(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-12
(45)【発行日】2023-05-22
(54)【発明の名称】圧延後に金属ストリップを焼き入れするためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
C22F 1/04 20060101AFI20230515BHJP
B21B 45/02 20060101ALI20230515BHJP
B21C 51/00 20060101ALI20230515BHJP
B21B 38/00 20060101ALI20230515BHJP
B21B 38/02 20060101ALI20230515BHJP
C21D 9/573 20060101ALI20230515BHJP
C22F 1/05 20060101ALI20230515BHJP
C21D 1/00 20060101ALI20230515BHJP
C22F 1/00 20060101ALN20230515BHJP
【FI】
C22F1/04 M
B21B45/02 320S
B21B45/02 320V
B21C51/00 E
B21C51/00 L
B21B38/00 C
B21B38/02
C21D9/573 101Z
C22F1/05
C21D1/00 120
C22F1/00 683
C22F1/00 694B
C22F1/00 685A
C22F1/00 685Z
C22F1/00 623
C22F1/00 692A
(21)【出願番号】P 2020568706
(86)(22)【出願日】2019-06-13
(86)【国際出願番号】 US2019036962
(87)【国際公開番号】W WO2019241514
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2020-12-10
(32)【優先日】2018-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】506110243
【氏名又は名称】ノベリス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド・アンソニー・ゲーンズバウアー
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ジェイムズ・ホッビス
【審査官】川村 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-179825(JP,A)
【文献】特表2013-540896(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107287397(CN,A)
【文献】特開2017-115200(JP,A)
【文献】特開昭64-068427(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C22F 1/00- 1/18
C21D 1/00-11/00
B21B 45/02
B21C 51/00
B21B 38/00
B21B 38/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属下地を加工するためのシステムであって、
焼き入れシステムであって、
前記金属下地の上面に冷却剤を散布するように構成された上部ノズルと、
前記金属下地の底面に前記冷却剤を散布するように構成された下部ノズルと
を備え、
前記上部ノズルが、前記金属下地のストリップ温度が初期温度から、前記初期温度より低い中間温度に下がるまで前記冷却剤を散布し、前記ストリップ温度が前記中間温度に達するときに前記冷却剤の散布を停止するように構成され、
前記下部ノズルが、前記金属下地の前記ストリップ温度が前記初期温度から、前記初期温度より低く、前記中間温度より低いターゲット温度に下がるまで前記冷却剤を散布するように構成される
前記焼入れシステ
ム
を備
え、
前記中間温度が120℃~180℃であり、前記ターゲット温度が60℃~120℃であり、前記初期温度が180℃より高い、前記システム。
【請求項2】
前記焼き入れシステムが複数の上部ノズル及び複数の下部ノズルを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記焼き入れシステムが、前記金属下地の幅の未選択部分より多く前記金属下地の前記幅の選択部分を冷却するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記選択部分が前記金属下地の端縁であり、前記未選択部分が前記金属下地の非端縁部分である、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記焼き入れシステムから所定の距離下流に位置する平坦度測定装置をさらに備え、前記所定の距離が前記ストリップ温度が平衡するために十分な距離であり、前記平坦度測定装置が、
前記金属下地の幅にわたって前記金属下地の平坦度プロファイルを測定し、
平坦度信号の中の前記測定された平坦度プロファイルを出力する
ように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記平坦度測定装置から前記平坦度信号を受信し、
前記測定された平坦度プロファイルを所定の平坦度プロファイルと比較し、
前記測定された平坦度プロファイルが前記所定の平坦度プロファイルと一致するように前記焼き入れシステムを制御する
ように構成されたコントローラをさらに備える、請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
金属下地を加工する方法であって、
前記金属下地のストリップ温度が初期温度から中間温度に下がるように、焼き入れシステムを用いて前記金属下地の上面及び底面を冷却することと、
前記ストリップ温度が前記中間温度であるときに前記上面の前記冷却を停止することと、
前記金属下地の前記ストリップ温度が前記中間温度からターゲット温度に下がるまで、前記焼き入れシステムを用いて前記金属下地の前記底面の前記冷却を続けることと
を含
み、
前記中間温度が120℃~180℃であり、前記ターゲット温度が60℃~120℃である、前記方法。
【請求項8】
前記焼き入れシステムが少なくとも1つの上部ノズル及び少なくとも1つの下部ノズルを備え、前記金属下地の前記上面を冷却することが、前記少なくとも1つの上部ノズルを用いて前記上面に冷却剤を散布することを含み、前記金属下地の前記底面を冷却することが、前記少なくとも1つの下部ノズルを用いて前記底面に前記冷却剤を散布することを含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記上面を冷却することが、前記金属下地の幅の未選択部分より多く前記金属下地の前記幅の選択部分を冷却することを含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項10】
前記底面を冷却することが、前記金属下地の幅の未選択部分より多く前記金属下地の前記幅の選択部分を冷却することを含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
平坦度測定装置を用いて前記金属下地の幅にわたって前記金属下地の平坦度プロファイルを測定することであって、前記平坦度測定装置が前記焼き入れシステムから所定の距離下流に配置される、前記測定することと、
前記ストリップ温度の温度プロファイルが等しくなるように、前記所定の距離にわたって前記金属下地を通過させることと、
前記測定された平坦度プロファイルに基づいて前記焼き入れシステムの少なくとも1つの態様を制御することと
をさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項12】
前記焼き入れシステムの前記少なくとも1つの態様を制御することが、
