(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-12
(45)【発行日】2023-05-22
(54)【発明の名称】表示制御装置及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20230515BHJP
【FI】
G06Q50/18
(21)【出願番号】P 2022116591
(22)【出願日】2022-07-21
【審査請求日】2022-07-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521389262
【氏名又は名称】株式会社COLORS
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】中村 章吾
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 慶
(72)【発明者】
【氏名】松井 宏壮
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-009499(JP,A)
【文献】特開2017-102641(JP,A)
【文献】特開2015-090657(JP,A)
【文献】特開2015-132882(JP,A)
【文献】古閑 孝,[弁護士監修]遺産相続のもらえる割合・配分・順位を家系図イラスト(図解)でわかりやすく解説,[online],2019年04月12日,https://souzoku-bengoshi.guide/topics/proportion-of-inheritance,[検索日 2022.10.04]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と、選定部と、表示制御部とを備え、
前記記憶部は、被相続人と異なる人物及び前記被相続人に関する情報を含む第1戸籍情報と、相続人に関する情報を含む第2戸籍情報とを記憶し、
前記相続人に関する情報は、前記相続人の親の氏名を含み、
前記相続人の親の氏名と前記被相続人の氏名とが異なる場合、前記選定部は、前記第1戸籍情報に含まれる前記人物のうちから親候補を選定し、
前記表示制御部は、ユーザーに対して前記親候補のうちから親を選択させる選択画面を表示するように表示部を制御し、
前記選定部は、前記第1戸籍情報に含まれる複数の人物に関する情報をそれぞれ示す複数の身分事項情報に基づいて、前記複数の人物ごとの性別を判定し、判定結果に応じて、前記複数の人物の各々を前記親候補のうちの父親候補又は前記親候補のうちの母親候補に選定する、表示制御装置。
【請求項2】
記憶部と、選定部と、表示制御部とを備え、
前記記憶部は、被相続人と異なる人物及び前記被相続人に関する情報を含む第1戸籍情報と、相続人に関する情報を含む第2戸籍情報とを記憶し、
前記相続人に関する情報は、前記相続人の親の氏名を含み、
前記相続人の親の氏名と前記被相続人の氏名とが異なる場合、前記選定部は、前記第1戸籍情報に含まれる前記人物のうちから親候補を選定し、
前記表示制御部は、ユーザーに対して前記親候補のうちから親を選択させる選択画面を表示するように表示部を制御し、
前記選定部は、前記第1戸籍情報に含まれる複数の人物のうち、前記相続人の親の名と一致する人物を前記親候補として選定する、表示制御装置。
【請求項3】
記憶部と、選定部と、表示制御部と、照合部とを備え、
前記記憶部は、被相続人と異なる人物及び前記被相続人に関する情報を含む第1戸籍情報と、相続人に関する情報を含む第2戸籍情報とを記憶し、
前記相続人に関する情報は、前記相続人の親の氏名を含み、
前記相続人の親の氏名と前記被相続人の氏名とが異なる場合、前記選定部は、前記第1戸籍情報に含まれる前記人物のうちから親候補を選定し、
前記表示制御部は、ユーザーに対して前記親候補のうちから親を選択させる選択画面を表示するように表示部を制御し、
前記照合部は、前記第1戸籍情報に含まれる前記被相続人と異なる前記人物に関する情報と、前記第2戸籍情報に含まれる相続人候補に関する情報とを照合し、
前記照合部は、前記第2戸籍情報に含まれる前記相続人候補の名と、前記第1戸籍情報に含まれる前記被相続人と異なる前記人物の名とが一致し、前記第2戸籍情報に含まれる前記相続人候補の生年月日と、前記第1戸籍情報に含まれる前記被相続人と異なる前記人物の生年月日とが一致し、前記第2戸籍情報に含まれる前記相続人候補の親の氏名と前記第1戸籍情報に含まれる前記被相続人と異なる前記人物の親の氏名とが一致する場合、前記被相続人と異なる前記人物を前記相続人候補と同一人物であると判定する、表示制御装置。
【請求項4】
被相続人と相続人との関係を示す相続関係説明図を生成する情報処理装置であって、
戸籍情報に基づいて、前記相続関係説明図を生成する生成部と、
前記相続関係説明図の生成に関する画面を表示するように表示部を制御する表示制御装置と
を備え、
前記表示制御装置は、
記憶部と、表示制御部とを備え、
前記記憶部は、
前記被相続人と異なる人物及び前記被相続人に関する情報を含む第1戸籍情報と、
前記相続人に関する情報を含む第2戸籍情報とを記憶し、
前記表示制御部は、
前記被相続人と前記相続人との相続関係を含む複数の相続関係をそれぞれ示す複数のパターン画像を含む選択画面を生成し、
前記選択画面において前記複数のパターン画像をそれぞれ選択可能に表示するように表示部を制御し
、
