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特許7279129リストレット用またはベルト用のクラスプ
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  • 特許-リストレット用またはベルト用のクラスプ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-12
(45)【発行日】2023-05-22
(54)【発明の名称】リストレット用またはベルト用のクラスプ
(51)【国際特許分類】
   A44C 5/20 20060101AFI20230515BHJP
   A44C 5/24 20060101ALI20230515BHJP
   A44C 5/00 20060101ALI20230515BHJP
【FI】
A44C5/20 Z
A44C5/24
A44C5/00 501C
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021164483
(22)【出願日】2021-10-06
(65)【公開番号】P2022085849
(43)【公開日】2022-06-08
【審査請求日】2021-10-06
(31)【優先権主張番号】20210346.1
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512136237
【氏名又は名称】ドレス・ユア・ボディ・アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・バウムガルトナー
(72)【発明者】
【氏名】カメル・テリジェーヌ
(72)【発明者】
【氏名】タマシュ・セーケ
(72)【発明者】
【氏名】ステファーヌ・ローペル
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】実公昭13-007367(JP,Y1)
【文献】特表2018-536523(JP,A)
【文献】特開昭57-207231(JP,A)
【文献】特開平10-247674(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第03094873(FR,A1)
【文献】スイス国特許発明第00123532(CH,A)
【文献】実開平03-127519(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0343987(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 5/20
A44C 5/24
A44C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リストレット用のクラスプ(1)であって、前記クラスプ(1)は、少なくとも1つのセット(10;100)の4つのアーム(20、21、30、31、200、201、300、301)を含み、前記4つのアーム(20、21、30、31、200、201、300、301)は、互いに対してヒンジ式になっており、前記クラスプが第1の位置から第2の位置又はその逆へ移ることができるようになっており、前記第1の位置は、展開位置と称され、前記第1の位置では、前記アーム(20、21、30、31、200、201、300、301)の内の第1,第2のアーム(20,21)と第3,第4のアーム(30,31)とがそれぞれ展開されて前記セット(10、100)の全長の長さが第1の長さとなり、前記第2の位置は、閉位置と称され、前記第1の位置から、前記第1,第2のアーム(20,21)と第3,第4のアーム(30,31)とがそれぞれ折りたたまれて前記セット(10、100)の全長の長さが前記第1の長さより短い第2の長さとなるとともに前記リストレットの下に設置されるようになり、前記セットの4つのヒンジ式アーム(20、21、30、31、200、201、300、301)は、ヒンジ(22、32、202、302)によって接合される前記アーム(20、21、30、31、200、201、300、301)内の2つのアームによって形成される2つのコンパス(2、3)を含み、前記アームの自由端部は、前記リストレットの第1のパーツ(6)および第2のパーツ()の上に枢動可能に装着され、さらに、
前記アームの少なくとも2つの自由端部(23、33、204、304)は、前記リストレットの前記第1のパーツ(6)と前記第2のパーツ(8)のうちの一方の上に互いに向かい合って装着されており、噛み合い手段(4)をそれぞれ含み、この噛み合い手段(4)によって、前記第1のパーツ(6)と前記第2のパーツ(8)が接近または離隔するにつれて、アームの対が、前記第1の位置から前記第2の位置へ同時に移るようになっている、クラスプ(1)。
【請求項2】