コントローラで前記測定された平坦度プロファイルを含む平坦度信号を受信することと、
前記測定された平坦度プロファイルを所定の平坦度プロファイルと比較することと、
前記測定された平坦度プロファイルが前記所定の平坦度プロファイルと一致するように前記焼き入れシステムの前記少なくとも1つの態様を制御することと
を含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
金属下地を加工するためのシステムであって、
第1の焼き入れ構成及び第2の焼き入れ構成で前記金属下地の上で冷却剤を選択的に散布するように構成された焼き入れシステムであって、前記焼き入れシステムが、前記第1の焼き入れ構成で前記金属下地の上面及び底面を冷却し、前記焼き入れシステムが、前記第2の焼き入れ構成で前記金属下地の前記底面だけを冷却する、前記焼き入れシステムと、
前記金属下地のストリップ温度を検出するように構成されたセンサと
を備え、
前記ストリップ温度が少なくとも中間温度であるときに前記焼き入れシステムが前記第1の焼き入れ構成にあり、
前記ストリップ温度が前記中間温度から、前記中間温度より低いターゲット温度に下がるときに前記焼き入れシステムが前記第2の焼き入れ構成にあ
り、
前記中間温度が120℃~180℃であり、前記ターゲット温度が60℃~120℃である、前記システム。
【請求項14】
前記焼き入れシステムが、前記金属下地の前記上面に前記冷却剤を散布するように構成された複数の上部ノズル、及び前記金属下地の前記底面に前記冷却剤を散布するように構成された複数の下部ノズルを備える、請求項
13に記載のシステム。
【請求項15】
前記焼き入れシステムが、前記金属下地の幅の未選択部分より多く前記金属下地の前記幅の選択部分を冷却するようにさらに構成される、請求項
13に記載のシステム。
【請求項16】
前記焼き入れシステムが、圧延機のワークスタンドから下流にある、請求項
13に記載のシステム。
【請求項17】
前記金属下地の幅にわたって前記金属下地の平坦度プロファイルを測定するように構成された平坦度測定装置をさらに備える、請求項
13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年6月13日に出願の「SYSTEMS AND METHODS FOR QUENCHING A METAL STRIP AFTER ROLLING」と題する米国仮出願第62/684,428号の利益を請求し、その内容は全体を参照により本願明細書に援用する。
【0002】
発明の分野
本出願は金属加工に関し、より詳しくは、圧延後に金属ストリップを焼き入れるためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
金属加工中、圧延は、(原料シートまたはアルミニウムのストリップ、アルミニウム合金、または多様な他の金属などの)金属下地を、一対のワークロールに通すことによって金属下地の厚さを減らすために使用され得る。最終的な金属製品の所望の特性に応じて、金属素材は、熱間圧延、冷間圧延、及び/または温間圧延することができる。熱間圧延とは、一般に、金属の温度が金属の再結晶温度を超える圧延プロセスを指す。冷間圧延とは、一般に、金属の温度が金属の再結晶温度より低い圧延プロセスを指す。温間圧延とは、一般に、金属の温度が再結晶温度より低いが、冷間圧延中の温度よりも高い圧延プロセスを指す。しかしながら、圧延後の金属の特性(例えば、特に強度、成形性、耐食性、及び/または低重量)は、いくつかの用途(例えば、特に自動車用途、輸送用途、工業用途、及び/または電子機器関連の用途)には不十分である場合がある。したがって、金属下地の追加の金属加工が必要とされる。
【発明の概要】
【0004】
この特許において使われる用語「発明(invention)」、「本発明(the invention)」、「この発明(this invention)」及び「本発明(the present invention)」は、広くこの特許及び下記の特許請求項の主題の全てを指すことを意図している。これらの用語を含んでいる文は、本明細書において記載されている主題を限定もせず、または下記の特許請求項の意味もしくは範囲を限定することもないということが理解されなければならない。本特許によってカバーされる本発明の実施形態は、この概要ではなく、下記の請求項によって定義される。本概要は、本発明の様々な実施形態の高レベルの概要であり、下記の、発明を実施するための形態のセクションにさらに説明されている概念のいくつかを導入する。本概要は、請求する主題の重要な特徴あるいは本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、また請求する主題の範囲を定めるために、単独で使用することを意図するものでもない。主題は、この特許の明細書全体、一部または全部の図面及び各請求項の適切な部分を参照することで理解されなければならない。
【0005】
ある特定の実施例によれば、圧延金属下地を含むが、これに限定されるものではない金属下地を加工するためのシステムは、焼き入れシステムを含む。いくつかの実施例において、焼き入れシステムは、圧延金属下地の上面に冷却剤を散布するように構成された上部ノズルを含む。様々な場合では、焼き入れシステムは、圧延金属下地の底面に冷却剤を散布するように構成された下部ノズルを含む。様々な実施例によれば、上部ノズルは、圧延金属下地のストリップ温度が初期温度から、初期温度より低い中間温度に下がるまで冷却剤を散布するように構成される。特定の場合では、下部ノズルは、圧延金属下地のストリップ温度が初期温度から、初期温度より低く、中間温度より低いターゲット温度に下がるまで冷却剤を散布するように構成される。
【0006】
様々な実施例によれば、圧延金属下地を加工する方法は、圧延金属下地のストリップ温度が初期温度から中間温度に下がるように、焼き入れシステムを用いて圧延金属下地の上面及び底面を冷却することを含む。特定の場合では、方法は、ストリップ温度が中間温度であるときに上面の冷却を停止することを含む。いくつかの実施例において、方法は、圧延金属下地のストリップ温度が中間温度からターゲット温度に下がるように、焼き入れシステムを用いて圧延金属下地の底面の冷却を続けることを含む。
【0007】
ある特定の実施例によれば、圧延金属下地を加工するためのシステムは、第1の焼き入れ構成及び第2の焼き入れ構成で金属下地上で冷却剤を選択的に散布するように構成された焼き入れシステムを含む。いくつかの態様において、焼き入れシステムは第1の焼き入れ構成で金属下地の上面及び底面を冷却し、第2の焼き入れ構成で金属下地の底面だけを冷却する。特定の場合では、システムは、金属下地のストリップ温度を検出するように構成されたセンサを含む。様々な態様において、焼き入れシステムは、ストリップ温度が少なくとも中間温度にあるときに第1の焼き入れ構成にあり、焼き入れシステムは、ストリップ温度が中間温度から、中間温度より低いターゲット温度に下がるときに第2の焼き入れ構成にある。
【0008】
様々な実施例によれば、圧延金属下地を加工する方法は、圧延金属下地のストリップ温度を検出すること、ストリップ温度が少なくとも中間温度であるときに、焼き入れシステムを用いて圧延金属下地の上面及び底面を冷却すること、ならびにストリップ温度が中間温度から、中間温度より低いターゲット温度に下がるときに、焼き入れシステムを用いて圧延金属下地の底面だけを冷却することを含む。
【0009】
いくつかの実施例によれば、圧延金属下地を加工するためのシステムは、焼き入れシステムを含む。様々な場合では、焼き入れシステムは、圧延金属下地の上面に冷却剤を散布するように構成された少なくとも1つの上部ノズル、及び圧延金属下地の底面に冷却剤を散布するように構成された少なくとも2つの下部ノズルを含む。いくつかの態様において、焼き入れシステムは、少なくとも1つの上部ノズル、及び少なくとも2つの下部ノズルのうちの第1の下部ノズルを含む第1の焼き入れゾーンを含む。様々な実施例において、焼き入れシステムは、第1の焼き入れゾーンから下流にあり、少なくとも2つの下部ノズルの第2の下部ノズルを含む第2の焼き入れゾーンを含む。
