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特許7279266時系列データを保存および照会するための方法および装置、並びにそれらのサーバーおよび記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-12
(45)【発行日】2023-05-22
(54)【発明の名称】時系列データを保存および照会するための方法および装置、並びにそれらのサーバーおよび記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/90 20190101AFI20230515BHJP
   H03M 7/30 20060101ALI20230515BHJP
【FI】
G06F16/90
H03M7/30 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022537436
(86)(22)【出願日】2020-12-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-24
(86)【国際出願番号】 SG2020050748
(87)【国際公開番号】W WO2021126079
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-09-08
(31)【優先権主張番号】201911318297.5
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522178636
【氏名又は名称】エンヴィジョン デジタル インターナショナル ピーティーイー.エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】ENVISION DIGITAL INTERNATIONAL PTE.LTD.
【住所又は居所原語表記】1 Harbourfront Avenue,#17-01 Keppel Bay Tower,Singapore 098632(SG)
(73)【特許権者】
【識別番号】522178647
【氏名又は名称】シャンハイ エンヴィジョン デジタル シーオー.,エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI ENVISION DIGITAL CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.15,Lane 55,Chuanhe Road China(Shanghai)Pilot Free Trade Zone Shanghai(CN)
(74)【代理人】
【識別番号】100116687
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 爾
(74)【代理人】
【識別番号】100098383
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100155860
【弁理士】
【氏名又は名称】藤松 正雄
(72)【発明者】
【氏名】ホアン,ユエチン
(72)【発明者】
【氏名】シャン,イフイ
(72)【発明者】
【氏名】ザオ,ホン
【審査官】早川 学
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0229454(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109582708(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108021650(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106021395(CN,A)
【文献】特開2019-079317(JP,A)
【文献】特開2002-163180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
H03M 7/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが時系列データを保存および照会するための方法であって、
モノのインターネット(IoT)デバイスから保存対象データを受信すると、前記保存対象データのデータ型を決定すること、ここで、前記保存対象データは、時系列データであり、前記データ型は、時間の経過に伴う前記時系列データの変化のタイプを示しており
前記データ型に対応するデータ圧縮方式で前記保存対象データを圧縮することによって、圧縮データを取得すること、ここで、異なるデータ型は、異なるデータ圧縮方式に対応しており、
前記圧縮データを前記データ型と対応関係を有するデータ保存テーブルに格納すること、ここで、異なるデータ型は、異なるデータ保存テーブルに対応しており、
照会要求を受信すること、ここで、前記照会要求には、照会データ型および照会時間条件が含まれており、
前記照会データ型に対応するデータ保存テーブルから前記照会時間条件を満たすターゲットデータを照会すること、
を含んでおり、
前記保存対象データは、状態量を含み、
前記状態量は、時間的に不連続な物理量であり、プリセットの列挙されたデータセットに属する値を有しており、
前記データ型に対応するデータ圧縮方式で前記保存対象データを圧縮することによって、圧縮データを取得することは、
連続して受信されたn個の状態量の値を読み取ること、ここで、nは、2以上の整数であり、
前記n個の状態量の値が変化しないことに基づいて前記n個の状態量を圧縮することによって、前記圧縮データを取得すること、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記n個の状態量の値が変化しないことに基づいて前記n個の状態量を圧縮することによって、前記圧縮データを取得することは、
前記n個の状態量のうちの(i+1)番目の状態量について、前記(i+1)番目の状態量の値がi番目の状態量と異なる場合に、前記(i+1)番目の状態量を保持すること、ここで、iは、1以上の整数であり、
前記(i+1)番目の状態量の値が前記i番目の状態量の値と同じ場合に、前記(i+1)番目の状態量を削除すること、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記照会データ型は、状態量を含み、
前記照会データ型に対応するデータ保存テーブルから前記照会時間条件を満たすターゲットデータを照会することは、
前記照会時間条件が第1の時点であって、前記状態量に対応するデータ保存テーブルが前記第1の時点に対応するデータを格納していない場合に、前記状態量に対応するデータ保存テーブル内の第2の時点に対応するデータを前記ターゲットデータとして決定すること、ここで、前記第2の時点は、前記第1の時点より前で、前記第1の時点に最も近い、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記保存対象データは、アナログ量を更に含み、
前記アナログ量は、時間的に連続した物理量であり、プリセットの値範囲内の値を有しており、
前記データ型に対応するデータ圧縮方式で前記保存対象データを圧縮することによって、圧縮データを取得することは、
前記アナログ量の取得頻度およびターゲットサンプリング頻度に基づいて前記アナログ量をサンプリングおよび圧縮することによって、前記圧縮データを取得すること、ここで、前記取得頻度は、前記ターゲットサンプリング頻度よりも高い、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記照会データ型は、アナログ量を更に含み、
