(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-12
(45)【発行日】2023-05-22
(54)【発明の名称】精算システム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20230515BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20230515BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20230515BHJP
G06Q 50/12 20120101ALI20230515BHJP
【FI】
G07G1/12 361C
G07G1/00 311Z
G07G1/01 301D
G07G1/12 321M
G06Q50/12
(21)【出願番号】P 2019171163
(22)【出願日】2019-09-20
【審査請求日】2022-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】519164758
【氏名又は名称】株式会社ツースリー
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】弁理士法人真明センチュリー
(72)【発明者】
【氏名】中井 良昇
(72)【発明者】
【氏名】中井 勇気
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼石 明義
(72)【発明者】
【氏名】中田 歩
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-188178(JP,A)
【文献】特開2009-251976(JP,A)
【文献】特開2008-003926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00-1/14
G06Q 50/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
客の料理と共に提供されるタグと、そのタグの内容を読み取る読取手段と、その読取手段による読取結果に基づいて客が飲食した料理に関する情報を認識する認識手段と、その認識手段による認識結果に基づいて客の料金を精算する精算手段とを備え、前記読取手段と前記認識手段と前記精算手段とをコンピュータで実行する精算システムにおいて、
前記精算システムは、前記タグを複数貼付できるプレート状に形成された貼付プレートを客席に有し、
前記タグは、料理及びその料理を盛りつけた皿と分離可能に構成され、
前記読取手段は、料理及び皿と分離されたタグ
であって前記貼付プレートに貼付されたタグの
表示を客席にて読み取るものであり、
客の飲食後の皿を、前記精算手段による精算前に当該客のテーブルから撤去可能にし
、
前記タグの平面視形状は、非円形に形成されると共に、
前記貼付プレートの表面には、その非円形に形成されたタグの輪郭線が前記タグの貼付位置を示す枠線として表示され、前記タグを、その枠線が表示された位置に方向を揃えた状態で貼付可能にされていることを特徴とする精算システム。
【請求項2】
客の料理と共に提供されるタグと、そのタグの内容を読み取る読取手段と、その読取手段による読取結果に基づいて客が飲食した料理に関する情報を認識する認識手段と、その認識手段による認識結果に基づいて客の料金を精算する精算手段とを備え、前記読取手段と前記認識手段と前記精算手段とをコンピュータで実行する精算システムにおいて、
前記精算システムは、前記タグを複数貼付できるプレート状に形成された貼付プレートを客席に有
すると共に、コンピュータで実行する特典付与手段を有し、
前記タグは、料理及びその料理を盛りつけた皿と分離可能に構成され、
前記読取手段は、
料理及び皿と分離されたタグであって前記貼付プレートに貼付されたタグの表示を客席にて読み取るものであ
り、
客の飲食後の皿を、前記精算手段による精算前に当該客のテーブルから撤去可能にし、
前記特典付与手段は、前記貼付プレートに前記タグが複数貼付された状態が所定条件を満たす場合に、客に特典を付与することを特徴とす
る精算システム。
【請求項3】
客の料理と共に提供されるタグと、そのタグの内容を読み取る読取手段と、その読取手段による読取結果に基づいて客が飲食した料理に関する情報を認識する認識手段と、その認識手段による認識結果に基づいて客の料金を精算する精算手段とを備え、前記読取手段と前記認識手段と前記精算手段とをコンピュータで実行する精算システムにおいて、
前記精算システムは、前記タグを複数貼付できるプレート状に形成された貼付プレートを客席に有すると共に、前記貼付プレートに貼付されたタグが前記読取手段による読取範囲に位置するように、その貼付プレートを載置する載置台を有し、
前記タグは、料理及びその料理を盛りつけた皿と分離可能に構成され、
前記読取手段は、料理及び皿と分離されたタグであって前記貼付プレートに貼付されたタグの表示を客席にて読み取るものであり、
客の飲食後の皿を、前記精算手段による精算前に当該客のテーブルから撤去可能にし、
前記載置台は、前記貼付プレートを複数枚積層可能に載置することを特徴とする精算システム。
【請求項4】
前記認識手段は、前記読取手段で読み取った前記タグの表示を画像認識することで前記料理に関する情報を認識するものであり、
前記タグの表面には、客が視認することで料理の内容を把握できるように料理の内容が文字又は図柄で表示されていることを特徴とする請求項
1から3のいずれかに記載の精算システム。
【請求項5】
前記タグの平面視形状は、非円形に形成されると共に、
前記貼付プレートの表面には、その非円形に形成されたタグの輪郭線が前記タグの貼付位置を示す枠線として表示され、前記タグを、その枠線が表示された位置に方向を揃えた状態で貼付可能にされていることを特徴とする請求項
2から4のいずれかに記載の精算システム。
【請求項6】
前記精算システムは、コンピュータで実行する特典付与手段を有し、
その特典付与手段は、前記貼付プレートに前記タグが複数貼付された状態が所定条件を満たす場合に、客に特典を付与することを特徴とする請求項
3から
5のいずれかに記載の精算システム。
【請求項7】
前記精算システムは、コンピュータで実行する入力手段を客席に有し、
前記精算手段は、その入力手段を介して注文されて客が飲食したものを、前記読取手段の読取結果および前記認識手段の認識結果に基づいて算出された客の料金と合わせて精算することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の精算システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータを利用した飲食店における精算システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コンピュータを利用した回転寿司店向けの精算システムが開示されている。該システムの商品皿10には、飲食物のメニューコードが書き込まれたRFIDタグ11が取り付けられている。この商品皿10の上に、RFIDタグ11が示す寿司を乗せ、客へ提供する。客は商品皿10上の寿司を食べた後、商品皿10をテーブルに積み重ねておく。飲食を終えた客が店員に会計を申し出ると、店員は客席へ出向き、オーダエントリ用端末1を操作して、積み重ねられた商品皿10のRFID11を読み取り、客のオーダデータ(飲食量)を取得する。このように該精算システムによれば、コンピュータを会計作業に利用することで店員の業務負担を軽減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、該精算システムでは、RFID11は各商品皿10にそれぞれ取着されているので、客のオーダデータ(飲食量)を取得するまでの間、即ち客が飲食を終了するまでの間、何枚もの商品皿10を客のテーブルに積み重ねておく必要があった。