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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-12
(45)【発行日】2023-05-22
(54)【発明の名称】抗CD27抗体およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20230515BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20230515BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20230515BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20230515BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20230515BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20230515BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20230515BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20230515BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230515BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20230515BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230515BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230515BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20230515BHJP
   G01N 33/531 20060101ALI20230515BHJP
【FI】
C12N15/13
C12N15/62 Z ZNA
C12N15/63 Z
C07K16/28
C07K16/46
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
A61K39/395 U
A61P35/00
G01N33/53 N
G01N33/531 A
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020555430
(86)(22)【出願日】2018-04-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-09
(86)【国際出願番号】 CN2018083095
(87)【国際公開番号】W WO2019196117
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2021-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】517179262
【氏名又は名称】ディンフー バイオターゲット カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュー ティン
(72)【発明者】
【氏名】ルアン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ペン ジェンジェン
(72)【発明者】
【氏名】フ カイ
【審査官】幸田 俊希
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-509948(JP,A)
【文献】特表2013-532978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00
C07K 16/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
CD27に結合する抗体またはその抗原結合断片であって、
前記抗体は軽鎖またはその断片を含み、前記軽鎖またはその断片は軽鎖CDR1、軽鎖CDR2および軽鎖CDR3を含み、前記軽鎖CDR1は配列番号88に示すアミノ酸配列を含み、前記軽鎖CDR2は配列番号89に示すアミノ酸配列を含み、前記軽鎖CDR3は配列番号90に示すアミノ酸配列を含み、かつ、
前記抗体は重鎖またはその断片を含み、前記重鎖またはその断片は重鎖CDR1、重鎖CDR2および重鎖CDR3を含み、前記重鎖CDR1は配列番号85に示すアミノ酸配列を含み、前記重鎖CDR2は配列番号86に示すアミノ酸配列を含み、前記重鎖CDR3は配列番号87に示すアミノ酸配列を含む、
前記抗体またはその抗原結合断片。
【請求項2】
前記抗体がモノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体および二重特異性抗体からなる群より選ばれる、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項3】
前記抗原結合断がFab断片、Fab'断片、F(ab)2断片、Fv断片およびScFvからなる群より選ばれる、請求項1-2のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項4】
前記軽鎖またはその断片は軽鎖可変領域を含み、かつ前記軽鎖可変領域は配列番号83および91から選ばれるアミノ酸配列を含む、請求項1-3のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項5】
前記軽鎖またはその断片は配列番号131に示すアミノ酸配列を含む、請求項1-4のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項6】
前記重鎖またはその断片は重鎖可変領域を含み、かつ前記重鎖可変領域は配列番号81、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113および115から選ばれるアミノ酸配列を含む、請求項1-5のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項7】
前記重鎖またはその断片は配列番号132に示すアミノ酸配列を含む、請求項1-6のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項8】
前記CD27は、ヒトCD27、マウスCD27およびサルCD27からなる群より選ばれる、請求項1-7のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項9】
1)配列番号83に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号81に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;
2)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号115に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;
3)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号107に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;
4)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号95に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;
5)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号99に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;
6)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号111に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;
7)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号103に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;
8)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号113に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;
9)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号105に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;
10)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号93に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;
11)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号97に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;
12)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号109に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;または
13)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号101に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域
を含む、請求項1-8のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片。
【請求項10】
請求項1-9のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片を含む、融合タンパク質。
【請求項11】
請求項1-9のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片、あるいは請求項10に記載の融合タンパク質をコードする、1つまたは複数の単離された核酸分子。
【請求項12】
請求項11に記載の1つまたは複数の単離された核酸分子を含む1つまたは複数のベクター。
【請求項13】
請求項11に記載の1つまたは複数の単離された核酸分子または請求項12に記載の1つまたは複数のベクターを含む細胞。
【請求項14】
請求項13に記載の細胞を、請求項1-9のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片、あるいは請求項10に記載の融合タンパク質を発現させることができる条件下で、培養することを含む、請求項1-9のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片、あるいは請求項10に記載の融合タンパク質を生産するための方法。
【請求項15】
請求項1-9のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片、請求項10に記載の融合タンパク質、請求項11に記載の1つまたは複数の単離された核酸分子、請求項12に記載の1つまたは複数のベクターおよび/または請求項13に記載の細胞、並びに任意の薬学的に許容される賦形剤を含む、組成物。
【請求項16】
がん予防および/または治療用医薬の製造のための請求項1-9のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片、請求項10に記載の融合タンパク質、請求項11に記載の1つまたは複数の単離された核酸分子、請求項12に記載の1つまたは複数のベクターおよび/または請求項13に記載の細胞の使用。
【請求項17】
試料中のCD27の存在および/または量の確認用試薬の製造のための請求項1-9のいずれか1項に記載の抗体またはその抗原結合断片、あるいは請求項10に記載の融合タンパク質の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、生物医薬分野に属し、さらに詳しくは、抗CD27抗体およびその使用に関する。
【0002】
背景技術
CD27は、TNF受容体ファミリーのメンバーであり、I型膜貫通糖タンパク質に属する。CD27は、ジスルフィド結合を介して連結するホモ二量体として細胞表面に存在している(van Lier et al.,1987)。CD27は、その他のTNF受容体ファミリーのメンバーと異なり、T細胞、NK細胞およびある記憶B細胞の表面に恒常的に発現される(van Lier et al.,1987;Sugita et al.,1992;Xiao et al.,2004)。T細胞が活性化されると、CD27の発現がアップレギュレーションされて、プリオン細胞の活性化に相乗的共刺激作用を発揮する。
【0003】
CD70はCD27のリガンドとしてCD27と相互作用し、細胞内TRAFタンパク質をCD27の細胞内ドメインにリクルートして下流シグナルを活性化し、典型および非典型的なNF-κBシグナル伝達経路およびJNKシグナル伝達経路の活性化を含む。それは、CD8+T細胞の増殖、活性化および細胞傷害に重要な役割を果たす(Carr et al.,2006;Rowley and Al-Shamkhani,2004;Taraban et al.,2006)。CD27は、正常細胞上で発現されるほかに、さらにB細胞リンパ腫およびB細胞慢性リンパ球性白血病細胞中で高度に発現される(EA et al.,1995)。
【0004】
以前の研究では、CD27アゴニスト抗体が多くのマウス腫瘍モデルでT細胞の殺傷能力を強めるとともに、抗腫瘍活性を持つことが示されている(Li-zhen He et al.,2013)。しかし、より優れた親和性および活性を備えたCD27抗体が依然として強く求められている。
【0005】
発明の開示
本発明は、CD27に結合することができ、かつ以下の特性の少なくとも1つを示すことができる抗体、その抗原結合断片またはその変異体を提供する。1)CD27に対し高親和性を示す;2)ヒトCD27およびサルCD27に特異的に結合する;3)CD27媒介NF-κB活性を活性化および/または増加することができる;4)CD4+および/またはCD8+T細胞の増殖を刺激することができる;5)CD4+および/またはCD8+ T細胞のIFN-γ分泌を刺激することができる;6)相対的に高い安定性を有する;および7)長期にわたって保存する期間において2量体として溶液に残っている。また、本発明は、抗体、その抗原結合断片またはその変異体を製造および/または使用する方法を提供する。
【0006】
一態様では、本発明は、抗体、その抗原結合断片またはその変異体を提供する。前記抗体、その抗原結合断片またはその変異体は、CD27に結合し、以下の特性の少なくとも1つを示すことができる。1)CD27に特異的に結合し、かつCD137、OX40またはGITRには実質的に結合しない;2)10-8 M以下のKD値でCD27に結合する;3)例えば、ルシフェラーゼレポーターアッセイにより示すように、CD27媒介NF-κB活性を活性化および/または増加する;4)CD4+および/またはCD8+ T細胞の増殖を刺激する;5)細胞表面上に発現されるヒトCD27に結合する;6)細胞表面上に発現されるサルCD27に結合する;7)CD4+および/またはCD8+ T細胞のIFN-γ分泌を刺激する;8)例えば、DSCにより測定した少なくとも60℃のTmを有する;9)約30日のプロセス中において、45℃で、10 mg/mlの濃度で約pH 7.4のPBS溶液に溶解させたとき、SEC-HPLCアッセイにおいて約5%未満の二量化の相対的な減少を示した;および10)約30日のプロセス中において、45℃で、約8-12 mg/mlの濃度で約pH 7.4のPBS溶液に溶解させたとき、約20%未満の濃度変化を示した。
【0007】
いくつかの実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、完全なヒト抗体および二重特異性抗体から選ばれる。
【0008】
いくつかの実施形態では、抗原結合断片は、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、F(ab)2断片、Fv断片およびScFvから選ばれる。
【0009】
いくつかの実施形態では、変異体は、1)1つまたは複数のアミノ酸の付加、欠失または置換により得られる、抗体またはその抗原結合断片とは異なるポリペプチド;および2)抗体またはその抗原結合断片と少なくとも80%の配列相同性を有するポリペプチドから選ばれる。
【0010】
いくつかの実施形態では、抗体、その抗原結合断片またはその変異体は、CD27への結合を対照の抗体と競合する。前記対照の抗体は、1)それぞれ配列番号8-10に示すアミノ酸配列を含む軽鎖CDR 1-3と、それぞれ配列番号5-7に示すアミノ酸配列を含む重鎖CDR 1-3;2)それぞれ配列番号18-20に示すアミノ酸配列を含む軽鎖CDR 1-3と、それぞれ配列番号15-17に示すアミノ酸配列を含む重鎖CDR 1-3;3)それぞれ配列番号28-30に示すアミノ酸配列を含む軽鎖CDR 1-3と、それぞれ配列番号25-27に示すアミノ酸配列を含む重鎖CDR 1-3;4)それぞれ配列番号38-40に示すアミノ酸配列を含む軽鎖CDR 1-3と、それぞれ配列番号35-37に示すアミノ酸配列を含む重鎖CDR 1-3;5)それぞれ配列番号48-50に示すアミノ酸配列を含む軽鎖CDR 1-3と、それぞれ配列番号45-47に示すアミノ酸配列を含む重鎖CDR 1-3;6)それぞれ配列番号58-60に示すアミノ酸配列を含む軽鎖CDR 1-3と、それぞれ配列番号55-57に示すアミノ酸配列を含む重鎖CDR 1-3;7)それぞれ配列番号68-70に示すアミノ酸配列を含む軽鎖CDR 1-3と、それぞれ配列番号65-67に示すアミノ酸配列を含む重鎖CDR 1-3;8)それぞれ配列番号78-80に示すアミノ酸配列を含む軽鎖CDR 1-3と、それぞれ配列番号75-77に示すアミノ酸配列を含む重鎖CDR 1-3;9)それぞれ配列番号88-90に示すアミノ酸配列を含む軽鎖CDR 1-3と、それぞれ配列番号85-87に示すアミノ酸配列を含む重鎖CDR 1-3;10)配列番号3に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号1に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;11)配列番号13に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号11に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;12)配列番号23に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号21に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;13)配列番号33に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号31に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;14)配列番号43に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号41に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;15)配列番号53に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号51に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;16)配列番号63に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号61に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;17)配列番号73に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号71に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;18)配列番号83に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号81に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;19)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号115に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;20)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号107に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;21)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号95に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;22)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号99に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;23)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号111に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;24)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号103に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;25)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号113に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;26)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号105に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;27)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号93に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;28)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号97に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;29)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号109に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;または30)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号101に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、を含んでよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、抗体は軽鎖またはその断片を含む。