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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-11
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】車両用の撮影装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/02 20210101AFI20230512BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20230512BHJP
   G03B 17/55 20210101ALI20230512BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20230512BHJP
   G02B 7/04 20210101ALI20230512BHJP
   H04N 23/52 20230101ALI20230512BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20230512BHJP
   H04N 23/57 20230101ALI20230512BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20230512BHJP
【FI】
G03B17/02
G03B15/00 V
G03B17/55
G02B7/02 D
G02B7/02 Z
G02B7/04 E
H04N23/52
H04N23/50
H04N23/57
G03B30/00
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021088854
(22)【出願日】2021-05-27
(65)【公開番号】P2021131573
(43)【公開日】2021-09-09
【審査請求日】2021-05-27
(31)【優先権主張番号】202010479770.4
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020962160.5
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521208273
【氏名又は名称】阿波▲羅▼智▲聯▼(北京)科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】APOLLO INTELLIGENT CONNECTIVITY(BEIJING)TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】101, 1st Floor, Building 1, Yard 7, Ruihe West 2nd Road, Beijing Economic and Technological Development Zone, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ジンシェン・フー
(72)【発明者】
【氏名】ゾンタオ・ファン
(72)【発明者】
【氏名】ブォレイ・ワン
(72)【発明者】
【氏名】ルイ・レン
(72)【発明者】
【氏名】チェン・タン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャリー・チャン
(72)【発明者】
【氏名】イェンフー・チャン
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-537538(JP,A)
【文献】特開2008-165093(JP,A)
【文献】特開2015-182656(JP,A)
【文献】特開2011-155468(JP,A)
【文献】特開2017-165287(JP,A)
【文献】特開平09-106973(JP,A)
【文献】特開2019-207313(JP,A)
【文献】特開2001-249376(JP,A)
【文献】特開2015-113118(JP,A)
【文献】実開昭63-166141(JP,U)
【文献】国際公開第2017/110628(WO,A1)
【文献】特開2020-016862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/02
G03B 15/00