前記生成部は、前記第1戸籍情報と前記第2戸籍情報とに基づいて、前記複数のパターン画像のうち選択されたパターン画像に応じたレイアウトの相続関係説明図を生成する、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の相続人関係説明図作成支援システムは、所定人物に関する戸籍データを取得する戸籍データ取得部と、所定人物に関する戸籍データの不足をチェックするチェック部と、戸籍データが揃っていない場合に、揃っていないことを示す不足情報を出力する不足情報出力部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の相続人関係説明図作成支援システムでは、戸籍謄本をスキャナ等でスキャンし戸籍謄本に記載された情報を含む戸籍データを戸籍謄本ごとに生成する。
【0005】
例えば、原本の戸籍に誤りがあったりスキャンミス等が起こったりして、誤った戸籍データが生成されてしまうことがある。この場合、所望する相続関係説明図を生成することが困難になる。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、相続関係説明図をより容易に生成することが可能な表示制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係る表示制御装置は、記憶部と、選定部と、表示制御部とを備える。前記記憶部は、被相続人と異なる人物及び前記被相続人に関する情報を含む第1戸籍情報と、相続人に関する情報を含む第2戸籍情報とを記憶する。前記相続人に関する情報は、前記相続人の親の氏名を含む。前記相続人の親の氏名と前記被相続人の氏名とが異なる場合、前記選定部は、前記第1戸籍情報に含まれる前記人物のうちから親候補を選定する。前記表示制御部は、ユーザーに対して前記親候補のうちから親を選択させる選択画面を表示するように表示部を制御する。
【0008】
本発明の表示制御装置において、前記選定部は、前記第1戸籍情報に含まれる複数の人物のうち、前記相続人の親の名と一致する人物を前記親候補として選定することが好ましい。
【0009】
本発明の表示制御装置において、前記第1戸籍情報に含まれる前記被相続人と異なる前記人物に関する情報と、前記第2戸籍情報に含まれる相続人候補に関する情報とを照合する照合部を更に備えることが好ましい。前記照合部は、前記第2戸籍情報に含まれる前記相続人候補の名と、前記第1戸籍情報に含まれる前記被相続人と異なる前記人物の名とが一致し、前記第2戸籍情報に含まれる前記相続人候補の生年月日と、前記第1戸籍情報に含まれる前記被相続人と異なる前記人物の生年月日とが一致し、前記第2戸籍情報に含まれる前記相続人候補の親の氏名と前記第1戸籍情報に含まれる前記被相続人と異なる前記人物の親の氏名とが一致する場合、前記被相続人と異なる前記人物を前記相続人候補と同一人物であると判定することが好ましい。
【0010】
本発明の他の局面に係る表示制御装置は、記憶部と、表示制御部とを備える。前記記憶部は、被相続人と異なる人物及び前記被相続人に関する情報を含む第1戸籍情報と、相続人に関する情報を含む第2戸籍情報とを記憶し、前記表示制御部は、前記被相続人と前記相続人との相続関係を示す複数の相続パターンのうちから1つの相続パターンを選択させる画面を表示するように表示部を制御する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、相続関係説明図をより容易に生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係る相続関係説明図生成システムを示す図である。
【
図2】本実施形態に係る制御部及び記憶部の機能ブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る平成6年式の戸籍謄本の一例を示す図である。
【
図4】本実施形態に係る相続関係説明図の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る平成6年式の戸籍謄本の他の例を示す図である。
【
図6】本実施形態における戸籍情報を模式的に示す図である。
【
図7】本実施形態の補助照合処理の際に、表示部に表示される選択画面の一例を示す図である。
【
図8】本実施形態の補助照合処理の際に、表示部に表示される選択画面の他の例を示す図である。
【
図9】本実施形態における戸籍情報を模式的に示す図である。
【
図10】本実施形態に係る相続関係説明図の他の例を示す図である。
【
図11】本実施形態に係るパターン選択画面の一例を示す図である。
【
図12】本実施形態に係るパターン選択画面の他の例を示す図である。
【
図13】本実施形態に係る相続関係説明図生成方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0014】
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る相続関係説明図生成システムの構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る相続関係説明図生成システムを示す図である。
図1に示すように、相続関係説明図生成システム100は、情報処理装置1と、戸籍画像生成装置2と、ネットワーク3とを備える。
【0015】
情報処理装置1と戸籍画像生成装置2とは、ネットワーク3を介して通信を行うことができる。ネットワーク3は、例えば、LAN(Local Area Network)、無線LAN、携帯電話通信網、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)等のうちの少なくとも1つを含み得る。情報処理装置1は、ユーザーが使用する端末であり、例えば、デスクトップ型パーソナルコンピューター、ノート型パーソナルコンピューター、タブレット端末、又はスマートフォンであり得る。情報処理装置1は、相続関係説明図を生成する。相続関係説明図については、後述する。