前記照会データ型に対応するデータ保存テーブルから前記照会時間条件を満たすターゲットデータを照会することは、
前記照会時間条件が第3の時点であって、前記アナログ量に対応するデータ保存テーブルが前記第3の時点に対応するデータを格納していない場合に、前記アナログ量に対応するデータ保存テーブル内の少なくとも1つの第4の時点および少なくとも1つの第5の時点に対応するデータを取得すること、ここで、前記第4の時点は、前記第3の時点より前で、前記第3の時点に最も近く、前記第5の時点は、前記第3の時点より後で、前記第3の時点に最も近く、
前記第4の時点および前記第5の時点に対応するデータに基づいて、補間アルゴリズムによって前記第3の時点に対応する前記ターゲットデータを計算すること、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
前記保存対象データは、累積量を更に含み、
前記累積量は、時間の経過により値が徐々に増加する物理量であり、
前記保存対象データは、時系列データベースのプリセットの可逆圧縮アルゴリズムによって圧縮され、
前記照会データ型は、前記累積量であり、
前記照会データ型に対応するデータ保存テーブルから前記照会時間条件を満たすターゲットデータを照会することは、
前記累積量に対応するデータ保存テーブル内の隣接する累積量に基づいて、それぞれの期間に対応する成分を計算すること、
前記照会時間条件によって示されるターゲット期間に属するターゲット成分を照会すること、
前記ターゲット成分に基づいて、前記ターゲットデータを決定すること、
を更に含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
時系列データを保存および照会するための装置であって、
モノのインターネット(IoT)デバイスから保存対象データを受信すると、前記保存対象データのデータ型を決定するように構成された、決定モジュールと、ここで、前記保存対象データは、時系列データであり、前記データ型は、時間の経過に伴う前記時系列データの変化のタイプを示しており
前記データ型に対応するデータ圧縮方式で前記保存対象データを圧縮することによって、圧縮データを取得するように構成された、処理モジュールと、ここで、異なるデータ型は、異なるデータ圧縮方式に対応しており、
前記圧縮データを前記データ型と対応関係を有するデータ保存テーブルに格納するように構成された、格納モジュールと、ここで、異なるデータ型は、異なるデータ保存テーブルに対応しており、
照会要求を受信するように構成された、受信モジュールと、ここで、前記照会要求には、照会データ型および照会時間条件が含まれており、
前記照会データ型に対応するデータ保存テーブルから前記照会時間条件を満たすターゲットデータを照会するように構成された、照会モジュールと、
を備えており、
前記保存対象データは、状態量を含み、
前記状態量は、時間的に不連続な物理量であり、プリセットの列挙されたデータセットに属する値を有しており、
前記データ型に対応するデータ圧縮方式で前記保存対象データを圧縮することによって、圧縮データを取得することは、
連続して受信されたn個の状態量の値を読み取ること、ここで、nは、2以上の整数であり、
前記n個の状態量の値が変化しないことに基づいて前記n個の状態量を圧縮することによって、前記圧縮データを取得すること、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項8】
プロセッサと、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット、または命令セットを記憶したメモリとを備えたサーバーであって、
前記少なくとも1つの命令、前記少なくとも1つのプログラム、前記コードセット、または前記命令セットは、前記プロセッサによってロードおよび実行されると、請求項1~6のいずれかに定義された、時系列データを保存および照会するための方法を前記プロセッサに実施させる、
ことを特徴とするサーバー。
【請求項9】
少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット、または命令セットを記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記少なくとも1つの命令、前記少なくとも1つのプログラム、前記コードセット、または前記命令セットは、プロセッサによってロードおよび実行されると、請求項1~6のいずれかに定義された、時系列データを保存および照会するための方法を前記プロセッサに実施させる、
ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、データベースの分野に関し、特に時系列データを保存および照会(クエリ)するための方法および装置、並びにそれらのサーバーおよび記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
時系列データは、時系列に同じ指標で記録されたデータ列を指し、時系列データベースは、時系列データを保存および管理するために使用される特殊なデータベースである。モノのインターネット(IoT)システムの時系列データベースは、通常、リアルタイム監視、アラーム、分析などの多数のシナリオで生成されたデータを保存するために使用され、より大きなストレージ容量とデータを迅速な照会および処理する能力を提供する必要がある。
【0003】
関連技術において、データベースサーバーは、保存対象データを取得すると、タイムスタンプに基づいて、関連ファイルに保存対象データを格納し、そのファイルを圧縮する。データが照会されるとき、照会命令に応答して関連ファイルが解凍され、照会対象データが返される。
【0004】
しかしながら、関連技術の時系列データベースは、全てのデータを無差別に保存しており、異なるタイプ(型)のデータに対して対象を絞った圧縮および保存方法を提供することができず、圧縮率が低い。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態によれば、時系列データを保存および照会するための方法および装置、並びにそれらのサーバーおよび記憶媒体が提供される。
【0006】
一態様において、本開示の実施形態は、時系列データを保存および照会するための方法を提供する。この方法には、以下が含まれる:
【0007】
IoTデバイスから保存対象データを受信すると、保存対象データのデータ型を決定すること、ここで、保存対象データは、時系列データであり、データ型は、時間の経過に伴う時系列データの変化を示すことを意図しており;
【0008】
データ型に対応するデータ圧縮方式で保存対象データを圧縮することによって、圧縮データを取得すること、ここで、異なるデータ型は、異なるデータ圧縮方式に対応しており;
【0009】
圧縮データをデータ型に対応するデータ保存テーブルに格納すること、ここで、異なるデータ型は、異なるデータ保存テーブルに対応しており;
【0010】
照会要求を受信すること、ここで、照会要求には、照会データ型および照会時間条件が含まれており;
【0011】
照会データ型に対応するデータ保存テーブルから照会時間条件を満たすターゲットデータを照会すること。
【0012】
別の態様において、本開示の実施形態は、時系列データを保存および照会するための装置を提供する。この装置には、以下が含まれる:
