(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-12
(45)【発行日】2023-05-22
(54)【発明の名称】顧客のセルフチェックによる商品販売管理方法及び商品販売管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/18 20120101AFI20230515BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20230515BHJP
【FI】
G06Q20/18
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2021060128
(22)【出願日】2021-03-31
【審査請求日】2021-03-31
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391007161
【氏名又は名称】エヌ・シー・アール・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】NCR CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【氏名又は名称】西山 善章
(72)【発明者】
【氏名】カルペシュ シェス
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-513296(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと取引端末装置と管理端末装置とサーバーとセキュリティシステムとを含むシステムにおいて、前記取引端末装置での取引のビデオを前記管理端末装置でレビューするための方法であって、
前記取引端末装置の取引エリアについて前記カメラによって撮像され、該カメラからリアルタイムでストリーミングされたビデオを前記サーバーのキャッシュ内に
所要時間キャッシュし、
前記サーバーにおいて、前記取引端末装置で発生する取引に関連する取引データを該取引端末装置から
取得し、
前記取引データに含まれる取引商品は、前記ビデオのタイムスタンプに対応するタイムスタンプに関連付けされており、
前記サーバーにおいて、前記キャッシュ内に存在する前記ビデオの部分に前記取引データをリンクさせ、
前記取引データに含まれる前記取引商品をそれに対応する前記ビデオの部分と、該取引商品及び前記対応するビデオの部分のタイムスタンプに基づいてインデックス付けし、
前記セキュリティシステムが、前記取引について一つまたは複数のセキュリティイベントを生成し、
前記サーバーにおいて、前記一つまたは複数のセキュリティイベントを
前記セキュリティシステムから取得して、前記キャッシュ内に存在する前記ビデオの前記部分または他の部分にリンクさせ、
該セキュリティイベントを前記キャッシュ内の前記ビデオ内の特定の位置に対応するタイムスタンプを有するものとして識別し、
前記管理端末装置が、
前記取引データを前記取引端末装置から取得し、前記一つまたは複数のセキュリティイベントを前記セキュリティシステムから受信し、
対応する取引のビデオをレビューするために前記取引のビデオクリップを前記サーバーに要求し、
前記サーバーが
、前記管理端末装置から
前記ビデオクリップ
の要求を受信すると、
前記要求に対応する取引の開始前及び終了後の時間を含む量のビデオを前記キャッシュから取得することによって前記ビデオクリップを構築し、前記要求に基づく前記ビデオクリップおよび前記取引データを前記管理端末装置に提供する、
各工程を含
み、
前記キャッシュから取得する前記ビデオの量は、前記要求に対応する取引の開始より前記所要時間前の時間に開始し、前記要求に対応する取引の終了から前記所要時間と同じ時間または異なる時間後の時間まで続くように設定され、前記所要時間は、前記要求に対応する取引の開始に先行しかつ前記セキュリティイベントのタイムスタンプに先行するように設定される、ことを特徴とするセキュリティ管理方法。
【請求項2】
前記サーバー上で前記キャッシュから前記ビデオを、前記取引が終了した後の
前記所要時間の後、前記サーバー上のストレージにオフロードすることをさらに含む、請求項1に記載のセキュリティ管理方法。
【請求項3】
前記ビデオクリップおよび前記取引データを
前記管理端末装置に提供することは、前記各商品がメタデータを有する商品のリストとして前記取引データを提供することを含み、前記各商品に関連付けられた対応する前記メタデータは、前記ビデオクリップ内の特定の時間位置を参照する、請求項
1に記載のセキュリティ管理方法。
【請求項4】
前記ビデオクリップおよび前記取引データを
