(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-15
(45)【発行日】2023-05-23
(54)【発明の名称】複数遮蔽トレンチゲートFET
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20230516BHJP
H01L 21/283 20060101ALI20230516BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20230516BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20230516BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
H01L29/78 652K
H01L21/283 B
H01L29/06 301F
H01L29/06 301V
H01L29/44 Y
H01L29/78 653C
H01L29/78 658F
(21)【出願番号】P 2021009477
(22)【出願日】2021-01-25
(62)【分割の表示】P 2017558391の分割
【原出願日】2016-05-09
【審査請求日】2021-01-26
(32)【優先日】2015-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】河原 秀明
(72)【発明者】
【氏名】シーサラマン スリダール
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ボウガスロウ ココン
(72)【発明者】
【氏名】シモン ジョン モロイ
(72)【発明者】
【氏名】ホン ヤン
【審査官】上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-129973(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0169103(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/283、21/336、
29/06、29/41、29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
基板のボディ領域と縦型ドリフト領域との中に縦にトレンチを定義することと、
前記トレンチの側壁上に第1の誘電体ライナーを形成することであって、前記第1の誘電体ライナーが前記側壁に対向して第1の厚さを有する、前記第1の誘電体ライナーを形成することと、
前記側壁上に前記第1の誘電体ライナーの上に位置して第2の誘電体ライナーを形成することであって、前記第2の誘電体ライナーが前記第1の厚さよりも小さい第2の厚さを有する、前記第2の誘電体ライナーを形成することと、
前記第1及び第2の誘電体ライナーに対向して異なる幅を備える1つより多いセグメントを有するフィールドプレートを形成することであって、前記フィールドプレートが前記第1及び第2の誘電体ライナーによって前記縦型ドリフト領域から隔離される、前記フィールドプレートを形成することと、
前記トレンチ内であって異なる幅を備える1つより多いセグメントを有する前記フィールドプレートの上にトレンチゲートを形成することと、
前記半導体基板上にフィールドプレートコンタクトを形成することであって、前記フィールドプレートコンタクトが、前記フィールドプレートの少なくとも1つのセグメントにバイアス電圧を印加するために前記フィールドプレートの前記少なくとも1つのセグメントに電気的に結合される、前記フィールドプレートコンタクトを形成することと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記フィールドプレート上に分離層を形成することであって、前記分離層が前記フィールドプレートを前記トレンチゲートから分離する、前記分離層を形成することを更に含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記トレンチゲートを形成することが、前記フィルードプレート上に
接してトレンチゲートを形成することを含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記フィールドプレートを形成することが、
第1の幅を有する低部フィールドプレートセグメントを形成することと、
前記低部フィールドプレートセグメントの上に上部フィールドプレートセグメントを形成することであって、前記上部フィールドプレートセグメントが前記第1の幅よりも大きい第2の幅を有する、前記上部フィールドプレートセグメントを形成することと、
を含む、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
前記上部フィールドプレートセグメントを形成することが、前記低部フィールドプレートセグメント上に
接して上部フィールドプレートセグメントを形成することを含む、方法。
【請求項6】
請求項4に記載の方法であって、
前記低部フィールドプレートセグメント上に分離層を形成することであって、前記分離層が前記低部フィールドプレートセグメントを前記上部フィールドプレートセグメントから分離する、前記分離層を形成することを更に含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記トレンチの側壁に対向してゲート誘電体層を形成することであって、前記ゲート誘電体層が、前記トレンチゲートを前記ボディ領域から分離し、前記第2の誘電体ライナーの第2の厚さよりも小さい第3の厚さを有する、前記ゲート誘電体層を形成することを更に含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1の誘電体ライナーを形成することが、前記トレンチの側壁に対向して第1の熱酸化物層を形成することを含み、前記第1の熱酸化物層が前記第1の厚さと前記第2の厚さよりも小さい第3の厚さを有し、
前記第2の誘電体ライナーを形成することが、前記第1の熱酸化物層に接
する第2の熱酸化物層を形成することを含み、前記第2の熱酸化物層が前記第3の厚さを有する、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、
前記第1の誘電体ライナーを形成することが、前記第1の熱酸化物層上に第1の2
酸化シリコン層を形成すること更に含み、前記第1の2酸化シリコン層が前記第1の厚さと前記第2の厚さよりも小さい第4の厚さを有し、
前記第2の誘電体ライナーを形成することが、前記第1の2酸化シリコン層に接
する第2の2酸化シリコン層を形成することを更に含み、前記第2の2酸化シリコン層が前記第4の厚さよりも小さい第5の厚さを有する、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記ボディ領域の上に位置するソース領域を形成することであって、前記ソース領域が前記ボディ領域に電気的に結合される、前記ソース領域を形成することと、
前記縦型ドリフト領域の下に位置するドレイン領域を形成することであって、前記ドレイン領域が前記トレンチから空間を空けられる、前記ドレイン領域を形成することと、
を更に含む、方法。
【請求項11】
方法であって、
縦型ドリフト領域を形成することと、
前記縦型ドリフト領域の上にボディ領域を形成すること、
前記ボディ領域と縦型ドリフト領域との中に縦にトレンチを形成することと、
異なる幅の縦型側壁を備える1つより多いセグメントを有するフィールドプレートを
前記トレンチ内に形成することと、
前記トレンチの側壁上に第1の誘電体ライナーを形成することであって、前記第1の誘電体ライナーが前記フィールドプレートを前記縦型ドリフト領域から隔離して第1の厚さを有する、前記第1の誘電体ライナーを形成することと、
前記トレンチの側壁上に配置されて前記第1の誘電体ライナーの上に位置する第2の誘電体ライナーを形成することであって、前記第2の誘電体ライナーが前記フィールドプレートを前記縦型ドリフト領域から隔離して前記第1の厚さよりも小さい第2の厚さを有する、前記第2の誘電体ライナーを形成することと、
