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特許7278419ガスとペースト材料との混合物を吐出するためのディスペンサー及びノズル、並びに、機械発泡装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-11
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】ガスとペースト材料との混合物を吐出するためのディスペンサー及びノズル、並びに、機械発泡装置
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20230512BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20230512BHJP
   B05C 9/06 20060101ALI20230512BHJP
   B01F 23/231 20220101ALI20230512BHJP
   B01F 35/83 20220101ALI20230512BHJP
【FI】
B05C5/00 101
B05C11/10
B05C9/06
B01F23/231
B01F35/83
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021566754
(86)(22)【出願日】2019-12-27
(86)【国際出願番号】 JP2019051559
(87)【国際公開番号】W WO2021131055
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】305032254
【氏名又は名称】サンスター技研株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(72)【発明者】
【氏名】高田 正春
(72)【発明者】
【氏名】山下 喜市
【審査官】伊藤 寿美
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-115816(JP,A)
【文献】国際公開第2000/029194(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/125900(WO,A1)
【文献】特開2017-109192(JP,A)
【文献】特開平03-178362(JP,A)
【文献】特開2008-207176(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0209592(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00-21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスとペースト材料との混合物を吐出するためのディスペンサーであって、
前記ディスペンサーの先端部に設けられ、前記混合物を吐出する先端開口を有するノズル部と、
前記混合物の導入部から前記ノズル部の内部を通って前記先端開口まで延在する、前記混合物の流路と、
前記流路を開閉するため前記ノズル部の流路内で移動可能なニードル部と、
前記ニードル部を駆動する駆動部と、
を備え、
前記ノズル部は、前記ニードル部の先端の作動範囲に相対する前記ノズル部の流路の内径が前記先端開口に向かう方向に減少するテーパー区分を有し、
前記ニードル部の先端が前記テーパー区分の閉位置に当接することによって前記混合物の流路が閉じられ、前記ニードル部の先端が前記閉位置から離れることによって該流路が開放され、
前記ディスペンサーは、
前記ニードル部の先端の移動範囲を前記閉位置から該閉位置より後方の停止位置までの範囲に制限するストッパー部と、
前記停止位置を変更するため前記ストッパー部の位置を調整するストッパー位置調整部と、
をさらに備え、
前記ストッパー位置調整部を用いて前記停止位置が変更されることによって前記先端開口から吐出される混合物の圧力が制御されるように構成された、
ディスペンサー。
【請求項2】
前記ストッパー位置調整部により調整される前記停止位置の最も後方の位置は、前記閉位置から前記先端開口の直径の4倍以上隔てた位置である、請求項に記載のディスペンサー。
【請求項3】
前記ストッパー部は、前記ストッパー位置調整部として、前記ディスペンサーのボディに軸方向にねじ込まれたロッドを有し、該ロッドは、ねじ込み量に応じて軸方向の位置を調整され、前記ロッドの先端部が前記ニードル部の基端部と当接することにより、前記ニードル部を停止させる、請求項又はに記載のディスペンサー。
【請求項4】
前記ストッパー位置調整部は、
前記ロッドを回転させるように配置された電動モータをさらに備え、
前記電動モータによる前記ロッドの回転量の制御により、前記停止位置が設定される、請求項に記載のディスペンサー。
【請求項5】
前記停止位置を制御するコントローラと、
前記流路内の混合物の圧力を測定する圧力センサと、をさらに備え、
前記コントローラは、混合物の吐出流量に対して、前記圧力センサにより測定された圧力が所望の圧力範囲となるように前記停止位置を設定する、請求項に記載のディスペンサー。
