(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-12
(45)【発行日】2023-05-22
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、端末
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20230515BHJP
G06Q 50/30 20120101ALI20230515BHJP
【FI】
G06Q30/0251
G06Q50/30
(21)【出願番号】P 2020150348
(22)【出願日】2020-09-08
(62)【分割の表示】P 2019076692の分割
【原出願日】2019-04-12
【審査請求日】2022-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】321003371
【氏名又は名称】LINE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100093687
【氏名又は名称】富崎 元成
(74)【代理人】
【識別番号】100168468
【氏名又は名称】富崎 曜
(74)【代理人】
【識別番号】100166176
【氏名又は名称】加美山 豊
(74)【代理人】
【識別番号】110001759
【氏名又は名称】弁理士法人よつ葉国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 和嵩
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-75490(JP,A)
【文献】特開2016-75985(JP,A)
【文献】特開2016-211915(JP,A)
【文献】特開2001-283089(JP,A)
【文献】特開2018-10587(JP,A)
【文献】特開2019-3273(JP,A)
【文献】特開2003-6507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物の情報を管理する電子装置と通信する端末によ
って実行されるプログラムであって、
前記乗り物が移動する経路に関する第1経路情報と、前記乗り物が移動する経路に関する第2経路情報とを少なくとも前記端末の表示領域に表示することと、
前記端末のユーザの入力に基づいて選択された、前記第1経路情報と前記第2経路情報とのうちの一方の情報を前記端末の通信部によって前記電子装置に送信することと、
前記端末のユーザの入力に基づいて選択された、前記第1経路情報と前記第2経路情報とのうちの一方の情報に基づき、前記乗り物の表示装置に表示される広告が選択され、前記広告に基づく、前記乗り物の利用料金に関する情報を前記電子装置から前記通信部によって受信することと、
前記利用料金に関する情報に基づく第1表示を前記表示領域に表示することとが前記端末によって実行される。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムであって、
前記広告は、前記第1経路情報が選択された場合、前記第1経路情報に関連する第1広告を含み、前記第2経路情報が選択された場合、前記第2経路情報に関連する第2広告を含む。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のプログラムであって、
前記表示装置に前記広告が表示される設定を前記端末の制御部によって行うことが前記端末によって実行される。
【請求項4】
請求項3に記載のプログラムであって、
前記利用料金は、前記設定に基づき減額され、
前記第1表示は、減額された前記利用料金が表示される。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載のプログラムであって、
前記設定に関する第2表示を前記表示領域に表示することが前記端末によって実行され、
前記設定は、前記第2表示に対する前記端末のユーザの入力に基づき行われる。
【請求項6】
請求項5に記載のプログラムであって、
前記第2表示は、前記広告が前記表示装置に表示される第1設定と、前記広告が前記表示装置に表示されない第2設定とが表示される。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記第1経路情報と、前記第2経路情報とは、前記端末のユーザの情報に基づいて前記表示領域に表示される。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記表示装置に表示された前記広告に関連する位置に前記乗り物によって移動することに関する処理を、前記端末の制御部によって行うことと、
前記処理に基づく前記利用料金に関する情報を、前記電子装置から前記通信部によって受信することとが前記端末によって実行される。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムであって、
前記利用料金は、前記処理に基づき減額され、
前記第1表示は、減額された前記利用料金が表示される。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載のプログラムであって、
前記処理に基づき前記乗り物によって移動された、前記広告に関連する位置の店舗の商品またはサービスに関する第1決済に関する処理を、前記端末の制御部によって行うことが前記端末によって実行され、
前記表示領域は、前記処理に基づく、前記第1決済の決済額が表示される。
【請求項11】
請求項8または請求項9に記載のプログラムであって、
前記処理に基づき前記乗り物によって移動された、前記広告に関連する位置の店舗の商品またはサービスに関する決済に関する処理を、前記端末の制御部によって行うことと、
前記処理に基づき、前記店舗に関するクーポン情報を前記通信部によって受信することとが前記端末によって実行される。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記表示装置に表示された前記広告に関する入力を前記端末の制御部によって取得することが前記端末によって実行され、
前記利用料金は、前記広告に関する入力に基づき減額され、
前記第1表示は、減額された前記利用料金が表示される。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記乗り物が移動する経路のうち、目的地である第1位置とは異なる第2位置で前記乗り物が停止する経路の選択を前記端末の制御部によって取得することが前記端末によって実行され、
前記利用料金は、前記経路の選択に基づき減額され、
前記第1表示は、減額された前記利用料金が表示される。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムであって、
前記第2位置に関する店舗の商品またはサービスに関する第2決済に関する処理を、前記端末の制御部によって行うことが前記端末によって実行され、
前記表示領域は、前記経路の選択に基づき、前記第2決済の決済額が表示される。
【請求項15】
請求項1から請求項14のいずれか一項に記載のプログラムであって、
前記電子装置は、前記乗り物に備わる。
【請求項16】
請求項15に記載のプログラムであって、
前記電子装置は、前記表示装置を含む。
【請求項17】
乗り物の情報を管理する電子装置と通信する端末の情報処理方法であって、
前記乗り物が移動する経路に関する第1経路情報と、前記乗り物が移動する経路に関する第2経路情報とを少なくとも前記端末の表示領域に表示することと、
前記端末のユーザの入力に基づいて選択された、前記第1経路情報と前記第2経路情報とのうちの一方の情報を前記端末の通信部によって前記電子装置に送信することと、
前記端末のユーザの入力に基づいて選択された、前記第1経路情報と前記第2経路情報とのうちの一方の情報に基づき、前記乗り物の表示装置に表示される広告が選択され、前記広告に基づく、前記乗り物の利用料金に関する情報を前記電子装置から前記通信部によって受信することと、
前記利用料金に関する情報に基づく第1表示を前記表示領域に表示することとを含む。
【請求項18】
乗り物の情報を管理する電子装置と通信する端末であって、
前記乗り物が移動する経路に関する第1経路情報と、前記乗り物が移動する経路に関する第2経路情報とを少なくとも表示する表示部と、
前記端末のユーザの入力に基づいて選択された、前記第1経路情報と前記第2経路情報とのうちの一方の情報を前記電子装置に送信し、前記端末のユーザの入力に基づいて選択された、前記第1経路情報と前記第2経路情報とのうちの一方の情報に基づき、前記乗り物の表示装置に表示される広告が選択され、前記広告に基づく、前記乗り物の利用料金に関する情報を前記電子装置から受信する通信部とを備え、
前記表示部は、前記利用料金に関する情報に基づく第1表示を表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、プログラム、端末に関する。
【背景技術】
【0002】
乗り物の利用態様として、例えば、タクシー、バス、電車、レンタカーといった運送手段を利用して利用者が移動することが考えられる。例えば、特許文献1には、利用者が乗車する公共交通車両の乗車料金の決済に関する技術が開示されている。しかしながら、上記のような乗り物の利用料金の設定方法や運用方法については検討の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の態様によると、乗り物の情報を管理する電子装置と通信する端末によって実行されるプログラムは、乗り物が移動する経路に関する第1経路情報と、乗り物が移動する経路に関する第2経路情報とを少なくとも端末の表示領域に表示することと、端末のユーザの入力に基づいて選択された、第1経路情報と第2経路情報とのうちの一方の情報を端末の通信部によって電子装置に送信することと、端末のユーザの入力に基づいて選択された、第1経路情報と第2経路情報とのうちの一方の情報に基づき、乗り物の表示装置に表示される広告が選択され、広告に基づく、乗り物の利用料金に関する情報を電子装置から通信部によって受信することと、利用料金に関する情報に基づく第1表示を表示領域に表示することとが端末によって実行される。
本発明の第2の態様によると、乗り物の情報を管理する電子装置と通信する端末の情報処理方法は、乗り物が移動する経路に関する第1経路情報と、乗り物が移動する経路に関する第2経路情報とを少なくとも端末の表示領域に表示することと、端末のユーザの入力に基づいて選択された、第1経路情報と第2経路情報とのうちの一方の情報を端末の通信部によって電子装置に送信することと、端末のユーザの入力に基づいて選択された、第1経路情報と第2経路情報とのうちの一方の情報に基づき、乗り物の表示装置に表示される広告が選択され、広告に基づく、乗り物の利用料金に関する情報を電子装置から通信部によって受信することと、利用料金に関する情報に基づく第1表示を表示領域に表示することとを含む。
本発明の第3の態様によると、乗り物の情報を管理する電子装置と通信する端末は、乗り物が移動する経路に関する第1経路情報と、乗り物が移動する経路に関する第2経路情報とを少なくとも表示する表示部と、端末のユーザの入力に基づいて選択された、第1経路情報と第2経路情報とのうちの一方の情報を電子装置に送信し、端末のユーザの入力に基づいて選択された、第1経路情報と第2経路情報とのうちの一方の情報に基づき、乗り物の表示装置に表示される広告が選択され、広告に基づく、乗り物の利用料金に関する情報を電子装置から受信する通信部とを備え、表示部は、利用料金に関する情報に基づく第1表示を表示する。
本発明の第4の態様によると、乗り物に備わる表示装置による情報処理方法は、広告を表示装置の表示部に表示することと、表示部に表示された広告に基づく乗り物の利用料金に関する情報を表示部に表示することとを含む。
本発明の第5の態様によると、端末と通信する電子装置による情報処理方法は、乗り物の表示装置への広告の表示に関する情報を電子装置によって取得することと、取得された広告の表示に関する情報に基づき、乗り物の利用料金に関する情報を電子装置の通信部によって端末に送信することとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】実施形態の一態様における通信システムの構成の一例を示す図。
【
図2-1】第1実施例に係る広告割引データベースの一例を示す図。
【
図2-2】第1実施例に係る各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図3-1】第2実施例に係る拡張広告割引データベースの構成の一例を示す図。
【
図3-2】第2実施例に係る広告エリアと区域との関係の一例を示す図。
【
図3-3】第2実施例に係る各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図4-1】実施形態の一態様における通信システムの構成の一例を示す図。
【
図4-2】実施形態の一態様における車両システムの構成の一例を示す図。
【
図5-1】第3実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
【
図5-2】第3実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
【
図5-3】第3実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
【
図5-4】第3実施例に係る端末の表示画面の一例を示す図。
【
図5-5】第3実施例に係る車両システムの表示画面の一例を示す図。
【
図5-6】第3実施例に係る車両システムの表示画面の一例を示す図。
【
図5-7】第3実施例に係る車両システムの表示画面の一例を示す図。
【
図5-8】第3実施例に係る車両システムの表示画面の一例を示す図。
【
図5-9】第3実施例に係る車両システムの表示画面の一例を示す図。
【
図5-10】第3実施例に係る車両システムの表示画面の一例を示す図。
【
図5-11】第3実施例に係る車両システムの表示画面の一例を示す図。
【
図5-12】第3実施例に係る車両システムの表示画面の一例を示す図。
【
図5-13】第3実施例に係る車両システムの表示画面の一例を示す図。
【
図6-1】第3実施例に係るサーバの制御部により実現される機能の一例を示す図。
【
図6-2】第3実施例に係るサーバの記憶部に記憶される情報の一例を示す図。
【
図6-3】第3実施例に係るユーザ登録データの一例を示す図。
【
図6-4】第3実施例に係る広告コンテンツデータの一例を示す図。
【
図6-5】第3実施例に係る広告管理データベースの一例を示す図。
【
図6-6】第3実施例に係る端末の制御部により実現される機能の一例を示す図。
【
図6-7】第3実施例に係る端末の記憶部に記憶される情報の一例を示す図。
【
図6-8】第3実施例に係る各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図6-9】第3実施例に係る各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図6-10】第3実施例に係る各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図6-11】第3変形例に係る各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図7-1】第4実施例に係る各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図7-2】第4変形例に係る広告管理データベースの一例を示す図。
【
図7-3】第4変形例に係る広告管理データベースの一例を示す図。
【
図7-4】第4変形例に係る各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図7-5】第4変形例に係る各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図7-6】第4変形例に係る各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図7-7】第4変形例に係る広告管理データベースの一例を示す図。
【
図7-8】第4変形例に係る各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図7-9】第4変形例に係る広告管理データベースの一例を示す図。
【
図7-10】第4変形例に係る各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図7-11】第4変形例に係る各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図8-1】第5実施例に係るサーバの記憶部に記憶される情報の一例を示す図。
【
図8-2】第5実施例に係るユーザ区分データの一例を示す図。
【
図8-3】第5実施例に係る高度広告管理データベースの一例を示す図。
【
図8-4】第5実施例に係る各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャート。
【
図8-5】第5変形例に係る高度広告管理データベースの一例を示す図。
【
図8-6】第5変形例に係る高度広告管理データベースの一例を示す図。
【
図8-7】第5変形例に係る高度広告管理データベースの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
<法的事項の遵守>
本明細書に記載の開示は、通信の秘密など、本開示の実施に必要な実施国の法的事項遵守を前提とすることに留意されたい。
【0007】
本開示に係る情報処理方法等を実施するための実施形態について、図面を参照して説明する。
【0008】
[システム構成]
図1は、本開示の一実施形態に係る通信システム1Aの構成の一例を示す図である。
通信システム1Aでは、限定ではなく例として、ネットワーク30を介してサーバ10と、端末20(端末20A,端末20B,端末20C,・・・)と、車両表示装置90(車両表示装置90a,車両表示装置90b,車両表示装置90c,・・・)とが接続される。
【0009】
サーバ10(限定ではなく、電子装置、サーバ、情報処理装置、情報管理装置の一例)は、車両表示装置90で表示される広告に基づいて、車両表示装置90を備える車両の利用料金を計算する機能を有する。
【0010】
端末20(限定でなく、端末、情報処理装置の一例)は、サーバ10で計算された利用料金を受信し、表示する機能を有する。
【0011】
ネットワーク30は、1以上のサーバ10と、1以上の車両表示装置90と、1以上の端末20とを接続する役割を担う。すなわち、ネットワーク30は、上記の各種の装置が接続した後、データを送受信することができるように接続経路を提供する通信網を意味する。
なお、ネットワーク30に接続される各種の装置の数は限定されない。
【0012】
ネットワーク30のうちの1つまたは複数の部分は、有線ネットワークや無線ネットワークであってもよいし、そうでなくてもよい。ネットワーク30は、限定ではなく例として、アドホック・ネットワーク(ad hoc network)、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(virtual private network:VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(local area network:LAN)、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)、広域ネットワーク(wide area network:WAN)、ワイヤレスWAN(wireless WAN:WWAN)、大都市圏ネットワーク(metropolitan area network:MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)の一部、携帯電話網、ISDN(integrated service digital networks)、無線LAN、LTE(long term evolution)、CDMA(code division multiple access)、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、衛星通信など、または、これらの2つ以上の組合せを含むことができる。ネットワーク30は、1つまたは複数のネットワーク30を含むことができる。
【0013】
端末20(端末20A,端末20B,端末20C,・・・)(限定でなく、端末、情報処理装置の一例)は、各実施形態において記載する機能を実現できる情報処理端末であればどのような端末であってもよい。端末20は、限定ではなく例として、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、コンピュータ(限定ではなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(限定ではなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定ではなく例として、PDA(personal digital assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、または他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームを含む。また、端末20は情報処理端末と表現されてもよい。
【0014】
端末20A、端末20Bおよび端末20Cの構成は基本的には同一であるため、以下の説明においては、端末20について説明する。また、必要に応じて、ユーザXが利用する端末を端末20Xと表現し、ユーザXまたは端末20Xに対応付けられた、所定のサービスにおけるユーザ情報をユーザ情報Xと表現する。なお、ユーザ情報とは、所定のサービスにおいてユーザが利用するアカウントに対応付けられたユーザの情報である。ユーザ情報は、限定ではなく例として、ユーザにより入力される、または、所定のサービスにより付与される、ユーザの名前、ユーザの年齢、ユーザの性別、ユーザの住所、ユーザの趣味趣向、ユーザの識別子などのユーザに対応付けられた情報を含み、これらのいずれか一つまたは、組み合わせであってもよいし、そうでなくてもよい。
【0015】
サーバ10(限定でなく、サーバ、情報処理装置、情報管理装置の一例)は、車両表示装置90または端末20、もしくはその両方に対して、所定のサービスを提供する機能を備える。サーバ10は、各実施形態において記載する機能を実現できる情報処理装置であればどのような装置であってもよい。サーバ10は、限定ではなく例として、サーバ装置、コンピュータ(限定ではなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(限定ではなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定ではなく例として、PDA、電子メールクライアントなど)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームを含む。また、サーバ10は情報処理装置と表現されてもよい。
【0016】
車両表示装置90(限定ではなく、電子装置の一例)は、表示部(ディスプレイ)94に広告を表示させる機能を有する。車両表示装置90は、車両装置と表現することもできる。
【0017】
なお、車両表示装置90a、車両表示装置90bおよび車両表示装置90cの構成は基本的には同一であるため、以下の説明においては、車両表示装置90の構成として説明する。
【0018】
車両表示装置90は、限定ではなく例として、サーバ装置、コンピュータ(限定ではなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(限定ではなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定ではなく例として、PDA、電子メールクライアントなど)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホーム等を含む。車両表示装置90は、情報処理装置や情報管理装置、電子装置と表現されてもよい。
【0019】
車両表示装置90は、限定ではなく例として、サーバ10を運用する事業者と提携する事業者が事業として行う乗り物レンタルサービスにおいて、運送手段として用いる乗り物に備えられて(搭載されて)利用される。
【0020】
本実施形態では、限定ではなく例として、レンタカー事業におけるレンタカー車両を乗り物の一例とし、車両表示装置90は、このレンタカー車両に搭載されて利用されることとして説明する。
【0021】
[各装置のハードウェア(HW)構成]
通信システム1Aに含まれる各装置のHW構成について説明する。
【0022】
(1)端末のHW構成
図1には、端末20のHW構成の一例を示している。
端末20は、制御部21(CPU:central processing unit(中央処理装置))、記憶部28、通信I/F22(インタフェース)、入出力部23、表示部24、マイク25、スピーカ26、カメラ27、位置算出用情報検出部29を備える。端末20のHWの各構成要素は、限定ではなく例として、バスBを介して相互に接続される。なお、端末20のHW構成として、すべての構成要素を含むことは必須ではない。限定ではなく例として、端末20は、マイク25、カメラ27等、個々の構成要素、または複数の構成要素を取り外すような構成であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0023】
通信I/F22は、ネットワーク30を介して各種データの送受信を行う。通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F22は、ネットワーク30を介して、サーバ10等の各種装置との通信を実行する機能を有する。通信I/F22は、各種データを制御部21からの指示に従って、サーバ10等の各種装置に送信する。また、通信I/F22は、サーバ10等の各種装置から送信された各種データを受信し、制御部21に伝達する。また、通信I/F22を単に通信部と表現する場合もある。また、通信I/F22が物理的に構造化された回路で構成される場合には、通信回路と表現する場合もある。
【0024】
入出力部23は、端末20に対する各種操作を入力する装置、および、端末20で処理された処理結果を出力する装置を含む。入出力部23は、入力部と出力部が一体化していてもよいし、入力部と出力部に分離していてもよいし、そうでなくてもよい。
【0025】
入力部は、ユーザからの入力を受け付けて、入力に係る情報を制御部21に伝達できる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。入力部は、限定ではなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(動画像を介した操作入力)、マイク(音響による操作入力)を含む。
【0026】
出力部は、制御部21で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。出力部は、限定ではなく例として、 タッチパネル、タッチディスプレイ、スピーカ(音出力)、レンズ(限定ではなく例として3D(three dimensions)出力や、ホログラム出力)、プリンターなどを含む。
表示部24は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、表示することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。表示部24は、限定ではなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、モニタ(限定ではなく例として、液晶ディスプレイやOELD(Organic Electro Luminescence Display))、ヘッドマウントディスプレイ(HDM:Head Mounted Display)、ヘッドアップディスプレイ(HUD:Head Up Display)、プロジェクションマッピング、ホログラム、空気中など(真空であってもよいし、そうでなくてもよい)に画像やテキスト情報等を表示可能な装置を含む。なお、これらの表示部24は、3Dで表示データを表示可能であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0027】
