンスを分析することによって、内腔を通って管腔内デバイスが移動する間に、管腔内デバイスの1つ又は複数のX線不透過部が撮像された位置を識別し、
内腔を通って管腔内デバイスが移動する間に、管腔内デバイスの1つ又は複数のX線不透過部が置かれた位置のセットを、識別された位置に基づいて画定し、
この位置のセットに基づいて、内腔を通るデバイスの管腔内経路を推定し、
出力装置上に出力を生成するよう構成される、
装置が、さらに提供される。
【0100】
ある適用例では、内腔は動きを受ける対象者の内腔を含み、コンピュータ処理装置は、動かされる内腔を通るデバイスの管腔内経路を推定するよう構成される。
【0101】
ある適用例では、コンピュータ処理装置は、推定された管腔内経路に基づいて、取得した追加画像と取得したX線画像のシーケンスとの間の対象者の体の一部の位置の変化を考慮に入れることによって、対象者の体の一部の現在の位置を、対象者の体の一部の追加画像に合せ込みするよう構成される。
【0102】
ある適用例では、コンピュータ処理装置は、複数のX線画像を分析することによって、内腔を通るデバイスの管腔内経路のそれぞれの部分を短縮する程度を判定するよう構成される。
【0103】
ある適用例では、内腔は、対象者の生理的周期の結果として周期的に動かされる内腔を含む。またコンピュータ処理装置は、対象者の生理的周期の所与の位相で管腔内デバイスの1つ又は複数のX線不透過部が撮像された位置のセットを識別することによって、位置のセットを画定するよう構成される。
【0104】
ある適用例では、コンピュータ処理装置は、
管腔内デバイスの1つ又は複数のX線不透過部が撮像された、識別された位置のサブセットを識別し、識別された位置のサブセットのそれぞれの部分が、識別された位置のサブセットの他の少なくとも1つの部分から所与の距離の範囲内に置かれ、
識別された位置のサブセットを、内腔を通って管腔内デバイスが移動する間に、管腔内デバイスの1つ又は複数のX線不透過部が置かれた位置のセットとして画定することによって、位置のセットを画定するよう構成される。
【0105】
ある適用例では、コンピュータ処理装置は、
内腔が可視である内腔の画像を受信し、
受信した内腔の画像内に、内腔の中心線の指示を受信し、
内腔を通るデバイスの推定された管腔内経路に沿ったそれぞれの位置を、受信した内腔の画像内の内腔の中心線に沿ったそれぞれの位置に、合せ込みするよう構成される。
【0106】
ある適用例では、コンピュータ処理装置は、
内腔が可視である内腔の画像を受信し、
受信した内腔の画像内に、内腔の中心線の指示を受信し、
内腔の中心線と共に位置のセットを使用して、内腔を通るデバイスの管腔内経路を推定することにより、内腔を通るデバイスの管腔内経路を推定するよう構成される。
【0107】
ある適用例では、管腔内デバイスは、内腔に沿ったそれぞれの位置での複数の管腔内データのセットを取得するよう構成される、管腔内データ取得デバイス含み、コンピュータ処理装置は、それぞれの管腔内データのセットを、内腔を通るデバイスの推定された管腔内経路に沿ったそれぞれの位置に合せ込みするよう構成される。
【0108】
ある適用例では、コンピュータ処理装置は、
内腔が可視である内腔の画像を受信し、
それぞれの管腔内データのセットの、内腔を通るデバイスの推定された管腔内経路に沿ったそれぞれの位置への合せ込みに基づいて、それぞれの管腔内データのセットを、受信した画像内の内腔に沿ったそれぞれの位置に合せ込みするよう構成される。
【0109】
ある適用例では、コンピュータ処理装置は、それぞれの管腔内データのセットの、内腔を通るデバイスの推定された管腔内経路に沿ったそれぞれの位置への合せ込みに基づいて、内腔を通るデバイスの推定された管腔内経路に沿ったそれぞれの位置で、内腔の直径を判定するよう構成される。
【0110】
ある適用例では、コンピュータ処理装置は、判定された内腔の直径に基づいて、内腔を通るデバイスの推定された管腔内経路に沿った病変の位置を識別するよう構成される。
【0111】
ある適用例では、コンピュータ処理装置は、管腔内デバイスのX線不透過部が識別された画像を、互いに重ね合わせることによって、識別された位置が1組の統合された位置を形成する合成画像を生成することにより、位置のセットを画定するよう構成される。
【0112】
ある適用例では、コンピュータ処理装置は、
X線画像のシーケンス内のX線不透過部の特徴が撮像された合成画像内の1つ又は複数の位置が、管腔内デバイスのX線不透過部が置かれた位置に対応しないことを識別し、
位置のセットからその1つ又は複数の位置を除外することにより、位置のセットを画定するよう構成される。
【0113】
ある適用例では、コンピュータ処理装置は、合成画像内の位置のセットを画定する曲線を識別し、内腔を通るデバイスの管腔内経路が識別された曲線に沿っていることを推定することにより、内腔を通るデバイスの管腔内経路を推定するよう構成される。
【0114】
ある適用例では、コンピュータ処理装置は、デバイスの推定された管腔内経路に基づいて、内腔の中心線の位置を推定するよう構成される。
【0115】
ある適用例では、コンピュータ処理装置は、
内腔が可視である内腔の画像を受信し、
デバイスの推定された管腔内経路を、中心線の位置を推定するための入力として使用し、受信された内腔の画像に関する中心線の位置を推定することによって、内腔の中心線の位置を推定するよう構成される。
【0116】
本発明のある適用例に従って、1つ又は複数のX線不透過部を備え、対象者の内腔を通って移動する管腔内デバイス、及び内腔を通る管腔内デバイスが移動する間に内腔が置かれた対象者の体の一部のX線画像のシーケンスを取得するよう構成されるX線撮像装置と共に使用されるコンピュータソフトウェア製品が、さらに提供される。このコンピュータソフトウェア製品は、プログラム命令が格納される非一時的なコンピュータ可読の媒体を備え、この命令は、コンピュータによって読み出されるとき、内腔を通って管腔内デバイスが移動する間に、管腔内デバイスの1つ又は複数のX線不透過部が撮像された位置を、X線画像のシーケンスを分析することによって識別するステップと、内腔を通って管腔内デバイスが移動する間に、管腔内デバイスの1つ又は複数のX線不透過部が置かれた位置のセットを、識別された位置に基づいて画定するステップと、内腔を通るデバイスの管腔内経路を位置のセットに基づいて推定するステップと、出力装置上に出力を生成するステップとを、コンピュータに実行させる。