【0013】
IoTデバイスから保存対象データを受信すると、保存対象データのデータ型を決定するように構成された、決定モジュール、ここで、保存対象データは、時系列データであり、データ型は、時間の経過に伴う時系列データの変化を示すことを意図しており;
【0014】
データ型に対応するデータ圧縮方式で保存対象データを圧縮することによって、圧縮データを取得するように構成された、処理モジュール、ここで、異なるデータ型は、異なるデータ圧縮方式に対応しており;
【0015】
圧縮データをデータ型に対応するデータ保存テーブルに格納するように構成された、格納モジュール、ここで、異なるデータ型は、異なるデータ保存テーブルに対応しており;
【0016】
照会要求を受信するように構成された、受信モジュール、ここで、照会要求には、照会データ型および照会時間条件が含まれており;
【0017】
照会データ型に対応するデータ保存テーブルから照会時間条件を満たすターゲットデータを照会するように構成された、照会モジュール。
【0018】
別の態様において、本開示の実施形態は、サーバーを提供する。サーバーには、プロセッサと、メモリとを含む。メモリには、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット、または命令セットが格納される。少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット、または命令セットは、プロセッサによってロードおよび実行されると、上記の態様で説明した時系列データを保存および照会するための方法をプロセッサに実行させる。
【0019】
別の態様において、本開示の実施形態は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体には、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット、または命令セットが格納される。少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット、または命令セットは、プロセッサによってロードおよび実行されると、上記の態様で説明した時系列データを保存および照会するための方法をプロセッサに実行させる。
【0020】
本開示の実施形態による技術的解決策は、少なくとも以下の有益な効果を達成する。
【0021】
保存対象データのタイプ(データ型)が決定される。異なるタイプのデータが、その特性に基づいた異なる圧縮方式で圧縮されて、対応するデータ保存テーブルに格納されるため、時系列データの圧縮効率が向上し、ストレージ資源が節約される。また、データ照会において、照会データ型に対応するデータ保存テーブルから照会時間条件を満たす時系列データが検索されるため、異なるタイプの時系列データの照会効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】例示的な実施形態に関する実装環境を示す概略図である。
【0023】
図2】例示的な実施形態に関する時系列データを保存および照会するための方法のフローチャートである。
【0024】
図3】例示的な実施形態に関する時系列データの圧縮および格納プロセスの概略図である。
【0025】
図4】別の例示的な実施形態に関する時系列データを保存および照会するための方法のフローチャートである。
【0026】
図5】例示的な実施形態に関するデータベースサーバーの照会機能を示す概略図である。
【0027】
図6】例示的な実施形態に関する時系列データを保存および照会するための装置の構造ブロック図である。
【0028】
図7】例示的な実施形態に関するサーバーの構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示の目的、技術的解決策、および利点をより明確にするために、以下では、添付の図面を参照して本開示の実施形態を更に詳細に説明する。
【0030】
本明細書で言及する「複数」という用語は2つ以上を指し、「および/または」という用語は、関連するオブジェクトの関連関係を説明し、3つのタイプの関係が存在する可能性があることを示す。例えば、Aおよび/またはBは、Aが単独で存在、AとBが同時に存在、Bが単独で存在の3つの状況を示す可能性がある。文字「/」は通常、関連するオブジェクトが「or(または)」の関係にあることを示す。
【0031】
関連技術において、時系列データベースソフトウェアは、通常、時系列データの保存のために使用される。異なるIoTデバイスから送信される異なる指標の保存対象データについて、データベースサーバーは対応するデータ保存テーブルに格納するが、全てのデータが時系列データベースソフトウェアのデフォルトの圧縮方法で圧縮されるため、圧縮率が低くなる。更に、データベースの照会(クエリ)計算能力は限られており、他の多くのサービスロジックサポートが必要である。
【0032】
前述の問題を解決するために、本開示の実施形態は、異なるデータ型の時系列データについて、時系列データを保存および照会するための方法を提供する。図1は、本開示の例示的な実施形態に関する実装環境の概略図を示す。実装環境には、モノのインターネット(IoT)デバイス101と、データベースサーバー102と、照会端末103とが含まれる。
【0033】
IoTデバイス101は、時系列データを取得するためのデータ取得機能を備えたデバイスであり、風速検出器、温度湿度検出器、光発電センサーなどのセンサーを備えた、風力発電機や光発電パネルなどの新しいエネルギーデバイスであり得る。図1に示すように、複数のIoTデバイス101は、異なるデータ型の時系列データを取得し、取得した時系列データをデータベースサーバー102に送信する。可能なアプリケーションシナリオにおいて、IoTデバイス101は、ゲートウェイデバイスによってデータベースサーバー102にデータを送信する。
【0034】
IoTデバイス101とデータベースサーバー102は、有線または無線ネットワークを介して接続される。
【0035】
データベースサーバー102は、IoTデバイス101によって取得されたデータを保存するストレージデバイスであり、1台のサーバー、複数台のサーバーから構成されるサーバークラスタ、またはクラウドサーバーであり得る。オプションとして、データベースサーバー102は、IoTデバイス101によって送信された保存対象データを取得し、保存対象データのデータ型に基づいて対応するデータ圧縮方式を決定し、圧縮されたデータを対応するデータ保存テーブルに格納する。
【0036】
データベースサーバー102と照会端末103は、有線または無線ネットワークを介して接続される。
【0037】
照会端末103は、データ照会機能を備えたデバイスである。可能なアプリケーションシナリオにおいて、照会端末103は、照会データ型および照会時間条件を含む照会要求をデータベースサーバー102に送信する。データベースサーバー102は、照会データ型に基づいて対応するデータ保存テーブルを決定し、データ保存テーブルを解凍し、照会時間条件に基づいてデータ保存テーブル内のターゲットデータを決定し、照会結果を照会端末103にフィードバックする。照会端末103は、受信した時系列データをチャート形式で表示する。照会端末103は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータなどであり得る。図1に示すように、照会端末103は、パーソナルコンピュータである。
【0038】
