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特許7279237投資家が投資対象を評価した結果を分析するためのコンピュータシステム、方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-12
(45)【発行日】2023-05-22
(54)【発明の名称】投資家が投資対象を評価した結果を分析するためのコンピュータシステム、方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/06 20120101AFI20230515BHJP
【FI】
G06Q40/06
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022081639
(22)【出願日】2022-05-18
【審査請求日】2022-06-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516366663
【氏名又は名称】株式会社エモーションテック
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】安田 宗一郎
【審査官】谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-147246(JP,A)
【文献】特開2019-153299(JP,A)
【文献】特開2003-216718(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投資対象を投資家が評価した結果を分析するためのコンピュータシステムであって、
複数の投資家が投資対象を評価した結果を示す複数の第1の評価結果を受信する受信手段であって、前記投資対象は、法人または国または地方公共団体であり、前記複数の第1の評価結果のそれぞれは、所定の観点から投資家が前記投資対象を評価した際の評価の度合を示す第1の評価指標と、前記投資家が体験し得る複数の投資家体験に関する評価と含み、前記複数の投資家体験は、前記投資対象による事業活動に関する投資家体験と前記投資対象によるIR活動に関する投資家体験とに分類され、前記複数の投資家体験に関する評価は、前記投資家が前記第1の評価指標を決定するに際して前記投資家が体験した投資家体験がプラスに寄与したことを示すプラス指標と、前記投資家が前記第1の評価指標を決定するに際して前記投資家が体験した投資家体験がマイナスに寄与したことを示すマイナス指標とを含み、前記複数の投資家体験に関する評価は、前記事業活動に関する投資家体験に関する評価と、前記IR活動に関する投資家体験に関する評価とを含む、受信手段と、
前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を特定するように、前記複数の第1の評価結果を分析する分析手段であって、前記分析手段は、
前記複数の第1の評価結果について、前記第1の評価指標と前記プラス指標と前記マイナス指標とに対して回帰分析を行うことにより、前記第1の評価指標に対する各投資家体験の影響度を算出し、前記影響度の大きさに基づいて、前記事業活動に関する投資家体験のうちの改善すべき投資家体験と、前記IR活動に関する投資家体験のうちの改善すべき投資家体験とを特定すること
を行うように構成されている、分析手段と、
前記分析手段による分析の結果を出力する出力手段であって、前記分析の結果は、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を示す情報を含む、出力手段と
を備えるコンピュータシステム。
【請求項2】
投資対象を投資家が評価した結果を分析するためのコンピュータシステムであって、
複数の投資家が投資対象を評価した結果を示す複数の第1の評価結果を受信する第1の受信手段であって、前記投資対象は、法人または国または地方公共団体であり、前記複数の第1の評価結果のそれぞれは、所定の観点から投資家が前記投資対象を評価した際の評価の度合を示す第1の評価指標と、前記投資家が体験し得る複数の投資家体験に関する評価と含み、前記複数の投資家体験は、前記投資対象による事業活動に関する投資家体験および前記投資対象によるIR活動に関する投資家体験のうちの少なくとも1つを含み、前記複数の投資家体験に関する評価は、前記投資家が前記第1の評価指標を決定するに際して前記投資家が体験した投資家体験がプラスに寄与したことを示すプラス指標と、前記投資家が前記第1の評価指標を決定するに際して前記投資家が体験した投資家体験がマイナスに寄与したことを示すマイナス指標とを含む、第1の受信手段と、
前記投資対象から商品またはサービスの提供を受けた複数のユーザが前記商品またはサービスを評価した結果を示す複数の第2の評価結果を受信する第2の受信手段であって、前記複数の第2の評価結果のそれぞれは、所定の観点からユーザが前記商品またはサービスを評価した際の評価の度合を示す第2の評価指標と、前記ユーザが体験し得る複数のユーザ体験の前記ユーザによる評価とを含む、第2の受信手段と、
前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験およびユーザ体験を特定するように、前記複数の第1の評価結果および前記複数の第2の評価結果を分析する分析手段であって、前記分析手段は、
前記複数の第1の評価結果について、前記第1の評価指標と前記プラス指標と前記マイナス指標とに対して回帰分析を行うことにより、前記第1の評価指標に対する各投資家体験の影響度を算出し、前記影響度の大きさに基づいて、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を特定することと、
前記複数の第2の評価結果について、前記第2の評価指標と前記複数のユーザ体験の評価とに対して回帰分析を行うことにより、前記第2の評価指標に対する各ユーザ体験の影響度を算出し、前記ユーザ体験の影響度の大きさに基づいて、前記第2の評価指標を向上させるために改善すべきユーザ体験を特定することと、
前記特定された投資家体験と前記第2の評価指標との間に相関関係があるか否かを判定することと、
前記特定された投資家体験と前記第2の評価指標との間に相関関係がある場合に、前記特定されたユーザ体験を前記第1の評価指標を向上させるために改善すべきユーザ体験として特定することと
を行うように構成されている、分析手段と、
前記分析手段による分析の結果を出力する出力手段であって、前記分析の結果は、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を示す情報および前記第1の評価指標を向上させるために改善すべきユーザ体験を示す情報を含む、出力手段と
を備えるコンピュータシステム。
【請求項3】
投資対象を投資家が評価した結果を分析するためのコンピュータシステムであって、
複数の投資家が投資対象を評価した結果を示す複数の第1の評価結果を受信する第1の受信手段であって、前記投資対象は、法人または国または地方公共団体であり、前記複数の第1の評価結果のそれぞれは、所定の観点から投資家が前記投資対象を評価した際の評価の度合を示す第1の評価指標と、前記投資家が体験し得る複数の投資家体験に関する評価と含み、前記複数の投資家体験は、前記投資対象による事業活動に関する投資家体験および前記投資対象によるIR活動に関する投資家体験のうちの少なくとも1つを含み、前記複数の投資家体験に関する評価は、前記投資家が前記第1の評価指標を決定するに際して前記投資家が体験した投資家体験がプラスに寄与したことを示すプラス指標と、前記投資家が前記第1の評価指標を決定するに際して前記投資家が体験した投資家体験がマイナスに寄与したことを示すマイナス指標とを含む、第1の受信手段と、
前記投資対象の複数の構成員が自己の職場を評価した結果を示す複数の第3の評価結果を受信する第3の受信手段であって、前記複数の第3の評価結果のそれぞれは、所定の観点から構成員が前記職場を評価した際の評価の度合を示す第3の評価指標と、前記構成員が体験し得る複数の構成員体験の前記構成員による評価とを含む、第3の受信手段と、
前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験および構成員体験を特定するように、前記複数の第1の評価結果および前記複数の第3の評価結果を分析する分析手段であって、前記分析手段は、
前記複数の第1の評価結果について、前記第1の評価指標と前記プラス指標と前記マイナス指標とに対して回帰分析を行うことにより、前記第1の評価指標に対する各投資家体験の影響度を算出し、前記影響度の大きさに基づいて、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を特定することと、
前記複数の第3の評価結果について、前記第3の評価指標と前記複数の構成員体験の評価とに対して回帰分析を行うことにより、前記第3の評価指標に対する各構成員体験の影響度を算出し、前記構成員体験の影響度の大きさに基づいて、前記第3の評価指標を向上させるために改善すべき構成員体験を特定することと、
前記特定された投資家体験と前記第3の評価指標との間に相関関係があるか否かを判定することと、
前記特定された投資家体験と前記第3の評価指標との間に相関関係がある場合に、前記特定された構成員体験を前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき構成員体験として特定することと
を行うように構成されている、分析手段と、
前記分析手段による分析の結果を出力する出力手段であって、前記分析の結果は、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を示す情報および前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき構成員体験を示す情報を含む、出力手段と
を備えるコンピュータシステム。
【請求項4】
前記複数の投資家体験は、前記投資対象による事業活動に関する投資家体験と、前記投資対象によるIR活動に関する投資家体験とを含む、請求項2または3に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記事業活動に関する投資家体験のうちの少なくとも1つの投資家体験は、前記投資対象から商品またはサービスの提供を受けるユーザによる前記商品またはサービスの評価と相関関係があり、かつ/または、
前記事業活動に関する投資家体験のうちの少なくとも1つの投資家体験は、前記投資対象の構成員による職場の評価と相関関係があり、
前記ユーザによる前記商品またはサービスの評価と相関関係がある少なくとも1つの投資家体験は、前記構成員による前記職場の評価と相関関係がある少なくとも1つの投資家体験とは異なる、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記投資対象から商品またはサービスの提供を受けた複数のユーザが前記商品またはサービスを評価した結果を示す複数の第2の評価結果を受信する第2の受信手段をさらに備え、
前記複数の第2の評価結果のそれぞれは、所定の観点からユーザが前記商品またはサービスを評価した際の評価の度合を示す第2の評価指標と、前記ユーザが体験し得る複数のユーザ体験の前記ユーザによる評価とを含み、
前記分析手段は、
前記複数の第2の評価結果について、前記第2の評価指標と前記複数のユーザ体験の評価とに対して回帰分析を行うことにより、前記第2の評価指標に対する各ユーザ体験の影響度を算出し、前記ユーザ体験の影響度の大きさに基づいて、前記第2の評価指標を向上させるために改善すべきユーザ体験を特定することと、
前記特定された投資家体験と前記第2の評価指標との間に相関関係があるか否かを判定することと、
前記特定された投資家体験と前記第2の評価指標との間に相関関係がある場合に、前記特定されたユーザ体験を前記第1の評価指標を向上させるために改善すべきユーザ体験として特定することと
を行うようにさらに構成され、
前記分析の結果は、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべきユーザ体験を示す情報を含む、請求項1または3に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記投資対象の複数の構成員が自己の職場を評価した結果を示す複数の第3の評価結果を受信する第3の受信手段をさらに備え、
前記複数の第3の評価結果のそれぞれは、所定の観点から構成員が前記職場を評価した際の評価の度合を示す第3の評価指標と、前記構成員が体験し得る複数の構成員体験の前記構成員による評価とを含み、
前記分析手段は、
前記複数の第3の評価結果について、前記第3の評価指標と前記複数の構成員体験の評価とに対して回帰分析を行うことにより、前記第3の評価指標に対する各構成員体験の影響度を算出し、前記構成員体験の影響度の大きさに基づいて、前記第3の評価指標を向上させるために改善すべきユーザ体験を特定することと、
前記特定された投資家体験と前記第3の評価指標との間に相関関係があるか否かを判定することと、
前記特定された投資家体験と前記第3の評価指標との間に相関関係がある場合に、前記特定された構成員体験を前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき構成員体験として特定することと
を行うようにさらに構成され、
前記分析の結果は、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき構成員体験を示す情報を含む、請求項1または2に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
前記分析手段は、
前記複数の第1の評価結果について、前記第1の評価指標と前記プラス指標と前記マイナス指標とに対して回帰分析を行うことにより、前記第1の評価指標に対する各投資家体験のプラスの影響度と前記第1の評価指標に対する各投資家体験のマイナスの影響度とを算出する算出手段と、
前記第1の評価指標に対する各投資家体験のプラスの影響度と前記第1の評価指標に対する各投資家体験のマイナスの影響度とに基づいて、前記分析の結果を生成する生成手段と
を備え、前記生成手段は、前記第1の評価指標に対する各投資家体験のプラスの影響度と前記第1の評価指標に対する各投資家体験のマイナスの影響度とを加算することによって第1の値を生成し、
前記生成手段は、前記第1の評価指標に対する各投資家体験のプラスの影響度と前記第1の評価指標に対する各投資家体験のマイナスの影響度の絶対値とを加算することによって第2の値を生成し、
前記出力手段は、前記第1の値と前記第2の値とを出力する、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項9】
前記分析手段は、前記第1の評価指標を目的変数とし、前記複数の投資家体験に関する評価を説明変数として回帰分析を行うことにより、前記第1の評価指標に対する各投資家体験の影響度を算出する、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記第1の評価指標は、投資家が前記投資対象を他の人に推奨したいという推奨意向の度合を示す推奨意向度である、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
投資対象を投資家が評価した結果を分析するための方法であって、前記方法は、プロセッサ部を備えるコンピュータシステムにおいて実行され、前記方法は、
