(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-12
(45)【発行日】2023-05-22
(54)【発明の名称】改良された均一性および印刷速度で薄膜を製造するための技法
(51)【国際特許分類】
B05D 1/26 20060101AFI20230515BHJP
B05D 3/00 20060101ALI20230515BHJP
【FI】
B05D1/26 Z
B05D3/00 D
B05D3/00 F
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021161948
(22)【出願日】2021-09-30
(62)【分割の表示】P 2018529134の分割
【原出願日】2016-12-02
【審査請求日】2021-10-30
(32)【優先日】2015-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513317345
【氏名又は名称】カティーバ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100140833
【氏名又は名称】岡東 保
(72)【発明者】
【氏名】マディガン, コナー エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ハウフ, クリストファー アール.
【審査官】市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-296904(JP,A)
【文献】特開2010-075813(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05D1/00-7/26
B05C5/00-21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する方法であって、前記方法は以下のステップを含む、
前記基板上に液体の液滴を堆積させ、前記液体を処理して完成層を形成するために、前記基板上に形成される
前記完成層の所望の厚さを受け
取るステップと、
前記基板上の前記液体の拡散特性を表すデータを受信するステップと、
前記拡散特性に基づいて、処理後の前記完成層の厚さが前記所望の厚さよりも大きくならないように、複数の液滴サイズから最大の前記液滴サイズを選択するステップと、
前記選択された液滴サイズに基づいて、空隙を有していない様式で基準厚さを有する液体層を形成する基準液滴密度を決定するステップと
前記基準液滴密度を、前記基準厚さおよび前記所望の厚さに応じて、スケーリングされた液滴密度にスケーリングするステップと、
プリントヘッドのそれぞれのノズルに、ノズル発射決定を割り当てるステップと、
前記選択された液滴サイズおよび前記スケーリングされた液滴密度を用いて、割り当てられたノズル発射決定に従って、連続液体層を印刷するステップと、
前記連続液体層を処理し、前記完成層を形成するステップと
を含む
、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記複数の液滴サイズの前記液滴サイズのそれぞれについて、単位面積内に空隙を有さない様式で、前記液体層を形成する前記液滴密度を決定するステップを、さらに、含む
、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記ノズル発射決定を割り当てるステップは、ハーフトーン処理を用いるステップを含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記ノズル発射決定を割り当てるステップは、前記ノズル発射を複数のスキャンに振り分けるステップを含む
、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記拡散特性を決定するステップ含み、前記拡散特性を決定するステップ
は、試験基板の画像ベースの分析を含む試験堆積プロセスを用いるステップ
を含む
、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、前記決定された拡散特性はメモリに格納され、前記拡散特性は前記メモリから受信される、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記ノズル発射決定を割り当てるステップは、交互積層フィルタを適用するステップを含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記液滴は前記プリントヘッドの前記ノズルから堆積され、複数の前記液滴サイズは前記ノズルのそれぞれの液滴サイズの範囲を含む、方法。
【請求項9】
基板を処理する方法であって、前記方法は以下のステップを含む、
前記基板上に液体の液滴を堆積させ、前記液体を処理して完成層を形成するために、前記基板上に形成される
前記完成層の所望の厚さを受け
取るステップと、
前記基板上の前記液体の拡散特性を表すデータを受信するステップと、
前記基板を処理する際に使用されるプリントヘッドのノズルによって生成される複数の液滴サイズを表すデータを受信するステップと、
前記拡散特性に基づいて、処理後の前記完成層の厚さが前記所望の厚さよりも大きくならないように、複数の液滴サイズから最大の前記液滴サイズを選択するステップと、
前記選択された液滴サイズに基づいて、空隙を有していない様式で基準厚さを有する液体層を形成する基準液滴密度を決定するステップと、
前記基準液滴密度を、前記基準厚さおよび前記所望の厚さに応じて、スケーリングされた液滴密度にスケーリングするステップと、
前記プリントヘッドの前記ノズルのそれぞれに、ノズル発射決定を割り当てるステップと、
前記プリントヘッドを用いて、前記割り当てられたノズル発射決定に従って、連続液体層を印刷するステップと、
前記連続した液体層を処理し、前記完成層を形成するステップと
を含む、
方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記基準液滴密度をスケーリングするステップは、前記液体層の端部の厚さのプロファイルを変更するステップを含む、方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法であって、前記ノズル発射決定を割り当てるステップは、前記スケーリングされた液滴密度に基づいて液滴パターン情報を決定するステップを含む、方法。
【請求項12】
請求項9に記載の方法であって、前記ノズル発射決定を割り当てるステップは、前記ノズル発射を複数のスキャンに振り分けるステップを含む、方法。
【請求項13】
請求項9に記載の方法であって、さらに、
前記拡散特性を決定するステップ含み、前記拡散特性を決定するステップは、試験基板の画像ベースの分析を含む試験堆積プロセスを用いるステップ
を含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、前記決定された拡散特性はメモリに格納され、前記拡散特性は前記メモリから受信される、方法。
【請求項15】
請求項9に記載の方法であって、前記ノズル発射決定を割り当てるステップは、交互積層フィルタを適用するステップを含む、方法。
【請求項16】
請求項9に記載の方法であって、複数の前記液滴サイズは、前記ノズルのそれぞれの液滴サイズの範囲を含む、方法。
【請求項17】
請求項9に記載の方法であって、前記完成層の異なる領域を表す前記完成層に対する複数の所望の厚さを受け取るステップを、さらに含み、前記方法は前記所望の厚さのそれぞれに対して繰り返される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本開示は、米国仮特許出願第(USSN) 62/264076号,出願日2015年12月7日、発明の名称“Techniques for Manufacturing Thin Films with Improved Homogeneity and Print Speed”;米国特許第9352561号(USSN 14/340403)、発行日2016年5月31日、発明の名称“Techniques for Print Ink Droplet Measurement and Control to Deposit Liquids within Precise Tolerances”;米国特許第9010899号、発行日2015年4月21日、発明の名称“Techniques for Print Ink Volume Control to Deposit Liquids Within Precise Tolerances”;米国特許第8995022号、発行日2015年3月31日、発明の名称“Ink-Based Layer Fabrication Using Halftoning To Control Thickness”;米国特許出願公開第20150373305号(USSN 14/840343)、出願日2015年8月31日、発明の名称“Fast Measurement of Droplet Parameters in Industrial Printing System”(USSN 14/840343,出願日2015年8月31日);および米国特許出願公開第20150298153号(USSN 14/788,609)、出願日2015年6月30日、発明の名称“Techniques for Arrayed Printing of a Permanent Layer with Improved Speed and Accuracy”を参照により援用するものである。上記米国特許出願第62/264076号に対する優先権が主張される。
【背景技術】
【0002】
プリンタは、加工のための多種多様な工業プロセスで使用される。1つの用途では、プリンタは、基板上に液体を噴出するために使用されることができ、液体は、次いで、電子デバイスの永久層を形成するように、硬化、乾燥、または別様に処理される。本技法は、他の技法を使用して容易に堆積させられることができない材料、例えば、有機材料(プラスチック等)の堆積のために特に有用である。1つの例示的用途は、表示パネル(テレビまたは他の表示画面等)、太陽電池パネル、および発光デバイスの加工を伴う。例えば、プリンタは、電気刺激の影響下で光を生成することに役立つ有機LED材料、ならびに酸素、湿気、または他の汚染物質への暴露から敏感な内部層を保護することに役立つ有機カプセル化層を堆積させるために使用されることができる。大型パネル電子デバイスを加工するために使用される従来のプロセスでは、これらのプリンタは、「部屋のサイズ」であり、組立ライン型プロセスの一部として、非常に精密なパラメータ以内で非常に大型の基板上に印刷するために使用されることができる。大型パネルデバイスが、これらの基板(例えば、大型TVまたは太陽電池パネル)から形成されることができる、または代替として、多くの小型デバイスが、これらの基板上に形成され、次いで、相互から分離されることができる。当然ながら、これらの用途は、例証的にすぎず、プリンタは、電子デバイス以外の多くのタイプのデバイスについて、多くの異なる材料(有機または別様)を印刷するために多くの加工プロセスで使用されることができる。
【0003】
技術が向上すると、製造仕様は、典型的には、全て同一またはより良好な性能特性を提供しながら、堆積させられた層がより薄く、あまり可変ではないことを要求する。しかしながら、寸法が縮小されると、上記で説明される技術を使用して、非常に薄い層を生成することもより困難になる。例えば、わずかな不均等(例えば、ミクロン規模の粗度)が、典型的には、厚い層(例えば、上記の用途については30ミクロンまたはそれを上回る)の表面内で耐えられ得る一方で、同一の変動は、より薄い層(例えば、上記の用途については厚さ約10ミクロン未満である層)の層不具合または他の非容認性をもたらし得る。層の幾何学形状にわたる予期しない薄さ(すなわち、厚さの変動)は、潜在的に湿気または酸素破損を生じさせ得る、層周辺において適切なシールの損失をもたらし得る、または別様に顕著な性能欠陥を生成し得る。
【0004】
これらの困難の一実施例を引用すると、製造仕様は、層厚さの調整された一様性および非常に精密な境界制御を伴って、厚さ10ミクロン未満である層を要求するであろうことが、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)について予期される。特に、従来のプリントヘッドが20~30ミクロンまたはそれを上回るピッチで20~30ミクロン直径の液滴を堆積させ得ることが考慮されるとき、そのような精度は、達成することが困難である(例えば、印刷された液滴が適切に拡散しない場合、それらは、空隙/間隙を伴う、または局所的に厚すぎるか、もしくは薄すぎるかのいずれかである層を生成し得る)。この点に関して、液滴拡散および隣接する液滴の混合は、特に研究室設定外では、複雑で精密ではないプロセスであり得る。液滴粘度、表面張力、大気温度、基板材料、表面化学および幾何学形状、静電気、基板温度、ノズル誤差、粒子状物質汚染、ならびに他の因子等の因子は、製造グレードの再現可能なプロセスを提供することを困難にし得る。全く正反対に、典型的には、可能な限り速い印刷プロセスを有すること、例えば、約60~120秒未満で部屋サイズの基板を印刷することが所望され、プロセスの商業的実現可能性は、製造が長くかかりすぎる場合に脅かされ得る。すなわち、例えば、堆積させられた液体が、均等な液体コートを形成するために過剰な定着時間を要求する場合、または堆積させられた液体が、不十分もしくは不規則に拡散する場合、生産プロセスは、過剰に高価であり得る、または結果として生じた層は、望ましくない変動、不規則性、もしくは間隙等の欠陥を有し得る。前述に主張した点を繰り返すと、液体厚さが非常に薄い層のための最終的な材料厚さに変換する、製造プロセスにおいて、液体の精密層を印刷することは困難である。
【0005】
必要とされるものは、液体が所望の厚さを有する層を形成するように処理される(硬化させられる、乾燥させられる、または別様に製品の永久要素にされる)ものである、液体
を堆積させるためにプリンタを使用する再現可能な製造プロセスを促進する技法のセットである。さらに依然として、必要とされるものは、堆積させられた層が、特に薄い有機層のためにより優れた信頼性および一貫性を有するように、より優れた制御によって層を加工するための技法のセットである。本発明は、これらの必要性に対処し、他の関連利点を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、規定厚さおよび他の所望の層特性を有する層を加工するように液体を堆積させるプリンタを使用する、改良された製造のための技法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
原理の第1のセットは、インクおよび/または基板特性が、具体的に測定され(または推定もしくは推測され)、次いで、プリントヘッド選択または制御、もしくは具体的インク液滴パラメータに対する他の制御を介して、液滴堆積環境を選択または調節するために使用される、製造方法を伴う。この点に関して、堆積プロセスにおける期待インク拡散を考慮して(例えば、基板、プロセス、インク、または他の特性に応じて)、本プロセスは、層厚さおよび堆積時間の規定公差内で許容堆積を生成するよう、特別に調節または選択されることができる。1つの用途では、単位面積あたりのインクの体積(体積/面積)、液滴堆積パターン、および/または液滴サイズならびに層厚さの間の連携が、所与の製造機器、堆積環境、および印刷プロセスのための堆積液体(すなわち、「インク」)の期待拡散特性に応じて、設定される、もしくは特別に調節される。例えば、「Ink Based Layer Fabrication Using Halftonig To Control Thickness」についての米国特許第8995022号は、所望の厚さを有するように層を構築するために、層の厚さ値が「インク充填」密度(例えば、基板の単位面積あたりのインクの量)に変換される、プロセスに関し、印刷された通りのインクは、限定された拡散特性を有し、いったんインク体積/面積と結果として生じた層厚さとの間の関係が理解されると、次いで、拡大縮小された体積/面積が、所望の厚さを有する層を「構築」するために使用されることができる。とりわけ、本開示は、その関係に好適な値を選択するために使用されることができる、具体的技法を提供する。実施例を伝えるために、単位面積あたりのインクの基準量が1ミクロン厚さにおいて基板のブランケット被覆を生成し、厚さ3ミクロンの層が所望された場合には、単位面積あたりのインクの基準量は、所望の厚さ3ミクロンの層を生成するように3倍にされ得る。本明細書で議論される技法の第1のセットに従って、(例えば、測定、推定、または推測を通して)液滴拡散が理解または定量化される場合には、ブランケット被覆と、単位面積あたりのインクのその基準量を使用して生成されるであろう、結果として生じた厚さに関して深められる理解とを生じるであろう、単位面積あたりの基準体積が選択されることができる。本開示は、本理解を深めるために使用されることができる、堆積パラメータを選択するための技法を提供し、上記で参照されるスケーリング技法が、次いで、短縮された堆積時間で規定公差内の適切な層厚さを生成するために依拠される。
【0008】
いくつかの異なるパラメータが、これらの目的を達成するために調節され得ることに留意されたい。例えば、所与のインクおよび堆積プロセスが、限定された拡散の厚い液滴を生成する(すなわち、液滴が厚すぎ、結果として生じる層が厚くなるであろうため、インク液滴が所望の厚さの層を生成することができない)場合には、より小さい液滴を生成するよう、異なるプリントヘッドが選択されることができる、またはノズル電子制御が調節されることができる。1つの設計では、プリントヘッドまたはノズル駆動信号を変更する代わりに(もしくはそれに加えて)、ノズル印刷グリッド(例えば、液滴ピッチ)が変動されることができ、例えば、インスキャンノズルピッチを変動させるようにノズルの発射頻度を変更する、または有効クロススキャンノズルピッチを変動させるようにプリントヘ
ッドを回転させる、相互に対して複数のプリントヘッドを交互に配列する、もしくはこれらのものの任意の組み合わせである。さらに別の設計では、複数の離散液滴サイズ(例えば、1倍体積、2倍体積、3倍体積、4倍体積等)、および測定、推定、もしくは推定される拡散特性に基づく液滴サイズ選択を特徴とすることができる、プリントヘッドが使用される。一実施例が、相互の整数の倍数である(または体積の観点からそのような値に近い)液滴サイズを特徴とする一方で、他の実施例は、堆積体積を正確にカスタマイズするために使用される、同調または「カスタマイズされた」波形を伴って、はるかに微妙な差異を特徴とすることに留意されたい。液滴体積が複数のサイズの間で変動され得る程度に、一実装では、所望の層を生成することができる、候補許容液滴サイズのセットのうちの最大液滴サイズが、使用のために選択される。例えば、これらの具体的原理を前提とする方法は、期待拡散に基づいて、各利用可能な液滴サイズが(ブランケット被覆を取得するために必要とされる単位面積あたりの体積において)所望の層を生成し得る(すなわち、層が硬化後に厚すぎない)かどうかを判定することができる。本試験を満たす最大液滴体積(および関連付けられるプロセス特性)は、次いで、おそらく、他のより小さい液滴サイズと組み合わせて選択される。所望される場合、随意の「緩衝」もまた、プロセス変動と関連付けられる誤差の許容範囲を可能にするよう、プロセスに注入されることができる。例えば、所与の液滴サイズが「正確に」所望の厚さにおいてブランケット被覆を生成する場合には、代わりに、ある人工的に注入された緩衝を差し引いた所望の層厚さ、例えば、10パーセントを差し引いた所望の層厚さを生成する能力を前提とする最大液滴の選択により、そのような液滴サイズは拒否されることができる。
【0009】
多くの実施例および変形例が、当業者に想起されるであろう。以下の説明では、これらの原理を達成する、種々のシステム、デバイス、装置、プロセス、および組み合わせが、明白となるであろう。
【0010】
原理の第2のセットは、ノズル誤差(例えば、体積収差、ノズル位置または「ノズルボウ」の誤差)または液滴降着場所の誤差(例えば、ノズルボウおよび/または液滴軌道ならびに/もしくは「ウィッキング」の傾向の関数)を理解することと、液滴が適切な混合特性を有するようにインクを堆積させるために、ノズル選択および/またはタイミングならびに/もしくは液滴サイズを補正することとを伴う。これらの技法のうちのいずれかは、随意に、混合され、上記で議論される技法の第1のセット(および以下で議論される他の技法)と合致され得ることに留意されたい。この点に関して、液滴の表面張力特性は、液滴が、有効液滴位置付けを歪曲させ、本質的に同胞液滴を位置から引き出す、ウィッキング特性を呈するようなものであることができる。そのような問題は、上記の因子および/または誤差によって大いに悪化させられ得る。隣接する液滴の混合が(例えば、最後に「連結」液滴を追加することによって、または別様に計画された様式で)慎重に制御されるように、複数のスキャン通過にわたって液滴を「交互積層」するフィルタの使用を通して、本傾向を軽減するための技法が、本明細書で提示される。一実施形態では、液滴サイズおよび/または降着位置の測定された期待変動が、上記で議論される交互積層を計画する際に依拠されるように、ノズルならびに/もしくは液滴位置誤差が意図的に印刷計画プロセスの考慮に入れられることに留意されたい。例えば、具体的に考慮される実装では、液滴は、ノズル毎に(または「ノズル・波形組み合わせ」につき)測定の統計集団を開発するように、ノズルにつき(または全てのノズルについてノズル毎に利用可能な波形につき)繰り返し測定されることができる。これは、周知のn1/2関係に従って(すなわち、測定の数nに対して)測定誤差を低減させることに役立ち、ノズルあたりおよび/またはノズル・波形組み合わせあたりの液滴体積ならびに/もしくは降着位置の正確な期待値および偏差/分散尺度を定義することに役立つ。統計的パラメータが、次いで、上記で議論される交互積層マルチスキャンプロセスを使用して、均一な液滴密度を生成するように、交互積層および/または印刷プロセスの考慮に入れられることができる。上記のように、本明細書で議論される他の技法もまた、たとえ各詳細実施形態に関連して具体的に取り