入出力部23がタッチパネルの場合、入出力部23と表示部24とは、同一の大きさおよび形状で対向して配置されていてもよい。
【0028】
位置算出用情報検出部29は、制御部21が自己の端末20の位置を算出(測定)するために必要な情報を検出(計測)する機能部である。位置算出用情報検出部29は、限定ではなく例として、位置算出用センサ部と表現することもできる。
【0029】
位置算出用情報検出部29は、限定ではなく例として、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムを利用して端末20の位置を算出するためのセンサやユニットである衛星測位センサ(衛星測位ユニット)や、慣性航法システムを利用して端末20の位置を算出するためのセンサやユニットである慣性計測センサ(慣性計測ユニット(IMU(Inertial Measurement Unit)))等を含む。
【0030】
衛星測位ユニットは、限定ではなく例として、不図示のアンテナで受信される測位用衛星から発信されている測位用衛星信号を含むRF(Radio Frequency)信号をデジタル信号に変換するRF受信回路や、RF受信回路から出力されるデジタル信号に対して相関演算処理等を行って測位用衛星信号を捕捉し、測位用衛星信号から取り出した衛星軌道データや時刻データ等の情報を、位置算出用情報として出力するベースバンド処理回路等を有する。
【0031】
慣性計測ユニットは、慣性航法演算によって端末20の位置を算出するために必要な情報を検出するセンサである慣性センサを有する。慣性センサには、限定ではなく例として、3軸の加速度センサや3軸のジャイロセンサが含まれ、加速度センサによって検出された加速度と、ジャイロセンサによって検出された角速度とを、位置算出用情報として出力する。
【0032】
なお、位置算出用情報検出部29に、CPUやDSP等の演算装置や処理装置を含めるようにし、検出された位置算出用情報に基づいて、位置算出用情報検出部29で端末20の位置が算出(測定)されて出力されるようにしてもよいし、そのようにしなくてもよい。
制御部21は、プログラム内に含まれたコードまたは命令によって実現する機能を実行するために物理的に構造化された回路を有し、限定ではなく例として、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現される。そのため、制御部21は、制御回路と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0033】
制御部21は、限定ではなく例として、中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(application-specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate array)を含む。
【0034】
記憶部28は、端末20が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶部28は、限定ではなく例として、HDD(hard disk drive)、SSD(solid state drive)、フラッシュメモリ、RAM(random access memory)、ROM(read only memory)など各種の記憶媒体を含む。また、記憶部28は、メモリ(memory)と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0035】
端末20は、プログラムPを記憶部28に記憶し、このプログラムPを実行することで、制御部21が、制御部21に含まれる各部としての処理を実行する。つまり、記憶部28に記憶されるプログラムPは、端末20に、制御部21が実行する各機能を実現させる。また、このプログラムPは、プログラムモジュールと表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0036】
マイク25は、音響データの入力に利用される。スピーカ26は、音響データの出力に利用される。カメラ27は、動画像データの取得に利用される。なお、カメラ27は、赤外線等の不可視光を利用して、3次元情報を検出可能に構成してもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0037】
(2)サーバのHW構成
図1には、サーバ10のHW構成の一例を示している。
サーバ10は、制御部11(CPU)、記憶部15、通信I/F14(インタフェース)、入出力部12、表示部13を備える。サーバ10のHWの各構成要素は、限定ではなく例として、バスBを介して相互に接続される。なお、サーバ10のHWは、サーバ10のHWの構成として、全ての構成要素を含むことは必須ではない。限定ではなく例として、サーバ10のHWは、表示部13を取り外すような構成であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0038】
制御部11は、プログラム内に含まれたコードまたは命令によって実現する機能を実行するために物理的に構造化された回路を有し、限定ではなく例として、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置により実現される。
【0039】
制御部11は、代表的には中央処理装置(CPU)、であり、その他にマイクロプロセッサ、プロセッサコア、マルチプロセッサ、ASIC、FPGAであってもよいし、そうでなくてもよい。本開示において、制御部11は、これらに限定されない。
【0040】
記憶部15は、サーバ10が動作するうえで必要とする各種プログラムや各種データを記憶する機能を有する。記憶部15は、HDD、SSD、フラッシュメモリなど各種の記憶媒体により実現される。ただし、本開示において、記憶部15は、これらに限定されない。また、記憶部15は、メモリ(memory)と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0041】
通信I/F14は、ネットワーク30を介して各種データの送受信を行う。通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F14は、ネットワーク30を介して、端末20等の各種装置との通信を実行する機能を有する。通信I/F14は、各種データを制御部11からの指示に従って、端末20等の各種装置に送信する。また、通信I/F14は、端末20等の各種装置から送信された各種データを受信し、制御部11に伝達する。また、通信I/F14を単に通信部と表現する場合もある。また、通信I/F14が物理的に構造化された回路で構成される場合には、通信回路と表現する場合もある。
【0042】
入出力部12は、サーバ10に対する各種操作を入力する装置により実現される。入出力部12は、ユーザからの入力を受け付けて、入力に係る情報を制御部11に伝達できる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。入出力部12は、代表的にはキーボード等に代表されるハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイスで実現される。なお、入出力部12は、限定ではなく例として、タッチパネルやカメラ(動画像を介した操作入力)、マイク(音による操作入力)を含んでいてもよいし、そうでなくてもよい。ただし、本開示において、入出力部12は、これらに限定されない。
表示部13は、代表的にはモニタ(限定ではなく例として、液晶ディスプレイやOELD(organic electroluminescence display))で実現される。なお、表示部13は、ヘッドマウントディスプレイ(HDM)などであってもよいし、そうでなくてもよい。なお、これらの表示部13は、3Dで表示データを表示可能であってもよいし、そうでなくてもよい。本開示において、表示部13は、これらに限定されない。
【0043】
(3)車両表示装置90のHW構成
図1には、車両表示装置90のHW構成の一例を示している。
車両表示装置90は、限定ではなく例として、表示部94、不図示の制御部(CPU)、スピーカ、通信I/F(インタフェース)、記憶部を有する。
【0044】
なお、車両表示装置90のHWは、車両表示装置90の構成として、全ての構成要素を含むことは必須でない。限定ではなく例として、車両表示装置90のHWは、スピーカを取り外すような構成であってもよいし、そうでなくてもよい。
その他の車両表示装置90に含まれる上記の各構成要素や機能部を実現するためのHWや部品等については、例えば端末20と同様に構成することができる。このため、再度の説明を省略する。
【0045】
なお、車両表示装置90は、車両に搭載される端末(車載端末)や装置(車載装置)としてもよいし、しなくてもよい。また、車両表示装置90は、一体型の装置であってもよいし、構成要素が別体とされた別体型の装置であってもよい。
【0046】
(5)その他
サーバ10は、プログラムPを記憶部15に記憶し、このプログラムPを実行することで、制御部11が、制御部11に含まれる各部としての処理を実行する。つまり、記憶部15に記憶されるプログラムPは、サーバ10に、制御部11が実行する各機能を実現させる。このプログラムPは、プログラムモジュールと表現されてもよいし、されなくてもよい。
他の装置についても同様である。
【0047】
本開示の各実施形態においては、サーバ10および/または端末20のCPUがプログラムPを実行することにより、実現するものとして説明する。
他の装置についても同様である。
【0048】
なお、サーバ10の制御部11、および/または、端末20の制御部21は、制御回路を有するCPUだけでなく、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各処理を実現してもよいし、そうでなくてもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよいし、そうでなくてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。そのため、制御部11は、制御回路と表現されてもよいし、されなくてもよい。
他の装置についても同様である。
【0049】
また、本開示の各実施形態のプログラムP(限定ではなく例として、ソフトウェアプログラム、コンピュータプログラム、またはプログラムモジュール)は、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよいし、されなくてもよい。 記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムPを記憶可能である。また、プログラムPは、本開示の各実施形態の機能の一部を実現するためのものであってもよいし、そうでなくてもよい。さらに、本開示の各実施形態の機能を記憶媒体にすでに記録されているプログラムPとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0050】
記憶媒体は、1つまたは複数の半導体ベースの、または他の集積回路(IC)(限定ではなく例として、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)または特定用途向けIC(ASIC)など)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カード、またはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、またはこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、または揮発性と不揮発性の組合せでよい。なお、記憶媒体はこれらの例に限られず、プログラムPを記憶可能であれば、どのようなデバイスまたは媒体であってもよい。また、記憶媒体をメモリ(memory)と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0051】
サーバ10および/または端末20は、記憶媒体に記憶されたプログラムPを読み出し、読み出したプログラムPを実行することによって、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現することができる。
他の装置についても同様である。
【0052】
また、本開示のプログラムPは、プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、サーバ10および/または端末20に提供されてもよいし、されなくてもよい。サーバ10および/または端末20は、限定ではなく例として、インターネット等を介してダウンロードしたプログラムPを実行することにより、各実施形態に示す複数の機能部の機能を実現する。
他の装置についても同様である。
【0053】
また、本開示の各実施形態は、プログラムPが電子的な伝送によって具現化されたデータ信号の形態でも実現され得る。
サーバ10および/または端末20における処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよいし、そうでなくてもよい。
端末20における処理の少なくとも一部を、サーバ10により行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。この場合、端末20の制御部21の各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理を、サーバ10で行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。
サーバ10における処理の少なくとも一部を、端末20により行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。この場合、サーバ10の制御部11の各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理を、端末20で行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。
他の装置についても同様である。
【0054】
明示的な言及のない限り、本開示の実施形態における判定の構成は必須でなく、判定条件を満たした場合に所定の処理が動作されたり、判定条件を満たさない場合に所定の処理がされたりしてもよいし、そうでなくてもよい。
【0055】
なお、本開示のプログラムは、限定ではなく例として、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのコンパイラ言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装される。
【0056】
<第1実施例>
まず、本実施形態の一態様としての第1実施例について説明する。
第1実施例では、限定ではなく例として、端末20のユーザがレンタカーを利用する間に、車両表示装置90が表示部94に広告を表示する。すると、サーバ10は、車両表示装置90への広告の表示に基づいて、レンタカーの利用料金(以下、「レンタカー利用料金」と称する。)を割引する。これにより、端末20の表示部24に、割引後の利用料金が表示される。レンタカー利用料金は、レンタル料金やレンタカーの使用料金と言うこともできる。
【0057】
本明細書において、「広告」とは、限定ではなく例として、乗り物に乗る人(例えば、乗り物を運転する運転者、乗り物の利用客、これらの者と一緒に乗り物に乗る同乗者)や、乗り物に乗る人とは異なる人(例えば、乗り物の外に位置する人)等の人を対象者とし、対象者を誘致したり、対象者の興味や関心を引きつけたり(惹きつけたり)、対象者の意欲を掻き立てるなどするために、視覚、聴覚、嗅覚等の知覚を通じて対象者に知らしめるコンテンツ(対象者の知覚に働きかけるコンテンツ)を意味する。このコンテンツは、対象者に直接的に知らしめるものとしてもよいし、示唆等によって対象者に間接的に知らしめるものとしてもよい。また、対象者は、1人であってもよいし、複数人であってもよい。
【0058】
広告が示す情報には、限定ではなく例として、商品/サービスに関する情報、店舗や施設等の場所に関する情報、電子商取引等のネットワークサービスに関する情報、開催されるイベントや催し物に関する情報、URI(Uniform Resource Identifier)(例えばURL(Uniform Resource Locator))等のリソースの場所を特定するための情報、これらの情報をエンコードしたコード情報(またはコード画像)や、これらを組み合わせた情報を含めることができる。
また、これらの情報には、より詳細な情報を含めることもできる。例えば、商品に関する情報であれば、限定ではなく例として、商品の名称、内容、価格、販売場所、販売方法、販売時刻、ディスカウント等の情報を含めることができる。
【0059】
以下説明する実施例において、例えば、商品に関する情報や店舗に関する情報を含む広告を、乗り物の内部に設置される表示装置に表示させることで、乗り物に乗る人に対して、その広告を見て、店舗まで乗り物で移動して商品を購入する動機付けとなり得る。
また、以下説明する実施例において、例えば、商品に関する情報や店舗に関する情報を含む広告を、乗り物の外に向けて設置される表示装置に表示させることで、乗り物の外に位置する人々に対して、その商品や店舗の宣伝となる。
【0060】
車両表示装置90は、限定ではなく例として、車内前面にカーナビゲーション装置のような形で設置することもできるし、カーナビゲーション装置と一体的な装置として構成して設置するようにすることもできる。また、表示部94は、車内前面にヘッドアップとして構成するようにすることもできる。このようにすることで、レンタカーの運転手となるユーザが、赤信号で停止している間や、車を停めて休憩している間等に、広告を見ることができる。また、レンタカーに同乗する同乗者のユーザ(運転手とは異なるユーザ)は、乗車している間に、いつでも広告を見ることができる。
【0061】
ただし、運転手のユーザが車内で広告を見ることは、安全上、好ましくない場合がある。そこで、レンタカーの同乗者のユーザを、広告を見せるメインターゲットとし、限定ではなく例として、助手席の前側(例えばダッシュボードやその上部分)や、後部座席の前側(例えば運転席シートの背面や助手席シートの背面)に、車両表示装置90を構成するようにすることもできる。
【0062】
なお、第1実施例に記載の内容は、他の各実施例のいずれにも適用可能である。
【0063】
<機能構成>
(1)サーバの機能構成
サーバ10は、制御部11により実現される機能として、限定ではなく例として、不図示のサーバメイン処理部と、不図示の割引処理部とを有する。
【0064】
サーバメイン処理部は、記憶部15に記憶されている不図示のサーバメイン処理プログラムに従って、サーバ10を統括的に制御するための処理であるサーバメイン処理を実行する機能を有している。
【0065】
割引処理部は、記憶部15に記憶されている不図示の割引処理プログラムに従い、車両表示装置90に表示された広告に基づいて、レンタカー利用料金に対する割引額(以下、単に「割引額」と称する。)を計算し、割引後の利用料金を端末20に送信する。
なお、以下では「割引額」として説明するが、割引額に代えて「割引率」としてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0066】
サーバ10の記憶部15には、限定ではなく例として、プログラムとして、制御部11により読み出され、サーバメイン処理として実行される不図示のサーバメイン処理プログラムが記憶される。また、サーバメイン処理プログラムは、制御部11により読み出され、利用料金割引処理として実行される不図示の利用料金割引プログラムをサブルーチンプログラムとして含む。
利用料金割引処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
【0067】
また、記憶部15には、限定ではなく例として、データとして、広告割引データベースが記憶される。
【0068】
広告割引データベースは、車両表示装置90で表示された広告に基づいて、割引額を算出するためのデータを蓄積的に記憶したデータベースであり、そのデータ構成の一例を
図2-1に示す。
広告割引データベースには、広告毎に生成される広告割引データが記憶される。
【0069】
各広告割引データには、限定ではなく例として、広告IDと、広告タイトルと、割引額と、広告コンテンツとが記憶される。
【0070】
広告IDは、募集した広告を識別するための識別情報として機能するIDである。
広告タイトルには、限定ではなく例として、広告IDに対応する広告を掲載する広告主の名称、または広告内容の表題、もしくはその両方が記憶される。
割引額は、広告が表示されることによる利用料金からの割引額である。
広告コンテンツは、車両表示装置90の表示部94に表示する、広告に関する機械的に読み取り可能なメディアファイルである。
【0071】
例えば、
図2-1では、レンタカーの利用中に、車両表示装置90の表示部94が、広告ID「A0001」によって識別される「〇×トレーニングジム」に関する広告「video001.mp4」を表示する場合に、利用料金から割引額「500円」が減額される例が示されている。
【0072】
(2)端末の機能構成
端末20は、制御部21により実現される機能として、不図示の端末メイン処理部と、不図示のレンタカー利用アプリケーション処理部とを有する。
【0073】
端末メイン処理部は、記憶部28に記憶されている不図示の端末メイン処理プログラムに従って、端末20を統括的に制御するための処理である端末メイン処理を実行する機能を有している。限定ではなく例として、端末20が携帯電話機である場合には、通信I/F22を介して他の携帯電話機や固定電話機等との通話を行うための制御を行う、または通信I/F22を介して各種のウェブサイトにアクセスするための制御を行う、または表示部24に各種の情報を表示させる制御を行う、またはマイク25から入力される各種の音響データを解析する処理を行う、またはカメラ27によって撮影された静止画像や動画像を解析する処理を行う、または位置算出用情報検出部29の検出結果に基づいて端末20の位置情報を取得する処理等を実行する。
【0074】
レンタカー利用アプリケーション処理部は、サーバ10および/または車両表示装置90と通信を行い、レンタカーの利用開始・利用終了に関する処理と、レンタカー利用料金の表示に関する処理とを実行する機能を有している。
【0075】
(3)車両表示装置の機能構成
車両表示装置90は、制御部により実現される機能として、不図示の車両表示装置メイン処理部と、不図示の広告表示処理部とを有する。
【0076】
車両表示装置メイン処理部は、記憶部に記憶されている不図示の車両表示装置メイン処理プログラムに従って、車両表示装置90を統括的に制御するための処理である車両表示装置メイン処理を実行する機能を有している。
【0077】
広告表示処理部は、記憶部に記憶されている不図示の広告表示処理プログラムに従って、表示部94に広告を表示する機能と、表示した広告に基づく広告IDをサーバ10に送信する機能とを有する。
【0078】
車両表示装置90の記憶部には、限定ではなく例として、プログラムとして、制御部に読み出され、車両表示装置メイン処理部として実行される不図示の車両表示装置メイン処理プログラムが記憶される。
【0079】
また、車両表示装置メイン処理プログラムは、制御部により読み出され、広告表示処理として実行される不図示の広告表示処理プログラムをサブルーチンプログラムとして含む。広告表示処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
【0080】
また、車両表示装置90の記憶部には、限定ではなく例として、データとして、広告割引データベースが記憶される。広告割引データベースは、限定ではなく例として、サーバ10の記憶部15に記憶される広告割引データベース(
図2-1参照)と同一とすることができるため、説明を省略する。
【0081】
<処理>
図2-2は、本実施例における各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
これらの図では、サーバ10のサーバメイン処理部が実行するサーバメイン処理の一例である第1のサーバメイン処理、端末20の端末メイン処理部が実行する端末メイン処理の一例である第1の端末メイン処理A、車両表示装置90の車両表示装置メイン処理部が実行する第1の車両表示装置メイン処理、をそれぞれ示している。
【0082】
各処理における各ステップをアルファベットの大文字と数字の組み合わせで示し、本明細書では、ステップの用語は省略する。
また、以下説明するフローチャートは、あくまでも本実施例における処理を例示するものに過ぎず、以下説明するフローチャートにおいて、一部のステップを実行しなくてもよいし、追加のステップを挿入してもよい。
【0083】
また、以下説明する端末20の処理は、端末20にインストールされたレンタカー利用アプリケーションで全てのステップが実行される処理としてもよいし、レンタカー利用アプリケーションで一部のステップが実行される処理としてもよい。また、必ずしも、端末20にインストールされたアプリケーションで実行される処理としなくてもよい。
【0084】
最初に、端末20のユーザがレンタカーに乗車すると、端末20は、利用開始情報を通信I/F22によってサーバ10に送信する(M1)。なお、利用開始情報は、限定ではなく例として、入出力部23に対するユーザ操作を受け付けて送信してもよいし、車両表示装置90の表示部94に表示される利用開始コードを、端末20のカメラ27やコードリーダを用いて読み取ることで送信してもよい。
【0085】
サーバ10は、通信I/F14によって端末20から利用開始情報を受信する(L1)。利用開始情報を受信した時刻は、サーバ10の記憶部15に記憶される。そして、サーバ10は、乗車確認情報を通信I/F14によって車両表示装置90に送信する(L3)。
【0086】
車両表示装置90は、サーバ10から乗車確認情報を受信すると(N1)、広告割引データベースに記憶されている広告コンテンツ(広告コンテンツに基づく広告)を表示部94に表示し、広告割引データベースに基づいて、表示した広告コンテンツに対応する広告IDをサーバ10に送信する(N5)。
【0087】
なお、ここでは、あらかじめ車両表示装置90に記憶されている広告コンテンツに基づいて広告を表示部94に表示させる場合を例示するが、これに限定されない。具体的には、例えば、広告コンテンツを配信するサーバ(広告配信サーバ/広告コンテンツ配信サーバ)を構成し、車両表示装置90が、このサーバから配信される広告コンテンツに基づく広告を、表示部94に表示させるようにしてもよいし、そのようにしなくてもよい。この場合、サーバ10を、上記の広告配信サーバ/広告コンテンツ配信サーバとして機能させるようにしてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0088】
また、表示する広告(広告コンテンツ)は、ランダムに選択するようにしてもよいし、そのようにしなくてもよい。また、例えば、割引額が高いものから広告を表示するようにしてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0089】
サーバ10は、通信I/F14によって車両表示装置90から広告IDを受信すると、広告割引データベースに基づいて、広告IDに対応する割引額を記憶部15の変数へ積算して記憶する(L5)。
【0090】
端末20において、入出力部23に対するユーザ操作を受け付けてユーザがレンタカーの利用を終了すると、端末20は、利用終了情報を通信I/F22によって車両表示装置90に送信する(M3)。
【0091】
車両表示装置90は、端末20から利用終了情報を受信すると(N7:YES)、降車地到着情報をサーバ10に送信する(N9)。
【0092】