このためテーブルは雑然とし、客の居心地は低下するばかりか、テーブルスペースが減少してしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、コンピュータを利用して店員の業務負担を軽減できると共に、客の精算前に飲食後の皿をテーブルから撤去可能とした精算システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために本発明の精算システムは、客の料理と共に提供されるタグと、そのタグの内容を読み取る読取手段と、その読取手段による読取結果に基づいて客が飲食した料理に関する情報を認識する認識手段と、その認識手段による認識結果に基づいて客の料金を精算する精算手段とを備え、前記読取手段と前記認識手段と前記精算手段とをコンピュータで実行するものであり、前記精算システムは、前記タグを複数貼付できるプレート状に形成された貼付プレートを客席に有し、前記タグは、料理及びその料理を盛りつけた皿と分離可能に構成され、前記読取手段は、料理及び皿と分離されたタグであって前記貼付プレートに貼付されたタグの表示を客席にて読み取るものであり、客の飲食後の皿を、前記精算手段による精算前に当該客のテーブルから撤去可能にし、前記タグの平面視形状は、非円形に形成されると共に、前記貼付プレートの表面には、その非円形に形成されたタグの輪郭線が前記タグの貼付位置を示す枠線として表示され、前記タグを、その枠線が表示された位置に方向を揃えた状態で貼付可能にされていることを特徴としている。
本発明の精算システムは、客の料理と共に提供されるタグと、そのタグの内容を読み取る読取手段と、その読取手段による読取結果に基づいて客が飲食した料理に関する情報を認識する認識手段と、その認識手段による認識結果に基づいて客の料金を精算する精算手段とを備え、前記読取手段と前記認識手段と前記精算手段とをコンピュータで実行するものであり、前記精算システムは、前記タグを複数貼付できるプレート状に形成された貼付プレートを客席に有すると共に、コンピュータで実行する特典付与手段を有し、前記タグは、料理及びその料理を盛りつけた皿と分離可能に構成され、前記読取手段は、料理及び皿と分離されたタグであって前記貼付プレートに貼付されたタグの表示を客席にて読み取るものであり、客の飲食後の皿を、前記精算手段による精算前に当該客のテーブルから撤去可能にし、前記特典付与手段は、前記貼付プレートに前記タグが複数貼付された状態が所定条件を満たす場合に、客に特典を付与することを特徴としている。
本発明の精算システムは、客の料理と共に提供されるタグと、そのタグの内容を読み取る読取手段と、その読取手段による読取結果に基づいて客が飲食した料理に関する情報を認識する認識手段と、その認識手段による認識結果に基づいて客の料金を精算する精算手段とを備え、前記読取手段と前記認識手段と前記精算手段とをコンピュータで実行するものであり、前記精算システムは、前記タグを複数貼付できるプレート状に形成された貼付プレートを客席に有すると共に、前記貼付プレートに貼付されたタグが前記読取手段による読取範囲に位置するように、その貼付プレートを載置する載置台を有し、前記タグは、料理及びその料理を盛りつけた皿と分離可能に構成され、前記読取手段は、料理及び皿と分離されたタグであって前記貼付プレートに貼付されたタグの表示を客席にて読み取るものであり、客の飲食後の皿を、前記精算手段による精算前に当該客のテーブルから撤去可能にし、前記載置台は、前記貼付プレートを複数枚積層可能に載置することを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
請求項1から3に記載の精算システムによれば、客の料理と共に提供されたタグの内容は、読取手段によって読み取られ、その読取結果に基づいて、認識手段により客が飲食した料理に関する情報が認識される。更に、その認識結果に基づいて、精算手段により客の料金が精算される。これらはコンピュータによって実行されるので、店員の業務負担を軽減できる。しかも、タグは料理及びその料理を盛りつけた皿と分離可能に構成され、読取手段は料理及び皿と分離されたタグの内容を客席にて読み取る。よって、客の飲食後の皿を、精算手段による料金の精算前に当該客のテーブルから撤去できる。従って、飲食後の皿でテーブルを雑然とさせたり、テーブルスペースを減少させることがない。なお、料理に関する情報としては、例えば、料理の内容、料理の金額、料理や金額に割り当てられたコードを例示できる。
【0008】
また、請求項1から3に記載の精算システムによれば、客席にはタグを複数貼付できる貼付プレートが設けられ、読取手段は、その貼付プレートに貼付されたタグの表示を客席にて読み取る方式である。よって、客は貼付プレートに貼付したタグを視認することで、飲食状況を把握できる。即ち客は飲食状況を把握しながら、飲食することができる。
【0009】
請求項4記載の精算システムによれば、認識手段は、読取手段で読み取ったタグの表示を画像認識することで料理に関する情報を認識するものであり、タグの表面には客が視認することで料理の内容を把握できるように料理の内容が文字又は図柄で表示されている。よって、客は貼付プレートに貼付したタグを視認することで、飲食状況のみならず飲食内容をも把握できる。
【0010】
請求項1又は5に記載の精算システムによれば、タグの平面視形状は非円形に形成されると共に、貼付プレートの表面には、その非円形に形成されたタグの輪郭線がタグの貼付位置を示す枠線として表示されている。よって、タグをその枠線が表示された位置に方向を揃えた状態で貼付できるので、認識手段による料理に関する情報の認識を容易に行うことができる。
【0011】
請求項2又は6に記載の精算システムによれば、特典付与手段は、貼付プレートにタグが複数貼付された状態が所定条件を満たす場合に客に特典を付与する。よって、貼付プレートへのタグの貼付行為にアミューズメント性を与えて、客の貼付行為を促進させることができる。なお、客に付与される特典としては、料金の割引サービスや、割引クーポン券、料理や粗品のプレゼントなどを例示できる。
【0012】
請求項3記載の精算システムによれば、載置台は、貼付プレートに貼付されたタグが読取手段による読取範囲に位置するように、貼付プレートを載置する。よって、貼付プレートを載置台へ載置するだけで、その貼付プレートに貼付されたタグの読取手段による読み取りを確実に行うことができる。しかも、載置台は貼付プレートを複数枚積層して載置できる。よって、客の料理の飲食量が多く、すべてのタグを1枚の貼付プレートに貼付できない場合にも、貼付プレートを複数枚重ねて載置台に載置することにより、客のテーブルスペースを貼付プレートによって減少させてしまうことがない。即ち、客のテーブルスペースを確保できる。
【0013】
請求項7記載の精算システムによれば、精算手段は、客席に設けられた入力手段を介して注文されて客が飲食したものを、読取手段の読取結果および認識手段の認識結果に基づいて算出された客の料金と合わせて精算する。即ち、タグに基づく飲食と客席からの入力手段に基づく飲食とを合わせて精算できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態における精算システムの構成を示す図である。
【
図2】(a)は、食品およびタグが載せられた状態を示す皿の斜視図であり、(b)は、タグが貼り付けられた状態を示すプレートの平面図である。
【
図3】(a)は、貼付プレート上のタグが増加した際にLCDで表示される画面の模式図であり、(b)は、貼付プレート上のタグが減少した際にLCDで表示される画面の模式図であり、(c)は、割引クーポンが発行された際にLCDで表示される画面の模式図である。
【
図4】(a)は、メニューボタンを操作した際にLCDで表示される画面の模式図であり、(b)は、注文履歴ボタンを操作した際にLCDで表示される画面の模式図であり、(c)は、会計ボタンを操作した際にLCDで表示される画面の模式図である。