【請求項6】
前記ストッパー位置調整部は、前記ロッドを手動により回転可能な機構を有する、請求項に記載のディスペンサー。
【請求項7】
前記流路内の混合物の圧力を測定する圧力センサと、
前記圧力センサにより測定された圧力を表示する表示部と、
をさらに備える、請求項に記載のディスペンサー。
【請求項8】
前記閉位置から後方へ前記先端開口の直径の4倍の位置における前記流路の内径が、前記先端開口の直径の1.1倍から3倍である、請求項1からのいずれか1項に記載のディスペンサー。
【請求項9】
ガスとペースト材料との混合物を吐出するためのディスペンサーに連結可能なノズルであって、
前記混合物が導入される基端開口及び該混合物が吐出される先端開口を形成するように内部を貫通する中空空間を有するノズル部と、
前記中空空間に前記基端開口から挿入されたニードル部と、
を備え、
前記ノズル部は、前記中空空間の内径が前記先端開口に向かう方向に減少するテーパー区分を有し、
前記ニードル部の先端が前記テーパー区分の閉位置に当接することによって前記混合物の流路が閉じられ、前記ニードル部の先端が前記閉位置から離れることによって該流路が開放され、
前記閉位置から後方へ前記先端開口の直径の4倍の位置における前記中空空間の内径が、前記先端開口の直径の1.1倍から3倍である、
ノズル。
【請求項10】
ガスとペースト材料との混合物を吐出するための機械発泡装置であって、
ガスを搬送するガス管路と、
ペースト材料を搬送する材料管路と、
前記ガス管路と前記材料管路とが結合される結合部と、
前記結合部から出たガスとペースト材料とを混合する混合部と、
前記混合部から出たガスとペースト材料との混合物が供給される、請求項1からのいずれか1項に記載のディスペンサーと、
を備える、機械発泡装置。
【請求項11】
前記結合部は、1つ又は複数のピストンポンプであり、
前記ピストンポンプのシリンダに前記ガス管路と前記材料管路とが結合され、
前記ピストンポンプのピストンを上昇させて形成されたシリンダ空間に、前記ガス管路から搬送されたガスと、前記材料管路から搬送されたペースト材料とが、供給され、前記ピストンを下降させることにより、前記シリンダ空間内のガスとペースト材料とを前記混合部へと圧送する、請求項10に記載の機械発泡装置。
【請求項12】
前記結合部は、前記ガス管路がピストンポンプ及び開閉バルブを介して前記材料管路に結合された部分であり、
前記開閉バルブを閉じた状態で前記ピストンポンプのピストンを上昇させて形成されたシリンダ空間に、前記ガス管路から搬送されたガスを供給し、前記ピストンを下降させることにより前記シリンダ空間内のガスを圧縮し、前記開閉バルブを開放することによって、圧縮されたガスを前記材料管路内を搬送されるペースト材料に混入させる、請求項10に記載の機械発泡装置。
【請求項13】
前記混合部により混合されたガスとペースト材料との混合物を一定流量にして前記ディスペンサーに供給する定流量装置をさらに備える、請求項10から12のいずれか1項に記載の機械発泡装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスとペースト材料との混合物を吐出するためのディスペンサー及びノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
ペースト材料にガスを混合して微分散させた混合物を吐出して対象物に塗布するディスペンサーの技術が知られている(下記特許文献1)。
【0003】
ディスペンサーは、比較的高圧(4MPa以上)で混合物(ペースト材料とガスとの混合物)を配管を通してノズルまで搬送している。混合物の圧力の上限は、搬送する混合物中のペースト材料の粘度や材料温度に起因しており、通常、12MPa以下となる。混合物が高圧過ぎる場合、材料中の粉状の硬化剤がつぶれて反応を開始し配管中で硬化するおそれがあり、ノズル詰まりの原因となるからである。また、材料と配管やノズルとの間の摩擦により温度が上昇してしまい、それによって材料の反応が始まることもある。
【0004】
一方、材料の圧力が低すぎる状態で配管内を材料が移送されると、材料中のガスの気泡が比較的大きくなり、これが移送時配管側壁とこすれるなどして破泡し、破泡したガスが集合し、吐出の際にガスの塊が大きくなり、ノズルから吐出される時にガスが抜けてしまうおそれがある。