なお、車両表示装置90は、端末20から利用終了情報を受信していなければ(N7:NO)、表示部94に表示中の広告コンテンツの表示を継続する。表示中の広告コンテンツが終了となった場合は、N5に戻り、次の(別の)広告コンテンツを表示部94に表示する。
【0093】
サーバ10は、通信I/F14によって車両表示装置90から降車地到着情報を受信すると(L7)、限定ではなく例として、降車地到着情報を受信した時刻と、L1において利用開始情報を受信した時刻とに基づき、レンタカー利用時間を算出し、レンタカー利用時間に基づいてレンタカー利用料金を算出する。
【0094】
なお、レンタカー利用料金は、レンタカー利用中の走行距離に基づいて算出してもよいし、レンタカー利用時間と走行距離とに基づいて算出してもよい。
【0095】
サーバ10は、レンタカー利用料金から、L5の処理で積算して記憶した割引額を減額して、割引後の利用料金(以下、「割引後利用料金」と称する。)を算出する。そして、サーバ10は、通信I/F14によって割引後利用料金を端末20に送信する(L9)。
【0096】
端末20は、通信I/F22によって割引後利用料金を受信すると(M5)、割引後の利用料金を表示部24に表示させる(M7)。
【0097】
なお、利用料金の決済については、限定ではなく例として、端末20を用いて電子決済を行ってもよいし、レンタカー降車地に設置されている決済装置を用いて、限定ではなく例として、クレジットカードや現金で決済してもよい。
【0098】
<第1実施例の効果>
第1実施例は、端末20(限定ではなく、端末の一例)が、レンタカー車両に備えられる車両表示装置90(限定ではなく、電子装置、表示装置の一例)への広告の表示に基づいて、レンタカーの割引後利用料金(限定ではなく、乗り物の利用料金に関する情報の一例)を受信する。そして、割引後利用料金の表示(限定ではなく、第1表示の一例)を、表示部24の表示画面上の領域(限定ではなく、端末の表示領域の一例)に表示する構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、乗り物の利用料金に関する情報を、表示装置ではなく端末で確認することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0099】
また、第1実施例は、サーバ10(限定ではなく、電子装置の一例)が、車両表示装置90の表示部94に表示した広告に対応する広告ID(限定ではなく、乗り物の表示装置への広告の表示に関する情報の一例)を車両表示装置90から取得する。そして、サーバ10は、取得された広告IDに基づき、レンタカーの割引後利用料金(限定ではなく、乗り物の利用料金に関する情報の一例)を通信I/F14によって端末20に送信する構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、電子装置によって取得された乗り物の表示装置への広告の表示に関する情報に基づき、乗り物の利用料金に関する情報を端末に送信することで、乗り物の利用料金に関する情報を端末のユーザに適切に報知することができる。
【0100】
<第1変形例(1)>
第1実施例では、レンタカー車両を運送手段として用いる乗り物として説明したが、これに限定されない。
車両は、レンタカー車両以外の車両、例えばタクシーやバスや電車等の車両としてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0101】
また、乗り物は、車両以外の乗り物、例えば船舶や航空機としてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0102】
また、乗り物の利用料金は、上記のレンタカー利用料金に限らず、限定ではなく例として、タクシー等を利用する場合の運賃としてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0103】
<第1変形例(2)>
第1実施例において、車両表示装置90の表示部94に広告を表示させるか否かを設定するようにすることもできる。具体的には、例えば、ユーザが自身の端末20で設定操作を行うようにし、端末20の制御部21が、設定操作がなされた場合に、車両表示装置90に直接的に設定情報(設定信号)を送信する、または、サーバ10を介して車両表示装置90に設定情報(設定信号)を間接的に送信するなどして、実現することができる。
【0104】
また、この場合、端末20の表示部24には、広告を表示させるか否かの設定、例えば、広告を表示させる場合は表示設定「ON」、広告を表示させない場合は表示設定「OFF」のいずれかを選択して設定するための設定用画面を表示させるようにし、この設定用画面に対する端末20のユーザの入力に基づいて、表示設定を行うなどすればよい。
【0105】
なお、上記の広告を表示させるか否かの設定は、端末20のユーザがレンタカーに乗車した後に限らず、レンタカーに乗車する前に行うようにすることもできる。この場合は、限定ではなく例として、端末20のユーザがレンタカーを借りるタイミングで、例えば上記のように端末20から設定情報(設定信号)を車両表示装置90に送信するなどして、広告を表示させるか否かを設定するようにすることができる。
【0106】
また、この場合、タイミングを問わず、車両表示装置90に広告を表示させる設定が行われた場合に、レンタカーの利用料金を減額するようにしてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0107】
<第1変形例(2)の効果>
本変形例は、広告が表示される設定を端末20の制御部21によって行う構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、端末で広告が表示される設定を実行することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0108】
また、本変形例は、レンタカー利用料金は、上記の広告が表示される設定に基づき割り引かれ、割引後のレンタカー利用料金が端末20に表示される構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、利用料金は、広告が表示される設定に基づき減額されるため、ユーザの経済的負担を軽減することができる。また、減額された利用料金を端末で確認することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0109】
また、本変形例は、広告の表示設定を行うための設定用画面を表示部24に表示し、表示設定は、この設定用画面に対する端末のユーザの入力に基づき行われる構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、乗り物の表示装置に広告を表示させるか否かの設定を、ユーザが自身の端末で行うことができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0110】
また、本変形例は、上記の設定用画面には、広告が表示装置に表示される表示設定「ON」と、広告が表示装置に表示されない表示設定「OFF」とが表示される構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、広告が乗り物の表示装置に表示される設定と、広告が乗り物の表示装置に表示されない設定とのいずれの設定を行わせるかを、ユーザに自身の端末で選択させることができる。
【0111】
<第2実施例>
第2実施例では、限定ではなく例として、車両表示装置90は、車両が走行している区域に応じて、表示部94に表示させる広告を選択する。すなわち、レンタカーの走行経路によって、表示部94に表示される広告が変わる実施例である。
【0112】
第2実施例に記載の内容は、他の各実施例のいずれにも適用可能である。
また、既出の構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
【0113】
<機能構成>
(1)サーバの機能構成
サーバ10の記憶部15には、限定ではなく例として、データとして、拡張広告割引データベースが記憶される。
【0114】
拡張広告割引データベースは、車両表示装置90で表示された広告に基づいて、割引額を算出するためのデータを蓄積的に記憶したデータベースであり、そのデータ構成の一例を
図3-1に示す。
拡張広告割引データベースには、広告毎に生成される拡張広告割引データが記憶される。
【0115】
各拡張広告割引データには、限定ではなく例として、広告IDと、広告タイトルと、割引額と、広告コンテンツと、広告エリアとが記憶される。ここで、広告IDと、広告タイトルと、割引額と、広告コンテンツとは、限定ではなく例として、広告割引データベース(
図2-1参照)と同様とすることができる。
【0116】
広告エリアは、広告IDに紐づけられた(関連付けられた)、一定の範囲を持つ地理座標領域である。例えば、
図3-2の例では、広告エリアは、区域A、区域B、区域Cの3つの区域に区切られる。
なお、広告エリアをより詳細に定義する方法については、別の実施例で後述する。
【0117】
(2)車両表示装置の機能構成
車両表示装置90の記憶部には、限定ではなく例として、データとして、拡張広告割引データベースが記憶される。拡張広告割引データベースは、限定ではなく例として、サーバ10の記憶部15に記憶される拡張広告割引データベース(
図3-1参照)と同一とすることができるため、説明を省略する。
【0118】
例えば、
図3-1のデータ例では、広告ID「A0001」の広告は、レンタカーが
図3-2に示す「区域A」を走行している場合に、車両表示装置90の表示部94に表示される。
【0119】
<処理>
図3-3は、本実施例における各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、先に説明したフローチャートと同一のステップには同一の符号を付して再度の説明を省略し、異なるステップに着目して説明する。
【0120】
これらの図では、サーバ10のサーバメイン処理部が実行するサーバメイン処理の一例である第2のサーバメイン処理、端末20の端末メイン処理部が実行する端末メイン処理の一例である第2の端末メイン処理A、車両表示装置90の車両表示装置メイン処理部が実行する第2の車両表示装置メイン処理、を示している。
【0121】
以下説明するフローチャートは、あくまでも本実施例における処理を例示するものに過ぎず、以下説明するフローチャートにおいて、一部のステップを実行しなくてもよいし、追加のステップを挿入してもよい。
【0122】
図3-3は、
図2-2のフローチャートに、車両表示装置90における車両位置の算出処理のステップ(例えば、N3のステップ)と、算出した位置に基づく広告の表示処理のステップ(例えば、N6のステップ)とを追加したフローチャートである。
【0123】
車両表示装置90は、サーバ10から乗車確認情報を受信すると(N1)、車両の位置(以下、「車両位置」と称する。)を算出する(N3)。なお、車両位置は、限定ではなく例として、GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムを利用して算出するようにしてもよいし、慣性航法演算等の手法を用いて算出するようにしてもよい。
【0124】
車両表示装置90は、N3で算出された車両位置が含まれる広告エリアに基づき、拡張広告割引データベースに記憶されている広告コンテンツのうち、その広告エリアに該当する広告IDの広告コンテンツ(広告コンテンツに基づく広告)を表示部94に表示する(N6)。なお、該当する広告IDが複数存在する場合には、限定ではなく例として、広告コンテンツをランダムに選択して表示するようにしてもよいし、割引額が高いものから順に表示するようにしてもよい。
【0125】
<第2実施例の効果>
第2実施例は、レンタカー車両に備えられる車両表示装置90は、レンタカー車両が走行している区域や、レンタカー車両の走行経路に基づいて、表示部94に表示させる広告を選択する。そして、レンタカー車両の走行経路によって、表示部94に表示される広告が変わる構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、乗り物が移動する経路に関する経路情報に基づく広告を、乗り物の表示装置に表示させることができる。例えば、乗り物が位置する区域に存在する店舗の広告を乗り物の表示装置に表示させることで、乗り物に乗るユーザに対して、店舗の宣伝を行うことができる。
【0126】
上記の実施例では、ユーザがレンタカーを運転する場合を例示したが、これに限定されない。自動運転技術の発展に伴い、自動運転装置を備える車両の運用が期待されている。そこで、以下、自動運転装置を備える車両の一例として、自動運転レンタカー(自動運転レンタカー車両)の実施例について説明する。
なお、以下の自動運転レンタカーの実施例の内容は、第1実施例や第2実施例で説明した通常のレンタカーの実施例にも同様に適用可能である。この詳細については、簡明化のため、説明を省略する。
【0127】
<第3実施例>
第3実施例は、限定ではなく例として、レンタカーに自動運転装置が備わっており、ユーザが乗車地と降車地とを指示することで自動的に運行可能な、自動運転レンタカーに車両表示装置を拡張した装置(車両システム)が備わっている実施例である。
【0128】
[システム構成]
図4-1は、本開示の一実施形態に係る通信システム1Bの構成の一例を示す図である。
通信システム1Bでは、限定ではなく例として、ネットワーク30を介してサーバ10と、端末20(端末20A,端末20B,端末20C,・・・)と、決済管理サーバ40と、車両システム50(車両システム50a,車両システム50b,車両システム50c,・・・)とが接続される。
【0129】
サーバ10(限定ではなく、電子装置、サーバ、情報処理装置、情報管理装置の一例)は、限定ではなく例として、ネットワーク30を介して車両システム50または端末20の少なくとも一方から得られる旅客情報に基づき車両システム50または端末20の少なくとも一方に広告情報を送信し、この広告情報に基づき、車両システム50または端末20の少なくとも一方で出力された広告に基づいて利用料金を計算する機能を有する。
【0130】
ここで、旅客情報とは、限定ではなく例として、乗車地、降車地、経由地、利用客の性別、利用客の年齢など、または、これらの2つ以上の組合せを含む情報を示す。また、広告情報とは、限定ではなく例として、広告の形式(動画像,静止画像,音響,・・・)、広告を出力させる時間、広告の出力先、広告コンテンツを記述したファイルなど、または、これらの1つ以上の組合せを含む情報を示す。
【0131】
決済管理サーバ40は、車両システム50または端末20、もしくはその両方と通信を行って電子決済(限定でなく、決済の一例)を実現するサービス(以下、包含的に「決済サービス」と称する。)を提供する。
【0132】
ネットワーク30は、1以上のサーバ10と、1以上の決済管理サーバ40と、1以上の車両システム50と、1以上の端末20とを接続する役割を担う。すなわち、ネットワーク30は、上記の各種の装置が接続した後、データを送受信することができるように接続経路を提供する通信網を意味する。
なお、ネットワーク30に接続される各種の装置の数は限定されない。
【0133】
また、実施形態によっては、端末20を用いずに本開示の手法を実現することも可能である。つまり、本システムにおいて端末20は必須ではなく、端末20をシステムの構成要素として含めるようにしてもよいし、含めないようにしてもよい。
【0134】
サーバ10(限定でなく、サーバ、情報処理装置、情報管理装置の一例)は、車両システム50または端末20、もしくはその両方に対して、所定のサービスを提供する機能を備える。サーバ10は、各実施形態において記載する機能を実現できる情報処理装置であればどのような装置であってもよい。
【0135】
サーバ10は、限定ではなく例として、サーバ装置、コンピュータ(限定ではなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(限定ではなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定ではなく例として、PDA、電子メールクライアントなど)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームを含む。また、サーバ10は情報処理装置と表現されてもよい。サーバ10と決済管理サーバ40とを区別する必要がない場合は、サーバ10と決済管理サーバ40とは、それぞれ情報処理装置と表現されてもよいし、されなくてもよい。
【0136】
以下説明する実施例では、サーバ10は、車両システム50または端末20の少なくとも一方からの旅客情報を基に、車両システム50または端末20、もしくはその両方に広告情報を配信する機能と、配信した広告情報に応じて自動運転レンタカーの利用料金に対する割引額(以下、「利用料金割引額」や、単に「割引額」と称する。)を計算する機能とを有していることとして説明する。
【0137】
決済管理サーバ40は、サーバ10を運用する事業者(広告管理サービスや広告配信サービスを提供する事業者とも言える。)と同じ事業者、または、サーバ10を運用する事業者と提携している他の事業者が運用するサーバであり、所定のサービスとして決済サービスを提供する。決済手段としては、限定ではなく例として、磁気ストライプカード、接触型ICカード、非接触型ICカードを用いた端末電子マネー、あるいはNFC(Near Field Communication)、バーコードを用いたサーバ型電子マネーを含む。また、決済方法としては、デジタル通貨(デジタル貨幣)として、法定通貨を用いてもよいし、仮想通貨を用いてもよい。もしくは、物的貨幣として、法定通貨を用いてもよい。
【0138】
なお、デジタル通貨には、暗号通貨(暗号資産)を含めてもよいし、含めなくてもよい。また、仮想通貨には、クーポンなどの物的貨幣を含めてもよいし、含めなくてもよい。
【0139】
また、決済管理サーバ40の構成は、例えばサーバ10と同様のものとすることができるため、説明は省略する。
また、サーバ10を運用する事業者が、決済管理サーバ40による決済サービスを提供するようにしてもよいし、しなくてもよい。
【0140】
車両システム50(限定ではなく、電子装置の一例)は、旅客情報をサーバ10に送信する機能と、サーバ10から配信された広告情報に基づいて、車両内または車両外、もしくはその両方の出力装置に広告を出力させる機能と、決済管理サーバ40と通信を行ってサーバ10から送信される利用料金割引額に基づいて決済に関する処理を行う機能とを有する。車両システム50は、車両装置と表現することもできる。
【0141】
なお、車両システム50a、車両システム50bおよび車両システム50cの構成は基本的には同一であるため、以下の説明においては、車両システム50の構成として説明する。
【0142】
車両システム50は、限定ではなく例として、サーバ装置、コンピュータ(限定ではなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、メディアコンピュータプラットホーム(限定ではなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダ)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定ではなく例として、PDA、電子メールクライアントなど)、あるいは他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホーム等を含む。車両システム50は、情報処理装置や情報管理装置、電子装置と表現されてもよい。
【0143】
車両システム50は、限定ではなく例として、サーバ10を運用する事業者と提携する事業者が事業として行う運送サービスにおいて、運送手段として用いる乗り物に搭載(適用)されて利用される。
【0144】
本実施例では、限定ではなく例として、自動運転装置を備えるレンタカー車両を乗り物の一例とし、車両システム50は、この自動運転装置を備えるレンタカー車両に搭載されて利用されることとして説明する。
【0145】
[各装置のハードウェア(HW)構成]
通信システム1に含まれる各装置のHW構成について説明する。
【0146】
(1)端末のHW構成
図4-1には、端末20のHW構成の一例を示しているが、端末20のHW構成は、限定ではなく例として、通信システム1Aの端末20と同様のものとすることができるため、説明は省略する。
【0147】
(2)サーバのHW構成
図4-1には、サーバ10のHW構成の一例を示しているが、サーバ10のHW構成は、限定ではなく例として、通信システム1Aのサーバ10と同様のものとすることができるため、説明は省略する。
【0148】
(3)決済管理サーバのHW構成
図4-1には、決済管理サーバ40のHW構成の一例を示している。
決済管理サーバ40は、限定ではなく例として、制御部41(CPU)、記憶部45、通信I/F44(インタフェース)、入出力部42、表示部43を備える。決済管理サーバ40のHWの各構成要素は、限定ではなく例として、バスBを介して相互に接続される。なお、決済管理サーバ40のHWの構成として、全ての構成要素を含むことは必須ではない。限定ではなく例として、決済管理サーバ40のHWは、表示部43を取り外すような構成であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0149】
なお、決済管理サーバ40に含まれる上記の各構成要素や機能部を実現するためのHWや部品等については、サーバ10と同様に構成することができる。このため、再度の説明を省略する。
【0150】
(4)車両システムのHW構成
図4-2には、車両システム50のHW構成の一例を示している。
車両システム50は、限定ではなく例として、制御部51(CPU)、入出力部52、表示部53A、マイク53B、スピーカ53C、カメラ53D、車両環境調整部53E、通信I/F(インタフェース)54、記憶部55、コードリーダ56A、カードリーダ56B、経路指示部57、位置算出用情報検出部58を有する。車両システム50のHWの各構成要素は、限定ではなく例として、バスBを介して相互に接続される。
【0151】
なお、車両システム50のHWは、車両システム50の構成として、全ての構成要素を含むことは必須でない。限定ではなく例として、車両システム50のHWは、カードリーダ56Bを取り外すような構成であってもよいし、そうでなくてもよい。
【0152】
車両システム50は、限定ではなく例として、経路指示部57を介して、車両内の有線通信I/Fや無線通信I/Fによって自動運転装置60と通信接続される。
【0153】
経路指示部57は、制御部51からの指示により、限定ではなく例として、降車地と、経由地とを自動運転装置60に送信して自動運転装置60に設定させる。ここで、経由地では、車両が利用客を乗車させたまま通過するように自動運転装置60を制御させるようにしてもよいし、車両が一時的に停止し利用客を降車させた後、再度乗車させ発進し通過するように自動運転装置60を制御させるようにしてもよい。
降車地では、車両システム50は、後述の方法に従って利用料金を決済し、利用客を降車させる。
【0154】
なお、経由地は設定してもよいし、しなくてもよい。また、複数の経由地を設定してもよいし、しなくてもよい。また、経由地毎に利用料金を決済してもよいし、しなくてもよい。
【0155】
車両環境調整部53Eは、制御部51からの指示により、限定ではなく例として、エアコン設定を変更することで、車両内の気温と、湿度とを任意の値に調整する。また、車両環境調整部53Eは、限定ではなく例として、アロマディフューザーの設定を変更することで、車両内もしくは車両外、もしくはその両方に任意の匂いを発生させる。
【0156】
コードリーダ56Aは、限定ではなく例として、バーコードもしくは多次元コード、またはその両方を読み取るための装置であり、本明細書では、端末20の表示部24に表示され、端末20のユーザによって提示される二次元コード(例えばQRコード(登録商標))としての端末表示用コードを読み取るための二次元コードリーダ(例えばQRコードリーダ)を含む。
【0157】
カードリーダ56Bは、限定ではなく例として、パンチカード、磁気ストライプカード、接触型ICカード等の接触型カードまたはRFID(Radio Frequency Identification)を用いた非接触型カード、もしくはその両方のカード情報を読み取るための装置である。
その他の車両システム50に含まれる上記の各構成要素や機能部を実現するためのHWや部品等については、例えば端末20と同様に構成することができる。このため、再度の説明を省略する。
【0158】
なお、入出力部52、表示部53A、マイク53B、スピーカ53C、カメラ53D、コードリーダ56A、カードリーダ56Bの一部もしくは全ての構成要素は、車両内に向けて設置してもよいし、車両外に向けて設置してもよいし、その両方に対して設置してもよい。
【0159】
また、位置算出用情報検出部58に、CPUやDSP等の演算装置や処理装置を含めるようにし、検出された位置算出用情報に基づいて、位置算出用情報検出部58で車両システム50の位置が算出(測定)されて出力されるようにしてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0160】
なお、車両システム50は、車両に搭載される端末(車載端末)や装置(車載装置)としてもよいし、しなくてもよい。また、車両システム50は一体型の装置であってもよいし、構成要素が別体であってもよい。
【0161】
車両システム50における処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよいし、そうでなくてもよい。
車両システム50における処理の少なくとも一部を、サーバ10により行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。この場合、車両システム50の制御部51の各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理を、サーバ10で行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。
サーバ10における処理の少なくとも一部を、車両システム50により行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。この場合、サーバ10の制御部11の各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理を、車両システム50で行う構成としてもよいし、そうでなくてもよい。
他の装置についても同様である。
【0162】
第3実施例は、限定ではなく例として、予約アプリケーションを利用して、端末20のユーザが、端末20または端末20のユーザの現在の場所(地点)、または任意の場所から自動運転レンタカーを利用すること(利用を開始すること)を予約する。そして、自動運転レンタカーの乗車中にサーバ10から配信される広告情報に基づく広告を、車両システム50が搭載される車両に備えられる出力装置に出力させることで、利用料金を割引する。そして、端末20のユーザが降車地で降車する際に、ユーザの端末20で動作する電子決済用のアプリケーションである決済アプリケーションを用いて利用料金を電子決済する実施例である。
第3実施例に記載の内容は、他の各実施例のいずれにも適用可能である。
【0163】
<機能構成>
(1)サーバの機能構成
図6-1は、本実施例におけるサーバ10の制御部11により実現される機能の一例を示す図である。
サーバ10は、制御部11により実現される機能として、サーバメイン処理部111と、広告提案処理部112とを有する。
【0164】
サーバメイン処理部111は、記憶部15に記憶されているサーバメイン処理プログラム151に従って、サーバ10を統括的に制御するための処理であるサーバメイン処理を実行する機能を有している。
【0165】
広告提案処理部112は、記憶部15に記憶されている広告提案処理プログラム1511に従って、端末20および/または車両システム50との間の通信で得られる旅客情報に基づいて、広告管理データベース154から車両システム50に送信する広告情報を選択する。そして、広告提案処理部112は、広告コンテンツデータ155を車両システム50に送信する処理を実行する。また、広告提案処理部112は、車両システム50に送信した広告情報に応じて割引額を計算し、車両システム50に送信する。
