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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-12
(45)【発行日】2023-05-22
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230515BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 332Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019147913
(22)【出願日】2019-08-09
(65)【公開番号】P2021027904
(43)【公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110002158
【氏名又は名称】弁理士法人上野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島崎 徳人
【審査官】奥田 雄介
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-088635(JP,A)
【文献】特開2019-097983(JP,A)
【文献】特開2017-086100(JP,A)
【文献】特開2020-48624(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の確率が互いに異なる複数の候補設定のうちのいずれかを現状設定とする設定手段と、
当否判定結果が当たりとなることを契機として、当たり遊技を実行する当たり遊技実行手段と、
複数の前記候補設定のうちのいずれが前記現状設定とされているかを示唆する設定示唆演出および当該設定示唆演出に至るまでの経過演出を実行する演出実行手段と、
を備え、
前記設定示唆演出は、前記当たり遊技において遊技者が得られた利益に基づく利益値が基準値に到達することを契機として実行され、
前記経過演出は、前記利益値の増加とともに減少していく演出数値が0となることで前記利益値が前記基準値に到達したことを示すものである
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記基準値は一定ではなく、当該基準値に応じて前記経過演出における前記演出数値の初期値が異なることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
表示されるキャラクタの種類が異なる複数種の前記経過演出が実行可能であり、
前記演出数値の初期値に応じて前記経過演出の種類が異なることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記設定示唆演出として、複数の前記候補設定のうち遊技者が有利な方から数えた一または複数の前記候補設定が現状設定とされていることが確定する高設定確定演出が発生する可能性があり、
表示されるキャラクタの種類が異なる複数種の前記経過演出が実行可能であり、
前記経過演出の種類は、当該経過演出の終了後に前記設定示唆演出として前記高設定確定演出が発生する蓋然性を示唆するものであることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆる「設定」に関する示唆(現状設定に関する示唆)がなされるぱちんこ遊技機が公知である(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-10593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、面白みのある現状設定に関する示唆を行うことが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた本発明にかかる遊技機は、所定の確率が互いに異なる複数の候補設定のうちのいずれかを現状設定とする設定手段と、当否判定結果が当たりとなることを契機として、当たり遊技を実行する当たり遊技実行手段と、複数の前記候補設定のうちのいずれが前記現状設定とされているかを示唆する設定示唆演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記当たり遊技の発生に基づいて決まる遊技履歴に関する履歴要素が、所定条件を満たすものとなることを契機として前記設定示唆演出が実行されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明にかかる遊技機は、面白みのある現状設定に関する示唆を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態にかかる遊技機の正面図である。
図2】表示領域に表示された識別図柄および保留図柄を示した図である。
図3】大当たり遊技(単位遊技)を説明するための図である。
図4】利益値を説明するための図である。
図5】候補設定と大当たり確率の関係を示した図である。
図6】経過演出および特定設定示唆演出を説明するための図である。
図7】経過演出および特定設定示唆演出を説明するための図(図6の続き)である。
図8】第一具体例を説明するための図である。
図9】第二具体例を説明するための図である。
図10】第三具体例を説明するための図である。
図11】第四具体例を説明するための図である。
図12】第五具体例を説明するための図である。
図13】第六具体例を説明するための図である。
図14】第七具体例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1)遊技機の基本構成
以下、本発明の一実施形態にかかる遊技機1(ぱちんこ遊技機)について図面を参照して詳細に説明する。まず、図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。なお、以下の説明において、特に明示することなく「画像」というときは、動画および静止画の両方を含むものとする。
【0009】
遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置908(発射ハンドル)の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する通路を構成するガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
【0010】
遊技領域902には、始動入賞領域904(第一始動入賞領域904a、第二始動入賞領域904b)、大入賞領域10、アウト口907などが設けられている。各種演出を実行する表示装置91の表示領域911は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能となる領域である。なお、表示領域911の形状等は適宜変更可能である(開口901の形状や大きさ、表示装置91自体の形状や大きさを変更することで表示領域911の形状等を変更することができる)。
【0011】
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
【0012】
このような遊技機1では、発射装置908を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞領域904や大入賞領域10等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。