その結果、均等に気泡が分散した発泡体が実現できないだけでなく、ターゲットの発泡倍率に到達できないことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-109776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事実に鑑みなされたもので、ノズル詰まりを起こすことなく、気泡がペースト材料に適切に分散した発泡体を形成することを可能にした、ディスペンサー及びノズル、並びに、機械発泡装置を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明のガスとペースト材料との混合物を吐出するためのディスペンサーは、前記ディスペンサーの先端部に設けられ、前記混合物を吐出する先端開口を有するノズル部と、前記混合物の導入部から前記ノズル部の内部を通って前記先端開口まで延在する、前記混合物の流路と、前記流路を開閉するため前記ノズル部の流路内で移動可能なニードル部と、前記ニードル部を駆動する駆動部と、を備えて構成したものであり、前記ノズル部は、前記ニードル部の先端の作動範囲に相対する前記ノズル部の流路の内径が前記先端開口に向かう方向に減少するテーパー区分を有し、前記ニードル部の先端が前記テーパー区分の閉位置に当接することによって前記混合物の流路が閉じられ、前記ニードル部の先端が前記閉位置から離れることによって該流路が開放され、前記ニードル部の先端の移動範囲を前記閉位置から該閉位置より後方の停止位置までの範囲に制限するストッパー部をさらに備えて構成したものである。
【0008】
好ましくは、前記停止位置を変更するため前記ストッパー部の位置を調整するストッパー位置調整部をさらに備える。さらに好ましくは、前記ストッパー位置調整部により調整される前記停止位置の最も後方の位置は、前記閉位置から前記先端開口の直径の4倍以上隔てた位置である。
【0009】
例えば、前記ストッパー部は、前記ストッパー位置調整部として、前記ディスペンサーのボディに軸方向にねじ込まれたロッドを有し、該ロッドは、ねじ込み量に応じて軸方向の位置を調整され、前記ロッドの先端部が前記ニードル部の基端部と当接することにより、前記ニードル部を停止させる。
【0010】
前記ストッパー位置調整部の一態様は、前記ロッドを回転させるように配置された電動モータをさらに備え、前記電動モータによる前記ロッドの回転量の制御により、前記停止位置が設定される。この態様では、好ましくは、前記停止位置を制御するコントローラと、前記流路内の混合物の圧力を測定する圧力センサと、をさらに備え、前記コントローラは、混合物の吐出流量に対して、前記圧力センサにより測定された圧力が所望の圧力範囲となるように前記停止位置を設定する。
【0011】
別の態様の前記ストッパー位置調整部は、前記ロッドを手動により回転可能な機構を有する。この別の態様では、好ましくは、前記流路内の混合物の圧力を測定する圧力センサと、前記圧力センサにより測定された圧力を表示する表示部と、をさらに備える。
【0012】
好ましい本発明のディスペンサーは、前記閉位置から後方へ前記先端開口の直径の4倍の位置における前記流路の内径が、前記先端開口の直径の1.1倍から3倍である。
【0013】
本発明のノズルは、ガスとペースト材料との混合物を吐出するためのディスペンサーに連結可能なノズルであって、前記混合物が導入される基端開口及び該混合物が吐出される先端開口を形成するように内部を貫通する中空空間を有するノズル部と、前記中空空間に前記基端開口から挿入されたニードル部と、を備えて構成したものであり、前記ノズル部は、前記中空空間の内径が前記先端開口に向かう方向に減少するテーパー区分を有し、前記ニードル部の先端が前記テーパー区分の閉位置に当接することによって前記混合物の流路が閉じられ、前記ニードル部の先端が前記閉位置から離れることによって該流路が開放される。好ましい本発明のノズルは、前記閉位置から後方へ前記先端開口の直径の4倍の位置における前記中空空間の内径が、前記先端開口の直径の1.1倍から3倍である。
【0014】
本発明のガスとペースト材料との混合物を吐出するための機械発泡装置は、ガスを搬送するガス管路と、ペースト材料を搬送する材料管路と、前記ガス管路と前記材料管路とが結合される結合部と、前記結合部から出たガスとペースト材料とを混合する混合部と、前記混合部から出たガスとペースト材料との混合物が供給される、上述したディスペンサーと、を備えて構成したものである。
【0015】
好ましい一態様に係る前記結合部は、1つ又は複数のピストンポンプであり、前記ピストンポンプのシリンダに前記ガス管路と前記材料管路とが結合され、前記ピストンポンプのピストンを上昇させて形成されたシリンダ空間に、前記ガス管路から搬送されたガスと、前記材料管路から搬送されたペースト材料とが、供給され、前記ピストンを下降させることにより、前記シリンダ空間内のガスとペースト材料とを前記混合部へと圧送する。
【0016】
好ましい別の態様に係る前記結合部は、前記ガス管路がピストンポンプ及び開閉バルブを介して前記材料管路に結合された部分であり、前記開閉バルブを閉じた状態で前記ピストンポンプのピストンを上昇させて形成されたシリンダ空間に、前記ガス管路から搬送されたガスを供給し、前記ピストンを下降させることにより前記シリンダ空間内のガスを圧縮し、前記開閉バルブを開放することによって、圧縮されたガスを前記材料管路内を搬送されるペースト材料に混入させる。
【0017】
本発明の機械発泡装置は、前記混合部により混合されたガスとペースト材料との混合物を一定流量にして前記ディスペンサーに供給する定流量装置をさらに備えていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るディスペンサーを用いた機械発泡装置の概略全体図である。