前記プロセッサ部が、複数の投資家が投資対象を評価した結果を示す複数の第1の評価結果を受信することであって、前記投資対象は、法人または国または地方公共団体であり、前記複数の第1の評価結果のそれぞれは、所定の観点から投資家が前記投資対象を評価した際の評価の度合を示す第1の評価指標と、前記投資家が体験し得る複数の投資家体験に関する評価と含み、前記複数の投資家体験は、前記投資対象による事業活動に関する投資家体験と前記投資対象によるIR活動に関する投資家体験とに分類され、前記複数の投資家体験に関する評価は、前記投資家が前記第1の評価指標を決定するに際して前記投資家が体験した投資家体験がプラスに寄与したことを示すプラス指標と、前記投資家が前記第1の評価指標を決定するに際して前記投資家が体験した投資家体験がマイナスに寄与したことを示すマイナス指標とを含み、前記複数の投資家体験に関する評価は、前記事業活動に関する投資家体験に関する評価と、前記IR活動に関する投資家体験に関する評価とを含む、ことと、
前記プロセッサ部が、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を特定するように、前記複数の第1の評価結果を分析することであって、前記分析することは、
前記複数の第1の評価結果について、前記第1の評価指標と前記プラス指標と前記マイナス指標とに対して回帰分析を行うことにより、前記第1の評価指標に対する各投資家体験の影響度を算出し、前記影響度の大きさに基づいて、前記事業活動に関する投資家体験のうちの改善すべき投資家体験と、前記IR活動に関する投資家体験のうちの改善すべき投資家体験とを特定すること
を含む、ことと、
前記プロセッサ部が、前記分析することの結果を出力することであって、前記分析することの結果は、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を示す情報を含む、ことと
を含む方法。
【請求項12】
投資対象を投資家が評価した結果を分析するための方法であって、前記方法は、プロセッサ部を備えるコンピュータシステムにおいて実行され、前記方法は、
前記プロセッサ部が、複数の投資家が投資対象を評価した結果を示す複数の第1の評価結果を受信することであって、前記投資対象は、法人または国または地方公共団体であり、前記複数の第1の評価結果のそれぞれは、所定の観点から投資家が前記投資対象を評価した際の評価の度合を示す第1の評価指標と、前記投資家が体験し得る複数の投資家体験に関する評価と含み、前記複数の投資家体験は、前記投資対象による事業活動に関する投資家体験および前記投資対象によるIR活動に関する投資家体験のうちの少なくとも1つを含み、前記複数の投資家体験に関する評価は、前記投資家が前記第1の評価指標を決定するに際して前記投資家が体験した投資家体験がプラスに寄与したことを示すプラス指標と、前記投資家が前記第1の評価指標を決定するに際して前記投資家が体験した投資家体験がマイナスに寄与したことを示すマイナス指標とを含む、ことと、
前記プロセッサ部が、前記投資対象から商品またはサービスの提供を受けた複数のユーザが前記商品またはサービスを評価した結果を示す複数の第2の評価結果を受信することであって、前記複数の第2の評価結果のそれぞれは、所定の観点からユーザが前記商品またはサービスを評価した際の評価の度合を示す第2の評価指標と、前記ユーザが体験し得る複数のユーザ体験の前記ユーザによる評価とを含む、ことと、
前記プロセッサ部が、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験およびユーザ体験を特定するように、前記複数の第1の評価結果および前記複数の第2の評価結果を分析することであって、前記分析することは、
前記複数の第1の評価結果について、前記第1の評価指標と前記プラス指標と前記マイナス指標とに対して回帰分析を行うことにより、前記第1の評価指標に対する各投資家体験の影響度を算出し、前記影響度の大きさに基づいて、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を特定することと、
前記複数の第2の評価結果について、前記第2の評価指標と前記複数のユーザ体験の評価とに対して回帰分析を行うことにより、前記第2の評価指標に対する各ユーザ体験の影響度を算出し、前記ユーザ体験の影響度の大きさに基づいて、前記第2の評価指標を向上させるために改善すべきユーザ体験を特定することと、
前記特定された投資家体験と前記第2の評価指標との間に相関関係があるか否かを判定することと、
前記特定された投資家体験と前記第2の評価指標との間に相関関係がある場合に、前記特定されたユーザ体験を前記第1の評価指標を向上させるために改善すべきユーザ体験として特定することと
を含む、ことと、
前記プロセッサ部が、前記分析することの結果を出力することであって、前記分析することの結果は、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を示す情報および前記第1の評価指標を向上させるために改善すべきユーザ体験を示す情報を含む、ことと
を含む方法。
【請求項13】
投資対象を投資家が評価した結果を分析するための方法であって、前記方法は、プロセッサ部を備えるコンピュータシステムにおいて実行され、前記方法は、
前記プロセッサ部が、複数の投資家が投資対象を評価した結果を示す複数の第1の評価結果を受信することであって、前記投資対象は、法人または国または地方公共団体であり、前記複数の第1の評価結果のそれぞれは、所定の観点から投資家が前記投資対象を評価した際の評価の度合を示す第1の評価指標と、前記投資家が体験し得る複数の投資家体験に関する評価と含み、前記複数の投資家体験は、前記投資対象による事業活動に関する投資家体験および前記投資対象によるIR活動に関する投資家体験のうちの少なくとも1つを含み、前記複数の投資家体験に関する評価は、前記投資家が前記第1の評価指標を決定するに際して前記投資家が体験した投資家体験がプラスに寄与したことを示すプラス指標と、前記投資家が前記第1の評価指標を決定するに際して前記投資家が体験した投資家体験がマイナスに寄与したことを示すマイナス指標とを含む、ことと、
前記プロセッサ部が、前記投資対象の複数の構成員が自己の職場を評価した結果を示す複数の第3の評価結果を受信することであって、前記複数の第3の評価結果のそれぞれは、所定の観点から構成員が前記職場を評価した際の評価の度合を示す第3の評価指標と、前記構成員が体験し得る複数の構成員体験の前記構成員による評価とを含む、ことと、
前記プロセッサ部が、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験および構成員体験を特定するように、前記複数の第1の評価結果および前記複数の第3の評価結果を分析することであって、前記分析することは、
前記複数の第1の評価結果について、前記第1の評価指標と前記プラス指標と前記マイナス指標とに対して回帰分析を行うことにより、前記第1の評価指標に対する各投資家体験の影響度を算出し、前記影響度の大きさに基づいて、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を特定することと、
前記複数の第3の評価結果について、前記第3の評価指標と前記複数の構成員体験の評価とに対して回帰分析を行うことにより、前記第3の評価指標に対する各構成員体験の影響度を算出し、前記構成員体験の影響度の大きさに基づいて、前記第3の評価指標を向上させるために改善すべき構成員体験を特定することと、
前記特定された投資家体験と前記第3の評価指標との間に相関関係があるか否かを判定することと、
前記特定された投資家体験と前記第3の評価指標との間に相関関係がある場合に、前記特定された構成員体験を前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき構成員体験として特定することと
を含む、ことと、
前記プロセッサ部が、前記分析することの結果を出力することであって、前記分析することの結果は、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を示す情報および前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき構成員体験を示す情報を含む、ことと
を含む方法。
【請求項14】
投資対象を投資家が評価した結果を分析するためのプログラムであって、前記プログラムは、プロセッサ部を備えるコンピュータシステムにおいて実行され、前記プログラムは、
複数の投資家が投資対象を評価した結果を示す複数の第1の評価結果を受信することであって、前記投資対象は、法人または国または地方公共団体であり、前記複数の第1の評価結果のそれぞれは、所定の観点から投資家が前記投資対象を評価した際の評価の度合を示す第1の評価指標と、前記投資家が体験し得る複数の投資家体験に関する評価と含み、前記複数の投資家体験は、前記投資対象による事業活動に関する投資家体験と前記投資対象によるIR活動に関する投資家体験とに分類され、前記複数の投資家体験に関する評価は、前記投資家が前記第1の評価指標を決定するに際して前記投資家が体験した投資家体験がプラスに寄与したことを示すプラス指標と、前記投資家が前記第1の評価指標を決定するに際して前記投資家が体験した投資家体験がマイナスに寄与したことを示すマイナス指標とを含み、前記複数の投資家体験に関する評価は、前記事業活動に関する投資家体験に関する評価と、前記IR活動に関する投資家体験に関する評価とを含む、ことと、
前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を特定するように、前記複数の第1の評価結果を分析することであって、前記分析することは、
前記複数の第1の評価結果について、前記第1の評価指標と前記プラス指標と前記マイナス指標とに対して回帰分析を行うことにより、前記第1の評価指標に対する各投資家体験の影響度を算出し、前記影響度の大きさに基づいて、前記事業活動に関する投資家体験のうちの改善すべき投資家体験と、前記IR活動に関する投資家体験のうちの改善すべき投資家体験とを特定すること
を含む、ことと、
前記分析することの結果を出力することであって、前記分析することの結果は、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を示す情報を含む、ことと
を含む処理を前記プロセッサ部に行わせる、プログラム。
【請求項15】
投資対象を投資家が評価した結果を分析するためのプログラムであって、前記プログラムは、プロセッサ部を備えるコンピュータシステムにおいて実行され、前記プログラムは、
複数の投資家が投資対象を評価した結果を示す複数の第1の評価結果を受信することであって、前記投資対象は、法人または国または地方公共団体であり、前記複数の第1の評価結果のそれぞれは、所定の観点から投資家が前記投資対象を評価した際の評価の度合を示す第1の評価指標と、前記投資家が体験し得る複数の投資家体験に関する評価と含み、前記複数の投資家体験は、前記投資対象による事業活動に関する投資家体験および前記投資対象によるIR活動に関する投資家体験のうちの少なくとも1つを含み、前記複数の投資家体験に関する評価は、前記投資家が前記第1の評価指標を決定するに際して前記投資家が体験した投資家体験がプラスに寄与したことを示すプラス指標と、前記投資家が前記第1の評価指標を決定するに際して前記投資家が体験した投資家体験がマイナスに寄与したことを示すマイナス指標とを含む、ことと、
前記投資対象から商品またはサービスの提供を受けた複数のユーザが前記商品またはサービスを評価した結果を示す複数の第2の評価結果を受信することであって、前記複数の第2の評価結果のそれぞれは、所定の観点からユーザが前記商品またはサービスを評価した際の評価の度合を示す第2の評価指標と、前記ユーザが体験し得る複数のユーザ体験の前記ユーザによる評価とを含む、ことと、
前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験およびユーザ体験を特定するように、前記複数の第1の評価結果および前記複数の第2の評価結果を分析することであって、前記分析することは、
前記複数の第1の評価結果について、前記第1の評価指標と前記プラス指標と前記マイナス指標とに対して回帰分析を行うことにより、前記第1の評価指標に対する各投資家体験の影響度を算出し、前記影響度の大きさに基づいて、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を特定することと、
前記複数の第2の評価結果について、前記第2の評価指標と前記複数のユーザ体験の評価とに対して回帰分析を行うことにより、前記第2の評価指標に対する各ユーザ体験の影響度を算出し、前記ユーザ体験の影響度の大きさに基づいて、前記第2の評価指標を向上させるために改善すべきユーザ体験を特定することと、
前記特定された投資家体験と前記第2の評価指標との間に相関関係があるか否かを判定することと、
前記特定された投資家体験と前記第2の評価指標との間に相関関係がある場合に、前記特定されたユーザ体験を前記第1の評価指標を向上させるために改善すべきユーザ体験として特定することと
を含む、ことと、
前記分析することの結果を出力することであって、前記分析することの結果は、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を示す情報および前記第1の評価指標を向上させるために改善すべきユーザ体験を示す情報を含む、ことと
を含む処理を前記プロセッサ部に行わせる、プログラム。
【請求項16】
投資対象を投資家が評価した結果を分析するためのプログラムであって、前記プログラムは、プロセッサ部を備えるコンピュータシステムにおいて実行され、前記プログラムは、
複数の投資家が投資対象を評価した結果を示す複数の第1の評価結果を受信することであって、前記投資対象は、法人または国または地方公共団体であり、前記複数の第1の評価結果のそれぞれは、所定の観点から投資家が前記投資対象を評価した際の評価の度合を示す第1の評価指標と、前記投資家が体験し得る複数の投資家体験に関する評価と含み、前記複数の投資家体験は、前記投資対象による事業活動に関する投資家体験および前記投資対象によるIR活動に関する投資家体験のうちの少なくとも1つを含み、前記複数の投資家体験に関する評価は、前記投資家が前記第1の評価指標を決定するに際して前記投資家が体験した投資家体験がプラスに寄与したことを示すプラス指標と、前記投資家が前記第1の評価指標を決定するに際して前記投資家が体験した投資家体験がマイナスに寄与したことを示すマイナス指標とを含む、ことと、
前記投資対象の複数の構成員が自己の職場を評価した結果を示す複数の第3の評価結果を受信することであって、前記複数の第3の評価結果のそれぞれは、所定の観点から構成員が前記職場を評価した際の評価の度合を示す第3の評価指標と、前記構成員が体験し得る複数の構成員体験の前記構成員による評価とを含む、ことと、
前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験および構成員体験を特定するように、前記複数の第1の評価結果および前記複数の第3の評価結果を分析することであって、前記分析することは、
前記複数の第1の評価結果について、前記第1の評価指標と前記プラス指標と前記マイナス指標とに対して回帰分析を行うことにより、前記第1の評価指標に対する各投資家体験の影響度を算出し、前記影響度の大きさに基づいて、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を特定することと、
前記複数の第3の評価結果について、前記第3の評価指標と前記複数の構成員体験の評価とに対して回帰分析を行うことにより、前記第3の評価指標に対する各構成員体験の影響度を算出し、前記構成員体験の影響度の大きさに基づいて、前記第3の評価指標を向上させるために改善すべき構成員体験を特定することと、
