(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-12
(45)【発行日】2023-05-22
(54)【発明の名称】加算平均ユニットおよび測定装置
(51)【国際特許分類】
G01R 19/00 20060101AFI20230515BHJP
【FI】
G01R19/00 A
(21)【出願番号】P 2022037685
(22)【出願日】2022-03-11
(62)【分割の表示】P 2020089908の分割
【原出願日】2015-07-14
【審査請求日】2022-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104787
【氏名又は名称】酒井 伸司
(72)【発明者】
【氏名】竹内 陽一郎
(72)【発明者】
【氏名】依田 元
【審査官】島▲崎▼ 純一
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-25889(JP,A)
【文献】特開2015-14525(JP,A)
【文献】特開2001-218359(JP,A)
【文献】特開2001-121974(JP,A)
【文献】特開2010-204068(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プローブ接続部を介して検出電圧信号を出力する複数の電流センサにおける当該各プローブ接続部がそれぞれ接続可能な複数の第2センサ接続部を有する測定装置本体に接続される加算平均ユニットであって、
前記
複数の電流センサの前記各プローブ接続部がそれぞれ接続可能な複数の
第1センサ接続部と、
前記各
第1センサ接続部に
前記各プローブ接続部が接続された前記
各電流センサから出力される2以上の検出電圧信号について
の加算平均信号を生成する加算平均部と、
前記加算平均信号
を前記測定装置本体に出力するコネクタであって、前記測定装置本体の前記複数の第2センサ接続部と同じピン配列を有すると共に当該複数の第2センサ接続部のうちの1つの第2センサ接続部に接続される第1コネクタとを備
えている加算平均ユニット。
【請求項2】
前記第1コネクタは、前記各プローブ接続部のうちの1つと同じコネクタである請求項1記載の加算平均ユニット。
【請求項3】
前記電流センサが接続された前記
第1センサ接続部の個数を示す個数情報を前記第1コネクタに出力する請求項1
または2記載の加算平均ユニット。
【請求項4】
前記
第1センサ接続部に接続された前記電流センサの測定レンジを示すレンジ情報を前記第1コネクタに出力する請求項1
から3のいずれかに記載の加算平均ユニット。
【請求項5】
前記
第1センサ接続部には、前記電流センサに対する入力インピーダンスを規定する入力抵抗が接続され、
前記加算平均部は、高入力インピーダンスに規定された入力端子および前記第1コネクタに接続された出力端子とを有するバッファ部と、同じ抵抗値に規定されると共に対応する前記
第1センサ接続部と前記入力端子との間に接続された当該
第1センサ接続部と同数の分圧抵抗とを備え、
前記分圧抵抗のうちの少なくとも1つの分圧抵抗は、前記
第1センサ接続部と前記入力端子との間にスイッチと直列接続された状態で接続され、当該少なくとも1つの分圧抵抗を除く他の分圧抵抗は、前記
第1センサ接続部と前記入力端子との間に単独状態で接続されている請求項1から
4のいずれかに記載の加算平均ユニット。
【請求項6】
前記測定装置本体と、当該測定装置本体に接続された請求項1
または2記載の加算平均ユニットとを備えている測定装置であって、
前記測定装置本体は、前記加算平均ユニットの前記第1コネクタに接続されて前記加算平均信号を入力する
前記1つの
第2センサ接続部から出力される前記加算平均信号をA/D変換して加算平均データを出力するA/D変換部と、処理部とを備え、
前記処理部は、前記加算平均データに基づいて、前記電流センサが装着され
た2以上の電流路に流れ
る電流
の合成電流について
の電流値を算出する算出処理を実行する測定装置。
【請求項7】
前記測定装置本体と、当該測定装置本体に接続された請求項
3記載の加算平均ユニットとを備えている測定装置であって、
前記測定装置本体は、前記加算平均ユニットの前記第1コネクタに接続されて前記加算平均信号および前記個数情報を入力する
前記1つの
第2センサ接続部から出力される前記加算平均信号をA/D変換して加算平均データを出力するA/D変換部と、処理部とを備え、
前記処理部は、前記加算平均データおよび前記個数情報に基づいて、前記電流センサが装着され
た2以上の電流路に流れ
る電流
の合成電流について
の電流値を算出する算出処理を実行する測定装置。
【請求項8】
前記測定装置本体と、当該測定装置本体に接続された請求項
4記載の加算平均ユニットとを備えている測定装置であって、
前記測定装置本体は、前記加算平均ユニットの前記第1コネクタに接続されて前記加算平均信号および前記レンジ情報を入力する
前記1つの
第2センサ接続部から出力される前記加算平均信号をA/D変換して加算平均データを出力するA/D変換部と、処理部とを備え、
前記処理部は、前記加算平均データおよび前記レンジ情報に基づいて、前記電流センサが装着された
2以上の電流路に流れ
る電流
の合成電流について
の電流値を算出する算出処理を実行する測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つの電流路に流れる電流を測定するために測定装置で使用される加算平均ユニット、およびこの加算平均ユニットを備えた測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の測定装置では、本願出願人が既に提案している下記の特許文献1に開示された測定装置のように、電流センサを備えた複数の電流プローブを1つずつ接続可能な複数の入力部(プローブ接続部としての入力コネクタ)と、複数の入力部のそれぞれに配設されると共に、対応する入力部に接続された電流プローブから出力される検出信号(つまり、電流センサから出力される信号)をA/D変換して波形データを出力するA/D変換部と、各A/D変換部から出力される波形データを加算する信号加算部と、この信号加算部から出力される加算後の波形データを処理する処理部とを備えている。
【0003】
この測定装置では、複数の電流プローブは共通の測定対象電線(電流路)に装着され、処理部は、各電流プローブから出力される検出信号についての波形データが加算された波形データに基づいて、1つの測定対象電線に流れる測定電流の電流値を算出する処理を実行する。このように、複数の電流プローブを1つずつ接続可能な複数の入力部を備えた測定装置では、入力部毎にA/D変換部が配設される構成が通常採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-14525号公報(第8-11頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の特許文献1に開示された測定装置のように、各入力部に接続された電流プローブから出力される検出信号についての波形データを加算する機能を備えた測定装置や、
