(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-12
(45)【発行日】2023-05-22
(54)【発明の名称】超電導線の接続構造および超電導線の接続方法
(51)【国際特許分類】
H01R 4/68 20060101AFI20230515BHJP
H01R 43/00 20060101ALI20230515BHJP
H01F 6/06 20060101ALI20230515BHJP
H01B 12/08 20060101ALI20230515BHJP
【FI】
H01R4/68
H01R43/00 Z
H01F6/06 500
H01B12/08
(21)【出願番号】P 2019058171
(22)【出願日】2019-03-26
【審査請求日】2022-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柏原 慶一朗
(72)【発明者】
【氏名】加藤 駿典
(72)【発明者】
【氏名】竹下 貴之
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-104027(JP,A)
【文献】特開昭60-175383(JP,A)
【文献】特開平11-238418(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0038822(US,A1)
【文献】特開昭60-182673(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/68
H01R 43/00
H01R 4/22
H01F 6/06
H01B 12/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属系超電導材料から構成されるフィラメント、および、該フィラメントを覆い、安定化材で構成された被覆部を含む超電導線同士の前記フィラメントを互いに接続する超電導線の接続構造であって、
前記フィラメントとして、複数の第1フィラメント、および、前記複数の第1フィラメントの各々の線径より細く、かつ、前記複数の第1フィラメントの数より多い複数の第2フィラメントと、
前記複数の第1フィラメントと前記複数の第2フィラメントとが挿通される貫通孔を有するスリーブとを備え、
前記複数の第2フィラメントの一部は、一の超電導線に含まれており、
前記複数の第2フィラメントの他の一部は、前記一の超電導線とは異なる他の超電導線に含まれており、
前記貫通孔内を貫通方向から見たときに、前記複数の第1フィラメントが位置している少なくとも1つの第1領域が形成されており、かつ、前記スリーブと前記少なくとも1つの第1領域との間に、前記複数の第2フィラメントが介在
し、
前記複数の第2フィラメントの前記一部が、前記少なくとも1つの第1領域の内側に位置し、前記複数の第2フィラメントの前記他の一部が、前記少なくとも1つの第1領域の外側に位置している、超電導線の接続構造。
【請求項2】
前記貫通孔内を前記貫通方向から見たときに、前記少なくとも1つの第1領域は、前記貫通孔の中央に位置している、請求項1に記載の超電導線の接続構造。
【請求項3】
前記貫通孔内を前記貫通方向から見たときに、前記複数の第2フィラメントの前記一部が位置している第2領域と、前記複数の第2フィラメントの前記他の一部が位置している第3領域とが形成されており、かつ、前記少なくとも1つの第1領域は、前記第2領域と前記第3領域との間に挟まれるように位置している、請求項
1に記載の超電導線の接続構造。
【請求項4】
前記貫通孔内を前記貫通方向から見たときに、前記少なくとも1つの第1領域は環状に形成されており、
前記複数の第2フィラメントは、前記少なくとも1つの第1領域の内側および外側の各々に位置している、請求項1に記載の超電導線の接続構造。
【請求項5】
前記貫通孔内を前記貫通方向から見たときに、前記少なくとも1つの第1領域は線状に形成されている、請求項1に記載の超電導線の接続構造。
【請求項6】
前記貫通孔内を前記貫通方向から見たときに、前記少なくとも1つの第1領域は互いに交差する複数の線状に形成されている、請求項1に記載の超電導線の接続構造。
【請求項7】
前記貫通孔内を前記貫通方向から見たときに、前記少なくとも1つの第1領域として、複数の第1領域が形成されており、
前記複数の第1領域の各々は、互いに離間して平行に並ぶように位置する線状に形成されている、請求項1に記載の超電導線の接続構造。
【請求項8】
前記貫通孔内を前記貫通方向から見たときに、前記複数の第2フィラメントの前記一部が位置している第2領域と、前記複数の第2フィラメントの前記他の一部が位置している第3領域とが形成されており、かつ、前記第2領域は、前記複数の第1領域において互いに隣り合う第1領域同士の間に位置しており、前記第3領域は、前記第1領域の並ぶ方向において端に位置する2つの第1領域の各々と前記スリーブとの間に位置している、請求項
7に記載の超電導線の接続構造。
【請求項9】
金属系超電導材料から構成されるフィラメント、および、該フィラメントを覆い、安定化材で構成された被覆部を含む超電導線同士の前記フィラメントを互いに接続する超電導線の接続方法であって、
前記フィラメントとして、複数の第1フィラメントと、前記複数の第1フィラメントの各々の線径より細く、かつ、前記複数の第1フィラメントの数より多い複数の第2フィラメントとを準備する準備工程と、
前記複数の第2フィラメントの一部を、第1筒状治具に挿入する第1挿入工程と、
前記第1筒状治具を中心軸として、前記第1筒状治具に前記複数の第1フィラメントを前記第1筒状治具の軸方向に沿って巻き付ける第1巻付工程と、
前記複数の第1フィラメントが巻き付けられた状態の前記第1筒状治具を、第2筒状治具に挿入する第2挿入工程と、
前記第2筒状治具を中心軸として、前記第2筒状治具に前記複数の第2フィラメントの他の一部を前記第2筒状治具の軸方向に沿って巻き付ける第2巻付工程と、
前記複数の第2フィラメントの前記他の一部が巻き付けられた状態の前記第2筒状治具を、スリーブの貫通孔に挿入する第3挿入工程と、
前記複数の第2フィラメントの前記一部と前記複数の第1フィラメントとの間から前記第1筒状治具を取り除き、前記複数の第1フィラメントと前記複数の第2フィラメントの前記他の一部との間から前記第2筒状治具を取り除く除去工程と、
前記複数の第1フィラメントと前記複数の第2フィラメントとが挿入された前記スリーブを、外側から押圧することにより、前記複数の第1フィラメントおよび前記複数の第2フィラメントを互いに圧接する圧接工程とを備える、超電導線の接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超電導線の接続構造および超電導線の接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超電導線の接続方法を開示した先行文献として、特許第2902239号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載の超電導線の接続方法は、前処理工程と、中間処理工程と、接続工程とを備えている。超電導線は、合金系超電導材料からなる多数本のフィラメントが安定化材中に埋設されてなる。前処理工程では、超電導線の接続部において、安定化材を除去する。中間処理工程では、安定化材が除去された複数の超電導線の露出したフィラメントを成形する。中間処理工程は、整線化工程と、添線付加工程と、撚線化工程とを有する。整線化工程では、複数の超電導線の露出したフィラメントを解す。添線付加工程では、整線化されたフィラメントに、整線化された超電導材からなる添線を、前記フィラメントの長さ方向にわたって付加する。撚線化工程では、添線が付加されたフィラメントをツイストする。接続工程では、複数の超電導線のフィラメントを一括してスリーブ内に挿入し、ダイスによりスリーブとともにフィラメントを押圧して接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の超電導線の接続構造においては、接続される複数の超電導線の各々に含まれるフィラメントの数および太さの各々が互いに異なると、スリーブ内で一方のフィラメントが偏在する。