【0016】
戸籍画像生成装置2は、例えば、画像読取装置(スキャナー)21、カメラ22、スマートフォン23であり得る。戸籍画像生成装置2は、戸籍謄本の画像を示す戸籍画像を生成する。具体的には、画像読取装置21は、戸籍謄本R1を読み取り、戸籍謄本R1に形成されている画像(戸籍画像P1)を示す戸籍画像データを生成する。
【0017】
カメラ22及びスマートフォン23は、戸籍謄本R1の静止画を撮像して戸籍画像データを生成する。
【0018】
戸籍画像生成装置2は、ネットワーク3を介して戸籍画像データを情報処理装置1に送信する。
【0019】
情報処理装置1は、筐体11と、表示部12と、操作部13と、制御部14と、記憶部15とを備える。表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ及び有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ等を含む。操作部13は、キーボード、マウス、トラックパッド等を含む。また、表示部12及び操作部13は、タッチパネルを含む。制御部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーを含む。記憶部15は、半導体メモリー及びハードディスクドライブ(HDD)等の記憶装置を含む。制御部14は、表示部12、操作部13及び記憶部15を制御する。記憶部15は、データ及びコンピュータープログラム等を記憶する。例えば、記憶部15は、相続関係説明図の生成プログラムを記憶する。
【0020】
次に、
図2を参照して、制御部14及び記憶部15について説明する。
図2は、本実施形態に係る制御部14及び記憶部15の機能ブロック図である。
【0021】
制御部14は、画像解析部101と、情報処理部102と、生成部103と、選定部104と、表示制御部105とを有する。具体的には、制御部14は、生成プログラムを実行することで、画像解析部101、情報処理部102、生成部103、選定部104、表示制御部105として機能する。本実施形態において、記憶部15、選定部104及び表示制御部105は、表示制御装置を構成する。
【0022】
画像解析部101は、戸籍画像P1を取得し、戸籍画像P1の解析を行って戸籍情報J1を生成する。戸籍情報J1は、戸籍謄本R1に関する情報を示す戸籍事項情報JR1と、戸籍画像に含まれる人物に関する情報を示す身分事項情報JM1とを含む。戸籍情報J1は、第1戸籍情報の一例である。
【0023】
情報処理部102は、画像解析部101によって生成された戸籍情報J1を取得する。また、情報処理部102は、戸籍情報J1を情報処理する。例えば、情報処理部102は、戸籍情報J1を記憶部15に記憶させる。
【0024】
次に、
図1~
図3を参照して、画像解析部101、情報処理部102における各処理の詳細を説明する。
図3は、本実施形態に係る平成6年式の戸籍謄本の一例を示す図である。
図3は、1つの戸籍謄本を示す。
【0025】
以下、
図3に示す平成6年式の戸籍謄本R1Aを例に、画像解析部101、情報処理部102における各処理の詳細を説明する。
図3は、戸籍謄本R1Aを示すとともに、戸籍画像P1Aを示す。
【0026】
画像解析部101は、戸籍画像生成装置2によって生成された戸籍謄本R1Aの画像を示す戸籍画像P1Aを取得する。具体的には、画像解析部101は、戸籍画像生成装置2から送信された戸籍画像P1Aを示す戸籍画像データを受信する。
【0027】
画像解析部101は、戸籍画像P1Aの解析を行って戸籍情報J1を生成する。具体的には、画像解析部101は、OCR(Optical Character Recognition)処理等を行なって、戸籍画像P1Aに含まれる文字を認識する。具体的には、画像解析部101は、OCR処理の結果、戸籍画像P1Aに含まれる文字をテキストデータとして取得する。また、画像解析部101は、戸籍画像P1Aにおける文字の配置を示す配置情報を取得する。配置情報は、例えば、戸籍画像P1Aに含まれる文字の向き及び位置を示す。
【0028】
画像解析部101は、認識した文字に基づいて、戸籍事項情報JR1A及び身分事項情報JM1Aを生成する。具体的には、画像解析部101は、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、戸籍事項情報JR1A及び身分事項情報JM1Aを生成する。
【0029】
戸籍画像P1Aの例では、画像解析部101は、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、戸籍画像P1Aにおける領域ER1Aが戸籍事項欄であり、領域ER1Aの記載内容を戸籍事項情報であると判定する。画像解析部101は、領域ER1Aの記載内容を示す戸籍事項情報JR1Aを生成する。
【0030】
具体的には、画像解析部101は、取得したテキストデータのうち、配置情報に基づいて、領域ER1Aから取得したテキストデータの一部又は全部を選択して戸籍事項情報JR1Aを生成する。つまり、戸籍事項情報JR1Aは、領域ER1Aから取得したテキストデータの一部又は全部である。
【0031】
例えば、戸籍事項情報JR1Aには、戸籍謄本R1Aの編成日が「平成20年2月23日」である旨の情報が含まれる。
【0032】
また、画像解析部101は、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、戸籍画像P1Aにおける領域ER2Aが身分事項欄であり、領域ER2Aの記載内容を身分事項情報であると判定する。