図2図2は、図1に示すディスペンサーの断側面図であり、図2(A)は、ストッパー部によるニードル部の停止位置を後退させて作動範囲を最も広くした状態、図2(B)は、ストッパー部によるニードル部の停止位置を前進させて作動範囲を最も狭くした状態を各々示す。
図3図3は、図1に示すディスペンサーに連結したノズル(第1の変形例)の断側面図である。
図4図4は、図3に示したノズル(第1の変形例)で使用されるニードル部の側面図と、該ニードル部の先端部分の拡大図である。
図5図5は、図1に示すディスペンサーに連結可能な別のノズル(第2の変形例)の断側面図である。
図6図6は、図5に示したノズル(第2の変形例)で使用されるニードル部の側面図と、該ニードル部の先端部分の拡大図である。
図7図7は、本発明の一実施形態に係るストッパー部の位置を調整する電動式ストッパー位置調整部の概略図であり、図7(A)は、電動式ストッパー位置調整部の側面図、図7(B)は、電動式ストッパー位置調整部の分解斜視図である。
図8図8は、ニードルスキ量とディスペンサーの流路内の圧力との間の関係を示すグラフである。
図9図9は、図1に示された機械発泡装置における結合部の別の態様を示す概略図である。
図10図10は、図1に示された機械発泡装置における結合部のさらに別の態様を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係るディスペンサーを説明する。
【0020】
図1には、本発明の一実施形態に係るディスペンサー1を使用して発泡ビード110を面に塗布する機械発泡装置100の一例が示されている。
【0021】
機械発泡装置100は、ガス供給源101(例えば工場加圧エア)からのガスを搬送するガス管路107と、ペースト材料供給源102(例えばペール缶ポンプ)からのペースト材料を搬送する材料管路108と、ガス管路107と材料管路108とが結合される結合部103と、結合部103から出たガスとペースト材料とを混合するミキサー104と、ミキサー104により形成された混合物の流れを一定流量にする定流量装置105と、を備えている。さらに、機械発泡装置100は、ロボット106と、ロボット106のアームに取り付けられた、ノズル部2を有するディスペンサー1とを備え、ディスペンサー1は、定流量シリンダ105から供給されたガスとペースト材料との混合物をノズル部2から吐出する。吐出された混合物は、発泡し、面上に塗布される。ロボット106がノズル部2からの吐出中にディスペンサー1を制御された軌道に沿って動かすことによって、ノズル部2から塗布された発泡体は面上に発泡ビード110を形成する。
【0022】
なお、ペースト材料は、イソシアネート、アルコキシシリル、アクリル、エポキシなどの反応性を有する液状の樹脂に硬化剤、硬化促進剤、充填材、安定剤、添加剤などを加えられた流動性のある液状樹脂(ホットメルト材料を含む)である。これらのペースト材料とガスの混合物は、ディスペンサーから吐出される際には、ペースト材料にガスが微分散された状態となり、その後、熱硬化、湿気硬化、UV硬化等により樹脂が硬化することにより、発泡体となる。
【0023】
図1に示されるように、結合部103の一態様は、例えば2台のピストンポンプ111,112を備え、ピストンポンプ111、112の各々のシリンダにガス管路107と材料管路108とが結合されて構成されている。結合部103では、ピストンポンプ111、112の各ピストンを上昇させて形成されたシリンダ空間に、ガス管路107から搬送されたガスと、材料管路108から搬送されたペースト材料とが、順次(順不同)供給され、ピストンを下降させることにより、シリンダ空間内のガスとペースト材料とがミキサー104へと圧送される。2台のピストンポンプ111、112は、交互に作動させることにより、途切れなく混合物をミキサー104に提供することで、連続的にビード110をディスペンサー1から吐出することが可能となる。
【0024】
本発明の上記態様の結合部103は、2台のピストンポンプに限定するものではなく、1台のピストンポンプでもよく、或いは、3台以上のピストンポンプを用いることができる。
【0025】
また、ミキサー104は、ダイナミックミキサーまたはスタティックミキサーのいずれであってもよく、或いは、ミキサーを設けずに、単なる配管で代用してもよい。配管中であっても、配管を通して材料が移送されるときに、ガスの気泡が微分散化し、材料中に気泡が分散する混合物を形成することができるからである。
【0026】
本発明の別の態様に係る結合部103bが図9に示されている。図9に示されるように、結合部103bは、ガス管路107がピストンポンプ及び開閉バルブ114を介して材料管路108に結合点115において結合された部分として構成される。好ましくは、ガス管路107は、ピストンポンプ113及び開閉バルブ114を介して結合点115で材料管路108に結合される。この別の態様では、開閉バルブ114を閉じた状態でピストンポンプのピストンを上昇させて形成されたシリンダ空間に、ガス管路107から搬送されたガスをガス供給装置116でガス量を制御して送り、ピストンを下降させることによりシリンダ空間内のガスを圧縮し、開閉バルブ114を開放することによって、圧縮されたガスを材料管路108内を搬送されるペースト材料に混入させる。