上げられていなくても、随意に、これらの技法と混合されて合致されることができる。例えば、異なる液滴サイズが、随意に、例えば、1回の通過ではより大きい体積の液滴、別の通過では「交互積層された」より小さい体積の液滴を使用して、交互積層と組み合わせられることができる。別の実施例を引用すると、これらの技法は、随意に、米国特許第9010899号および第9352561号、ならびに参照することによって組み込まれる他の特許および刊行物によって開示されるように、原位置のノズルあたりの動的に測定されたデータと組み合わせられることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、改良された均一性および印刷速度で薄膜を製造するためのいくつかの技法を示す、例証的略図である。
【
図2A】
図2Aは、液滴が基板(205)と接触を確立した直後のプリンタからの液体の液滴(209)の例証的な図であり、膜の所望の厚さは、水平線207によって表され、液滴の接触面積の有効直径は、「d
1」によって表される。
【
図2B】
図2Bは、
図2Aに類似するが、拡散後の液滴(213、215、および217)が、「厚すぎる」および「遠く離れすぎている」の両方であり、高さ誤差(「he」)および間隙誤差(「ge」)をもたらす、例証的な図であり、本図では、液滴有効直径が、「d
2」によって表される一方で、最大液滴高さは、「h
2」によって表される。
【
図2C】
図2Cは、
図2Bに類似する例証的な図であり、ここでは、液滴は、所望の薄膜厚さ(207)に対する高さの差(「hd」)を有する連続膜を提供するよう拡散して混合しており、液滴有効直径が、「d
3」によって表される一方で、最大液滴高さは、「h
3A」によって表される。
【
図2D】
図2Dは、
図2Cに類似する例証的な図であり、ここでは、液滴は、層(223)が一様であり、所望の薄膜厚さ(207)の妥当な近似値であるように、さらなる程度に拡散して混合しており、拡散後の液滴接触面積有効直径は、「d
4」によって効果的に表される。
【
図2E】
図2Eは、
図2Dに類似する例証的な図であり、ここでは、液滴は、一様な層(223)を形成するよう拡散している、または別様に堆積させられているが、2つの図示される液滴および変化する直径矢印「d
5」によって概念的に表される、「定着する」ために(すなわち、完全に拡散するために)非常に長時間かかっており、妥当な時間量で所望の膜厚さを形成することが困難であり得る。
【
図3A】
図3Aは、仮想的印刷グリッド305と、印刷中の液滴の可能性として考えられる降着場所とを示す、例証的略図であり、2つの理想化された液滴降着場所308および311は、(309および312と番号付けされた)円によって表される個別の拡散を有して指定されている。
【
図3B】
図3Bは、
図3Aに類似するが、代わりに、潜在的に予測不可能であるドットゲイン317および被覆面積とともに316に有効中心を有するように、
図3Aからの液滴の中心の望ましくないウィッキングを示す、例証的略図である。
【
図3C】
図3Cは、望ましくないウィッキングを阻止するよう、液滴堆積が交互積層されることができる方法を示す、例証的略図である。
【
図3D】
図3Dは、交互積層(
図3C参照)を行うように、フィルタ(335)が液滴堆積パターン(334)に適用されることができる方法を示す、例証的略図である。
【
図3E】
図3Eは、意図しない液滴体積変動(例えば、343、345、347、および349と番号付けされた「円」によって表される、個別の液滴のための描写されたドットゲインの差)と、軌道オフセットおよび変動(堆積させられた液滴毎に示される矢印によって表される)とを表す、例証的略図である。
【
図4A】
図4Aは、
図3Eに類似するが、液滴体積変動および/またはオフセットならびに軌道変動に適応するよう(すなわち、所望されるような交互積層が、前述の変動があっても液滴の適切な順序付けおよび位置付けをもたらすように)、交互積層パターンを事前歪曲させるようにパターン/フィルタ調節(509)を示す、例証的略図である。
【
図4B】
図4Bは、液滴が、ノズルを横断する意図しない液滴変動(例えば、液滴サイズ変動、または「ノズル5番」等の全く発射しないノズル)を補償するよう、効果的に選択される、
図4Aの調節技法を使用して交互積層されている、堆積させられた液滴の降着位置(および体積/密度)を示す、仮想的液滴堆積パターンである。
【
図4C】
図4Cは、
図4Bに類似するが、選択ノズル(例えば、「ノズル4番」)が、特大液滴サイズ(473)を生成するように、すなわち、意図しない液滴変動(例えば、「ノズル5番」が液滴を発射できないこと)を効果的に補償するように選択されている、例証的略図である。
【
図4D】
図4Dは、
図4Bに類似するが、同一のノズルが複数の場所で使用されることができるように、かつ複数のノズルが同一の印刷グリッド場所において異なるサイズの/放出された液滴を堆積させるために使用されることができるように、スキャンの合間のプリントヘッドステップまたはオフセットの使用を示す、例証的略図である。
【
図5A】
図5Aは、改良された均一性および印刷速度で薄膜を製造するための技法の実施形態を示す、フロー図である。
【
図5B】
図5Bは、基板の単位面積あたりのインクの体積(例えば、「インク充填密度」)の関数としての層厚さのプロットである。
【
図6A】
図6Aは、改良された均一性および印刷速度で薄膜を製造する印刷プロセス計画/調節のためのいくつかの代替的技法を示す。
【
図6B】
図6Bもまた、改良された均一性および印刷速度で薄膜を製造する印刷プロセス計画/調節のためのいくつかの代替的技法を示し、随意に、数字665によると、ノズル毎の堆積は、任意の個々のノズルを駆動するために使用される波形を変動させる(プログラムする)ことによって調節されることができる。
【
図6C】
図6Cは、複数の代替ノズル駆動波形が、所与のノズルと関連付けられる回路の中にプログラムされる、一実施形態に関するフロー図である。
【
図6D】
図6Dは、ノズル駆動波形(および関連付けられる液滴サイズ、速度、軌道等)がカスタマイズされることができる、実施形態における仮想的ノズル駆動波形を示す。
【
図7A】
図7Aは、フラットパネル電子デバイスのための加工装置の一実施形態を示し、本装置は、そのうちの1つがプリンタを含む、複数のモジュール(例えば、703、705、および707)を含む。
【
図7C】
図7Cは、
図7Aのプリンタモジュールのための電子制御システムのブロック図である。
【
図7D】
図7Dは、プリンタとの液滴測定デバイスの統合を示す、例証的な図である。
【
図8A】
図8Aは、複数のスキャン(例えば、807および808)を介して基板(801)上に印刷することを示す、平面図であり、複数の大型パネルデバイスが表されている(例えば、802)。
【
図9A】
図9Aは、
図8Cに類似するが、カプセル化層902がそれに追加されている図である。
【
図9B】
図9Bは、本明細書で議論される、ある縁処理技法を使用して作成された異なる層の層厚さのプロットである。
【
図9C】
図9Cは、縁処理技法がそれに適用されている、フラットパネル電子デバイスの角の平面図である。
【
図9D】
図9Dは、縁処理技法がそれに適用されている、フラットパネル電子デバイスの角の別の平面図である。
【
図9E】
図9Eは、縁処理技法がそれに適用されている、フラットパネル電子デバイスの角の別の平面図である。
【
図9F】
図9Fは、層の角における使用のために特別に構成される、印刷グリッド液滴堆積パターンの図である。
【
図9G】
図9Gは、(例えば、複数の液滴サイズを使用して)層の角における使用のために特別に構成される、別の印刷グリッド液滴堆積パターンの図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
列挙された請求項によって定義される主題は、添付図面と併せて熟読されるべきである、以下の発明を実施するための形態を参照することによって、より深く理解され得る。請求項によって記載される技術の種々の実装を構築して使用することを可能にするように以下で立案される、1つまたはそれを上回る特定の実施形態の本説明は、列挙された請求項を限定することを意図していないが、ある方法、システム、装置、およびデバイスへのそれらの適用を例示することを意図している。具体的には、太陽電池パネル、有機発光ダイオード(「OLED」)ディスプレイデバイス等のディスプレイ、および他の発光デバイスの加工、より具体的には、非常に具体的な薄膜層の加工との関連で、具体的実施例が提示されているが、本明細書に説明される原理はまた、他の方法、システム、装置、およびデバイスにも適用され得る。
(詳細な説明)
【0013】
このようにして紹介された一般原理を用いて、本開示は、ここで、いくつかの詳細な実装を説明することとする。
【0014】
最初に、本明細書で使用されるいくつかの用語が紹介されるべきであることに留意されたい。第1に、「インク」の言及は、基板上に印刷されている、または印刷されるであろうものであって、次いで、固有の液体着色または具体的陰影が、概して、直接重要ではない、厚さを有する材料を形成するように処理される(例えば、硬化させられる、乾燥させられる、重合させられる、固化される、または別様に製品の永久部品に変換される)液体を指すと理解されるべきであり、これは、例えば、インクが、画像パターンを直接付与するように媒体に転写される具体的色または陰影性質を有する、すなわち、そのような「インク」が、いったん適用されると、典型的には、実質的(または臨界)厚さを伴わず、即時視覚効果を生成するように堆積させられる、グラフィックス用途と異なる。本明細書で議論される用途では、堆積させられた液体は、最終的に、あるグラフィックスまたはディスプレイ用途に使用されることができる(例えば、堆積させられた液体は、本明細書の原理によると、赤色、緑色、もしくは青色ピクセルの発光層を形成するために使用される、または別様に、最終的に電気的にアクティブ化されるときに、光、色、もしくは他の光学効果を生じるために使用されることができる)が、要点は、材料が、他の層と相互作用するであろう、あるタイプの機械、構造、光学、または電気性質のために堆積させられていることである。第2に、本明細書で使用される「ハーフトーン」または「ハーフトーニング」の言及は、同様に、これらの用語の従来のグラフィックスの使用を指すものではなく、むしろ、単位面積あたりの具体的体積を提供し、堆積させられた層の厚さ、流量、拡散、混合、または他の機械(もしくは材料)性質を付与するように、インクが印刷され得ることを示唆すると理解されるべきである。すなわち、グラフィックス用途における「ハーフトーニング」が、従来、視覚特性を直接伝えるために相対量での1つまたはそれを上回る色の液滴の使用を指す一方で、本明細書では、本明細書で使用されるような「ハーフトーン」は、単純に、層処理後に規定厚さの液体層を作成するであろう液滴パターンを指す。「密度」は、インクに対して使用されるとき、そのような単位面積あたりの体積を指し、例えば、(1)個々の液滴サイズ/体積を変動させること、(2)印刷グリッドピッチを変更すること、もしくは別様に基板の単位面積あたりの液滴の密度を調節すること(例えば、より多くの液滴が所与の単位面積の中へ印刷される)、または(3)他の技法によって、調節されることができる。「印刷グリッド」は、インク液滴が、理論上、所与の印
刷スキャンで印刷するために使用される電気機械性質を考慮して堆積させられ得る、全ての可能性として考えられる「ドット」または具体的場所を表す想像上のメッシュを指す。典型的には、第1の軸に沿った本グリッド内の分離が、第1の軸の方向への有効ノズルピッチ(ノズル分離)の関数である一方で、第2の軸に沿った分離は、(例えば、ノズルが所与の印刷スキャンで発射されることができる最大頻度を表す)デジタル電子工学の関数である。本明細書に議論されるいくつかの技法は、印刷グリッド間隔を変動させること、例えば、液滴のノズル発射のタイミングを決める(すなわち、トリガする)ために使用されるデジタル信号の周波数を調節すること、機械的スキャン速度を変化させること、(回転角の正弦関数に従ってノズルピッチを効果的に変化させるように)プリントヘッドを回転させること、インスキャン/クロススキャンまたは他の軸に沿って(スキャンの合間もしくは間に)プリントヘッドを部分的/増分的に前進させること等の観点から述べることができ、これらの種々の機構は、非限定的実施例であることに留意されたい。「回路」は、電気的に刺激を与えられたときに、ある機能を必ず果たす特殊用途回路として、または具体的機能を果たすように回路を適合し、特殊用途回路であるかのようにその回路を動作させるよう、命令(ソフトウェア)によって制御もしくは別様に構成される汎用回路(例えば、プロセッサ、FPGA、または他の構成可能な回路)としてのいずれかで配列される、アナログまたはデジタル電子要素(例えば、専用論理ゲート)を指すことができる。ソフトウェアまたは他の命令論理の場合、命令は、典型的には、これらの命令が最終的に実行されたときに、1つまたはそれを上回る汎用回路もしくはハードウェアデバイスに、ある説明されるタスクを必ず行わせるように、ある構造(アーキテクチャ特徴)を有する様式で書かれる、または設計される。「論理」は、ソフトウェア論理(すなわち、命令論理)またはハードウェア論理(例えば、デジタルチップもしくは基板設計)、もしくはこれらのものの組み合わせを指すことができる。「非一過性の機械可読媒体」は、その媒体上のデータが記憶される方法にかかわらず、限定ではないが、ランダムアクセスメモリ、ハードディスクメモリ、光学メモリ、フロッピー(登録商標)ディスクもしくはCD、サーバ記憶装置、揮発性メモリ、メモリカード、および/または命令が続いて機械によって読み出され得る他の有形機構を含む、任意の有形(すなわち、物理的)記憶媒体を意味する。機械可読媒体は、独立型形態である(例えば、プログラムディスク、ブート可能または実行可能もしくは別様であるかどうかにかかわらず、ソリッドステートメモリカード、または他のメモリの中)、またはより大型の機構、例えば、ラップトップコンピュータ、携帯用もしくはモバイルデバイス、サーバ、データセンタ、「ブレード」デバイス、サブシステム、電子「カード」、記憶デバイス、ネットワーク、もしくは1つまたはそれを上回る他の形態のデバイスの他のセットの一部として具現化されることができる。命令は、異なる形式で、例えば、呼び出されたときに、あるアクションを起動するために効果的であるメタデータとして、Java(登録商標)コードまたはスクリプトとして、具体的プログラミング言語で書かれたコードとして(例えば、C++コードとして)、プロセッサ特有の命令セットとして、またはある他の形態で、実装されることができる。命令はまた、実施形態に応じて、同一のプロセッサもしくは共通回路によって、または異なるプロセッサもしくは回路によって、実行されることもできる。例えば、「非一過性の機械可読媒体上に記憶された命令」は、典型的には、ディスク上または他の物理的メモリもしくは記憶装置内に記憶されたソフトウェアを指し、ソフトウェアは、後に(最終的に)オペレータまたはエンドユーザによってインストールもしくは実行されたときに、規定の様式で動作するように機械(例えば、1つまたはそれを上回るプロセッサ)を構成するように、構造化される。一実装では、非一過性の機械可読媒体上の命令は、単一のコンピュータによって実行されることができ、記述されるような他の場合では、同一場所に位置するか、または相互から遠隔にあるかどうかにかかわらず、例えば、1つまたはそれを上回るサーバ、ウェブクライアント、もしくは特定用途向けデバイスを使用して、分散型基準で記憶および/または実行されることができる。本開示または図に記述される各機能は、複合プログラムの一部として、または単一の媒体表現(例えば、単一のフロッピー(登録商標)ディスク)上に、もしくは複数の別個の記憶デバイス上に、または専用回路もしくはそのよ
うなソフトウェアと組み合わせられた回路の形態でのいずれかで、ともに記憶される、独立型ソフトウェアモジュール(すなわち、起動可能または呼び出し可能なプログラムもしくはサブルーチン)として、実装されることができる。「ブランケット」被覆または「完全」被覆は、少なくとも局所的に言えば、例えば、基板の単位面積あたりの(任意の許容拡散または定着時間後の)堆積させられた液体が、液体によって被覆されていない空隙もしくは間隙を有していないという概念を指す。本明細書で議論される殆どのプロセスでは、液滴が、基板上の離散場所において堆積させられ、これらの液滴が、拡散し、次いで、拡散して基板を湿潤させるよう、ある崩壊関数に従ってともに混合し、「ブランケット」被覆は、典型的には、液滴が、このようにして混合するために、印刷後にあるゼロではない拡散時間を要求すると仮定することに留意されたい。本明細書で使用されるような「モジュール」は、具体的機能専用の構造を指し、例えば、第1の具体的機能を果たす「第1のモジュール」および第2の具体的機能を果たす「第2のモジュール」は、命令(例えば、コンピュータコード)との関連で使用されるときに、相互排他的なコードセットを指す。機械または電気機械構造との関連で使用されるとき(例えば、「プリンタモジュール」、これは、実施形態に応じて、ソフトウェアも含み得る構成要素の専用セットを指す)、例えば、「印刷モジュール」および「硬化モジュール」は、これらの機能を果たすための専用の相互排他的構造要素を指すであろう。全ての場合において、「モジュール」という用語は、主題が関連する当業者によって、記載される機能を果たすための一般的プレースホルダまたは「いかなるものであろうとあらゆる構造」のための「手段」(例えば、「一群の雄牛」)としてではなく、具体的技術分野で使用される従来の構造(例えば、ソフトウェアモジュールまたはハードウェアモジュール)として理解されるであろう、機能または動作を行うための具体的構造を指すために使用される。「処理」は、基板上の液体インクに適用される堆積後ステップを指すために使用されるとき、例えば、液体を硬化させる、固化する、乾燥させる、重合させる、または別様にデバイスの永久構造として好適な形態(可撓性もしくは別様)に変換することによって、それをデバイスの永久部分にするように液体インクに適用されるステップを指す。
【0015】
図1は、改良された均一性および印刷速度で薄膜を製造するためのいくつかの技法を示す、例証的略図である。より具体的には、
図101は、概して、参照番号101によって識別される、一連の機能を提供する。これらの技法は、工業加工プリンタ105による印刷を計画および/または制御するために、少なくとも1つのプロセッサ(コンピュータアイコン103によって表される)の使用を含む。少なくとも1つのプロセッサ103は、フロッピー(登録商標)ディスクアイコン107によって表される、ソフトウェアの援助の下で動作される。それらが実行されるとき、ソフトウェア(すなわち、命令)は、少なくとも1つのプロセッサに、所望の層厚さを生成するよう印刷を計画するであろう具体的機能(109)を果たさせる。前述に議論されたように、本層は、太陽電池パネル、ディスプレイ(例えば、電子フラットパネルデバイス)、または別の形態の発光デバイスとして使用されるであろう、具体的材料の薄膜層であることができる。例えば、これらのプロセスは、印刷を計画し、次いで、基板が、最終的に、モバイルデバイスディスプレイ(139)、別のタイプのディスプレイ(例えば、TV画面141)、または太陽電池パネル(143)、もしくはそのようなデバイスまたは他の電子デバイスのアレイ(アレイ状の基板137によって表される)を形成するであろう、基板(130)上の印刷を達成するために、使用されることができる。
【0016】
鎖線の開始ブロック113によって表されるように、加工装置および/またはその制御システムは、基板上に加工される層の層厚さを受信する。層は、局所的にのみ(例えば、具体的には、電子デバイススタック内の発光要素層または他のタイプの層を形成するように、ピクセルウェルの範囲内で)堆積させられることができる、または基板の広い面積を覆って(例えば、多くの電子構造構成要素に跨架する、または他の効果、例えば、高屈折率材料もしくは材料の具体的組み合わせを使用して生成される光学効果を提供する、平滑
化、障壁、電極、絶縁体、またはカプセル化層として)、堆積させられることができる。用途にかかわらず、本実施形態では、層は、平坦な頂面と、規定標的領域中の具体的に所望される(均等な)厚さとを有するものであり、命令は、制御システムに、数字111によって表されるように、インクの単位面積あたりの基準体積を選択させると仮定される。前述のように、他の実施例では、本厚さは、所望される場合(例えば、基礎的表面幾何学形状の変動を補償するように)標的領域によって変動させられ得る、または縁テーパもしくは他の具体的外形と一致する様式で調節され得ることに留意されたい。制御システムは、随意に、単位面積あたりの本基準体積を選択するために、印刷に使用されるであろうインクの(測定、推測、または推定される)拡散特性(115)を利用する。本明細書で議論される用途について、概して、意図された堆積領域内で欠陥を含まない一様な膜を有すること、すなわち、空隙/間隙を伴わず、最小限の意図しない厚さ変動を伴うことが所望されることに留意されたい。この趣旨で、単位面積あたりの基準体積は、典型的には、いったん堆積させられる(すなわち、印刷される)と、相互と混合し、基板の意図された標的領域のブランケット被覆をもたらすよう拡散するであろう、液滴の密度を介して達成される。具体的層が電子層スタックの要素(例えば、発光要素内の機能層)であるものである場合において、標的領域は、(例えば、事前に確立される層高さおよび幅を伴う)層の意図された幾何学形状である。具体的層が多くの電子構成要素に跨架する連続層(例えば、カプセル化、障壁、平滑化、または類似層)であるものである場合において、標的領域は、少なくとも構造特徴サイズ以下の大きさである面積を有する。簡単に言えば、単位面積あたりの基準体積は、層が可能な限り少ない欠陥または収差を伴って一様な高さを有するものである、着目領域(すなわち、「標的領域」)の全体を通して覆うブランケットインク被覆を生成するものである。一般的に言えば、液滴は、典型的には、時間特性に従って、インク粘度、表面エネルギー、化学および地形、ならびに他の特性に応じて拡散し、拡散時間後、印刷された液体は、次いで、実質的に安定し、次いで、インクを硬化または別様に固化し、硬化する、または別様に電子デバイスの永久構造に変換するように処理される。
【0017】
