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特許7278358MLPE太陽光発電システム及びその太陽光発電ストリングの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-11
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】MLPE太陽光発電システム及びその太陽光発電ストリングの制御方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20230512BHJP
【FI】
H02M7/48 M
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021181219
(22)【出願日】2021-11-05
(65)【公開番号】P2022077509
(43)【公開日】2022-05-23
【審査請求日】2021-11-05
(31)【優先権主張番号】202011252428.7
(32)【優先日】2020-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515249628
【氏名又は名称】サングロー パワー サプライ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ユ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ユキ ペン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン シュー
【審査官】町田 舞
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-501495(JP,A)
【文献】特開2018-124166(JP,A)
【文献】特表2010-521720(JP,A)
【文献】特表2015-532983(JP,A)
【文献】特表2016-506227(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0252860(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/00-7/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MLPE太陽光発電システムの制御ユニットに適用されるMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法であって、
前記MLPE太陽光発電システム内の各太陽光発電ストリングの出力電流を検出するステップと、
前記MLPE太陽光発電システムにストリング電流が不均衡である状況が発生したかどうかを判断するステップと、
判断結果がYESである場合、前記MLPE太陽光発電システム内の同一のインバータに接続されており、並列接続された各太陽光発電ストリングに対して、出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧を低くするように制御し、又は、出力電流の小さい太陽光発電ストリングの電圧を高くするように制御することで、逆流電流を所定範囲内に低減するステップであって、前記逆流電流は、出力電流の大きい太陽光発電ストリングに発生した、出力電流の小さい太陽光発電ストリングに流入する電流であるステップと、を含み、
前記インバータは、接続された各太陽光発電ストリングの電流を個別にサンプリングすることを特徴とするMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法。
【請求項2】
前記インバータに出力電力がある場合、前記出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧を低くするように制御するステップは、
前記インバータの入力端の電流を制御することで、前記インバータの入力端の直流電圧を低減するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法。
【請求項3】
前記逆流電流を所定範囲内に低減した後、
前記逆流電流が所定範囲内にある場合、各太陽光発電ストリングが最大電力点追従を実現できるように、前記インバータの入力端の電流を制御するステップをさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法。
【請求項4】
前記太陽光発電ストリング内のMLPE機器が、制御可能な出力状態を持つ機器である場合、前記出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧を低くするように制御するステップは、
出力電流の大きい太陽光発電ストリング内の少なくとも1つのMLPE機器を出力制限状態になるように制御するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法。
【請求項5】
前記MLPE機器の出力状態は、正常出力状態及び出力制限状態を含み、
前記出力制限状態は、出力停止状態であることを特徴とする請求項4に記載のMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法。
【請求項6】
前記逆流電流を所定範囲内に低減した後、