図4に示すような複数の入力系統(電流センサ11を有する電流プローブ2が接続される入力部52a~52d(以下、「入力部52」ともいう)、および入力部52を介して電流プローブ2から出力される検出電圧信号S1(本例では検出電圧信号S1a~S1d)を波形データDi(本例では波形データDia~Did)に変換するA/D変換部53a~53d(以下、「A/D変換部53」ともいう)を有する入力系統)を備えた測定装置51では、1つの測定対象電線(電流路)6に流れる測定電流Iの電流値I1が電流プローブ2の測定レンジを超える場合であっても、その測定対象電線6を複数の分流路に分けることで、電流値I1を測定することが可能である。
【0006】
例えば、測定電流Iの電流値I1が1200Aで、各電流プローブ2の測定レンジが500Aのときには、1200Aは500Aの2倍以上でかつ3倍未満であることから、
図4に示すように、測定対象電線6を3つの複数の分流路6a,6b,6cに分ける。また、測定装置1における分流路6a,6b,6cの数と同数の入力部52(一例として同図の測定装置1では、4つの入力部52a,52b,52c,52dのうちの3つの入力部52a,52b,52c)にこの電流プローブ2を接続し、かつ各電流プローブ2を各分流路6a,6b,6cに1つずつ装着する。
【0007】
これにより、測定装置1では、4つの入力系統(入力部52aおよびA/D変換部53aを含む入力系統、入力部52bおよびA/D変換部53bを含む入力系統、入力部52cおよびA/D変換部53cを含む入力系統、並びに入力部52dおよびA/D変換部53dを含む入力系統)のうちの3つの入力系統(一例として、入力部52dおよびA/D変換部53dを含む入力系統を除く3つの入力系統)が使用されて、各A/D変換部53(A/D変換部53a,53b,53c)が、対応する入力部52a,52b,52cから入力される各検出電圧信号S1(各電流プローブ2の電流センサ11から出力される検出電圧信号S1a,S1b,S1c)を、飽和を回避しつつ各波形データDi(波形データDia,Dib,Dic)に正確に変換することが可能となる。したがって、処理部54は、この正確な各波形データDia,Dib,Dicを加算すると共に、加算によって得られた加算波形データDad(=Dia+Dib+Dic)と電流プローブ2の測定レンジの情報とに基づいて測定電流Iの電流値I1(=Ia1+Ib1+Ic1)を算出することが可能となる。
【0008】
しかしながら、複数の入力部52に電流プローブ2を接続して、この複数の電流プローブ2で1つの測定対象電線6の測定電流Iを測定する構成では、1つの測定対象電線6の測定電流Iの測定に測定装置51側の複数のA/D変換部53が使用されるため、測定電流Iの測定以外の測定に使用可能な入力部52の数(つまり、A/D変換部53の数)が減少し、その減少の度合いによっては、測定電流Iの測定と同時に電圧プローブを使用して測定対象電線6の電圧を測定したり、測定した電流および電圧に基づいて測定対象電線6を経由して供給されている電力を測定したりすることが困難になるという改善すべき課題が存在している。
【0009】
本発明は、かかる課題を改善するためになされたものであり、測定装置(測定装置本体)が備えている入力部(電流プローブ(つまり電流センサ)が接続されるセンサ接続部)の使用数を必要最小限に抑えつつ、電流プローブの測定レンジを超える(電流プローブで測定し得る電流値を超える)電流値の測定電流を測定装置(測定装置本体)において測定可能とし得る加算平均ユニット、およびこの加算平均ユニットを有する測定装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成すべく請求項1記載の加算平均ユニットは、プローブ接続部を介して検出電圧信号を出力する複数の電流センサにおける当該各プローブ接続部がそれぞれ接続可能な複数の第2センサ接続部を有する測定装置本体に接続される加算平均ユニットであって、前記複数の電流センサの前記各プローブ接続部がそれぞれ接続可能な複数の第1センサ接続部と、前記各第1センサ接続部に前記各プローブ接続部が接続された前記各電流センサから出力される2以上の検出電圧信号についての加算平均信号を生成する加算平均部と、前記加算平均信号を前記測定装置本体に出力するコネクタであって、前記測定装置本体の前記複数の第2センサ接続部と同じピン配列を有すると共に当該複数の第2センサ接続部のうちの1つの第2センサ接続部に接続される第1コネクタとを備えている。
また、請求項2記載の加算平均ユニットは、請求項1記載の加算平均ユニットにおいて、前記第1コネクタは、前記各プローブ接続部のうちの1つと同じコネクタである。
【0011】
請求項3記載の加算平均ユニットは、請求項1または2記載の加算平均ユニットにおいて、前記電流センサが接続された前記第1センサ接続部の個数を示す個数情報を前記第1コネクタに出力する。
【0012】
請求項4記載の加算平均ユニットは、請求項1から3のいずれかに記載の加算平均ユニットにおいて、前記第1センサ接続部に接続された前記電流センサの測定レンジを示すレンジ情報を前記第1コネクタに出力する。
【0013】
請求項5記載の加算平均ユニットは、請求項1から4のいずれかに記載の加算平均ユニットにおいて、前記第1センサ接続部には、前記電流センサに対する入力インピーダンスを規定する入力抵抗が接続され、前記加算平均部は、高入力インピーダンスに規定された入力端子および前記第1コネクタに接続された出力端子とを有するバッファ部と、同じ抵抗値に規定されると共に対応する前記第1センサ接続部と前記入力端子との間に接続された当該第1センサ接続部と同数の分圧抵抗とを備え、前記分圧抵抗のうちの少なくとも1つの分圧抵抗は、前記第1センサ接続部と前記入力端子との間にスイッチと直列接続された状態で接続され、当該少なくとも1つの分圧抵抗を除く他の分圧抵抗は、前記第1センサ接続部と前記入力端子との間に単独状態で接続されている。
【0014】
請求項6記載の測定装置は、前記測定装置本体と、当該測定装置本体に接続された請求項1または2記載の加算平均ユニットとを備えている測定装置であって、前記測定装置本体は、前記加算平均ユニットの前記第1コネクタに接続されて前記加算平均信号を入力する前記1つの第2センサ接続部から出力される前記加算平均信号をA/D変換して加算平均データを出力するA/D変換部と、処理部とを備え、前記処理部は、前記加算平均データに基づいて、前記電流センサが装着された2以上の電流路に流れる電流の合成電流についての電流値を算出する算出処理を実行する。
【0015】
請求項7記載の測定装置は、前記測定装置本体と、当該測定装置本体に接続された請求項3記載の加算平均ユニットとを備えている測定装置であって、前記測定装置本体は、前記加算平均ユニットの前記第1コネクタに接続されて前記加算平均信号および前記個数情報を入力する前記1つの第2センサ接続部から出力される前記加算平均信号をA/D変換して加算平均データを出力するA/D変換部と、処理部とを備え、前記処理部は、前記加算平均データおよび前記個数情報に基づいて、前記電流センサが装着された2以上の電流路に流れる電流の合成電流についての電流値を算出する算出処理を実行する。
【0016】
請求項8記載の測定装置は、前記測定装置本体と、当該測定装置本体に接続された請求項4記載の加算平均ユニットとを備えている測定装置であって、前記測定装置本体は、前記加算平均ユニットの前記第1コネクタに接続されて前記加算平均信号および前記レンジ情報を入力する前記1つの第2センサ接続部から出力される前記加算平均信号をA/D変換して加算平均データを出力するA/D変換部と、処理部とを備え、前記処理部は、前記加算平均データおよび前記レンジ情報に基づいて、前記電流センサが装着された2以上の電流路に流れる電流の合成電流についての電流値を算出する算出処理を実行する。
