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特許7279297アリールフェニルケトン系殺菌剤の植物病害防除効果の増強方法及び植物病害の防除方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-15
(45)【発行日】2023-05-23
(54)【発明の名称】アリールフェニルケトン系殺菌剤の植物病害防除効果の増強方法及び植物病害の防除方法
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/40 20060101AFI20230516BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20230516BHJP
   A01N 25/30 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
A01N43/40 101E
A01P3/00
A01N25/30
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2021166972
(22)【出願日】2021-10-11
(62)【分割の表示】P 2018512076の分割
【原出願日】2017-04-13
(65)【公開番号】P2022001594
(43)【公開日】2022-01-06
【審査請求日】2021-11-10
(31)【優先権主張番号】P 2016081693
(32)【優先日】2016-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000354
【氏名又は名称】石原産業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小川 宗和
(72)【発明者】
【氏名】西村 昭廣
(72)【発明者】
【氏名】西見 周子
【審査官】三須 大樹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/004596(WO,A1)
【文献】特表2013-521319(JP,A)
【文献】国際公開第2004/039155(WO,A1)
【文献】特表2007-502261(JP,A)
【文献】特許第6961908(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
A01P
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピリオフェノンである(a)成分とともに、ノニオン系界面活性剤である(b)成分を植物又は植物の栽培土壌に施用することを特徴とする植物病害の防除方法であって、
(a)成分と(b)成分との混合重量比が1:500~50:1であり、
ノニオン系界面活性剤が、ポリアルキレンオキサイド変性ヘプタメチルトリシロキサンである、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の界面活性剤等の成分を使用してアリールフェニルケトン系殺菌剤の植物病害防除効果、特に浸達効果や治療効果を格段に増強させる方法と、特定の界面活性剤等の成分とアリールフェニルケトン系殺菌剤とを用いる植物病害の防除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な植物病原菌は、寄生する植物の細胞内部に病原菌本体が侵入、増殖することにより病害を起こす。そのため、発病後の病害を防除するには、植物細胞への浸透移行性や浸達性を有するような化合物でなければ、浸達効果や治療効果等が得られない。
【0003】
また、植物への浸透移行性や浸達性を有する化合物は、植物体の新陳代謝が活発となり、成長が著しい温度範囲である生育適温(例えば、キュウリ、ナス、ピーマン、スイカ、メロン等は25~30℃、コムギ、オオムギ等は10~25℃、キャベツ、ハクサイ、イチゴ、レタス、ニンジン等は15~20℃、トマト等は15~25℃)では植物体に浸透しやすくなって、高い防除効果を示すことがある一方、高い浸透移行性や浸達性を有する化合物であっても、生育適温よりも低温では浸透移行性や浸達性が低下して、実用上、十分な防除効果を示さなくなることがある。
【0004】
うどんこ病の病原菌(16属約900種)は、その大多数が植物の表面にのみ寄生する「表皮寄生菌」であって、病原菌本体は細胞外部に留まり、吸器のみを植物の細胞内に侵入させ、栄養吸収する形態をとっている。そのため、植物への浸透移行性や浸達性を持たない化合物(例えば、硫黄、クロロタロニルやクレソキシムメチル等)、及び、植物細胞内部で十分な殺菌活性を示すほどの浸透移行性や浸達性を持たない化合物(例えば、炭酸水素カリウムやイミノクタジン等)であっても、大多数のうどんこ病に対しては治療効果を示す。しかしながら、一部のうどんこ病菌、例えば、ピーマンうどんこ病やナシうどんこ病等は、植物体の内部に寄生する「内部寄生菌」であり、この病原菌によるうどんこ病に対しては、高い浸透移行性や浸達性を有する化合物でなければ、十分な治療効果や浸達効果等が得られない。
【0005】
アリールフェニルケトン系殺菌剤の代表的な化合物はピリオフェノンとメトラフェノンが挙げられ、両化合物は各種植物病害に有効であり、特に、うどんこ病に対し優れた予防効果と治療効果を示すことが知られている。アリールフェニルケトン系化合物は浸透移行性と浸達性を有し、内部寄生性うどんこ病に対しても有効である。しかしながら、生育適温よりも低温条件での施用など、植物の生育ステージや気温、湿度や日照量等の生育環境によっては、実用上、十分な防除効果を示さなくなることがある。
【0006】
特許文献1には、本発明の有効成分であるピリオフェノンを含むベンゾイルピリジン誘導体が殺菌剤として有用であることが記載され、さらに、必要に応じて各種補助剤と混合して種々の形態に製剤して使用可能であることが記載されている。しかしながら、ピリオフェノンに特定の界面活性剤等を組み合わせて防除効果を増強する方法に関する具体的な記載はなく、メトラフェノンの防除効果を増強させる方法に関する記載は一切無い。
【0007】
特許文献2には、本発明の有効成分であるピリオフェノンを含有するベンゾイルピリジン誘導体又はその塩と、8種類の効力増強成分からなる群から選択される少なくとも1種とを含有することを特徴とする殺菌剤組成物が、コムギうどんこ病に対する治療効果とベーパー効果を向上させることが記載されている。しかしながら、ピリオフェノンに特定の界面活性剤等を組み合わせて、コムギうどんこ病以外のうどんこ病に対する浸達効果、治療効果や残効性等を増強する方法に関する具体的な記載はなく、メトラフェノンの防除効果を増強させる方法に関する記載は一切無い。
【0008】
特許文献3には、本発明の有効成分であるメトラフェノンを含有する殺菌性2-メトキシベンゾフェノン化合物及びコムギうどんこ病とキュウリうどんこ病に対する防除効果が記載されている。しかしながら、メトラフェノンの防除効果を増強させる方法に関する記載は一切無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】国際公開公報 WO 2002/002527
【文献】国際公開公報 WO 2008/004596
【文献】ヨーロッパ特許公開公報第897904号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の有効成分であるアリールフェニルケトン系殺菌剤は、各種植物病害に対し効果を有する。しかしながら、浸達効果、治療効果、残効性や植物の生育適温より低温での殺菌効果が十分でなかったりして、十分な防除効果を示さないこともある。
本発明の目的は、アリールフェニルケトン系殺菌剤に特定の界面活性剤等の成分を組み合わせて使用することにより、浸達効果、治療効果等を増強させ、各種植物病害に対する防除効果を顕著に増強させることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、前述の問題点を解決すべく研究した結果、アリールフェニルケトン系殺菌剤の施用時に、特定の界面活性剤等の成分を添加すると、アリールフェニルケトン系殺菌剤を単独で使用した場合に比して、予想できないような優れた浸達効果、治療効果等が得られるとの知見を得、本発明を完成した。
【0012】
すなわち、本発明は、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、植物油、パラフィン類、樹脂類及びテルペン類からなる群から選択される少なくとも1種の成分(以下、単に(b)成分ともいう)を使用して(a)アリールフェニルケトン系殺菌剤(以下、単に(a)成分ともいう)の植物病害の防除効果を増強する方法、並びに、(a)成分と(b)成分とを植物又は植物の栽培土壌に施用することを特徴とする植物病害の防除方法に関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、植物病害に対して安定した高い防除効果を奏するので、植物病害の防除に有用である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(a)アリールフェニルケトン系殺菌剤であるピリオフェノン(pyriofenone)及びメトラフェノン(metrafenone)は、それぞれ、The Pesticide Manual (第17版;BRITISH CROP PROTECTION COUNCIL)の983~984頁と767~768頁に記載の化合物である。
【0015】
(a)成分は塩の形態であってもよい。塩としては、農業上許容されるものであれば特に制限は無いが、例えばナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;モノメチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩のようなアンモニウム塩;塩酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、硝酸塩のような無機酸塩;酢酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩のような有機酸塩などが挙げられる。
【0016】
(b)ノニオン系界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤;ポリオキシエチレン系界面活性剤;多価アルコール系界面活性剤;アルカノールアミド系界面活性剤等が挙げられる。
【0017】
シリコーン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン、ポリオキシエチレンヘプタメチルトリシロキサン、ポリオキシアルキレンオキシプロピルヘプタメチルトリシロキサン、ポリオキシエチレンプロピルヘプタメチルトリシロキサン、ポリアルキレンオキサイド変性ヘプタメチルトリシロキサン、ポリオキシエチレン変性ポリジメチルシロキサン、ポリアルキレンオキサイド変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルシロキサン、ポリエーテルトリシロキサン、ポリエーテルポリメチルシロキサンコポリマー、ポリエーテルポリジメチルシロキサンコポリマー、ポリオキシエチレンジメチルシロキサン、ポリアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ヒドロキシプロピルヘプタメチルトリシロキサン、シロキサンポリアルキレンオキサイドコポリマー等が挙げられる。
中でも、ポリエーテルシロキサン、ポリエーテルトリシロキサン、ポリオキシエチレンジメチルシロキサン、ヒドロキシプロピルヘプタメチルトリシロキサン、ポリアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリアルキレンオキサイド変性ヘプタメチルトリシロキサン、ポリエーテルポリメチルシロキサンコポリマーまたはシロキサンポリアルキレンオキサイドコポリマーが好ましい。
また、シリコーン系界面活性剤は、後に述べるポリオキシエチレン系界面活性剤、植物油等と混合して使用することができる。中でも、ポリオキシエチレン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリアルキレンオキサイド、アルキルフェノールエトキシレート等が好ましく、植物油としては、エチル化ナタネ油、メチル化シードオイル、メチル化ナタネ油などが好ましい。
【0018】
シリコーン系界面活性剤の具体例としては、ポリエーテルシロキサン(商品名Break-Thru OE441;Evonic社製)、ポリエーテルトリシロキサン(商品名Break-Thru S240、Break-Thru S233;Deussa社製)、ポリオキシエチレンジメチルシロキサン(商品名Dyne-Amic(メチル化シードオイルとの混合物);Helena Chemical社製)、ポリオキシエチレンメチルポリシロキサン(商品名KF-640;信越化学工業社製、商品名まくぴか;石原産業社製)、ポリアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサン(商品名Kinetic;Helena Chemical社製)、ポリオキシエチレンプロピルヘプタメチルトリシロキサン(商品名Masil SF19;Emerald社製)、ポリエーテル変性ポリシロキサン(商品名Quark(アルキルフェノールエトキシレートとの混合物);Simplot社製)、ヒドロキシプロピルヘプタメチルトリシロキサン(商品名Silglow(エトキシル化アセテート、ポリエチレングリコールモノアリルエーテルアセテート及びポリエチレングリコールジアセテートとの混合物);Britiz社製、商品名SYL-TAC(エチル化ナタネ油とメチル化ナタネ油との混合物とポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル)との混合物;Wilbur-Ellis社製)、ポリアルキレンオキサイド変性ヘプタメチルトリシロキサン(商品名Silwet L77;Helena Chemical社製、商品名Slippa(直鎖アルコール界面活性剤との混合物);Interagro社製)、ポリエーテルポリメチルシロキサンコポリマー(商品名Syl-Coat;Wilbur-Ellis社製)、ポリオキシエチレン変性ポリジメチルシロキサン(商品名Xiameter;Dow社製)、ポリオキシアルキレンオキシプロピルヘプタメチルトリシロキサン(商品名ブレイクスルー(ポリオキシアルキレンプロペニルエーテルとの混合物);サンケイ化学社製)、シロキサンポリアルキレンオキサイドコポリマー(商品名Vestis(ポリアルキレンオキサイドとの混合物);Simplot社製)等が挙げられる。