このため、スリーブ内における一方のフィラメントの偏在を抑制することで、複数の超電導線の各々に含まれるフィラメント同士の接触面積を大きくできる余地がある。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、フィラメント同士の接触面積を大きくすることにより、接触抵抗を低減して電気的特性を向上できる、超電導線の接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に基づく超電導線の接続構造は、フィラメントおよび被覆部を含む超電導線同士のフィラメントを互いに接続する。フィラメントは、金属系超電導材料から構成されている。被覆部は、フィラメントを覆い、安定化材で構成されている。超電導線の接続構造は、フィラメントとして、複数の第1フィラメントおよび複数の第2フィラメントと、スリーブとを備えている。複数の第2フィラメントの各々は、複数の第1フィラメントの各々の線径より細い。複数の第2フィラメントは、複数の第1フィラメントの数より多い。スリーブは、貫通孔を有する。貫通孔には、複数の第1フィラメントと複数の第2フィラメントとが挿通される。複数の第2フィラメントの一部は、一の超電導線に含まれており、
複数の第2フィラメントの他の一部は、一の超電導線とは異なる他の超電導線に含まれている。貫通孔内を貫通方向から見たときに、複数の第1フィラメントが位置している少なくとも1つの第1領域が形成されている。貫通孔内を貫通方向から見たときに、スリーブと少なくとも1つの第1領域との間に、複数の第2フィラメントが介在し、複数の第2フィラメントの一部が、少なくとも1つの第1領域の内側に位置し、複数の第2フィラメントの他の一部が、少なくとも1つの第1領域の外側に位置している。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、スリーブ内において一方のフィラメントが偏在することを抑制できるため、複数の超電導線の各々に含まれるフィラメント同士の接触面積を大きくできる。これにより、超電導線の接続構造において、接触抵抗を低減して、電気的特性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続構造を備える、超電導マグネットの回路構成の一例を示す回路図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続構造の構成を示す図である。
【
図3】
図2の超電導線の接続構造をIII-III線矢印方向から見た断面図である。
【
図4】本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続方法によって接続される前の超電導線を示す図である。
【
図5】本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続方法の巻付工程において、複数の第2フィラメントを2組に分割した状態を示す図である。
【
図6】本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続方法の巻付工程において、2組に分割した複数の第2フィラメントを、複数の第1フィラメントに巻き付けた状態を示す図である。
【
図7】本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続方法の挿入工程において、スリーブの貫通孔に挿入する直前の複数の第1フィラメントの状態を示す図である。
【
図8】本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続方法の挿入工程において、スリーブの貫通孔に挿入した後の複数の第1フィラメントの状態を示す図である。
【
図9】
図8に示した状態の複数の第1フィラメント、複数の第2フィラメントおよびスリーブを、IX-IX線矢印方向から見た断面図である。
【
図10】本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続方法の圧接工程において、ダイスの間にスリーブが挿入された状態を示す図である。
【
図11】
図10に示した状態の複数の第1フィラメント、複数の第2フィラメント、スリーブおよびダイスを、XI-XI線矢印方向から見た断面図である。
【
図12】本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続方法の圧接工程において、ダイスによってスリーブを外側から押圧した状態を示す図である。
【
図13】比較例に係る超電導線の接続構造を示す断面図である。
【
図14】本発明の実施の形態1の第1変形例に係る超電導線の接続構造の外観を示す図である。
【
図15】本発明の実施の形態1の第1変形例に係る超電導線の接続構造の構成を示す断面図である。
【
図16】本発明の実施の形態1の第2変形例に係る超電導線の接続構造の構成を示す断面図である。
【
図17】本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続構造の構成を示す断面図である。
【
図18】本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続方法の第1挿入工程において、複数の第2フィラメントの一部を第1筒状治具に挿入する前の状態を示す図である。
【
図19】本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続方法の第1挿入工程において、複数の第2フィラメントの一部を第1筒状治具に挿入した後の状態と、準備された複数の第1フィラメントとを示した図である。
【
図20】本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続方法の第1巻付工程において、複数の第1筒状治具に複数の第1フィラメントを巻き付けた状態と、準備された第2筒状治具とを示す図である。
【
図21】本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続方法の第2挿入工程において、第1筒状治具を第2筒状治具に挿入した状態と、準備された複数の第2フィラメントの他の一部とを示す図である。
【
図22】本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続方法の第2巻付工程において、第2筒状治具に複数の第2フィラメントの他の一部を巻き付けた状態を示す図である。
【
図23】本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続方法の第3挿入工程において、スリーブの貫通孔に第2筒状治具を挿入した状態を示す図である。
【
図24】本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続方法の除去工程において、第1筒状治具と第2筒状治具とを除去した状態を示す図である。
【
図25】本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続方法の圧接工程において、ダイスの間にスリーブを挿入した状態を示す図である。
【
図26】本発明の実施の形態2の第1変形例に係る超電導線の接続構造の構成を示す断面図である。
【
図27】本発明の実施の形態2の第2変形例に係る超電導線の接続構造の構成を示す断面図である。
【
図28】本発明の実施の形態3に係る超電導線の接続構造の構成を示す図である。
【
図29】本発明の実施の形態3に係る超電導線の接続方法の押し込み工程において、スリーブの貫通孔に位置する押し込み治具の内側と外側の各々に、フィラメントを押し込んでいる際の状態を示す図である。
【
図30】
図29に示した状態のスリーブおよび押し込み治具をXXX-XXX線矢印方向から見た図である。
【
図31】本発明の実施の形態4に係る超電導線の接続構造の構成を示す図である。
【
図32】本発明の実施の形態5に係る超電導線の接続構造の構成を示す図である。
【
図33】本発明の実施の形態5の第1変形例に係る超電導線の接続構造の構成を示す断面図である。