層均一性、平滑性、印刷時間、および他の層特性を改良するために、本システムは、本明細書で議論される原理に従って印刷を計画する(117)。本計画は、本明細書で議論される技法による、単位面積あたりの基準体積または他の印刷プロセスパラメータの調節を含むことができる。上記で紹介されるような1つの随意の実施形態では、スキャンフィルタ(118)が、(より予測可能である様式で液滴が合体するために)複数のスキャンにわたって液滴を交互積層するために利用されることができ、本フィルタおよび/またはパターン(もしくは密度)は、随意に、ノズル誤差ならびに/もしくは他のプロセス変動を考慮するために調節されることができる(121)。実施例として、個々のノズルおよび/または具体的駆動波形を伴う具体的ノズルの組み合わせ(「ノズル・波形組み合わせ」)が、他のノズルからの液滴に対して収差(123)を生じる場合、これは、原位置で具体的に測定され(125)、スキャンフィルタを調節する、または別様に液滴堆積パターンを調節する(121)ように適用されることができる。別の随意の実施形態では、ノズル・波形組み合わせの詳細は、測定の統計集団を開発するため、かつ変化する条件(例えば、インク粘度、温度、ノズル詰まり、および多くの他の可能性として考えられるプロセスパラメータ)を考慮するよう、液滴体積および/または液滴降着位置のための手段ならびに拡散尺度(例えば、分散、標準偏差、3シグマ尺度等)をそのように導出するために、動的に測定および再測定される。これらの値は、上記で説明される印刷計画プロセス(117)、スキャンフィルタの選択(118)、または調節プロセス(121)で使用するために、システムアクセス可能メモリ(127)の中に記憶されることができる。さらに別の随意の実施形態では、液滴発射信号(またはノズルピッチ)は、例えば、トリガ信号周波数もしくは遅延値を調節することによって、またはプリントヘッドを回転させる(それによって、印刷グリッド間隔を効果的に変化させる)ことによって調節されるため、単位面積あたりの基準体積または他の印刷プロセス詳細を変動させるよう、適用される
ことができる。調節の他の構成および/または形態も可能であり、これらの技法のうちのいくつかは、相互と混合および合致されることができ、相互に対して随意の特徴と見なされるものである。計画が完了したとき、結果は、システムメモリ(127)の中に記憶される、および/または即時に印刷に適用されることができる、制御データ(129)のセットであり、例えば、上記で参照されるように、印刷は、制御データに従って(すなわち、新しい基板132上で、数字131によって表されるように、調節されたフィルタ/データに従って)行われることができる。基板は、次いで、処理(硬化または他の処理)133のために、適宜、前進させられ、別様に終了されることができる(135)。用途に応じて、各基板は、最終的に専用の製品(例えば、単一の大型HDTV画面等)に形成されることができる、またはパネルのアレイとして加工されることができ、次いで、数字137によると、複数の電子パネルデバイスに切断される。
【0018】
前述に示されたように、拡散特性は、一実装では、事前に測定され得ることに留意されたい。一実施形態では、本測定は、理想的には、同一のプリンタ、インク、プリントヘッド、堆積環境、温度、および組立ライン設定で使用されるであろう他のプロセス因子を使用する、試験基板上の1つまたはそれを上回る試験堆積プロセスを使用して、行われることができる。すなわち、プロセスコーナが、用途によって、かつ機器によって変動し得るため、一実施形態では、加工デバイスの配設は、1つまたはそれを上回る試運転において原位置で使用され、次いで、拡散パラメータを測定するために、自動(例えば、画像ベースの)もしくは手動分析を受ける、組立ライン型加工中に使用されるであろうインクを使用し、これらの測定されたパラメータは、次いで、本システムにプログラムされる、または別様に本明細書で示される様式で適用されることができる。所望される場合、固定加工用途についてさえも、測定は、変化するプロセス条件(例えば、機器摩耗、インク変動、温度の変化、または他の因子)を考慮するように経時的に再実施されることができる。前述のように、測定されたパラメータ(および/または複数の試運転に基づく測定された統計的パラメータ)の使用は、全ての実施形態に要求されるわけではない。
【0019】
いくつかの基本プロセスがこのようにして紹介されているが、本時点で、インクが電子デバイスの永久構造構成要素になるであろう、工業加工のためのインク印刷のある特性を追求することが役立つであろう。これらの議論に使用されるであろう例示的用途は、有機LED(「OLED」)表示パネルの加工であるが、しかしながら、前述のように、本明細書で議論される技法は、そのように限定されない。媒体(例えば、具体的色性質を付与するための紙、したがって、殆どの用途に関して「無次元」になる)の中へ吸収されるであろう液体の印刷と対比して、これらの用途は、殆どの部分について支持媒体の中へ吸収されず、むしろ、(例えば、具体的に計画された厚さを伴うポリマー層を形成するように、堆積させられたモノマー液体を原位置で硬化させることによって等)所望の構造層を形成するように処理されるであろう高さ等の構造特性を留保するものである、液体を堆積させる。
図2Aは、概して、数字201によって指定される描写を介して、そのような堆積プロセスを紹介するために使用される。
【0020】
より具体的には、液体インクの液滴203は、インクジェットプリンタから噴出され、基板205上の具体的な所望の降着位置204に「向けられる」であろう(「x」がスポットをマークする)。基板は、基礎的表面幾何学形状を作成するためにすでに堆積させられている他の層を伴う、または伴わない、任意の所望の支持媒体、例えば、ガラス、金属、または別の物質であることができる。例えば、その上に液滴が堆積させられる表面は、潜在的に複雑な化学および/または幾何学形状を伴う任意のタイプの構造もしくは層スタックであることができる。液滴は、数字209によって表されるように、衝突で若干平坦化し、(着目すべきこととして)特定の加工プロセス、ノズル、プリントヘッド、駆動電子機器等のためのプロセスコーナに応じて、具体的な所望の降着位置204に対してわずかに外れて降着してもよい。本タイプの収差は、以下で詳述されるであろう。所望の最終
的な層高さは、線207によって表され、液滴が降着すると、値「d
1」によって表される、液滴によって被覆される基板の面積に対応する衝突の直径を有し、本液滴被覆面積は、円としてモデル化されることに留意されたいが、液滴は、実践では、多くの異なる形状(例えば、楕円形、涙の滴形等)で降着することができ、円形衝突面積の概念が、単純に例証および解説のために
図2A-Eとの関連で使用されるであろうことに留意されたい。
【0021】
液滴が衝突した後、液滴は、「定着」し、時間崩壊関数に従ってわずかに拡散し、すなわち、液滴は、
図2Aの描写によってモデル化される形状を伴って降着し、次いで、インク粘度、基板の表面エネルギーおよび/または任意の基礎的表面幾何学形状、温度、インク表面張力、ならびに他のパラメータ等の性質に従って、平坦化(または「拡散」)する。
【0022】
図2Bは、3つの液滴(213、215、および217)が、基板205上に堆積させられ、定着することを可能にされており、各液滴は、液滴によって被覆される基板の量を表す、拡散後の最大高さ(「h
2」)および直径(「d
2」)を有すると見なされる、描写(211)を提供する。本図で描写されるように、堆積させられた液滴は、相互に接触して混合しないため、結果として生じた構造層内の空隙および他の欠陥を表す間隙誤差(「ge」)をもたらす。また、
図2Bは、液滴高さ(「h
2」)が、いくつかの場所では(線207によって表される)所望の層高さを上回るため、いくつかの場所では厚すぎ、他の場所では薄すぎる層を生成することを示す。本タイプの堆積は、多くの用途のために容認不可能であり得、例えば、電子用途に関して、堆積させられた層を通る電流は、描写される空隙によって妨害または短絡され、別様に不規則性を生じさせ得る。色フィルタ用途(例えば、バックライト付きディスプレイ)および発光層に関して、これらの収差は、色変動をもたらすため、結果として生じた表示デバイスに線効果および他の所望されない欠陥を生じさせ得る。カプセル化用途に関して、これらの収差は、敏感な電子構成要素を湿気、酸素、および他の有害な汚染物質に暴露するため、デバイス寿命を劣化させ得る。他の問題もまた、用途に応じて生成され得、例えば、層が平滑化層または障壁であるものである場合、結果は、平滑ではない、または別様に効果的な障壁を提供しない、平滑化層であることができる。
【0023】
図2Cは、上記で説明されるものに類似するが、液滴が、さらなる程度に拡散しており(「d
3」)、ここでは、所望の層厚さ207未満である高さ(「h
3」)を有し、これ以上間隙または空隙欠陥がない程度に混合しており、したがって、これらの液滴およびプロセス詳細が、ここでは、所望の層厚さ207を生成する際に使用するために潜在的に好適である、描写221を提供する。描写される最大液滴高さ(「h
3」)は、所望の層厚さ207に「近く」、したがって、適切な「ハーフトーン」選択(例えば、液滴密度調節または他の単位面積あたりの体積の調節を含む)により、層パラメータは、所望の層高さ207にほぼ等しくなるように最大厚さを「拡大」するために調節され得ることに留意されたい。しかしながら、描写される液滴213、215、および217は、拡散して混合するが、依然として限定された程度にのみそのように拡散して混合し、したがって、頂点(最大高さ「h
3A」を有する)、谷(最小高さ「h
3B」を有する)、およびこれら2つの極限の間の変動に対応する高さの差(「h
d」)の範囲によって本図で表される、表面粗度を生成する。描写される層は、表面粗度に起因して、堆積させられた層の部分が厚すぎるおよび/または薄すぎるであろう(潜在的に、酸素もしくは湿気が層に浸透し得る、または上記で議論されるような他の欠陥が生じ得る、弱点を表す)ため、準最適である。製造業者の仕様は、典型的には、堆積させられた層に許可される最大許容粗度または高さ変動を設定し、本基準は、(例えば、
図2Cで描写されるような)粗度が容認可能もしくは過剰と見なされ得る程度を判定するために、特定の用途で使用され得ることに留意されたい。しかしながら、製造業者の規定公差内でさえも、非一様性は、デバイス性能に悪影響を及ぼし、潜在的に、電子ディスプレイまたは他の発光デバイスにおいて光学(もし
くは他の)歪曲を生成する、光学的または電気的変動につながり得る。
【0024】
図2Dは、所望の層207を生成することに非常に好適な印刷プロセス詳細に対応する層233を(描写231を介して)表す。すなわち、見て分かるように、堆積させられた液滴が非常に大きく(すなわち、「d
4」によって表されるドットゲインを有して)拡散するため、堆積させられた層233は、完全に平坦であり、所望の層高さ207の妥当な近似値である高さ(「h
4」)を有する。すなわち、単位面積あたりの体積が最大値未満であること(例えば、全ての液滴発射点を使用するわけではない液滴密度)を仮定すると、単位面積あたりの体積は、所望の層厚さに正確に合致するように高さ(「h
4」)を増大させるよう、容易に「拡大」されることができる。例えば、描写される値(「h
4」)が所望の層高さ(207)の60%であり、高さ(「h
4」)を生成する液滴密度が十分に最大液滴密度未満である場合には、液滴密度を3分2だけ増加させることが、所望の層を正確に生成するはずである。層の頂面が平坦であり、
図2Cで描写される表面粗度が欠けているため、
図2Dの描写は、前述の実施例よりも欠陥をはるかに受けない最適な層を表す。また、図によって表される単位面積あたりの体積が印刷グリッドによってサポートされる最大密度に近い場合、そのようなものが任意の製造タイミング予算以内で許容されるならば(例えば、単一のスキャンを用いて取得可能な最大値を上回る単位面積あたりの体積においてインクを堆積させるために、付加的スキャンを使用して)付加的スキャンが、硬化後に所望の厚さを生成するように印刷プロセスに追加され得ることに留意されたい。
【0025】
最終的に、
図2Eは、層243が過剰な定着時間を有する(すなわち、最終的に高さ「h
5」まで定着するものとして描写される)、描写241を提供する。本図では、層厚さは、問題ではなく、むしろ、実線および鎖線の液滴ならびに可変直径「d
5」が、非常に長い堆積プロセスが最終的に要求されるであろうことを含意するように図示される。この点に関して、多くの消費者製品が極めて繊細なプライスポイントを有し、例えば、堆積(例えば、印刷)プロセスが長くかかりすぎる場合には、これは、製品あたりの製造費を増加させ、結果として生じた(増加した)プライスポイントは、例えば、購入する大衆がフラットパネルOLED TVまたは競合技術を購入するものであるかどうかに関して、消費者需要の実質的な違いをもたらし得ることに留意されたい。一般的に言えば、本開示によって想定される現在の製造用途との関連で、図示されるシステムおよびプロセスは、他の技術に対して商業的に実現可能であるために、約120秒未満で「部屋のサイズ」の基板を覆って液体層を印刷できなければならず、将来の製品世代に関して、本時間は、有意に少ないことが予期される(例えば、45秒またはそれ未満)ことが考慮される。したがって、
図2Dが、概して、はるかに高速の全体的印刷プロセスと関連付けられるため、
図2Eおよびその関連付けられる説明によって表される堆積の詳細は、
図2Dおよびその関連付けられる説明によって表されるものほど望ましくない。
【0026】
これらの考慮事項は、所望の層を生成する印刷プロセスの能力に影響を及ぼす唯一のものではない。
図3A-3Eは、本明細書に説明される技法のうちのいくつかに関する他の考慮事項を紹介するために使用される。一般的に言えば、これらの図はそれぞれ、プリントヘッド303および印刷グリッド305を描写し、後者は、それぞれが、(
図3Aでは見られない)基板に対するプリントヘッド303のスキャン運動(304)中にインク液滴が潜在的に印刷されることができる場所であり得る、それらの交差点における節点を画定する、垂直軸(例えば、306)および水平軸(例えば、307)を有する。垂直軸の間の間隔は、いくつかの方法で現れ得る、ノズルピッチを表す。例えば、一実施形態では、単一のプリントヘッドが、使用されることができ、プリントヘッドの隣接するノズルの間の間隔は、本「クロススキャンピッチ」(例えば、ノズル1、2、3、4、5等の間の「Δx」)を判定する。さらに別の実施形態では、描写されるプリントヘッドは、例えば、連続スキャンの合間に、ある増分距離を移動されることができ、例えば、ノズルが10
0ミクロン離れているが、プリントヘッドが25ミクロンの増分で「水平」方向に移動されることができる場合には、「クロススキャンピッチ」は、25ミクロンとなり、複数のスキャンが、液滴の間に25ミクロン間隔を取得するために使用される。さらに第3の変形例では、複数のプリントヘッドが使用されることができる(例えば、それぞれ、単一のスキャン中に本同一効果を取得するために、ある量(例えば、25ミクロン)だけ「水平方向」に相互からオフセットされる)。第4の変形例では、プリントヘッドは、「クロススキャンピッチ」を効果的に調節するために回転されることができる。これらのオプションはそれぞれ、例証を容易にする目的のために、単一プリントヘッド描写によって、これらの図で集合的に表されるが、これらのオプションはそれぞれ、描写されるプリントヘッドによって表され、どのような設計が使用されても、スキャンの目的のための有効ノズル間隔がクロススキャンピッチとしてモデル化されることを理解されたい。スキャン中に、プリントヘッドはまた、単位時間(「Δt」)につきある距離(304)を移動し、それによって、スキャン速度を定義する。プリントヘッドが移動すると、ノズル発射信号が、「インスキャンピッチ」(図中の「Δy」および水平軸の間の関連付けられる分離として表される)を定義する最大発射頻度でデジタルクロックによってトリガされることができる。再度、描写される印刷グリッドに沿って「垂直間隔」で液滴を設置するための他の設計もあり、
図3A-Eは、これらの種々のオプションを包含すると見なされるべきであることを理解されたい。
【0027】
図3Aは、液滴が2つの節点308および311において発射され、液滴は、描写される場所(308および311)において計画される通りに正確に降着すると仮定され、かつ円309および312に対応するドットゲインを有すると仮定される、描写301を示す。描写される液滴は、基板に衝突し、前述に示されたように拡散し、理想的には、描写されるドットゲイン(すなわち、円309が円312に交わる場所)の重複面積において、ともに混合するであろう。
【0028】
しかしながら、実践では、表面エネルギー、インクの液体表面張力、および前述の他のパラメータは、液滴がともに混合する方法に影響を及ぼし得、予測不可能な結果につながり得る。これは、概して、参照番号315によって指定される描写において、
図3Bに図示されている。すなわち、
図3Aからの円309および312の融合によって表されるように、基板を被覆するインクを有するのではなく、液滴は、相互に定位置から引き出す(例えば、「吸い上げる」)ことができ、本実施例では、316において有効液滴中心(印刷グリッド節点場所に対応せず、代わりに、楕円317によって表される予測不可能な場所および被覆を表す)を生成する。液滴が
図3Aの円309および312の融合によって示されるような被覆を提供するであろうと誤って仮定された場合、
図3Bによって表される実際の融合はまた、空隙/間隙、過剰な厚さおよび表面粗度等の欠陥をもたらし得る。
【0029】
図3Cは、本問題の潜在的解決策であって、異なるスキャンの中へ具体的に、「A」と標識された円(液滴)および「B」と標識された円(液滴)によって描写される様式で液滴降着場所を交互積層する(すなわち、分配する)ものを図示するために使用される、描写321を提供する。「A」と標識された液滴は、基板に対するプリントヘッド303の第1の通過で堆積させられ、その間の(「B」と標識された)液滴は、基板に対するプリントヘッド303の第2の通過で堆積させられる。このようにして、「A」と標識された液滴は、独力では混合せず(またはわずかに混合し)、「B」と標識された液滴は、次いで、「A」液滴の間に(かつ他の「A」液滴よりも「A」液滴にはるかに近く)位置付けられ、望ましくないウィッキングの可能性を低減させる様式で、同時に周辺液滴の混合をそのように誘起するように、後に追加される。液体インクの性質(および任意の他の関連因子)は、通過「A」で堆積させられる低密度液滴との本交互積層および同時混合により、種々の液滴の意図された中心が実質的に変化しないようなものである。すなわち、
図3Bの実施例に対して、「B」液滴は、同時に複数の隣接物と混合し、堆積させられた液滴
の予測不可能なまたは所望されない「ウィッキング」につながらない。本実施例では、スキャン「A」およびスキャン「B」のための印刷グリッドが同じであり、2つだけのスキャンが使用され(例えば、液滴を交互積層するために3つまたはそれを上回るスキャンを使用することが可能である)、通過「A」および「B」における液滴サイズが同じであると仮定されるが、これらのもののうちのいずれも、任意の実施形態によって要求されないことに留意されたい。すなわち、例えば、考慮される変形例は、異なるように意図的に選択されている通過「A」および「B」における液滴サイズ(例えば、通過「A」における液滴が通過「B」におけるものの3倍の体積を有する)、いくつかの場所における(例えば、「A」と標識された節点場所における)複数の液滴の使用、および/または3つもしくはそれを上回るスキャンの使用を特徴とし、実際に、多くのそのような変形例が可能である。
【0030】
図3Dは、概して、数字331によって指定される、交互積層を行うための1つの可能性として考えられる方法を示す。再度、説明される技法は、装置またはシステムとして具現化されることができ、かつ非一過性の機械可読媒体上に記憶された命令(例えば、ソフトウェア)の形態で具現化されることができる。本方法は、最初に、前述に議論された原理に従って計算され、機械アクセス可能デジタルメモリの中に記憶される、単位面積あたりの基準体積332、例えば、具体的体積液滴の密度または異なる体積の液滴の組み合わせを識別する、もしくは読み出す。本単位面積あたりの体積または対応する液滴体積/発射パターンは、上記で議論されるもの等の制約内で最小厚さの「ブランケット」層(例えば、ブランケット被覆を提供しながら、利用可能な液滴サイズを使用して印刷されることができる、すなわち、定着および混合後に結果として生じた液体コートに空隙がない、最も薄い層)を生成するよう、選択されることができる。本基準は、次いで、意図された層に対応する正しい量の厚さを生成するために拡大縮小されるであろう。一実施形態では、液体インクから形成される意図された層は、5ミクロンまたはそれ未満であり、他の実施形態では、これは、4ミクロンまたはそれ未満、3ミクロンまたはそれ未満、2ミクロンまたはそれ未満、もしくは1ミクロンまたはそれ未満等である。例えば、前述に議論された原理によると、「1平方ミリメートルにつき2つの10.0ピコリットル(pL)液滴」の単位面積あたりの所与の基準体積が、完全な被覆を伴う厚さ1ミクロンの層を生成し、厚さ1.60ミクロンの層が所望される場合、単位面積あたりの基準体積は、「1平方ミリメートルにつき3.2~10.0pL液滴」に拡大され得る。暫定堆積パターンが、次いで、基板の印刷可能面積のために(例えば、製品が形成されている基板のこれらの領域中のみで液滴を印刷するように選択される印刷パターンで)生成される(334)。1つの好ましい実施形態では、本パターンは、印刷可能面積の画定(例えば、高さおよび幅)およびプリントヘッド詳細(例えば、ノズルピッチ、印刷グリッド詳細等)ならびに拡大された密度(例えば、「1平方ミリメートルにつき3.2~10.0pL液滴」)を受信し、基板の印刷可能面積に対して重ね合わせられる印刷グリッドのためのノズル発射決定に等しい液滴パターン情報を返す、「ハーフトーニング」サブルーチンを(すなわち、ソフトウェアモジュールとして)呼び出すことによって、生成される。考慮される変形例では、上記のように、(a)液滴サイズが、液滴の数の代わりに、またはそれに加えて、拡大されることができる(例えば、拡大された値は、「1平方ミリメートルにつき2つの32.0pL液滴」または「1平方ミリメートルにつき10個の32.0pL液滴」)、および/または(b)印刷グリッドが、効果的に調節されることができる(例えば、すなわち、既存の液滴パターンを効果的に保つが、印刷グリッド密度を変化させることによって、「0.3125mm
2につき2つの10.0pL液滴」)、ならびに/もしくは(c)複数の液滴サイズが、単一のスキャンでともに使用されることができる、および/または(d)他の技法が使用されることができる。発射命令を計算する(例えば、液滴を空間的に分配するよう発射のためのノズルを選択する)サブルーチンの使用が、(参照することによってすでに組み込まれている)米国特許第8995022号によって紹介されているように公知である。事実上、所望のパラメータが規定され(例えば、「1平方ミリメー