中でも、ポリエーテルシロキサン(商品名Break-Thru OE441;Evonic社製)、ポリエーテルトリシロキサン(商品名Break-Thru S240、Break-Thru S233;Deussa社製)、ポリオキシエチレンジメチルシロキサン(商品名Dyne-Amic(メチル化シードオイルとの混合物);Helena Chemical社製)、ポリアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサン(商品名Kinetic;Helena Chemical社製)、ポリエーテル変性ポリシロキサン(商品名Quark(ノニオン系界面活性剤との混合物);Simplot社製)、ヒドロキシプロピルヘプタメチルトリシロキサン(商品名Silglow(エトキシル化アセテート、ポリエチレングリコールモノアリルエーテルアセテート及びポリエチレングリコールジアセテートとの混合物);Britiz社製、商品名SYL-TAC(エチル化ナタネ油とメチル化ナタネ油との混合物とポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルとの混合物);Wilbur-Ellis社製)、ポリアルキレンオキサイド変性ヘプタメチルトリシロキサン(商品名Silwet L77;Helena Chemical社製)、ポリエーテルポリメチルシロキサンコポリマー(商品名Syl-Coat;Wilbur-Ellis社製)またはシロキサンポリアルキレンオキサイドコポリマー(商品名Vestis(ポリアルキレンオキサイドとの混合物);Simplot社製)が好ましい。
【0019】
ポリオキシエチレン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ又はトリ)フェニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ又はトリ)ベンジルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレン(モノ、ジ又はトリ)ベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ又はトリ)スチリルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレン(モノ、ジ又はトリ)スチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(モノ、ジ又はトリ)スチリルフェニルエーテルのポリマー、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、アルキルポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、アルキルフェニルポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテル、ポリオキシエチレンビスフェニルエーテル、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アルキルフェノキシポリエトキシエタノール、ポリオキシエチレンノニルフェノキシエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンまたはポリオキシエチレンロジンエステル等が挙げられる。
中でも、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルまたはポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
また、ポリオキシエチレン系界面活性剤は、先に述べたシリコーン系界面活性剤、後に述べる多価アルコール系界面活性剤、スルホン酸系界面活性剤、パラフィン類、植物油等と混合して使用することができる。中でも、シリコーン系界面活性剤としては、ヒドロキシプロピルヘプタメチルトリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、シロキサンポリアルキレンオキサイドコポリマー等が好ましく、多価アルコール系界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル等が好ましく、スルホン酸系界面活性剤としては、ジメチルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が好ましく、パラフィン類としては、パラフィン油等が好ましく、植物油としては、トール油、トール油脂肪酸、トール油脂肪酸エステル、メチル化ナタネ油、エチル化ナタネ油、メチル化キャノーラ油、グリセリン等が好ましい。
【0020】
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの具体例としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(商品名アルソープ30;住友化学社製、商品名Agral 90;Syngenta製)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(商品名ADwet90(ジエチレングリコールとトール油脂肪酸との混合物);Simplot社製、商品名Persist Ultra(メチル化キャノーラ油との混合物);Simplot社製、商品名Ad-Max 90(グリセリンとジメチルベンゼンスルホン酸ナトリウムとの混合物);Simplot社製、商品名Prime Oil(トール油とパラフィン油との混合物);WinField社製)、ポリオキシエチレンノニルフェノキシエーテル(商品名Agral;Syngenta社製)、4-ノニルフェニル-ポリエチレングリコール(商品名Arkopal N100;Clariant社製)、オクチルフェノキシポリエトキシエタノール(商品名Citowett;BASF社製)、ポリオキシエチレンノニルフェノール(商品名R-11;Wilbur-Ellis社製)、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(商品名クサリノー;日本農薬社製、商品名SYL-TAC(エチル化ナタネ油とメチル化ナタネ油との混合物とヒドロキシプロピルヘプタメチルトリシロキサンとの混合物);Wilbur-Ellis社製)、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル(商品名ノイゲンEA110;第一工業製薬社製)、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(商品名ミックスパワー(ポリオキシエチレンアルキルエーテルとの混合物);Synjenta社製)等が挙げられる。
ポリオキシエチレン脂肪酸エステルの具体例としては、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコールエステル(商品名ラミゲンES-70;第一工業製薬社製)、ポリオキシエチレンC16~C18脂肪酸エステル(商品名Emulan PS700;BASF社製)、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル(商品名KKステッカー;アグロカネショウ社製、商品名スカッシュ(ソルビタン脂肪酸エステルとの混合物);花王社製)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(商品名ノイゲンET-120E;第一工業製薬社製)等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルアミンの具体例としては、ポリオキシエチレンオレイルアミン(商品名パイオニンD-3605;竹本油脂社製)が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルの具体例としては、例えば、ポリオキシエチレントリデシルエーテル(商品名ノイゲンTDS-70;第一工業製薬社製)、アルキルアリールポリオキシアルケンエーテル(商品名Induce;Helena社製)、N,N-Bis2-オメガ-ヒドロキシポリオキシエチレンアルキルアミン(商品名Entry(トール油脂肪酸メチルエステルとの混合物);Simplot社製)等が挙げられる。
中でも、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(商品名ADwet90(ジエチレングリコールとトール油脂肪酸との混合物);Simplot社製、商品名Persist Ultra(メチル化キャノーラ油との混合物);Simplot社製、商品名Ad-Max 90(グリセリンとジメチルベンゼンスルホン酸ナトリウムとの混合物);Simplot社製、商品名Prime Oil(トール油とパラフィン油との混合物);WinField社製)、ポリオキシエチレンノニルフェノール(商品名R-11;Wilbur-Ellis社製)、アルキルアリールポリオキシアルケンエーテル(商品名Induce;Helena社製)、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル(商品名SYL-TAC(エチル化ナタネ油とメチル化ナタネ油との混合物とヒドロキシプロピルヘプタメチルトリシロキサンとの混合物);Wilbur-Ellis社製)またはN,N-Bis2-オメガ-ヒドロキシポリオキシエチレンアルキルアミン(商品名Entry(トール油脂肪酸メチルエステルとの混合物);Simplot社製)が好ましい。
【0021】
多価アルコール系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンヘキシタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルもしくはそのエチレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、ヒマシ油エチレンオキサイド付加物、硬化ヒマシ油エチレンオキサイド付加物、アルキルアミンエチレンオキサイド付加物または脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。
中でも、ソルビタン脂肪酸エステル、もしくは多価アルコール脂肪酸エステル又はそのエチレンオキサイド付加物が好ましい。
また、多価アルコール系界面活性剤は、先に述べたポリオキシエチレン系界面活性剤、後に述べるアニオン系界面活性剤、パラフィン類、植物油と混合して使用することができる。中でも、ポリオキシエチレン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレン樹脂酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が好ましく、アニオン系界面活性剤としては、ポリナフチルメタンスルホン酸ジアルキルジメチルアンモニウム等が好ましく、パラフィン類としてはパラフィンベース石油等が好ましく、植物油としては、メチル化ダイズ油等が好ましい。
【0022】
多価アルコール系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンへキシタン脂肪酸エステル(商品名アプローチBI;丸和バイオケミカル社製)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(商品名Tween20;和光純薬社製)、ソルビタン脂肪酸エステル(商品名Destiny、商品名DestinyHC(メチル化ダイズ油と異性化糖との混合物);WinField社製、商品名スカッシュ(ポリオキシエチレン樹脂酸エステルとの混合物);花王社製、商品名ソルゲン40;第一工業製薬社製、商品名ブラボー(ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとポリナフチルメタンスルホン酸ジアルキルジメチルアンモニウムとの混合物);アグロカネショウ社製)、ヒマシ油エチレンオキサイド付加物(商品名D-230;竹本油脂社製)、硬化ヒマシ油エチレンオキサイド付加物(商品名D-230kz;竹本油脂社製)、ポリエチレングリコールイソトリデシルエステル(商品名Genapol X-80;Clariant社製)、ポリエチレングリコールモノオレイン酸エステル(商品名Nikkol MYO-10V;日光ケミカルズ社製)、ポリエチレングリコールモノステアリン酸エステル(商品名Nikkol MYS-55V;日光ケミカルズ社製)、多価アルコール脂肪酸エステルと多価アルコールポリエチレンオキサイド脂肪酸エステルとの混合物(商品名Agridex(パラフィンベース石油との混合物);Bayer社製)、等が挙げられる。
中でも、ソルビタン脂肪酸エステル(商品名Destiny、商品名DestinyHC(メチル化ダイズ油と異性化糖との混合物);WinField社製)または多価アルコール脂肪酸エステルと多価アルコールポリエチレンオキサイド脂肪酸エステルとの混合物(商品名Agridex(パラフィンベース石油との混合物);Bayer社製)が好ましい。
【0023】
アルカノールアミド系界面活性剤としては、エタノールアミン、トリエタノールアミン、アルキルアルカノールアミド、またはそれらの混合物等が挙げられる。
中でも、エタノールアミン、トリエタノールアミンまたはそれらの混合物が好ましい。