【0027】
ピストンポンプ113のピストン上昇時に形成されたシリンダ空間は所定容積を有しているので、シリンダ空間内のガスの圧力が所定圧力となるようにガス供給装置116で送られるガスの量を調節すれば、ピストン下降時にペースト材料に混入されるガスの量を一定にすることができる。このとき、さらに材料管路108中を流れるペースト材料の流量を定流量ポンプ109により一定流量にしておけば、ペースト材料の量とガスの量との比率を一定に制御し、所望の発泡倍率を達成することができる。なお、材料管路108中を流れるペースト材料の流量を測定し、当該ペースト材料の流量に応じてガス量を調節することによっても、ペースト材料の量とガスの量との比率を一定に制御することが可能である。また、定流量ポンプ109により送られるペースト材料の流量は、ある時間内で総和したペースト材料の量と、それに混入されるガスの量との比が略一定になる限りで変動してもよく、或いは、ある目標値に略一致するように制御されてもよい。
【0028】
本発明のさらに別の態様に係る結合部103cが図10に示されている。さらに別の態様では、開閉バルブ117を、ガスの導入を制御するためにニードル式若しくはボール式のパルス弁として構成したものである。このさらに別の態様では、開閉バルブ114のニードルのストロークの調整やニードルを開閉する周波数を調整することによって、一回当たりのガス導入量や時間当たりのガス導入量を制御することができる。さらには、ガス供給装置116を省略し、ガス供給源101の元圧をレギュレータで制御したり、ピストンポンプ113の駆動によって圧力を一定にすることが好ましい。パルス弁114前の圧力や結合部115の材料圧力をそれぞれ計測および設定し、ガスの導入量を制御する態様も考えられる。すなわち、図10の態様では、(1)パルス弁114前の圧力と結合点115の材料圧力の差圧、(2)材料管路108のペースト材料の流量、(3)パルス弁114の設定(開度、周波数)によって、ガスの導入量を制御できる。
【0029】
なお、本発明の結合点は、上記例103b、103cに限定されず、ピストンポンプ113やガス供給装置116を省略して、ガス供給源101を例えば高圧ボンベ等で構成すなど、高圧ガス導入の態様も含まれる。また、定流量ポンプ109は、結合点115の上流、下流のいずれに配置されていてもよい。
【0030】
次に、図2(A)、(B)を用いてディスペンサー1の構成を説明する。
【0031】
図2(A)に示されるように、ディスペンサー1は、ボディ11と、該ボディ11の先端部に取り付けられたノズル部2と、を備えている。
【0032】
ノズル部2には、ノズル部2の基端から先端まで貫通する中空空間20が形成されており、これによりノズル部2の基端には基端開口21が形成され、ノズル部2の先端では先端開口22が形成されている。また、ノズル部2の内面には、軸方向に垂直な断面内での中空空間20の内径が先端開口22に向かう方向に減少するテーパー区分23が形成されている。ノズル部2の中空空間20には、ニードル部3が挿入され、後述するように、ニードル部3が中空空間20内を昇降移動することによって、ノズル部2を開閉する。
【0033】
ノズル部2は、図3に詳細に示されるように、ノズルボディ24と、ノズル先端部25とを、それぞれの係合部27、28を用いて連結したものである。ノズルボディ24とノズル先端部25とは、同一傾斜率(軸方向長さに対する内径の変化率)のテーパー区分を有しており、滑らかに各々の内面が連結されて全体として同一傾斜率のテーパー区分23を形成する。勿論、本発明はこの例に限定されず、ノズル部2には、ノズルボディ24とノズル先端部25とが一体成形される構成も含まれる。また、詳細を後述するように、テーパー区分23の傾斜率を場所に応じて変えてもよい。
【0034】
ノズルボディ24の基端には、上記した基端開口21が形成され、基端外周には、ノズル部2をディスペンサー1のボディ11に係合して取り付けるための係合部26が形成されている。ノズル先端部25の最先端には、先端開口22を有する吐出口部29が形成され、該吐出口部29の内面は、その長さに亘って、先端開口22と同一の内径に形成されている。すなわち、テーパー区分23は、吐出口部29の内面の最後縁で終了する。
【0035】
上記ノズル部2を開閉するためのニードル部3は、図4に詳細に示されるように、ニードルボディ30と、基端部31と、先細に形成された先端部32と、基端部31の近傍に形成された大径部33と、を備える。基端部31には、軸方向溝34が形成されており、軸方向溝34に、ピストン8の図示しない突起が嵌合することにより、ニードル動作中にニードル部3を回転させないようにピストン8に取り付けておくことができる。
【0036】