前記特定された投資家体験と前記第3の評価指標との間に相関関係があるか否かを判定することと、
前記特定された投資家体験と前記第3の評価指標との間に相関関係がある場合に、前記特定された構成員体験を前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき構成員体験として特定することと
を含む、ことと、
前記分析することの結果を出力することであって、前記分析することの結果は、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を示す情報および前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき構成員体験を示す情報を含む、ことと
を含む処理を前記プロセッサ部に行わせる、プログラム。
【請求項17】
投資対象を投資家が評価した結果を分析するためのコンピュータシステムであって、
複数の投資家が投資対象を評価した結果を示す複数の第1の評価結果を受信する第1の受信手段であって、前記投資対象は、法人または国または地方公共団体であり、前記複数の第1の評価結果のそれぞれは、所定の観点から投資家が前記投資対象を評価した際の評価の度合を示す第1の評価指標と、前記投資家が体験し得る複数の投資家体験に関する評価と含み、前記複数の投資家体験は、前記投資対象による事業活動に関する投資家体験および前記投資対象によるIR活動に関する投資家体験のうちの少なくとも1つを含み、前記複数の投資家体験に関する評価は、前記投資家が前記第1の評価指標を決定するに際して前記投資家が体験した投資家体験がプラスに寄与したことを示すプラス指標と、前記投資家が前記第1の評価指標を決定するに際して前記投資家が体験した投資家体験がマイナスに寄与したことを示すマイナス指標とを含む、第1の受信手段と、
前記投資対象から商品またはサービスの提供を受けた複数のユーザが前記商品またはサービスを評価した結果を示す複数の第2の評価結果を受信する第2の受信手段であって、前記複数の第2の評価結果のそれぞれは、所定の観点からユーザが前記商品またはサービスを評価した際の評価の度合を示す第2の評価指標と、前記ユーザが体験し得る複数のユーザ体験の前記ユーザによる評価とを含む、第2の受信手段と、
前記投資対象の複数の構成員が自己の職場を評価した結果を示す複数の第3の評価結果を受信する第3の受信手段であって、前記複数の第3の評価結果のそれぞれは、所定の観点から構成員が前記職場を評価した際の評価の度合を示す第3の評価指標と、前記構成員が体験し得る複数の構成員体験の前記構成員による評価とを含む、第3の受信手段と、
前記複数の第1の評価結果と、前記複数の第2の評価結果と、前記複数の第3の評価結果とを分析する分析手段であって、前記分析手段は、
前記複数の第1の評価結果について、前記第1の評価指標と前記プラス指標と前記マイナス指標とに対して回帰分析を行うことにより、前記第1の評価指標に対する各投資家体験の影響度を算出し、前記影響度の大きさに基づいて、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を特定することと、
前記複数の第2の評価結果について、前記第2の評価指標と前記複数のユーザ体験の評価とに対して回帰分析を行うことにより、前記第2の評価指標に対する各ユーザ体験の影響度を算出し、前記ユーザ体験の影響度の大きさに基づいて、前記第2の評価指標を向上させるために改善すべきユーザ体験を特定することと、
前記特定された投資家体験と前記第2の評価指標との間に相関関係があるか否かを判定することと、
前記特定された投資家体験と前記第2の評価指標との間に相関関係がある場合に、前記特定されたユーザ体験を前記第1の評価指標を向上させるために改善すべきユーザ体験として特定することと、
前記複数の第3の評価結果について、前記第3の評価指標と前記複数の構成員体験の評価とに対して回帰分析を行うことにより、前記第3の評価指標に対する各構成員体験の影響度を算出し、前記構成員体験の影響度の大きさに基づいて、前記第3の評価指標を向上させるために改善すべき構成員体験を特定することと、
前記特定された投資家体験と前記第3の評価指標との間に相関関係があるか否かを判定することと、
前記特定された投資家体験と前記第3の評価指標との間に相関関係がある場合に、前記特定された構成員体験を前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき構成員体験として特定することと
を行うように構成されている、分析手段と、
前記分析手段による分析の結果を出力する出力手段であって、前記分析の結果は、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を示す情報と、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべきユーザ体験を示す情報と、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき構成員体験を示す情報とを含む、出力手段と
を備えるコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投資家が投資対象を評価した結果を分析するためのコンピュータシステム、方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、企業は、「顧客満足度(CS)」を向上させるよう努めていた。特許文献1は、顧客満足度に関する分析のための装置を開示している。特許文献1の装置は、定量アンケート結果に基づいて、商品とその購入意欲との関係を分析する。
【0003】
近年、企業の収益向上に直結するのは、必ずしも「顧客満足度」に限定されないこと、「顧客満足度」に加えてまたは「顧客満足度」に代えて、「顧客満足度」以外の所望の評価指標を向上させることも企業の収益向上につながることがわかってきた。所望の評価指標の向上、ひいては、企業の収益向上のためには、顧客からの声を読み解いて、限りある資源をどのように割り当てるかがカギとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-7659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の発明者は、企業の収益向上のためには、投資家(例えば、株主)の満足度が重要であると考えた。投資家が満足することにより、その企業への投資のモチベーションが向上し、その企業への投資が増える(例えば、株式の保有期間が長くなる、株式の保有意向が強くなる)ことになり、これにより、企業は、投資家によって増強された資本を収益向上のために利用することができるはずだからである。そこで、本発明の発明者は、投資家による評価指標(例えば、投資家満足度)を検証する手法を確立することの重要性を見出した。
【0006】
本発明は、上記考えに鑑みてなされたものであり、本発明は、投資家体験が評価指標(例えば、投資家満足度)に及ぼす影響を分析するためのコンピュータシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、投資家が投資対象を評価した結果を分析するためのコンピュータシステムを提供する。より具体的には、本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
投資家が投資対象を評価した結果を分析するためのコンピュータシステムであって、
複数の投資家が投資対象を評価した結果を示す複数の評価結果を受信する受信手段であって、前記複数の評価結果のそれぞれは、所定の観点から投資家が前記投資対象を評価した際の評価の度合を示す評価指標と、前記投資家が体験し得る複数の投資家体験に関する評価と含む、受信手段と、
前記評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を特定するように、前記複数の評価結果を分析する分析手段と、
前記分析手段による分析の結果を出力する出力手段であって、前記分析の結果は、前記評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を示す情報を含む、出力手段と
を備えるコンピュータシステム。
(項目2)
前記複数の投資家体験は、前記投資対象による事業活動に関する投資家体験と、前記投資対象によるIR活動に関する投資家体験とを含む、上記項目に記載のコンピュータシステム。
(項目3)
前記事業活動に関する投資家体験のうちの少なくとも1つの投資家体験は、前記投資対象から商品またはサービスの提供を受けるユーザによる前記商品またはサービスの評価と相関関係があり、かつ/または、
前記事業活動に関する投資家体験のうちの少なくとも1つの投資家体験は、前記投資対象の構成員による職場の評価と相関関係があり、
前記ユーザによる前記商品またはサービスの評価と相関関係がある少なくとも1つの投資家体験は、前記構成員による前記職場の評価と相関関係がある少なくとも1つの投資家体験とは異なる、上記項目のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
(項目4)
前記商品またはサービスの提供を受けた複数のユーザが前記商品またはサービスを評価した結果を示す複数の第2の評価結果を受信する第2の受信手段をさらに備え、
前記分析手段は、前記複数の評価結果および前記複数の第2の評価結果を分析することにより、前記評価指標を向上させるために改善すべきユーザ体験を特定し、
前記分析の結果は、前記評価指標を向上させるために改善すべきユーザ体験を示す情報を含む、上記項目のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
(項目5)
前記複数の第2の評価結果のそれぞれは、所定の観点からユーザが前記商品またはサービスを評価した際の評価の度合を示す第2の評価指標と、前記ユーザが体験し得る複数のユーザ体験の、それぞれのユーザによる評価とを含み、
前記分析手段は、前記第2の評価指標を向上させるために改善すべきユーザ体験を特定し、
前記分析手段は、前記特定された投資家体験と、前記特定されたユーザ体験と、前記相関関係とに基づいて、前記評価指標を向上させるために改善すべきユーザ体験を特定する、上記項目のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
(項目6)
前記投資対象の複数の構成員が前記職場を評価した結果を示す複数の第3の評価結果を受信する第3の受信手段をさらに備え、
前記分析手段は、前記複数の評価結果および前記複数の第3の評価結果を分析することにより、前記評価指標を向上させるために改善すべき構成員体験を特定し、
前記分析の結果は、前記評価指標を向上させるために改善すべき構成員体験を示す情報を含む、上記項目のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
(項目7)
前記複数の第3の評価結果のそれぞれは、所定の観点から構成員が前記職場を評価した際の評価の度合を示す第3の評価指標と、前記構成員が体験し得る複数の構成員体験の、それぞれの構成員による評価とを含み、
前記分析手段は、前記第3の評価指標を向上させるために改善すべき構成員体験を特定し、
前記分析手段は、前記特定された投資家体験と、前記特定された構成員体験と、前記相関関係とに基づいて、前記評価指標を向上させるために改善すべき構成員体験を特定する、上記項目のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
(項目8)
前記複数の投資家体験に関する評価は、前記投資家が前記評価指標を決定するに際して前記投資家が体験した投資家体験がプラスに寄与したことを示すプラス指標と、前記投資家が前記評価指標を決定するに際して前記投資家が体験した投資家体験がマイナスに寄与したことを示すマイナス指標とを含み、
前記分析手段は、
前記複数の評価結果に対して、前記評価指標と前記プラス指標と前記マイナス指標とを統計的に処理することにより、前記評価指標に対する各投資家体験のプラスの影響度と前記評価指標に対する各投資家体験のマイナスの影響度とを算出する算出手段と、
前記評価指標に対する各投資家体験のプラスの影響度と前記評価指標に対する各投資家体験のマイナスの影響度とに基づいて、前記分析の結果を生成する生成手段と
を備え、前記生成手段は、前記評価指標に対する各投資家体験のプラスの影響度と前記評価指標に対する各投資家体験のマイナスの影響度とを加算することによって第1の値を生成し、
前記生成手段は、前記評価指標に対する各投資家体験のプラスの影響度と前記評価指標に対する各投資家体験のマイナスの影響度の絶対値とを加算することによって第2の値を生成し、
前記出力手段は、前記第1の値と前記第2の値とを出力する、上記項目のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
(項目9)
前記分析手段は、前記評価指標を目的変数とし、前記複数の投資家体験に関する評価を説明変数として回帰分析を行うことにより、前記評価指標に対する各投資家体験の影響度を算出する、上記項目のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
(項目10)
前記評価指標は、投資家が前記投資対象を他の人に推奨したいという推奨意向の度合を示す推奨意向度である、上記項目のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
(項目11)
投資家が投資対象を評価した結果を分析するための方法であって、
複数の投資家が投資対象を評価した結果を示す複数の評価結果を受信することであって、前記複数の評価結果のそれぞれは、所定の観点から投資家が前記投資対象を評価した際の評価の度合を示す評価指標と、前記投資家が体験し得る複数の投資家体験に関する評価と含む、ことと、
前記評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を特定するように、前記複数の評価結果を分析することと、
前記分析手段による分析の結果を出力することであって、前記分析の結果は、前記評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を示す情報を含む、ことと
を含む方法。
(項目11A)
上記項目のうちの1つまたは複数に記載の特徴を備える、項目11に記載の方法。
(項目12)
投資家が投資対象を評価した結果を分析するためのプログラムであって、前記プログラムは、プロセッサ部を備えるコンピュータシステムにおいて実行され、前記プログラムは、
複数の投資家が投資対象を評価した結果を示す複数の評価結果を受信することであって、前記複数の評価結果のそれぞれは、所定の観点から投資家が前記投資対象を評価した際の評価の度合を示す評価指標と、前記投資家が体験し得る複数の投資家体験に関する評価と含む、ことと、
前記評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を特定するように、前記複数の評価結果を分析することと、
前記分析手段による分析の結果を出力することであって、前記分析の結果は、前記評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を示す情報を含む、ことと
を含む処理を前記プロセッサ部に行わせる、プログラム。
(項目12A)
上記項目のうちの1つまたは複数に記載の特徴を備える、項目12に記載のプログラム。
(項目13)
投資家が投資対象を評価した結果を分析するためのコンピュータシステムであって、
複数の投資家が投資対象を評価した結果を示す複数の第1の評価結果を受信する第1の受信手段であって、前記複数の第1の評価結果のそれぞれは、所定の観点から投資家が前記投資対象を評価した際の評価の度合を示す第1の評価指標と、前記投資家が体験し得る複数の投資家体験に関する評価と含む、第1の受信手段と、