前記管理端末装置に提供する工程は、前記管理端末装置のインターフェイスで前記ビデオクリップを再生するために、前記取引データおよび前記ビデオクリップを前記インターフェイスに提供することを含み、前記インターフェイスでは、前記取引データに含まれていて、前記管理端末装置が
前記ビデオクリップを前記サーバーに要求する際に選択した前記商品に関連付けられた前記タイムスタンプによって定義される開始位置で前記ビデオクリップを再生する、請求項
1に記載のセキュリティ管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小売店舗における顧客自身による商品のセルフチェックシステムに関し、特に、カメラを利用してセキュリティを確保した商品販売管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、小売店舗における顧客自身による商品のセルフチェックと精算処理が広く行われるようになった。スタッフが操作する端末装置は、通常、取引の完了や顧客の盗難の特定に問題がある顧客を支援する目的で、セルフ精算端末装置を監視する。多忙な顧客トラフィックの間、スタッフは必要なまたは認識される取引介入に圧倒されることがある。
【0003】
多くの場合、スタッフは、セルフ精算装置で盗難の可能性について顧客を監査するかどうかについて、分割された第二の決定を行う必要がある。スタッフが操作する端末装置は、スタッフが役に立つ可能性のある検出された情報を提供し得るが、多くの場合、その情報は、顧客取引が監査されるべきかどうかを判断するために、スタッフがさらに検査する必要がある。情報が調査される時までに、顧客はすでにチェックアウトして店を去った可能性がある。
【0004】
スタッフは、顧客が盗難に関わったという十分根拠のある疑いをもつが、スタッフが操作する端末装置では、その取引についてセキュリティイベントが発生していない。これらの状況では、スタッフは疑念に基づいて顧客の監査を行うことを望んでいない。なぜなら、監査は顧客の敵対心を生み出す可能性がありスタッフが操作する端末装置で提起されたセキュリティ関連事象はなかったからである。
【0005】
そのため、ほとんどの場合、スタッフは、セルフ精算装置での取引オーバーライドの支援に圧倒され、顧客の質問に多忙な回答を行い、および/または提起されたセキュリティイベントの評価に多忙なため、取引監査を行わないことを選ぶ。従って、スタッフは、顧客を取引監査に引き込むよりも、単にセキュリティイベントをクリアする可能性が高いと言える。
【0006】
偽造スキャンのバーコード付き商品からの盗難、およびより安価なバーコードをより高価な商品に交換することによる盗難は、業界にとって依然として問題である。スタッフは、取引監査を行うかどうかを効果的に判断するにはあまりにも伸び切っており、提起されたセキュリティイベントは、信頼に足るほど正確ではないことが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような解決すべき課題に鑑みて、本発明は、小売店舗における顧客自身による商品のセルフチェックシステムにおける種々の実施形態においてセキュリティ確保のための商品販売管理方法及びそのシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によれば、セルフ精算セキュリティビデオレビューを処理する方法が提供される。カメラからストリーミングされ、取引端末装置の取引エリアのためにカメラによって撮像されたビデオは、キャッシュ内にキャッシュされる。取引端末装置で発生する取引に関連付けられた取引データを取得し、取引データをキャッシュ内に常駐するビデオの一部にリンクする。取引のビデオクリップの要求が受信される。ビデオクリップおよび取引データは、イベントの前の第一の設定された時間に開始し、イベント後第二の設定された時間まで続く、設定された量のビデオをキャッシュから取得することによって、要求に基づいて管理端末装置に提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の例示的な実施形態による、セルフ精算セキュリティビデオレビューを処理するためのシステムの図である。
【
図2】本発明の例示的な実施形態による、セルフ精算セキュリティビデオレビューを処理する方法の図である。
【
図3】本発明の例示的な実施形態による、セルフ精算セキュリティビデオレビューを処理する別の方法の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の例示的な実施形態による、例示的な実施形態による、セルフ精算セキュリティビデオレビューを処理するためのシステム100の図である。構成要素は、説明する実施形態の理解に関連する構成要素のみを残して大幅に単純化された形態により模式的に表されることが認められるべきである。
【0011】