【0010】
本開示に記載される様々な実施態様は追加のシステム、方法、特徴及び利点を含むことができ、それは本明細書において必ずしも明示的に開示されることができるというわけではないが、以下の詳細な説明及び添付の図面を考察すれば当業者にとって明らかとなるであろう。全てのそのようなシステム、方法、特徴及び利点が本開示の範囲の中に含まれて、添付の請求の範囲によって保護されることが意図されている。
【0011】
以下の図の特徴及び構成要素は、本開示の一般的原理を強調するために例示される。図の全体にわたる対応する特徴及び構成要素は、整合性及び明快さのために参照文字を一致させることによって指定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の態様に従って圧延金属下地を焼き入れるためのシステムの概略図である。
【
図5】本開示の態様に従って圧延金属下地を焼き入れるためのシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施例の主題は法令の要件を満たす具体性をもって本明細書で記載されているが、この記述が必ずしも請求項の範囲を限定することを意図しているわけではない。請求される主題は、他の方法で実施されてもよく、異なる要素またはステップを含んでもよく、そして他の既存または将来の技術とともに使用されてもよい。個々のステップの順序または要素の配置が明示的に記載されている場合を除き、本記述は様々なステップまたは要素の中の、または、それらの間の、いかなる特定の順序または配置も意味すると解釈されるべきではない。
【0014】
開示されているのは、圧延後に金属下地を焼き入れるためのシステム及び方法である。本開示の態様及び特徴は、いかなる適切な金属下地によっても用いることができ、特にアルミニウムまたはアルミニウム合金で有用であり得る。具体的には、1xxxシリーズ、2xxxシリーズ、3xxxシリーズ、4xxxシリーズ、5xxxシリーズ、6xxxシリーズ、7xxxシリーズまたは8xxxシリーズのアルミニウム合金などの合金に望ましい結果を達成することができる。アルミニウム及びその合金を命名及び識別する際に最も一般的に用いられている番号指定システムの理解のためには、「International Alloy Designations and Chemical Composition Limits for Wrought Aluminum and Wrought Aluminum Alloys」または「Registration Record of Aluminum Association Alloy Designations and Chemical Compositions Limits for Aluminum Alloys in the Form of Castings and Ingot」(両方ともアルミニウム協会によって発行されている)を参照されたい。
【0015】
いくつかの場合では、本明細書に開示されるシステム及び方法は、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム系材料、チタン、チタン系材料、銅、銅系材料、鋼、鋼系材料、青銅、青銅系材料、黄銅、黄銅系材料、複合材料の中で使用されるシート、もしくは任意の他の金属を含む非鉄材料、非金属、または材料の組合せで使用され得る。品目は、ロールボンディング材料、クラッド材、複合材料(であるが、炭素繊維を含有する材料に限定されない)、または様々な他の材料などの非モノリシック材料だけではなく、モノリシック材料も含み得る。1つの非限定的な実施例において、システム及び方法は、アルミニウム金属ストリップ、スラブ、圧延金属(shates)、プレートなどの金属製品、または鉄を含有するアルミニウム合金を含むアルミニウム合金から作られた他の品物で使用できる。
【0016】
本開示の態様及び特徴は、金属加工中に、初期温度からターゲット温度に金属下地を急速に焼き入れるために使用できる。また、本開示の態様及び特徴は、金属下地の平坦度を制御するために使用することもできる。いくつかの実施例において、本開示の態様及び特徴は、金属下地の熱間圧延後などの金属下地の圧延の後に金属下地を急速に焼き入れるために使用できる。金属下地がアルミニウムまたはアルミニウム合金を含むいくつかの非限定的な実施例において、金属下地の急速な焼き入れは要素を閉じ込めて、特性が改善された(例えば、強度の改善、高い耐食性、高い成形性など)アルミニウム合金完成品を作り出し得る。1つの非限定的な実施例として、本開示の態様及び特徴は、熱間圧延後に、6xxxシリーズのアルミニウム合金を、マグネシウム(Mg)、ケイ素(Si)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)などの溶質、及び/または様々な他の溶質を用いて急速に焼き入れるために使用され得る。
【0017】
圧延金属下地102を急速に焼き入れるための焼き入れシステム124の実施例が、
図1~
図4に示される。いくつかの実施例において、金属下地102は、焼き入れシステム124から上流で金属加工システム100によって加工される。1つの非限定的な実施例として、金属下地102は、焼き入れシステム124から上流で圧延機126によって圧延されてよい。加工後、金属下地102は、次いで焼き入れシステム124を通過し、焼き入れシステム124は、金属下地102の上で冷却剤を散布して金属下地102を焼き入れ、金属下地102の温度を下げる。焼き入れシステム124を通過後、金属下地102は、金属下地102の平坦度プロファイルを測定する平坦度測定装置110を通過する。いくつかの任意選択の実施例において、平坦度測定装置110は、制御システム114に平坦度信号132を提供する。制御システム114は、平坦度信号132に基づいて、焼き入れシステム124に焼き入れ調整信号134を提供して、冷却剤の塗布を制御し、必要に応じて調整してよい。さらにまたは代わりに、制御システム114は、圧延機126に圧延調整信号136を提供して、金属下地102の圧延を制御し、必要に応じて調整してよい。
【0018】
上述のように、いくつかの実施例において、焼き入れシステム124は、金属下地102を最終製品に加工するための様々な設備を含む金属加工システム100を具備してよい。
図1~
図3に示すように、いくつかの実施例において、金属加工システム100は、圧延機126の少なくとも1つのワークスタンド116を含む。いくつかの実施例において、圧延機126は、2つのワークスタンド116、3つのワークスタンド116、4つワークスタンド116、または任意の他の所望の数のワークスタンド116などの複数のワークスタンド116を含む。ワークスタンド116は、垂直に整列配置されている一対のワークロール118A~Bを含む。いくつかの実施例において、ワークスタンド116は、ワークロール118A~Bを支持するバックアップロール120A~Bも含む。様々な実施例において、ワークスタンド116は中間ロールも含む。ワークロール118A~Bの間にロールギャップ128が画定される。
【0019】
加工中、金属下地102は、加工方向130で移動し、ワークロール118A~Bが金属下地102の厚さを所望厚に減らし、金属下地102に特定の特性を与えるように、ロールギャップ128を通過する。与えられた特定の特性は、金属下地102の組成に依存していてよい。いくつかの実施例において、圧延機126は、金属下地102の温度が金属下地102の再結晶温度を超えるときに金属下地102を圧延するように構成される熱間圧延機であってよい。いくつかの非限定的な実施例において、圧延機126が熱間圧延機であるとき、金属下地102の熱間圧延は、約250℃~約500℃(例えば、約300℃~約400℃、約350℃~約500℃など)の温度で実行されてよい。他の実施例において、圧延機126は、金属下地102の温度が金属下地102の再結晶温度より低いときに金属下地102を圧延するように構成される冷間圧延機であってよい。様々な他の実施例において、圧延機126は、金属下地102の温度が再結晶温度より低いが、冷間圧延中の温度を超えるときに金属下地102を圧延するように構成される温間圧延機であってよい。