【0033】
また、画像解析部101は、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、戸籍画像P1Aにおける領域EHAが筆頭者事項欄であり、領域EHAの記載内容を筆頭者情報であると判定する。
【0034】
画像解析部101は、領域EHAの記載内容を示す筆頭者情報JHAを生成する。筆頭者情報JHAは、戸籍謄本R1Aの筆頭者が「山崎 A太」であることを示す。
【0035】
画像解析部101は、領域ER2Aの記載内容を示す身分事項情報JM1Aを生成する。
【0036】
戸籍画像P1Aの例では、画像解析部101は、取得したテキストデータ及び配置情報に基づいて、領域ER2Aに領域ER21A、領域ER22A及び領域ER23Aが含まれると判定する。画像解析部101は、戸籍画像P1Aに3つの身分事項欄が含まれると判定する。
【0037】
画像解析部101は、領域ER21Aが第1身分事項欄であり、領域ER21Aの記載内容を第1身分事項情報であると判定する。第1身分事項欄の記載内容は、戸籍画像P1Aに含まれる人物のうちの一人の身分事項情報である。例えば、第1身分事項欄の記載内容は、戸籍謄本R1Aの筆頭者に関する情報である。
【0038】
画像解析部101は、領域ER22Aが第2身分事項欄であり、領域ER22Aの記載内容を第2身分事項情報であると判定する。第2身分事項欄の記載内容は、戸籍画像P1Aに含まれる人物のうち、筆頭者以外の一人の身分事項情報である。
図3に示す例では、第2身分事項欄の記載内容は、筆頭者「山崎 A太」の妻である「山崎 B子」に関する情報を示す。
【0039】
画像解析部101は、領域ER23Aが第3身分事項欄であり、領域ER23Aの記載内容を第3身分事項情報であると判定する。第3身分事項欄の記載内容は、戸籍画像P1Aに含まれる人物のうち、筆頭者以外の一人の身分事項情報である。
図3に示す例では、第3身分事項欄の記載内容は、筆頭者「山崎 A太」の子である「山崎 C美」に関する情報を示す。
【0040】
画像解析部101は、領域ER21Aの記載内容を示す第1身分事項情報JM11Aと、領域ER22Aの記載内容を示す第2身分事項情報JM12Aと、領域ER23Aの記載内容を示す第3身分事項情報JM13Aとを含む身分事項情報JM1Aを生成する。
【0041】
具体的には、画像解析部101は、取得したテキストデータのうち、筆頭者情報JHAと配置情報とに基づいて、領域ER21Aから取得したテキストデータの一部又は全部を選択して第1身分事項情報JM11Aを生成する。
【0042】
例えば、第1身分事項情報JM11Aには、領域ER21Aの記載内容が筆頭者に関する情報である旨の情報、筆頭者の「名前」、「生年月日」、「父」及び「母」等を示す情報が含まれる。
【0043】
また、画像解析部101は、取得したテキストデータのうち、筆頭者情報JHAと配置情報とに基づいて、領域ER22Aから取得したテキストデータの一部又は全部を選択して第2身分事項情報JM12Aを生成する。
【0044】
例えば、第2身分事項情報JM12Aには、領域ER22Aの記載内容が筆頭者の配偶者に関する情報である旨の情報、配偶者の「名前」、「生年月日」、「父」及び「母」等を示す情報が含まれる。
【0045】
また、画像解析部101は、取得したテキストデータのうち、筆頭者情報JHAと配置情報とに基づいて、領域ER23Aから取得したテキストデータの一部又は全部を選択して第3身分事項情報JM13Aを生成する。
【0046】
例えば、第3身分事項情報JM13Aには、領域ER23Aの記載内容が筆頭者の子に関する情報である旨の情報、子の「名前」、「生年月日」、「父」及び「母」等を示す情報が含まれる。
【0047】
また、第3身分事項情報JM13Aには、更に、「C美」が婚姻により除籍となった旨の情報、「C美」の配偶者が「佐藤 D男」である旨の情報、及び「C美」の新たな本籍地を示す情報等が含まれる。
【0048】
以上のように、戸籍情報J1には、複数の人物に関する情報が含まれる。
【0049】
情報処理部102は、画像解析部101によって生成された戸籍事項情報JR1A及び身分事項情報JM1Aを取得し、記憶部15に記憶させる。記憶部15には、戸籍情報J1(第1戸籍情報)以外に、複数の戸籍情報が蓄積される。
【0050】
例えば、情報処理部102は、取得した身分事項情報JM1Aに基づいて、戸籍画像P1Aに含まれる1又は複数の人物を特定する。
図3の例では、情報処理部102は、「山崎 A太」、「山崎 B子」及び「山崎 C美」を特定する。更に、情報処理部102は、「佐藤 D男」を特定する。
【0051】
生成部103は、被相続人と、相続人との関係を示す相続関係説明図を生成する。
【0052】
次に、
図2及び
図4を参照して、相続関係説明図の生成を説明する。
図4は、本実施形態に係る相続関係説明図の一例を示す図である。
【0053】
例えば、ユーザーは、操作部13を介して、被相続人として選択された被選択人H1を起点とした相続関係説明図を作成する作成指示を、情報処理装置1に対して入力する。
図2及び
図4の例では、「山崎 A太」が被選択人H1として選択された場合を説明する。生成部103は、入力された作成指示に従い、相続関係説明図を作成する。
【0054】
具体的には、生成部103は、記憶部15に蓄積された複数の戸籍情報のうち、「山崎 A太」に関する情報(第1身分事項情報JM11A)を含む戸籍情報J1を取得する。
【0055】
また、生成部103は、取得した戸籍情報J1に含まれる「山崎 B子」に関する情報(第2身分事項情報JM12A)、「山崎 C美」に関する情報(第3身分事項情報JM13A)、及び「佐藤 D男」に関する情報(第3身分事項情報JM13Aの一部)に基づいて、例えば