【
図34】本発明の実施の形態5の第2変形例に係る超電導線の接続構造の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施の形態に係る超電導線の接続構造について図面を参照して説明する。以下の実施の形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続構造を備える、超電導マグネットの回路構成の一例を示す回路図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続構造100は、超電導マグネット10に適用可能である。
【0011】
超電導マグネット10は、複数のコイル11を有している。複数のコイル11の各々は、超電導線101で構成されている。超電導マグネット10は、超電導永久電流スイッチ13および励磁用電源端子14を有している。超電導永久電流スイッチ13および励磁用電源端子14の各々は、超電導線101に接続されている。
【0012】
超電導マグネット10においては、複数の超電導線101の各々が、超電導線の接続構造100により互いに接続されている。
【0013】
図2は、本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続構造の構成を示す図である。
図3は、
図2の超電導線の接続構造をIII-III線矢印方向から見た断面図である。
【0014】
図2に示すように、本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続構造100において、超電導線101は、フィラメント102および被覆部103を含む。超電導線の接続構造100においては、超電導線101同士のフィラメント102が、互いに接続されている。
【0015】
フィラメント102は、金属系超電導材料から構成されている。フィラメント102は、たとえば、合金系超電導材料から構成されており、具体的には、ニオブチタン合金から構成されている。
【0016】
被覆部103は、フィラメント102を覆い、安定化材で構成されている。安定化材は、たとえば銅またはアルミニウムである。
【0017】
図2に示すように、超電導線の接続構造100は、フィラメント102として、複数の第1フィラメント110および複数の第2フィラメント120と、スリーブ130とを備えている。
【0018】
図3に示すように、複数の第2フィラメント120の各々は、複数の第1フィラメント110の各々の線径より細い。複数の第1フィラメント110の各々の線径は、超電導線101の仕様により異なるため特に限定されないが、たとえば、10μm超150μm以下である。複数の第2フィラメント120の各々の線径は、超電導線101の仕様により異なるため特に限定されないが、たとえば、10μm以上150μm未満である。
【0019】
複数の第2フィラメント120は、複数の第1フィラメント110の数より多い。複数の第1フィラメント110の数および複数の第2フィラメント120の数の各々は、超電導線101の仕様により異なるため、特に限定されない。
【0020】
図3に示すように、スリーブ130は、貫通孔131を有する。スリーブ130は、たとえば、銅で構成されている。
【0021】
貫通孔131には、複数の第1フィラメント110と複数の第2フィラメント120とが挿通される。貫通孔131内を貫通方向から見たときに、複数の第1フィラメント110が位置している少なくとも1つの第1領域R1が形成されている。
【0022】
貫通孔131内を貫通方向から見たときに、スリーブ130と少なくとも1つの第1領域R1との間に、複数の第2フィラメント120が介在している。
【0023】
本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続構造100においては、貫通孔131内を貫通方向から見たときに、少なくとも1つの第1領域R1が、貫通孔131の中央に位置している。本実施の形態においては、少なくとも1つの第1領域R1として、1つの第1領域R1が位置している。
【0024】
以下、本発明の実施の形態1に係る超電導線101の接続方法について説明する。
図4は、本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続方法によって接続される前の超電導線を示す図である。本発明の実施の形態1に係る超電導線101の接続方法においては、超電導線101同士のフィラメント102を互いに接続する。
【0025】
超電導線101の接続方法は、準備工程と、巻付工程と、挿入工程と、圧接工程とを備えている。
【0026】
図4に示すように、準備工程では、フィラメント102として、複数の第1フィラメント110と、複数の第2フィラメント120とを準備する。複数の第1フィラメント110および複数の第2フィラメント120の各々の全体が安定化材に覆われている場合には、銅などの安定化材の一部を硝酸で溶解することにより、フィラメント102を露出させる。
【0027】
図5は、本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続方法の巻付工程において、複数の第2フィラメントを2組に分割した状態を示す図である。
図6は、本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続方法の巻付工程において、2組に分割した複数の第2フィラメントを、複数の第1フィラメントに巻き付けた状態を示す図である。
【0028】
図5および
図6に示すように、巻付工程では、まず、複数の第2フィラメント120を2組に分割する。2組に分割された複数の第2フィラメント120は、一方の束と、他方の束とから構成される。そして、巻付工程では、複数の第1フィラメント110を直線状の中心軸として、複数の第1フィラメント110に複数の第2フィラメント120を複数の第1フィラメント110の軸方向に沿って巻き付ける。このとき、複数の第2フィラメント120の一方の束と他方の束とが互いに撚り合うように、複数の第2フィラメント120を巻き付ける。
【0029】
図7は、本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続方法の挿入工程において、スリーブの貫通孔に挿入する直前の複数の第1フィラメントの状態を示す図である。
図8は、本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続方法の挿入工程において、スリーブの貫通孔に挿入した後の複数の第1フィラメントの状態を示す図である。
図9は、
図8に示した状態の複数の第1フィラメント、複数の第2フィラメントおよびスリーブを、IX-IX線矢印方向から見た断面図である。なお、
図7および
図8においては、スリーブ130を断面図で示している。
【0030】
図7から
図9に示すように、挿入工程では、複数の第2フィラメント120が巻き付けられた複数の第1フィラメント110をスリーブ130の貫通孔131に挿入する。
【0031】
図10は、本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続方法の圧接工程において、ダイスの間にスリーブが挿入された状態を示す図である。
図11は、
図10に示した状態の複数の第1フィラメント、複数の第2フィラメント、スリーブおよびダイスを、XI-XI線矢印方向から見た断面図である。
図12は、本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続方法の圧接工程において、ダイスによってスリーブを外側から押圧した状態を示す図である。なお、
図10および
図12においては、スリーブ130を断面図で示している。
【0032】
図10から
図12に示すように、圧接工程では、複数の第2フィラメント120が巻き付けられた複数の第1フィラメント110が挿入されているスリーブ130を、一対のお圧部で構成されるダイス20の間に配置し、ダイス20で外側から押圧することにより、複数の第1フィラメント110および複数の第2フィラメント120を互いに圧接する。複数の第1フィラメント110および複数の第2フィラメント120を互いに圧接することにより、複数の第1フィラメントおよび複数の第2フィラメント120の各々を、互いに電気的に接続する。