【0166】
図6-2は、本実施例におけるサーバ10の記憶部15に記憶される情報の一例を示す図である。
記憶部15には、限定ではなく例として、プログラムとして、制御部11により読み出され、サーバメイン処理として実行されるサーバメイン処理プログラム151が記憶される。また、サーバメイン処理プログラム151は、制御部11により読み出され、広告提案処理として実行される広告提案処理プログラム1511をサブルーチンプログラムとして含む。広告提案処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
【0167】
また、記憶部15には、限定ではなく例として、データとして、ユーザ登録データ152と、広告管理データベース154と、広告コンテンツデータ155とが記憶される。
ユーザ登録データ152は、予約アプリケーションを利用する端末20またはそのユーザの登録データであり、そのデータ構成の一例を
図6-3に示す。
【0168】
ユーザ登録データ152には、限定ではなく例として、ユーザ名と、ユーザIDと、性別と、年齢と、居住地と、その他登録情報とが関連付けて記憶される。
【0169】
ユーザ名は、予約アプリケーションを利用する端末20のユーザの名称であり、端末20のユーザが予約アプリケーションを利用する際に登録する名称が記憶される。
ユーザIDは、端末20のユーザを識別するための識別情報として機能するIDであり、予約アプリケーションを利用するユーザに固有に設定されるIDである。このユーザIDは、限定ではなく例として、サーバ10によってユーザごとに固有のIDが設定されて記憶される。
ユーザIDは、端末20のユーザを識別するための識別情報(ユーザ識別情報)の一例である。
【0170】
性別と、年齢と、居住地とは、予約アプリケーションを利用する端末20のユーザに関する属性情報であり、予約アプリケーションを利用する際に登録する情報が記憶される。
ここで、年齢は、ある範囲で区切られた年齢層であってもよい。また、居住地は、国から番地に至るまでの情報であってもよいし、より広範囲な地域区分を表す情報であってもよいし、より狭い範囲の地域区分を表す情報であってもよい。
【0171】
その他登録情報は、このユーザ名のユーザのその他の登録情報であり、限定ではなく例として、端末20の電話番号やメールアドレス、趣味、職業、年収等がこれに含まれる。
【0172】
広告コンテンツデータ155は、車両システム50に配信される広告のコンテンツ情報に関する登録データであり、そのデータ構成の一例を
図6-4に示す。
広告コンテンツデータ155には、限定ではなく例として、広告コンテンツIDと、広告コンテンツ形態と、広告出力時間と、広告出力先と、広告コンテンツファイルとが関連付けて記憶される。
【0173】
広告コンテンツIDは、配信する広告コンテンツを識別するための識別情報として機能するIDである。
広告コンテンツ形態は、配信する広告情報のありさまであり、限定ではなく例として、動画像と、静止画像と、音響と、車内の気温や湿度や匂いを調整する環境調整とを含む。
広告出力時間は、配信する広告情報に基づいて広告が出力される時間の長さである。
広告出力先は、配信する広告情報に基づいて広告を車両システム50のいずれの出力装置に出力させるかの情報である。
広告コンテンツファイルは、広告情報を記述した、機械的に読み取り可能なメディアファイルである。
【0174】
例えば、
図6-4のデータ例では、広告コンテンツID「C0001」には、広告コンテンツ形態として「動画像」が、広告出力時間として「60秒」が、広告出力先として「車内表示部」が、広告コンテンツファイルとして「video001.mp4」がそれぞれ定められている。これは、広告コンテンツID「C0001」については、動画形態のコンテンツ「video001.mp4」の広告を、車両内部に備えられる表示装置に60秒間出力(つまりは表示)させることを表している。
【0175】
広告管理データベース154は、車両システム50に配信する広告コンテンツデータを管理するためのデータを蓄積的に記憶したデータベースであり、そのデータ構成の一例を
図6-5に示す。ここでは、広告管理データベース154の一例である第1の広告管理データベース154Aを例示する。
第1の広告管理データベース154Aには、広告毎に生成される広告管理データが記憶される。
【0176】
各広告管理データには、限定ではなく例として、広告IDと、広告タイトルと、広告エリアと、広告情報テーブルとが記憶される。
【0177】
広告IDは、募集した広告を識別するための識別情報として機能するIDである。なお、広告IDには、後述するように1以上の広告コンテンツIDが広告情報テーブルを介して結び付けられている。
広告タイトルには、限定ではなく例として、広告IDに対応する広告を掲載する広告主の名称、または広告内容の表題、もしくはその両方が記憶される。
【0178】
広告エリアは、広告IDの広告出力に紐づけられた、一定の範囲を持つ地理座標領域であり、限定ではなく例として、緯度と、経度と、緯度・経度で定められた地理座標からの半径とで表される。なお、広告エリアは、複数の緯度・経度の組み合わせで表現された多角形領域としてもよいし、しなくてもよい。
【0179】
広告情報テーブルには、限定ではなく例として、広告エリア該当フラグと、割引額(利用料金割引額)と、配信広告コンテンツIDとが関連付けて記憶される。
広告エリア該当フラグは、自動運転レンタカーの運転経路上に広告エリアが重複しているかという条件によって場合分けをするためのフラグである。
【0180】
割引額(利用料金割引額)は、広告が出力されることによる、自動運転レンタカーの利用料金からの割引額である。
配信広告コンテンツIDは、車両システム50に配信する、広告コンテンツデータ155中の広告コンテンツIDである。
【0181】
なお、この配信広告コンテンツIDに記憶させる広告コンテンツIDは、1つの広告コンテンツIDとしてもよいし、複数の広告コンテンツIDとしてもよい。
【0182】
例えば、
図6-5のデータ例では、ユーザが乗車した自動運転レンタカーが、「〇×トレーニングジム」に関する広告エリア内である、北緯xxxxx、東経yyyyyを中心とする半径zメートルの領域内を経路として通過し、かつ、広告コンテンツデータ155で定められた広告情報を出力した場合、利用料金割引額800円が積算される。この場合、サーバ10は、広告提案処理プログラム1511に従って、コンテンツID「C0001」および「C0002」の広告コンテンツを車両システム50に配信する。
【0183】
また、ユーザが乗車した自動運転レンタカーが、「〇×トレーニングジム」に関する広告エリア内を経路として通過せず、かつ、広告コンテンツデータ155で定められた広告情報を出力した場合、利用料金割引額300円が積算される。この場合、サーバ10は、広告提案処理プログラム1511に従って、コンテンツID「C0003」の広告コンテンツを車両システム50に配信する。
【0184】
(2)端末の機能構成
図6-6は、本実施例において端末20の制御部21により実現される機能の一例を示す図である。
端末20は、制御部21により実現される機能として、端末メイン処理部211と、予約アプリケーション処理部212と、決済アプリケーション処理部213とを有する。
【0185】
端末メイン処理部211は、記憶部28に記憶されている端末メイン処理プログラム281に従って、端末20を統括的に制御するための処理である端末メイン処理を実行する機能を有している。限定ではなく例として、端末20が携帯電話機である場合には、通信I/F22を介して他の携帯電話機や固定電話機等との通話を行うための制御を行う、または通信I/F22を介して各種のウェブサイトにアクセスするための制御を行う、または表示部24に各種の情報を表示させる制御を行う、またはマイク25から入力される各種の音響データを解析する処理を行う、またはカメラ27によって撮影された静止画像や動画像を解析する処理を行う、または位置算出用情報検出部29の検出結果に基づいて端末20の位置情報を取得する処理等を実行する。
【0186】
予約アプリケーション処理部212は、記憶部28に記憶されている予約アプリケーション282に基づいて、サーバ10と通信を行い、旅客情報を送信する機能を有している。
決済アプリケーション処理部213は、記憶部28に記憶されている決済アプリケーション283に従って、電子決済を利用して、自動運転レンタカーの利用料金を精算する処理を実行する機能を有している。
【0187】
図6-7は、本実施例における端末20の記憶部28に記憶される情報の一例を示す図である。
記憶部28には、限定ではなく例として、制御部21によって読み出され、端末メイン処理として実行される端末メイン処理プログラム281が記憶される。
【0188】
また、記憶部28には、限定ではなく例として、サーバ10または決済管理サーバ40、もしくはその両方からあらかじめダウンロードするなどして取得されるアプリケーションソフトウェアとして、予約アプリケーション282と、決済アプリケーション283とが記憶される。
【0189】
なお、予約アプリケーション282と決済アプリケーション283とは、単一のアプリケーションとしてもよいし、個別のアプリケーションとしてもよい。
【0190】
予約アプリケーション282は、限定ではなく例として、制御部21により読み出され、予約アプリケーション処理として実行される。また、決済アプリケーション283は、限定ではなく例として、制御部21により読み出され、電子決済アプリケーション処理として実行される。
【0191】
(3)決済管理サーバの機能構成
決済管理サーバ40の機能構成については、本実施例では一般的な電子決済用のサーバを利用することができるため、機能構成については説明を省略する。
【0192】
(4)車両システムの機能構成
図4-2には、本実施例において車両システム50の制御部51により実現される機能の一例を示している。
車両システム50は、制御部51により実現される機能として、車両システムメイン処理部511と、広告提供処理部512と、決済処理部513とを有する。
【0193】
車両システムメイン処理部511は、記憶部55に記憶されている車両システムメイン処理プログラム551に従って、車両システム50を統括的に制御するための処理である車両システムメイン処理を実行する機能を有している。
【0194】
広告提供処理部512は、記憶部55に記憶されている広告提供処理プログラム5511に従って、入出力部52、マイク53B、カメラ53Dのうちの1つ以上の装置を用いて旅客情報を取得し、通信I/F54によってサーバ10に送信する機能を有する。
【0195】
また、広告提供処理部512は、サーバ10から配信された広告情報またはその広告情報に基づく広告を、表示部53A、スピーカ53C、車両環境調整部53Eのうちの1つ以上の装置を用いて出力する機能を有する。
【0196】
さらに、広告提供処理部512は、旅客情報を経路指示部57に出力(送信)し、自動運転装置60に対して降車地への運転経路を指示する機能を有する。
【0197】
決済処理部513は、記憶部55に記憶されている決済処理プログラム5512に従って、旅客情報に基づき、自動運転レンタカーの正規の利用料金(以下、「正規利用料金」と称する。)を算出し、通信I/F54によってサーバ10に送信する機能を有する。
【0198】
また、決済処理部513は、利用者の降車時において、実際に出力された広告情報に基づきサーバ10で計算された積算割引額を通信I/F54によってサーバ10から受信し、上記で計算した正規利用料金から減算することで、最終的な割引後利用料金を算出する機能を有する。
【0199】
また、決済処理部513は、割引後利用料金に基づく決済額と、旅客情報に基づくユーザIDとを通信I/F54によって決済管理サーバ40に送信し、端末20と連携して決済を実行する機能を有する。
【0200】
記憶部55には、限定ではなく例として、プログラムとして、制御部51に読み出され、車両システムメイン処理部として実行される車両システムメイン処理プログラム551が記憶される。
【0201】
また、車両システムメイン処理プログラム551は、制御部51により読み出され、広告提供処理として実行される広告提供処理プログラム5511と、決済処理として実行される決済処理プログラム5512とをサブルーチンプログラムとして含む。広告提供処理および決済処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
【0202】
また、記憶部55には、限定ではなく例として、データとして、広告コンテンツキャッシュ552が記憶される。
【0203】
広告コンテンツキャッシュ552には、広告コンテンツデータ155のサブセットが記憶される。なお、広告コンテンツキャッシュ552は、広告コンテンツデータ155の全データを記憶してもよいし、任意の一部を記憶してもよいし、全く記憶しなくてもよい。
【0204】
<利用方法>
端末20の表示部24および車両システム50の表示部53Aに表示される表示画面例を参照して、本実施例における予約アプリケーションと、広告提供処理プログラムと、決済アプリケーションとを利用した自動運転レンタカーの利用方法について説明する。
【0205】
なお、以下では、車両に備えられる表示装置に広告が表示され、自動運転レンタカーに乗車した乗客が、表示装置に表示される広告を見ることで、利用料金が割引される場合について詳細に説明する。
【0206】
図5-1~
図5-4は、上記の流れを説明するための画面図である。
図5-1は、端末20の表示部24に表示される予約アプリケーション画面の一例を示す図である。
この予約アプリケーション画面は、端末20で予約アプリケーションが起動(実行)され、自動運転レンタカーの予約が完了して、端末20のユーザが自動運転レンタカーに乗車した際に表示される表示画面である。
【0207】
表示画面上部中央には、予約アプリケーションのシンボルマークである車型アイコンが表示されており、上部左端には、予約アプリケーションのメインメニューを呼び出すためのアイコンが配置されている。画面中央部には、端末20の現在位置付近の簡略化された地図が表示されている(以下、この地図が表示される領域を「地図領域」と称する。)。
【0208】
地図領域において、丸で囲まれた「S」(以下、「乗車地シンボル」と称する。)は乗車地を、丸で囲まれた「G」(以下、「降車地シンボル」と称する。)は降車地をそれぞれ表す。また、地図領域中のハッチングが施された部分は、乗車地シンボルと降車地シンボルとを結ぶ最短運行ルートを表している。
その下の枠内には、最短運行ルートにおける、割引を行わない場合の基準料金(正規利用料金)が表示される。
また、画面下部には、自動運転レンタカーの運行中に、端末20のユーザが広告出力を希望するか否かを選択・決定するための「はい」の機能アイコンと「いいえ」の機能アイコンとが表示される。
【0209】
図5-2は、
図5-1の予約アプリケーション画面において、「はい」の機能アイコンが端末20のユーザによってタッチされた場合に、車両システム50の表示部53Aに表示される画面の一例を示す図である。
【0210】
画面上部には、サーバ10から配信された広告コンテンツデータに対応する広告タイトルが表示される(以下、この広告タイトルが表示される領域を「広告タイトルエリア」と称する。)。画面中央部右側には、広告コンテンツデータに基づく広告コンテンツファイルの内容が表示される(以下、この広告コンテンツファイルの内容が表示される領域を「広告コンテンツエリア」と称する。)。広告コンテンツエリアの右側には、乗車地シンボルと降車地シンボルとを結ぶ経路間で、簡易的にレンタカー車両の現在位置を示す丸で囲まれた矢印(以下「車両シンボル」と称する。)が表示される。この表示エリアを、以下「運行状況表示エリア」と称する。
【0211】
画面下部には、左より、現在日時と、現在の天候とが表示される。また、その左側には、「途中下車」の機能アイコンと、「音声入力」の機能アイコンと、「Language」の機能アイコンとが表示される。
【0212】
「途中下車」の機能アイコンは、後述の経由地における途中下車の際に使用される。
「音声入力」の機能アイコンは、車両システム50の操作において音声入力を有効にする際に使用される。
また、「Language」の機能アイコンは、車両システム50における出力言語を変更する際に使用される。
【0213】
図5-2では、運行状況表示エリアにおいて、車両シンボルが乗車地シンボルから降車地シンボルに向かって進んでいる。また、広告コンテンツエリアには、「XX BOOKS」に関する広告エリア外の場合の広告コンテンツである新刊発売の案内広告が表示される。
【0214】
図5-3は、
図5-2から車両の進行に合わせて遷移した表示画面である。
図5-3では、運行状況表示エリアにおいて、車両シンボルが降車地シンボルに到達している。これは、レンタカー車両が降車地に到着したことを示している。この場合、広告コンテンツエリアには、降車地に到着したことを端末20のユーザに報知する情報と、レンタカー車両乗車中に広告を出力したことに基づく割引後利用料金と、利用料金を決済するための決済用コードとが表示される。ここでは、決済用コードとして、二次元コードの一種であるQRコード(登録商標)が表示されている。
【0215】
図5-4は、
図5-1の予約アプリケーション画面において、「いいえ」の機能アイコンが端末20のユーザによってタッチされた場合に車両システム50の表示部53Aに表示される降車地での画面の一例を示す図である。この場合、広告コンテンツエリアには、降車地に到着したことを端末20のユーザに報知する情報と、レンタカー車両が最短経路をたどった場合の正規利用料金と、利用料金を決済するための決済用コードとが表示される。
【0216】
<処理>
図6-8~
図6-10は、本実施例における各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
これらの図では、サーバ10の広告提案処理部112が実行する広告提案処理の一例である第1の広告提案処理、車両システム50の車両システムメイン処理部511が実行する第1の車両システムメイン処理、端末20の端末メイン処理部211が実行する端末メイン処理の一例である第1の端末メイン処理Bを示している。
【0217】
各処理における各ステップをアルファベットの大文字と数字の組み合わせで示し、本明細書では、ステップの用語は省略する。
また、以下説明するフローチャートは、あくまでも本実施例における処理を例示するものであり、以下説明するフローチャートにおいて、一部のステップを実行しなくてもよいし、追加のステップを挿入してもよい。
【0218】
また、以下説明する端末20の処理は、端末20にインストールされた予約アプリケーションや決済アプリケーションで全てのステップが実行される処理としてもよいし、予約アプリケーションや決済アプリケーションで一部のステップが実行される処理としてもよい。また、必ずしも、端末20にインストールされたアプリケーションで実行される処理としなくてもよい。
【0219】
最初に、端末20の予約アプリケーション処理部212は、予約アプリケーション282に従い、入出力部23に対するユーザ操作を受け付け、乗車地と降車地とを取得する。そして、予約アプリケーション処理部212は、予約アプリケーション282に記憶されている端末20のユーザに対応するユーザID、乗車地、降車地(以下、「予約情報」と称する。)を、限定ではなく例として、不図示の自動運転レンタカーの予約を管理するサーバ(以下、「予約サーバ」と称する。)を介して、通信I/F22によって車両システム50に送信する(B1)。
【0220】
なお、サーバ10に、予約サーバの機能を持たせるようにし、サーバ10を介して、端末20から車両システム50に予約情報を送信するようにしてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0221】
通信I/F54によって端末20から予約情報を受信すると(C1)、車両システム50の広告提供処理部512は、受信した予約情報に含まれる乗車地・降車地から、限定ではなく例として、2地点間の最短運行ルートに基づいて正規利用料金を計算する(C3)。そして、広告提供処理部512は、正規利用料金と、最短運行ルートとを、通信I/F54によって端末20に送信する(C3)。
【0222】
なお、この場合、広告提供処理部512は、上記の最短運行ルートに基づく予想所要時間を計算して、端末20に送信するようにしてもよいし、しなくてもよい。予想所要時間とは、そのルートでの運行を行った場合に予想される乗車地から降車地に到着するまでに要する時間である。
【0223】
端末20は、正規利用料金と、最短運行ルートとを、通信I/F22によって受信する(B3)。
【0224】
ユーザが乗車した後、予約アプリケーション処理部212は、入出力部23に乗車中の広告提示を希望するかの選択用情報(例えば、広告を出力させるか否かを選択するための選択画面)を表示させる(B5)。なお、車両システム50がユーザの乗車を検知する方法については後述する。
【0225】
ユーザによって広告出力を希望しないことが選択された場合(B5;NO)、予約アプリケーション処理部212は、最短運行ルートでの運行開始情報を、通信I/F22によってサーバ10と車両システム50とに送信する(B15)。
【0226】
ユーザによって広告出力を希望することが選択された場合(B5;YES)、予約アプリケーション処理部212は、予約情報と、B3で受信した正規利用料金とを、通信I/F22によってサーバ10に送信する(B7)。
【0227】
なお、この処理では、車両システム50に広告を出力させるか否かをユーザに選択・設定させることとしているが、ユーザの意思に関わらず広告を出力させる設定としておいてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0228】
また、車両システム50に広告を出力させるか否かの設定は、端末20のユーザが自動運転レンタカーに乗車した後に限らず、乗車する前に行うようにすることもできる。この自動運転レンタカーに乗車する前のタイミングには、限定ではなく例として、端末20のユーザが自動運転レンタカーを予約するタイミングや、自動運転レンタカーを呼ぶタイミング等を含めることができる。この場合は、限定ではなく例として、端末20のユーザが、前述した予約アプリケーション等のアプリケーションを利用して、広告を出力させるか否かを設定するようにすることができる。
【0229】
また、この場合、タイミングを問わず、車両システム50に広告を出力させる設定が行われた場合に、自動運転レンタカーの利用料金を減額するようにしてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0230】
サーバ10は、通信I/F14によって、上記の予約情報・正規利用料金を端末20から受信する(A1)。
【0231】
広告提案処理部112は、最短運行ルートにおいて、第1の広告管理データベース154Aに記憶されている各広告管理データの広告エリアおよび広告情報テーブル上の広告エリア該当フラグ「〇」となる割引額から、限定ではなく例として、動的計画法を用いて割引額の合計が最大となる、1以上の広告IDを含む集合を求める(A5)。
【0232】
なお、割引額の合計の算出に関して、広告管理データの広告エリアが重複していた場合には、限定ではなく例として、広告管理データの広告情報テーブルに記憶されている配信広告コンテンツIDと、広告コンテンツデータ155に記憶されている広告コンテンツID毎の広告出力時間とに基づいて、広告ID毎に広告出力時間を求め、広告エリアの通過に必要な予想所要時間を超えない範囲で、複数の広告IDを割引額の合計が最大となるよう求めてもよい。
【0233】
また、最短運行ルート上に該当する広告エリアが存在しない場合には、広告情報テーブル上の広告エリア該当フラグ「×」となる割引額から、割引額の合計が最大となるように、1以上の広告IDを含む集合を求めてもよい。
【0234】
なお、A5で求める広告IDの数には、上限を定めてもよいし、定めなくてもよい。また、割引額の合計についても、上限を定めてもよいし、定めなくてもよい。
また、上記の広告IDの決定方法や、割引額の合計の算出方法は、あくまでも一例に過ぎず、これらに限定されない。
【0235】
広告提案処理部112は、A5で求めた広告IDの集合に基づいて、第1の広告管理データベース154Aを参照して、広告を出力する場合の割引額の合計を算出する(A7)。この場合、限定ではなく例として、A7で算出した割引額を広告提案処理プログラム1511内の変数に記憶する。
【0236】
その後、広告提案処理部112は、A7で算出した割引額を、通信I/F14によって端末20に送信する(A8)。
【0237】
通信I/F22によってサーバ10から割引額を受信すると(B10)、予約アプリケーション処理部212は、受信した割引額を表示部24に表示させる。
【0238】
次いで、予約アプリケーション処理部212は、最短運行ルートでの運行開始情報を、通信I/F22によって、サーバ10と車両システム50とに送信する(B15)。
【0239】
通信I/F14によって端末20から運行開始情報を受信すると、広告提案処理部112は、提示する広告IDの選出処理を終了する(A11)。
【0240】
広告提供処理部512は、通信I/F54によって端末20から運行開始情報を受信すると(C5)、最短運行ルートを経路指示部57に出力(送信)する(C7)。この場合、経路指示部57は、上記ルートと発車命令とを自動運転装置60に出力(送信)する。
【0241】
自動運転装置60が自動運転レンタカーを運行ルートに沿って運行させている間、広告提供処理部512は、限定ではなく例として、一定時間毎に、位置算出用情報検出部58によって検出される位置算出用情報に基づいて制御部51によって算出される車両位置情報(または、位置算出用情報検出部58によって直接的に算出される車両位置情報)を取得する(C9)。なお、車両位置情報は、経路指示部57を介して自動運転装置60から取得するようにしてもよいし、しなくてもよい。
【0242】
広告提供処理部512は、取得した車両位置情報を、通信I/F54によってサーバ10に送信する(C11)。
【0243】
広告提案処理部112は、広告提供処理部512から送信される車両位置情報を通信I/F14によって受信する(A13)。A5で求めた広告IDの集合に1以上の広告IDが含まれる場合(A15:YES)、広告提案処理部112は、広告IDの集合の中から、対応する広告エリアが車両位置情報と最も近い広告IDを検索する。続いて、広告提案処理部112は、検索された広告IDから、対応する広告情報テーブルを参照し、車両位置情報が広告エリア内であれば広告エリア該当フラグ「〇」に対応する配信広告コンテンツIDを取得する(A17)。
【0244】
なお、車両位置情報が広告エリア外であれば広告エリア該当フラグ「×」に対応する配信広告コンテンツIDを取得してもよいし、車両位置情報が広告エリア内に入るまでA17に進まず待機するようにしてもよい。
【0245】
次に、広告提案処理部112は、A15で取得した配信広告コンテンツIDに基づいて、広告コンテンツデータ155のコンテンツIDと対応するデータを、通信I/F14によって車両システム50に送信する(A19)。
【0246】
その後、広告提案処理部112は、広告管理データ中の広告情報テーブルを参照し、A17で使用した広告エリア該当フラグに該当する割引額を、広告提案処理プログラム1511内の変数に積算して記憶する(A21)。
【0247】
広告提供処理部512は、通信I/F54によってサーバ10から上記の広告コンテンツデータを受信する(C13)。広告提供処理部512は、広告コンテンツデータに記述されている広告出力先に対して、表示部53Aとスピーカ53Cと車両環境調整部53Eとの任意の組み合わせを用いて、広告コンテンツファイル(広告コンテンツファイルに基づく広告)を出力する(C15)。出力する時間の長さは、広告出力時間で規定される。
【0248】
A5で求めた広告IDの集合に広告IDが含まれない場合には(A15:NO)、広告提供処理部512は、車両システム50に広告に関する情報を送信する処理(A17、A19)と、割引額を積算して記憶する処理(A21)とを行わない。すなわち、B5でユーザによって広告出力を希望しないことが選択された場合(B5:NO)、A17~A21までの処理は実行されない。
【0249】