前記投資対象から商品またはサービスの提供を受けた複数のユーザが前記商品またはサービスを評価した結果を示す複数の第2の評価結果を受信する第2の受信手段であって、前記複数の第2の評価結果のそれぞれは、所定の観点からユーザが前記商品またはサービスを評価した際の評価の度合を示す第2の評価指標と、前記ユーザが体験し得る複数のユーザ体験の、それぞれのユーザによる評価とを含む、第2の受信手段と、
前記投資対象の複数の構成員が前記職場を評価した結果を示す複数の第3の評価結果を受信する第3の受信手段であって、前記複数の第3の評価結果のそれぞれは、所定の観点から構成員が前記職場を評価した際の評価の度合を示す第3の評価指標と、前記構成員が体験し得る複数の構成員体験の、それぞれの構成員による評価とを含む、第3の受信手段と、
前記複数の第1の評価結果と、前記複数の第2の評価結果と、前記第3の評価結果とを分析する分析手段であって、前記分析手段は、前記複数の第1の評価結果を分析することにより、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を特定し、前記分析手段は、前記複数の第1の評価結果および前記複数の第2の評価結果を分析することにより、前前記第1の評価指標を向上させるために改善すべきユーザ体験を特定し、前記分析手段は、前記複数の第1の評価結果および前記複数の第3の評価結果を分析することにより、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき構成員体験を特定する、分析手段と、
前記分析手段による分析の結果を出力する出力手段であって、前記分析の結果は、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を示す情報と、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべきユーザ体験を示す情報と、前記第1の評価指標を向上させるために改善すべき構成員体験を示す情報とを含む、出力手段と
を備えるコンピュータシステム。
(項目13A)
上記項目のうちの1つまたは複数に記載の特徴を備える、項目13に記載のコンピュータシステム。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、投資家が投資対象を評価した結果を分析するためのコンピュータシステムを提供することができ、これにより、例えば、投資家体験が評価指標(例えば、投資家満足度)に及ぼす影響を分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】株式会社○○○の株式を保有する投資家が株式会社○○○を評価するためのアンケート用紙10の一例を示す図
図2】本発明のコンピュータシステム100が回答済みの複数のアンケート用紙10の回答結果から分析結果50を提供することを模式的に示す図
図3A】株式会社○○○で車を購入したユーザが株式会社○○○のサービスを評価するためのアンケート用紙20の一例を示す図
図3B】株式会社○○○の従業員が株式会社○○○の職場を評価するためのアンケート用紙30の一例を示す図
図4】本発明のコンピュータシステム100が回答済みの複数のアンケート用紙10、20、30の回答結果から分析結果を提供することを模式的に示す図
図5】投資家が投資対象を評価した結果を分析するためのコンピュータシステム100の構成の一例を示す図
図6】投資家が投資対象を評価した結果を分析するためのコンピュータシステム100における処理600の一例を示すフローチャート
図7A】ステップS602における複数の評価結果を分析する処理の一例を示すフローチャート
図7B】ステップS6021における、複数の評価結果に対して、推奨意向度に対するプラスの影響度と推奨意向度に対するマイナスの影響度とを算出する処理の一例を示すフローチャート
図7C】ステップS6022におけるプラスの影響度とマイナスの影響度とに基づいて、複数の評価結果の分析結果を生成する処理の一例を示すフローチャート
図8A】投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべきユーザ体験を特定するための処理800の一例を示すフローチャート
図8B】ステップS803における処理の一例を示すフローチャート
図9A】投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべき構成員体験を特定するための処理900の一例を示すフローチャート
図9B】ステップS903における処理の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
1.投資家による投資対象の評価の結果の分析
図1Aは、株式会社○○○の株式を保有する投資家が株式会社○○○を評価するためのアンケート用紙10の一例を示す。
【0012】
アンケート用紙10は、質問1と、質問2と、質問3とを含む。
【0013】
質問1は、推奨意向度を問う質問である。図1Aにおける「推奨意向度」とは、投資家が投資対象に投資することを他の人に推奨したいかという観点から投資家が投資対象を評価した際の評価の度合(すなわち、投資家が投資対象に投資することを他の人に推奨したいという推奨意向の度合)である。この例では、「投資対象」は、株式会社である株式会社○○○であるが、これに限定されない。「投資対象」は、例えば、法人であってもよいし、自然人であってもよいし、国または地方公共団体であってもよい。「投資」は、任意の手段による投資であり得、典型的には、株式による投資であるが、例えば、債券による投資であってもよい。「投資対象」が「株式会社」である場合、「投資家」は「株主」と呼ばれ得る。
【0014】
投資家は、質問1に対して推奨意向度を0点~10点の点数で回答する。例えば、投資家は、株式会社○○○に投資することを親しい友人や知人に非常に推奨したい場合には10点を付けることができ、株式会社○○○に投資することを親しい友人や知人に全く推奨したくない場合には0点を付けることができる。
【0015】
質問2は、投資対象による事業活動に関して、投資家が体験した投資家体験が推奨意向度に対してどのように影響したかを問う質問である。投資家は、質問2に対して、質問1で推奨意向度を決定するに際して事業活動に関する各投資家体験をどのように感じたかについて評価する。投資家は、不満、やや不満、どちらとも言えない、やや満足、満足の5段階で評価することができる。投資家体験は、例えば、対外的なアクションを伴う体験であってもよいし、対外的なアクションを伴わない体験であってもよい。対外的なアクションを伴わない体験は、典型的には、情報を取得するという体験、利益を受けるという体験、感情を抱くという体験等であり得る。
【0016】
事業活動に関する投資家体験は、例えば、「マーケット環境」に関する体験、「商品・サービス・技術」に関する体験、「経営理念」に関する体験、「経営判断・リスク対応」に関する体験、「事業の成長性」に関する体験、「収益性」に関する体験、「財務安定性」に関する体験、「人的資本の活用、地域社会への貢献」に関する体験を含むが、これらに限定されない。事業活動に関する投資家体験は、事業活動に関するものであれば任意の投資家体験であり得る。事業活動に関する投資家体験は、例えば、株主還元活動に関するものであってもよく、「配当方針」に関する体験、「株主優待」に関する体験を含み得る。事業活動に関する投資家体験は、例えば、ESG活動に関するものであってもよく、「環境問題に対する貢献」に関する体験、「人的資本の活用、地域社会への貢献」に関する体験、「コーポレートガバナンスの取り組み姿勢」に関する体験を含み得る。
【0017】
例えば、投資家が、株式会社○○○の収益性に感心したことで、株式会社○○○を他人に推奨したいと感じたときは、投資家は、推奨意向度を評価するうえで「収益性」に関する体験に「満足」していると回答することができる。例えば、投資家が、株式会社○○○から受けた株主優待が劣悪であったことで、株式会社○○○を他人に推奨したくないと感じたときは、投資家は、推奨意向度を評価するうえで「株主優待」に関する体験に「不満」であると回答することができる。
【0018】
質問3は、投資対象によるIR(Investor Relations:インベスター・リレーションズ)活動に関して、投資家が体験した投資家体験が推奨意向度に対してどのように影響したかを問う質問である。投資家は、質問3に対して、質問1で推奨意向度を決定するに際してIR活動に関する各投資家体験をどのように感じたかについて評価する。投資家は、不満、やや不満、どちらとも言えない、やや満足、満足の5段階で評価することができる。
【0019】
IR活動に関する投資家体験は、例えば、「情報開示の頻度や内容」に関する体験、「IRサイトの内容」に関する体験、「財務数値の実績に関する説明」に関する体験、「非財務項目に関する説明」に関する体験を含むが、これらに限定されない。IR活動に関する投資家体験は、IR活動に関するものであれば任意の投資家体験であり得る。IR活動に関する投資家体験は、例えば、情報発信活動に関するものであってもよく、「決算発表の時期や内容」に関する体験、「決算説明会の頻度や内容」に関する体験、「株主総会の内容」に関する体験、「情報メディアへの露出」に関する体験等を含み得る。IR活動に関する投資家体験は、例えば、IR資料に関するものであってもよく、「事業内容に関する説明」に関する体験、「予算内容に関する説明」に関する体験、「中長期の事業戦略に関する説明」に関する体験を含み得る。
【0020】
例えば、投資家が、株式会社○○○の株主総会の内容に感心したことで、株式会社○○○を他人に推奨したいと感じたときは、投資家は、推奨意向度を評価するうえで「株主総会の内容」に関する体験に「満足」していると回答することができる。例えば、投資家が、株式会社○○○が開示する事業活動の状況に関する説明が不明確で理解できないものであったことで、株式会社○○○を他人に推奨したくないと感じたときは、投資家は、推奨意向度を評価するうえで「事業活動の状況に関する説明」に関する体験に「不満」であると回答することができる。
【0021】
アンケート用紙10は、質問1~質問3に加えて、質問2に対する回答の理由および/または質問3に対する回答の理由を問う質問を含んでもよい。投資家は、この質問に対して、記述形式で回答することができる。
【0022】
図2は、本発明のコンピュータシステム100が回答済みの複数のアンケート用紙10の回答結果から分析結果50を提供することを模式的に示す。
【0023】
株式会社○○○に投資した複数の投資家が、アンケート用紙10において株式会社○○○を評価した後、複数のアンケート用紙10の回答結果が、本発明のコンピュータシステム100に入力される。本発明のコンピュータシステム100は、入力された回答結果を処理し、分析結果50を出力する。
【0024】
ここで、複数の回答結果が本発明のコンピュータシステム100にどのように入力されるかは問わない。例えば、複数の回答結果は、アンケート用紙10をスキャンすることによって入力されてもよいし、手動入力によって本発明のコンピュータシステム100に入力されてもよいし、複数の回答結果を格納している記憶媒体を介して本発明のコンピュータシステム100に入力されてもよいし、ネットワーク等を介して本発明のコンピュータシステム100に入力されてもよい。複数の回答結果がネットワーク等を介して入力される場合は、ネットワークの種類を問わない。例えば、複数の回答結果は、インターネットを介して入力されてもよいし、LANを介して入力されてもよい。
【0025】
分析結果50は、2つの曲線を含むグラフとして出力される。横軸は各投資家体験を示す。複数の投資家体験は、事業活動に関する投資家体験と、IR活動に関する投資家体験とに分類されている。破線で描かれた第1の曲線21は、推奨意向度に対する影響度絶対値を示す。影響度絶対値は、プラスの影響かマイナスの影響かにかかわらず、推奨意向度に対してどの程度影響があるかを示す値である。破線の縦軸が影響度絶対値の軸であり、0が推奨意向度に対して影響がないことを示し、100に近いほど推奨意向度に対する影響が大きいことを示す。実線で描かれた第2の曲線22は、推奨意向度に対する影響度相対値を示す。影響度相対値は、推奨意向度に対して、プラスの影響またはマイナスの影響がどの程度あるかを示す値である。実線の縦軸が影響度相対値の軸であり、マイナスが推奨意向度に対してマイナスの影響があることを示し、-100に近いほど推奨意向度に対してマイナスの影響が大きいことを示し、0が推奨意向度に対して影響がないことまたはプラスの影響とマイナスの影響とが同程度であることを示し、プラスが推奨意向度に対してプラスの影響があることを示し、100に近いほど推奨意向度に対してプラスの影響が大きいことを示す。分析結果50は、各投資家体験について、投資家の感情の動きを曲線で表現しているといえる。
【0026】
例えば、分析結果50において、第1の曲線21は、複数の投資家体験のうちの事業活動に関する体験5(例えば、「収益性」に関する体験)、IR活動に関する体験10(例えば、「株主総会の内容」に関する体験)、IR活動に関する体験11(例えば、「IRサイトの内容」に関する体験)、IR活動に関する体験12(例えば、「非財務項目に関する説明」に関する体験)が推奨意向度に対する影響度が高いことを示している。しかしながら、第1の曲線21のみでは、推奨意向度に対して影響がある投資家体験が判明しても、その影響がプラスの影響であるか、マイナスの影響であるかがわからない。そのため、推奨意向度向上のために、その投資家体験を改善すべきか、強化すべきかがわからない。そこで、第2の曲線22を参照すると、各投資家体験が推奨意向度に対してプラスの影響があるかマイナスの影響があるかがわかる。分析結果50では、推奨意向度に対する影響度が高い各投資家体験はすべてマイナスの影響を有しているので、推奨意向度向上のためには、これらの投資家体験を改善すべきであることが可視的にわかる。また、これらの投資家体験を他の投資家体験よりも優先的に改善することが、投資家による推奨意向度の向上、ひいては企業の売上の向上のために、効果的であることがわかる。
【0027】
本発明のコンピュータシステム100は、複数種類の主体による評価の結果も分析することができる。複数種類の主体は、ここでは、投資対象へと投資する投資家と、投資対象から商品またはサービスの提供を受けるユーザと、投資対象で勤務する従業員との3主体である。
【0028】
図3Aは、株式会社○○○で車を購入したユーザが株式会社○○○のサービスを評価するためのアンケート用紙20の一例を示す。
【0029】
アンケート用紙20は、質問1と、質問2と、質問3とを含む。
【0030】
質問1は、推奨意向度を問う質問である。図3Aにおける「推奨意向度」とは、ユーザが評価対象を他のユーザに推奨したいかという観点からユーザが評価対象を評価した際の評価の度合(すなわち、ユーザが評価対象を他のユーザに推奨したいという推奨意向の度合)である。この例では、「評価対象」は、株式会社○○○の車を購入した際の株式会社○○○のサービスであるが、これに限定されない。「評価対象」は、任意の商品またはサービスであり得る。
【0031】
ユーザは、質問1に対して推奨意向度を0点~10点の点数で回答する。例えば、ユーザは、株式会社○○○を親しい友人や知人に非常に推奨したい場合には10点を付けることができ、株式会社○○○を親しい友人や知人に全く推奨したくない場合には0点を付けることができる。
【0032】
質問2は、評価対象に関連してユーザが体験したユーザ体験が推奨意向度に対してどのように影響したかを問う質問である。ユーザは、質問2に対して、質問1で推奨意向度を決定するに際して各ユーザ体験がプラスに寄与したか、マイナスに寄与したか、どちらでもないかを回答する。