G03B 17/55
G02B 7/02-7/16
H04N 23/52
H04N 23/50
H04N 23/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用の撮影装置であって、
ベースと、
前記ベースに取り付けられるカメラと、
前記ベースに取り付けられ、且つ前記ベースに対して回転可能なレンズホルダーと、
前記レンズホルダーに取り付けられ、且つ前記カメラと対向して配置される透明レンズと、
前記レンズホルダーに接続され、前記ベースに対して前記レンズホルダーを回転駆動する駆動ユニットと、を含み、
前記ベースは、筒状部材及びカバープレートを含み、前記筒状部材は、チャンバーを有し、前記チャンバーの第1端を開口させるように前記筒状部材の第1端が開放して設置され、前記カバープレートは、前記チャンバーの第2端を覆うように前記筒状部材の第2端に設けられ、前記カメラは、前記カバープレートに取り付けられ且つ前記チャンバー内に位置し、前記レンズホルダーは、前記筒状部材の第1端に取り付けられて、前記透明レンズとともに前記チャンバーの第1端を覆い、
前記筒状部材の第1端に設けられる止め輪をさらに含み、前記レンズホルダーの一部が前記止め輪と筒状部材の第1端との間に挟持され、
前記止め輪に導水溝が設けられ、前記導水溝は、前記止め輪の周方向に延びる長さ、前記止め輪の径方向に延びる幅、及び前記止め輪の軸方向に延びる深さを有する、車両用の撮影装置。
【請求項2】
前記導水溝は複数であり、複数の前記導水溝は、前記止め輪の周方向に間隔をあけて配置される、請求項1に記載の車両用の撮影装置。
【請求項3】
前記駆動ユニットは、モータ、歯車及びリングギアを含み、前記モータは、前記カバープレートに取り付けられ、且つ前記チャンバー外に位置し、前記歯車は、前記チャンバー内に設けられ、且つ前記モータの出力軸に接続され、前記リングギアは、前記レンズホルダーに取り付けられ、且つ前記チャンバー内に設けられ、前記リングギアは、前記歯車と噛合する、請求項1または2に記載の車両用の撮影装置。
【請求項4】
前記駆動ユニットは、第1圧縮ガスノズル、及び前記レンズホルダーに取り付けられる複数のブレードを含み、前記第1圧縮ガスノズル及び前記ブレードは、前記チャンバー内に設けられ、前記第1圧縮ガスノズルは、前記ブレードに向けて圧縮ガスを噴射して前記ブレードを回転駆動することができる、請求項1または2に記載の車両用の撮影装置。
【請求項5】
車両用の撮影装置であって、
ベースと、
前記ベースに取り付けられるカメラと、
前記ベースに取り付けられ、且つ前記ベースに対して回転可能なレンズホルダーと、
前記レンズホルダーに取り付けられ、且つ前記カメラと対向して配置される透明レンズと、
前記レンズホルダーに接続され、前記ベースに対して前記レンズホルダーを回転駆動する駆動ユニットと、を含み、
前記ベースは、筒状部材及びカバープレートを含み、前記筒状部材は、チャンバーを有し、前記チャンバーの第1端を開口させるように前記筒状部材の第1端が開放して設置され、前記カバープレートは、前記チャンバーの第2端を覆うように前記筒状部材の第2端に設けられ、前記カメラは、前記カバープレートに取り付けられ且つ前記チャンバー内に位置し、前記レンズホルダーは、前記筒状部材の第1端に取り付けられて、前記透明レンズとともに前記チャンバーの第1端を覆い、
前記駆動ユニットは、第1圧縮ガスノズル、及び前記レンズホルダーに取り付けられる複数のブレードを含み、前記第1圧縮ガスノズル及び前記ブレードは、前記チャンバー内に設けられ、前記第1圧縮ガスノズルは、前記ブレードに向けて圧縮ガスを噴射して前記ブレードを回転駆動することができる、車両用の撮影装置。
【請求項6】
車両用の撮影装置であって、
ベースと、
前記ベースに取り付けられるカメラと、
前記ベースに取り付けられ、且つ前記ベースに対して回転可能なレンズホルダーと、
前記レンズホルダーに取り付けられ、且つ前記カメラと対向して配置される透明レンズと、
前記レンズホルダーに接続され、前記ベースに対して前記レンズホルダーを回転駆動する駆動ユニットと、を含み、
前記透明レンズは略筒状であり、前記レンズホルダーに第1環状溝が設けられ、前記透明レンズの第1端が前記第1環状溝内に嵌合され、前記ベースが前記透明レンズ内に設けられる、車両用の撮影装置。
【請求項7】
前記ベースに接続され且つ前記レンズホルダーと対向して配置されるガイドホルダーをさらに含み、前記ガイドホルダーに第2環状溝が設けられ、前記透明レンズの第2端が前記第2環状溝内に嵌合される、請求項6に記載の車両用の撮影装置。