【0013】
なお、遊技機1の枠体、遊技球を貯留する下皿や上皿など、本発明に関係のない遊技機1の構成要素は説明を省略する。これらについては公知の遊技機と同様の構造のものが適用できる。
【0014】
大当たりの抽選は、図示されない制御基板に設けられた当否判定手段が始動入賞領域904(第一始動入賞領域904a、第二始動入賞領域904b)への遊技球の入賞を契機として実行する。具体的には、始動入賞領域904への遊技球の入賞を契機として乱数源から数値(以下、当否判定情報と称することもある)が取得され、当該数値が予め定められた大当たりの数値と同じである場合には大当たりとなり、異なる場合にははずれとなる。本実施形態では、公知の遊技機と同様に、大当たりとなる場合には、識別図柄80(図2参照)が所定の組み合わせ(例えば同じ図柄の三つ揃い)となることによって報知され、それ以外の組み合わせが表示された場合にははずれとなる。
【0015】
本実施形態では、上記当否判定のための数値が取得された順に当否判定結果の報知が開始される(識別図柄80の変動が開始される)こととなるが、ある数値が取得されたときに、それより前に取得された数値に基づく当否判定結果が報知されている際には、当該ある数値に基づく当否判定結果の報知が開始されるまで、図示されない制御基板に設けられた記憶手段に記憶される。未だ当否判定結果の報知(識別図柄80の変動)が開始されていない数値(当該数値のそれぞれに対応するものが「保留(情報)」である。保留(情報)は当否判定情報の下位概念であるといえる)の最大の記憶数(最大保留数)は適宜設定することができる。本実施形態における記憶手段が記憶できる最大保留数は、一種の始動入賞領域904につき四つである。なお、本実施形態では、当否判定結果の報知が開始される時点で、取得された数値が大当たりとなる数値か否かが判断されることとなるが、数値が取得されたときに当否判定を行い、当否判定結果自体を記憶させておく構成としてもよい。また、取得された数値は、当否判定結果を報知する演出の具体的な内容を決定するための数値としても利用される。
【0016】
本実施形態にかかる遊技機1では、記憶手段に記憶されている当否判定結果の報知が開始されていない取得された数値(当否判定情報)のそれぞれに対応するマークである保留図柄70が、表示装置91の表示領域911に表示される。具体的には、当否判定を実行するための数値が取得された順に並ぶよう、保留図柄70が表示装置91の表示領域911に表示される(図2参照)。本実施形態では、数値が取得されたタイミングが早いものから(いわゆる保留消化が早いものから)順に左から並ぶよう表示される。当否判定結果の報知は完了していないが、既に当否判定結果を報知する演出(識別図柄80の変動)が開始されているもの(いわゆる当該変動)に対応する保留図柄(図示せず)が表示されるようにしてもよい。
【0017】
本実施形態では、遊技状態として、通常遊技状態と特別遊技状態が設定されている。特別遊技状態は、通常遊技状態に比して遊技者に有利な遊技状態である。通常遊技状態は、大当たりに当選する確率が低い低確率遊技状態であり、かつ、始動領域904に遊技球が入賞しにくい低ベース状態(低確率・時短無)である。特別遊技状態としては、第一特別遊技状態と第二特別遊技状態が設定されている。第一特別遊技状態は、大当たりに当選する確率が高い高確率遊技状態であり、かつ、始動領域904に遊技球が入賞しやすい高ベース状態(高確率・時短有)である。第二特別遊技状態は、大当たりに当選する確率が低い低確率遊技状態であり、かつ、始動領域904に遊技球が入賞しやすい高ベース状態(低確率・時短有)である。通常遊技状態においては、遊技者は、第一始動領域904a(いわゆる特図1の始動領域)を狙って遊技球を発射させる。本実施形態では、いわゆる「左打ち」を行う。特別遊技状態は、第二始動領域904b(いわゆる特図2の始動領域)を狙って遊技球を発射させる。本実施形態では、いわゆる「右打ち」を行う。特別遊技状態は、普通始動領域905に遊技球が進入することを契機とした第二始動領域904bの開放抽選に当選しやすい状態であるため、比較的容易に第二始動領域904bに遊技球が入賞する。なお、遊技状態の移行に関する設定はどのようなものであってもよいから説明を省略する。また、上記のような遊技状態が設定されていることはあくまで一例である。
【0018】
本実施形態における遊技機1は、いわゆる「確変ループ機」である。大当たりとして、通常大当たりおよび特別大当たりが設定されている。通常大当たりに当選した後は、第二特別遊技状態(低確率・時短有)に移行する。特別大当たりに当選した後は第一特別遊技状態(高確率・時短有)に移行する。第二特別遊技状態は所定回数(例えば100回)連続して当否判定結果がはずれとなるまで継続する。第二遊技状態にて所定回数連続して当否判定結果がはずれとなった場合には通常遊技状態に移行する。第一特別遊技状態は当否判定結果が大当たりとなるまで継続する。いわゆる「確変割合」は適宜設定することができる。本実施形態では、全大当たりに占める特別大当たりの割合は65%である(通常大当たりは45%である)。なお、「確変ループ機」とするのはあくまで一例である。所定回数連続して当否判定結果がはずれとなるまで第一特別遊技状態が継続するように設定されたいわゆるST機としてもよい。
【0019】
2)大当たり遊技、利益値
当否判定結果が大当たりとなった場合、大当たり遊技が実行される。大当たり遊技は、複数の単位遊技から構成される。各単位遊技は、「ラウンド」等と称されるものである(ある大当たり遊技におけるX回目の単位遊技は、「Xラウンド」等と称される)。例えば、「10ラウンド大当たり」は、単位遊技が10回繰り返されるものである。各単位遊技は大入賞領域10に遊技球が入賞可能な状態とされるものであるから、当該単位遊技の数(ラウンド数)が多くなるほど、遊技者が獲得することができる遊技球数の期待値が多くなる。なお、本実施形態では、大入賞領域10に一の遊技球が入賞することによって払い出される遊技球の数(賞球数)は、15個に設定されている。
【0020】
本実施形態では、大入賞領域10は、遊技領域902の右側に設けられている(図1参照)。したがって、大当たり遊技中において、遊技者は、遊技領域902の右側に遊技球が進入するよういわゆる「右打ち」遊技を行う。大当たり遊技中は、表示領域911に「右打ち」を行うべき状況であることを示す表示がなされる。なお、いわゆる「左打ち」遊技(遊技領域902の左側に遊技球が進入するよう遊技球を発射する)するべき大当たり遊技とすることを否定するわけではない。
【0021】
単位遊技は、終了条件が成立するまで、大入賞領域10に遊技球が入賞可能な状態とされるものである。本実施形態では、大入賞領域10に付随するようにして、大入賞領域10の入口を閉鎖する閉位置(原位置)と、大入賞領域10の入口を開放する開位置との間を往復動作可能である開閉部材11が設けられている(図1図3参照)。単位遊技が実行されている期間中の少なくとも一部においては、当該開閉部材11が開位置に位置し、大入賞領域10に遊技球が入賞可能な状態とされることになる。
【0022】
なお、大入賞領域10を開放・閉鎖する構造はどのようなものであってもよい。本実施形態にかかる遊技機1は、遊技盤面に沿う閉位置と、当該閉位置から手前に倒れた開位置との間を往復動作可能な開閉部材11が設けられたものであり、当該開閉部材11が開位置に位置した状態となることで当該開閉部材11により遊技球が大入賞領域10に誘導される構造を有する。図示しないが、遊技球が通過する通路の下に大入賞領域10を設け、開閉部材11が閉位置に位置するときには当該開閉部材11が当該通路の底面を構成し、開閉部材11が開位置に位置することで当該通路に進入した遊技球が大入賞領域10に誘導されるような構造(いわゆる「スライドアタッカー」を用いた構造)であってもよい。