【0033】
各ユーザ体験は、ヒトに関するユーザ体験、モノに関するユーザ体験、カネに関するユーザ体験、時間に関するユーザ体験、情報に関するユーザ体験等の複数の種類のユーザ体験を含む。ヒトに関するユーザ体験は、例えば、入店挨拶、案内、商品知識・アドバイス、マナー、親身さ、会計対応、退店挨拶等を含む。モノに関するユーザ体験は、例えば、商品種類、在庫、品質、配置、設備、立地等を含む。カネに関するユーザ体験は、例えば、価格、クーポンの有無、セール頻度等を含む。時間に関するユーザ体験は、例えば、対応のスムーズさ、会計までの早さ、店舗の混雑度等を含む。情報に関するユーザ体験は、例えば、ブランドイメージ、広告、知名度等を含む。
【0034】
例えば、ユーザが、入店時の挨拶を心地よく感じたことで、株式会社○○○を他人に推奨したいと感じたときは、ユーザは、「入店挨拶」が推奨意向度に「プラスに寄与した」と評価をすることができる。例えば、ユーザが、会計対応を不快に感じたことで、株式会社○○○を他人に推奨したくないと感じたときは、ユーザは、「会計対応」が推奨意向度に「マイナスに寄与した」と評価することができる。
【0035】
質問3は、質問2のユーザ体験が推奨意向度にプラスまたはマイナスに寄与した理由を問う質問である。ユーザは、質問3に対して、記述形式で回答する。例えば、ユーザが、商品説明が詳しかったことを理由に商品購入を十分に検討できたと感じたときは、ユーザは、「商品知識・アドバイス」について「商品説明が詳しかった」と評価することができる。例えば、ユーザが、在庫がなかったことを不満に感じたときは、ユーザは、「在庫」について「在庫がなかった」と評価することができる。
【0036】
上述した例では、株式会社○○○という大きな括りでのユーザ体験についての質問に回答することを説明したが、例えば、株式会社○○○の特定の従業員から受けたユーザ体験についての質問に回答するようにしてもよい。例えば、質問2は、株式会社○○○の従業員1から受けたユーザ体験、株式会社○○○の従業員2から受けたユーザ体験、・・・株式会社○○○の従業員nから受けたユーザ体験が推奨意向度に対してどのように影響したかを問う質問であり得る。
【0037】
図3Bは、株式会社○○○の従業員が株式会社○○○の職場を評価するためのアンケート用紙30の一例を示す。
【0038】
アンケート用紙40は、質問1と、質問2と、質問3とを含む。
【0039】
質問1は、推奨意向度を問う質問である。図3Bにおける「推奨意向度」とは、従業員が職場を他人に推奨したいかという観点から従業員が職場を評価した際の評価の度合(すなわち、従業員が職場を他人に推奨したいという推奨意向の度合)である。ここで「職場」は、一般的に理解されるとおり、従業員が実際に働く物理的な空間のみならず、従業員が所属する社会的な空間も含み得る。
【0040】
従業員は、質問1に対して推奨意向度を0点~10点の点数で回答する。例えば、従業員は、株式会社○○○の職場を他人に非常に推奨したい場合には10点を付けることができ、株式会社○○○の職場を他人に全く推奨したくない場合には0点を付けることができる。
【0041】
質問2は、職場において従業員が体験し得る従業員体験が推奨意向度に対してどのように影響したかを問う質問である。従業員は、質問2に対して、質問1で推奨意向度を決定するに際して、従業員が体験した各従業員体験がプラスに寄与したか、マイナスに寄与したか、どちらでもないかを回答する。
【0042】
各従業員体験は、ヒトに関する従業員体験、モノに関する従業員体験、カネに関する従業員体験、時間に関する従業員体験、情報に関する従業員体験等の複数の種類の従業員体験を含む。ヒトに関する従業員体験は、例えば、同僚・後輩との関係、先輩との関係、店長との関係、職場の風土、会社の理念、研修等を含む。モノに関する従業員体験は、例えば、仕事内容、社会的意義、将来性、成長土壌、福利厚生、設備、立地等を含む。カネに関する従業員体験は、例えば、給与、報酬・ボーナス、残業代等を含む。時間に関する従業員体験は、例えば、労働時間、有給休暇の取りやすさ、産休・育休の取りやすさ等を含む。情報に関する従業員体験は、例えば、安定性、ブランドイメージ、知名度等を含む。
【0043】
例えば、ユーザが、先輩との関係を良好に感じたことで、株式会社○○○の職場を他人に推奨したいと感じたときは、ユーザは、「先輩との関係」が推奨意向度に「プラスに寄与した」と評価をすることができる。例えば、ユーザが、給与を不満に感じたことで、株式会社○○○を他人に推奨したくないと感じたときは、ユーザは、「給与」が推奨意向度に「マイナスに寄与した」と評価することができる。
【0044】
質問3は、質問2の従業員が体験した従業員体験が推奨意向度にプラスまたはマイナスに寄与した理由を問う質問である。従業員は、質問3に対して、記述形式で回答する。例えば、従業員が、研修の内容が充実していたことから株式会社○○○の職場が良いと感じたときは、従業員は、「研修」について「研修の内容が充実している」と評価することができる。例えば、従業員が、先輩の教育態度が不真面目であることから株式会社○○○の職場に不満を感じたときは、従業員は、「先輩との関係」について「先輩が不真面目である」と評価することができる。
【0045】
図4は、本発明のコンピュータシステム100が回答済みの複数のアンケート用紙10、20、30の回答結果から分析結果を提供することを模式的に示す。
【0046】
株式会社○○○に投資した複数の投資家が、アンケート用紙10において株式会社○○○を評価し、株式会社○○○で車を購入した複数のユーザが、アンケート用紙20において株式会社○○○のサービスを評価し、株式会社○○○で働く従業員が、アンケート用紙30において株式会社○○○の職場を評価した後、複数のアンケート用紙10、20、30の回答結果が、本発明のコンピュータシステム100に入力される。本発明のコンピュータシステム100は、入力された回答結果を処理し、分析結果を出力する。
【0047】
本発明のコンピュータシステム100は、図2を参照して上述した態様と同様の態様により、ユーザによる推奨意向度に対する各ユーザ体験の影響度を分析することができる。これにより、複数のユーザ体験のうち、どのユーザ体験がユーザによる推奨意向度に対する影響が大きいか、どのユーザ体験を改善すべきか、強化すべきかが分かるようになる。
【0048】
例えば、複数の投資家体験のうちの少なくとも1つは、ユーザによる推奨意向度と相関関係を有することがある。すなわち、複数の投資家体験のうちの少なくとも1つは、ユーザによる推奨意向度が向上すると、これに応じて向上し得、ユーザによる推奨意向度が低下すると、これに応じて低下し得るように、ユーザによる推奨意向度の影響を受けるのである。ユーザによる推奨意向度と相関関係を有する少なくとも1つの投資家体験は、予め見出された投資家体験であってもよいし、本発明のコンピュータシステム100による分析によって特定される投資家体験であってもよい。ユーザによる推奨意向度と相関関係を有する少なくとも1つの投資家体験は、投資対象の事業活動に関する体験のうちの少なくとも1つの投資家体験であり得る。
【0049】
本発明のコンピュータシステム100により、投資家による推奨意向度を向上させるために改善または強化すべき投資家体験が特定され、かつ、ユーザによる推奨意向度を向上させるために改善または強化すべきユーザ体験が特定され、かつ、投資家体験とユーザによる推奨意向度とが相関関係を有し得ることから、本発明のコンピュータシステム100の分析結果は、投資家による推奨意向度を向上させるために改善または強化すべきユーザ体験を表すことができる。すなわち、そのユーザ体験を改善または強化すると、ユーザによる推奨意向度が向上し、ひいては、ユーザによる推奨意向度と相関関係を有する投資家体験が改善または強化され、これにより、投資家による推奨意向度が向上するのである。
【0050】
例えば、改善または強化すべき投資家体験が特定されたとしても、それらの投資家体験を改善または強化するために、具体的にどのような施策を打つべきか不明な場合がある。しかしながら、投資家体験ではなくユーザ体験を改善または強化することが目的であれば、具体的な施策に想到しやすい、または、具体的な施策を講じやすいことがある。
【0051】
このようにして、本発明のコンピュータシステム100は、投資家による推奨意向度をより容易に向上させるためのソリューション(すなわち、改善または強化すべき投資家体験のみならず、改善または強化すべきユーザ体験)を提示することができる。
【0052】
さらに、本発明のコンピュータシステム100は、図2を参照して上述した態様と同様の態様により、従業員による推奨意向度に対する各従業員体験の影響度を分析することができる。これにより、複数の従業員体験のうち、どの従業員体験が従業員による推奨意向度に対する影響が大きいか、どの従業員体験を改善すべきか、強化すべきかが分かるようになる。
【0053】
例えば、複数の投資家体験のうちの少なくとも1つは、従業員による推奨意向度と相関関係を有することがある。すなわち、複数の投資家体験のうちの少なくとも1つは、従業員による推奨意向度が向上すると、当該少なくとも1つの投資家体験の評価が向上し得、従業員による推奨意向度が低下すると、当該少なくとも投資家体験の評価が低下し得るように、従業員による推奨意向度の影響を受けるのである。従業員による推奨意向度と相関関係を有する少なくとも1つの投資家体験は、予め見出された投資家体験であってもよいし、本発明のコンピュータシステム100による分析によって特定される投資家体験であってもよい。従業員による推奨意向度と相関関係を有する少なくとも1つの投資家体験は、投資対象の事業活動に関する体験のうちの少なくとも1つの投資家体験であり得る。ユーザによる推奨意向度と相関関係を有する少なくとも1つの投資家体験は、従業員による推奨意向度と相関関係を有する少なくとも1つの投資家体験とは異なり得る。例えば、「商品・サービス・技術」に関する投資家体験がユーザによる推奨意向度と相関関係を有し得る一方で、「人的資本の活用」に関する投資家体験が従業員による推奨意向度と相関関係を有し得る。
【0054】
本発明のコンピュータシステム100により、投資家による推奨意向度を向上させるために改善または強化すべき投資家体験が特定され、かつ、従業員による推奨意向度を向上させるために改善または強化すべき従業員体験が特定され、かつ、投資家体験と従業員による推奨意向度とが相関関係を有し得ることから、本発明のコンピュータシステム100の分析結果は、投資家による推奨意向度を向上させるために改善または強化すべき従業員体験を表すことができる。すなわち、その従業員体験を改善または強化すると、従業員による推奨意向度が向上し、ひいては、従業員による推奨意向度と相関関係を有する投資家体験が改善または強化され、これにより、投資家による推奨意向度が向上するのである。
【0055】
例えば、改善または強化すべき投資家体験が特定されたとしても、それらの投資家体験を改善または強化するために、具体的にどのような施策を打つべきか不明な場合がある。しかしながら、投資家体験ではなく従業員体験を改善または強化することが目的であれば、具体的な施策に想到しやすい、または、具体的な施策を講じやすいことがある。
【0056】
このようにして、本発明のコンピュータシステム100は、投資家による推奨意向度をより容易に向上させるためのソリューション(すなわち、改善または強化すべき投資家体験のみならず、改善または強化すべき従業員体験)を提示することができる。
【0057】
上述した例では、本発明のコンピュータシステム100が、アンケート用紙10の回答結果に基づいて分析結果50を出力することを説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明のコンピュータシステム100は、投資対象を評価するための任意の評価手段による評価結果に基づいて分析結果50を出力することができる。例えば、本発明のコンピュータシステム100は、投資家にアンケートを記入してもらう代わりに、投資家の音声、顔の表情、行動等をセンサによって検出し、その検出結果を評価結果として用いてもよい。例えば、投資家が株主総会で説明を受けているときに顔をしかめた事象を検出し、この事象から、「株主総会」に関する体験が不満であると評価したとみなすことができる。このような投資家の挙動の検出結果を評価結果として用いることで、本発明のコンピュータシステム100は、投資家に気づかれずに、投資家の気持ち(エモーション)を読み取ることができ、そのエモーションに基づいた分析をすることができる。これは、ユーザおよび従業員にも同様に当てはまる。
【0058】
上述した例では、本発明のコンピュータシステム100が、アンケート用紙10、20、30すべての回答結果に基づいて分析結果を出力することを説明したが、アンケート用紙10、20、30すべての回答結果を用いる必要はない。例えば、本発明のコンピュータシステム100は、アンケート用紙30の回答結果を用いることなく、アンケート用紙10、20の回答結果に基づいて分析結果を出力することができる。例えば、本発明のコンピュータシステム100は、アンケート用紙20の回答結果を用いることなく、アンケート用紙10、30の回答結果に基づいて分析結果を出力することができる。
【0059】
上述した例では、投資家、ユーザ、従業員がそれぞれの推奨意向度を0点~10点の点数で評価することを説明したしたが、本発明は、これに限定されない。推奨意向度は、任意の点数範囲で評価されることができる。
【0060】
上述した例では、投資家に、各投資家体験が不満、やや不満、どちらとも言えない、やや満足、満足という5段階で評価させた。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、不満、どちらとも言えない、満足という、より単純な回答としてもよい。このような単純な回答を可能にすることにより、回答者の負担を軽減することができる。例えば、各投資家体験がプラスに寄与したか、マイナスに寄与したかを多段階(例えば、-3、-2、-1、0、+1、+2、+3等)で評価するようにしてもよい。
【0061】
上述した例では、ユーザおよび従業員に各ユーザ体験または各従業員体験がプラスに寄与したか、マイナスに寄与したか、どちらでもないかを評価させた。このような単純な回答を可能にすることにより、回答者の負担を軽減することができる。しかしながら、本発明はこれに限定されない。各ユーザ体験または各従業員体験がプラスに寄与したか、マイナスに寄与したかを多段階(例えば、-3、-2、-1、0、+1、+2、+3等)で評価するようにしてもよい。
【0062】
上述した例では、投資家が理由を問う質問に対して記述形式で回答する例、および、ユーザおよび従業員が質問3に対して記述形式で回答する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。投資家、ユーザ、および従業員が、理由を既定の選択肢から選択することで回答することも本発明の範囲内である。
【0063】
上述した例では、2本の曲線を含むグラフとして分析結果50を出力することを説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明のコンピュータシステム100は、任意の態様で分析結果50を出力することができる。例えば、本発明のコンピュータシステム100は、棒グラフとして分析結果50を出力してもよく、折れ線グラフとして分析結果50を出力してもよい。例えば、本発明のコンピュータシステム100は、分析結果を数字列で出力してもよいし、文字列で出力してもよい。
【0064】