図2は、本開示の例示的な実施形態に関する時系列データを保存および照会するための方法のフローチャートを示す。この実施形態では、データベースサーバーに適用される方法を、説明のために実施例として取り上げる。この方法には、以下のステップが含まれる。
【0039】
ステップ201において、保存対象データがIoTデバイスから受信された後、保存対象データのデータ型が決定される。保存対象データは、時系列データである。データ型は、時間の経過に伴う時系列データの変化を示すことを意図している。
【0040】
時系列データは、時系列で同じ指標で記録されたデータシーケンスを指す。IoTシステムにおいて、異なるIoTデバイスによって取得される時系列データは、時間の経過に伴って変化する。このため、幾つかの実施形態において、IoTデバイスによって取得されたデータは、事前の時間の経過に伴う変化に基づいて、異なるタイプのデータに分類され得る。IoTデバイスから保存対象データを受信した場合、データベースサーバーは最初にそのデータ型を決定し得る。
【0041】
オプションとして、データベースサーバーは、IoTデバイスによって送信された保存対象データを受信すると、保存対象データにおけるデータ指標を示すデバイス識別子またはキーワードに基づいて、そのデータ型を決定し得る。
【0042】
ステップ202において、データ型に対応するデータ圧縮方式で保存対象データを圧縮することによって、圧縮データが取得される。異なるデータ型は、異なるデータ圧縮方式に対応している。
【0043】
データベースサーバーは、データを異なるタイプに分類し、各タイプのデータを対応する方法で圧縮することで、データベースの圧縮率を最大化する。
【0044】
幾つかの実施形態において、データベースサーバーは、複数のデータ圧縮方式がプリセットされており、各タイプのデータに対応する圧縮方法と一致する。保存対象データのデータ型を決定した後、対応するデータ圧縮方式でデータを圧縮する。
【0045】
ステップ203において、データ型に対応するデータ保存テーブルに圧縮データが格納される。異なるデータ型は、異なるデータ保存テーブルに対応している。
【0046】
リレーショナルデータベースと比較して、関連技術の時系列データベース(Open TSDBなど)は、高スループットおよび高圧縮率の特性を有する。しかしながら、データ保存テーブルは単一であり、時系列データのデータ型に基づいて分別保存を実行することができない。このため、時系列データベースのデータ処理能力には限界がある。
【0047】
幾つかの実施形態において、データベースサーバーは、複数のタイプのデータ保存テーブルを備えている。異なるデータ型のデータが、隔離保存のために異なるデータ保存テーブルに割り当てられる。これに基づいて、データベースのデータ照会効率を向上させるために、異なるデータ照会機能が提供される。データベースサーバーは、保存対象データをそのデータ型に基づいて対応するデータ圧縮方式で圧縮し、その後、対応するデータ保存テーブルに圧縮データを格納する。
【0048】
オプションとして、データベースサーバーは、保存対象データ内のデータ型を示すマークに対応する異なるタイプのデータ保存テーブルをマーキングし、保存対象データを圧縮し、その後、対応するデータ保存テーブルに格納する。IoTデバイスによって取得されるデータは時系列データであるため、データベースサーバーは、保存対象データをタイムスタンプ順にデータ保存テーブルに格納する。
【0049】
ステップ204において、照会要求が受信される。照会要求には、照会データ型および照会時間条件が含まれる。
【0050】
IoTデバイスによって送信されたデータを保存することに加えて、データベースサーバーは、照会機能も有する。ユーザは、必要に応じて照会要求を送信し、データベースサーバーから返された照会結果に基づいてデータ分析を実行して、特定の指標の変化傾向、特定の時間内の収益の増減またはデータの詳細、およびその他の情報を取得することができる。
【0051】
幾つかの実施形態において、ユーザは、クライアント上で照会要求を入力する。データベースサーバーは、照会要求を受信し、照会要求内の照会データ型および照会時間条件を取得する。照会データ型は、データ保存テーブルを決定することを意図している。照会時間条件は、データ保存テーブル内のデータを決定することを意図している。
【0052】
ステップ205において、照会データ型に対応するデータ保存テーブルから照会時間条件を満たすターゲットデータが照会される。
【0053】
幾つかの実施形態において、データベースサーバーは、照会要求内の照会データ型を取得し、それに対応するデータ保存テーブルを決定し、データ保存テーブルを解凍し、照会時間条件に基づいてデータ保存テーブル内のターゲットデータを決定および抽出し、照会結果を返す。
【0054】
照会要求が他の照会条件も含む場合、データベースサーバーは、特定の照会条件に基づいて、ターゲットデータに対して統計分析および計算処理を実行する。
【0055】
要約すると、本開示の実施形態では、保存対象データのデータ型が決定され、異なるタイプ(データ型)のデータがその特性に基づいて異なる圧縮方式で圧縮されて、対応するデータ保存テーブルに格納されるため、圧縮効率が大幅に向上し、システムリソースを節約することができる。異なるタイプのデータ保存テーブルに基づき、照会条件に基づいてターゲットデータが決定することで、豊富な照会機能が提供され、データ照会の効率が向上する。
【0056】
IoTシステムにおいて、IoTデバイスによって取得される時系列データには、主に、アナログ量、状態量、累積量の3タイプがある。異なるタイプの時系列データの時間の経過に伴う変化は異なる。状態量は、時間的に不連続な物理量であり、回路遮断器や絶縁スイッチの位置信号、保護装置の動作信号、または通信装置の動作状態信号などの、プリセットの列挙されたデータセットに属する値を有する。アナログ量は、時間的に連続した物理量であり、温度、風速、電圧値などの、プリセットの値範囲内だが列挙できない値を有する。累積量は、時間の経過により値が徐々に増加する物理量であり、電気メーターの読み取り値や自動車の走行距離などの、一定期間にわたる特定の指標の累積値である。図3は、本開示の例示的な実施形態に関するデータ保存プロセスの概略図を示す。IoTデバイス101によってデータベースサーバーに送信されるデータは、アナログ量、状態量、累積量、およびその他のタイプのデータに分類される。データベースサーバーは、保存対象データのデータ型に基づいて、対応する圧縮アルゴリズムによって保存対象データを圧縮し、圧縮データを対応するデータ保存テーブルに格納する。本開示は、例として、アナログ量、状態量、および累積量を取り上げることによって、時系列データを保存および照会するための方法を説明する。
【0057】
図4は、本開示の別の例示的な実施形態に関する時系列データを保存および照会するための方法のフローチャートを示す。この実施形態では、データベースサーバーに適用される方法を例として説明する。この方法には、以下のステップが含まれる。
【0058】
ステップ401において、保存対象データがIoTデバイスから受信された後、保存対象データのデータ型が決定される。保存対象データは、時系列データである。データ型は、時間の経過に伴う時系列データの変化を示すことを意図している。
【0059】
このステップの詳細については、ステップ201を参照することができ、この実施形態では説明を繰り返さない。
【0060】
ステップ402において、保存対象データが状態量の場合、連続して受信されたn個の保存対象データの値が読み取られ、ここで、nは、2以上の整数である。
【0061】