【0023】
単位遊技の終了条件の一つとして、「一回の単位遊技において大入賞領域10にN個(Nは自然数)の遊技球が入賞したこと」(入賞終了条件)が設定されている。つまり、一回の単位遊技においてN個の遊技球が入賞したことが検出されたことを契機として当該単位遊技が終了する(図3(a)(b)参照)。当該Nの値は「カウント」等と称されるものである。本実施形態ではN=10に設定されている。つまり、基本的には(いわゆる「オーバー入賞」が発生しないときには)、一回の単位遊技において大入賞領域10に入賞する遊技球の数は10個である。別の終了条件として、「単位遊技が開始されてから所定時間経過したこと」(時間終了条件)が設定されている(図3(a)(b)参照)。したがって、大入賞領域10に遊技球が10個入賞するよりも前に単位遊技が終了する可能性もある。本実施形態における終了条件は上記二つであるが、これらの終了条件とは異なる別の終了条件が設定されていてもよい。
【0024】
大入賞領域10に向かって継続的に遊技球を発射し続けていれば(遊技球の発射を停止する等の行動をとらなければ)、時間終了条件が成立するよりも前に入賞終了条件が成立するように構成されている。すなわち、大入賞領域10に向かって継続的に遊技球を発射し続けていれば、一の単位遊技にて少なくとも10個の遊技球が大入賞領域10に入賞し、当該単位遊技が終了することになる。したがって、例えば10ラウンド大当たりであれば、少なくとも「10(カウント)×15(一の遊技球の入賞あたりの賞球数)×10(ラウンド数)=1500個」の遊技球が払い出されることになる。つまり、指示通り遊技を行っていれば、少なくとも1500個の賞球が得られるということである。
【0025】
大当たり遊技中は、当該大当たり遊技において遊技者が得られた利益を示す値(以下、利益値と称する)が算出される。基本的には、利益値は、遊技者が得られた遊技球の数が増えるほど増加するようなものであればよいが、どのような値を利益値とするかは種々考えらえるため、以下にその例(第一態様~第三態様)を示す。
【0026】
なお、基本的な考え方として、大当たり遊技中に払い出された遊技球の数を基準として利益値とするか、大当たり遊技中に増えた遊技球の数を基準として利益値とするかに区分けされる。つまり、前者は「賞球数」を基準とするものであり、後者は「純増数」(払い出された遊技球の数(賞球数)-発射した遊技球の数)を基準とするものである。本実施形態では「賞球数」を基準としているが、「純増数」を基準とすることを否定するわけではない。
【0027】
また、利益値は、「賞球数」や「純増数」の値をそのまま表したものでなくてもよい。例えば、「賞球数」や「純増数」に所定の係数を乗じたものを利益値としてもよい。利益値が、実際の「賞球数」や「純増数」といった値と相関関係にあればよい。
【0028】
第一態様(図4(b-1)参照)は、一の単位遊技において入賞領域にN個(上述した「カウント」の値)までの遊技球が入賞することによって得られる確定利益(図4(a-1)参照)に基づいた値を利益値とするものである。本実施形態の設定であるとすれば、一の単位遊技において得られる確定利益は、通常であれば「10(カウント)×15(一の遊技球の入賞あたりの賞球数)=150個」であり、それにラウンド数を乗じた値が「確定利益」となる。それを利益値とするのが本態様である。ただし、これはあくまで遊技者が通常通り遊技を行っていた場合である。例えば、大当たり遊技中に大入賞領域10に向かって継続的に遊技球を発射することを行わなかった場合(比較的長時間発射を停止した場合)や、遊技球の流れが極めてイレギュラーなものとなった場合には、入賞終了条件ではなく時間終了条件にて単位遊技が終了する(一の単位遊技における入賞数がN個未満の状態で当該単位遊技が終了する)可能性がある。このような場合には、確定利益の値は少なくなる。しかし、このような状況が発生する可能性は稀であり、基本的には、一の単位遊技における確定利益は、「10(カウント)×15(一の遊技球の入賞あたりの賞球数)=150個」となり、大当たり遊技を通じて得られる確定利益は「150×ラウンド数」となる。端的に言えば、大当たり遊技を構成する単位遊技の数が同じであれば、当該大当たり遊技にて増加する利益値が特殊なケースを除き毎回同じである態様であるともいえる。なお、本態様は、詳細を後述するオーバー入賞や、大入賞領域10以外の入賞領域に遊技球が入賞することによる賞球が利益値から除かれるというものである。
【0029】
第二態様(図4(b-2)参照)は、上述した確定利益以外の利益である付加利益(図4(a-2)参照)を含めた利益に基づいた値を利益値とするものである。すなわち、「利益値=確定利益+付加利益」であるということである。「付加利益」分、上記第一態様よりも利益値が大きくなりやすい態様であるといえる。付加利益に含まれる概念としては、いわゆるオーバー入賞によって得られる利益(以下、オーバー入賞利益と称する)(図4(a-2-1)参照)、および、その他入賞によって得られる利益(以下、別入賞利益と称する)(図4(a-2-2)参照)を挙げることができる。オーバー入賞は、ある単位遊技において、N個の遊技球が入賞することによって入賞終了条件が成立したにも拘わらず、大入賞領域10が開閉部材11によって閉鎖されるよりも前に、N個を超える遊技球が入賞することをいう。すなわち、オーバー入賞は、一の単位遊技においてN+α個(αは1以上の自然数である)の入賞が発生することであり、オーバー入賞利益は、α個の遊技球の入賞によって得られる利益ということである。本実施形態のように一の遊技球が入賞することにより15個の賞球が得られるのであれば、一の単位遊技におけるオーバー入賞利益は「α×15個」となる。
【0030】
別入賞利益は、大当たり遊技中に大入賞領域10以外の入賞領域(以下、別入賞領域29と称する)に遊技球が入賞することによって得られる利益である。大当たり遊技中は、大入賞領域10に向かって遊技球を発射させることになるところ、当該大入賞領域10に入賞しない遊技球の一部が別入賞領域29に入賞する可能性がある。したがって、本実施形態のように大当たり遊技中右打ち遊技する態様であれば、右打ち遊技によって遊技球が入賞する可能性がある位置に配置された(図1参照)一または複数の別入賞領域29が、別入賞利益の対象となる。別入賞領域29に一の遊技球が入賞することによって払い出される遊技球の数(賞球数)はどのようなものであってもよい(本実施形態では賞球数=3である)。また、複数の別入賞領域29が設けられる場合、各別入賞領域29の賞球数が同じでなくてもよい。また、複数の別入賞領域29のうちの一部に遊技球が入賞することによって得られた賞球は別入賞利益の対象となるものの、その他の別入賞領域29に遊技球が入賞することによって得られた賞球は別入賞利益の対象とならない設定としてもよい。
【0031】
付加利益は、確定利益とは異なり、利益が得られるかどうかが不確定な色彩が強い(増減しやすい)ものであるといえる。したがって、第二態様とした場合、付加利益が含まれている分、利益値がその都度変化しやすい(第一態様とよりも変化しやすい)といえる。
【0032】