広告提供処理部512は、自動運転装置60から送信される到着信号を経路指示部57を介して受信し、車両が降車地に到着したかどうかを判定する(C17)。
【0250】
なお、広告提供処理部512は、C9で取得した車両位置情報と、降車地の位置情報とを比較し、それらの情報が一致するか否かによって、車両が降車地に到着したかを判定してもよいし、しなくてもよい。
【0251】
未だ車両が降車地に到着していない場合には(C17:NO)、広告提供処理部512は、C9に戻り、再度車両位置情報を取得する。車両が降車地に到着した場合には(C17:YES)、広告提供処理部512は、降車地到着情報を、通信I/F54によってサーバ10に送信する(C19)。
【0252】
広告提案処理部112は、車両システム50から送信される降車地到着情報を、通信I/F14によって受信する(A23)。次いで、広告提案処理部112は、広告提案処理プログラム1511内の変数に記憶された積算割引額を、通信I/F14によって車両システム50に送信する(A25)。
【0253】
広告提供処理部512は、サーバ10から積算割引額を通信I/F54によって受信し(C21)、正規利用料金から積算割引額を減算して割引後利用料金を計算する(C23)。
なお、B5でユーザが広告提示を希望しないと選択した場合には(B5:NO)、割引後利用料金は正規利用料金となる。
【0254】
上記の割引後利用料金と、C1で受信した予約情報に含まれるユーザIDとは、広告提供処理部512から決済処理部513に伝達される。そして、決済処理部513は、割引後利用料金とユーザIDとを含む決済依頼情報を、通信I/F54によって決済管理サーバ40に送信する(C25)。
【0255】
決済管理サーバ40の制御部41は、決済処理部513から決済依頼情報を通信I/F44によって受信する(D1)。そして、制御部41は、決済用ページのURI(例えばURL)を含む決済用コードを生成する。制御部41は、生成した決済用コードを、通信I/F44によって車両システム50に送信する(D3)。
【0256】
決済処理部513は、決済管理サーバ40から通信I/F54によって決済用コードを受信すると(C27)、決済用コードを表示部53Aに表示させる(C29)。
【0257】
端末20のユーザは、表示部53Aに表示された決済用コードを、カメラ27を用いて読み取る(B17)。端末20の決済アプリケーション処理部213は、読み取った決済用コードに含まれる決済用ページのURIに基づいて決済管理サーバ40の決済用ページにアクセスする(B19)。
【0258】
決済管理サーバ40は、決済用ページを、通信I/F44によって端末20に送信する(D5)。端末20の決済アプリケーション処理部213は、決済管理サーバ40から送信された決済用ページを通信I/F22によって受信し、表示部24に表示させる。表示画面には、限定ではなく例として、割引後利用料金が表示される。端末20のユーザが利用料金を確認後、決済に同意することで、決済アプリケーション処理部213は、決済に必要な情報を、通信I/F22によって決済管理サーバ40に送信する(B21)。
【0259】
決済管理サーバ40は決済処理を実行し(D7)、端末20と車両システム50とに決済が完了したという決済完了情報を送信する(D9)。
【0260】
車両システム50の決済処理部513は、決済管理サーバ40から通信I/F54によって決済完了情報を受信すると、利用料金の決済が完了した旨を示す情報を、表示部53Aに表示させる(C31)。
【0261】
同様に、端末20の決済アプリケーション処理部213は、決済管理サーバ40から通信I/F22によって決済完了情報を受信すると、利用料金の決済が完了した旨を示す情報を、表示部24に表示させる(B23)。
【0262】
なお、例えばC1のステップでは、車両システム50が端末20から予約情報を受信する。このC1のステップは、車両システム50が端末20から直接的に予約情報を受信するようにしてもよいが、限定ではなく例として、前述した自動運転レンタカーの予約を管理するサーバ(予約サーバ)や、自動運転レンタカーの配車を行うサーバ(配車サーバ)といった何らかのサーバや外部装置を介して、車両システム50が端末20から間接的に予約情報を受信するようにすることもできる。
【0263】
また、例えばC3のステップでは、車両システム50が正規利用料金を計算する。このC3のステップにおいても、限定ではなく例として、車両システム50が、上記の予約サーバや配車サーバといったサーバや外部装置から、自動運転レンタカーの利用料金に関する情報(例えば、自動運転レンタカーの料金表)を取得する。そして、取得された利用料金に関する情報に基づいて、正規利用料金を計算するようにすることもできる。
【0264】
また、例えばA7のステップでは、サーバ10が、広告を出力する場合の割引額(割引額の合計額)を算出する。この割引額の算出を、サーバ10が行うようにするのではなく、決済管理サーバ40が行うようにすることもできる。
【0265】
つまり、広告に関する処理はサーバ10が行い、料金に関する処理(決済に関する処理を含む。)は決済管理サーバ40が行うといったように、広告に関する処理を行うサーバと、料金に関する処理を行うサーバとを分けて、上記の処理を実現するようにしてもよいし、そのようにしなくてもよい。
これらは、以降の処理においても同様である。
【0266】
<第3実施例の効果>
第3実施例は、端末20が、車両システム50(限定ではなく、電子装置の一例)の表示部53A(限定ではなく、表示装置の一例)への広告の表示に基づいて、車両システム50の広告提案処理部112で算出される自動運転レンタカーの割引後利用料金(限定ではなく、乗り物の利用料金に関する情報の一例)を受信する。そして、端末20は、割引後利用料金に基づく決済に関する表示(限定ではなく、第1表示の一例)を表示部24の表示画面上の領域(限定ではなく、端末の表示領域の一例)に表示する構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、乗り物の利用料金に関する情報を、表示装置ではなく端末で確認することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0267】
また、第3実施例は、広告が表示される設定を端末20の制御部21によって行う構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、端末で広告が表示される設定を実行することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0268】
また、第3実施例は、広告が表示される設定とすることで、車両システム50に表示された広告に基づいてサーバ10で積算割引額(限定ではなく、減額される金額の一例)が算出される。そして、車両システム50の広告提供処理部512が正規利用料金から積算割引額を減算することで、割引後利用料金を計算する。そして、その割引後利用料金が、端末20に表示される構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、利用料金は、広告が表示される設定に基づき減額されるため、ユーザの経済的負担を軽減することができる。また、減額された利用料金を端末で確認することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0269】
また、第3実施例は、端末20が、車両システム50の表示装置に広告を表示させるか否かの設定を端末20のユーザの操作に基づいて行うための広告設定用表示(限定でなく、第2表示の一例)を、表示部24の表示画面上の領域(限定でなく、端末の表示領域の一例)に表示する。そして、車両システム50の表示装置に広告を表示させるか否かの設定は、広告設定用表示に対する端末20のユーザの入力に基づき行われる構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、乗り物の表示装置に広告を表示させる設定に関する第2表示を端末の表示領域に表示し、その設定は、第2表示に対する端末のユーザの入力に基づき行われるため、ユーザは、乗り物の表示装置に広告を表示させる設定を、自身の端末で簡単に行うことができる。
【0270】
また、第3実施例は、上記の広告設定用表示として、広告が車両システム50の表示装置に表示される広告表示設定(限定でなく、第1設定の一例)と、広告が車両システム50の表示装置に表示されない広告非表示設定(限定でなく、第2設定の一例)とが表示される構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、広告が乗り物の表示装置に表示される設定と、広告が乗り物の表示装置に表示されない設定とのいずれの設定を行わせるかを、ユーザに自身の端末で選択させることができる。
【0271】
また、第3実施例は、上記の広告設定用表示として、広告が車両システム50の表示装置に表示される広告表示設定(限定でなく、第1設定の一例)と、広告が車両システム50の表示装置に表示されない広告非表示設定(限定でなく、第2設定の一例)とが表示される構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、広告が乗り物の表示装置に表示される設定と、広告が乗り物の表示装置に表示されない設定とのいずれの設定を行わせるかを、ユーザに自身の端末で選択させることができる。
【0272】
また、第3実施例は、サーバ10(限定ではなく、電子装置の一例)が、車両システム50の表示部53Aに表示させる広告に対応する、広告IDや広告コンテンツID(限定ではなく、乗り物の表示装置への広告の表示に関する情報の一例)を記憶部15から取得する。そして、サーバ10は、取得された情報に基づき、自動運転レンタカーの割引後利用料金(限定ではなく、乗り物の利用料金に関する情報の一例)を通信I/F14によって端末20に送信する構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、電子装置によって取得された乗り物の表示装置への広告の表示に関する情報に基づき、乗り物の利用料金に関する情報を端末に送信することで、乗り物の利用料金に関する情報を端末のユーザに適切に報知することができる。
【0273】
<第3変形例(1)>
第3実施例では、サーバ10の広告提案処理部112は、広告コンテンツデータ155のコンテンツIDと対応するデータを、通信I/F14によって車両システム50に送信するとして説明したが、これに限定されない。例えば、広告コンテンツデータ155のコンテンツIDと対応するデータを端末20に送信することも可能である。
【0274】
図6-11は、この場合に各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、先に説明したフローチャートと同一のステップには同一の符号を付して再度の説明を省略し、異なるステップに着目して説明する。
【0275】
図6-11のフローチャートは、
図6-9のフローチャートに、サーバ10と端末20との間の広告に関するデータの送受信や端末20での広告の表示に関するステップ(例えば、A19aのステップ、B16a,B16bのステップ)を追加したフローチャートである。
【0276】
図6-9の処理とは異なり、A17の後、広告提案処理部112は、A15で取得した配信広告コンテンツIDに基づいて、広告コンテンツデータ155のコンテンツIDと対応するデータを、通信I/F14によって端末20に送信する(A19a)。
【0277】
通信I/F22によってサーバ10から上記の広告コンテンツデータを受信すると(B16a)、予約アプリケーション処理部212は、広告コンテンツデータに記憶されている広告出力先に対して、表示部24と、スピーカ26との任意の組み合わせを用いて、広告コンテンツファイル(広告コンテンツファイルに基づく広告)を出力する(B16b)。
【0278】
なお、広告提案処理部112は、広告コンテンツデータ155のコンテンツIDと対応するデータを、車両システム50と端末20とに送信してもよいし、しなくてもよい。
【0279】
<第3変形例(1)の効果>
本変形例は、端末20が、広告を表示部24の表示画面上の領域に表示する構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、広告を端末の表示領域に表示させることができるため、ユーザは、広告を自身の端末で見ることができる。
【0280】
<第3変形例(2)>
第3実施例では、自動運転装置を備える自動運転レンタカー車両を運送手段として用いる乗り物として説明したが、これに限定されない。
車両は、自動運転レンタカー車両以外の自動運転装置を備える車両、例えば自動運転タクシーや自動運転バスとしてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0281】
また、乗り物は、車両以外の乗り物、例えば船舶や航空機としてもよいし、そのようにしなくてもよい。なお、乗り物は、自動運転装置を備えていてもよいし、なくてもよい。
また、乗り物は、運行ルートが定められていない乗り物としてもよいし、運行ルートが定められている乗り物としてもよい。
【0282】
また、乗り物の利用料金は、前述した自動運転レンタカーの利用料金に限らず、例えば、自動運転装置を備える車両で移動する場合の運賃としてもよいし、そのようにしなくてもよい。具体的には、限定ではなく例として、自動運転タクシーを利用する場合の運賃としてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0283】
また、端末20が、サーバ10を介して、車両の表示装置に表示される広告が示す店舗等の位置まで車両を移動させるようにするのではなく、端末20のBOT等によって、端末20から車両システム50に制御信号を送信するなどして、車両の表示装置に表示される広告が示す店舗等の位置まで車両を移動させる制御を行うようにしてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0284】
<第3変形例(2)の効果>
本変形例により得られる効果の一例として、自動運転レンタカー車両以外の自動運転装置を備える車両や、車両以外の乗り物を対象として本開示の手法を適用することができるため、汎用性を高めることができる。
なお、これらは、第4実施例以降の実施例においても同様である。
【0285】
<第4実施例>
第4実施例は、第3実施例と同様に、ユーザが乗車地と降車地とを指示することで自動的に運行可能な自動運転レンタカーに、車両表示装置を拡張した装置(車両システム・車両装置)が備わっている実施例である。
【0286】
より具体的には、第4実施例では、端末20のユーザが自動運転レンタカーに乗車後、車両システム50によって提示される降車地までの1以上の経路から任意の経路を選択する。すると、その選択された経路に応じた経由地に則した広告情報に基づいて、車両に備えられる出力装置から広告が出力される。その結果、サーバ10によって利用料金割引額が計算され、端末20のユーザの降車時に、車両システム50を用いて利用料金割引額に基づく割引利用料金の決済が行われる。
【0287】
第4実施例のシステム構成および各装置のHW構成・機能構成は、第3実施例と同様にすることができるため、ここでは再度の説明は省略する。
【0288】
なお、第4実施例では、車両システム50の広告提供処理部512は、旅客情報を経路指示部57に出力(送信)し、自動運転装置60に対して経由地と降車地とを含む運転経路を指示する機能を有する。ここで、経由地はあってもよいし、なくてもよい。もしくは複数の経由地をとってもよい。
【0289】
<利用方法>
端末20の表示部24および車両システム50の表示部53Aに表示される表示画面例を参照して、本実施例における予約アプリケーションと、広告提供処理プログラムと、決済アプリケーションとを利用した自動運転レンタカーの利用方法について説明する。
【0290】
なお、以下では、車両に備えられる表示装置に広告が表示され、自動運転レンタカーに乗車した乗客が、経由地を3種類の経由地候補から選択し、表示装置に表示される広告を見ることで、利用料金が割引される場合について詳細に説明する。また、第3実施例の画面図と重複する点に関しては、説明は省略する。
【0291】
図5-5~
図5-13は、上記の流れを説明するための画面図である。
図5-5は、
図5-1の予約アプリケーション画面において、「はい」の機能アイコンが端末20のユーザによってタッチされた場合に表示される画面の一例を示す図である。
地図領域の上部に、経由地の候補を選択するための複数のタブ(以下、「ルート選択タブ」と称する。)が表示される。
図5-2では、ルート選択タブにおいて「ルートA」が選択された状態が示されている。
【0292】
地図領域において、ハッチングが施された部分は、
図5-1と同様に、乗車地シンボルと降車地シンボルとを結ぶ運行ルートを表している。また、運行ルートに沿って、広告出力を行うエリアがシンボルとして表示される(以下、このシンボルを「広告シンボル」と称する。)。すなわち、地図領域では、広告シンボルと第1の広告管理データベース154A中の広告エリア位置とが対応付けて表示される。
【0293】
地図領域の下部には、現在選択されている経由地の候補に基づく運行ルート「ルートA」における、予想所要時間と、割引後の利用料金とが表示される。また、乗車地シンボルと降車地シンボルの右側には、それぞれの地点へのレンタカー車両到達時刻が表示される。
画面下部には、端末20のユーザが経由地候補「ルートA」に同意することを選択・決定するための「このルートにする」の機能アイコンと、同意しないことを選択・決定するための「再設定」の機能アイコンとが表示される。
【0294】
図5-6は、
図5-5において「再設定」の機能アイコンが端末20のユーザによってタッチされた場合に表示される画面の一例を示す図である。
図5-5と同様に、ルート選択タブでは「ルートB」が選択されていることを表す。また、地図領域において、ハッチングが施された部分は、乗車地シンボルと降車地シンボルとを結ぶ運行ルートを表している。
【0295】
地図領域の下部には、現在選択されている経由地の候補に基づく運行ルート「ルートB」における、予想所要時間と、割引後の利用料金とが表示される。また、乗車地シンボルと降車地シンボルの右側には、それぞれの地点へのレンタカー車両到達時刻が表示される。
画面下部には、端末20のユーザが経由地候補「ルートB」に同意することを選択・決定するための「このルートにする」の機能アイコンと、同意しないことを選択・決定するための「再設定」の機能アイコンとが表示される。
【0296】
図5-7は、
図5-6において「再設定」の機能アイコンが端末20のユーザによってタッチされた場合に表示される画面の一例を示す図である。
図5-5と同様に、ルート選択タブでは「ルートC」が選択されていることを表す。また、地図領域において、ハッチングが施された部分は、乗車地シンボルと降車地シンボルとを結ぶ運行ルートを表している。運行ルートに沿って、広告シンボルが表示される。
地図領域の下部には、現在選択されている経由地の候補に基づく運行ルート「ルートC」における、予想所要時間と、割引後の利用料金とが表示される。また、乗車地シンボルと降車地シンボルの右側には、それぞれの地点へのレンタカー車両到達時刻が表示される。
【0297】
画面下部には、端末20のユーザが経由地候補「ルートC」に同意することを選択・決定するための「このルートにする」の機能アイコンと、同意しないことを選択・決定するための「再設定」の機能アイコンとが表示される。
図5-8は、
図5-5において「このルートにする」の機能アイコンが端末20のユーザによってタッチされた場合に車両システム50の表示部53Aに表示される画面の一例を示す図である。
【0298】
運行状況表示エリアには、乗車地シンボルと降車地シンボルとを結ぶ経路間で、簡易的にレンタカー車両の現在位置を示す車両シンボルと、経路に沿って配置される広告シンボルとが表示される。
【0299】
図5-8では、運行状況表示エリアでは、「ルートA」での経路に配置された3つの広告シンボルが、乗車地シンボルと降車地シンボルとを結ぶ経路間に対応付けて表示される。
【0300】
図5-8では、運行状況表示エリアにおいて、車両シンボルが乗車地シンボルから降車地シンボルに向かって進み、「○○○百貨店」と対応付けられた広告シンボルの位置に到達している。すなわち、レンタカー車両が、「○○○百貨店」の広告エリアに入っている。この場合、広告タイトルエリアには、広告タイトルである「○○○百貨店」が表示され、広告コンテンツエリアには、広告コンテンツファイルの内容である冬物クリアランスセールの広告が表示される。
【0301】
図5-9は、
図5-8から車両の進行に合わせて遷移した表示画面である。
図5-9では、運行状況表示エリアにおいて、車両シンボルが降車地シンボルに向かって進み、「レストラン△△」と対応付けられた広告シンボルの位置に到達している。すなわち、レンタカー車両は、「レストラン△△」の広告エリアに入っている。この場合、広告タイトルエリアには、広告タイトルである「レストラン△△」が表示され、広告コンテンツエリアには、広告コンテンツファイルの内容であるハンバーグフェアの広告が表示される。
【0302】
図5-10は、
図5-9から車両の進行に合わせて遷移した表示画面である。
図5-10では、運行状況表示エリアにおいて、車両シンボルが降車地シンボルに向かって進み、「スポーツクラブ□□□」と対応付けられた広告シンボルの位置に到達している。すなわち、レンタカー車両は、「スポーツクラブ□□□」の広告エリアに入っている。この場合、広告タイトルエリアには、広告タイトルである「スポーツクラブ□□□」が表示され、広告コンテンツエリアには、広告コンテンツファイルの内容であるスポーツクラブリニューアルオープンの広告が表示される。
【0303】
図5-11は、
図5-10から車両の進行に合わせて遷移した表示画面である。
図5-11では、運行状況表示エリアにおいて、車両シンボルが降車地シンボルに到達している。これは、レンタカー車両が降車地に到着したことを示している。この場合、広告コンテンツエリアには、降車地に到着したことを端末20のユーザに報知する情報と、「ルートA」におけるレンタカー車両乗車中に広告を出力したことに基づく割引後利用料金と、利用料金を決済するための決済用コードとが表示される。ここでは、決済用コードとして、二次元コードの一種であるQRコード(登録商標)が表示されている。
【0304】
図5-12は、
図5-6において「このルートにする」の機能アイコンが端末20のユーザによってタッチされた場合に車両システム50の表示部53Aに表示される画面の一例を示す図である。
図5-12では、運行状況表示エリアでは、「ルートB」での経路に配置された1つの広告シンボルが、乗車地シンボルと降車地シンボルとを結ぶ経路間に対応付けて表示される。
【0305】
図5-12では、運行状況表示エリアにおいて、車両シンボルが乗車地シンボルから降車地シンボルに向かって進み、「XX BOOKS」と対応付けられた広告シンボルの位置に到達している。すなわち、レンタカー車両が、「XX BOOKS」の広告エリアに入っている。この場合、広告タイトルエリアには、広告タイトルである「XX BOOKS」が表示され、広告コンテンツエリアには、広告コンテンツファイルの内容である新刊発売記念サイン会の広告が表示される。
【0306】
図5-13は、
図5-12から車両の進行に合わせて遷移した表示画面である。
図5-13では、運行状況表示エリアにおいて、車両シンボルが降車地シンボルに到達している。これは、レンタカー車両が降車地に到着したことを示している。この場合、広告コンテンツエリアには、降車地に到着したことを端末20のユーザに報知する情報と、「ルートB」におけるレンタカー車両乗車中に広告を出力したことに基づく割引後利用料金と、利用料金を決済するための決済用コードとが表示される。
【0307】
<処理>
図7-1は、本実施例における各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
これらの図では、サーバ10の広告提案処理部112が実行する広告提案処理の一例である第2の広告提案処理、車両システム50の車両システムメイン処理部511が実行する第2の車両システムメイン処理、端末20の端末メイン処理部211が実行する端末メイン処理の一例である第2の端末メイン処理Bを示している。
【0308】
なお、先に説明したフローチャートと同一のステップには同一の符号を付して再度の説明を省略し、異なるステップに着目して説明する。
また、以下説明するフローチャートは、あくまでも本実施例における処理を例示するものであり、以下説明するフローチャートにおいて、一部のステップを実行しなくてもよいし、追加のステップを挿入してもよい。
【0309】
また、以下説明する端末20の処理は、端末20にインストールされた予約アプリケーションや決済アプリケーションで全てのステップが実行される処理としてもよいし、予約アプリケーションや決済アプリケーションで一部のステップが実行される処理としてもよい。また、必ずしも、端末20にインストールされたアプリケーションで実行される処理としなくてもよい。
【0310】
図7-1のフローチャートは、
図6-8~
図6-10のフローチャートに、経由地の選択・設定に関するステップ(例えば、A3,A9,B9~B13のステップ)を追加したフローチャートである。
【0311】
ユーザによって広告出力を希望することが選択された場合(B5;YES)、予約アプリケーション処理部212は、予約情報と、B3で受信した正規利用料金とを、通信I/F22によってサーバ10に送信する(B7)。そして、予約アプリケーション処理部212は、任意の経由地を設定するための経由地設定依頼情報を、通信I/F22によってサーバ10に送信する(B9)。
【0312】
通信I/F14によって端末20から予約情報・正規利用料金を受信し(A1)、通信I/F14によって端末20から経由地設定依頼情報を受信すると(A3)、広告提案処理部112は、A1で受信した予約情報と、第1の広告管理データベース154Aに記憶されている各広告管理データの広告エリアとに基づいて、限定ではなく例として、乗車地・降車地を結ぶ最短ルートよりは運行距離が長くなるが、運行ルートがより多く広告管理データの広告エリアに該当する経由地候補を定める(A3)。
【0313】
広告提案処理部112は、A3で設定した経由地候補に基づく運行ルートにおいて、第1の広告管理データベース154Aに記憶されている各広告管理データの広告エリアおよび広告情報テーブル上の広告エリア該当フラグ「〇」となる割引額から、限定ではなく例として、動的計画法を用いて割引額の合計が最大となる、1以上の広告IDを含む集合を求める(A5)。
【0314】
広告提案処理部112は、A5で求めた広告IDの集合と、A3で設定した経由地候補に基づく運行ルートとに基づいて、第1の広告管理データベース154Aを参照して、A3で設定した経由地候補に関する割引額の合計を算出する(A7)。この場合、限定ではなく例として、A3で設定した経由地候補に基づく運行ルートで運行した際に広告を出力した場合の割引額と、A3で設定した経由地候補とを広告提案処理プログラム1511内の変数に記憶する。
【0315】
その後、広告提案処理部112は、A7で算出した経由地候補と割引額とを、通信I/F14によって端末20に送信する(A9)。
【0316】
予約アプリケーション処理部212は、通信I/F22によって、サーバ10から経由地候補と割引額とを受信する(B11)。
【0317】
なお、この場合、予約アプリケーション処理部212は、B11で受信した経由地候補に基づく運行ルートでの予想所要時間を計算するようにしてもよいし、しなくてもよい。
【0318】
次いで、予約アプリケーション処理部212は、B11で受信した経由地候補と割引額とを表示部24に表示させ、また、現在の経由地候補にユーザが同意するかの確認用情報(例えば、現在の経由地候補で問題ないかどうかを確認するための確認画面)を表示させる(B13)。
【0319】
なお、ここで、経由地候補に基づく運行ルートでの予想所要時間と、最短運行ルートに基づく予想所要時間とを併せて表示させてもよいし、させなくてもよい。
【0320】
ユーザが現在の経由地候補に同意しないと判定した場合(B13;NO)、予約アプリケーション処理部212は、経由地設定依頼情報を再度広告提案処理部112に送信する(B9)。この場合、広告提案処理部112は、前回とは異なる経由地候補を設定する(A3)。
