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特許7278656CYBBレンチウイルスベクター、レンチウイルスベクター形質導入幹細胞、ならびにそれらの調製方法及び適用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-12
(45)【発行日】2023-05-22
(54)【発明の名称】CYBBレンチウイルスベクター、レンチウイルスベクター形質導入幹細胞、ならびにそれらの調製方法及び適用
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/867 20060101AFI20230515BHJP
   C12N 7/01 20060101ALI20230515BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20230515BHJP
   C12N 5/0789 20100101ALI20230515BHJP
   C12N 15/53 20060101ALI20230515BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20230515BHJP
   A61K 38/44 20060101ALI20230515BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20230515BHJP
【FI】
C12N15/867 Z ZNA
C12N7/01
C12N5/10
C12N5/0789
C12N15/53
A61K35/76
A61K38/44
A61P37/04
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021561696
(86)(22)【出願日】2020-04-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-20
(86)【国際出願番号】 CN2020085243
(87)【国際公開番号】W WO2020211828
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-12-10
(31)【優先権主張番号】201910310154.3
(32)【優先日】2019-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520319705
【氏名又は名称】ベイジン・メイカン・ジーノ-イミューン・バイオテクノロジー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BEIJING MEIKANG GENO-IMMUNE BIOTECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room B104, 1st Floor, No. 5,Kaituo Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン,シュオ
【審査官】平林 由利子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08551773(US,B2)
【文献】中国特許出願公開第108728494(CN,A)
【文献】特表2006-515993(JP,A)
【文献】国際公開第2009/012959(WO,A1)
【文献】カナダ国特許出願公開第2051085(CA,A1)
【文献】BLOOD, 2011, 117(21):5561-5572
【文献】NIH, ClinicalTrials.gov archive, Hisry of Changes for Study: NCY03645486 Lentiviral Gene Therapy for CGD, [online], First Posted Aug. 24, 2018, [2022.11.09検索], <UTL:https://clinicaltrials.gov/ct2/histry/NCT03645486?A=1&B=1&C=merged>
【文献】Jpn. J. Clin. Immunol., 2014, 37(6):437-446
【文献】BLOOD, 2010, 116(6):900-908
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 1/00- 7/08
C12N 15/00-15/90
A61K 35/00-35/768
A61K 38/00-38/58
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
UniProt/GeneSeq
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンデムに編成されたhEF1αプロモータ及びCYBBを含み、
hEF1αプロモータが、配列番号1に示される核酸配列を有するレンチウイルスベクター。
【請求項2】