前記トレンチ内で異なる幅を備える1つよりも多いセグメントを有する前記フィールドプレートの上にトレンチゲートを形成することと、
前記フィールドプレートの少なくとも1つのセグメントにバイアス電圧を印加するために前記フィールドプレートの前記少なくとも1つのセグメントに電気的に結合されるフィールドプレートコンタクトを形成することと、
を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記フィールドプレートと前記トレンチゲートとの間に分離層を形成することであって、前記分離層が前記フィールドプレートを前記トレンチゲートから分離する、前記分離層を形成することを更に含む、方法。
【請求項13】
請求項11に記載の方法であって、
前記フィールドプレートが前記トレンチゲートに接する、方法。
【請求項14】
請求項11に記載の方法であって、
前記フィールドプレートが下部セグメントに関連する第1の幅と上部セグメントに関連する第2の幅とを有し、前記第1の幅が前記第2の幅より小さい、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記下部セグメントが前記上部セグメントに接する、方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であって、
前記下部セグメントと前記上部セグメントとの間に分離層を形成することであって、前記分離層が前記下部セグメントを前記上部セグメントから分離する、前記分離層を形成することを更に含む、方法。
【請求項17】
請求項11に記載の方法であって、
前記トレンチの側壁上にゲート誘電体層を形成することであって、前記ゲート誘電体層が前記トレンチゲートを前記ボディ領域から隔離して前記第2の誘電体ライナーの第2の厚さよりも小さい第3の厚さを有する、前記ゲート誘電体層を形成することを更に含む、方法。
【請求項18】
請求項11に記載の方法であって、
前記第1の誘電体ライナーが前記トレンチの側壁上に配置される第1の熱酸化物層を含み、前記第1の熱酸化物層が前記第1の厚さと前記第2の厚さよりも小さい第3の厚さを有し、
前記第2の誘電体ライナーが前記第1の熱酸化物層に接する第2の熱酸化物層を含み、前記第2の熱酸化物層が前記第3の厚さを有する、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
前記第1の誘電体ライナーが前記第1の熱酸化物層上に配置される第1の2酸化シリコン層を更に含み、前記第1の2酸化シリコン層が前記第1の厚さと前記第2の厚さよりも小さい第4の厚さを有し、
前記第2の誘電体ライナーが前記第1の2酸化シリコン層に接する第2の2酸化シリコン層を更に含み、前記第2の2酸化シリコン層が前記第4の厚さよりも小さい第5の厚さを有する、方法。
【請求項20】
請求項11に記載の方法であって、
前記ボディ領域の上にソース領域を形成することであって、前記ソース領域が前記ボディ領域に電気的に結合される、前記ソース領域を形成することと、
前記縦型ドリフト領域の下にドレイン領域を形成することであって、前記ドレイン領域が前記トレンチから空間を空けられる、前記ドレイン領域を形成することと、
を更に含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は一般に半導体デバイスに関し、より詳細には、半導体デバイスにおける垂直MOSトランジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
トレンチにおいてトレンチゲートを備える垂直金属酸化物半導体(MOS)トランジスタは、ゲート誘電体層と、ボディを超えてトレンチの下方に延在し、ボディの下の垂直ドリフト領域に接するゲートとを有する。ゲート誘電体層がドリフト領域における高い電界に対応できないので、トレンチは、所望の動作電圧に対応するため、所望されるよりも深くなければならない。ゲート誘電体層の厚さが増加されると、オン状態におけるチャネル領域の抵抗が望ましくなく増加する。
【発明の概要】
【0003】
述べられる例において、半導体デバイスが、トレンチにおいてトレンチゲートを有する垂直MOSトランジスタを含む。トレンチは、垂直MOSトランジスタのボディを超えて、および、ボディの下の垂直MOSトランジスタのドリフト領域に接して、半導体デバイスの基板内へ延在する。トレンチは、ゲートの下にフィールドプレートを有する。フィールドプレートは、ドリフト領域の近隣にあり、複数のセグメントを有する。ドリフト領域からフィールドプレートを分離する、トレンチにおける誘電体ライナーが、ゲートとボディとの間のゲート誘電体層より大きな厚さを有する。誘電体ライナーは、トレンチの底部においてフィールドプレートの下部セグメント上で、ゲートの真下の上部セグメントより厚い。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】垂直nチャネルMOSトランジスタを含む例示的な半導体デバイスの断面図である。
【0005】
【
図2A】製造の連続的な段階において描写される、
図1の半導体デバイスの断面図である。
【
図2B】製造の連続的な段階において描写される、
図1の半導体デバイスの断面図である。
【
図2C】製造の連続的な段階において描写される、
図1の半導体デバイスの断面図である。
【
図2D】製造の連続的な段階において描写される、
図1の半導体デバイスの断面図である。
【
図2E】製造の連続的な段階において描写される、
図1の半導体デバイスの断面図である。
【
図2F】製造の連続的な段階において描写される、
図1の半導体デバイスの断面図である。
【
図2G】製造の連続的な段階において描写される、
図1の半導体デバイスの断面図である。
【
図2H】製造の連続的な段階において描写される、
図1の半導体デバイスの断面図である。
【
図2I】製造の連続的な段階において描写される、
図1の半導体デバイスの断面図である。
【
図2J】製造の連続的な段階において描写される、
図1の半導体デバイスの断面図である。
【
図2K】製造の連続的な段階において描写される、
図1の半導体デバイスの断面図である。
【0006】
【
図3】垂直nチャネルMOSトランジスタを含む別の例示的な半導体デバイスの断面図である。
【0007】
【
図4A】製造の連続的な段階において描写される、
図3の半導体デバイスの断面図である。
【
図4B】製造の連続的な段階において描写される、
図3の半導体デバイスの断面図である。
【
図4C】製造の連続的な段階において描写される、
図3の半導体デバイスの断面図である。
【
図4D】製造の連続的な段階において描写される、
図3の半導体デバイスの断面図である。
【
図4E】製造の連続的な段階において描写される、
図3の半導体デバイスの断面図である。
【0008】
【
図5】垂直pチャネルMOSトランジスタを含む例示的な半導体デバイスの断面図である。
【0009】
【
図6A】製造の連続的な段階において描写される、
図5の半導体デバイスの断面図である。
【
図6B】製造の連続的な段階において描写される、
図5の半導体デバイスの断面図である。
【
図6C】製造の連続的な段階において描写される、
図5の半導体デバイスの断面図である。
【
図6D】製造の連続的な段階において描写される、
図5の半導体デバイスの断面図である。
【
図6E】製造の連続的な段階において描写される、
図5の半導体デバイスの断面図である。
【
図6F】製造の連続的な段階において描写される、
図5の半導体デバイスの断面図である。
【
図6G】製造の連続的な段階において描写される、
図5の半導体デバイスの断面図である。
【
図6H】製造の連続的な段階において描写される、
図5の半導体デバイスの断面図である。
【0010】
【
図7】垂直nチャネルMOSトランジスタを含む別の例示的な半導体デバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面は一定の縮尺で描かれていない。幾つかの行為は、異なる順序で、および/または、その他の行為または事象と同時に成され得る。図示される行為または事象全てが、例示的な実施形態に従って方法論を実施するために必要とされるとは限らない。