前記逆流電流は所定範囲内にある場合、出力制限状態にあるMLPE機器の数を動的に調整するステップをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載のMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法。
【請求項7】
前記太陽光発電ストリング内のMLPE機器が、制御可能な出力電圧を持つ機器である場合、前記出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧を低くするように制御するステップは、
出力電流の大きい太陽光発電ストリング内の少なくとも1つのMLPE機器を降圧動作状態になるように制御するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法。
【請求項8】
前記太陽光発電ストリング内のMLPE機器が、制御可能な出力電圧を持つ機器である場合、前記出力電流の小さい太陽光発電ストリングの電圧を高くするように制御するステップは、
出力電流の小さい太陽光発電ストリング内の少なくとも1つのMLPE機器を昇圧動作状態になるように制御するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法。
【請求項9】
前記MLPE太陽光発電システムにストリング電流が不均衡である状況が発生したかどうかを判断するステップは、
各前記出力電流に基づいて、同一のインバータに接続されており、並列接続された各太陽光発電ストリングの出力電流が、完全に同じではないかどうかを判断するステップを含むことを特徴とする請求項に記載のMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法。
【請求項10】
同一のインバータに接続されており、並列接続された各太陽光発電ストリングの出力電流が完全に同じではないかどうかを判断した後、
同一のインバータに接続されており、並列接続された各太陽光発電ストリングの出力電流が完全に同じではない場合、出力電流の小さい太陽光発電ストリングが受ける逆流電流が、そのMLPE機器が耐えられる最大逆流電流値を超えたかどうかを判断するステップをさらに含むことを特徴とする請求項に記載のMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法。
【請求項11】
前記所定範囲は、前記MLPE太陽光発電システム内の各MLPE機器が耐えられる最大逆流電流値以下の範囲であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法。
【請求項12】
制御ユニット、少なくとも1つのインバータ及び少なくとも2つの太陽光発電ストリングを含むMLPE太陽光発電システムであって、
前記インバータの直流母線には少なくとも2つの太陽光発電ストリングが並列接続され、
各前記太陽光発電ストリング内には少なくとも1つの太陽光発電ブランチが含まれ、各前記太陽光発電ブランチの出力端は、対応する前記太陽光発電ストリングの出力端の2つの極の間に直列接続され、
前記太陽光発電ブランチには、MLPE機器、及び前記MLPE機器の入力端に接続された少なくとも1つの太陽光発電コンポーネントが含まれ、
前記制御ユニットは、各前記MLPE機器に通信接続され、請求項1から11のいずれか1項に記載のMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法を実行することを特徴とするMLPE太陽光発電システム。
【請求項13】
前記MLPE機器は、遮断装置又はオプティマイザであることを特徴とする請求項12に記載のMLPE太陽光発電システム。
【請求項14】
前記制御ユニットは、前記インバータの内部コントローラであることを特徴とする請求項12又は13に記載のMLPE太陽光発電システム。
【請求項15】
前記制御ユニットは、前記MLPE太陽光発電システムのシステムコントローラであることを特徴とする請求項12又は13に記載のMLPE太陽光発電システム。
【請求項16】
前記制御ユニットは、前記MLPE太陽光発電システムにおける各直流母線上の独立したコントローラであることを特徴とする請求項12又は13に記載のMLPE太陽光発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電の技術分野に関し、特に、MLPE太陽光発電システム及びその太陽光発電ストリングの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、図1に示すように、太陽光発電システムでは、一般的に、2つ(例えば、図1における第1太陽光発電ストリング及び第2太陽光発電ストリング)又はそれ以上(図示せず)の太陽光発電ストリングの出力端を、インバータに並列接続し、そのため、太陽光発電システムにおけるある1つの太陽光発電ストリングには異常がある場合、正常の太陽光発電ストリングは、逆流電流を異常の太陽光発電ストリングに印加し、太陽光発電ストリングに発生する異常は、一般的に、ストリングにおける太陽光発電コンポーネントの数が少ない、一部の太陽光発電コンポーネントが陰で遮られている、一部の太陽光発電コンポーネントが故障している、一部の太陽光発電コンポーネントに対応する遮断装置又はオプティマイザが出力制限状態にある、などである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば、図1に示すように、第1太陽光発電ストリングが異常状態である場合、正常状態にある第2太陽光発電ストリングは、第1太陽光発電ストリングに流入する逆流電流(図1における電流Ibで示す)を発生させる。