CYBBが、配列番号2に示されるアミノ酸配列及び配列番号3に示される核酸配列を有する、請求項に記載のレンチウイルスベクター。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のレンチウイルスベクターが導入されたレンチウイルス。
【請求項4】
請求項に記載のレンチウイルスで形質導入された宿主細胞。
【請求項5】
幹細胞を含む、請求項に記載の宿主細胞。
【請求項6】
幹細胞が、造血幹細胞を含む、請求項に記載の宿主細胞。
【請求項7】
請求項のいずれか一項に記載の宿主細胞を調製するための方法であって、以下のステップを含む、方法:
(1)請求項1又は2に記載のレンチウイルスベクターを構築するステップ、
(2)ステップ(1)で得られたレンチウイルスベクター及びパッケージングプラスミドを哺乳動物細胞に共形質導入することにより、レンチウイルスパッケージングを実施し、レンチウイルスを得るステップ、及び
(3)ステップ(2)で得られたレンチウイルスを宿主細胞のゲノムに形質転換するステップ。
【請求項8】
ステップ(1)における構築が、hEF1αプロモータ及びCYBBを、制限酵素消化によってTYFレンチウイルスベクターに挿入することによって実施される、請求項に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(2)におけるパッケージングプラスミドが、pNHP及びpHEF-VSVGを含む、
好ましくは、ステップ(2)における哺乳動物細胞が、293T細胞を含む、
請求項に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(2)の後にレンチウイルスを精製するステップをさらに含み、
好ましくは、前記精製が、前記レンチウイルスを濾過し、遠心分離し、及び濃縮することによって実施され、
好ましくは、ステップ(3)における宿主細胞が、幹細胞を含み、
好ましくは、前記幹細胞が、造血幹細胞を含む、
請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
以下のステップを含む、請求項10のいずれか一項に記載の方法:
(1)hEF1αプロモータ及びCYBBを、制限酵素消化によってTYFレンチウイルスベクターに挿入して、レンチウイルスベクターを構築するステップ、
(2)ステップ(1)で得られたレンチウイルスベクターならびにパッケージングプラスミドpNHP及びpHEF-VSVGを293T細胞に共形質導入することによって、レンチウイルスパッケージングを実施してレンチウイルスを得、そして前記レンチウイルスを精製して濃縮レンチウイルスを得るステップ、及び
(3)ステップ(2)で得られたレンチウイルスを造血幹細胞のゲノムに形質転換するステップ。
【請求項12】
医薬組成物であって、請求項1又は2に記載のレンチウイルスベクター、請求項に記載のレンチウイルス及び請求項のいずれか一項に記載の宿主細胞からなる群のうちのいずれか1つ又は少なくとも2つの組み合わせを含む、医薬組成物。
【請求項13】
薬学的に許容される担体、賦形剤及び希釈剤からなる群のうちのいずれか1つ又は少なくとも2つの組み合わせをさらに含む、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
好ましくは、慢性肉芽腫症を含む疾患の治療薬の製造における、請求項1又は2に記載のレンチウイルスベクター、請求項に記載のレンチウイルス、請求項のいずれか一項に記載の宿主細胞又は請求項12に記載の医薬組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遺伝子工学の技術分野に属し、レンチウイルスベクター、レンチウイルスベクターが形質導入された幹細胞、ならびにその調製方法及び用途に関し、詳細には、CYBBレンチウイルスベクター、レンチウイルスベクターが形質導入された幹細胞、ならびにその調製方法及び用途に関する。
【背景技術】
【0002】
慢性肉芽腫性疾患(CGD)は、好中性顆粒球及び単球におけるNADPHオキシダーゼの機能の喪失によって引き起こされる遺伝性かつ原発性の免疫不全疾患である。それは、患者における反復感染、炎症及び自己免疫を特徴とする。NADPHオキシダーゼは、p47phox、p40phox、p67phox及びgp91-phoxからなり、任意の部分の機能の喪失が、CGDを引き起こす。ほとんどの患者は、gp91-phox変異によるX染色体伴性劣性遺伝であり、少数は、常染色体劣性遺伝である。患者は、しばしば家族歴を有し、その症状は、しばしば小児に見られる。シトクロムbのgp91-phoxサブユニット遺伝子に変異を有する患者が最も一般的であり、患者の総数の約65%を占める。変異したgp91遺伝子はCYBB(MIM306400)と命名され、これは13個のエクソンを含有し、X染色体xp21.1上に位置し、約30kbを占有する。
【0003】
