(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-12
(45)【発行日】2023-05-22
(54)【発明の名称】効率的な電力制御を有する誘導加熱システムを有するエアロゾル発生装置およびエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24F 40/465 20200101AFI20230515BHJP
A24F 47/00 20200101ALI20230515BHJP
H05B 6/10 20060101ALI20230515BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F47/00
H05B6/10 371
(21)【出願番号】P 2019570068
(86)(22)【出願日】2018-06-27
(86)【国際出願番号】 EP2018067264
(87)【国際公開番号】W WO2019002377
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2021-06-15
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158551
【氏名又は名称】山崎 貴明
(72)【発明者】
【氏名】ストゥラ エンリコ
(72)【発明者】
【氏名】クルバ ジェローム クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ミロノフ オレク
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特表平08-511175(JP,A)
【文献】特開2007-103049(JP,A)
【文献】特表2017-515490(JP,A)
【文献】特表2016-524777(JP,A)
【文献】特開平10-003984(JP,A)
【文献】特表2013-514753(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0226351(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/465
A24F 47/00
H05B 6/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つ以上のDC電源と、
インダクタおよび直列に接続されたコンデンサを備える負荷ネットワークと、
前記一つ以上のDC電源に接続され、前記負荷ネットワークの両側に接続され、かつ前記負荷ネットワークの両側に第一の電圧降下を提供するように構成された第一の駆動回路と、
前記一つ以上のDC電源に接続され、前記負荷ネットワークの両側に接続され、かつ前記負荷ネットワークの両側に第二の電圧降下を提供するように構成され、前記第二の電圧降下が前記第一の電圧降下と反対方向である第二の駆動回路と、
前記第一および第二の駆動回路に接続され、かつ前記第一および第二の電圧降下の両方が周期的に前記負荷ネットワークの両側に提供されるように、また前記第二の電圧降下が前記負荷ネットワークの両側に前記第一の電圧降下と同時に提供されないように、前記第一および第二の駆動回路を制御するように構成されたコントローラーと、を備え、
前記第一の駆動回路および第二の駆動回路が、右側駆動手段および左側駆動手段から成り、前記負荷ネットワークの一端に接続された回路構成要素が前記右側駆動手段を形成し、前記負荷ネットワークのもう一方の端に接続された回路構成要素が前記左側駆動手段を形成し、前記右側駆動手段および左側駆動手段の各々がスイッチング回路を備え、
前記右側駆動手段が前記負荷ネットワークとともに第一の電力増幅器を形成し、かつ前記左側駆動手段が前記負荷ネットワークとともに第二の電力増幅器を形成し、
前記第一の電力増幅器および前記第二の電力増幅器の少なくとも1つが、Eクラス増幅器である、ことを特徴とするエアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記第一の電圧が第一の周波数で周期的に提供されるように、また前記第二の電圧が
前記第一の周波数と同一の周波数で周期的に提供されるように、前記コントローラーが構成されている、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記第一の電力増幅器、または前記第二の電力増幅器
はDクラス増幅器である、請求項
1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記第一の電力増幅器および前記第二の電力増幅器の両方が、Eクラス増幅器である、請求項
1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記コントローラーが、前記第一の電圧と正反対に位相がずれている前記第二の電圧を提供するように構成されている、請求項1~