【0004】
通常、太陽光発電コンポーネントの逆電流に耐える能力は比較的強く、上記の逆流電流現象が発生しても、太陽光発電コンポーネントに損傷を与えることがない。しかし、MLPE(Module Level Power Electronics、モジュールレベルパワーエレクトロニクス)機器の普及に伴い、MLPE機器(図1における遮断装置/オプティマイザ)が搭載された太陽光発電システムも増加しており、MLPE機器の逆流電流に耐える能力は比較的弱く、極端な場合には、定格電流の30%の逆流電流であっても、MLPE機器に損傷を与える。従って、MLPE以外の太陽光発電システムでは元々リスクのない逆流電流は、MLPE太陽光発電システムの潜在的なリスクになり、MLPE太陽光発電システムにおけるMLPE機器を保護するために、太陽光発電ストリングの逆流電流を効果的に制限する方法が緊急に必要とされる。
【0005】
これを考慮して、本発明の実施例は、MLPE太陽光発電システムにおけるMLPE機器を保護するために、MLPE太陽光発電システム及びその太陽光発電ストリングの制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を実現するために、本発明の実施例は以下の技術案を提供する。
本発明の第1態様は、MLPE太陽光発電システムの制御ユニットに適用されるMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法を提供し、前記MLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法は、
前記MLPE太陽光発電システム内の各太陽光発電ストリングの出力電流を検出するステップと、
前記MLPE太陽光発電システム内の同一のインバータに接続されており、並列接続された各太陽光発電ストリングに対して、出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧を低くするように制御し、又は、出力電流の小さい太陽光発電ストリングの電圧を高くするように制御することで、逆流電流を所定範囲内に低減するステップと、を含む。
【0007】
好ましくは、前記インバータには出力電力がある場合、前記出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧を低くするように制御するステップは、
前記インバータの入力端の電流を制御することで、前記インバータの入力端の直流電圧を低減するステップを含む。
【0008】
好ましくは、前記逆流電流を所定範囲内に低減した後、
前記逆流電流が所定範囲内にある場合、各太陽光発電ストリングが最大電力点追従を実現できるように、前記インバータの入力端の電流を制御するステップをさらに含む。
【0009】
好ましくは、前記太陽光発電ストリング内のMLPE機器が制御可能な出力状態を持つ機器である場合、前記出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧を低くするように制御するステップは、
出力電流の大きい太陽光発電ストリング内の少なくとも1つのMLPE機器を出力制限状態になるように制御するステップを含む。
【0010】
好ましくは、前記MLPE機器の出力状態は、正常出力状態及び出力制限状態を含み、
前記出力制限状態は、出力停止状態である。
【0011】
好ましくは、前記逆流電流を所定範囲内に低減した後、
前記逆流電流が所定範囲内にある場合、出力制限状態にあるMLPE機器の数を動的に調整するステップをさらに含む。
【0012】
好ましくは、前記太陽光発電ストリング内のMLPE機器が、制御可能な出力電圧を持つ機器である場合、前記出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧を低くするように制御するステップは、
出力電流の大きい太陽光発電ストリング内の少なくとも1つのMLPE機器を降圧動作状態になるように制御するステップを含む。
【0013】
好ましくは、前記太陽光発電ストリング内のMLPE機器が、制御可能な出力電圧を持つ機器である場合、前記出力電流の小さい太陽光発電ストリングの電圧を高くするように制御するステップは、
出力電流の小さい太陽光発電ストリング内の少なくとも1つのMLPE機器を昇圧動作状態になるように制御するステップを含む。
【0014】
好ましくは、前記MLPE太陽光発電システム内の各太陽光発電ストリングの出力電流を検出した後、
前記MLPE太陽光発電システムには、ストリング電流不均衡である状況が発生したかどうかを判断するステップと、
判断結果がYESである場合、前記MLPE太陽光発電システム内の同一のインバータに接続されており、並列接続された各太陽光発電ストリングに対して、出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧を低くするように制御し、又は、出力電流の小さい太陽光発電ストリングの電圧を高くするように制御することで、前記逆流電流を所定範囲内に低減することを実行するステップと、をさらに含む。
【0015】
好ましくは、前記MLPE太陽光発電システムにはストリング電流が不均衡である状況が発生したかどうかを判断するステップは、
各前記出力電流に基づいて、同一のインバータに接続されており、並列接続された各太陽光発電ストリングの出力電流が、完全に同じではないかどうかを判断するステップを含む。
【0016】
好ましくは、同一のインバータに接続されており、並列接続された各太陽光発電ストリングの出力電流が、完全に同じではないかどうかを判断した後、
