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  • 特許-ナビゲーション装置 図1
  • 特許-ナビゲーション装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-12
(45)【発行日】2023-05-22
(54)【発明の名称】ナビゲーション装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20230515BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20230515BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/16 C
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019063017
(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2020160023
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】390005430
【氏名又は名称】株式会社ホンダアクセス
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【弁理士】
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 知之
(74)【代理人】
【識別番号】100188994
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100207653
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡
(72)【発明者】
【氏名】田村 寿朗
(72)【発明者】
【氏名】江成 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】森 優一
(72)【発明者】
【氏名】光成 貴宏
(72)【発明者】
【氏名】齊木 亮
【審査官】山田 由希子
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-271906(JP,A)
【文献】特表2003-505708(JP,A)
【文献】特開2006-205773(JP,A)
【文献】特開2009-157466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
G08G 1/00- 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両に搭載されたナビゲーション装置であって、
複数の目的地から所定の目的地を選択し、前記所定の目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記自車両周辺の他車両の状態を検知した検知部からの検知信号を受信する受信部と、
前記検知信号に基づいて前記他車両の前記自車両に対する煽り行為を判定する判定部と、を備え、
前記判定部により前記煽り行為を判定した場合に、前記経路探索手段は、警察署が前記自車両の現在位置から所定の距離内又は所定の移動時間内の範囲にある場合に、他の目的地よりも前記警察署を優先的に前記所定の目的地として選択し、前記所定の目的地までのルート案内を提案することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記所定の目的地までのルート案内を開始した場合に、前記自車両が前記所定の目的地と通信することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの経路を探索し表示するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の走行時に煽り行為を検知して後続車両との事故やトラブルを防止する運転支援装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この運転支援装置は、道路情報収集装置が取得した情報やカメラの撮影結果、さらにナビゲーション装置が出力する地図情報に基づいて、自車両周辺の状況、具体的には渋滞の有無や程度、走行道路の車線数を判定する周辺状況判定部と、速度センサ、加速度センサ、カメラ、灯火系及び車両制御系の出力に基づいて、自車両の状態(速度、加減速の有無と量、操舵状態、灯火状態、障害の有無)を判定する自車両状態判定部と、カメラ、車両間通信装置、レーダの出力から他車両、特に後続車両の状態(加減速の有無と量、車間距離、操舵状態、灯火状態)を判定する他車両状態判定部を備えている。
【0003】
また、特許文献1に記載の運転支援装置は危険度判定部を備えており、この危険度判定部は、周辺状況判定部、自車両状態判定部及び他車両状態判定部の出力から、他車両から自車両に対する煽り行為の発生可能性(煽り危険度)を判定する。
【0004】
煽り危険度判定部は、自車両状態を数値化した自車両状態判定値、他車両状態を数値化した他車両状態判定値、周辺状況を数値化した周辺状況判定値を変数とする関数によって総合的な煽り危険度判定値を算出する。
【0005】
そして、算出された煽り危険度判定値に応じて、運転者に対する危険通知、運転者に対する行動指示、車両の挙動に対して動作介入を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2006-205773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、運転者に対する危険通知、運転者に対する行動指示、車両の挙動に対する動作介入により、自車両の運転を正常なものとした後や、当初から法定速度を守る等、正常な運転を行っていたにも関わらず、煽り行為を受ける場合がある。そのような場合に運転者に対処方法が提案されるものではなかったため、事故や煽り行為を行っている車両の運転者とのトラブルが生じる虞があった。