第三態様(図4(b-3)参照)は、付加利益に基づいた利益を利益値とするもの(確定利益を含まないもの)である。すなわち、「利益値=付加利益」であるということである。第二態様と同様に、付加利益が含まれている分、利益値がその都度変化しやすい(第一態様とよりも変化しやすい)といえる。
【0033】
なお、第二態様や第三態様において、オーバー入賞利益および別入賞利益等、確定利益以外の利益の全てが付加利益に含まれるような態様としてもよいし、確定利益以外の利益のうちの一部の利益が付加利益に含まれない態様としてもよい。例えば、「オーバー入賞利益=付加利益」といった態様としてもよい。
【0034】
また、第一態様や第二態様における確定利益に関し、大当たり遊技を構成する一部の単位遊技にて得られる利益が確定利益に含まれないような構成としてもよい。例えば、10ラウンド大当たりにおいて、第1~第9ラウンドの単位遊技にて得られた利益は確定利益に含まれるものの、第10ラウンドの単位遊技にて得られた利益は確定利益に含まれないものとする設定としてもよい。同様に、第二態様や第三態様におけるオーバー入賞利益に関し、大当たり遊技を構成する一部の単位遊技にて発生したオーバー入賞利益が付加利益に含まれないようにしてもよい。例えば、10ラウンド大当たりにおいて、第1~第9ラウンドの単位遊技にて発生したオーバー入賞利益は付加利益に含まれるものの、第10ラウンドの単位遊技にて発生したオーバー入賞利益は付加利益に含まれないものとする設定としてもよい。
【0035】
また、いわゆる「小当たり」に当選することによって所定の入賞領域が開放される構成にする場合、当該小当たりによって得られる利益(賞球)が利益値に含まれるようにしてもよい。なお、小当たり遊技は、一般的には一回あたりの入賞数が決まっているというものではない(一般的には一回あたりに得られる賞球数が未定であるものである)から、小当たり遊技によって得られる利益は付加利益に含まれるようにすればよい。
【0036】
上記利益値は、所定のリセット条件が成立することによってリセットされる(「0」とされる)。本実施形態では、通常遊技状態に移行することがリセット条件として設定されている。上述した通り、大当たり遊技終了後は、遊技状態は第一特別遊技状態(高確率・時短有)または第二特別遊技状態(低確率・時短有)に移行する。通常遊技状態に移行せずに、特別遊技状態にて大当たりに当選することがいわゆる「連チャン」に相当するところ、「連チャン」が発生している限りにおいて(「連チャン」が終了しない限りにおいて)リセット条件が成立しないということである。したがって、「連チャン」中の利益値は加算されていく。例えば、ある大当たり遊技(先の大当たり遊技)終了後に設定された第一特別遊技状態または第二特別遊技状態にて当選した大当たりに基づく大当たり遊技(後の大当たり遊技)においては、当該後の大当たり遊技にて得られた利益が、先の大当たり遊技における利益値に対して加算されていくことになる。したがって、「連チャン」数が多くなるほど(通常遊技状態に移行せずに当選した大当たりの回数が多くなるほど)、利益値は大きくなっていく。
【0037】
3)設定
本実施形態にかかる遊技機1は、いわゆる「設定付ぱちんこ」である。ここでいう「設定」とは、遊技者にとって有利な度合が異なるように複数段階に区分けされたもののそれぞれをいう。「有利な度合」に差をつける手法としては種々考えられる。本実施形態では、当否判定(当否抽選)に当選する確率、すなわち大当たり確率に差をつけている。少なくとも、低確率遊技状態における大当たり確率が設定毎に異なるものとされる(図5参照;当該図に示した大当たり確率は、低確率遊技状態における大当たり確率である)。高確率遊技状態における大当たり確率が設定毎に異なるものとしてもよい。本実施形態では、候補設定1~6の六種類が設けられている。候補設定1から順に大当たり確率が高くなる(候補設定6が最も大当たり確率が高い)。当然ではあるが、大当たり確率が高いほど大当たりに当選しやすいということであるため、「設定1」が遊技者にとって最も不利な設定であり、「設定6」が遊技者にとって最も有利な設定であるといえる。当該候補設定1~6のいずれかが現状の設定(以下、現状設定と称する)として遊技店員によりセットされ、遊技店において遊技者に供されることになる(遊技者は現状設定を変更することはできない)。当該現状設定のセット・変更のための構造はどのようなものであってもよいから詳細な説明を省略する。例えば、遊技機1内部に設定キーを挿入することが可能な鍵穴を設け、当該設定キーを操作することで、現状設定をセット・変更することができるようにすることが考えられる。
【0038】
なお、「有利な度合」に差をつける手法は、大当たり確率に限られない。遊技者の利益(出玉の期待値)に影響を及ぼす確率であれば、その他の確率が対象とされていてもよい。例えば、大当たり遊技終了後の遊技状態が高確率遊技状態に移行する大当たりの割合(いわゆる確率変動割合)が対象とされていてもよい。つまり、確率変動割合が異なる複数種の候補設定が設けられ、当該候補設定のうちのいずれかが現状設定としてセットされる構成とする。
【0039】
4)設定示唆
本実施形態にかかる遊技機1は、現状設定に関する示唆を行う設定示唆演出を実行することが可能である。設定示唆演出の作用である「現状設定に関する示唆」の態様としては、大まかにみて二つある。一つは、いわゆる「設定変更」がなされたかどうかの示唆(設定変更示唆)である。遊技店側による現状設定の変更の方法等は上述した通りであるが、現状設定の変更がなされたことが設定示唆演出により示唆されることがある。なお、「設定変更」には現状設定とされている候補設定と同じ候補設定を設定した場合(いわゆる設定の「打ち直し」)も含まれるものとする。つまり、「設定変更」がなされたか否かは、厳密には、現状設定が変わったか否かではなく、複数の候補設定のうちのいずれかを現状設定として設定する操作を新たに行ったか否かに相当するものである。
【0040】
なお、設定変更示唆には、大きく分けて、設定変更がなされたことが確定する確定系示唆と、設定変更がなされた確率の高低を示す確率系示唆が存在する。例えば、ある画像が表示された場合に設定変更が確定するような態様が確定系示唆であり、ある画像が表示された場合に設定変更確率が〇〇%(100%未満)であるような態様が確率系示唆ということになる。
【0041】
もう一つは、いずれの候補設定が現状設定として設定されているのかについての示唆(現状設定示唆)である。このような設定示唆演出による示唆作用に基づきながら、遊技者は現状設定を推測しつつ遊技を楽しむことになる。
【0042】
また、現状設定示唆には、大きく分けて、確率系示唆と確定系示唆が存在する。確率系示唆は、複数の候補設定のうちのいずれかが現状設定とされていることが「確定」はしない(複数の候補設定のうちのいずれかが現状設定とされていないことが「確定」はしない)ものの、特定の候補設定が現状設定とされている確率が高まる(特定の候補設定が現状設定とされている確率が低くなる)ようなものである。例えば、設定示唆演出として複数の設定示唆要素(例えば画像)のうちのいずれかが出力されるような構成において、どの設定示唆要素が出力されるかに応じ、複数の候補設定のうちのいずれか現状設定とされている確率が高まるような態様をいう。このような確率系示唆は、実際に設定示唆がなされる回数が多くなるほど、現状設定の予想が的中する確率が高まることになる。
【0043】