軽鎖またはその断片は軽鎖CDR1を含んでよく、かつ軽鎖CDR1は配列番号8、18、28、38、48、58、68、78および88から選ばれるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、軽鎖またはその断片は軽鎖CDR2を含み、かつ軽鎖CDR2は配列番号9、19、29、39、49、59、69、79および89から選ばれるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、軽鎖またはその断片は軽鎖CDR3を含み、かつ軽鎖CDR3は配列番号10、20、30、40、50、60、70、80および90から選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、軽鎖またはその断片は軽鎖可変領域を含み、かつ軽鎖可変領域は配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83および91から選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、軽鎖またはその断片は軽鎖定常領域を含み、かつ軽鎖定常領域はヒトIgκ定常領域を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、軽鎖またはその断片は配列番号117、119、121、123、125、127、129、131および133から選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、抗体は重鎖またはその断片を含む。重鎖またはその断片は重鎖CDR1を含んでよく、かつ重鎖CDR1は配列番号5、15、25、35、45、55、65、75および85から選ばれるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、重鎖またはその断片は重鎖CDR2を含み、かつ重鎖CDR2は配列番号6、16、26、36、46、56、66、76および86から選ばれるアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、重鎖またはその断片は重鎖CDR3を含み、かつ重鎖CDR3は配列番号7、17、27、37、47、57、67、77および87から選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、重鎖またはその断片は重鎖可変領域を含み、かつ重鎖可変領域は配列番号1、11、21、31、41、51、61、71、81、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113および115から選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、重鎖またはその断片は重鎖定常領域を含み、かつ重鎖定常領域はヒトIgG定常領域を含む。いくつかの実施形態では、ヒトIgG定常領域はIgG1定常領域を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、重鎖またはその断片は配列番号118、120、122、124、126、128、130、132および134から選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、CD27は、ヒトCD27、マウスCD27およびサルCD27から選ばれる。
【0020】
いくつかの実施形態では、抗体、その抗原結合断片またはその変異体は、1)それぞれ配列番号8-10に示すアミノ酸配列を含む軽鎖CDR 1-3と、それぞれ配列番号5-7に示すアミノ酸配列を含む重鎖CDR 1-3;2)それぞれ配列番号18-20に示すアミノ酸配列を含む軽鎖CDR 1-3と、それぞれ配列番号15-17に示すアミノ酸配列を含む重鎖CDR 1-3;3)それぞれ配列番号28-30に示すアミノ酸配列を含む軽鎖CDR 1-3と、それぞれ配列番号25-27に示すアミノ酸配列を含む重鎖CDR 1-3;4)それぞれ配列番号38-40に示すアミノ酸配列を含む軽鎖CDR 1-3と、それぞれ配列番号35-37に示すアミノ酸配列を含む重鎖CDR 1-3;5)それぞれ配列番号48-50に示すアミノ酸配列を含む軽鎖CDR 1-3と、それぞれ配列番号45-47に示すアミノ酸配列を含む重鎖CDR 1-3;6)それぞれ配列番号58-60に示すアミノ酸配列を含む軽鎖CDR 1-3と、それぞれ配列番号55-57に示すアミノ酸配列を含む重鎖CDR 1-3;7)それぞれ配列番号68-70に示すアミノ酸配列を含む軽鎖CDR 1-3と、それぞれ配列番号65-67に示すアミノ酸配列を含む重鎖CDR 1-3;8)それぞれ配列番号78-80に示すアミノ酸配列を含む軽鎖CDR 1-3と、それぞれ配列番号75-77に示すアミノ酸配列を含む重鎖CDR 1-3;9)それぞれ配列番号88-90に示すアミノ酸配列を含む軽鎖CDR 1-3と、それぞれ配列番号85-87に示すアミノ酸配列を含む重鎖CDR 1-3;10) 配列番号3に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号1に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;11) 配列番号13に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号11に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;12) 配列番号23に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号21に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;13) 配列番号33に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号31に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;14) 配列番号43に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号41に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;15) 配列番号53に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号51に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;16) 配列番号63に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号61に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;17) 配列番号73に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号71に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;18) 配列番号83に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号81に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;19) 配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号115に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;20) 配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号107に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;21) 配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号95に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;22) 配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号99に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;23) 配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号111に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;24) 配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号103に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;25) 配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号113に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;26) 配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号105に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;27)配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号93に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;28) 配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号97に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;29) 配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号109に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;または30) 配列番号91に示すアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域と、配列番号101に示すアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、を含む。
【0021】
別の態様では、本発明は、本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体を含む融合タンパク質を提供する。
【0022】
別の態様では、本発明は、本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体、あるいは本発明による融合タンパク質をコードする、1つまたは複数の単離された核酸分子を提供する。
【0023】
別の態様では、本発明は、本発明による1つまたは複数の単離された核酸分子を含む1つまたは複数のベクターを提供する。
【0024】
別の態様では、本発明は、本発明による1つまたは複数の単離された核酸分子または本発明による1つまたは複数のベクターを含む細胞を提供する。
【0025】
別の態様では、本発明は、本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体、あるいは本発明による融合タンパク質を生産するための方法であって、本発明による細胞を、前記抗体、その抗原結合断片またはその変異体、あるいは前記融合タンパク質を発現させることができる条件下で、培養することを含む、前記方法を提供する。
【0026】
いくつかの実施形態では、当該方法は、本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体、あるいは本発明による融合タンパク質を回収することをさらに含む。
【0027】
別の態様では、本発明は、本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体、融合タンパク質、1つまたは複数の単離された核酸分子、1つまたは複数のベクターおよび/または細胞、並びに任意の薬学的に許容される賦形剤を含む、組成物を提供する。
【0028】
別の態様では、本発明は、がん予防および/または治療用医薬の製造のための本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体、融合タンパク質、1つまたは複数の単離された核酸分子、1つまたは複数のベクターおよび/または細胞の使用を提供する。
【0029】
別の態様では、本発明は、試料中のCD27の存在および/または量の確認用試薬の製造のための本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体、または融合タンパク質の使用を提供する。
【0030】
別の態様では、本発明は、それを必要とする対象においてがんを予防および/または治療する方法であって、対象に、有効量の本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体、融合タンパク質、1つまたは複数の単離された核酸分子、1つまたは複数のベクターおよび/または細胞を投与することを含む、前記方法を提供する。
【0031】
別の態様では、本発明は、それを必要とする対象において免疫応答を誘導または増強する方法であって、対象に、有効量の本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体、融合タンパク質、1つまたは複数の単離された核酸分子、1つまたは複数のベクターおよび/または細胞を投与することを含む、前記方法を提供する。
【0032】
いくつかの実施形態では、前記免疫応答は、T細胞により媒介される。
【0033】
別の態様では、本発明は、T細胞に、有効量の本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体、融合タンパク質、1つまたは複数の単離された核酸分子、1つまたは複数のベクターおよび/または細胞を投与することを含む、T細胞の増殖を刺激する方法を提供する。
【0034】
別の態様では、本発明は、CD27媒介シグナル伝達を活性化するため、またはそれを必要とする対象においてシグナル伝達活性を増加するための方法であって、対象に、有効量の本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体、融合タンパク質、1つまたは複数の単離された核酸分子、1つまたは複数のベクターおよび/または細胞を投与することを含む、前記方法を提供する。
【0035】
別の態様では、本発明は、a) 試料に、本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体、または融合タンパク質を接触させること;b)試料に結合した前記抗体、その抗原結合断片またはその変異体、または融合タンパク質の存在および/または量を確認することを含む、試料中のCD27の存在および/または量を確認するための方法を提供する。
【0036】
別の態様では、本発明は、a)がんの予防および/または治療、b)免疫応答の誘導または増強、c)T細胞の増殖の刺激、d) CD27媒介シグナル伝達の活性化またはシグナル伝達活性の増加、および/またはe)試料中のCD27の存在および/または量の確認のための本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体、融合タンパク質、1つまたは複数の単離された核酸分子、1つまたは複数のベクター、または細胞の使用を提供する。
【0037】
当業者であれば、以下の詳細な記載から、本発明のほかの態様および利点を容易に洞察することができる。以下の詳細な記載は、本発明の例示的な実施形態を示し、記述するのみである。当業者によって認識されるように、本発明の内容により、当業者は、本出願に係る発明の思想および範囲から逸脱することなく、開示された特定の実施形態を変更することができる。従って、本発明の添付図面および明細書の記載は、例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
【0038】
参照による取り込み
本明細書で述べられた全ての特許、公開特許出願および非特許刊行物は、それぞれの特許または刊行物が全文引用の形で組み入れられるように特定かつ個々に示されるのと同じ程度に全文引用の形で本明細書に組み入れられる。
【0039】
図面の説明
本発明の新規な特徴は、添付された特許請求の範囲に詳細に述べられている。本発明の特徴および利点についてのさらなる理解は、本発明の原理が用いられる例示的な実施形態を説明する下記の詳細な説明および添付図面(本明細書には、「図(figure)」および「図(FIG)」と呼ばれることもある)を参照することで得られるはずであり、その中では、前記添付図面は、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1図1は、FACSによって測定された本発明の抗CD27抗体の細胞表面上のCD27への結合を示す図である。
図2図2は、FACSによって測定された本発明の抗CD27抗体のヒトCD27への特異的結合を示す図である。
図3A-3B】図3A-3Bは、本発明の抗CD27抗体の活性化活性を示す図である。
図4A-4B】図4A-4Bは、本発明の抗CD27抗体のT細胞増殖刺激活性を示す図である。
図5A-5B】図5A-5Bは、ELISAによって測定された本発明の抗CD27抗体のヒトCD27への結合を示す図である。
図6図6は、FACSによって測定された本発明の抗CD27抗体のヒト細胞表面上のCD27への結合を示す図である。
図7図7は、FACSによって測定された本発明の抗CD27抗体のサル細胞表面上のCD27への結合を示す図である。
図8図8は、本発明の抗CD27抗体の活性化活性を示す図である。
図9A図9Aは、本発明の抗CD27抗体のT細胞増殖刺激活性を示す図である。
図9B図9Bは、本発明の抗CD27抗体のT細胞IFN-γ分泌刺激活性を示す図である。
図10A-10D】図10A-10Dは、本発明の抗CD27抗体の安定性を示す図である。
図11A-11D】図11A-11Dは、本発明の抗CD27抗体の安定性を示す図である。
図12A-12B】図12A-12Bは、SDS-PAGEによって測定されたCD27組換えタンパク質の発現を示す図である。
図13A-13F】図13A-13Fは、SDS-PAGEによって測定された本発明による抗CD27抗体の発現を示す図である。
【0041】
発明を実施するための形態