NADPHオキシダーゼ複合体は、膜結合タンパク質及び細胞質タンパク質からなる。それらは、食細胞活性化中に相乗効果を有し、活性酸素種(ROS)の産生を補助して細菌及び真菌を死滅させる。一般に、正常顆粒球は、細菌を貪食し、脱顆粒して過酸化水素を生成し、ヨウ素化合物及び塩素化合物を酸化してヨウ素及び塩素を遊離させる新しい生態学的酸素を放出し、それによって完全な過酸化水素-ペルオキシダーゼ-ヨウ化物イオン殺菌系を達成する。しかしながら、CGD患者は、過酸化水素を産生することができず、NADPHオキシダーゼ欠損に起因してインビボで殺菌効果を発揮することができず、その結果、化膿性感染が身体の様々な部分で繰り返し発生し、これは、化膿性リンパ節炎、鼻炎及び副鼻腔炎、ならびに心膜、肺、肝臓及び神経系における化膿性炎症につながる。患者は、皮膚肉芽腫、湿疹皮膚炎、肝腫及び脾腫、ならびに罹患器官において色素脂質を含有する組織球によって形成される肉芽腫を示し得る。ほとんどの患者は、若年時に重度の感染症で死亡する。[参考文献7]
【0004】
現在、CGDを完全に治癒させる唯一の方法は、造血幹細胞移植である。しかしながら、適切なドナーを見つけることは、問題のうちの1つにすぎない。移植前処置の化学療法用量、移植時の患者の感染状態、移植後のGVHDのコントロール及び移植後のCGD患者の免疫系の再構築能が、移植の成功に影響を与える主要な因子である[参考文献8]。
【0005】
CGDは、単一の遺伝子変異によって引き起こされる疾患であるため、遺伝子治療は、別の潜在的な処置法である。現在、中国及び海外での多くの研究により、ウイルスベクターを使用する遺伝子治療応用が報告されている。しかしながら、異なるウイルスベクター又は同じウイルスベクターの異なる調製方法でさえも、遺伝子送達効率が有意に異なることが多く、遺伝子治療の治療効果に直接影響を及ぼす。現在、遺伝子疾患のためのほとんどの細胞及び遺伝子治療方法は、効率の問題を有しており、これらの方法は、血液幹細胞にのみ適用可能であり、臨床効果は、予想通りではない[参考文献8]。
【0006】
韓国における第I相及び第II相臨床試験では、ベクターとしてレトロウイルスを使用した。有意な副作用は示されなかったが、遺伝子改変細胞は、患者において長期間持続することができなかった[参考文献9]。Ravinらは、CGD患者における変異CYBB遺伝子を修復するためにCRISPR-Cas9を使用した。しかしながら、CRISPR-Cas9システムは、標的化の問題及び潜在的な安全上の危険を有する。さらに、この方法は、厳しい条件及び高い確立コストを必要とし、結果は不安定である[参考文献10]。
【0007】
レンチウイルスベクター媒介自己幹細胞遺伝子治療は、X連鎖重症複合免疫不全症(X-SCID)、β-サラセミア及び鎌状赤血球症(SCD)などの疾患の治療に首尾よく適用されている。1990年以来、血友病の遺伝子治療におけるアデノウイルスベクターの使用が試みられているが、動物実験では、凝固因子の生涯連続発現について肯定的結果が報告されていない。この方法の困難性は、ベクターによって引き起こされる免疫応答、外因性遺伝子を効率的及び連続的に発現することができないことならびに外因性遺伝子を適切な領域で発現することができないことに起因し得る。過去10年において、多くの臨床遺伝子治療試験は、そのウイルス特性が、がん遺伝子の近くのプロモータ領域への組み込み及び導入遺伝子サイレンシング機構を含み、したがって安全性が低く、及び長期持続性が欠如しているガンマオンコレトロウイルスベクターを使用する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】Douglas B.Kuhns et al.(2010)Residual NADPH Oxidase and Survival in Chronic Granulomatous Disease.The New England Journal of Medicine 363,2600-2610.
【文献】Danielle E.Arnold and Jennifer R.Heimall.(2017)A Review of Chronic Granulomatous Disease.Advances in Therapy 34,2543-2557.
【文献】Hyoung Jin Kang et al.(2011)Retroviral Gene Therapy for X-linked Chronic Granulomatous Disease:Results From Phase I/II Trial.Molecular Therapy 19,2092-2101.
【文献】De Ravin et al.(2017)CRISPR-Cas9 gene repair of hematopoietic stem cells from patients with X-linked chronic granulomatous disease.Science Translational Medicine 9,eaah3480.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、高い遺伝子送達効率を有し、及びCGDの治療効果を改善するために幹細胞を標的化するのに適したウイルスベクターが、緊急に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