また、アルカノールアミド系界面活性剤は、先に述べたポリオキシエチレン系界面活性剤または後に述べる硫酸エステル系界面活性剤と混合して使用することができる。中でも、ポリオキシエチレン系界面活性剤としては、プロピレングリコール等が好ましく、硫酸エステル系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステル等が好ましい。
【0024】
アルカノールアミド系界面活性剤の具体例としては、アルカノールアミン界面活性剤(エタノールアミンとトリエタノールアミンの混合物)(商品名Cohere(ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステルとプロピレングリコールとの混合物);Helena社製)、アルキルアルカノールアミド(商品名アミノーンPK-02S;花王社製)等が挙げられる。
中でも、アルカノールアミン界面活性剤(エタノールアミンとトリエタノールアミンの混合物)(商品名Cohere(ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステルとプロピレングリコールとの混合物);Helena社製)が好ましい。
【0025】
(b)アニオン系界面活性剤としては、スルホン酸系界面活性剤、硫酸エステル系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤等が挙げられ、リン酸エステル系界面活性剤が好ましい。
【0026】
スルホン酸系界面活性剤としては、ジアルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸、アルキルベンゼンスルホン酸、α-オレフィンスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸ハーフエステル、ナフタレンスルホン酸及びアルキルナフタレンスルホン酸;ドデシルベンゼンスルホン酸ジエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルアリールスルホン酸、ポリナフチルメタンスルホン酸ジアルキルジメチルアンモニウム又はそれらの塩等が挙げられる。
【0027】
スルホン酸系界面活性剤の具体例としては、ジアルキルスルホコハク酸塩(商品名ニューカルゲンEP-70G;竹本油脂社製、商品名ニューカルゲンEX-70;竹本油脂社製)等が挙げられる。
【0028】
硫酸エステル系界面活性剤としては、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのポリマーの硫酸エステル、ポリオキシエチレンベンジルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルのポリマーの硫酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーの硫酸エステル、硫酸化オレフィン又はそれらの塩等が挙げられる。
中でも、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステルが好ましい。
また、硫酸エステル系界面活性剤は、先に述べた、ポリオキシエチレン系界面活性剤、アルカノール系界面活性剤等と混合して使用することができる。中でもアルカノールアミド系界面活性剤としては、エタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
【0029】
硫酸エステル系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステル(商品名Cohere(アルカノールアミド界面活性剤(エタノールアミンとトリエタノールアミンの混合物)とプロピレングリコールとの混合物);Helena社製)、ラウリル硫酸ナトリウム(商品名モノゲンY-100;第一工業製薬社製)、アルキル硫酸塩(商品名TRADER Pro(硫酸マグネシウムとの混合物);Comtorir Commercial Des Lubrifiants社製)等が挙げられる。
中でも、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステル(商品名Cohere(アルカノールアミド界面活性剤(エタノールアミンとトリエタノールアミンの混合物)とプロピレングリコールとの混合物);Helena社製)が好ましい。
【0030】
リン酸エステル系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルのポリマーのリン酸エステル、ポリオキシエチレンベンジルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルのポリマーのリン酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーのリン酸エステル又はそれらリン酸エステルの塩等が挙げられる。
中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルが好ましい。
【0031】
リン酸エステル系界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンC12~C15アルキルエーテルリン酸エステル(商品名Phospholan PS-222;AkzoNobel社製)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル2リン酸エステル(商品名フォスファノール ML-220;東邦化学社製)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル4リン酸エステル(商品名フォスファノールRD-510Y;東邦化学社製)、ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル(商品名プライサーフA212C;第一工業製薬社製)等が挙げられる。
中でも、ポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル(商品名プライサーフA212C;第一工業製薬社製)が好ましい。
【0032】
さらに、本発明では、ノニオン系界面活性剤とアニオン系界面活性剤の混合物も使用できる。当該態様で使用される界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとポリナフチルメタンスルホン酸ナトリウムとの混合物(商品名グラミンS;三共化学社製)等が挙げられる。
【0033】
カチオン系界面活性剤としては、エトキシル化脂肪族アミン系界面活性剤、ジアルキルアンモニウム塩系界面活性剤及びアルキルアンモニウム塩系界面活性剤等が挙げられる。
【0034】
エトキシル化脂肪族アミン系界面活性剤としては、エトキシル化脂肪アミン;牛脂アルキルアミンエトキシレート;牛脂アミンエトキシレート等が挙げられる。
エトキシル化脂肪族アミン系界面活性剤の具体例としては、例えば、エトキシル化脂肪アミン(商品名Ethylan TT‐15;Akcros chemicals社製)、牛脂アルキルアミンエトキシレート(商品名Genamin T‐150;Clariant社製)、牛脂アミンエトキシレート(商品名Genamin T‐200;Clariant社製、商品名Ethomeen T/25;AkzoNobel社製)等が挙げられる。
ジアルキルアンモニウム塩系界面活性剤としては、ポリナフチルメタンスルホン酸ジアルキルジメチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
ジアルキルアンモニウム塩系界面活性剤の具体例としては、ポリナフチルメタンスルホン酸ジアルキルジメチルアンモニウム(商品名ニーズ(ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとの混合物);花王社製)、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(商品名カチオーゲンTML;第一工業製薬社製)等が挙げられる。
中でも、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(商品名カチオーゲンTML;第一工業製薬社製)が好ましい。
【0035】
植物油としては、トール油、ヤシ油、ダイズ油、ナタネ油、トウモロコシ油、アマニ油、ヒマワリ油、綿実油、エステル化ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、パーム油、アボガド油、キャノーラ油、トール油脂肪酸、トール油脂肪酸メチルエステル等が挙げられる。また、植物油には、植物油からの抽出物(グリセリン、脂肪酸等)、アルキル化植物油(メチル化ダイズ油、メチル化ナタネ油、メチル化シードオイル、エチル化ナタネ油、メチル化キャノーラ油等)も含まれる。
中でも、トール油、トール油脂肪酸、トール油脂肪酸メチルエステル、メチル化ダイズ油、メチル化シードオイル、メチル化ナタネ油及びエチル化ナタネ油が好ましい。
また、植物油は、先に述べたシリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレン系界面活性剤、多価アルコール系界面活性剤や後に述べるパラフィン類と混合して使用することができる。中でも、シリコーン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンジメチルシロキサン、ヒドロキシプロピルヘプタメチルトリシロキサン、ポリオキシエチレン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、N,N-Bis2-オメガ-ヒドロキシポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル多価アルコール系界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。
【0036】
植物油の具体例としては、トール油(商品名Prime Oil(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとパラフィン油との混合物);WinField社製)、トール油脂肪酸(商品名ADwet90(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとジエチレングリコールとの混合物);Simplot社製)、トール油脂肪酸メチルエステル(商品名Entry(N,N-Bis2-オメガ-ヒドロキシポリオキシエチレンアルキルアミンとの混合物);Simplot社製)、メチル化ナタネ油(商品名Tipo;Belchim社製)、精製ダイズ油(商品名Soy Oil Spray;UNITED SUPPLIERS社製)、メチル化ダイズ油(商品名Destiny、商品名DestinyHC(ソルビタン脂肪酸エステルと異性化糖との混合物;WinField社製)、メチル化シードオイル(商品名Dyne-Amic(ポリオキシエチレンジメチルシロキサンとの混合物);Helena Chemical社製)、エチル化ナタネ油とメチル化ナタネ油との混合物(商品名SYL-TAC(ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルとヒドロキシプロピルヘプタメチルトリシロキサン)との混合物;Wilbur-Ellis社製)、メチル化キャノーラ油(商品名Persist Ultra(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとの混合物);Simplot社製)等が挙げられる。
中でも、トール油(商品名Prime Oil(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとパラフィン油との混合物);WinField社製)、トール油脂肪酸(商品名ADwet90(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとジエチレングリコールとの混合物);Simplot社製)、トール油脂肪酸メチルエステル(商品名Entry(N,N-Bis2-オメガ-ヒドロキシポリオキシエチレンアルキルアミンとの混合物);Simplot社製)、メチル化ダイズ油(商品名Destiny、商品名DestinyHC(ソルビタン脂肪酸エステルと異性化糖との混合物;WinField社製)、メチル化シードオイル(商品名Dyne-Amic(ポリオキシエチレンジメチルシロキサンとの混合物);Helena Chemical社製)またはエチル化ナタネ油とメチル化ナタネ油との混合物(商品名SYL-TAC(ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルとヒドロキシプロピルヘプタメチルトリシロキサンとの混合物);Wilbur-Ellis社製)、メチル化キャノーラ油(商品名Persist Ultra(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとの混合物);Simplot社製)が好ましい。
【0037】
(b)パラフィン類としては、パラフィン、石油、鉱物油、パラフィンベース石油、パラフィンベース鉱物油、パラフィン油、マシン油、スピンドル油、ナフサ、流動パラフィン、ケロシン等が挙げられる。
中でも、パラフィンベース石油、パラフィンベース鉱物油またはパラフィン油が好ましい。
【0038】
パラフィン類の具体例としては、パラフィンベース石油(商品名Agridex(多価アルコール脂肪酸エステルと多価アルコールポリエチレンオキサイド脂肪酸エステルとの混合物);Bayer社製)、パラフィンベース鉱物油(商品名Assist(界面活性剤との混合物);BASF社製)、パラフィン油(商品名Prime Oil(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとトール油との混合物);WinField社製)、パラフィン(商品名ペタンV;アグロカネショウ社製)、マシン油(商品名ラビサンスプレー;日本曹達社製)等が挙げられる。