図4に示す相続関係説明
図T1を生成する。つまり、戸籍情報J1には、被相続人と異なる人物及び被相続人に関する情報が含まれる。
【0056】
相続関係説明
図T1は、被相続人戸籍情報及び相続人戸籍情報を含む。被相続人戸籍情報は、第1身分事項情報JM11Aである。相続人戸籍情報は、第2身分事項情報JM12A及び第3身分事項情報JM13Aである。
【0057】
第1身分事項情報JM11Aと第2身分事項情報JM12Aとの間には、2重線が配置される。2重線は婚姻関係を示す。第1身分事項情報JM11Aと第2身分事項情報JM12Aとの間及び第3身分事項情報JM13Aの間には、1重線が配置される。1重線は親子関係を示す。
【0058】
生成部103は、第1身分事項情報JM11A、第2身分事項情報JM12A及び第3身分事項情報JM13Aの各々に含まれる「名前」、「生年月日」、「父」及び「母」等を示す情報に基づいて、戸籍情報J1に含まれる複数の人物間の関係を算出する。
【0059】
ここで、「山崎 C美」に関して、婚姻により新たな戸籍が生成されている。より精度の高い相続関係説明図を生成するためには、更に新たな戸籍にも基づいて、相続関係説明図を生成することが望ましい。
【0060】
したがって、戸籍情報J1(第1戸籍情報)に加えて、新たな戸籍に関する戸籍情報J2(第2戸籍情報)を記憶部15に記憶させ、生成部103が戸籍情報J1及び戸籍情報J2に基づいて相続関係説明図を生成することで、より精度の高い相続関係説明図の生成が可能になる。なお、戸籍情報J2を記憶部15に記憶させる処理は、戸籍情報J1と同じであるため、説明を割愛する。
【0061】
次に、
図5を参照して、戸籍情報J2について説明する。
図5は、本実施形態に係る平成6年式の戸籍謄本の他の例を示す図である。
【0062】
図5は、「山崎 C美」の婚姻により生成された新たな戸籍謄本R1B及び戸籍画像P1Bを示す。戸籍画像P1Bは、領域EHBと、領域ER1Bと、領域ER2Bとを含む。領域ER2Bは、第1身分事項欄である領域ER21Bと、第2身分事項欄である領域ER22Bとを含む。画像解析部101(
図2)は、領域EHB、領域ER1B及び領域ER2Bの記載内容に基づいて、戸籍情報J2を生成する。戸籍情報J2は、戸籍事項情報JR1B及び身分事項情報JM1Bを含む。身分事項情報JM1Bは、第1身分事項情報JM11Bと、第2身分事項情報JM12Bとを含む。
【0063】
具体的には、画像解析部101(
図2)は、領域EHBの記載内容を示す筆頭者情報JHBを生成する。筆頭者情報JHBは、戸籍謄本R1Bの筆頭者が「佐藤 D男」であることを示す。
【0064】
また、画像解析部101(
図2)は、領域ER1Bの記載内容を示す戸籍事項情報JR1Bを生成する。例えば、戸籍事項情報JR1Bには、戸籍謄本R1Bの編成日及び編成理由を示す情報が含まれる。
【0065】
また、画像解析部101(
図2)は、領域ER2Bの記載内容を示す身分事項情報JM1Bを生成する。具体的には、画像解析部101(
図2)は、領域ER21Bの記載内容を示す第1身分事項情報JM11Bと、領域ER22Bの記載内容を示す第2身分事項情報JM12Bとを生成する。
【0066】
第1身分事項情報JM11Bには、領域ER21Bの記載内容が筆頭者「佐藤 D男」に関する情報である旨の情報、筆頭者の「名前」、「生年月日」、「父」及び「母」等を示す情報が含まれる。
【0067】
第2身分事項情報JM12Bには、領域ER22Bの記載内容が筆頭者の配偶者「C美」に関する情報である旨の情報、配偶者の「名前」、「生年月日」、「父」及び「母」等を示す情報が含まれる。
【0068】
情報処理部102(
図2)は、戸籍情報J2を情報処理する。例えば、情報処理部102は、画像解析部101によって生成された戸籍事項情報JR1B及び身分事項情報JM1Bを取得し、記憶部15に記憶させる。
【0069】
情報処理部102は、取得した身分事項情報JM1Bに基づいて、戸籍画像P1Bに含まれる1又は複数の人物を特定する。
図5の例では、情報処理部102は、「佐藤 D男」及び「佐藤 C美」を特定する。
【0070】
また、情報処理部102は、記憶部15に記憶されている身分事項情報JM1A及び身分事項情報JM1Bを照合し、戸籍情報J2に含まれる複数の人物の各々が、戸籍情報J1に含まれるいずれかの人物と同一人物であるか否かを判定する照合処理を行う。例えば、情報処理部102は、戸籍情報J2に含まれる人物(相続人候補)の「名」、「生年月日」、「親の氏名」が、それぞれ、戸籍情報J1に含まれるいずれかの人物の「名」、「生年月日」、「親の氏名」に一致する場合、戸籍情報J1に含まれるいずれかの人物を相続人候補と同一人物であると判定する。情報処理部102は、照合部の一例である。
【0071】
具体的には、情報処理部102は、戸籍情報J2に含まれる「佐藤 C美」の名前「C美」と、生年月日と、親の氏名「山崎 A太」「山崎 B子」とが戸籍情報J1に含まれる「山崎 C美」の名前「C美」と、生年月日と、親の氏名「山崎 A太」「山崎 B子」とに一致することから、「佐藤 C美」と「山崎 C美」とを同一人物であると判定する。つまり、戸籍情報J2には、相続人「山崎 C美」に関する情報が含まれる。
【0072】
一方、情報処理部102は、「佐藤 D男」に関しては、戸籍情報J1に「佐藤 D男」の生年月日を示す情報が含まれていないため、戸籍情報J1における「佐藤 D男」と戸籍情報J2における「佐藤 D男」とを同一人物であると判定しない。
【0073】
次に、
図6を参照して、戸籍画像データの生成エラー又は戸籍画像P1の解析エラーが生じた状況の一例を説明する。