本明細書では、本発明の種々の実施形態について示し説明したが、このような実施形態が単なる例として提供されることは、当業者には明らかである。当業者であれば、本発明から逸脱することなく、多様な変形、変更および代替が可能であろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替案が使用できることを理解すべきである。
【0042】
本明細書中で使用される場合、「抗体」という用語は、一般に、2つの同一のポリペプチド鎖対から構成され、それぞれの対が「軽」(L)鎖1本と「重」(H)鎖1本を有する免疫グロブリン分子を指す。抗体の軽鎖はк軽鎖およびλ軽鎖に分類され得る。重鎖は、抗体のアイソタイプをそれぞれIgM、IgD、IgG、IgAおよびIgEとして定義するμ、δ、γ、αまたはεに分類され得る。軽鎖および重鎖内で、可変領域および定常領域は約12個以上のアミノ酸の「J」領域により連結され、重鎖はさらに、約3個以上のアミノ酸の「D」領域を含む。各重鎖は、重鎖可変領域(VH)および重鎖定常領域(CH)からなる。重鎖定常領域は、3個のドメイン(CH1、CH2和CH3)からなる。各軽鎖は、軽鎖可変領域(VL)および軽鎖定常領域(CL)からなる。軽鎖定常領域は、ドメインCLからなる。抗体の定常領域は、宿主組織または因子(免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的補体系の第1成分(Clq)を含む)への免疫グロブリンの結合を媒介することができる。VHおよびVL領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる比較的保存的領域によって間隔を空けられた相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変領域にさらに分けることができる。各VHおよびVLは、N末端からC末端にFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順番の3つのCDRおよび4つのFRからなる。各重/軽鎖対の可変領域(VHおよびVL)は、それぞれ抗原結合部位を形成する。アミノ酸から領域またはドメインまでの割り当ては、免疫学関連タンパク質のKabat配列(Kabat Sequences of Proteins of Immunological Interest) (National Institutes of Health, Bethesda, Md.(1987 and 1991))またはChothia&Lesk (1987) J. Mol.Biol.196:901-917; Chothiaet al.(1989) Nature 342:878-883の定義に従うものとする。本発明に記載されたアミノ酸の位置は、オンラインツールのabysis(http://www.bioinf.org.uk/abysis/index.html)に基づいて比較して得られたものであり、アミノ酸配列における実際の順位を表しているわけではない。「抗体」という用語は、如何なる抗体生産方法に制限されるものではない。抗体には、例えば、組換え抗体と、モノクローナル抗体と、ポリクローナル抗体が含まれる。抗体は、異なるアイソタイプの抗体、例えば、IgG(例えばIgG 1、IgG2、IgG3またはIgG4のサブタイプ)、IgAl、IgA2、IgD、IgEまたはIgM抗体とすることができる。
【0043】
本明細書中で使用される場合、「抗原結合断片」という用語は、一般に、完全長抗体の1つまたは複数の断片を指し、上記断片は、前記抗体に結合する同一抗原(例えばCD27)を結合する能力を保持しており、抗原に対する特異的結合を完全長抗体と競合する。抗原結合断片は、組換えDNA技術によって、または完全抗体の酵素的または化学的切断によって産生され得る。いくつかの場合では、抗原結合部分は、Fab、Fab’、F(ab’)2、F(ab)2、Fd、Fv、dAbおよび相補決定領域(CDR)断片、一本鎖抗体(例えば、scFv)、キメラ抗体、二重抗体およびポリペプチドに特異的抗原結合能力を付与するのに十分な抗体の一部を少なくとも含むようなポリペプチドを含む。
【0044】
本明細書中で使用される場合、「変異体」という用語は、一般に、親分子(例えば、ポリペプチド)とは少なくとも1つのアミノ酸が異なるタンパク質を指す。変異体は、分子自体を指すことがあり、当該分子を含む組成物を含む。このような分子がポリペプチドまたはタンパク質である場合、分子のアミノ酸配列を指すこともある。いくつかの場合では、変異体とその親分子(例えば、タンパク質)は、1つまたは複数のアミノ酸で、例えば、1-50、1-40、1-30、1-20、1-15、1-14、1-13、1-12、1-11、1-10、1-9、1-8、1-7、1-6、1-5、1-4、1-3または1-2個のアミノ酸の付加、欠失または置換で相違する。いくつかの場合では、変異体は、その親分子のアミノ酸配列と少なくとも約80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%またはそれよりも高い)の配列相同性を有することができる。
【0045】
本明細書中で使用される場合、「CD27」という用語は、一般に、タンパク質CD27またはそれをコードする核酸分子を指す。CD27は、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーである。それは、リガンドCD70に結合し、B細胞活性化および免疫グロブリン合成の調節において重要な役割を果たす。CD27は、NF-κBおよびMAPK8/JNKを活性化するシグナルを伝達する。
【0046】
本明細書中で使用される場合、「特異的に結合する」とは、通常、ある物質が別の物質に特異的に結合し、かつ如何なるほかの物質にランダムに結合しにくい能力を指す。例えば、あるタンパク質は、特定の構造で、別のタンパク質に特異的に結合することができる。例えば、ターゲティング部分は、対応する腫瘍抗原に対する結合特異性を示すことができる。
【0047】
本明細書中で使用される場合、「実質的に結合しない」とは、通常、特定の物質には極めて少なく結合するか、又はほとんど結合しないことを指す。例えば、CD137、OX40またはGITRに結合する本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体は、かなり少ないか、又はほとんどない(例えば、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.1%未満または0.01%未満)。
【0048】
本明細書中で使用される場合、「CD137」という用語は、一般に、タンパク質CD137またはそれをコードする核酸分子を指す。CD137は、腫瘍壊死因子受容体(TNF)ファミリーのメンバーである。CD137は、共刺激免疫チェックポイント分子であり、4-1BB、TNFRSF9およびILAとも呼ばれる。CD137は活性化されたT細胞によって発現することができ、さらに、樹状細胞、B細胞、濾胞性樹状細胞、ナチュラルキラー細胞、顆粒球および炎症部位の血管壁細胞もこの分子を発現することができる。
【0049】
本明細書中で使用される場合、「OX40」という用語は、一般に、タンパク質OX40またはそれをコードする核酸分子を指す。OX40は、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバー4 (TNFRSF4)またはCD134とも呼ばれる。OX40は、二次共刺激免疫チェックポイント分子である。OX40Lは、T細胞上のOX40受容体に結合し、それらの死亡を防止し、続いてサイトカインの産生を増加する。OX40は生存延長能力を有するため、最初の数日後に免疫応答維持、その後メモリ応答維持において重要な役割を果たす。 OX40は、体内のTh1およびTh2を媒介する反応においても重要な役割を果たす。
【0050】
本明細書中で使用される場合、「GITR」という用語は、一般に、グルココルチコイド誘導TNFR関連タンパク質または腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー18(TNFRSF18)を指す。それは、ヒトにおいてTNFRSF18遺伝子によりコードされる。GITRは、共刺激免疫チェックポイント分子である。それは、制御性T細胞の阻害活性を阻害し、Tエフェクター細胞の生存時間を延ばすことに関与することが証明されている。マウスモデルでは、GITRは選択的に制御性T細胞の表面に集積することが初めて見出される。
【0051】
本明細書中で使用される場合、「KD」という用語は、一般に、解離定数を指し、大きな物体が、より小さな構成要素へと可逆的に分離(解離)する傾向(例えば、複合体が、その構成要素である分子に分解されるとき)を測定する、特定の種類の平衡定数である。解離定数は、抱合定数の逆数である。抗体(Ab)が抗原(Ag)に結合する特定の場合、一般的には、親和定数という用語は、抱合定数を指す。このような化学平衡はまた、結合速度(kforward)および解離速度(kback)の定数の比である。2つの抗体は、同じ親和性を有してもよいが、一方は、高い結合速度定数および高い解離速度定数の両方を有し得るが、他方は、低い結合速度定数および低い解離速度定数の両方を有し得る。
【0052】
本明細書中で使用される場合、「CD27媒介NF-κB活性」とは、通常、CD27媒介非古典的核因子-κB(NF-κB)シグナル伝達経路を介して発生するp52/RelB NF-κB複合体の活性化を媒介して特定の免疫学的プロセスを調節することをいう。このようなNF-κB経路は、古典的NF-κB経路におけるIκBα分解でなく、NF-κB前駆体であるp100タンパク質の誘導性プロセシングに依存する。非古典的NF-κB経路の中心的なシグナル伝達成分は、下流キナーゼ、NF-κBキナーゼα阻害剤(IKKα)と一緒に働いてp100のリン酸化依存性ユビキチン化及びプロセシングを誘導するNF-κB誘導キナーゼ(NIK)である。正常な条件下で、NIKは、腫瘍壊死因子受容体関連因子-3(TRAF3)依存性E3ユビキチンタンパク質リガーゼにより標的化されて持続分解され得る。TNF受容体スーパーファミリーのサブクラスのメンバーによって媒介されるシグナルに応答して、TRAF3が分解され、これによってNIKが安定化し、非古典的NF-κBの活性化がもたらされる。非古典的NF-κBシグナル伝達の誘導を媒介するTNFRスーパーファミリーの特定のサブクラスのメンバーが見出され、これらのTNFRスーパーファミリーメンバーには、LTβR、CD40、BAFFR、RANK、TNFR2、CD27などが含まれる。
【0053】
本明細書中で使用される場合、「Tm」という用語は、一般に、安定化曲線の中点値(融解温度、疎水的曝露の温度Thとも呼ばれる)を指す。それは、温度を徐々に上げてタンパク質をアンフォールディングさせ、各スポットの蛍光を測定することで得られる。Tmが高いほど、タンパク質の安定性が高くなる。
【0054】
本明細書中で使用される場合、「二量体化」という用語は、一般に、二量体の形成過程を指す。二量体は、共有結合または非共有結合を介して相互結合した2つの単量体からなるオリゴマーである。2つの単量体が同一である場合、二量体はホモ二量体であり;2つの単量体が異なる場合、二量体はヘテロ二量体である。
【0055】
本明細書中で使用される場合、「モノクローナル抗体」という用語は、一般に、全てが独特の親細胞のクローンである同一の免疫細胞によって産生される抗体を指す。モノクローナル抗体は、同一のエピトープ(抗原が抗体に認識される部分)に結合するため、1価の親和性を有する。それは、生化学、分子生物学および医学における重要なツールとなっている。近年、例えば、ファージディスプレイ、単一B細胞培養、様々なB細胞集団からの単一細胞増幅および単一形質細胞検査技術などのいくつかのモノクローナル抗体技術が開発されている(single plasma cell interrogation technologies)。
【0056】
本明細書中で使用される場合、「キメラ抗体」という用語は、一般に、軽鎖及び重鎖の可変(V)領域がマウスに由来し、定常(C)領域がヒトに由来するため、全抗体分子の約三分の二がヒトに由来することから、元のマウスモノクローナル抗体と比べて、マウス由来タンパク質の免疫原性が大幅に低下しているものを指す。一般的には、キメラ抗体は元のマウスモノクローナルの特異性及び親和性を保有するとともに、HAMA応答も顕著に低下している。
【0057】
本明細書中で使用される場合、「ヒト化抗体」という用語は、一般に、ヒトにおいて自然に産生される抗体変異体との類似性を増加させるためにタンパク質配列が修飾された非ヒト種由来の抗体を指す。ヒト化は、特異抗体の開発プロセスが非ヒト免疫系(例えばマウス免疫系)での生成を必要とするときに要求され得る。この方法で生成される抗体のタンパク質配列は、ヒトで天然に存在する相同な抗体と部分的に異なり、したがってヒト患者に投与されるとき潜在的に免疫原性を有する。ヒト化抗体のタンパク質配列は、抗体がその標的抗原に結合する能力に関与する、非ヒト起源のその相補性決定領域(CDR)セグメントの一部を除いて、ヒト変異体のタンパク質配列と本質的に同一である。
【0058】
本明細書中で使用される場合、「完全なヒト抗体」という用語は、一般に、完全にヒト由来のアミノ酸配列を含む抗体治療剤の抗体を指し、その中では、遺伝子改変マウスを使用することによって、または抗体エンジニアリング方法を選択方法と結合させて使用することによって体内で抗原特異性を選択した。完全なヒト抗体およびヒト化抗体は、マウスまたはキメラ抗体と比べて、ヒトにおいて免疫応答を誘起するリスクが低い。
【0059】
本明細書中で使用される場合、「二重特異性抗体」という用語は、一般に、2つの異なるタイプの抗原に結合することができる人工タンパク質を指す。製造方法としては、主にクアドローマ(quadromas)、化学的結合及び遺伝子組換えが挙げられる。IgG様分子は、2つのFab部位が異なる抗原に結合するほかに、2つのFabアームと1つのFc領域を含む一般的なモノクローナル(mAb)構造が保留されている。各重鎖-軽鎖対は独特のmAbに由来する。2本の重鎖から作られたFc領域は第3の結合部位を形成する。非IgG様分子には、Fab領域のみからなる化学的に連結されたFab断片、又は種々のタイプの二価及び三価の単鎖可変断片(scFvs)が含まれる。また、2つの抗体の可変ドメインを模擬する融合タンパク質が含まれる。二重特異性抗体は、高い細胞傷害能を有し、より低い有効量で比較的弱く発現する抗原に結合する。さらに、1種以上の分子をターゲットにすることで、並行経路の調節を回避し、治療抵抗性を回避することができる。
【0060】
本明細書中で使用される場合、「Fab断片」という用語は、免疫グロブリン分子の一部(例えば、抗原結合断片)を指す。Fab断片は、1本の軽鎖と重鎖の一部を含んでよく、単一の抗原結合部位を有する。Fab断片は、免疫グロブリン分子のパパイン消化によって得ることができる。例えば、Fab断片は、重鎖および軽鎖のそれぞれの1つの定常ドメインおよび1つの可変ドメインから構成され得る。可変ドメインは、免疫グロブリン分子のアミノ末端に、相補性決定領域のセットを含むパラトープ(抗原結合部位)を含み得る。パパインは、免疫グロブリン分子を2つのFab断片と1つのFc断片に切断するために使用することができる。ペプシンは、ヒンジ領域より下方で分解して、1つのF(ab’)2断片と1つのpFc’断片を形成する。二価のF(ab)2またはF(ab’)2断片は、ジスルフィド結合を介して連結された2つの抗原結合領域を有する。F(ab)2またはF(ab’)2断片の還元により、他の分子と抱合するために利用可能な遊離チオール基を有する2つの一価のFabまたはFab’断片が生じる。
【0061】
本明細書で使用される「Fv断片」という用語は、一般に、IgGおよびIgM様抗体の酵素的切断から作られた最も小さな断片を指す。Fv断片は、VHおよびVL領域で構成される抗原結合部位を有するが、CH1およびCL領域を有しない。VH鎖とVL鎖は、非共有結合的相互作用によって、Fvフラグメントにおいて、ひとまとめにされている。
【0062】
本明細書で使用される場合、「ScFv」という用語は、一般に、一本鎖抗体断片を指す。ScFvは、抗体の軽鎖および重鎖の可変領域がペプチドリンカーを介して連結される組換え一本鎖ポリペプチド分子を指す。一本鎖抗体(ScFv)は、一般に、エフェクター機能に関与する抗体Fc領域を含まず、したがって、裸抗体である。尤も、必要に応じて公知ScFv分子にFc領域を付加するための方法は公知である。Helfrich et al.,A rapid and versatile method for harnessing ScFv antibody fragments with various biological functions.J Immunol Methods 237:131-145 (2000)、およびde Haard et al.,Creating and engineering human antibodies for immunotherapy.Advanced Drug Delivery Reviews 31:5-31 (1998)を参照する。
【0063】
本明細書中で使用される場合、「IgG」という用語は、一般に、サブクラスの抗体を指す。各IgGは、2つの抗原結合部位を有する。約75%のヒト血清中抗体を代表し、IgGは、循環において見出される最も一般的なタイプの抗体である。認識される免疫グロブリン遺伝子はκ、λ、α、γ(IgG1、IgG2、IgG3、IgG4)を含む。
【0064】
本明細書中で使用される場合、「融合タンパク質」という用語は、一般に、異種ポリペプチド(すなわち、前のポリペプチドまたはそのドメインとは無関係のポリペプチド)のアミノ酸配列と直接的または間接的に(例えば、リンカーを介して)融合したポリペプチドを含むアミノ酸配列、またはそれから構成されるポリペプチドを指すことができる。
【0065】
本明細書中で使用される場合、「1つまたは複数の単離された核酸分子」という用語は、その自然環境から単離された、または人工的に合成された任意の長さのヌクレオチド(デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドまたはそれらの類似体)の重合形態を指す。
【0066】
本明細書中で使用される場合、「1つまたは複数のベクター」という用語は、一般に、その中にタンパク質をコードするポリヌクレオチドを挿入し、発現させることができる核酸ビヒクルを指す。宿主細胞に担持された遺伝物質エレメントは、ベクターを使用して宿主細胞を形質転換、形質導入またはトランスフェクションすることにより発現することができる。ベクターの実施案には、プラスミド;ファージミド;コスミド;酵母人工染色体(YACs)、細菌人工染色体(BACs)またはP1由来人工染色体(PACs)等の人工染色体;λファージやM13ファージおよび動物ウィルスなどのファージが含まれる。ベクターとして使用される動物ウィルスとしては、レトロウィルス(レンチウィルスを含む)、アデノウィルス、アデノ随伴ウィルス、ヘルペスウィルス(例えば、単純ヘルペスウィルス)、ポックスウィルス、バキュロウィルス、パピローマウィルス、パポバウィルス(例えば、SV40ウイルス)が挙げられる。ベクターには、プロモーター配列、転写開始配列、エンハンサー配列、選択エレメントおよびレポーター遺伝子を含む、複数の発現制御エレメントが含まれてもよい。さらに、ベクターには複製起点が含まれてもよい。ベクターはまた、ウイルス粒子、リポソームまたはタンパク質コートなどの細胞への侵入を促進する成分を含んでもよいが、前記成分は上記物質に限定されない。
【0067】
本明細書中で使用される場合、「細胞」という用語は、一般的に、ベクターを導入させる細胞を指し、多くの細胞のタイプを含み、例えば、大腸菌(Escherichia coli)又は枯草菌(Bacillus subtilis)などの原核細胞、酵母細胞又はアスペルギルス(Aspergillus)などの真菌細胞、S2ショウジョウバエ細胞又はSf9などの昆虫細胞、または線維芽細胞、CHO細胞、COS細胞、NSO細胞、HeLa細胞、BHK細胞、HEK293細胞又はヒト細胞などの動物細胞が挙げられる。
【0068】
本明細書中で使用される場合、「発現させることができる条件」という用語は、一般に、本発明の抗体、その抗原結合断片またはその変異体発現させることができる条件を指す。いくつかの実施形態では、発現させることができる条件は、インキュベーション時間、温度および培地を含むが、これらに限定されず、細胞タイプに依存し、当業者が容易に決定し得るものである。いくつかの実施形態では、本発明の抗体、その抗原結合断片またはその変異体を産生するプロセスにおいて、細胞を培地において増殖させ、かつ培養物を生長させるために使用可能な任意の装置(発酵槽を含む)中で増殖させる。細胞を単層として増殖させてもよく、または表面に付着させてもよい。あるいは、細胞を懸濁状態で増殖させることができる。細胞を無血清培地で増殖させることができる。
【0069】
本明細書中で使用される場合、「がん」という用語は、一般に、身体の他の部位に浸潤又は拡散する潜在力を有する異常な細胞増殖が関与する疾患の群を指す。がんは本質的に組織の増殖制御異常の疾病である。正常細胞ががん性になるためには、細胞の増殖および分化を制御する遺伝子が変更されなければならない。影響を受ける遺伝子は、2つの広義のカテゴリーに分類される。がん遺伝子は細胞の増殖および繁殖を促進する遺伝子である。腫瘍抑制遺伝子は、細胞の分裂および生存を阻害する遺伝子である。悪性形質転換は、新規がん遺伝子の形成、正常ながん遺伝子の不適切な過剰発現または腫瘍抑制遺伝子の過小発現もしくは無効を通して生じ得る。通常、正常細胞ががん性になるためには、複数の遺伝子の変更は、必要である。がんは細胞タイプによって分類すると、がん、肉腫、リンパ腫および白血病、胚細胞腫瘍および芽細胞腫を含む。
【0070】