【0321】
一方、ユーザが現在の経由地候補に同意すると選択した場合(B13;YES)、予約アプリケーション処理部212は、現在の経由地候補を経由地とし、運行開始情報を通信I/F22によってサーバ10と車両システム50とに送信する(B15)。
【0322】
なお、上記の処理方法において、経由地候補と割引額とを何組か求めるようにし、その中からユーザに経由地候補と割引額とを選択させるようにしてもよいし、しなくてもよい。
【0323】
広告提案処理部112は、通信I/F14によって端末20から運行開始情報を受信すると、経由地候補と提示する広告IDとの選出処理を終了し、経由地を確定する(A11)。
【0324】
広告提供処理部512は、通信I/F54によって端末20から運行開始情報を受信すると(C5)、受信した経由地に基づく運行ルートを経路指示部57に出力(送信)する(C7)。この場合、経路指示部57は、上記ルートと発車命令とを自動運転装置60に出力(送信)する。
【0325】
以降の処理は、
図6-9、
図6-10と同様に進めることができるため、説明を省略する。
【0326】
<第4実施例の効果>
第4実施例は、車両の表示装置に表示される広告は、端末20のユーザの入力に基づいて選択された、第1経路選択用情報と第2経路選択用情報とのうちの一方の情報に基づいて選択される構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、第1経路情報と第2経路情報とのうちの端末のユーザの入力に基づいて選択された経路情報に基づく広告を、乗り物の表示装置に表示させることができる。例えば、乗り物が移動する経路に存在する店舗の広告を乗り物の表示装置に表示させることで、乗り物に乗るユーザに対して、店舗の宣伝を行うことができる。
【0327】
また、第4実施例は、端末20が、車両の表示装置に表示された広告の依頼主の店舗の位置(限定でなく、広告に関連する位置の一例)に車両によって移動する場合の経由地の情報を送信することによって運行ルートを車両システム50に決定させる処理(限定でなく、広告に関連する位置に乗り物によって移動することに関する処理の一例)を、制御部21によって実行する。そして、端末20が、その処理に基づく利用料金に関する情報を、サーバ10(限定でなく、電子装置の一例)を通信I/F22(限定でなく、端末の通信部の一例)によって受信する構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、乗り物の表示装置に表示された広告に関連する位置への乗り物での移動を、端末の制御部の処理によって実現することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。また、その処理に基づく利用料金に関する情報を電子装置から端末で受信することができるため、受信した情報をユーザが自身の端末で確認することが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0328】
また、第4実施例は、利用料金は、上記の処理に基づき減額され、端末20は、減額後の割引後利用料金の表示(限定でなく、第1表示の一例)を表示する構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、乗り物の表示装置に表示された広告に関連する位置に乗り物によって移動することに関する処理が端末の制御部によって実行されたことに基づき利用料金が減額されるため、ユーザの経済的負担を軽減することができる。また、減額された利用料金を端末で確認することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0329】
<第4変形例(1)>
第4実施例では、サーバ10の広告提案処理部112は、A3で設定した経由地候補に基づく運行ルートにおいて、第1の広告管理データベース154Aに記憶されている各広告管理データの広告エリアおよび広告情報テーブル上の広告エリア該当フラグによって割引額の合計が最大となる、1以上の広告IDを含む集合を求めるとして説明したが、これに限定されない。限定ではなく例として、乗車したユーザの性別を付加情報として用いて割引額の合計を算出し、広告IDを決定することも可能である。
【0330】
図7-2に、広告管理データベース154の一例である第2の広告管理データベース154Bを例示する。
第2の広告管理データベース154Bでは、広告情報テーブルには、限定ではなく例として、広告エリア該当フラグと、対象性別と、割引額と、配信広告コンテンツIDとが関連付けて記憶される。ここで、広告エリア該当フラグと、割引額と、配信広告コンテンツIDとは、限定ではなく例として、第1の広告管理データベース154Aと同様とすることができる。
【0331】
対象性別は、端末20を利用するユーザの性別に応じて広告IDを決定するための条件である。端末20を利用するユーザの性別は、予約情報に含まれるユーザIDを利用してユーザ登録データ152より呼び出される。
【0332】
この場合、
図7-2のデータ例では、例えば、対象性別「男(男性)」のユーザが乗車した自動運転レンタカーが、「〇×トレーニングジム」に関する広告エリア内を経路として通過し、かつ、広告コンテンツデータ155で定められた広告情報を出力した場合、利用料金割引額600円が積算される例が示されている。対して、対象性別「女(女性)」のユーザが乗車した自動運転レンタカーが、「〇×トレーニングジム」に関する広告エリア内を経路として通過し、かつ、広告コンテンツデータ155で定められた広告情報を出力した場合、利用料金割引額800円が積算される例が示されている。
【0333】
なお、端末20のユーザの性別に代えて、または、それに加えて、端末20のユーザの年齢、居住地、国籍等の情報に基づいて、広告を選択するようにしてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0334】
<第4変形例(1)の効果>
本変形例により得られる効果の一例として、第1経路選択用情報と、第2経路選択用情報とを、端末のユーザの性別、年齢、居住地、国籍等の情報(限定ではなく、端末のユーザの情報の一例)に基づいて端末20の表示領域に表示させることができるため、端末のユーザに適した広告が表示される経路をユーザに選択させることができる。
【0335】
<第4変形例(2)>
第4実施例では、端末20の端末メイン処理を、降車地において、割引後利用料金の決済が終了した時点で終了する処理としたが、これに限定されない。例えば、端末20のユーザが、降車地を広告エリア内とする広告情報に基づいて、降車後に、限定ではなく例として、店舗に立ち寄り、端末20を用いて決済を行うようにすることも可能である。
【0336】
図7-3に、広告管理データベース154の一例である第3の広告管理データベース154Cを例示する。
第3の広告管理データベース154Cでは、各広告管理データには、限定ではなく例として、広告IDと、広告タイトルと、広告エリアと、クーポン情報と、広告情報テーブルとが記憶される。ここで、クーポン情報とは、端末20に送信するクーポンの内容を記憶する情報である。また、広告IDと、広告タイトルと、広告エリアと、広告情報テーブルとは、限定ではなく例として、第1の広告管理データベース154Aと同様とすることができる。
【0337】
なお、クーポン情報は、全ての広告管理データに付加するようにしてもよいし、そうでなくてもよい。
【0338】
図7-4~
図7-6は、この場合に各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、先に説明したフローチャートと同一のステップには同一の符号を付して再度の説明を省略し、異なるステップに着目して説明する。
【0339】
図7-4~
図7-6のフローチャートは、
図7-1、
図6-9~
図6-10のフローチャートに、クーポン情報の処理に関するステップ(例えば、A24a,A24bのステップ、F1~F5、B17aのステップ、D1a,D3a,D9aのステップ)を追加したフローチャートである。
【0340】
サーバ10の広告提案処理部112は、車両システム50から降車地到着情報を受信すると(A23)、A15で取得した広告IDに基づいて、第3の広告管理データベース154Cからクーポン情報を取得する。
【0341】
次いで、広告提案処理部112は、限定ではなく例として、広告IDと、クーポン情報と、予約情報から取得したユーザIDとを含むクーポンコードを生成する。そして、制御部11は、生成したクーポンコードを、通信I/F14によって端末20に送信する(A24a)。また、広告提案処理部112は、限定ではなく例として、クーポン(クーポンコード)を端末20に送信したことと、クーポン情報の内容とを、表示部53Aに表示させるなどして、サーバ10の使用者に報知する(A24b)。
【0342】
端末20の予約アプリケーション処理部212は、サーバ10から通信I/F22によってクーポンコードを受信すると(F1)、限定ではなく例として、クーポン(クーポンコード)を受信したことを表示部24に表示させるなどして、端末20のユーザに報知する(F3)。
【0343】
その後、端末20と車両システム50と決済管理サーバ40とは、利用料金の決済を行う。
利用料金を決済し、端末20のユーザが降車した後、クーポンコードの広告IDに基づく店舗に端末20のユーザが立ち寄る。ユーザによって端末20の入出力部23を用いてクーポンを表示することが選択されると、予約アプリケーション処理部212は、クーポンコードを表示部24に表示させる(F5)。
【0344】
この場合、例えば、店舗に導入されるPOSシステムである店舗POSシステムが、端末20の表示部24に表示されたクーポンコードを、不図示の店舗コードリーダ装置を用いて読み取る(E1)。その後、店舗POSシステムは、クーポンコードに含まれる割引額を店舗での支払合計額から減算して割引後合計額を計算する(E3)。そして、店舗POSシステムは、割引後合計額とユーザIDとを含む決済依頼情報を、不図示の通信I/Fによって決済管理サーバ40に送信する(E5)。
【0345】
決済管理サーバ40の制御部41は、店舗POSシステムから決済依頼情報を通信I/F44によって受信する(D1a)。そして、制御部41は、決済用ページのURI(例えばURL)を含む決済用コードを生成する。制御部41は、生成した決済用コードを、通信I/F44によって店舗POSシステムに送信する(D3a)。
【0346】
店舗POSシステムは、決済管理サーバ40から通信I/Fによって決済用コードを受信すると(E7)、決済用コードを不図示の表示部に表示させる(E9)。
【0347】
端末20のユーザは、店舗POSシステムの表示部に表示された決済用コードを、決済アプリケーションの機能として備えられたアプリケーションコードリーダ、または、端末20の機能として備えられたコードリーダやカメラ27を用いて読み取る(B17a)。この場合、B19で決済用ページにアクセスし、B21で決済用ページが表示されることで、その店舗での決済の決済額が、端末20の表示部24に表示される。
【0348】
決済管理サーバ40は決済処理を実行し(D7)、端末20と店舗POSシステムとに決済が完了したことを示す決済完了情報を送信する(D9a)。
【0349】
店舗POSシステムは、決済管理サーバ40から通信I/Fによって決済完了情報を受信すると、割引後合計額の決済が完了した旨を示す情報を、店舗POSシステムの表示部に表示させる(E11)。
【0350】
なお、上記の例において、クーポンコードの送信と、店舗におけるクーポンの表示とは必須ではなく、行ってもよいし、行わなくてもよい。
【0351】
また、上記のように、端末20のユーザが店舗に立ち寄って商品を購入したりサービスを利用したりするような場合に、端末20の制御部21によって実行する決済(広告に関連する位置の店舗の商品またはサービスに関する第1決済)は、必ずしも店舗のPOSシステムによる決済に限らず、例えば、店舗のPOSシステムとBOTとによる決済としてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0352】
<第4変形例(2)の効果>
本変形例は、端末20の制御部21が、車両によって移動された、広告に関連する位置の店舗の商品またはサービスに対する支払いのための決済(限定ではなく、第1決済の一例)を要求する処理(限定ではなく、処理に基づき乗り物によって移動された、広告に関連する位置の店舗の商品またはサービスに関する第1決済に関する処理の一例)を実行する。そして、端末20は、決済用ページで、その決済の決済額を表示する構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、乗り物の表示装置に表示された広告に関連する位置に乗り物によって移動することに関する処理に基づき、乗り物によって移動された、広告に関連する位置の店舗の商品またはサービスに関する第1決済に関する処理を端末の制御部によって実行することで、決済を適切に行わせることができる。また、端末の表示領域には、乗り物の表示装置に表示された広告に関連する位置に乗り物によって移動することに関する処理に基づく、第1決済の決済額が表示されるため、ユーザは、第1決済の決済額を自身の端末で確認することができる。
【0353】
また、本変形例は、端末20の制御部21が、車両によって移動された、広告に関連する位置の店舗の商品またはサービスに対する支払いのための決済(限定ではなく、決済の一例)を要求する処理(限定ではなく、処理に基づき乗り物によって移動された、広告に関連する位置の店舗の商品またはサービスに関する決済に関する処理の一例)を実行する。そして、端末20は、その決済を要求する処理に基づき、店舗に関するクーポンコード(限定ではなく、店舗に関するクーポン情報の一例)を通信I/F22によって受信する構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、乗り物の表示装置に表示された広告に関連する位置に乗り物によって移動することに関する処理に基づき、乗り物によって移動された、広告に関連する位置の店舗の商品またはサービスに関する決済に関する処理を端末の制御部によって実行することで、決済を適切に行わせることができる。また、端末20は、乗り物の表示装置に表示された広告に関連する位置に乗り物によって移動することに関する処理に基づき、店舗に関するクーポン情報を通信I/F22によって受信するため、ユーザは、自身の端末20で受信したクーポン情報を、店舗での商品購入やサービスの提供に利用することができる。
【0354】
<第4変形例(3)>
第4実施例では、サーバ10から車両システム50へ送信され、表示部53Aとスピーカ53Cと車両環境調整部53Eとの任意の組み合わせを用いて出力される広告コンテンツファイルに対して、端末20のユーザが広告コンテンツファイルの内容を実際に確認したかどうかには関係なく割引額を計算することとしたが、これに限定されない。例えば、広告コンテンツファイルの内容に基づいて、端末20が操作されることで割引額を変更してもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0355】
図7-7に、広告管理データベース154の一例である第4の広告管理データベース154Dを例示する。
第4の広告管理データベース154Dでは、各広告管理データには、限定ではなく例として、広告IDと、広告タイトルと、広告エリアと、アフィリエイト情報と、広告情報テーブルとが記憶される。
【0356】
アフィリエイト情報には、出力する広告に基づいて、端末20を操作する内容に応じた割引額が記憶されている。また、広告IDと、広告タイトルと、広告エリアと、広告情報テーブルとは、限定ではなく例として、第1の広告管理データベース154Aと同様とすることができる。
【0357】
図7-8は、この場合に各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、先に説明したフローチャートと同一のステップには同一の符号を付して再度の説明を省略し、異なるステップに着目して説明する。
【0358】
図7-8のフローチャートは、
図7-4のフローチャートを、アフィリエイト情報の処理に関するステップ(例えば、A24d~A24fのステップ、F7~F11のステップ)で書き換えたフローチャートである。
【0359】
サーバ10の広告提案処理部112は、車両システム50から降車地到着情報を受信すると(A23)、A15で取得した広告IDに基づいて、第4の広告管理データベース154Dからアフィリエイト情報を取得する。次いで、広告提案処理部112は、アフィリエイト情報を通信I/F14によって端末20に送信する(A24d)。
【0360】
予約アプリケーション処理部212は、サーバ10から通信I/F22によってアフィリエイト情報を受信する(F7)。そして、予約アプリケーション処理部212は、限定ではなく例として、アフィリエイト情報に基づく表示を表示部24に行わせ、入出力部23を用いて入力された、アフィリエイト情報に基づく表示に対するアフィリエイト回答を取得する(F9)。
【0361】
例えば、第4の広告管理データベース154Dによれば、予約アプリケーション処理部212は、クレジットカードへの新規登録画面を表示部24に表示させ、入出力部23を用いて入力された、クレジットカードの新規登録に必要な情報を取得する。
【0362】
予約アプリケーション処理部212は、F9で取得したアフィリエイト回答を、通信I/F22によってサーバ10に送信する(F11)。
【0363】
サーバ10の広告提案処理部112は、通信I/F14によって端末20からアフィリエイト回答を受信する(A24e)。この場合、アフィリエイト回答がアフィリエイト情報によって規定されている内容を満たしていれば、広告提案処理部112は、アフィリエイト情報に記憶されている割引額を広告提案処理プログラム1511内の変数に積算して記憶する(A24f)。
【0364】
一方、アフィリエイト回答がアフィリエイト情報によって規定されている内容を満たしていなければ、積算割引額は維持される。すなわち、A25では、車両システム50で広告が出力されたことによる割引額と、端末20でアフィリエイト情報に回答したことによる割引額とが正規利用料金から減算される。
【0365】
なお、アフィリエイト情報の送信と、アフィリエイト回答の送信とは、サーバ10がA23で降車地到着情報を受信した後に限らない。A19でサーバ10が広告コンテンツデータを送信する際、サーバ10は端末20にアフィリエイト情報を送信してもよいし、しなくてもよい。また、A23でサーバ10が降車地到着情報を受信する前に、端末20はサーバ10へアフィリエイト回答を送信してもよいし、しなくてもよい。
【0366】
<第4変形例(3)の効果>
本変形例は、端末20の制御部21は、車両の表示装置に表示された広告に関するアフィリエイト回答(限定ではなく、表示装置に表示された広告に関する入力の一例)を取得する。そして、広告が出力されたことによる割引額と、端末20でアフィリエイト情報に回答したことによる割引額とが正規利用料金から減算され、その割引後利用料金が、端末20に表示される構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、表示装置に表示された広告に関する入力が端末の制御部によって取得され、乗り物の利用料金が、その広告に関する入力に基づき減額される。このため、端末のユーザは、乗り物の表示装置に表示された広告に関する入力を自身の端末で行うことで、乗り物の利用料金を減額させることができ、その結果、ユーザの経済的負担を軽減することができる。また、ユーザは、減額された利用料金を自身の端末で確認することができる。
【0367】
<第4変形例(4)>
第4実施例では、レンタカー車両は、経由地では停車せずに通過していたが、これに限定されない。例えば、経由地で表示される広告に基づいて、経由地で一時停車し、限定ではなく例として、ユーザが途中下車して店舗等に立ち寄るようにしてもよいし、しなくてもよい。なお、経由地で一時停車する際には、利用料金が割引されてもよいし、されなくてもよい。
【0368】
図7-9に、広告管理データベース154の一例である第5の広告管理データベース154Eを例示する。
第5の広告管理データベース154Eでは、各広告管理データには、限定ではなく例として、広告IDと、広告タイトルと、広告エリアと、停車時割引額と、広告情報テーブルとが記憶される。
【0369】
停車時割引額には、経由地で一時停車する際の利用料金割引額が記憶される。また、広告IDと、広告タイトルと、広告エリアと、広告情報テーブルとは、限定ではなく例として、第1の広告管理データベース154Aと同様とすることができる。
【0370】
図7-10は、この場合に各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、先に説明したフローチャートと同一のステップには同一の符号を付して再度の説明を省略し、異なるステップに着目して説明する。
【0371】
図7-10のフローチャートは、
図6-9のフローチャートに、経由地での一時停車に関するステップ(例えば、A20a~A20c,A22のステップ、F13~F21のステップ、C16a、C16bのステップ)を追加したフローチャートである。
【0372】
サーバ10の広告提案処理部112は、通信I/F14によって広告コンテンツデータを車両システム50に送信すると(A19)、現在の経由地で一時停車を行うかどうかの確認を求める停車確認信号を、通信I/F14によって端末20に送信する(A20a)。
【0373】
端末20の予約アプリケーション処理部212は、サーバ10から通信I/F22によって停車確認信号を受信する(F13)。そして、予約アプリケーション処理部212は、現在の経由地でレンタカー車両の一時停車を希望するかの選択用情報(例えば、レンタカー車両を一時停車させるか否かを選択するための選択画面)を表示部24に表示させる(F15)。
【0374】
ユーザによって一時停車を希望しないことが選択された場合には(F15:NO)、予約アプリケーション処理部212は、現在の経由地を通過するため、経由地通過信号を、通信I/F22によってサーバ10と車両システム50とに送信する(F21)。
【0375】
一方、ユーザによって一時停車を希望することが選択された場合(F15:YES)、予約アプリケーション処理部212は、現在の経由地で一時停車する設定を行うための経由地停車信号を、通信I/F22によってサーバ10と車両システム50とに送信する(F17)。
【0376】
サーバ10の広告提案処理部112は、通信I/F14によって端末20から経由地停車信号を受信すると、第5の広告管理データベース154Eに記憶されている停車時割引額を、広告提案処理プログラム1511内の変数に記憶する(A20b)。
【0377】
また、車両システム50の広告提供処理部512は、通信I/F54によって端末20から経由地停車信号を受信すると、現在の経由地での一時停車を経路指示部57に出力(送信)する(C16a)。この場合、経路指示部57は、車両の一時停車命令を自動運転装置60に出力(送信)する。
【0378】
車両が一時停車後、ユーザが途中下車して店舗等に立ち寄った場合、予約アプリケーション処理部212は、記憶部28に記憶されている不図示の経由地店舗支払処理プログラムに従って、経由地店舗支払処理を実行する(F19)。なお、F19を実行せずにF21に進んでもよい。
【0379】
図7-11は、端末20で実行される経由地店舗支払処理を含む各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、先に説明したフローチャートと同一のステップには同一の符号を付して再度の説明を省略し、異なるステップに着目して説明する。
【0380】
図7-11のフローチャートは、
図7-6のフローチャートを、経由地店舗での支払処理に関するステップ(例えば、E2,E4のステップ、B19bのステップ)で書き換えたフローチャートである。
【0381】
店舗POSシステムは、店舗での支払合計額を算出する(E2)。そして、店舗POSシステムは、支払合計額を含む決済依頼情報を、不図示の通信I/Fによって決済管理サーバ40に送信する(E4)。
【0382】
端末20の決済アプリケーション処理部213は、読み取った決済用コードに含まれる決済用ページのURI(例えばURL)に基づいて決済管理サーバ40の決済用ページにアクセスする。また、決済アプリケーション処理部213は、予約アプリケーション282に記憶されている端末20のユーザに対応するユーザIDを通信I/F22によって決済管理サーバ40に送信する(B19b)。
【0383】
図7-10に戻り、経由地支払処理を実行すると、予約アプリケーション処理部212は、現在の経由地から運行を再開するために、経由地通過信号を、通信I/F22によってサーバ10と車両システム50とに送信する(F21)。
【0384】
サーバ10の広告提案処理部112は、通信I/F14によって端末20から経由地通過信号を受信する(A20c)。その後、広告提案処理部112は、広告管理データ中の広告情報テーブルを参照し、A17で使用した広告エリア該当フラグに該当する割引額と、A20bで記憶した停車時割引額とを、広告提案処理プログラム1511内の変数に積算して記憶する(A22)。なお、A20bが実行されない場合には、停車時割引額は積算されない。
【0385】
また、車両システム50の広告提供処理部512は、通信I/F54によって端末20から経由地通過信号を受信すると、現在の経由地からの運行再開を経路指示部57に出力(送信)する(C16b)。この場合、経路指示部57は、車両の発車命令を自動運転装置60に出力(送信)する。
【0386】
なお、第4変形例(2)の処理と組み合わせ、第5の広告管理データベース154Eにクーポン情報を付与することで、経由地店舗支払処理において店舗での利用料金が減額されるようにしてもよいし、しなくてもよい。
【0387】
<第4変形例(4)の効果>
本変形例は、端末20の制御部21は、車両が移動する経路のうち、目的地である降車地(限定ではなく、第1位置の一例)とは異なる経由地(限定ではなく、第2位置の一例)で車両が停止する経路の選択用情報を取得する。そして、広告が出力されたことによる割引額と、経由地で停車したことによる停車時割引額とが正規利用料金から減算され、その割引後利用料金が、端末20に表示される構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、乗り物が移動する経路のうち、目的地である第1位置とは異なる第2位置で乗り物が停止する経路の選択が端末の制御部によって取得され、乗り物の利用料金が、その経路の選択に基づき減額される。このため、端末のユーザは、目的地である第1位置とは異なる第2位置で乗り物が停止する経路の選択を自身の端末で行うことで、乗り物の利用料金を減額させることができ、その結果、ユーザの経済的負担を軽減することができる。また、ユーザは、減額された利用料金を自身の端末で確認することができる。
【0388】
また、本変形例は、端末20の制御部21が、経由地に位置する店舗(限定ではなく、第2位置に関する店舗の一例)の商品またはサービスの支払いのための決済を要求する処理(限定ではなく、第2決済に関する処理の一例)を実行する。そして、端末20の表示部24には、経路の選択に基づき、上記の経由地に位置する店舗での決済額が表示される構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、第2位置に関する店舗の商品またはサービスに関する第2決済に関する処理が端末の制御部によって実行されるため、第2位置に関する店舗の商品またはサービスに関する決済を適切に行わせることができる。また、端末の表示領域には、経路の選択に基づき、第2決済の決済額が表示されるため、ユーザは、第2決済の決済額を自身の端末で確認することができる。
【0389】
<第4変形例(5)>
第4実施例では、レンタカー車両は、経由地では停車せずに通過していたが、これに限定されない。例えば、経由地で表示される広告に基づいて、経由地で一時停車し、限定ではなく例として、ユーザが途中下車して店舗等に立ち寄る。そして、立ち寄った店舗等での作業を補助することで、利用料金が割引されるようにしてもよい。
【0390】
ここで、作業の補助には、限定ではなく例として、立ち寄った店舗(例えば花屋)で、その店舗に関連する商品(例えばお花)の配送の手伝いを行ったり、店舗の片付けや掃除を行ったりといった内容を含めることができる。
