IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 毛利 暖の特許一覧

<>
  • 特許-替え芯装填容器 図1
  • 特許-替え芯装填容器 図2
  • 特許-替え芯装填容器 図3
  • 特許-替え芯装填容器 図4
  • 特許-替え芯装填容器 図5
  • 特許-替え芯装填容器 図6
  • 特許-替え芯装填容器 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-11
(45)【発行日】2023-05-19
(54)【発明の名称】替え芯装填容器
(51)【国際特許分類】
   B43K 21/00 20060101AFI20230512BHJP
   B43K 19/14 20060101ALI20230512BHJP
   B65D 83/02 20060101ALI20230512BHJP
【FI】
B43K21/00 L
B43K19/14
B65D83/02 A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023023447
(22)【出願日】2023-02-17
【審査請求日】2023-02-17
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】723002147
【氏名又は名称】毛利 暖
(72)【発明者】
【氏名】毛利 暖
【審査官】稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-142693(JP,A)
【文献】特開2004-291975(JP,A)
【文献】実開平2-144490(JP,U)
【文献】特開2009-96162(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 21/00
B43K 19/14
B65D 83/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定用溝が切られたキャップと、前記固定用溝と嵌合するキャップ用固定具、クランプ支持具、および替え芯挿入穴を有する外部容器と、シャープペンシルの替え芯を保持し、前記替え芯挿入穴の位置から延びる渦巻状の板および回転つまみを有する内部容器と、前記クランプ支持具によって支持され、対象となるシャープペンシルを固定するクランプとを備えてなり、
対象となるシャープペンシルを替え芯の挿入口を開けた状態で前記クランプによって固定し、前記内部容器の回転つまみを回すことで、前記内部容器が前記外部容器に対して相対的に回転し、前記内部容器の渦巻状の板が容器内部の替え芯を前記外部容器の中心部にある前記替え芯挿入穴へ誘導し、前記替え芯挿入穴からシャープペンシルの挿入口へ芯が入り込み補充される替え芯装填容器。
【請求項2】
前記替え芯装填容器は、クランプ位置復元用バネを有し、前記クランプ位置復元バネによって前記クランプが対象となるシャープペンシルを内側に挟み込むように付勢していることを特徴とする請求項1記載の替え芯装填容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャープペンシルの替え芯を直接シャープペンシルへ補充できる替え芯容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のケースは替え芯をケースから取り出し、替え芯を手でつまみ、シャープペンシルの挿入部へ挿し込み補充している。また、先行技術として替え芯挿入部に替え芯ケースを挿し込み芯の補充を行いつつ、ケースを挿し込んだまま使用できる替え芯ケース(特許文献1)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-142693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
中高年のシャープペンシル使用者は、老眼且つ、手先を起用に動かしにくくなったことからシャープペンシルの替え芯の補充が難しくなり、シャープペンシルではなく鉛筆やボールペンを使用するようになった。既存の替え芯ケースでは、近くのものが見えにくい使用者や、手先の繊細な動作ができない使用者にとって難易度が高いと考えられる。また、先行技術(特許文献1)おいても上記のような問題を解決するため発明されたものだが、径の小さい替え芯挿入部へ替え芯ケースを挿し込まなければならず、使用できる人が限られると考えた。さらに、シャープペンシルが替え芯ケースによって延長され、重心の位置が上部に偏ることで書き心地が低下することに加えて、これを使用するためには専用のシャープペンシルが必要となり、汎用性が低いと考えた。