トルにつき10個の32.0pL液滴」)、ソフトウェアが、要求された液滴を空間的に分配する発射マップを返す。そのようなソフトウェアによって生成されるパターンは、
図3Dの数字334によって効果的に表されるが、ソフトウェアはまた、他の描写される機能(例えば、液滴サイズ選択および/または交互積層、後者はフィルタ335の使用によって表される)と統合され得ることに留意されたい。
【0031】
本説明を続けると、
図3Dは、例証および解説の目的のために、5行ならびに5列を有する(すなわち、暫定堆積パターンとして)仮想的印刷グリッドのための「1」および「0」の仮想的パターンを図示する。本簡略化された実施例にもかかわらず、実践では、印刷グリッドが何千もの行および何千もの列を有するであろうことを理解されたい。描写される行列では、「1」は、関連ノズルが対応する印刷グリッド場所(節点)において「発射」されるであろうという決定を表す一方で、「0」は、関連ノズルが対応する印刷グリッド場所において「発射」されないであろうという決定を表す。数字335によって示されるように、交互積層フィルタ(A、B/B、Aとして表される)が、ノズル発射を個別のスキャンに仕分けるために暫定堆積パターンに適用される。本実施例では2×2行列として例示される本フィルタは、単純に印刷グリッドの各列内の隣接する液滴を個別のスキャンに分配するように、デジタル発射決定(すなわち、印刷グリッド発射パターンの1および0)に適用される。多くの他のフィルタが適用され得、はるかに複雑なフィルタが使用され得ることに留意されたい(例えば、調節された印刷グリッド発射決定337を参照すると、左下隅の特徴「A」が相互の近傍で液滴を通過させ、準最適な液滴分布を提供し得、まばらな液滴がさらに優れた精度で交互積層されるように、より堅調なフィルタが使用され得ることに留意されたい)。いずれのタイプの堆積を交互積層するためのフィルタまたはプロセスが使用されたとしても、ソフトウェアの制御下の1つまたはそれを上回るプロセッサは、メモリ336の中に記憶されるような暫定堆積パターン(334)に作用し、行列数学を使用して、記憶されたデータを自動的に変換するために、設計に関するデジタルフィルタ(すなわち、フィルタ335)をその記憶されたデータに適用することができる。結果(337)は、再度、メモリの中に記憶される。明らかに、本変換を行うための多くの代替物があり、例えば、別の実施形態では、ハーフトーニングサブルーチンが、1度目に呼び出され、第1の通過液滴堆積パターンを識別するように、(例えば、「1平方ミリメートルにつき1.60液滴」の)拡大された密度をパスされ、次いで、2度目に位置または類似オフセットを伴って呼び出されることができる(例えば、第2の通過について同一の拡大された密度をパスされる)。再度、デジタルフィルタの使用は、全ての実施形態に必要とされるわけではないことに留意されたい。
図3Dの右側によって示されるように、結果は、次いで、第1のスキャン(「A」)のための発射命令のセット、第2のスキャン(「B」)のための発射命令のセット、およびおそらく、さらなるスキャンのための発射決定のセット(すなわち、楕円339の存在によって表されるような)である。記憶/修正されたデータは、その後、印刷を制御するように、かつ説明される技法によって与えられる/決定付けられる物理的構造性質を伴う層を有する物理的デバイスを作成するように、プリンタに適用されることができ、説明されるような交互積層が、液滴混合を改良し、したがって、より一様な層の形成を助長するにことに役立つように適用される。再度、これは、薄い層を前提として電子デバイスの加工を改良することを大いに支援し得る。
【0032】
実施形態に応じて、付加的対策もまた、層均一性をさらに増進するように講じられることができる。例えば、
図3Eは、堆積させられた液滴の観点から仮想的なノズルあたりの誤差の実施例341を示す。すなわち、(異なるサイズの円、例えば、345、347、および349として表される)液滴サイズの意図しない変動および降着位置の誤差(液滴345に対する液滴343について、矢印によって描写される軌道および降着位置を比較する)が、潜在的に、層均一性を妨害し得る。
【0033】
より具体的には、
図3Eは、プリントヘッドのノズル1-5毎に仮想的で再現可能な液滴またはノズル発射誤差を示す。期待液滴体積が、印刷グリッド節点位置上で中心に置かれた円(例えば、円343)によって表される一方で、期待液滴降着位置および/または発射軌道は、各印刷グリッド節点位置から出ている矢印によって表される。ノズル1は、本図では、右にわずかに中心から外れている軌道を伴って、通過につき(例えば、10.04ピコリットルまたは「pL」の)中央期待体積を有する液滴を生成すると見なされる。本図は、上記の
図3Cに対して紹介される液滴交互積層技法の使用を表し、例えば、ノズル1からの1つの液滴(343)は、「スキャンA」の一部として右に下向きの軌道を有するものと見なされる一方で、同一のノズルからの次の液滴(345)は、「スキャンB」の一部として右に上向きの軌道を有する(すなわち、プリントヘッド/基板が「スキャンA」の方向に対して反対方向に相対的に移動されている)ものと見なされることに留意されたい。ノズル2からの液滴(347)は、ノズル1よりも大きい期待体積(例えば、10.47pL)を有するが、より大きい期待速度誤差および比較的わずかな側方誤差(例えば、ノズル1からの液滴に対してわずかに「左寄り」)を有すると見なされる。ノズル3からの液滴(349)は、ノズル1または2からの液滴に対して、より小さい期待体積(例えば、9.03pL)と、低い期待速度とを伴い、期待左右傾斜がない、液滴を生成する。
図3Eは、ノズル5からの描写される液滴を示さず、すなわち、本仮想的ノズル5が動作不能であり、したがって、予想されるように液滴を生成しないという事実を表す。所望の液滴パラメータからの偏差の程度に応じて、これらの液滴を使用する堆積は、極めて薄い層の問題を生じ得る。
【0034】
これらの意図しない変動に対処するために、一実施形態では、これらの誤差は、印刷液滴発射パターンを生成する際に実際に活用され、すなわち、期待されるノズル液滴あたりの体積および/または降着位置誤差が識別され、実際に、分散型液滴パターンならびに/もしくは液滴サイズを生成するように(例えば、ハーフトーニングサブルーチンまたは他のソフトウェアによって)依拠され、液滴サイズおよび降着位置のノズルあたりまたは波形あたりの誤差は、発射するであろうノズル、これらのノズルが発射されるであろうとき、および使用されるであろうノズル駆動波形または命令を計画する際に考慮され、これは、平滑層形成を増進し、「ウィッキング」および他の問題を最小限にする。これらの種々の誤差は、印刷グリッド発射決定(暫定もしくは最終)および/またはスキャン/スキャン位置を生成もしくは調節するように、または発射マップを事前歪曲し、これらの期待変動を活用するために、フィルタを調節するように使用されることができる。
【0035】
図4A-Dは、そのような意図しない誤差/変動が適応および/または低減され得る方法を図示する、さらなる実施例を提供する。
【0036】
図4Aは、概して、数字401によって指定される、液滴交互積層を行うための別の可能性として考えられる方法を示す。本方法は、同様の参照番号を使用して説明される同様のステップを伴って、
図3Eに関連して上記で説明されるものに類似する。これらの技法は、再度、装置またはシステムとして具現化されることができ、かつ非一過性の機械可読媒体上に記憶された命令(例えば、ソフトウェア)の形態で具現化されることができる。本方法は、最初に、例えば、前述に議論された原理に従って計算され、機械アクセス可能デジタルメモリの中に記憶される、単位面積あたりの基準体積(332)を識別する、または読み出す。本単位面積あたりの体積は、(基板に対して)最小スキャン時間または最小数のプリントヘッドスキャン内で基準厚さの「ブランケット層」を生成するよう選択される、単位面積あたりの所与のサイズの液滴の最小数、または液滴のパターン、または未加工体積として、もしくはある他の様式で表されることができる。本数量は、次いで、(例えば、処理された永久層の基準厚さに対する所望の厚さの比によって)所望の厚さに照らして拡大縮小(333)または調節される。一仮想的実施形態では、基準厚さは、厚さ1ミクロンの層であり得、所望の層の最終厚さは、例えば、3.2ミクロンであり得る。
例えば、前述に議論された原理によると、「1平方ミリメートルにつき2つの10.0pL液滴」の所与の基準密度が、完全な被覆を伴う厚さ1ミクロンの層を生成し、厚さ1.60ミクロンの層が所望される場合、基準密度は、「1平方ミリメートルにつき3.2液滴」またはある数学的均等物に拡大され得る。暫定堆積パターンが、次いで、基板の印刷可能面積全体のために生成される(334)。1つの好ましい実施形態では、本パターンは、印刷可能面積の画定(例えば、高さおよび幅)およびプリントヘッド詳細(例えば、ノズルピッチ、印刷グリッド詳細等)ならびに拡大された体積/面積または液滴密度(例えば、「1平方ミリメートルにつき3.2液滴」)を受信し、基板の印刷可能面積に対して重ね合わせられる印刷グリッドのためのノズル発射決定に等しい液滴パターン情報を返す、「ハーフトーニング」サブルーチンを(すなわち、ソフトウェアモジュールとして)呼び出すことによって、生成される。
【0037】
数字335によって示されるように、交互積層フィルタが、次いで、再度、ノズル発射を個別のスキャンに仕分けるために暫定堆積パターンに適用されることができる。本フィルタは、機械アクセス可能メモリ403の中に記憶されることができる。コンパイルされた(例えば、原位置で測定された)ノズル間またはノズル・波形組み合わせ間収差もまた、機械アクセス可能メモリ(407)の中に記憶され、数字409によって表されるように、記憶されたフィルタ(および/または暫定堆積パターン)を調節ならびに/もしくは作成するために、読み出されて使用されることができる。本プロセスの結果は、次いで、デジタルメモリ411の中に記憶されることができる(例えば、これは、数字403および407によって指定されるように、同一のメモリまたは異なるメモリであることができ、メモリの中に前もって記憶されたデータの少なくとも一部の変換を表す)。再度、ほぼあらゆるタイプのフィルタが、液滴堆積を「交互積層」するよう、液滴堆積パターンを複数のスキャンに仕分けるために適用されることができる。本実施形態では、ソフトウェアの制御下の1つまたはそれを上回るプロセッサは、メモリ411の中に記憶されるような暫定堆積パターン(334)に作用し、行列数学を使用して、記憶されたデータを自動的に変換するために、設計に関するデジタルフィルタ(すなわち、フィルタ335)をその記憶されたデータに適用することができ、結果(413)は、メモリの中に再び記憶される、または元の発射決定を上書きするために使用される。前述に当てはまったように、ここでも、液滴データの参照された変換と、複数のスキャンへの液滴発射責任の関連付けられる仕分けとを行うための多くの代替物がある。これは、第1のスキャン(「A」)のための発射命令のセット、第2のスキャン(「B」)のための発射命令のセット、およびさらなるスキャンのための可能性として考えられる発射決定のセット(すなわち、楕円339の存在によって表される)の描写によって、
図4Aの右側によって示される。参照された収差が必ずしも印刷グリッドピッチと「きれいに」整合するわけではないため、一実施形態では、任意のスキャンが、クロススキャン次元でプリントヘッドの再配置によってわずかな量でオフセットされることができ、例えば、随意のプロセスブロック415および416によって示されるように、プリントヘッドは、「A」および「B」(もしくは他のスキャン)毎に、または両方について、「ステップオフセット」によって増分的に前進されることができる。この点に関して、プリンタ機構のための1つの随意の設計は、非常に少量、例えば、ミクロン規模の増分だけ、クロススキャン次元にプリントヘッドを移動させるステッピングモータを含む。多くの機器実装に関して、最小印刷グリッドクロススキャンピッチが20ミクロンまたはそれを上回るであろうことを考慮して、本「微調節」能力は、より少ない収差を伴う液滴合体およびより均一な層の生成を提供するよう、液滴を位置付けることの大いに増大した精巧性を提供する。
【0038】
再度、上記で議論される技法は、(a)ノズルあたりまたはノズル・波形組み合わせあたりの液滴データを受信する、(b)より均一な層をもたらすであろう様式で液滴を位置付けるために受信されたデータによって表される変動に依拠するよう、これらの変動に依存する様式で液滴位置付けおよび/または液滴選択を計画する、ならびに/もしくは(c
)より速い印刷時間を使用して、改良された均一性で液体インクの堆積させられた層(および固化された層)を取得するよう、必要に応じて印刷パラメータを調節するように、1つまたはそれを上回るプロセッサを制御するソフトウェアとしてを含む、多くの異なる様式で実装され得ることに留意されたい。
【0039】
図4Bは、
図3Eに関連して上記で議論されるものに類似するが、液滴の詳細の変動に依存する様式で計画または再計画されている、仮想的印刷パターン(451)を図示する。
図3Eと異なり、堆積させられた液滴体積を表す円は、ここでは、(印刷グリッド節点上ではなく)降着場所で中心に置かれて描写され、均一性をより良好に例証するために、まばらな印刷液滴パターンを表すものとして示されていることに留意されたい。より具体的には、
図4Bは、再度、プリントヘッド303と、印刷グリッド305と、(まばらな印刷パターンの一部として発射されるこれらの液滴のための)液滴軌道を表す矢印とを示す。液滴の期待体積および期待降着位置変動に依存する相対的に均一なインク密度を取得するために、2つの液滴がノズル1から、2つの液滴がノズル2から、5つの液滴がノズル3および4のそれぞれから使用される。ノズル1および2からの2つだけの液滴の使用は、これらのノズルが、逆に、さらなる発射頻度で液滴をそれぞれ使用する、ノズル3および4よりも大きい液滴を生成するように測定されているという事実と相関性がある。ノズル1からの2つの液滴が、本実施例では、(例えば、それらの酷似した軌道に応じて)異なるスキャンに交互積層される一方で、ノズル2からの2つの液滴は、本実施例では、これらの液滴をより良好に分配するために同一のスキャン(スキャン「B」)に仕分けられる。ノズル5から液滴を生成できないことを考慮するために、(クロススキャン次元でのプリントヘッドオフセットまたはステップを伴う)付加的スキャンまたはノズル4および6(後者は図では取り上げられていない)からの液滴の比較的頻繁な使用のいずれかが、均一なインク密度を付与するように依拠され得る。前述のように、交互積層が、改良された合体性質のために液滴を堆積させるように使用されるが、ノズル変形例も実施形態では考慮され、より優れた層均一性につながる。再度、本図の描写は、解説の目的のために例証として提供され、前述の変形例を考慮する、交互積層のための好適なフィルタ(および調節プロセス)の設計は、当業者の能力内であり、実装に高度に依存するであろう。
【0040】
図4Cは、
図4Bで提示されるものに類似するが、層均一性および均一な液体コートの正確な堆積を助長するよう、液滴サイズの意図的な変動を図示する、実施例471を提供し、すなわち、
図4Bの類似描写に対して(数字473によって指定される)ノズル4からの描写される液滴拡散(および関連付けられる液滴体積)を比較すると、
図4Cの液滴がより大きいことが注目されるべきである。一実施形態では、ノズル間変動を考慮に入れるようコード化される、印刷計画またはハーフトーニングソフトウェアが、ノズル4からのより大きい体積の堆積の必要性を検出し、応答して、液滴サイズまたは液滴を作成するために使用される発射波形を変化させる。種々の実施形態では、本追加体積は、(a)複数のスキャン通過、(b)「カスタマイズされた」ノズル駆動波形の使用(例えば、体積生成を強化する、または液滴軌道を変化させるように、ノズル4のための駆動波形をプログラムする、もしくは変化させる)、(c)サポートされる「拡大された」液滴サイズの使用(例えば、二重駆動パルスの印加を介して、「二重」液滴体積の生成を可能にするプリントヘッドを使用する)、または(d)他の手段を通して、達成されることができる。
【0041】
図4Dは、複数のスキャン通過が、通過の間に増分的にオフセットされたプリントヘッドを用いて適用される、技法を図示する。したがって、その間にプリントヘッドが図面ページに対して下向きに進行する、第1の通過「A」では、ノズル1-5が、下向きの矢印によって表されるように、液滴を生成するように制御される。印刷計画ソフトウェアは、次いで、ノズル1が、第1の通過でノズル3が有していた位置と一致するように、図面ページの右側までプリントヘッドを2つの位置に移動させることによって、プリントヘッド位置をオフセットする。プリントヘッドは、次いで、第2の通過で反対方向に移動され、
上向きの矢印によって表されるように液滴を堆積させる(すなわち、関連付けられるノズルあたりの体積および/または軌道を伴う)。発射決定およびプリントヘッドオフセットはそれぞれ、適宜、液滴を交互積層し、均一な液体コート(および処理された層)を提供するよう計画される。例えば、本図で描写されるようなノズル2は、2つの異なる位置(483)で液滴を堆積させるために双方向スキャンで使用されることができ、逆に、ノズル3(および/または他のノズル)は、(例えば、数字485によると)所望に応じて重複液滴を堆積させるために使用されることができる。一実施形態では、プリントヘッドオフセット、本明細書で議論される技法を通して生じる液滴サイズおよび軌道の変動、ならびに交互積層が、高度な堆積の一様性を提供するように、3つまたはそれを上回るスキャンにおいて適用されることができる。
【0042】
図5Aは、層均一性および印刷速度を改良するために使用されることができる技法のさらに別の実施形態(501)を表す。より具体的には、本方法は、数字503によって表されるように、層厚さの仕様から開始する。これらの技法を具現化する方法、装置、またはシステムは、次いで、着目層を生成するための加工プロセスパラメータを選択する(505)。プロセスパラメータは、次いで、基板上に液体インクを印刷する(506)ように適用され、液体インクは、続いて、液体インクを永久構造に硬化または別様に変換するように、処理されるであろう(507)。一実施形態では、液体は、有機材料を担持する一様な液体コートを形成するように、前述に説明されたように定着してともに混合する、離散液滴として堆積させられる。本液体コートは、次いで、本液体を発光デバイスの構造要素に変換するよう、(例えば、紫外線暴露を介して)硬化または別様に焼成もしくは乾燥させられる。同一のプロセスが多くの基板に使用されるであろう、組立ライン型加工プロセスでは、インク液滴が拡散する方法を実験的に測定し(509)、したがって、単位面積あたりの好適な体積(513)または同等の尺度(例えば、単位面積あたりの所定のサイズの液滴の密度)を画定するために使用され得るフィードバック(511)を提供するように、生産試験が、最初に試験基板上で行われ得ることに留意されたい。前述のように、一実施形態では、本方法は、期待液滴拡散を考慮して、着目領域の「ブランケット」液体被覆を生成するであろう、単位面積あたりの最低体積(例えば、「10.0pL」液滴のパターン密度)と、所与のプロセスパラメータが(例えば、関連仕様パラメータ内で)所望の層を生成することが可能であることを依然として確実にする、他のプロセスパラメータとを識別することができる。本「基準」は、次いで、所望の層厚さを生成するように拡大縮小(515)されることができる。一実施形態では、これらの技法は、厚さ5.0ミクロンまたはそれ未満、厚さ4.0ミクロンまたはそれ未満、厚さ3.0ミクロンまたはそれ未満、厚さ2.0ミクロンまたはそれ未満、もしくは厚さ1.0ミクロンまたはそれ未満である層を加工するために使用される。
【0043】
数字517によって集合的に表される、1つの随意の実施形態では、印刷インフラストラクチャが、複数の離散液滴サイズを生成する能力を提供する。1つのバージョンでは、それぞれが個別の離散液滴サイズを生成する、複数の異なるプリントヘッドが使用されることができる。例えば、1つのプリントヘッドは、液滴につき「約」10.0pLの液滴を生成し得る、別のプリントヘッドは、液滴につき7.0pLを生成し得る、別のプリントヘッドは、液滴につき4.5pLを生成し得る等である。そのような実施形態では、これらのうちのそれぞれ1つは、液滴拡散特性および所望の厚さの層を生成する能力について別個に較正され、これらのうちの1つが、(液滴サイズのうちの少なくとも1つ1-nが、所望の厚さを生成することができると仮定して)使用するために選択される。例えば、描写されるように、第1の液滴サイズ(「液滴サイズ1」)518は、(a)特定の印刷プロセスに利用可能な液滴密度を使用するブランケット被覆(523)、(b)仕様によって調整される厚さ(T)未満またはそれと等しい層厚さ(例えば、図の数字525によって示されるように、fn{MV/A(最小体積/単位面積)}≦T)、および(c)1つまたはそれを上回るスキャンを使用する仕様によって調整されるが、図の数字527
によって示されるように、最大規定堆積時間t以内で(例えば、fn{j*MV/A}≦t)厚さ(T)を生成する能力について評価されることができる。数字525に対して、緩衝が人工的に注入され得る、すなわち、理想的には、利用可能な代替物がある場合、単位面積あたりの最小体積(MV/A)において所望の厚さを「ちょうど正確に」のみ生成し得る液滴サイズは選択されず、理想的には、プロセス詳細が、ノズル変動、予想外の誤差等(したがって、プロセスボックス525による「緩衝」の参照(すなわち、fn{MV/A}≦T(緩衝))に適応するように、(ブランケット被覆を取得するために必要とされる)参照された最小値を上回るある程度の緩衝を提供するであろうことに留意されたい。「液滴サイズ2」(519)が、次いで、「液滴サイズn」(529)を通して、これらの基準等に従って評価される。複数の液滴サイズの評価後に、複数の代替的な「許容」液滴サイズがそれぞれ、これらの試験に従って使用され得る場合には、1つの随意の実施形態では、最大液滴サイズ(529)を伴うこれらの代替物のうちの1つが、使用のために選択される(例えば、そのようなものは、堆積時間を最小限にし、別様に堆積速度を増進するであろう)。他の選択基準も、または代わりに、使用されることができる。非限定的実施例として、最も平滑な層をもたらす液滴サイズが、代わりに選択され得、そのような基準は、選択されている利用可能な代替物の最小液滴サイズをもたらし得る。明らかに、他の代替物も可能である(例えば、最速堆積プロセス)。他の変形例では、単一のプリントヘッドが、(例えば、所与のノズルに印加される異なる代替的波形を使用して)複数の液滴サイズを生成するために使用されることができる。
