(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-12
(45)【発行日】2023-05-22
(54)【発明の名称】静電気保護回路及びその製造方法、アレイ基板、表示装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/822 20060101AFI20230515BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20230515BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20230515BHJP
H01L 27/06 20060101ALI20230515BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20230515BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20230515BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20230515BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20230515BHJP
【FI】
H01L27/04 H
G09F9/30 338
H01L27/04 A
H01L27/06 311Z
H01L27/088 F
H01L29/78 612Z
H01L29/78 614
H01L29/78 623A
(21)【出願番号】P 2019563387
(86)(22)【出願日】2018-08-02
(86)【国際出願番号】 CN2018098275
(87)【国際公開番号】W WO2019080577
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2021-08-02
(31)【優先権主張番号】201710994724.6
(32)【優先日】2017-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲龍▼ 春平
(72)【発明者】
【氏名】▲喬▼ 勇
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 新▲銀▼
【審査官】岩本 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-251284(JP,A)
【文献】国際公開第2014/054483(WO,A1)
【文献】中国実用新案第205450520(CN,U)
【文献】特開2005-203351(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0207115(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0151462(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0110478(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105304645(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0204829(US,A1)
【文献】中国実用新案第202550507(CN,U)
【文献】特開2015-046561(JP,A)
【文献】米国特許第09130367(US,B2)
【文献】中国特許出願公開第109449170(CN,A)
【文献】国際公開第2017/128738(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0221680(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105810677(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0204830(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0065887(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/04
H01L 21/822
G09F 9/30
H01L 27/06
H01L 21/8234
H01L 21/336
H01L 29/786
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの第1トランジスタと少なくとも1つの第2トランジスタとを含み、
前記第1トランジスタのゲートおよび第1極は第1信号線に接続され、前記第1トランジスタの第2極は第2信号線に接続され、
前記第2トランジスタのゲートおよび第1極は前記第2信号線に接続され、前記第2トランジスタの第2極は前記第1信号線に接続され、
ここで、前記第1信号線および前記第2信号線は、アレイ基板上の任意の2つの隣接する信号線であ
り、
各トランジスタの第1極と第2極の少なくとも一方のチャネルに近い端のアレイ基板上への正射影は、三角形または台形であり、前記三角形の先端は前記チャネルに向かって、前記台形の上底は下底に対して前記チャネルに近い、
静電気保護回路。
【請求項2】
前記第1トランジスタは、薄膜トランジスタであり、