図6は、本実施形態における戸籍情報J1及び戸籍情報J2を模式的に示す図である。
【0074】
本実施形態において、戸籍の不備、戸籍の読取精度の不足又は画像解析の解析精度の不足により、戸籍画像P1に含まれる文字が誤って認識されることがある。
【0075】
図6に示す例では、戸籍情報J2における「佐藤 C美」の親の氏名が「山“崎” A太」「山“崎” B子」に誤って認識されている。以下“崎”は立つ崎の文字を示す。
【0076】
この場合、「佐藤 C美」の親が「山崎 A太」「山崎 B子」と異なっていることから、情報処理部102は、「佐藤 C美」と「山崎 C美」とを同一人物ではないと判定する。その結果、生成部103によって不正確な相続関係説明図が生成される恐れがある。
【0077】
これを回避するため、本実施形態において、選定部104及び表示制御部105は、補助照合処理を行う。
【0078】
次に、
図6及び
図7を参照して、補助照合処理の一例について説明する。
図7は、本実施形態の補助照合処理の際に、表示部に表示される選択画面の一例を示す図である。
【0079】
図6に示すように、戸籍情報J2における相続人の親の氏名と戸籍情報J1における被相続人の氏名とが異なる場合、選定部104は、戸籍情報J1に含まれる人物のうちから親候補を選定する。
【0080】
表示制御部105は、ユーザーに対して親候補のうちから親を選択させる選択画面V1を表示するように表示部12を制御する。
【0081】
したがって、戸籍の不備、戸籍の読取精度の不足又は画像解析の解析精度の不足により、情報処理部102が戸籍情報J2を誤って認識した場合、ユーザーの入力処理によって戸籍情報J2を修正することが可能になる。その結果、誤った相続関係説明図が生成される可能性を低減できる。よって、ユーザーの所望する相続関係説明図をより容易に生成することができる。
【0082】
具体的には、戸籍情報J2における「佐藤 C美」の親の氏名「山“崎” A太」と、被相続人「山崎 A太」とが異なっているため、情報処理部102によって「佐藤 C美」と「山崎 C美」とが同一人物ではないと判定されると、選定部104は、戸籍情報J1に含まれる人物のうちから父親候補及び母親候補の少なくとも一方を選定する。
【0083】
図6に示す例では、「佐藤 C美」の父親及び母親のいずれもが戸籍情報J1に含まれる人物と異なっているため、選定部104は、「佐藤 C美」の父親候補及び母親候補を選定する。例えば、選定部104は、戸籍情報J1に含まれる人物のうち、男性である「山崎 A太」を「佐藤 C美」の父親候補に選定する。選定部104は、戸籍情報J1に含まれる人物のうち、女性である「山崎 B子」及び「山崎 C美」を「佐藤 C美」の母親候補に選定する。
【0084】
また、「佐藤 D男」の父親及び母親のいずれもが戸籍情報J1に含まれる人物と異なっているため、「佐藤 C美」の場合と同様、選定部104は、「山崎 A太」を「佐藤 D男」の父親候補に選定し、「山崎 B子」及び「山崎 C美」を「佐藤 D男」の母親候補に選定する。
【0085】
表示制御部105は、選択画面V1を生成して表示部12に表示する。選択画面V1は、メッセージMSG1と、メッセージMSG2と、選択ウィンドウW1と、選択ウィンドウW2と、選択ウィンドウW3と、プルダウンボタンPD1と、プルダウンボタンPD2と、プルダウンボタンPD3と、プルダウンメニューPM2と、プルダウンボタンPD3と、ボタンB1と、チェックボックスC1とを含む。
【0086】
メッセージMSG1は、照合処理においてエラーが発生したことをユーザーに通知する表示である。選択ウィンドウW1は、戸籍情報J2に含まれる人物のうち、親の氏名が被相続人と異なる人物を表示するウィンドウである。選択ウィンドウW1に表示される人物は、ユーザーによって選択される。
【0087】
具体的には、ユーザーがクリック又はタップ操作等により選択ウィンドウW1の隣に配置されたプルダウンボタンPD1を押下すると、表示制御部105は、図示しないプルダウンメニューを選択画面V1の中に表示させる。図示しないプルダウンメニューには、親の氏名が被相続人「山崎 A太」と異なる「佐藤 D男」及び「佐藤 C美」が表示される。続いて、ユーザーがクリック又はタップ操作等により「佐藤 C美」を選択すると、表示制御部105は、選択ウィンドウW1に「佐藤 C美」を表示させる。
図6は、「佐藤 C美」が選択された状態の選択画面V1を示す。
【0088】
選択画面V1において「佐藤 C美」が選択されている状態で、ユーザーがクリック又はタップ操作等によりプルダウンボタンPD2を押下すると、表示制御部105は、プルダウンボタンPD2の隣に配置された選択ウィンドウW2の下方にプルダウンメニューPM2を表示させる。選択ウィンドウW2は、ユーザーによって選択された父親が表示されるウィンドウである。プルダウンメニューPM2には、選定部104によって選定された「佐藤 C美」の父親候補である「山崎 A太」が表示される。続いて、ユーザーがクリック又はタップ操作等によりプルダウンメニューPM2の「山崎 A太」を選択すると、表示制御部105は、選択ウィンドウW2に「山崎 A太」を表示させる。
【0089】
また、選択画面V1において「佐藤 C美」が選択されている状態で、ユーザーがクリック又はタップ操作等によりプルダウンボタンPD3を押下すると、表示制御部105は、プルダウンボタンPD3の隣に配置された選択ウィンドウW3の下方にプルダウンメニューPM3を表示させる。プルダウンメニューPM3には、選定部104によって選定された「佐藤 C美」の母親候補である「山崎 B子」及び「山崎 C美」が表示される。続いて、ユーザーがクリック又はタップ操作等によりプルダウンメニューPM3の「山崎 B子」を選択すると、表示制御部105は、選択ウィンドウW3に「山崎 B子」を表示させる。