4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記一つ以上のDC電源が、前記第一の駆動回路および前記第二の駆動回路の両方に接続された電池を備える、請求項1~
5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記電池が再充電可能電池である、請求項
6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記一つ以上のDC電源、前記負荷ネットワーク、前記第一および第二の駆動回路、および前記コントローラーを含むハウジングを備え、前記ハウジングがエアロゾル形成基体を受容するためのくぼみを画定し、かつ前記装置が前記エアロゾル形成基体を誘導加熱するように構成されている、請求項1~
7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記インダクタが、前記くぼみに隣接して、または前記くぼみを包囲して位置付けられたコイルである、請求項
8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記装置が手持ち式装置である、請求項1~
9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
請求項1~
10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品とを備え、前記エアロゾル発生物品が、前記エアロゾル発生装置の中に少なくとも部分的に受容されるように構成されている、エアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記エアロゾル発生物品がサセプタ材料を備える、請求項
11に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記エアロゾル形成基体が、加熱に伴い前記基体から放出される揮発性たばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含む、請求項
11または
12に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はエアロゾル形成基体を加熱することによって動作するエアロゾル発生システムに関する。特に本発明は、誘導加熱を使用するエアロゾル発生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生システムの一つのタイプは、吸入のためのエアロゾルを発生するために、たばこまたは別のニコチン含有エアロゾル形成基体を加熱するが、燃焼しないシステムである。典型的には、加熱式たばこシステムにおいて、たばこまたはその他のエアロゾル形成基体は、電源に接続された一つ以上の電気抵抗性のある発熱体によって加熱される。これらのシステムは、使用中に簡単に保持し、使用と使用の間にユーザーによって簡単に携行するために十分に小さい必要がある。これらはまた、典型的に小さい再充電可能電池である独自の内部電源を有する必要がある。
【0003】
最近では、手持ち式エアロゾル発生システム内のたばこまたはニコチン含有エアロゾル形成基体を加熱するための誘導加熱の使用に関心が集まっている。誘導加熱は数多くの潜在的な利点を有する。特に、誘導加熱は、電子構成要素をエアロゾル発生基体および発生したエアロゾルから分離することを可能にする。これは、システムをより簡単に清浄および維持することを可能にし、かつシステムの堅牢性に関して潜在的な利益を有する。
【0004】
誘導加熱システムは、時間的に変化する電圧を有するインダクタを提供することによって動作する。これは、時間的に変化する磁界を生成し、これは次にエアロゾル形成基体の近くまたはそれと接触して定置されているサセプタ材料内に渦電流およびヒステリシス損失を生成する。誘導された電流によるサセプタのジュール加熱は、エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを生成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
小さい電池によって電力供給される誘導加熱システムに伴う一つの問題は、サセプタ内に必要とされる熱を生成するためにインダクタに十分な電力が送達されることを確実にすることである。可能な限り効率的にインダクタに電力を伝達すること、およびインダクタに伝達可能な電力を増大することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一の態様において、
一つ以上の直流(DC)電源と、
インダクタおよび直列に接続されたコンデンサを備える負荷ネットワークと、
一つ以上のDC電源に接続され、負荷ネットワークの両側に接続され、かつ負荷ネットワークの両側に第一の電圧降下を提供するように構成された第一の駆動回路と、