同一のインバータに接続されており、並列接続された各太陽光発電ストリングの出力電流が完全に同じではない場合、出力電流の小さい太陽光発電ストリングが受ける逆流電流が、そのMPLE機器が耐えられる最大逆流電流値を超えたかどうかを判断するステップをさらに含む。
【0017】
好ましくは、前記所定範囲は、前記MLPE太陽光発電システム内の各MPLE機器が耐えられる最大逆流電流値以下の範囲である。
【0018】
本発明の第2態様は、制御ユニット、少なくとも1つのインバータ及び少なくとも2つの太陽光発電ストリングを含むMLPE太陽光発電システムを提供し、
前記インバータの直流母線には少なくとも2つの太陽光発電ストリングが並列接続され、
各前記太陽光発電ストリング内には少なくとも1つの太陽光発電ブランチが含まれ、各前記太陽光発電ブランチの出力端は、対応する前記太陽光発電ストリングの出力端の2つの極の間に直列接続され、
前記太陽光発電ブランチには、MLPE機器、及びその入力端に接続された少なくとも1つの太陽光発電コンポーネントが含まれ、
前記制御ユニットは各前記MLPE機器に通信接続され、上記のいずれか1項に記載のMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法を実行する。
【0019】
好ましくは、前記MLPE機器は、遮断装置又はオプティマイザである。
【0020】
好ましくは、前記制御ユニットは、前記インバータの内部コントローラである。
【0021】
好ましくは、前記制御ユニットは、前記MLPE太陽光発電システムのシステムコントローラである。
【0022】
好ましくは、前記制御ユニットは、前記MLPE太陽光発電システムにおける各直流母線上の独立したコントローラである。
【0023】
上記の本発明の実施例によって提供されるMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法は、MLPE太陽光発電システムの制御ユニットに適用され、まず、MLPE太陽光発電システム内の各太陽光発電ストリングの出力電流を検出し、次に、当該MLPE太陽光発電システム内の同一のインバータに接続されており、並列接続された各太陽光発電ストリングに対して、制御ユニットは、出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧を低くするように制御し、又は、出力電流の小さい太陽光発電ストリングの電圧を高くするように制御することで、逆流電流を所定範囲内に低減し、各MLPE機器がそれに耐えられることを確保する。つまり、本発明の実施例によって提供される太陽光発電ストリングの制御方法は、MLPE太陽光発電システムの観点から、ハードウェアコストを増加させず、対応する太陽光発電ストリングの電圧変化を制御することで、逆流電流に対する制限を実現し、MLPE太陽光発電システム内の各MLPE機器を効果的に保護する。
【0024】
本発明の実施例又は従来技術における技術案をより明確に説明するために、以下は、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の説明における図面は、本発明の実施例のみであり、当業者にとって、進歩性に値する労働をしない前提で、提供された図面に基づいて、他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】従来技術において、MLPE機器が搭載された太陽光発電システムの構成模式図である。
図2】従来技術において、MLPE機器が遮断装置である構成模式図である。
図3】本発明の実施例によるMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法のフローチャートである。
図4】本発明の実施例によるMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法において、出力電流の大きい太陽光発電ストリング及び出力電流の小さい太陽光発電ストリングのIV曲線図である。
図5】本発明の実施例によるMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法において、出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧を低くするように制御した後、出力電流の大きい太陽光発電ストリング及び出力電流の小さい太陽光発電ストリングのIV曲線図である。
図6】従来技術において、MLPE機器の逆流電流に耐える能力を向上させる太陽光発電コンポーネントの遮断保護回路の構成模式図である。
図7】本発明の別の実施例によるMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法のフローチャートである。
図8】本発明の別の実施例によるMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法のフローチャートである。
図9】本発明の別の実施例によるMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法において、MLPE機器がオプティマイザである構成模式図である。
図10】本発明の別の実施例によるMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法において、MLPE機器が別のオプティマイザである構成模式図である。