【0391】
この場合、限定ではなく例として、ユーザが店舗等での作業を補助した場合には、車両システム50のコードリーダ56Aに、店舗主が割引コードを提示する。コードリーダ56Aによって割引コードが読み取られると、車両システム50からサーバ10へ割引コードが送信されて、自動運転レンタカーの利用料金が減額される。
【0392】
なお、この場合における利用料金の割引額や割引率は、限定ではなく例として、補助の対象となる作業の内容や作業の手間等に基づいて設定するようにすることができる。具体的には、複雑な作業や、難しい作業や、多くの時間や労力(多くの手間)を要する作業であるほど、割引額や割引率が大きくなるように設定することができる。店舗ごとに割引額や割引率を設定するようにすることもできる。
【0393】
また、店舗等での作業を補助するために、より遠回りとなる経由地を追加して設定するようにしてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0394】
<第4変形例(5)の効果>
本変形例により得られる効果の一例として、乗り物の表示装置に表示された広告に関連する作業を、乗り物に乗るユーザが補助することで、乗り物の利用料金を減額させることができるため、ユーザの経済的負担を低減することができる。
【0395】
<第5実施例>
第5実施例は、第4実施例と同様に、端末20のユーザが、自動運転レンタカーの乗車中にサーバ10から配信される広告情報に基づく広告を、自動運転レンタカーに備えられる車両システム50の出力装置に出力させることで、利用料金を割引する。そして、端末20のユーザが降車地で降車する際に、ユーザの端末20で起動されて使用される電子決済用のアプリケーションである決済アプリケーションを用いて利用料金を電子決済する実施例である。
【0396】
また、第5実施例は、自動運転レンタカーの割引後利用料金が、出力装置に出力させる広告の広告コンテンツIDとして選択された広告コンテンツIDに関連付けられた広告単価に基づき設定されるとともに、広告単価が、広告が出力装置から出力された状況に基づき設定される実施例である。
【0397】
第5実施例に記載の内容は、他の各実施例のいずれにも適用可能である。
また、既出の構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
【0398】
<機能構成>
(1)サーバの機能構成
図8-1は、本実施例におけるサーバ10の記憶部15に記憶される情報の一例を示す図である。
記憶部15には、限定ではなく例として、サーバメイン処理プログラム151と、ユーザ登録データ152と、広告コンテンツデータ155とに加えて、ユーザ区分データ153と、高度広告管理データベース156とを含む。
【0399】
ユーザ区分データ153は、ユーザ登録データ152に記憶されるユーザの登録情報に基づいて、ユーザを複数のカテゴリ(種別/区分)に分類するためのデータであり、そのデータ構成の一例を
図8-2に示す。
ユーザ区分データ153には、限定ではなく例として、ユーザ区分IDと、対象性別と、対象年齢範囲と、対象居住地と、その他対象情報とが関連付けて記憶される。
【0400】
ユーザ区分IDは、ユーザが区分されるカテゴリを識別するための識別情報として機能するIDである。
対象性別は、あるユーザ区分IDに当てはまるユーザの性別である。
【0401】
対象年齢範囲は、あるユーザ区分IDに当てはまるユーザの年齢の範囲である。なお、年齢の範囲は、一定の範囲ごとに区切ってもよいし、任意の範囲で区切ってもよいし、そうでなくてもよい。また、ある年齢をピンポイントで指定してもよいし、そうでなくてもよい。
【0402】
対象居住地は、あるユーザ区分IDに当てはまるユーザの居住地の範囲である。なお、居住地の範囲は、国別で定めてもよいし、広範囲な地域区分(限定ではなく例として、都道府県別)で定めてもよいし、より狭い範囲の地域区分(限定ではなく例として、市区町村別)で定めてもよい。
【0403】
その他対象情報は、ユーザ登録データ152のその他登録情報に基づいて定められる、あるユーザ区分IDに当てはまるユーザの区分であり、限定ではなく例として、職業別の区分がこれに含まれる。
【0404】
性別、年齢(年齢範囲)、居住地、職業等の端末20のユーザの情報(ユーザ情報)は、広告が車両の表示装置に表示された際に、どのような属性のユーザが車両に乗車していたかの状況を示す情報となる。このため、これらのユーザ情報(ユーザの属性情報と言うこともできる。)は、限定ではなく、広告が表示装置に表示された状況の情報の一例である。
【0405】
なお、広告が表示された状況の情報には、上記のユーザ情報の他にも、限定ではなく例として、広告が表示装置に表示された際の車両の位置(限定ではなく、乗り物の位置に関する位置情報の一例)、広告が表示装置に表示された時刻や時間帯(限定ではなく、時間に関する情報の一例)、広告が表示装置に表示された際の天候や天気等の情報を含めることができる。
【0406】
また、上記のユーザ情報(ユーザの属性情報)には、上記に例示した情報の他にも、限定ではなく例として、そのユーザが既婚/未婚のいずれであるかといった情報を含めることもできる。
【0407】
例えば、
図8-2のデータ例では、ユーザ区分ID「S0001」に区分されるユーザは、性別が「男」で、年齢が「20~29」、居住地が「日本国内」である。すなわち、
図3-3で例示されるユーザ登録データ152では、ユーザ名「B.B」のユーザが「S0001」に該当する。同様に、ユーザ名「A.A」のユーザは「S0004」に該当する。
【0408】
なお、あるユーザ区分IDを定めるにあたり、対象性別・対象年齢範囲・対象居住地・その他対象情報の一部のみを規定してもよいし、そうでなくてもよい。
【0409】
高度広告管理データベース156は、車両システム50に配信する広告コンテンツデータを管理するためのデータを蓄積的に記憶したデータベースであり、広告管理データベース154を拡張したデータベースである。そのデータ構成の一例を
図8-3に示す。ここでは、高度広告管理データベース156の一例である第1の高度広告管理データベース156Aを例示する。
第1の高度広告管理データベース156Aには、広告毎に生成される高度広告管理データが記憶される。
【0410】
各高度広告管理データには、限定ではなく例として、広告IDと、広告タイトルと、広告エリアと、広告情報テーブルとが記憶される。
【0411】
広告情報テーブルには、限定ではなく例として、対象ユーザ区分IDと、広告エリア該当フラグと、広告単価と、配信広告コンテンツIDとが関連付けて記憶される。
【0412】
対象ユーザ区分IDは、自動運転レンタカーを予約する端末20のユーザ情報からユーザ区分データ153によって分類されたユーザ区分IDに基づいて場合分けを行うための条件である。なお、対象ユーザ区分IDには、単一のユーザ区分IDを定めてもよいし、複数のユーザ区分IDを定めてもよいし、ユーザ区分IDを定めなくてもよい。
【0413】
広告エリア該当フラグは、自動運転レンタカーの運転経路上に広告エリアが重複しているかという条件によって場合分けをするためのフラグである。
【0414】
広告単価は、例えば、車両システム50で広告が出力されることに対して、広告主からサーバ10を運用する事業者に支払われる広告掲載料である。広告単価は、限定ではなく、広告の情報の価値の一例である。
【0415】
ここで、広告が出力されたことによる利用料金割引額は、限定ではなく例として、広告単価に、所定の係数(以下、「割引係数」と称する。)を乗算した額として算出するようにすることができる。以下では、説明を分かり易くするため、限定ではなく例として、割引係数を一律に「0.5」として図示・説明する。
【0416】
配信広告コンテンツIDは、サーバ10から車両システム50に配信する、広告コンテンツデータ155中の広告コンテンツIDである。なお、この配信広告コンテンツIDに記憶させる広告コンテンツIDは、1つの広告コンテンツIDとしてもよいし、複数の広告コンテンツIDとしてもよい。
【0417】
例えば、
図8-3のデータ例では、ユーザ区分ID「S0001」に区分されるユーザ名「B.B」のユーザが乗車した自動運転レンタカーが、「〇×トレーニングジム」に関する広告エリア内である、北緯xxxxx、東経yyyyyを中心とする半径zメートルの領域内を経路として通過し、かつ、広告コンテンツデータ155で定められた広告情報を出力した場合、利用料金割引額「700円×0.5=350円」が積算される。この場合、サーバ10は、広告提案処理プログラム1511に従って、コンテンツID「C0001」および「C0004」の広告コンテンツを車両システム50に配信する。そして、広告ID「A0001」について広告単価「700円」が積算される。
【0418】
また、ユーザ区分ID「S0001」に区分されるユーザ名「B.B」のユーザが乗車した自動運転レンタカーが、「〇×トレーニングジム」に関する広告エリア内を経路として通過せず、かつ、広告コンテンツデータ155で定められた広告情報を出力した場合、利用料金割引額「300円×0.5=150円」が積算される。この場合、サーバ10は、広告提案処理プログラム1511に従って、コンテンツID「C0003」の広告コンテンツを車両システム50に配信する。そして、広告ID「A0001」について広告単価「300円」が積算される。
【0419】
また、例えば、ユーザ区分ID「S0004」に区分されるユーザ名「A.A」のユーザが乗車した自動運転レンタカーが、「〇×トレーニングジム」に関する広告エリア内を経路として通過し、かつ、広告コンテンツデータ155で定められた広告情報を出力した場合には、利用料金割引額「200円×0.5=100円」が積算される。この場合、サーバ10は、広告提案処理プログラム1511に従って、コンテンツID「C0002」の広告コンテンツを車両システム50に配信する。そして、広告ID「A0001」について広告単価「200円」が積算される。
【0420】
本実施例では、このように、同じ広告IDの広告であっても、自動運転レンタカーに乗車するユーザのユーザ情報に基づいて、異なる広告単価が設定され得ることになる。
【0421】
なお、ここでは、広告情報テーブルに広告単価を定めておくこととしたが、これに代えて、利用料金割引額を定めておくようにしてもよいし、そのようにしなくてもよい。また、利用料金割引額と広告単価との両方の情報を定めておくようにしてもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0422】
<処理>
図8-4は、本実施例における各装置が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
この図では、サーバ10の広告提案処理部112が実行する広告提案処理の一例である第3の広告提案処理、車両システム50の車両システムメイン処理部511が実行する第3の車両システムメイン処理、端末20の端末メイン処理部211が実行する端末メイン処理の一例である第3の端末メイン処理を示している。
【0423】
なお、先に説明したフローチャートと同一のステップには同一の符号を付して再度の説明を省略し、異なるステップに着目して説明する。
また、以下説明するフローチャートは、あくまでも本実施例における処理を例示するものであり、以下説明するフローチャートにおいて、一部のステップを実行しなくてもよいし、追加のステップを挿入してもよい。
【0424】
図8-4のフローチャートは、
図7-1のフローチャートに、ユーザ区分IDに基づく広告IDの決定に関するステップ(例えば、A2,A6,A8のステップ)を追加したフローチャートである。
【0425】
予約アプリケーション処理部212は、予約情報と、B3で受信した正規利用料金とを、通信I/F22によってサーバ10に送信する(B7)。サーバ10の広告提案処理部112は、通信I/F14によって上記の予約情報・正規利用料金を受信する(A1)。
【0426】
広告提案処理部112は、予約情報に含まれる端末20のユーザIDに基づいて、ユーザ登録データ152から、限定ではなく例として、予約したユーザの性別・年齢・居住地を取得する。そして、ユーザ区分データ153と比較することで、予約したユーザのユーザ区分IDを決定する(A2)。
【0427】
次いで、広告提案処理部112が経由地候補を設定すると(A3)、広告提案処理部112は、A3で設定した経由地候補に基づく運行ルートと、予約したユーザのユーザ区分IDとを用いて、第1の高度広告管理データベース156Aに記憶されている各高度広告管理データの広告エリアと経由地候補とを照会する。そして、広告提案処理部112は、広告情報テーブル上の対象ユーザ区分IDに該当し、広告エリア該当フラグ「〇」となる割引額から、限定ではなく例として、動的計画法を用いて広告単価の合計が最大となる、1以上の広告IDを含む集合を求める(A6)。
【0428】
なお、広告単価の合計の算出に関して、広告管理データの広告エリアが重複していた場合には、限定ではなく例として、広告管理データの広告情報テーブルに記憶されている配信広告コンテンツIDと、広告コンテンツデータ155に記憶されている広告コンテンツID毎の広告出力時間とに基づいて、広告ID毎に広告出力時間を求め、広告エリアの通過に必要な予想所要時間を超えない範囲で、複数の広告IDを広告単価の合計が最大となるよう求める。
【0429】
また、運行ルート上に該当する広告エリアが存在しない場合には、広告情報テーブル上の対象ユーザ区分IDに該当し、広告エリア該当フラグ「×」となる広告単価から、広告単価の合計が最大となるように、1以上の広告IDを含む集合を求める。
【0430】
なお、A6で求める広告IDの数には、上限を定めてもよいし、定めなくてもよい。また、広告単価の合計についても、上限を定めてもよいし、定めなくてもよい。
また、上記の広告IDの決定方法や、広告単価の合計の算出方法は、あくまでも一例に過ぎず、これらに限定されない。
【0431】
広告提案処理部112は、A6で求めた広告IDの集合と、A3で設定した経由地候補に基づく運行ルートとに基づいて、第1の高度広告管理データベース156Aを参照して、各広告IDにおいて広告単価に割引係数を乗算し、割引額を算出する。そして、A3で設定した経由地候補に関する割引額の合計を算出する(A8)。
【0432】
この場合、限定ではなく例として、A3で設定した経由地候補に基づく運行ルートで運行した際に広告を出力した場合の割引額と、A3で設定した経由地候補とを広告提案処理プログラム1511内の変数に記憶する。また、各広告IDにおける広告単価を広告提案処理プログラム1511内の変数に積算して記憶する。
【0433】
なお、上記の処理は、第4実施例における割引額を、広告単価と割引係数を乗算した値に置き換えたものとしている。このため、第5実施例の構成は、第4実施例と同様の効果を奏することのできる構成であるとも言える。
【0434】
<第5実施例の効果>
第5実施例は、端末20が、車両(限定ではなく、乗り物の一例)の表示装置に表示される広告に対応する広告コンテンツID(限定ではなく、広告の情報の一例)と、広告が表示装置に表示された車両に乗車したユーザの性別、年齢(年齢範囲)、居住地、職業等のユーザ情報(限定ではなく、広告が表示装置に表示された状況の情報の一例)とに基づく車両の割引後利用料金(限定ではなく、乗り物の利用料金に関する情報の一例)を、サーバ10から通信I/F22によって受信する。そして、端末20は、割引後利用料金に基づく決済に関する表示(限定ではなく、第1表示の一例)を表示部24の表示画面上の領域(限定ではなく、端末の表示領域の一例)に表示する構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、端末のユーザは、表示装置に表示される広告の情報と、広告が表示装置に表示された状況の情報とに基づく乗り物の利用料金に関する情報を、自身の端末で電子装置から取得することができる。また、乗り物の利用料金に関する情報に基づく第1表示が端末の表示領域に表示されるため、端末のユーザは、乗り物の利用料金に関する情報を自身の端末で確認することができる。
【0435】
また、第5実施例は、広告コンテンツIDは、上記のユーザ情報に基づき設定され、割引後利用料金は、この広告コンテンツIDに基づいて設定される構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、端末のユーザは、広告が表示装置に表示された状況に基づき設定された広告の情報に基づいて、乗り物の利用料金に関する情報を、自身の端末で電子装置から取得することができる。また、設定された広告の情報に基づいて乗り物の利用料金が設定されるため、端末のユーザは、適正化された利用料金で乗り物を利用することができる。
【0436】
また、第5実施例は、広告コンテンツIDは、複数の広告コンテンツIDから上記のユーザ情報に基づき少なくとも一つ選択され、割引後利用料金は、選択された広告コンテンツIDに関連付けられた広告単価(限定ではなく、広告の情報の価値の一例)に基づき設定される構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、端末のユーザは、複数の広告の情報から広告が表示装置に表示された状況に基づき少なくとも一つ選択された広告の情報に基づく広告を、乗り物で見ることができる。また、選択された広告の情報に基づいて乗り物の利用料金が設定されるため、端末のユーザは、適正化された利用料金で乗り物を利用することができる。
【0437】
また、第5実施例は、広告が車両の表示装置に表示された状況に基づき、上記の広告単価が設定される構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、広告が表示装置に表示された状況に基づき、広告の情報の価値が適正化されるため、端末のユーザは、適正化された広告の情報の価値に基づく広告を、乗り物で見ることができる。
【0438】
ここで、第5実施例で説明した広告単価を、第4実施例で説明した割引額と読み替えて上記と同様の処理を行うことで、限定ではなく例として、自明的に以下のような効果を得ることができる。
【0439】
例えば、第5実施例は、端末20が、表示装置を備える車両の表示装置に表示される広告に対応する広告コンテンツIDと、車両の位置に関する情報とに基づく割引後利用料金とを、サーバ10から通信I/F22によって受信する構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、端末のユーザは、表示装置を備える乗り物の位置に関する位置情報に基づく乗り物の利用料金に関する情報を、自身の端末で電子装置から取得することができる。
【0440】
また、例えば、第5実施例は、車両の位置に関する情報が、第1の目的地に相当する位置情報の場合、広告単価として第1の広告単価が設定され、第2の目的地に相当する位置情報の場合、広告単価として第1の広告単価よりも高い第2の広告単価が設定される構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、広告の情報は、表示装置を備える乗り物の位置に関する位置情報が第1位置情報の場合、第1価値が設定され、表示装置を備える乗り物の位置に関する位置情報が第2位置情報の場合、第1価値よりも大きい第2価値が設定される。このため、端末のユーザは、乗り物の位置情報によって異なる価値が設定された広告を、乗り物で見ることができる。
【0441】
また、第5実施例は、車両の位置に関する情報は、車両が移動した位置に関する情報、または車両が移動する予定の位置に関する情報を含む構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、端末のユーザは、乗り物が移動した位置に関する情報、または乗り物が移動する予定の位置に関する情報によって異なる価値が設定された広告を、乗り物で見ることができる。
【0442】
また、第5実施例は、車両の位置に関する情報は、車両が移動した運行ルート(経路)に関する情報、または車両が移動する予定の運行ルートに関する情報を含む構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、端末のユーザは、乗り物が移動した経路に関する情報、または乗り物が移動する予定の経路に関する情報によって異なる価値が設定された広告を、乗り物で見ることができる。
【0443】
また、第5実施例は、端末20が、車両が移動する予定の運行ルートに関する第1運行ルート情報(限定ではなく、第1経路情報の一例)と、車両が移動する予定の運行ルートに関する第2運行ルート情報(限定ではなく、第2経路情報の一例)とを少なくとも含む運行ルート選択画面(限定ではなく、第2表示の一例)を表示部24に表示する。そして、車両の位置に関する情報は、端末20のユーザによって入出力部23から入力された、第1運行ルート情報と、第2運行ルート情報とのいずれを選択するかの情報に基づく構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、乗り物が移動する予定の経路に関する第1経路情報と、乗り物が移動する予定の経路に関する第2経路情報とを少なくとも含む第2表示を端末の表示領域に表示することで、ユーザは、乗り物が移動する予定の経路の複数の候補を自身の端末で確認することができる。また、端末のユーザの入力と、第1経路情報と、第2経路情報とのうち少なくとも一方の情報とに基づいて、表示装置を備える乗り物の位置に関する位置情報が適切に定まる。
【0444】
また、第5実施例は、上記の運行ルート選択画面には、第1運行ルート情報に基づく第1利用料金と、第2運行ルート情報に基づく第2利用料金とが表示される構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、第1経路情報に基づく第1利用料金と、第2経路情報に基づく第2利用料金とが第2表示として表示されるため、端末のユーザは、複数の経路情報に基づく利用料金を自身の端末で確認することができる。
【0445】
また、第5実施例は、第1運行ルート情報は、第2運行ルート情報よりも広告単価が高い店舗の位置(限定ではなく、広告の情報の価値が高い位置の一例)を含み、第1利用料金は、第2利用料金よりも値段が安い構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、第1経路情報は、第2経路情報より広告の情報の価値が高い位置を含むため、より価値が高い広告を乗り物の表示装置に表示させることで、広告効果を高めることができる。また、第1経路情報に基づく第1利用料金は、第2経路情報に基づく第2利用料金より値段が安いため、広告効果の高い経路情報が選択されるほど、乗り物の利用料金を安くすることができ、ユーザの経済的負担が軽減される。
【0446】
また、第5実施例は、第1運行ルート情報と、第2運行ルート情報とは、目的地・降車地(限定ではなく、目的の位置の一例)が同じ運行ルート情報であり、第1運行ルート情報は、第2運行ルート情報より、目的地・降車地までの距離が長い、または目的地・降車地までの車両の到達時間が長い構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、第1経路情報と、第2経路情報とは、同じ目的の位置に関する経路情報であるため、端末のユーザは、目的の位置は同じであるが異なる経路を選択することができる。また、第1経路情報は、第2経路情報より、目的の位置までの距離が長い、または目的の位置に乗り物が到着するまでの時間が長い。このため、上記の構成と相まって、端末のユーザは、目的の位置までの距離が長い、または目的の位置に乗り物が到着するまでの時間が長い経路の方が、利用料金の値段が安くなるという、一般的な乗り物の料金設定とは異なる思想に基づき料金設定される乗り物を利用することができる。
【0447】
また、第5実施例は、端末20は、車両の表示装置に表示される広告の情報と、車両に乗車する端末20のユーザのユーザ情報とに基づく、車両の割引後利用料金の情報をサーバ10から通信I/F22によって受信する構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、広告が表示装置に表示された状況の情報は、乗り物に乗る端末のユーザの情報を含む。このため、端末のユーザは、自身の情報に基づき料金設定される乗り物を利用することができる。
【0448】
また、第5実施例は、サーバ10(限定ではなく、電子装置の一例)は、車両(限定ではなく、乗り物の一例)の表示装置に表示される広告に対応する広告コンテンツID(限定ではなく、表示装置に表示される広告の情報の一例)と、広告が表示装置に表示された車両に乗車したユーザの性別、年齢(年齢範囲)、居住地、職業等のユーザ情報(限定ではなく、広告が表示装置に表示された状況の情報の一例)とを取得する。そして、サーバ10は、取得された広告コンテンツIDと、取得されたユーザ情報とに基づいて、車両の割引後利用料金(限定ではなく、乗り物の利用料金に関する情報の一例)を通信I/F14によって、表示装置とは異なる端末20に送信する構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、電子装置は、取得された広告の情報と、取得された広告が表示装置に表示された状況の情報とに基づいて、乗り物の利用料金に関する情報を表示装置とは異なる端末に送信することで、乗り物の利用料金を端末のユーザに報知することができる。
【0449】
<第5変形例(1)>
車両を自動運転レンタカー車両とするのではなく、第1実施例や第2実施例で説明したように、自動運転装置を備えない通常のレンタカー車両として、第5実施例と同様の処理を行うようにすることも可能である。
【0450】
この場合、通常のレンタカー車両に備えられる車両表示装置90の表示部93に表示させる広告の種類や、表示させる広告の広告単価も、第5実施例と同様の手法によって設定することが可能である。
【0451】
<第5変形例(2)>
第5実施例では、ユーザ区分IDは、予約情報に含まれる端末20のユーザIDに基づいて決定されることとして説明したが、これに限定されない。
【0452】
具体的には、例えば、乗車したユーザの画像を、車両システム50のカメラ53Dを用いて取得する。そして、限定ではなく例として、取得した画像から、ユーザの年齢・性別等の情報を推定することで、ユーザ区分IDを決定してもよいし、しなくてもよい。
【0453】
また、ユーザの音声を、車両システム50のマイク53Bを用いて取得する。そして、限定ではなく例として、取得した音声から、ユーザの年齢・性別・居住地等の情報を推定することで、ユーザ区分IDを決定してもよいし、しなくてもよい。
【0454】
また、カメラ53Dから取得した画像と、マイク53Bから取得した音声とを組み合わせて、限定ではなく例として、年齢・性別・居住地等の情報を推定することで、ユーザ区分IDを決定してもよいし、しなくてもよい。
【0455】
<第5変形例(2)の効果>
本変形例により得られる効果の一例として、乗り物に備えられる撮像装置や集音装置から出力される情報に基づいて、ユーザ情報を簡単に取得することができる。
【0456】
<第5変形例(3)>
第5実施例では、予約アプリケーションを利用する端末20のユーザ1名分の情報を用いてユーザ区分IDを決定していたが、これに限定されない。
【0457】
例えば、端末20のユーザが予約アプリケーションで予約を行う際に、複数の同乗者がいる場合には、限定ではなく例として、同乗者の年齢・性別を入力することで複数名分のユーザ情報を取得し、複数名分のユーザ情報に基づいてユーザ区分IDを決定することも可能である。
【0458】
この場合、ユーザ区分データ153には、限定ではなく例として、対象性別・対象年齢範囲・対象居住地を条件として含めないようにすることができる。そして、限定ではなく例として、その他対象情報に、「S0001およびS0002が同乗」といったユーザ区分IDを新たに定義してもよいし、しなくてもよい。
【0459】
なお、自動運転レンタカーに乗車後に、車両システム50のカメラ53Dとマイク53Bとの少なくともいずれか一方を用いることで、限定ではなく例として、複数名の年齢・性別・居住地を推定し、ユーザ区分IDを決定してもよいし、しなくてもよい。
【0460】
限定ではなく例として、予約アプリケーションを利用する端末20のユーザが成人であるとしても、例えばカメラ53Dで子供が検出される場合には、親子連れに関連付けられるユーザ区分IDを設定することで、酒やたばこなどの成人向けの広告コンテンツを含む広告IDを選択しない設定を行うことが可能である。