状態量に関しては、照会および計算の際に変化の時点とデータのみを考慮し、変化のない期間のデータは考慮しない。このため、IoTデバイスによって送信されたデータを全て保存する必要はなく、状態量が変化した時点のデータのみが保存される。
【0062】
幾つかの実施形態において、変化が生じた際にのみデータを保持するために、データベースサーバーは、保存対象データの値を比較する必要がある。n個の保存対象データを連続して受信すると、データベースサーバーはまず、n個の保存対象データの値を読み取り、ここで、nは、IoTデバイスの実際のデータ取得状況に従って設定され得る。
【0063】
幾つかの実施形態において、IoTデバイスのスイッチは、オンとオフの2つの位置を有する。スイッチ位置信号を含むデータが1分毎にデータベースサーバーにアップロードされる。オン状態は数値0で表され、オフ状態は数値1で表される。10:02:00以前はIoTデバイスのスイッチ位置信号は0である。スイッチ位置信号は10:02:00に1になり、10:05:00まで継続する。10:06:00にIoTデバイスによってアップロードされた状態量の値は0である。つまり、10:00:00から10:06:00の間、IoTデバイスのスイッチ位置信号データは、0、0、1、1、1、1、0である。データベースサーバーが一度に5つの保存対象データの値を取得するように設定されていて、前回の取得が10:01:00までの場合、データベースサーバーは、この時点で、10:02:00から10:06:00までの保存対象データの値、つまり、1、1、1、1、0を取得する。
【0064】
ステップ403において、n個の保存対象データの値の変化に基づいて保存対象データを圧縮することによって、圧縮データが取得される。
【0065】
状態量に関しては、ユーザは通常、照会する際に変化した時点のデータしか気にしないため、データサーバーは、保存対象データの値の変化に基づいて、圧縮および格納を実行する。
【0066】
幾つかの実施形態において、このステップは、以下のサブステップを含み得る:
【0067】
1.n個の保存対象データのうちの(i+1)番目の保存対象データについて、(i+1)番目の保存対象データの値がi番目の保存対象データの値と異なる場合、(i+1)番目の保存対象データの値が保持され、ここで、iは、1以上の整数である。
【0068】
幾つかの実施形態において、保存対象データが状態量の場合、データベースサーバーは、n個の保存対象データの値を読み取り、その後、n個の保存対象データのうちの1番目のデータ以外のデータの値とその前のデータの値とを比較する。あるデータの値がその前のデータの値と異なる場合、そのデータは保持される。n個の保存対象データのうちの1番目のデータは、対応するデータ保存テーブルに格納された最後の状態量の値と比較する必要がある。それらが異なる場合、1番目のデータは保持される。
【0069】
幾つかの実施形態において、10:02:00から10:06:00までにデータベースサーバーによって取得されたIoTデバイスのスイッチ位置信号データは、1、1、1、1、0である。2番目の保存対象データから順に、各保存対象データの値をその前の保存対象データの値と比較する。それらの値が異なる場合、保存対象データは保持される。つまり、10:06:00のデータが保持される。1番目の保存対象データが変化したデータかどうかを判定するために、1番目の保存対象データの値を対応するデータ保存テーブルの最後のデータの値と比較する必要がある。データ保存テーブル内の最後のデータの値が0の場合、10:02:00のデータが保持される。
【0070】
2.(i+1)番目の保存対象データとi番目の保存対象データの値が同じ場合、(i+1)番目の保存対象データは削除される。
【0071】
n個のデータのうちの2番目のデータから順に、現在の保存対象データの値がその前の保存対象データの値と同じ場合、現在のデータは削除される。1番目の保存対象データの値は、対応するデータ保存テーブルの最後のデータの値と比較する必要がある。それらが同じ場合、1番目の保存対象データは削除される。
【0072】
幾つかの実施形態において、10:02:00から10:06:00までにデータベースサーバーによって取得されたIoTデバイスのスイッチ位置信号データは、1、1、1、1、0である。2番目の保存対象データから順に、各保存対象データの値をその前の保存対象データの値と比較する。それらの値が同じ場合、現在の保存対象データは削除される。つまり、10:03:00から10:05:00までの3つのデータを削除する必要がある。10:02:00のデータは、対応するデータ保存テーブルの最後のデータの値と比較する必要がある。それらの値が同じ場合、1番目の保存対象データは削除される。それらが異なる場合、1番目の保存対象データが保持される。10:02:00の保存対象データの値は、データ保存テーブル内の最後のデータの値と異なっており、10:02:00にスイッチの状態が変化してデータが保持されることを示している。
【0073】
ステップ404において、保存対象データがアナログ量の場合、保存対象データの取得頻度およびターゲットサンプリング頻度に基づいて保存対象データを圧縮サンプリングすることによって、圧縮データを取得する。取得頻度は、ターゲットサンプリング頻度よりも高い。
【0074】
幾つかの実施形態において、IoTデバイスによって取得されるデータはアナログ量であり、取得頻度は比較的高い。しかしながら、ユーザがデータの照会および分析または統計結果の際に、長期間のアナログ量の変化傾向を必要とする特定の詳細を必要としない場合、データベースサーバーは、サンプリングと圧縮によってアナログ量の保存対象データを圧縮することができる。すなわち、データベースサーバーは、プリセットのターゲットサンプリング頻度に基づいて、所定の時間間隔で保存対象データの1つを保持し、残りのデータを削除することにより、データによって占有されるスペースを削減する。ターゲットサンプリング頻度は、IoTデバイスの取得頻度よりも小さい。
【0075】
幾つかの実施形態において、IoTデバイスは風速検出器であり、10秒毎に風速を取得してデータベースサーバーにアップロードする。一般に風速は急激に変化することはなく、ユーザは通常、数時間または1日の風速の変化を照会するだけでよいため、10秒毎の具体的な風速を特定する必要はない。IoTデバイスによって送信されるアナログデータに対するデータベースサーバーのターゲットサンプリング頻度は、毎分1回に設定することができる。例えば、10:00:00から10:01:00まで、IoTデバイスは、7セットの風速を取得してデータベースサーバーにアップロードする。データベースサーバーは、毎分1回のターゲットサンプリング頻度に基づいて、10:00:00と10:01:00のデータのみを保持してデータを圧縮し、残りの5グループのデータを削除する。
【0076】
オプションとして、データ型がアナログ量である保存対象データは、ハフマン圧縮アルゴリズムなどの、時系列データベースの可逆圧縮方法によって圧縮され得る。
【0077】
ステップ405において、保存対象データが累積量の場合、時系列データベースのプリセットの無損失圧縮アルゴリズムによって保存対象データが圧縮される。
【0078】
ある指標の累積値である累積量の値は、時間の経過により徐々に増加し、通常そのデータ取得頻度は比較的低いため、圧縮および保存を行う際に完全なデータを保持する必要がある。幾つかの実施形態において、データベースサーバーは、時系列データベースの可逆圧縮方式によって累積量を圧縮する。
【0079】