【請求項8】
前記レンズホルダー及び前記ガイドホルダーは、いずれも略筒状であり、前記駆動ユニットは、出力軸が前記レンズホルダーに接続されるモータを含む、請求項7に記載の車両用の撮影装置。
【請求項9】
前記透明レンズの外側から前記透明レンズに向けて圧縮ガスを噴射することができる第2圧縮ガスノズルをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の車両用の撮影装置。
【請求項10】
前記透明レンズの内側から前記透明レンズに向けて圧縮ガスを噴射することができる第3圧縮ガスノズルをさらに含む、請求項1~3、6~8のいずれか一項に記載の車両用の撮影装置。
【請求項11】
前記第3圧縮ガスノズル内の圧縮ガスを加熱して除霜を行う加熱ユニットをさらに含む、請求項10に記載の車両用の撮影装置。
【請求項12】
前記透明レンズの外側から前記透明レンズに向けて洗浄液を噴射することができる洗浄液ノズルをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の車両用の撮影装置。
【請求項13】
前記洗浄液ノズルと組み合わせて前記透明レンズの表面の汚れを除去することができるワイパーユニットをさらに含む、請求項12に記載の車両用の撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、自動運転の技術分野に関し、具体的には、車両用の撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術では、車両が雨天で運転する場合、車外に配置されたカメラは、カメラのレンズに雨滴が付いていることによって収集した情報の結像に影響を与えてしまい、その結果、カメラのレンズによって収集された画像情報と実際の道路状況及び車両状況情報との間に差が生じ、交通信号及び障害物の認識が不正確となり、車両の自動運転システムに誤判断をさせ、乗客及び車両の安全を危うくし、同様に、レンズ表面の汚れも結像に影響を与え、運転安全性を脅かすことになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願は、レンズ表面の雨滴を随時除去でき、カメラの結像鮮明度が高く、運転安全上のリスクが低い車両用の撮影装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の実施例に係る車両用の撮影装置は、ベースと、前記ベースに取り付けられるカメラと、前記ベースに取り付けられ、且つ前記ベースに対して回転可能なレンズホルダーと、前記レンズホルダーに取り付けられ、且つ前記カメラと対向して配置される透明レンズと、前記レンズホルダーに接続され、前記ベースに対して前記レンズホルダーを回転駆動する駆動ユニットとを含む。
【発明の効果】
【0005】
本願の実施例に係る車両用の撮影装置によれば、ベースに対して回転可能なレンズホルダーを設置し、透明レンズをレンズホルダーに取り付け、ベースに対してレンズホルダーを回転駆動するための駆動ユニットを設置することで、駆動ユニットによりレンズホルダーを回転駆動して透明レンズを回転させ、透明レンズの回転の遠心力により透明レンズ上の雨滴を飛ばし、透明レンズ表面の優れた透光効果を維持し、カメラの鮮明な結像の信頼性を向上させることができ、運転中に透明レンズ表面の雨水を随時除去し、運転安全上のリスクを低減させることができる。
【0006】
この部分に記載されている内容は、本願の実施例の肝心又は重要な特徴を特定することを意図するものではなく、本願の範囲を限定することを意図するものでもないことを理解されたい。本願の他の特徴は、以下の明細書によって理解しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面は、本解決案をよりよく理解するために使用されるものであり、本願を限定するものではない。
図1】本願の第1実施例に係る車両用の撮影装置の模式図である。
図2図1中の車両用の撮影装置の断面図である。
図3図1中の車両用の撮影装置の側面図である。
図4図1中の車両用の撮影装置の端面図である。
図5図1中の車両用の撮影装置の背面図である。
図6】本願の第2実施例に係る車両用の撮影装置の側面図である。
図7図6中の車両用の撮影装置の端面図である。
図8】本願の実施例に係る車両用の撮影装置の止め輪の正面図である。