【
図5】精算システムの電気的構成を示すブロック図である。
【
図6】(a)は、メニューコードテーブルの模式図であり、(b)は、オーダーテーブルの模式図であり、(c)は、読取結果テーブルの模式図であり、(d)は、精算管理テーブルの模式図である。
【
図10】POSメイン処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、
図1及び
図2を参照して、精算システム100の構成について説明する。
図1は、本発明の一実施形態における精算システム100の構成を示す図である。
図2(a)は、料理F及びタグ4が載せられた状態を示す皿3の斜視図であり、
図2(b)は、タグ4が貼り付けられた状態を示す貼付プレート11の平面図である。
【0016】
図1及び
図2に示すように、精算システム100は、飲食店(本実施形態では、しゃぶしゃぶ店)における精算(会計)処理を行うためのシステムである。精算システム100では、主に客席1で飲食する客が搬送路2から皿3を取り、その皿3に料理F(飲食物)と共に載せられたタグ4を携帯端末5(タブレット)で読み取ることにより、飲食に対する精算処理が行われる。
【0017】
飲食店内には、複数の客席1が搬送路2の搬送方向に沿って複数並べて設けられる。なお、本実施形態では、1つの客席1で1人の客が飲食を行う場合を説明するが、客席1で複数人の客が飲食を行うように構成しても良い。
【0018】
各客席1に座る客から視た前方側には、客席1に隣接するようにして搬送路2が設けられる。搬送路2は、料理Fが載せられた皿3を各客席1に搬送するためのコンベアであり、公知の構成が採用可能であるので詳細な説明は省略する。
【0019】
搬送路2によって運ばれる皿3の上には、料理Fと、その料理Fの内容(例えば、肉の種類や量等の情報)が記載されたタグ4とが載せられる。料理Fは、客席1に設けられる調理器10で調理されて客に食される。一方、タグ4は、客が飲食した料理Fの内容を携帯端末5で読み取るために、貼付プレート11に貼り付けられる。
【0020】
貼付プレート11は、金属材料を用いて矩形のプレート状に形成され、タグ4の裏面には磁石が設けられている。よって、皿3から取った(分離した)タグ4を貼付プレート11に置くことにより、タグ4を貼付プレート11に容易に貼り付けられるようになっている。
【0021】
各客席1には、貼付プレート11を載置するための載置台12が設けられる。載置台12は、貼付プレート11が載置される載置部12aと、その載置部12aに対向するようにして携帯端末5を保持するためのスタンド12bと、から構成される。この載置台12は、各客席1に1台ずつ設けられる。
【0022】
載置部12aの縁部からはスタンド12bが上方に突出しており、その突出先端側に携帯端末5が着脱自在に固定される。携帯端末5にはカメラが設けられており、スタンド12bに携帯端末5が固定された状態においては、載置部12aに載置された貼付プレート11の上面(タグ4が貼り付けられる面)と、携帯端末5のカメラのレンズとが対向した状態となる。よって、貼付プレート11に貼り付けられたタグ4の内容(情報)を携帯端末5によって読み取る(撮影する)ことができる。
【0023】
タグ4の表面には、皿3に載っている料理Fの内容を示す文字列が表示される。例えば、
図2(a)に示す料理Fは豚バラ肉であるため、タグ4には「豚バラ40g」の文字列が表示されている。
【0024】
また、タグ4の表面には、料理Fの内容に対応する図柄が描かれる。例えば、
図2(b)に示すように、「タンモト40g」のタグ4には牛が描かれ、「豚バラ40g」のタグ4には豚が描かれている。更に、タグ4に表示される文字列や図柄の背景は、料理Fの内容毎に異なる着色が施されており、例えば、「タンモト40g」のタグ4はピンク、「豚バラ40g」のタグ4は赤に着色されている。
【0025】
これにより、携帯端末5で撮影したタグ4の表示(本実施形態では、文字列)を画像認識することにより、客が飲食した料理Fに関する情報(本実施形態では、料理Fの内容)を認識(判別)し、その認識結果に基づいて客の料金の精算を行うことができる。そして、これらの画像の認識や精算処理は、後述する画像認識サーバ7及びPOSサーバ8(
図5参照)によって実行される。即ち、店員が客席1に出向いてタグ4の情報を読み取る作業を不要にできるので、店員の業務負担を軽減できる。
【0026】
しかも、料理Fや、その料理Fを盛りつけた皿3からタグ4を分離し、その分離されたタグ4の情報に基づいて料金の精算処理を行うことができるので、精算前に客席1のテーブルから飲食後の皿3を撤去することができる。よって、飲食後の皿3で客席1のテーブルを雑然とさせたり、テーブルスペースを減少させたりすることがない。
【0027】
また、客席1にはタグ4を複数貼付できる貼付プレート11が設けられ、その貼付プレート11に貼付されたタグ4の表示を客席1にて読み取る方式である。これにより、貼付プレート11の枚数や、貼付プレート11に貼付したタグ4の枚数を飲食中の客が視認することができる。よって、客は、自身がどの程度の飲食を行っているかの飲食状況を把握しながら飲食できる。
【0028】
このように、客が飲食した料理Fの内容は、タグ4の表示を画像認識することで認識されるようになっており、その画像認識を行うためのタグ4の表示は、料理Fの内容を示す文字列である。よって、タグ4に表示される文字列を客が視認することで料理Fの内容を把握できる。従って、客は貼付プレート11に貼付したタグ4を視認することで、上述した飲食状況に加え、どのような料理Fを飲食したかの飲食内容をも把握できる。
【0029】
更に、料理Fの内容を示す文字列や図柄がタグ4に表示されるため、搬送路2で運ばれる皿3にどのような料理Fが載っているのかを客に容易に判別させることができる。即ち、かかるタグ4の文字列や図柄に対し、画像認識を行うための機能と、料理Fの内容を客に知らせる機能とを持たせることができる。
【0030】
また、載置台12の載置部12aに貼付プレート11を載置し、スタンド12bに携帯端末5を固定した状態においては、携帯端末5のカメラによる撮影範囲内に貼付プレート11の全体が収まるように構成されている。これにより、載置台12の載置部12aへ載置した貼付プレート11にタグ4を貼り付けるだけで、貼付プレート11に貼付されたタグ4の撮影を携帯端末5で確実に行うことができる。即ち、タグ4を撮影する際に、貼付プレート11と携帯端末5との位置関係を調節することや、携帯端末5を持つことを不要にできるので、タグ4の撮影を容易にできる。
【0031】
また、載置台12の載置部12aは、貼付プレート11を複数枚積層した状態で収容可能な箱状に形成されている。これにより、貼付プレート11に貼り付けられたタグ4の数が上限の9枚となった場合に、新たな貼付プレート11を重ねることができる。よって、客の料理の飲食量が多く、すべてのタグ4を1枚の貼付プレート11に貼付できない場合にも、貼付プレート11を複数枚重ねて載置部12aに載置することにより、客席1のテーブルスペースを貼付プレート11によって減少させてしまうことがない。即ち、客のテーブルスペースを確保できる。
【0032】
タグ4は、その略全体が円板状に形成されるが、タグ4の外縁の一部は角部4aとして構成されている(タグ4の全体が滴状の形状となっている)。角部4aは、タグ4の径方向に突出する楔形に形成されるため、角部4aを料理F(肉)に差し込むことにより、タグ4の姿勢を安定させることができる(
図2(a)参照)。一方、この角部4aは、貼付プレート11にタグ4を貼り付ける際の位置決め部としての機能も有している。
【0033】
貼付プレート11には、タグ4を貼り付けるための複数(本実施形態では、3行×3列の9箇所)の貼付領域11aが形成される(
図2(b)参照)。貼付領域11aは、タグ4の輪郭線と同一の形状で貼付プレート11に描かれる枠線で形成され、タグ4と同様、貼付領域11aにも角部11bが形成される。各貼付領域11aは、それぞれ角部11bを同一の方向(貼付プレート11の下方)に向けるようにして貼付プレート11に並べられる。