また、本発明のコンピュータシステム100は、投資家を年代、性別、年収等の属性に基づいて分類し、分類された投資家毎に分析結果を出力してもよい。投資家の属性に応じて、推奨意向度に対して影響がある投資家体験が異なる場合があるからである。例えば、本発明のコンピュータシステム100は、30代男性の投資家による評価結果を分析した結果を出力してもよく、40代女性年収2000万円の投資家による評価結果を分析した結果を出力してもよい。投資家の属性に応じた分析結果により、投資家の属性毎に改善または強化すべき投資家体験を特定することができる。
【0065】
また、本発明のコンピュータシステム100は、ユーザを年代または性別等の属性に基づいて分類し、分類されたユーザ毎に分析結果を出力してもよい。ユーザの属性に応じて、推奨意向度に対して影響があるユーザ体験が異なる場合があるからである。例えば、本発明のコンピュータシステム100は、30代男性のユーザによる評価結果を分析した結果を出力してもよく、40代女性のユーザによる評価結果を分析した結果を出力してもよい。ユーザの属性に応じた分析結果により、ユーザの属性毎に改善または強化すべきユーザ体験を特定することができる。
【0066】
また、本発明のコンピュータシステム100は、従業員を年代または性別、所属する部署等の属性に基づいて分類し、分類された従業員毎に分析結果を出力してもよい。従業員の属性に応じて、推奨意向度に対して影響がある従業員体験が異なる場合があるからである。例えば、本発明のコンピュータシステム100は、30代男性の従業員による評価結果を分析した結果を出力してもよく、40代女性営業部の従業員による評価結果を分析した結果を出力してもよい。従業員の属性に応じた分析結果により、従業員の属性毎に改善または強化すべき従業員体験を特定することができる。
【0067】
上述した例では、投資対象(株式会社○○○)の従業員による評価の結果を分析することを説明したが、本発明は、従業員に限定されない。評価を行う主体は、投資対象の任意の構成員であり得る。以下では、単に「構成員」と呼ぶ。構成員は、例えば、投資対象の企業に雇用契約によって雇われている従業員であってもよいし、投資対象の企業で業務執行や監督を行う役員であってもよい。
【0068】
本発明のコンピュータシステム100は、例えば、分析結果50を含むレポートを生成するようにしてもよい。レポートは、例えば、分析結果50に加えて、アンケート用紙20の分析結果、アンケート用紙30の分析結果を含んでもよい。あるいは、レポートは、他の解析結果を含んでもよい。レポートは、例えば、電子的なレポートであってもよいし、物理的なレポート(例えば、紙に印刷されたレポート)であってもよい。本発明のコンピュータシステム100は、例えば、生成されたレポートをネットワークを通じて提供してもよいし、生成されたレポートを記憶媒体を通じて提供してもよいし、生成されたレポートを配送することによって提供してもよい。レポートは、例えば、投資対象(例えば、上述した例における「株式会社○○○」)に提供され得る。これにより投資対象は、レポートを参考にして、推奨意向度を向上させるための施策を講じることになる。
【0069】
以下では、アンケート結果等により投資家が投資対象を評価した結果を分析するためのコンピュータシステム100について説明する。
【0070】
なお、以下の説明および特許請求の範囲の記載では、「改善」は、悪いところを改めて善くするという意味のみならず、現在の状態/レベルを善くするという意味も含むものとする。すなわち、上述した「強化」は、「改善」に含まれるものとする。
【0071】
2.投資家が投資対象を評価した結果を分析するためのコンピュータシステムの構成
図5は、投資家が投資対象を評価した結果を分析するためのコンピュータシステム100の構成の一例を示す。
【0072】
コンピュータシステム100は、受信手段110と、プロセッサ120と、メモリ140と、出力手段150とを備える。
【0073】
受信手段110は、複数の投資家が投資対象を評価した結果を示す複数の評価結果を受信するように構成されている。例えば、受信手段110は、複数の投資家が投資対象を評価したアンケート結果(例えば、図1に示されるアンケート用紙10に回答した結果)を受信する。例えば、受信手段110は、複数の投資家の挙動をセンサが検出した結果を受信する。受信手段110が受信する評価結果の形態は問わない。例えば、受信手段110は、評価結果をテキスト形式で受信してもよいし、評価結果を画像形式で受信してもよし、評価結果を音声形式で受信してもよい。例えば、受信手段110は、評価結果をまとめた表を受信してもよい。
【0074】
複数の評価結果のそれぞれは、投資家が投資対象を他人に推奨したい度合を示す推奨意向度と、投資家が体験し得る複数の投資家体験に関する評価と含むことができる。複数の投資家体験に関する評価は、投資家が推奨意向度を決定するに際して投資家が体験した投資家体験がプラスに寄与したことを示すプラス指標と、投資家が推奨意向度を決定するに際して投資家が体験した投資家体験がマイナスに寄与したことを示すマイナス指標とを含むことができる。複数の投資家体験に関する評価は、投資家が推奨意向度を決定するに際して投資家が体験した投資家体験がプラスにもマイナスにも寄与していないことを示すニュートラル指標をさらに含んでもよい。
【0075】
受信手段110は、複数の投資家が投資対象を評価した結果を示す複数の評価結果に加えて、複数のユーザが評価対象(例えば、投資対象によって提供される商品またはサービス)を評価した結果を示す複数の評価結果および/または複数の構成員が職場を評価した結果を示す複数の評価結果を受信するようにしてもよい。このとき、受信手段110は、複数の投資家が投資対象を評価した結果を示す複数の第1の評価結果を受信する第1の受信手段と、複数のユーザが評価対象を評価した結果を示す複数の第2の評価結果を受信する第2の受信手段、および/または、複数の構成員が職場を評価した結果を示す複数の第3の評価結果を受信する第3の受信手段とを備えることができる。例えば、第2の受信手段は、複数のユーザが商品またはサービスを評価したアンケート結果(例えば、図3Aに示されるアンケート用紙20に回答した結果)を受信する。例えば、第3の受信手段は、複数の構成員が職場を評価したアンケート結果(例えば、図3Bに示されるアンケート用紙30に回答した結果)を受信する。例えば、第2の受信手段は、複数のユーザの挙動をセンサが検出した結果を受信する。第2の受信手段および第3の受信手段が受信する評価結果の形態は問わない。例えば、第2の受信手段および第3の受信手段は、評価結果をテキスト形式で受信してもよいし、評価結果を画像形式で受信してもよいし、評価結果を音声形式で受信してもよい。例えば、第2の受信手段および第3の受信手段は、評価結果をまとめた表を受信してもよい。第1の受信手段、第2の受信手段、および第3の受信手段は、同一の受信手段によって構成されてもよいし、複数の受信手段によって構成されてもよい。
【0076】
複数の第2の評価結果のそれぞれは、ユーザが評価対象を他人に推奨したい度合を示す推奨意向度と、ユーザが体験し得る複数のユーザ体験に関する評価と含むことができる。複数のユーザ体験に関する評価は、ユーザが推奨意向度を決定するに際してユーザが体験したユーザ体験がプラスに寄与したことを示すプラス指標と、ユーザが推奨意向度を決定するに際してユーザが体験したユーザ体験がマイナスに寄与したことを示すマイナス指標とを含むことができる。複数のユーザ体験に関する評価は、ユーザが推奨意向度を決定するに際してユーザが体験したユーザ体験がプラスにもマイナスにも寄与していないことを示すニュートラル指標をさらに含んでもよい。
【0077】
複数の第3の評価結果のそれぞれは、構成員が職場を他人に推奨したい度合を示す推奨意向度と、構成員が体験し得る複数の構成員体験に関する評価と含むことができる。複数の構成員体験に関する評価は、構成員が推奨意向度を決定するに際して構成員が体験した構成員体験がプラスに寄与したことを示すプラス指標と、構成員が推奨意向度を決定するに際して構成員が体験した構成員体験がマイナスに寄与したことを示すマイナス指標とを含むことができる。複数の構成員体験に関する評価は、構成員が推奨意向度を決定するに際して構成員が体験した構成員体験がプラスにもマイナスにも寄与していないことを示すニュートラル指標をさらに含んでもよい。
【0078】
受信手段110によって受信された複数の評価結果は、プロセッサ120に渡され、プロセッサ120は、これを受信することができる。
【0079】
プロセッサ120は、コンピュータシステム100の処理を実行し、かつ、コンピュータシステム100全体の動作を制御する。プロセッサ120は、メモリ140に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、コンピュータシステム100を所望のステップを実行するシステムとして機能させることが可能である。プロセッサ120は、受信手段110が受信したデータが処理に適さない形式(例えば、画像形式データ、音声形式データ)である場合は、処理に適した形式(例えば、数値データ)に変換する処理を行うようにしてもよい。プロセッサ120は、単一のプロセッサによって実装されてもよいし、複数のプロセッサによって実装されてもよい。
【0080】
プロセッサ120は、分析手段130を備える。分析手段130は、入力された評価結果を処理することにより、評価結果を分析する。分析手段130は、任意のデータ処理を行うことができる。例えば、分析手段130は、単回帰分析、重回帰分析、数量化I類等の統計的処理を行うことができる。例えば、分析手段130は、加算、減算、乗算、除算等の数学的処理を行うことができる。
【0081】
分析手段130は、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべき投資家体験を特定するように、複数の評価結果を分析することができる。分析手段130は、例えば、推奨意向度に対する各投資家体験の影響度を算出し、それぞれの影響度の大きさに基づいて、推奨意向度を向上させるために改善すべき投資家体験を特定することができる。例えば、影響度が最も大きい投資家体験を、推奨意向度を向上させるために改善すべき投資家体験として特定するようにしてもよいし、影響度が所定の閾値よりも大きい投資家体験を、推奨意向度を向上させるために改善すべき投資家体験として特定するようにしてもよい。
【0082】
分析手段130は、例えば、投資家による推奨意向度を目的変数とし、複数の投資家体験に関する評価を説明変数として回帰分析を行うことにより、推奨意向度に対する各投資家体験の影響度を算出することができる。
【0083】
具体的な実施形態において、分析手段130は、算出手段と、生成手段とを備えることができる。分析手段130には、受信手段110が受信した複数の評価結果が入力される。複数の評価結果は、投資家による推奨意向度と、投資家が推奨意向度を決定するに際して投資家が体験した投資家体験がプラスに寄与したことを示す「プラス指標」と、投資家が推奨意向度を決定するに際して投資家が体験した投資家体験がマイナスに寄与したことを示す「マイナス指標」と、投資家が推奨意向度を決定するに際して投資家が体験した投資家体験がプラスにもマイナスにも寄与していないことを示す「ニュートラル指標」とを含む。
【0084】
算出手段は、入力された複数の評価結果に対して、推奨意向度とプラス指標とマイナス指標とを統計的に処理することにより、推奨意向度に対する各投資家体験のプラスの影響度と推奨意向度に対する各投資家体験のマイナスの影響度とを算出する。算出手段が行う統計的処理は、例えば、重回帰分析である。算出手段が行う重回帰分析は、例えば、数量化I類である。
【0085】
算出手段が重回帰分析を行う場合、算出手段は、プラス指標重回帰分析部と、マイナス指標重回帰分析部とを備えてもよい。プラス指標重回帰分析部は、推奨意向度を目的変数とし、プラス指標を説明変数として重回帰分析を行うことにより、推奨意向度に対する各投資家体験のプラスの影響度を算出する。このとき、プラス指標重回帰分析部は、評価結果に含まれるプラス指標以外の指標(マイナス指標およびニュートラル指標)をゼロとして扱い、重回帰分析を行う。マイナス指標重回帰分析部は、推奨意向度を目的変数とし、マイナス指標を説明変数として重回帰分析を行ことにより、推奨意向度に対する各投資家体験のマイナスの影響度を算出する。このとき、マイナス指標重回帰分析部は、評価結果に含まれるマイナス指標以外の指標(プラス指標およびニュートラル指標)をゼロとして扱い、重回帰分析を行う。プラス指標またはマイナス指標が多段階である場合でも、プラス指標重回帰分析部およびマイナス指標重回帰分析部は、同様に重回帰分析を行うことができる。プラス指標重回帰分析部は、マイナス指標の段階にかかわらず、すべてのマイナス指標およびニュートラル指標をゼロとして扱い、重回帰分析を行う。これにより、推奨意向度に対する各投資家体験のプラスの影響度を算出する。マイナス指標重回帰分析部は、プラス指標の段階にかかわらず、すべてのプラス指標およびニュートラル指標をゼロとして扱い、重回帰分析を行う。これにより、推奨意向度に対する各投資家体験のマイナスの影響度を算出する。
【0086】
生成手段は、入力された値に対して処理を行うことにより、分析結果を生成する。生成手段は、入力された推奨意向度に対する各投資家体験のプラスの影響度と推奨意向度に対する各投資家体験のマイナスの影響度とに基づいて、複数の評価結果の分析結果を生成する。例えば、生成手段は、推奨意向度に対する各投資家体験のプラスの影響度と推奨意向度に対する各投資家体験のマイナスの影響度とを数学的に処理することにより、プラスの影響度とマイナスの影響度とに基づく値を生成する。例えば、生成手段が行う数学的処理は、加算である。例えば、生成手段が行う数学的処理は、絶対値の加算である。例えば、生成手段は、プラスの影響度とマイナスの影響度とに基づく値から、推奨意向度を向上させるために投資家体験のうちのどの投資家体験を改善すべきかを特定するための値を生成する。
【0087】
生成手段は、例えば、第1の値生成部と、第2の値生成部と、特定部とを備えてもよい。
【0088】
第1の値生成部は、推奨意向度に対する各投資家体験のプラスの影響度と推奨意向度に対する各投資家体験のマイナスの影響度とを加算することによって第1の値を生成する。例えば、第1の値は、推奨意向度に対して、プラスの影響があるかマイナスの影響があるかを示す影響度相対値である。
【0089】
第2の値生成部は、推奨意向度に対する各投資家体験のプラスの影響度と推奨意向度に対する各投資家体験のマイナスの影響度の絶対値とを加算することによって第2の値を生成する。例えば、第2の値は、プラスの影響かマイナスの影響かにかかわらず、推奨意向度にどの程度影響があるかを示す影響度絶対値である。
【0090】
特定部は、推奨意向度を向上させるために投資家体験のうちのどの投資家体験を改善すべきかを特定するための値を生成する。特定部は、例えば、第1の値生成部が算出した第1の値と、第2の値生成部が算出した第2の値とに基づいて、推奨意向度を向上させるために投資家体験のうちのどの投資家体験を改善すべきかを特定するための値を生成する。特定部は、例えば、推奨意向度を向上させるために投資家体験のうちのどの投資家体験を改善すべきかを特定するために、投資家体験をランク付けするようにしてもよい。例えば、特定部は、第1の値生成部が算出した影響度相対値と、第2の値生成部が算出した影響度絶対値とに基づいて、推奨意向度に対する影響度が大きく、かつ、推奨意向度に対してマイナスの影響が大きい順に投資家体験をランク付けし、そのランクを示す値を生成する。
【0091】
分析手段130は、複数のユーザが評価対象を評価した結果を示す複数の第2の評価結果、および/または、複数の構成員が職場を評価した結果を示す複数の第3の評価結果に対しても、複数の投資家が投資対象を評価した結果を示す複数の評価結果に対する上述した分析と同様の分析を行うことができる。これにより、分析手段130は、ユーザによる推奨意向度を向上させるために改善すべきユーザ体験を特定することができ、かつ/または、構成員による推奨意向度を向上させるために改善すべき構成員体験を特定することができる。