【0044】
いずれの方法論が採用されたとしても、好適な選択された液滴サイズの使用に基づいて、発射決定が、次いで、参照番号531によると、印刷グリッドに割り当てられる。所望される場合、前述に参照されたように、期待液滴体積または降着位置(例えば、軌道、速度、ノズルボウ、および/または他の因子)のノズル・波形組み合わせ収差(533)が、発射決定を計画する際に(例えば、平均または標準偏差および統計的分散等の他の統計的パラメータに基づいて)考慮されることができる。本記述が含意するように、一実施形態では、1つのノズル・波形組み合わせが、別の組み合わせの代わりに使用され得る一方で、平均(すなわち、期待体積または期待降着位置)が最適ではない場合があるため、関連付けられる統計的分散(または統計的パラメータ)は小さい。測定誤差の影響を低減させるように、ノズル(またはノズル・波形組み合わせ)毎に、すなわち、液滴パラメータ毎に多くの測定に基づいて、統計集団が構築される実施形態では、多くの異なる統計的パラメータが計算され、このようにして適用されることができる。参照番号531によって示されるように、印刷パターンおよび/またはフィルタならびに/もしくはパターン選択が、次いで、ノズル間(またはノズル・波形組み合わせ間)パラメータの示された変動に基づいて、調節されることができる。
【0045】
図5Aは、用途に応じて、設計者が実装することを選定し得る、2つのさらなるオプションを示すことに留意されたい。第1に、システムは、ブランケット被覆(537)を取得するために必要とされる層パラメータ(535)および関連付けられる地形特有の最小体積/単位面積の局所(すなわち、基板内)変動を提供するように本システムを設計することができる。この点に関して、液滴拡散特性が、基板表面化学、基板表面エネルギー、およびこれらのものに寄与する種々の因子を含む、多くの因子に応じて変動し得ることが留意されるであろう。本依存性は、同一の加工プロセスに関して、同一のインクが、基板の第2の部分の中と異なって同一の基板の第1の部分の中で拡散し、したがって、(例えば、プロセスがカプセル化層等の大規模膜を堆積させるために使用されている状況で)所望されない厚さ変動を生成し得るという結果につながる。数字535および537によって表される随意の技法に関連して、本変動は、試験パネルに対して、較正中に、または事前に具体的に測定され、次いで、印刷されている基板の部分に応じてパラメータが変動する様式で、システムにプログラムされる。例えば、基準体積/面積は、インクを具体的「最小」層厚さ(すなわち、ブランケット被覆と関連付けられる)と結び付けるが、これは
、いくつかの実施形態では、基板の領域に応じて変動し得る。おそらく、別様に記述すると、インクがさらに拡散する面積中で、異なる(例えば、より大きい)体積/面積または液滴密度が使用されることができる等である。他の実施形態は、単純に、パネルまたは基板につきパラメータの1つのセットを使用し得ることに留意されたい。例えば、層が基板上の個別の「ピクセルウェル」の中で加工されるものである場合、正確に同様に層を受容するであろう各ピクセルウェルを処理することが所望され得る。比較的大型の層が堆積させられる(例えば、カプセル化、平滑化、または障壁層)実施形態に関してさえも、多くの用途が、基板の全体を通して一貫性があるものとして堆積パラメータをモデル化することが望ましくあり得、パラメータは、組立ラインプロセスでの適用のために事前に較正されて記憶される。しかしながら、パラメータが基板面積に特有である場合、これらの考慮事項は、随意に、(例えば、基準523、525、および527を超える付加的試験または要件として)選択されるべきである複数の代替液滴サイズのうちのいずれかを判定するときに、考慮されることができる。数字539によると、印刷プロセス詳細を決定付けるために、記述された試験のうちのいずれが使用されたとしても、印刷は、これらのパラメータに基づいて計画され、結果は、他の場合よりも速い印刷時間を使用して加工される、改良された層均一性を伴う完成した電子デバイスである。
【0046】
図5Bは、液体インクを堆積させるプロセス中の層のスケーリング深度と関連付けられる種々の問題を解説するために使用される、グラフ551を提供する。
図5Bは、較正プロセスおよび上記で議論されるような単位面積あたりの基準インク体積または液滴密度を拡大縮小することに関連して有用である、スタイラス粗面計を用いて取得される加工された膜の厚さプロファイルを示す。材料の実際の試験層の生成、またはインク液滴拡散特性を含むこれらの層のシミュレーション後に、インク体積は、層厚さの異なる段階と相関性があり得る。例えば、厚さ1.0ミクロンの層を表す第1の曲線553は、全ての印刷グリッド節点における液滴発射を仮定して、単位面積あたりの最大のスキャンあたりのインク体積の8%に対応する(印刷グリッド最大液滴集団に対する)単位面積あたりのインク体積と関連付けられる。膜は連続的である、すなわち、実質的に一様な厚さを有すると見なされる、曲線853によって表される層の中心に間隙がないことに留意されたい。後続の加工プロセスに関して、1.0ミクロンの層厚さが、堆積させられた層の受信されたレイアウトデータによって割り当てられた場合、1.0ミクロンの本数量は、(液滴拡散後に)一様な堆積させられた層を達成するために液滴を種々の印刷グリッド点に分配するであろう、液滴パターン(例えば、「ハーフトーン」パターン)を選択するように、インクと関連付けられる(すなわち、その拡散特性に依存する)基準体積/面積とともに使用されるであろう。同様に、第2の曲線855は、16%印刷グリッド充填に対応する、一様な厚さ2.0ミクロンの層を表すと見なされる。例えば、8%の基準体積/面積に基づいて、特定の基板領域のための16%インク体積が、厚さ2.0ミクロンの層を生じるように生成され得る。層厚さ値と液滴パターン(「ハーフトーン」)選択との間のマッピングもまた、本プロセスを使用して推定されることができる。実施例として、レイアウトデータが厚さ1.5ミクロンのカプセル化層を要求した場合、これら2つの値のほぼ間にある点(12%)に対応するように選択されるスケーリングが、適用され得る(例えば、8%~16%の中間)。それぞれ、厚さ3.0、4.0、5.0、および6.0ミクロンの層に対応する、他の図示される曲線857、859、861、および863は、それぞれ、24%、32%、40%、および50%の充填と関連付けられる。異なる「拡大された」体積/面積または液滴密度を個別の層厚さに具体的に合致させ、インクの数量を標的領域に送達するように拡大された体積を関連付けることによって、設計者は、予測可能な結果につながるであろう様式で、任意の所望の厚さにインク堆積をカスタマイズすることができる。これは、液体インクを介して堆積させられる材料の厚さに対する高度な制御を提供する。これらの実施例が含意するように、(完全な被覆を提供する)複数のインク体積/面積が、測定され、上記で提供される1.5ミクロン厚さの実施例等の所望の厚さのための充填を補間するために使用されることができる。
【0047】
多くの用途では、境界領域において鮮明な直線状の縁を提供することも望ましい。例えば、数字565によって
図5Bで表されるように、インク密度が正確に層周辺まで一貫した基準で維持される場合、インクの表面張力は、液体インクに「角」または「コウモリの耳」を形成させ得、これは、続いて、完成した層の所望されない厚さ変動を形成するように固化され得る。例えば、層の縁に隣接する層の部分において体積/面積または液滴パターン(もしくは液滴サイズ等の関連パラメータ)を調節することによって、本影響および関連影響を軽減するために、境界領域においてインク密度を変動させるための技法が、以下で議論される。これらの技法は、本議論において以降で再考されるであろう。
【0048】
図6Aは、より優れた層均一性および印刷速度を提供するために採用されることができる、なおもさらに随意の技法を図示する。これらのさらなる技法は、概して、数字601によって参照される。前述のように、少なくとも1つの標的領域のための層厚さの値が、最初に読み出される(603)。そのような読出は、例えば、デジタル(例えば、コンピュータ制御された)組立ライン型加工プロセスと関連付けられるオペレータ入力または事前プログラミングに応答して、機械アクセス可能デジタルメモリからであることができる。例えば、1つまたはそれを上回るプロセッサの形態のシステムが、再度、層均一性および印刷速度を改良する技法を利用して(すなわち、プロセス405を介して)、前述のように層パラメータを定義する。例えば、前述のように、本システムは、所与のインク/基板プロセス構成のための最小体積/面積(413)(すなわち、最小面積密度が「ブランケット」インク被覆を提供する)を計算し、次いで、所望の層を生成するために(すなわち、最小値の使用を通して生成される厚さに対する所望の層厚さの比に従って)本数量を拡大縮小する(415)。
図6Aの右側は、(例えば、特定の実装に関連するような任意の所望の組み合わせまたは順列で)すでに議論されているこれらの技法に加えて、またはその代わりに使用されることができる、層均一性および印刷速度を改良するためのいくつかの随意の技法を図示する。数字605によって示されるように、第1のそのような技法は、印刷グリッドの水平軸の間のインスキャンピッチまたは分離を変化させることを伴う(
図3Aに関連して上記で提供される数字307の参照を参照)。また、米国特許第9010899号の
図14A-Bの中と、特にクロックおよびトリガの議論との関連で参照することによって組み込まれている、前述の米国特許公開第20150373305(USSN14/840343)号の
図5Dとの中で提供される、回路および関連付けられる議論も参照されたい。所与の波形の発射のタイミングを決めるために使用されるクロック(またはトリガ信号)の周波数を変化させることによって、所与の液滴サイズおよび/またはプリントヘッドの液滴密度ならびに混合性質を効果的に変化させ、それによって、所与の液滴サイズおよび/またはプリントヘッドが規定印刷時間内に均一な膜を生成することに適している程度を変化させることができる。一実施形態では、これらの技法は、液滴を交互積層して、所望されないウィッキングを軽減し、均一な層加工のための液滴をより良好に位置付ける液滴の混合を提供するために、スキャン毎にトリガ速度定義を介して、上記で議論される(
図4Aの議論を参照)フィルタおよびフィルタ/パターン調節技法に関連して適用される。すなわち、一実施形態では、第1の印刷グリッド間隔が、第1のスキャンに使用されることができ、(垂直または水平印刷グリッド軸もしくは両方に沿った)第2の異なる間隔が、第2のスキャンに使用されることができる。各スキャンは、ノズルの共通セットから類似液滴サイズ(および降着位置)、またはノズルの個別のセットから個別の液滴サイズ(もしくは位置)を堆積させることができる。別の実施例を引用すると、これらの技法を可変ステッププリントヘッド位置付け(例えば、
図4Aの数字416および417ならびに支持する議論を参照)とさらに組み合わせることによって、これらの種々の技法の組み合わせは、異なるノズルまたはノズル・波形組み合わせから液滴のサイズおよび相対位置の両方を慎重に分配することによって、所与の単位面積を覆う精密に計算された体積密度分布を提供するように、具体的期待体積および軌道の液滴を精密に位置付けることができる。数字607は、例えば、プリントヘッドを回転させることによって
、クロススキャン印刷グリッドピッチがさらに調節される、別の随意の変異形を示す。すなわち、前述のように、一実施形態では、プリンタは、有利なこととして、プリントヘッドを回転させ、それによって、プリントヘッドとクロススキャン軸(例えば、
図3Aの数字307)との間の相対角度の正弦または余弦に従ってクロススキャンピッチを効果的に変動させる、回転機構(すなわち、ある種の電力駆動)を含むことができる。そのような技法は、
図3Aからの垂直軸(306)の間の分離を変動させ、随意に、すぐ上記で議論されるタイミング(Δy)変動とともに、またはその代わりに使用されることができる。数字609および611は、例えば、具体的に求められる期待体積性質(および期待体積性質の間の分散)を伴う液滴サイズを生成するために複数の駆動波形を使用するように適合される、プリントヘッドを使用することによって、または1つのプリントヘッド(例えば、ノズルにつき10.0pLの平均体積またはある他の値を有する液滴を生成するもの)を別のプリントヘッド(例えば、ノズルにつき7.0pLの平均体積を有する液滴を生成するもの)に変更することによって、有効液滴サイズが変動される、オプションに関する。一実施形態では、プリントヘッドは、同時に複数の同様のサイズの液滴(例えば、二重駆動パルスを使用して、例えば、2つの液滴)を効果的に堆積させる、またはプログラム可能およびカスタマイズ可能であるのではなく、固定された複数の液滴サイズ(例えば、1倍、2倍、3倍、4倍)が固定されるものであるように選択されることができる。数字613によると、特定の堆積を達成するために使用されるインクを変動させることも可能である。例えば、規定層厚さ(T)が所与の液滴サイズに対して大きすぎることが判定される(例えば、所与のプリンタおよび印刷プロセスのための液滴が、
図2Bならびに2Cに対して図示されるように、接触に応じて十分に拡散しない)場合、異なるインクを選択すること、またはインクの組成(限定ではないが、展着剤を導入することを含む)を変動させること、もしくは異なる表面エネルギーを保有するように基板を修正することが可能である。さらに別の実施形態では、平均で7.0pL未満またはそれと等しい期待体積平均(615)を有するインク液滴を生成する、もしくは4.00ミクロン未満である膜厚さ(617)を生成する、プリントヘッドおよび/または印刷プロセスが使用される。さらに別の実施形態では、インク密度、ハーフトーンパターン、または他のインクもしくはプロセスパラメータが、鮮明な縁を生成するように、縁または境界処理619の形態として適用される。(参照することによって組み込まれている)前述の米国特許第8995022号でも議論される、これらの技法は、カスタマイズまたは調整されたテーパリングを伴って、所望の層の意図された周辺に至るまで一貫した厚さの層を生成するための強力な技法を提供する。最終的に、数字621によって表されるように、他の技法もまた、所与の単位面積に適用される液滴密度および/またはインク体積、ならびに/もしくは堆積させられた液滴がともに混合する方法を変動もしくは調節する、液滴ウィッキングを阻止し、改良された印刷時間で平滑層形成を提供する、かつ液滴自体が意図された膜厚さよりも大きい固有の直径を有し得るにもかかわらず、非常に薄い膜層を別様に生成するために、使用されることができる。
【0049】
図6Bは、液滴サイズが複数の離散代替物の間で効果的に変動される、実施形態(631)を議論するために使用される。上記で議論されるように、本タイプの変形例は、特定の機械(システム)実装の特性によってサポートされる場合、一実施形態では、層均一性を達成する、および/または仕様内の印刷時間ならびに上記で参照される他の改良を最適化するよう、インク体積/面積および液滴混合を調整することができる。第1の実施例を引用すると、特定の組立ライン型プロセスのための仕様が1.0ミクロン±10%の有機カプセル化層を要求することが判定される場合、および特定の機械が(十分に拡散せず、したがって、厚すぎる層を生成する、例えば、
図2Bおよび2Cに関連して上記で提供される議論を参照されたい)30ミクロンの直径を有する液滴を生成する場合には、一実施形態では、プリントヘッドは、より小さい液滴直径(例えば、12ミクロン)を生成するものに変更される、またはノズル毎のノズル・駆動波形は、より小さい液滴サイズの発射をサポートするように変更および/もしくはプログラムされる。これらの技法はまた、他
のタイプのノズル誤差(例えば、
図3Eおよび4Bならびに支持する議論に関連して紹介されるようなノズルあたりの軌道、体積、または速度の誤差)を低減および/または変動させるために使用され得ることに留意されたい。所望される場合、原位置で選択または変動され得る液滴性質を提供するために、前もって事前定義されている、もしくは別様にプリントヘッド駆動回路にプログラムされている、離散液滴サイズを提供するプリントヘッドが、選択されることができる。したがって、所与の液滴サイズが、要求される層特性を満たすように稼働しない(例えば、上記の
図2Dに対する議論によって例示されるような層を生成しない)場合には、一実施形態では、そのような層が取得されることができるまで、液滴性質が変化させられる。「全て稼働する」複数の液滴サイズが利用可能である場合には、上記で識別される技法は、任意の所望の基準に従って、これらの許容代替物の間で仲裁するために使用されることができ、例えば、離散液滴サイズのうちの最大サイズまたは(例えば、印刷時間を最小限にするように)最小印刷グリッドを伴う、もしくは最も平滑な層(例えば、潜在的に離散液滴サイズのうちの最小サイズ)を生成する、プロセスを選択する。変形例では、複数のサイズが、ともに使用されることができる(例えば、小さい液滴が分散パターンで堆積させられ、その後に交互積層のためのより大きい液滴が続く、または逆も同様である、第1のスキャン)。そのような技法は、複数の液滴サイズが1つまたは複数のスキャンで使用され得ない(例えば、液滴サイズが、例えば、可変液滴体積ハーフトーンの一部、または縁外形管理技法として、任意の所望の順列で組み合わせられ得る)ことを含意しないことに留意されたい。
【0050】
図6Bに示されるように、描写されるプロセスは、基準印刷グリッド画定(633)、仕様で画定された層厚さ(635)、インク拡散特性(637)、および関連付けられるインク画定情報(本実施形態では、数字639によると、「接触角」、液滴厚さまたは高さ、半径、もしくは他の性質を含む)を仮定する。本方法は、次いで、数字641によると、各代替液滴サイズを続けて評価する。[「接触角」は、その周辺における液滴と基板との間に生じる角度を意味し、例えば、球形液滴の平均接触角は、球体の平坦化区分の周辺において、本区分としてモデル化され得ることに留意されたい。それぞれ、
図2Aおよび2Bの数字298ならびに299を参照されたい。]当然ながら、上記の議論によると、実施形態に応じて、これらのインク/液滴および/または印刷プロセスパラメータはそれぞれ、変動され得るが、本議論の目的のために、複数の液滴サイズが(どのように生成されたとしても)、全て層加工のための仕様制約内で、層均一性ならびに/もしくは印刷時間を増進するように、印刷プロセスで使用するための複数の液滴サイズのうちの1つを選択する目的のために個別に評価されるものであると仮定されるべきである。所与の液滴サイズを評価するために、数字633、635、637、および639によって表されるパラメータは、所与の印刷プロセスサイズが所与の印刷プロセスで使用するために好適であるかどうか、ならびに代替的(複数の)液滴サイズのうちの異なるものが選択されるべきであるかどうかを評価するために、差し当たり固定されるものとして仮定される。
【0051】
したがって、ブロック641によって表されるように、これらのパラメータは、固定されるものとして仮定され、各可能性として考えられる離散液滴サイズが評価される。本方法は、反復して、最小から始まって各離散液滴サイズをとり、その液滴サイズが所望の厚さの層(635)を生成することに適しているかどうかを判定する。評価される液滴サイズ毎に、本方法は、インクの「ブランケット」被覆を生成するであろう印刷グリッド画定(633)および拡散特性(637)を考慮して、問題になっている液滴サイズについて、すなわち、間隙/空隙を有していない連続膜について、最小体積/面積(643)を計算する。第1の考慮事項は、液滴が、拡散を考慮して、厚すぎる層を生成する(例えば、
図2Bおよび支持する議論を参照)、すなわち、層処理/硬化後の厚さが所望の(μ
0-Δ
0)を上回るかどうかであり、例えば、μ
0は、層厚さの規定最大値を表し、Δ
0は、前述に紹介されたような所望の緩衝を表す。液滴サイズが、数字645によると、「十分に薄い」層を生成することができない場合、その液滴サイズは、本実施形態では、
図6B
の「次へ」の参照によって表されるように、使用にふさわしくないと見なされる。他の実施形態では、液滴サイズを破棄する代わりに、所与の液滴サイズが少しでも使用されることができるかどうか、例えば、所与の液滴サイズが「十分に薄い」層を生成するために依然として使用されることができるように、印刷グリッド調節、インク性質修正等が変動され得るかどうかを判定するために、他の技法が評価または使用される。所与の液滴サイズが好適である場合には、本方法は、潜在的に使用可能として液滴サイズを保存し、同様に、次の液滴サイズを続けて評価する。
【0052】
いったん全ての代替的離散液滴サイズが、このようにして評価され、代替物のセットが確立されると、本方法は、次いで、前述に議論された考慮事項のうちの他のものを適用して、加工プロセスで使用するためのこれらの代替物のうちの1つを続けて選択する(647)。例えば、機能ブロック649によると、本方法は、次いで、最大液滴密度を考慮して(例えば、標的領域に対する完全にデータ投入された印刷グリッド、すなわち、全ての可能性として考えられる印刷グリッド節点が液滴発射を表した場合を仮定して)、特定の代替物が使用された場合に、スキャン時間制約が違反されるであろうかどうかを判定することができ、そのような制約が違反されるであろう場合には、(他の代替物が依然として利用可能であったと仮定して)特定の液滴が使用から排除され得る。再度、他の実施形態では、液滴サイズを破棄する代わりに(または他の代替物が利用可能ではなかった場合)、液滴サイズが少しでも使用され得るかどうか、例えば、印刷グリッド調節、インク性質修正等が変動された場合、制約に違反することなく仕様を満たした許容加工プロセスを生成し得るかどうかを判定するように、他の技法が評価されることができる。一実施形態では、数字651によると、これらの基準は、スキャンの最大数および/または最大時間として表されることができる。また、数字649によって表されるように、本方法は、異なるサイズの液滴を評価するために平滑性基準を使用することができ、例えば、本システムは、層平滑性(例えば、オペレータによって測定されて入力される、または試験基板上で自動的に測定されるようなRMS)の尺度を取得し、最小数のスキャンで最も平滑な層を生成するものに従って、残りの液滴候補の間で選ぶ。1つの考慮される実装では、任意の所与の層厚さ(例えば、0~30ミクロン)に関して、複数の液滴サイズ(653)が、上記で紹介される評価手順に従って使用するために好適となり、平滑性/タイミング制約が、これらの「許容候補」の間で仲裁するために使用されるように十分に、ノズル液滴サイズ(および関連付けられる駆動信号)の範囲が事前に提供される。そのような実施形態では、本システムは、メモリから単一のファイル(例えば、問題になっている印刷プロセスについて、基板デカルト座標とともに変動する基準で、所望される場合、液滴サイズに従って、厚さ、表面粗度、接触角等の全ての測定された特性をインデックス化するファイル)にアクセスすることができ、使用されるであろう液滴サイズを選択するように、ソフトウェアに従って自動処理を行うことができる。プリントヘッドが液滴サイズを変動させるように変更されるシステムでは、ソフトウェアは、(例えば、同一または異なるトラベラ上で)異なるプリントヘッドを従事させることができる、またはプリントヘッドを手動で変更する必要があることをオペレータに警告することができる。他の代替物も、可能である。多くの他の基準もまた、上記で議論されるこれらの基準セットに加えて、またはその代わりにのいずれかで、液滴代替物の間で選択するために使用されることができる。