【発明の効果】
【0017】
請求項1,2記載の加算平均ユニットでは、複数の電流センサの各プローブ接続部が接続可能な複数の第1センサ接続部と、第1センサ接続部にプローブ接続部が接続された各電流センサから出力される2以上の検出電圧信号についての加算平均信号を生成する加算平均部と、加算平均信号を測定装置本体に出力するコネクタであって、測定装置本体の複数の第2センサ接続部と同じピン配列を有すると共にその複数の第2センサ接続部のうちの1つの第2センサ接続部に接続される第1コネクタとを備えている。
【0018】
したがって、請求項1,2記載の加算平均ユニットによれば、例えば、A/D変換器および処理部などを有する測定装置本体の1つの第2センサ接続部に第1コネクタを接続することで、測定装置本体が備えている第2センサ接続部の使用数を必要最小限(1つ)に抑えつつ、電流センサの測定レンジを超える電流値の測定電流(電流路に流れる電流)を、この測定電流が流れる電流路を複数の他の電流路に分岐させて測定する手法を採用して処理部に対して測定させることができる。
【0019】
これにより、請求項1または2記載の加算平均ユニットを備えた請求項6記載の測定装置によれば、測定電流が流れる電流路を複数の他の電流路に分岐させて測定する手法を採用して、処理部において電流路に流れる測定電流の電流値を加算平均データに基づいて測定させつつ、余っている第2センサ接続部を使用して、この第2センサ接続部に電圧プローブや他の電流プローブを接続することで、例えば、電流路に印加されている電圧の電圧値をこの電圧プローブを用いて処理部に測定させたり、測定された電流値やこの電圧値に基づいて、電流路を介して供給されている電力などを処理部に同時に測定させることができる。
【0020】
請求項3記載の加算平均ユニットによれば、電流センサが接続された第1センサ接続部の個数を示す個数情報を処理部に自動的に出力させることができる。これにより、この加算平均ユニットを備えた請求項7記載の測定装置によれば、この電流センサのレンジ情報が処理部において既知である状況下において、処理部に対して手動でこの個数情報を入力する手間を省きつつ、加算平均信号(加算平均データ)と個数情報と既知のレンジ情報とに基づいて電流路に流れる電流の電流値を測定することができる。また、この測定装置によれば、測定電流が流れる電流路を複数の他の電流路に分岐させて測定する手法を採用して、処理部において電流路に流れる測定電流の電流値を加算平均データに基づいて測定させつつ、余っている第2センサ接続部を使用して、この第2センサ接続部に電圧プローブや他の電流プローブを接続することで、例えば、電流路に印加されている電圧の電圧値をこの電圧プローブを用いて処理部に測定させたり、測定された電流値やこの電圧値に基づいて、電流路を介して供給されている電力などを処理部に同時に測定させることができる。
【0021】
請求項4記載の加算平均ユニットによれば、第1センサ接続部に接続された電流センサについてのレンジ情報を処理部に自動的に出力させることができる。これにより、この加算平均ユニットを備えた請求項8記載の測定装置によれば、加算平均ユニットに接続された電流センサの個数が処理部において既知である状況下において、処理部に対して手動でこのレンジ情報を入力する手間を省きつつ、加算平均信号(加算平均データ)とレンジ情報と既知の電流センサの個数とに基づいて電流路に流れる電流の電流値を測定することができる。また、この測定装置によれば、測定電流が流れる電流路を複数の他の電流路に分岐させて測定する手法を採用して、処理部において電流路に流れる測定電流の電流値を加算平均データに基づいて測定させつつ、余っている第2センサ接続部を使用して、この第2センサ接続部に電圧プローブや他の電流プローブを接続することで、例えば、電流路に印加されている電圧の電圧値をこの電圧プローブを用いて処理部に測定させたり、測定された電流値やこの電圧値に基づいて、電流路を介して供給されている電力などを処理部に同時に測定させることができる。
【0022】
請求項5記載の加算平均ユニットによれば、分圧抵抗が単独状態で接続されている第1センサ接続部については、電流センサを常時接続し、分圧抵抗がスイッチと直列接続された状態で接続されている第1センサ接続部については、電流センサを必要に応じて接続するようにしても、電流センサが接続されない(つまり、検出電圧信号が入力されない)分圧抵抗および入力抵抗を、対応するスイッチをオフ状態に切り換えることにより、電流センサが接続されている(つまり、検出電圧信号が入力されている)分圧抵抗および入力抵抗から切り離すことができる。このため、各電流センサから加算平均ユニットに入力される検出電圧信号の加算平均信号を簡易な構成で、正確に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】電流プローブ2、加算平均ユニット3および測定装置本体4を有する測定装置1の構成図である。
【
図2】
図1に示す電流プローブ2のプローブ接続部12についての構成を説明するための構成図である。
【
図3】電流プローブ2の種類と、それぞれのレンジ情報Drとの対応関係を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、加算平均ユニット、およびこの加算平均ユニットを備えた測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0025】
最初に、加算平均ユニットおよび測定装置の構成について、図面を参照して説明する。
【0026】
図1に示す測定装置としての測定装置1は、複数の電流プローブ2(同じ測定レンジIrgの電流プローブ)、加算平均ユニットとしての加算平均ユニット3、および測定装置本体4を有し、1本の電流路としての測定対象電線6に流れる交流電流としての測定電流Iの電流値I1を、測定対象電線6を複数の電流路としての分流路(同図では一例として3つの分流路6a,6b,6c)に分岐させた状態で測定可能に構成されている。この場合、測定レンジIrgとは電流プローブ2の定格電流値の最大値であり、例えば、この最大値が200Aのときには測定レンジIrgは200Aであり、この最大値が500Aのときには測定レンジIrgは500Aである。
【0027】
電流プローブ2は、複数の種類(本例では一例として、測定レンジIrgが100Aの電流プローブ2a、測定レンジIrgが200Aの電流プローブ2b、測定レンジIrgが500Aの電流プローブ2c、測定レンジIrgが1000Aの電流プローブ2dの4種類。以下、特に区別しないときには「電流プローブ2」ともいう)が存在しているものとする。また、各電流プローブ2は、一例として、電線をクランプ可能(電線に装着可能)に構成された電流センサ11、加算平均ユニット3の後述するセンサ接続部(複数の接続ピンを有するコネクタ)21a~21d(以下、区別しないときには「センサ接続部21」ともいう)に着脱自在に接続可能なプローブ接続部(センサ接続部21と同じピン配列のコネクタ)12、および電流センサ11とプローブ接続部12とを接続するケーブル13をそれぞれ有している。ケーブル13は、例えば、同軸ケーブルなどのような信号伝送用の配線がシールド部材で覆われたシールドケーブルで構成されている。