図11】本発明の別の実施例によるMLPE太陽光発電システムの構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施例の図面を参照して、本発明の実施例の技術案を明確且つ完全に説明し、明らかに、説明された実施例は全ての実施例ではなく、本発明の実施例の一部に過ぎない。本発明の実施例に基づいて、当業者が進歩性に値する労働をせずに取得した他の全ての実施は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0027】
本出願において、用語「含む」、「包含」又はそれらの他の任意の変形は、非排他的な包含を含むことを意図し、それにより、一連の要素を含む過程、方法、品物又は機器は、それらの要素だけでなく、明確に列挙されていない他の要素を含み、或いは、このような過程、方法、品物又は設備に固有の要素を含む。これ以上の制限がない場合、「・・・を含む」という文で定義された要素は、当該要素を含む過程、方法、品物又は設備には他の同じ要素もあることを除外するものではない。
【0028】
実際の応用において、従来技術の図1に示すMLPE太陽光発電システム内のMLPE機器は、遮断装置であってもよいし、オプティマイザであってもよいが、それらの逆流電流に耐える能力はいずれも比較的弱い。例えば、図1のMLPE機器が遮断装置である場合、当該遮断装置の構成模式図は、図2に示され、逆流電流は、半導体スイッチ(図2のQ1で示す)のバイパスダイオードを介して、対応する太陽光発電コンポーネントに流れ込み、当該バイパスダイオードは通常、電流容量が低く、逆流電流によって損傷されやすい。
【0029】
従って、本発明の実施例は、MLPE太陽光発電システムにおけるMLPE機器を保護するために、MLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法を提供する。
【0030】
当該MLPE太陽光発電システムは、図11に示すように、制御ユニット110、少なくとも1つのインバータ120、及び少なくとも2つの太陽光発電ストリングを含み、各インバータ120の直流母線には少なくとも2つの太陽光発電ストリング(図11に示される第1太陽光発電ストリング及び第2太陽光発電ストリング)が並列接続され、各太陽光発電ストリングには少なくとも1つの太陽光発電ブランチが含まれ、各太陽光発電ブランチの出力端は、対応する太陽光発電ストリングの出力端の2つの極の間に直列接続され、太陽光発電ブランチにはMLPE機器、及びその入力端に接続された少なくとも1つの太陽光発電コンポーネント(図11の210で示される)が含まれ、制御ユニット110は各MLPE機器に通信接続され、当該MLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法を実行する。当該制限方法のフローチャートは図3に示すように、以下のステップを含む。
S101:MLPE太陽光発電システム内の各太陽光発電ストリングの出力電流を検出する。
【0031】
実際の応用において、各太陽光発電ストリングに対する監視及びIV曲線の走査を実現するために、MLPE太陽光発電システム内のインバータは一般的に、例えば、図10に示す電流サンプリングユニットCS1及びCS2を介して、各太陽光発電ストリングの電流を個別にサンプリングし、これにより、当該ステップを実現するために任意のハードウェア機器を別に追加する必要がない。ただし、インバータが各太陽光発電ストリングの電流の個別の検出をサポートしていない場合、電流検出ハードウェアを別に追加することで、MLPE太陽光発電システム内の各太陽光発電ストリングの出力電流に対する検出を実現することができる。
【0032】
S102:MLPE太陽光発電システム内の同一のインバータに接続されており、並列接続された各太陽光発電ストリングに対して、出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧を低くするように制御し、又は、出力電流の小さい太陽光発電ストリングの電圧を高くするように制御することで、逆流電流を所定範囲内に低減する。
【0033】
当該所定範囲は、MLPE太陽光発電システム内の各MPLE機器が耐えられる最大逆流電流値以下の範囲である。
【0034】
正常の場合、同一のインバータに接続された複数の太陽光発電ストリングの出力端は並列接続されているため、同一のインバータに並列接続された各太陽光発電ストリングの出力電流は同一、又は同一になりやすい傾向がある。ただし、一部の太陽光発電ストリングが異常状態にあり、例えば、陰で遮られている、故障している、対応する遮断装置或いはオプティマイザが出力制限状態にあるなどの場合、正常状態にある太陽光発電ストリングの出力電流は、異常状態にある太陽光発電ストリングの出力電流より大きくなり、そのため、正常状態にある太陽光発電ストリングは、異常状態にある太陽光発電ストリングに流れ込む逆流電流を発生させて、異常状態にある太陽光発電ストリング内の各MLPE機器に損傷を与え、又は、特定の場合に、異常状態にある太陽光発電ストリングの出力電流は、正常状態にある太陽光発電ストリングの出力電流より大きく、このとき、太陽光発電システム内の正常状態にある太陽光発電ストリングも逆流電流を受けて、正常状態にある太陽光発電ストリング内の各MLPE機器に損傷を与えることがある。つまり、出力電流の小さい太陽光発電ストリングであれば、逆流電流を受ける可能性があり、ひいては内部の各MLPE機器の安全性に影響を及ぼす。なお、太陽光発電ストリングに逆流電流を発生させる可能性のある任意の還流、逆流現象はいずれも上記の状況の発生を引き起こし、いずれも本出願で提供される制御方法を適用できるので、いずれも本出願の保護範囲内であり、ここでは繰り返さない。