前記コンパス(2、3)の前記ヒンジ(22、32、202、302)は、前記リストレットによって形成される平面に対して垂直の枢動軸線を有していることを特徴とする、請求項1に記載のクラスプ(1)。
【請求項3】
前記アームの前記自由端部は、ループ(7)の上で枢動するように装着されており、前記噛み合い手段(4)は、前記ループ(7)と前記アームの前記自由端部との間に装着されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のクラスプ(1)。
【請求項4】
前記噛み合い手段(4)は、歯付きホイールの形態になっていることを特徴とする、請求項に記載のクラスプ(1)。
【請求項5】
前記コンパス(2、3)は、軸線dの軸対称性にしたがって対称的に配設されており、前記軸線dは、前記アームの前記自由端部を通過していることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のクラスプ(1)。
【請求項6】
前記クラスプ(1)は、前記アームの前記自由端部を保持するための保持手段を含み、前記保持手段は、前記第1のパーツ(6)および前記第2のパーツ(8)の上に除去可能に装着されていることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のクラスプ(1)。
【請求項7】
前記クラスプ(1)は、前記閉位置でロックするための手段を含むことを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のクラスプ(1)。
【請求項8】
前記クラスプ(1)は、2つのセットの4つのアームを含み、前記4つのアームは、互いに対してヒンジ式になっており、前記2つのセットは、中間エレメントを介して接続され、一緒にヒンジ式になっていることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載のクラスプ(1)。
【請求項9】
請求項1からのいずれか一項に記載のクラスプ(1)を提供されたリストレットを含む腕時計リストレット。
【請求項10】
請求項1からのいずれか一項に記載のクラスプ(1)を含むベルト・ループ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調節可能なパーツを備えたリストレット用のクラスプに関し、とりわけ、腕時計リストレット用のクラスプに関する。
【背景技術】
【0002】
リストレット用のクラスプが、文献EP0607726から知られており、クラスプは、ベース・プレートとキャップとを含むメカニズムを有しており、ベース・プレートは、プレートの端部においてヒンジ式になっており、キャップは、ベース・プレートに隣接して逆U字型の形態になっており、その2つの自由縁部は、横方向アームによって同じ側にそれぞれ延在させられており、その端部は、ベース・プレートの対応する横方向面の上に回転するように装着されている。キャップの自由縁部は、横方向ロッキング手段によってロックされ得、調節可能なパーツは、ベース・プレートとキャップとの間を通っており、ベース・プレートまたはキャップの内側面から突出するスタッドによって保持される。
【0003】
そのようなメカニズムを操作することは、ユーザーにとって容易ではない。その理由は、リストレットのパーツの長さを変化させることが望まれるときに、パーツの長さを調節することができるようにするために爪によってメカニズムを解放し、ベース・プレートを保持することが必要であるからである。加えて、メカニズムのロッキングは、完全に安全ではない。その理由は、リストレットが着用されているときに何かに付着するかまたは衝撃を受けるケースでは、キャップが解放する可能性があるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】EP0607726
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、とりわけ、これらの公知の技法のさまざまな欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
より正確には、本発明の1つの目的は、リストレットのパーツの長さの単純で迅速な調節を可能にするクラスプを提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、少なくとも1つの特定の実施形態において、実装するのが簡単で安価なクラスプを提供することである。
【0008】