本明細書中で使用される場合、「T細胞」という用語は、一般に、細胞媒介性免疫において中心的な役割を果たすリンパ球(白血球のサブタイプ)の1種を指す。T細胞は、細胞表面にT細胞受容体が存在することにより、他のリンパ球(B細胞およびナチュラルキラー細胞など)と区別することができる。それらは胸腺において胸腺細胞から成熟するため、T細胞と呼ばれる。ヒトT細胞の大部分は、細胞受容体上でそのαおよびβ鎖を再配列し、アルファベータT細胞(αβT細胞)と呼ばれ、適応免疫系の一部である。特殊なγδT細胞(人体における少数派のT細胞、反すう動物でより頻度が高い)は、多様性が制限された不変のT細胞受容体を有し、他のT細胞に効果的に抗原を提示でき、自然免疫系の一部であると考えられる。
【0071】
本明細書中で使用される場合、「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、一般に、薬物投与と適合性のある任意およびすべての溶媒、分散媒、コーティング、等張剤および吸収遅延剤などを指す。
【0072】
本明細書中で使用される場合、「約」という用語は、一般に、このような所与の値の実験条件および/または測定条件による等価値および近似値を含む、当技術分野の通常の技量に基づいて合理的に推論される、このような所与の値に対する近似値を指す。例えば、この用語で修飾される値より10%以下高いかまたは低い値を指してもよい。例えば、「約5μg/kg」という用語は、4.5μg/kg-5.5μg/kgの範囲を指す。別の例として、「約1時間」は、48分間-72分間の範囲を指す。
【0073】
本明細書中で使用される場合、「有効量」という用語は、一般に、そのレシピエントに対して有益な効果を付与するために十分に高い濃度を提供するために十分な用量を指す。任意の特定の対象に関する特異的な治療的有効量レベルは、処置される障害、障害の重症度、特定の成分の活性、投与経路、排泄速度、処置持続期間、対象の年齢、体重、性別、飲食および全身健康、ならびにその他の関連要因を含む多様な要因に依存する。
【0074】
本明細書中で使用される場合、「結合特異性」という用語は、一般に、所定の標的に特異的に結合する(例えば、それと免疫応答する)(とともに、非標的に結合しない、または実質的に結合しない)能力を指す。本発明の抗体(またはその抗原結合断片または変異体)は、単一特異性であって、標的に特異的に結合する1つまたは複数の結合部位を含むものであってもよいし、多特異的(例えば、二重特異性または三重特異性)であって、同じか、または異なる標的に特異的に結合する2つまたはそれよりも多い結合部位を含むものであってもよい。
【0075】
本明細書中で使用される場合、「修飾」という用語は、一般に、ポリペプチドのペプチド骨格(例えば、アミノ酸配列)の任意の操作または翻訳後修飾(例えば、グリコシル化)を指す。例えば、修飾は、対応する野生型ポリペプチドの配列と比較する。修飾は、1個または複数のアミノ酸(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれよりも多い個)の置換、付加および/または欠失でよい。
【0076】
本明細書中で使用される場合、「アミノ酸置換」という用語は、一般に、ポリペプチドの特定の位置にある1個のアミノ酸が別のアミノ酸で置換されることを指す。
【0077】
本明細書中で使用される場合、「KABATのEUインデックス」という用語は、一般に、Kabat et al.,(1971) Ann.NYAcad, Sci.190:382-391およびKabat, E. A.et al. (1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest,第5版,U.S. Department of Health and Human Services, NIH Publication No. 91-3242に記載のアミノ酸配列のEUナンバリングに対応するインデックスを指す。
【0078】
本明細書中で使用される場合、「単離されたポリヌクレオチド」という用語は、一般に、それらの自然環境から単離された、または人工的に合成された任意の長さのヌクレオチド(デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド、あるいはそれらの類似体)の重合形態を指す。
【0079】
CD27抗体、その抗原結合断片またはその変異体
一つの態様では、本発明は、CD27に結合可能な、その抗原結合断片またはその変異体を提供する。
【0080】
抗体、その抗原結合断片またはその変異体は、CD27に特異的に結合することができ、CD137、OX40またはGITRには実質的に結合しない。例えば、FACSにより測定されたように、抗体、その抗原結合断片またはその変異体は、少なくとも30%(例えば、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%またはそれよりも高い)のパーセンテージでCD27に結合する。また、FACSにより測定されたように、抗体、その抗原結合断片またはその変異体は、多くとも5%(例えば、多くとも4.5%、多くとも4%、多くとも3.5%、多くとも3%、多くとも2.5%、多くとも2%、多くとも1.5%、多くとも1%、多くとも0.5%またはそれよりも低い)のパーセンテージでOX40に結合する。また、FACSにより測定されたように、抗体、その抗原結合断片またはその変異体は、多くとも5%(例えば、多くとも4.5%、多くとも4%、多くとも3.5%、多くとも3%、多くとも2.5%、多くとも2%、多くとも1.5%、多くとも1%、多くとも0.5%またはそれよりも低い)のパーセンテージでCD137に結合する。また、FACSにより測定されたように、抗体、その抗原結合断片またはその変異体は、多くとも5%(例えば、多くとも4.5%、多くとも4%、多くとも3.5%、多くとも3%、多くとも2.5%、多くとも2%、多くとも1.5%、多くとも1%、多くとも0.5%またはそれよりも低い)のパーセンテージでGITRに結合する。
【0081】
抗体、その抗原結合断片またはその変異体は、CD27に結合することができ、その中では、KDは10-7 M以下であり、例えば、前記KDは、10-8M以下、9×10-9M以下、8×10-9M以下、7×10-9M以下、6×10-9M以下、5×10-9 M以下、4×10-9 M以下、3×10-9M以下、2×10-9 M以下、1×10-9 M以下、9×10-10M以下、8×10-10 M以下、7×10-10M以下、5×10-10 M以下または1×10-10 M以下である。
【0082】
抗体、その抗原結合断片またはその変異体は、例えば、ルシフェラーゼレポーターアッセイに示すように、CD27媒介NF-κB活性を活性化および/または増加することができる。
【0083】
抗体、その抗原結合断片またはその変異体は、CD4+および/またはCD8+T細胞の増殖を刺激することができる。例えば、CD4+および/またはCD8+T細胞の増殖率は、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、100%以上、150%以上、200%以上、250%以上、300%以上、350%以上または400%以上向上することができる。
【0084】
抗体、その抗原結合断片またはその変異体は、細胞表面上に発現されるヒトCD27に結合することができる。抗体、その抗原結合断片またはその変異体は、細胞表面上に発現されるサルCD27に結合することもできる。
【0085】
抗体、その抗原結合断片またはその変異体は、CD4+および/またはCD8+T細胞のIFN-γ分泌を刺激することができる。例えば、IFN-γの分泌は、少なくとも200pg/mL、少なくとも400pg/mL、少なくとも600pg/mL、少なくとも800pg/mL、少なくとも1000pg/mL、少なくとも2000pg/mL、少なくとも2500pg/mL、少なくとも3000pg/mL、少なくとも3500pg/mLまたは少なくとも4000pg/mLまたはそれよりも多い量まで増加することができる。
【0086】
抗体、その抗原結合断片またはその変異体のTmは、例えば、DSCで測定されたように、少なくとも50℃(例えば、少なくとも55℃、少なくとも59℃、少なくとも60℃、少なくとも61℃、少なくとも62℃、少なくとも63℃、少なくとも64℃、少なくとも65℃、少なくとも66℃、少なくとも67℃、少なくとも68℃、少なくとも69℃、少なくとも70℃またはそれよりも高い温度)でよい。
【0087】
SEC-HPLC分析において、抗体、その抗原結合断片またはその変異体は、約10%未満 (例えば、約9%未満、約8%未満、約7%未満、約6%未満、約5.5%未満、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満またはそれよりも小さい)の二量化の相対的な減少を示すことができる。例えば、PBSに溶解した場合、濃度は、5-15 mg/ml (例えば、約5-14 mg/ml、約5-13 mg/ml、約5-12 mg/ml、約5-11 mg/ml、約5-10 mg/ml、約5-9 mg/ml、約5-8 mg/ml、約5-7 mg/ml、約5-6 mg/ml)である。pH値は、約6.5-約8.5(例えば、約6.8-約8.5、約7.0-約8.5、約7.1-約8.5、約7.2-約8.5、約7.3-約8.5、約7.4-約8.5、約7.5-約8.5、約7.6-約8.5、約7.7-約8.5、約7.8-約8.5、約7.9-約8.5または約8.0-約8.5)でよく、約30℃-約70℃の温度(例えば、約35℃-約70℃、約40℃-約70℃、約41℃-約70℃、約42℃-約70℃、約43℃-約70℃、約44℃-約70℃、約45℃-約70℃、約46℃-約70℃、約47℃-約70℃、約48℃-約70℃、約49℃-約70℃、約50℃-約70℃、約55℃-約70℃、約60℃-約70℃または約65℃-約70℃)でよい。約10-45日(例えば、約15-45日、約20-45日、約25-45日、約26-45日、約27-45日、約28-45日、約29-45日、約30-45日、約31-45日、約32-45日、約33-45日、約34-45日、約35-45日-約40-45日)のプロセス中である。
【0088】
本発明において、抗体、その抗原結合断片またはその変異体は、二量体(例えば、単体、三量体またはその他の多量体ではない)として保持していることが好ましい。
【0089】
溶媒溶液(例えば、PBS)に溶解した場合、抗体、その抗原結合断片またはその変異体は、約30%未満(例えば、約25%未満、約20%未満、約19%未満、約18%未満、約17%未満、約16%未満、約15%未満、約14%未満、約13%未満、約12%未満、約11%未満、約10%未満、約9%未満、約8%未満、約7%、または約5%未満もしくはそれよりも小さい)の濃度変化を示すことができる。抗体、その抗原結合断片またはその変異体を、約5-15 mg/ml (例えば、約6-15 mg/ml、約7-15 mg/ml、約8-15 mg/ml、約9-15 mg/ml、約10-15 mg/ml、約11-15 mg/ml、約12-15 mg/ml、約13-15 mg/mlまたは約14-15 mg/ml、例えば約8-12 mg/ml、約9-11 mg/mlまたは約9.5-10.5 mg/ml)の濃度で溶解することができる。pH値は、約6.5-約8.5(例えば、約6.8-約8.5、約7.0-約8.5、約7.1-約8.5、約7.2-約8.5、約7.3-約8.5、約7.4-約8.5、約7.5-約8.5、約7.6-約8.5、約7.7-約8.5、約7.8-約8.5、約7.9-約8.5または約8.0-約8.5)でよく、約30℃-約70℃の温度(例えば、約35℃-約70℃、約40℃-約70℃、約41℃-約70℃、約42℃-約70℃、約43℃-約70℃、約44℃-約70℃、約45℃-約70℃、約46℃-約70℃、約47℃-約70℃、約48℃-約70℃、約49℃-約70℃、約50℃-約70℃、約55℃-約70℃、約60℃-約70℃または約65℃-約70℃)でよい。約10-45日(例えば、約15-45日、約20-45日、約25-45日、約26-45日、約27-45日、約28-45日、約29-45日、約30-45日、約31-45日、約32-45日、約33-45日、約34-45日、約35-45日ないし約40-45日)のプロセス中である。
【0090】
本発明による抗体は、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、完全なヒト抗体および二重特異性抗体から選ばれてもよい。
【0091】
本発明による抗原結合断片は、Fab断片、Fab’断片、F(ab)2断片、F(ab’)2断片、Fv断片およびScFvから選ばれてもよい。
【0092】
いくつかの場合では、変異体は、本発明による抗体またはその抗原結合断片と、1個または複数のアミノ酸(例えば、1-50個、1-40個、1-30個、1-20個、1-15個、1-14個、1-13個、1-12個、1-11個、1-10個、1-9個、1-8個、1-7個、1-6個、1-5個、1-4個、1-3個または1-2個のアミノ酸)の付加、欠失または置換で異なるポリペプチドでよい。
【0093】
いくつかの場合では、変異体は、本発明による抗体またはその抗原結合断片と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%またはそれよりも高い)の配列同一性を有するポリペプチドでよい。
【0094】
本発明においては、抗体、その抗原結合断片またはその変異体は、CD27への結合を対照の抗体と競合することができる。
【0095】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖CDR1-3と重鎖CDR1-3とを含み、軽鎖CDR1は配列番号8に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR2は配列番号9に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR3は配列番号10に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR1は配列番号5に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR2は配列番号6に示すアミノ酸配列を含んでよく、および重鎖CDR3は配列番号7に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0096】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖CDR1-3と重鎖CDR1-3とを含み、軽鎖CDR1は配列番号18に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR2は配列番号19に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR3は配列番号20に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR1は配列番号15に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR2は配列番号16に示すアミノ酸配列を含んでよく、および重鎖CDR3は配列番号17に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0097】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖CDR1-3と重鎖CDR1-3とを含み、軽鎖CDR1は配列番号28に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR2は配列番号29に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR3は配列番号30に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR1は配列番号25に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR2は配列番号26に示すアミノ酸配列を含んでよく、および重鎖CDR3は配列番号27に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0098】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖CDR1-3と重鎖CDR1-3とを含み、軽鎖CDR1は配列番号38に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR2は配列番号39に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR3は配列番号40に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR1は配列番号35に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR2は配列番号36に示すアミノ酸配列を含んでよく、および重鎖CDR3は配列番号37に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0099】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖CDR1-3と重鎖CDR1-3とを含み、軽鎖CDR1は配列番号48に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR2は配列番号49に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR3は配列番号50に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR1は配列番号45に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR2は配列番号46に示すアミノ酸配列を含んでよく、および重鎖CDR3は配列番号47に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0100】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖CDR1-3と重鎖CDR1-3とを含み、軽鎖CDR1は配列番号58に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR2は配列番号59に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR3は配列番号60に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR1は配列番号55に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR2は配列番号56に示すアミノ酸配列を含んでよく、および重鎖CDR3は配列番号57に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0101】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖CDR1-3と重鎖CDR1-3とを含み、軽鎖CDR1は配列番号68に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR2は配列番号69に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR3は配列番号70に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR1は配列番号65に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR2は配列番号66に示すアミノ酸配列を含んでよく、および重鎖CDR3は配列番号67に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0102】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖CDR1-3と重鎖CDR1-3とを含み、軽鎖CDR1は配列番号78に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR2は配列番号79に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR3は配列番号80に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR1は配列番号75に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR2は配列番号76に示すアミノ酸配列を含んでよく、および重鎖CDR3は配列番号77に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0103】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖CDR1-3と重鎖CDR1-3とを含み、軽鎖CDR1は配列番号88に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR2は配列番号89に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR3は配列番号90に