【0012】
半導体デバイスが、半導体デバイスの基板内へ延在するトレンチを有する垂直MOSトランジスタを含む。垂直MOSトランジスタのドレイン領域が、トレンチの底部における、またはトレンチの底部の下の、基板に配置される。ドリフト領域が、ドレイン領域の上方およびトレンチ間の基板に配置される。垂直MOSトランジスタのボディが、ドリフト領域の上方に、および、トレンチに接して、基板に配置される。垂直MOSトランジスタのソースが、ボディの上方に配置される。垂直MOSトランジスタのゲートが、ボディの近隣のトレンチに配置され、ゲート誘電体層によってボディから分離される。複数のセグメントを備えるフィールドプレートが、ゲートの下でトレンチに配置され、トレンチの側壁上の誘電体ライナーによってドリフト領域から分離される。誘電体ライナーは、トレンチの底部における、フィールドプレートの下部セグメント上で、ゲートの真下の上部セグメントより厚い。フィールドプレートセグメントは、互いに接続され得、または、互いから電気的に絶縁され得る。上部フィールドプレートセグメントは、ゲートに接続され得、または、ゲートから電気的に絶縁され得る。垂直MOSトランジスタは、nチャネルMOSトランジスタまたはpチャネルMOSトランジスタであり得る。
【0013】
この説明の目的のために、「RESURF」という用語は、近隣の半導体領域における電界を減少させる材料を指す。例えば、RESURF領域は、近隣の半導体領域とは反対の導電型を有する半導体領域であり得る。RESURF構造は、Appelsらの「薄層高電圧デバイス」Philips J,Res.35 1-13,1980において述べられる。
【文献】Apples, etal. “Thin layer High voltage Device” Philips J, Res. 3 51-13, 1980
【0014】
図1は、垂直nチャネルMOSトランジスタを含む例示的な半導体デバイスの断面図である。半導体デバイス100は、半導体材料を含む基板102上に形成される。本明細書においてトランジスタ104と呼ばれるnチャネル垂直MOSトランジスタ104は、半導体デバイス100の唯一の能動素子であり得、または、半導体デバイス100における複数の能動デバイスの一つであり得る。トランジスタ104は、n型垂直ドリフト領域108の下の基板102において配置されるn型ドレイン領域106を含む。
【0015】
半導体デバイス100はトレンチ110を含み、トレンチ110は、
図1において描写されるように、ドレイン領域106に近接した垂直ドリフト領域108を介して垂直に、または、場合によりドレイン領域106内へ、延在する。トレンチ110は、トレンチ110の底部114まで延在し、基板102に接する、トレンチ110の側壁上の誘電体ライナー112と、誘電体ライナー112上の複数のフィールドプレートセグメント116とを含む。トレンチ110はさらに、基板102に接する誘電体ライナー112の上方のゲート誘電体層118と、ゲート誘電体層118に接触する、トランジスタ104のトレンチゲート120とを含む。この例において、フィールドプレートセグメント116は、トレンチ110の底部114におけるそれぞれの誘電体ライナー112上のそれぞれの下部フィールドプレートセグメント122と、それぞれの下部フィールドプレートセグメント122の上方に配置されるそれぞれの上部フィールドプレートセグメント124とを含む。フィールドプレートセグメント116およびトレンチゲート120は、ポリシリコンと呼ばれる、主に多結晶シリコンを含み得る。誘電体ライナー112は、主に二酸化ケイ素を含み得る。誘電体ライナー112は、下部フィールドプレートセグメント122および上部フィールドプレートセグメント124を基板102から分離する。下部フィールドプレートセグメント122と基板102との間の、トレンチ110の側壁上に配置される誘電体ライナー112は、上部フィールドプレートセグメント124と基板102との間の、トレンチ110の側壁上に配置される誘電体ライナー112より厚い。上部フィールドプレートセグメント124と基板102との間の、トレンチ110の側壁上に配置される誘電体ライナー112は、トレンチゲート120と基板102との間の、トレンチ110の側壁上に配置されるゲート誘電体層118より厚い。例えば、トランジスタ104が最大250ボルトで動作するように設計されるこの例の或るバージョンにおいて、下部フィールドプレートセグメント122と基板102との間の、トレンチ110の側壁上に配置される誘電体ライナー112は、900ナノメートル~1000ナノメートルの厚さであり得、上部フィールドプレートセグメント124と基板102との間の、トレンチ110の側壁上に配置される誘電体ライナー112は、300ナノメートル~400ナノメートルの厚さであり得る。
【0016】
この例において、下部フィールドプレートセグメント122は、下部フィールドプレートセグメント122と上部フィールドプレートセグメント124との間に配置される第1の絶縁層126によって、上部フィールドプレートセグメント124から電気的に絶縁される。また、この例において、上部フィールドプレートセグメント124は、上部フィールドプレートセグメント124とトレンチゲート120との間に配置される第2の絶縁層128によって、トレンチゲート120から電気的に絶縁される。第1の絶縁層126および第2の絶縁層128は、二酸化ケイ素などの誘電体材料を含み、誘電体ライナー112と同様の組成物を有し得る。
【0017】
トランジスタ104は、ゲート誘電体層118に接する、垂直ドリフト領域108の上方の基板102におけるp型ボディ130を含む。トランジスタ104はさらに、ボディ130の上方に、ゲート誘電体層118に接するn型ソース132を含む。トレンチゲート120は、垂直ドリフト領域108およびソース132と部分的に同じ広がりを持つ。ソース電極134が基板102の上に配置され、ソース132およびボディ130への電気的接続を成す。ソース電極134は、トレンチゲート120の上の誘電体キャップ層136によってトレンチゲート120から電気的に絶縁される。
【0018】
トランジスタ104が最大250ボルトで動作するように設計されるこの例の或るバージョンにおいて、トレンチ110は、13ミクロン~17ミクロンの深さ、および2.5ミクロン~2.8ミクロンの幅であり得る。垂直ドリフト領域108、すなわち、近隣トレンチ110間は、0.5ミクロン~3ミクロンの幅であり得、1.4×1016cm-3~1.6×1016cm-3の平均ドーピング密度を有し得る。
【0019】
トレンチゲート120への電気接続は、基板102の頂部表面140におけるゲートの露出されたエリア上のゲートコンタクト138を介して成され得る。フィールドプレートセグメント116への電気接続は、フィールドプレートセグメント116から最大で基板102の頂部表面140まで延在するフィールドプレートライザ144上のフィールドプレートコンタクト142を介して成され得る。フィールドプレートセグメント116への電気接続を成すためのその他の構造もこの例の範囲内にある。
【0020】
半導体デバイス100の動作の間、トレンチ110に配置されるトレンチゲート120は、有利に、平坦なゲートを備える同様の垂直MOSトランジスタと比較して、トランジスタ104によって占有される頂部表面140のエリアにおいて一層高いオン状態電流を提供する。上部フィールドプレートセグメント124および下部フィールドプレートセグメント122の組合せが、単一のフィールドプレートを備える同様の垂直MOSトランジスタと比較して、垂直ドリフト領域108における一層高いドーピング密度で、垂直ドリフト領域108における電界を所望の値に維持するようにRESURF構成を提供する。従って、上部フィールドプレートセグメント124および下部フィールドプレートセグメント122の組合せを備える垂直MOSトランジスタ104を形成することによって、トランジスタ104は、単一のフィールドプレートを備える同様の垂直MOSトランジスタより浅いトレンチ110を有することが可能とされ、有利に半導体デバイス100の製造コストを削減する。互いから電気的に絶縁される下部フィールドプレートセグメント122、上部フィールドプレートセグメント124、および、トレンチゲート120を形成することは、有利に、トランジスタ104における電流密度を増加させるために、下部フィールドプレートセグメント122および上部フィールドプレートセグメント124を独立してバイアスすることを可能にし得る。