図9図8の車両用の撮影装置の止め輪の側面図である。
図10】本願の第3実施例に係る車両用の撮影装置の模式図である。
図11図10中の車両用の撮影装置の断面図である。
図12図10中の車両用の撮影装置の正面図である。
図13図10中の車両用の撮影装置の端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら本願の例示的な実施例を説明する。この説明には、理解を容易にするために本願の実施例の様々な詳細が含まれるが、これらは単に例示するものであると考えるべきである。したがって、当業者が本願の範囲及び精神を逸脱することなく、ここで記載される実施例に様々な変更や修正を行うことができることを認識すべきである。同様に、以下の説明では、周知の機能及び構造については、明確化及び簡明化のために説明を省略する。
【0009】
以下、図1~13を参照しながら本願の実施例に係る車両用の撮影装置を説明する。
【0010】
図1図13に示すように、本願の実施例に係る車両用の撮影装置1は、ベース10、カメラ20、レンズホルダー30、透明レンズ40及び駆動ユニット50を含む。
【0011】
図2及び図4に示すように、カメラ20は、ベース10に取り付けられ、レンズホルダー30は、ベース10に取り付けられ、且つベースに対して回転可能であり、透明レンズ40は、レンズホルダー30に取り付けられ、且つカメラ20と対向して配置され、駆動ユニット50は、レンズホルダー30に接続され、ベース10に対してレンズホルダー30を回転駆動する。具体的には、図2及び図4に示すように、カメラ20の後端がベース10に接続され、レンズホルダー30がカメラ20のレンズの前側に設けられることで、カメラ20が、レンズホルダー30に取り付けられる透明レンズ40を経由して鮮明に結像する。
【0012】
これによって、本願の実施例に係る技術案では、ベースに対して回転可能なレンズホルダーを設置し、透明レンズをレンズホルダーに取り付け、ベースに対してレンズホルダーを回転駆動するための駆動ユニットを設置することで、駆動ユニットによりレンズホルダーを回転駆動して透明レンズを回転させ、透明レンズの回転の遠心力により透明レンズ上の雨滴を飛ばし、透明レンズ表面の優れた透光効果を維持し、カメラの鮮明な結像の信頼性を向上させることができ、運転中に透明レンズ表面の雨滴を随時除去し、運転安全上のリスクを低減させることができる。
【0013】
いくつかの実施例では、図1~7に示すように、ベース10は、筒状部材101及びカバープレート102を含み、筒状部材101は、チャンバー1011を有し、チャンバー1011の第1端を開口させるように筒状部材101の第1端(図2に示される前端)が開放して設置される。カバープレート102は、筒状部材101の第2端(図2に示される後端)に設けられて、チャンバー1011の第2端を覆う。カメラ20は、カバープレート102に取り付けられ且つチャンバー1011内に位置する。レンズホルダー30は、筒状部材101の第1端に取り付けられて、透明レンズ40とともにチャンバー1011の第1端を覆う。
【0014】
具体的には、図1~7に示すように、筒状部材101は、前後方向に延びており、筒状部材101のチャンバー1011の後端が開口しており、筒状部材101の後端に、チャンバー1011の後端を覆うカバープレート102が設けられる。好ましくは、筒状部材101とカバープレート102とは、一体に形成され、即ち、ベース10は一体形成部材である。なお、筒状部材101とカバープレート102は2つの個別な部材であってもよく、筒状部材101とカバープレート102をそれぞれ形成した後、筒状部材101の後端にカバープレート102を接続してベース10を構成する。
【0015】
筒状部材101のチャンバー1011の前端が開口しており、レンズホルダー30が筒状部材101の前端(第1端)に取り付けられ、レンズホルダー30には、レンズホルダー30を前後方向に貫通する貫通孔が設けられ、透明レンズ40がこの貫通孔に取り付けられ且つ前後方向においてカメラ20と対向し、レンズホルダー30が透明レンズ40とともにチャンバー1011の前端を覆う。これによって、カバープレート、筒状部材、レンズホルダー及び透明レンズを用いて、相対的密閉された空間(チャンバー)を構成することができ、外部の水蒸気や塵埃がチャンバーに侵入することを回避することができ、チャンバー内のカメラは、結像が鮮明で、損傷し難い。
【0016】