先行技術における欠点を考慮して、本開示は、CYBBレンチウイルスベクター、レンチウイルスベクターを形質導入された幹細胞、ならびにその調製方法及び適用を提供する。レンチウイルスベクター中のhEF1αプロモータは、CGDに関連する遺伝子であるCYBBの発現を開始させる。レンチウイルスベクターは、安全性が良好で遺伝子導入効率が高く、それにより、CGDの治療効果を改善させるための基盤となる。
【0011】
これを達成するために、本開示は、以下の技術的解決策を採用する。
【0012】
第1の態様では、本開示は、タンデムに編成されたhEF1αプロモータ及びCYBBを含むレンチウイルスベクターを提供する。
【0013】
本開示では、hEF1αプロモータの開始下で、CYBB遺伝子を保有するレンチウイルスベクターは、安全性を確保しながら効率的な遺伝子送達を達成し、これはトランスジェニック細胞におけるCYBB遺伝子の発現量を増加させるのに有益である。
【0014】
好ましくは、hEF1αプロモータは、配列番号1に示される核酸配列を有する。
【0015】
配列番号1の核酸配列は、以下である:
【0016】
【化1】
【0017】
好ましくは、CYBBは、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有する。
【0018】
配列番号2のアミノ酸配列は、以下である:
【0019】
【化2】
【0020】
好ましくは、CYBBは、配列番号3に示される核酸配列を有する。
【0021】
配列番号3の核酸配列は、以下である:
【0022】
【化3】
【0023】
第2の態様では、本開示は、第1の態様に記載のレンチウイルスベクターと共に導入されるレンチウイルスを提供する。
【0024】
第3の態様では、本開示は、第2の態様に記載のレンチウイルスで形質導入された宿主細胞を提供する。
【0025】
好ましくは、宿主細胞は、幹細胞を含む。
【0026】
本開示の幹細胞は、CYBB遺伝子を保有するレンチウイルスベクターを輸送するための送達ビヒクルとして使用されることにより、分化幹細胞又は未分化幹細胞におけるCYBB遺伝子の発現効率及び発現量が改善する。
【0027】
好ましくは、幹細胞は、造血幹細胞を含む。
【0028】
本開示によれば、造血幹細胞は、血液又は骨髄に由来し、一連の体性造血細胞に分化する能力及び様々な組織球を再生する能力を有する。本開示の造血幹細胞は、CGDの遺伝子治療を達成するために、CYBB遺伝子を含有するレンチウイルスを保有するための潜在的な輸送ツールとして使用される。
【0029】
第4の態様では、本開示は、第3の態様に記載の宿主細胞を調製するための方法であって、以下のステップを含む、方法を提供する:
(1)第1の態様に記載のレンチウイルスベクターを構築するステップ、
(2)ステップ(1)で得られたレンチウイルスベクター及びパッケージングプラスミドを哺乳動物細胞に共形質導入することにより、レンチウイルスパッケージングを実施し、レンチウイルスを得るステップ、
(3)ステップ(2)で得られたレンチウイルスを宿主細胞のゲノムに形質転換するステップ。
【0030】
好ましくは、ステップ(1)における構築は、hEF1αプロモータ及びCYBBを、制限酵素消化によってTYFレンチウイルスベクターに挿入することによって実施される。
【0031】
好ましくは、ステップ(2)におけるパッケージングプラスミドは、pNHP及びpHEF-VSVGを含む。
【0032】
好ましくは、ステップ(2)における哺乳動物細胞は、293T細胞を含む。
【0033】
好ましくは、本方法は、ステップ(2)の後にレンチウイルスを精製するステップをさらに含む。
【0034】
好ましくは、精製は、レンチウイルスを濾過し、高力価ウイルスに濃縮することによって実施される。
【0035】
本開示において、精製、濾過及び濃縮は、レンチウイルスの力価及び濃度を有意に改善する。
【0036】
好ましくは、ステップ(3)における宿主細胞は、幹細胞を含む。
【0037】
好ましくは、幹細胞は、造血幹細胞を含む。
【0038】
好ましい技術的解決策として、本開示は、第3の態様に記載の宿主細胞を調製するための方法であって、以下のステップを含む、方法を提供する:
(1)hEF1αプロモータ及びCYBBを、制限酵素消化によってTYFレンチウイルスベクターに挿入して、レンチウイルスベクターを構築するステップ、
(2)ステップ(1)で得られたレンチウイルスベクタープラスミドならびにパッケージングプラスミドpNHP及びpHEF-VSVGを293T細胞に共トランスフェクションすることにより、レンチウイルスパッケージングを実施し、レンチウイルスを組み立て、レンチウイルスを1,000~1100gで3~5分間遠心分離して細胞片を除去し、得られた上清を0.45~0.5μmの低タンパク質結合フィルタで濾過し、2000~2500gで30~40分間遠心分離し、フィルタチューブを振盪し、300~400gで2~5分間遠心分離するステップ、
(3)ステップ(2)で得られたレンチウイルスを造血幹細胞に形質導入するステップ。
【0039】
第5の態様では、本開示は、第1の態様に記載のレンチウイルスベクター、第2の態様に記載のレンチウイルス及び第3の態様に記載の宿主細胞からなる群のうちのいずれか1つ又は少なくとも2つの組み合わせを含む医薬組成物を提供する。