【0020】
いくつかの実施例において、焼き入れシステム124は圧延機126(または他の加工設備)から下流に設けられて、圧延(または他の加工)後に金属下地102を焼き入れる。
図1~
図4に示すように、焼き入れシステム124は、金属下地102の上面106の上で冷却剤を散布するための少なくとも1つの上部ノズル104Aを含む。本実施例において、焼き入れシステム124は4つの上部ノズル104Aを含む。しかしながら、様々な他の実施例において、1つの上部ノズル104A、2つの上部ノズル104A、3つの上部ノズル104A、5つの上部ノズル104A、または5つ以上の上部ノズル104Aなどの任意の数の上部ノズル104Aが設けられてよい。冷却剤は、所望の冷却を生じさせるために、金属下地102から熱を十分に取り除くことができる任意の適切な冷却剤または冷却媒体であってよい。例えば、冷却剤は、水、水を含有する乳剤、水を含有する機械的分散液(dispersion)、低沸点流体、油、または様々な他の適切な冷却剤であってよい。
【0021】
焼き入れシステム124は、金属下地102の底面108の上で冷却剤を散布するための少なくとも1つの下部ノズル104Bも含む。本例では、焼き入れシステム124は、4つの下部ノズル104Bを含む。しかしながら、様々な他の実施例において、1つの下部ノズル104B、2つの下部ノズル104B、3つの下部ノズル104B、5つの下部ノズル104B、または5つ以上の下部ノズル104Bなどの任意の数の下部ノズル104Bが設けられてよい。いくつかの実施例において、下部ノズル104Bの数は、上部ノズル104Aの数と同じであるが、そうである必要はない。例えば、他の場合では、焼き入れシステム124は、上部ノズル104Aの数に比較して追加のまたはより少ない下部ノズル104Bを含む場合がある(例えば、
図5を参照)。
【0022】
様々な実施例において、上部ノズル104A及び下部ノズル104Bは、金属下地102のストリップ温度が初期温度からターゲット温度に下がるように、金属下地102を冷却するために選択的に制御可能である。初期温度とは、金属下地102が焼き入れシステム124によって受け取られるときのストリップ温度である。いくつかの実施例において、初期温度は、熱間圧延、温間圧延、または冷間圧延の後の金属下地102のストリップ温度である。ある特定の非限定的な実施例において、初期温度は、約200℃より高いなど、約180℃より高い場合があるが、そうである必要はない。いくつかの実施例において、初期温度は金属下地102の中身に依存する。ターゲット温度とは、焼き入れ後の金属下地102の所望ストリップ温度である。特定の実施例において、ターゲット温度は、金属下地102の追加の加工または所望の特性のためのストリップ温度要件に依存する場合がある。いくつかの非限定的な実施例において、ターゲット温度は、約60℃~約120℃であってよいが、初期温度より低い様々な他の温度が使用されてもよい。
【0023】
様々な実施例によれば、上部ノズル104Aと下部ノズル104Bの両方とも冷却剤を散布して初期温度から中間温度にストリップ温度を下げるように、上部ノズル104A及び下部ノズル104Bは選択的に制御可能である。様々な実施例において、中間温度は初期温度より低く、ターゲット温度より高い。いくつかの非限定的な実施例において、中間温度は約120℃~約180℃であってよい。特定の実施例において、ストリップ温度が中間温度に達する(したがって、金属下地102の冷却を停止する)ときに上部ノズル104Aが冷却剤の散布を停止するように、上部ノズル104A及び下部ノズル104Bは選択的に制御可能である。一方、下部ノズル104Bは、ストリップ温度が中間温度からターゲット温度に下がるように冷却剤の散布を続ける。様々な実施例において、上部ノズル104A及び下部ノズル104Bが作動した状態の焼き入れシステム124の部分が、第1の焼き入れゾーン140を画定し、下部ノズル104Bだけが作動した状態の焼き入れシステム124の部分が、第2の焼き入れゾーン142を画定する。
【0024】
様々な実施例において、上部ノズル104Aと下部ノズル104Bの両方とも冷却剤を散布して初期温度から中間温度にストリップ温度を下げるように、上部ノズル104A及び下部ノズル104Bは選択的に制御可能である。特定の実施例において、ストリップ温度が中間温度に達する(したがって、金属下地102の冷却を停止する)ときに下部ノズル104Bが冷却剤の散布を停止するように、上部ノズル104A及び下部ノズル104Bは選択的に制御可能である。一方、上部ノズル104Aは、ストリップ温度が中間温度からターゲット温度に下がるように冷却剤の散布を続ける。言い換えると、特定の非限定的な実施例において、上部ノズル104Aと下部ノズル104Bの両方ともストリップを冷却して初期温度から中間温度にストリップ温度を下げ、金属下地102が片側からだけ(つまり、上面106または底面108の上で)冷却されるように、上部ノズル104Aまたは下部ノズル104Bの一方は、ストリップ温度が中間温度に達すると停止される。
【0025】
特定の実施例において、上部ノズル104A及び/または下部ノズル104Bは、幅202にわたって金属下地102を一様に冷却するために、金属下地102の幅202(
図4を参照)にわたって冷却剤を散布してよい。他の実施例において、
図4に示すように、上部ノズル104A及び/または下部ノズル104Bは、差動冷却を生じさせるために金属下地102の幅202にわたって冷却剤を散布してよい。つまり、金属下地102のいくつかの部分は、金属下地102の他の部分よりも多く冷却され得る。様々な実施例において、上部ノズル104Aのいくつかは、幅202にわたって一様な冷却を提供してよく、他の上部ノズル104Aは差動冷却を提供してよい。同様に、いくつかの実施例において、下部ノズル104Bのいくつかは、幅202にわたって一様な冷却を提供してよく、他の下部ノズル104Bは差動冷却を提供してよい。様々な実施例において、冷却剤の量及び金属下地102の幅202に沿った特定の場所への塗布は、所望の平坦度プロファイルに基づいて調整できる。
【0026】
図4は、金属下地102の選択部分206が冷却され、未選択部分204が、冷却されないまたは選択部分206に比較してより少ない冷却剤を受け取る差動冷却の1つの非限定的な実施例を示す。特定の実施例において、選択部分206は、ストリップ張力が最高である金属下地102の部分であってよい。1つの非限定的な実施例として、ストリップ張力は金属下地102の端縁208で最高である場合がある。応力がより局所化されると、所望の平坦度の改善を達成するために必要とされる差動冷却はより少なくてよい。いくつかの場合では、金属下地102の端縁208に相対的に少量の冷却を適用することができ、これが、金属下地102から著しい中心の座屈及び/または歪みを除去または低減できる。未選択部分204は、端縁208間の金属下地102の中央などの、ストリップ張力がより低い部分である場合がある。差動冷却は、金属下地102の幅202にわたって適用された任意の温度差を含む。いくつかの実施例において、金属下地102の幅202に沿った選択部分206(例えば、端縁208)は冷却にさらされる場合があり、一方、金属下地102の幅202に沿った未選択部分204(例えば、金属下地102の中央)は、いかなる冷却にもさらされない。他の実施例において、金属下地102の幅202に沿った選択部分206(例えば、端縁208)は、金属下地102の幅202に沿った未選択部分204(例えば、金属下地102の中央)に提供される冷却よりも大きい冷却にさらされる場合がある。
【0027】