一つ以上のDC電源に接続され、負荷ネットワークの両側に接続され、かつ負荷ネットワークの両側に第二の電圧降下を提供するように構成され、第二の電圧降下が第一の電圧降下と反対方向である第二の駆動回路と、
第一および第二の駆動回路に接続され、かつ第一および第二の電圧降下の両方が周期的に負荷ネットワークの両側に提供されるように、また第二の電圧降下が負荷回路の両側に第一の電圧降下と同時に提供されないように、第一および第二の駆動回路を制御するように構成されたコントローラーと、を備えるエアロゾル発生装置が提供されている。
【0007】
第一の駆動回路は、高電圧側および低電圧側を有してもよい。高電圧側は、負荷ネットワークの第一の側面に接続されてもよい。低電圧側は、負荷ネットワークの第二の側面に接続されてもよい。第一の駆動回路は、負荷ネットワークの両側に第一の電圧降下を提供するように構成されている。第二の駆動回路はまた、高電圧側および低電圧側も有してもよい。第二の駆動回路の低電圧側は、負荷ネットワークの第一の側面に接続されてもよい。高電圧側は、負荷ネットワークの第二の側面に接続されてもよい。第二の駆動回路は、第二の電圧降下を提供するように構成されている。第二の電圧降下は、第一の電圧降下と反対方向にある。
【0008】
負荷ネットワークは、第一の側面上の第一の端子および第二の側面の第二の端子を有してもよい。一つ以上のDC電源に接続された第一の駆動回路は、一つ以上のDC電源からの正のDC電圧が負荷ネットワークの第一の端子に印加されるように、負荷ネットワークの第一および第二の端子に接続されてもよい。これは、負荷ネットワークの両側に第一の電圧降下をもたらす。一つ以上のDC電源に接続された第二の駆動回路は、一つ以上のDC電源からの正のDC電圧が負荷ネットワークの第二の端子に印加されるように、負荷ネットワークの第一および第二の端子に接続されてもよい。これは、負荷ネットワークの両側に第二の電圧降下をもたらす。負荷ネットワークの両側の第二の電圧降下は、第一の電圧降下と反対方向の状態にある。
【0009】
誘導加熱のために、インダクタの両側に時間的に変化する電圧を提供することが必要である。負荷ネットワークの両側に異なる方向で電圧降下を交互に供給する第一および第二の駆動回路の配置は、時間的に変化する電圧を提供し、電源(複数可)によって供給された電源の効率的な使用を可能にする。
【0010】
有利なことに、第一の電圧降下が第一の周波数で周期的に提供されるように、また第二の電圧降下が実質的に同一の周波数で周期的に提供されるように、コントローラーが構成されている。この文脈において「実質的に同一の周波数」とは、第一の周波数の数パーセント以内であり、有利なことに第一の周波数の2パーセント以内であることを意味する。次いで、第一の電圧および第二の電圧を、それらの間の重複なしに単に供給することができる。コントローラーは、第一の電圧と正反対に位相がずれている第二の電圧を提供するように構成されてもよい。
【0011】
第一の周波数は高周波数であってもよい。この文脈において「高周波」は、約100キロヘルツ(kHz)~約30メガヘルツ(MHz)の範囲の周波数を意味することが理解される。第一の周波数は、1メガヘルツより大きくてもよい。第一の周波数は、10メガヘルツより小さくてもよい。第一の周波数は、5メガヘルツ~7メガヘルツの範囲であることが好ましい。
【0012】
第一の駆動回路および第二の駆動回路は、右側駆動手段および左側駆動手段から成ってもよい。負荷ネットワークの一方の端に接続された回路構成要素は右側駆動手段を形成してもよく、負荷ネットワークのもう一方の端に接続された回路構成要素は左側駆動手段を形成してもよい。第一の駆動回路は、右側駆動手段と左側駆動手段の両方からの回路構成要素を備えてもよい。第二の駆動回路は、右側駆動手段と左側駆動手段の両方からの回路構成要素を備えてもよい。右側駆動手段および左側駆動手段は各々、共振スイッチング回路であってもよいスイッチング回路を備えてもよい。右側駆動手段は負荷ネットワークとともに第一の電力増幅器を形成してもよい。左側駆動手段は負荷ネットワークとともに第二の電力増幅器を備えてもよい。第一の電力増幅器は、Dクラス増幅器であってもよい。第二の電力増幅器は、Dクラス増幅器であってもよい。第一の電力増幅器は、Eクラス増幅器であってもよい。第二の電力増幅器は、Eクラス増幅器であってもよい。
【0013】
コントローラーは、第一の電圧降下を矩形波形電圧として提供するように構成されてもよい。コントローラーは、第二の電圧降下を矩形波形電圧として提供するように構成されてもよい。第一の電圧降下には、第二の電圧降下と同一の、または異なる負荷サイクルが提供されてもよい。有利なことに、コントローラーは、駆動回路内の関連するスイッチの過熱故障を避けるために、一つの電圧降下の終了と反対方向の状態の次の電圧降下の開始との間に少なくとも数ナノ秒の不感期間を提供するように構成されている。
【0014】