【0053】
残りの図によって示されるように、描写される方法は、印刷プロセスで使用するための代替液滴サイズのうちの1つを選択し、次いで、上記で議論されているようなノズル発射データを計算する。例えば、選択された液滴サイズに関して、本方法は、意図された標的領域の「完全な」インク被覆を取得するために、(特定の液滴サイズについて)最小値であるように基準体積/面積または液滴密度(655)を選択する。液滴分布または密度が、次いで、インク拡散特性ならびに印刷グリッドインスキャンおよびクロススキャンピッチ次元を前提とする式に従って、判定されることができる。再度、図では、値Δ0は、随意の緩衝を表し、値μ0は、基準体積/面積または液滴密度(および対応する基準厚さ)
を表すことに留意されたい。数字659によると、基準は、次いで、液滴混合後の所望の厚さのインクの均等な層および永久構造への層の変換を生じる様式で液滴を分配する液滴パターンを介して、すなわち、空隙/間隙を伴わず、高さ変動が最小限にされた、適切な層厚さを取得するために、必要に応じて拡大縮小される。数字661によって示されるように、一実施形態では、本機能は、サブルーチンを呼び出し、液滴サイズ、印刷グリッドピッチ、および液滴拡散パラメータをそのサブルーチンにパスすることによって確立され、次いで、上記で議論される技法によると、適切な混合を増進する様式で、(例えば、ウィッキングを制御するための)各個々のスキャンならびにクロススキャンの両方内で、液滴発射が分配された大面積発射マップ(663)を返す。第2のサブルーチンが、次いで、ノズルあたりの体積および/または降着位置平均ならびに拡散(666)を表すデジタルメモリコンテンツに応じて、単位面積基準で収差を検出するために、発射マップを試験してインク密度均一性を確実にするように、呼び出されることができる(665)。局所的インク体積が(例えば、任意の標的領域内で)所定の閾値誤差量を上回って変動する場合、またはプロセッサ適用モデリングアルゴリズムが、所望されないウィッキングまたは厚さ欠陥が(すなわち、印刷するために使用される種々のノズルのための期待平均および拡散値に依存する)閾値誤差量を超えて生じるであろうことを予測する場合には、例外プロセス(667)がトリガされ、補正された発射決定を下すために使用されることができる。例えば、期待されるノズルあたりの記憶されたデータから判定されるように、特定の列の液滴が中心から外れるであろうことが判定される場合には、異なる駆動波形が試験されることができる、または異なるノズルが(例えば、後続のスキャンで)第1のノズルの使用に代用される、もしくは(プリントヘッドの位置オフセットまたは「ステップ」を伴うが)同一のノズルが使用されることができる等である。本開示で提示される種々の能力を使用する多くの変形例が、本明細書で議論される技法の精神から逸脱することなく、当業者によって適用されることができる。いったん発射マップによって記載される発射データが、適宜、調節/補正されると、発射マップは、プロセスボックス668によって示されるように、記憶される、および/または印刷に送信される。
【0054】
図6Cは、任意の所与の印刷ノズルのための複数の波形を定義する方法671のブロック図である。(参照することによって組み込まれている、前述の特許および特許公開で説明されるように)一実施形態では、各ノズルが、液滴体積および降着位置に関する、関連付けられる仮定の下で事前に定義または選択される、具体的に成形された波形を有することに留意されたい。例えば、限定ではないが、参照することによって組み込まれる、米国特許公開第20150099059号(例えば、
図15A-D)に関する議論、
図14A-Cに関する米国特許第9010899号の中の類似議論、および米国特許公開第20150298153号の中の
図5Dに関する議論を参照されたい。これらの参考文献はそれぞれ、例えば、何千ものノズルを有するプリントヘッドについて、個別化された基準で波形をプリントヘッドノズルに提供するための機構を説明する。数字673および675によると、本方法は、ノズル毎に具体的波形を選択し、次いで、体積、降着位置(例えば、軌道)、および他のノズル・波形組み合わせあたりのパラメータを測定し、平均および拡散パラメータの統計的信頼度を開発するために、多くの独立測定の統計集団をコンパイルする。本情報に基づいて、本方法は、次いで、個別の液滴体積および個別の降着位置を生成することが予期され得る、ノズル毎の「n」個の波形のセットを選択することができる(677)。所望される任意の基準が、本セットを識別するために使用されることができるが、一実施形態では、波形は、(例えば、期待値の±10%の範囲内で)液滴体積および個別の降着位置の範囲にわたって、均等に分布した値を提供するように選択される。例えば、2つの波形が(ほぼ同じであるが)ほぼ理想的な期待体積および降着位置を生成する場合、本方法は、これらのうちの1つを破棄し、代わりに、体積および/または液滴の110%を生成した、もしくは所望の降着場所からの意図的な期待位置オフセットを表す、すなわち、変動性を提供する、第2の波形を選び得る。これは、次いで、任意の所与の意図された堆積面積のための(同一または異なるノズルからの)液滴を混合して合致させ
る、例えば、20.00pLの期待総体積を取得するように、第1のノズル/波形からの9.90pL期待液滴体積を第2のノズル/波形からの10.10pL期待液滴体積と組み合わせるためのオプションのさらに効果的なセットを提供する。例えば、前述に参照された、米国特許第9010899号および第9352561号を参照されたい。最終的に、値のセットが選択されると、本方法は、次いで、プログラムされた波形が適切な「トリガ時間」において対応するノズルを駆動するために使用されるであろうように、対応する波形で個々のノズルのための駆動回路をプログラムする(679)。参照することによって組み込まれている特許および特許公開で記述されるように、一実施形態では、最大16個の異なる波形が、ノズル毎に選択され、事前にプログラムされることができ、これらの代替物のうちの特定のものの選択は、特定のノズルのためのデジタル回路に「書き込まれる」波形選択値によって達成される。これは、全ての実施形態に要求されるわけではない。
【0055】
図6Dは、駆動波形が、所与のノズルのためのデジタル/アナログ変換器(DAC)によって生成される、「カスタマイズされた」波形が、例えば、デジタルデータによって定義される、一連の離散信号レベルとして事前定義され得る方法を図示する。
図6Dの数字681は、離散信号レベル685、687、689、691、693、695、および697を有する、波形683のグラフを識別する。一実施形態では、各ノズルドライバは、各波形が可変電圧および持続時間の一連の信号レベルとして定義される、複数の波形(例えば、最大16または別の数)を受信する、回路を含むことができる。本一連の中の各信号レベルは、マルチビット電圧およびマルチビット持続時間として、個別に表されることができる。すなわち、そのような実施形態では、パルス幅は、1つまたはそれを上回る信号レベルのために異なる持続時間を定義することによって、効果的に変動されることができ、駆動電圧は、微妙な液滴サイズ、速度、または軌道(降着位置)変動を提供するように選定される様式で、例えば、0.01pLの単位等で具体的体積漸次変化を提供するように計測された液滴体積を伴って、波形成形されることができる。波形成形は、このようにして、理想的な値により近づくように液滴体積および飛行パラメータを調整する能力を提供する。これらの波形成形技法はまた、可視欠陥を低減または排除するための方略も促進し、例えば、1つの随意の実施形態では、全てのノズルが一様な液滴体積(例えば、可能な限り10.00pLに近い)を提供するように、単一の割り当てられたノズル駆動波形が、ノズル毎に事前に調整される。記述されるように、代替的な所定の波形は、随意に、短期間に適用される代替的な所定の波形のうちの「1つ」を選択する(例えば、プログラムする)ために使用される動的較正(または別のプロセス)を用いて、各ノズルに利用可能にされる。他の可能性も、存在する。
【0056】
異なる駆動波形および結果として生じた液滴体積の影響は、事前に測定されることができる。一実施形態では、ノズル毎に、最大16個の異なる駆動波形が、ソフトウェアによって選択されるような離散体積変動を提供する際に以降で効果的に使用するために、ノズル特有の専用1kスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)の中に記憶されることができる(前述に参照された、参照することにより組み込まれた出願、公開、および特許を参照)。異なる駆動波形が手元にあると、各ノズルは、次いで、具体的駆動波形を達成するデータのプログラミングを介して、適用するいずれかの波形に関して液滴毎に指示される。
【0057】
代替実施形態では、駆動波形が固定されることができ、いくつかの離散波形のうちの1つが、上記で説明されるように各ノズルに印加されることに留意されたい。例えば、前述のように、一実施形態は、固定液滴体積が相互の倍数であることができる、プリントヘッドを使用し、例えば、異なる波形またはプログラムされた値が各選択を判別するために使用される、複数の液滴サイズ(例えば、1倍、2倍、3倍、4倍等)を特徴とし得る、プリントヘッドが使用される。したがって、そのようなシステムでは、液滴サイズの範囲、
例えば、1.0pL、2.0pL、4.0pL等が、要求に応じてノズル毎に選択されることができる。本来、液滴体積が整数の倍数として関連するという要件はなく、別の実施形態では、体積が恣意的であり得ることに留意されたい。さらに別の考慮される実施形態では、単一の波形が所与の通過(スキャン)のために全てのノズルに印加されるが、本波形は、スキャンの合間に拡大縮小され、そのような作用によって、即座にノズル群のための液滴詳細を効果的に変動(例えば、拡大縮小)させることができる(例えば、波形は、スキャンにつきノズル群のためにリセットされることができる)。再度、いずれの技法が使用されたとしても、制御ソフトウェアは、有利なこととして、液滴あたり(ノズルあたり、波形あたり)の統計を読み出し、液滴の組み合わせおよび分布を計画し、高度な予測可能性でより良好な層均一性を生じる様式で相互に対して個々の液滴を設置するために、これらを使用する。
【0058】
図7Aは、本明細書に開示される技法を適用するために使用され得る、1つの考慮されるマルチチャンバ加工装置701を示す。一般的に言えば、描写される装置701は、移送モジュール703と、印刷モジュール705と、処理モジュール705とを含む、いくつかの一般的モジュールまたはサブシステムを含む。各モジュールは、周囲空気と異なるよう、かつ不要な項目または酸素もしくは湿気を排除するよう制御される、大気環境を維持し、印刷が、例えば、第1の制御された雰囲気中で印刷モジュール705によって行われることができ、他の処理、例えば、無機カプセル化層堆積または(例えば、印刷された材料のための)硬化プロセス等の別の堆積プロセスが、第2の制御された雰囲気中で行われることができる(これらの雰囲気は、随意に、同一、随意に、窒素または他の不活性ガス雰囲気であり得ることに留意されたい)。装置701は、制御されていない雰囲気に基板を暴露することなく、モジュールの間で基板を移動させるために、1つまたはそれを上回る機械ハンドラを使用する。任意の所与のモジュール内で、そのモジュールに行われる処理に適合される、他の基板取扱システムおよび/または具体的デバイスならびに制御システムを使用することが可能である。
【0059】
移送モジュール703の種々の実施形態は、入力ロードロック709(すなわち、制御された雰囲気を維持しながら異なる環境の間で緩衝を提供するチャンバ)と、移送チャンバ711(基板を輸送するためのハンドラも有する)と、大気緩衝チャンバ713とを含むことができる。印刷モジュール705内で、印刷プロセス中の基板の安定した支持のための浮動式テーブル等の他の基板取扱機構を使用することが可能である。加えて、分割軸またはガントリ運動システム等のxyz運動システムが、基板に対する少なくとも1つのプリントヘッドの精密な位置付けに使用されることができるとともに、印刷モジュール705を通した基板の輸送のためのy軸運搬システムを提供する。また、例えば、2つの異なるタイプの堆積プロセスが制御された雰囲気中の印刷モジュール内で行われることができるように、例えば、個別のプリントヘッドアセンブリを使用して、印刷用の複数のインクを印刷チャンバ内で使用することも可能である。印刷モジュール705は、不活性雰囲気(例えば、窒素)を導入し、別様に環境調整のための雰囲気(例えば、温度および圧力)、ガス構成要素、および粒子状物質の存在を制御するための手段とともに、インクジェット印刷システムを収納するガスエンクロージャ715を備えることができる。
【0060】
処理モジュール707の種々の実施形態は、例えば、移送チャンバ716を含むことができ、本移送チャンバはまた、基板を輸送するためのハンドラも有する。加えて、処理モジュールはまた、出力ロードロック717、窒素スタック緩衝器719、および硬化チャンバ721を含むこともできる。いくつかの用途では、硬化チャンバは、モノマー膜を一様なポリマー膜に硬化、焼成、または乾燥させるために使用されることができる。例えば、2つの具体的に考慮されるプロセスは、加熱/焼成プロセスおよび紫外線放射硬化プロセスを含む。
【0061】
1つの用途では、装置701は、液晶ディスプレイ画面またはOLEDディスプレイ画面の大量生産、例えば、単一の大型基板上で1度に(例えば)8枚の画面のアレイの加工のために適合される。これらの画面は、テレビに、および他の形態の電子デバイス用のディスプレイ画面として使用されることができる。第2の用途では、本装置は、さらに同一の様式でソーラパネルの大量生産に使用されることができる。さらに別の実施形態では、本装置は、他のタイプの発光デバイスまたは他の電子製品の生産に使用されることができる。
【0062】
印刷モジュール705は、有利なこととして、OLEDディスプレイデバイスの敏感な要素を保護することに役立つ、有機発光層またはカプセル化層を堆積させるために、そのような用途で使用されることができる。例えば、描写される装置701は、基板を装填されることができ、カプセル化プロセス中に制御されていない雰囲気への暴露によって中断されない様式で、種々のチャンバの間で前後に基板を移動させるように制御されることができる。基板は、入力ロードロック709を介して装填されることができる。移送モジュール703の中に位置付けられるハンドラは、基板を入力ロードロック709から印刷モジュール705に移動させることができ、印刷プロセスの完了に続いて、硬化のために基板を処理モジュール707に移動させることができる。それぞれ制御された厚さである、後続の層の繰り返しの堆積によって、総カプセル化が、任意の所望の用途に適するように蓄積されることができる。再度、上記に説明される技法が、カプセル化プロセスに限定されず、また、多くの異なるタイプのツールが使用され得ることに留意されたい。例えば、装置701の構成は、異なる並置で種々のモジュール703、705、および707を設置するように変動させられることができ、また、付加的な、より少ない、または異なるモジュールも使用されることができる。そのような実施形態は、多くのノズルが存在するため、前の基板が印刷チャンバから除去され、新しい基板が導入されている間に、間隔を置いて(または別様に実行時間中に断続的に)先述のノズル/一連のノズル波形較正が再測定されることができる、組立ライン型製造のために非常に好適である。
【0063】
図7Aは、連結されたチャンバまたは加工構成要素のセットの一実施例を提供するが、明らかに多くの他の可能性が存在する。上記で紹介される技法は、
図7Aで描写されるデバイスとともに、または実際に、任意の他のタイプの堆積機器によって行われる加工プロセスを制御するために、使用されることができる。
【0064】
図7Bは、プリンタ内(例えば、印刷モジュール内)のいくつかの機能的構成要素を描写し、かつ堆積プロセス中にそれが出現し得るような基板の平面図を描写する、例証的な図である。印刷チャンバは、概して、参照数字725によって指定され、印刷される基板は、概して、数字729によって指定され、基板を輸送するために使用される支持テーブルは、概して、数字727によって指定される。一般的に言えば、基板の任意のxy座標が、支持テーブルによる(例えば、浮動支持を使用する)基板のy次元移動(随意に、x次元移動)を含み、概して、矢印737によって表されるように、トラベラ733に沿った1つまたはそれを上回るプリントヘッド735の「遅軸」x次元移動を使用する、移動の組み合わせによって到達される。浮動式テーブルおよび基板取扱インフラストラクチャは、基板を移動させ、有利なこととして、必要に応じて1つまたはそれを上回る「高速軸」(731)に沿って傾斜排除制御を提供するために使用される。プリントヘッドは、(例えば、プリンタグリッド点に対応する列の印刷を達成するように)それぞれ、発射マップから導出される発射パターンによって別個に制御される、複数のノズル739を有すると見なされる。1つまたはそれを上回るプリントヘッドと基板との間の相対運動が、高速軸(すなわち、y軸)の方向に提供されると、印刷は、典型的には、個々の行のプリンタグリッド点を辿る、帯状部分を表す。プリントヘッドはまた、有利なこととして、(例えば、数字741によると、1つまたはそれを上回るプリントヘッドの回転によって)有効ノズル間隔を変動させるように調節されることができる。所望に応じて、複数のそのよう
なプリントヘッドが、相互に対してx次元、y次元、および/またはz次元オフセットで配向されて、ともに使用され得ることに留意されたい(
図7Bの左上隅の軸凡例を参照)。印刷動作は、所望に応じて、標的領域全体(および任意の境界領域)がインクで印刷されるまで継続する。必要量のインクの堆積に続いて、(例えば、熱プロセスを使用して)インクを乾燥させるように溶媒を蒸発させることによって、または紫外線硬化プロセス等の硬化プロセスの使用によってのいずれかで、基板が完成させられる。
【0065】
図7Bの右側は、好適な印刷プロセスパラメータを定義し、印刷を制御するようにこれらのパラメータを適用する際の制御システム(例えば、制御ソフトウェア745の援助下で駆動される1つまたはそれを上回るプロセッサ743を備える)の相互作用を描写する。より具体的には、制御ソフトウェアは、(例えば、数字747によると、ピクセルウェルまたは液体インクを受容するものである基板面積を画定するデカルトマップ、ならびに問題となっている層の所望の厚さの観点から)所望の層が印刷されるものである、(基板上の)地形を画定する基層設計を本システムに受信させる。ソフトウェアは、本情報を記憶し、またはメモリから読み出し、次いで、本システムに、プロセスパラメータ(749)、例えば、ノズルクロススキャンピッチ、ノズル位置、ノズルの数、およびプリントヘッドならびにインクの期待拡散特性に関連する他の情報を受信させる。本種々のデータは、次いで、計画が層均一性および/または印刷速度を改良するための前述に参照された技法を利用する、印刷計画ならびに/もしくは印刷最適化ステップ(751)において適用される。例えば、上記のように、ソフトウェアは、本システムに基準体積/面積(753)を計算させ、これを単位あたりの厚さと同等と見なし(755)、次いで、発射マップを作成するために基板上のデカルト場所の関数(757)として本厚さを拡大縮小する。前述のように、本発射マップは、測定されるノズルあたりまたはノズル・波形組み合わせあたりの平均ならびに拡散尺度に応じて作製されることができ、随意に、交互積層された液滴を堆積させるスキャンに対応する複数のマップを提供するよう、フィルタ処理されることができる。いったんそのような処理が行われると、ノズル発射詳細を表す情報が、次いで、デジタルメモリの中に記憶され、続いて、加工プロセスで使用するためにプリンタにパスされる。数字761によって示されるように、一実施形態では、ソフトウェアは、任意の変動が記憶された印刷データ(759)の中でインスタンス化される、前述に議論された技法を使用して、制御システムに1つまたはそれを上回るプロセスパラメータ(液滴サイズ、印刷グリッド画定等)を選択もしくは変動させる。実行時間中に、ノズルドライバは、次いで、最適化された通りに、記憶された印刷データに応答して駆動される。これらのドライバは、例えば、関連付けられる発射命令に応答して印刷を制御するために、256個のノズル等のいくつかのノズルをそれぞれ駆動する、特定用途向け集積回路の形態で実装されることが
図7Bによって示される。印刷は、したがって、基板上で液体インクの層をもたらし、これは、続いて、液体インクを硬化させる、またはそれを別様に永久形態に変換するように処理モジュールに前進させられる。
【0066】
図7Cは、プリンタのための電子制御システム(765)の構造についての付加的詳細を提供する。種々のサブシステムにわたる協調が、ソフトウェアによって提供される命令の下で作用する、プロセッサ767のセットによって提供される(