さらに、さまざまなコンポーネント(
図1に示される)を説明し、そしてコンポーネントの配置は説明のみを目的として提示する。本明細書中、以下に示すセルフ精算セキュリティビデオレビューを処理する教示から逸脱することなく、より多くの、またはより少ないコンポーネントの配置が可能であることは認められるべきである。
【0012】
システム100は、管理端末装置のオペレーターがインターフェイスにアクセスし、任意の管理された取引端末装置で取引のキャッシュ部分をレビューすることを可能にする。取引端末装置に近接した頭上カメラは、取引エリアのリアルタイムビデオをサーバーにストリーミングする。サーバーはビデオをキャッシュし、オペレーターは管理端末装置からインターフェイスにアクセスして、取引監査を実行するかどうかを決定する目的で、所与の取引のビデオキャッシュから事前に設定された量のビデオをレビューすることができる。
【0013】
システム100は、カメラ110と、取引端末装置120と、端末装置ステータスライト/スピーカー130と、管理端末装置140と、サーバー150と、セキュリティシステム160とを含む。
【0014】
各取引端末装置120は、複数の周辺デバイス121(カードリーダー、プリンター、メディア処理装置、タッチディスプレイ画面、キーパッドなど)と、一つまたは複数のプロセッサー122と、取引マネジャー124および取引エージェント125を表す実行可能な命令を含む非一時的コンピューター可読記憶媒体123とを含む。
【0015】
管理端末装置140は、一つまたは複数のプロセッサー141と、取引マネジャー143およびイベントインターフェイス144を表す実行可能な命令を含む非一時的コンピューター可読記憶媒体142とを含む。
【0016】
サーバー150は、一つまたは複数のプロセッサー151と、ビデオキャッシュメモリ152と、取引マネジャー154およびイベントインターフェイス155を表す実行可能な命令を含む非一時的コンピューター可読記憶媒体153とを含む。
【0017】
セキュリティシステム160は、カメラ110によって撮像された取引ビデオを、取引端末装置120の取引マネジャー124によって生成された取引データと相関させる。セキュリティシステム150はまた、相関およびセキュリティルールに基づいてセキュリティイベントを生成する。さらに、セキュリティシステム150は、セキュリティイベントを、撮像されたビデオの対応する部分と相関させる。
【0018】
端末装置ステータスライト/スピーカー130は、セキュリティシステム160、取引端末装置120の状態、管理端末装置140の取引マネジャー143、およびサーバー150の取引マネジャー154から発生するセキュリティイベントによって起動される。起動は、一つまたは複数の色付きのライト130の照明、および/またはスピーカー130上のセキュリティトーンまたは音声の再生を含む。
【0019】
システム100の動作中、顧客は端末装置120上でセルフ精算を行い、カメラ110は各端末装置の各取引エリアのビデオを撮像する。ビデオは、カメラ110からサーバー150へストリーミングされる。同時に、端末装置120で生成される取引データは、管理端末装置140の取引マネジャー143に送信され、任意に、端末装置140のオペレーターによって、管理端末装置140に関連付けられたディスプレイ上に取引データを表示することができる。さらに、取引データは、サーバー150の取引マネジャー155に送信され得る。
【0020】
カメラ110からストリーミングされるビデオデータは、サーバー150に永久的に記憶され、対応する取引データおよびセキュリティイベントにインデックス化され、リンクされ得る。さらに、各端末装置120における各取引についてのビデオデータは、キャッシュメモリ153(キャッシュ153)にキャッシュされる。イベントインターフェイス144を使用して、各取引に対して撮像された各ビデオがキャッシュ153に所要時間を設定し得る。すなわち、端末装置140のオペレーターは、イベントインターフェイス144にアクセスして、サーバー150のイベントインターフェイス156と相互作用する。所要時間は、オペレーターによって設定される。所要時間は、取引の任意の所与の開始の前に先行する時間において始まり、セキュリティシステム160によって提起される所与のセキュリティイベントに関連付けられたタイムスタンプに先行する。取引が終了した後、および/またはセキュリティイベントのタイムスタンプの後に、時間の長さを特定する同じ時間の期間または異なるオペレーターが設定した期間。イベントインターフェイス156は、取引開始またはイベントタイムスタンプの前の設定された期間に開始し、同じ設定された期間または異なるオペレーターによって定義された第二の期間の間取引終了またはイベントタイムスタンプを過ぎて続く、キャッシュ153内のビデオからビデオクリップを構築する。