ステップ402~403とステップ404とステップ405との間には、厳密な順序が定められていないことに留意されたい。すなわち、ステップ402~403とステップ404とステップ405は同期して実行されてもよく、この実施形態に限定されない。
【0080】
ステップ406において、圧縮データは、データ型に対応するデータ保存テーブルに格納される。異なるデータ型は、異なるデータ保存テーブルに対応している。
【0081】
幾つかの実施形態において、データベースサーバーは、複数のタイプのデータ保存テーブルを備えている。データ保存テーブルの各タイプは1つのデータ型に対応し、そのデータ型のデータのみを格納する。ユーザがデータを照会する必要がある場合、対応するデータ保存テーブルを解凍するだけで済む。異なるタイプのデータ保存テーブルに基づいて対応する照会アルゴリズムが設定され、データベースサーバーが豊富な照会機能を使用できるようになる。
【0082】
ステップ407において、照会要求が受信される。照会要求には、照会データ型および照会時間条件が含まれる。
【0083】
IoTデバイスによって取得されたデータを保存することに加えて、データベースサーバーは、データ照会および分析機能も有しており、異なるタイプのデータに対して異なる照会機能を提供する。
【0084】
幾つかの実施形態において、ユーザは、クライアント上で、照会データ型および照会時間条件を含む照会要求を開始する。データベースサーバーは、クライアントから照会要求を受信した後、照会データ型に基づいて、対応するデータ保存テーブルを決定して解凍し、照会時間条件に基づいて、データ保存テーブル内の関連データを決定する。
【0085】
幾つかの実施形態において、照会データ型、照会オブジェクト、照会時間条件、および照会サービスを、照会インターフェースに入力する必要がある。例えば、ユーザは、特定の地域における2019年11月の各日の最低気温を照会アナログ量に入力することができる。
【0086】
図5に示すように、異なるタイプのデータは、異なる照会要件を有する。データベースサーバーは、各タイプのデータを対応するデータ保存テーブルに個別に格納するため、各タイプのデータの照会要件を満たすことができる。例えば、ユーザは、アナログデータの基本的な集計クエリ(合計、平均、最小値と最大値の解など)と補間クエリを実行することができ、実際のデータに応じて他のクエリ方式を設定することもできる。状態量については、変位読み取り、隣接状態クエリ、状態統計などを行うことができる。累積量については、通常、データ分解を実行し、これに基づいて関連クエリを実行する必要があり、例えば、関連する費用や利益などの関連料金を照会する。
【0087】
ステップ408において、照会データ型が状態量の場合、照会時間条件が第1の時点であって、状態量に対応するデータ保存テーブルが第1の時点に対応するデータを格納していないときは、データ保存テーブル内の第2の時点がターゲットデータであると決定される。第2の時点は、第1の時点より前で、第1の時点に最も近い。
【0088】
幾つかの実施形態において、状態量の圧縮方式は、変化が生じた場合にのみデータを保持し、変化が生じなかった場合はデータを削除するため、データは完全ではなく、ユーザ入力の第1の時点でデータ保存テーブルに格納された対応データが存在しない場合がある。しかしながら、保存対象データは変更されていないデータであるため、その値は、データ保存テーブル内のその時点に最も近く、その時点より前のデータの値と等しくなる。すなわち、第2の時点に対応するデータがターゲットデータであり、データベースサーバーは第2の時点のデータを返す。
【0089】
幾つかの実施形態において、ユーザが10:04:00のIoTデバイスのスイッチ状態を照会する必要がある場合、対応するデータ保存テーブルがデータ型に基づいて決定され、その時点のデータが存在しないことが検出された後、その時点に最も近く、その時点より前のデータの値、つまり、10:04:00にIoTデバイスのスイッチ状態がオフであることを示す、値が1である10:02:00のデータが返される。
【0090】
幾つかの実施形態において、照会データ型は状態量である。照会時間条件がターゲット期間の場合、データ保存テーブルのターゲット期間内のデータがターゲットデータとして決定される。ユーザが期間内の状態量または状態量の統計結果を照会する必要がある場合、照会時間条件は1期間であり、データベースサーバーはこの期間内の状態量またはその統計結果を返す。
【0091】
幾つかの実施形態において、ユーザが10:01:00から10:06:00までのIoTデバイスの状態量の統計結果を照会する必要がある場合、データベースサーバーは、対応するデータ保存テーブルを決定し、10:02:00と10:06:00のデータを取得する照会時間条件の期間に基づいてターゲットデータを決定し、それらの値はそれぞれ1と0である。返される統計結果は、1回のオンと1回のオフである。
【0092】
ステップ409において、照会データ型がアナログ量の場合、照会時間条件が第3の時点であって、アナログ量に対応するデータ保存テーブルが第3の時点に対応するデータを格納していないときは、データ保存テーブル内の少なくとも1つの第4の時点と少なくとも1つの第5の時点に対応するデータが取得される。第4の時点は、第3の時点より前で、第3の時点に最も近く、第5の時点は、第3の時点より後で、第3の時点に最も近い。
【0093】
幾つかの実施形態において、アナログ量の圧縮方法がサンプリングおよび圧縮であり得るため、そのデータは不完全であり、ユーザによって照会された特定の時点のデータがデータ保存テーブルに格納されていない可能性がある。データベースサーバーはまず、照会時間条件の第3の時点に最も近い前後の2つの時点または2つの期間内のデータを決定する。
【0094】
幾つかの実施形態において、ユーザが10:00:30にIoTデバイスによって取得された風速を照会する必要がある場合、IoTデバイスは圧縮および保存のために1分毎にデータを取得するため、10:00:30のデータはデータ保存テーブル内に存在しない。このとき、データベースサーバーは、10:00:00およびその数分前のデータと10:01:00およびその数分後のデータとを取得する。
【0095】
ステップ410において、第4の時点および第5の時点に対応するデータに基づいて、補間アルゴリズムによって第3の時点に対応するターゲットデータが計算される。
【0096】
データベースサーバーは、第3の時点に隣接する時点に対応するデータに従って、第3の時点を含む期間内のデータの関数を補間アルゴリズムによってフィッティングし、第3の時点に対応するデータを計算し、計算結果を返す。
【0097】
幾つかの実施形態において、ユーザが10:00:30にIoTデバイスによって取得された風速を照会する必要がある場合、データベースサーバーは、10:00:00、09:59:00、および09:58:00のデータと、10:01:00、10:02:00、および10:03:00のデータとに基づいて、10:00:30の風速を計算する。10:00:00、09:59:00、09:58:00、10:01:00、10:02:00、10:03:00に対応する風速を全て5m/sと仮定すると、関数に当てはめて、10:00:30の風速は5m/sであると計算される。
【0098】
幾つかの実施形態において、照会データ型はアナログ量である。照会時間条件がターゲット期間の場合、データ保存テーブル内のターゲット期間に対応するターゲットデータが取得される。照会要求が他の照会条件も含む場合、特定の照会条件に基づいてターゲット関数が決定され、ターゲットデータがターゲット関数に基づいて計算および処理され、計算結果が取得されて照会デバイスに返される。