【0092】
複数の投資家体験は、投資対象による事業活動に関する投資家体験と、投資対象によるIR活動に関する投資家体験とを含むことができる。
【0093】
このうち、投資対象による事業活動に関する投資家体験のうちの少なくとも1つの投資家体験は、ユーザによる推奨意向度と相関関係を有し得る。ユーザによる推奨意向度が向上すると、事業活動に関する投資家体験のうちの少なくとも1つの投資家体験の評価も向上し得、ユーザによる推奨意向度が低下すると、事業活動に関する投資家体験のうちの少なくとも1つの投資家体験の評価も低下し得る。例えば、事業活動に関する投資家体験のうちの「商品・サービス・技術」に関する投資家体験がユーザによる推奨意向度と相関関係を有し得る。このような相関関係は、経験的に見出されたものであってもよいし、コンピュータシステム100によって導出されたものであってもよい。
【0094】
さらに、投資対象による事業活動に関する投資家体験のうちの少なくとも1つの投資家体験は、構成員による推奨意向度と相関関係を有し得る。構成員による推奨意向度が向上すると、事業活動に関する投資家体験のうちの少なくとも1つの投資家体験の評価も向上し得、構成員による推奨意向度が低下すると、事業活動に関する投資家体験のうちの少なくとも1つの投資家体験の評価も低下し得る。例えば、事業活動に関する投資家体験のうちの「人的資本の活用」に関する投資家体験が構成員による推奨意向度と相関関係を有し得る。このような相関関係は、経験的に見出されたものであってもよいし、コンピュータシステム100によって導出されたものであってもよい。ユーザによる推奨意向度と相関関係を有する少なくとも1つの投資家体験は、従業員による推奨意向度と相関関係を有する少なくとも1つの投資家体験とは異なる。従って、複数の投資家体験(事業活動に関する投資家体およびIR活動に関する投資家体験)は、ユーザによる推奨意向度と相関関係を有する投資家体験(事業活動に関する投資家体験)と、従業員による推奨意向度と相関関係を有する投資家体験(事業活動に関する投資家体験)と、ユーザによる推奨意向度および従業員による推奨意向度と相関関係を有しない投資家体験(IR活動に関する投資家体験)とから構成されることになる。
【0095】
分析手段130は、これらの相関関係に基づいて、複数の投資家が投資対象を評価した結果を示す複数の第1の評価結果と、複数のユーザが評価対象を評価した結果を示す複数の第2の評価結果、および/または、複数の構成員が職場を評価した結果を示す複数の第3の評価結果とを複合的に分析することができる。
【0096】
例えば、分析手段130は、複数の第1の評価結果および複数の第2の評価結果を分析することにより、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべきユーザ体験を特定することができる。このために、分析手段130は、
(1)投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべき投資家体験を特定することと、
(2)ユーザによる推奨意向度を向上させるために改善すべきユーザ体験を特定することと、
(3)特定された投資家体験と、特定されたユーザ体験と、投資家体験とユーザによる推奨意向度との相関関係とに基づいて、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべきユーザ体験を特定することと
を行うことができる。例えば、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべき投資家体験が、ユーザによる推奨意向度と相関関係を有しない場合には、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべきユーザ体験は存在しないため、分析手段130は、これを特定することができない。このため、分析手段130は、特定された投資家体験がユーザによる推奨意向度と相関関係を有するか否かを判定し、特定された投資家体験がユーザによる推奨意向度と相関関係を有すると判定されたときに、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべきユーザ体験を特定するようにしてもよい。
【0097】
例えば、分析手段130は、複数の第1の評価結果および複数の第3の評価結果を分析することにより、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべき構成員体験を特定することができる。このために、分析手段130は、
(1)投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべき投資家体験を特定することと、
(2)構成員による推奨意向度を向上させるために改善すべき構成員体験を特定することと、
(3)特定された投資家体験と、特定された構成員体験と、投資家体験と構成員による推奨意向度との相関関係とに基づいて、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべき構成員体験を特定することと
を行うことができる。例えば、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべき投資家体験が、構成員による推奨意向度と相関関係を有しない場合には、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべき構成員体験は存在しないため、分析手段130は、これを特定することができない。このため、分析手段130は、特定された投資家体験が構成員による推奨意向度と相関関係を有するか否かを判定し、特定された投資家体験が構成員による推奨意向度と相関関係を有すると判定されたときに、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべき構成員体験を特定するようにしてもよい。
【0098】
メモリ140は、コンピュータシステム100の処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムの実行に必要とされるデータ等を格納する。メモリ140は、投資家が投資対象を評価した結果を分析するための処理をプロセッサ120に行わせるためのプログラム(例えば、後述する図6図7A図7B図7C図8A図8B図9A図9Bに示される処理を実現するプログラム)を格納してもよい。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ140に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ140にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、ネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ140にインストールされるようにしてもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。プログラムは、非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体上に記憶されてもよく、非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体からプログラムを読み取ることによって、メモリ140にインストールされるようにしてもよい。メモリ140は、任意の記憶手段によって実装され得る。
【0099】
出力手段150は、コンピュータシステム100の外部に評価結果の分析結果を出力する。出力手段150が出力する分析結果の形態は問わない。例えば、出力手段150は、分析結果を曲線グラフで出力してもよいし、棒グラフで出力してもよいし、数値列で出力してもよいし、文字列で出力してもよい。例えば、出力手段150は、分析結果を音声で出力してもよい。出力手段150が分析結果をどのように出力するかは問わない。例えば、出力手段150が表示画面を備えている場合、表示画面に分析結果を表示してもよい。例えば、出力手段150が記憶手段を備えている場合、記憶手段に分析結果を記憶し、コンピュータシステム100の外部にある外部装置が記憶部にアクセスすることにより外部装置が分析結果を取得するようにしてもよい。例えば、出力手段150が送信部を備えている場合、送信部がネットワークを介してコンピュータシステム100の外部に分析結果を送信してもよい。この場合、ネットワークの種類は問わない。例えば、出力手段150の送信部は、インターネットを介して分析結果を送信してもよいし、LANを介して分析結果を送信してもよい。
【0100】
出力手段150から出力される分析結果は、少なくとも、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべき投資家体験を示す情報を含むことができる。分析結果は、例えば、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべきユーザ体験を示す情報をさらに含むようにしてもよい。あるいは、または、これに加えて、分析結果は、例えば、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべき構成員体験を示す情報をさらに含むようにしてもよい。
【0101】
さらに、分析結果は、ユーザによる推奨意向度と相関関係がある少なくとも1つの投資家体験を改善するために改善すべきユーザ体験を示す情報をさらに含むことができる。あるいは、または、これに加えて、分析結果は、構成員による推奨意向度と相関関係がある少なくとも1つの投資家体験を改善するために改善すべき構成員体験を示す情報をさらに含むことができる。
【0102】
さらに、分析結果は、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべきIR活動に関する投資家体験を示す情報を含むようにしてもよい。例えば、少なくとも1つの投資家体験を改善するためにユーザ体験を改善したとしても、そのことおよび効果が投資家に伝わらないと、投資家の推奨意向度の向上につながらないことがある。例えば、少なくとも1つの投資家体験を改善するために構成員体験を改善したとしても、そのことおよび効果が投資家に伝わらないと、投資家の推奨意向度の向上につながらないことがある。そこで、分析結果が、ユーザによる推奨意向度と相関関係がある少なくとも1つの投資家体験を改善するために改善すべきユーザ体験を示す情報に加えて、改善すべきIR活動に関する投資家体験(例えば、「非財務項目に関する説明」に関する体験)を示す情報を含むことで、あるいは、分析結果が、構成員による推奨意向度と相関関係がある少なくとも1つの投資家体験を改善するために改善すべき構成員体験を示す情報に加えて、改善すべきIR活動に関する投資家体験(例えば、「非財務項目に関する説明」に関する体験)を示す情報を含むことで、確実に投資家の推奨意向度の向上につなげることができるようになる。
【0103】
なお、上述したコンピュータシステム100の各構成要素は、同一のハードウェア内に位置してもよいし、複数のハードウェア内に存在してもよい。複数のハードウェア内に存在する場合は、各ハードウェアが接続される態様は問わない。各ハードウェアは、例えば、LANを介して接続されてもよいし、無線で接続されてもよいし、有線で接続されてもよい。コンピュータシステム100は、特定のハードウェア構成には限定されない。例えば、プロセッサをデジタル回路ではなくアナログ回路によって構成することも本発明の範囲内である。コンピュータシステム100の構成は、その機能を実現できる限りにおいて上述したものに限定されない。
【0104】
3.投資家が投資対象を評価した結果を分析するためのコンピュータシステムにおける処理
図6は、投資家が投資対象を評価した結果を分析するためのコンピュータシステム100における処理600の一例を示す。
【0105】
ステップS601では、受信手段110が複数の評価結果を受信する。複数の評価結果は、複数の投資家が同一の投資対象を評価した結果である。複数の評価結果は、推奨意向度と、プラス指標と、マイナス指標とを含む。複数の評価結果は、ニュートラル指標も含んでもよい。受信手段110が受信した複数の評価結果は、プロセッサ120に渡され、プロセッサ120はこれを受信する。
【0106】
ステップS602では、プロセッサ120の分析手段130が複数の評価結果を分析する。分析手段130は、ステップS601で受信手段110が受信した複数の評価結果を分析する。これにより、推奨意向度を向上させるために改善すべき投資家体験を特定する。分析手段130による分析の結果は、出力手段140へと出力される。
【0107】
ステップS603では、出力手段140が分析の結果を出力する。出力手段140は、ステップS602で分析手段130が分析した結果を出力する。例えば、出力手段140は、例えば、図2に示されるように、分析結果をグラフ形式で出力することができる。
【0108】
図7Aは、ステップS602における複数の評価結果を分析する処理の一例を示す。
【0109】
ステップS6021では、算出手段131が、複数の評価結果に対して、推奨意向度に対する各投資家体験のプラスの影響度と、推奨意向度に対する各投資家体験のマイナスの影響度とを算出する。
【0110】
ステップS6022では、生成手段132が、推奨意向度に対する各投資家体験のプラスの影響度と推奨意向度に対する各投資家体験のマイナスの影響度とに基づいて、複数の評価結果の分析結果を生成する。
【0111】
図7Bは、ステップS6021における、複数の評価結果に対して、推奨意向度に対するプラスの影響度と推奨意向度に対するマイナスの影響度とを算出する処理の一例を示す。
【0112】
ステップS60211では、算出手段131のプラス指標重回帰分析部が、推奨意向度を目的変数とし、プラス指標を説明変数として重回帰分析を行うことにより、推奨意向度に対するプラスの影響度を算出する。プラス指標重回帰分析部は、プラス指標以外の指標(マイナス指標およびニュートラル指標)をゼロとして扱い、重回帰分析を行ってもよい。プラス指標が、例えば+1等の1段階のレベルの指標である場合、プラス指標重回帰分析部は、数量化I類を行ってもよい。
【0113】
ステップS60212では、算出手段131のマイナス指標重回帰分析部が、推奨意向度を目的変数とし、マイナス指標を説明変数として重回帰分析を行うことにより、推奨意向度に対するマイナスの影響度を算出する。マイナス指標重回帰分析部は、マイナス指標以外の指標(プラス指標およびニュートラル指標)をゼロとして扱い、重回帰分析を行ってもよい。マイナス指標が、例えば-1等の1段階のレベルの指標である場合、マイナス指標重回帰分析部は、数量化I類を行ってもよい。
【0114】
なお、上述した例では、推奨意向度とプラス指標とについて重回帰分析を行うことにより、推奨意向度に対するプラスの影響度を算出し、推奨意向度とマイナス指標とについて重回帰分析を行うことにより、推奨意向度に対するマイナスの影響度を算出することを説明したが、本発明は、これに限定されない。推奨意向度とプラス指標とマイナス指標とについて重回帰分析等の統計的処理を行うことにより、プラスの影響度とマイナスの影響度とを算出することも本発明の範囲内である。例えば、推奨意向度を目的変数とし、プラス指標とマイナス指標とを説明変数として重回帰分析を行うことにより、プラスの影響度とマイナスの影響度とを算出するようにしてもよい。
【0115】
図7Cは、ステップS6022におけるプラスの影響度とマイナスの影響度とに基づいて、複数の評価結果の分析結果を生成する処理の一例を示す。
【0116】