いくつかの実施例では、図1~9に示すように、車両用の撮影装置1は、さらに止め輪60を含み、止め輪60は、筒状部材101の第1端に設けられ、レンズホルダー30の一部が止め輪60と筒状部材101の第1端との間に挟持される。これによって、止め輪と筒状部材との挟持により、レンズホルダーの前後方向における移動を阻止し、透明レンズ組立の信頼性を向上させることができる。図1に示される実施例では、止め輪60は円形輪であり、止め輪60の外形は、図1に示されるものに限定されず、具体的には、筒状部材101の開口形状に応じた止め輪60を設置できると理解されたい。
【0017】
いくつかの実施例では、図8及び図9に示すように、止め輪60に導水溝601が設けられ、導水溝601は、止め輪60の周方向に延びる長さ、止め輪60の径方向に延びる幅、及び止め輪60の軸方向に延びる深さを有する。換言すれば、導水溝601は、止め輪60の周方向に延びており、且つ止め輪60の軸方向において所定の深さを有する溝である。これによって、導水溝により、透明レンズから飛ばされた雨滴を撮影装置の外部にガイドすることができる。
【0018】
具体的には、図4図7図8及び図9に示すように、導水溝601は、止め輪60の周方向に延びて導水溝601の長さを形成し、導水溝601は、止め輪60の後端面から前へ延びて導水溝601の深さを形成し、且つ止め輪60の外周面から内方へ延びて導水溝601の幅を形成する。
【0019】
さらに、図1~9に示すように、導水溝601は複数であり、複数の導水溝601は、止め輪60の周方向に間隔をあけて配置される。これによって、導水溝の導水効率及び信頼性を向上させることができる。
【0020】
いくつかの実施例では、図4に示すように、駆動ユニット50は、モータ501、歯車502及びリングギア503を含み、モータ501は、カバープレート102に取り付けられ且つチャンバー1011外に位置し、歯車502は、チャンバー1011内に設けられ且つモータ501の出力軸に接続され、リングギア503は、レンズホルダー30に取り付けられ且つチャンバー1011内に設けられ、リングギア503は、歯車502と噛合する。具体的には、モータ501の前端が、カバープレート102の後端面に取り付けられ、モータ501の出力軸が、前へ延びてチャンバー1011内に入り、歯車502が、出力軸の前端に接続され、リングギア503が、レンズホルダー30の周方向に延びており、且つレンズホルダー30の後側面に設けられる。
【0021】
モータの出力軸は、歯車を回転させ、歯車とリングギアとの噛合を利用してリングギア503を回転駆動することができ、リングギアの回転によりレンズホルダーを回転させることができる。これにより、透明レンズがレンズホルダーとともに回転して透明レンズ表面の雨滴を飛ばす。
【0022】
また、図4に示される実施例では、ベース10、レンズホルダー30、止め輪60及び歯車502は、レンズホルダーが回転する時の撮影装置の部品の摩耗を低減させるように、自己潤滑性、耐摩耗性を有し且つ機械的特性に優れたエンジニアリングプラスチックを使用してもよい。透明レンズ40は、雨滴を飛ばしやすいように、球面状であってもよい。
【0023】
駆動ユニット50は、図1~4に示される実施例に限定されず、たとえば、別の実施例では、図6及び図7に示すように、駆動ユニット50は、第1圧縮ガスノズル504、及びレンズホルダー30に取り付けられる複数のブレード505を含み、第1圧縮ガスノズル504及びブレード505は、チャンバー1011内に設けられ、第1圧縮ガスノズル504は、ブレード505に圧縮ガスを噴射してブレード505を回転駆動することができる。これにより、第1圧縮ガスノズルによって噴射される圧縮ガスを動力として、ブレードを回転駆動し、ブレードによりレンズホルダーを回転させ、さらに透明レンズを回転させて雨滴を飛ばすことができる。また、第1圧縮ガスノズルによって噴射される圧縮ガスは、さらにチャンバー内の曇りを除去し、カメラの結像の鮮明度を向上させることができる。
【0024】
図7に示される実施例では、ベース10、レンズホルダー30及び止め輪60は、レンズホルダーが回転する時の撮影装置の部品の摩耗を低減させるように、自己潤滑性、耐摩耗性を有しかつ機械的特性に優れたエンジニアリングプラスチックを使用してもよい。
【0025】