【0099】
幾つかの実施形態において、ユーザがIoTデバイスによって取得された00:00:00から12:00:00までの最大風速を照会する必要がある場合、データベースサーバーは、対応するデータ保存テーブルのこの期間内のデータを決定し、最大値を解決する関数を決定し、この関数で00:00:00から12:00:00までの風速の最大値を計算し、結果をクライアントに返す。
【0100】
ステップ411において、照会データ型が累積量の場合、データ保存テーブル内の隣接する累積量に基づいて、それぞれの期間に対応する成分が計算される。
【0101】
累積量を照会する場合、通常は、最初にデータ分解を実行する必要があり、つまり、各期間の成分を計算して、データ統計や、電気メーターの読み取り値を電気料金と組み合わせて電気代を計算するなどの他の共同計算を実行する。データベースサーバーは、各時点に対応する累積量からその前の時点に対応する累積量を減算して、各期間に対応する成分を取得する。
【0102】
幾つかの実施形態において、照会データ型は累積量であり、照会時間条件は第6の時点であり、ターゲットデータは第6の時点に基づいて決定される。ユーザが特定の時点での累積量を照会する必要がある場合、データベースサーバーは、その時点での累積量を照会して直接返す。
【0103】
ステップ412において、照会時間条件によって示されるターゲット期間に属するターゲット成分が照会される。
【0104】
幾つかの実施形態において、それぞれの期間に対応する成分を分解した後、データベースサーバーは、ユーザが照会する必要があるターゲット成分をターゲット期間に基づいて決定する。
【0105】
幾つかの実施形態において、ユーザがIoTデバイスによって取得された電気メーターの読み値を照会する必要があり、9月の各日の電気消費量および電気料金を必要とし、データベースサーバーが9月1日から9月30日までの各日の電気メーターの読み値、つまり各日の累積電気消費量を保存している場合、データベースサーバーは、まず2日目のデータから開始し、1日当たりの累積量から前日の累積量を差し引いて、9月の毎日の電気使用量を取得する。
【0106】
ステップ413において、ターゲット成分に基づいて、ターゲットデータが決定される。
【0107】
それぞれの期間における累積量の成分を取得すると、データベースサーバーは、ターゲット成分に関するデータ統計または計算を実行して、ターゲットデータを決定する。幾つかの実施形態において、ユーザがある期間内のそれぞれの期間における特定の累積量の料金を照会する必要がある場合、それぞれの期間における累積量の成分とその費用を組み合わせて計算する必要がある。
【0108】
幾つかの実施形態において、ユーザがIoTデバイスによって取得された電気メーターの読み取り値と9月の各日の電気消費量および電気料金を照会する必要がある場合、データベースサーバーは、2日目のデータから開始し、1日当たりの累積値から前日の累積値を差し引いて、9月の毎日の電気使用量を計算し、その後、9月の電気料金と組み合わせて毎日の電気料金を計算する。
【0109】
ステップ408とステップ409~410とステップ411~413との間には、厳密な順序が定められていないことに留意されたい。すなわち、ステップ408とステップ409~410とステップ411~413は同期して実行されてもよく、この実施形態に限定されない。
【0110】
本開示の実施形態では、データ型を、経時的な変化特性に基づいて、状態量、アナログ量、累積量に分類し、各データ型に対して異なるデータ圧縮方式を適用することで、圧縮率を最大化し、システムリソースを節約する。異なるタイプのデータは、異なるデータ保存テーブルに格納される。これに基づいて、データベースサーバーには、様々な照会機能が提供されている。ユーザは、実際のニーズに応じてデータおよびその統計または計算結果を照会することができ、データベースサーバーの照会能力が向上する。
【0111】
図6は、本開示の例示的な実施形態に関する時系列データを保存および照会するための装置の構造ブロック図である。この装置は、上記の実施形態で説明したデータベースサーバーに配置され得る。図6に示すように、この装置には、以下が含まれる:
【0112】
IoTデバイスから保存対象データを受信すると、保存対象データのデータ型を決定するように構成された、決定モジュール601、ここで、保存対象データは、時系列データであり、データ型は、時間の経過に伴う時系列データの変化を示すことを意図しており;
【0113】
データ型に対応するデータ圧縮方式で保存対象データを圧縮することによって、圧縮データを取得するように構成された、処理モジュール602、ここで、異なるデータ型は、異なるデータ圧縮方式に対応しており;
【0114】
圧縮データをデータ型に対応するデータ保存テーブルに格納するように構成された、格納モジュール603、ここで、異なるデータ型は、異なるデータ保存テーブルに対応しており;
【0115】
照会要求を受信するように構成された、受信モジュール604、ここで、照会要求には、照会データ型および照会時間条件が含まれており;
【0116】
照会データ型に対応するデータ保存テーブルから照会時間条件を満たすターゲットデータを照会するように構成された、照会モジュール605。
【0117】
オプションとして、保存対象データは、状態量であり;状態量は、時間的に不連続な物理量であり、プリセットの列挙されたデータセットに属する値を有しており;処理モジュール602には、以下が含まれる:
【0118】
連続して受信されたn個の保存対象データの値を読み取るように構成された、第1の取得ユニット、ここで、nは、2以上の整数であり;
【0119】
n個の保存対象データの値の変化に基づいて保存対象データを圧縮することによって、圧縮データを取得するように構成された、第1の圧縮ユニット。
【0120】
オプションとして、圧縮ユニットは更に、以下のように構成される:
【0121】
n個の保存対象データのうちの(i+1)番目の保存対象データについて、(i+1)番目の保存対象データの値がi番目の保存対象データと異なる場合に、(i+1)番目の保存対象データを保持し、ここで、iは、1以上の整数であり;
【0122】
(i+1)番目の保存対象データがi番目の保存対象データの値と同じ場合に、(i+1)番目の保存対象データを削除する。
【0123】
オプションとして、照会データ型は、状態量であり;照会モジュール605には、以下が含まれる:
【0124】
照会時間条件が第1の時点であって、状態量に対応するデータ保存テーブルが第1の時点に対応するデータを格納していない場合に、データ保存テーブル内の第2の時点に対応するデータをターゲットデータであると決定するように構成された、第1の決定ユニット、ここで、第2の時点は、第1の時点より前で、第1の時点に最も近い。
【0125】
オプションとして、保存対象データは、アナログ量であり;アナログ量は、時間的に連続した物理量であり、プリセットの値範囲内の値を有しており;処理モジュール602には、更に以下が含まれる:
【0126】
保存対象データの取得頻度およびターゲットサンプリング頻度に基づいて保存対象データをサンプリングおよび圧縮することによって、圧縮データを取得するように構成された、第2の圧縮ユニット、ここで、取得頻度は、ターゲットサンプリング頻度よりも高い。
【0127】
オプションとして、照会データ型は、アナログ量であり;照会モジュール605には、更に以下が含まれる:
【0128】