前記第1トランジスタは、以下の条件の一つを満し、即ち、
前記第1トランジスタのゲートは、前記第1信号線と同層に配置され、
前記第1トランジスタの第1極及び第2極は、前記第1信号線と同層に配置される、
請求項1に記載の静電気保護回路。
【請求項3】
前記第2トランジスタは、薄膜トランジスタであり、
前記第2トランジスタは、以下の条件の一つを満し、即ち、
前記第2トランジスタのゲートは、前記第2信号線と同層に配置され、
前記第2トランジスタの第1極及び第2極は、前記第2信号線と同層に配置される、
請求項1に記載の静電気保護回路。
【請求項4】
前記第1トランジスタは薄膜トランジスタであり、
前記第1信号線は、異なる層に配置された第1導線と第2導線とを含み、前記第1導線のリード部分は、リード領域に設けられたオーバーホールによって前記第2導線のリード部分に接続され、
前記第1トランジスタのゲートは前記第1導線のリード部分で構成され、前記第1トランジスタの第1極は前記第2導線のリード部分で構成され、前記第1トランジスタの第2極は前記第2信号線のリード部分で構成される、
請求項1に記載の静電気保護回路。
【請求項5】
前記第2トランジスタは薄膜トランジスタであり、
前記第2信号線は、異なる層に配置された第3導線と第4導線とを含み、前記第3導線のリード部分は、リード領域に設けられたオーバーホールによって前記第4導線のリード部分に接続され、
前記第2トランジスタのゲートは前記第3導線のリード部分で構成され、前記第2トランジスタの第1極は前記第4導線のリード部分で構成され、前記第2トランジスタの第2極は前記第1信号線のリード部分で構成される、
請求項1に記載の静電気保護回路。
【請求項6】
各トランジスタのチャネルのアスペクト比は1/4以下である、
請求項1から5のいずれか1項に記載の静電気保護回路。
【請求項7】
各トランジスタのチャネルの前記アレイ基板上への正射影は、曲折された蛇行形状である、
請求項1から5のいずれか1項に記載の静電気保護回路。
【請求項8】
前記第1トランジスタは、以下の条件の一つを満し、即ち、
前記第1トランジスタのチャネルの前記アレイ基板上への正射影は、前記第1信号線の前記アレイ基板上への正射影内にあり、
前記第1トランジスタの第1極の前記アレイ基板上への正射影は、前記第1信号線の前記アレイ基板上への正射影内にある、
請求項1から5のいずれか1項に記載の静電気保護回路。
【請求項9】
前記第2トランジスタは、以下の条件の一つを満し、即ち、
前記第2トランジスタのチャネルの前記アレイ基板上への正射影は、前記第2信号線の前記アレイ基板上への正射影内にあり、
前記第2トランジスタの第1極の前記アレイ基板上への正射影は、前記第2信号線の前記アレイ基板上への正射影内にある、
請求項1から5のいずれか1項に記載の静電気保護回路。
【請求項10】
各トランジスタのチャネルの第1極に近い端のアレイ基板上への正射影は、三角形または台形であり、前記三角形の先端は前記第1極に向かって、前記台形の上底は下底に対して前記第1極に近い、
請求項1から5のいずれか1項に記載の静電気保護回路。
【請求項11】
各トランジスタのチャネルの第2極に近い端のアレイ基板上への正射影は、三角形または台形であり、前記三角形の先端は前記第2極に向かって、前記台形の上底は下底に対して前記第2極に近い、
請求項1から5のいずれか1項に記載の静電気保護回路。
【請求項12】
各トランジスタのチャネルの第1極に近い端のアレイ基板上への正射影は、三角形または台形であり、前記三角形の先端は前記第1極に向かって、前記台形の上底は下底に対して前記第1極に近く、
各トランジスタのチャネルの第2極に近い端のアレイ基板上への正射影は、三角形または台形であり、前記三角形の先端は前記第2極に向かって、前記台形の上底は下底に対して前記第2極に近い、
請求項1から5のいずれか1項に記載の静電気保護回路。
【請求項13】
少なくとも1つの第1トランジスタと少なくとも1つの第2トランジスタを形成することを含み、
ここで、前記第1トランジスタのゲートおよび第1極は第1信号線に接続され、前記第1トランジスタの第2極は第2信号線に接続され、前記第2トランジスタのゲートおよび第1極は前記第2信号線に接続され、前記第2トランジスタの第2極は前記第1信号線に接続され、前記第1信号線および前記第2信号線は、アレイ基板上の任意の2つの隣接する信号線であ
り、
各トランジスタの第1極と第2極の少なくとも一方のチャネルに近い端のアレイ基板上への正射影は、三角形または台形であり、前記三角形の先端は前記チャネルに向かって、前記台形の上底は下底に対して前記チャネルに近い、
静電気保護回路の製造方法。
【請求項14】
静電気保護回路の製造方法であって、
前記第1トランジスタは、薄膜トランジスタであり、
前記第1トランジスタは、以下の条件の一つを満し、即ち、
各前記第1トランジスタのゲートと前記第1信号線は、一次パターニングプロセスによって形成され、
前記第1トランジスタの第1極及び第2極と前記第1信号線は、一次パターニングプロセスによって形成される、
請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
静電気保護回路の製造方法であって、
前記第2トランジスタは、薄膜トランジスタであり、
前記第2トランジスタは、以下の条件の一つを満し、即ち、
前記第2トランジスタのゲートと前記第2信号線は、一次パターニングプロセスによって形成され、