【0461】
<第5変形例(3)の効果>
本変形例は、車両の表示装置に表示される広告は、車両に乗車する、端末20のユーザとは異なるユーザの情報に基づき選択される構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、乗り物に乗る、端末のユーザとは異なるユーザの需要に合った広告が表示される乗り物を利用させることができる。
【0462】
また、本変形例は、車両の表示装置に表示される広告は、車両に乗車する、端末20のユーザとは異なるユーザの情報に基づき、広告単価が設定される構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、乗り物に乗る、端末のユーザとは異なるユーザの情報に基づき広告の価値が設定された広告が表示される乗り物を利用させることができる。
【0463】
また、上記の広告の情報に基づいて減額された利用料金をユーザに負担させれば済むため、端末のユーザの経済的負担が軽減される。
【0464】
<第5変形例(4)>
第5実施例では、サーバ10の広告提案処理部112は、A3で設定した経由地候補に基づく運行ルートと、予約したユーザのユーザ区分IDとを用いて、第1の高度広告管理データベース156Aにおいて、広告情報テーブル上の対象ユーザ区分IDと、広告エリア該当フラグとに基づいて、広告単価の合計が最大となる、1以上の広告IDを含む集合を求めるとして説明したが、これに限定されない。例えば、広告提案処理部112は、広告IDの決定にあたり、自動運転レンタカーが運行する時間帯情報を用いることも可能である。
【0465】
図8-5に、高度広告管理データベース156の一例である第2の高度広告管理データベース156Bを例示する。
第2の高度広告管理データベース156Bでは、広告情報テーブルには、限定ではなく例として、対象ユーザ区分IDと、広告エリア該当フラグと、広告出力時間帯と、広告単価と、配信広告コンテンツIDとが関連付けて記憶される。ここで、対象ユーザ区分IDと、広告エリア該当フラグと、広告単価と、配信広告コンテンツIDとは、限定ではなく例として、第1の高度広告管理データベース156Aと同様とすることができる。
【0466】
広告出力時間帯は、車両システム50の広告提供処理部512が広告を出力する時間帯に応じて広告IDを決定するための条件である。
広告出力時間帯は、広告が車両で出力された時間帯である。これは、広告が表示装置に表示された状況の情報の一例である。
【0467】
この場合、
図8-5のデータ例では、例えば、対象ユーザ区分ID「S0001」のユーザが乗車した自動運転レンタカーが、「〇×トレーニングジム」に関する広告エリア内を経路として通過し、かつ、広告コンテンツデータ155で定められた広告情報を出力する場合、自動運転レンタカーが広告エリア内を通過する時刻が「7:00~17:00」ならば広告単価「600円」が、「17:00~21:00」ならば広告単価「1000円」が、「21:00~7:00」ならば広告単価「400円」が、それぞれ広告ID「A0001」の広告掲載料として積算される例が示されている。
【0468】
本変形例では、このように、同じ広告IDの広告であっても、広告が出力される時間帯によって、異なる広告単価が設定され得ることになる。
【0469】
また、
図8-5のデータ例では、「〇×トレーニングジム」の利用客数が最も多い夕方(例えば17時)から深夜前(例えば21時前)までの時間帯の広告単価が最も高く、利用客数が最も少ない深夜(例えば21時)から早朝(例えば7時)までの時間帯の広告単価が最も安く設定される。
【0470】
ここで、上記の各種の時間帯の始期の時刻および終期の時刻は、あくまでも一例に過ぎず、これに限定されない。例えば、深夜帯を「22時~翌日5時」までの時間帯とし、この深夜帯の時間帯において広告単価が最も安くなるように設定してもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0471】
これは、広告の情報に基づく広告が車両の表示装置に表示される時間帯(限定ではなく、時間に関する情報の一例)が深夜から早朝までの時間帯(限定ではなく、第1時間帯の一例)の場合、第1の広告単価(限定ではなく、第1価値の一例)が設定され、広告が車両の表示装置に表示される時間帯が夕方から深夜前までの時間帯(限定ではなく、第2時間帯の一例)の場合、第1の広告単価よりも高い第2の広告単価(限定ではなく、第1価値よりも大きい第2価値の一例)が設定されることを示している。また、深夜から早朝までの時間帯は、夕方から深夜前までの時間帯より夜遅い時間帯(夜深い時間帯、深夜帯の時間帯)を示している。
【0472】
また、限定ではなく例として、利用客数が夕方から深夜前までの時間帯よりは少なく、深夜から早朝までの時間帯よりは多い日中に関しては、広告単価はそれらの中間に設定される。
【0473】
なお、広告単価の設定や算出に当たって、自動運転レンタカーが広告エリア内を通過する時刻ではなく、端末20のユーザが予約アプリケーションを使用して予約を行う時刻を用いてもよい。もしくは、端末20のユーザが利用料金を決済する時刻を用いてもよい。
【0474】
また、広告出力時間帯は時刻と時刻との間に限定されない。限定ではなく例として、広告出力時間帯として、日付、曜日、月および年のうち少なくとも一つの情報(時間に関する情報)を単位として区切りを設定してもよいし、しなくてもよい。例えば、月曜日~金曜日までと、土曜日・日曜日とで割引額を変えるようにしてもよい。
【0475】
なお、時刻と、その他の時間単位の区切りとを組み合わせて広告出力時間帯を設定してもよいし、しなくてもよい。限定ではなく例として、時刻と曜日とを組み合わせて広告出力時間帯を設定してもよいし、しなくてもよい。例えば、居酒屋チェーンの広告では、広告効果が低い日曜日~木曜日までの深夜~早朝においては、広告単価を「0円」とすることで、広告提案処理部112で広告IDを明示的に選択しないように設定してもよいし、しなくてもよい。
【0476】
<第5変形例(4)の効果>
本変形例は、広告が車両の表示装置に表示された状況の情報は、広告が車両の表示装置に表示された時間帯の情報(限定ではなく、広告の情報に基づく広告が表示装置に表示される時間に関する情報の一例)を含む構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、広告が表示装置に表示された状況の情報は、広告の情報に基づく広告が表示装置に表示される時間に関する情報を含む。このため、端末のユーザは、広告の情報に基づく広告が乗り物の表示装置に表示される時間に関する情報に基づき料金設定される乗り物を利用することができる。
【0477】
また、本変形例は、広告が車両の表示装置に表示された時間帯が深夜から早朝までの時間帯(限定ではなく、第1時間帯の一例)の場合、広告単価として第1の広告単価(限定ではなく、第1価値の一例)が設定され、時間帯が夕方から深夜前までの時間帯(限定ではなく、第2時間帯の一例)の場合、第1の広告単価よりも高い第2の広告単価(限定ではなく、第1価値よりも大きい第2価値の一例)が設定される構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、広告の情報は、時間に関する情報が第1時間帯の場合、第1価値が設定され、時間に関する情報が第2時間帯の場合、第1価値よりも大きい第2価値が設定される。このため、端末のユーザは、時間に関する情報によって異なる価値が設定された広告を、乗り物で見ることができる。
【0478】
また、本変形例は、深夜から早朝までの時間帯は、夕方から深夜前までの時間帯より夜遅い時間帯(夜深い時間帯、深夜帯の時間帯)を含む構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、第1時間帯は、第2時間帯より夜遅い時間帯を含むため、上記の構成と相まって、夜遅い時間帯の方が、広告の情報の価値が小さくなるようにすることができる。
【0479】
また、本変形例は、日付、曜日、月および年のうち少なくとも一つの情報(時間に関する情報)に基づいて、広告の情報の価値が設定される構成を示している。
このような構成により得られる効果の一例として、端末のユーザは、日付、曜日、月および年のうち少なくとも一つの情報によって異なる価値が設定された広告を、乗り物で見ることができる。
【0480】
また、本変形例の構成により、例えば、端末のユーザは、第2表示によって、乗り物が移動する経路に関する第1経路情報と、乗り物が移動する経路に関する第2経路情報とを、自身の端末で確認することができる。
【0481】
また、本変形例の構成により、例えば、端末のユーザは、第1経路情報に基づく第1利用料金と、第2経路情報に基づく第2利用料金とを、自身の端末で確認することができる。
【0482】
また、本変形例の構成により、例えば、第1経路情報は、第2経路情報より、時間に関する情報に基づく広告の情報の価値が高い位置を含むため、より価値が高い広告を乗り物の表示装置に表示させることで、広告効果を高めることができる。また、第1経路情報に基づく第1利用料金は、第2経路情報に基づく第2利用料金より値段が安いため、広告効果の高い経路情報が選択されるほど、乗り物の利用料金を安くすることができ、ユーザの経済的負担が軽減される。
【0483】
また、本変形例の構成により、例えば、第1経路情報と、第2経路情報とは、同じ目的の位置に関する経路情報であるため、端末のユーザは、目的の位置は同じであるが異なる経路を選択することができる。また、第1経路情報は、第2経路情報より、目的の位置までの距離が長い、または目的の位置に乗り物が到着するまでの時間が長い。このため、上記の構成と相まって、端末のユーザは、目的の位置までの距離が長い、または目的の位置に乗り物が到着するまでの時間が長い経路の方が、利用料金の値段が安くなるという、一般的な乗り物の料金設定とは異なる思想に基づき料金設定される乗り物を利用することができる。
【0484】
<第5変形例(5)>
第5実施例では、広告が出力されたことによる利用料金割引額は、広告単価に一律の割引係数を乗算したものとしていたが、これに限定されない。例えば、自動運転レンタカーの降車地として可能性が高い広告を出力する広告IDにおいては、他の広告IDよりも割引係数を引き上げ、利用料金割引額を大きくすることも可能である。
【0485】
図8-6に、高度広告管理データベース156の一例である第3の高度広告管理データベース156Cを例示する。
第3の高度広告管理データベース156Cでは、広告情報テーブルには、限定ではなく例として、対象ユーザ区分IDと、広告エリア該当フラグと、車内広告出力フラグと、車外広告出力フラグと、広告出力時間帯と、広告単価と、割引係数と、配信広告コンテンツIDとが関連付けて記憶される。ここで、対象ユーザ区分IDと、広告エリア該当フラグと、広告出力時間帯と、広告単価と、配信広告コンテンツIDとは、限定ではなく例として、第2の高度広告管理データベース156Bと同様とすることができる。
【0486】
割引係数は、広告情報テーブル中で条件に当てはまる場合に適用される割引係数である。
この場合、
図4-6のデータ例では、例えば、対象ユーザ区分ID「S0001」のユーザが乗車した自動運転レンタカーが、「〇×ホテル」に関する広告エリア内を経路として通過し、かつ、広告コンテンツデータ155で定められた広告情報を出力する場合、自動運転レンタカーが広告エリア内を通過する時刻が「1:00~17:00」ならば広告単価「300円」が、「17:00~23:00」および「23:00~1:00」ならば広告単価「800円」が、それぞれ広告ID「A0001」の広告掲載料として積算される例が示されている。ただし、「17:00~23:00」ならば割引係数は「0.5」であり、「23:00~1:00」ならば割引係数は「0.8」である。
【0487】
すなわち、「17:00~23:00」および「23:00~1:00」において、広告単価は同じ「800円」であるが、「17:00~23:00」での利用料金割引額は「400円」であるのに対して、「23:00~1:00」での利用料金割引額は「640円」となる。
また、対象ユーザ区分ID「S0001」のユーザが乗車した自動運転レンタカーが、「〇×ホテル」に関する広告エリア内を経路として通過しない場合においては、割引係数は低く設定され、利用料金割引額も低くなる。
【0488】
図8-6のデータ例では、深夜帯のホテルは、自動運転レンタカーの経由地・降車地としての需要が期待されるため、広告単価は他の時間帯と同様であったとしても、利用料金割引額が大きくなるように割引係数が設定されている。
【0489】
逆に、限定ではなく例として、デパートなどの営業時間外には割引係数を低く設定し、利用料金割引額が小さくなるように設定してもよいし、しなくてもよい。
【0490】
なお、割引係数が変動する場合には、A6において、広告単価の合計が最大となるように広告IDを選ぶのではなく、広告単価にそれぞれの係数を乗算した利用料金割引額の合計が最大となるように広告IDの集合を求めてもよいし、そうでなくてもよい。
【0491】
<第5変形例(5)の効果>
本変形例により得られる効果の一例として、ユーザの需要等に応じて、適切な価格帯で乗り物をユーザに利用させることができる。
【0492】
<第5変形例(6)>
第5実施例では、サーバ10の広告提案処理部112は、車両システム50においてどの装置を用いて広告を出力するかに関わらず広告単価の算出を行っているが、これに限定されない。例えば、広告提案処理部112は、車両システム50あるいは端末20を用いてユーザに任意の広告出力先を選択させ、広告出力先に応じて広告単価を変動させることも可能である。
【0493】
図8-7に、高度広告管理データベース156の一例である第4の高度広告管理データベース156Dを例示する。
第3の高度広告管理データベース156Cでは、広告情報テーブルには、限定ではなく例として、対象ユーザ区分IDと、広告エリア該当フラグと、車内広告出力フラグと、車外広告出力フラグと、広告単価と、配信広告コンテンツIDとが関連付けて記憶される。ここで、対象ユーザ区分IDと、広告エリア該当フラグと、広告単価と、配信広告コンテンツIDとは、限定ではなく例として、第1の高度広告管理データベース156Aと同様とすることができる。
【0494】
車内広告出力フラグは、自動運転レンタカーの車両内に向けて、限定ではなく例として、車両システム50の表示部53Aとスピーカ53Cと車両環境調整部53Eとの任意の組み合わせで広告を出力するかという条件によって場合分けをするためのフラグである。
車外広告出力フラグは、自動運転レンタカーの車両外に向けて、限定ではなく例として、車両システム50の表示部53Aとスピーカ53Cとの任意の組み合わせで広告を出力するかという条件によって場合分けをするためのフラグである。
【0495】
この場合、
図8-5のデータ例では、例えば、対象ユーザ区分ID「S0001」のユーザが乗車した自動運転レンタカーが、「〇×トレーニングジム」に関する広告エリア内を経路として通過し、かつ、広告コンテンツデータ155で定められた広告情報を出力する場合、車内のみに広告を出力する場合には、
図3-4で示すようにコンテンツID「C0001」で定められる動画像が車内表示部に表示され、広告単価は「300円」となる。対して、車外のみに広告を出力する場合には、コンテンツID「C0002」で定められる音響が車外スピーカによって出力され、広告単価は「600円」となる。また、車内・車外両方に広告を出力する場合には、広告単価は「1000円」となる。
【0496】
すなわち、このデータ例によれば、広告主が車内と車外とのどちらに対して広告を出力させたいのかによって、広告単価を変更することができる。
【0497】
なお、広告の出力先は、広告IDごとに選択させてもよいし、そうでなくてもよい。
【0498】
<第5変形例(6)の効果>
本変形例により得られる効果の一例として、乗り物を利用するユーザばかりでなく、通行人等の外部の人に対しても、広告による宣伝を行うことができる。また、乗り物を利用するユーザの選択によって、外部の人への広告による宣伝を行ったような場合は、そのユーザの利用料金を減額する。このため、乗り物を利用するユーザ、広告主、サーバ10を運用する事業者の全てに得となる。
【0499】
<第5変形例(7)>
第5実施例では、広告が出力されたことによる広告単価は、広告IDごとに決定していたが、これに限定されない。例えば、高度広告管理データベース156において、高度広告管理データにおける広告の密度が高い地域(以下、「広告高密度地域」と称する。)に対応する広告エリアについて、限定ではなく例として、車両に乗車するユーザに基づいて、広告単価(広告の価値)を異ならせるようにしてもよい。
【0500】
広告高密度地域では、様々な種類の広告を車両の出力装置に出力させることが可能であるが、それらの広告のうちのどの広告が需要の高い広告であるか(価値が高い広告であるか)は、人(ユーザ)によって異なると考えられる。
【0501】
具体的には、例えば、男性のユーザにとっては、スポーツ、雑誌・漫画、ゲームといった種類の広告が、需要の高い広告である場合が多く、女性のユーザにとっては、グルメ、ファッション、コスメといった種類の広告が、需要の高い広告である場合が多い。また、性別に限らず、年齢、居住地、国籍、職業、既婚/未婚といったユーザの属性の相違によっても、広告の需要は異なると考えられる。
【0502】
そこで、乗車するユーザの属性情報に基づいて、そのユーザにとって需要が高いと考えられる広告の種類を判定する。そして、判定した種類の広告については、広告情報テーブルに記憶されている広告単価に、一定額を増額するようにするなどすることができる。
【0503】
<第5変形例(7)の効果>
本変形例により得られる効果の一例として、広告が密な場所について、乗り物に乗る端末のユーザの情報に基づいて広告の価値が設定される。このため、乗り物に乗る端末のユーザの需要に応じて広告の価値が適切に設定された広告が表示される乗り物を利用させることができる。
【0504】
<第5変形例(8)>
また、上記の広告高密度地域と、これとは逆の広告の密度が低い地域(以下、「広告低密度地域」と称する。)とで、車両に出力させる広告を異ならせたり、広告単価を異ならせたりすることも可能である。
【0505】
広告高密度地域では、広告低密度地域と比べて、広告を出すことが可能な店舗や施設が集中している。このため、限定ではなく例として、広告情報テーブルに記憶されている広告単価に一定額を増額するようにしてもよいし、しなくてもよい。
【0506】
逆に、広告低密度地域では、広告高密度地域と比べて、広告を出すことが可能な店舗や施設が分散している。このため、限定ではなく例として、広告情報テーブルに記憶されている広告単価から一定額を減額するようにしてもよいし、しなくてもよい。
【0507】
この場合、広告提案処理部112において、目的地までの運行ルートとして、走行距離が長い、または、所要時間が長くなるが、広告高密度地域を通過する運行ルートを選択する場合と、走行距離が短い、または、所要時間が短くなるが、広告低密度地域を通過する運行ルートを選択する場合とを比較する。
【0508】
広告高密度地域を通過する運行ルートでは、広告単価の積算額が広告低密度地域を通過する運行ルートに比べて高くなるため、自動運転レンタカーの利用料金割引額が大きくなる。すなわち、広告高密度地域を通過する運行ルートに比べて、広告高密度地域を通過する運行ルートでは、利用料金を安く設定することが可能である。
【0509】
なお、上記の構成に、第5変形例(4)で説明したような時間帯情報を追加で適用してもよいし、しなくてもよい。
【0510】
<第5変形例(8)の効果>
本変形例により得られる効果の一例として、広告の情報は、表示装置を備える乗り物が移動する場所における広告の密度に基づき、広告の情報の価値が設定される。このため、端末のユーザは、広告の密度によって異なる価値が設定された広告を、乗り物で見ることができる。
【0511】
<第6実施例>
第3実施例から第5実施例では、通信システム1Bの構成として、限定ではなく例として、ネットワーク30を介して、サーバ10と、端末20(端末20A,端末20B,端末20C,・・・)と、決済管理サーバ40と、車両システム50(車両システム50a,車両システム50b,車両システム50c,・・・)とが接続されることとしたが、これに限定されない。
【0512】
第6実施例では、上記の例以外に、限定ではなく例として、3種類のシステム構成を例示する。
第6実施例に記載の内容は、他の各実施例のいずれにも適用可能である。
また、既出の構成要素と同一の構成要素については同一の符号を付して、再度の説明を省略する。
【0513】
[システム構成A]
システム構成Aでは、限定ではなく例として、ネットワーク30を介して車両システム50と、端末20と、決済管理サーバ40とが接続される。
システム構成Aは、サーバ10の機能を車両システム50と統合することで実現される。すなわち、制御部11の機能を制御部51に、記憶部15の機能を記憶部55に、入出力部12の機能を入出力部52に、表示部13の機能を表示部53Aに、通信I/F14の機能を通信I/F54に移せばよい。
【0514】
この場合は、限定ではなく例として、第3実施例から第5実施例、第3変形例(1)から第3変形例(2)、第4変形例(1)から第4変形例(5)、第5変形例(1)から第5変形例(8)における各機能構成、各データ構成、フローチャートで例示した各処理等を同様に用いることができる。
【0515】
[システム構成B]
システム構成Bでは、限定ではなく例として、ネットワーク30を介して、サーバ10と、決済管理サーバ40と、車両システム50とが接続される。
システム構成Bは、端末20の機能を車両システム50と統合することで実現される。すなわち、制御部21の機能を制御部51に、記憶部28の機能を記憶部55に、入出力部23の機能を入出力部52に、表示部24の機能を表示部53Aに、通信I/F22の機能を通信I/F54に、マイク25の機能をマイク53Bに、スピーカ26の機能をスピーカ53Cに、カメラ27の機能をカメラ53Dに、位置算出用情報検出部29の機能を位置算出用情報検出部58に移せばよい。
【0516】
端末20で行っていた、予約アプリケーションによる自動運転レンタカーの予約は、限定ではなく例として、街頭に設置されているキオスク端末(情報処理端末)から行ってもよいし、そうでなくてもよい。また、走行中の乗客を乗せていない自動運転レンタカーが、限定ではなく例として、車両システム50のカメラ53Dを用いて、手を挙げて道路沿いに立っている人間を利用客と認識し、車両を停止させてもよいし、そうでなくてもよい。
【0517】
端末20の入出力部23で行っていた、広告を表示させるかをユーザに判断させるB5の処理や、経由地候補を表示し、現在の経由地候補に同意するかをユーザに判断させるB13の処理は、車両システム50の入出力部23を用いて同様に実現することができる。
【0518】
利用料金の決済においては、車両システム50で決済用コードを受信するC27の処理の後、車両システム50のコードリーダ56Aを用いて、限定ではなく例として、サーバ型電子マネーを用いて決済を行ってもよいし、カードリーダ56Bを用いて、限定ではなく例として、クレジットカードを使用して決済を行ってもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0519】
その他は、第3実施例から第5実施例、第3変形例(1)から第3変形例(2)、第4変形例(1)から第4変形例(5)、第5変形例(1)から第5変形例(8)における各機能構成、各データ構成、フローチャートで例示した各処理等を同様に用いることができる。
【0520】
[システム構成C]
システム構成Cでは、限定ではなく例として、ネットワーク30を介して、決済管理サーバ40と、車両システム50とが接続される。
システム構成Cは、システム構成Bにおけるサーバ10の機能を、車両システム50と統合することで実現される。すなわち、制御部11の機能を制御部51に、記憶部15の機能を記憶部55に、入出力部12の機能を入出力部52に、表示部13の機能を表示部53Aに、通信I/F14の機能を通信I/F54に移せばよい。
【0521】
この場合も、第3実施例から第5実施例、第3変形例(1)から第3変形例(2)、第4変形例(1)から第4変形例(5)、第5変形例(1)から第5変形例(8)における各機能構成、各データ構成、フローチャートで例示した各処理等を同様に用いることができる。
【0522】
なお、第1実施例から第2実施例では、通信システム1Aの構成として、限定ではなく例として、ネットワーク30を介して、サーバ10と、端末20(端末20A,端末20B,端末20C,・・・)と、車両表示装置90(車両表示装置90a,車両表示装置90b,車両表示装置90c,・・・)とが接続されることとしたが、これについても同様であり、この構成に限定されない。つまり、上記の通信システム1Bと同様に、サーバ10の機能を車両システム50と統合したシステムを構成してもよいし、そのようにしなくてもよい。
【0523】
この場合は、第1実施例から第2実施例、第1変形例(1)から第1変形例(2)における各機能構成、各データ構成、フローチャートで例示した各処理等を同様に用いることができる。
【0524】
<第6実施例の効果>
本実施例により得られる効果の一例として、端末のユーザは、乗り物の利用料金に関する情報を、その乗り物に備わる電子装置から自身の端末で取得することができる。
【0525】
また、端末のユーザは、乗り物の利用料金に関する情報を、乗り物に備わる電子装置であって広告が表示される表示装置を含む電子装置から自身の端末で取得することができる。
【0526】
また、乗り物に備えられる、広告を表示する表示装置は、自装置に表示される広告の情報と、広告が自装置に表示された状況の情報とに基づく乗り物の利用料金に関する情報を自装置の制御部によって取得する。そして、取得した利用料金に関する情報に基づく第1表示を自装置の表示領域に表示するため、乗り物の利用料金に関する情報を、その乗り物の利用者(乗り物に乗るユーザ)に報知することができる。
【0527】
また、乗り物に備わる表示装置は、広告を表示部に表示する。そして、その表示部に表示された広告に基づく乗り物の利用料金に関する情報を表示部に表示するため、乗り物の利用料金に関する情報を、その乗り物の利用者(乗り物に乗るユーザ)に報知することができる。
【0528】
<その他>
端末20のユーザが予約アプリケーションを用いて自動運転レンタカーの予約を行った後、車両側で、端末20のユーザが自動運転レンタカーに乗車したか否かの検知を行う方法の一例について説明する。
【0529】
まず、B1において、端末20の予約アプリケーション処理部212は、予約情報を通信I/F22によって予約サーバに送信する。すると、予約サーバは、予約情報に基づいて、乗車確認用コードを生成し、車両システム50に送信する。車両システム50を搭載する自動運転レンタカーが、端末20の予約アプリケーションによって指定された乗車地に到着すると、車両システム50の広告提供処理部512は、表示部53Aに、乗車確認用コードを表示させる。
【0530】
端末20の予約アプリケーション処理部212は、カメラ27を用いて乗車確認用コードを読み取ると、通信I/F22によって予約サーバに乗車確認情報を送信する。
予約サーバは、端末20から乗車確認情報を受信すると、車両システム50に乗車確認情報を送信する。
【0531】
車両システム50の広告提供処理部512は、予約サーバから乗車確認情報を受信すると、端末20のユーザが車両に乗車したことを検知する。
【0532】
なお、上記の例では、予約サーバは、乗車確認用コードを車両システム50に送信するが、端末20に送信してもよい。
【0533】
この場合、端末20の予約アプリケーション処理部212は、表示部24に乗車確認用コードを表示させ、車両システム50の広告提供処理部512が、コードリーダ56Aを用いて乗車確認用コードを読み取ることで、端末20のユーザが車両に乗車したことを検知する。
【0534】
なお、車両システム50のカメラ53Dを用いて車内の画像情報から端末20のユーザが車両に乗車したことを検知してもよいし、しなくてもよい。
【符号の説明】
【0535】
1 通信システム
10 サーバ
20 端末
30 ネットワーク
40 決済管理サーバ
50 車両システム
60 自動運転装置
90 車両表示装置