【0117】
本発明のある適用例に従って、
管腔内データ取得デバイスが内腔の一部に沿って移動する間に、
管腔内データ取得デバイスを使用して、内腔に沿ったそれぞれの位置から複数の管腔内データのセットを取得するステップと、
管腔外撮像装置を使用して、内腔の内側にある管腔内デバイスの管腔外画像のシーケンスを取得するステップと、
少なくとも1つのコンピュータ処理装置を使用して、それぞれの管腔内データのセットを、ユーザが内腔の経路の形状の指示をコンピュータ処理装置に入力する必要なしに、内腔の経路に沿ったそれぞれの位置に位置合せするステップとを有する方法が、さらに提供される。
【0118】
本出願の範囲は、本明細書に記載の装置及び方法と、そのすべてが参照として本明細書に組み入れられている以下の出願のうちのいずれか1つに記載の装置及び方法との組合せを含む。
・2008年3月9日に出願された国際出願PCT/IL2008/000316(Iddan)(WO08/107905として公開)、名称「Imaging and tools for use with moving organs」
・2008年3月10日に出願された米国特許出願第12/075,252号(Iddan)(米国特許出願公開第2008/0221440号)、名称「Imaging and tools for use with moving organs」
・2009年6月18日に出願された国際出願PCT/IL2009/000610(Iddan)(WO09/153794として公開)、名称「Stepwise advancement of a medical tool」
・2009年6月18日に出願された米国特許出願第12/487,315号(Iddan)(米国特許第8,700,130号)、名称「Stepwise advancement of a medical tool」
・2009年11月18日に出願された米国特許出願第12/666,879号(Steinberg)(米国特許第8,781,193号)は、PCT出願PCT/IL2009/001089(Cohen)(WO10/058398として公開)、名称「Image processing and tool actuation for medical procedures」の米国国内段階である。
・2010年5月17日に出願された米国特許出願第12/781,366号(Cohen)(米国特許出願公開第2010/0222671号)、名称「Identification and presentation of device-to-vessel relative motion」
・2011年5月17日に出願された国際特許出願PCT/IL2011/000391(Cohen)(WO11/145094として公開)、名称「Identification and presentation of device-to-vessel relative motion」
・2011年9月8日に出願された米国特許出願第13/228,229号(Tolkowsky)(米国特許出願公開第2012/0004537号)は、2011年7月28日に出願された国際出願PCT/IL2011/000612(Tolkowsky)(WO12/014212として公開)、名称「Co-use of endoluminal data and extraluminal imaging」の継続出願である。
・米国特許出願第14/128,243号(Barzelay)(米国特許出願公開第2014/0140597号)は、2012年6月21日に出願された国際特許出願PCT/IL2012/000246(WO12/176191として公開)、名称「Luminal background cleaning」の米国国内段階である。
・2013年12月5日に出願された米国特許出願第14/097,922号(Steinberg)(米国特許出願公開第2014/0094691号)、名称「Co-use of endoluminal data and extraluminal imaging」は、2013年5月21日に出願された国際出願PCT/IL2013/050438(Steinberg)(WO13/175472として公開)、名称「Co-use of endoluminal data and extraluminal imaging」の継続出願である。
・2013年12月27日に出願された米国特許出願第14/142,082号(Tolkowsky)(米国特許出願公開第2014/0121513号)、名称「Determining a characteristic of a lumen by measuring velocity of a contrast agent」は、2013年6月26日に出願された国際出願PCT/IL2013/050549(Tolkowsky)(WO14/002095として公開)、名称「Flow-related image processing in luminal organs」の継続出願である。
・2015年4月2日に出願された、国際特許出願PCT/IL2015/050372(Klaiman)(WO15/155770として公開)、名称「Image analysis in the presence of a medical device」は、2014年4月10日に出願された米国仮特許出願第61/977,891号(Klaiman)、名称「Image analysis in the presence of a medical device」から優先権を主張する。
・2015年5月13日に出願された、国際特許出願PCT/IL2015/050509(Klaiman)(WO15/173821として公開)、名称「Object identification」は、2014年5月14日に出願された米国仮特許出願第61/993,123号(Klaiman)、名称「Image analysis in the presence of a medical device」から優先権を主張する。
【0119】
当分野の技術者であれば、本発明は、上記で特に示し、説明したものに限定されないことが理解されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、上記の様々な特徴の組合せ及び部分的組合せの両方、並びに当分野の技術者が前述の説明を読むとすぐに思いつく、従来技術にはないその変形形態及び修正形態を含む。