ベース10及び透明レンズ40の構造は、図1~7に示される実施例に限定されず、たとえば、別の実施例では、図10~13に示すように、透明レンズ40は略筒状であり、レンズホルダー30に第1環状溝301が設けられ、透明レンズ40の第1端が第1環状溝301内に嵌合され、ベース10は透明レンズ40内に設けられる。具体的には、図10に示すように、透明レンズ40は、左右方向(図10に示される左右方向)に延びる筒状部材であり、カメラ20がベース10に取り付けられ、略筒状の透明レンズは、大きな透光範囲及び透光強度を有し、カメラの鮮明な結像に有利であり、レンズホルダー30が透明レンズ40の右端に取り付けられ、第1環状溝301がレンズホルダー30の周方向に延びており、且つ第1環状溝301が左に向けて開放し、透明レンズ40の右端が第1環状溝301に挿入可能である。これにより、レンズホルダーと透明レンズとの組立の容易性を向上させることができる。
【0026】
いくつかの実施例では、図10図11及び図13に示すように、車両用の撮影装置1は、ベース10に接続され且つレンズホルダー30と対向して配置されるガイドホルダー70をさらに含み、ガイドホルダー70に第2環状溝701が設けられ、透明レンズ40の第2端が前記第2環状溝701内に嵌合される。具体的には、ガイドホルダー70は、透明レンズ40の左端(第2端)に設けられ、ガイドホルダー70は、ベース10に取り付けられ、第2環状溝701がガイドホルダー70に周方向に延びており且つ右に向けって開放し、透明レンズ40の左端が第2環状溝701に挿入される。
【0027】
これにより、ガイドホルダーと透明レンズとの組立方式を簡易化することができ、また、第2環状溝により透明レンズの回転をガイドし、ガイドホルダー、透明レンズ及びレンズホルダーが、密閉された収容空間を構成することができ、透明レンズ内に設けられたカメラを水蒸気、塵埃から保護することができる。
【0028】
いくつかの実施例では、図10及び図11に示すように、レンズホルダー30及びガイドホルダー70は、いずれも略筒状であり、それによって略筒状の透明レンズ40にマッチングしやすい。駆動ユニット50は、モータ501を含み、モータ501の出力軸がレンズホルダー30に接続されて、レンズホルダー30を回転駆動し、レンズホルダー30が透明レンズ40を回転させて、透明レンズ40の表面の雨滴を飛ばすことができる。
【0029】
図10~13に示される実施例では、ベース10、レンズホルダー30及びレンズガイドホルダー70は、レンズホルダーが回転する時の撮影装置の部品の摩耗を低減させるように、自己潤滑性、耐摩耗性を有し且つ機械的特性に優れたエンジニアリングプラスチックを使用してもよい。
【0030】
いくつかの実施例では、車両用の撮影装置1は、透明レンズ40の外側から透明レンズ40に向けて圧縮ガスを噴射できる第2圧縮ガスノズル(図示せず)をさらに含む。それによって、第2圧縮ガスノズルによって噴射された圧縮ガスを利用して透明レンズの外面の汚れを吹き飛ばすことができ、カメラの鮮明な結像にさらに有利である。
【0031】
いくつかの実施例では、車両用の撮影装置1は、透明レンズの内側から透明レンズに向けて圧縮ガスを噴射できる第3圧縮ガスノズル(図示せず)をさらに含む。それによって、第3圧縮ガスノズルによって噴出された圧縮ガスを利用して撮影装置内部の曇りを除去し、結像の鮮明度をさらに向上させることができる。図6及び図7に示される実施例では、第3圧縮ガスノズルが設置されなくてもよく、第1圧縮ガスノズル504がブレード505を回転駆動するとともに、曇り除去の作用を果たすことができる。
【0032】
いくつかの特定実施例では、車両用の撮影装置1は、第3圧縮ガスノズル内の圧縮ガスを加熱して除霜を行う加熱ユニット(図示せず)をさらに含み、それによって透明レンズの表面に霜が生じることを回避する。
【0033】
いくつかの実施例では、車両用の撮影装置1は、透明レンズ40の外側から透明レンズ40に向けて洗浄液を噴射できる洗浄液ノズル(図示せず)をさらに含む。それによって、洗浄液を利用して透明レンズの外面の汚れを除去し、カメラの結像をさらに鮮明にすることができる。
【0034】
いくつかの実施例では、車両用の撮影装置1は、洗浄液ノズルと組み合わせて透明レンズ40の表面の汚れを除去できるワイパーユニット(図示せず)をさらに含む。ワイパーユニットによって、洗浄液を透明レンズの表面に均一に塗布できるだけでなく、ワイパーユニットが透明レンズの表面を往復払拭でき、洗浄液の洗浄効果を向上させることができることを理解されたい。
【0035】
以下、図1図5及び図8図9を参照しながら本願の一具体例に係る車両用の撮影装置を説明する。
【0036】