【0021】
図2A~
図2Kは、製造の連続的な段階において描写される、
図1の半導体デバイスの断面図である。
図2Aを参照すると、半導体デバイス100は、頂部表面140まで延在するエピタキシャル層を備えるバルクシリコンウエハまたはシリコンウエハなどの基板102上に形成される。基板102におけるその他の半導体材料もこの例の範囲内にある。ドレイン領域106は、1×10
20cm
-3より高いドーピング密度を有するように基板102において形成される。例えば、ドレイン領域106は、アンチモンや、場合によりヒ素などのn型ドーパントを基板102に注入することによって形成され得、その後、注入されたn型ドーパントの上のn型半導体材料のアニールおよびエピタキシャル成長が続き、その結果、エピタキシャル層は、垂直ドリフト領域108を提供する。垂直ドリフト領域108におけるリンなどのN型ドーパントが、エピタキシャル成長の間に混合され得、または、後に注入され得、その後、注入されたドーパントを拡散および活性化させるため熱駆動が続く。
【0022】
基板102の上にハードマスク146が形成され、ハードマスク146はトレンチ110のためのエリアを露出させる。ハードマスク146は、数百ナノメートルの二酸化ケイ素であり得、フォトレジストマスクを介してエッチングすることによりパターニングされ得る。トレンチ110は、ハードマスク146によって露出されたエリアにおける基板102から材料を除去することによって形成される。この材料は、トレンチ110の所望の深さを得るため、時限の反応性イオンエッチング(RIE)プロセスによって基板102から除去され得る。
【0023】
図2Bを参照すると、
図1の下部フィールドプレートセグメント122に接する誘電体ライナー112は、熱酸化物層148および第1の堆積二酸化ケイ素層150の組合せ層として形成され得る。熱酸化物層148は、トレンチ110の側壁および底部114に形成される。熱酸化物層148は、50ナノメートル~200ナノメートルの厚さであり得る。第1の堆積二酸化ケイ素層150は、熱酸化物層148上に形成される。第1の堆積二酸化ケイ素層150は、200ナノメートル~400ナノメートルの厚さであり得、ジクロロシランおよび酸素を用いる準大気圧化学気相成長(SACVD)プロセスによって形成され得る。或いは、第1の堆積二酸化ケイ素層150は、テトラエトキシシランまたはTEOSとしても知られる、テトラエチルオルソシリケートを用いるプラズマエンハンスト化学気相成長(PECVD)プロセスによって形成され得る。第1の堆積二酸化ケイ素層150は、アニール工程においてその後高密度化され得る。誘電体ライナー112のためのその他の層構造およびその他のプロセスも、この例の範囲内にある。
【0024】
第1のポリシリコン層152が、誘電体ライナー112上に、基板102の頂部表面140の上に延在して形成される。例えば、第1のポリシリコン層152は、頂部表面140の上で500ナノメートル~700ナノメートルの厚さであり得る。また、例えば、第1のポリシリコン層152は、1×1018cm-3~5×1018cm-3の平均ドーピング密度を有するための形成の間、リンでドープされ得る。或いは、第1のポリシリコン層152は、1×1014cm-2~5×1015cm-2のドーズ量で、リンなどのイオン注入ドーパントによってドープされ、その後、10分~60分間900℃~1000℃でアニールされ得る。
【0025】
図2Cを参照すると、ブランケットエッチバックプロセスが、下部フィールドプレートセグメント122を形成するためにトレンチ110の下部部分におけるポリシリコンを残して、頂部表面140の上およびトレンチ110における
図2Bの第1のポリシリコン層152からポリシリコンを除去する。例えば、ブランケットエッチバックは、フッ素ラジカルを含む時限のプラズマエッチング、および/または、コリン、水酸化アンモニウム、もしくは、水酸化テトラメチルアンモニウムを用いる時限のウェットエッチングを用いて実施され得る。ブランケットエッチバックは、一つまたは複数のエッチング工程において実施され得る。この例の一つのバージョンにおいて、ブランケットエッチバックは、著しい量の誘電体ライナー112を除去しない。
【0026】
図2Dを参照すると、第1のブランケット酸化物エッチバックプロセスが、第1の堆積二酸化ケイ素層150の少なくとも一部および場合により全部を、基板102の頂部表面140の上から、および、下部フィールドプレートセグメント122の上方のトレンチ110から除去する。下部フィールドプレートセグメント122は、下部フィールドプレートセグメント122の頂部より下のトレンチ110からの、第1の堆積二酸化ケイ素層150の除去を防止する。第1のブランケット酸化物エッチバックプロセスが完了した後、熱酸化物層148の大部分および場合により全てがトレンチ110の側壁上に残る。例えば、第1のブランケット酸化物エッチバックプロセスは、緩衝フッ酸溶液を用いる時限のウェットエッチングを含み得る。例示的な緩衝フッ酸溶液は、脱イオン水において10倍の40パーセントフッ化アンモニウム、および、脱イオン水において1倍の49パーセントフッ化水素酸であり、この緩衝フッ化水素酸は、熱酸化物のエッチングレートの2倍以上である、高密度化されたSACVD二酸化ケイ素のエッチングレートを示す。
【0027】
図2Eを参照すると、第2の堆積二酸化ケイ素層154が、トレンチ110における熱酸化物層148の上、および下部フィールドプレートセグメント122の上に形成される。例えば、第2の堆積二酸化ケイ素層154は、160ナノメートル~280ナノメートルの厚さであり得、SACVDプロセスまたはPECVDプロセスによって形成され得る。第2の堆積二酸化ケイ素層154は、その後、アニール工程において高密度化され得る。熱酸化物層148と組み合わされた第2の堆積二酸化ケイ素層154は、
図1の上部フィールドプレートセグメント124に接する誘電体ライナー112を提供する。下部フィールドプレートセグメント122上の第2の堆積二酸化ケイ素層154の一部が、第1の絶縁層126を提供する。
【0028】
図2Fを参照すると、第2のポリシリコン層が、
図2Bに関連して述べたように、トレンチ110における誘電体ライナー112上および基板102の頂部表面140の上に形成される。その後のエッチバックプロセスが、上部フィールドプレートセグメント124を形成するための第2の堆積二酸化ケイ素層154上のポリシリコンを残して、頂部表面140の上から、および、トレンチ110の頂部部分からポリシリコンを除去する。エッチバックプロセスは、
図2Cに関連して述べたように、時限のプラズマエッチングおよび/または時限のウェットエッチングであり得る。この例において、上部フィールドプレートセグメント124は、第2の堆積二酸化ケイ素層154によって、下部フィールドプレートセグメント122から電気的に絶縁される。
【0029】
図2Gを参照すると、第2のブランケット酸化物エッチバックプロセスが、基板102の頂部表面140の上から、および、上部フィールドプレートセグメント124の上方のトレンチ110から、第2の堆積二酸化ケイ素層154および熱酸化物層148を除去する。上部フィールドプレートセグメント124は、上部フィールドプレートセグメント124の頂部より下のトレンチ110からの、第2の堆積二酸化ケイ素層154の除去を防止する。ハードマスク146の一部が、
図2Gにおいて描写されるように、第2のブランケット酸化物エッチバックプロセスによって除去され得る。第2のブランケット酸化物エッチバックプロセスは、半導体材料が基板102から実質的に除去されないように実施され得る。
【0030】