先端部32の先端35(最先端付近)の直径は、吐出口部29の内径と同一か、吐出口部29の近傍のテーパー区分23の内径と同一に形成されており、これによって、ニードル部3をノズル部2の中空間20内に挿入して前進させると、ニードル部3の先端35は、テーパー区分23の内壁(テーパー区分23と吐出口部29との境界も含まれる)の閉位置T1(図3)で係合し、このとき、ノズル部2が閉じられる(図2(A)、(B)に示された状態)。この状態から、ニードル部3を後退させると、ニードル部3の先端35が閉位置T1(図3)から離れるため、ノズル部2は開放される。なお、閉位置T1(図3)は、ニードル部3の先端35の直径とテーパー区分23の内径に応じて、テーパー区分23と吐出口部29との境界付近、或いは、吐出口部29から後方のテーパー区分23内のいずれに設定してもよい。
【0037】
本実施形態に係るノズル部2では、図3に示されるように閉位置T1から後方へ先端開口22の直径d1の4倍の距離lだけ離れた位置T2における内径d2が、先端開口22の直径d1の1.6倍程度となるようにテーパー区分23の傾斜率が定められている。
【0038】
図2Aに戻ると、ディスペンサー1のボディ11は、ガスとペースト材料との混合物が導入される導入ポート5と、導入ポート5からボディ11内へと延びる通路6とを備えている。通路6は、ノズル部2の基端開口21へと接続され、導入ポート5から通路6を介してノズル部2の中空空間20を通って先端開口22へと連結され、ディスペンサー1において、導入ポート5から先端開口22までの混合物の流路4が形成される。
【0039】
また、ボディ11は、ニードル部3を密閉状態で摺動可能に支持する支持部19と、該支持部19の後方(図では上方)に形成されたシリンダ部7と、シリンダ部7内で昇降するピストン部8と、ピストン部8とシリンダ部7の下面との間の空間に圧縮空気を出し入れするための圧縮空気ポート9と、を備えている。ピストン部8には、ニードル部3の基端近傍に形成された大径部33が嵌合されており、ニードル部3の基端部31がピストン8から上方に突出している。ピストン部8は、図示しないバネにより、図2(A)に示された位置へと下方に付勢されており、この状態では、ニードル部3は、ノズル部2の流路4を閉じている。或いは、ピストン部8は、バネに替えて、ピストン部8の上方のシリンダ部7内の空間に送り込まれた圧縮空気によって下方に付勢されていてもよい。
【0040】
圧縮空気ポート9から圧縮空気がピストン部8とシリンダ部7の下面との間の空間に送り込まれると、ピストン部8が圧縮空気の圧力によってバネ力に抗して上昇し、これに伴い、ピストン部8に嵌合されているニードル部3も上昇し、ノズル部2の先端が閉位置T1から離れるため、図2(A)に示された閉状態から、開状態へと移行する。その後、ピストン部8とシリンダ部7の下面との間の空間の空気を圧縮空気ポート9から抜くと、図示しないバネによりピストン部8が下降し、これに伴いニードル部3も下降してノズル部2の先端開口22を閉じる。このようにしてニードル部3を上下に移動させることにより、ノズル部2の先端開口22の開閉、すなわち流路4の開閉を行うことができる。
【0041】
導入ポート5からガスとペースト材料との混合物を供給すると、該混合物は流路4を通り、ノズル部2の先端開口22付近に至る。ニードル部3が上方へ後退されて先端開口22が開放されているときには、混合物は先端開口22から吐出され、発泡体として面上に塗布される。ニードル部3を下方へと移動させると、ニードル部3の先端が先端開口22を閉鎖するため、流路4は閉じられ、混合物の吐出は停止することになる。
【0042】
また、シリンダ部7の上方には、シリンダ部7の上面を画定するストッパー支持部16が設けられている。ストッパー支持部16には、軸方向に延びる貫通孔16aが形成されており、貫通孔16aの内面にはネジが切られている。この貫通孔16aに、ネジ10aが切られたロッド10がねじ込まれており、ロッド10の先端部14は、シリンダ部7内に突出している。ニードル部3を一定距離上昇させると、ニードル部3の基端部31は、ロッド10の先端部14に当接し、ニードル部3のさらなる上昇を停止させる。すなわち、ストッパー支持部16、ロッド10及びその先端部14は、ニードル部3の作動範囲を制限するストッパーとして機能する。
【0043】
ロッド10は、ストッパー支持部16の貫通孔16a内へのねじ込み量に応じて軸方向の位置を変更することができる。従って、ロッド10のねじ込み量に応じてニードル部3の作動範囲を調整することが可能となる。図2(B)に示されるように、図2(A)に比べて、ロッド10のねじ込み量を多くして、ロッド10の先端部14をより下方に移動させることによって、ニードル部3の作動範囲をさらに制限できることが理解されよう。かくして、ロッド10は、ニードル部3の先端35(図4)の移動範囲を閉位置T1(図3)から閉位置T1より後方に距離lだけ隔てた停止位置T2(図3)までの範囲に制限する。好ましくは、距離lは、先端開口22の直径d1の4倍以上である。
【0044】
ロッド10のねじ込み、すなわちニードル部3の作動範囲の調整は、手動で行う構成とすることもできるが、本実施形態では、図2(A)、(B)に示されるように電動式のストッパー位置調整部を採用している。すなわち、電動式のストッパー位置調整部は、電動モータ部18を備え、該電動モータ部18の回転を回転伝達部12を介してロッド10の基端部13に伝達する構成を有している。
【0045】