【0008】
そこで、本発明は以上の問題点を解決し、煽り行為と判定した場合に、所定の目的地までのルート案内を提案するナビゲーション装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るナビゲーション装置は、自車両に搭載されたナビゲーション装置であって、複数の目的地から所定の目的地を選択し、前記所定の目的地までの経路を探索する経路探索手段と、前記自車両周辺の他車両の状態を検知した検知部からの検知信号を受信する受信部と、前記検知信号に基づいて前記他車両の前記自車両に対する煽り行為を判定する判定部と、を備え、前記判定部により前記煽り行為を判定した場合に、前記経路探索手段は、警察署が前記自車両の現在位置から所定の距離内又は所定の移動時間内の範囲にある場合に、他の目的地よりも前記警察署を優先的に前記所定の目的地として選択し、前記所定の目的地までのルート案内を提案することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係るナビゲーション装置は、前記所定の目的地までのルート案内を開始した場合に、前記自車両が前記所定の目的地と通信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、煽り行為と判定した場合に、所定の目的地までのルート案内を提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施例1のナビゲーション装置の概要構成を示すブロック図である。
図2】実施例1のルート案内提案表示を表示したナビゲーション装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例について、添付の図1及び図2を参照して説明する。以下に説明する実施例は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0014】
図1は、本実施例のナビゲーション装置1の概要構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置1は、制御部2と、GPS(Global Positioning System:地球測位システム)受信部3と、検知信号受信部4と、操作部5と、送受信部6と、報知手段7と、記憶部8と、を有して構成されている。
【0015】
ナビゲーション装置1を搭載した自車両(図示せず)は、周辺を走行する他車両(図示せず)の状態を検知する検知部9として、カメラ10とレーダ装置11を備えている。
【0016】
カメラ10は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラであり、静止画及び動画を撮像することができる。カメラ10は、自車両の任意の箇所に一つ又は複数が取り付けられる。前方を撮像する場合、フロントガラスの内側面上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。後方を撮像する場合、リアガラスの内側面等に取り付けられる。カメラ10は、自車両の周辺を走行する他車両を撮像するが、他車両の加減速、自車両と他車両との車間距離、他車両の操舵状態、灯火状態を解析できるように静止画や動画を撮像する。また、他車両の運転者の顔とライセンスプレートを識別できるように静止画や動画を撮像する。
【0017】
レーダ装置11は、自車両周辺に電波を放射すると共に、物体によって反射された電波(反射波)を検知して物体の位置(距離および方位)を検知する。レーダ装置11は、自車両の任意の箇所に一つ又は複数が取り付けられる。レーダ装置11は、自車両の周辺を走行する他車両に対して電波を放射し、他車両の加減速、自車両との車間距離、操舵状態を解析できるように反射波を検知する。
【0018】
制御部2は、CPU(中央演算装置)を含んで構成され、記憶部8に記憶されたプログラムに基づいてナビゲーション装置1の全体を制御する。このCPUがプログラムにしたがって演算処理を実行することにより、ナビゲーション装置1の各機能が実現される。また、制御部2は、目的地までの経路を探索する経路探索手段12と、検知信号受信部4が受信した検知信号に基づいて煽り行為の判定を行うと、判定部13の判定結果に基づいて所定の目的地である緊急目的地14までのルート案内を提案するルート案内提案部15と、を備えている。
【0019】
GPS受信部3は、ナビゲーション装置1の現在位置を取得する位置計測部を構成し、複数の人工衛星16からの電波を無線で受信することで、ナビゲーション装置1の三次元位置(経度、緯度及び高度)を計測し、その位置情報を制御部2に送出するものである。なお、ナビゲーション装置1の現在位置を検知できるものであれば、GPS受信部3以外の位置検知装置を利用してもよい。また、人工衛星16には原子時計が搭載されている。この人工衛星16からは特定の周波数にて極めて正確な時刻信号波が発信されており、これをGPS受信部3により受信することで、ナビゲーション装置1の時間軸が規定される。
【0020】
受信部としての検知信号受信部4は、カメラ10が撮像した画像とレーダ装置11が検知した電波を信号化した検知信号を報知部13から受信し、その検知信号を判定部13に送出する。
【0021】