【0021】
イベントインターフェイス156は、ビデオをキャッシュし、およびビデオ内のタイムスタンプを、所与の端末装置120の所与の端末装置識別子および所与の取引に対する所与の取引識別子にインデックス化する。イベントインターフェイス156は、対応する端末装置識別子および取引識別子に関連付けられたメタデータとともに、カメラ110によって撮像されたビデオをキャッシュに格納する。取引/イベントタイムスタンプの前および後の長さは、上述の構成可能な時間によって定義され、イベントインターフェイス144を介して管理端末装置140のオペレーターによって設定される。イベントインターフェイス156は、設定可能な期間または時間を使用して、ビデオクリップをキャッシュ153内のビデオから導出または構築する。
【0022】
管理端末装置140はまた、セキュリティシステム160から取引データおよび提起された任意のセキュリティイベントを受信する。オペレーターは、イベントインターフェイス144を使用して対応するビデオクリップを要求することによって、任意の所与の端末装置120の任意の所与の取引エリアおよび対応する取引のビデオをレビューすることを選択し得る。ビデオレビュー要求を受信すると、イベントインターフェイス156は、要求された取引の取引識別子を使用してキャッシュ153にアクセスし、(設定された前後の期間に基づき)対応するビデオクリップを作成し、およびビデオクリップをストリーミングするか、またはビデオクリップへのリンクをイベントインターフェイス144に戻すが、ここでオペレーターは、端末装置140のディスプレイ上でビデオをリアルタイムでレビューすることができる。セキュリティイベントにより、取引マネジャー155は、イベントインターフェイス156に警告し、対応する取引のビデオクリップを(イベントタイムスタンプの前後の設定された期間/時間を使用して)、イベントインターフェイス144に、自動的にストリーミングすることができる、またはリンクがオペレーターによってアクティブ化されると、ビデオクリップを表示するためのリンクを備えたイベントインターフェイス144内にポップアップウィンドウを自動的に表示することができる。
【0023】
イベントインターフェイス144内で、取引データ(取引のためにスキャンされた商品および商品価格など)は、取引エリアに対して再生されるビデオクリップの側面に沿って提示され得る。このようにして、オペレーターは、取引エリアのビデオクリップを同時にレビューしながら、取引のためにスキャン/入力された記録された商品をレビューすることができる。これにより、ビデオクリップの再生中に、取引に必要なコンテキストをオペレーターに提供する。オペレーターはまた、イベントインターフェイス144内で再生されるビデオを一時停止し、早送りし、巻き戻し得る。
【0024】
一実施形態では、各取引商品がスキャンされると、それは、所与の取引に対して撮像されたビデオのタイムスタンプに対応するタイムスタンプと関連付けられる。取引ビデオクリップをレビューするとき、オペレーターは、所与の表示された取引商品をクリックすることができ、イベントインターフェイス144は、再生中のビデオの現在のポイントから、イベントインターフェイス144内でオペレーターによって選択された、選択された商品に対応するビデオクリップ内のタイムスタンプまで自動的に先にスキップまたは巻き戻す。
【0025】
セキュリティシステム160は、取引マネジャー143に送信されたセキュリティ警告を生成する目的で、ビデオストリーム内の取引商品の独自のリアルタイム分析を実行し得る。次に、取引マネジャー143は、事前定義されたセキュリティイベントがキャッシュ153から取引に関連する対応するビデオクリップを自動的に検索する目的で、アプリケーションプログラミングインターフェイス(API)をイベントインターフェイス156および144に対し使用して、ビデオクリップを自動的に開始するか、オペレーターのレビューのためにイベントインターフェイス144内のビデオクリップへのリンクを自動的に提供する。
【0026】
再び、オペレーターは、所与の取引端末装置120の所与の取引に関連付けられたビデオクリップがイベントインターフェイス144内で再生されるとき、またはそうされるかどうかを制御する。さらに、ビデオクリップが、取引/イベントタイムスタンプの前および後の両方で撮像される期間は、イベントインターフェイス144(インターフェイス144は、イベントインターフェイス156と相互作用する)内のオペレーターによって設定され得る。さらに、セキュリティシステム160が、セキュリティイベントに関連するより短いまたはより多い量の取引ビデオを表示するように構成される場合、これは、イベントインターフェイス156、よって上書きされ、およびセキュリティイベントまたは取引全体の前後の設定された期間に関連するより短いまたはより長い時間がキャッシュ153から配信されたビデオクリップ内に提供される。