中でも、パラフィンベース石油(商品名Agridex(多価アルコール脂肪酸エステルと多価アルコールポリエチレンオキサイド脂肪酸エステルとの混合物);Bayer社製)、パラフィンベース鉱物油(商品名Assist(界面活性剤との混合物);BASF社製)またはパラフィン油(商品名Prime Oil(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルとトール油との混合物);WinField社製)が好ましい。
【0039】
さらに、本発明では、ノニオン系界面活性剤とパラフィン類との混合物も使用できる。当該態様の具体例としては、パラフィンベース石油、多価アルコール脂肪酸エステルと多価アルコールポリエチレンオキサイド脂肪酸エステルとの混合物(商品名Agridex;Bayer社製)等が挙げられる。
【0040】
(b)樹脂類としては、アルキド樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
中でも、アルキド樹脂が好ましい。
【0041】
樹脂類の具体例としては、フタル酸変性グリセロールアルキド樹脂(商品名Latron B-1956;Simplot社製)、酢酸ビニル樹脂エマルジョン(商品名ビニブラン1035F;日信化学工業社製)、アクリル樹脂(商品名ビニブランADH7102;日信化学工業社製)等が挙げられる。
中でも、フタル酸変性グリセロールアルキド樹脂(商品名Latron B-1956;Simplot社製)が好ましい。
【0042】
(b)テルペン類としては、α-ピネン、β-ピネン、β-ピネンポリマー、ピネン(ジテルペン)ポリマー、ピネン(ポリテルペン)ポリマー、ジ-1-メンテン、リモネン等が挙げられる。
中でも、β-ピネンポリマー、ピネン(ジテルペン)ポリマーまたはピネン(ポリテルペン)ポリマーが好ましい。
【0043】
テルペンの具体例としては、β-ピネンポリマー(商品名SURFIX;Helena社製)、ピネン(ジテルペン)ポリマー(商品名NU FILM 17(炭化水素樹脂とペトロラタムポリアルキルオキシ化合物との混合物);Miller社製)、ピネン(ポリテルペン)ポリマー(商品名NU FILM P(ポリアルキルオキシ化合物との混合物);Miller社製)、ジ-1-メンテン(商品名LASTICK;Helena社製)等が挙げられる。
中でも、β-ピネンポリマー(商品名SURFIX;Helena社製)、ピネン(ジテルペン)ポリマー(商品名NU FILM 17(炭化水素樹脂とペトロラタムポリアルキルオキシ化合物との混合物);Miller社製)またはピネン(ポリテルペン)ポリマー(商品名NU FILM P(ポリアルキルオキシ化合物との混合物);Miller社製)が好ましい。
【0044】
(b)成分としては、好ましくは、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、植物油、パラフィン類、樹脂類及びテルペン類からなる群から選択され、その具体例としては、シリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレン系界面活性剤、多価アルコール系界面活性剤、アルカノールアミド系界面活性剤、硫酸エステル系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、エトキシ化脂肪族アミン系界面活性剤、植物油、パラフィン類、アルキド樹脂及びテルペン類が挙げられる。
中でも、ノニオン系界面活性剤、植物油及びパラフィン類がより好ましい。
【0045】
好ましい(b)成分の具体例としては、ポリエーテルシロキサン、ポリエーテルトリシロキサン、ポリオキシエチレンジメチルシロキサン、ヒドロキシプロピルヘプタメチルトリシロキサン、ポリアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサン、ポリアルキレンオキサイド変性ヘプタメチルトリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリエーテルポリメチルシロキサンコポリマー、シロキサンポリアルキレンオキサイドコポリマー、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、多価アルコールポリエチレンオキサイド脂肪酸エステル、エタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N-Bis2-オメガ-ヒドロキシポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、トール油、トール油脂肪酸、トール油脂肪酸メチルエステル、メチル化ダイズ油、メチル化ナタネ油、エチル化ナタネ油、メチル化シードオイル、メチル化キャノーラ油、パラフィンベース石油、パラフィンベース鉱物油、パラフィン油、フタル酸変性グリセロールアルキド樹脂、β-ピネンポリマー、ピネン(ジテルペン)ポリマー及びピネン(ポリテルペン)ポリマーからなる群から選択される1種以上が挙げられ、
より好ましい(b)成分の具体例としては、多価アルコール脂肪酸エステル、多価アルコールポリエチレンオキサイド脂肪酸エステル、エタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸エステル、ポリエーテルトリシロキサン、ポリオキシエチレンジメチルシロキサン、ポリアルキレンオキサイド変性ポリメチルシロキサン、ヒドロキシプロピルヘプタメチルトリシロキサン、ポリアルキレンオキサイド変性ヘプタメチルトリシロキサン、ポリエーテルポリメチルシロキサンコポリマー、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノール、シロキサンポリアルキレンオキサイドコポリマー、アルキルアリールポリオキシアルケンエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、トール油、メチル化ダイズ油、メチル化シードオイル、メチル化キャノーラ油、パラフィンベース石油、パラフィンベース鉱物油及びパラフィン油からなる群から選択される1種以上が挙げられる。
【0046】
本発明の増強方法は、各種の植物病害の防除に有効である。
例えば、マグナポルテ菌によるいもち病、コクリオボラス菌によるごま葉枯病、リゾクトニア菌による紋枯病等のイネの病害;エリシフェ菌によるうどんこ病、フザリウム菌による赤かび病、パクシニア菌によるさび病、ピシウム菌による褐色雪腐病、ウスチラゴ菌による裸黒穂病、シュードサーコスポラ菌による眼紋病、セプトリア菌による葉枯病又はふ枯病等のムギ類の病害;ファエオスフェリア菌による斑点病、パクシニア菌によるさび病、セトファエリア菌によるすす紋病、コクリオボラス菌によるごま葉枯病、ピシウム菌による根腐病、ウスチラゴ菌による黒穂病等のトウモロコシの病害;ウスチラゴ菌による黒穂病、スタゴノスポラ菌による葉焼病、パクシニア菌によるさび病、ジベレラ菌による梢頭腐敗病、カルダリオミセス菌によるすす病、シュードサーコスポラ菌による葉枯病等のサトウキビの病害等のイネ科作物の病害;
オイディウム菌によるうどんこ病、ファコスポラ菌によるさび病、ペロノスポラ菌によるべと病、フィトフトラ菌による疫病、コレトトリカム菌による炭そ病、スクレロティニア菌による菌核病、ボトリティス菌による灰色かび病等のマメ科作物の病害;
ペロノスポラ菌によるべと病、アルタナリア菌による黒斑病等のアブラナ科作物の病害;
ブレミア菌によるべと病、フィトフトラ菌による疫病、ボトリティス菌による灰色かび病、スクレロティニア菌による菌核病、アエシジウム菌によるさび病等のキク科作物の病害;
アルタナリア菌による輪紋病、フルビア菌による葉かび病、フィトフトラ菌による疫病、ボトリティス菌による灰色かび病、オイディウム菌によるうどんこ病等のトマトの病害;アルタナリア菌による夏疫病、フィトフトラ菌による疫病、スクレロティニア菌による菌核病等のバレイショの病害等のナス科作物の病害;
コレトトリカム菌による炭そ病、スファエロテカ菌によるうどんこ病、ディディメラ菌によるつる枯病、シュードペロノスポラ菌によるべと病、フィトフトラ菌による疫病、コリネスポラ菌による褐斑病等のウリ科作物の病害;
ペロノスポラ菌によるべと病、フィトフトラ菌による疫病、ボトリティス菌による灰色かび病、スクレロティニア菌による菌核病、パクシニア菌によるさび病等のネギ科作物の病害;
アルタナリア菌による黒葉枯病又は黒斑病、ボトリティス菌による灰色かび病、スクレロティニア菌による菌核病、エリシフェ菌によるうどんこ病、サーコスポラ菌による斑点病等のセリ科作物の病害;
ボトリティス菌による葉枯病、フィトフトラ菌による疫病、ホモプシス菌による茎枯病等のユリ科作物の病害;
ペロノスポラ菌によるべと病、エリシフェ菌によるうどんこ病、リゾクトニア菌による立枯病等のタデ科作物の病害;
フザリウム菌によるつる割病、セラトシスティス菌による黒斑病、ストレプトマイセス菌による立枯病等のヒルガオ科作物の病害;
ペロノスポラ菌によるべと病、フィトフトラ菌による疫病、ボトリティス菌による灰色かび病、スクレロティニア菌による菌核病、オイディウム菌によるうどんこ病、サーコスポラ菌による褐斑病等のアカザ科作物の病害;
エルシノエ菌による黒とう病、コレトトリカム菌による晩腐病、エリシフェ菌によるうどんこ病、プラズモパラ菌によるべと病、ボトリティス菌による灰色かび病、シュードサーコスポラ菌による褐斑病、ディアポルテ菌による枝膨病等のブドウ科作物の病害;
スファエロテカ菌によるうどんこ病、ボトリティス菌による灰色かび病、グロメレラ菌による炭そ病等のイチゴの病害;モニリニア菌によるモニリア病、ポドスファエラ菌によるうどんこ病、アルタナリア菌による斑点落葉病、ヴェンチュリア菌による黒星病、グロメレラ菌による炭そ病、ディプロカーポン菌による褐斑病、ボトリオスファエリア菌による輪紋病、チゴフィアラ菌によるすす点病、グロエオデス菌によるすす斑病、ミコスファエレラ菌による黒点病等のリンゴの病害;ヴェンチュリア菌による黒星病、アルタナリア菌による黒斑病、フィラクチニア菌によるうどんこ病、フィトフトラ菌による疫病等のナシ類の病害;モニリニア菌による灰星病、クラドスポリウム菌による黒星病、ホモプシス菌によるホモプシス腐敗病等のモモの病害等のバラ科作物の病害;
ディアポルテ菌による黒点病、エルシノエ菌によるそうか病等のミカン科作物の病害;
グロエオスポリウム菌による炭そ病、サーコスポラ菌による落葉病、フィラクティニア菌によるうどんこ病、チゴフィアラ菌によるすす点病等のカキノキ科作物の病害;
コレトトリカム菌による炭そ病、ペスタロオチオプシス菌による輪斑病、シュードモナス菌による赤焼病、カメリア菌によるもち病等のツバキ科作物の病害;
などの植物病害の防除に有効である。
十分な治療効果や浸達効果等が得られるという点から、上記の植物病害のうち、好ましくはうどんこ病、より好ましくは内部寄生性うどんこ病、特に好ましくは、スファエロテカ菌、オイディウム菌またはフィラクチニア菌によるうどんこ病の防除に有効である。
また、フザリウム菌による赤かび病、コレトトリカム菌による炭そ病、チレチア菌によるなまぐさ黒穂病、ウスチラゴ菌による裸黒穂病、セファロスポリウム菌による条斑病、セプトリア菌によるふ枯病等のムギ類の病害;ビポラリス菌によるごま葉枯病、コレトトリカム菌による炭そ病、フザリウム菌による苗立枯病等のトウモロコシの病害;グロメレラ菌による赤腐病、セラトシスチス菌による黒腐病、スクレロスポラ菌によるべと病等のサトウキビの病害等のイネ科作物の病害;
サーコスポラ菌による紫斑病、ペロノスポラ菌によるべと病、フザリウム菌による立枯病、セプトリア菌による褐紋病、ディアポルテ菌による黒点病、コレトトリカム菌による炭そ病、セプトグロエウム菌によるねむり病等のダイズの病害等のマメ科作物の病害;
アルタナリア ブラシカエ菌による黒斑病、アルタナリア ブラシコラ菌による黒すす病、ペロノスポラ菌によるべと病、シュードモナス菌による黒斑細菌病、ザントモナス菌による黒腐病、フォーマ菌による根朽病等のキャベツの病害;アルタナリア菌による黒斑病、フザリウム菌による萎黄病、ザントモナス菌による黒腐病等のダイコンの病害;アルタナリア菌による黒斑病、ザントモナス菌による黒腐病、バーティシリウム菌による黄化病等のハクサイの病害等のアブラナ科作物の病害;
アルタナリア菌による輪紋病、クラビバクター菌によるかいよう病、ザントモナス菌による斑点細菌病等のトマトの病害;アルタナリア菌による褐斑病、ホモプシス菌による褐紋病等のナスの病害;ストレプトマイセス菌によるそうか病、ヘルミントスポリウム菌による銀か病、スポンゴスポラ菌による粉状そうか病等のバレイショの病害等ナス科作物の病害;
アルタナリア菌による黒斑病、シュードモナス菌による斑点細菌病、ザントモナス菌による褐斑細菌病等のキュウリの病害等のウリ科作物の病害;
アルタナリア菌による黒斑病、ボトリチス菌による灰色腐敗病又は菌糸性腐敗病、フザリウム菌による乾腐病、ペロノスポラ菌によるべと病等のタマネギの病害等のネギ科作物の病害;
アルタナリア菌による黒葉枯病又は黒斑病、ザントモナス菌による斑点細菌病;セルリーの、セプトリア菌による葉枯病、スクレロティニア菌による菌核病、シュードモナス菌による葉枯細菌病等のニンジンの病害等のセリ科作物の病害;
ペロノスポラ菌によるべと病、フザリウム菌による萎凋病、コレトトリカム菌による炭そ病等のホウレンソウの病害等のアカザ科作物の病害;
などの種子伝染性病害にも有効である。
さらに、フザリウム菌、ピシウム菌、リゾクトニア菌、バーティシリウム菌、プラズモディオホーラ菌、チエラビオプシス菌などの植物病原菌によって引き起こされる土壌病害の防除にも有効である。
【0047】
本発明により各種植物病原菌から保護できる植物としては、農業上有用なものであれば特に制限はなく、例えば、イネ科作物(イネ、コムギ、オオムギ、エンバク、ライムギ、トウモロコシ、サトウキビ等)、マメ科作物(ダイズ、インゲンマメ、アズキ等)、アブラナ科作物(キャベツ、ハクサイ、ダイコン、カブ、ブロッコリー、カリフラワー、ナバナ、セイヨウアブラナ等)、キク科作物(レタス、ゴボウ、シュンギク等)、ナス科作物(バレイショ、ナス、トマト、ピーマン、タバコ等)、ウリ科作物(キュウリ、カボチャ、メロン、スイカ等)、ネギ科作物(ネギ、ニラ、ラッキョウ、ニンニク等)、セリ科作物(セルリー、ニンジン、パセリ等)、ユリ科作物(ユリ、チューリップ、アスパラガス等)、タデ科(ソバ等)、ヒルガオ科(サツマイモ等)、アカザ科作物(ホウレンソウ、テンサイ等)、ブドウ科作物(ブドウ等)、バラ科作物(バラ、イチゴ、リンゴ、ナシ、モモ、ビワ、アーモンド等)、ミカン科作物(ミカン、レモン、オレンジ等)、カキノキ科作物(カキ等)、ツバキ科作物(チャ等)、モクセイ科作物(オリーブ、ジャスミン等)、アオイ科作物(ワタ、カカオ、オクラ等)、バショウ科作物(バナナ等)、ショウガ科作物(ショウガ等)、アカネ科作物(コーヒーノキ等)又はパイナップル科作物(パイナップル、アナナス等)が挙げられる。これらの中でも、ナス科作物またはウリ科作物が好ましく、中でもキュウリまたはピーマンが特に好ましい。