【0090】
選択画面V1において、選択ウィンドウW2に「山崎 A太」が表示され、かつ選択ウィンドウW3に「山崎 B子」が表示された状態で、ユーザーがクリック又はタップ操作等によりボタンB1を押下すると、表示制御部105は、「佐藤 C美」の親が「山崎 A太」及び「山崎 B子」である旨の情報を情報処理部102に対して出力する。選定部104及び表示制御部105は、補助照合処理を終了する。
【0091】
なお、本実施形態において、選定部104は、戸籍情報J1に含まれる人物のうち、男性を父親候補に選定し、女性を母親候補に選定したが、これに限らず、例えば、選定部104は、戸籍情報J1に含まれる相続人の親の「名」と一致する人物を父親候補又は母親候補に選定してもよい。
図6に示す例では、選定部104は、戸籍情報J1に含まれる人物のうち、「山“崎” A太」と名が同じ「山崎 A太」を父親候補に選定し、「山“崎” B子」と名が同じ「山崎 B子」を母親候補に選定する。選定部104によって親候補が絞り込まれることで、選択画面V1において、ユーザーは親の選択がより容易になる。
【0092】
また、例えば、選定部104は、戸籍情報J1に含まれる人物のうち、「夫婦」を構成する人物のペアを抽出し、ペアのうちの「夫」を父親候補に選定し、ペアのうちの「妻」を母親候補に選定してもよい。
【0093】
メッセージMSG2及びチェックボックスC1については、
図8を参照して説明する。
【0094】
情報処理部102は、表示制御部105からの情報を受け取り、例えば、記憶部15の戸籍情報J2に含まれる「佐藤 C美」を示す第2身分事項情報JM12Bにおける、「父」及び「母」を示す情報を更新する。その結果、生成部103によって正しい相続関係説明図が生成される可能性が高くなる。
【0095】
次に、
図8を参照して、補助照合処理の他の例について説明する。
図8は、本実施形態の補助照合処理の際に、表示部に表示される選択画面の他の例を示す図である。
図8は、選択ウィンドウW1に「佐藤 D男」が表示された選択画面V2を示す。選択画面V2は、選択ウィンドウW1に「佐藤 D男」が表示されている以外、選択画面V2と同じである。
【0096】
本実施形態において、「佐藤 D男」は相続人に該当しないため、ユーザーは、「佐藤 D男」を相続関係説明図から除外する。具体的には、ユーザーがメッセージMSG2に従い、チェックボックスC1をクリック又はタップ操作等すると、チェックボックスC1にチェックマークが表示される。チェックボックスC1にチェックマークが表示された状態でユーザーがクリック又はタップ操作等によりボタンB1を押下すると、表示制御部105は、「佐藤 D男」が相続人に該当しない旨の情報を情報処理部102に対して出力する。選定部104及び表示制御部105は、補助照合処理を終了する。
【0097】
次に、
図9を参照して、戸籍画像データの生成エラー又は戸籍画像P1の解析エラーが生じた状況の他の例を説明する。
図9は、本実施形態における戸籍情報J1及び戸籍情報J2を模式的に示す図である。
【0098】
図9に示す例では、戸籍情報J2における「佐藤 C美」の氏名が「佐藤 C“実”」に誤って認識されている。一方、「佐藤 C美」の親の氏名は、「山崎 A太」及び「山崎 B子」と正しく認識されている。
【0099】
この場合、情報処理部102は、戸籍情報J2における相続人の氏名「C“実”」と、戸籍情報J1における相続人の氏名「C美」とが異なっているため、「佐藤 C美」と「山崎 C美」とが同一人物ではないと判定する。
【0100】
一方、情報処理部102は、戸籍情報J2における「佐藤 C“実”」の親の氏名「山崎 A太」は、被相続人「山崎 A太」と同じであるため、情報処理部102は、「佐藤 C“実”」を「山崎 C美」と別の相続人であると判定する。
【0101】
その結果、生成部103は、
図10に示す相続関係説明
図T2を生成する。
【0102】
次に、
図10を参照して、相続関係説明図の他の例を説明する。
図10は、本実施形態に係る相続関係説明図の他の例を示す図である。
【0103】
図10に示す相続関係説明
図T2は、
図4に示す相続関係説明
図T1と比べて、「佐藤 C“実”」に関する第2身分事項情報JM12Bを更に含む。
【0104】
本実施形態において、本来、「佐藤 C“実”」と「山崎 C美」とは同一人物であるため、相続関係説明
図T2は誤りである。この場合、例えば、相続関係説明
図T2から「佐藤 C“実”」を削除する指示を、ユーザーが情報処理装置1に対して入力すると、生成部103は、入力された指示に従い、相続関係説明
図T2から「佐藤 C“実”」を削除して更新する。
図10に示す「佐藤 C“実”」に付された×印は、相続関係説明
図T2から「佐藤 C“実”」が削除されたことを示す。
【0105】
[相続パターン選択]
次に、
図11及び
図12を参照して、相続関係説明図の生成処理において表示されるパターン選択画面について説明する。
図11は、本実施形態に係るパターン選択画面の一例を示す図である。
図12は、本実施形態に係るパターン選択画面の他の例を示す図である。
【0106】
図11に示すように、例えば、情報処理装置1に対して相続関係説明図の作成指示がユーザーによって入力されると、表示制御部105は、パターン選択画面V3を生成して表示するように表示部12を制御する。パターン選択画面V3は、相続関係の複数のパターンのうちから1つを、ユーザーに選択させるための画面である。ユーザーに相続関係のパターンを選択させることで、ユーザーの意図する相続関係説明図を作成しやすくなる。