前記第2トランジスタの第1極及び第2極と前記第2信号線は、一次パターニングプロセスによって形成される、
請求項
13に記載の方法。
【請求項16】
静電気保護回路の製造方法であって、
各前記第1トランジスタは薄膜トランジスタであり、
前記第1信号線は、異なる層に形成された第1導線と第2導線とを含み、前記第1導線のリード部分は、リード領域に形成されたオーバーホールによって前記第2導線のリード部分に接続され、
各前記第1トランジスタのゲートは前記第1導線のリード部分で形成され、各前記第1トランジスタの第1極は前記第2導線のリード部分で形成され、各前記第1トランジスタの第2極は前記第2信号線のリード部分で形成される、
請求項
13に記載の方法。
【請求項17】
請求項1から
12のいずれか1項に記載の静電気保護回路を含む、
アレイ基板。
【請求項18】
前記アレイ基板上に複数の信号線が配置され、前記複数の信号線のうち、2つの隣接する信号線の間に前記静電気保護回路が配置される、
請求項
17に記載のアレイ基板。
【請求項19】
請求項
17または請求項
18に記載のアレイ基板を含む、
表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2017年10月23日に中国特許庁に提出された出願番号201710994724.6、発明の名称「静電気保護回路、アレイ基板、及び表示装置」の中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は参照により本明細書に援用する。
【0002】
本開示は静電気保護回路及びその製造方法、アレイ基板、表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
表示装置の解像度が高くなるにつれて、表示装置のアレイ基板上に配置された信号線がますます密になり、隣接する信号線の間の間隔もますます小さくなるため、隣接する信号線の間にも静電気による漏電や短絡などの欠陥がより発生しやすくなる。さまざまな信号線の正常な作動を保証するために、アレイ基板上に、信号線に接続された静電気保護デバイスを配置する。
【0004】
関連技術における静電気保護デバイスは、一般的に、複数のトランジスタと、共通電極線や短絡環などの少なくとも1つの静電気保護線とを含む。各トランジスタは、信号線で発生した静電気を当該静電気防護線にタイミングよく放電するために、1つの信号線と当該静電気防護線にそれぞれ接続することができる。
【0005】
しかしながら、関連技術における静電気保護デバイスは、アレイ基板上に別途の静電気保護線を必要とし、この結果、静電気保護デバイスが占めるスペースが大きく、狭額縁の表示パネルの実現に不利である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、静電気保護回路及びその製造方法、アレイ基板、表示装置を提供する。技術案は以下の通りである。
【0007】
一側面において、少なくとも1つの第1トランジスタと少なくとも1つの第2トランジスタとを含み、前記第1トランジスタのゲートおよび第1極は第1信号線に接続され、前記第1トランジスタの第2極は第2信号線に接続され、前記第2トランジスタのゲートおよび第1極は前記第2信号線に接続され、前記第2トランジスタの第2極は前記第1信号線に接続され、ここで、前記第1信号線および前記第2信号線は、アレイ基板上の任意の2つの隣接する信号線である、静電気保護回路に関する。
【0008】
選択肢の一つとして、前記第1トランジスタは、薄膜トランジスタであり、前記第1トランジスタは、以下の条件の一つを満し、即ち、前記第1トランジスタのゲートは、前記第1信号線と同層に配置され、前記第1トランジスタの第1極及び第2極は、前記第1信号線と同層に配置される。
【0009】
選択肢の一つとして、前記第2トランジスタは、薄膜トランジスタであり、前記第2トランジスタは、以下の条件の一つを満し、即ち、前記第2トランジスタのゲートは、前記第2信号線と同層に配置され、前記第2トランジスタの第1極及び第2極は、前記第2信号線と同層に配置される。
【0010】
選択肢の一つとして、前記第1トランジスタは薄膜トランジスタであり、前記第1信号線は、異なる層に配置された第1導線と第2導線とを含み、前記第1導線のリード部分は、リード領域に設けられたオーバーホールによって前記第2導線のリード部分に接続され、前記第1トランジスタのゲートは前記第1導線のリード部分で構成され、前記第1トランジスタの第1極は前記第2導線のリード部分で構成され、前記第1トランジスタの第2極は前記第2信号線のリード部分で構成される。
【0011】
前記第2トランジスタは薄膜トランジスタであり、前記第2信号線は、異なる層に配置された第3導線と第4導線とを含み、前記第3導線のリード部分は、リード領域に設けられたオーバーホールによって前記第4導線のリード部分に接続され、前記第2トランジスタのゲートは前記第3導線のリード部分で構成され、前記第2トランジスタの第1極は前記第4導線のリード部分で構成され、前記第2トランジスタの第2極は前記第1信号線のリード部分で構成される。
【0012】
選択肢の一つとして、各トランジスタのチャネルのアスペクト比は1/4以下である。
【0013】
選択肢の一つとして、各トランジスタのチャネルの前記アレイ基板上への正射影は、曲折された蛇行形状である。
【0014】