操作部5は、使用者による操作を受けて、電気的な操作信号を制御部2に送出するものである。図2に示すように、操作部5は、報知手段7を構成する表示部としてのディスプレイ17に設けられたタッチパネル18と、ナビゲーション装置1の本体19に設けられた複数のプッシュスイッチ20から構成されている。なお、操作部5による操作と同等の操作が可能なリモコンを備える構成としてもよい。
【0022】
送受信部6は、無線の通信手段を介して他の機器、例えば、携帯端末(図示せず)やVICS(登録商標)通信装置(図示せず)との双方向通信を可能にするものである。そのため、携帯端末等との間で渋滞情報や地図情報等の各種情報を送受信することができる。また、送受信部6は、カメラ10が撮像した他車両の加減速、自車両と他車両との車間距離、他車両の操舵状態、灯火状態、他車両の運転者の顔、及び他車両のライセンスプレートを認識できる静止画や動画を緊急目的地14に送信することができる。
【0023】
報知手段7は、ディスプレイ17と、スピーカー21を備えている。ディスプレイ17は、制御部2からの表示制御信号を受け、地図情報やナビゲーション装置1の現在位置等の様々な表示を行なうものである。ディスプレイ17は、ナビゲーション装置1の本体19正面に露出して設けられる液晶モジュールや液晶パネルにより構成され、これらの液晶モジュールや液晶パネルは周知のように、多数のサブ画素を格子状に配列したドットマトリクスによる表示を行なうものである。スピーカー21は、電気信号を物理振動に変えて、音楽や音声等の音を生み出す機械である。
【0024】
記憶部8は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの各種記憶装置を用いて構成されている。記憶部8には、プログラムや地図情報等の各種情報が記憶されており、これらの情報は、送受信部6を介して変更・追加・削除等の更新が可能である。また、記憶部8は、検知信号受信部4が受信した、カメラ10が撮像した画像データやレーダ装置11が検知した電波データを保存可能となっている。
【0025】
経路探索手段12は、使用者が操作部5により目的地の名称等を入力すると、その入力信号を受信し、当該目的地までの経路を探索する。また、ルート案内提案部15からの緊急経路探索信号に基づき、複数の指定目的地のうちから最適な目的地である緊急目的地を選択し、緊急目的地までの経路(以下、「緊急経路」という。)を探索する。
【0026】
判定部13は、検知信号受信部4から受信した検知信号に基づき、他車両の状態が煽り行為に該当するか否かを判定する。判定部13は、カメラ10で撮像した他車両の画像データに基づき他車両の加減速、自車両と他車両との車間距離、他車両の操舵状態、他車両の灯火状態を解析し、他車両の状態を数値化する。また、判定部13は、レーダ装置11が検知した他車両の加減速、自車両と他車両との車間距離、他車両の操舵状態を解析し、他車両の状態を数値化する。そして、解析された他車両の数値が予め設定された閾値以上の場合に、他車両が煽り行為を行っていると判定し、閾値未満の場合には煽り行為を行っていないと判定する。判定部13は、煽り行為を判定した場合には、煽り判定信号をルート案内提案部15に送信する。
【0027】
ルート案内提案部15は、判定部13から煽り行為判定信号を受信すると、報知部7に対してルート案内提案の報知指示信号を送信する。報知部7は、報知指示信号を受信すると、ディスプレイ17にルート案内提案表示22を表示させる。図2に示すように、本実施例のルート案内提案表示22は「煽り行為を検知しました。緊急経路を表示しますか?」、「はい」、「いいえ」である。また、報知部7は、報知指示信号を受信すると、スピーカー21から音声によるルート案内提案音声23を発する。本実施例のルート案内提案音声23は「煽り行為を検知しました。緊急経路を表示しますか?」である。なお、ルート案内提案は、ディスプレイ17へのルート案内提案表示22のみで、スピーカー21から音声によるルート案内提案音声23を報知しないようにしてもよい。また、上記ルート案内提案表示22及びルート案内提案音声23は、一例であって、他の文言により報知してもよい。
【0028】
ルート案内提案表示22のうち、「はい」と「いいえ」は、ソフトキー24であって、タッチ操作可能な操作部5であり、自車両の乗員が「はい」をタッチ操作すると、操作部5からルート案内提案部15にタッチ操作信号が送信される。タッチ操作信号を受信したルート案内提案部15は、経路探索手段12に緊急経路探索信号を送信する。緊急経路探索信号を受信した経路探索手段12は、指定目的地のうちから緊急目的地を選択し、緊急経路を探索し、ディスプレイ17に探索した緊急経路を表示させて緊急目的地までのルート案内を開始する。自車両の乗員が「いいえ」をタッチ操作した場合には、操作部5からルート案内提案部15にタッチ操作信号が送信される。タッチ操作信号を受信したルート案内提案部15は、報知部7に報知消去信号を送信する。報知消去信号を受信した報知部7は、ディスプレイ17のルート案内提案表示22と、スピーカー21のルート案内提案音声23を停止する。
【0029】
指定目的地は、例えば、警察署、交通機動隊施設、高速道路交通警察隊の本隊・分駐隊・分駐所が設置されたインターチェンジにある料金事務所や高速道路会社の管理事務所等の警察関係施設や、自車両の使用者が契約した民間の警備会社等である。経路探索手段12は、ルート案内提案部15から緊急経路探索信号を受信すると、複数の指定目的地のうち自車両の現在位置から最も近いものを緊急目的地14として選択し、緊急経路を探索する。なお、本実施例では、自車両の現在位置から最も近い指定目的地までの経路を探索するように設定されているが、最も短時間で到着できる指定目的地までの経路を緊急目的地14として選択するように設定してもよい。また、例えば、自車両の現在位置から3km以内や10分以内といった所定の距離内や所定の移動時間内の範囲に警察署がある場合には、他により近い指定目的地がある場合であっても当該警察署を優先的に緊急目的地14として選択し、緊急経路を探索するように設定してもよい。すなわち、複数の指定目的地から緊急目的地14を選択する際の条件を任意に設定できるようにしてもよい。