【0028】
電流センサ11は、加算平均ユニット3からケーブル13を介して供給される不図示の作動用電圧で動作して、クランプしている電線に流れている電流を検出すると共に、この検出した電流の電流値に比例して振幅が変化する電圧信号(上記の作動用電圧の基準電圧(グランド電圧)Gを基準として振幅が変化するアナログ電圧信号)である検出電圧信号S1(本例では一例として検出電圧信号S1a~S1d)を、ケーブル13を介して加算平均ユニット3に低インピーダンスで(一例として50Ω程度の出力インピーダンスで)出力する。本例では一例として、この検出電圧信号S1は、
図2に示すように、プローブ接続部12の接続ピンPN1から、加算平均ユニット3のセンサ接続部21における対応する接続ピンPN1に出力される。また、ケーブル13の検出電圧信号S1を伝送するための配線をシールドするケーブル13内のシールド部材や、検出電圧信号S1のリターン路となる配線は、
図2に示すように、プローブ接続部12の接続ピンPN2に接続されて、加算平均ユニット3のセンサ接続部21における対応する接続ピンPN2を介して、加算平均ユニット3内の上記の作動用電圧についての基準電圧Gに接続される。
【0029】
また、電流センサ11またはプローブ接続部12(本例では一例として、
図2に示すようにプローブ接続部12)には、接続情報出力部14およびレンジ情報出力部15が内蔵されている。この場合、接続情報出力部14は、プローブ接続部12が加算平均ユニット3のセンサ接続部21に接続された際に、プローブ接続部12の所定の接続ピン(本例では一例として1つの接続ピンPN3)を介してセンサ接続部21の対応する接続ピン(本例では接続ピンPN3)に、具体的にはこの接続ピンPN3を介して加算平均ユニット3内の後述するプローブ情報出力部24に、このセンサ接続部21にプローブ接続部12が接続されたことを示す接続情報(接続データ)Dcを出力する。本例では一例として、接続情報出力部14は、プローブ接続部12がセンサ接続部21に接続されている状態(接続状態)では、プローブ接続部12の接続ピンPN3、およびこの接続ピンPN3に接続されているセンサ接続部21の接続ピンPN3に基準電圧Gとほぼ同じ電圧(ローレベルの電圧(電圧L))を出力し、プローブ接続部12がセンサ接続部21に接続されていない状態(未接続状態)では、プローブ接続部12の接続ピンPN3、およびこの接続ピンPN3に接続されているセンサ接続部21の接続ピンPN3に作動用電圧とほぼ同じ電圧(ハイレベルの電圧(電圧H))を出力する。
【0030】
レンジ情報出力部15は、プローブ接続部12が加算平均ユニット3のセンサ接続部21に接続された際に、プローブ接続部12の所定の接続ピン(本例では一例として2つの接続ピンPN4,PN5)を介してセンサ接続部21の対応する接続ピン(本例では接続ピンPN4,PN5)に、具体的にはこの接続ピンPN4,PN5を介して加算平均ユニット3内のプローブ情報出力部24に、このセンサ接続部21に接続された電流プローブ2の種類(つまり、接続された電流プローブ2の測定レンジ)を示すレンジ情報(レンジデータ)Drを出力する。本例では、電流プローブ2の種類は、上記したように、100Aの測定レンジIrg、200Aの測定レンジIrg、500Aの測定レンジIrgおよび1000Aの測定レンジIrgの4種類である。このため、本例ではこの4種類を識別するためにレンジ情報Drを2ビットで構成して、各ビットの情報を接続ピンPN4,PN5に出力する。
【0031】
本例では一例として、
図3に示すように、測定レンジIrgが100Aの電流プローブ2aのプローブ接続部12に設けられたレンジ情報出力部15は、各接続ピンPN4,PN5にレンジ情報Dr(電圧L,L)を出力し、測定レンジIrgが200Aの電流プローブ2bのプローブ接続部12に設けられたレンジ情報出力部15は、各接続ピンPN4,PN5にレンジ情報Dr(電圧H,L)を出力し、測定レンジIrgが500Aの電流プローブ2cのプローブ接続部12に設けられたレンジ情報出力部15は、各接続ピンPN4,PN5にレンジ情報Dr(電圧L,H)を出力し、測定レンジIrgが1000Aの電流プローブ2dのプローブ接続部12に設けられたレンジ情報出力部15は、各接続ピンPN4,PN5にレンジ情報Dr(電圧H,H)を出力する。
【0032】
上記のように接続情報Dcを出力する接続情報出力部14や、レンジ情報Drを出力するレンジ情報出力部15については、例えば、加算平均ユニット3がプローブ情報出力部24における接続情報Dcおよびレンジ情報Drを入力する入力バッファの入力端子を抵抗を介して作動用電圧(電圧H)にプルアップする構成を採用しているときには、各接続ピンPN3,PN4,PN5と接続ピンPN2(基準電圧Gに規定されているピン)との接続を独立して任意にオン・オフし得るディップスイッチなどで簡易に構成することができる。この構成の場合、プローブ接続部12が加算平均ユニット3のセンサ接続部21に接続された際に、各接続ピンPN3,PN4,PN5のうちのディップスイッチによって接続ピンPN2との接続がオン(接続状態)となっている接続ピンについては電圧Lに規定され(電圧Lの出力状態となり)、ディップスイッチによって接続ピンPN2との接続がオフ(未接続状態)となっている接続ピンについては電圧Hに規定される(電圧Hの出力状態となる)。
【0033】
加算平均ユニット3は、一例として、
図1に示すように、複数のセンサ接続部21、加算平均部22、プローブ情報出力部(センサ情報出力部でもある)24、1つの出力部25および入力抵抗28を備え、出力部25を除く他の構成要素が1つの本体ケース26(合成樹脂製のアダプタ)内に配設されると共に、本体ケース26から延出するケーブル27の先端に出力部25が配設されて構成されている。
【0034】
具体的には、センサ接続部21は、
「第1センサ接続部」に相当し、本例では複数の一例としてセンサ接続部21a,21b,21c,21d(以下、特に区別しないときにはセンサ接続部21ともいう)の4つで構成されている。また、各センサ接続部21は、電流プローブ2のプローブ接続部12と同じピン配列のコネクタで構成されている。この構成により、
図2に示すようにプローブ接続部12が接続されている接続状態において、各センサ接続部21a,21b,21c,21dは、その接続ピンPN1がプローブ接続部12の接続ピンPN1に接続されて、このプローブ接続部12の接続ピンPN1から入力される検出電圧信号S1を加算平均部22に出力する。また、この接続状態において、各センサ接続部21a,21b,21c,21dは、基準電圧Gに接続されているその接続ピンPN2がプローブ接続部12の接続ピンPN2に接続される。また、この接続状態において、各センサ接続部21a,21b,21c,21dは、その接続ピンPN3がプローブ接続部12の接続ピンPN3に接続されて、このプローブ接続部12の接続ピンPN3から入力される接続情報Dcをプローブ情報出力部24へ出力する。また、各センサ接続部21a,21b,21c,21dの接続ピンPN1には、基準電圧Gとの間に同じ抵抗値(例えば、1MΩ)の入力抵抗28a,28b,28c,28d(以下、特に区別しないときには「入力抵抗28」ともいう)が接続(配設)されている。これにより、電流センサ11(つまり、電流プローブ2)に対する入力インピーダンス、具体的には電流センサ11から出力される検出電圧信号S1に対する入力インピーダンスが、入力抵抗28の抵抗値に規定されている。