【0048】
本発明の(a)成分及び(b)成分は、本発明の目的に適合する限り、そのまま使用しても良く、一方の成分を他方の成分に添加して使用しても良い。また、従来の農薬製剤と同様に、各種補助剤と混合して粉剤、粒剤、顆粒水和剤、水和剤、水性懸濁剤、油性懸濁剤、水溶剤、乳剤、液剤、ペースト剤、エアゾール剤、微量散布剤等の通常の当該分野で用いられているあらゆる製剤形態に製剤して使用しても良い。
製剤調製に際しては、本発明の(a)成分及び(b)成分を一緒に混合し製剤調製しても、これらを別々に製剤調製しても良い。
【0049】
製剤に使用する補助剤としては、珪藻土、消石灰、炭酸カルシウム、タルク、ホワイトカーボン、カオリン、ベントナイト、カオリナイト及びセリサイトの混合物、クレー、炭酸ナトリウム、重曹、芒硝、ゼオライト、澱粉等の固形担体;水、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ジオキサン、アセトン、イソホロン、メチルイソブチルケトン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、アルコール等の溶剤等が挙げられる。これら補助剤は本発明の目的から逸脱しない限り、当該分野で知られたものの中から選んで用いることができる。また、増量剤、増粘剤、沈降防止剤、凍結防止剤、分散安定剤、薬害軽減剤、防黴剤等通常使用される各種補助剤も使用することができる。本発明の(a)成分及び(b)成分の総量に対する各種補助剤の配合比は、重量比で一般に0.005:99.995~95:5、望ましくは0.2:99.8~90:10である。これら製剤の実際の使用に際しては、そのまま使用するか、又は水等の希釈剤で所定濃度に希釈し、必要に応じて各種展着剤を添加して使用することができる。
【0050】
また、本発明において、他の農薬、例えば殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤、抗ウイルス剤、誘引剤、除草剤、植物成長調製剤、微生物製剤等をさらに併用することもでき、この場合には一層優れた効果を示すことがある。
【0051】
上記他の農薬中の、殺菌剤の有効成分化合物(一般名又は日本植物防疫協会試験コード)としては、例えば、下記の化合物群から適宜選択することができる。特に記載がない場合であっても、これら化合物に、塩、アルキルエステル、光学異性体のような各種構造異性体などが存在する場合は、当然それらも含まれる。
メパニピリム(mepanipyrim)、ピリメサニル(pyrimethanil)、シプロジニル(cyprodinil)のようなアニリノピリミジン系化合物;
フルアジナム(fluazinam)のようなピリジナミン系化合物;
5-クロロ-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジンのようなトリアゾロピリミジン系化合物;
トリアジメホン(triadimefon)、ビテルタノール(bitertanol)、トリフルミゾール(triflumizole)、エタコナゾール(etaconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、ペンコナゾール(penconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、マイクロブタニル(myclobutanil)、シプロコナゾール(cyproconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、ファーコナゾールシス(furconazole-cis)、プロクロラズ(prochloraz)、メトコナゾール(metconazole)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、テトラコナゾール(tetraconazole)、オキスポコナゾールフマル酸塩(oxpoconazole fumarate)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、トリアジメノール(triadimenol)、フルトリアホール(flutriafol)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、ジニコナゾール(diniconazole)、トリシクラゾール(tricyclazole)、プロベナゾール(probenazole)、シメコナゾール(simeconazole)、ペフラゾエート(pefurazoate)、イプコナゾール(ipconazole)、イミベンコナゾール(imibenconazole)、アザコナゾール(azaconazole)、トリチコナゾール(triticonazole)、イマザリル(imazalil)、イプフェントリフルコナゾール(ipfentrifluconazole)、メフェントリフルコナゾール(mefentrifluconazole)のようなアゾール系化合物;
キノメチオネート(quinomethionate)のようなキノキサリン系化合物;
マンネブ(maneb)、ジネブ(zineb)、マンゼブ(mancozeb)、ポリカーバメート(polycarbamate)、メチラム(metiram)、プロピネブ(propineb)、チラム(thiram)のようなジチオカーバメート系化合物;
フサライド(fthalide)、クロロタロニル(chlorothalonil)、キントゼン(quintozene)のような有機塩素系化合物;
ベノミル(benomyl)、カーベンダジム(carbendazim)、チアベンダゾール(thiabendazole)、フベリアゾール(fuberiazole)のようなイミダゾール系化合物;
シモキサニル(cymoxanil)のようなシアノアセトアミド系化合物;
メタラキシル(metalaxyl)、メタラキシル-M(metalaxyl-M;別名メフェノキサム(mefenoxam))、オキサジキシル(oxadixyl)、オフレース(ofurace)、ベナラキシル(benalaxyl)、ベナラキシル-M(benalaxyl-M;別名キララキシル(kiralaxyl、chiralaxyl))、フララキシル(furalaxyl)、シプロフラム(cyprofuram)、カルボキシン(carboxin)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)、チフルザミド(thifluzamide)、ボスカリド(boscalid)、ビキサフェン(bixafen)、イソチアニル(isotianil)、チアジニル(tiadinil)、セダキサン(sedaxane)、ピラジフルミド(pyraziflumid)のようなアニリド系化合物;
ジクロフルアニド(dichlofluanid)のようなスルファミド系化合物;
水酸化第二銅(cupric hydroxide)、有機銅(oxine copper)、無水硫酸銅、ノニルフェノールスルホン酸銅、8-ヒドロキシキノリン銅、ドデシルベンゼンスルホン酸ビスエチレンジアミン銅錯塩(II)、(別名DBEDC)のような銅系化合物;
ホセチルアルミニウム(fosetyl-Aluminium)、トルクロホスメチル(tolclofos-methyl)、エジフェンホス(edifenphos)、イプロベンホス(iprobenfos)のような有機リン系化合物;
キャプタン(captan)、キャプタホル(captafol)、フォルペット(folpet)のようなフタルイミド系化合物;
プロシミドン(procymidone)、イプロジオン(iprodione)、ビンクロゾリン(vinclozolin)のようなジカルボキシイミド系化合物;
フルトラニル(flutolanil)、メプロニル(mepronil)、ベノダニル(benodanil)のようなベンズアニリド系化合物;
ペンチオピラド(penthiopyrad)、ペンフルフェン(penflufen)、フラメトピル(furametpyr)、イソピラザム(isopyrazam)、シルチオファム(silthiopham)、フェノキサニル(fenoxanil)、フェンフラム(fenfuram)、フルキサピロキサド(fluxapyroxad)、ベンゾビンジフルピル(benzovindiflupyr)、ピジフルメトフェン(pydiflumetofen)のようなアミド系化合物;
フルオピラム(fluopyram)、ゾキサミド(zoxamide)のようなベンズアミド系化合物;
イソフェタミド(isofetamid)のようなチオフェンアミド系化合物;
トリホリン(triforine)のようなピペラジン系化合物;
ピリフェノックス(pyrifenox)、ピリソキサゾール(pyrisoxazole)のようなピリジン系化合物;
フェナリモル(fenarimol)、ヌアリモール(nuarimol)のようなカルビノール系化合物;
フェンプロピディン(fenpropidin)のようなピペリジン系化合物;
フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、トリデモルフ(tridemorph)のようなモルホリン系化合物;
フェンチンヒドロキシド(fentin hydroxide)、フェンチンアセテート(fentin acetate)のような有機スズ系化合物;
ペンシキュロン(pencycuron)のような尿素系化合物;
ジメトモルフ(dimethomorph)、フルモルフ(flumorph)、ピリモルフ(pyrimorph)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、ベンチアバリカルブ-イソプロピル(benthiavalicarb-isopropyl)、バリフェナレート(valifenalate)、マンジプロパミド(mandipropamid)のようなカルボン酸アミド系化合物;
ジエトフェンカルブ(diethofencarb)のようなフェニルカーバメート系化合物;
フルジオキソニル(fludioxonil)、フェンピクロニル(fenpiclonil)のようなシアノピロール系化合物;
アゾキシストロビン(azoxystrobin)、クレソキシムメチル(kresoxim-methyl)、メトミノストロビン(metominostrobin)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、オリザストロビン(oryzastrobin)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)、エネストロブリン(Enestroburin)、ピラオキシストロビン(Pyraoxystrobin)、ピラメトストロビン(Pyrametostrobin)、クモキシストロビン(coumoxystrobin)、エノキサストロビン(enoxastrobin)、フェナミンストロビン(fenaminstrobin)、フルフェノキシストロビン(flufenoxystrobin)、トリクロピリカルブ(triclopyricarb)、マンデストロビン(mandestrobin)のようなストロビルリン系化合物;
ファモキサドン(famoxadone)のようなオキサゾリジノン系化合物;
エタボキサム(ethaboxam)のようなチアゾールカルボキサミド系化合物;
フェナミドン(fenamidone)のようなイミダゾリノン系化合物;
フェンヘキサミド(fenhexamid)のようなハイドロキシアニリド系化合物;
フルスルファミド(flusulfamide)、アミスルブロム(amisulbrom)、シアゾファミド(cyazofamiid)のようなスルホンアミド系化合物;
シフルフェナミド(cyflufenamid)のようなオキシムエーテル系化合物;
ジチアノン(dithianon)のようなアントラキノン系化合物;
メプチルジノキャップ(meptyldinocap)のようなクロトン酸系化合物;
バリダマイシン(validamycin)、カスガマイシン(kasugamycin)、ポリオキシン(polyoxins)、フェンピコキサミド(fenpicoxamid)のような抗生物質;
イミノクタジン(iminoctadine)、ドディン(dodine)のようなグアニジン系化合物;
テブフロキン(tebufloquin)、キノキシフェン(quinoxyfen)、キノフメリン(quinofumelin)のようなキノリン系化合物;
フルチアニル(flutianil)のようなチアゾリジン系化合物;
プロパモカルブ塩酸塩(propamocarb hydrochloride)、ピリベンカルブ(pyribencarb)、トルプロカルブ(tolprocarb)、ピカルブトラゾクス(picarbutrazox)のようなカーバメート系化合物
硫黄(Sulfur)、石灰硫黄剤のような硫黄系化合物;
その他の化合物として、イソプロチオラン(isoprothiolane)、ピロキロン(pyroquilon)、ジクロメジン(diclomezine)、クロルピクリン(chloropicrin)、ダゾメット(dazomet)、メタムナトリウム塩(metam-sodium)、ニコビフェン(nicobifen)、ジクロシメット(diclocymet)、プロキンアジド(proquinazid)、フルオピコリド(fluopicolide)、カルプロパミド(carpropamid)、フェリムゾン(ferimzone)、スピロキサミン(spiroxamine)、フェンピラザミン(fenpyrazamine)、アメトクトラジン(ametoctradin)、オキサチアピプロリン(oxathiapiprolin)、ジピメチトロン(dipymetitrone)、アシベンゾラルSメチル(acibenzolar-s-methyl)、ジクロベンチアゾクス(dichlobentiazox)、SB-4303、BAF-1107、MIF-1002、KUF-1411、BAF-1120、BAF-1510、BAF-1511、NF-180、S-2399、SYJ-259、AKD-5195、BYF-1303、S-2367、S-2190、BAF-1401、KF-37、KYIF-1402などが挙げられる。