図2Hを参照すると、ゲート誘電体層118は、上部フィールドプレートセグメント124の上方のトレンチ110の側壁上に形成され、同時に、第2の絶縁層128は、上部フィールドプレートセグメント124上に形成される。ゲート誘電体層118および第2の絶縁層128は、熱酸化、または、熱酸化および誘電体材料の堆積の組合せによって形成され得る。トレンチ110の側壁を露出させるように熱酸化物層148を除去することは、ゲート誘電体層118の厚さのプロセス制御を有利に改善する。
【0031】
図2Iを参照すると、ポリシリコン156の第3の層が、ゲート誘電体層118に接触して、および、基板102の頂部表面140の上に形成される。ポリシリコン156の第3の層は、形成の間、n型ドーパントでドープされ得、または、その後、n型ドーパントが注入され得、その後、アニールが続き得る。
【0032】
図2Jを参照すると、トランジスタ104のトレンチゲート120を形成するため、ポリシリコンをゲート誘電体層118に接触したままにするように、ブランケットエッチバックプロセスが、基板102の頂部表面140の上から、
図2Iのポリシリコン156の第3の層からのポリシリコンを除去する。この例において、トレンチゲート120は、第2の絶縁層128によって上部フィールドプレートセグメント124から電気的に絶縁される。
【0033】
図2Kを参照すると、ボディ130は、垂直ドリフト領域108の上方の基板102内へ、ホウ素などのp型ドーパントを注入することによって形成される。トレンチゲート120は、トレンチゲート120を逆ドープするのを防止するために、p型ドーパントが注入される間インプラントマスクによって任意選択で覆われ得る。ソース132は、ボディ130の上方の基板102に、リンやヒ素などのn型ドーパントを注入することによって形成される。基板102はその後、注入されたドーパントを活性化させるためにアニールされる。ボディ130およびソース132は、近隣トレンチ110間の基板102にわたって延在する。ボディ130およびソース132が形成された後、キャップ層136は、二酸化ケイ素および任意選択で窒化ケイ素の副層の堆積によって形成される。キャップ層136は、TEOSを用いるPECVDプロセスによって形成され得る。キャップ層136が形成された後、ソースコンタクト開口が、キャップ層136を介しておよびソース132を介して、ボディ130内へ形成される。付加的なp型ドーパントが、ソースコンタクト開口によって露出された箇所におけるボディ130内に注入され得、
図1において描写されたボディにおける下向きの隆起を提供する。
図1のソース電極134はその後形成され、さらなる製造が
図1の構造を提供する。
【0034】
図3は、垂直nチャネルMOSトランジスタを含む別の例示的な半導体デバイスの断面図である。半導体デバイス300は基板302上に形成され、基板302は半導体材料を含む。本明細書においてトランジスタ304と呼ばれる、nチャネル垂直MOSトランジスタ304は、n型垂直ドリフト領域308の下方の基板302において配置されるn型ドレイン領域306を含む。
【0035】
半導体デバイス300はトレンチ310を含み、トレンチ310は、ドレイン領域306に近接する垂直ドリフト領域308を介して垂直に、または、場合によりドレイン領域306内へ延在する。トレンチ310は、トレンチ310の底部314まで延在し、基板302に接する、誘電体ライナー312と、誘電体ライナー312上の複数のフィールドプレートセグメント316とを含む。トレンチ310はさらに、基板302に接する誘電体ライナー312の上方のゲート誘電体層318と、ゲート誘電体層318に接触する、トランジスタ304のトレンチゲート320とを含む。この例において、フィールドプレートセグメント316は、トレンチ310の底部314におけるそれぞれの誘電体ライナー312上のそれぞれの下部フィールドプレートセグメント322と、それぞれの下部フィールドプレートセグメント322の上方に配置されるそれぞれの上部フィールドプレートセグメント324とを含む。フィールドプレートセグメント316およびトレンチゲート320は、主にn型ポリシリコンを含み得る。誘電体ライナー312は、主に二酸化ケイ素を含み得る。誘電体ライナー312は、下部フィールドプレートセグメント322および上部フィールドプレートセグメント324を基板302から分離する。基板302から下部フィールドプレートセグメント322を分離する誘電体ライナー312は、基板302から上部フィールドプレートセグメント324を分離する誘電体ライナー312より厚い。上部フィールドプレートセグメント324と基板302との間の、トレンチの側壁310上に配置される誘電体ライナー312は、トレンチゲート320と基板302との間の、トレンチ310の側壁上に配置されるゲート誘電体層318より厚い。例えば、トランジスタ304が最大40ボルトで動作するように設計されるこの例の或るバージョンにおいて、下部フィールドプレートセグメント322と基板302との間の、トレンチ310の側壁上に配置される誘電体ライナー312は、100ナノメートル~150ナノメートルの厚さであり得、上部フィールドプレートセグメント324と基板302との間の、トレンチ310の側壁上に配置される誘電体ライナー312は、50ナノメートル~80ナノメートルの厚さであり得る。
【0036】
この例において、下部フィールドプレートセグメント322は、トレンチ310において上部フィールドプレートセグメント324に接触している。上部フィールドプレートセグメント324は、トレンチ310においてトレンチゲート320に接触している。また、この例においてトレンチゲート320に印加されるバイアス電圧が、上部フィールドプレートセグメント324および下部フィールドプレートセグメント322を同じバイアス電圧にバイアスする。
【0037】
トランジスタ304は、ゲート誘電体層318に接する、垂直ドリフト領域308の上方の基板302におけるp型ボディ330を含む。トランジスタ304はさらに、ボディ330の上方に、および、ゲート誘電体層318に接する、n型ソース332を含む。トレンチゲート320は、垂直ドリフト領域308およびソース332と部分的に同じ広がりを持つ。ソース電極334が基板302の上に配置され、ソース332およびボディ330への電気的接続を成す。ソース電極334は、トレンチゲート320の上の誘電体キャップ層336によってトレンチゲート320から電気的に絶縁される。ソース332およびボディ330に関するソース電極334のその他の構成も、この例の範囲内にある。
【0038】
トランジスタ304が最大40ボルトで動作するように設計されるこの例の一つのバージョンにおいて、トレンチ310は、2.2ミクロン~2.8ミクロンの深さ、および、600ナノメートル~700ナノメートルの幅であり得る。垂直ドリフト領域308、すなわち、近隣トレンチ310間は、500ナノメートル~1.5ミクロンの幅であり得、1.8×1016cm-3~2.0×1016cm-3の平均ドーピング密度を有し得る。
【0039】
トレンチゲート320への電気接続は、基板302の頂部表面340におけるゲートの露出されたエリア上でゲートコンタクト338を介して成され得る。トレンチゲート320に電気接続するためのその他の構造も、この例の範囲内にある。上部フィールドプレートセグメント324および下部フィールドプレートセグメント322への電気接続が、ゲートコンタクト338を介して成され得るように、トレンチ310においてトレンチゲート320に接触するように上部フィールドプレートセグメント324を形成すること、および、トレンチ310において上部フィールドプレートセグメント324に接触するように下部フィールドプレートセグメント322を形成することが、有利に、半導体デバイス300の複雑さおよび製造コストを削減し得る。
【0040】
半導体デバイス300の動作の間、トレンチゲート320は、有利に、
図1に関連して説明したような一層高い電流密度を提供する。フィールドプレートセグメント316は、