選択肢の一つとして、前記第1トランジスタは、以下の条件の一つを満し、即ち、前記第1トランジスタのチャネルの前記アレイ基板上への正射影は、前記第1信号線の前記アレイ基板上への正射影内にあり、前記第1トランジスタの第1極の前記アレイ基板上への正射影は、前記第1信号線の前記アレイ基板上への正射影内にある。
【0015】
選択肢の一つとして、前記第2トランジスタは、以下の条件の一つを満し、即ち、前記第2トランジスタのチャネルの前記アレイ基板上への正射影は、前記第2信号線の前記アレイ基板上への正射影内にあり、前記第2トランジスタの第1極の前記アレイ基板上への正射影は、前記第2信号線の前記アレイ基板上への正射影内にある。
【0016】
選択肢の一つとして、各トランジスタの第1極と第2極の少なくとも一方のチャネルに近い端のアレイ基板上への正射影は、三角形または台形であり、前記三角形の先端は前記チャネルに向かって、前記台形の上底は下底に対して前記チャネルに近い。
【0017】
選択肢の一つとして、各トランジスタのチャネルの第1極に近い端のアレイ基板上への正射影は、三角形または台形であり、前記三角形の先端は前記第1極に向かって、前記台形の上底は下底に対して前記第1極に近く、及び/または、各トランジスタのチャネルの第2極に近い端のアレイ基板上への正射影は、三角形または台形であり、前記三角形の先端は前記第2極に向かって、前記台形の上底は下底に対して前記第2極に近い。
【0018】
別の側面において、少なくとも1つの第1トランジスタと少なくとも1つの第2トランジスタを形成することを含み、ここで、前記第1トランジスタのゲートおよび第1極は第1信号線に接続され、前記第1トランジスタの第2極は第2信号線に接続され、前記第2トランジスタのゲートおよび第1極は前記第2信号線に接続され、前記第2トランジスタの第2極は前記第1信号線に接続され、前記第1信号線および前記第2信号線は、アレイ基板上の任意の2つの隣接する信号線である、
静電気保護回路の製造方法に関する。
【0019】
選択肢の一つとして、前記第1トランジスタは、薄膜トランジスタであり、前記第1トランジスタは、以下の条件の一つを満し、即ち、前記第1トランジスタのゲートと前記第1信号線は、一次パターニングプロセスによって形成され、前記第1トランジスタの第1極及び第2極と前記第1信号線は、一次パターニングプロセスによって形成される。
【0020】
選択肢の一つとして、前記第2トランジスタは、薄膜トランジスタであり、前記第2トランジスタは、以下の条件の一つを満し、即ち、前記第2トランジスタのゲートと前記第2信号線は、一次パターニングプロセスによって形成され、前記第2トランジスタの第1極及び第2極と前記第2信号線は、一次パターニングプロセスによって形成される。
【0021】
選択肢の一つとして、前記第1トランジスタは薄膜トランジスタであり、前記第1信号線は、異なる層に形成された第1導線と第2導線とを含み、前記第1導線のリード部分は、リード領域に形成されたオーバーホールによって前記第2導線のリード部分に接続され、前記第1トランジスタのゲートは前記第1導線のリード部分で形成され、前記第1トランジスタの第1極は前記第2導線のリード部分で形成され、前記第1トランジスタの第2極は前記第2信号線のリード部分で形成される。
【0022】
また別の側面において、上述の側面に記載の静電気保護回路を含むアレイ基板に関する。
【0023】
選択肢の一つとして、前記アレイ基板上に複数の信号線が配置され、前記複数の信号線のうち、2つの隣接する信号線の間に前記静電気保護回路が配置される。
【0024】
さらに別の側面において、上述の側面に記載のアレイ基板を含む表示装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本開示の実施例による静電気保護回路の概略構造図である。
【
図2】本開示の実施例による静電気保護回路の等価回路図である。
【
図3】本開示の実施例による別の静電気保護回路の等価回路図である。
【
図4】本開示の実施例による別の静電気保護回路の概略構造図である。
【
図5】本開示の実施例によるまた別の静電気保護回路の概略構造図である。
【
図6】本開示の実施例によるさらに別の静電気保護回路の概略構造図である。
【
図7】本開示の実施例によるさらに別の静電気保護回路の概略構造図である。
【
図8】本開示の実施例によるさらに別の静電気保護回路の概略構造図である。
【
図9】本開示の実施例による静電気保護回路の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の原理および利点をより明確にするために、以下、図面を参照して本開示の実施形態をさらに詳しく説明する。
【0027】
本開示の実施例において使用されるトランジスタは、いずれも薄膜トランジスタであってもよく、回路内での作用に応じて本開示の実施例において使用されるトランジスタは、主にスイッチングトランジスタである。ここで使用されるスイッチングトランジスタのソースとドレインは対称であるので、そのソースとドレインは交換可能である。本開示の実施例において、ソースを第1極と呼び、ドレインを第2極と呼ぶことができる。または、ソースを第2極と呼び、ドレインを第1極と呼んでもよい。図中の形態によれば、トランジスタの中間端子がゲートであり、信号入力端子がソースであり、信号出力端子がドレインであることが規定されている。
【0028】
本開示の実施例は、アレイ基板に適用可能な静電気保護回路を提供する。当該静電気保護回路は、少なくとも1つの第1トランジスタと少なくとも1つの第2トランジスタとを含むことができる。