金属下地102の幅202の選択部分206に差動(一様ではない、優先的な、または選択的なとも呼ばれる)冷却を適用することにより、選択部分206が熱収縮し、選択部分206に沿って張力を高める場合がある。差動冷却により、金属下地102の幅202の選択部分206(例えば、端縁208)が、未選択部分204(例えば、中央)よりも冷たい、金属下地102に沿った一時的な温度勾配が生じる場合がある。
【0028】
温度勾配を生じさせるために金属下地102の端縁208に冷却が適用される
図4の非限定的な実施例において、金属下地102の端縁208での張力は、金属下地102のより暖かい未選択部分204(例えば、中央)に比較して一時的に高まっている場合がある。金属下地102の幅202に沿った温度は均一ではないため、金属下地102の幅202に沿って張力差が存在する。このかけられた張力の分布が(例えば、介在する支持ロールによって、または別の方法で)適用された直後に等しくならず、金属下地102が張力差を受けてわずかに降伏するほど十分に熱い場合、差動冷却によって与えられた差温により、金属下地102は、金属下地102の幅202のより冷たい部分(例えば、選択部分206)に沿ってわずかに長くなる場合がある。本明細書で使用されるように、降伏は、(例えば、かけられた張力の分布から)印加された応力を部分的に解放する、金属下地102の恒久的なひずみまたは伸長と見なされる場合がある。金属下地102温度が上昇するにつれ、恒久的なひずみを引き起こすために必要とされる応力は減少する。金属下地102に関して本明細書で使用されるように、降伏は、従来受け入れられている降伏応力レベルで、及び急速なクリープから発生する場合がある恒久的なひずみなどの従来受け入れられている降伏応力レベル以下の応力レベルでの恒久的なひずみを含む。したがって、金属下地102が降伏するためには、この用語が本明細書で使用されるように、金属下地102の従来受け入れられている降伏応力以上の応力レベルを与える張力差を引き起こす必要はない。
【0029】
金属下地102にかけられた実際の温度勾配が既知であるかどうかに関わりなく、温度勾配は、本明細書に開示されるように、モデル、平坦度測定値、または他の要因等の多様な要因に基づく場合がある差動冷却に基づいている。金属下地102の端縁208の差動冷却によって、金属下地102を降伏させ、端縁208を引き伸ばすほど十分な引張り応力の局所的な集中が生じ、金属下地102に存在するいかなる中心のうねりまたは歪みも補正される。このようにして、金属下地102の平坦度は、差動冷却を使用し、調整及び/または改善することができる。金属下地102の能動的な差動冷却が中断されると、金属下地102のその幅202にわたる温度プロファイルは最終的に等しくなるが、降伏に起因するいかなる変化も残り、したがって改善された平坦度が維持される。以下に説明するように、特定の実施例において、平坦度測定装置110は、温度プロファイルが等しくなるには十分である、焼き入れシステム124から所定の距離122下流に配置される。
【0030】
図1~
図3に示すように、特定の実施例において、ストリップ温度を検出するためにセンサ112が設けられてよい。センサ112の場所または数は、本開示に対して限定的と見なされるべきではない。
【0031】
いくつかの実施例において、冷却液除去装置138または他の冷却液収納システムが提供されてよい。様々な実施例において、冷却液除去装置138は、金属下地102の上面106、金属下地102の底面108、または金属下地102の上面106と底面108の両方から冷却剤を除去するために提供されてよい。したがって、冷却液除去装置138の数及び場所は、本開示に対して限定的と見なされるべきではない。様々な実施例において、冷却液除去装置138は、送風機、ワイパー、可撓シール、または様々な他の適切な装置を含むがこれに限定されない、金属下地102から冷却剤を除去するために適した任意の装置であってよい。1つの非限定的な実施例において、冷却剤除去装置138は、空気ナイフである送風機である。以下に説明するように、様々な態様において、冷却液除去装置138は、金属下地102の上面106から残りの冷却剤を除去するために、上部ノズル104Aが金属下地上で冷却剤の散布を停止するとき(つまり、ストリップ温度が中間温度に到達するとき)に作動されてよい。
【0032】
様々な実施例において、平坦度測定装置110は、金属下地102の平坦度プロファイルを測定するために提供される。いくつかの非限定的な実施例において、平坦度測定装置110はシェイプロールであるが、金属下地102の平坦度プロファイルを検出するための様々な他の適切な装置を使用してもよい。平坦度測定装置110は、焼き入れシステム124から所定の距離122下流に配置される。平坦度測定装置110と焼き入れシステム124との間の所定の距離122とは、金属下地102の幅202にわたる温度プロファイルが等しくなることを可能にする距離である。いくつかの場合では、(それ以外の場合、不正確な測定を生じさせるであろう)幅202にわたる温度変動が最小限に抑えられるまたは低減されるため、平坦度測定装置を用いて平坦度プロファイルを測定する前に所定の距離122を提供することによって、より正確な形状測定(例えば、平坦度プロファイル)を入手し得る。特定の実施例において、焼き入れシステム124の少なくとも1つの態様は、測定された平坦度プロファイルに基づいて調整可能または制御可能である。いくつかの非限定的な実施例において、焼き入れシステム124のその少なくとも1つの態様は、いくつかの作動している上部ノズル104A及び/または下部ノズル104B、上部ノズル104A及び/または下部ノズル104Bの冷却プロファイル、上部ノズル104A及び/または下部ノズル104Bによって散布される冷却剤の量、及び/または焼き入れシステム124の様々な他の調整可能な態様を含んでよい。いくつかの実施例において、圧延機126の少なくとも1つの態様は、ロールギャップ128のサイズ、金属下地102上でのワークロール118A~Bの接触圧分布、及び/または圧延機126の様々な他の調整可能な態様を含むが、これに限定されるものではない測定された平坦度プロファイルに基づいて制御可能または調整可能である。
【0033】
任意選択で、制御システム114が提供される。
図1~
図3に示すように、制御システム114は、平坦度測定装置110及び焼き入れシステム124と連通してよい。いくつかの任意選択の場合では、制御システム114は、ワークスタンド116とも連通している。制御システム114は、平坦度信号132の一部として平坦度測定装置110によって測定された平坦度プロファイルを受け取るように構成される。制御システム114は、測定された平坦度プロファイルを所定の平坦度プロファイルと比較するようにさらに構成される。測定された平坦度プロファイルの所定の平坦度プロファイルに対する比較に基づいて、制御システム114は、測定された平坦度プロファイルが所定の平坦度プロファイルと一致するように焼き入れシステム124及び/またはワークスタンド116を制御し、必要に応じて調整し得る。1つの非限定的な実施例として、
図2は、(例えば、ストリップ温度が高すぎるため)追加の急速焼き入れが必要とされ、追加の上部ノズル104Aが作動される場合を示す。別の非限定的な実施例として、
図3は、(例えば、ストリップ温度が十分に低いため)より少ない焼き入れが必要とされ、追加の上部ノズル104Aが停止される場合を示す。
【0034】
図5は、第2の焼き入れゾーン142だけが下部ノズル104Bを含むことを除き、焼き入れシステム124に実質的に類似する焼き入れシステム524の実施例を示す。
【0035】
金属下地102を加工する方法も提供される。様々な実施例において、方法は、焼き入れシステム124で、初期ストリップ温度でのストリップ温度を有する金属下地102を受け取ることを含む。いくつかの実施例において、方法は、焼き入れシステム124で金属下地102を受け取る前に、圧延機126を用いて金属下地102を圧延することを含む。1つの非限定的な実施例において、方法は、焼き入れシステム124で金属下地102を受け取る前に金属下地102を熱間圧延することを含む。