【0035】
また、特に、加算平均ユニット3の使用状態(つまり、測定対象電線6を複数の分流路に分岐させての測定状態)において、各センサ接続部21a,21b,21c,21dのうちの2つのセンサ接続部21a,21bには常に電流プローブ2が接続されるが、このセンサ接続部21a,21bのうちの一方(本例では一例としてセンサ接続部21a)における接続ピンPN4,PN5は少なくともプローブ情報出力部24に接続されている。したがって、上記の接続状態において、センサ接続部21aは、
図2に示すように、その接続ピンPN4,PN5がプローブ接続部12の接続ピンPN4,PN5に接続されて、このプローブ接続部12の接続ピンPN4,PN5から入力されるレンジ情報Drをプローブ情報出力部24に出力する。
【0036】
加算平均部22は、一例として、
図1に示すように、2以上のセンサ接続部21に接続された電流プローブ2の電流センサ11から出力される検出電圧信号S1を入力すると共に、この複数の検出電圧信号S1についての加算平均信号S3を生成する。
【0037】
本例では一例として加算平均部22は、
図1に示すように、複数のセンサ接続部21と同数の分圧抵抗31と、各センサ接続部21a,21b,21c,21dのうちの常に電流プローブ2が接続される2つのセンサ接続部21a,21bを除く他のセンサ接続部21(本例ではセンサ接続部21c,21dの2つ)と同数のスイッチとしてのオンオフスイッチ32(本例ではオンオフスイッチ32c,32d)と、高入力インピーダンスに規定された入力端子および出力部25に接続された(本例ではケーブル27を介し
て接続された)出力端子とを有するバッファ部33とを備えている。
【0038】
具体的には、本例ではセンサ接続部21が4つであるため、加算平均部22は、分圧抵抗31として4つの分圧抵抗31a,31b,31c,31dを有し、各分圧抵抗31は、同じ抵抗値(電流プローブ2の出力インピーダンス(本例では50Ω)よりも十分に高い抵抗値。本例では一例として10kΩ)に規定されている。また、各分圧抵抗31は、対応するセンサ接続部21の接続ピンPN1とバッファ部33の入力端子(具体的には、バッファ部33を構成する後述のオペアンプ33aの非反転入力端子)との間に接続されている。
【0039】
また、各分圧抵抗31のうちの常に電流プローブ2が接続される2つのセンサ接続部21a,21bに接続されている2つの分圧抵抗31a,31bは、対応するセンサ接続部21の接続ピンPN1とバッファ部33の入力端子(オペアンプ33aの非反転入力端子)との間に単独状態で接続されている。また、各分圧抵抗31のうちの2つのセンサ接続部21a,21bを除く他のセンサ接続部21(本例ではセンサ接続部21c,21dの2つ)に接続された分圧抵抗31(本例では分圧抵抗31c,31dの2つ)は、対応するセンサ接続部21の接続ピンPN1とバッファ部33の入力端子(オペアンプ33aの非反転入力端子)との間にオンオフスイッチ32と直列接続された状態(分圧抵抗31cはオンオフスイッチ32cと、また分圧抵抗31dはオンオフスイッチ32dと直列接続された状態)で接続されている。この場合、
図1では、センサ接続部21の接続ピンPN1とバッファ部33の入力端子との間に、分圧抵抗31、オンオフスイッチ32の順で直列接続される構成であるが、図示はしないが、オンオフスイッチ32、分圧抵抗31の順で直列接続される構成であってもよい。また、各オンオフスイッチ32c,32dは、本体ケース26の外部から手動で操作可能なスイッチ(例えば、本体ケース26から操作レバーが突出するように本体ケース26に配設されたトグルスイッチ)で構成されているものとする。
【0040】
この構成により、同じ抵抗値に規定された各分圧抵抗31(分圧抵抗31c,31dについてはオンオフスイッチ32がオン状態のとき)は、それぞれの他端がオペアンプ33aの入力端子(非反転入力端子)のような入力インピーダンスが極めて大きな端子(この端子に接続されている抵抗が等価的に各分圧抵抗31だけであるとみなせる端子)においてコモンに接続(共通接続)されることになる。このため、各分圧抵抗31は、テブナンの定理に基づき、複数(2以上)のセンサ接続部21(少なくともセンサ接続部21a,21bの2個)の接続ピンPN1に入力される検出電圧信号S1についての加算平均信号S2を生成してオペアンプ33aの非反転入力端子に出力する。
【0041】
例えば、各センサ接続部21a,21bに電流プローブ2がそれぞれ接続されており、センサ接続部21aに接続されている電流プローブ2の電流センサ11から検出電圧信号S1としての検出電圧信号S1a(発明の理解を容易にするため、この信号S1aの振幅もS1aと表記するものとする。以下、後述する他の信号S1b~S1dについても同様とする。)が加算平均ユニット3に入力され、かつセンサ接続部21bに接続されている電流プローブ2の電流センサ11から検出電圧信号S1としての検出電圧信号S1bが加算平均ユニット3に入力されているときには、加算平均部22は、オンオフスイッチ32c,32dがオフ状態に切り換えられていて、分圧抵抗31cおよびそれに接続されている入力抵抗28cと、分圧抵抗31dおよびそれに接続されている入力抵抗28dとが、オペアンプ33aの非反転入力端子から切り離されている状態において、各振幅S1a,S1bの加算値を検出電圧信号S1の数で除算して得られる検出電圧信号S1についての加算平均信号S2(=(S1a+S1b)/2)を生成する。また、例えば、すべてのセンサ接続部21a,21b,21c,21dに電流プローブ2がそれぞれ接続されているときには、加算平均部22は、オンオフスイッチ32c,32dがオン状態に切り換えられていて、分圧抵抗31cおよびそれに接続されている入力抵抗28cと、分圧抵抗31dおよびそれに接続されている入力抵抗28dとが、オペアンプ33aの非反転入力端子に接続されている状態において、各振幅S1a,S1b,S1c,S1dの加算値を検出電圧信号S1の数で除算して得られる検出電圧信号S1についての加算平均信号S2(=(S1a+S1b+S1c+S1d)/4)を生成する。
【0042】
バッファ部33は、本例では一例として、反転入力端子が出力端子に接続(直接接続される構成でもよいし、抵抗を介して接続される構成でもよい)されてボルテージフォロワ回路に構成されたオペアンプ33aと、オペアンプ33aの出力端子に直列接続された低抵抗値(例えば50Ω程度)の出力抵抗33bとを備えて構成されている。この構成により、このバッファ部33は、オペアンプ33aの非反転入力端子に入力される加算平均信号S2を高い入力インピーダンスで入力し、そのままの振幅で新たな加算平均信号S3として低い出力インピーダンスで出力する。
【0043】
プローブ情報出力部24は、各センサ接続部21から出力される接続情報Dcを入力すると共に、この接続情報Dcに基づいて、電流センサ11(つまり、電流プローブ2)が接続されたセンサ接続部21の個数を示す個数情報(個数データ)Dnを出力する。具体的には、上記したようにセンサ接続部21から出力される接続情報Dcが電圧Lのときには、このセンサ接続部21に電流プローブ2が接続されている接続状態であり、接続情報Dcが電圧Hのときには、このセンサ接続部21に電流プローブ2が接続されていない非接続状態であることから、プローブ情報出力部24は、電圧Lの接続情報Dcの総数を求めて個数情報Dnとして出力する。