微生物殺菌剤として、Bacillus amyloliqefaciens strain QST713、Bacillus amyloliqefaciens strain FZB24、Bacillus amyloliqefaciens strain MBI600、Bacillus amyloliqefaciens strain D747、Pseudomonas fluorescens、Bacillus subtilis、Trichoderma atroviride SKT-1などが挙げられる。
植物抽出物として、ティーツリー油(Tea tree oil)などが挙げられる。
【0052】
上記他の農薬中の、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤または殺土壌害虫剤、すなわち殺害虫剤の有効成分化合物(一般名又は日本植物防疫協会試験コード)としては、例えば、下記の化合物群から適宜選択することができる。特に記載がない場合であっても、これら化合物に、塩、アルキルエステル、光学異性体のような各種構造異性体などが存在する場合は、当然それらも含まれる。
プロフェノホス(profenofos)、ジクロルボス(dichlorvos)、フェナミホス(fenamiphos)、フェニトロチオン(fenitrothion)、EPN((RS)-(O-ethyl O-4-nitrophenyl phenylphosphonothioate))、ダイアジノン(diazinon)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、クロルピリホスメチル(chlorpyrifos-methyl)、アセフェート(acephate)、プロチオホス(prothiofos)、ホスチアゼート(fosthiazate)、カズサホス(cadusafos)、ジスルホトン(disulfoton)、イソキサチオン(isoxathion)、イソフェンホス(isofenphos)、エチオン(ethion)、エトリムホス(etrimfos)、キナルホス(quinalphos)、ジメチルビンホス(dimethylvinphos)、ジメトエート(dimethoate)、スルプロホス(sulprofos)、チオメトン(thiometon)、バミドチオン(vamidothion)、ピラクロホス(pyraclofos)、ピリダフェンチオン(pyridaphenthion)、ピリミホスメチル(pirimiphos-methyl)、プロパホス(propaphos)、ホサロン(phosalone)、ホルモチオン(formothion)、マラチオン(malathion)、テトラクロルビンホス(tetrachlorvinphos)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、シアノホス(cyanophos)、トリクロルホン(trichlorfon)、メチダチオン(methidathion)、フェントエート(phenthoate)、オキシデプロホス(oxydeprofos;別名ESP)、アジンホスメチル(azinphos-methyl)、フェンチオン(fenthion)、ヘプテノホス(heptenophos)、メトキシクロル(methoxychlor)、パラチオン(parathion)、ホスホカルブ(phosphocarb)、デメトン-S-メチル(demeton-S-methyl)、モノクロトホス(monocrotophos)、メタミドホス(methamidophos)、イミシアホス(imicyafos)、パラチオン-メチル(parathion-methyl)、テルブホス(terbufos)、ホスファミドン(phosphamidon)、ホスメット(phosmet)、ホレート(phorate)のような有機リン酸エステル系化合物;
カルバリル(carbaryl)、プロポキスル(propoxur)、アルジカルブ(aldicarb)、カルボフラン(carbofuran)、チオジカルブ(thiodicarb)、メソミル(methomyl)、オキサミル(oxamyl)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、ピリミカルブ(pirimicarb)、フェノブカルブ(fenobucarb)、カルボスルファン(carbosulfan)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、ベンダイオカルブ(bendiocarb)、フラチオカルブ(furathiocarb)、イソプロカルブ(isoprocarb)、メトルカルブ(metolcarb)、キシリルカルブ(xylylcarb)、XMC(3,5-xylyl methylcarbamate)、フェノチオカルブ(fenothiocarb)のようなカーバメート系化合物;
カルタップ(cartap)、チオシクラム(thiocyclam)、シュウ酸水素チオシクラム(thiocyclam oxalate)、チオシクラム塩酸塩(thiocyclam hydrochloride)、ベンスルタップ(bensultap)、チオスルタップ(thiosultap)、モノスルタップ(monosultap;別名チオスルタップモノナトリウム(thiosultap-monosodium))、ビスルタップ(bisultap;別名チオスルタップジナトリウム(thiosultap-disodium))、ポリチアラン(polythialan)のようなネライストキシン誘導体;
酸化フェンブタスズ(fenbutatin oxide)、シヘキサチン(cyhexatin)のような有機金属系化合物;
フェンバレレート(fenvalerate)、ペルメトリン(permethrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、アルファ-シペルメトリン(alpha-cypermethrin)、ゼータ-シペルメトリン(zeta-cypermethrin)、シータ-シペルメトリン(theta-cypermethrin)、ベータ-シペルメトリン(beta-cypermethrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、ガンマ-シハロトリン(gamma-cyhalothrin)、ラムダ-シハロトリン(lambda-cyhalothrin)、テフルトリン(tefluthrin)、カッパ-テフルトリン(kappa-tefluthrin)、エトフェンプロックス(ethofenprox)、フルフェンプロックス(flufenprox)、シフルトリン(cyfluthrin)、ベータ-シフルトリン(beta-cyfluthrin)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルバリネート(fluvalinate)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、ピレスリン(pyrethrins)、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、テトラメスリン(tetramethrin)、レスメスリン(resmethrin)、プロトリフェンブト(protrifenbute)、ビフェントリン(bifenthrin)、カッパ-ビフェントリン(kappa-bifenthrin)、アクリナトリン(acrinathrin)、アレスリン(allethrin)、タウ-フルバリネート(tau-fluvalinate)、トラロメスリン(tralomethrin)、プロフルトリン(profluthrin)、メトフルトリン(metofluthrin)、イプシロンメトフルトリン(epsilon-metofluthrin)、ヘプタフルトリン(heptafluthrin)、フェノトリン(phenothrin)、フルメトリン(flumethrin)、モムフルオロトリン(momfluorothrin)、イプシロンモムフルオロトリン(epsilon-momfluorothrin)、シラフルオフェン(silafluofen)、クロロパレトリン(chloroprallethrin)のようなピレスロイド系化合物;
ジフルベンズロン(diflubenzuron)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、トリフルムロン(triflumuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ビストリフルロン(bistrifluron)、ノビフルムロン(noviflumuron)、フルアズロン(fluazuron)のようなベンゾイルウレア系化合物;
メトプレン(methoprene)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、ジオフェノラン(diofenolan)のような幼若ホルモン様化合物;
ピリダベン(pyridaben)のようなピリダジノン系化合物;
フェンピロキシメート(fenpyroximate)、フィプロニル(fipronil)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、エチプロール(ethiprole)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、アセトプロール(acetoprole)、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリプロール(pyriprole)、シエノピラフェン(cyenopyrafen)、ピフルブミド(pyflubumide)、フルフィプロール(flufiprole)のようなピラゾール系化合物;
イミダクロプリド(imidacloprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、アセタミプリド(acetamiprid)、チアクロプリド(thiacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、クロチアニジン(clothianidin)、ニジノテフラン(nidinotefuran)、ジノテフラン(dinotefuran)、ニチアジン(nithiazine)のようなネオニコチノイド系化合物;
テブフェノジド(tebufenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、クロマフェノジド(chromafenozide)、ハロフェノジド(halofenozide)のようなヒドラジン系化合物;
ピリダリル(pyridalyl)、フロニカミド(flonicamid)のようなピリジン系化合物;
スピロディクロフェン(spirodiclofen)、スピロメシフェン(spiromesifen)、スピロテトラマト(spirotetramat)のような環状ケトエノール系化合物;
フルアクリピリム(fluacrypyrim)、ピリミノストロビン(pyriminostrobin)のようなストロビルリン系化合物;
フルフェネリム(flufenerim)、ピリミジフェン(pyrimidifen)のようなピリミジナミン系化合物;
マラチオン(malathion)のような有機硫黄化合物;
シロマジン(cyromazine)のようなトリアジン系化合物;
ヒドラメチルノン(hydramethylnon)のようなヒドラゾン系化合物;
フルベンジアミド(flubendiamide)、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、シアントラニリプロール(cyantraniliprole)、シクラニリプロール(cyclaniliprole)、テトラニリプロール(tetraniliprole)、ブロフラニリド(broflanilide)、シハロジアミド(cyhalodiamide)のようなジアミド系化合物;
ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、クロロメチウロン(chloromethiuron)のようなチオウレア系化合物;
アミトラズ(amitraz)、クロルジメホルム(chlordimeform)、クロロメブホルム(chloromebuform)のようなホルムアミジン系化合物;
フルピラジフロン(flupyradifurone)のようなブテノライド系化合物;
また、その他の化合物として、ブプロフェジン(buprofezin)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、トリアザメート(triazamate)、ピメトロジン(pymetrozine)、クロルフェナピル(chlorfenapyr)、インドキサカルブ(indoxacarb)、アセキノシル(acequinocyl)、エトキサゾール(etoxazole)、1,3-ジクロロプロペン(1,3-dichloropropene)、ベンクロチアズ(benclothiaz)、ビフェナゼート(bifenazate)、プロパルギット(propargite)、クロフェンテジン(clofentezine)、メタフルミゾン(metaflumizone)、シフルメトフェン(cyflumetofen)、ピリフルキナゾン(pyrifluquinazone)、フェナザキン(fenazaquin)、アミドフルメト(amidoflumet)、スルフルラミド(sulfluramid)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon)、メタルデヒド(metaldehyde)、スルホキサフロル(sulfoxaflor)、フルエンスルホン(fluensulfone)、ベルブチン(verbutin)、ジクロロメゾチアズ(dicloromezotiaz)、トリフルメゾピリム(triflumezopyrim)、フルヘキサホン(fluhexafon)、チオキサザフェン(tioxazafen)、アフィドピロペン(afidopyropen)、フロメトキン(flometoquin)、フルアザインドリジン(fluazaindolizine)、フルキサメタミド(fluxametamide)が挙げられる。