【0036】
方法は、焼き入れシステム124を用いて金属下地102を焼き入れることを含む。焼き入れることは、ストリップ温度が初期温度から中間温度に下がるように、焼き入れシステム124を用いて金属下地102の上面106及び底面108を冷却することを含む。いくつかの態様において、上面106を冷却することは、少なくとも1つの上部ノズル104Aを用いて上面106の上で冷却剤を散布することを含み、底面108を冷却することは、少なくとも1つの下部ノズル104Bを用いて底面108の上で冷却剤を散布することを含む。
【0037】
様々な態様において、方法は、センサ112を用いて金属下地102のストリップ温度を検出することを含む。いくつかの実施例において、焼き入れることは、金属下地のストリップ温度が初期温度から中間温度に下がるまで、上部ノズル104Aを使用して金属下地102の上面106の上で冷却剤を散布することを含む。様々な例において、焼き入れることは、金属下地のストリップ温度が初期温度から、中間温度より低いターゲット温度に下がるまで、下部ノズル104Bを使用して底面108の上で冷却剤を散布することを含む。言い換えると、焼き入れシステム124を用いて金属下地102を焼き入れることは、ストリップ温度が初期温度から中間温度に下がるまで、金属下地102の上面106と底面108の両方を冷却すること、及びストリップ温度が中間温度からターゲット温度に下がるように、底面108の冷却を続けながら、上面106の冷却を停止することを含む。特定の態様において、方法は、ストリップ温度がターゲット温度以下であるときに焼き入れシステム124が金属下地102の冷却を停止するように、焼き入れシステム124を停止させることを含む。
【0038】
様々な実施例によれば、上面106を冷却することは、上部ノズル104Aを用いて金属下地102の幅202の未選択部分204よりも多く金属下地102の幅202の選択部分206を冷却することを含んでよい。同様に、追加または代替の場合では、底面108を冷却することは、下部ノズル104Bを用いて金属下地102の幅202の未選択部分204より多く金属下地102の幅202の選択部分206を冷却することを含んでよい。様々な場合では、選択部分206は金属下地102の端縁208であり、未選択部分204は金属下地102の非端縁部分(例えば、中央)である。
【0039】
様々な場合では、方法は、上面106の冷却が停止されるときに金属下地102の上面106から残りの冷却剤を吹き飛ばすことを含む。いくつかの態様において、方法は、ストリップ温度が中間温度に達するときに金属下地102の上面106から残りの冷却剤を吹き飛ばすことを含む。特定の場合では、方法は、金属下地102の底面108の冷却を続けながら、金属下地102の上面106から残りの冷却剤を吹き飛ばすことを含む。
【0040】
特定の実施例によれば、方法は、所定の距離122の後に焼き入れシステム124から平坦度測定装置110に金属下地102を通過させることを含む。特定の実施例において、所定の距離の後に金属下地102を通過させることは、金属下地102の幅202にわたる温度プロファイルが等しくなることを可能にすることを含む。様々な実施例において、所定の距離の後に金属下地102を通過させることは、底面108に送風することまたは別の方法であってよい、金属下地102の底面108を乾燥させることを含む。
【0041】
いくつかの実施例において、方法は、平坦度測定装置110を用いて金属下地102の幅202にわたって金属下地102の平坦度プロファイルを測定することを含む。任意選択で、方法は、測定された平坦度プロファイルに基づいて焼き入れシステム124の少なくとも1つの態様を制御することを含む。特定の場合では、方法は、制御システム114で平坦度測定装置110から平坦度信号132を受信すること、測定された平坦度プロファイルを所定の平坦度プロファイルと比較すること、及び測定された平坦度プロファイルが所定の平坦度プロファイルと一致するように焼き入れシステム124の少なくとも1つの態様を制御することを含む。さらにまたは代わりに、方法は、測定された平坦度プロファイルが所定の平坦度プロファイルと一致するように圧延機126のワークスタンド116の少なくとも1つの態様を制御することを含む。
【0042】
「EC」(Example Combination、例示組合せ)として明示的に列挙される少なくともいくつかのものを含み、本明細書において記載されている概念による様々な実施形態タイプの付加的な記述を提供している、例示的実施形態の集合が、以下に提供される。これらの実施例は、互いに排他的であることも、網羅的であることも、または制限的であることも意味しておらず、本発明は、これらの例示的な実施形態に限られているのではなく、むしろ、出されている請求項及びそれらの等価物の範囲内で全てのあり得る修正及び変更を包含する。
【0043】
EC1。圧延金属下地を加工するためのシステムであって、前記圧延金属下地の上面に冷却剤を散布するように構成された上部ノズルと、前記圧延金属下地の底面に前記冷却剤を散布するように構成された下部ノズルとを備える焼き入れシステムを備え、前記上部ノズルが、前記圧延金属下地のストリップ温度が初期温度から、前記初期温度より低い中間温度に下がるまで前記冷却剤を散布するように構成され、前記下部ノズルが、前記圧延金属下地の前記ストリップ温度が前記初期温度から、前記初期温度より低く、前記中間温度より低いターゲット温度に下がるまで前記冷却剤を散布するように構成される、前記システム。
【0044】
EC2。前記焼き入れシステムが、複数の上部ノズル及び複数の下部ノズルを備える、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0045】
EC3。前記焼き入れシステムが、前記金属下地の幅の未選択部分より多く前記圧延金属下地の前記幅の選択部分を冷却するように構成される、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0046】
EC4。前記選択部分が前記金属下地の端縁であり、前記未選択部分が前記金属下地の非端縁部分である、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0047】
EC5。前記中間温度が約120℃~約180℃である、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0048】
EC6。前記ターゲット温度が約60℃~約120℃である、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0049】
EC7。前記初期温度が約180℃より高い、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0050】
EC8。前記初期温度が約200℃より高い、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0051】
EC9。前記上部ノズルが停止しているときに前記金属下地の前記上面、前記底面、または前記上面と前記底面の両方から前記冷却剤を除去するように構成された冷却液除去装置をさらに備え、前記冷却液除去装置が送風機であり、前記送風機が空気ナイフを備える、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0052】
EC10。前記ストリップ温度を検出するように構成された少なくとも1つのセンサをさらに備える、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0053】