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR1は配列番号85に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR2は配列番号86に示すアミノ酸配列を含んでよく、および重鎖CDR3は配列番号87に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0104】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号3に示すアミノ酸配列を含んでよく、および重鎖可変領域は配列番号1に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0105】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号13に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号11に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0106】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号23に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号21に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0107】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号33に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号31に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0108】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号43に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号41に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0109】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号53に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号51に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0110】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号63に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号61に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0111】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号73に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号71に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0112】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号83に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号81に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0113】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号115に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0114】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号107に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0115】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号95に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0116】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号99に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0117】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号111に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0118】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号103に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0119】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号113に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0120】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号105に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0121】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号93に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0122】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号97に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0123】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号109に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0124】
いくつかの場合では、対照の抗体は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号101に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0125】
本発明においては、抗体、その抗原結合断片またはその変異体は、抗体軽鎖またはその断片を含んでよい。
【0126】
例えば、抗体軽鎖またはその断片はLCDR1を含んでよく、かつLCDR1は配列番号8、18、28、38、48、58、68、78および88から選ばれるアミノ酸配列を含んでよい。抗体軽鎖またはその断片はLCDR2を含んでよく、かつLCDR2は配列番号9、19、29、39、49、59、69、79および89から選ばれるアミノ酸配列を含んでよい。抗体軽鎖またはその断片はLCDR3を含んでよく、かつLCDR3は配列番号10、20、30、40、50、60、70、80および90から選ばれるアミノ酸配列を含んでよい。
【0127】
また、抗体軽鎖またはその断片は軽鎖可変領域VLを含んでよく、軽鎖可変領域VLは配列番号3、13、23、33、43、53、63、73、83および91から選ばれるアミノ酸配列を含んでよい。
【0128】
抗体軽鎖またはその断片は、さらに定常領域を含んでもよい。軽鎖定常領域はIgκ定常領域、例えば、ヒトIgκ定常領域を含んでよい。
【0129】
いくつかの実施形態では、軽鎖またはその断片は配列番号117、119、121、123、125、127、129、131および133から選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0130】
本発明においては、抗体、その抗原結合断片またはその変異体は抗体重鎖またはその断片を含んでよい。
【0131】
例えば、抗体重鎖またはその断片はHCDR1を含んでよく、かつHCDR1は配列番号5、15、25、35、45、55、65、75および85から選ばれるアミノ酸配列を含んでよい。抗体重鎖またはその断片はHCDR2を含んでよく、かつHCDR2は配列番号6、16、26、36、46、56、66、76および86から選ばれるアミノ酸配列を含んでよい。抗体重鎖またはその断片はHCDR3を含んでよく、かつHCDR3は配列番号7、17、27、37、47、57、67、77および87から選ばれるアミノ酸配列を含んでよい。
【0132】
また、抗体重鎖またはその断片は重鎖可変領域VHを含んでよく、かつ重鎖可変領域VHは配列番号1、11、21、31、41、51、61、71、81、93、95、97、99、101、103、105、107、109、111、113および115から選ばれるアミノ酸配列を含んでよい。
【0133】
また、抗体重鎖またはその断片はヒト定常領域を含んでもよい。例えば、ヒト定常領域はヒトIgGの定常領域を含んでもよい。例えば、IgG定常領域はヒトIgGの定常領域を含んでもよい。
【0134】
いくつかの実施形態では、重鎖またはその断片は、配列番号118、120、122、124、126、128、130、132および134から選ばれるアミノ酸配列を含む。
【0135】
本発明では、CD27は、ヒトCD27、マウスCD27およびサルCD27から選ばれてもよい。
【0136】
本発明では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖CDR 1-3と重鎖CDR 1-3とを含んでよく、軽鎖CDR1は配列番号8に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR2は配列番号9に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR3は配列番号10に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR1は配列番号5に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR2は配列番号6に示すアミノ酸配列を含んでよく、および重鎖CDR2は配列番号7に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0137】
本発明では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖CDR 1-3と重鎖CDR 1-3とを含んでよく、軽鎖CDR1は配列番号18に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR2は配列番号19に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR3は配列番号20に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR1は配列番号15に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR2は配列番号16に示すアミノ酸配列を含んでよく、および重鎖CDR3は配列番号17に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0138】
本発明では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖CDR 1-3と重鎖CDR 1-3とを含んでよく、軽鎖CDR1は配列番号28に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR2は配列番号29に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR3は配列番号30に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR1は配列番号25に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR2は配列番号26に示すアミノ酸配列を含んでよく、および重鎖CDR3は配列番号27に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0139】
本発明では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖CDR 1-3と重鎖CDR 1-3とを含んでよく、軽鎖CDR1は配列番号38に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR2は配列番号39に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR3は配列番号40に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR1は配列番号35に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR2は配列番号36に示すアミノ酸配列を含んでよく、および重鎖CDR3は配列番号37に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0140】
本発明では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖CDR 1-3と重鎖CDR 1-3とを含んでよく、軽鎖CDR1は配列番号48に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR2は配列番号49に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR3は配列番号50に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR1は配列番号45に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR2は配列番号46に示すアミノ酸配列を含んでよく、および重鎖CDR3は配列番号47に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0141】
本発明では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖CDR 1-3と重鎖CDR 1-3とを含んでよく、軽鎖CDR1は配列番号58に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR2は配列番号59に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR3は配列番号60に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR1は配列番号55に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR2は配列番号56に示すアミノ酸配列を含んでよく、および重鎖CDR3は配列番号57に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0142】
本発明では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖CDR 1-3と重鎖CDR 1-3とを含んでよく、軽鎖CDR1は配列番号68に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR2は配列番号69に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR3は配列番号70に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR1は配列番号65に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR2は配列番号66に示すアミノ酸配列を含んでよく、および重鎖CDR3は配列番号67に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0143】
本発明では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖CDR 1-3と重鎖CDR 1-3とを含んでよく、軽鎖CDR1は配列番号78に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR2は配列番号79に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR3は配列番号80に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR1は配列番号75に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR2は配列番号76に示すアミノ酸配列を含んでよく、および重鎖CDR3は配列番号77に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0144】
本発明では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖CDR 1-3と重鎖CDR 1-3とを含んでよく、軽鎖CDR1は配列番号88に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR2は配列番号89に示すアミノ酸配列を含んでよく、軽鎖CDR3は配列番号90に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR1は配列番号85に示すアミノ酸配列を含んでよく、重鎖CDR2は配列番号86に示すアミノ酸配列を含んでよく、および重鎖CDR3は配列番号87に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0145】
いくつかの場合では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号3に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号1に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0146】
いくつかの場合では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号13に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号11に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0147】
いくつかの場合では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号23に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号21に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0148】
いくつかの場合では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号33に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号31に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0149】
いくつかの場合では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号43に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号41に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0150】
いくつかの場合では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号53に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号51に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0151】
いくつかの場合では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号63に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号61に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0152】
いくつかの場合では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号73に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号71に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0153】