これらの目的、および、以降でより明らかになることとなる他の目的は、本発明にしたがって、リストレット用のクラスプであって、クラスプは、少なくとも1つのセットの4つのアームを含み、4つのアームは、互いに対してヒンジ式になっており、クラスプが第1の位置から第2の位置へ移ることができるようになっており、第1の位置は、展開位置と称され、第1の位置では、アームは、リストレットの外側に向けて放射状に配向されており、第2の位置は、閉位置と称され、第2の位置では、アームは、互いに対して折り畳まれており、リストレットの下に設置されるようになっており、前記セットの4つのヒンジ式アームは、ヒンジによって接合される2つのアームによって形成される2つのコンパスを含み、アームの自由端部は、リストレットの第1および第2のパーツの上に枢動可能に装着されている、クラスプによって実現される。
【0009】
本発明の他の有利な変形例によれば、
- コンパスのヒンジは、リストレットによって形成される平面に対して垂直の枢動軸線を有している;
- アームの少なくとも2つの自由端部は、リストレットのパーツのうちの一方の上に互いに向かい合って装着されており、噛み合い手段をそれぞれ含み、アームの対が、第1の位置から第2の位置へ同時に移るようになっている;
- アームの自由端部は、ループの上で枢動するように装着されており、前記噛み合い手段は、前記ループとアームの自由端部との間に装着されている;
- 噛み合い手段は、歯付きホイールの形態になっている;
- コンパスは、軸線dの軸対称性にしたがって対称的に配設されており、軸線dは、前記アームの自由端部を通過している;
- クラスプは、アームの前記自由端部を保持するための手段を含み、前記保持手段は、前記第1のパーツおよび前記第2のパーツの上に除去可能に装着されている;
- クラスプは、閉位置でロックするための手段を含む;
- クラスプは、2つのセットの4つのアームを含み、4つのアームは、互いに対してヒンジ式になっており、前記2つのセットは、中間エレメントを介して接続され、一緒にヒンジ式になっている。
【0010】
また、本発明は、本発明によるクラスプを提供されたリストレットを含む腕時計リストレットに関する。
【0011】
また、本発明は、そのようなクラスプを含むベルト・ループに関する。
【0012】
したがって、本発明の目的は、上記に説明されているそのさまざまな機能的なおよび構造的な態様を通して、操作が簡単化されたクラスプを取得することを可能にする。
【0013】
本発明の他の特徴および利点は、本発明の特定の実施形態の以下の説明(単に例示目的の非限定的な例として与えられている)を読むと、および、添付の図から、より明確に明らかになることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明による、展開位置におけるクラスプの斜視図である。
図2】本発明による、閉位置におけるクラスプの斜視図である。
図3】本発明による第2の実施形態による、閉位置におけるクラスプの斜視図である。
図4a】本発明による第2の実施形態による、部分的に展開された位置におけるクラスプの斜視図である。
図4b】本発明による第2の実施形態による、展開された位置におけるクラスプの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、第1の実施形態によるリストレット用のクラスプは、図1および図2を併せて参照して、以降で説明されることとなる。
【0016】
本発明の第1の実施形態によれば、リストレット用のクラスプ1であって、クラスプ1は、第1のセット10の4つのアーム20、21、30、31を含み、4つのアーム20、21、30、31は、互いに対してヒンジ式になっており、クラスプ1が第1の位置から第2の位置へ移ることができるようになっており、第1の位置は、展開位置と称され、第1の位置では、アームは、リストレットの外側に向けて放射状に配向されており、第2の位置は、閉位置と称され、第2の位置では、アームは、互いに対して折り畳まれており、リストレットの下に設置されるようになっており、前記セットの4つのヒンジ式アームは、ヒンジ22、32によって接合される2つのアーム20、21および30、31によって形成される2つのコンパス2、3を含み、アームの自由端部23、24および33、34は、第1のパーツ6および第2のパーツ8の上に枢動可能に装着されている。
【0017】
本発明によれば、コンパス2、3のヒンジ22、32は、リストレットによって形成される平面に対して垂直の枢動軸線Aを有している。
【0018】
図1および図2において観察され得るように、アームの少なくとも2つの自由端部23、33および24、34は、互いに直ぐ付近に、リストレットのパーツの1つの上に互いに向かい合って装着されており、噛み合い手段4をそれぞれ含み、アームの対が、第1の位置から第2の位置へ同時に移るようになっている。噛み合い手段は、歯付きホイールまたはピニオンの形態になっており、1つのアームが、ホイールの歯またはピニオンの歯に固定されている。そのような配置は、クラスプ1が着用者によって操作されるときに、コンパス2、3の同時の展開または折り畳みを可能にする。
【0019】
別の実施形態によれば、互いに向かい合う自由端部24、34は、ピボットを含み、クラスプ1が着用者によって操作されるときに、コンパス2、3の展開または折り畳みを可能にする。