【0034】
これにより、各貼付領域11aの枠線に沿ってタグ4を貼り付けることにより、複数のタグ4の上下の向きをそれぞれ揃えた状態で貼付プレート11に貼り付けることができる。よって、各タグ4の文字列の向きを揃えた状態で携帯端末5による撮影を行うことができるので、画像認識を容易に行うことができる。即ち、タグ4が貼付領域11aの枠線に沿って貼り付けられていない(各タグ4の上下の向きが揃っていない)状態であっても、タグ4の情報を画像認識で識別することは可能であるが、各タグ4の上下の向きを揃えることで画像認識の認識精度や処理速度を向上できる。
【0035】
また、本実施形態では、貼付プレート11の貼付領域11aにタグ4が貼り付けられる状態が所定条件を満たす場合に、客に特典が付与されるようになっている。具体的には、
図2(b)に示すように、貼付プレート11における3行×3列の9箇所の貼付領域11aのうち、一番左の1列に貼り付けられる3枚のタグ4には、全てに牛の図柄が描かれている。つまり、同一の図柄が1列に揃った状態となっており、このような状態になったことが画像認識で認識された場合、料金の割引クーポンが付与される(精算時の料金が割引される)(
図3(c)参照)。
【0036】
これにより、貼付プレート11へのタグ4の貼付行為にアミューズメント性を与えて、客の貼付行為を促進させることができる。即ち、従来はタグ4の読み込みに相当する作業を店員が行っていたが、本実施形態ではその作業を客が行うことになっている。これに対し、タグ4を読み込ませる(画像認識させる)作業にアミューズメント性を与えることにより、かかる作業に煩わしさを感じさせることなく、積極的に行わせることができる。
【0037】
なお、
図2(b)では、図柄が縦1列に揃った場合に割引クーポンが付与される場合を説明したが、横1列や斜め1列に図柄が揃った場合にも、割引クーポンが付与されるようになっている。即ち、図柄が揃う列が多くなる程、割引率が高くなるように構成されているため、貼付プレート11にタグ4を貼り付ける作業のアミューズメント性を一層高めることができる。
【0038】
また、貼付プレート11の上面には、各貼付プレート11を個別に識別するためのプレート番号11cが記載されている。このプレート番号11cは、複数枚の貼付プレート11にタグ4が貼り付けられた場合に、それらのタグ4の情報を各貼付プレート11毎に管理するための番号である。
【0039】
このように、本実施形態では、貼付プレート11に貼り付けられるタグ4の増減が画像認識によって認識され、その認識結果に基づいて特典の付与が行われる。タグ4の増減が認識された場合や、特典が付与された場合に携帯端末5に表示される画面について、
図3を参照して説明する。
図3(a)は、貼付プレート11上のタグ4が増加した際にLCD57で表示される画面の模式図であり、
図3(b)は、貼付プレート11上のタグ4が減少した際にLCD57で表示される画面の模式図であり、
図3(c)は、割引クーポンが発行された際にLCD57で表示される画面を示す模式図である。
【0040】
図3(a)及び
図3(b)に示すように、貼付プレート11に貼り付けられるタグ4の数が増減した場合、携帯端末5のLCD57(液晶表示装置)上には、貼付プレート11にタグ4が追加されたことを客に確認する追加確認画面57aや(
図3(a)参照)、タグ4が取外されたことを確認する削除確認画面57bが表示される(
図3(b)参照)。追加確認画面57a及び削除確認画面57bには、増減したタグ4(料理F)を示す画像や価格の情報に加え、そのタグ4の増減が正しいかどうかを客に判断させるためのOKボタン57c及びキャンセルボタン57dが表示される。
【0041】
OKボタン57cを操作した場合には、追加確認画面57aや削除確認画面57bに表示されるタグ4の増減が精算処理に反映される一方、キャンセルボタン57dを操作した場合には、かかる増減が精算処理に反映されることはない。これにより、誤った料金で精算処理が行われることを防止できる。
【0042】
図3(c)に示すように、貼付プレート11へのタグ4の貼り付けによって割引クーポンが付与された場合、その割引クーポンが追加(適用)されたことを確認する追加確認画面57eが表示される。そして、この追加確認画面57eが表示される際には、割引クーポンが追加されたことを報知する音(音声や楽音)が出力される。このように、タグ4の認識結果(増減)の通知や、その認識結果に基づく特典の付与の通知を行うことにより、貼付プレート11にタグ4を貼り付ける作業のアミューズメント性を高めることができる。
【0043】
また、LCD57上には、メニューボタン57f、注文履歴ボタン57g及び会計ボタン57hが表示されている。これらのボタンを操作した際に携帯端末5に表示される画面について、
図4を参照して説明する。
図4(a)は、メニューボタン57fを操作した際にLCD57で表示される画面の模式図であり、
図4(b)は、注文履歴ボタン57gを操作した際にLCD57で表示される画面の模式図であり、
図4(c)は、会計ボタン57hを操作した際にLCD57で表示される画面の模式図である。
【0044】
図4(a)に示すように、LCD57上のメニューボタン57fを操作すると、肉、出汁、アラカルト、及び、ドリンク等を携帯端末5からオーダーするための画面が表示される。
図4(a)に示す例では、ドリンクボタン57iが操作され、オーダーするドリンクを選択するための画面が表示されている。
【0045】
ここで、携帯端末5から肉のメニューがオーダーされた場合には、そのオーダーした料理Fがタグ4と共に搬送路2(
図1参照)で客席1に提供される。一方、ドリンクをオーダーした場合には、そのドリンクのみが店員によって客席1に直接提供され、タグ4が客に提供されることはない。よって、携帯端末5からドリンクがオーダーされた場合には、LCD57上で注文が行われた時点で後の精算処理に反映されるようになっている。これにより、携帯端末5からオーダー(注文)したドリンクの料金と、タグ4の画像認識に基づいて算出された料理Fの料金とを合わせて精算することができる。
【0046】
図4(b)に示すように、LCD57上の注文履歴ボタン57gを操作すると、現時点での飲食に対する料金を示す注文履歴画面57jが表示される。注文履歴画面57jには、飲食した料理Fの情報(種類や個数)が表示されるため、貼付プレート11に貼り付けられているタグ4と比較し、注文履歴画面57jに表示される飲食結果に誤りがないかどうかを客が確認できる。よって、後の精算処理に対する信頼感を高めることができる。
【0047】
図4(c)に示すように、LCD57上の会計ボタン57hを操作すると、精算すべき料金の合計金額を示す精算画面57kが表示される。精算画面57kには、後述する精算装置86(
図5参照)で精算処理を行うためのバーコード57lが表示される。これにより、貼付プレート11(タグ4)を客席1に置いたまま、客が携帯端末5のみを精算装置86まで持って行き、バーコード57lを提示することで精算処理を行うことができる。よって、例えば、店員が客席1に出向いてバーコード57lを発行する作業を不要にできるので、店員の業務負担を軽減できる。
【0048】
次いで、
図5を参照して、精算システム100の電気的構成について説明する。
図5は、精算システム100の電気的構成を示すブロック図である。
【0049】
図5に示すように、精算システム100は、複数の携帯端末5と、それら複数の携帯端末5が無線接続される無線LANアクセスポイントであるAP6と、そのAP6に接続される画像認識サーバ7及びPOSサーバ8と、から構成される。
【0050】
画像認識サーバ7は、主に携帯端末5で撮影された画像からタグ4(
図2参照)の情報を解析するためのサーバである。POSサーバ8は、主に画像認識サーバ7で解析されたタグ4の情報(客の飲食量)に基づいて精算処理を行うためのサーバである。