いくつかの場合では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号83に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号81に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0154】
いくつかの場合では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号115に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0155】
いくつかの場合では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号107に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0156】
いくつかの場合では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号95に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0157】
いくつかの場合では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号99に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0158】
いくつかの場合では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号111に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0159】
いくつかの場合では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号103に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0160】
いくつかの場合では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号113に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0161】
いくつかの場合では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号105に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0162】
いくつかの場合では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号93に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0163】
いくつかの場合では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号97に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0164】
いくつかの場合では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号109に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0165】
いくつかの場合では、抗体またはその抗原結合断片は軽鎖可変領域と重鎖可変領域とを含み、軽鎖可変領域は配列番号91に示すアミノ酸配列を含んでよく、かつ重鎖可変領域は配列番号101に示すアミノ酸配列を含んでよい。
【0166】
例えば、抗体またはその抗原結合断片は抗体m2E7のLCDR 1-3およびHCDR 1-3と同様のLCDR 1-3およびHCDR 1-3を含んでもよい。抗体m2E7のLCDR 1-3はそれぞれ配列番号28-30に示し、かつ抗体m2E7のHCDR 1-3はそれぞれ配列番号25-27に示す。
【0167】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体m2B8のLCDR 1-3およびHCDR 1-3と同様のLCDR 1-3およびHCDR 1-3を含んでもよい。抗体m2B8のLCDR 1-3はそれぞれ配列番号18-20に示し、かつ抗体m2B8のHCDR 1-3はそれぞれ配列番号15-17に示す。
【0168】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体m4H3のLCDR 1-3およびHCDR 1-3と同様のLCDR 1-3およびHCDR 1-3を含んでもよい。抗体m4H3のLCDR 1-3はそれぞれ配列番号68-70に示し、かつ抗体m4H3のHCDR 1-3はそれぞれ配列番号65-67に示す。
【0169】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体m3E7のLCDR 1-3およびHCDR 1-3と同様のLCDR 1-3およびHCDR 1-3を含んでもよい。抗体m3E7のLCDR 1-3はそれぞれ配列番号38-40に示し、かつ抗体m3E7のHCDR 1-3はそれぞれ配列番号35-37に示す。
【0170】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体m1A8のLCDR 1-3およびHCDR 1-3と同様のLCDR 1-3およびHCDR 1-3を含んでもよい。抗体m1A8のLCDR 1-3はそれぞれ配列番号8-10に示し、かつ抗体m1A8のHCDR 1-3はそれぞれ配列番号5-7に示す。
【0171】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体m4G1のLCDR 1-3およびHCDR 1-3と同様のLCDR 1-3およびHCDR 1-3を含んでもよい。抗体m4G1のLCDR 1-3はそれぞれ配列番号58-60に示し、かつ抗体m4G1のHCDR 1-3はそれぞれ配列番号55-57に示す。
【0172】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体m2G3のLCDR 1-3およびHCDR 1-3と同様のLCDR 1-3およびHCDR 1-3を含んでもよい。抗体m2G3のLCDR 1-3はそれぞれ配列番号78-80に示し、かつ抗体m2G3のHCDR 1-3はそれぞれ配列番号75-77に示す。
【0173】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体m2F11のLCDR 1-3およびHCDR 1-3と同様のLCDR 1-3およびHCDR 1-3を含んでもよい。抗体m2F11のLCDR 1-3はそれぞれ配列番号88-90に示し、かつ抗体m2F11のHCDR 1-3はそれぞれ配列番号85-87に示す。
【0174】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体m3B8のLCDR 1-3およびHCDR 1-3と同様のLCDR 1-3およびHCDR 1-3を含んでもよい。抗体m3B8のLCDR 1-3はそれぞれ配列番号48-50に示し、かつ抗体m3B8のHCDR 1-3はそれぞれ配列番号45-47に示す。
【0175】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体m2E7の軽鎖可変領域および重鎖可変領域と同様の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含んでもよい。抗体m2E7の軽鎖可変領域は配列番号21に示し、かつ抗体m2E7の重鎖可変領域は配列番号23に示す。
【0176】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体d16647の軽鎖可変領域および重鎖可変領域と同様の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含んでもよい。抗体d16647の軽鎖可変領域は配列番号91に示し、かつ抗体d16647の重鎖可変領域は配列番号115に示す。
【0177】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体d12996の軽鎖可変領域および重鎖可変領域と同様の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含んでもよい。抗体d12996の軽鎖可変領域は配列番号91に示し、かつ抗体d12996の重鎖可変領域は配列番号107に示す。
【0178】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体d9419の軽鎖可変領域および重鎖可変領域と同様の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含んでもよい。抗体d9419の軽鎖可変領域は配列番号91に示し、かつ抗体d9419の重鎖可変領域は配列番号95に示す。
【0179】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体d9424の軽鎖可変領域および重鎖可変領域と同様の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含んでもよい。抗体d9424の軽鎖可変領域は配列番号91に示し、かつ抗体d9424の重鎖可変領域は配列番号99に示す。
【0180】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体d14822の軽鎖可変領域および重鎖可変領域と同様の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含んでもよい。抗体d14822の軽鎖可変領域は配列番号91に示し、かつ抗体d14822の重鎖可変領域は配列番号111に示す。
【0181】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体d12674の軽鎖可変領域および重鎖可変領域と同様の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含んでもよい。抗体d12674の軽鎖可変領域は配列番号91に示し、かつ抗体d12674の重鎖可変領域は配列番号103に示す。
【0182】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体16647の軽鎖可変領域および重鎖可変領域と同様の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含んでもよい。抗体16647の軽鎖可変領域は配列番号91に示し、かつ抗体16647の重鎖可変領域は配列番号113に示す。
【0183】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体12996の軽鎖可変領域および重鎖可変領域と同様の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含んでもよい。抗体12996の軽鎖可変領域は配列番号91に示し、かつ抗体12996の重鎖可変領域は配列番号105に示す。
【0184】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体9419の軽鎖可変領域および重鎖可変領域と同様の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含んでもよい。抗体9419の軽鎖可変領域は配列番号91に示し、かつ抗体9419の重鎖可変領域は配列番号93に示す。
【0185】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体9424の軽鎖可変領域および重鎖可変領域と同様の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含んでもよい。抗体9424の軽鎖可変領域は配列番号91に示し、かつ抗体9424の重鎖可変領域は配列番号97に示す。
【0186】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体14822の軽鎖可変領域および重鎖可変領域と同様の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含んでもよい。抗体14822の軽鎖可変領域は配列番号91に示し、かつ抗体14822の重鎖可変領域は配列番号109に示す。
【0187】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体12674の軽鎖可変領域および重鎖可変領域と同様の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含んでもよい。抗体12674の軽鎖可変領域は配列番号91に示し、かつ抗体12674の重鎖可変領域は配列番号101に示す。
【0188】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体m2B8の軽鎖可変領域および重鎖可変領域と同様の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含んでもよい。抗体m2B8の軽鎖可変領域は配列番号13に示し、かつ抗体m2B8の重鎖可変領域は配列番号11に示す。
【0189】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体m4H3の軽鎖可変領域および重鎖可変領域と同様の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含んでもよい。抗体m4H3の軽鎖可変領域は配列番号63に示し、かつ抗体m4H3の重鎖可変領域は配列番号61に示す。
【0190】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体m3E7の軽鎖可変領域および重鎖可変領域と同様の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含んでもよい。抗体m3E7の軽鎖可変領域は配列番号33に示し、かつ抗体m3E7の重鎖可変領域は配列番号31に示す。
【0191】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体m1A8の軽鎖可変領域および重鎖可変領域と同様の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含んでもよい。抗体m1A8の軽鎖可変領域は配列番号3に示し、かつ抗体m1A8の重鎖可変領域は配列番号1に示す。
【0192】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体m4G1の軽鎖可変領域および重鎖可変領域と同様の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含んでもよい。抗体m4G1の軽鎖可変領域は配列番号53に示し、かつ抗体m4G1の重鎖可変領域は配列番号51に示す。
【0193】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体m2G3の軽鎖可変領域および重鎖可変領域と同様の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含んでもよい。抗体m2G3の軽鎖可変領域は配列番号73に示し、かつ抗体m2G3の重鎖可変領域は配列番号71に示す。
【0194】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体m2F11の軽鎖可変領域および重鎖可変領域と同様の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含んでもよい。抗体m2F11の軽鎖可変領域は配列番号83に示し、かつ抗体m2F11の重鎖可変領域は配列番号81に示す。
【0195】
他の例として、抗体またはその抗原結合断片は抗体m3B8の軽鎖可変領域および重鎖可変領域と同様の軽鎖可変領域および重鎖可変領域を含んでもよい。抗体m3B8の軽鎖可変領域は配列番号43に示し、かつ抗体m3B8の重鎖可変領域は配列番号41に示す。
【0196】
いくつかの実施形態では、本発明による抗体は、m2E7、m2B8、m4H3、m3E7、m1A8、m4G1、m2G3、m2F11、m3B8、d16647、d12996、d9419、d9424、d14822、d12674、16647、12996、9419、9424、14822、12674から選ばれる。
【0197】
別の態様では、本発明は、融合タンパク質を提供する。前記融合タンパク質は、本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体を含んでい。
【0198】
例えば、前記融合タンパク質は1つまたは複数の他の成分、例えば、他の医薬有効成分を含んでもよい。他の成分を抗体、その抗原結合断片またはその変異体と直接または間接的に(例えば、ペプチドリンカーなどのリンカーを介して)融合することができる。前記融合タンパク質は、依然として本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体の性質の少なくとも一部を有することができる。
【0199】
核酸、ベクター、細胞およびその製造方法
別の態様では、本発明は、本発明による抗体、その抗原結合断片または変異体、または融合タンパク質をコードする、1つまたは複数の単離された核酸を提供する。
【0200】
前記単離された核酸は、1つまたは複数の核酸分子を含んでよく、それらのうち、各核酸分子は、本発明の抗体、その抗原結合断片または変異体をコードする。例えば、前記単離された核酸は、少なくとも2つの核酸分子を含んでよく、それらのうち、一方の核酸分子は抗体重鎖またはその断片/変異体をコードし、他方の核酸分子は抗体軽鎖またはその断片/変異体をコードする。ある場合では、前記単離された核酸は、融合タンパク質をコードすることができる。
【0201】
1つまたは複数の単離された核酸は、本分野に周知の組換え法により合成されてもよい。例えば、1つまたは複数の単離された核酸の合成は、自動DNA合成装置を用いて行なうことができる。
【0202】
標準的な組換えDNA法および分子クローニング法としては、Sambrook, J., Fritsch, E. F.とManiatis, T. Molecular Cloning: A Laboratory Manual; Cold Spring Harbor Laboratory Press: Cold Spring Harbor, (1989) (Maniatis)およびT. J. Silhavy, M. L. BennanとL. W. Enquist, Experiments with Gene Fusions, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y.(1984)およびAusubel, F. M. et al.,Current Protocols in Molecular Biology, pub. by Greene Publishing Assoc. and Wiley-Interscience (1987) に記載されているものが例示される。簡潔に説明すると、本発明の核酸は、ゲノムDNA断片、cDNAおよびRNAから作製することができ、これらの全ては、細胞から直接的に抽出するか、または様々な増幅プロセス(PCRおよびRT-PCRを含むがこれらに限定されない)を介して組み換えて産生することができる。
【0203】
核酸の直接化学合成は通常、成長中のヌクレオチドポリマー鎖の末端5’-ヒドロキシル基への3’-ブロックおよび5’-ブロックしたヌクレオチド単量体の逐次付加を含み、各付加は、通常ホスホトリエステル、ホスホラミダイト等のリン誘導体である、付加された単量体の3’-位における成長中の鎖の末端5’-ヒドロキシル基の求核攻撃によってもたらされる。例えば、Matteuci et al.,Tet.Lett.521:719 (1980); Caruthers et al.に属する米国特許第4,500,707号;およびSouthern et al.に属する米国特許第5,436,327号および5,700,637号を参照する。
【0204】
別の態様では、本発明は、1つまたは複数の単離された核酸分子を含む1つまたは複数のベクターを提供する。
【0205】
ベクターは、任意の線状核酸、プラスミド、ファージミド、コスミド、RNAベクター、ウイルスベクター等でよい。ウイルスベクターの非限定的な例としては、レトロウイルス、アデノウイルスおよびアデノ関連ウイルスを挙げることができる。いくつかの実施形態では、ベクターは、発現ベクター、例えば、ファージディスプレイベクターでよい。
【0206】
発現ベクターは、他でもない特定のタイプの宿主細胞における使用に好適であり得る。例えば、発現ベクターを宿主生物に導入することができ、それに次いで生存能力及びベクター中に含有される任意の遺伝子/ポリヌクレオチドの発現についてモニタリングする。
【0207】
発現ベクターは、発現時に発現ベクターを保有する宿主細胞の選択又は他の形での同定に有用な1つ又は複数の表現型形質をもたらす1つ又は複数の選択可能なマーカー遺伝子を含有してもよい。真核細胞に好適な選択可能マーカーの非限定的な例としては、ジヒドロ葉酸還元酵素及びネオマイシン耐性が挙げられる。