EC11。前記焼き入れシステムから所定の距離下流に平坦度測定装置をさらに備え、前記平坦度測定装置が、前記金属下地の幅にわたって前記金属下地の平坦度プロファイルを測定し、平坦度信号の中の前記測定された平坦度プロファイルを出力するように構成される、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0054】
EC12。前記所定の距離が、前記ストリップ温度が平衡するために十分な距離である、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0055】
EC13。前記焼き入れシステムが、前記平坦度信号に基づいて調整可能である、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0056】
EC14。前記平坦度測定装置から前記平坦度信号を受信し、前記測定された平坦度プロファイルを所定の平坦度プロファイルと比較し、前記測定された平坦度プロファイルが前記所定の平坦度プロファイルと一致するように前記焼き入れシステムを制御するように構成されたコントローラをさらに備える、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0057】
EC15。一対のワークロールを備える圧延機のワークスタンドをさらに備え、前記ワークロールが前記平坦度信号に基づいて調整可能である、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0058】
EC16。前記平坦度測定装置から前記平坦度信号を受信し、前記測定された平坦度プロファイルを所定の平坦度プロファイルと比較し、前記測定された平坦度プロファイルが前記所定の平坦度プロファイルと一致するように前記ワークスタンドの前記ワークロールを制御するように構成されたコントローラをさらに備える、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0059】
EC17。前記平坦度測定装置がシェイプロールを備える、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0060】
EC18。圧延金属下地を加工する方法であって、前記圧延金属下地のストリップ温度が初期温度から中間温度に下がるように、焼き入れシステムを用いて前記圧延金属下地の上面及び底面を冷却することと、前記ストリップ温度が前記中間温度であるときに前記上面の前記冷却を停止することと、前記圧延金属下地の前記ストリップ温度が前記中間温度からターゲット温度に下がるように、前記焼き入れシステムを用いて前記圧延金属下地の前記底面の冷却を続けることとを含む、前記方法。
【0061】
EC19。前記焼き入れシステムが上部ノズル及び下部ノズルを備え、前記圧延金属下地の前記上面を冷却することが、前記上部ノズルを用いて前記上面に冷却剤を散布することを含み、前記圧延金属下地の前記底面を冷却することが、前記下部ノズルを用いて前記底面に前記冷却剤を散布することを含む、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載の方法。
【0062】
EC20。前記焼き入れシステムが複数の上部ノズル及び複数の下部ノズルを備え、前記圧延金属下地の前記上面を冷却することが、前記複数の上部ノズルを用いて前記上面に冷却剤を散布することを含み、前記圧延金属下地の前記底面を冷却することが、前記複数の下部ノズルを用いて前記底面に前記冷却剤を散布することを含む、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載の方法。
【0063】
EC21。前記上面を冷却することが、前記金属下地の幅の未選択部分より多く前記圧延金属下地の前記幅の選択部分を冷却することを含む、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載の方法。
【0064】
EC22。前記選択部分が前記金属下地の端縁であり、前記未選択部分が前記金属下地の非端縁部分である、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載の方法。
【0065】
EC23。前記底面を冷却することが、前記金属下地の幅の未選択部分より多く前記圧延金属下地の前記幅の選択部分を冷却することを含む、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載の方法。
【0066】
EC24。前記選択部分が前記金属下地の端縁であり、前記未選択部分が前記金属下地の非端縁部分である、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載の方法。
【0067】
EC25。第1の温度が約120℃~約180℃である、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載の方法。
【0068】
EC26。第2の温度が約60℃~約120℃である、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載の方法。
【0069】
EC27。前記上面の前記冷却を停止した後に、前記金属下地の前記上面から前記冷却剤を吹き飛ばすことをさらに含む、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載の方法。
【0070】
EC28。平坦度測定装置を用いて前記金属下地の幅にわたって前記金属ストリップの平坦度プロファイルを測定することをさらに含む、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載の方法。
【0071】
EC29。前記平坦度測定装置が前記焼き入れシステムから所定の距離下流であり、前記方法が、前記ストリップ温度の温度プロファイルが平衡である、つまり前記選択部分の温度及び前記未選択部分の温度が実質的に等しくなるように、前記所定の距離にわたって前記金属下地を通過させることをさらに含む、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載の方法。
【0072】
EC30。前記測定された平坦度プロファイルに基づいて前記焼き入れシステムの少なくとも1つの態様を制御することをさらに含む、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載の方法。
【0073】
EC31。コントローラで前記測定された平坦度プロファイルを含む平坦度信号を受信することと、前記測定された平坦度プロファイルを所定の平坦度プロファイルと比較することと、前記測定された平坦度プロファイルが前記所定の平坦度プロファイルと一致するように前記焼き入れシステムの前記少なくとも1つの態様を制御することとをさらに含む、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載の方法。
【0074】
EC32。コントローラで前記測定された平坦度プロファイルを含む平坦度信号を受信することと、前記測定された平坦度プロファイルを所定の平坦度プロファイルと比較することと、前記測定された平坦度プロファイルが前記所定の平坦度プロファイルと一致するように圧延機のワークスタンドの少なくとも1つの態様を制御することとをさらに含む、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載の方法。
【0075】
EC33。圧延金属下地を加工するためのシステムであって、第1の焼き入れ構成及び第2の焼き入れ構成で前記金属下地の上で冷却剤を選択的に散布するように構成された焼き入れシステムであって、前記焼き入れシステムが、前記第1の焼き入れ構成で前記金属ストリップの上面及び底面を冷却し、前記焼き入れシステムが、前記第2の焼き入れ構成で前記金属ストリップの底面だけを冷却する焼き入れシステムと、前記金属下地のストリップ温度を検出するように構成されたセンサとを備え、前記ストリップ温度が少なくとも中間温度であるときに前記焼き入れシステムが前記第1の焼き入れ構成にあり、前記ストリップ温度が前記中間温度から、前記中間温度より低いターゲット温度であるときに前記焼き入れシステムが前記第2の焼き入れ構成にある、前記システム。