【0005】
本発明は、すべてのシャープペンシルに対し、替え芯をケースから取り出すことなく直接補充できることおよび、繊細な動作が不自由な使用者でも容易に替え芯をシャープペンシルへ補充できることを可能にし、汎用性と利便性を向上させ、身体機能の低下にかかわらず、シャープペンシルの使用を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、固定用溝7が切られたキャップ1、固定用溝7に嵌合するキャップ用固定具8とクランプ支持具9と替え芯挿入穴10を備えた外部容器2、シャープペンシルを替え芯を保持し、替え芯挿入穴10の位置から延びる渦巻状の板11および回転つまみ12を備えた内部容器3、対象となるシャープペンシルを固定するクランプ4によって構成され、対象となるシャープペンシルを替え芯の挿入口を開けた状態でクランプ4によって固定し、内部容器3の回転つまみ12を回すことで、内部容器3が外部容器2に対して相対的に回転し、内部容器3の渦巻状の板11が容器内部の替え芯を外部容器2の中心部にある替え芯挿入穴10へ誘導し、替え芯挿入穴10からシャープペンシルの挿入口へ芯が入り込み補充される。
【0007】
本発明はさらに、クランプ位置復元用バネ6を有し、クランプ位置復元バネ6によってクランプ4が対象となるシャープペンシルを内側に挟み込むように付勢している。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、下部に備えるクランプ4に替え芯を補充する対象のシャープペンシルを替え芯挿入口を開けて挿し込み、内側容器の回転つまみ12を回すことで、内部容器3の渦巻状の板11が容器内部の替え芯を外部容器2の替え芯挿入穴10へ誘導し、替え芯挿入穴10からシャープペンシルの挿入口へ芯が入り込み補充される。
【0009】
これにより、替え芯ケースから芯を取り出し、シャープペンシルへ挿入するという操作を取り除き、直接替え芯ケースからシャープペンシルへと補充することができる。
【0010】
クランプ位置復元バネの復元力を利用して、対象となるシャープペンシルをクランプで内側に挟み込むことで簡易的にシャープペンシルを固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明品の分解状態を示す等角投影図である。
図2】本発明品の分解状態を示す正面図である。
図3】本発明品の組立状態を示す等角投影図である。
図4】本発明品の組立状態を示す隠線表示の正面図である。
図5】本発明品の組立状態を示す側面図である。
図6図5におけるA-A線断面図である。
図7】本発明品の組立状態を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図3ないし図6は、本発明に係る替え芯装填容器の一実施例を示す。また、図1および図2は本容器の分解図である。外部容器2の内部容器用ソケット14に内部容器3を挿し込み、内部容器3にシャープペンシルの替え芯を補充し、キャップ1の固定用溝7と外部容器2のキャップ用固定具8を合わせ外部容器にキャップをはめ込むことで、替え芯補充部が構成される。
【0013】
また、補充対象のシャープペンシル固定用のクランプは図4図6に示す通り、クランプ4と外部容器2のクランプ支持具9の間に、位置復元用バネ6をはさみ、クランプ固定用シャフト5をクランプ4、クランプ支持部9、位置復元用バネ6のそれぞれの穴を通し挿し込むことで構成される。
【0014】
キャップ1には外部容器2と嵌合できる固定用溝7が切られている。外部容器2は、固定用溝7に嵌合するキャップ用固定具8とクランプ支持具9と替え芯挿入穴10を備えている。内部容器3は、替え芯挿入穴10の位置から延びる渦巻状の板11および回転つまみ12を備えている。また、クランプ4は、クランプ支持具9によって外部容器2に支持され、対象となるシャープペンシルを固定するものである。
【0015】
内部容器3における渦巻状の板11は、軸方向には一定の断面形状を有する。外部容器2の内部容器用ソケットの底部が、内部容器の底部を兼ねており、内部容器内の渦巻状の板11で仕切られた空間内に替え芯が保持されている。組み合わせた状態(組立状態)において、渦巻状の板11は、外部容器2の中心部にある替え芯挿入穴10の位置から延びるような構造となっている。渦巻の中心が、ほぼ替え芯挿入穴10の位置となる。