【0033】
図10および
図11に示すように、ダイス20を構成する一対の圧接部の各々は、スリーブ130側に向かって凹状に湾曲しつつ、貫通孔131の貫通方向に沿って延在する凹条部21を有する。
図11に示すように、ダイス20においては、凹条部21の肩部が切り欠かれた切欠部22が形成されている。
【0034】
上記の圧接工程においては、スリーブ130を、ダイス20を構成する一対の圧接部の各々の凹条部21で押圧することで、凹条部21の外形に対応するような形状に塑性変形させる。スリーブ130は、上記の押圧により、ダイス20を構成する一対の圧接部が並んでいる方向、すなわち、押圧方向において収縮するとともに、上記押圧方向に対して垂直な方向に延びるように塑性変形する。これにより、スリーブ130は、押圧方向に対して垂直な方向における端部において、切欠部22に対応するような形状に塑性変形する。このようにして、
図3に示した両端部132が形成される。上記の工程により、
図2および
図3に示す超電導線の接続構造100が製造される。
【0035】
ここで、本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続構造100との比較のため、比較例に係る超電導線の接続構造について説明する。
図13は、比較例に係る超電導線の接続構造を示す断面図である。なお、
図13においては、スリーブ130の外側から押圧される直前の状態を示しているが、比較例においては、スリーブ130の貫通孔131の内部での複数の第1フィラメント、複数の第2フィラメントおよびスリーブ130の相対的な位置関係は、
図13に示したこれらの相対的な位置関係と略同一である。
【0036】
比較例に係る超電導線の接続構造900を製造するための、超電導線101を接続する方法においては、複数の第2フィラメント920を直線状に維持することなく、複数の第1フィラメント910と複数の第2フィラメント920とを互いに撚り合わせた後に、これらをスリーブ130に挿入する。この点が、本発明の実施の形態1に係る超電導線101の接続方法と異なっている。
【0037】
図13に示すように、上記の方法により製造された比較例に係る超電導線の接続構造900においては、スリーブ130内を貫通孔131の貫通方向から見たときに、複数の第1フィラメント910がスリーブ130の内壁近傍に偏在している。すなわち、複数の第1フィラメント910が位置する第1領域R1と、スリーブ130との間には、複数の第2フィラメント920が介在していない部分が存在する。このように、複数の第1フィラメント910のうちスリーブ130と接している部分は、複数の第2フィラメント920と互いに接触していない。
【0038】
一方、
図3に示すように、本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続構造100においては、第1領域R1とスリーブ130との間に複数の第2フィラメント120が介在しているため、比較例に係る超電導線の接続構造900と比較して、複数の第1フィラメント110と複数の第2フィラメント120との接触面積を、増やすことができる。
【0039】
上記のように、本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続構造100においては、複数の第2フィラメント120の各々は、複数の第1フィラメント110の各々の線径より細い。複数の第2フィラメント120は、複数の第1フィラメント110の数より多い。スリーブ130は、貫通孔131を有する。貫通孔131には、複数の第1フィラメント110と複数の第2フィラメント120とが挿通される。貫通孔131内を貫通方向から見たときに、複数の第1フィラメント110が位置している少なくとも1つの第1領域R1が形成されている。貫通孔131内を貫通方向から見たときに、スリーブ130と少なくとも1つの第1領域R1との間に、複数の第2フィラメント120が介在している。
【0040】
これにより、スリーブ130内において一方のフィラメント102すなわち複数の第1フィラメント110の偏在を抑制することで、複数の第1フィラメント110と複数の第2フィラメント120との接触面積を大きくできる。これにより、超電導線の接続構造100において、フィラメント同士の接触抵抗を低減して電気的特性を向上できる。
【0041】
本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続構造100においては、貫通孔131内を貫通方向から見たときに、少なくとも1つの第1領域R1が、貫通孔131の中央に位置している。
【0042】
これにより、貫通孔131内を貫通方向から見たときに、貫通孔131の中心を中心点とする周方向にかけて、超電導線の接続構造100の電気的特性のばらつきを低減することができる。
【0043】
本発明の実施の形態1に係る超電導線101の接続方法は、準備工程と、巻付工程と、挿入工程と、圧接工程とを備えている。準備工程では、フィラメント102として、複数の第1フィラメント110と、複数の第2フィラメント120とを準備する。巻付工程では、複数の第1フィラメント110を中心軸として、複数の第1フィラメント110に複数の第2フィラメント120を複数の第1フィラメント110の軸方向に沿って巻き付ける。挿入工程では、複数の第2フィラメント120が巻き付けられた複数の第1フィラメント110をスリーブ130の貫通孔131に挿入する。圧接工程では、複数の第2フィラメント120が巻き付けられた複数の第1フィラメント110が挿入されているスリーブ130を、外側から押圧することにより、複数の第1フィラメント110および複数の第2フィラメント120を互いに圧接する。
【0044】
これにより、複数の第1フィラメント110が位置する第1領域R1を貫通孔131の中央に位置させつつ、スリーブ130内における複数の第1フィラメント110の偏在を抑制して、複数の第1フィラメント110と複数の第2フィラメント120との接触面積を大きくできる。これにより、接触抵抗を低減して電気的特性が向上するように、超電導線を接続できる。
【0045】
なお、本発明の実施の形態1に係る超電導線の接続構造100においては、超電導線101が3本以上であってもよい。
図14は、本発明の実施の形態1の第1変形例に係る超電導線の接続構造の外観を示す図である。
図15は、本発明の実施の形態1の第1変形例に係る超電導線の接続構造の構成を示す断面図である。
図15においては、スリーブ130の外側から押圧される直前の状態を示しているが、本実施の形態におけるスリーブ130の貫通孔131の内部での複数の第1フィラメント、複数の第2フィラメントおよびスリーブの相対的な位置関係は、
図15に示したこれらの相対的な位置関係と略同一である。
【0046】
図14および
図15に示すように、本発明の実施の形態1の第1変形例に係る超電導線の接続構造100aにおいては、複数の第2フィラメント120の一部120Xは、一の超電導線101Xに含まれている。複数の第2フィラメント120の他の一部120Yは、一の超電導線101Xとは異なる他の超電導線101Yに含まれている。
【0047】
本変形例においては、上記の構成により、複数の第2フィラメント120が含まれる超電導線101が複数ある場合においても、複数の第1フィラメント110の偏在を抑制して、複数の第1フィラメント110と複数の第2フィラメント120との接触面積を大きくできる。これにより、超電導線の接続構造100において、フィラメント同士の接触抵抗を低減して、電気的特性を向上できる。
【0048】
本変形例においては、貫通孔131を貫通方向から見たときに、複数の第2フィラメント120の一部120Xおよび他の一部120Yの各々が、第1領域R1より面積が大きい領域を形成することなく、互いに混ざり合うように位置している。
【0049】