【0035】
出力電流の大きい太陽光発電ストリング及び出力電流の小さい太陽光発電ストリングのIV曲線は、図4に示され、太陽光発電ストリングの出力電圧がUpvである場合、出力電流の小さい太陽光発電ストリングの電流は逆流電流Ibであり、出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電流はIaであり、インバータはその入力電流をIa-Ibに制御することで、太陽光発電ストリングの出力電圧はUpvになり、つまり、出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧を低くするように制御し、又は、出力電流の小さい太陽光発電ストリングの電圧を高くするように制御することで、逆流電流を低減することができる。
【0036】
例えば、出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧を低くするように制御した後、当該MLPE太陽光発電システム内の同一のインバータに接続されており、並列接続された各太陽光発電ストリングのうち、出力電流の大きい太陽光発電ストリングと出力電流の小さい太陽光発電ストリングとのIV曲線は、図5に示すと、出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧がUpv2に低下したときに、出力電流の小さい太陽光発電ストリングの出力電流はゼロになり、即ち、出力電流の小さい太陽光発電ストリングには逆流電流がない。ただし、発電量の損失を低減するために、出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧を、図4におけるUpv以下に低減するように制御すればよく、このとき、逆流電流は所定範囲内にあり、MLPE太陽光発電システム内のMLPE機器に損傷を与えることがない。
【0037】
本発明の実施例によって提供されるMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法は、MLPE太陽光発電システムの制御ユニットに適用され、まず、MLPE太陽光発電システム内の各太陽光発電ストリングの出力電流を検出し、次に、当該MLPE太陽光発電システム内の同一のインバータに接続されており、並列接続された各太陽光発電ストリングに対して、出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧を低くするように制御し、又は、出力電流の小さい太陽光発電ストリングの電圧を高くするように制御することで、逆流電流を所定範囲内に低減し、各MLPE機器がそれに耐えられることを確保する。このように、本発明の実施例によって提供される太陽光発電ストリングの制御方法は、MLPE太陽光発電システムの観点から、ハードウェアコストを増加させず、対応する太陽光発電ストリングの電圧変化を制御することで、逆流電流に対する制限を実現し、MLPE太陽光発電システム内の各MLPE機器を効果的に保護する。
【0038】
なお、従来技術は、MLPE機器が逆流電流の影響により損傷しやすいという問題に対して、逆方向の逆流電流を検出して、対応するスイッチ管の動作を制御し、MLPE機器の逆流に耐える能力を向上させる方法を提案し、その太陽光発電コンポーネントの遮断保護回路の構成模式図は図6に示される。図6から分かるように、当該太陽光発電コンポーネントの遮断保護回路にはサンプリング回路、電流検出回路、逆流検出回路及び逆流制御回路などの一連のハードウェア回路が追加されるため、システムが複雑であり、ハードウェアコストが高くなる。本実施例によって提供されるMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法は、ハードウェア回路を追加する必要がなく、ほんのわずかな場合、1つの電流検出ハードウェアのみを追加すればよいので、本方法に関するシステムは、当該従来技術に比べると、構成が簡単であり、コストが低い。
【0039】
本発明の別の実施例は、MLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法も提供し、上記の実施例に基づいて、検出されたMLPE太陽光発電システム内の各太陽光発電ストリングの出力電流に従って、MLPE太陽光発電システム内の同一のインバータに接続されており、並列接続された各太陽光発電ストリングのうち、出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧を低くするように制御し、又は、出力電流の小さい太陽光発電ストリングの電圧を高くするように制御することで、逆流電流を所定範囲内に低減する方法は、以下の2つがある。
【0040】
第1の方法のフローチャートは図7に示され、ステップS101が実行された後、以下のステップを実行する。
S201: MLPE太陽光発電システムには、ストリング電流が不均衡である状況が発生したかどうかを判断する。
【0041】
上記の実施例で説明したように、当該MLPE太陽光発電システム内の同一のインバータに接続されており、並列接続された各太陽光発電ストリングには、出力電流の大きい太陽光発電ストリング、及び出力電流の小さい太陽光発電ストリングがある場合、そのIV曲線は図4に示され、明らかに、出力電流の大きい太陽光発電ストリングが、出力電流の小さい太陽光発電ストリングに流れ込む逆流電流を発生させる前に、出力電流の小さい太陽光発電ストリングの出力電流は出力電流の大きい太陽光発電ストリングの出力電流よりも著しく低く、簡単に言えば、MLPE太陽光発電システムにはストリング電流の不均衡が発生し、即ち、MLPE太陽光発電システム内の同一のインバータの並列接続された各太陽光発電ストリングの出力電流は完全同じではない。