図1に関連して説明したように、垂直ドリフト領域308における電界を所望の値に維持するようにRESURF構成を提供する。従って、上部フィールドプレートセグメント324および下部フィールドプレートセグメント322の組合せを備える垂直MOSトランジスタ304を形成することによって、トランジスタ304は、単一のフィールドプレートを備える同様の垂直MOSトランジスタより浅いトレンチ310を有することが可能となり、有利に、半導体デバイス300の製造コストを削減する。
【0041】
図4A~
図4Eは、製造の連続的な段階において描写される、
図3の半導体デバイスの断面図である。
図4Aを参照すると、半導体デバイス300は、基板302上に形成される。ドレイン領域306は、1×10
20cm
-3より高いドーピング密度を有するように、基板302において形成される。垂直ドリフト領域308におけるリンなどのN型ドーパントは、エピタキシャル成長の間に混合され得、または、後に注入され得る。ハードマスク346が基板302の上に形成され、ハードマスク346はトレンチ310のためのエリアを露出させる。トレンチ310は、ハードマスク346により露出されたエリアにおける基板302から材料を除去することによって形成される。ドレイン領域306、ハードマスク346、および、トレンチ310は、
図2Aに関連して述べたように形成され得る。
【0042】
熱酸化物層348が、トレンチ310の側壁および底部314に形成される。この例において、熱酸化物層348は、
図3の上部フィールドプレートセグメント324と基板302との間の、トレンチ310の側壁上に配置される完全な誘電体ライナー312を提供するように、40ボルトの動作電圧のための70ナノメートル~80ナノメートルの厚さなど、十分な厚さである。堆積二酸化ケイ素層350が、熱酸化物層348上に形成される。堆積二酸化ケイ素層350は、130ナノメートル~170ナノメートルの厚さであり得、SACVDプロセスまたはPECVDプロセスによって形成され得る。
【0043】
下部フィールドプレートセグメント322が、
図2Bおよび
図2Cに関連して述べたように、堆積二酸化ケイ素層350上のトレンチ310に形成される。堆積二酸化ケイ素層350と組み合わされた熱酸化物層348は、下部フィールドプレートセグメント322を基板302から分離する誘電体ライナー312を提供する。
【0044】
第1のブランケット酸化物エッチバックプロセスが、下部フィールドプレートセグメント322の上方のトレンチ310から、堆積二酸化ケイ素層350の少なくとも一部および場合により全てを除去する。下部フィールドプレートセグメント322は、下部フィールドプレートセグメント322の頂部より下のトレンチ310からの、堆積二酸化ケイ素層350の除去を防止する。この例において、第1のブランケット酸化物エッチバックプロセスが完了した後、熱酸化物層348の実質的に全てが、トレンチ310の側壁上に残る。第1のブランケット酸化物エッチバックプロセスは、下部フィールドプレートセグメント322の頂部を露出させる。
【0045】
図4Bを参照すると、上部フィールドプレートセグメント324が、
図2Fに関連して述べたように、熱酸化物層348上、およびトレンチ310における下部フィールドプレートセグメント322上に形成される。この例において、熱酸化物層348は、基板302から上部フィールドプレートセグメント324を分離する誘電体ライナー312を提供し、これは、有利に、半導体デバイス300の製造の複雑性およびコストを削減する。
【0046】
図4Cを参照すると、第2のブランケット酸化物エッチバックプロセスが、上部フィールドプレートセグメント324の上方のトレンチ310から熱酸化物層348を除去する。上部フィールドプレートセグメント324は、上部フィールドプレートセグメント324頂部より下のトレンチ310からの、熱酸化物層348の除去を防止する。第2のブランケット酸化物エッチバックプロセスは、実質的に半導体材料が基板302から除去されないように実施され得る。
【0047】
ゲート誘電体層318は、上部フィールドプレートセグメント324の上方のトレンチ310の側壁上に形成され、誘電体材料358が、同時に、上部フィールドプレートセグメント324上に形成される。ゲート誘電体層318は、熱酸化、または、熱酸化および誘電体材料の堆積の組合せによって形成され得る。トレンチ310の側壁を露出させるために熱酸化物層348を除去することは、ゲート誘電体層318の厚さのプロセス制御を有利に改善する。上部フィールドプレートセグメント324上の誘電体材料358は、結晶シリコンと比較した、ポリシリコン上の一層高い熱酸化成長率に起因して、ゲート誘電体層318より厚くし得る。
【0048】
図4Dを参照すると、RIEプロセスなどの異方性エッチングプロセスが、ゲート誘電体層318を著しく劣化させることなく、上部フィールドプレートセグメント324の頂部から、
図4Cの誘電体材料358を除去する。この例の一つのバージョンにおいて、ゲート誘電体層318は、ポリシリコンまたは窒化ケイ素の犠牲層によって保護され得、他方、誘電体材料358が除去された後、犠牲層は、ゲート誘電体層318を著しく劣化させることなく除去される。
【0049】
図4Eを参照すると、トレンチゲート320は、ゲート誘電体層318および上部フィールドプレートセグメント324に接触して形成される。トレンチゲート320は、
図2Iおよび
図2Jに関連して述べたように形成され得る。この例において、上部フィールドプレートセグメント324の頂部から、
図4Cの誘電体材料358を除去することにより、トレンチゲート320が、上部フィールドプレートセグメント324との電気的接続を成すことが可能となる。さらなる製造が
図3の構造を提供する。
【0050】
図5は、垂直pチャネルMOSトランジスタを含む例示的な半導体デバイスの断面図である。半導体デバイス500は基板502上に形成され、基板502は半導体材料を含む。本明細書においてトランジスタ504と呼ばれるpチャネル垂直MOSトランジスタ504は、p型垂直ドリフト領域508の下方の基板502において配置されるp型ドレイン領域506を含む。
【0051】
半導体デバイス500はトレンチ510を含み、トレンチ510は、ドレイン領域506に近接する垂直ドリフト領域508を介して垂直に、または、場合によりドレイン領域506内へ延在する。トレンチ510は、トレンチ510の底部514まで延在し、基板502に接する、誘電体ライナー512と、誘電体ライナー512上の複数のフィールドプレートセグメント516とを含む。トレンチ510はさらに、基板502に接する誘電体ライナー512の上方のゲート誘電体層518と、ゲート誘電体層518に接触する、トランジスタ504のトレンチゲート520とを含む。この例において、フィールドプレートセグメント516は、トレンチ510の底部514におけるそれぞれの誘電体ライナー512上のそれぞれの下部フィールドプレートセグメント522と、それぞれの下部フィールドプレートセグメント522の上方に配置されるそれぞれの上部フィールドプレートセグメント524とを含む。フィールドプレートセグメント516およびトレンチゲート520は、主にp型ポリシリコンを含み得る。誘電体ライナー512は、主に二酸化ケイ素を含み得る。誘電体ライナー512は、下部フィールドプレートセグメント522および上部フィールドプレートセグメント524を基板502から分離する。下部フィールドプレートセグメント522を基板502から分離する誘電体ライナー512は、上部フィールドプレートセグメント524を基板502から分離する誘電体ライナー512より厚い。上部フィールドプレートセグメント524と基板502との間の、トレンチ510の側壁上に配置される誘電体ライナー512は、トレンチゲート520と基板502との間の、トレンチ510の側壁上に配置されるゲート誘電体層518より厚い。例えば、トランジスタ504が最大100ボルトで動作するように設計されるこの例の或るバージョンにおいて、下部フィールドプレートセグメント522と基板502との間の、トレンチ510の側壁上に配置される誘電体ライナー512は、400ナノメートル~500ナノメートルの厚さであり得、上部フィールドプレートセグメント524と基板502との間の、トレンチ510の側壁上に配置される誘電体ライナー512は、150ナノメートル~200ナノメートルの厚さであり得る。
【0052】