【0051】
各携帯端末5は、CPU50と、フラッシュROM51と、RAM52とを備え、これらはバスライン53を介して入出力ポート54にそれぞれ接続される。入出力ポート54には、カメラ55と、LCD57上での操作を行うためのタッチパネル56と、LCD57と、無線通信装置58とがそれぞれ接続される。CPU50は、バスライン53により接続された各部を制御する演算装置である。
【0052】
フラッシュROM51は、書き換え可能な不揮発性メモリである。フラッシュROM51には、端末制御プログラム51aと、端末IDデータ51bと、メニューコードテーブル51cと、が記憶される。端末制御プログラム51aがCPU50によって実行されると、後述する
図7の端末メイン処理が実行される。
【0053】
端末IDデータ51bには、携帯端末5のID情報が記憶される。即ち、各携帯端末5には個別のID情報(T1やT2等)が付与されており、このID情報に基づいて客の飲食量(精算処理)が携帯端末5毎、即ち、客席1毎に管理される。
【0054】
メニューコードテーブル51cは、飲食店で提供される各料理Fに個別に付与されるメニューコードを記憶するデータテーブルである。このメニューコードテーブル51cは、RAM52のオーダーテーブル52aでメニューコードの追加/削除を行う際に参照される。
【0055】
RAM52は、CPU50が端末制御プログラム51a等のプログラム実行時に、各種のワークデータやフラグ等を書き換え可能に記憶する揮発性メモリである。RAM52には、客が飲食した料理Fの情報を記憶するためのオーダーテーブル52aが設けられる。ここで、メニューコードテーブル51c及びオーダーテーブル52aについて、
図6(a)及び
図6(b)を参照して説明する。
図6(a)は、メニューコードテーブル51cの模式図であり、
図6(b)は、オーダーテーブル52aの模式図である。
【0056】
図6(a)に示すように、メニューコードテーブル51cには、料理Fの商品名に対応したメニューコードが記憶される。即ち、飲食店で提供される料理Fには、その料理Fの種類や量に応じたメニューコードが個別に付与されている。例えば、豚ロース40gには「1001」のメニューコードが付与されており、豚バラ50gには「1012」のメニューコードが付与されている。また、生ビールには「5001」のメニューコードが付与され、割引クーポンには「9001」のメニューコードが付与されている。
【0057】
図6(b)に示すように、オーダーテーブル52aは、客が飲食した料理Fのメニューコードを記憶するためのデータテーブルである。オーダーテーブル52aには、客が飲食した料理Fのメニューコード(商品名および個数)が記憶される。例えば、
図6(b)の例では、メニューコードが「1001」である豚ロース40gの個数として「4」がNo.1のテーブルに記憶され、メニューコードが「5001」である生ビールの個数として「2」がNo.10のテーブルに記憶されている。
【0058】
なお、上述した通り、タグ4と共に提供される料理Fについては、タグ4の解析に基づいてメニューコードがオーダーテーブル52aに追加される。一方、携帯端末5の操作によってオーダーされる一部の商品(例えば、ドリンク)の注文時は、その注文と同時にメニューコードがオーダーテーブル52aに追加される。
【0059】
図5に戻って説明する。携帯端末5は、無線通信装置58を介してAP6に接続されており、携帯端末5のカメラ55で撮影されたタグ4の画像は、AP6を介して画像認識サーバ7に送信される。
【0060】
画像認識サーバ7は、CPU70と、HDD71と、RAM72とを備え、これらはバスライン73を介して入出力ポート74にそれぞれ接続される。入出力ポート74には通信装置75が接続されており、この通信装置75を介して画像認識サーバ7がAP6に接続される。
【0061】
CPU70は、バスライン73により接続された各部を制御する演算装置である。HDD71は、CPU70により実行されるプログラムや固定値データ等を格納した書き換え可能な不揮発性の記憶装置である。HDD71には、画像認識制御プログラム71aと、メニューコードテーブル71bと、が記憶される。CPU70によって画像認識制御プログラム71aが実行されると、後述する
図9の画像認識処理が実行される。メニューコードテーブル71bは、携帯端末5のメニューコードテーブル51c(
図6(a)参照)と同一の構成であるので詳細な説明を省略する。
【0062】
RAM72は、CPU70が画像認識制御プログラム71a等のプログラム実行時に、各種のワークデータやフラグ等を書き換え可能に記憶する揮発性メモリである。RAM72には、読取結果テーブル72aと、端末IDメモリ72bと、が設けられる。
【0063】
読取結果テーブル72aは、画像認識によって解析したタグ4の情報を記憶するためのデータテーブルであり、端末IDメモリ72bは、画像認識サーバ7に画像を送信した携帯端末5のID情報を記憶するためのメモリである。ここで、
図6(c)を参照して、読取結果テーブル72aについて説明する。
図6(c)は、読取結果テーブル72aの模式図である。
【0064】
図6(c)に示すように、読取結果テーブル72aには、各携帯端末5で撮影された画像(タグ4)に基づいて読み取られた料理Fの種類および数がプレート番号毎に記憶される。これは、上述した通り、貼付プレート11に貼り付けられたタグ4の数が上限となった場合に、新たな貼付プレート11にタグ4を貼り付けることがあり、それらのタグ4を貼付プレート11毎に管理するためである。
【0065】
例えば、
図6(c)の例では、端末IDがT1の携帯端末5から送信された画像の読取結果として、プレート番号が「1」の貼付プレート11に貼り付けられたタグ4の情報(メニューコード、商品名、個数)がNo.1~9のテーブルに記憶され、プレート番号が「2」の貼付プレート11に貼り付けられたタグ4の情報がNo.10~18のテーブルに記憶される。
【0066】
図5に戻って説明する。POSサーバ8は、CPU80と、HDD81と、RAM82とを備え、これらはバスライン83を介して入出力ポート84にそれぞれ接続される。入出力ポート84には、通信装置85及び精算装置86が接続される。通信装置85は、POSサーバ8をAP6に接続するための装置であり、精算装置86は、客の料金の精算や、入出金の管理を行うための装置である。
【0067】
CPU80は、バスライン83により接続された各部を制御する演算装置である。HDD81は、CPU80により実行されるプログラムや固定値データ等を格納した書き換え可能な不揮発性の記憶装置である。HDD81には、POS制御プログラム81aと、メニューコードテーブル81bと、精算管理テーブル81cと、が記憶される。
【0068】
CPU80によってPOS制御プログラム81aが実行されると、後述する
図10のPOSメイン処理が実行される。RAM82は、CPU80がPOS制御プログラム81a等のプログラム実行時に、各種のワークデータやフラグ等を書き換え可能に記憶する揮発性メモリである。メニューコードテーブル81bは、携帯端末5のメニューコードテーブル51c(
図6(a)参照)と同一の構成であるので詳細な説明を省略する。
【0069】
精算管理テーブル81cは、各携帯端末5が置かれる客席1で飲食された料理Fの情報を記憶するためのデータテーブルである。ここで、
図6(d)を参照して、精算管理テーブル81cについて説明する。
図6(d)は、精算管理テーブル81cの模式図である。
【0070】
図6(d)に示すように、精算管理テーブル81cには、客席1で飲食された料理Fの種類および数が携帯端末5の端末ID毎に記憶される。例えば、
図6(d)の例では、端末IDがT1の携帯端末5が置かれる客席1で飲食された料理Fとして、メニューコードが「1001」である豚ロース40gの個数「4」がNo.1のテーブルに記憶され、メニューコードが「5001」である生ビールの個数「2」がNo.10のテーブルに記憶される。この精算管理テーブル81cに記憶された情報に基づき、各携帯端末5が置かれる客席1毎に精算処理が行われる。