【0030】
本実施例では、ルート案内提案部15により緊急目的地14までのルート案内を提案するルート案内提案モードが、操作部5を操作してオンとオフに切り換えることができるようになっており、ルート案内提案モードがオンの時にカメラ10とレーダ装置11が作動するように設定されている。なお、ルート案内提案モードを常にオンにするように設定してもよい。
【0031】
本実施例では、カメラ10により撮像した他車両の画像データを送受信部6により緊急目的地14へ自動送信する通信モードが、操作部5を操作してオンとオフに切り換えることができるようになっており、通信モードがオンの時に他車両の煽り行為を特定可能な画像や、他車両の運転者の顔の画像や、他車両のライセンスプレートの画像等のデータを送受信部6により緊急目的地14へ自動送信する。なお、通信モードを常にオンにするように設定してもよい。本実施例のナビゲーション装置1は、ルート案内提案モードと通信モードの両方を有しているが、ルート案内提案モードのみを有するものであってもよい。
【0032】
本実施例のナビゲーション装置1には、いわゆるハンズフリー通話が可能な携帯電話等の通話手段25が接続可能となっており、通話手段25が接続されている場合には、緊急経路のルート案内が開始されると、自動的に緊急目的地14の電話番号に発信するようになっている。そのため、自車両の乗員は緊急目的地14に向かっている途中に緊急目的地14である警察署の警察官等と通話することができ、煽り行為の状況等を説明することができる。なお、緊急経路のルート案内が開始されると、自動的に緊急目的地14の電話番号に発信するのではなく、ディスプレイ17に緊急目的地14の電話番号に発信することを提案する表示が表示され、乗員が発信することを選択した場合に発信するように設定してもよい。
【0033】
ここで、ルート案内提案モードについて時系列に沿って説明する。なお、通信モードはオンになっている。まず、操作部5を操作してルート案内提案モードをオンにする。ルート案内提案モードがオンになると、検知部9が自車両の走行中に自車両の周辺の他車両の状態の検知を開始する。検知部9が他車両の状態を検知すると、判定部13が、検知信号受信部4から受信した検知信号に基づき、他車両の状態が煽り行為に該当するか否かを判定する。判定部13が煽り行為と判定すると、報知部7がディスプレイ17にルート案内提案表示22を表示させると共に、スピーカー21からルート案内提案音声23を発する。自車両の乗員が緊急経路を表示させる「はい」をタッチ操作すると、経路探索手段12により緊急目的地14までの緊急経路が探索され、ディスプレイ17に緊急経路が表示されると共に、緊急目的地14までのルート案内が開始される。急目的地14までのルート案内が開始されると、送受信部6が緊急目的地14と通信を開始し、他車両の画像データを送信する。また、通話手段25から緊急目的地14の電話番号に発信され、緊急目的地14の警察官や警備員等と通話による通信が可能となる。ディスプレイ17に表示された緊急経路を自車両で走行し、緊急目的地14に到着するとルート案内が終了する。自車両の乗員は、緊急目的地14の警察官や警備員等に助けを求めたり、被害状況を説明したりすることができる。
【0034】
以上のように、本実施例のナビゲーション装置1は、自車両に搭載されたナビゲーション装置1であって、目的地までの経路を探索する経路探索手段12と、自車両周辺の他車両の状態を検知した検知部9からの検知信号を受信する検知信号受信部4と、検知信号に基づいて他車両の自車両に対する煽り行為を判定する判定部13と、を備え、判定部13により煽り行為を判定した場合に、緊急目的地14までのルート案内を提案することにより、煽り行為を受けている自車両の乗員に対して、対応策の1つを提案することができる。自車両の乗員が緊急目的地14までのルート案内の開始を選択することで、安心感を与えることができ、自車両の運転手が煽り行為の影響による運転誤操作等の発生を抑制することができる。
【0035】
また、本実施例のナビゲーション装置1は、警察関係施設が自車両の現在位置から所定の距離内又は所定の移動時間内の範囲にある場合に、緊急目的地14が警察関係施設であることにより、他車両の煽り行為に対して警察による適切な対応を期待することができる。
【0036】
また、本実施例のナビゲーション装置1は、緊急目的地14までのルート案内を開始した場合に、自車両が緊急目的地14と通信することにより、自車両の乗員は、緊急目的地14へ向かう間に他車両による煽り行為の事実や証拠等を緊急目的地14に送信することができる。また、通話による通信を行うことで、緊急目的地14の警察官や警備員等に他車両による煽り行為に対する適切な対応策を聞いたり、指示を受けたりすることができる。また、緊急目的地14の警察官や警備員等も、自車両及び他車両が緊急目的地14に到着するまでの間に他車両への対応の準備を行うことができる。
【0037】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形実施が可能である。例えば、判定部13による煽り行為の有無の判定は、緊急目的地14までのルート案内中も継続して行われ、煽り行為が停止したと判断した場合には、煽り行為が停止したことを報知部7により報知するように設定してもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 ナビゲーション装置
4 検知信号受信部(受信部)
9 検知部
12 経路探索手段
13 判定部
14 緊急目的地(所定の目的地)
図1
図2