図7Cに示されていない)。一実施形態では、これらのプロセッサは、監視プロセッサまたは汎用CPUと、並列処理に使用される付加的プロセッサのセットとを含む。1つの具体的に考慮される実装では、これらの付加的プロセッサは、マルチコアプロセッサまたはグラフィック処理ユニット(GPU、例えば、何百もの、またはそれを上回るコアを伴う)の形態をとる。各コアは、処理するノズル発射命令の一部を割り当てられる。例えば、各コアは、ノズルのセットを割り当てられることができ、ファームウェアの制御下で、前述に記憶されたノズル発射命令が層均一性および最小限にされたウィッキングのための閾値試験を満たすかどうかをモデル化するために、またはそれらが満たさない場合に適用される例外処理を用いて、他の処理目的のために、これらの命令を試験することができる。並列処理および/また
は本形態の委任は、全ての実施形態に必要とされるわけではない。加工プロセス中に、プロセッサは、提供された発射命令に応じて、プリントヘッドに種々の体積のインクを放出させるように、データをプリントヘッド768にフィードする。プリントヘッド768は、典型的には、行またはアレイで配列される複数のインクジェットノズルと、圧電または他の変換器のアクティブ化に応答してインクの噴出を可能にする関連付けられるリザーバとを有する。そのような変換器は、対応する圧電変換器に印加される電子発射波形信号によって統制される量で、個別のノズルに制御された量のインクを放出させる。他の発射機構も、使用されることができる。プリントヘッドは、グリッド座標に対応する種々のx-y位置でインクを基板769に適用する。位置の変動は、(例えば、基板を横断する1つまたはそれを上回る帯状部分を印刷に表させる)プリントヘッド運動システム770および基板取扱システム771の両方によって達成される。一実施形態では、プリントヘッド運動システム771が、トラベラに沿ってプリントヘッドを前後に移動させる一方で、基板取扱システムは、例えば、整合および傾斜排除のために、安定した基板支持と、基板の「x」および「y」次元輸送(ならびに回転)の両方とを提供する。印刷中に、基板取扱システムが、1つの次元(例えば、
図7Cに対して「y」次元)内で比較的速い輸送を提供する一方で、プリントヘッド運動システム770は、例えば、プリントヘッドオフセットのために、別の次元(例えば、
図7Cに対して「x」次元)内で比較的遅い輸送を提供する。別の実施形態では、基板取扱システム771によって取り扱われる一次輸送とともに、複数のプリントヘッドが使用されることができる。画像捕捉デバイス772は、任意の基準の場所を特定し、基板の位置ならびに配向に適用される整合および/または誤差検出機能を支援するために使用されることができる。
【0067】
本装置はまた、印刷動作を支援するように、インク送達システム773と、プリントヘッド保守システム774とを備える。プリントヘッドは、周期的に較正される、または保守プロセスを受けることができる。このような目的で、保守シーケンス中に、プリントヘッド保守システム774は、特定のプロセスにとって適宜に、適切なプライミング、インクまたはガスのパージ、試験および較正、ならびに他の動作を行うために使用される。そのようなプロセスはまた、例えば、数字777および778によって参照されるように、液滴体積、速度、および軌道等のパラメータの個々の測定を含むこともできる。
【0068】
前述に紹介されたように、印刷プロセスは、制御された環境で、すなわち、堆積層の有効性を劣化させ得る汚染物質のリスクの低減を提示する様式で、行われることができる。この趣旨で、本装置は、機能ブロック776によって表されるように、チャンバ内の雰囲気を制御するチャンバ制御サブシステム775を含む。随意のプロセス変形例は、記述されるように、周囲窒素ガス雰囲気(もしくは具体的に選択されたガスを有する、および/または不要な粒子状物質を除外するように制御される、別の不活性環境)の存在下で堆積材料の噴出を行うことを含むことができる。数字779によって表されるように、本装置はまた、必要に応じて、ハーフトーンパターン情報またはハーフトーンパターン生成ソフトウェア、テンプレート印刷イメージデータ、および他のデータを記憶するために使用されることができる、メモリサブシステムも含む。例えば、メモリサブシステムは、各液滴の発射(およびタイミング)を統制するプリンタ制御命令を内部で生成するために、上記で紹介される技法に従って、前もって生成された印刷イメージの変換のための動作メモリとして使用されることができる。そのようなレンダリングの一部または全てが、他の場所で行われ、本装置のタスクが受信されたプリンタ命令に従ってデバイス層を加工することである場合には、受信された命令は、適宜、印刷プロセスおよび/または保守中に使用するためにメモリサブシステム779の中に記憶されることができる。数字780によって表されるように、1つの随意の実施形態では、個々の液滴詳細は、任意の所与のノズルの発射波形の変動を通して(例えば、ノズル収差を補正するように)変動させられることができる。一実施形態では、代替発射波形のセットが、共有または専用基準で、事前に選択されて各ノズルに利用可能にされ、随意に、(例えば、米国特許公開第20150298
153号にさらに説明されるように)基板誤差処理システム781と併せて使用されることができる。いくつかの実施形態が、異なるノズルおよび/またはあるノズルの駆動波形を使用して達成される誤差の補償とともに、(すなわち、誤差にもかかわらず)所定のスキャン経路を使用する一方で、別の実施形態では、印刷最適化(782)が、スキャン経路詳細を再査定し、潜在的に堆積時間を改良するように行われる。
【0069】
図7Dは、比較的大型のプリントヘッドアセンブリ786の液滴パラメータを測定するために原位置で使用される(すなわち、多数の個々のノズル、例えば、788をそれぞれ伴う、個別のプリントヘッド787A/787Bのノズルプレートによって表される)光学測定を前提とする、システム785の例証的な図を提供し、典型的実装では、数百から数千のノズルが存在する。インク供給部(図示せず)が、各ノズルに(例えば、ノズル788において)結合され、圧電変換器(同様に図示せず)が、ノズルあたりの電子制御信号の制御下でインクの液滴を噴出するために使用される。ノズル設計は、ノズルプレートの氾濫を回避するように、各ノズル(例えば、ノズル788)においてインクのわずかな陰圧を維持し、所与のノズルのための電気信号は、対応する圧電変換器をアクティブ化し、所与のノズルのためのインクを加圧するために使用され、それによって、所与のノズルから1つまたはそれを上回る液滴を放出する。一実施形態では、各ノズルのための制御信号は、通常、0ボルトであり、所与の電圧での正のパルスまたは信号レベルは、具体的ノズルがそのノズルのための液滴(パルスにつき1つ)を放出するために使用される。別の実施形態では、異なる調整されたパルス(または他のより複雑な波形)が、ノズル毎に使用されることができる。しかしながら、
図7Dによって提供される実施例に関連して、液滴が排出つぼ790によって収集されるようにプリントヘッドから下向きに(すなわち、3次元座標系789に対してz軸高さを表す「h」の方向に)放出される、具体的ノズル(例えば、ノズル788)によって生成される液滴体積を測定することが所望されると仮定されるはずである。典型的用途では、「h」の寸法は、典型的には、約1ミリメートルまたはそれ未満であり、動作プリンタ内でこのようにして個別に測定される個別の液滴を有するものである、何千ものノズル(例えば、10,000個のノズル)があることに留意されたい。したがって、精密に各液滴(すなわち、説明されたような約1ミリメートルの測定窓内で、大型プリントヘッドアセンブリ環境内で何千ものノズルのうちの具体的な1つから生じる液滴)を光学的に測定するために、ある技法が、光学測定のために相互に対して光学測定構成要素、プリントヘッドアセンブリ786、または両方を精密に位置付けるように、開示される実施形態で使用される。
【0070】
一実施形態では、これらの技法は、(a)光学較正/測定のために液滴を生成するものである任意のノズルに直接隣接して測定面積793を精密に位置付けるための(例えば、次元面792内の)測定システムの少なくとも一部のx-y運動制御(791A)、および(b)面下光学回復(791B)の組み合わせを利用する(例えば、それによって、広いプリントヘッド表面積にもかかわらず、任意のノズルの隣の測定面積の容易な配置を可能にする)。したがって、約10,000個またはそれを上回る印刷ノズルを有する例示的実施形態では、本運動システムは、プリントヘッドアセンブリの各個別のノズルの排出経路に近接して、(例えば)10,000ほどの離散位置に光学システムの少なくとも一部分を位置付けることが可能である。一実施形態では、連続運動システム、またはさらに微細な位置付け能力を有するシステムが使用されることができる。考慮される光学測定技法は、シャドウグラフィ、干渉法、および一度に多くの個別のノズルから液滴を光学的に測定する透明テープの使用を含む(すなわち、参照することにより組み込まれる、2015年8月31日に出願されたUSSN第14/840343号である、「Fast Measurement of Droplet Parameters in Industrial Printing System」についての米国特許公開第20150373305号を参照)。これらの技法のうちの最初の2つを用いると、飛行中の液滴を捕捉するよう(例えば、シャドウグラフィの場合は液滴の影を効果的に撮像するよう)、ま
たは(例えば、USSN第14/840343号によると)液滴がテープもしくは測定表面上に降着すると、精密な焦点が測定面積上で維持されるように、光学系が、典型的には定位置で調節される。典型的な液滴は、直径が約数ミクロンであり得るため、光学的配置は、典型的には、極めて精密であり、プリントヘッドアセンブリおよび測定光学系/測定面積の相対的位置付けの観点から課題を提示することに留意されたい。いくつかの実施形態では、本位置付けを支援するために、光学システムおよびプリントヘッドの相対的位置付けに干渉することなく、測定光学系が測定面積の近くに設置されることができるように、光学系(鏡、プリズム等)が、次元面792の下方で感知するための光捕捉経路を配向するために使用される。これは、内側で液滴が撮像されるミリメートル次数の堆積高さh、または監視されているプリントヘッドによって占有される大規模xおよびy幅によって制限されない様式で、効果的な位置制御を可能にする。干渉法ベースの液滴測定技法を用いると、異なる角度から小液滴に入射する別個の光線が、光路に略直交する視点から検出可能な干渉パターンを作成し、したがって、そのようなシステム内の光学系は、光源ビームの経路から約90度外れた角度からであるが、液滴パラメータを測定するよう、面下光学回復を利用する様式でも光を捕捉する。他の光学測定技法もまた、記述されるように使用されることができる。これらのシステムのさらに別の変異形では、運動システム791Aは、随意に、かつ有利なこととして、液滴測定中にプリントヘッドアセンブリを移動させることなく、液滴測定システムの選択的従事および離脱を可能にする、xyz運動システムであるように作製される。手短に紹介すると、1つまたはそれを上回る大型プリントヘッドアセンブリを有する、工業用加工デバイスでは、製造稼働時間を最大限にするために、各プリントヘッドアセンブリが、1つまたはそれを上回る保守機能を果たすように、時としてサービスステーションに「駐留させられる」であろうことが考慮され、プリントヘッドの純然たるサイズおよびノズルの数を考慮すると、プリントヘッドの異なる部品上で複数の保守機能を一度に果たすことが所望され得る。この趣旨で、そのような実施形態では、逆ではなくてプリントヘッドの周囲で測定/較正デバイスを移動させることが有利であり得る。[これは、次いで、例えば、所望であれば別のノズルに関する、他の非光学的保守プロセスの従事も可能にする。]これらの動作を促進するために、プリントヘッドアセンブリは、随意に、光学較正の対象となる具体的ノズルまたは一連のノズルを識別するシステムを用いて、「駐留させられる」ことができる。いったんプリントヘッドアセンブリまたは所与のプリントヘッドが静止すると、運動システム791Aは、具体的ノズルから噴出される液滴を検出するために好適な位置で測定面積793を精密に位置付けるために、「駐留させられた」プリントヘッドアセンブリに対して光学システムの少なくとも一部を移動させるように従事させられ、移動のz軸の使用は、プリントヘッドの面の十分に下方からの光回復光学系の選択的従事を可能にし、光学較正の代わりに、またはそれに加えて、他の保守動作を促進する。おそらく別様に記述すると、xyz運動システムの使用は、サービスステーション環境で使用される他の試験または試験デバイスから独立している、液滴測定システムの選択的従事を可能にする。本構造は、全ての実施形態に必要とされるわけではなく、プリントヘッドアセンブリのみが移動し、測定アセンブリが静止している、またはプリントヘッドアセンブリの駐留が必要ではない、他の代替案も可能であることに留意されたい。
【0071】
一般的に言えば、液滴測定に使用される光学部は、光源794と、(必要に応じて光を光源794から測定面積793に指向する)光送達光学部795の随意のセットと、1つまたはそれを上回る光センサ796と、液滴を測定するために使用される光を測定面積793から1つまたはそれを上回る光センサ796に指向する回復光学部797のセットとを含むであろう。運動システム791Aは、随意に、噴出されたインクを収集するように容器(例えば、排出つぼ790)も提供しながら、排出つぼ790の周囲の測定面積793から面下場所への液滴測定後の光の指向を可能にする様式で、排出つぼ790とともに、これらの要素のうちのいずれか1つまたはそれを上回る要素を移動させる。一実施形態では、光送達光学部795および/または光回復光学部797は、液滴進行と平行な垂直
寸法に沿って、光を測定面積793に/から指向する鏡を使用し、運動システムは、液滴測定中に一体的ユニットとして要素794、795、796、796、および排出つぼ790のそれぞれを移動させる。本設定は、焦点が測定面積793に対して再較正される必要がないという利点を提示する。数字791Cによって記述されるように、光送達光学部もまた、随意に、例えば、概して図示されるように、測定の目的のために排出つぼ790の両側で光を指向する、光源794および光センサ796の両方とともに、測定面積の次元面792の下方の場所から光源光を供給するために使用される。数字798および799によって記述されるように、光学システムは、随意に、集束の目的のためのレンズ、ならびに(例えば、多画素化「写真」の処理に依拠しない非撮像技法のための)光検出器を含むことができる。再度、光学アセンブリおよび排出つぼに対するz運動制御の随意の使用が、光学システムの随意の従事および離脱、ならびにプリントヘッドアセンブリが「駐留させられている」間の任意の時点で、任意のノズルに近接する測定面積793の精密な位置付けを可能にすることに留意されたい。プリントヘッドアセンブリ786のそのような駐留および測定システムのxyz運動は、全ての実施形態に必要とされるわけではない。例えば、一実施形態では、レーザ干渉法が、液滴特性を測定するために使用され、種々のノズルからの液滴を撮像するように、プリントヘッドアセンブリ(および/または光学システム)が、堆積面内で、またはそれと平行に(例えば、面792内で、もしくはそれと平行に)、いずれかで移動される。他の組み合わせおよび順列も、可能である。
【0072】
図8A-8Dは、基板上の1つまたはそれを上回るフラットパネルの加工のための問題を例証するために使用される。実施例が、基板に対するプリントヘッドのスキャン運動、(例えば、電子ディスプレイの)種々の電子構成要素をカプセル化するための技法、ピクセルウェルまたはバンクの範囲内の層の加工、および(例えば、そのようなバンクが存在しないときの)層縁外形管理のための技法を図示する、これらの種々の図の中で提示される。
【0073】
図8Aは、個々のパネル製品を表す、いくつかの鎖線のボックスを伴って、基板801を描写する。図の左下で見られる、1つのそのような製品は、参照数字802を使用して指定される。(一連の基板の中の)各基板は、一実施形態では、数字803によって表されるようないくつかの整合マークを有する。一実施形態では、2つのそのようなマーク803が、全体として基板に使用され、基板位置オフセット、回転誤差、およびスケール誤差の調節を可能にし、別の実施形態では、3つまたはそれを上回るそのようなマーク803が、傾斜および付加的タイプの誤差の調節を促進するために使用される。さらに別の実施形態では、各パネル(4枚の描写されるパネルのうちのいずれか等)が、マーク805等のパネル毎の整合マークを伴う。これらの整合マークは、パネルにつき、または製品につき、独立した誤差処理を行うために使用されることができる。再度、十分な数または密度のそのようなマーク(例えば、パネルもしくは他の製品につき3つまたはそれを上回る)が、非線形誤差の補償を可能にする。基板基準803に加えて、またはその代わりに、これらのマークがあり得る。さらに別の実施形態では、整合マークは、(例えば、卵形809によって表されるような)パネル位置に関係なく規則的間隔で複製される。いずれの方式が使用されたとしても、1つまたはそれを上回るカメラ806が、上記で参照される誤差を検出するために、整合マークを撮像するように使用される。1つの考慮される実施形態では、単一の静止カメラが使用され、プリンタの輸送機構(例えば、ハンドラおよび/または空気浮動機構)が、単一のカメラの視野内で各整合マークを順に位置付けるように基板を移動させる。異なる実施形態では、カメラは、基板に対して輸送するために運動システム上に搭載される。さらに別の実施形態では、以下で議論されるように、低および高倍率画像が撮影され、低倍率画像が、高解像度拡大のための基準を粗く位置付け、拡大画像が、プリンタ座標系に従って精密な基準位置を識別するために使用される。前述の議論を熟考して、一実施形態では、プリンタの輸送機構は、意図された位置の約1ミクロン以内まで運動を制御する。
【0074】
典型的実装では、印刷は、一度に基板全体の上に所与の材料層を堆積させるように(すなわち、複数の製品のための層を提供する単一の印刷プロセスを用いて)行われるであろう。これを例証するために、
図8Aは、基板の長軸に沿ったプリントヘッドの2つの例証的スキャン807および808を示し、分割軸プリンタでは、基板は、典型的には、前後に(例えば、描写される矢印の方向に)移動され、プリンタは、スキャンの合間にプリントヘッドを位置的に(すなわち、図面ページに対して垂直方向に)前進させる。スキャン経路は線形として描写されているが、これはいかなる実施形態でも必要とされないことに留意されたい。また、スキャン経路(例えば、807および808)は、被覆された面積の観点から隣接し、相互排他的として図示されているが、これもいかなる実施形態でも必要とされない(例えば、プリントヘッドは、必要に応じて印刷帯状部分に対して部分的基準で移動されることができる)。最終的に、また、任意の所与のスキャン経路が、典型的には、1回の通過で複数の製品のための層を印刷するように、基板の印刷可能な全長を通り越すことに留意されたい。各通過は、(歪曲または補正されるような)印刷グリッド発射マップに従ってノズル発射決定を使用し、各発射決定は、所望の液滴体積、軌道、および速度を生じるように、選択されプログラムされた波形を印加する。有利なこととして、(前述に紹介されたような)プリンタに内蔵されたプロセッサは、ノズル/液滴測定ならびにパラメータの適格化および更新の両方、基板あたりまたはパネルあたりの詳細の検出、テンプレート印刷計画の補正、およびノズル発射データのプログラミングを行う。いったん印刷が終了すると、基板および湿潤インク(すなわち、堆積させられた液体)は、(例えば、混合および定着を促進するために)静置することを可能にされ、次いで、永久層の中への堆積させられた液体の硬化または処理のために輸送されることができる。例えば、簡潔に
図7Aの議論に戻って、基板は、印刷モジュール705の中で適用される「インク」を有することができ、次いで、続いて、全て制御された雰囲気(すなわち、有利なこととして、湿気、酸素、オゾン、または粒子状物質汚染を阻止するために使用される、窒素もしくは他の不活性雰囲気)を壊すことなく、硬化チャンバ721に輸送されることができる。
【0075】
図8Bは、そのような環境内のOLEDパネルの加工のためのプロセスの一側面を図示することに役立つために使用される。具体的には、
図8Bは、構造が基板に追加された後の加工プロセスの以降の段階における基板を示し、有機カプセル化層が、これらの要素を覆って形成されるものである。アセンブリは、概して、数字811によって表され、また、共通基板上のパネルアレイを特徴とすると見なされる。1つのパネルに特有の特徴が、個別の文字、例えば、第1のパネルのための「A」、第2のパネルのための「B」等が後に続く、数字を使用して指定されるであろう。各パネル812A/Bは、異なる目的を果たす、いくつかの領域を有する。例えば、数字813A/813Bは、発光層(例えば、多くのピクセル)を含有するアクティブディスプレイエリアを指す。一般的に言えば、各アクティブ領域813A/Bは、ピクシレーション、および制御ならびに給電のため等の電気信号の関連付けられるルーティングを提供するために必要な電極およびルミネセンス層を含むであろう。アクティブ行列OLEDパネル設計に関して、アクティブ領域はまた、電流を選択された発光ルミネセンスピクセルに指向する、電気回路構成要素(例えば、コンデンサ、トランジスタ、導電線)も含有する。個別のパネルのアクティブ領域中の回路は、個別のパネルの端子ブロック817A/817Bと関連付けられる個別の端子(例えば、815A/B、816A/B)との電気接触を通して、給電および制御される。典型的には、カプセル化層は、端子ブロック817A/Bへの妨げられていない外部アクセスを可能にしながら、アクティブ領域のみを覆って(すなわち、エレクトロルミネセント材料を密閉するように)保護「ブランケット」を提供するであろう。したがって、カプセル化印刷プロセスは、間隙、穴、または他の欠陥を伴わずに、アクティブ領域(813A/813B)を確実かつ一様に被覆する一方で、端子ブロック817A/817Bを同時に確実かつ一様に被覆しない様式で、液体インクを堆積させなければならない。アクティ
ブ領域が、所望の層を形成するように堆積させられたインクを受容するであろう一方で、端子ブロックは、インクを受容しないであろう「露出領域」の一部を形成する。
図8Bでは、xyz座標系を表すための数字818の使用に留意し、アレイのxならびにy次元で複製される任意の数のパネルの存在を示すように、楕円の個別のセットを参照するための数字819の使用を参照されたい。
【0076】
図8Cは、カプセル化、例えば、OLEDディスプレイピクセルの発光または他のアクティブ層を受容するであろう、下層電子構成要素の表面トポグラフィを図示するために使用される。