【0071】
図5に戻って説明する。携帯端末5で撮影されたタグ4は、画像認識サーバ7で解析されるが、その解析結果は、一度携帯端末5に送信される。即ち、画像認識サーバ7でタグ4の解析が行われると、そのタグ4に相当する料理Fのメニューコードをオーダーテーブル52aに追加するよう、画像認識サーバ7から携帯端末5に指示が送信される。その指示が正しいか否かの判別は、上述した通り、携帯端末5での客の操作によって行われる(
図3(a)及び
図3(b)参照)。
【0072】
その指示が正しいと判別された場合には、解析されたタグ4に相当する料理Fのメニューコードが携帯端末5のオーダーテーブル52a及び画像認識サーバ7の読取結果テーブル72aに記憶される。そして、かかるメニューコードを精算管理テーブル81cに追加するよう、携帯端末5からPOSサーバ8に指示が送信される。POSサーバ8に設けられる端末IDメモリ82aは、POSサーバ8へ指示を行った携帯端末5のID情報を記憶するためのメモリである。
【0073】
次いで、
図7及び
図8を参照して、携帯端末5のCPU50で実行される処理について説明する。
図7は、端末メイン処理のフローチャートであり、
図8は、オーダー処理のフローチャートである。端末メイン処理は、端末制御プログラム51aの実行指示がタッチパネル56から入力された場合に実行される。
【0074】
図7に示すように、端末メイン処理では、まず携帯端末5に初期化指示が入力されたか否かを確認する(S1)。この初期化指示は、新たな客のオーダー受付を行うことができる状態にするための処理であり、初期化指示が入力されていない場合は(S1:No)、S2~4の処理をスキップする。なお、この初期化指示は、店員が携帯端末5を操作して入力する構成でも良いし、新たな客が携帯端末5を利用する(前の客が携帯端末5の利用を終えた)際に自動的に入力される構成でも良い。
【0075】
一方、携帯端末5に初期化指示が入力された場合は(S1:Yes)、画像認識サーバ7及びPOSサーバ8に初期化指示を行う(S2)。この初期化指示は、画像認識サーバ7の読取結果テーブル72aや、POSサーバ8の精算管理テーブル81cのデータをクリアするため指示である。
【0076】
S2の処理の後、オーダーテーブル52aを初期化し(S3)、オーダーの受付を開始する(S4)。これにより、新たに携帯端末5を利用する客のオーダーを受け付けることが可能となる。
【0077】
S4の処理の後、オーダーの受付中であるかを確認する(S5)。オーダーの受付中でない場合には(S5:No)、S6,7の処理をスキップする。一方、オーダーの受付中である場合は(S5:Yes)、カメラ55で撮影された画像を画像認識サーバ7へ送信する(S6)。S6の処理の後、オーダー処理(S7)を実行する。このオーダー処理(S7)について、
図8を参照して説明する。
【0078】
図8に示すように、オーダー処理(S7)では、まず画像認識サーバ7からの指示を受信したかを確認する(S20)。即ち、上述した通り、例えば、画像認識サーバ7での解析により、貼付プレート11からタグ4の数が増減したと判断されると、増減したタグ4に相当するメニューコードをオーダーテーブル52aに追加または削除するよう、画像認識サーバ7から携帯端末5に指示が送信される。
【0079】
画像認識サーバ7からメニューコードの追加指示があった場合には(S20:追加指示)、上述した追加確認画面57a,57e(
図3参照)をLCD57に表示する(S21)。S21の処理の後、上述したOKボタン57c又はキャンセルボタン57dのいずれが操作されたかを確認する(S22)。キャンセルボタン57dが操作された場合は(S22:キャンセル)、客が実際に貼付プレート11に貼り付けたタグ4と、画像認識サーバ7でのタグ4の解析結果との整合がとれていないものとして、画像認識サーバ7にキャンセル指示を送信する(S23)。一方、OKボタン57cが操作された場合は(S22:OK)、画像認識サーバ7にOK指示を送信する(S24)。
【0080】
S24の処理の後、画像認識サーバ7から追加指示のあったメニューコードをオーダーテーブル52aへ追加する(S25)。そして、S25の処理でのメニューコードの追加をPOSサーバ8の精算管理テーブル81cに反映させるために、そのメニューコードの追加指示をPOSサーバ8へ送信する(S26)。
【0081】
一方、画像認識サーバ7からメニューコードの削除指示があった場合には(S20:削除指示)、上述した削除確認画面57b(
図3参照)をLCD57に表示する(S27)。S27の処理の後、上述したOKボタン57c又はキャンセルボタン57dのいずれが操作されたかを確認する(S28)。キャンセルボタン57dが操作された場合は(S28:キャンセル)、客が実際に貼付プレート11から取外したタグ4と、画像認識サーバ7でのタグ4の解析結果との整合がとれていないものとして、画像認識サーバ7にキャンセル指示を送信する(S23)。一方、OKボタン57cが操作された場合は(S28:OK)、画像認識サーバ7にOK指示を送信する(S29)。
【0082】
S29の処理の後、画像認識サーバ7から削除指示のあったメニューコードをオーダーテーブル52aから削除する(S30)。そして、S30の処理でのメニューコードの削除をPOSサーバ8の精算管理テーブル81cに反映させるために、そのメニューコードの削除指示をPOSサーバ8へ送信する(S31)。
【0083】
このS31の削除指示や、上述したS26の追加指示を携帯端末5からPOSサーバ8に直接(画像認識サーバ7を介すことなく)行うことにより、オーダーテーブル52aでのメニューコードの追加/削除をPOSサーバ8の精算管理テーブル81cに迅速に反映できる。
【0084】
画像認識サーバ7からメニューコードの追加または削除の指示がない(又はそれ以外の)場合(S20:それ以外/なし)、及び、S23,26,31の処理の後、携帯端末5での操作によって料理Fやドリンク等のオーダー(注文)が入力されたかを確認する(S32)。携帯端末5の操作でオーダーが入力された場合(S32:Yes)、入力されたオーダーがドリンクである場合には、そのオーダーのメニューコードをオーダーテーブル52aへ追加する(S33)。一方、入力されたオーダーがタグ4と共に提供されるものである場合には、メニューコードの追加は行わない。
【0085】
そして、S33の処理におけるメニューコードの追加をPOSサーバ8の精算管理テーブル81cに反映させるために、そのメニューコードの追加指示をPOSサーバ8へ送信し(S34)、オーダー処理(S7)を終了する。また、S32に処理において、携帯端末5での操作によってオーダーが入力されていない場合にも(S32:No)、オーダー処理(S7)を終了する。
【0086】
図7に戻って説明する。オーダー処理(S7)の処理の後、端末メイン処理では、注文履歴表示の指示が入力されたか否か、即ち、注文履歴ボタン57g(
図4(b)参照)が操作されたかを確認する(S8)。注文履歴表示の指示が入力された場合(S8:Yes)、オーダーテーブル52aから商品名およびその個数を取得し、合計金額と共に注文履歴画面57j(
図4(b)参照)を表示して(S9)、再度S1の処理を繰り返す。
【0087】
一方、注文履歴表示の指示が入力されていない場合(S8:No)、精算指示が入力されたか否か、即ち、会計ボタン57h(
図4(c)参照)が操作されたかを確認する(S:10)。精算指示が入力された場合(S10:Yes)、精算情報取得指示をPOSサーバ8へ送信し(S11)、再度S1の処理を繰り返す。このS11の処理は、バーコード57l(
図4(c)参照)を発行するための処理である。
【0088】
一方、精算指示が入力されていない場合(S10:No)、POSサーバ8からバーコード57lを受信したかを確認する(S12)。バーコードを受信した場合(S12:Yes)、受信したバーコード57lと共に精算画面57k(