図1図2及び図4に示すように、車両用の撮影装置1は、ベース10、カメラ20、レンズホルダー30、透明レンズ40及び駆動ユニット50を含む。図2に示すように、ベース10は、前後方向(図2に示される前後方向)に延びる筒状部材101を含み、筒状部材101はチャンバー1011を有し、
筒状部材101のチャンバー1011の後端が開口しており、筒状部材101の後端に、チャンバー1011の後端を覆うカバープレート102が設けられる。
【0037】
筒状部材101のチャンバー1011の前端が開口しており、レンズホルダー30が筒状部材101の前端に取り付けられ、レンズホルダー30に、レンズホルダー30を前後方向に貫通する貫通孔が設けられ、透明レンズ40が該貫通孔に取り付けられ且つ前後方向においてカメラ20と対向しており、レンズホルダー30が透明レンズ40とともにチャンバー1011の前端を覆う。
【0038】
図2に示すように、車両用の撮影装置1は、筒状部材101の前端に取り付けられ且つレンズホルダー30の前側に位置する環状止め輪60を含み、レンズホルダー30のエッジが、環状止め輪60と筒状部材101の前端との間に介在して設けられ、図8図9に示すように、環状止め輪60には、止め輪60の周方向に延び、止め輪60の径方向に一定の幅を有し、前後方向に一定の深さを有する導水溝601が設けられ、導水溝601は複数であり、複数の導水溝601は、止め輪60の周方向に等間隔に配置される。
【0039】
図4に示すように、駆動ユニット50は、モータ501、歯車502及びリングギア503を含み、モータ501は、前端がカバープレート102の後端面に取り付けられ、出力軸が前に延びてチャンバー1011内に入っており、歯車502及びリングギア503は、いずれもチャンバー1011内に位置し、歯車502は出力軸の前端に接続され、リングギア503は、レンズホルダー30の周方向に延びており且つレンズホルダー30の後側面に接続され、歯車502はリングギア503と噛合する。
【0040】
以下、図6図9を参照しながら本願の別の実施例に係る車両用の撮影装置を説明する。
【0041】
図6図7に示すように、車両用の撮影装置1は、ベース10、カメラ20、レンズホルダー30、透明レンズ40、ブレード505及び第1圧縮ガスノズル504を含む。
【0042】
図7に示すように、ブレード505は、チャンバー1011内に位置し、ブレード505は、レンズホルダー30の周方向に配置され、且つレンズホルダー30の後側面に設けられ、第1圧縮ガスノズル504は、カバープレート102を貫通してカバープレート102に接続され、第1圧縮ガスノズル504は、前端がチャンバー1011内に位置し、後端がチャンバー1011から延出し、即ち、第1圧縮ガスノズル504の後端がベース10の外部に位置し、それによって外部通気装置とドッキングしやすくなる。第1圧縮ガスノズル504の前端に噴射口を有し、噴射口がブレード505に向けて開放する。
【0043】
図6及び図7に示される車両用の撮影装置のほかの構造及び操作は、図1図5に示される実施例と同じであってもよく、ここでは詳細説明を省略する。
【0044】
以下、図10図13を参照しながら本願のさらに別の実施例に係る車両用の撮影装置1を説明する。
【0045】
図10図13に示すように、車両用の撮影装置1は、ベース10、カメラ20、レンズホルダー30、透明レンズ40及びレンズガイドホルダー70を含む。図10図11に示すように、透明レンズ40は、左右方向(図10に示される左右方向)に延びる筒状部材であり、透明レンズ40の右端が開口しており、ガイドホルダー70は、右端開口を覆うように透明レンズ40の右端に取り付けられ、透明レンズ40の左端が開口しており、レンズホルダー30は、左端開口を覆うように透明レンズ40の左端に取り付けられる。ベース10は、透明レンズ40内に設けられ、ベース10の右端がガイドホルダー70に接続され、カメラ20はベース10に取り付けられる。
【0046】
図11に示すように、車両用の撮影装置1は、モータ501を含み、モータ501は、透明レンズ40内に位置し、且つベース10に取り付けられ、モータ501の出力軸がレンズホルダー30に接続される。
【0047】
図11図13に示すように、レンズホルダー30に第1環状溝301が設けられ、第1環状溝301は、レンズホルダー30の周方向に延びており、且つ右に向けて開放し、透明レンズ40の左端が第1環状溝301に挿入される。
【0048】