【0076】
EC34。前記中間温度が、約120℃~約180℃であり、前記ターゲット温度が約60℃~約120℃である、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0077】
EC35。前記焼き入れシステムが、前記金属下地の前記上面に前記冷却剤を散布するように構成された複数の上部ノズル、及び前記金属下地の前記底面に前記冷却剤を散布するように構成された複数の下部ノズルを備える、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0078】
EC36。前記焼き入れシステムが、前記金属下地の幅の未選択部分より多く前記圧延金属下地の前記幅の選択部分を冷却するようにさらに構成される、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0079】
EC37。前記焼き入れシステムが圧延機のワークスタンドから下流にある、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0080】
EC38。前記金属下地の幅にわたって前記金属下地の平坦度プロファイルを測定するように構成された平坦度測定装置をさらに備える、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0081】
EC39。前記測定された平坦度プロファイルを含む平坦度信号を受信し、前記測定された平坦度プロファイルを所定の平坦度プロファイルと比較し、前記測定された平坦度プロファイルが前記所定の平坦度プロファイルと一致するように前記焼き入れシステムまたは圧延機のワークスタンドを制御するように構成されたコントローラをさらに備える、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0082】
EC40。圧延金属下地を加工する方法であって、前記圧延金属下地のストリップ温度を検出することと、前記ストリップ温度が少なくとも中間温度であるときに、焼き入れシステムを用いて前記圧延金属下地の上面及び底面を冷却することと、前記ストリップ温度が前記中間温度から、前記中間温度より低いターゲット温度であるときに、前記焼き入れシステムを用いて前記圧延金属下地の前記底面だけを冷却することとを含む、前記方法。
【0083】
EC41。前記ストリップ温度が前記ターゲット温度であるときに前記焼き入れシステムが前記金属下地の冷却を停止するように、前記焼き入れシステムを停止させることをさらに含む、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載の方法。
【0084】
EC42。前記圧延金属下地の前記上面及び前記底面を冷却することが、前記金属下地の幅の未選択部分より多く前記圧延金属下地の前記幅の選択部分を冷却することを含む、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載の方法。
【0085】
EC43。前記圧延金属下地の前記底面だけを冷却することが、前記金属下地の幅の未選択部分より多く前記圧延金属下地の前記幅の選択部分を冷却することを含む、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載の方法。
【0086】
EC44。前記ストリップ温度が平衡するように前記焼き入れシステムから所定の距離、前記金属下地を通過させることと、前記金属下地の平坦度プロファイルを測定することとをさらに含む、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載の方法。
【0087】
EC45。前記金属下地の前記測定された平坦度プロファイルを受け取ることと、前記測定された平坦度プロファイルを所定の平坦度プロファイルと比較することと、前記測定された平坦度プロファイルが前記所定の平坦度プロファイルと一致するように前記焼き入れシステムまたは圧延機のワークスタンドのうちの少なくとも1つを制御することとをさらに含む、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載の方法。
【0088】
EC46。圧延金属下地を加工するためのシステムであって、前記圧延金属下地の上面に冷却剤を散布するように構成された少なくとも1つの上部ノズルと、前記圧延金属下地の底面に前記冷却剤を散布するように構成された少なくとも2つの下部ノズルと、前記少なくとも1つの上部ノズル及び前記少なくとも2つの下部ノズルの第1の下部ノズルを備える第1の焼き入れゾーンと、前記第1の焼き入れゾーンから下流にあり、前記少なくとも2つの下部ノズルの第2の下部ノズルを備える第2の焼き入れゾーンとを備える焼き入れシステムを備える、前記システム。
【0089】
EC47。前記第1の焼き入れゾーンが、前記金属下地のストリップ温度が初期温度から中間温度に下がるまで前記金属下地を冷却するように構成され、前記第2の焼き入れゾーンが、前記ストリップ温度が前記中間温度からターゲット温度に下がるまで前記金属下地を冷却するように構成される、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0090】
EC48。前記第2の焼き入れゾーンから下流で前記金属下地の幅にわたって前記金属下地の平坦度プロファイルを測定するように構成された平坦度測定装置をさらに備える、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0091】
EC49。前記測定された平坦度プロファイルを含む平坦度信号を受信し、前記測定された平坦度プロファイルを所定の平坦度プロファイルと比較し、前記測定された平坦度プロファイルが前記所定の平坦度プロファイルと一致するように前記焼き入れシステムまたは圧延機のワークスタンドを制御するように構成されたコントローラをさらに備える、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0092】
EC50。前記第1の焼き入れゾーンが、前記金属下地の幅の未選択部分より多く前記圧延金属下地の前記幅の選択部分を冷却するように構成される、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0093】
EC51。前記第2の焼き入れゾーンが、前記金属下地の幅の未選択部分より多く前記圧延金属下地の前記幅の選択部分を冷却するように構成される、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0094】
EC52。前記上部ノズルが停止されるときに前記金属下地の前記上面、前記底面、または前記上面と前記底面の両方から前記冷却剤を除去するように構成された冷却液除去装置をさらに備え、前記冷却液除去装置が送風機であり、前記送風機が空気ナイフを備える、先行または後続の例示組合せのいずれかに記載のシステム。
【0095】
上記の態様は、単に可能な実施態様の例にすぎず、本開示の原理の明白な理解のために説明されているだけである。多くの変形及び修正を、本開示の趣旨及び原理から実質的に逸脱することなく、上記の実施例に対して行うことができる。全てのこのような修正及び変更は、本開示の範囲内で本明細書に含まれ、個々の態様または要素もしくはステップの組合せに対する全ての可能な請求の範囲は、本開示によってサポートされることを意図している。さらに、特定の用語が本明細書ならびに以下の特許請求の範囲において使用されているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用されており、記載されている本発明または以下の特許請求の範囲を限定するためのものではない。