ステップS60221では、生成手段132の第1の値生成部が、推奨意向度に対する投資家体験のプラスの影響度と、推奨意向度に対する投資家体験のマイナスの影響度とを加算することによって第1の値を生成する。
(第1の値)=(プラスの影響度)+(マイナスの影響度)
【0117】
例えば、第1の値は、推奨意向度に対して、プラスの影響があるかマイナスの影響があるかを示す影響度相対値である。
【0118】
ステップS60222では、生成手段132の第2の値生成部が、推奨意向度に対する投資家体験のプラスの影響度と、推奨意向度に対する投資家体験のマイナスの影響度の絶対値とを加算することによって第2の値を生成する。
(第2の値)=(プラスの影響度)+|(マイナスの影響度)|
【0119】
例えば、第2の値は、プラスの影響かマイナスの影響かにかかわらず、推奨意向度にどの程度影響があるかを示す影響度絶対値である。
【0120】
ステップS60223では、生成手段132の特定部が、投資家による推奨意向度を向上させるために、複数の投資家体験のうちのどの投資家体験を改善すべきかを特定するための値を生成する。特定部は、推奨意向度を向上させるために投資家体験のうちのどの投資家体験を改善すべきかを特定するために、各投資家体験をランク付けすることにより、複数の投資家体験のそれぞれのランクを示す値を生成してもよい。
【0121】
このようにして、コンピュータシステム100は、投資家による複数の評価結果に基づいて、投資家による推奨意向度を向上させるために、複数の投資家体験のうちのどの投資家体験を改善すべきかを特定することができる。
【0122】
上述した処理は、複数のユーザによる複数の第2の評価結果に対しても同様に適用されることができ、これにより、ユーザによる推奨意向度を向上させるために、複数のユーザ体験のうちのどのユーザ体験を改善すべきかを特定することができる。上述した処理は、複数の構成員による複数の第3の評価結果に対しても同様に適用されることができ、これにより、構成員による推奨意向度を向上させるために、複数の構成員体験のうちのどの構成員体験を改善すべきかを特定することができる。
【0123】
例えば、上述した処理により、改善すべき投資家体験が特定されたとしても、その投資家体験を改善するために、具体的にどのような施策を打つべきか不明な場合がある。しかしながら、ユーザ体験または構成員体験を改善することが目的であれば、具体的な施策に想到しやすい、または、具体的な施策を講じやすいことがある。このために、コンピュータシステム100は、後述する処理により、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべきユーザ体験または構成員体験を特定することができる。
【0124】
図8Aは、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべきユーザ体験を特定するための処理800の一例を示す。
【0125】
ステップS801では、受信手段110のうちの第1の受信手段が、複数の第1の評価結果を受信する。ステップS801は、上述したステップS601と同様の処理である。第1の受信手段が受信した複数の第1の評価結果は、プロセッサ120に渡され、プロセッサ120はこれを受信する。
【0126】
ステップS802では、受信手段110のうちの第2の受信手段が、複数の第2の評価結果を受信する。複数の第2の評価結果は、ユーザによる推奨意向度と、プラス指標と、マイナス指標とを含む。複数の第2の評価結果は、ニュートラル指標も含んでもよい。第2の受信手段が受信した複数の第2の評価結果は、プロセッサ120に渡され、プロセッサ120はこれを受信する。
【0127】
ステップS803では、プロセッサ120の分析手段130が、複数の第1の評価結果および複数の第2の評価結果を分析する。分析手段130は、図8Bを参照して後述する処理により、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべきユーザ体験を特定することができる。
【0128】
ステップS804では、出力手段140が分析の結果を出力する。出力手段140は、ステップS803で分析手段130が分析した結果を出力する。分析した結果は、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべきユーザ体験を示す情報を含むことができる。
【0129】
図8Bは、ステップS803における処理の一例を示す。
【0130】
ステップS8031では、分析手段130が、複数の第1の評価結果を分析する。これは、上述したステップS602と同様の処理である。これにより、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべき投資家体験を特定する。
【0131】
ステップS8032では、分析手段130が、複数の第2の評価結果を分析する。これは、上述したステップS602と同様の処理を複数の第2の評価結果に適用することで行われる。これにより、ユーザによる推奨意向度を向上させるために改善すべきユーザ体験を特定する。
【0132】
ステップS8033では、分析手段130が、ステップS8031で特定された投資家体験が、ユーザによる推奨意向度と相関関係を有するか否かを判定する。ステップS8031で特定された投資家体験が、ユーザによる推奨意向度と相関関係を有すると判定されると、ステップS8034に進む。ステップS8031で特定された投資家体験が、ユーザによる推奨意向度と相関関係を有しないと判定されるとステップS8035に進み処理が終了する。ステップS8031で特定された投資家体験が、ユーザによる推奨意向度と相関関係を有しない場合には、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべきユーザ体験は存在しないため、分析手段130は、これを特定することができないからである。
【0133】
ステップS8034では、分析手段130が、ステップS8032で特定されたユーザ体験を、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべきユーザ体験として決定する。ステップS8032で特定されたユーザ体験は、ユーザによる推奨意向度を向上させることができるものであり、ステップS8031で特定された投資家体験は、投資家による推奨意向度を向上させることができるものであり、ステップS8032で特定されたユーザ体験を改善することによりユーザによる推奨意向度を向上させると、ユーザによる推奨意向度と相関関係を有するステップS8031で特定された投資家体験も向上し、ひいては、ユーザによる推奨意向度も向上するからである。
【0134】
図8Aおよび図8Bの処理により、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべきユーザ体験を特定することができる。これにより、投資家体験を改善するために具体的にどのような施策を打つべきか不明な場合であっても、具体的な施策に想到し、具体的な施策を講じることができるようになる。
【0135】
図9Aは、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべき構成員体験を特定するための処理900の一例を示す。
【0136】
ステップS901では、受信手段110のうちの第1の受信手段が、複数の第1の評価結果を受信する。ステップS901は、上述したステップS601と同様の処理である。第1の受信手段が受信した複数の第1の評価結果は、プロセッサ120に渡され、プロセッサ120はこれを受信する。
【0137】
ステップS902では、受信手段110のうちの第3の受信手段が、複数の第3の評価結果を受信する。複数の第3の評価結果は、構成員による推奨意向度と、プラス指標と、マイナス指標とを含む。複数の第3の評価結果は、ニュートラル指標も含んでもよい。第3の受信手段が受信した複数の第3の評価結果は、プロセッサ120に渡され、プロセッサ120はこれを受信する。
【0138】
ステップS903では、プロセッサ120の分析手段130が、複数の第1の評価結果および複数の第3の評価結果を分析する。分析手段130は、図9Bを参照して後述する処理により、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべき構成員体験を特定することができる。
【0139】
ステップS904では、出力手段140が分析の結果を出力する。出力手段140は、ステップS903で分析手段130が分析した結果を出力する。分析した結果は、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべき構成員体験を示す情報を含むことができる。
【0140】
図9Bは、ステップS903における処理の一例を示す。
【0141】
ステップS9031では、分析手段130が、複数の第1の評価結果を分析する。これは、上述したステップS602と同様の処理である。これにより、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべき投資家体験を特定する。
【0142】
ステップS9032では、分析手段130が、複数の第3の評価結果を分析する。これは、上述したステップS602と同様の処理を複数の第3の評価結果に適用することで行われる。これにより、構成員による推奨意向度を向上させるために改善すべき構成員体験を特定する。
【0143】
ステップS9033では、分析手段130が、ステップS9031で特定された投資家体験が、構成員による推奨意向度と相関関係を有するか否かを判定する。ステップS9031で特定された投資家体験が、構成員による推奨意向度と相関関係を有すると判定されると、ステップS9034に進む。ステップS9031で特定された投資家体験が、構成員による推奨意向度と相関関係を有しないと判定されるとステップS9035に進み処理が終了する。ステップS9031で特定された投資家体験が、構成員による推奨意向度と相関関係を有しない場合には、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべき構成員体験は存在しないため、分析手段130は、これを特定することができないからである。
【0144】
ステップS9034では、分析手段130が、ステップS9032で特定された構成員体験を、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべき構成員体験として決定する。ステップS9032で特定された構成員体験は、構成員による推奨意向度を向上させることができるものであり、ステップS9031で特定された投資家体験は、投資家による推奨意向度を向上させることができるものであり、ステップS9032で特定された構成員体験を改善することにより構成員による推奨意向度を向上させると、構成員による推奨意向度と相関関係を有するステップS9031で特定された投資家体験も向上し、ひいては、構成員による推奨意向度も向上するからである。
【0145】
図9Aおよび図9Bの処理により、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべき構成員体験を特定することができる。これにより、投資家体験を改善するために具体的にどのような施策を打つべきか不明な場合であっても、具体的な施策に想到し、具体的な施策を講じることができるようになる。
【0146】
処理800および処理900は、相互に独立して行われてもよいし、並行してまたは連続して行われてもよい。並行してまたは連続して行われる場合は、ステップS801またはステップS901のいずれか、および、ステップS901またはステップS904のいずれかは省略され得る。処理800および処理900を並行してまたは連続して行うことにより、投資家による推奨意向度を向上させるために改善すべき投資家体験、ユーザ体験、および構成員体験を示す情報を含む分析の結果を出力することができる。これを参考にして、投資家による推奨意向度を向上させるために、多面的な施策を講じることが促進される。
【0147】
上述した例では、特定の順序で各ステップの処理が行われることを説明したが、各ステップの処理の順序は説明されるものに限定されない。論理的に可能な任意の順序で、各ステップの処理を行うことができる。あるいは、いくつかのステップを同時に行うことができる。例えば、ステップS60221の前にステップS60222を行うことができる。例えば、ステップS801の前に、または、ステップS801と同時に、ステップS802を行うことができる。例えば、ステップS901の前に、または、ステップS901と同時に、ステップS902を行うことができる。
【0148】
上述した例では、図6図7A図7B図7C図8A図8B図9A図9Bに示される各ステップの処理は、プロセッサ120とメモリ140に格納されたプログラムとによって実現することが説明されたが、本発明はこれに限定されない。図6図7A図7B図7C図8A図8B図9A図9Bに示される各ステップの処理のうちの少なくとも1つは、制御回路などのハードウェア構成によって実現されてもよい。
【0149】
上述した例では、投資家による推奨意向度を評価指標とした分析について説明したが、本発明はこれに限定されない。所定の観点から投資家が投資対象を評価した際の評価の度合を示す任意の評価指標について同様の分析を行うことが可能である。評価指標は、例えば、投資家が総合的な観点から投資対象を評価した際に投資家が投資対象に満足した度合を示す「総合満足度」であってもよい。この場合、複数の投資家体験のうちの各々が「総合満足度」にどのように影響するかを分析することができ、「総合満足度」の向上のために改善すべき投資家体験を特定することができる。評価指標は、例えば、投資対象に対する投資家の熱狂の度合を示す「熱狂度」であってもよい。この場合、複数の投資家体験のうちの各々が「熱狂度」にどのように影響するかを分析することができ、「熱狂度」の向上のために改善すべき投資家体験を特定することができる。ユーザによる推奨意向度および構成員による推奨意向度についても同様であり、本発明は、所定の観点からユーザが評価対象を評価した際の評価の度合を示す任意の評価指標について同様の分析を行うことが可能であり、所定の観点から構成員が評価対象を評価した際の評価の度合を示す任意の評価指標について同様の分析を行うことが可能である。
【0150】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明は、投資家が投資対象を評価した結果を分析するためのコンピュータシステムを提供するものとして有用である。
【符号の説明】
【0152】
10、20、30 アンケート用紙
100 コンピュータシステム
110 受信手段
120 プロセッサ
130 分析手段
140 メモリ
150 出力手段
【要約】
【課題】投資家体験が評価指標(例えば、投資家満足度)に及ぼす影響を分析するためのコンピュータシステム等を提供すること
【解決手段】投資家が投資対象を評価した結果を分析するためのコンピュータシステムは、複数の投資家が投資対象を評価した結果を示す複数の評価結果を受信する受信手段であって、前記複数の評価結果のそれぞれは、所定の観点から投資家が前記投資対象を評価した際の評価の度合を示す評価指標と、前記投資家が体験し得る複数の投資家体験に関する評価と含む、受信手段と、前記評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を特定するように、前記複数の評価結果を分析する分析手段と、前記分析手段による分析の結果を出力する出力手段であって、前記分析の結果は、前記評価指標を向上させるために改善すべき投資家体験を示す情報を含む、出力手段とを備える。
【選択図】図2
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図9A
図9B