【0040】
好ましくは、医薬組成物は、薬学的に許容される担体、賦形剤及び希釈剤からなる群のうちのいずれか1つ又は少なくとも2つの組み合わせをさらに含む。
【0041】
本開示の医薬組成物は、CGD患者の変異CYBB遺伝子を遺伝子レベルで修復し、これはCGDの長期安定処置の可能性を有する患者の自己幹細胞の修復に有益である。
【0042】
第6の態様では、本開示は、疾患を処置するための医薬の調製における、第1の態様に記載のレンチウイルスベクター、第2の態様に記載のレンチウイルス、第3の態様に記載の宿主細胞又は第5の態様に記載の医薬組成物の使用を提供する。
【0043】
好ましくは、疾患は、慢性肉芽腫性疾患を含む。
【0044】
第7の態様では、本開示は、第1の態様に記載のレンチウイルスベクター、第2の態様に記載のレンチウイルス、第3の態様に記載の宿主細胞又は第5の態様に記載の医薬組成物を使用して、慢性肉芽腫性疾患を処置するための方法を提供する。
【0045】
本開示によれば、本方法は以下のステップを含む:
(1’)顆粒球コロニー刺激因子を有する患者においてCD34幹細胞を動員し、血液又は骨髄造血幹細胞を複数回回収するステップ、
(2’)実験室において、患者から採取した骨髄からCD34陽性細胞を単離し、注入前にそれを培養するステップ、
(3’)注入前の臨床現場で患者を前処置するステップ、
(4’)実験室において、CD34細胞にCYBB遺伝子を保有するレンチウイルスを感染させて遺伝子形質導入を2回実施し、注入前に細胞を培養するステップ、
(5’)注入日に、細胞を洗浄及び懸濁し、次いで、それを患者に戻して注入するステップ、
(6’)患者への注入後、患者の末梢血を採取し、オキシダーゼ機能、免疫細胞比及び遺伝子コピー数を測定するために毎週フォローアップを行うステップ。
【0046】
好ましくは、ステップ(3’)の前処置は、体重1kgあたりブスルファン40mg及び体表面積1mあたりフルダラビン60mgを用いて実施される。
【0047】
好ましくは、ステップ(5’)における洗浄は、1%のヒト血清タンパク質を含有する生理食塩水で細胞を2回洗浄することにより実施される。
【0048】
好ましくは、ステップ(5’)における懸濁は、2.5%のヒト血清アルブミンタンパク質を含有する生理食塩水を用いて実施される。
【0049】
先行技術と比較して、本開示は、以下の有益な効果を有する:
(1)本開示のレンチウイルスベクターは、hEF1αプロモータの開始下で、分化幹細胞又は未分化幹細胞における保有されたCYBB遺伝子の安全及び効率的な発現を達成する。
【0050】
(2)本開示では、CYBB遺伝子を保有するレンチウイルスを使用して、幹細胞に形質導入して患者の自己幹細胞を効率的に修復する一方で、幹細胞は、分化したトランスジェニック細胞におけるCYBB遺伝子の発現量を増加させるための潜在的な送達ビヒクルとして機能することができる。
【0051】
(3)本開示では、患者の単球及び好中性顆粒球におけるオキシダーゼの発現レベルが有意に増加し、オキシダーゼを発現する好中性顆粒球及び単球の数を高レベルで維持することができ、及びCYBB遺伝子が末梢血細胞において良好な安定性を有するように、CYBBレンチウイルスで形質導入された幹細胞を患者に注入して戻すことにより、安全性の高い慢性肉芽腫性疾患の長期安定処置が達成される。この方法は、慢性肉芽腫性疾患を処置するための可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】レンチウイルスベクターの組成を示す概略図である。
図2】処理手順を示す図である。
図3(a)】正常な遺伝子型を有する患者の父親由来の末梢血の分析を示す図である。
図3(b)】ヘテロ接合遺伝子型を有する患者の母親由来の末梢血の分析を示す図である。
図3(c)】注入前の患者由来の末梢血の分析を示す図である。
図3(d)】処置後28日目の患者由来の末梢血の分析を示す図である。
図4(a)】ローダミン123で多重染色した平均蛍光強度を示す図である。
図4(b)】蛍光を発する好中性顆粒球の割合を示す図である。
図5(a)】注入後のCD45陽性細胞中の好中性顆粒球の数を示す図である。
図5(b)】注入後のCD45陽性細胞中の単球の数を示す図である。
図6】注入後の患者からの末梢血中のCYBB遺伝子コピー数の変化を示す図である。
図7】注入前後の患者の肺のCTスキャン画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本出願によって採用された技術的手段及びその効果をさらに例示するために、本出願の技術的解決策を添付の図面及び特定の実施形態を参照して以下でさらに説明するが、本出願は、実施形態の範囲に限定されない。実施例では、具体的に示されていない技術又は条件は、当技術分野の文献に記載されている技術若しくは条件に従って、又は製品の説明書に従って実施される。
【0054】
本明細書で使用される試薬又は機器は、製造業者と共に示されていないが、正式な供給元から市販されている従来の製品である。
【実施例
【0055】
[実施例1]
CYBB遺伝子を保有するレンチウイルスベクターの構築