図11及び図13に示すように、ガイドホルダー70に第2環状溝701が設けられ、第2環状溝701は、ガイドホルダー70の周方向に延びており、且つ左に向けて開放し、透明レンズ40の右端が第2環状溝701に挿入される。
【0049】
なお、本願の説明では、用語「前」、「後」、「内」、「外」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」等で示される方位又は位置関係は、図示に基づく方位又は位置関係であり、単に本願を簡潔に説明するためのものであり、係る装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作されることを指示又は暗示するものではないため、本願を限定するものであると理解してはならない。
【0050】
また、用語「第1」、「第2」は単に説明する目的であるが、相対的な重要性を指示又は暗示したり指示される技術特徴の数を暗黙的に指示したりするものではないと理解すべきである。それによって、「第1」、「第2」で限定される特徴は少なくとも1つの該特徴を明示的又は暗黙的に含んでもよい。本願の説明では、特に断らない限り、「複数」の意味は少なくとも2つであり、たとえば2つ、3つ等が挙げられる。
【0051】
本願では、ほかの明確な規定及び限定がない限り、用語「取り付け」、「接続」、「接続」、「固定」等の用語は広義に理解すべきであり、たとえば、固定接続、取り外し可能な接続、又は一体化であってもよいし、機械的接続、電気的接続又は相互通信可能な接続であってもよく、直接接続、中間媒体を介する間接接続であってもよいし、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて、本願における上記用語の具体的な意味を理解できる。
【0052】
本願では、ほかの明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあるとは、第1と第2特徴が直接接触することであってもよく、又は第1と第2特徴が中間媒体を介して間接接触することであってもよい。そして、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」及び「上面」にあるとは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上にあることであってもよく、又は第1特徴の水平高さが第2特徴よりも高いだけを示すことであってもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」及び「下面」にあるとは、第1特徴が第2特徴の真下又は斜め下にあることであってもよく、又は第1特徴の水平高さが第2特徴よりも小さいだけを示すことであってもよい。
【0053】
本明細書の説明では、用語「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」、又は「いくつかの例」等を参照しながら行われた説明とは、該実施例又は例を参照しながら説明される具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書では、上記用語の例示的な表現は必ずしも同じ実施例又は例を対象とするものではない。そして、説明される具体的な特徴、構造、材料又は特性は任意の1つ又は複数の実施例又は例において適宜組み合わせることができる。また、相互に矛盾しない限り、当業者は本明細書に説明される異なる実施例又は例及び異なる実施例又は例の特徴を結合したり組み合わせたりすることができる。
【0054】
上記具体的な実施形態は、本願の保護範囲を限定するものではない。当業者であれば、設計要件及びほかの要因に応じて、様々な変更、組み合わせ、サブ組み合わせ、及び置換を行うことができる。本願の精神及び原則の範囲内で行われたあらゆる変更、同等の置換、及び改良は、全て本願の保護範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0055】
1 車両用の撮影装置
10 ベース
101 筒状部材
1011 チャンバー
102 カバープレート
20 カメラ
30 レンズホルダー
301 第1環状溝
40 透明レンズ
50 駆動ユニット
501 モータ
502 歯車
503 リングギア
504 第1圧縮ガスノズル
505 ブレード
60 止め輪
601 導水溝
70 ガイドホルダー
701 第2環状溝。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13