一つ以上のDC電源は、第一および第二の駆動回路の両方に接続された単一の電池を備えてもよい。電池は再充電可能電池であってもよい。電池は、リチウムイオン電池、例えばリチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、チタン酸リチウム電池、またはリチウムポリマー電池であってもよい。別の方法として、電池はニッケル水素電池またはニッケルカドミウム電池など、別の形態の再充電可能電池でもよい。
【0015】
別の方法として、一つ以上のDC電源は二つの電池を備えてもよく、一つの電池は第一の駆動回路に接続され、別の電池は第二の駆動回路に接続されている。一つ以上のDC電源は、一つの電池が正電圧を提供し、もう一方の電池が負電圧を提供するように、二つの電池の間に画定されている電気接地を有して直列に接続された二つの電池を備えてもよい。
【0016】
コントローラーはマイクロコントローラーを備えてもよい。マイクロコントローラーは、任意の適切なマイクロコントローラーであってもよいが、プログラム可能であることが好ましい。
【0017】
装置は、一つ以上のDC電源と、負荷ネットワークと、第一および第二の駆動回路と、コントローラーとを収容するハウジングを備えてもよく、ハウジングはエアロゾル形成基体を受容するためのくぼみを画定する。装置はエアロゾル形成基体を誘導加熱するように構成されてもよい。
【0018】
インダクタは、くぼみと隣接して、またはくぼみを包囲して位置付けられたコイルであってもよい。一実施形態において、インダクタは、くぼみの少なくとも一部分を包囲するらせん状コイルである。別の方法として、インダクタは、くぼみの側面、もしくは基部、または側面および基部の両方に隣接して位置付けられた平坦なスパイラル状のインダクタコイルであってもよい。インダクタは、使用時にエアロゾル形成基体を加熱するように構成されたサセプタ材料内に時間的に変化する磁界を提供するように位置付けられるべきである。
【0019】
装置は、装置の動作中に異なる時点で活性化されるように構成された複数のインダクタを備えてもよい。複数のインダクタは、動作中に異なる時点でエアロゾル形成基体の異なる部分を加熱することができるように、空間的に分離された(または空間的に部分的に重なる)時間的に変化する磁界を提供するように位置付けられてもよい。装置が複数のインダクタを備える場合、装置は複数の第一の駆動回路および第二の駆動回路を備えてもよい。
【0020】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」は、エアロゾル形成基体と相互作用してエアロゾルを発生する装置に関する。エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生物品の一部であってもよい。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品のエアロゾル形成基体と相互作用してユーザーの口を通してユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する装置であってもよい。エアロゾル形成基体は装置内に完全にまたは部分的に収容されてもよい。
【0021】
本発明の別の態様において、前述の請求項のうちのいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品とを備え、エアロゾル発生物品がエアロゾル発生装置の中に少なくとも部分的に受容されるように構成されている、エアロゾル発生システムが提供されている。
【0022】
エアロゾル形成基体は固体エアロゾル形成基体であってもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は液体であってもよく、または固体構成要素と液体構成要素の両方を含んでもよく、またはゲルを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成体をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0023】
エアロゾル形成基体が固体エアロゾル形成基体である場合、固体エアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、キャストリーフたばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含有する、例えば粉末、顆粒、ペレット、断片、細片、またはシートのうちの一つ以上を含んでもよい。固体エアロゾル形成基体は、ばらの形態になっていてもよく、または適切な容器もしくはカートリッジ内で提供されてもよい。随意に、固体エアロゾル形成基体は、基体の加熱に伴い放出される追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含有してもよい。固体エアロゾル形成基体はまた、例えば追加的なたばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含むカプセルも含有してもよく、こうしたカプセルは固体エアロゾル形成基体の加熱中に溶けてもよい。
【0024】