正常なCYBB遺伝子配列(配列番号2に示されるアミノ酸配列及び配列番号3に示される核酸配列)を全遺伝子合成によって合成し、ヒトEF1α(hEF1α)プロモータ配列(配列番号1に示される核酸配列)の後ろで、制限酵素消化によってTYF-EF1αレンチウイルスベクター(NHP/TYFレンチウイルスベクターシステム)に連結した。得られた産物を配列決定及び二重消化(NEB製造業者の反応条件のための推奨事項を参照して、5’についてはBamHIサイトでクローニングし、3’についてはSpeIサイトでクローニングした)などの方法によって同定して、hEF1αプロモータ下にCYBB遺伝子を保有する適切に連結されたレンチウイルスベクターを得た。図1は、ウイルスパッケージングプラスミド(NHP、EF-VSV-G)及びベクタープラスミド(pTYF-EF-CYBB)を含むNHP/TYFレンチウイルスベクターシステムを示す。パッケージングプラスミドには、pNHP及びpHEF-VSV-G(env)が含まれる。pNHPは、Gag-Polタンパク質を発現し、pHEF-VSV-Gは、コートタンパク質を発現する。遺伝子送達プラスミドpTYF-EFは、HIV-1ウイルスTAR変異U5+右端の結合配列(CMV-IE-TAR-dl.U5/attR)と組み合わせて、5’末端にキメラCMV-IEプロモータを保有し、その後に、プライマー結合部位(PBS)及びレンチウイルスベクターパッケージングシグナル(psi)及び変異gag配列が続く。EF1a-CYBBの後に、変異した3’LTR(自己不活性化SIN LTR)、ポリプリントラック配列(PPT)、左端の結合部位(attL)及びウシ成長ホルモンpolyA(bGHpA)が続く。詳細については、参考文献[1]~[3]を参照されたい。
【0056】
[実施例2]
レンチウイルスパッケージング
この実施例では、マルチプラスミドパッケージングシステムを使用した。CYBB遺伝子を保有するレンチウイルスベクターを、293T細胞を介して完全レンチウイルスにパッケージングした。具体的なステップは、以下の通りである:
(1)293T細胞株を17~18時間培養した。10%のFBSを含有する新鮮なDMEMを培養物に添加した。
【0057】
(2)DMEM、pNHP、pHEF-VSV-G及び実施例1で構築したレンチウイルスベクターを滅菌遠心管に連続的に添加し、ボルテックスした。
【0058】
(3)Superfect形質導入試薬(QIAGEN)を遠心管に添加し、室温で7~10分間放置した。
【0059】
(4)遠心管中のレンチウイルスベクター-Superfect混合物を293T細胞に滴下し、ボルテックスし、37℃及び5%のCOで4~5時間インキュベートした。
【0060】
(5)細胞培養培地を除去し、細胞をすすぎ、培養培地を添加してインキュベーションを継続した。
【0061】
(6)培養培地を5%のCOインキュベータに戻して、一晩インキュベートした後、蛍光顕微鏡で形質導入効率を観察した。
【0062】
[実施例3]
レンチウイルスの精製及び濃縮
レンチウイルスの精製及び濃縮を以下のように実施する:
(1)レンチウイルス精製
パッケージングされたレンチウイルスを1000gで5分間遠心分離して、細胞片を除去した。得られた上清を0.45μmの低タンパク質結合フィルタを使用して濾過し、分注し、-80℃で保存した。
【0063】
(2)レンチウイルス濃度
レンチウイルス上清をCentriconフィルタチューブに添加し、2500gで30分間遠心分離した。フィルタチューブを振盪し、400gで2分間遠心分離した。濃縮されたウイルスを採取カップに採取した。
【0064】
[実施例4]
レンチウイルスによる造血幹細胞の形質導入
造血幹細胞(HSC)を培養容器に接種した。CYBB標的遺伝子を保有する濃縮レンチウイルスを添加し、100gで100分間遠心分離し、37℃で24時間インキュベートした。幹細胞成長因子を含有する培地を添加し、2~3日間インキュベートして、正常なCYBB遺伝子を保有する幹細胞を得た。
【0065】
[実施例5]
CD34幹細胞にCYBB遺伝子を保有するレンチウイルス(TYF-EF1a-CYBB)を感染させることによる、X連鎖性慢性肉芽腫性疾患(X-CGD)の患者の処置
図2は、処理手順を示す。
【0066】
(1)患者のCD34幹細胞を顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)によって動員した。患者を末梢血又は骨髄について2回採取し、1回目の採取は注入前の37日目に実施し、2回目の採取は注入前の4日目に実施した。CGD患者は、一般に動員に対する応答が低いので、十分なCD34幹細胞を得るためには2回の骨髄採取が有益である[参考文献4]。
【0067】
(2)注入の4日前に実験室で、CD34陽性細胞を、Miltenyi CD34ビーズを使用して患者から採取した骨髄又は末梢血幹細胞の両方から単離し、HSC培養培地(Sigma Stemline II HSC増殖培地)中で一晩インキュベートした。
【0068】
(3)注入前の3日目及び2日目に、患者を40mg/kg体重のブスルファン及び60mg/m体表面積のフルダラビンで別々に前処置した。文献によれば、適切な前処置は、患者におけるトランスジェニックCD34幹細胞の生存を効果的に延ばすことができる[参考文献5]。