なお、本変形例において、一の超電導線101Xに含まれる複数の第2フィラメント120の一部120Xの各々の線径と、他の超電導線101Yに含まれる複数の第2フィラメント120の他の一部120Yの各々の線径とは、互いに略同一であるが、互いに異なっていてもよい。また、一の超電導線101Xに含まれる複数の第2フィラメント120の一部120Xの数と、他の超電導線101Yに含まれる複数の第2フィラメント120の他の一部120Yの数とは互いに略同一であるが、互いに異なっていてもよい。
【0050】
また、本変形例に係る超電導線101の接続構造は、
図4に示した本発明の実施の形態1に係る超電導線101の接続方法の準備工程において、複数の第2フィラメント120の一部120Xおよび他の一部120Yが混ざり合った状態の複数の第2フィラメント120を準備することにより、製造することができる。
【0051】
さらに、本発明の実施の形態1においては、複数の第2フィラメントの一部120Xと、複数の第2フィラメントの他の一部120Yとが、互いに異なる領域に位置していてもよい。
図16は、本発明の実施の形態1の第2変形例に係る超電導線の接続構造の構成を示す断面図である。なお、
図16においては、スリーブ130の外側から押圧される直前の状態を示しているが、本実施の形態におけるスリーブ130の貫通孔131の内部での複数の第1フィラメント、複数の第2フィラメントおよびスリーブ130の相対的な位置関係は、
図16に示したこれらの相対的な位置関係と略同一である。
【0052】
図16に示すように、本発明の実施の形態1の第2変形例に係る超電導線の接続構造100bにおいては、貫通孔131内を貫通方向から見たときに、複数の第2フィラメント120の一部120Xが位置している第2領域R2と、複数の第2フィラメント120の他の一部120Yが位置している第3領域R3とが形成されている。貫通孔131内を貫通方向から見たときに、少なくとも1つの第1領域R1は、第2領域R2と第3領域R3との間に挟まれるように位置している。
【0053】
本変形例においては、上記の構成により、複数の第2フィラメント120の一部120Xおよび他の一部120Yの一方が第1領域R1の近傍で偏在することを抑制できるため、複数の第2フィラメント120の一部120Xおよび他の一部120Yの各々において、複数の第1フィラメント110との接触抵抗を低減して、超電導線の接続構造100bにおける電気的特性を向上させることができる。
【0054】
なお、本変形例に係る超電導線101の接続構造は、
図5および
図6に示した本発明の実施の形態1に係る超電導線101の接続方法の巻付工程において、複数の第2フィラメント120を巻き付ける直前の一方の束を複数の第2フィラメント120の一部120Xとし、他方の束を複数の第2フィラメント120の他の一部120Yとすることにより、製造することができる。
【0055】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続構造は、第1領域R1の外形が異なる点が主に、本発明の実施の形態1の第2変形例に係る超電導線の接続構造100bと異なる。よって、本発明の実施の形態1の第2変形例に係る超電導線の接続構造100bと同様である構成については説明を繰り返さない。
【0056】
図17は、本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続構造の構成を示す断面図である。なお、
図17においては、スリーブ130の外側から押圧される直前の状態を示しているが、本実施の形態におけるスリーブ130の貫通孔131の内部での複数の第1フィラメント、複数の第2フィラメントおよびスリーブ130の相対的な位置関係は、
図17に示したこれらの相対的な位置関係と略同一である。
【0057】
図17に示すように、本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続構造200においては、貫通孔131内を貫通方向から見たときに、少なくとも1つの第1領域R1が環状に形成されている。本実施の形態においては、少なくとも1つの第1領域R1が、貫通孔131の中心を中心点とする円環状に形成されている。
【0058】
貫通孔131内を貫通方向から見たときに、複数の第2フィラメント220は、少なくとも1つの第1領域R1の内側および外側の各々に位置している。
【0059】
本実施の形態においては、貫通孔131内を貫通方向から見たときに、複数の第2フィラメント220の一部220Xが、少なくとも1つの第1領域R1の内側に位置している。貫通孔131内を貫通方向から見たときに、複数の第2フィラメント220の他の一部220Yは、少なくとも1つの第1領域R1の外側に位置している。
【0060】
以下、本発明の実施の形態2に係る超電導線101の接続方法について説明する。本発明の実施の形態2に係る超電導線101の接続方法は、準備工程と、第1挿入工程と、第1巻付工程と、2挿入工程と、第2巻付工程と、第3挿入工程と、除去工程と、圧接工程とを備えている。
【0061】
準備工程では、複数の第1フィラメント210と、複数の第2フィラメント220とを準備する。複数の第1フィラメント110および複数の第2フィラメント120の各々の全体が安定化材に覆われている場合には、銅などの安定化材の一部を硝酸で溶解することにより、フィラメント102を露出させる。
【0062】
図18は、本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続方法の第1挿入工程において、複数の第2フィラメントの一部を第1筒状治具に挿入する前の状態を示す図である。
図19は、本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続方法の第1挿入工程において、複数の第2フィラメントの一部を第1筒状治具に挿入した後の状態と、準備された複数の第1フィラメントとを示した図である。
【0063】
図18および
図19に示すように、第1挿入工程では、複数の第2フィラメント220の一部220Xを、第1筒状治具30に挿入する。
【0064】
図20は、本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続方法の第1巻付工程において、複数の第1筒状治具に複数の第1フィラメントを巻き付けた状態と、準備された第2筒状治具とを示す図である。
図20に示すように、第1巻付工程では、第1筒状治具30を中心軸として、第1筒状治具30に複数の第1フィラメント210を第1筒状治具30の軸方向に沿って巻き付ける。すなわち、複数の第1フィラメント210を、第1筒状治具30を取り囲むように撚る。
【0065】
図21は、本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続方法の第2挿入工程において、第1筒状治具を第2筒状治具に挿入した状態と、準備された複数の第2フィラメントの他の一部とを示す図である。
図21に示すように、第2挿入工程では、複数の第1フィラメント210が巻き付けられた状態の第1筒状治具30を、第2筒状治具40に挿入する。
【0066】
図22は、本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続方法の第2巻付工程において、第2筒状治具に複数の第2フィラメントの他の一部を巻き付けた状態を示す図である。
図22に示すように、第2巻付工程では、第2筒状治具40を中心軸として、第2筒状治具40に複数の第2フィラメント220の他の一部220Yを第2筒状治具40の軸方向に沿って巻き付ける。
【0067】
図23は、本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続方法の第3挿入工程において、スリーブの貫通孔に第2筒状治具を挿入した状態を示す図である。
図23に示すように、第3挿入工程では、複数の第2フィラメント220の他の一部220Yが巻き付けられた状態の第2筒状治具40を、スリーブ130の貫通孔131に挿入する。
【0068】
図24は、本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続方法の除去工程において、第1筒状治具と第2筒状治具とを除去した状態を示す図である。