【0027】
一実施形態では、取引に対して生成された任意のセキュリティイベントは、対応するビデオクリップ内にタイムスタンプされ、セキュリティイベントが、キャッシュ153から取得されたビデオクリップ内の取引商品とともに提示される。所与のセキュリティイベントを選択すると、自動的に、イベントインターフェイス144内で再生されるビデオクリップを前方または後方にスキップし、セキュリティイベントに関連付けられたタイムスタンプでビデオクリップを再生させる。
【0028】
全てのセキュリティイベントが、管理端末装置140のオペレーターによるレビューを必要とするわけではないことに留意されたいが、こうしたタイプのセキュリティイベントは、イベントインターフェイス144内でオペレーターが再生するために選択されたビデオクリップで表示され得る。従って、オペレーターが端末装置120で発生している取引をレビューすることをリアルタイムで決定した場合、その時点にすでにスキャンされた商品は、提起されたセキュリティイベントとともにリスト化される。取引商品とセキュリティイベントの両方がビデオクリップ内でリンクされており、オペレーターが簡単にレビューできる。さらに、ビデオクリップは、各イベントが発生する前後、および各商品がスキャンされる前後のビデオを含むので、オペレーターは、キャッシュ153から検索されたビデオクリップからスキャンされた任意の所与のセキュリティイベントおよび/または商品の完全な視覚的コンテキストを提供される。
【0029】
システム100は、管理端末装置140のオペレーターが、ビデオクリップがキャッシュ153内のビデオから導出される取引またはセキュリティイベントの前後のコンテキストを定義することを可能にする。キャッシュ153はメモリ内にあるため、ビデオクリップの読み出しおよび再生は高速かつ効率的である。結果として、オペレーターは、完全なコンテキストで取引のリアルタイムまたはほぼリアルタイムな視覚的レビューを得ることができる。さらに、ビデオクリップは取引データ(商品スキャン、支払い情報など)とセキュリティシステム160によって提起されたセキュリティイベントの両方に時間インデックス付けされ、リンクされる。そのため、オペレーターは、必要に応じて、取引の特定部分をすばやく閲覧して、盗難に気を付けることができる。
【0030】
また、システム100は、顧客が店舗を退出する前に顧客を止めるかどうかについての決定および取引に関するオペレーターの監査が行われることができるように、オペレーターの作業負荷を大幅に低減する。
【0031】
一実施形態では、イベントインターフェイス144はまた、監査が必要な場合、または盗難が疑われる場合に、取引マネジャー143に警告を発するよう、オペレーターのためのオプションを含んでもよい。オペレーターが対応するビデオクリップを視覚的に検査している間に、イベントインターフェイス144内のオプションをアクティブにすることによって、取引マネジャー143は、端末装置ステータスライト130を事前定義された色または事前定義された効果で点灯させ、および/またはスピーカー130に可聴音声命令および/または識別可能な可聴音/ビープ音を再生させることができる。
【0032】
一実施形態では、端末装置120は、SST、AMT、自営業店の精算、および/またはキオスクを含む。
【0033】
一実施形態では、管理端末装置140は、特別に構成されたSST、販売時点情報管理(POS)端末装置、窓口端末装置、タブレットコンピューター、ラップトップコンピューター、デスクトップコンピューター、および/または携帯電話を含み得る。
【0034】
一実施形態では、サーバー150は、単一の環境として論理的に整理された複数のサーバーを含むクラウド処理環境(クラウド)である。
【0035】
ここで、これらおよびその他の実施形態を
図2~3を参照しながら検討する。
【0036】
図2は、例示的な実施形態による、セルフ精算セキュリティビデオレビューを処理するための方法200の図である。方法200を実施するソフトウェアモジュールを「取引ビデオクリップキャッシュマネジャー」という。取引ビデオクリップキャッシュマネジャーは、プログラムされた実行可能な命令として実装され、メモリおよび/または非一時的コンピューター可読(プロセッサー読み取り可能な)記憶媒体の内部に常駐し、クラウド/サーバーの一つまたは複数のプロセッサーにより実行される。取引ビデオクリップキャッシュマネジャーを実行するクラウド/サーバーのプロセッサーは、特に、取引ビデオクリップキャッシュマネジャーを処理するように構成およびプログラムされる。取引ビデオクリップキャッシュマネジャーは、その処理中に一つまたは複数のネットワーク接続にアクセスできる。ネットワークは有線、無線、または有線と無線の組み合わせであり得る。