随意に、固体エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートの形態を取ってもよい。別の方法として、担体は、その内表面上、もしくはその外表面上、またはその内表面および外表面の両方の上に堆積された固体基体の薄い層を有する、管状の担体であってもよい。こうした管状の担体は、例えば紙、または紙様の材料、不織布炭素繊維マット、低質量の目の粗いメッシュ金属スクリーン、もしくは穿孔された金属箔、または任意の他の熱的に安定した高分子マトリクスで形成されてもよい。
【0025】
固体エアロゾル形成基体は、例えばシート、発泡体、ゲル、またはスラリーの形態で担体の表面上に堆積されてもよい。固体エアロゾル形成基体は担体の表面全体の上に堆積されてもよく、または別の方法として、使用中に不均一な風味送達を提供するためのパターンで堆積されてもよい。
【0026】
上記では、固体エアロゾル形成基体を参照したが、その他の形態のエアロゾル形成基体をその他の実施形態で使用しうることが当業者に明らかであろう。例えば、エアロゾル形成基体は液体エアロゾル形成基体としうる。液体エアロゾル形成基体が提供される場合、エアロゾル発生装置は、液体を保持する手段を備えることが好ましい。例えば、液体エアロゾル形成基体は容器内に保持されうる。別の方法として、または追加的に、液体エアロゾル形成基体は多孔性担体材料の中に吸収されうる。多孔性担体材料は、任意の適切な吸収性のプラグまたは本体、例えば発泡性の金属またはプラスチック材料、ポリプロピレン、テリレン、ナイロン繊維またはセラミックで作成しうる。液体エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生装置を使用する前に、多孔性担体材料内に保持されてもよく、または別の方法として、液体エアロゾル形成基体材料は、使用中にまたは使用の直前に多孔性担体材料の中へと放出されてもよい。例えば、液体エアロゾル形成基体はカプセル内に提供されてもよい。カプセルのシェルは、加熱に伴い溶融し、液体エアロゾル形成基体を多孔性担体材料の中に放出することが好ましい。カプセルは随意に、液体と組み合わせた固体を含有してもよい。別の方法として、担体は、たばこ成分が組み込まれた不織布繊維または繊維の束としうる。不織布繊維または繊維の束は、例えば炭素繊維、天然セルロース繊維、またはセルロース誘導体繊維を含みうる。
【0027】
動作中、エアロゾル形成基体は、エアロゾル発生装置内に完全に収容されうる。その場合、ユーザーはエアロゾル発生装置のマウスピースで吸煙しうる。別の方法として、動作中、エアロゾル形成基体を含有するエアロゾル形成物品は、エアロゾル発生装置内に部分的に収容されうる。その場合、ユーザーは直にエアロゾル形成物品で吸煙しうる。
【0028】
エアロゾル形成物品は実質的に円筒状でありうる。エアロゾル形成物品は実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成物品は、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。エアロゾル形成基体は実質的に円筒状であってもよい。エアロゾル形成基体は実質的に細長くてもよい。エアロゾル形成基体はまた、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。
【0029】
エアロゾル形成物品は、およそ30mm~およそ100mmの全長を有してもよい。エアロゾル形成物品は、およそ5mm~およそ12mmの外径を有してもよい。エアロゾル形成物品はフィルタープラグを備えてもよい。フィルタープラグはエアロゾル形成物品の下流端に位置してもよい。フィルタープラグは、セルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。一実施形態において、フィルタープラグは、およそ7mmの長さであるが、およそ5mm~およそ10mmの長さを有してもよい。
【0030】
一実施形態において、エアロゾル形成物品はおよそ45mmの全長を有する。エアロゾル形成物品は、およそ7.2mmの外径を有してもよい。さらに、エアロゾル形成基体は、およそ10mmの長さを有してもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は、およそ12mmの長さを有してもよい。さらに、エアロゾル形成基体の直径は、およそ5mm~およそ12mmであってもよい。エアロゾル形成物品は外側紙ラッパーを備えてもよい。さらに、エアロゾル形成物品は、エアロゾル形成基体とフィルタープラグとの間に分離部を備えてもよい。分離部は、およそ18mmであってもよいが、およそ5mm~およそ25mmの範囲であってもよい。
【0031】