図1は、本開示の実施例による静電気保護回路の概略構造図である。
図2は、本開示の実施例による静電気保護回路の等価回路図である。
図1および
図2に示すように、当該静電気保護回路は、1つの第1トランジスタM1と1つの第2トランジスタM2とを含むことができる。
図3は、本開示の実施例による別の静電気保護回路の等価回路図である。
図3に示すように、当該静電気保護回路は、2つの第1トランジスタM1と2つの第2トランジスタM2とを含むことができる。
【0029】
図1から
図3を参照すると、第1トランジスタM1のゲート11および第1極12は第1信号線P1に接続され、第1トランジスタM1の第2極13は第2信号線P2に接続されていることが分かる。第2トランジスタM2のゲート21および第1極22は当該第2信号線P2に接続され、第2トランジスタM2の第2極23は当該第1信号線P1に接続されている。
【0030】
当該第1信号線P1および当該第2信号線P2は、アレイ基板上の任意の2つの隣接する信号線であることができる。当該第1信号線P1に静電気が発生すると、当該少なくとも1つの第1トランジスタM1がオンして、当該第1信号線P1を第2信号線P2に接続することにより、当該第1信号線P1に発生した静電気を第2信号線P2に放電することができる。相応的に、当該第2信号線P2に静電気が発生すると、当該少なくとも1つの第2トランジスタM2がオンして、当該第2信号線P2を第1信号線P1に接続することにより、当該第2信号線P2に発生した静電気を第1信号線P1に放電することができる。これにより、信号線上に蓄積された静電気を隣接する信号線に放電することが実現できるため、静電気による信号線の短絡などの欠陥が生じる確率を低くすることができる。
【0031】
本開示の実施例において、静電気保護回路には1つの第1トランジスタM1と1つの第2トランジスタM2が含まれると、当該静電気保護回路の構造は比較的簡単で、占有面積は小さい。静電気保護回路には複数の第1トランジスタM1と複数の第2トランジスタM2が含まれる場合には、ある第1トランジスタまたはある第2トランジスタが失効すると、他のトランジスタも当該静電気保護回路の正常な作動を保証できるので、当該静電気保護回路の信頼性を効果的に向上することができる。本開示の実施例において、適用ニーズに応じて、静電気保護回路の第1トランジスタと第2トランジスタの数を柔軟に選択でき、本開示の実施例は、これに対して限定しない。
【0032】
以上により、本開示の実施例に係る静電気保護回路は、少なくとも1つの第1トランジスタと少なくとも1つの第2トランジスタとを含み、第1トランジスタのゲートおよび第1極は第1信号線に接続され、第1トランジスタの第2極は第2信号線に接続される。第2トランジスタのゲートおよび第1極は第2信号線に接続され、第2トランジスタの第2極は第1信号線に接続される。したがって、当該第1信号線と第2信号線のいずれかに静電気が発生すると、ゲートが当該静電気の発生した信号線に接続したトランジスタは、静電気を他方の信号線に放電することができ、静電気の効果的な放電が実現され、これにより、静電気による信号線の短絡などの欠陥が生じる確率を低くする。そして、当該静電気保護回路は、アレイ基板上に別途の配線を必要とせず、占有スペースが小さく、狭額縁の表示パネルの実現に有利である。
【0033】
選択肢の一つとして、本開示の実施例において、第1トランジスタM1及び第2トランジスタM2はいずれも薄膜トランジスタであってもよい。
【0034】
第1トランジスタM1のゲート11は、当該第1信号線P1と同層に配置されてもよい。そして、第2トランジスタM2のゲート21は、当該第2信号線P2と同層に配置されてもよい。
【0035】
選択肢として、第1トランジスタM1の第1極12及び第2極13は、当該第1信号線P1と同層に配置されてもよい。第2トランジスタM2の第1極22及び第2極23は、当該第2信号線P2と同層に配置されてもよい。
【0036】
例示的に、
図1に示すように、当該第1トランジスタM1のゲート11および第1極12は、いずれも当該第1信号線P1の一部であり、当該第2トランジスタM2のゲート21および第1極22は、いずれも当該第2信号線P2の一部である。これにより、各トランジスタが余分に多すぎる空間を占有することを回避し、アレイ基板の空間利用率を向上することができる。
【0037】
選択肢の一つとして、本開示の実施例に係る静電気保護回路は、アレイ基板の非表示領域に配置されてもよい。例えば、アレイ基板のリード領域(fan-out領域とも呼ばれる)に配置することができ、当該リード領域には各信号線のリード部分が配置される。
【0038】
選択肢の一つとして、本開示の実施例において、
図1に示すように、当該第1信号線P1は、異なる層に配置された第1導線P11と第2導線P12とを含むことができる。当該第1導線P11のリード部分は、リード領域に設けられたオーバーホール14によって当該第2導線P12のリード部分に接続される。例示的に、当該オーバーホール14内に導電層15が形成され、当該第2導線P12のリード部分が当該導電層15に接続され、当該導電層15が第1導線P11に接続されることにより、第2導線P12と第1導線P11との効果的な接続が実現される。当該導電層15は、酸化インジウムスズ(Indium tin oxide、ITO)によって作製できる。
【0039】
第1トランジスタM1のゲート11は当該第1導線P11のリード部分で構成されてもよく、第1トランジスタM1の第1極12は当該第2導線P12のリード部分で構成されてもよく、第1トランジスタM1の第2極13は当該第2信号線P2のリード部分で構成されてもよい。