【0044】
また、プローブ情報出力部24は、センサ接続部21aから出力されるレンジ情報Drを入力すると共に、このレンジ情報Drに基づいて、各センサ接続部21に接続されている電流センサ11の測定レンジIrg(電流プローブ2の測定レンジIrg)を示すレンジデータを出力する。本例では、プローブ情報出力部24は、入力したレンジ情報Drをそのままレンジデータとして出力する。
【0045】
出力部25は、測定装置本体4の後述する入力部41(本例では一例として3つの入力部41a~41c:複数の接続ピンを有する第2コネクタ)に着脱自在に接続可能なコネクタ(入力部41と同じピン配列の第1コネクタ)で構成されて、ケーブル27を介して本体ケース26に接続されている。本例では、加算平均ユニット3のセンサ接続部21に接続される電流プローブ2は、測定装置本体4の入力部41にも接続可能な構成である。このため、加算平均ユニット3のセンサ接続部21は測定装置本体4の入力部41と同一のコネクタで構成され、出力部25は電流プローブ2のプローブ接続部12と同一のコネクタで構成されている。また、出力部25には、本体ケース26からケーブル27を介して、加算平均信号S3、個数情報Dnおよびレンジ情報Drが伝送される。
【0046】
測定装置本体4は、入力部41
(「第2センサ接続部」に相当する)およびこの入力部41を介して入力されるアナログ信号を波形データDiに変換するA/D変換部42を有する入力系統を複数系統(本例では一例として
図1に示すように、入力部41a~41cの数(3つ)に合わせて、入力部41aおよびA/D変換部42aを含む入力系統、入力部41bおよびA/D変換部42bを含む入力系統、並びに入力部41cおよびA/D変換部42cを含む入力系統の3系統)備えると共に、各系統のA/D変換部42a,42b,42cから出力される波形データDia,Dib,Dicに基づいて、各系統の入力部41a,41b,41cに接続された検出プローブ(電流プローブ2や不図示の電圧プローブなど)で検出された電流の電流値や電圧の電圧値を測定する測定処理を実行する処理部43、並びに不図示の操作部および表示部を備えている。この場合、処理部43はコンピュータで構成され、操作部はタッチパネルやパネルスイッチやキーボードなどで構成され、表示部はディスプレイ装置で構成されている。
【0047】
次いで、加算平均ユニット3の動作と共に、測定装置1による測定電流Iについての電流値I1の測定動作について説明する。なお、測定電流Iが流れる測定対象電線6については、予め複数の電流路としての分流路(本例では一例として、3つの分流路6a,6b,6c)に分岐されているものとする。
【0048】
まず、電流プローブ2a(測定レンジIrg:100A)、電流プローブ2b(測定レンジIrg:200A)、電流プローブ2c(測定レンジIrg:500A)および電流プローブ2d(測定レンジIrg:1000A)の4種類の電流プローブ2のうちから、想定される電流値I1に基づいて、加算平均ユニット3に接続する電流プローブ2の種類を特定する。本例では、上記したように測定対象電線6が3つの分流路6a,6b,6cに分岐されているため、同種の電流プローブ2を3つ使用することを前提として、使用する電流プローブ2の種類を特定する。
【0049】
本例では一例として、想定される測定電流Iの電流値I1が1100Aであるものとする。この場合、電流値I1は、100Aの測定レンジIrgの11倍、200Aの測定レンジIrgの5倍を超え6倍未満、500Aの測定レンジIrgの2倍を超え3倍未満、1000Aの測定レンジIrgの1倍を超え2倍未満である。また、測定対象電線6は上記のように3つに分岐されている。以上のことから、本例では、使用する電流プローブ2は、測定レンジIrgが500Aの電流プローブ2cであると特定し、この同種の電流プローブ2cを3つ使用する。
【0050】
なお、想定される測定電流Iの電流値I1が550Aのときには、この電流値I1は、100Aの測定レンジIrgの5倍を超え6倍未満、200Aの測定レンジIrgの2倍を超え3倍未満、500Aの測定レンジIrgの1倍を超え2倍未満、1000Aの測定レンジIrgの1倍未満である。このため、この場合には、使用する電流プローブ2は、測定レンジIrgが200Aの電流プローブ2bであると特定し、この同種の電流プローブ2bを3つ使用する。また、
図1に示す構成とは異なり、測定対象電線6が4つの分流路に分岐されていて、想定される測定電流Iの電流値I1が1900Aのときには、この電流値I1は、100Aの測定レンジIrgの19倍、200Aの測定レンジIrgの9倍を超え10倍未満、500Aの測定レンジIrgの3倍を超え4倍未満、1000Aの測定レンジIrgの1倍を超え2倍未満である。また、測定対象電線6は4つに分岐されている。以上のことから、この場合には、使用する電流プローブ2は、測定レンジIrgが500Aの電流プローブ2cであると特定し、この同種の電流プローブ2cを4つ使用する。
【0051】
次いで、特定した電流プローブ2cを3つ、加算平均ユニット3の2つのセンサ接続部21a,21bに接続すると共に、この2つのセンサ接続部21a,21bを除く他の2つのセンサ接続部21c,21dのうちのいずれか1つに接続する。本例では一例として、
図1に示すように、2つのセンサ接続部21c,21dのうちのセンサ接続部21cに電流プローブ2cを接続する。また、センサ接続部21cとバッファ部33との間に接続されているオンオフスイッチ32cを、操作レバーを手動で操作してオン状態に移行させる。また、センサ接続部21dとバッファ部33との間に接続されているオンオフスイッチ32dについては、センサ接続部21dに電流プローブ2cが接続されないため、操作レバーを手動で操作してオフ状態に移行させる。なお、センサ接続部21cに代えて、センサ接続部21dに電流プローブ2cを接続したときには、センサ接続部21cとバッファ部33との間に接続されているオンオフスイッチ32cをオフ状態に移行させ、センサ接続部21dとバッファ部33との間に接続されているオンオフスイッチ32dをオン状態に移行させる。
【0052】
また、加算平均ユニット3の出力部25を測定装置本体4の入力部41a,41b,41cのうちのいずれか1つに接続する(本例では
図1に示すように入力部41aに接続する)。続いて、
図1に示すように、各電流プローブ2cの電流センサ11を各分流路6a,6b,6cにクランプ(装着)する。
【0053】
本例では、測定対象電線6に流れている測定電流Iは、3つの分流路6a,6b,6cに分流電流Ia,Ib,Icとして分岐して流れている。この場合、分流電流Ia,Ib,Icの各電流値Ia1,Ib1,Ic1は通常はほぼ同じ値(本例では測定電流Iの電流値I1が1100Aであるため、各電流値Ia1,Ib1,Ic1は約367Aとなって、電流プローブ2cの測定レンジIrg(500A)未満の値)となっている。各電流プローブ2cの電流センサ11は、それぞれが装着された各分流路6a,6b,6cに流れているこの分流電流Ia,Ib,Icを検出して、検出電圧信号S1a,S1b,S1cを出力する。
【0054】
これにより、加算平均ユニット3の加算平均部22には、