装置は、片手の指の間に保持するのが快適な携帯型または手持ち式の装置であることが好ましい。装置は実質的に円筒状であってもよく、また70~200mmの長さを有する。装置の最大直径は10~30mmであることが好ましい。一実施形態において、装置は多角形の断面を有し、かつ一方の面上に形成された突出したボタンを有する。この実施形態において、装置の直径は、一方の平坦な面から反対側の平坦な面までで12.7~13.65mmであり、一方の縁から反対側の縁まで(すなわち、装置の一方の側上の二つの面の交差するところから他方の側の対応する交差するところまで)で13.4~14.2mmであり、ボタンの上部から反対側の底部の平坦な面までで14.2~15mmである。
【0032】
エアロゾル発生物品はサセプタ素子(複数可)を備えてもよい。別の方法として、または追加的に、エアロゾル発生装置はサセプタ素子(複数可)を備えてもよい。本明細書で使用される「サセプタ素子」は、変動磁界に供された時に加熱する導電率素子を意味する。これはサセプタ素子内に誘起された渦電流および/またはヒステリシス損失の結果でありうる。有利なことに、サセプタ素子は強磁性材料を含む。
【0033】
サセプタ素子は有利なことに、使用時にエアロゾル形成基体と熱的に近接していて、これによって、サセプタ内で発生した熱は、エアロゾルを発生するために伝導または対流によってエアロゾル形成基体に伝達されることができる。
【0034】
サセプタ素子のための材料および幾何学的形状は、所望の電気抵抗および発熱を提供するように選ぶことができる。有利なことに、サセプタ素子は1~40000の相対浸透性を有する。大半の加熱のために渦電流に依存することが望ましい時には、より低い浸透性の材料を使用してもよく、またヒステリシス効果が望ましい時には、より高い浸透性の材料を使用してもよい。材料は500~40000の相対浸透性を有することが好ましい。これは効率的な加熱を提供する。
【0035】
サセプタ素子の材料は、そのキュリー温度を理由に選ばれてもよい。そのキュリー温度を超えると材料は、もはや強磁性ではなくなり、つまり加熱はヒステリシス損失のため、もはや起こらない。サセプタ素子が単一の材料でできている場合、キュリー温度はサセプタ素子が有するべき最高温度に対応しうる(すなわち、キュリー温度はサセプタ素子が加熱されるべき最高温度と等しいか、またはこの最高温度から約1~3%だけ逸脱した温度である)。これは急激な過熱の可能性を低減する。
【0036】
サセプタ素子が二つ以上の材料で作製されている場合、サセプタ素子の材料をさらなる態様に関して最適化することができる。例えば材料は、サセプタ素子が加熱されるべき最高温度を超えるキュリー温度をサセプタ素子の第一の材料が有してもよいように、選択することができる。その後、サセプタ素子のこの第一の材料は、例えば最大発熱に関して最適化されてもよく、一方でサセプタの効率的な加熱を提供するためにエアロゾル形成基体に移動してもよい。しかしながら、サセプタ素子はその後、サセプタが加熱されるべき最高温度に対応するキュリー温度を有する第二の材料を追加的に備えてもよく、またサセプタ素子がこのキュリー温度に達すると、サセプタ素子全体の磁性が変化する。この変化は検出されて、マイクロコントローラーに通信されることができ、これは次いで温度が再度キュリー温度よりも低い温度まで冷めるまで駆動回路の動作を中断し、冷めるとすぐに駆動回路の動作が再開されることができる。
【0037】
サセプタ素子はメッシュの形態であってもよい。エアロゾル形成基体が液体である場合、メッシュは液体がメッシュサセプタ素子の隙間内にメニスカスを形成することを可能にするように構成されてもよい。これは、エアロゾル形成基体の効率的な加熱を提供する。本明細書で使用される「メッシュ」という用語は、それらの間に空間を有するフィラメントのグリッドおよびアレイを包含し、織物および不織布を含んでもよい。メッシュは複数のフェライトフィラメントを備えてもよい。フィラメントはフィラメントの間に隙間を画定してもよく、また隙間は10μm~100μmの幅を有してもよい。フィラメントは、使用時に気化されることになる液体が間隙の中に引き出されて、サセプタ素子と液体の間の接触面積を増大するように、隙間の中で毛細管作用を生じさせることが好ましい。
【0038】
ここで本発明の実施形態を、以下の添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態によるエアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品を備えるエアロゾル発生システムの実施形態を示す。
【
図2】
図2は、
図1に示すシステムの電気的な構成要素の構成要素の概略図である。
【
図3】
図3は、本発明による電源電子機器の概略図である。
【
図4】
図4は、駆動回路によって負荷回路の両側に印加される電圧を図示する。
【
図5a】
図5aは、本発明の一実施形態による電源電子機器の配置を図示する。
【
図5b】
図5bは、第一の期間中に電流が通過する
図5aの電源回路の構成要素を図示する。
【
図5c】
図5cは、第二の期間中に電流が通過する
図5aの電源回路の構成要素を図示する。
【
図6】