図24に示すように、除去工程では、複数の第2フィラメント220の一部220Xと複数の第1フィラメント210との間から第1筒状治具30を取り除き、複数の第1フィラメント210と複数の第2フィラメント220の他の一部220Yとの間から第2筒状治具40を取り除く。なお、第1筒状治具30および第2筒状治具40の各々が取り除かれた後の、複数の第1フィラメント210、複数の第2フィラメント220およびスリーブ130の各々の状態を、
図17に示している。
【0069】
図25は、本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続方法の圧接工程において、ダイスの間にスリーブを挿入した状態を示す図である。
図25に示すように、圧接工程では、複数の第1フィラメント210と複数の第2フィラメント220とが挿入されたスリーブ130を、外側から押圧することにより、複数の第1フィラメント210および複数の第2フィラメント220を互いに圧接する。上記の工程により、超電導線の接続構造200が製造される。
【0070】
上記のように、本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続構造200においては、貫通孔131内を貫通方向から見たときに、少なくとも1つの第1領域R1は環状に形成されている。貫通孔131内を貫通方向から見たときに、複数の第2フィラメント220は、少なくとも1つの第1領域R1の内側および外側の各々に位置している。
【0071】
これにより、第1領域R1の外側だけでなく内側においても、複数の第1フィラメント210と複数の第2フィラメント220とを互いに接触させることができる。また、上記貫通方向から見たときに、ダイス20を構成する一対の押圧部の各々が貫通孔131の中心を中心軸として周方向にずれた状態において、ダイス20によりスリーブ130の外側からスリーブ130を押圧しても、ダイス20がずれていない状態で押圧したときと同様の超電導線の接続構造200を製造することができる。
【0072】
本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続構造200においては、複数の第2フィラメント220の一部220Xは、一の超電導線101Xに含まれている。複数の第2フィラメント220の他の一部220Yは、一の超電導線101Xとは異なる他の超電導線101Yに含まれている。
【0073】
これにより、複数の第2フィラメント220が含まれる超電導線101が複数ある場合においても、複数の第1フィラメント210の偏在を抑制して、複数の第1フィラメント210と複数の第2フィラメント220との接触面積を大きくできる。これにより、超電導線の接続構造200において、フィラメント同士の接触抵抗を低減して、電気的特性を向上できる。
【0074】
本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続構造200においては、貫通孔131内を貫通方向から見たときに、複数の第2フィラメント220の一部220Xが、少なくとも1つの第1領域R1の内側に位置している。貫通孔131内を貫通方向から見たときに、複数の第2フィラメント220の他の一部220Yは、少なくとも1つの第1領域R1の外側に位置している。
【0075】
これにより、複数の第2フィラメント220の一部220Xおよび他の一部220Yの一方が第1領域R1の近傍で偏在することを抑制できるため、複数の第2フィラメント220の一部220Xおよび他の一部220Yの各々において、複数の第1フィラメント210との接触抵抗を低減して、超電導線の接続構造200における電気的特性を向上させることができる。
【0076】
本発明の実施の形態2に係る超電導線101の接続方法は、準備工程と、第1挿入工程と、第1巻付工程と、2挿入工程と、第2巻付工程と、第3挿入工程と、除去工程と、圧接工程とを備えている。準備工程では、複数の第1フィラメント210と、複数の第2フィラメント220とを準備する。第1挿入工程では、複数の第2フィラメント220の一部220Xを、第1筒状治具30に挿入する。第1巻付工程では、第1筒状治具30を中心軸として、第1筒状治具30に複数の第1フィラメント210を第1筒状治具30の軸方向に沿って巻き付ける。第2挿入工程では、複数の第1フィラメント210が巻き付けられた状態の第1筒状治具30を、第2筒状治具40に挿入する。第2巻付工程では、第2筒状治具40を中心軸として、第2筒状治具40に複数の第2フィラメント220の他の一部220Yを第2筒状治具40の軸方向に沿って巻き付ける。第3挿入工程では、複数の第2フィラメント220の他の一部220Yが巻き付けられた状態の第2筒状治具40を、スリーブ130の貫通孔131に挿入する。除去工程では、複数の第2フィラメント220の一部220Xと複数の第1フィラメント210との間から第1筒状治具30を取り除き、複数の第1フィラメント210と複数の第2フィラメント220の他の一部220Yとの間から第2筒状治具40を取り除く。圧接工程では、複数の第1フィラメント210と複数の第2フィラメント220とが挿入されたスリーブ130を、外側から押圧することにより、複数の第1フィラメント210および複数の第2フィラメント220を互いに圧接する。
【0077】
これにより、貫通孔131内を貫通方向から見たときに、複数の第1フィラメント210が位置する第1領域R1が環状となるように形成しつつ、スリーブ130内における複数の第1フィラメント210の偏在を抑制して、複数の第1フィラメント210と複数の第2フィラメント220との接触面積を大きくできる。これにより、接触抵抗を低減して電気的特性が向上するように、超電導線101を接続できる。
【0078】
なお、本発明の実施の形態2に係る超電導線の接続構造200においては、超電導線が2本であってもよい。
図26は、本発明の実施の形態2の第1変形例に係る超電導線の接続構造の構成を示す断面図である。なお、
図26においては、スリーブ130の外側から押圧される直前の状態を示しているが、本実施の形態におけるスリーブ130の貫通孔の内部における複数の第1フィラメント、複数の第2フィラメントおよびスリーブの各々は、
図26に示したこれらの相対的な位置関係と略同一である。
【0079】
図26に示すように、本発明の実施の形態2の第1変形例に係る超電導線の接続構造200aにおいても、貫通孔131内を貫通方向から見たときに、少なくとも1つの第1領域R1は環状に形成されている。貫通孔131内を貫通方向から見たときに、複数の第2フィラメント220は、少なくとも1つの第1領域R1の内側および外側の各々に位置している。
【0080】
本変形例に係る超電導線101の接続構造は、本発明の実施の形態2に係る超電導線101の接続方法の準備工程において、複数の第2フィラメント220の一部220Xを、一の超電導線に含まれる複数の第2フィラメント220の一方の束とし、複数の第2フィラメント220の他の一部220Yを、一の超電導線に含まれる複数の第2フィラメント220の他方の束として準備することにより、製造することができる。
【0081】
さらに、本発明の実施の形態2においては、複数の第1フィラメントの一部220Xと、複数の第2フィラメントの他の一部220Yとが、互いに混ざり合うように位置していてもよい。
図27は、本発明の実施の形態2の第2変形例に係る超電導線の接続構造の構成を示す断面図である。なお、
図27においては、スリーブの外側から押圧される直前の状態を示しているが、本実施の形態におけるスリーブの貫通孔の内部での複数の第1フィラメント、複数の第2フィラメントおよびスリーブの相対的な位置関係は、
図27に示したこれらの相対的な位置関係と略同一である。
【0082】
図27に示すように、本実施の形態2の第2変形例に係る超電導線の接続構造200bにおいては、貫通孔131を貫通方向から見たときに、複数の第2フィラメント220の一部220Xおよび他の一部220Yの各々が、第1領域R1より面積が大きい領域を形成することなく、互いに混ざり合うように位置している。
【0083】