図1に示すように、電流プローブ2(本例では電流プローブ2c)が接続されている各センサ接続部21a,21b,21cを介して検出電圧信号S1a,S1b,S1cが入力される。また、加算平均部22では、検出電圧信号S1a,S1b,S1cが入力される各センサ接続部21a,21b,21cに接続されている分圧抵抗31a,31b,31cの他端だけがコモンに接続され、電流プローブ2が接続されていないために検出電圧信号S1dが入力されていないセンサ接続部21dに接続されている分圧抵抗31dは、他の分圧抵抗31a,31b,31cからオンオフスイッチ32dによって切り離されている。したがって、加算平均部22は、例えば、センサ接続部21dから分圧抵抗31dまでの部位が受ける虞のある外乱などの影響を回避しつつ、これらの検出電圧信号S1a,S1b,S1cについての加算平均信号S2(=(S1a+S1b+S1c)/3)を生成してバッファ部33に出力する。また、バッファ部33は、この加算平均信号S2を、そのままの振幅で新たな加算平均信号S3として低い出力インピーダンスでケーブル27を介して出力部25に出力する。
【0055】
また、加算平均ユニット3のプローブ情報出力部24には、
図1に示すように、電流プローブ2が接続されている各センサ接続部21a,21b,21cを介して、接続情報Dcおよびレンジ情報Drが入力される。具体的には、接続情報Dcとして電圧Lが、各センサ接続部21a,21b,21cの接続ピンPN3を介してプローブ情報出力部24に入力される。また、この例において電流プローブ2として電流プローブ2cが接続されているため、
図3に示すように、電流プローブ2のプローブ接続部12からセンサ接続部21aの接続ピンPN4,PN5に、電圧L,Hがレンジ情報Drとして出力される。したがって、この内容のレンジ情報Drがセンサ接続部21aを介してプローブ情報出力部24に入力される。
【0056】
プローブ情報出力部24は、入力されている接続情報Dcに基づいて、電流センサ11(つまり、電流プローブ2)が接続されているセンサ接続部21の個数(この例では数値の3)を示す個数情報Dnをケーブル27を介して出力部25に出力する。また、プローブ情報出力部24は、入力されているレンジ情報Dr(接続されている電流プローブ2が電流プローブ2cであることを示す情報)をそのままケーブル27を介して出力部25に出力する。
【0057】
測定装置本体4では、加算平均信号S3が、出力部25が接続されている入力部41aを介してA/D変換部42aに入力される。この場合、この加算平均信号S3は、各電流プローブ2cがそれぞれの測定レンジIrg(本例では500A)の範囲内の電流値Ia1,Ib1,Ic1(本例では約367A)を検出して出力する検出電圧信号S1を加算平均して得られるものであることから、この加算平均信号S3自体も測定レンジIrgの範囲内の電圧値となっている。したがって、電流プローブ2a~2dが各入力部41に直接接続される態様での使用が想定されている測定装置本体4では、A/D変換部42aは、この加算平均信号S3を、飽和を回避しつつ(飽和に至ることなく)、波形データDia(この場合には加算平均データ)に正確に変換して処理部43に出力する。
【0058】
また、測定装置本体4では、個数情報Dnおよびレンジ情報Drが、入力部41aを介して処理部43に入力される。処理部43は、A/D変換部42aから出力される波形データDiaと、この個数情報Dnおよびレンジ情報Drとに基づいて測定処理を実行する。
【0059】
この測定処理では、処理部43は、まず、波形データDiaに基づいて加算平均信号S3の電圧値(一例として実効電圧値)を算出する。この際に、処理部43は、波形データDiaの1ビット分(つまりA/D変換部42aの分解能に相当する1ビット)の電流値をレンジ情報Dr(電流プローブ2cの測定レンジIrgを示す情報)に基づいて特定し、この特定した1ビット分の電流値に基づいて、波形データDiaで示される加算平均信号S3の電流値(一例として実効電流値)を算出する。この場合、算出した加算平均信号S3の電流値は、3つの分流路6a,6b,6cのうちのほぼ1つ分の分流路に流れている分流電流の電流値となっている。逆の見方をすれば、各分流電流の合成電流の電流値が、測定電流Iの電流値I1となっている。
【0060】
このため、処理部43は、次に、この算出した電流値に、個数情報Dnで示される数値(加算平均ユニット3に接続されている電流プローブ2の数)を乗算することで、測定対象電線6に流れている測定電流Iの電流値I1を算出する。最後に、処理部43は、算出した電流値I1を表示部に表示させて測定処理を完了させる。
【0061】
また、この測定装置1では、図示はしないが、測定装置本体4は、加算平均ユニット3の出力部25が接続されている入力部41を除く他の入力部41に、例えば、電圧プローブなどを直接接続して、処理部43が測定対象電線6に印加されている電圧の電圧値を測定したり、別の電流プローブ2を直接接続して、処理部43が他の測定対象に流れる電流の電流値を測定する機能も備えている。また、処理部43は、測定した測定電流Iの電流値I1と、測定した測定対象電線6に印加されている電圧の電圧値とに基づいて、測定対象電線6を介して供給されている電力を測定する機能も備えている。
【0062】
このように、この加算平均ユニット3では、電流センサ11を有して測定装置本体4の入力部41にも接続可能な電流プローブ2が接続可能な複数のセンサ接続部21と、2以上のセンサ接続部21に接続された電流センサ11から出力される2以上の検出電圧信号S1についての加算平均信号S2を生成する加算平均部22と、この加算平均信号S2(上記の例では、加算平均信号S2と同じ振幅の加算平均信号S3)が出力される出力部25とを備えている。
【0063】
したがって、この加算平均ユニット3によれば、出力部25を測定装置本体4の1つの入力部41に接続することで、測定装置本体4が備えている入力部41の使用数を必要最小限(1つ)に抑えつつ、電流プローブ2の測定レンジIrgを超える(電流プローブ2で測定し得る電流値を超える)電流値I1の測定電流I(測定対象電線6に流れる電流)を、測定対象電線6を複数の分流路(上記の例では、3つの分流路6a,6b,6c)に分岐させて測定する手法を採用して測定装置本体4に対して測定させることができる。
【0064】
また、この加算平均ユニット3を備えた測定装置1では、測定対象電線6を複数の分流路(上記の例では、3つの分流路6a,6b,6c)に分岐させて測定する手法を採用して、測定装置本体4において測定対象電線6に流れる測定電流Iの電流値I1を波形データDi(加算平均データ)に基づいて測定させつつ、余っている入力部41を使用して、この入力部41に電圧プローブや他の電流プローブ2を接続することで、例えば、測定対象電線6に印加されている電圧の電圧値をこの電圧プローブを用いて測定装置本体4に測定させたり、測定された電流値I1やこの電圧値に基づいて、測定対象電線6を介して供給されている電力などを測定装置本体4に同時に測定させることができる。
【0065】
また、この加算平均ユニット3によれば、電流センサ11を有する電流プローブ2が接続されたセンサ接続部21の個数(つまり、加算平均ユニット3に接続された電流プローブ2の個数)を示す個数情報Dnを測定装置本体4に自動的に出力させることができる。これにより、この加算平均ユニット3を備えた測定装置1によれば、この電流プローブ2のレンジ情報Drが測定装置本体4の処理部43において既知である状況下(例えば、本例の測定装置1のように、加算平均ユニット3から測定装置本体4の処理部43にレンジ情報Drを出力する場合や、処理部43にレンジ情報Drを手動で入力する場合)において、測定装置本体4に対して手動でこの個数情報Dnを入力する手間を省きつつ、加算平均信号S2と個数情報Dnと既知のレンジ情報Drとに基づいて測定電流Iの電流値I1を測定することができる。