図7(A)、(B)に詳細に示されるように、電動モータ部18は、電動モータ50と、電動モータ50の回転を減速する減速ギア51と、減速ギア51の出力軸52と、出力軸52に嵌合された回転プレート53と、を備えている。ロッド10の基端部13には、4本の円柱突起54が直立に突出しており、隣接する円柱突起54の間の隙間に回転プレート53の底部から直角に延在するプレート部55が嵌合することによって回転伝達部12(図2(A))を構成し、電動モータ部18の出力軸52の回転がロッド10に伝達される。
【0046】
また、ディスペンサー1は、ロッド10の先端部14の位置、すなわちニードル部3(3b)の作動範囲を調整するように電動モータ部18を制御するコントローラ17をさらに備えている。コントローラ17は、図1の機械発泡装置100の制御盤内に配置されるが、本発明は、これに限定されるものではない。さらに、ディスペンサー1は、流路4内に配置された圧力センサ15を備えていてもよい。圧力センサ15からの圧力検出信号は、コントローラ17に送られ、コントローラ17は、電動モータ部18の制御に、当該圧力検出信号、すなわち流路4内の圧力を利用することができる。
【0047】
上記説明したノズル部2及びニードル部3を本発明の実施形態として説明したが、本発明は、この例に限定されない。ここで、上記説明したノズル部2及びニードル部3を第1の変形例として、第2の変形例としてのノズル及びニードル部を各々図5及び図6を用いて説明する。図5及び図6において、第1の変形例と同様の構成要件については、同様の参照番号にbを附して詳細な説明を省略し、主に相違点について述べる。
【0048】
図5に示されるように、第2の変形例に係るノズル部2bは、テーパー区分23bが、異なる傾斜率を各々有する、複数のテーパー小区分61,62,63,64,65から形成されており、この点が第1の変形例に係るノズル部2と異なっている。このノズル部2bの中空空間20bに、図6に示されるニードル部3bが挿入される。ニードル部3bは、第1の変形例のニードル部3と同様に、ニードルボディ30bと、基端部31bと、先細に形成された先端部32bと、基端部31bの近傍に形成された大径部33bと、を備える。第1の変形例との相違点は、ニードルボディ30bと先端部32bとの間に段差が存在する点である。
【0049】
第2の変形例に係るノズル部2bでは、図5に示されるように閉位置T1’から後方へ先端開口22bの直径d1’の4倍の距離l’だけ離れた位置T2’における内径d2’が、先端開口22bの直径d1’の2.9倍程度となるようにテーパー区分23b(図5の例では、テーパー小区分65)の傾斜率が定められている。すなわち、第1の変形例ではd2/d1=1.6に対して、第2の変形例ではd2’/d1’=2.9となり、先端開口の直径を同じにした場合には、テーパー区分の傾斜率が大きくなっている。本発明の一実施形態では、好ましい傾斜率d2/d1の範囲は、1.1~4である。
【0050】
次に、本発明の一実施形態に係る作用を説明する。
【0051】
機械発泡装置100からディスペンサー1の導入ポート5へガスとペースト材料との微分散された混合物が供給される。導入された混合物は、流路4を通り、ノズル部2(2b)の先端開口22(22b)付近へと至る。ロボット106は、ディスペンサー1を吐出位置までもってきたとき、圧縮空気を圧縮空気ポート9からシリンダ7に導入する。導入された圧縮空気により、ピストン8が上昇し、ニードル部3(3b)の先端35(35b)が閉位置T1(T1’)から離れ、ストッパー先端開口22(22b)に至る流路4が閉状態から開状態となり、ニードル部3(3b)の基端部31(31b)は、ロッド10の先端部14と当接して停止する。
【0052】
このとき、開放された流路4を通って先端開口22(22b)から発泡体が吐出され、面上に発泡ビード110として塗布される。ここで、流路4を通過する混合物は、先端開口22(22b)を開放したとき減圧されるが、テーパー区分23(23b)を通過する際に、急激な内径変化および圧力変化がなく、また吐出直前まで、比較的高圧を維持することができる。これによって、ノズル通過中に圧力低下に伴う気泡の集合による大気泡化を抑えることができ、吐出後の発泡体の発泡セルを小さくすることができるとともに、大気泡化を防止できたことから破泡も抑えられ、発泡倍率を安定化することができる。すなわち、均等に気泡が分散した所望の発泡倍率の発泡ビードを塗布することが可能となる。所望の発泡倍率は、好ましくは3倍以上であり、例えば、3.5倍、4倍、5倍等である。また、発泡倍率のばらつきは10%以下、より好ましくは、5%である。本発明は、所望の発泡倍率を実現すると共に、そのばらつきも、好ましい範囲に抑えることを可能としている。また、テーパー区分23(23b)により吐出直前まで混合物を比較的高圧に維持できるため、ペースト材料を極端に高圧でディスペンサー1に供給する必要はなくなり、材料詰まりや、吐出前の混合物の反応を未然に防止することができる。
【0053】
吐出時の混合物の圧力は、ペースト材料の粘度及び混合物の吐出流量のみならず、ニードル部3(3b)の作動範囲を示す量である、ニードルスキ量とも一定の関係にある。ニードルスキ量とは、図3図5)に示されるように、ニードル部3(3b)がロッド10の先端部14と当接したときの、その先端35(35b)の停止位置T2(T2’)と閉位置T1(T1’)との間の距離l(l’)である。