【0040】
選択肢の一つとして、
図1に示すように、当該第2信号線P2は、異なる層に配置された第3導線P21と第4導線P22とを含むことができる。当該第3導線P21のリード部分は、リード領域に設けられたオーバーホール24によって当該第4導線P22のリード部分に接続される。例示的に、当該オーバーホール24内に導電層25(例えば、ITO層)が形成され、当該第4導線P22のリード部分が当該導電層25に接続され、当該導電層25が第3導線P21に接続されることにより、第4導線P22と第3導線P21との効果的な接続が実現される。
【0041】
第2トランジスタM2のゲート21は当該第3導線P21のリード部分で構成されてもよく、第2トランジスタM2の第1極22は当該第4導線P22のリード部分で構成されてもよく、第2トランジスタの第2極23は当該第1信号線P1のリード部分で構成されてもよい。
【0042】
本開示の実施例において、当該第1信号線P1の第1導線P11は、当該第2信号線P2の第3導線P21と同層に配置されてもよく、当該第1信号線P1の第2導線P12は、当該第2信号線P2の第4導線P24と同層に配置されてもよい。相応的に、
図1に示すように、第1トランジスタM1の第2極13は、当該第4導線P22のリード部分で構成されてもよく、第2トランジスタM2の第2極23は、当該第2導線P12のリード部分で構成されてもよい。
【0043】
当該静電気保護回路において、各トランジスタがボトムゲート構造のトランジスタである場合、
図1に示すように、当該第2導線P12は、第1導線P11のアレイ基板から離れた側に位置することができ、第4導線P22も第3導線P21のアレイ基板から離れた側に位置する。静電気保護回路において、各トランジスタがトップゲート構造のトランジスタであれば、当該第2導線P12は、第1導線P11のアレイ基板に近い側に位置することができ、第4導線P22も第3導線P21のアレイ基板に近い側に位置する。本開示の実施例において、トランジスタの具体的な構造に応じて、各信号線における2つの導線の相対位置関係を適応的に調整することができ、本開示の実施例は、これに対して限定しない。
【0044】
本開示の実施例の選択可能な実施形態において、各信号線における各導線は、いずれもリード領域にあるリード部分と、周辺領域に伸びる導線部分とを含んでもよい。
【0045】
例示的に、
図4に示すように、第1信号線P1の第1導線P11は、当該リード領域にあるリード部分P111と、周辺領域(例えば、PAD領域とも呼ばれる圧着領域)に伸びる導線部分P112とを含むことができる。そして、当該第2導線P12は、当該リード領域にあるリード部分P121と、周辺領域に伸びる導線部分P122とを含むことができる。相応的に、第2信号線P2の第3導線P21は、リード部分P211と導線部分P212とを含むことができ、第4導線P22は、リード部分P221と導線部分P222とを含むことができる。
【0046】
本開示の実施例の別の選択可能な実施形態において、各信号線における一方の導線は、リード領域にあるリード部分と、周辺領域に伸びる導線部分とを含んでもよい。他方の導線は、リード領域にあるリード部分のみを含んでもよい。
【0047】
例示的に、
図5に示すように、第1信号線P1の第1導線P11は、当該リード領域にあるリード部分のみを含むことができ、当該第2導線P12は、当該リード領域にあるリード部分P121と、周辺領域に伸びる導線部分P122とを含むことができる。相応的に、第2信号線P2の第3導線P21は、リード部分のみを含むことができ、第4導線P22は、リード部分P221と導線部分P222とを含むことができる。
【0048】
選択肢の一つとして、
図6に示すように、第1信号線P1の第1導線P11は、当該リード領域にあるリード部分P111と、周辺領域に伸びる導線部分P112とを含むことができ、当該第2導線P12は、当該リード領域にあるリード部分のみを含むことができる。相応的に、第2信号線P2の第3導線P21は、リード部分P211と導線部分P212とを含むことができ、第4導線P22は、リード部分のみを含むことができる。
【0049】
本開示の実施例において、各トランジスタのチャネルのアスペクト比は1/4以下である。ここで、チャネルのアスペクト比とは、チャネルの幅とチャネルの長さとの比であってもよく、トランジスタのリーク電流は、トランジスタのチャネルのアスペクト比に比例し、即ち、チャネルのアスペクト比が大きいほど、トランジスタのリーク電流が大きくなる。本開示の実施例において、各トランジスタのチャネルのアスペクト比を1/4以下に制御することにより、静電気保護回路における各トランジスタのリーク電流を効果的に低減することができ、つまり、各トランジスタから隣接する信号線に出力される電流の大きさを低減し、さらに静電気保護回路の静電保護能力を効果的に向上することができる。
【0050】
選択肢の一つとして、本開示の実施例に係る静電気保護回路において、各トランジスタのチャネルの当該アレイ基板上への正射影は、曲折された蛇行形状であってもよい。これにより、チャネルの幅が一定である場合には、チャネルの長さを効果的に増加させ、さらにチャネルのアスペクト比を効果的に小さくして、トランジスタのリーク電流を低減することができる。例示的に、
図1は、各トランジスタのチャネルの平面図を示す。