本変形例に係る超電導線101の接続構造は、本発明の実施の形態2の第1変形例に係る超電導線101の製造方法の準備工程において、複数の第2フィラメント220の一部220Xおよび他の一部220Yが混ざり合った状態の複数の第2フィラメントを準備した上で、上記の混ざり合った状態複数の第2フィラメントから一方の束および他方の束の各々を形成することにより、製造することができる。
【0084】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る超電導線の接続構造は、第1領域R1の外形が異なる点が主に、本発明の実施の形態1の第1変形例に係る超電導線の接続構造100aと異なる。よって、本発明の実施の形態1の第1変形例に係る超電導線の接続構造100aと同様である構成については説明を繰り返さない。
【0085】
図28は、本発明の実施の形態3に係る超電導線の接続構造の構成を示す図である。
図28においては、スリーブ130の外側から押圧される直前の状態を示しているが、本実施の形態におけるスリーブ130の貫通孔131の内部での複数の第1フィラメント、複数の第2フィラメントおよびスリーブの相対的な位置関係は、
図28に示したこれらの相対的な位置関係と略同一である。
【0086】
図28に示すように、本発明の実施の形態3に係る超電導線の接続構造300においては、貫通孔131内を貫通方向から見たときに、少なくとも1つの第1領域R1は線状に形成されている。なお、本実施の形態においては、少なくとも1つの第1領域R1において、複数の第1フィラメント310が上記線状に沿って2列となるように配置されているが、複数の第1フィラメント310は、上記線状に沿って1列となるように配置されてもよいし、3列以上となるように配置されてもよい。
【0087】
以下、本発明の実施の形態3に係る超電導線101の接続方法について説明する。本発明の実施の形態3に係る超電導線101の接続方法においては、巻付工程および挿入工程に代えて、押し込み工程を備える点が、本発明の実施の形態1における超電導線101の接続方法と異なる。よって、本発明の実施の形態1における超電導線101の接続方法と同様の構成については説明を繰り返さない。
【0088】
図29は、本発明の実施の形態3に係る超電導線の接続方法の押し込み工程において、スリーブの貫通孔に位置する押し込み治具の内側と外側の各々に、フィラメントを押し込んでいる際の状態を示す図である。
図30は、
図29に示した状態のスリーブおよび押し込み治具をXXX-XXX線矢印方向から見た図である。
【0089】
図29および
図30に示すように、本実施の形態3に係る超電導線101の接続方法における押し込み工程においては、押し込み治具50を用いる。
図29に示すように、押し込み治具50は、筒状の外形を有している。押し込み治具50は、筒状の押し込み治具50の開口部における、一方の端部51と、他方の端部52とを有している。なお、
図29において、押し込み治具50は、断面図で示されている。
【0090】
図30に示すように、筒状の押し込み治具50の軸方向から見たときに、一方の端部51は、スリーブ130の内径と略同一の長さの長辺を有する矩形状の外形を有している。
【0091】
本実施の形態において、筒状の押し込み治具50の軸方向から見たときの上記一方の端部51の外形の短辺は、一方の端部51の開口部において上下方向に2本の第1フィラメント310が並ぶことができるような長さである。押し込み治具50は、押し込み治具50の軸方向から見たときに、他方の端部52の外形の面積が、一方の端部51の外形の面積より大きくなるように構成されている。
【0092】
押し込み治具50は、上下方向に分割可能となるように、分割部53が形成されている。
【0093】
図29および
図30に示すように、本実施の形態3に係る超電導線101の接続方法における押し込み工程では、まず、押し込み治具50を、一方の端部51がスリーブ130の貫通孔131内に位置するように、スリーブ130の貫通孔131に挿入する。
【0094】
このように挿入された押し込み治具50に対し、一方の端部51においては、スリーブ130と押し込み治具50とで形成される2つの隙間の一方に、複数の第2フィラメント320の一方の束を挿入する。これとともに、上記2つの隙間の他方には、複数の第2フィラメント320の他方の束を挿入する。
【0095】
また、他方の端部52においては、他方の端部52側の開口部から、押し込み治具50の内部に複数の第1フィラメント310を押し込む。他方の端部52側の開口部から押し込んだ複数の第1フィラメント310を押し込むことにより、複数の第1フィラメント310は一方の端部51側の開口部から、押し込み治具50の外側に出る。これにより、貫通孔131を貫通方向からみたときに、複数の第1フィラメント310が位置する第1領域R1の外形を、線状に形成することができる。
【0096】
複数の第1フィラメント310が位置する第1領域R1の外形を上記のように所望の形状に形成した後、押し込み治具50を分割部53により分割する。これにより、複数の第1フィラメント310と複数の第2フィラメント320との間から、押し込み治具50を除去する。なお、上記のように押し込み治具50を除去した後の、複数の第1フィラメント310、複数の第2フィラメント320およびスリーブ130は、
図28に示されている。
【0097】
この後、本発明の実施の形態1における圧接工程と同様にして複数の第1フィラメント310および複数の第2フィラメント320を互いに圧接する。上記の工程により、超電導線の接続構造300が製造される。
【0098】
上記のように、本発明の実施の形態3に係る超電導線の接続構造300においては、貫通孔131内を貫通方向から見たときに、少なくとも1つの第1領域R1は線状に形成されている。
【0099】
これにより、貫通孔131内を貫通方向から見たときに、第1領域R1が貫通孔131の中央に略円形状に形成されている場合と比較して、複数の第1フィラメント310と複数の第2フィラメント320とが互いに接触する面積を増やすことができる。
【0100】
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係る超電導線の接続構造は、第1領域R1の外形が異なる点が主に、本発明の実施の形態3に係る超電導線の接続構造300と異なる。よって、本発明の実施の形態3に係る超電導線の接続構造300と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0101】
図31は、本発明の実施の形態4に係る超電導線の接続構造の構成を示す図である。
図31においては、スリーブの外側から押圧される直前の状態を示しているが、本実施の形態におけるスリーブの貫通孔の内部での複数の第1フィラメント、複数の第2フィラメントおよびスリーブの相対的な位置関係は、
図31に示したこれらの相対的な位置関係と略同一である。
【0102】
図31に示すように、本発明の実施の形態4に係る超電導線の接続構造400においては、貫通孔131内を貫通方向から見たときに、少なくとも1つの第1領域R1は互いに交差する複数の線状に形成されている。
【0103】
本実施の形態に係る超電導線の接続構造400は、上記の構成を有しているため、製造の際に、スリーブ130の上側および下側の各々からスリーブ130を押圧することにより、複数の線状に形成された少なくとも1つの第1領域R1のうち最も水平方向に近い傾きを有する線状部分において、複数の第1フィラメント310および複数の第2フィラメント320の各々を、互いに密に圧接させることができる。また、本実施の形態においては、仮に、圧接工程の直前に複数の第1フィラメント310および複数の第2フィラメント320が貫通孔131の中心を中心軸として周方向にずれた場合でも、複数の線状に形成された少なくとも1つの第1領域R1のうちの最も水平方向に近い傾きを有する線状部分を有するにように、超電導線の接続構造400を構成することができる。
【0104】
なお、本実施の形態に係る超電導線の接続構造400は、
図29に示した本発明の実施の形態3に係る超電導線101の接続方法の押し込み工程において、一方の端部51側の開口部の外形が本実施の形態における第1領域R1の外形と対応するように、一方の端部51の形状を変更することにより、製造することができる。
【0105】
実施の形態5.