照会時間条件が第3の時点であって、アナログ量に対応するデータ保存テーブルが第3の時点に対応するデータを格納していない場合に、データ保存テーブル内の少なくとも1つの第4の時点および少なくとも1つの第5の時点に対応するデータを取得するように構成された、第2の取得ユニット、ここで、第4の時点は、第3の時点より前で、第3の時点に最も近く、第5の時点は、第3の時点より後で、第3の時点に最も近い。
【0129】
第4の時点および第5の時点に対応するデータに基づいて、補間アルゴリズムによって第3の時点に対応するターゲットデータを計算するように構成された、第1の計算ユニット。
【0130】
オプションとして、保存対象データは、累積量であり;累積量は、時間の経過により値が徐々に増加する物理量であり;保存対象データは、時系列データベースのプリセットの可逆圧縮アルゴリズムによって圧縮される。
【0131】
照会データ型は、累積量であり;照会モジュール605には、更に以下が含まれる:
【0132】
データ保存テーブル内の隣接する累積量に基づいて、それぞれの期間に対応する成分を計算するように構成された、第2の計算ユニット;
【0133】
照会時間条件によって示されるターゲット期間に属するターゲット成分を照会するように構成された、照会ユニット;
【0134】
ターゲット成分に基づいて、ターゲットデータを決定するように構成された、第2の決定ユニット。
【0135】
図7は、本開示の例示的な実施形態に関するサーバーの概略構造図を示す。具体的には、サーバー700は、中央処理装置(CPU)701と、ランダムアクセスメモリ(RAM)702および読み取り専用メモリ(ROM)703を含むシステムメモリ704と、システムメモリ704および中央処理装置701に接続されたシステムバス705とを含む。サーバー700はまた、サーバー内の様々なデバイス間の情報伝送を支援する基本入出力(I/O)システム706と、オペレーティングシステム713、アプリケーションプログラム714、およびその他のプログラムモジュール715を記憶した大容量記憶装置707とを含む。
【0136】
基本入出力システム706は、情報を表示するためのディスプレイ708と、ユーザが情報を入力するためのマウスおよびキーボードなどの入力装置709とを含む。ディスプレイ708および入力デバイス709は両方とも、システムバス705に接続された入出力コントローラ710を介して中央処理装置701に接続される。基本入出力システム1306はまた、キーボード、マウス、または電子スタイラスなどの複数の他のデバイスからの入力を受信および処理するための入出力コントローラ710を含み得る。同様に、入出力コントローラ710はまた、ディスプレイ画面、プリンタ、または他のタイプの出力デバイスへの出力を提供する。
【0137】
大容量記憶装置707は、システムバス705に接続された大容量記憶装置コントローラ(図示せず)を介して中央処理装置701に接続される。大容量記憶装置707およびそれに関連するサーバー可読記憶媒体は、サーバー700に不揮発性ストレージを提供する。すなわち、大容量記憶装置707は、ハードディスクまたはCD-ROM(Compact Disk Read-Only Memory)などのサーバー可読記憶媒体(図示せず)を含むことができる。
【0138】
一般性を失うことなく、サーバー可読記憶媒体は、サーバー記憶媒体および通信媒体を含み得る。サーバー記憶媒体は、サーバー可読記憶命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実装された、揮発性および不揮発性、並びに取り外し可能および取り外し不可能な媒体を含む。サーバー記憶媒体には、RAM、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ、またはその他のソリッドステートストレージ技術、CD-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)、またはその他の光ストレージ、テープカートリッジ、磁気テープ、ディスクストレージ、またはその他の磁気ストレージデバイスが含まれる。当業者は、サーバー記憶媒体が前述のものに限定されないことを知っているであろう。前述のシステムメモリ704および大容量記憶装置707は、まとめてメモリと呼ばれることがある。
【0139】
メモリは、1つまたは複数の中央処理装置701によって実行されるように構成された、時系列データを保存および照会するための前述の方法を実行するための命令を含む、1つまたは複数のプログラムを記憶している。中央処理装置701は、1つまたは複数のプログラムを実行して、上記の方法の実施形態に従って時系列データを保存および照会するための方法を実行する。
【0140】
本開示の様々な実施形態によれば、サーバー700はまた、インターネットなどのネットワークを介してリモートサーバーに接続して実行され得る。すなわち、サーバー700は、システムバス705に接続されたネットワークインターフェースユニット711によってネットワーク712に接続され得る。言い換えれば、ネットワークインターフェースユニット711は、他のタイプのネットワークまたはリモートサーバーシステム(図示せず)に接続するためにも使用され得る。
【0141】
メモリには更に、1つまたは複数のプログラムが含まれる。1つまたは複数のプログラムは、本開示の実施形態で提供される方法においてデータベースサーバーによって実行されるステップを実行するための命令を含む。
【0142】
本開示の実施形態は、少なくとも1つの命令を含む少なくとも1つのコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。少なくとも1つの命令は、プロセッサによってロードおよび実行されると、上記の実施形態で説明した時系列データを保存および照会するための方法をプロセッサに実行させる。
【0143】
本開示の一実施形態は、少なくとも1つの命令を記憶したコンピュータプログラム製品を更に提供する。少なくとも1つの命令は、プロセッサによってロードおよび実行されると、上記の実施形態で説明した時系列データを保存および照会するための方法をプロセッサに実行させる。
【0144】
当業者は、上記の1つまたは複数の例において、本開示の実施形態に記載された機能が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせによって実装され得ることを認識し得る。ソフトウェアによって実装される場合、それらの機能は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され、またはコンピュータ可読記憶媒体上の1つまたは複数の命令またはコードとして送信され得る。コンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータ記憶媒体と、通信媒体とが含まれる。通信媒体には、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体が含まれる。記憶媒体は、汎用または専用のコンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体であり得る。
【0145】
上記は、本開示の単なる例示的な実施形態であり、本開示を限定することを意図するものではない。本開示の意図および原則の範囲内で行われた任意の変更、同等物の置換、および改善は、全て本開示の保護範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7