【0020】
コンパス2、3は、軸線dの軸対称性にしたがって対称的に配設されており、軸線dは、アームの自由端部を通過している。
【0021】
図3において観察され得るように、コンパスのいくつかのアームは、コンパスのトラベルを制限するための、および、コンパスが所定の形状を採用することを引き起こすためのストップ手段5を含むことが可能である。
【0022】
クラスプ1は、アームの自由端部を保持するための手段を含み、前記保持手段は、前記第1のパーツおよび前記第2のパーツの上に除去可能に装着されている。これらの保持手段は、ピン71を提供されたパーツの幅を有するループ7の形態になっており、ピン71は、リストレット・パーツ(それが、リストレット・パーツの上に装着されている)の中のオリフィス70と協働し、ループ7は、したがって、着用者によって必要に応じてリストレット・パーツから切り離されることができる。図において観察され得るように、歯付きホイール4は、着用者の皮膚に接触する側においてそれぞれのループの上で回転するように装着されており、腕時計が着用されているときにクラスプを閉めるおよび/または開けるためのシステムを隠すようになっている。
【0023】
また、本発明によるクラスプは、閉位置においてロックするための手段を含み、ループ7は、この目的のために、スナップオン手段または相補的なフックを含み、それは、2つのループ7が閉位置において互いに接触しているときに、互いに協働する。
【0024】
本発明のとりわけ有利な態様によれば、クラスプは、それが開位置になっているときに、ブランドのロゴを示すことを可能にする。
【0025】
図3および図4に図示されている本発明の第2の実施形態によれば、クラスプ1は、互いに対してヒンジ式になっている第1のセット10の4つのアーム20、21、30、31と、第2のセット100の4つのアーム200、201、300、301とを含み、クラスプ1が第1の位置から第2の位置へ移ることができるようになっており、第1の位置は、展開位置と称され、第1の位置では、アームは、リストレットの外側に向けて放射状に配向されており、第2の位置は、閉位置と称され、第2の位置では、アームは、互いに対して折り畳まれており、リストレットの下に設置されるようになっている。第1および第2のセットの4つのヒンジ式アームは、ヒンジ22、32および202、302によって接合される2つのアーム20、21、200、201および30、31、300、301によって形成される2つのコンパス2、3をそれぞれ含む。アームの自由端部23、33および204、304は、第1のパーツ6および第2のパーツ8の上に枢動可能に装着されており、アームの自由端部24、34および203、303は、中間エレメント4(たとえば、プレートなど)の上に装着されている。
【0026】
第1の実施形態と同様に、アーム23、33および204、304の少なくとも2つの自由端部は、リストレットのパーツのうちの1つの上に互いに向かい合って装着されており、噛み合い手段をそれぞれ含み、アームの対が、着用者による展開または折り畳みの間に、第1の位置から第2の位置へ同時に移るようになっている。
【0027】
この第2の実施形態において、閉位置でロックするための手段は、中間エレメントおよび2つのループの上に位置付けされており、2つのループは、クラスプ1が閉位置になっているときに、中間エレメントの上にスナップするかまたは取り付けるようになる。
【0028】
クラスプを開けるまたは閉めるために、ユーザーは、パーツ6および8を引っ張るかまたは押し、コンパス2、3が展開されるかまたは閉じるようになっている。最後に、ループ7をスナップオンするかまたはループ7を取り付けるために、ユーザーがループ7を互いに対して位置決めすると、クラスプがロックされる。
【0029】
また、本発明は、上記に説明されているようなクラスプを提供されたリストレットを含む腕時計リストレットに関する。
【0030】
これらのさまざまな本発明の態様のおかげで、クラスプは、特定の美的な態様を手に入れながら、単純な設計で利用可能であり、閉めるまたは展開するのに容易である。
【符号の説明】
【0031】
1 クラスプ
2 コンパス
3 コンパス
4 噛み合い手段、歯付きホイール、中間エレメント
5 ストップ手段
6 第1のパーツ
7 ループ
8 第2のパーツ
10 第1のセット
20 アーム
21 アーム
22 ヒンジ
23 アームの自由端部
24 アームの自由端部
30 アーム
31 アーム
32 ヒンジ
33 アームの自由端部
34 アームの自由端部
70 オリフィス
71 ピン
100 第2のセット
200 アーム
201 アーム
202 ヒンジ
203 アームの自由端部
204 アームの自由端部
300 アーム
301 アーム
302 ヒンジ
303 アームの自由端部
304 アームの自由端部
図1
図2
図3
図4a
図4b