更に、Bacillus thuringiensis aizawai、Bacillus thuringiensis kurstaki、Bacillus thuringiensis israelensis、Bacillus thuringiensis japonensis、Bacillus thuringiensis tenebrionis又はBacillus thuringiensisが生成する結晶タンパク毒素、昆虫病原ウイルス剤、昆虫病原糸状菌剤、線虫病原糸状菌剤などのような微生物農薬;
アベルメクチン(avermectin)、エマメクチンベンゾエート(emamectin Benzoate)、ミルベメクチン(milbemectin)、ミルベマイシン(milbemycin)、スピノサド(spinosad)、イベルメクチン(ivermectin)、レピメクチン(lepimectin)、アバメクチン(abamectin)、エマメクチン(emamectin)、スピネトラム(spinetoram)のような抗生物質または半合成抗生物質;
アザディラクチン(azadirachtin)、ロテノン(rotenone)、リアノジン(ryanodine)のような天然物;
ディート(deet)のような忌避剤などと混用、併用することもできる。
【0053】
本発明における種々の製剤、又はその希釈物の施用は、通常一般に行なわれている施用方法、すなわち、散布(例えば散布、噴霧、ミスティング、アトマイジング、散粒、水面施用等)、土壌施用(混和、灌注等)、表面施用(塗布、粉衣、塗沫、被覆等)、種子処理等により行うことができる。また、いわゆる超高濃度少量散布法(ultra low volume)により施用することもできる。この方法においては、活性成分を100%含有することが可能である。
【0054】
本発明の有効成分である(a)成分と(b)成分の施用量は、対象植物、処理方法、製剤形態、処理量、処理時期等の条件の違いによって異なるので、一概に規定できない。例えば、植物の茎葉処理の場合、1ヘクタールあたり、本発明の有効成分の合計が、通常5g~10000g、好ましくは10g~5000g、さらに好ましくは100g~2500gである。種子処理の場合、種子重量100kgに対し、本発明の有効成分の施用量の合計が、通常1g~2000g、好ましくは1g~1000g、さらに好ましくは1g~500gである。土壌への施用の場合、1ヘクタールあたり、本発明の有効成分の施用量の合計が、通常5g~10000g、好ましくは10g~5000g、さらに好ましくは100g~1000gである。
【0055】
本発明の有効成分の濃度は、対象植物、処理方法、製剤形態、処理量、処理時期等の条件の違いによって異なるので、一概に規定できないが、例えば、植物の茎葉又は土壌へ施用する場合、通常0.01ppm~100000ppm、好ましくは0.1ppm~10000ppm、さらに好ましくは1ppm~1000ppmである。種子処理の場合、通常0.25~500g/種子100kg、好ましくは10~200g/種子100kgである。
【0056】
(a)成分と(b)成分との重量比は、特に制限されるものではなく、植物の種類、施用場面、施用方法に応じて、相対的に広い範囲にわたり変えることができる。(a)成分と(b)成分との重量比は通常1:10000~10000:1、好ましくは1:5000~500:1、さらに好ましくは1:500~50:1である。
【0057】
本発明の望ましい態様を以下に記載する。
(1) アリールフェニルケトン系殺菌剤である(a)成分とともに、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、植物油、パラフィン類、樹脂類及びテルペン類からなる群から選択される少なくとも1種の(b)成分を使用することを特徴とする、アリールフェニルケトン系殺菌剤の植物病害の防除効果を増強する方法。
(2) (a)成分が、ピリオフェノン及びメトラフェノンからなる群から選択される少なくとも1種である、(1)に記載の方法。
(3) (a)成分が、ピリオフェノンである、(1)に記載の方法。
(4) (a)成分が、メトラフェノンである、(1)に記載の方法。
(5) (b)成分が、ノニオン系界面活性剤、パラフィン類及び植物油からなる群から選択される少なくとも1種の成分である、(1)~(4)に記載の方法。
(6) (b)成分が、ノニオン系界面活性剤である、(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(7) 当該ノニオン系界面活性剤が、シリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレン系界面活性剤、多価アルコール系界面活性剤及びアルカノールアミド系界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種である、(1)~(6)のいずれかに記載の方法。
(8) 当該ノニオン系界面活性剤が、シリコーン系界面活性剤である、(1)~(7)のいずれかに記載の方法。
(9) (b)成分が、シリコーン系界面活性剤である、(1)~(7)のいずれかに記載の方法。
(10) (b)成分が、シリコーン系界面活性剤及びポリオキシエチレン系界面活性剤である、(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(11) (b)成分が、シリコーン系界面活性剤及び植物油である、(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(12) (b)成分が、ポリオキシエチレン系界面活性剤及び植物油である、(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(13) (b)成分が、シリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレン系界面活性剤及び植物油である、(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(14) (b)成分が、ポリオキシエチレン系界面活性剤、植物油及びパラフィン類である、(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(15) (b)成分が、ポリオキシエチレン系界面活性剤、植物油及びスルホン酸系界面活性剤である、(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(16) (b)成分が、多価アルコール系界面活性剤である、(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(17) (b)成分が、多価アルコール系界面活性剤及び植物油である、(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(18) (b)成分が、多価アルコール系界面活性剤及びパラフィン類である、(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(19) 当該アニオン系界面活性剤が、硫酸エステル系界面活性剤及びリン酸エステル系界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種である、(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(20) 上記アニオン系界面活性剤が、硫酸エステル系界面活性剤及びリン酸エステル系界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種である、(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(21) (b)成分が、リン酸エステル系界面活性剤である、(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(22) (b)成分が、硫酸エステル系界面活性剤及びアルカノールアミド系界面活性剤である、(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(23) 上記カチオン系界面活性剤が、エトキシル化脂肪族アミン系界面活性剤、ジアルキルアンモニウム塩系界面活性剤及びアルキルアンモニウム塩系界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種である、(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(24) 上記カチオン系界面活性剤が、エトキシル化脂肪族アミン系界面活性剤、ジアルキルアンモニウム塩系界面活性剤及びアルキルアンモニウム塩系界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種である、(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(25) (b)成分が、植物油である、(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(26) 上記植物油が、トール油、トール油脂肪酸、トール油脂肪酸メチルエステル、ヤシ油、ダイズ油、メチル化ダイズ油、ナタネ油、メチル化ナタネ油及びエチル化ナタネ油から選択される少なくとも1種である、(1)~(4)又は(25)のいずれかに記載の方法。
(27) (b)成分が、パラフィン類である、(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(28) (a)成分と(b)成分との混合重量比が1:5000~500:1である、(1)~(27)のいずれかに記載の方法。
(29) (a)成分がピリオフェノンであり、(a)成分と(b)成分との混合重量比が15:1~1:400である、(1)~(3)、(5)~(27)のいずれかに記載の方法。
(30) (a)成分がメトラフェノンであり、(a)成分と(b)成分との混合重量比が50:1~1:150である、(1)、(2)、(4)~(27)のいずれかに記載の方法。
【0058】
(31) アリールフェニルケトン系殺菌剤である(a)成分とともに、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、植物油、パラフィン類、樹脂類及びテルペン類からなる群から選択される少なくとも1種の(b)成分を植物又は植物の栽培土壌に施用することを特徴とする植物病害の防除方法。
(32) (a)成分が、ピリオフェノン及びメトラフェノンからなる群から選択される少なくとも1種である、(31)に記載の方法。
(33) (a)成分が、ピリオフェノンである、(31)に記載の方法。
(34) (a)成分が、メトラフェノンである、(31)に記載の方法。
(35) (b)成分が、ノニオン系界面活性剤、パラフィン類及び植物油からなる群から選択される少なくとも1種の成分である、(31)~(34)のいずれかに記載の方法。
(36) (b)成分が、ノニオン系界面活性剤である、(31)~(34)のいずれかに記載の方法。
(37) 上記ノニオン系界面活性剤が、シリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレン系界面活性剤、多価アルコール系界面活性剤及びアルカノールアミド系界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種である、(31)~(34)のいずれかに記載の方法。
(38) 上記ノニオン系界面活性剤が、シリコーン系界面活性剤である、(31)~(34)のいずれかに記載の方法。
(39) (b)成分が、シリコーン系界面活性剤である、(31)~(34)のいずれかに記載の方法。
(40) (b)成分が、シリコーン系界面活性剤及びポリオキシエチレン系界面活性剤である、(32)~(35)のいずれかに記載の方法。
(41) (b)成分が、シリコーン系界面活性剤及び植物油である、(31)~(34)のいずれかに記載の方法。
(42) (b)成分が、ポリオキシエチレン系界面活性剤及び植物油である、(31)~(34)のいずれかに記載の方法。
(43) (b)成分が、シリコーン系界面活性剤、ポリオキシエチレン系界面活性剤及び植物油である、(31)~(34)のいずれかに記載の方法。
(44) (b)成分が、ポリオキシエチレン系界面活性剤、植物油及びパラフィン類である、(31)~(34)のいずれかに記載の方法。
(45) (b)成分が、ポリオキシエチレン系界面活性剤、植物油及びスルホン酸系界面活性剤である、(31)~(34)のいずれかに記載の方法。
(46) (b)成分が、多価アルコール系界面活性剤である、(31)~(34)のいずれかに記載の方法。
(47) (b)が、多価アルコール系界面活性剤及び植物油である、(31)~(34)のいずれかに記載の方法。
(48) (b)が、多価アルコール系界面活性剤及びパラフィン類である、(31)~(34)のいずれかに記載の方法。
(49) 上記アニオン系界面活性剤が、硫酸エステル系界面活性剤及びリン酸エステル系界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種である、(31)~(34)のいずれかに記載の方法。
(50) 上記カチオン系界面活性剤が、エトキシル化脂肪族アミン系界面活性剤、ジアルキルアンモニウム塩系界面活性剤及びアルキルアンモニウム塩系界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種である、(31)又は(35)に記載の方法。