【0016】
対象となるシャープペンシルを替え芯の挿入口を開けた状態でクランプ4によって固定し、内部容器3の回転つまみを回すことで、内部容器3が外部容器2に対して相対的に回転し、内部容器3の渦巻状の板が容器内部の替え芯を渦巻の中心方向に誘導される。これにより、内部容器3の容器内部の替え芯が外部容器2の中心にある前記替え芯挿入穴へ誘導され、替え芯挿入穴からシャープペンシルの挿入口へ芯が入り込み補充される。
【0017】
替え芯の残数を確認できるようにするため、キャップ1、外部容器2および内部容器3は光透過性を有する樹脂を素材とすることが好ましい。また、キャップは替え芯の黒鉛が付着する可能性があるため、汚れが気になりにくい暗色・寒色系の透過性樹脂を使用することが好ましい。また、外部容器2および内部容器3はそれぞれ重なるため光透過性が高い樹脂を使用することが好ましい。
【0018】
キャップ1の固定用溝7の凹および、外部容器2のキャップ固定具8の凸は、例えば、外部容器2からキャップ1を握力15Kg程度でも取り外しでき、かつ保存保管環境・使用による自然な脱離がない程度の保持力を有する程度の深さおよび高さの凹凸とする。
【0019】
外部容器2および部容器3はラチェット機構を搭載することが好ましい。これにより、回転数および回転方向の制御および保存保管環境・使用による自然な回転を防ぎ、聴覚的に補充を確認することが可能になる。
【0020】
替え芯を対象のシャープペンシルへ補充するときは内部容器の回転つまみ12を内部の渦巻状の板11が中心へ向かう回転方向と反対に回す必要がある。この補充できる回転方向を回転つまみに刻印や印刷などで表示することが好ましい。
【0021】
クランプ4の挟みこみ口15は、底面から見るとひし形上になっており、シャープペンシルをクランプ4へ挿し込んだとき、挿し込み位置が円錐状の傾斜13内であればこのひし形の範囲へ誘導され、ひし形の傾斜により中心へシャープペンシルを誘導される。
【0022】
クランプ4の挟みこみ口15は、表面にラバー素材を採用することが好ましい。これにより、シャープペンシル固定時の保持力を強化することができる。
【0023】
クランプ4は、例えば、対象のシャープペンシルを挟みこみ口15へ誘導する円錐状の傾斜13の円錐の底面の直径を30mm確保し、クランプ4にシャープペンシルを固定するとき、震えなどで差し込み位置がずれても挟みこみ口へ誘導され、容易に固定できる。
【0024】
クランプ固定用シャフトを複数本用意することで、外部容器2とクランプ4の固定の剛性を確保するとともに、クランプ復元用バネ6の搭載可能本数を増加させることによるクランプ4の復元力すなわちシャープペンシルの保持力を向上させ、重量の大きいシャープペンシルでも固定できるようになる。
【0025】
以上、図1図7等に基づき本発明の一実施例を説明したが、本発明はこの形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0026】
1 キャップ
2 外部容器
3 内部容器
4 クランプ
5 クランプ固定用シャフト
6 クランプ復元用バネ
7 固定用溝
8 キャップ用固定具
9 クランプ支持具
10 替え芯挿入穴
11 渦巻状の板
12 回転つまみ
13 円錐状の傾斜
14 内部容器用ソケット
15 挟みこみ口
【要約】
【課題】すべてのシャープペンシルに対し、替え芯をケースから取り出すことなく直接補充できることおよび、繊細な動作が不自由な使用者でも容易に替え芯をシャープペンシルへ補充できることを可能にし、汎用性と利便性を向上させることを目的とする。
【解決手段】固定用溝が切られたキャップ、キャップ用固定具とクランプ支持具と替え芯挿入穴を備えた外部容器、替え芯挿入穴の位置から延びる渦巻状の板および回転つまみを備えた内部容器、シャープペンシルを固定するクランプによって構成され、シャープペンシルを替え芯の挿入口を開けた状態でクランプによって固定し、内側容器の回転つまみを回すことで、内部容器が外部容器に対して相対的に回転し、内部容器の渦巻状の板が容器内部の替え芯を外部容器の中心部にある替え芯挿入穴へ誘導し、替え芯挿入穴からシャープペンシルの挿入口へ芯が入り込み補充される。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7