図6は、電源電子機器の代替的な配置を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、本発明による誘導加熱装置1を備えるエアロゾル発生システムの実施形態を示す。誘導加熱装置1は、プラスチックで作製することができる装置ハウジング10と、再充電可能電池110を備えるDC電源とを備える。誘導加熱装置1は、誘導加熱装置を再充電可能電池110の再充電のための充電ステーションまたは充電装置にドッキングするためのピン120を備えるドッキングポート12をさらに備える。なおさらに、誘導加熱装置1は所望の周波数で動作するように構成されている電源電子機器13を備える。
【0041】
電源電子機器13は、適切な電気的接続130を通して再充電可能電池110に電気的に接続されている。また、電源電子機器13は、
図1では見ることができない追加的な構成要素を含み、これは特にLC負荷ネットワークを備え、これはさらにインダクタLを備え、これは
図1では破線で示されている。インダクタLは装置ハウジング10の近位端で装置ハウジング10内に包埋されていて、くぼみ14を包囲し、これはまた装置ハウジング10の近位端に配置されている。
【0042】
インダクタLは、円筒形状を有するらせん状に巻かれた円筒状のインダクタコイルを備えてもよい。らせん状に巻かれた円筒状のインダクタコイルLは約5mm~約10mmの範囲の直径dを有してもよく、また特に直径dは約8mmであってもよい。らせん状に巻かれた円筒状のインダクタコイルの長さ1は、約0.5mm~約18mmの範囲であってもよい。その結果、内側体積は、約0.015cm3~約1.3cm3の範囲内であってもよい。
【0043】
エアロゾル形成基体20はサセプタ21を備え、かつ動作中にインダクタL(らせん状に巻かれた円筒状のインダクタコイル)が、喫煙物品2のエアロゾル形成基体20のサセプタ21に誘導結合されるように、装置ハウジング10の近位端で、くぼみ14内に収容される。
【0044】
サセプタ21は、必ずしも消耗品の一部を形成する必要はないが、装置自体の一部とすることもできる。装置内および消耗品内の両方にサセプタ要素を有することも可能である。
【0045】
喫煙物品2のフィルター部分22は、動作中に消費者がフィルター部分22を通してエアロゾルを吸い込みうるように、誘導加熱装置1のくぼみ14の外側に配置されてもよい。喫煙物品がくぼみ14から除去されると、喫煙物品2のエアロゾル形成基体20が挿入されて通る開放された遠位端を除き、くぼみは完全に閉じ、かつくぼみ14を画定するプラスチック装置ハウジング10の内壁によって取り囲まれるため、くぼみ14を簡単に清浄することができる。
【0046】
図2は、下記に考察する通りの一部の随意の態様または構成要素を有する、本発明による誘導加熱装置1を備えるエアロゾル送達システムの実施形態のブロック図を示す。誘導加熱装置1は、サセプタ21を備えるエアロゾル形成基体20とともに、本発明によるエアロゾル送達システムの実施形態を形成する。
図2に示すブロック図は、動作の様態を考慮に入れて図示したものである。見て分かる通り、誘導加熱装置1は、DC電源11(
図1では再充電可能電池110を含む)と、制御電子機器(マイクロプロセッサ制御ユニット)131と、DC/ACコンバータ132(DC/ACインバータとして具体化されている)と、負荷に適合するための整合ネットワーク133と、インダクタLと、を備える。制御電子機器131、DC/ACコンバータ132、および整合ネットワーク133、ならびにインダクタLはすべて、電源電子機器13の一部である(
図1を参照のこと)。
【0047】
DC電源11から引き出されたDC供給電圧(VDC)およびDC電流(IDC)は、好ましくはAC電力のLC負荷ネットワークへのさらなる供給を制御するために、DC電源11から引き出されたDC供給電圧(VDC)およびDC電流(IDC)の両方の測定によって、フィードバックチャネルによってマイクロプロセッサ制御ユニット131に提供されている。整合ネットワーク133は、負荷への最適な適合のために提供される場合があるが、これは必須ではなく、以下の詳細な実施例の説明には含まれていない。
【0048】
図3は、電源電子機器13の、および特にDC/ACインバータ132の一部の本質的な要素を示す。電力電子機器13は負荷分岐1320を備え、これは次に低負荷R 1324で動作するように構成されたLC負荷ネットワーク1323を備える。
図3に示す抵抗R 1234は実際の構成要素ではなく、これはコイル内のサセプタの相当する直列抵抗である。LC負荷ネットワークは、コンデンサC、および直列に接続されたインダクタL(オーム抵抗Rcoilを有する)を含む。LC負荷ネットワーク1323は、動作中にサセプタに誘導結合される。
【0049】
この実施形態において、DC/ACインバータは、負荷ネットワーク1320の反対側の端部に接続された左駆動手段D
1および右駆動手段D
2を備える。左駆動手段および右駆動手段の各々は、DC電源に、および第一の側面上の第一の端子と第二の側面上の第二の端子とを有する負荷ネットワーク1320に接続されている。