一方、確定系示唆は、複数の候補設定のうちの一または複数のいずれかが現状設定とされていることが「確定」するものである。裏を返せば複数の候補設定のうちの一または複数のいずれかが現状設定とされていないことが「確定」するものであるといえる。さらにいえば、上記確率系示唆において、ある設定示唆要素について所定の候補設定に対応づけられた確率が100%であるものという見方もできる。例えば、ある特定の画像が表示された場合、現状設定が「設定4」~「設定6」のうちのいずれかが確定するといった態様や、現状設定が「設定6」であることが確定するといった態様や考えられる。この種の態様は、複数の候補設定のうち、遊技者が有利な方から数えた一または複数の候補設定が現状設定とされていることが確定するものであるから、いわゆる「高設定確定」演出であるといえる。また、現状設定が「設定2」ではないといった態様としてもよい(逆の見方をすれば、現状設定が「設定1」、「設定3」~「設定6」のうちのいずれかであることが確定するという意味ではある)。
【0044】
5)特定設定示唆演出
以下、本実施形態にかかる遊技機1が実行可能な大当たり遊技にて発生することがある特定設定示唆演出(なお、当該特定設定示唆演出以外の設定示唆演出が発生するものとしてもよい。)について説明する。当否判定結果が大当たりとなった場合に実行される大当たり遊技が、特定設定示唆演出発生の条件となる。つまり、大当たり遊技が発生しなければ(大当たりに当選しなければ)、特定設定示唆演出は発生しない。換言すれば、大当たり遊技が発生することによって決まる要素(以下、履歴要素と称することもある)が、所定条件を満たすものとなることを契機として特定設定示唆演出が発生する。
【0045】
本実施形態では、利益値が基準値に到達することを契機として特定設定示唆演出が発生する。基準値は適宜設定することができる。本実施形態では、「5000」、「10000」、「15000」・・・といったように、基準値が「5000」刻みに設定されている。本実施形態では、特定設定示唆演出に至るまでの演出(以下、経過演出と称することもある)として敵キャラクタを倒す「バトル演出」が実行される(図6(a)~(c)、図7(a)参照)。敵キャラクタの体力(HP)が「5000」ポイントであることを前提とし、獲得した利益値に応じ、敵キャラクタの体力が減少していく(体力を「メータ」等で表してもよい)。すなわち、利益値が増加するほど、敵キャラクタの体力が低下していく(リセット条件成立後、一回も特定設定示唆演出が発生していない状態においては「5000-利益値=敵キャラクタの残りの体力」となる)という演出が大当たり遊技中(単位遊技中)に展開される。ある大当たり遊技にて利益値が基準値に到達しなかった場合(敵キャラクタの体力が0にならなかった場合)には、上述したリセット条件が成立しない限り(「連チャン」が継続している場合には)、利益値は次回の大当たり遊技に持ち越される(次回の大当たり遊技にて、敵キャラクタの体力が「減った」状態から再開される)。利益値の増加は即座に経過演出に反映されるようにするとよい。本実施形態では、利益値の増加量を示す増加表示21(本実施形態では賞球数そのものである)が表示領域911に表示され、それと同じ数値が敵キャラクタの体力(基準値)から差し引かれていく(例えば、大入賞領域10に遊技球が入賞した場合はそれを契機として「15」の数字(賞球数を示す数字)を含む表示がなされるとともに、敵キャラクタの体力が15減少する)(図6(b)(c)参照)。なお、本実施形態では、トータルの利益値(リセット条件が成立した後の利益値)も利益表示20として併せて表示される。利益値が増加する度に(遊技球が入賞領域に入賞する度に)、敵キャラクタがダメージを受けるような画像が表示されるとよい。一または複数回の大当たりを経て、敵キャラクタの体力(基準値)が0となることにより、敵キャラクタが倒されたかのような画像が表示され(図7(a)参照)、特定設定示唆演出が実行される(図7(b)参照)。
【0046】
なお、利益値(基準値)の表示手法を上記のようにすることはあくまで一例である。トータルの利益値を継続的に表示し、当該利益値が基準値に到達することを契機として敵キャラクタが倒されるような態様としてもよい。
【0047】
本実施形態では、利益値が基準値に到達した時点(経過演出の終了時点)と、特定設定示唆演出が開始されるまでの時点との間の時間は一定である。つまり、利益値が基準値に到達するタイミングが早いほど、特定設定示唆演出が開始されるタイミングは早くなる。本実施形態では、経過演出が終了してすぐに特定設定示唆演出が開始される(経過演出と特定設定示唆演出は連続する)。
【0048】
なお、経過演出を「バトル演出」とするのはあくまで一例である。利益値が基準値に近づいていくことを示すような演出であればよい。利益値が基準値に到達したときに何らかの事象が発生することを暗示するような演出としてもよいし、設定示唆が発生することが明示される演出としてもよい。
【0049】
また、利益値が基準値(例えば「5000」)に到達する度に、利益値が0にリセットされ、再び利益値が基準値(例えば「5000」)に到達することを契機として特定設定示唆演出が実行されるようにしてもよい。ただし、利益値を示す利益表示20は今までに得られた利益(出玉)を遊技者に示す作用を発現するものでもあるから、上述したリセット条件が成立しない限りリセットされないようにすることが好ましい。
【0050】
実行される設定示唆の内容は、設定変更示唆であってもよいし、現状設定示唆であってもよい(設定変更示唆および現状設定示唆の両方であってもよい)。本実施形態では、現状設定示唆が行われる。具体的には、複数種の設定示唆画像30のうちのいずれかが表示される(図7(b)参照)。いずれの設定示唆画像30が選択されるかは、現状設定に応じて確率が異なっている。当該設定示唆画像30を見て、遊技者は、現状設定を推測することになる。
【0051】
このように、本実施形態にかかる遊技機1は、大当たり遊技にて得られた利益に応じ、設定示唆演出が実行されるかどうかが決まるという面白みのあるものである。
【0052】
6)利益値の態様と特定設定示唆演出の作用の関係
利益値の態様(表示手法)としては、上述した第一態様~第三態様(図4(b)参照)が考えられる。利益値の態様をいずれに設定するかによって、特定設定示唆演出の作用(面白み)が異なるものとなるため、かかる点について以下説明する。
【0053】
利益値を第一態様とする場合について説明する。例えば、「確定利益=利益値」とする場合、大当たり遊技を構成する単位遊技の数が同じであれば、当該大当たり遊技にて増加する利益値が特殊なケースを除き毎回同じとなる。すなわち、一の単位遊技あたりに増加する利益値は常時「150」ということになる。一の単位遊技あたりに増加する利益値は最大「150」であるともいえる。上記の通り、基準値が「5000」刻みに設定されているとすれば、リセット条件が成立するよりも前に34回の単位遊技が実行されれば、基準値に到達することになる(150×34=5100)。このように、利益値が基準値に到達する時点がおおよそ予測できるような態様となる。
【0054】
また、利益値を第一態様とするのであれば、基準値を、大当たり遊技にて得られる最大の確定利益を超えるものとすることが好ましい。例えば、大当たり遊技を構成する最大の単位遊技の数が10ラウンドである(MAXラウンドが10ラウンドである)のであれば、最大の確定利益は1500ということになる。これを踏まえ、基準値(最小の基準値)を1500超とすることが好ましい。これにより、一回の大当たりの当選により特定設定示唆演出が実行されることがなくなる(いわゆる「連チャン」が発生しなければ特定設定示唆演出が実行されることはない)。一回の大当たりの当選により特定設定示唆演出が実行されるようなことがあると、「設定示唆」の価値が大きく低下してしまうためである(「設定示唆」が実行されるハードルの高さをある程度確保しておくとよい)。