図8Cは、
図8Bからの矢印C-Cに沿って得られたアセンブリ811の断面図を描写する。具体的には、本図は、パネルAと関連付けられる基板の面積、パネルAのアクティブ領域813A、およびアクティブ領域への電子接続を達成するために使用されるパネルAの伝導性端子(815A)を示す。図の小さい楕円領域821は、基板812Aの上方のアクティブ領域中の1つのピクセルウェルのための層を図示するように、図の右側で拡大されて見られる。これらの層は、それぞれ、アノード層829と、正孔注入層(「HIL」)831と、正孔輸送層(「HTL」)833と、放射性または発光層(「EML」)835と、電子輸送層(「ETL」)837と、電子注入層(「EIL」)838と、カソード層839とを含む。正孔遮断層、電子遮断層、偏光子、障壁層、プライマ、および他の材料等の付加的層もまた、含まれることができる。いったん完成されると、OLEDデバイスは、概して、以下のように動作するであろう。順方向バイアス電圧(カソードに対して正のアノード)の印加が、アノード829からの正孔注入およびカソード層839からの電子注入をもたらすであろう。これらの電子および正孔の再結合は、続いて、光の光子の放射を伴って基底状態に緩和する、発光層835材料の励起状態の形成をもたらす。「底部発光」構造の場合、光は、正孔注入層831の下に形成される透明アノード層829を通って出射する。一般的なアノード材料は、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)から形成されることができる。底部発光構造では、カソード層839は、反射性かつ不透明である。一般的な底部発光カソード材料は、典型的には、100nmを上回る厚さを伴うAlおよびAgを含む。上部発光構造では、放射光が、カソード層を通ってデバイスから出射し、最適な性能のために、アノード層は、高度に反射性であり、カソードは、高度に透明である。一般的に使用される反射アノード構造は、高反射性金属(例えば、AgまたはAl)を覆って形成され、効率的な正孔注入を提供する、透明伝導層(例えば、ITO)を伴う層状構造を含む。良好な電子注入を提供する、一般的に使用される透明上部発光カソード層材料は、Mg:Ag(約10:1の原子比率を伴って10~15nm)、ITO、およびAg(10~15nm)を含む。HIL831は、典型的には、アノード層829から正孔を容易に受け入れ、HTL833層に正孔を注入する、透明な高仕事関数材料である。HTL833は、HIL831層から受容される正孔をEML層にパスする、別の透明な層である。電子は、カソード層839から電子注入層(EIL838)に提供される。電子輸送層の中への電子注入の後には、正孔との再結合が後続の光の放射後に起こる、電子輸送層からEMLへの注入が続く。発光色は、EML層材料に依存し、フルカラーディスプレイに関して、典型的には、赤、緑、または青である。発光強度は、デバイスに印加される駆動電圧に依存する、電子・正孔再結合率によって制御される。
【0077】
記述されるように、アクティブ領域中の層は、酸素および/または湿気への暴露を通して劣化させられ得る。したがって、これらの層の面(822)および側面(823)の両方の上で、これらの層をカプセル化することによって、OLED寿命を増進することが所望される。カプセル化の目的は、記述されるように、耐酸素および/または湿性障壁を提供することである。本明細書に開示される技法はまた、有機発光層を堆積させるために使用されることに加えて、カプセル化層の加工に使用されることもできる。すぐ以下で議論される
図8Dが、ピクセルバンクまたは「ウェル」の範囲内の層加工について議論する一方で、
図9Aは、カプセル化層加工について議論するために使用されるであろう。
【0078】
図8Dは、概して、数字841によって表される、ピクセルウェルの実施例を示す。鎖線のボックス843は、本ピクセルウェルが、基板上で画定される多くのそのようなウェル(例えば、本実施例では、赤色、緑色、および青色画素毎に別個のピクセルウェルを伴う、HDTV画面の場合、何百万ものウェル)の一実施例にすぎないことを示す。数字847は、中心領域845内で印刷された液体を「せき止める」役割を果たす構造隆起を識別し、すなわち、ピクセルの発光要素を形成するために、導体は、最初に、領域843の全体を通して(または領域845内の点に電気接触を提供し、次いで、隆起が本構造を覆って構築される様式で)堆積させられることができ、
図8Cに関連して上記で識別される層のうちの種々のもの等の発光要素は、次いで、ウェル内で液体として堆積させられ、永久層を形成するように処理される。そのようなウェル内で、良好な層均一性を有することが所望され、上記で提示される技法は、有利なこととして、さらにこの目的のために使用される。
【0079】
全ての層が閉じ込め構造内で堆積させられる、例えば、カプセル化層が、いくつかの用途では、表示デバイスのピクセル等の多くの電子構成要素に跨架するように堆積させられ得ることに留意されたい。いくつかの設計では、閉じ込めバンク構造(またはフォトリソグラフィ構造)が、随意に、上記で議論されるピクセルの場合と同様に使用されることができるが、これは、全ての設計にそうである必要はない。例えば、多くの電子ディスプレイ設計では、堆積プロセスの一部として自然な境界または遷移を形成するよう、層を堆積させることが可能である。
【0080】
前述のように、境界領域において鮮明な直線状の縁を提供することが頻繁に所望される。例えば、簡潔に
図5Bに戻って(すなわち、数字565参照)、インク密度が正確に層周辺まで一貫した基準で維持される場合、インクの表面張力は、液体インクに「角」または「コウモリの耳」を形成させ得る。
図9A-9Gは、例えば、層の縁に隣接する層の部分において体積/面積の「スケーリング」を調節することによって、本影響および関連影響を軽減するために、境界領域においてインク密度を変動させるための技法について議論するために使用される。本スケーリングは、これらの領域中の厚さをカスタマイズし、設計に関連するような縁高さを増加または減少させるように、行われることができる。一実施形態では、本技法は、意図された印刷面積の縁または隅の近傍の液滴密度のスケーリングを低減させることを伴う。別の実施形態では、液滴サイズは、これらの利益を達成するように別様に制御/カスタマイズされる、変動された(例えば、拡大縮小された)または局所的に堆積させられたインク体積であることができる。
【0081】
図9Aは、カプセル化902が基板に追加されており、境界またはテーパが(例えば、閉じ込め構造内の堆積の代わりに)使用されるものである、凝集構造901を示す。カプセル化902は、ここでは、(
図8Cからの)基板812Aに対して面822および側方縁823を封入し、カプセル化は、下層のアクティブ層よりも広い堆積面積を占有するように側方に延在することに留意されたい。本面積の末端において、カプセル化は、側方縁を封入/密閉し、末端815Aを露出したままにすることに役立つように、テーパまたは境界領域を形成する。この場合の境界領域は、着目層のための標的領域(例えば、電子構成要素がカプセル化される面積)と、着目層が形成されない面積(例えば、末端が露出される面積、または製品もしくは基板縁)との間の遷移を提供する。これは、拡大楕円領域907内で
図9Aの左側に描写されている。本拡大図で見られるように、カプセル化は、いくつかの薄い層、例えば、湿気および酸素に対する障壁を提供する交互の有機ならびに無機層を備える。有機カプセル化層は、有利なこととして、上記で紹介される技法を使用して堆積させられることができ、各個々の層の厚さは、記述される技法を使用して調整される。特定の有機カプセル化層909に対して、第1の領域911は、記述される電極および上記で議論される他のOLED層等の下層構造の上を覆う。第2の領域913は、緩
衝領域として、すなわち、第1の領域911と平面的である実質的に一様な表面915を維持するように、動作する。随意に、堆積させられた厚さは、領域911および913の両方の中で同一であることができるが、これは、全ての堆積プロセスにそうである必要はない。領域に関係なく、本明細書に説明される技法を使用するインクジェット印刷プロセスが、厚さを制御し、少なくとも構造がカプセル化され、また、随意に、第2の緩衝領域913の中にある、特定のカプセル化層909の一様性を助長するために使用されることができる。最終的に、第3の勾配または境界領域917は、(例えば、アクティブ領域のための電気端子を提供するように)下層基板の露出面積への遷移を表す。数字919は、露出基板に遷移する際のカプセル化表面内の関連付けられるテーパを示す。
【0082】
図9Bは、本明細書に説明される技法が層縁を成形するために適用されることができる方法を図示する、グラフ921を表す。そのような技法は、閉じ込め構造が使用されない場合に特に有用であるが、当然ながら、閉じ込め構造内でそのような技法を使用することも随意である。より具体的には、加工された6.0ミクロンカプセル化層のスタイラス粗面計測定を使用して取得された、3つの曲線923、925、および927が、
図9Bで表される。これらの曲線の間の差は、意図された層の側方縁に当接する面積内の基板の単位面積(「印刷セル」)に適用される密度によって生成された。曲線923によって表される基準に対して、曲線925は、印刷セルのためのインク体積/密度が、カプセル化層内の境界に接近して(例えば、カプセル化層周辺の前で)減少させられる、プロセスを表す。対照的に、曲線927は、インク体積/密度が同一の境界に当接する印刷セルについて増加させられる、プロセスを表す。結果として生じた層厚さは、境界のわずかに直前で、例えば、2,000μおよび17,000μのx位置において、実際に増加することに留意されたい。境界領域のためのインク体積/密度または他の詳細を調節することによって、設計者は、一様な層厚若しくは表面を提供する、または遷移を円滑化もしくは増進する目的のためを含む、所望の様式で層境界における縁蓄積を調節することができる。層縁に隣接するインク蓄積の量は、表面張力(および温度へのその依存性)等のインク性質に大部分が依存し、本明細書に説明される調節原理のうちの非常に多くが、本蓄積を調整するために使用され得ることに留意されたい。例えば、いくつかのインクが、リップまたはいわゆる毛管隆起(例えば、曲線927の点929において表されるような)を自然に形成し得、そのような場合において、本明細書に説明される体積/液滴密度調節プロセスは、例えば、永久層の外形が曲線923により密接に合致するように、スケーリング値を減少させること、または層縁に当接する印刷セルの調節もしくは補正係数を別様に追加することによって、最終的な層の厚さを調整することに役立つために、本リップを除去するよう適用されることができる。他のプロセスもまた、例えば、境界領域中の「より大きい」または「より小さい」液滴サイズ、もしくは境界に接近して「傾斜」している複数の液滴サイズ、または(例えば、液滴が縁外形を調整するためにパターンから選択的に除去される)パターン修正技法を使用して、同一の趣旨で使用されることもできる。多くの他の技法が、当業者に想起されるであろう。
【0083】
インクの拡散特性は、広範囲の基準で層縁および隅の鮮明さに潜在的に影響を及ぼし得、例えば、ドットゲインが増加する(すなわち、インクが過剰に拡散する)と、そのような鮮明さを制御することがより困難になる。したがって、上記で紹介されたように、インク体積、液滴密度、および/または液滴サイズもしくは密度は、縁または隅において、もしくはそれに隣接して変動されることができる。
【0084】
図9Cは、グリッド点が示されていない、堆積させられた層933の隅939における効果を図示するために使用される描写931を提供する。薄膜を生成するために、インク体積/液滴密度は、層縁の近傍にない、意図された層(933)の部分に対して面積935および937内で、比較的まばらにされることができ、これは、上記で議論される「角」または「コウモリの耳」を軽減する(例えば、
図5Bおよび9B参照)ことに役立つ。
しかしながら、拡散特性に応じて、まばらなインク堆積が領域935、937、および939中で使用される場合、関連付けられる「低い」インク体積/密度が、とがった縁を生成し得る。したがって、面積935、937、および939内のインク体積(例えば、液滴サイズ、液滴の密度等)もまた、意図的に増加させられることができる、または堆積詳細が、縁の線形性を改良するように別様に改変されることができる。代替として、(例えば、液滴体積を変動させるよう選択される)代替的ノズル駆動波形を使用する、有効グリッド間隔の専用スキャン通過、または本明細書に説明される技法もまた、同一の趣旨で適用されることができる。
【0085】
図9Dは、OLEDパネルとの関連で層縁における材料厚さを調節する、1つの処理技法を図示することに役立つために使用される描写941を提供する。例えば、議論されるもの等のカプセル化プロセスでは、任意の下層の敏感な材料層の信頼性のある縁密閉を提供するために、計画されたカプセル化周辺まで、固化された層において一貫した厚さを確実にすることが望ましくあり得る。基板は、平面図で観察されるが、電気端子の描写は省略されている。有機カプセル化層が下層基板を覆って正しく印刷されるように、プロセスを整合させるための基準951の使用に留意されたい。カプセル化層が堆積させられる基板地形は、(例えば、
図9Aに関連して上記で議論されるような数字911および913の使用にほぼ対応する)面積943および945を備えると見なされる。堆積させられたインクの拡散およびそのインクの表面エネルギー/張力の影響を考慮して、所望されない縁効果を有するのではなく、インク体積/面積または液滴密度のスケーリングが、本実施形態では、意図された層の縁に沿って調節されることができ、そうする際に、基板/層周辺における縁外形を改変する。例えば、領域945内のスケーリングは、随意に、境界に接近する面積内のインク体積を増加させるよう、
図9Dの左で見られるグレースケール値によって描写されるように増加されることができる、または補正係数が、体積の計画に追加されることができる。この点に関して、(それぞれ0~255の値によって表される)基板の各単位面積は、最初に、例えば、本実施例では仮想的グレースケール値「220」によって表される、特定の厚さと関連付けられ得ることに留意されたい。インク拡散に起因して、(例えば、領域945と947との間の境界における)遷移が不十分な被覆を提供することが実験的に判定される場合、グレースケール値は、例えば、領域945および関連付けられるスケーリング値954に対応する、例えば、層周辺を表す標的領域の1つまたはそれを上回る行もしくは列の値を(例えば、
図9Dでは「220」から「232」に)増加させることによって、軽減を提供するように選択的に増加されることができる。補正は、補正画像または発射マップとして(例えば、補正が、用途に応じて、プロセス、温度、インク、および他の因子の関数として変動し得るため)事前に記憶されることができる、または別様に元のノズル発射命令もしくは他の記憶されたデータに組み込まれることができる。前述に参照された米国特許第8995022号に説明される技法に関連して、これらのグレースケール値は、液滴密度(例えば、ハーフトーン密度)を選択するために使用されることができる。代替として、これらの値は、ノズル群に印加される波形を調節(または選択)するために、第2の実施形態で使用されることができる。複数の境界条件、例えば、2つの境界の交差が存在する場合、隅の標的領域955の「240」の描写されるグレースケール値等のさらなる調節を提供することが所望され得ることに留意されたい。明らかに多くの可能性が存在し、
図9Dによって例示されるようなグレースケール値の使用は、全ての実施形態に要求されるわけではない。これらの境界領域中の体積/面積、液滴体積、および/または液滴密度を調節する(もしくは別様に事前測定された特性に応じて有効インク体積を調節する)ことによって、上記で紹介される技法は、例えば、フラットパネルデバイスの縁密閉を促進するように、問題になっている特定の堆積プロセスに好適な任意の様式で、層縁に対するカスタマイズされた制御を可能にする。また、ソフトウェアが層縁からの画定された距離内の印刷セルを検出する任意の時間に、ソフトウェアが調節された液滴サイズ/密度スケーリングを自動的に提供することも可能であることに留意されたい。以下で示されるであろうように、所望の実施形態または効果に応じて
、そのような体積/密度調節に加えて、もしくはそれに加えてのいずれかで、「フェンシング」の随意の技法も採用されることができる。
【0086】
縁蓄積(または層厚さの他の遷移)を調整する特定の技法の選択が、いくつかの因子に応じて設計者によって行われることができる。例えば、液滴密度の調節は、典型的層厚さが印刷グリッドに対する中間密度を伴うプリントヘッドスキャンを(特定の層堆積プロセスのために)を前提とする場合に、すなわち、(例えば、縁の面積内の「ブランケット」基板被覆を損なうことなく)インク体積/面積を修正する上部空間が存在するように、意味を成し得る。逆に、(液滴密度を変動させることなく)印刷液滴サイズを変動させることは、着目面積内の「ブランケット」基板被覆にも影響を及ぼすことなく、(より大きいまたはより小さいサイズに)液滴サイズを変化させる能力を有する場合に効果的であり得る。ともに採用されると、これらの技法は、ほぼあらゆる所望の目標を満たす、縁外形を生成するために極めて強力であり得る。
【0087】
図9Eは、縁完全性を改良する「フェンシング」を図示することに役立ち、一様な層厚さの中心領域963と、「調節された」インク体積/面積、液滴密度、または液滴サイズの(すなわち、縁蓄積を回避するよう選択される)境界領域965と、縁一様性を提供するように選択されるフェンシングクラスタのセット967とを有するものである、基板961の一部を示す。おそらく別様に記述すると、中心領域963は、実質的なインクの面積を表し、境界領域965は、中心領域に対する調節されたインク体積または密度の面積を表し、フェンシングクラスタ967は、最終的な層内で鮮明で明確に画定された層縁を提供するように選択される比較的高密度のインクパターンを表す。テーパ縁のランダムでよりまばらな構造内の固定構造の混合は、インク体積が縁に接近して過剰に拡張された場合に、より少ない凸凹につながり、より大きい空隙の可能性を低減させるであろうことが考えられる。代替的設計では、フェンシングクラスタは、中心領域に直接隣接して(例えば、クラスタと中心領域との間に境界領域を伴わずに)設置されることができる、または中心領域自体の一部(すなわち、縁)にされることができる。これらの実施例によって理解されるはずであるように、縁蓄積を調整する、および/または所望の縁特性を提供するために、付加的密度変動に依拠する、多くの変形例が可能である。
【0088】
境界領域のグレースケール値を調節することに加えて、そのような領域に適用される印刷液滴発射決定の場所またはパターンを調節すること、すなわち、局所発射決定を修正し、よって、縁の近傍で「傾斜」液滴パターンを提供することも可能であることに留意されたい。例えば、
図9Fは、領域が堆積させられた膜の隅を表す場合に使用され得る例示的印刷グリッドパターン981を示す。
図9Fは、印刷グリッドのその参照において、
図3A-3C、3E、および5Bに類似する。
図9Fで表される特定の液滴パターンは、
図5Bで見られるパターンに類似する(すなわち、25個の可能性として考えられる液滴のうちの13個が放出される)インク体積を表す。しかしながら、
図9Fのパターンが、基板の上縁983および膜の左縁985に沿った液滴の比較的高密度の使用を特徴とする一方で、内部領域987は、すなわち、比較的鮮明な左および上縁を生成するように、比較的まばらなままにされる。そのような技法は、完成した層の縁外形をカスタマイズするために、前述に参照された液滴サイズおよび/またはグリッド間隔ならびに/もしくは他の堆積詳細の本変動を促進するように組み合わせられることができる。
図9Gによって表される変異形では、可変液滴サイズもまた、本目的のために使用されることができ、例えば、印刷グリッドパターン991は、例えば、フェンシングを提供するように、または他の効果のために、パターンの周辺における大型液滴サイズ選択(995)を特徴とすることができる一方で、より小さい液滴サイズ(993)またはまばらな液滴発射(例えば、987)が、パターン内の他の部分において使用されることができる。
【0089】
種々の縁カスタマイズ、フレーミング、または「フェンシング」技法の使用は、全ての
実施形態に要求されるわけではなく、これは、特定の適用、インク、およびプロセス技術のための最良の方略を判定する当業者の能力内であることに留意されたい。また、
図9A-Gの実施例の焦点は、カプセル化層となっているが、これらの同一の原理は、任意の所望の層の形成に適用されることができる。例えば、説明される印刷原理は、例えば、例証として、個別のピクセルウェルを伴って、または別のパターン化もしくは非パターン化基準で、OLEDデバイスのHIL、HTL、EML、ETL、または他の層のうちのいずれかを加工するために使用され得ることが明白に考慮される。
【0090】
上記で提示される技法を熟考すると、説明されているものは、本来、インクの層を表す離散液滴として堆積させられた、処理された固化層の均一性を改良するためのプロセスのセットである。説明される様式での印刷プロセスおよびパラメータ調節の慎重な制御を通して、局所的に一様なインク体積を提供するように液滴を堆積させ、ウィッキングおよび関連付けられる層欠陥に対して軽減する様式で隣接する液滴の混合を制御さえする様式で、事前に印刷詳細を計画することが可能である。インク拡散を含む期待液滴特性に基づいて、プロセスを自動的に調節することによって、印刷速度を改良し、かつ別様に可能であろうよりも均一な層を別様に提供し、それによって、層品質および製品品質を改良し、最終的に製造費を低減させることが可能になる。
【0091】
本開示は、具体的には、電子デバイス加工および電子フラットパネル加工を大いに増進する、システム、方法、サービス、ならびにソフトウェアの具体的実施例を提供することを理解されたい。これらの技法は、システム、商品またはソフトウェア、もしくは他の形態の実装に拡張されることができる。
【0092】
他の用途が、上記で提供される教示に照らして、または以下に記載される請求項によって定義される本発明に照らして、電子デバイス加工のための印刷プロセスになじみのある者に容易に想起されるであろう。故に、前述の議論は、例証的にすぎないことが意図され、それでもなお、以下の請求項およびその均等物のみによって限定されて定義される本開示の範囲内である、他の設計、使用、代替物、修正、および改良も可能である。