図4(c)参照)を表示し(S13)、再度S1の処理を繰り返す。
【0089】
一方、POSサーバ8からバーコード57lを受信していない場合(S12:No)、POSサーバ8から精算終了通知を受信したかを確認する(S14)。精算終了通知を受信した場合(S14:Yes)、精算を終えて客が退店した場合であるので、オーダー受付を終了し(S15)、再度S1の処理を繰り返す。
【0090】
次いで、
図9を参照して、画像認識サーバ7のCPU70で実行される画像認識処理について説明する。
図9は、画像認識処理のフローチャートである。画像認識処理は、画像認識サーバ7に電源が投入されると実行される。
【0091】
図9に示すように、画像認識処理では、まず携帯端末5から初期化指示を受信したかを確認する(S40)、初期化指示を受信した場合(S40:Yes)、初期化指示を行った携帯端末5の端末IDに該当する読取結果テーブル72aを初期化する(S41)。一方、携帯端末5から初期化指示を受信していない場合(S40:No)、及び、S41の処理の後、携帯端末5から画像を受信したかを確認し(S42)、画像を受信していない場合は(S42:No)、再度S40の処理を繰り返す。
【0092】
一方、携帯端末5から画像を受信した場合(S42:Yes)、その画像を送信した携帯端末5の端末IDを取得し(S43)、端末IDメモリ72bに記憶する(書き換える)。なお、以下の処理で画像認識サーバ7から送信される通知や指示は、端末IDが端末IDメモリ72bに記憶されている携帯端末5に行われる。
【0093】
S43の処理の後、受信した画像を解析(画像認識)し(S44)、画像内に貼付プレート11及びタグ4以外の異物が存在するかを確認する(S45)。異物とは、例えば、タグ4の撮影を遮るような物(客の手や箸等)や、タグ4に付着する汚れである。
【0094】
画像内に貼付プレート11及びタグ4以外の異物が存在する場合は(S45:Yes)、再度S40の処理を繰り返す。なお、この異物が存在する状態が所定時間継続した場合には、携帯端末5に認識エラーが生じていることが通知される。
【0095】
一方、画像内に貼付プレート11及びタグ4以外の異物が存在しない場合は(S45:No)、画像から貼付プレート11のプレート番号及びタグ4を抽出する(S46)。このように、画像内に貼付プレート11及びタグ4以外の異物が存在する場合には、画像認識を行わないように構成することにより、画像認識の精度を高めることができる。
【0096】
S46の処理の後、抽出したプレート番号の貼付プレート11において、タグ4の数が増減したか否かを読取結果テーブル72aを参照して判定する(S47)。タグ4の数に変化がない場合は(S47:変化なし)、再度S40の処理を繰り返す。
【0097】
一方、タグ4の数が増加した場合は(S47:増加)、メニューコードテーブル71bを参照し、増加したタグ4の文字列から、そのタグ4に相当するメニューコードを取得する(S48)。そして、取得したメニューコードの追加指示を携帯端末5に送信する(S49)。この追加指示は、かかるメニューコードをオーダーテーブル52aへ追加する指示である。
【0098】
S49の処理の後、携帯端末5からの指示が有るまで待機し(S50)、携帯端末5からOK指示を受信した場合(S50:OK)、S48で取得したメニューコードを、読取結果テーブル72aに追加する(S51)。このメニューコードの追加は、読取結果テーブル72aのうち、S46で抽出したプレート番号に該当するテーブルで行われる。
【0099】
S51の処理の後、タグ4の図柄が1列に揃ったかを確認する(S52)。タグ4の図柄が1列に揃っていない場合は(S52:No)、再度S40の処理を繰り返す。一方、タグ4の図柄が1列に揃った場合は(S52:Yes)、割引クーポンのメニューコードの追加指示を携帯端末5に送信する(S53)。これにより、後の精算処理の割引が行われる。
【0100】
一方、S47の処理において、タグ4の数が減少した場合は(S47:減少)、読取結果テーブル72aから減少したタグ4のメニューコードを取得する(S54)。そして、取得したメニューコードの削除指示を携帯端末5に送信する(S55)。この削除指示は、かかるメニューコードをオーダーテーブル52aから削除する指示である。
【0101】
S55の処理の後、携帯端末5からの指示が有るまで待機し(S56)、携帯端末5からOK指示を受信した場合(S56:OK)、S54で取得したメニューコードを、読取結果テーブル72aから削除する(S57)。このメニューコードの削除は、読取結果テーブル72aのうち、S46で抽出したプレート番号に該当するテーブルで行われる。
【0102】
S50及びS56の処理において携帯端末5からキャンセル指示を受信した場合(S50:キャンセル、S56:キャンセル)、及び、S57の処理の後、再度S40の処理を繰り返す。
【0103】
このように、携帯端末5で撮影した画像の画像認識や、その認識に基づくタグ4の増減や貼付状態の判定を画像認識サーバ7で行うことにより、かかる認識や判定を携帯端末5で行う場合に比べ、携帯端末5での処理負担を軽減できる。よって、その分、携帯端末5における処理速度を速めることができる。
【0104】
次いで、
図10を参照して、POSサーバ8のCPU80で実行されるPOSメイン処理について説明する。
図10は、POSメイン処理のフローチャートである。POSメイン処理は、POSサーバ8に電源が投入されると実行される。
【0105】
図10に示すように、POSメイン処理では、まず携帯端末5から指示を受信したかを確認する(S60)。この指示とは、初期化指示や、メニューコードの追加/削除指示、又は、精算情報取得指示である。
【0106】
携帯端末5から何らかの指示を受信した場合(S60:Yes)、その指示を送信した携帯端末5の端末IDを取得し(S61)、端末IDメモリ82aに記憶する(書き換える)。S61の処理の後、初期化指示を受信したかを確認し(S62)、初期化指示を受信した場合は(S62:Yes)、精算管理テーブル81cを初期化する(S63)。
【0107】
一方、初期化指示を受信していない場合(S62:No)、メニューコードの追加指示を受信したかを確認する(S64)。メニューコードの追加指示を受信した場合(S64:Yes)、指示されたメニューコードを精算管理テーブル81cに追加する(S65)。
【0108】
一方、メニューコードの追加指示を受信していない場合(S64:No)、メニューコードの削除指示を受信したかを確認する(S66)。削除指示を受信した場合は(S66:Yes)、指示されたメニューコードを精算管理テーブル81cから削除する(S67)。
【0109】
このように、メニューコードの追加、削除を精算管理テーブル81cで行うことにより、飲食された料理Fの種類や数をPOSサーバ8に保存できる。よって、どのような料理Fがどの程度売れたかの実績をPOSサーバ8で確認できるので、飲食された料理Fの傾向の把握や、料理Fの在庫管理等の販売管理を容易にできる。
【0110】
なお、S63,S65,S67における精算管理テーブル81cの初期化やメニューコードの追加/削除は、端末IDメモリ82aに記憶されている端末IDに該当するテーブルで行われる。
【0111】
一方、メニューコードの削除指示を受信していない場合(S66:No)、精算情報取得指示を受信したかを確認する(S:68)。精算情報取得指示を受信した場合は(S68:Yes)、精算管理テーブル81cを参照し、バーコード57lを作成して携帯端末5に送信する(S69)。このバーコード57lの作成および送信についても、端末IDメモリ82aに端末IDが記憶されている携帯端末5に対して行われる。
【0112】
一方、精算情報取得指示を受信していない場合(S68:No)、及び、S60の処理で何れの指示も受信していない場合(S60:No)、精算装置86(