【0055】
利益値を第二態様とする場合、例えば「確定利益+付加利益=利益値」とする場合、確定利益はほぼ一定であるが、付加利益は不確定要素の強い利益であってその都度利益の大小が変化しうることになる。そのため、付加利益の分が利益値の増加の度合の高低に影響をおよぼすことになる。すなわち、付加利益が大きくなるほど、利益値が基準値に到達しやすくなる。換言すれば、付加利益が大きくなるほど、特定設定示唆演出が発生しやすくなる(発生するタイミングが早くなる)ということである。
【0056】
付加利益の発生は、「出玉」として遊技者が享受する利益の増加に繋がる(出玉利益が得られる)ものである。利益値に当該付加利益が加えられることで、付加利益の大小が、出玉利益に加え、設定示唆の享受しやすさにも作用するという面白みのある遊技性を実現することができる。
【0057】
利益値を第三態様とする場合、例えば「付加利益=利益値」とする場合、不確定要素の強い付加利益がそのまま利益値となるため、利益値の増加の度合はばらつくことになる。すなわち、付加利益の獲得状況に応じ、利益値が基準値に到達するタイミングの遅早が左右されることになる。
【0058】
付加利益の発生は、「出玉」として遊技者が享受する利益の増加に繋がる(出玉利益が得られる)ものである。利益値が当該付加利益そのものとされることで、付加利益の大小が、設定示唆の享受しやすさにも作用するという面白みのある遊技性を実現することができる。
【0059】
なお、第二態様および第三態様において、オーバー入賞利益および別入賞利益等、確定利益以外の利益の全てが付加利益に含まれるものとするのであれば、付加利益が利益値の大小に与える影響が大きくなる。付加利益の影響を小さくしたいのであれば、一部の利益が付加利益に含まれない設定とすればよい。例えば、オーバー入賞利益および別入賞利益の一方のみが付加利益に含まれるような設定とすればよい。
【0060】
7)以下、特定設定示唆演出に関する事項を改良、具体化、変形等した具体例について説明する。なお、以下の具体例を用いて説明する技術を複数組み合わせて適用した構成としてもよい。
【0061】
〇第一具体例
基準値が一定ではない構成とする。例えば、基準値として、第一基準値「1000」、第二基準値「3000」、第三基準値「5000」が設定されているものとする。新たに基準値が設定される際には、基準値を決める抽選を経て、当該三つの基準値のうちのいずれかが設定される。特定設定示唆演出の発生は遊技者に有利な事象であるといえるから、設定される基準値が少ないほど、遊技者にとって喜ばしい状況であるといえる。
【0062】
この場合、各基準値のそれぞれに対応した経過演出が設けられているとよい。すなわち、複数種の経過演出が設けられ、設定された基準値により経過演出の種類が変化するものとする。経過演出を上記実施形態のようなバトル演出とするのであれば、各基準値に対応づけられたバトル演出の種類が異なるものとすることが考えられる。すなわち、第一基準値が設定された場合は敵キャラクタAと戦う第一バトル演出(図8(a)参照)が、第二基準値が設定された場合は敵キャラクタBと戦う第二バトル演出(図8(b)参照)が、第三基準値が設定された場合は敵キャラクタCと戦う第三バトル演出(図8(c)参照)が実行されるものとする。敵キャラクタを倒した結果として特定設定示唆演出が発生するのであるから、小さい基準値に対応づけられた敵キャラクタほど、「弱い」敵キャラクタであるということになる。
【0063】
〇第二具体例
複数種の経過演出が設けられ、当該経過演出の種類が、経過演出を経て実行される特定設定示唆演出の内容を示唆するものとする。例えば、経過演出として、第一バトル演出、第二バトル演出、第三バトル演出の三種類のうちのいずれかが発生するものとする(図9(a)参照)。そして、特定設定示唆演出として、「高設定確定」演出(遊技者にとって発生することが喜ばしい設定示唆演出)が発生しうる(図9(b)参照)ものとする。経過演出後に当該「高設定確定」演出が発生する確率は、第一バトル演出、第二バトル演出、第三バトル演出の順で高くなる(第三バトル演出が最も高い)設定とする(「高設定確定」演出が発生しない場合には、その他の設定示唆演出が発生するものとする)。このようにすることで、経過演出の種類にも遊技者が注目する遊技性を実現することが可能となる。
【0064】
本例において、経過演出の種類と基準値の大小は関係がない設定としてもよいし、上記第一具体例にて説明したように経過演出の種類と基準値の大小がリンクする設定としてもよい。前者のようにすれば、経過演出の種類が「高設定確定」演出の発生という遊技者にとって有利な状況となる蓋然性を示唆するというシンプルな遊技性となる。一方、後者のようにすれば、基準値が大きいほど「高設定確定」演出の発生という遊技者にとって有利な状況となる蓋然性が高いという構成となる。すなわち、特定設定示唆演出の発生に至るまでのハードルが高いほど(基準値が大きいほど)、遊技者にとって有利な状況となる蓋然性が高いという遊技性となる。
【0065】
〇第三具体例
利益値が基準値に到達することを契機として必ず特定設定示唆演出が発生するとは限らない設定とする。具体的には、利益値が基準値に到達することを契機として特定設定示唆演出を発生させるか否かの抽選(設定示唆実行抽選)が行われ、当該抽選に当選した場合に、特定設定示唆演出が発生するものとする(図10参照)。このような構成としても、結局は利益値が基準値に到達しない限り特定設定示唆演出は発生しないのであるから、利益値の増加が特定設定示唆演出の発生に近づくという遊技性が実現される。
【0066】
上記第一具体例や第二具体例にて説明したように、経過演出の種類が設定示唆実行抽選の高低を示唆するものとしてもよい。例えば、経過演出として、第一バトル演出、第二バトル演出、第三バトル演出の三種類のうちのいずれかが発生するものとする(図10(a)参照)。設定示唆実行抽選に当選する確率は、第一バトル演出、第二バトル演出、第三バトル演出の順で高くなる(第三バトル演出が最も高い)設定とする。設定示唆実行抽選に当選することによって遊技者は設定示唆作用を享受することができるのであるから、設定示唆実行抽選に当選する確率が高い経過演出が実行されるほど、遊技者にとって有利な状況であるといえる。
【0067】
〇第四具体例
上記実施形態では、単位遊技中に経過演出が実行され(利益値の増加が即座に経過演出に反映され)、経過演出(敵キャラクタを倒す)が終了してすぐに特定設定示唆演出が開始されるものであることを説明したが、経過演出や特定設定示唆演出が実行されるタイミングは本例や後述する第五具体例として示すように種々考えられる。
【0068】