この例において、下部フィールドプレートセグメント522は、トレンチ510において上部フィールドプレートセグメント524に接触している。上部フィールドプレートセグメント524は、上部フィールドプレートセグメント524とトレンチゲート520との間に配置される絶縁層528によってトレンチゲート520から絶縁される。また、この例において上部フィールドプレートセグメント524に印加されるバイアス電圧が、下部フィールドプレートセグメント522を同じバイアス電圧までバイアスする。
【0053】
トランジスタ504は、ゲート誘電体層518に接する、垂直ドリフト領域508の上方の基板502におけるn型ボディ530を含む。トランジスタ504はさらに、ボディ530の上方の、および、ゲート誘電体層518に接する、p型ソース532を含む。トレンチゲート520は、垂直ドリフト領域508およびソース532と部分的に同じ広がりを持つ。ソース電極534が基板502の上に配置されて、ソース532およびボディ530への電気的接続を成す。ソース電極534は、トレンチゲート520の上の誘電体キャップ層536によってトレンチゲート520から電気的に絶縁される。ソース532およびボディ530に関するソース電極534のその他の構成も、この例の範囲内にある。
【0054】
トランジスタ504が最大100ボルトで動作するように設計されるこの例の一つのバージョンにおいて、トレンチ510は、6ミクロン~7ミクロンの深さ、および1.2ミクロン~1.4ミクロンの幅であり得る。垂直ドリフト領域508、すなわち、近隣トレンチ510間は、0.5ミクロン~2.0ミクロンの幅であり得、1.8×1016cm-3~2.0×1016cm-3の平均ドーピング密度を有し得る。
【0055】
トレンチゲート520への電気接続は、基板502の頂部表面540におけるゲートの露出されたエリア上のゲートコンタクト538を介して成され得る。フィールドプレートセグメント516への電気接続は、フィールドプレートセグメント516から最大で基板502の頂部表面540まで延在するフィールドプレートライザ544上の組み合わされたフィールドプレートコンタクト542を介して成され得る。トレンチゲート520およびフィールドプレートセグメント516に電気接続するためのその他の構造も、この例の範囲内にある。トレンチゲート520から絶縁されるように上部フィールドプレートセグメント524を形成することは、有利に、トランジスタ504における電流密度を増加させるために、フィールドプレートセグメント516を独立してバイアスすることを可能にし得、他方、上部フィールドプレートセグメント524および下部フィールドプレートセグメント522への電気接続が、組み合わされたフィールドプレートコンタクト542を介して成され得るように、トレンチ510における上部フィールドプレートセグメント524に接触するように下部フィールドプレートセグメント522を形成することが、有利に半導体デバイス500の複雑さおよび製造コストを削減し得る。
【0056】
半導体デバイス500の動作の間、トレンチゲート520は、有利に、
図1に関連して説明したような一層高い電流密度を提供する。フィールドプレートセグメント516は、
図1に関連して説明したように、垂直ドリフト領域508における電界を所望の値に維持するようにRESURF構成を提供する。従って、上部フィールドプレートセグメント524および下部フィールドプレートセグメント522の組合せを備える垂直MOSトランジスタ504を形成することによって、トランジスタ504が、単一のフィールドプレートを備える同様の垂直MOSトランジスタより浅いトレンチ510を有することが可能とされ、有利に半導体デバイス500の製造コストを削減する。
【0057】
図6A~
図6Hは、製造の連続的な段階において描写される、
図5の半導体デバイスの断面図である。
図6Aを参照すると、半導体デバイス500は基板502上に形成される。ドレイン領域506は、1×10
20cm
-3より高いドーピング密度を有するように基板502において形成される。垂直ドリフト領域508におけるホウ素などのP型ドーパントが、エピタキシャル成長の間に混合され得、または、後に注入され得る。ハードマスク546が基板502の上に形成され、ハードマスク546はトレンチ510のためのエリアを露出する。トレンチ510は、ハードマスク546によって露出されたエリアにおける基板502から材料を除去することによって形成される。ドレイン領域506、ハードマスク546、および、トレンチ510は、
図2Aに関連して述べたように形成され得る。
【0058】
第1の熱酸化物層548が、トレンチ510の側壁および底部514に形成される。堆積二酸化ケイ素層550が、SACVDプロセスまたはPECVDプロセスによって、第1の熱酸化物層548上に形成される。下部フィールドプレートセグメント522が、
図2Bおよび
図2Cに関連して述べたように、堆積二酸化ケイ素層550上のトレンチ510において形成される。この例において、下部フィールドプレートセグメント522は、垂直ドリフト領域508のRESURF構造において効果的な荷電平衡を提供するため、p型ポリシリコンであり得る。堆積二酸化ケイ素層550と組み合わされた第1の熱酸化物層548は、下部フィールドプレートセグメント522を基板502から分離する誘電体ライナー512を提供する。例えば、この例において、第1の熱酸化物層548は、70ナノメートル~80ナノメートルの厚さであり得、堆積二酸化ケイ素層550は、100ボルトの動作電圧のため、330ナノメートル~420ナノメートルの厚さであり得る。
【0059】
図6Bを参照すると、第1のブランケット酸化物エッチバックプロセスが、下部フィールドプレートセグメント522の上方のトレンチ510から、誘電体ライナー512の実質的に全て、すなわち、第1の熱酸化物層548と堆積二酸化ケイ素層550との両方、を除去する。下部フィールドプレートセグメント522は、下部フィールドプレートセグメント522の頂部より下のトレンチ510からの、誘電体ライナー512の除去を防止する。例えば、第1のブランケット酸化物エッチバックプロセスは、緩衝フッ酸溶液を用いる時限のウェットエッチングを含み得る。
【0060】
図6Cを参照すると、第2の熱酸化物層560が、下部フィールドプレートセグメント522の上方のトレンチ510の側壁において、および、下部フィールドプレートセグメント522の頂部表面上に形成される。この例において、第2の熱酸化物層560は、
図5の上部フィールドプレートセグメント524と基板502との間の誘電体ライナー512を提供する。第2の熱酸化物層560は、トランジスタ504のための100ボルト動作を提供するため、150ナノメートル~200ナノメートルの厚さであり得る。
【0061】
図6Dを参照すると、RIEプロセスなどの異方性エッチングプロセスが、下部フィールドプレートセグメント522の頂部表面を露出するため、下部フィールドプレートセグメント522の頂部表面から第2の熱酸化物層560を除去する。異方性エッチングプロセスは、トレンチ510の側壁上の第2の熱酸化物層560を実質的に劣化させることを防ぐために実施される。異方性エッチングプロセスは、トレンチ510の側壁上の第2の熱酸化物層560上に保護ポリマーを形成し得、保護ポリマーは、その後、下部フィールドプレートセグメント522の頂部表面が露出された後、除去される。
【0062】
図6Eを参照すると、上部フィールドプレートセグメント524が、
図2Fに関連して述べたように、トレンチ510における第2の熱酸化物層560上および下部フィールドプレートセグメント522上に形成される。この例において、上部フィールドプレートセグメント524は、
図6Eに関連して説明されるように、p型ポリシリコンであり得る。この例において、第2の熱酸化物層560は、基板502から上部フィールドプレートセグメント524を分離する誘電体ライナー512を提供し、これは、基板502から上部フィールドプレートセグメント524を分離する誘電体ライナー512における第2の誘電体層を形成する必要をなくすことにより、半導体デバイス500の製造の複雑さおよびコストを有利に削減し得る。
【0063】