【0208】
対象のベクターは、確立されている様々な技法によって宿主細胞に安定に又は一過性に導入することができる。例えば、一方法は発現ベクターをカルシウム沈殿によって導入する塩化カルシウム処理を含む。他の塩、例えばリン酸カルシウムを同様の手順に従って使用してもよい。加えて、エレクトロポレーション(すなわち、核酸に対する細胞の透過性を増大するための電流の印加)を用いることができる。形質転換法の他の例としては、マイクロインジェクション、DEAEデキストラン媒介形質転換、及び酢酸リチウムの存在下での熱ショックが挙げられる。脂質複合体、リポソーム及びデンドリマーを用いて宿主細胞をトランスフェクトすることもできる。
【0209】
別の態様では、本発明は、1つまたは複数の本発明の単離された核酸分子または本発明の1つまたは複数のベクターを含む細胞(例えば、宿主細胞などの単離された細胞)を提供する。
【0210】
細胞は、本発明の抗体、その抗原結合断片またはその変異体、あるいは本発明の融合タンパク質を発現することができる。この細胞は、真核細胞であっても原核細胞であってもよい。適切な細胞を本発明の1つまたは複数の核酸または1つまたは複数のベクターで形質転換又はトランスフェクトし、抗体、その抗原結合断片またはその変異体、または融合タンパク質の発現及び/又は分泌に利用することができる。例えば、細胞は大腸菌細胞、他の細菌宿主細胞、酵母細胞または様々な高等真核細胞でよい。
【0211】
別の態様では、本発明は、本発明の抗体、その抗原結合断片または変異体、または融合タンパク質を産生するための方法であって、本発明の細胞を、抗体、その抗原結合断片またはその変異体、または融合タンパク質を発現させることができる条件下で、培養することを含む、方法を提供する。
【0212】
この方法は、本発明の抗体、その抗原結合断片またはその変異体、または融合タンパク質を回収することをさらに含む。
【0213】
医薬組成物
別の態様では、本発明は、本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体、1つまたは複数のベクター、融合タンパク質および/または1つまたは複数の単離された核酸分子、および任意の薬学的に許容される賦形剤を含む、組成物を提供する。
【0214】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、さらに、有効量のがん治療用の他の治療有効成分を含む。例えば、がん治療用の他の治療有効成分は、化学療法薬でよい。いくつかの実施形態では、化学療法薬は、細胞傷害試薬である。各有効成分は、薬物有効量で医薬物組成物に存在することができる。
【0215】
以下、非限定的な例示的医薬組成物およびその製造方法について説明する。例えば、医薬組成物は、例えば錠剤、カプセル、丸薬、粉末、徐放剤、溶液、懸濁液のような経口投与に好適な形態、滅菌溶液、懸濁液若しくはエマルションのような非経口注射に好適な形態、軟膏若しくはクリームのような局所投与に好適な形態、又は坐剤のような直腸投与に好適な形態でよい。医薬組成物は、正確な投与量の単回投与に好適な単位剤形でよい。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経口摂取に好適な液体医薬組成物でよい。
【0216】
経口投与に好適な本開示の医薬組成物は、カプセル、カシェ剤若しくは錠剤、又は液剤若しくはエアゾールスプレー等の別個の剤形(各々の剤形は所定量の有効成分を粉末、または顆粒、溶液、若しくは水性若しくは非水性液体中の懸濁液、水中油型エマルション若しくは油中水型液体エマルションの形で含む)で与えることができる。かかる剤形は薬学の任意の方法によって調製することができるが、全ての方法が通常、有効成分を1つ又は複数の他の成分を構成する担体と結び付く工程を含む。通常、組成物は有効成分と液体担体若しくは微細化固体担体又はその両方とを均一かつ密接に混和させた後、必要に応じて生成物を所望の形態に成形することによって調製される。
【0217】
本発明の抗体、その抗原結合断片またはその変異体、または融合タンパク質は、従来の薬学配合法に従って医薬担体との密接混和物で組み合わせることができる。担体は投与に所望される調製物の形態に応じて広範な形態をとることができる。経口剤形用の組成物の調製においては、例えば経口液体調製物(例えば懸濁液、溶液及びエリキシル)若しくはエアロゾルの場合には水、グリコール、油、アルコール、着香料、防腐剤、着色剤等の通常の医薬媒体のいずれを担体として用いてもよく、又はラクトースを用いない実施形態では、デンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤及び崩壊剤等の担体を経口固体調製物の場合に使用することができる。例えば、好適な担体としては、粉末、カプセル及び錠剤、並びに固体経口製剤を挙げることができる。必要な場合は、錠剤を標準的な湿式又は非湿式技法によってコーティングしてもよい。
【0218】
組成物は、1つ又は複数の薬学的に許容可能な添加剤および賦形剤を更に含むことができる。このような添加剤及び賦形剤には、粘着防止剤、消泡剤、緩衝剤、ポリマー、抗酸化剤、防腐剤、キレート剤、粘性調整剤、等張剤、香味剤、着色剤、着臭剤(odorant)、遮光剤、懸濁剤、結合剤、充填剤、可塑剤、滑沢剤及びそれらの混合物があるが、それらに限定されない。
【0219】
本発明の医薬組成物は、治療有効量の活性物質(例えば本発明の抗体、その抗原結合断片または変異体または融合タンパク質)を含んでもよい。治療有効量は、疾患又は障害(例えばがん)及び/又は任意のその合併症を、該疾患若しくは障害を患う又はそれを発症するリスクを有する被験体において(少なくとも部分的に)予防及び/又は治癒することが可能な対象の医薬組成物の量である。含まれる活性物質の具体的な量/濃度は投与方法及び患者の需要によって異なる場合があり、例えば容量、粘度及び/又は患者の体重等に基づいて決定することができる。例えば、適切な投与量は、約0.1mgまたはl mg/kg/日-約50mg/kg/日であり得る。場合によっては、投与量は更に高くしてもよい。いくつかの実施形態では、投与量は約3mg/kg/日-約3.5mg/kg/日、3.5mg/kg/日-約7.2mg/kg/日、約7.2mg/kg/日-約11.0mg/kg/日、約11.0mg/kg/日-約15.0mg/kg/日であり得る。いくつかの実施形態では、投与量は約10mg/kg/日-約50mg/kg/日、例えば1日当たり約20mg-約50mgであり、1日2回投与する。これらの特定の用量を、当業者(例えば医師又は薬剤師)が特定の患者の病態、製剤及び/又は疾患に基づいて都合よく調整することができることを理解されたい。
【0220】
医学的使用及び治療方法
別の態様では、本発明は、がん予防および/または治療用医薬の製造のための本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体、融合タンパク質、1つまたは複数の単離された核酸分子、1つまたは複数のベクターおよび/または細胞の使用を提供する。
【0221】
例えば、がんは、CD27発現が上昇した腫瘍細胞を含み得る。がんは、例えば、血液腫瘍(CD27+リンパ腫など)または充実性腫瘍である。前記がんは、例えば、腎細胞癌、胸腺癌、鼻咽頭癌、ホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、慢性リンパ球性白血病、T細胞白血病、多発性骨髄腫、EBV関連およびHTLV-1関連の悪性腫瘍、膵臓癌、喉頭癌、咽頭癌、黒色腫、卵巣癌、肺癌(肺腺癌を含む)、結腸癌、乳癌および脳癌から選ばれる。
【0222】
別の態様では、本発明は、試料中のCD27の存在および/または量の確認用試薬の製造のための本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体または融合タンパク質の使用を提供する。
【0223】
別の態様では、本発明は、それを必要とする対象においてがんを予防および/または治療する方法であって、対象に、有効量の本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体、融合タンパク質、1つまたは複数の単離された核酸分子、1つまたは複数のベクターおよび/または細胞を投与することを含む、前記方法を提供する。
【0224】
別の態様では、本発明は、それを必要とする対象において免疫応答を誘導または増強する方法であって、対象に、有効量の本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体、融合タンパク質、1つまたは複数の単離された核酸分子、1つまたは複数のベクターおよび/または細胞を投与することを含む、前記方法を提供する。例えば、T細胞により免疫応答を媒介することができる。
【0225】
別の態様では、本発明は、T細胞に、有効量の本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体、融合タンパク質、1つまたは複数の単離された核酸分子、1つまたは複数のベクターおよび/または細胞を投与することを含む、T細胞の増殖を刺激する方法を提供する。前記方法は、インビトロの方法でよい。
【0226】
別の態様では、本発明は、CD27媒介シグナル伝達を活性化するため、またはそれを必要とする対象においてシグナル伝達活性を増加するための方法であって、対象に、有効量の本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体、融合タンパク質、1つまたは複数の単離された核酸分子、1つまたは複数のベクターおよび/または細胞を投与することを含む、前記方法を提供する。
【0227】
別の態様では、本発明は、a) 試料に、本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体、または融合タンパク質を接触させること;b)試料に結合した前記抗体、その抗原結合断片またはその変異体または融合タンパク質の存在および/または量を確認することを含む、試料中のCD27の存在および/または量を確認するための方法を提供する。
【0228】
別の態様では、本発明は、a)がんの予防および/または治療、b)免疫応答の誘導または増強、c)T細胞の増殖の刺激、d) CD27媒介シグナル伝達の活性化またはシグナル伝達活性の増加、および/またはe)試料中のCD27の存在および/または量の確認のための本発明による抗体、その抗原結合断片またはその変異体、融合タンパク質、1つまたは複数の単離された核酸分子、1つまたは複数のベクター、または細胞の使用を提供する。
【0229】
本明細書は本発明の好ましい実施形態について示し、説明したが、かかる実施形態が例示としてのみ提示されることが当業者には明白である。ここで、本開示から逸脱することなく多数の変更、変化及び置換が当業者に想起される。本明細書に記載される本開示の実施形態の様々な代替形態を本開示の実施において用いることができることを理解されたい。以下の特許請求の範囲により本開示の範囲が規定され、これらの特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内の方法及び構造がそれにより包含されることが意図される。
【0230】
実施例
以下の実施例は、本発明の実施法及び使用法に関する完全な開示と説明を当業者に提供するために挙げられるものであり、発明者らが発明とみなすものの範囲を限定するものではなく、また、以下の実験が行われた実験の全てであることまたは以下の実験のみが行われたことを示すものでもない。使用される数(例えば量、温度など)に関しては、正確さを確保するように努めたが、いくらかの実験上の誤差及び偏差を考慮されたい。別途指定のない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏温度であり、圧力は大気圧または大気圧付近である。標準的な略語、例えば、bp:1つ又は複数の塩基対、kb:1つまたは複数のキロベース、pl:1または複数のピコリットル、sまたはsec:1または複数の秒、min:1または複数の分、hまたはhr:1または複数の時間、aa:1つまたは複数のアミノ酸、nt:1つまたは複数のヌクレオチド、i.m.:筋肉内、i.p.:腹腔内、s.c.:皮下などが使用され得る。
【0231】
実施例1組換えヒトCD27タンパク質の発現および関連EGFP細胞の作製
タンパク質データベースUniprotによるヒトCD27細胞外ドメインのアミノ酸配列(すなわち、P26842の残基1-192)を、ヒトCD27 (hCD27)のアミノ酸配列(hCD27とし、かつUniprotでの登録番号はP26842)に従って得た。サルCD27細胞外ドメインのアミノ酸配列(すなわち、F7BYS2の残基1-192)を、サルCD27のアミノ酸配列(RhCD27とし、かつUniprotでの登録番号はF7BYS2)に従って得た。ヒトIgG1-Fcドメイン(Fc)のアミノ酸配列(すなわち、P01857の残基104-330)を、ヒト免疫グロブリンγ1のアミノ酸配列(hIgG1とし、かつUniprotでの登録番号はP01857)に従って得た。マウスIgG1-Fc (muFc)のアミノ酸配列(すなわち、P01868の残基98-324)を、マウス免疫グロブリンγ1のアミノ酸配列(mIgG1とし、かつUniprotでの登録番号はP01868)に従って得た。それをコードする対応する配列をオンラインツールDNAworks (http://helixweb.nih.gov/dnaworks/)を利用して設計し、これにより融合タンパク質hCD27-Fc、hCD27-muFcおよびRhCD27-muFcをコードする対応する配列を得た。
【0232】
緑色蛍光タンパク質EGFP(登録番号はC5MKY7)、ヒトCD137 (hCD137とし、登録番号はQ07011)、ヒトOX40 (hOX40とし、登録番号はP43489)、ヒトGITR (hGITRとし、登録番号はQ9Y5U5)、ヒトCD27 (hCD27とし、登録番号はP26842)、ネズミCD27 (mCD27とし、登録番号はP41272)およびサルCD27 (RhCD27とし、登録番号はF7BYS2)のアミノ酸配列は、Uniprotデータベースから取得した。それらをコードする対応するDNA配列をオンラインツールDNAworks (http://helixweb.nih.gov/dnaworks/)を利用して設計し、これにより、それぞれ次のEGFP融合タンパク質:hCD137-EGFP、hOX40-EGFP、hCD27-EGFP、hGITR-EGFP、mCD27-EGFPおよびRhCD27-EGFPをコードするDNA配列を得た。
【0233】
作製されたDNA配列をFermentas’HindIIIおよびPmeI酵素で消化した後、市販入手可能なベクターpcDNA4/myc-HisA (Invitrogen, V863-20)中にサブクローニングした。プラスミドをシークエンシングによって検証し、次の組換えプラスミド:pcDNA4-hCD27-hFc、pcDNA4-hCD27-muFc、pcDNA4-RhCD27-muFc、pcDNA4-hOX40-EGFP、pcDNA4-hCD137-EGFP、pcDNA4-mCD27-EGFP、pcDNA4-hCD27-EGFP、pcDNA4-hGITR-EGFP、pcDNA4- mCD27-EGFPおよびpcDNA4-RhCD27-EGFPを得た。
【0234】
次いで、トランスフェクションによって組換えプラスミドをHEK293 (ATCC, CRL-1573TM)細胞に導入し、トランスフェクションの48時間後に蛍光活性化シグナルソーター(FACS)によってhOX40、hCD137、hGITR、hCD27、mCD27およびRhCD27の発現を確認した。
【0235】
トランスフェクションによってプラスミドpcDNA4-hCD27-Fc、pcDNA4-hCD27-muFcおよびpcDNA4-RhCD27-muFcをHEK293細胞に一過性導入し、対応するタンパク質を産生した。簡潔に説明すると、これらのプラスミドをFreestyle 293培地で希釈し、適切なPEI(ポリエチレンイミン)溶液を加えた。次に、各プラスミド/PEI混合物を細胞懸濁液に添加し、37℃、10% CO2および90rpmでインキュベーションした。5-6日後、培養上清を回収し、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーによって初歩的に精製してhCD27-Fc、hCD27-muFcおよびRhCD27-muFcタンパク質サンプルを得た。得られたサンプルをSDS-PAGEによって分析し(図12A-12B)、目的の標的タンパク質の発現を確認した。
【0236】
図12A-12Bは、CD27-Fc、CD27-muFc、RhCD27-muFcの発現および精製に成功したことを示した。図12Aにおいて、レーン1にCD27-Fc(原試料)を負荷し;レーン2にCD27-Fc(フロースルー(flow-through))を負荷し;レーン3にCD27-Fc(溶離物(eluted))を負荷し;レーン4にマーカー(26630)を負荷し;レーン5にCD27-muFc(溶離物)を負荷し;レーン6にCD27-muFc(原試料)を負荷し;レーン7にCD27-muFc(フロースルー)を負荷し;レーン8に1μg標準品(Std)を負荷し;レーン9は空であり;レーン10にCD27-Fc(溶離物、非還元型)を負荷し;レーン11にCD27-Fc(溶離物、非還元型)を負荷した。
【0237】
図12Bにおいて、レーン1にmarker(26619)を負荷し;レーン2にRhCD27-muFc(溶離物)を負荷し;レーン3にRhCD27-muFc(原試料)を負荷し;レーン4にRhCD27-muFc (フロースルー)を負荷し;レーン5に標準品1μg(Std)を負荷し;レーン6はブランクであり(blank);レーン7は空であり(empty);レーン8にRhCD27-muFc(溶離物、非還元型)を負荷した。
【0238】
実施例2 ハイブリドーマから取得した抗CD27抗体
実施例1で作製されたhCD27-muFcタンパク質免疫マウスを用い、三回免疫した後、抗体価を測定した。抗体価の高いマウスを選択して第四回の免疫を行なった。第四回の免疫後,マウスから脾臓細胞を単離し、脾臓細胞をマウス骨髄腫細胞SP2/0と融合させた。融合細胞から取得された上清に対して、ELISA結合試験を実施し、CD27に結合可能な合計400のハイブリドーマクローンを得た。
【0239】
簡潔に説明すると、ELISAプレートを2μg/mlCD27-Fc(100μl/ウェル)でコーティングし、4℃で一晩インキュベーションした。次に、10mM、pH7.4 PBS/Tween(0.05%)で1回洗浄し、脱脂粉乳5%を含むPBSTでブロックし、37℃で2時間インキュベーションした。プレートを4回洗浄した後、ハイブリドーマ上清を加え、37℃で40分間インキュベーションした。その後、プレートを4回洗浄し、抗マウスIgG-HRPと抱合した第2の抗体(Abcam、カタログ番号ab97040)を加え、37℃で40分間インキュベーションした。 洗浄後、TMB基質で信号を生成し、OD450で分光光度分析を行なった。ODが0.5を超えているクローンは陽性と認められる。
【0240】
FACSにより、陽性クローンの結合活性および活性化能を検査し、活性化活性を示す抗体を更なる研究のために選択した。説明に従って、FACS分析を行なった。簡潔に説明すると、実施例1で作製した5×105 CD27-EGFP細胞をPBSで2回洗浄し、ハイブリドーム上清50 μlおよびPBS 50μlを加え、4℃で30分間インキュベーションした。次に、それらをPBSで2回洗浄し、抗マウスIg-PE (eBioscience、カタログ番号2-4010-8)を加え、4℃で30分間インキュベーションし、PBSで2回洗浄し、PBS 300μlに再懸濁し、フローサイトメトリーにより測定した。合計300の陽性クローンが得られた。
【0241】
強い結合親和性を有する50個のクローンを活性化測定のために選択した。 活性化測定は以下のように実施した。293T-CD27-NF-κB細胞をトリプシンで消化し、2-3分間後にDMEM完全培地を加えた。細胞を軽く懸濁し、100μl/ウェルの96ウェルプレートに移した。選択した50個のクローンの上清を、抗マウス架橋抗体(Jackson ImmunoResearch Laboratories:115-006-008)と混合し、96ウェルプレートに添加した。対照組に完全培地を加えた。30時間後、細胞を溶解し、ルシフェラーゼアッセイシステム(Promega:E1501)によって測定した。9つの抗体を選択し、サブクローニングし、得られたクローンに対してシークエンシングを行なった。この9つの抗体は、2E7、2B8、4H3、3E7、1A8、4G1、2G3、2F11および3B8であった。
【0242】
シークエンシングしたところ、前記選択した9つの抗体のアミノ酸配列は以下の通りである:クローン2E7のVLのアミノ酸配列は配列番号23に示し、クローン2E7のVHのアミノ酸配列は配列番号21に示す。クローン2B8のVLのアミノ酸配列は配列番号13に示し、かつクローン2B8のVHのアミノ酸配列は配列番号11に示す。クローン4H3のVLのアミノ酸配列は配列番号63に示し、かつクローン4H3のVHのアミノ酸配列は配列番号61に示す。クローン3E7のVLのアミノ酸配列は配列番号33に示し、かつクローン3E7のVHのアミノ酸配列は配列番号31に示す。クローン1A8のVLのアミノ酸配列は配列番号3に示し、かつクローン1A8のVHのアミノ酸配列は配列番号1に示す。クローン4G1のVLのアミノ酸配列は配列番号53に示し、かつクローン4G1のVHのアミノ酸配列は配列番号51に示す。クローン2G3のVLのアミノ酸配列は配列番号73に示し、かつクローン2G3のVHのアミノ酸配列は配列番号71に示す。クローン2F11のVLのアミノ酸配列は配列番号83に示し、かつクローン2F11のVHのアミノ酸配列は配列番号81に示す。クローン3B8のVLのアミノ酸配列は配列番号43に示し、かつクローン3B8のVHのアミノ酸配列は配列番号41に示す。