【0037】
一実施形態では、取引ビデオクリップキャッシュマネジャーは、サーバー150上で実行する。一実施形態では、サーバー150は、クラウド処理環境の一部である。
【0038】
一実施形態では、取引ビデオクリップキャッシュマネジャーは、取引マネジャー155、イベントインターフェイス156、および/またはセキュリティシステム160の全てまたは一部の組み合わせである。
【0039】
210で、取引ビデオクリップキャッシュマネジャーは、カメラからストリーミングされ、カメラによって撮像されたビデオを、キャッシュ内の取引端末装置の取引エリアに対してキャッシュする。
【0040】
一実施形態では、211で、取引ビデオクリップキャッシュマネジャーは、取引エリアの上方または頭上に位置するカメラからビデオを受信する。
【0041】
211および212の実施形態では、取引ビデオクリップキャッシュマネジャーは、取引が終了した後の設定された期間の後、ビデオをキャッシュからサーバー上のストレージにオフロードする。
【0042】
220で、取引ビデオクリップキャッシュマネジャーは、取引端末装置で発生する取引に関連する取引データを取得する。
【0043】
一実施形態では、221で、取引ビデオクリップキャッシュマネジャーは、取引について、セキュリティシステムによって提起された一つまたは複数のセキュリティイベントを取得する。
【0044】
230で、取引ビデオクリップキャッシュマネジャーは、取引データを、キャッシュ内に存在するビデオの部分にリンクする。
【0045】
221および230の実施形態では、231で、取引ビデオクリップキャッシュマネジャーは、一つまたは複数のセキュリティイベントを、キャッシュ内に存在するビデオの部分またはビデオの他の部分にリンクする。
【0046】
一実施形態では、232で、取引ビデオクリップキャッシュマネジャーは、取引データ内で識別された各商品を、対応する商品および対応するビデオの部分に関連付けられたタイムスタンプに基づいて、ビデオの対応する部分とインデックス付けする。
【0047】
232および233の実施形態では、取引ビデオクリップキャッシュマネジャーは、商品のリストとして取引データを提供し、リストの各商品はメタデータを有し、および、各商品に関連付けられた対応するメタデータは、ビデオクリップ内の特定の時間位置を参照する。
【0048】
240で、取引ビデオクリップキャッシュマネジャーは、取引のビデオクリップの要求を受信する。
【0049】
250で、取引ビデオクリップキャッシュマネジャーは、イベントの前の第一の設定された時間に開始し、イベント後の第二の設定された時間まで続く、設定された量のビデオをキャッシュから取得することによって、要求に基づいて管理端末装置にビデオクリップおよび取引データを提供する。
【0050】
232および250の実施形態では、251において、取引ビデオクリップキャッシュマネジャーは、取引データを商品のリストとして提供し、リストの各商品はメタデータを有し、そして各商品に関連付けられた対応するメタデータは、ビデオクリップ内の特定の時間位置を参照する。
【0051】
一実施形態では、252で、取引ビデオクリップキャッシュマネジャーは、取引データおよびビデオクリップを管理端末装置のインターフェイスに提供する。
【0052】
252および253の実施形態では、取引ビデオクリップキャッシュマネジャーは、APIを処理して、取引データおよびビデオクリップをインターフェイスに提供する。
【0053】
一実施形態では、254で、取引ビデオクリップキャッシュマネジャーは、ビデオクリップを管理端末装置にリンクとして提供する。
【0054】
一実施形態では、255で、取引ビデオクリップキャッシュマネジャーは、第一の設定された時間および第二の設定された時間を、管理端末装置のオペレーターから構成設定として受信する。
【0055】
一実施形態では、256で、取引ビデオクリップキャッシュマネジャーは、イベントを、キャッシュに格納されたビデオ内の特定の位置に対応するタイムスタンプを有するセキュリティイベントとして識別する。
【0056】
図3は、例示的な実施形態による、セルフ精算セキュリティビデオレビューを処理するための別の方法300の図である。方法300を実施するソフトウェアモジュールを「取引ビデオクリップマネジャー」という。取引ビデオクリップマネジャーは、プログラムされた実行可能な命令として実装され、メモリおよび/または非一時的な非一時的コンピューター可読(プロセッサー読み取り可能な)記憶媒体の内部に常駐し、管理端末装置の一つまたは複数のプロセッサーにより実行される。取引ビデオクリップマネジャーを実行するプロセッサーは、取引ビデオクリップマネジャーを処理するように特定的に構成され、プログラムされる。取引ビデオクリップマネジャーは、その処理中に一つまたは複数のネットワーク接続にアクセスできる。ネットワークは有線、無線、または有線と無線の組み合わせであり得る。