【0107】
本実施形態において、パターン選択画面V3は、5つのパターン画像PG1~PG5と、ボタンB3とを含む。パターン画像PG1~PG5は、それぞれ、相続関係の5つの相続パターンのうちの1つを示す。パターン画像PG1は、「子供が相続人」の相続パターンを示す。パターン画像PG2は、「親が相続人」の相続パターンを示す。パターン画像PG3は、「兄弟姉妹が相続人」のパターンを示す。パターン画像PG4は、「相続人に孫が含まれる」相続パターンを示す。パターン画像PG5は、「前の配偶者との子供がいる」相続パターンを示す。
【0108】
ユーザーは、パターン画像PG1~PG5のうちのいずれか1つをクリック又はタップ操作等してパターン画像PG1~PG5のうちのいずれか1つを選択し、ボタンB1を押下する。例えば、パターン画像PG1が選択された場合、ボタンB1が押下されると、表示制御部105は、パターン画像PG1が選択された旨の情報を生成部103に対して出力する。生成部103は、表示制御部105からの情報を受け取り、パターン画像PG1に応じたレイアウトの相続関係説明図を生成する。
【0109】
また、
図12に示すように、表示制御部105は、パターン画像PG1~PG5に加えて、メッセージウィンドウCM1を更に表示するように表示部12を制御する。メッセージウィンドウCM1は、パターン画像PG1~PG5がそれぞれ示すパターンを説明するメッセージが表示されたウィンドウである。
【0110】
図12に示す例では、パターン選択画面V3におけるパターン画像PG5の上にユーザーがマウスポインタを移動(マウスオーバー)させると、表示制御部105は、メッセージウィンドウCM1を生成し、パターン選択画面V3に重畳して表示する。メッセージウィンドウCM1には、パターン画像PG5を選択する際の条件である「前の配偶者が生存or被相続人より後に死亡」のメッセージが含まれる。メッセージウィンドウCM1の表示により、ユーザーの判断を補助し、ユーザーが相続パターンを選択するまでに要する時間を短縮できる。
【0111】
次に、
図13を参照して、本実施形態に係る相続関係説明図生成方法について説明する。
図13は、本実施形態に係る相続関係説明図生成方法を示すフローチャートである。
【0112】
まず、記憶部15は、第1戸籍情報及び第2戸籍情報を記憶する(ステップS11)。
【0113】
ユーザーが被相続人を選択すると(ステップS12)、情報処理部102は、第1戸籍情報における被相続人の氏名と、第2戸籍情報における相続人の親の氏名とを照合する(ステップS13)。第1戸籍情報における被相続人の氏名と、第2戸籍情報における相続人の親の氏名とが一致する場合(ステップS13でYes)、表示制御部105は、パターン選択画面V3を生成して表示部12に表示させる。パターン選択画面V3に含まれる5つのパターン画像PG1~PG5のうちいずれか1つが選択されると(ステップS19)、生成部103は、第1戸籍情報及び第2戸籍情報に基づいて、選択されたパターン画像に応じたレイアウトの相続関係説明図を生成する(ステップS20)。
【0114】
一方、第1戸籍情報における被相続人の氏名と、第2戸籍情報における相続人の親の氏名とが一致しない場合(ステップS13でNo)、表示制御部105は、選択画面V1を表示部12に表示させる(ステップS14)。
【0115】
被相続人の氏名と親の氏名とが一致しない人物が相続人である場合(ステップS15でYes)、ユーザーの入力操作に応じて、選定部104は、相続人の親候補を選定する。表示制御部105は、選定された親候補を表示部12に表示させる(ステップS16)。
【0116】
ユーザーが選定された親候補のうちから親を選択する操作を情報処理装置1に対して行うと(ステップS17)、表示制御部105は、パターン選択画面V3を生成して表示部12に表示させる(ステップS19)。
【0117】
一方、被相続人の氏名と親の氏名とが一致しない人物が相続人ではない場合(ステップS15でNo)、ユーザーの入力操作に応じて、情報処理部102は、被相続人の氏名と親の氏名とが一致しない人物を相続人から除外する(ステップS18)。表示制御部105は、パターン選択画面V3を生成して表示部12に表示させる(ステップS19)。
【0118】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、または、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0119】
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0120】
本発明は、表示制御装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0121】
14 :制御部
15 :記憶部
102 :情報処理部
104 :選定部
105 :表示制御部
J1 :戸籍情報
J2 :戸籍情報
V1 :選択画面
V2 :選択画面
V3 :パターン選択画面
【要約】
【課題】相続関係説明図をより容易に生成する。
【解決手段】表示制御装置は、記憶部15と、選定部104と、表示制御部105とを備える。記憶部15は、被相続人と異なる人物及び被相続人に関する情報を含む第1戸籍情報と、相続人に関する情報を含む第2戸籍情報とを記憶する。相続人に関する情報は、相続人の親の氏名を含む。相続人の親の氏名と被相続人の氏名とが異なる場合、選定部104は、第1戸籍情報に含まれる人物のうちから親候補を選定する。表示制御部105は、ユーザーに対して親候補のうちから親を選択させる選択画面V1を表示するように表示部12を制御する。
【選択図】
図2