【0243】
実施例3 抗CD27キメラ抗体の作製
ヒトIgG1定常領域のアミノ酸配列を、ヒト免疫グロブリンγ1のアミノ酸配列(hIgG1とし、Uniprotでの登録番号はP01857)に従って得た。コードする対応する核酸配列をオンラインツールDNAworks (http://helixweb.nih.gov/dnaworks/)を利用して設計した。実施例2で選択された抗体のVHをコードする核酸配列をそれぞれヒトIgG1定常領域配列と融合させた。その後、得られた融合配列をベクターpcDNA4/myc-HisAにサブクローニングして、各抗体の重鎖発現プラスミドを得た。
【0244】
ヒトκ軽鎖定常領域(Igκ)のアミノ酸配列をヒト免疫グロブリンκのアミノ酸配列(Uniprotでの登録番号はP01934)に従って得た。コードする対応する核酸配列をオンラインツールDNAworks (http://helixweb.nih.gov/dnaworks/)を利用して設計した。実施例2で選択された抗体のVLをコードする核酸配列をそれぞれヒトIgκ定常領域配列と融合させた。その後、得られた融合配列をベクターpcDNA4/myc-HisAにサブクローニングして、各抗体の軽鎖発現プラスミドを得た。
【0245】
上記得られた重鎖および軽鎖プラスミをAidLabから提供されたプラスミド抽出キット(PL14)を用いて抽出した。その後、重鎖および軽鎖プラスミドをHEK293細胞に共トランスフェクションして抗体の発現を行なった。簡潔に説明すると、発現プラスミドをFreestyle 293培地を用いて希釈し、PEI (ポリエチレンイミン)溶液を加えた。プラスミド/PEI混合物を細胞懸濁液に加え、37℃、10% CO2において90 rpmでインキュベーションし、50 μg/L IGF-1を加えた。4時間後、EX293培地、2mMグルタミンおよび50μg/L IGF-1を加え、135 rpmでインキュベーションした。24時間後、3.8m MVPAを加えた。5-6日培養後、一過性発現培養上清を回収し、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーによって精製し、抗CD27キメラ抗体が得られ、それらをそれぞれm2E7、m2B8、m4H3、m3E7、m1A8、m4G1、m2G3、m2F11およびm3B8と命名した。
【0246】
実施例4 抗CD27キメラ抗体のキャラクタリゼーション
4.1細胞表面CD27への結合(FACS)
実施例1で作製された5×105CD27-EGFP細胞をPBSで2回洗浄し、細胞に実施例3で作製された各キメラ抗体(m2E7、m2B8、m4H3、m3E7、m1A8、m4G1、m2G3、m2F11およびm3B8) 10μg/mlを加え、4℃で30分間インキュベーションした。その後、それをPBSで2回洗浄し、抗ヒトIg-APC (Jackson ImmunoResearch Laboratories,カタログ番号109-135-098)を加え、4℃で30分間インキュベーションし、PBSで2回洗浄し、PBS 300μlに再懸濁した。その後、フローサイトメトリーにより測定し、その結果を図1に示す。図1では、NCは陰性対照(PBS)を表わし、a-hlg-APCは第二抗体のみを表わし、他の図はそれぞれ対応する各クローンに対して得られた結果を表わす。
【0247】
図1の結果から、実施例3で得られたキメラ抗体はいずれも細胞表面CD27に結合可能であることが分かる。
【0248】
4.2 hCD27への結合特異性 (FACS)
実施例1に記載のhCD137-EGFP、hOX40-EGFPおよびhGITR-EGFP細胞をPBSで2回洗浄し、各細胞に実施例3で作製された各キメラ抗体(m2E7、m2B8、m4H3、m3E7、m1A8、m4G1、m2G3、m2F11およびm3B8)10μg/mlを加え、4℃で30分間インキュベーションした。その後、PBSで2回洗浄し、抗ヒトIg-APC (Jackson ImmunoResearch Laboratories, カタログ番号109-135-098)を加え、4℃で30分間インキュベーションし、PBSで2回洗浄し、PBS 300μlに再懸濁した。その後、フローサイトメトリー測定を行い、その結果を図2に示す。図2では、NCは陰性対照(PBS)を表わし、a-hlg-APCは第二抗体のみを表わし、他の図はそれぞれ対応する各クローンに対して得られた結果を表わす。
【0249】
図2の結果から、実施例3で得られたキメラ抗体には、hCD137、hOX40またはhGITRと顕著に結合できるものが1つもないことが分かり、抗体のhCD27へ結合特異性が判明された。
【0250】
4.3 活性化の測定
293T-CD27-NF-κB細胞をトリプシンで消化し、2-3分間後にDMEM完全培地を加えた。細胞を軽く懸濁し、100μl/ウェルの96ウェルプレートに移した。 選択した50個のクローンの上清を、抗マウス架橋抗体(Jackson ImmunoResearch Laboratories: 109-006-008)と混合し、96ウェルプレートに添加した。対照組に完全培地を加えた。30時間後、細胞を溶解し、ルシフェラーゼアッセイシステム(Promega:E1501)により測定した。
【0251】
その結果を図3A-3Bに示す。図3Bに示す抗体1F5は含まれて基準対照とした。これから、実施例3で作製されたキメラ抗体はいずれも下流シグナル伝達を活性化することがき、かつ基準抗体1F5よりも高い活性化能力を有することが分かる。
【0252】
4.4 T細胞の増殖の刺激
ヒトリンパ球分離液(Tianjin Gengyang)を用い、密度勾配遠心を介して健康なドナーからの末梢血濃縮物から末梢血単核細胞(PBMCs)を分離し、EasySep Negative Human CD4キット(幹細胞:19052)を用い末梢血単核細胞(PBMCs)から分離してCD4+T細胞を得た。細胞をPBSで2回洗浄し、細胞数をカウントした。その後、Biolegendの説明に従い、CFSE(Biolegend、カタロン番号:422701)で細胞を標識し、PBSで2回洗浄し、カウントして、ウェルあたり1.5×105セルの96ウェルプレートに加えた。96ウェルプレートを、3μg/mlの抗CD3抗体および実施例3で作製されたキメラ抗体でプレコーティングし、4℃で一晩インキュベーションした。陰性対照を抗CD3抗体のみとともにインキュベーションし、陽性対照を可溶性抗CD28抗体とともにインキュベーションした。翌日、細胞をPBSで3回洗浄した。CD4+ T細胞を96ウェルプレートに加えた後、96ウェルプレートをCO2インキュベーターに入れ、5日インキュベーションした。その後、細胞を回収し、フローサイトメトリーによって細胞増殖を調べた。結果を図4Aおよび図4Bに示す。抗体1F5は、基準対照である。図4A-4Bから、クローンm2F11はT細胞の増殖促進の面において最も強い活性を持ち、基準抗体1F5よりも強いことが分かる。
【0253】
実施例5 抗CD27抗体のヒト化
上記実験例で得られた結果に基づいて、クローンm2F11をヒト化の実施のために選択した。抗体を、重鎖可変領域および軽鎖可変領域のフレームワーク領域にあるアミノ酸残基を変更することによってヒト化した。合計12種のヒト化重鎖可変領域と1種のヒト化軽鎖可変領域が得られ、12種のヒト化抗体が産生した。12種のヒト化抗体のアミノ酸配列を表1に示す。
【0254】
【表1】
【0255】
5.1 ヒト化抗体の発現および精製
ヒト化VHおよびVLをコードする核酸分子を合成した。実施例3においてキメラ抗体について記載したように、VHをコードする核酸を、ヒトIgG1重鎖定常領域をコードする核酸と融合させることにより抗体重鎖をコードする配列が得られ、VLをコードする核酸を、ヒトκ軽鎖定常領域をコードする核酸と融合させることにより抗体軽鎖をコードする配列が得られた。その後、得られた核酸分子をそれぞれベクターpcDNA4/myc-HisAにクローニングし、12種の重鎖発現プラスミドと1種の軽鎖発現プラスミドが得られた。各重鎖発現プラスミドと軽鎖発現プラスミドとをペアにし、それらをHEK293細胞(ATCC、CRL-1573TM)に一過性トランスフェクションしてタンパク質生産に用いる。簡潔に説明すると、発現プラスミドをFreestyle 293培地で希釈し、PEI(ポリエチレンイミン)溶液を加えた。プラスミド/PEI混合物を細胞懸濁液に加え、37℃、10% CO2において90rpmでインキュベーションした。5-6日培養後、一過性発現培養上清を回収し、プロテインAアフィニティークロマトグラフィーで精製して、12種のヒト化抗体:d16647、d12996、d9419、d9424、d14822、d12674、16647、12996、9419、9424、14822および12674が得られ、それらを以下の実施例において使用する。得られたヒト化抗体をSDS-PAGEによって検証した結果(図13A-13F)、標的バンドが明らかに見られた。ヒト化抗体の収率を表2に示す。
【0256】
図13A-13Fは、ヒト化抗体d16647、16647、d9419、9419、9424、d12996、14822、12674、d12674、12996、d14822の発現および精製に成功したことを示した。図13Aにおいて、レーン1に16647(原試料)を負荷し;レーン2に16647(フロースルー)を負荷し;レーン3に16647(溶離物)を負荷し;レーン4にマーカー(26630)を負荷し;レーン5にd16647(溶離物)を負荷し;レーン6にd16647(原試料)を負荷し;レーン7にd16647(フロースルー)を負荷し;レーン8にStd 1μgを負荷し;レーン9はブランクであり;レーン10は空であり;レーン11に16647(溶離物、非還元型)を負荷し;レーン12にd16647(溶離物、非還元型)を負荷した。
【0257】
図13Bにおいて、レーン1にd9419(原試料)を負荷し;レーン2にd9419(フロースルー)を負荷し;レーン3にd9419(溶離物)を負荷し;レーン4にマーカー(26619)を負荷し;レーン5にStd 1μgを負荷し;レーン6はブランクであり;レーン7は空であり、レーン8にd9419(溶離物、非還元型)を負荷した。
【0258】
図13Cにおいて、レーン1に9419(原試料)を負荷し;レーン2に9419(フロースルー)を負荷し;レーン3に9419(溶離物)を負荷し;レーン4にマーカー(26630)を負荷し;レーン5に9424(溶離物)を負荷し;レーン6に9424(原試料)を負荷し;レーン7に9424(フロースルー)を負荷し;レーン8にStd 1μgを負荷し;レーン9はブランクであり;レーン10は空であり;レーン11に9419(溶離物、非還元型)を負荷し;レーン12に94924(溶離物、非還元型)を負荷した。
【0259】
図13Dにおいて、レーン1にd12996(原試料)を負荷し;レーン2にd12996(フロースルー)を負荷し;レーン3にd12996(溶離物)を負荷し;レーン4にマーカー(26619)を負荷し;レーン5に14822(溶離物)を負荷し;レーン6に14822(原試料)を負荷し;レーン7に14822(フロースルー)を負荷し;レーン8にStd 1μgを負荷し;レーン9はブランクであり;レーン10は空であり;レーン11にd12996(溶離物、非還元型)を負荷し;レーン12に14822(溶離物、非還元型)を負荷した。
【0260】
図13Eにおいて、レーン1に12674(原試料)を負荷し;レーン2に12674(フロースルー)を負荷し;レーン3に12674(溶離物)を負荷し;レーン4にマーカー(26630)を負荷し;レーン5にd12674(溶離物)を負荷し;レーン6にd12674(原試料)を負荷し;レーン7にd12674(フロースルー)を負荷し;レーン8にStd 1μgを負荷し;レーン9はブランクであり;レーン10は空であり;レーン11に12674(溶離物、非還元型)を負荷し;レーン12にd12674(溶離物、非還元型)を負荷した。
【0261】
図13Fにおいて、レーン1に12996(原試料)を負荷し;レーン2に12996(フロースルー)を負荷し;レーン3に12996(溶離物)を負荷し;レーン4にマーカー(26619)を負荷し;レーン5にd14822(溶離物)を負荷し;レーン6にd14822(原試料)を負荷し;レーン7にd14822(フロースルー)を負荷し;レーン8にStd 1μgを負荷し;レーン9はブランクであり;レーン10は空であり;レーン11に12996(溶離物、非還元型)を負荷し;レーン12にd14822(溶離物、非還元型) を負荷した。
【0262】
【表2】
【0263】
5.2 ヒト化抗体のヒトCD27への結合(ELISA)
ELISAプレートを2μg/ml hCD27-muFc (100μl/ウェル)でコーティングし、4℃で一晩インキュベーションした。次に、10mM、pH7.4 PBS/Tween(0.05%)で1回洗浄し、脱脂粉乳5%を含むPBSTでブロックし、37℃で2時間インキュベーションした。プレートを4回洗浄した後、ヒト化抗体を添加し、37℃で40分間インキュベーションしてから、4回洗浄した。抗ヒトIgG-HRPと抱合した第2の抗体(Sigma、カタログ番号A0170-1M)を添加し、37℃で40分間インキュベーションした。 洗浄後、プレートをTMB基質で現像させ、OD450で分光光度分析を行なった。結果を図5A-5Bおよび表3に示す。図5A-5Bでは、各曲線は、前記ヒト化抗体の1つに対して得られた結合結果を表わす。その結果から、これらのヒト化抗体はいずれもヒトCD27に結合できることが分かる。
【0264】
【表3】
【0265】
5.3細胞表面CD27への結合 (FACS)
ELISAの上記結果に基づいて、7種のヒト化抗体を選択してそれらの細胞表面CD27への親和力を調べた。簡潔に説明すると、実施例1で作製された5×105個のCD27-EGFP細胞をPBSで2回洗浄し、各ヒト化抗体(d16647、d12996、d9419、14822、9424、d14822、d12674)を加えた。抗体を20μg/mlから3倍連続希釈して、抗体1種当たり8種の勾配希釈物を得た。抗体および細胞を4℃で30分間インキュベーションした。その後、それをPBSで2回洗浄し、抗ヒトIg-APC (Jackson ImmunoResearch Laboratories, カタログ番号109-135-098)を加え、4℃で30分間インキュベーションし、PBSで2回洗浄し、PBS 300μlに再懸濁した。その後、フローサイトメトリーを施し、その結果を図6に示す。m2F11を対照として使用した。
【0266】
図6の結果から、これらのヒト化抗体はいずれも細胞表面CD27に結合できることが分かる。
【0267】
5.4ヒトCD27タンパク質への結合キネティクス
BLI法を用い、各ヒト化抗体を10μg/mlの濃度でプロテインAバイオセンサーに固定しつつ、hCD27-muFcを100 nMから2倍連続希釈して、抗体1種当たり5種の勾配希釈物を得た。反応プレートをOctet K2機器に配置した。パラメーターをベースライン(Baseline)70s、抱合(Baseline)80s、解離(Disscociation)300s、ベースライン(Baseline)260s、ロード(Loading)40sおよびカスタム(Custom) 5sに設定した。その結果を表4に示す。
【0268】
【表4】
【0269】
5.5サル細胞表面CD27への結合 (FACS)
実施例1で作製された5×105個のRhCD27-EGFP細胞PBSで2回洗浄し、実施例5で作製されたヒト化抗体(d9419、d16647、d14822、d12674) 10μg/mlを加え、4℃で30分間インキュベーションした。その後、PBSで2回洗浄し、抗ヒトIg-APC (Jackson ImmunoResearch Laboratories, カタログ番号109-135-098)を加え、4℃で30分間インキュベーションし、PBSで2回洗浄し、PBS 300μlに再懸濁した。その後、フローサイトメトリーを施し、その結果を図7に示す。m2F11を対照として使用する。
【0270】
図7の結果から、これらのヒト化抗体は、サル細胞表面のRhCD27に結合できることが分かる。
【0271】
5.6 活性化の測定
293T-CD27-NF-κB細胞をトリプシンで消化し、2-3分間後にDMEM完全培地を加えた。細胞を軽く懸濁し、100μl/ウェルの96ウェルプレートに移した。実施例5で作製されたヒト化抗体を10 μg/mlから10倍希釈し、希釈した抗体を抗ヒト架橋抗体(Jackson Immuno Research Laboratories:109-006-008)と混合して96ウェルプレートに添加した。対照組に完全培地を加えた。30時間後、細胞を溶解し、次いでルシフェラーゼアッセイシステム(Promega:E1501)を用いて測定した。その結果を図8に示し、図8では、各曲線は、1つのヒト化抗体に対して得られた結果を表わし、m2F11を対照として使用した。
【0272】
図8の結果から、ヒト化抗体は、依然として下流シグナル伝達を活性化し得ることが分かる。
【0273】
5.7 T細胞の増殖刺激
ヒトリンパ球分離液(Tianjin Gengyang)を用い、密度勾配遠心を介して健康なドナーからの末梢血濃縮物から末梢血単核細胞(PBMCs)を分離し、EasySep Negative Human CD4キット(幹細胞:19052)を用い末梢血単核細胞から分離してCD4+T細胞を得た。細胞をPBSで2回洗浄し、細胞数をカウントした。その後、Biolegendの説明に従い、CFSE(Biolegend、カタロン番号:422701)で細胞を標識し、PBSで2回洗浄し、カウントして、ウェルあたり1.5×105セルの96ウェルプレートに加えた。96ウェルプレートを、3μg/mlの抗CD3抗体および実施例3で作製されたキメラ抗体でプレコーティングし、4℃で一晩インキュベーションした。陰性対照を抗CD3抗体のみとともにインキュベーションし、陽性対照を可溶性抗CD28抗体とともにインキュベーションした。翌日、細胞をPBSで3回洗浄した。CD4+ T細胞を96ウェルプレートに加えた後、96ウェルプレートをCO2インキュベーターに入れ、5日インキュベーションした。その後、細胞を回収し、フローサイトメトリーによって細胞増殖を調べた。一方、上清を回収し、上清中のIFN-γの分泌をCBA検出キット(BD,カタログ番号:551809)を用いて調べた。
【0274】
その結果を図9Aおよび図9Bに示す。図9Aに示すように、抗CD27ヒト化抗体は、T細胞の増殖を抗体m2F11よりも顕著に刺激することができる。図9Bに示すように、抗CD27ヒト化抗体は、T細胞のIFN-γ分泌を刺激することができる。
【0275】
実施例6 抗体の安定性
6.1示差走査熱量法(DSC)による抗体の安定性の測定
DSCを使用して、ヒト化抗体の熱安定性を調べた。緩衝液のみで得られた結果とタンパク質を含む緩衝液で得られたDSCの結果を対照とする。各ヒト化抗体を1mg/ml(PBS緩衝液)に希釈した。次のパラメータ:10-110℃、1時間当たり100℃、各回のスキャン前に15分の平衡化時間を掛けた。試料の容積は0.5mlであった。対照として緩衝液のみで収集されたスキャンデータと、タンパク質を含む緩衝液で収集されたスキャンデータを用いて結果を修正する。そうして、ヒト化抗体のTm値を得、それを表5に示す。
【0276】
【表5】
【0277】
6.2 加速安定性試験
ヒト化抗体に対して45℃にて加速安定性試験を行なった。簡潔に説明すると、単一ステップのプロテインAから精製した抗体をPBS(pH7.4)に溶解させ、抗体を約10mg/mlまで濃縮した。抗体100μgを200μlのPCR反応チューブに加え、45℃でインキュベーションした。第0日、第10日、第20日および第30日にて試料を採集し、A280における測定およびSEC-HPLC分析を行なった。結果をそれぞれ図10図11に示す。図10は抗体濃度の経時変化を示し、図11は抗体二量体のパーセンテージの経時変化を示す。これらの結果から、抗体濃度は時間の経過とともに大幅に変化しておらず、抗体二量体のパーセンテージも時間の経過とともに大幅に変化していないことが分かる。また、三量体や会合体の形成が見られない。
【0278】
本明細書は本発明の好ましい実施形態について示し、説明したが、かかる実施形態が例示としてのみ提示されることが当業者には明白である。これは、本発明が明細書で提供される特定の例によって制限されることを意味するものではない。本発明は、前述の明細書を参照して詳しく説明されたが、本明細書の実施形態の記載および説明は、限定的な意味で解釈されることを意図するものではない。本開示から逸脱することなく多数の変更、変化及び置換が当業者に想起される。また、本発明のすべての態様は、さまざまな条件および変数に依存する、本明細書に記載の特定の説明、構成、または相対的な比率に限定されないことを理解されたい。本明細書に記載される本開示の実施形態の様々な代替形態を本開示の実施において用いることができることを理解されたい。したがって、本発明は、そのような代替形態、変形、変更または均等物も包含することが想定されている。以下の特許請求の範囲により本開示の範囲が規定され、これらの特許請求の範囲及びそれらの均等物の範囲内の方法及び構造がそれにより包含されることが意図される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13AB
図13CD
図13EF
【配列表】
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