【0042】
MLPE太陽光発電システムにはストリング電流の不均衡が発生したと判断した後、ステップS102を実行する。
【0043】
好ましくは、発電量の損失を節約するために、第2の方法を実行し、そのフローチャートは図8に示され、MLPE太陽光発電システム内の同一インバータの上記の並列接続された各太陽光発電ストリングの出力電流が完全に同じではないと判断して後、以下のステップを実行する。
S301:出力電流の小さい太陽光発電ストリングが受ける逆流電流は、そのMPLE機器が耐えられる最大逆流電流値を超えたかどうかを判断する。
【0044】
図4に示すように、太陽光発電ストリングの出力電圧がUpvである場合、出力電流の小さい太陽光発電ストリングの電流は逆流電流Ibである。当該MLPE太陽光発電システム内の各MPLE機器が耐えられる最大逆流電流値をIbとすると、出力電流の大きい太陽光発電ストリングの出力電流の小さい太陽光発電ストリングに流れ込む逆流電流は、当該MLPE太陽光発電システム内の各MPLE機器が耐えられる最大逆流電流値を超えたと判断し、即ち、出力電流の小さい太陽光発電ストリングの逆方向の出力電流がIb以上の場合、出力電流の小さい太陽光発電ストリングが受ける逆流電流は、そのMPLE機器が耐えられる最大逆流電流値を超えたと判断し、そして、ステップS102が実行される。
【0045】
他の原理は上記の実施例と同じであり、ここでは繰り返さない。
【0046】
本発明の別の実施例はさらにMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法を提供し、上記の実施例に基づいて、出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧を低くするように制御するステップは、以下の形態で実現されてもよい。
【0047】
第1に、インバータには出力電力がある場合、インバータの入力端の電流を制御することで、インバータの入力端の直流電圧を低減し、それにより、出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧を低減する。図4に示すように、インバータは、入力電流をIa-Ib以下に制御することで、インバータの入力端の直流電圧はUpv以下に低下し、出力電流の小さい太陽光発電ストリングに流れ込む逆流電流は、各MPLE機器が耐えられる最大逆流電流値より低くなり、又は、逆流電流はなくなる。
【0048】
なお、上記の第1の方法で出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧を低減する場合、逆流電流が所定範囲内にあることを保証する前提の下で、最も高い電力を出力するように各太陽光発電ストリングを制御するために、逆流電流が所定範囲内にある場合、各太陽光発電ストリングが最大電力点追従を実現できるように、インバータの入力端の電流を制御することもできる。
【0049】
第2に、太陽光発電ストリング内のMLPE機器が、制御可能な出力状態を持つ機器である場合、出力電流の大きい太陽光発電ストリング内の少なくとも1つのMLPE機器を出力制限状態になるように制御することで、当該出力電流の大きい太陽光発電ストリングに対応する電圧を低減させ、MLPE機器の出力状態は正常出力状態及び出力制限状態を含み、出力制限状態にあるMLPE機器は、出力停止状態である。例えは、当該MLPE機器の太陽光発電システムにおけるMLPE機器が図2の遮断装置である場合、半導体スイッチ管Q1をオフにすることで、遮断装置を出力制限状態にすることができる。又は、当該MLPE機器の太陽光発電システムにおけるMLPE機器が図9のオプティマイザである場合、半導体スイッチ管Q2をオフにすることで、オプティマイザを出力制限状態にすることができる。
【0050】
好ましくは、上記の第2の方法で出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧を低減することで、逆流電流が所定範囲に低減された後、出力制限状態にあるMLPE機器の数を動的に調整することができ、逆流電流が所定範囲内にある前提の下で、できるだけ少ないMLPE機器を出力制限状態にすることで、システムの発電量の損失を低減する。例えば、順次に1~N個のMLPE機器を出力制限状態になるように制御し、N個のMLPE機器が出力制限状態になるように制御された後、出力電流の小さい太陽光発電ストリングの逆流電流は許容範囲内にある。
【0051】
第3に、太陽光発電ストリング内のMLPE機器が、制御可能な出力電圧を持つ機器である場合、出力電流の大きい太陽光発電ストリング内の少なくとも1つのMLPE機器を降圧動作状態になるように制御することで、当該出力電流の大きい太陽光発電ストリングに対応する電圧を低減する。MLPE機器の出力電圧が制御可能であることは、システムが当該MLPE機器を昇圧状態又は降圧状態に制御できることを意味する。例えば、MLPE機器が図10のオプティマイザである場合、半導体スイッチ管Q10及びQ11をオフにすることで、オプティマイザをBuck降圧モードで動作させ、出力電圧は入力電圧より低くなる。同様に、降圧動作状態になるように制御されるMLPE機器の数も動的に調整されることができ、当業者は具体的な状況に応じて決定すればよい。
【0052】