図1から、第1トランジスタM1のチャネル16および第2トランジスタM2のチャネル26は、いずれも曲折された蛇行形状であることが分かる。
【0051】
図1から、第1トランジスタM1のチャネル16のアレイ基板上への正射影は、第1信号線P1の当該アレイ基板上への正射影内にあることができることも分かる。第2トランジスタM2のチャネル26の当該アレイ基板上への正射影は、当該第2信号線P2の当該アレイ基板上への正射影内にあることもできる。
【0052】
選択肢の一つとして、第1トランジスタM1の第1極12のアレイ基板上への正射影は、当該第1信号線P1の当該アレイ基板上への正射影内にあることができる、第2トランジスタM2の第1極22の当該アレイ基板上への正射影は、当該第2信号線P2の当該アレイ基板上への正射影内にあることもできる。
【0053】
トランジスタのチャネルおよびトランジスタの第1極をアレイ基板上の信号線の被覆領域内に配置することにより、静電気保護回路におけるトランジスタが余分に多すぎる空間を占有することを回避し、アレイ基板の空間利用率を効果的に向上することができ、狭額縁の表示パネルの実現に有利である。
【0054】
選択肢の一つとして、本開示の実施例において、各トランジスタの第1極と第2極の少なくとも一方のチャネルに近い端のアレイ基板上への正射影は、三角形または台形であってもよく、当該三角形の先端はチャネルに向かって、当該台形の上底は下底に対してチャネルに近い。これにより、トランジスタの第1極及び第2極のうちの少なくとも1つとチャネルとの接触面積を減少させることができ、またはトランジスタの第2極とチャネルとの接触面積を減少させることができるため、トランジスタのリーク電流をさらに減少させ、静電気保護回路の静電気保護能力を向上させることができる。
【0055】
図7は、本開示の実施例によるさらに別の静電気保護回路の概略構造図である。
図7に示すように、各トランジスタの第1極と第2極のチャネルに近い端のアレイ基板上への正射影は、いずれも三角形であり、即ち、各トランジスタの第1極と第2極のチャネルに近い端は、いずれも先端形状であるため、各トランジスタをオンにしたときのリーク電流は小さい。
【0056】
選択肢の一つとして、各トランジスタのチャネルの第1極に近い端のアレイ基板上への正射影は、三角形または台形であってもよく、当該三角形の先端は当該第1極に向かって、当該台形の上底は下底に対して当該第1極に近い。相応的に、各トランジスタのチャネルの第2極に近い端のアレイ基板上への正射影は、三角形または台形であってもよく、当該三角形の先端は当該第2極に向かって、当該台形の上底は下底に対して当該第2極に近い。これにより、トランジスタのチャネルと第1極との接触面積、及びチャネルと第2極との接触面積をさらに減少させることができるため、トランジスタをオンにしたときのリーク電流をさらに減少させることができる。
【0057】
例示的に、
図8に示すように、各トランジスタのチャネルの第1極に近い端のアレイ基板上への正射影、及び第2極に近い端のアレイ基板上への正射影は、いずれも三角形であるので、トランジスタをオンにしたときのリーク電流は小さく、当該静電気保護回路の静電気保護能力は強い。
【0058】
以上により、本開示の実施例に係る静電気保護回路は、2つの隣接する信号線の間に配置された少なくとも1つの第1トランジスタと少なくとも1つの第2トランジスタとを含み、当該第1トランジスタは、第1信号線で発生した静電気を第2信号線に放電することができ、第2トランジスタは、第2信号線で発生した静電気を第1信号線に放電することができ、これにより、静電気による短絡などの欠陥を効果的に回避することができ、そして、当該静電気保護回路は、アレイ基板上に別途の配線を必要とせず、占有スペースが小さく、狭額縁の表示パネルの実現に有利である。
【0059】
図9は、本開示の実施例による静電気保護回路の製造方法のフローチャートである。当該方法は、上記の実施例に係る静電気保護回路を製造するために使用されることができる。
図9を参照すると、当該方法は、以下の作業プロセスを含むことができる。
【0060】
ステップ101において、ベース基板を提供する。
【0061】
当該ベース基板は、透明なガラス基板であってもよい。
【0062】
ステップ102において、当該ベース基板上に、少なくとも1つの第1トランジスタと少なくとも1つの第2トランジスタを形成する。
【0063】
第1トランジスタのゲートおよび第1極は第1信号線に接続され、第1トランジスタの第2極は第2信号線に接続される。第2トランジスタのゲートおよび第1極は当該第2信号線に接続され、第2トランジスタの第2極は当該第1信号線に接続される。当該第1信号線および当該第2信号線は、アレイ基板上の任意の2つの隣接する信号線であってもよい。
【0064】
選択肢の一つとして、当該静電気保護回路における第1トランジスタ及び第2トランジスタはいずれも薄膜トランジスタであってもよい。
【0065】
選択可能な実施形態として、上記ステップ102において、第1トランジスタのゲートと当該第1信号線は、一次パターニングプロセスによって形成されてもよく、第2トランジスタのゲートと当該第2信号線は、一次パターニングプロセスによって形成されてもよい。
【0066】
別の選択可能な実施形態として、上記ステップ102において、第1トランジスタの第1極及び第2極と第1信号線は、一次パターニングプロセスによって形成されてもよく、第2トランジスタの第1極及び第2極と当該第2信号線は、一次パターニングプロセスによって形成されてもよい。そして、各トランジスタの第1極及び第2極は、いずれも一次パターニングプロセスによって形成されてもよい。