【0057】
一実施形態では、取引ビデオクリップマネジャーは、管理端末装置140上で実行する。一実施形態では、管理端末装置140は、特別に構成されるSST、POS端末装置、ラップトップ、タブレット、デスクトップコンピューター、および/または電話である。
【0058】
一実施形態では、取引ビデオクリップマネジャーは、取引マネジャー143および/またはイベントインターフェイス144の全てまたは一部の組み合わせである。
【0059】
取引ビデオクリップマネジャーは、ネットワーク接続(有線、無線、または有線と無線の組み合わせ)を介して、イベントインターフェイス156および/または方法200と相互作用する。
【0060】
310で、取引ビデオクリップマネジャーは、取引端末装置で取引のビデオクリップを要求する。
【0061】
一実施形態では、311で、取引ビデオクリップマネジャーは、セキュリティイベントの一つに関連付けられたセキュリティイベントのタイプに基づいて、ビデオクリップを自動的に要求する。
【0062】
320で、取引ビデオクリップマネジャーは、取引ビデオクリップのキャッシュからビデオクリップを受信する。
【0063】
一実施形態では、321で、取引ビデオクリップマネジャーは、取引のために設定された量の取引ビデオとしてビデオクリップを受信し、設定された量は、インターフェイス内のオペレーターによって定義される。
【0064】
330で、取引ビデオクリップマネジャーは、取引についての取引データおよび取引に対して提起された任意のセキュリティイベントを取得し、取引データおよびセキュリティイベントはビデオクリップにインデックス付けされ、リンクされる。
【0065】
340で、取引ビデオクリップマネジャーは、ビデオクリップ、取引データ、およびセキュリティイベントを、管理端末装置のオペレーターによってビデオクリップを再生するためのインターフェイス内に提供する。
【0066】
一実施形態では、341で、取引ビデオクリップマネジャーは、オペレーターがインターフェイス内で取引商品を選択したとき、取引データに含まれる取引商品に関連付けられたタイムスタンプによって定義される開始位置で再生するために、インターフェイス内でビデオクリップを開始する。
【0067】
一実施形態では、342で、取引ビデオクリップマネジャーは、オペレーターがインターフェイス内でそのセキュリティイベントを選択したとき、セキュリティイベントの一つに関連付けられたタイムスタンプによって定義された開始位置で再生するために、インターフェイス内でビデオクリップを開始する。
【0068】
一実施形態では、343で、取引ビデオクリップマネジャーは、セキュリティ警告オプションがインターフェイス内でオペレーターによって選択されたときに、事前定義された色で取引端末装置の取引端末装置ステータスライトをアクティブにするか、または一つまたは複数の店舗セキュリティスピーカー上で可聴音を再生する。
【0069】
ソフトウェアが特定の形態(コンポーネントまたはモジュールなど)で説明される場合、それは単に理解を助けるためであり、それらの機能を実施するソフトウェアがどのように設計されるか、あるいはどのような構造であるかを限定するものではないことが理解される。例えば、モジュールは別個のモジュールとして説明されるが、同種のコードとして、個別の構成要素として実施されてもよく、またこうしたモジュールの全体でなく一部を組み合わせてもよく、その他の任意の都合の良い方法で構造化されたソフトウェア内で機能が実施され得る。
【0070】
さらに、ソフトウェアモジュールは、一つのハードウエア上で実行されるものとして説明されるが、ソフトウェアは、複数のプロセッサーにまたがる、またはその他の任意の都合の良い方法で分布され得る。
【0071】
上述の説明は、例証的なものであって制限的なものではない。当業者には、上述の説明を検討することにより、その他の数多くの実施形態が明らかとなるであろう。従って、実施形態の範囲は、これらの請求項が権利を持つ均等物の完全な範囲とともに、添付の請求項を参照して、判定されるべきである。
【0072】
上述した本発明の実施形態においては、発明の開示を合理化する目的でさまざまな特徴が単一の実施形態でひとまとめにされる。この開示方法は、請求された実施形態が、各請求項で明示的に詳述されるものよりも多くの特徴を有することを反映するとは解釈されない。むしろ、下記の請求項で反映されるとおり、発明の主題は、単一の開示された実施形態の全ての特徴よりも少ない。従って、以下の特許請求の範囲は、本明細書に実施形態の明細書に組み込まれるが、各特許請求の範囲は別個の例示的な実施形態としてそれ自体で存在する。