【0069】
(4)注入前3日目及び2日目に、実験室において、CD34細胞にCYBB遺伝子を保有するレンチウイルスを感染させることによって遺伝子形質導入を2回実施した。次いで、感染細胞を1日間インキュベートした。
【0070】
(5)注入当日、1%のヒト血清アルブミンタンパク質を含有する生理食塩水で細胞を2回洗浄し、2.5%のヒト血清アルブミンタンパク質を含有する生理食塩水に懸濁し、患者に注入して戻した。
【0071】
(6)患者への注入後、毎週フォローアップを行った。患者を末梢血について採取し、オキシダーゼ機能、免疫細胞比及び遺伝子コピー数について測定した。
【0072】
結果分析
採取した末梢血をジヒドロローダミン123(DHR123)で染色し、さらにCD14及びCD15を染色した。末梢血中の好中性顆粒球及び単球におけるオキシダーゼ機能をフローサイトメトリーによって分析した。これら2つの細胞は、主にオキシダーゼを使用して免疫機能を発揮する。ジヒドロローダミン123は、過酸化水素によってローダミン123に酸化され、これは488nmレーザによって励起されると515nmで黄緑色蛍光を発する。ジヒドロローダミン123をホルボールエステル(PMA)で刺激した細胞と共培養した場合の蛍光強度は、オキシダーゼの機能的強度を示す[参考文献6]。
【0073】
図3(a)は、正常な遺伝子型を有する患者の父親由来の末梢血の分析を示す。オキシダーゼを発現する単球(CD14+)及び好中性顆粒球(CD15+)の割合は、どちらも90%を超える。図3(b)は、ヘテロ接合遺伝子型を有する患者の母親由来の末梢血の分析を示す。単球の70%がオキシダーゼを発現し、好中性顆粒球の57%がオキシダーゼを発現し、これらは両方とも健常者の割合よりわずかに低い。図3(c)は、注入前の患者由来の末梢血の分析を示す。患者は、処置前にオキシダーゼを全く発現しなかったことが分かる。図3(d)は、処置後28日目の患者由来の末梢血の分析を示す。末梢血中の単球の35%及び好中性顆粒球の47%がオキシダーゼを発現し、これらは注入前と比較して大幅に改善されている。
【0074】
X連鎖性慢性肉芽腫性疾患は、主に好中性顆粒球におけるオキシダーゼ欠損によって引き起こされる。好中性顆粒球におけるオキシダーゼの機能的強度及び発現レベルを注入後、毎週観察した。結果を図5に示す。図4(a)は、ホルボールエステル(PMA)で刺激された細胞の平均蛍光強度を、ローダミン123を染色に使用した場合のホルボールエステルで刺激されていない細胞の平均蛍光強度で割ることによって計算される、刺激後の細胞におけるオキシダーゼの機能的強度である平均蛍光強度倍数を示す。処置前には、患者の比率は、1.08であり、刺激を受けた後に細胞においてオキシダーゼ応答が生じなかったことが示唆された。処置後、オキシダーゼの機能は、経時的に変動したが、全体的に改善し、注入後28日目及び73日目が最も高い値を示し、それぞれ1.44倍及び1.62倍に達した。図4(b)は、蛍光を発する好中性顆粒球の割合、すなわち、オキシダーゼを発現する好中性顆粒球の割合を示す。患者は、注入前にいかなるオキシダーゼも発現しなかった。注入後28日目及び73日目に、患者の好中性顆粒球の47%及び66%がそれぞれオキシダーゼを発現した。オキシダーゼを発現する細胞の割合は、注入後49日目以降、20%超を維持している(患者は注入後7日目に輸血を受けたが、これについては本明細書では論じない)。
【0075】
患者は、注入前に骨髄除去前処置を受けたので、本発明者らは、注入後の患者におけるCD45陽性細胞中の好中性顆粒球及び単球の数を継続的に監視した。注入後14日目の図5(a)に示すように、好中性顆粒球の数は、最低点に達し、CD45陽性細胞のわずか0.2%を占め、これは、好中性顆粒球が60%に維持された正常遺伝子型の父親の場合と比較して、骨髄除去前処置によって明らかに影響を受けている。しかし、14日後、好中性顆粒球の割合は、徐々に増加し、注入後49日目に、健常者の正常割合まで増加し、最新のフォローアップまで、すなわち注入後103日目まで維持された。図5(b)に示すように、単球の数は、注入後7日目に最低点に達し、これはCD45陽性細胞のわずか2%を占める。
【0076】
図6は、注入後の患者の末梢血中のCYBB遺伝子コピー数の変化を示す。注入後21日目及び35日目に、コピー数は、それぞれ3.75%及び2.41%に達し、これらは監視された最高値であった。末梢血細胞においてCYBB遺伝子が安定に保持されていることが分かる。末梢血細胞の0.23%は、注入後103日目でさえCYBB遺伝子を依然として保有していた。
【0077】
分子的及び細胞学的証拠に加えて、患者の臨床症状も有意に改善された。図7は、注入前後の患者の肺CTスキャン画像を示す。注入の前39日目に、患者は、肺に重度の感染症を有し、補助療法として抗真菌薬及び抗菌薬を受けた。注入後55日目に肺感染状況は、有意に改善した。注入後105日目に、肺感染は軽減し、薬物支援は必要とされなかった。
【0078】