図3では、二つの別個のDC電源が図示されているが、典型的には左駆動手段および右駆動手段は両方とも同一の電源に接続されている。
【0050】
左駆動手段D1は、選択された周波数で第一の周期的波形電圧VRを負荷分岐1320に提供するように構成されていて、第一の値から、第一の値より低い第二の値までの範囲の振幅を有する。類似した様態において、右駆動手段D2は、第二の波形電圧VLを負荷分岐1320に提供するように構成されていて、第一の波形電圧と実質的に同一の周波数Fを有し、かつ第一のそれぞれの値から、第一の値より低い第二のそれぞれの値までの範囲の振幅を同様に有する。
【0051】
第一および第二の周期的波形の例が、
図4に概略的に図示されている。二つの波形が、相互に正反対に位相がずれている(または位相対立にある)矩形波であることが分かる。矩形波は負荷ネットワークの対向する側の端から印加されるため、負荷ネットワークの両側に反対方向の電圧降下を提供する。電圧降下は、相互に反対の極性のものであり、この文脈において反対の極性は、正電圧および負電圧を必要とするのではなく、高電圧側および低電圧側の相対的な位置を指す。このようにして負荷ネットワークの両側から交互に電圧パルスを印加することによって、AC電圧はインダクタに効果的に供給され、また電力は負荷ネットワーク内に、および特にサセプタ要素内に効率的に散逸されることができる。
【0052】
図4に図示の通り、電圧プロファイルを提供するために、
図3に示す配置を実施することができる数多くのやり方がある。
図5aは、右駆動手段および左駆動手段が負荷ネットワークとともにクラスD増幅器を形成する、第一の実施形態を図示する。特に、駆動手段の各々は、DC電源に直列に接続された一対のトランジスタスイッチT
1、T
2、およびT
3、T
4を備える。負荷ネットワーク1323は、二つのトランジスタスイッチT
1とT
2との間の位置で左駆動手段に接続されている。負荷ネットワーク1323は、二つのトランジスタスイッチT
3とT
4との間の位置で右駆動手段に接続されている。負荷ネットワークは、二つのクラスD増幅器の間で効果的に共有されている。
【0053】
トランジスタスイッチは、電界効果トランジスタ(FET)であり、かつ
図4に図示の通り、波形を供給するために制御電子機器によって制御される。制御電子機器は、高周波交互スイッチング電圧1321、1322、1325、1326をトランジスタの各々のゲートに供給し、これによって、半分の期間中にトランジスタT
1およびT
3は導電し、かつトランジスタT
2およびT
4はオフであり、またもう一方の半分の期間中にトランジスタT
2およびT
4は導電し、かつトランジスタT
1およびT
3はオフである。
図5bは、トランジスタT
1とT
3とが導電している第一の半分の期間中のインダクタLの電源への接続を図示する。負荷ネットワークに第一の周期的な電圧降下を供給するために動作する第一の駆動回路を備えるために、
図5bに示す配置を考慮することができる。
図5cは、トランジスタT
2とT
4とが導電している第二の半分の期間中のインダクタLの電源への接続を図示する。第一の周期的な電圧降下と同じ周波数であるが、極性が反対であり、かつ第一の周期的な電圧とは正反対に位相がずれている周波数で、負荷ネットワークに第二の周期的な電圧降下を供給するために動作する第二の駆動回路を備えるために、
図5cに示す配置を考慮することができる。
【0054】
当然のことながら、
図4に示すものとは異なる周期的な電圧降下を提供することが可能である。特に、波形は50%未満の負荷サイクルを有してもよい。当然のことながら、電圧パルスV
RおよびV
Lは、潜在的に損傷を与える可能性のある高い電流がトランジスタT
1およびT
2またはT
3およびT
4を通過するのを回避するために、時間的に相互に重ならないことが好ましい。
【0055】
図6は、クラスD増幅器トポロジーの代わりにクラスE増幅器トポロジーを使用して、
図3に示すトポロジーを実施するための代替的な配置を図示する。
図6の配置では、左側駆動手段は負荷ネットワークとともに第一のクラスE増幅器を形成し、また右側駆動手段は負荷ネットワークとともに第二のクラスE増幅器を形成する。各クラスE増幅器は、単一のFETスイッチを備える。左側駆動手段内のスイッチT
5は、高周波スイッチング電圧1327によって制御され、また右側駆動手段内のスイッチT
6は、高周波スイッチング電圧1328によって制御される。スイッチング電圧1327および1328は、
図4に例証する通り、相互に相がずれて、二つの正反対に位相がずれている周期的電圧波形V
LおよびV
Rを提供する。
【0056】
その他の形態の駆動回路が可能であることが明らかであるはずである。例えば、
図5aに示す右側駆動手段および
図6に示す左側駆動手段を使用する配置、または
図5aに示す左側駆動手段および
図6に示す右側駆動手段を使用する配置を有することが可能である。その他の形態の共振スイッチング回路も、右側駆動手段および左側駆動手段として使用されてもよい。