なお、太陽光発電ストリング内のMLPE機器が、制御可能な出力電圧を持つ機器である場合、出力電流の小さい太陽光発電ストリング内の少なくとも1つのMLPE機器を昇圧動作状態になるように制御することで、MLPE太陽光発電システム内の対応するインバータに接続された各太陽光発電ストリングのうち、出力電流の小さい太陽光発電ストリングの電圧を上昇させることもできる。例えば、MLPE機器が図9のオプティマイザである場合、持続的に半導体スイッチ管Q2をオンにして、半導体スイッチ管Q3をオフにして、半導体スイッチ管Q4をオフにして、PWMの形態で半導体スイッチ管Q5を制御することで、オプティマイザをboost型回路モードで動作させ、昇圧出力状態にさせる。
【0053】
本発明の実施例によって提供されるMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法において、MLPE太陽光発電システム内の対応するインバータに接続された各太陽光発電ストリングのうち、出力電流の大きい太陽光発電ストリングの電圧を低くするように制御し、又は、出力電流の小さい太陽光発電ストリングの電圧を高くするように制御することはいずれも、MLPE太陽光発電システムの観点からのものであり、ハードウェアコストを増加することはなく、方法は多様で柔軟である。
【0054】
他の原理は上記の実施例と同じであり、ここでは繰り返さない。
【0055】
本発明の実施例はさらにMLPE太陽光発電システムを提供し、その構成模式図は、図11に示され、制御ユニット110、少なくとも1つのインバータ120及び少なくとも2つの太陽光発電ストリングを含み、本実施例は、2つの太陽光発電ストリングを例として説明し、複数の太陽光発電ストリングの構成は、類推から推測できる。
インバータ120の直流母線には、少なくとも2つの太陽光発電ストリング(図11に示される第1太陽光発電ストリング及び第2太陽光発電ストリング)が並列接続され、各太陽光発電ストリング内には少なくとも1つの太陽光発電ブランチが含まれ、各太陽光発電ブランチの出力端は、対応する太陽光発電ストリングの出力端の2つの極の間に直列接続され、太陽光発電ブランチには、MLPE機器、及びその入力端に接続された少なくとも1つの太陽光発電コンポーネント(図11の210で示される)が含まれ、制御ユニット110は各MLPE機器に通信接続され、上記の実施例のいずれかで提供されるMLPE太陽光発電システムの太陽光発電ストリングの制御方法を実行する。
【0056】
実際の応用において、制御ユニット110は有線通信又は無線通信を介して、各MLPE機器に接続されてもよい。
【0057】
なお、本発明の実施例のMLPE機器は(図2図9図10に示すように)遮断装置又はオプティマイザであってもよく、制御ユニット110はインバータ120の内部コントローラ、MLPE太陽光発電システムのシステムコントローラ、又は、MLPE太陽光発電システムにおける各直流母線上の独立したコントローラのいずれかであってもよく、ここで限定していなく、具体的な応用環境に応じて決定すればよく、いずれも本出願の保護範囲に該当する。
【0058】
他の原理は上記の実施例と同じであり、ここでは繰り返さない。
【0059】
本明細書における各実施例は漸進的に説明され、各実施例の間の同一又は類似の部分について、互いに参照すればよく、各実施例について、他の実施例との相違点を主に説明する。特に、システム又はシステムの実施例について、基本的に方法の実施例に類似するため、説明は簡単であり、関連する部分について、方法の実施例の説明を参照すればよい。上記のシステム及びシステムの実施例は単なる例示であり、別個の部材として説明されたユニットは、物理的に分離されている場合と分離されていない場合があり、ユニットとして表示された部材は、物理的なユニットである場合とそうではない場合があり、即ち、1つの場所に位置してもよいし、複数のネットワークユニットに分散してもよい。実際の必要に応じて、そのうち一部又は全てのモジュールを選択して、本実施例の技術案の目的を実現してもよい。当業者は、進歩性に値する労働をしない場合でも、理解し、実施することができる。
【0060】
当業者は、本明細書に開示された実施例に記載されている各例示的なユニット及びアルゴリズムステップが、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア又はこれらの2つの組み合わせによって実現できることをさらに理解することができ、ハードウェアとソフトウェアとの互換性を明確に説明するために、上記の説明において、各例示的な組み合わせ及びステップを機能の観点から一般的に説明した。これらの機能がハードウェアの形態で実行されるかそれともソフトウェアの形態で実行されるかは、技術案の特定の応用及び設計制約条件によって決まる。当業者は、各特定の応用に対して、異なる方法を利用して、説明された機能を実現することができるが、このような実現は、本発明の範囲を超えると考えるべきではない。
【0061】
開示された実施例の上記の説明について、本明細書の各実施例に記載された特徴は、当業者が本発明を実現又は使用できるように、互いに置換又は組み合わせ可能である。これらの実施例に対する様々な修正は、当業者には明らかであり、本明細書で定義された一般的な原理は、本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、他の実施例で実現されることができる。従って、本発明は、本明細書のこれらの実施例に限定されず、本明細書に開示された原理及び新規な特点と一致する最も幅広い範囲に適合すべきである。
図1
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