【0054】
図8には、ニードルスキ量に対する混合物の吐出圧力の関係が示されている。図8において、「A1」は、標準のペースト材料(粘度80000mPa・s(せん断速度4.2sec-1測定))を用いたときの第1の変形例(ノズル部2、ニードル部3)の結果品、「A2」は、高粘度のペースト材料(粘度120000mPa・s)を用いたときの第1の変形例(ノズル部2、ニードル部3)の結果、「B1」は、標準のペースト材料を用いたときの第2の変形例(ノズル部2b、ニードル部3b)の結果を示す。ここで、高粘度のペースト材料は、標準のペースト材料を40℃で2週間程度放置して少し粘度を高めたものである。また、A1,B1のそれぞれについて、吐出流量50g/minと100g/minとの場合が試験された。
【0055】
図8のグラフでは、いずれのディスペンサーにおいても、ニードルスキ量の増大に従って、吐出圧力が急激に減少し、一定の圧力に近づくことが示されている。
【0056】
従って、使用するペースト材料の粘度が与えられたとき、混合物の吐出流量に対して、使用するディスペンサーにおいて上記効果を奏する所望の圧力を達成するようにニードル部3(3b)のニードルスキ量を調整すればよいことになる。この目的のため、コントローラ17は、所望の圧力を達成するニードルスキ量を与えるニードル部3(3b)の先端35(35b)のノズル部2(2b)内の位置T2(T2’)を求め、位置T2(T2’)に対応するロッド10の先端部14の位置、すなわちロッド10のねじ込み量を計算し、計算されたねじ込み量でロッド10を回転するように電動モータ部18の電動モータ50を回転制御する。
【0057】
好ましくは、コントローラ17は、圧力センサ15により検出された流路4内の混合物の圧力が、所望の圧力範囲に収まるように、電動モータ50を制御してニードルスキ量をフィードバック制御する。
【0058】
また、上記したように、ロッド10のねじ込み、すなわちニードル部3(3b)の作動範囲の調整を電動モータではなく手動で行う構成とした場合、コントローラ17を省略することができる。その場合、好ましくは、圧力センサ15により検出された圧力を表示するディスプレイを設け、使用者が、表示された圧力を見ながら、ニードル部3(3b)の作動範囲を調整してもよい。
【0059】
以上が本発明の一実施形態であるが、本発明は、上記例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で任意好適に変更可能である。
【0060】
例えば、図1の例では、ディスペンサー1は、ロボット106に取り付けられて制御されていたが、使用者がディスペンサー1を持ってスイッチを押すことで発泡体を吐出する構成とすることもできる。また、機械発泡装置100以外のガスとペースト材料との混合機構を用いてもよい。
【0061】
また、上記例では、ニードル部3、3bを駆動する機構として、圧縮ガスポート9からシリンダ7内に導入された圧縮空気によるピストン8の上昇機構及び図示しないバネによる下降機構を用いたが、電動モータを用いてニードル部3,3bの昇降機構を用いてもよい。ストッパー位置調整部の機構も、図2のロッドのねじ込みを用いる例に限定されず、例えば、シリンダのような摺動式を用いてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 ディスペンサー
2、2b ノズル部
3、3b ニードル部
4 流路
5 導入ポート
6 導入ポート5からボディ11内へと延びる通路
7 シリンダ部
8 ピストン部
9 圧縮空気ポート
10 ロッド
10a ロッドのネジ
11 ディスペンサーのボディ
12 回転伝達部
13 ロッドの基端部
14 ロッドの先端部
15 圧力センサ
16 ストッパー支持部
16a ネジが切られた貫通孔
17 コントローラ
18 電動モータ部
19 ニードル部の支持部
20、20b 中空空間
21、21b 基端開口
22、22b 先端開口
23、23b テーパー区分
24、24b ノズルボディ
25、25b ノズル先端部
26、26b ノズルボディのディスペンサーボディへの係合部
27、27b ノズルボディの係合部
28、28b ノズル先端部の係合部
29、29b 吐出口部
30、30b ニードルボディ
31、31b ニードル部の基端部
32、32b ニードル部の先端部
33、33b 大径部
34、34b 軸方向溝
35、35b 先端部の先端
50 電動モータ
51 減速ギア
52 減速ギア51の出力軸
53 回転プレート
54 円柱突起
100 機械発泡装置
101 ガス供給源
102 ペースト材料供給源
103 ピストンポンプ
104 ミキサー
105 定流量シリンダ
106 ロボット
107 ガス管路
108 材料管路
109 定流量ポンプ
110 発泡ビード
111、112、113 ピストンポンプ
114 バルブ
115 結合点
116 ガス供給装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10