(51) 上記カチオン系界面活性剤が、エトキシル化脂肪族アミン系界面活性剤、ジアルキルアンモニウム塩系界面活性剤及びアルキルアンモニウム塩系界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種である、(31)~(34)のいずれかに記載の方法。
(52) (b)成分が、植物油である、(31)~(34)のいずれかに記載の方法。
(53) 上記植物油が、トール油、トール油脂肪酸、トール油脂肪酸メチルエステル、ヤシ油、ダイズ油、メチル化ダイズ油、ナタネ油、メチル化ナタネ油及びエチル化ナタネ油からなる群から選択される少なくとも1種である(31)~(34)又は(52)のいずれかに記載の方法。
(54) (b)成分が、パラフィン類である、(31)~(34)のいずれかに記載の方法。

(55) (a)成分と(b)成分との混合重量比が1:5000~500:1である、(31)~(34)のいずれかに記載の方法。
(56) (a)成分がピリオフェノンであり、(a)成分と(b)成分との混合重量比が15:1~1:400である、(31)~(33)、(35)~(54)のいずれかに記載の方法。
(57) (a)成分がメトラフェノンであり、(a)成分と(b)成分との混合重量比が50:1~1:150である、(31)、(32)、(34)~(54)のいずれかに記載の方法。
(58)保護する作物がキュウリである、(1)~(57)のいずれかに記載の方法。
(59)保護する作物がピーマンである、(1)~(57)のいずれかに記載の方法。
(60)植物病害がうどんこ病である、(1)~(59)のいずれかに記載の方法。
【実施例
【0059】
次に本発明に係わる試験例を記載するが、これは本発明を限定するものではない。
【0060】
試験例1(キュウリうどんこ病・治療効果・温度別試験)
直径7.5cmのポリ鉢でキュウリ(品種:相模半白節成)を栽培し、1.5葉期に達した時にキュウリうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea)の分生子懸濁液を葉表に噴霧接種し、20℃及び28℃室内、照明下で3日間育苗後、ピリオフェノンの散布液を調製し(投下薬量90g ai/ha、散布液量800L/ha)、スプレーガンにて葉表に散布した。薬液乾燥後、20℃及び28℃室内、照明下で6日間育苗した。1葉目葉表の病斑面積率を調査し、下記の式から防除価を算出した。
防除価=(1-a/b)×100
a:処理区の病斑面積率、b:無処理区の病斑面積率
【0061】
【表1】
【0062】
このように、(b)成分がない場合、アリールフェニルケトン系殺菌剤は温度が低い場合には温度が高いときと比べて、防除価が低下する場合がある。しかし、以下の試験例のように(b)成分を加えることにより、温度が低い場合であってもアリールフェニルケトン系殺菌剤の植物病害の防除効果を増強させることができる。
試験例2(キュウリうどんこ病・治療効果試験)
直径7.5cmのポリ鉢でキュウリ(品種:相模半白節成)を栽培し、1.5葉期に達した時にキュウリうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea)の分生子懸濁液を葉表に噴霧接種し、20℃室内、照明下で3日間育苗後、各使用製品を含む水溶液(0.5v/v%)で、ピリオフェノンの散布液を調製し(投下薬量90g ai/ha、散布液量800L/ha)、スプレーガンにて葉表に散布した。薬液乾燥後、20℃室内、照明下で6日間育苗した。1葉目葉表の病斑面積率を調査し、下記の式から防除価を算出した。表中、無加用とは、(b)成分を加えずに上記の処理が行なわれたものである(以下、同様)。
防除価=(1-a/b)×100
a:処理区の病斑面積率、b:無処理区の病斑面積率
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】
試験例3(キュウリうどんこ病・治療効果試験)
直径7.5cmのポリ鉢でキュウリ(品種:相模半白節成)を栽培し、1.5葉期に達した時にキュウリうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea)の分生子懸濁液を葉表に噴霧接種し、20℃室内、照明下で3日間育苗後、各使用製品を含む水溶液(0.05~0.25v/v%)で、ピリオフェノンの散布液を調製し(投下薬量90g ai/ha、散布液量800L/ha)、スプレーガンにて葉表に散布した。薬液乾燥後、20℃室内、照明下で6日間育苗した。1葉目の病斑面積率を調査し、下記の式から防除価を算出した。
防除価=(1-a/b)×100
a:処理区の病斑面積率、b:無処理区の病斑面積率
【0066】
【表4】
【0067】
試験例4(キュウリうどんこ病・治療効果試験)
直径7.5cmのポリ鉢でキュウリ(品種:相模半白節成)を栽培し、1.5葉期に達した時にキュウリうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea)の分生子懸濁液を葉表に噴霧接種し、20℃室内、照明下で3日間育苗後、各使用製品を含む水溶液(0.025~0.25v/v%)で、ピリオフェノンの散布液を調製し(投下薬量90g ai/ha、散布液量800L/ha)、スプレーガンにて葉表に散布した。薬液乾燥後、温室内にて4日間育苗した後、20℃室内、照明下で5日間育苗した。1葉目の病斑面積率を調査し、下記の式から防除価を算出した。
防除価=(1-a/b)×100
a:処理区の病斑面積率、b:無処理区の病斑面積率
【0068】
【表5】
【0069】
試験例5(キュウリうどんこ病・治療効果試験)
直径7.5cmのポリ鉢でキュウリ(品種:相模半白節成)を栽培し、1.5葉期に達した時にキュウリうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea)の分生子懸濁液を葉表に噴霧接種し、20℃室内、照明下で3日間育苗後、各使用製品を含む水溶液(0.025~4.0v/v%)で、ピリオフェノン(薬量90g ai/ha)またはメトラフェノン(300g ai/ha)の散布液を調製し(散布液量800L/ha)、スプレーガンにて葉表に散布した。薬液乾燥後、20℃室内、照明下で7日間育苗した。1葉目の病斑面積率を調査し、下記の式から防除価を算出した。
防除価=(1-a/b)×100
a:処理区の病斑面積率、b:無処理区の病斑面積率
【0070】
【表6】
【0071】
試験例6(キュウリうどんこ病・治療効果試験)
直径7.5cmのポリ鉢でキュウリ(品種:相模半白節成)を栽培し、1.5葉期に達した時にキュウリうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea)の分生子懸濁液を葉表に噴霧接種し、20℃室内、照明下で3日間育苗後、使用製品を含む水溶液(0.01~5.0v/v%)で、ピリオフェノン(薬量90g ai/ha)またはメトラフェノン(300g ai/ha)の散布液を調製し(散布液量800L/ha)、スプレーガンにて葉表に散布した。薬液乾燥後、20℃室内、照明下で6日間育苗した。1葉目の病斑面積率を調査し、下記の式から防除価を算出した。
防除価=(1-a/b)×100
a:処理区の病斑面積率、b:無処理区の病斑面積率
【0072】
【表7】
【0073】
試験例7(キュウリうどんこ病・治療効果試験)
直径7.5cmのポリ鉢でキュウリ(品種:相模半白節成)を栽培し、1.5葉期に達した時にキュウリうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea)の分生子懸濁液を葉表に噴霧接種し、20℃室内、照明下で3日間育苗後、使用製品を含む水溶液(0.02~0.07v/v%)で、ピリオフェノン(薬量90g ai/ha)またはメトラフェノン(300g ai/ha)の散布液を調製し(散布液量800L/ha)、スプレーガンにて葉表に散布した。薬液乾燥後、20℃室内、照明下で5日間育苗した。1葉目の病斑面積率を調査し、下記の式から防除価を算出した。
防除価=(1-a/b)×100
a:処理区の病斑面積率、b:無処理区の病斑面積率
【0074】
【表8】
【0075】
試験例8(キュウリうどんこ病・治療効果試験)
直径7.5cmのポリ鉢でキュウリ(品種:相模半白節成)を栽培し、1.5葉期に達した時にキュウリうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea)の分生子懸濁液を葉表に噴霧接種し、20℃室内、照明下で3日間育苗後、各使用製品を含む水溶液(0.001~5.0v/v%)で、ピリオフェノン(薬量90g ai/ha)もしくはメトラフェノン(300g ai/ha)の散布液を調製し(散布液量800L/ha)、スプレーガンにて葉表に散布した。薬液乾燥後、20℃室内、照明下で7日間育苗した。1葉目の病斑面積率を調査し、下記の式から防除価を算出した。
防除価=(1-a/b)×100
a:処理区の病斑面積率、b:無処理区の病斑面積率
【0076】
【表9】
【0077】
試験例9(キュウリうどんこ病・治療効果試験)
直径7.5cmのポリ鉢でキュウリ(品種:相模半白節成)を栽培し、1.5葉期に達した時にキュウリうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea)の分生子懸濁液を葉表に噴霧接種し、20℃室内、照明下で3日間育苗後、各使用製品を含む水溶液(0.005~1.0v/v%)で、ピリオフェノン(薬量90g ai/ha)またはメトラフェノン(300g ai/ha)の散布液を調製し(散布液量800L/ha)、スプレーガンにて葉表に散布した。薬液乾燥後、20℃室内、照明下で7日間育苗した。1葉目の病斑面積率を調査し、下記の式から防除価を算出した。
防除価=(1-a/b)×100
a:処理区の病斑面積率、b:無処理区の病斑面積率
【0078】
【表10】
【0079】
試験例10(キュウリうどんこ病・浸達性試験)
直径7.5cmのポリ鉢でキュウリ(品種:相模半白節成)を栽培し、1.5葉期に達した時に、各使用製品を含む水溶液(0.015~4.0v/v%)で、ピリオフェノン(薬量90g ai/ha)の散布液を調製し(散布液量800L/ha)、スプレーガンにて葉表に散布した。薬液乾燥後、20℃室内照明下で4日間育苗し、キュウリうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea)の分生子懸濁液を葉裏に噴霧接種し、20℃室内、照明下で8日間育苗した。1葉目の葉裏の病斑面積率を調査し、下記の式から防除価を算出した。
防除価=(1-a/b)×100
a:処理区の病斑面積率、b:無処理区の病斑面積率
【0080】
【表11】
【0081】
試験例11(ピーマンうどんこ病・治療効果試験)
直径7.5cmのポリ鉢でピーマン(品種:京波)を栽培し、8.5葉期に達した時にピーマンうどんこ病菌(Oidiopsis sicula Scalia)の分生子を振り掛け接種し、温室内、照明下で3日間育苗後、各使用製品を含む水溶液(0.07~4.0v/v%)で、ピリオフェノン(薬量90、110gai/ha)の散布液を調製し(散布液量600L/ha)、スプレーガンにて葉表に散布した。薬液乾燥後、温室内、照明下で17日間育苗した後、下位葉から上位8葉を葉ごとに下記指数にて調査し発病度を算出した。また、発病度より防除価を算出した。
調査指数:
0:胞子形成なし
1:葉裏に10%未満の病斑形成(胞子、柄足細胞、分生子生産細胞)が認められる
2:葉裏に10%~25%の病斑形成(胞子、柄足細胞、分生子生産細胞)が認められる
3:葉裏に26%~50%の病斑形成(胞子、柄足細胞、分生子生産細胞)が認められる
4:葉裏に51%~75%の病斑形成(胞子、柄足細胞、分生子生産細胞)が認められる
5:葉裏に76%~100%の病斑形成(胞子、柄足細胞、分生子生産細胞)が認められる
発病度={Σ(程度別発病葉数×指数)}×100/(発病葉数×5)
防除価=(1-a/b)×100
a:処理区の発病度、b:無処理区の発病度
【0082】
【表12】
【0083】
試験例12(キュウリうどんこ病・治療効果試験)
直径7.5cmのポリ鉢でキュウリ(品種:相模半白節成)を栽培し、1.5葉期に達した時にキュウリうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea)の分生子懸濁液を葉表に噴霧接種し、20℃室内、照明下で4日間育苗後、各製品を含む水溶液(0.015~0.5v/v%)で、ピリオフェノン(薬量90g ai/ha)の散布液を調製し(散布液量800L/ha)、スプレーガンにて葉表に散布した。薬液乾燥後、20℃室内、照明下で6日間育苗した。1葉目の病斑面積率を調査し、下記の式から防除価を算出した。
防除価=(1-a/b)×100
a:処理区の病斑面積率、b:無処理区の病斑面積率
【0084】
【表13】
【0085】
試験例13(キュウリうどんこ病・浸達性試験)
直径7.5cmのポリ鉢でキュウリ(品種:相模半白節成)を栽培し、1.5葉期に達した時に、各製品を含む水溶液(0.015~1.0v/v%)で、ピリオフェノン(薬量90g ai/ha)の散布液を調製し(散布液量800L/ha)、スプレーガンにて葉表に散布した。薬液乾燥後、20℃室内照明下で3日間育苗し、キュウリうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea)の分生子懸濁液を葉裏に噴霧接種し、20℃室内、照明下で7日間育苗した。1葉目の葉裏の病斑面積率を調査し、下記の式から防除価を算出した。
防除価=(1-a/b)×100
a:処理区の病斑面積率、b:無処理区の病斑面積率
【0086】
【表14】
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明の植物病害防除効果の増強方法は、植物病害に対して安定した高い防除効果を奏するので、植物病害の防除に有用である。
なお、2016年4月15日に出願された日本特許出願2016-81693号の明細書、特許請求の範囲、図面、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。