図6Fを参照すると、第2のブランケット酸化物エッチバックプロセスが、上部フィールドプレートセグメント524の上方のトレンチ510から第2の熱酸化物層560を除去する。上部フィールドプレートセグメント524は、上部フィールドプレートセグメント524の頂部より下のトレンチ510からの、第2の熱酸化物層560の除去を防止する。第2のブランケット酸化物エッチバックプロセスは、実質的に半導体材料が基板502から除去されないように実施され得る。
図6Eのハードマスク546は、
図6Fにおいて描写されるように、基板502の頂部表面540を露出するために、第2のブランケットエッチバックによって除去され得る。
【0064】
図6Gを参照すると、ゲート誘電体層518は、トレンチ510の側壁上に形成され、同時に、絶縁層528は、上部フィールドプレートセグメント524の頂部表面上に形成される。この例において、基板502の頂部表面540が、
図6Fに関連して論じた第2のブランケットエッチバックによって露出される場合、ゲート誘電体層518も、
図6Gにおいて描写されたように、頂部表面540上に形成され得る。ゲート誘電体層518および絶縁層528は、熱酸化、または、熱酸化およびと誘電体材料の堆積の組合せによって形成され得る。絶縁層528における熱酸化は、結晶シリコンと比較したポリシリコン上の一層高い熱酸化成長率に起因して、ゲート誘電体層518における熱酸化より厚くし得る。
【0065】
図6Hを参照すると、トレンチゲート520は、ゲート誘電体層518および絶縁層528に接触して形成される。トレンチゲート520は、
図2Iおよび
図2Jに関連して述べたように形成され得る。この例において、上部フィールドプレートセグメント524の頂部上の絶縁層528は、トレンチゲート520からフィールドプレートセグメント516を電気的に絶縁し、トレンチゲート520に対するフィールドプレートセグメント516の独立したバイアスを可能にする。さらなる製造が
図5の構造を提供する。
【0066】
図7は、垂直nチャネルMOSトランジスタを含む別の例示的な半導体デバイスの断面図である。半導体デバイス700は、基板702上に形成され、基板702は半導体材料を含む。本明細書においてトランジスタ704と呼ばれるnチャネル垂直MOSトランジスタ704は、n型垂直ドリフト領域708の下方の基板702において配置されるn型ドレイン領域706を含む。
【0067】
半導体デバイス700はトレンチ710を含み、トレンチ710は、ドレイン領域706に近接する垂直ドリフト領域708を介して垂直に、または場合により、ドレイン領域706内へ延在する。トレンチ710は、トレンチ710の底部714まで延在し、基板702に接する、誘電体ライナー712と、誘電体ライナー712上の複数のフィールドプレートセグメント716とを含む。トレンチ710はさらに、基板702に接する誘電体ライナー712の上方のゲート誘電体層718と、ゲート誘電体層718に接触する、トランジスタ704のトレンチゲート720とを含む。この例において、フィールドプレートセグメント716は、トレンチ710の底部714におけるそれぞれの誘電体ライナー712上のそれぞれの下部フィールドプレートセグメント722と、それぞれの下部フィールドプレートセグメント722の上方に配置される、それぞれの中間フィールドプレートセグメント762と、それぞれの中間フィールドプレートセグメント762の上方およびそれぞれのトレンチゲート720の下方に配置される、それぞれの上部フィールドプレートセグメント724を含む。フィールドプレートセグメント716およびトレンチゲ
ート720は、主にn型ポリシリコンを含み得る。誘電体ライナー712は、主に二酸化ケイ素を含み得る。誘電体ライナー712は、下部フィールドプレートセグメント722、中間フィールドプレートセグメント762、および、上部フィールドプレートセグメント724を基板702から分離する。基板702から下部フィールドプレートセグメント722を分離する誘電体ライナー712は、基板702から中間フィールドプレートセグメント762を分離する誘電体ライナー712より厚く、基板702から中間フィールドプレートセグメント762を分離する誘電体ライナー712は、基板702から上部フィールドプレートセグメント724を分離する誘電体ライナー712より厚い。上部フィールドプレートセグメント724と基板702との間の、トレンチ710の側壁上に配置される誘電体ライナー712は、トレンチゲート720と基板702との間の、トレンチ710の側壁上に配置されるゲート誘電体層718より厚い。
【0068】
この例において、下部フィールドプレートセグメント722は、トレンチ710における中間フィールドプレートセグメント762に接触し、上部フィールドプレートセグメント724は、トレンチ710におけるトレンチゲート720に接触し、中間フィールドプレートセグメント762は、上部フィールドプレートセグメント724と中間フィールドプレートセグメント762との間に配置される絶縁層726によって上部フィールドプレートセグメント724から分離される。それゆえ、トレンチゲート720に印加されるバイアス電圧が、この例において上部フィールドプレートセグメント724にも印加され、中間フィールドプレートセグメント762に印加される独立したバイアス電圧も、下部フィールドプレートセグメント722を同じ独立したバイアス電圧にバイアスする。
【0069】
トランジスタ704は、ゲート誘電体層718に接する、垂直ドリフト領域708の上方の基板702におけるp型ボディ730を含む。トランジスタ704はさらに、ボディ730の上方の、ゲート誘電体層718に接する、n型ソース732を含む。トレンチゲート720は、垂直ドリフト領域708およびソース732と部分的に同じ広がりを持つ。ソース電極734が基板702の上に配置され、ソース732およびボディ730への電気接続を成す。ソース電極734は、トレンチゲート720の上の誘電体キャップ層736によってトレンチゲート720から電気的に絶縁される。ソース732およびボディ730に関するソース電極734のためのその他の構成も、この例の範囲内にある。
【0070】
トレンチゲート720および上部フィールドプレートセグメント724への電気接続は、基板702の頂部表面740における露出されたエリア上のゲートコンタクト738を介して成され得る。中間フィールドプレートセグメント762および下部フィールドプレートセグメント722への電気接続は、フィールドプレートライザ744上の組み合わされたフィールドプレートコンタクト742を介して成され得、フィールドプレートライザ744は、中間フィールドプレートセグメント762から、最大で基板702の頂部表面740まで延在する。トレンチゲート720および中間フィールドプレートセグメント762への電気接続を成すためのその他の構造も、この例の範囲内にある。中間フィールドプレートセグメント762および下部フィールドプレートセグメント722から絶縁されるように、トレンチゲート720および上部フィールドプレートセグメント724を形成することは、有利に、
図1に関連して論じたような、トレンチゲート720およびフィールドプレートセグメント716のための独立したバイアスの利点と、
図3に関連して論じたような、組み合わされたフィールドプレートコンタクト742の利点とのバランスを可能にし得る。
【0071】
半導体デバイス700の動作の間、トレンチゲート720は、有利に、
図1に関連して説明したような一層高い電流密度を提供する。フィールドプレートセグメント716は、
図1に関連して説明したように、垂直ドリフト領域708における電界を所望の値に維持するようにRESURF構成を提供する。従って、上部フィールドプレートセグメント724および下部フィールドプレートセグメント722の組合せを備える垂直MOSトランジスタ704を形成することによって、トランジスタ704が、単一のフィールドプレートを備える同様の垂直MOSトランジスタより浅いトレンチ710を有することが可能とされ、有利に、半導体デバイス700の製造コストを削減する。
【0072】
特許請求の範囲内で、述べられた実施形態において改変が可能であり、その他の実施形態が可能である。