経過演出や特定設定示唆演出を大当たり遊技におけるエンディング期間に行うようにすることが考えられる。エンディング期間は、大当たり遊技を構成する全ての単位遊技(最後の単位遊技)が終了した時点(以下、単位遊技終了時点とする)と、大当たり遊技が終了する時点(新たな当否判定結果の報知が開始される時点)との間の期間である。単位遊技終了時点までの期間においては、利益値が増加していくような表示がなされる(図11(a)参照)。そして、単位遊技終了時点における最終的な利益値に基づき、エンディング期間にて経過演出が実行される(図11(b)参照)。具体的には、利益値分のポイントのダメージを敵キャラクタに与えるような攻撃がなされ、当該利益値が基準値に到達していれば敵キャラクタを倒すという結果(成功結果)に至り(図11(c-1)参照)、基準値に到達していなければ成功結果には至らない(失敗結果となる)(図11(c-2)参照)。成功結果となった場合には、特定設定示唆演出が実行される(図11(d-1)参照)が、成功結果とならなかった場合には、特定設定示唆演出は実行されない(図11(d-2)参照)。このように、経過演出および特定設定示唆演出がエンディング期間に行われるようにすることで、エンディング期間の長さを遊技者が感じにくくなるから、いわゆる短時間出玉を低減させるためにエンディング期間を長くするといった場合に有効である。経過演出において、押しボタン等の操作手段の操作が遊技者に促されるものとしてもよい。
【0069】
なお、単位遊技終了時点よりも前に経過演出が実行され、当該経過演出が成功結果となった場合には、単位遊技終了時点の後、すなわちエンディング期間中に特定設定示唆演出が実行されるような構成としてもよい。
【0070】
〇第五具体例
経過演出や特定設定示唆演出を大当たり遊技における所定の単位遊技(以下、対象単位遊技と称する)にて行うようにすることが考えられる。具体的には、対象単位遊技が実行されている期間を含む対象期間中に実行されるものとする。例えば、10ラウンド大当たり遊技における第10ラウンドの単位遊技(最終ラウンドの単位遊技)を対象単位遊技とすることが考えられる。この場合には、所定の基準点(例えば対象単位遊技が開始される時点)での利益値が基準値に到達しているかどうかが、特定設定示唆演出が実行されるかどうかの基準となる。対象単位遊技に移行した上で経過演出が実行される(図12(b)参照)。対象単位遊技が実行されている最中に、利益値分のポイントのダメージを敵キャラクタに与えるような攻撃がなされ、当該利益値が基準値に到達していれば敵キャラクタを倒すという結果(成功結果)に至り(図12(c-1)参照)、基準値に到達していなければ成功結果には至らない(失敗結果となる)(図12(c-2)参照)。成功結果となった場合には、特定設定示唆演出が実行される(図12(d-1)参照)が、成功結果とならなかった場合には、特定設定示唆演出は実行されない(図12(d-2)参照)。経過演出において、押しボタン等の操作手段の操作が遊技者に促されるものとしてもよい。
【0071】
なお、二以上の単位遊技が対象単位遊技とされてもよい。例えば、10ラウンド大当たり遊技において、第9ラウンドの単位遊技が実行されている期間と第10ラウンドの単位遊技が実行されている期間を含む対象期間中に経過演出や特定設定示唆演出実行されるものとする。
【0072】
また、対象期間が開始される時点よりも前に経過演出が実行され、当該経過演出が成功結果となった場合には、対象期間中に特定設定示唆演出が実行されるようにしてもよい。
【0073】
〇第六具体例(第四具体例、第五具体例を発展させた例)
上記第四具体例および第五具体例は、大当たり遊技中における所定時点(以下、判断時点と称する)における利益値が、基準値に到達しているかどうかが、特定設定示唆演出が発生するか否か条件となるものである。第四具体例における判断時点は、エンディング期間の開始時点(単位遊技終了時点)であり、第五具体例における判断時点は、対象単位遊技の開始時点である。
【0074】
判断時点において利益値が基準値に到達していた場合、経過演出が成功結果に至ることになるが、利益値が基準値を大きく超えていた場合、その「差」(「基準値-利益値」の値。以下「超過値」と称することもある)(図13参照)が無駄になったかのような印象を遊技者に与えてしまうおそれがある。例えば、基準値が「1000」である場合において、判断時点にて利益値が「1000」である場合は「超過値=0」であるから問題ないものの、利益値が「2200」である場合は「超過値=1200」の分が無駄になったかのような印象を与えてしまう。
【0075】
このような印象を与えてしまうおそれを低減するため、超過値が大きいほど、経過演出後に遊技者に有利な事象が発生する蓋然性が高くなるようにする(図13参照)。例えば、超過値0~500を第一段階、501~1000を第二段階、1001~1500を第三段階、1501超を第四段階とし、段階が高くなるほど有利な事象が発生する蓋然性が高くなるようにする。
【0076】
なお、上記「有利な事象」としては種々考えられる。一例としては、特定設定示唆演出として「高設定確定」演出が出現しやすいとする。現状設定が「設定4」~「設定6」であることが確定する「高設定確定」演出について、現状設定が「設定4」~「設定6」である場合に出現する確率が、第一段階から第四段階にかけて次第に高くなるような設定とする。また、上記第三具体例にて説明したように、設定示唆実行抽選に当選した場合に限り特定設定示唆演出が実行される構成とするのであれば、当該設定示唆実行抽選の当選確率が、第一段階から第四段階にかけて次第に高くなるような設定とすることも考えられる。このように、超過値が大きくなるほど、設定示唆に関して遊技者に有利なものとなる設定とすることで、超過値が無駄になってしまったかのような印象を与えてしまうおそれが低減されることになる。
【0077】
ただし、超過値が次回に「繰り越される」態様とするのであれば、本例のような構成とする必要性はそれほどない。すなわち、超過値分が、新たに設定される基準値に到達することを目指す(次の特定設定示唆演出の発生を目指す)利益値として繰り越されるのであれば、当該超過値が大きくなるほど新たに設定される基準値に近づくということになるため、超過値が無駄になってしまったかのような印象を遊技者が抱くおそれは低いといえる。
【0078】
〇第七具体例
基準値が表示されないようにしてもよい(あくまで内部的に設定される数値であって、遊技者が把握できないような数値とする)。上記実施形態のように基準値が表示される構成であると、利益値が基準値に到達するタイミングがある程度予測できてしまうという点で面白みに欠けるともいえる。したがって、経過演出中に基準値が表示されないようにする(図14(b)(c)参照)。上記実施形態のように経過演出をバトル演出とするのであれば、敵キャラクタの状況(台詞の内容や、苦しんでいる程度等)(図14(c)参照)により、利益値が基準値にどの程度近づいているか予測できるようにするとよい。つまり、基準値に到達するまでに必要な具体的な値(不足値)は把握できないものの、経過演出の内容により当該不足値の大小が推測できるようにする。
【0079】
本例のような構成とする場合、上記第一具体例にて説明したように、基準値は一定ではないことが好ましい。つまり、基準値が表示されないといっても、当該基準値が一定であると遊技を重ねることで経過演出の帰趨(特定設定示唆演出が発生するタイミング)がある程度予測できてしまうから、基準値が種々変化しうるようにして、経過演出の帰趨が予測できないようにした方が遊技として面白みがあるといえる。第一具体例にて説明したように、敵の種類(経過演出の種類)と基準値が対応するような構成とするのであれば、敵の種類から経過演出の帰趨を予測する遊技性となる。
【0080】
〇第八具体例
初期状態とされた後、初めて発生した特定設定示唆演出においては、設定変更示唆(既述)が実行されるものとする。ここで、初期状態とは、電源ONおよび設定変更のいずれか一方が実行されたときに移行する状態をいうものとする。つまり、ある遊技店において、電源OFF/ONの操作がなされただけである場合も一回目の特定設定示唆演出が実行されるまでは初期状態であるし、設定変更がなされた場合も一回目の特定設定示唆演出が実行されるまでは初期状態であるとする(初期状態は、いわゆる「朝一」状態である)。