【0067】
本開示の実施例において、各トランジスタのゲート及び当該信号線を形成する際に、まず、マグネトロンスパッタリングや蒸着などのプロセスを用いて、ベース基板上に金属膜を作製することができる。この後、フォトリソグラフィープロセスを用いて当該金属膜をパターニングすることにより、各トランジスタのゲートおよび各信号線を形成することができる
【0068】
当該フォトリソグラフィープロセスは、フォトレジストコーティング、露光、現像、エッチング、およびフォトレジスト剥離などのステップを含んでもよい。当該金属膜の材料は、低抵抗金属材料で形成された膜層であってもよく、例えば、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、アルミニウムニッケル合金、クロム(Cr)または銅(Cu)、チタン(Ti)またはAlNdなどの材料で形成された単層金属膜であってもよく、またはMo / Al / MoまたはTi / Al / Tiで形成された多層金属膜であってもよい。
【0069】
選択肢の一つとして、当該第1信号線は、異なる層に形成された第1導線と第2導線とを含んでもよく、当該第1導線のリード部分は、リード領域に形成されたオーバーホールによって当該第2導線のリード部分に接続されてもよい。第1トランジスタのゲートは当該第1導線のリード部分で形成されてもよく、第1トランジスタの第1極は当該第2導線のリード部分で形成されてもよく、第1トランジスタの第2極は当該第2信号線のリード部分で形成されてもよい。
【0070】
選択肢の一つとして、当該第1信号線と同様に、当該第2信号線は、異なる層に形成された第3導線と第4導線とを含んでもよく、当該第3導線のリード部分は、リード領域に形成されたオーバーホールによって当該第4導線のリード部分に接続されてもよい。
【0071】
第2トランジスタのゲートは当該第3導線のリード部分で形成され、第2トランジスタの第1極は当該第4導線のリード部分で形成され、第2トランジスタの第2極は当該第1信号線のリード部分で形成される。
【0072】
本開示の実施例において、各トランジスタの第1極及び第2極を形成する材料は、ゲートを形成する材料と類似してもよく、各トランジスタの第1極及び第2極を形成する製造プロセスも、ゲートを形成する製造プロセスと類似してもよく、ここでは説明を省略する。
【0073】
本開示の実施例に係るアレイ基板は、
図1から
図8のいずれかに示す静電気保護回路を含むことができる。
【0074】
選択肢の一つとして、当該アレイ基板上に複数の信号線が配置されてもよい。
図1、
図4から
図8を参照すると、当該複数の信号線のうち、2つの隣接する信号線の間に静電気保護回路が配置されることがわかる。ある信号線が2つの信号線にそれぞれ隣接すれば、当該信号線で被覆された領域には2つのトランジスタが配置されることができ、当該2つのトランジスタはそれぞれ1つの隣接する信号線に接続される。例えば
図8に示された構造において、第2信号線P2で被覆された領域には、1つの第2トランジスタM2及び1つの第1トランジスタM1が配置される。当該第2トランジスタM2は、第2信号線P2の左側の第1信号線P1を接続するために使用され、当該第1トランジスタM1は、第2信号線P2の右側の信号線を接続するために使用される。
【0075】
アレイ基板上の複数の信号線のいずれかに静電気が発生すると、静電気保護回路において、ゲートが当該静電気の発生した信号線に接続したトランジスタをオンにして、当該静電気の発生した信号線を隣接する信号線に接続することにより、静電気を当該隣接する信号線に放電する。当該静電気の発生した信号線が多くの静電気を放電すれば、ゲートが当該隣接する信号線に接続したトランジスタも駆動されてオンになり、これにより、静電気は、ある信号線から放電された静電気がトランジスタをオンにするように駆動できなくなるまで、他方の信号線に放電される。これにより、各信号線における静電気の効果的な放電を実現でき、信号線が静電気によって漏電や短絡などの欠陥を生じる確率を低くする。
【0076】
本開示の実施例において、アレイ基板上の信号線は、ゲート線、データ線、共通電極線、ゲート駆動回路のクロック信号線、アレイ基板のテスト線または補修線などのいずれかを含むことができる。そして、隣接する信号線は同じ種類の信号線であってもよく、異なる種類の信号線であってもよく、本開示の実施例は、これに対して限定しない。
【0077】
本開示の実施例は、
図1~
図8のいずれかに示す静電気保護回路を含むアレイ基板を含むことができる表示装置も提供する。当該表示装置は、液晶パネル、電子ペーパー、OLEDパネル、AMOLEDパネル、携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲーションなど、表示機能を備えたあらゆる製品または部品であってもよい。
【0078】
上記の説明は、本開示の例示的な実施例であり、本開示を限定するものではない。本開示の精神および原則内でなされたいかなる変更、等効の置換、および改良は、本開示に添付された請求項に係る範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0079】
M1 第1トランジスタ
M2 第2トランジスタ
P1 第1信号線
P2 第2信号線
11,21 ゲート
12,22 第1極
13,23 第2極