本発明の実施の形態5に係る超電導線の接続構造は、第1領域R1の外形が異なる点が主に、本発明の実施の形態3に係る超電導線の接続構造300と異なる。よって、本発明の実施の形態3に係る超電導線の接続構造300と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0106】
図32は、本発明の実施の形態5に係る超電導線の接続構造の構成を示す図である。
図32においては、スリーブの外側から押圧される直前の状態を示しているが、本実施の形態におけるスリーブの貫通孔の内部での複数の第1フィラメント、複数の第2フィラメントおよびスリーブの相対的な位置関係は、
図32に示したこれらの相対的な位置関係と略同一である。
【0107】
図32に示すように、本発明の実施の形態5に係る超電導線の接続構造500においては、貫通孔131内を貫通方向から見たときに、少なくとも1つの第1領域R1として、複数の第1領域R1が形成されている。複数の第1領域R1の各々は、互いに離間して平行に並ぶように位置する線状に形成されている。
【0108】
本実施の形態においては、上記の構成により、複数の第1領域R1の各々が、互いに隣接して位置する線状に形成されている場合と比較して、複数の第1フィラメント510と複数の第2フィラメント520との互いの接触面積を増やすことができる。
【0109】
なお、本実施の形態においては、複数の第1領域R1として2つの第1領域R1が形成されている。
【0110】
また、本実施の形態に係る超電導線の接続構造500は、
図29に示した本発明の実施の形態3に係る超電導線101の接続方法の押し込み工程において、一方の端部51側の開口部の外形が本実施の形態における第1領域R1の外形に対応するように、一方の端部51の形状を変更することにより、製造することができる。
【0111】
なお、本発明の実施の形態5に係る超電導線の接続構造500においては、超電導線が3本以上であってもよい。
図33は、本発明の実施の形態5の第1変形例に係る超電導線の接続構造の構成を示す断面図である。なお、
図33においては、スリーブの外側から押圧される直前の状態を示しているが、本実施の形態におけるスリーブの貫通孔の内部での複数の第1フィラメント、複数の第2フィラメントおよびスリーブの相対的な位置関係は、
図33に示したこれらの相対的な位置関係と略同一である。
【0112】
図33に示すように、本発明の実施の形態5の第1変形例に係る超電導線の接続構造500aにおいては、複数の第2フィラメント520の一部520Xは、一の超電導線101Xに含まれている。複数の第2フィラメント520の他の一部520Yは、一の超電導線101Xとは異なる他の超電導線101Yに含まれている。
【0113】
上記の構成により、複数の第2フィラメント520が複数ある場合においても、複数の第1フィラメント510の偏在を抑制して、複数の第1フィラメント510と複数の第2フィラメント520とが互いに接触する面積を大きくできる。これにより、超電導線の接続構造500aにおいて、フィラメント同士の接触抵抗を低減して、電気的特性を向上できる。
【0114】
なお、本変形例においては、貫通孔131を貫通方向から見たときに、複数の第2フィラメント520の一部520Xおよび他の一部520Yの各々が、第1領域R1より面積が大きい領域を形成することなく、互いに混ざり合うように位置している。
【0115】
また、本変形例に係る超電導線101の接続構造は、本発明の実施の形態5に係る超電導線の接続方法の準備工程において、複数の第2フィラメント520の一部520Xおよび他の一部520Yが混ざり合った状態の複数の第2フィラメント520を準備することにより、製造することができる。
【0116】
さらに、本発明の実施の形態5においては、複数の第2フィラメントの一部520Xと、複数の第2フィラメントの他の一部520Yとが、互いに異なる領域に位置していてもよい。
図34は、本発明の実施の形態5の第2変形例に係る超電導線の接続構造の構成を示す断面図である。なお、
図34においては、スリーブの外側から押圧される直前の状態を示しているが、本実施の形態におけるスリーブの貫通孔の内部での複数の第1フィラメント、複数の第2フィラメントおよびスリーブの相対的な位置関係は、
図34に示したこれらの相対的な位置関係と略同一である。
【0117】
図34に示すように、本発明の実施の形態5の第2変形例に係る超電導線の接続構造500bにおいては、貫通孔131内を貫通方向から見たときに、第2領域R2と、第3領域R3とが形成されている。第2領域R2には、複数の第2フィラメント520の一部520Xが位置している。第2領域R2は、複数の第1領域R1において互いに隣り合う第1領域R1同士の間に位置している。第3領域R3には、複数の第2フィラメント520の他の一部520Yが位置している。第3領域R3は、第1領域R1の並ぶ方向において端に位置する2つの第1領域R1の各々とスリーブ130との間に位置している。
【0118】
本変形例においては、上記の構成により、複数の第2フィラメント520の一部520Xおよび他の一部520Yの一方が第1領域R1の近傍で偏在することを抑制できるため、複数の第2フィラメント520の一部520Xおよび他の一部520Yの各々において、複数の第1フィラメント510との接触抵抗を低減して、超電導線の接続構造500bにおける電気的特性を向上させることができる。
【0119】
なお、本変形例に係る超電導線101の接続構造は、
図29に示した本発明の実施の形態3に係る超電導線101の接続方法の押し込み工程において、複数の第2フィラメント520の一部520Xを、スリーブと押し込み治具50とで形成される2つの隙間の一方に挿入し、複数の第1フィラメント510の他の一部520Yを、スリーブと押し込み治具50とで形成される2つの隙間の他方に挿入することで、製造することができる。
【0120】
上述した実施の形態の説明において、組み合わせ可能な構成を相互に組み合わせてもよい。
【0121】
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施の形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0122】
10 超電導マグネット、11 コイル、13 超電導永久電流スイッチ、14 励磁用電源端子、20 ダイス、21 凹条部、22 切欠部、30 第1筒状治具、40 第2筒状治具、50 押し込み治具、51 一方の端部、52 他方の端部、53 分割部、100,100a,100b,200,200a,200b,300,400,500,500a,500b,900 超電導線の接続構造、101 超電導線、101X 一の超電導線、101Y 他の超電導線、102 フィラメント、103 被覆部、110,210,310,510,910 第1フィラメント、120,220,320,520,920 第2フィラメント、120X,220X,520X 一部、120Y,220Y,520Y 他の一部、130 スリーブ、131 貫通孔、132 両端部、R1 第1領域、R2 第2領域、R3 第3領域。