要約すると、本開示のレンチウイルスベクターは、EF1αプロモータの開始下でCYBB遺伝子の効率的な送達を達成する。CYBB遺伝子を保有するレンチウイルスは、幹細胞を形質導入するために使用され、幹細胞は、分化幹細胞又は未分化幹細胞においてCYBB遺伝子発現が増加するように、CGD疾患の処置のための送達ベクターとして共に機能する。CYBB遺伝子を保有するレンチウイルスによるCD34幹細胞の感染は、X-CGDの治療的可能性を有する。
【0079】
参考文献:
[1]Chang,L.-J.,V.Urlacher,T.Iwakuma,Y.Cui,and J.Zucali(1999).Efficacy and safety analyses of a recombinant human immunodeficiency virus derived vector system.Gene Therapy 6,715-728.
[2]Cui,Y.,T.Iwakuma and L.-J.Chang(1999).Contributions of viral splice sites and cis-regulatory elements to lentivirus vector functions.J Virol 73,6171-6176.
[3]Iwakuma T.,Y.Cui,and L.-J.Chang(1999).Self-inactivating lentiviral vectors with U3 and U5 modifications.Virology 261,120-132.
[4]Sandhya R.Panch,Yu Ying Yau,Elizabeth M.Kang,Suk See De Ravin,Harry L.Malech and Susan F.Leitman(2014)Mobilization characteristics and strategies to improve hematopoietic progenitor cell mobilization and collection in patients with chronic granulomatous disease and severe combined immunodeficiency.Transfusion 55,265-274.
[5]Manuel Grez,Janine Reichenbach,Joachim Schwable,Reinhard Seger,Mary C Dinauer,and Adrian J Thrasher.(2011)Gene Therapy of Chronic Granulomatous Disease:The Engraftment Dilemma.Molecular Therapy 19,28-35.
[6]Yu Chen and Wolfgang G.Junger.(2012)Measurement of Oxidative Burst in Neutrophilic granulocytes.Methods in Molecular biology 844,115-144.
[7]Douglas B.Kuhns et al.(2010)Residual NADPH Oxidase and Survival in Chronic Granulomatous Disease.The New England Journal of Medicine 363,2600-2610.
[8]Danielle E.Arnold and Jennifer R.Heimall.(2017)A Review of Chronic Granulomatous Disease.Advances in Therapy 34,2543-2557.
[9]Hyoung Jin Kang et al.(2011)Retroviral Gene Therapy for X-linked Chronic Granulomatous Disease:Results From Phase I/II Trial.Molecular Therapy 19,2092-2101.
[10]De Ravin et al.(2017)CRISPR-Cas9 gene repair of hematopoietic stem cells from patients with X-linked chronic granulomatous disease.Science Translational Medicine 9,eaah3480.
【0080】
本出願人は、本出願の詳細な方法が上記の実施形態を通じて本出願において実証されていると述べているが、本出願は、上記の詳細な方法に限定されず、本出願が実装するために上記の詳細な方法に依存しなければならないことを意味しない。本出願の任意の改善のために、本出願の原料の同等の置換、補助成分の添加及び特定のモードの選択などはすべて、本出願の保護範囲及び開示範囲内に入ることが当業者には明らかである。
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図3(c)】
図3(d)】
図4(a)】
図4(b)】
図5(a)】
図5(b)】
図6
図7
【配列表】
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