【0066】
また、この加算平均ユニット3によれば、センサ接続部21に接続された電流センサ11(電流センサ11を有する電流プローブ2)についてのレンジ情報Drを測定装置本体4に自動的に出力させることができる。これにより、この加算平均ユニット3を備えた測定装置1によれば、加算平均ユニット3に接続された電流プローブ2の個数が既知である状況下(例えば、本例の測定装置1のように、加算平均ユニット3から測定装置本体4の処理部43に個数情報Dnを出力する場合や、処理部43に個数情報Dnを手動で入力する場合)において、測定装置本体4に対して手動でこのレンジ情報Drを入力する手間を省きつつ、加算平均信号S2とレンジ情報Drと既知の電流プローブ2の個数とに基づいて測定電流Iの電流値I1を測定することができる。
【0067】
また、この加算平均ユニット3では、高入力インピーダンスに規定された入力端子を有するバッファ部33と、同じ抵抗値に規定されて対応するセンサ接続部21a~21dとバッファ部33の入力端子(本例ではオペアンプ33aの非反転入力端子)との間に配設されたセンサ接続部21a~21dと同数の分圧抵抗31a~31dとを備え、分圧抵抗31a~31dのうちの少なくとも1つの分圧抵抗(本例では2つの分圧抵抗31c,31d)は、対応するセンサ接続部21c,21dとバッファ部33の入力端子との間にオンオフスイッチ32c,32dと直列接続された状態で接続され、この少なくとも1つの分圧抵抗を除く他の分圧抵抗(本例では2つの分圧抵抗31a,31b)は、対応するセンサ接続部21a,21bとバッファ部33の入力端子との間に単独状態で接続されている。
【0068】
したがって、この加算平均ユニット3によれば、分圧抵抗31a,31bが単独状態で接続されているセンサ接続部21a,21bについては、電流センサ11(具体的には電流プローブ2)を常時接続し、分圧抵抗31c,31dがオンオフスイッチ32c,32dと直列接続された状態で接続されているセンサ接続部21c,21dについては、電流センサ11(具体的には電流プローブ2)を必要に応じて接続するようにしても、電流センサ11(具体的には電流プローブ2)が接続されない(つまり、検出電圧信号S1が入力されない)分圧抵抗31および入力抵抗28(分圧抵抗31cおよび入力抵抗28cや、分圧抵抗31dおよび入力抵抗28d)を、オンオフスイッチ32cやオンオフスイッチ32dをオフ状態に切り換えることにより、電流センサ11(具体的には電流プローブ2)が接続されている(つまり、検出電圧信号S1が入力されている)分圧抵抗31および入力抵抗28から切り離すことができる。このため、各電流センサ11から加算平均ユニット3に入力される検出電圧信号S1の加算平均信号S3を簡易な構成で、正確に生成することができる。
【0069】
なお、加算平均ユニット3および測定装置本体4の構成は上記の構成に限定されるものではない。例えば、上記の加算平均ユニット3では、加算平均ユニット3が電流プローブ2についての個数情報Dnおよびレンジ情報Drを測定装置本体4(具体的には測定装置本体4の処理部43)に自動的に出力する構成を採用しているが、個数情報Dnおよびレンジ情報Drのうちの一方のみを自動的に出力し、他方については測定装置本体4に対して手動で入力する構成を採用したり、加算平均ユニット3から測定装置本体4への個数情報Dnおよびレンジ情報Drの出力は行わずに、測定装置本体4に対してこれらの情報を手動で入力する構成を採用することもできる。これらの構成を採用したとしても、この構成の加算平均ユニット3を使用することで、測定装置本体4が備えている入力部41の使用数を必要最小限(1つ)に抑えつつ、電流プローブ2の測定レンジIrgを超える電流値I1の測定電流Iを、測定対象電線6を複数の分流路に分岐させて測定する手法を採用して測定装置本体4に対して測定させることができる。また、この構成を採用した測定装置においても、余っている入力部を使用して、この入力部に電圧プローブや他の電流プローブを接続することで、例えば、電流路に印加されている電圧の電圧値をこの電圧プローブを用いて測定装置本体に測定させたり、測定された電流値やこの電圧値に基づいて、電流路を介して供給されている電力などを測定装置本体に同時に測定させることができる。
【0070】
また、上記の加算平均ユニット3では、各オンオフスイッチ32c,32dとして、オンオフ状態を手動で切り替えるスイッチ(例えば、トグルスイッチ)を使用する構成を採用しているが、オンオフスイッチ32c,32dをリレーやアナログスイッチなどで構成して、電流プローブ2が接続されたときに各センサ接続部21c,21dからプローブ情報出力部24に出力される接続情報Dcに基づいて、プローブ情報出力部24がオンオフスイッチ32c,32dを自動的にオンオフする構成を採用することもできる。この構成によれば、オンオフスイッチ32c,32dを手動で操作して切り替える手間を省くことができる。
【0071】
また、上記の加算平均ユニット3では、センサ接続部21c,21dに電流プローブ2が接続されていないときに、これらのセンサ接続部21c,21dに接続されている分圧抵抗31c,31dを、他の分圧抵抗31a,31bから切り離すことができるように、分圧抵抗31c,31dのそれぞれにオンオフスイッチ32c,32dを直列接続する構成を採用しているが、例えば、少なくとも各センサ接続部21から加算平均部22まで回路部分が本体ケース26内においてシールドされているなどの外乱からの影響を受けにくい構成となっているときには、センサ接続部21c,21dに電流プローブ2が接続されていないときに一端側がオープン状態となる各分圧抵抗31c,31dの他端が他の分圧抵抗31a,31bの他端に常時コモン接続されていることによる不具合の発生が回避されている。したがって、このような構成のときには、各入力抵抗28を省くことが可能となり、この場合にはオンオフスイッチ32c,32dは不要となることから、オンオフスイッチ32c,32dを省いて、すべての分圧抵抗31(上記の例では、4つの分圧抵抗31a~31d)を、対応するセンサ接続部21の接続ピンPN1とバッファ部33の入力端子(オペアンプ33aの非反転入力端子)との間に単独状態で接続する構成を採用することもできる。
【0072】
また、上記の加算平均ユニット3では、本体ケース26にケーブル27を介して出力部25を接続する構成を採用しているが、本体ケース26にケーブル27を介さずに(ケーブル27を用いずに)出力部25を直接配設し、例えば、入力部41に出力部25を接続することで、測定装置本体4における入力部41が配設された部位に加算平均ユニット3を密着させて配置する構成(つまり、測定装置本体4に加算平均ユニット3を一体化させて配置する構成)を採用することもできる。
【符号の説明】
【0073】
1 測定装置
2 電流プローブ
3 加算平均ユニット
11 電流センサ
21 センサ接続部
22 加算平均部
25 出力部
31a,31b,31c,31d 分圧抵抗
32c,32d オンオフスイッチ
33 バッファ部
Dn 個数情報
Dr レンジ情報
S1 検出電圧信号
S2,S3 加算平均信号