図5参照)での処理実績を参照し、いずれかの携帯端末5の精算処理を実施したかを確認する(S70)。精算処理を実施した場合、精算処理を行った携帯端末5に精算終了通知を送信する(S71)。
【0113】
一方、いずれの携帯端末5においても精算処理を実施していない場合(S70:No)、及び、S63,65,67,69,71の処理の後、再度S60の処理を繰り返す。このように、POSサーバ8で精算の管理を行うことにより、その精算の実績に基づいて商品の在庫管理も行うことができる。
【0114】
以上の通り、本実施形態の精算システム100によれば、タグ4の画像の解析や精算処理は、画像認識サーバ7のCPU70及びPOSサーバ8のCPU80によって実行されるので、店員の業務負担を軽減できる。そして、タグ4を皿3(料理F)から分離した状態で画像認識を行うことができるので、客の飲食後の皿3を、POSサーバ8(精算装置86)での精算前に客席1から撤去できる。
【0115】
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0116】
上記実施形態では、精算システム100が適用される飲食店として、肉等の料理Fが提供されるしゃぶしゃぶ店を例示したが、必ずしもこれに限られるものではない。客に飲食物を提供するフロアを有するものであれば、上記実施形態の精算システム100を適用できる。
【0117】
上記実施形態では、タグ4の画像認識や、その認識結果に基づく特典(割引クーポン)の付与を画像認識サーバ7で行う場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、タグ4の画像認識や、その認識結果に基づく特典(割引クーポン)の付与を、携帯端末5やPOSサーバ8で行っても良い。つまり、携帯端末5に画像認識サーバ7の機能を持たせる構成や、POSサーバ8に画像認識サーバ7の機能を持たせる構成でも良い。
【0118】
即ち、上記実施形態では、携帯端末5、画像認識サーバ7及びPOSサーバ8の3つの手段から精算システム100が構成される場合を説明した。これに対し、それら3つの手段が備える各構成(3つの手段で行う各処理)を、2つの手段に割り振ることにより、2つの手段から精算システム100を構成しても良い。
【0119】
上記実施形態では、客に特典が付与される所定条件の一例として、貼付プレート11に同一種類の(同一の情報を持つ)タグ4が1列に揃った状態で貼り付けられた場合に特典が付与される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、所定条件の他の例として、貼付プレート11に貼り付けられるタグ4が種類に関わらず所定数(例えば、上限の9枚)に達した場合、1若しくは複数枚の貼付プレート11に貼り付けられる同一種類のタグ4が所定数(例えば、3枚)に達した場合、又は1枚の貼付プレート11の上限の数まで貼り付けられたタグ4が全て異なる種類である場合に特典を付与する構成でも良い。
【0120】
上記実施形態では、客に付与される特典の一例として、精算時に料金が割引される割引クーポン(割引サービス)を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、客に付与される特典は、次回の来店時に利用できる割引クーポンでも良いし、料理Fや粗品のプレゼント等、その他のサービスでも良い。
【0121】
上記実施形態では、皿3及び料理F(搬送路2で搬送されるもの)と共にタグ4が客に提供される場合を説明したが、タグ4の提供方法は、必ずしも皿3に載せたり、料理Fに差し込んだりする形態に限らない。例えば、店員が料理F及びタグ4を客席1まで運ぶ形態でも良い。
【0122】
上記実施形態では、一部の商品(ドリンク)の注文時にタグ4が提供されない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、全ての商品の注文時にタグ4を提供する構成でも良く、この場合、店員が席まで運ぶ商品がある場合には、店員がタグ4と共に商品を席まで運べば良い。
【0123】
上記実施形態では、貼付プレート11に3行×3列(複数行×複数列)の貼付領域11aが形成される(貼付領域11aが規則的に形成される)場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、貼付プレート11上に複数の貼付領域11aが不規則に分散配置される構成でも良いし、貼付領域11aを省略しても良い。
【0124】
上記実施形態では、貼付プレート11に貼付領域11a(枠線)を形成することでタグ4の向きを揃える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、タグ4の輪郭線の一部または全部を取り囲む凹み(突起)を貼付プレート11に設け、その凹み(突起)にタグ4を嵌め込むことで向きを揃える(回転を規制する)構成でも良い。
【0125】
また、タグ4の向きを揃え易くするための形状として、角部4a(角部11b)をタグ4(貼付プレート11)に設ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、タグ4の平面視形状は円形でも良いが、タグ4の平面視形状は、多角形や、直線および曲線を組み合わせた形状等、非円形であることが好ましい。即ち、貼付領域11aに沿って貼り付けた場合にタグ4の向きが規定できる構成であることが好ましく、例えば、タグ4の平面視形状が正多角形であっても、円形の場合に比べて上下の向きの調節を容易にできる。
【0126】
上記実施形態では、タグ4が板状である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、タグ4は、直方体や立方体等の多面体や、球状であっても良い。タグ4がどのような形状であっても、タグ4を保持できる(タグ4の外形形状に対応した)凹みや突起を貼付プレート11に設けるか、上記実施形態のように磁石で貼り付ければ良い。
【0127】
上記実施形態では、客席1に載置台12が設けられる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、載置台12を省略し、客が携帯端末5を持ってタグ4の情報を読み取る構成でも良い。
【0128】
上記実施形態では、タグ4の文字列を画像認識することでタグ4の情報(料理Fの内容)を認識する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、タグ4に表示される図柄、色、金額、又は、メニューコード(料理Fの内容や金額毎に割り当てられたコード)からタグ4の情報を認識する構成でも良い。
【0129】
また、文字列、図柄、色、金額、又は、メニューコードのいずれか又は全部をタグ4に複数表示する構成でも良い。この構成の場合には、例えば、文字列、図柄、色、金額、又は、メニューコードの複数の情報から得られた認識結果に整合性が無い場合に、認識エラーとする構成でも良い。
【0130】
上記実施形態では、タグ4の表示を画像認識することで料理Fの内容(肉の種類やグラム数)を認識する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、タグ4の表示を画像認識することで料理Fの金額やメニューコード(料理Fの内容や金額毎に割り当てられたコード)を認識する構成でも良い。
【0131】
上記実施形態では、貼付プレート11が矩形のプレート状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。貼付プレート11を円形や、多角形のプレート状に形成しても良いが、タグ4と同様、非円形であることが好ましい。
【符号の説明】
【0132】
100 精算システム
1 客席
3 皿
4 タグ
5 携帯端末(読取手段、入力手段)
7 画像認識サーバ(認識手段、特典付与手段)
70 CPU(コンピュータ)
8 POSサーバ(精算手段)
80 CPU(コンピュータ)
11 貼付プレート
11a 貼付領域(枠線)
12 載置台
F 料理