【0081】
このようにすることで、遊技店の開店後、一回目の特定設定示唆演出が実行されるまでは遊技しようと考える遊技者が増加し、遊技の促進に資することになる。つまり、一回目の特定設定示唆演出の「設定変更示唆」により、設定変更がなされているかどうか(設定変更がなされている確率が高いかどうか)を確認した上で、そのまま続行して遊技するかどうかを決めるといった遊技者が増加することが予測される。なお、本例の場合、一回目の特定設定示唆演出として発生する設定変更示唆は、確率系示唆(設定変更がなされた確率(100%未満)を示すような態様)ではなく、確定系示唆(設定変更がなされたか否かが確定する態様)とすることが好ましい。つまり、一回目の特定設定示唆演出に接することで、設定変更がなされたかどうかが確実に判別できる構成とすることが好ましい。これにより、さらなる遊技の促進が期待できることになる。
【0082】
〇第九具体例
上記実施形態は、大当たり遊技が発生することによって決まる履歴要素が利益値であり、当該利益値が所定条件を満たす(基準値に到達する)ことを契機として特定設定示唆演出が発生するものであることを説明したが、当該履歴要素として設定することが可能なものとしては、利益値以外のものも考えられる。例えば、初期状態(いわゆる朝一状態)または先の大当たり当選から、今回の大当たり当選に至るまでに実行された当否抽選の回数(いわゆる「ハマリ回数」のことである。以下、実効抽選回数と称する)を履歴要素として設定することが考えられる。当該実行抽選回数そのものまたは当該実行抽選回数に基づいて決まる値(以下、実行抽選回数値)が所定の基準値に到達することが、特定設定示唆演出が発生する条件とする。本例においても、所定のリセット条件が成立しない限り、実行抽選回数値はリセットされないものとする。このように、上記履歴要素は、大当たり遊技が発生することを原因として決まるようなものであればよい。例えば、「連チャン」数(連チャンの定義については既述)を履歴要素として設定することも考えられる。
【0083】
〇第十具体例
利益値が複数種の利益から構成されるものにおいて、利益値に反映される度合が、ある利益とそれとは別の利益について異なるものとする。例えば、「利益値=確定利益としての賞球数+付加利益としての賞球数×2」というように、付加利益が利益値に影響を及ぼす度合は、確定利益が利益値に影響を及ぼす度合よりも大きい設定とする。確定利益は、指示通り遊技者が遊技を行っていれば(大入賞領域10に向かって遊技球を継続的に発射させていれば)得られる利益である一方、付加利益は得られるかどうかが不確定である(不確定要素の強い)利益であるため、利益値に及ぼす影響(価値)を確定利益よりも付加利益の方が高い設定とする。なお、利益値に及ぼす影響を、付加利益よりも確定利益の方が高い設定とすることを否定するわけではない。
【0084】
付加利益を構成する利益同士に差をつけてもよい。例えば、「付加利益=オーバー入賞利益としての賞球数+別入賞利益としての賞球数×4」といった設定とする。このようにすることで、特定設定示唆演出の発生に近づく(利益値が基準値に近づく)という側面においては、ある付加利益よりも、別の付加利益の方が価値が高いといった状況を作り出すことができる。
【0085】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0086】
上記実施形態から得られる具体的手段(遊技機)を以下に列挙する。
【0087】
・手段1
所定の確率が互いに異なる複数の候補設定のうちのいずれかを現状設定とする設定手段と、当否判定結果が当たりとなることを契機として、当たり遊技を実行する当たり遊技実行手段と、複数の前記候補設定のうちのいずれが前記現状設定とされているかを示唆する設定示唆演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記当たり遊技の発生に基づいて決まる遊技履歴に関する履歴要素が、所定条件を満たすものとなることを契機として前記設定示唆演出が実行されることを特徴とする遊技機。
上記遊技機は、面白みのある現状設定に関する示唆を行うことが可能である。
【0088】
・手段2
前記履歴要素は、前記当たり遊技において遊技者が得られた利益に基づく利益値であり、当該利益値が基準値に到達することを契機として前記設定示唆演出が実行されることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
このようにすることで、遊技者が得る利益の増加が、設定示唆演出の発生にもつながるという遊技性を実現することが可能である。
【0089】
・手段3
前記当たり遊技は、一または複数の単位遊技を含むものであるとともに、当該単位遊技は、所定の入賞領域にN個の遊技球が入賞することを終了条件の少なくとも一つとするものであり、前記利益値は、前記単位遊技において前記入賞領域にN個までの遊技球が入賞することによって得られる確定利益に基づいた値であることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
このようにすることで、利益値が基準値に到達する時点がおおよそ予測できるような構成となる。
【0090】
・手段4
前記当たり遊技は、一または複数の単位遊技を含むものであるとともに、当該単位遊技は、所定の入賞領域にN個の遊技球が入賞することを終了条件の少なくとも一つとするものであり、前記利益値は、前記単位遊技において前記入賞領域にN個までの遊技球が入賞することによって得られる確定利益だけでなく、前記大当たり遊技にて得られる前記確定利益以外の利益である付加利益を含めた利益に基づいた値であることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
このようにすることで、付加利益が大きくなるほど、利益値が基準値に到達しやすい(設定示唆演出が発生しやすい)という遊技性を実現することが可能である。
【0091】
・手段5
前記当たり遊技は、一または複数の単位遊技を含むものであるとともに、当該単位遊技は、所定の入賞領域にN個の遊技球が入賞することを終了条件の少なくとも一つとするものであり、前記利益値は、前記単位遊技において前記入賞領域にN個までの遊技球が入賞することによって得られる確定利益以外の利益である付加利益に基づいた値であることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
このようにすることで、付加利益が大きくなるほど、利益値が基準値に到達しやすい(設定示唆演出が発生しやすい)という遊技性を実現することが可能である(利益値に確定利益が含まれない分、付加利益が利益値に及ぼす影響が手段4よりも大きくなる)。
【0092】
・手段6
所定のリセット条件が成立するまでは、二以上の前記当たり遊技のそれぞれにて得られた利益に基づく利益値が合算されていき、当該合算された利益値が前記基準値に到達することを契機として前記設定示唆演出が実行されることを特徴とする手段2から手段5のいずれかに記載の遊技機。
このようにすることで、リセット条件が成立せずに当たりを重ねることを目指す遊技性が実現される。
【符号の説明】
【0093】
1 遊技機
10 大入賞領域
20 利益表示
80 識別図柄
91 表示装置
911 表示領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14