(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-15
(45)【発行日】2023-05-23
(54)【発明の名称】監視システム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/222 20060101AFI20230516BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20230516BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20230516BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
H04N5/222 100
G03B15/00 P
G03B15/00 S
G03B17/56 A
H04N7/18 D
(21)【出願番号】P 2018170485
(22)【出願日】2018-09-12
【審査請求日】2021-05-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】工藤 祐将
【審査官】吉川 康男
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-189681(JP,A)
【文献】特開平11-242787(JP,A)
【文献】実開昭55-173681(JP,U)
【文献】特開2002-241094(JP,A)
【文献】特開平07-254096(JP,A)
【文献】特開平04-207781(JP,A)
【文献】特表2016-524375(JP,A)
【文献】特開2002-350970(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222
G03B 15/00
G03B 17/56
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
火災の発生を感知する火災感知器と、
カメラと、
前記カメラを支持し、前記カメラを第1位置に配置する支持装置と、
を備え、
前記支持装置は、前記火災感知器が火災の発生を感知すると、前記第1位置より低い第2位置に前記カメラを配置し、
前記カメラは、前記第2位置に配置されると床に接触
し、
前記第2位置に配置された前記カメラは、前記支持装置に支持されなくなる監視システム。
【請求項2】
前記カメラは、前記第1位置に配置されると部屋の特定の範囲を撮影し、
前記支持装置は、前記部屋の天井に設けられた請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記支持装置は、
前記カメラが連結された長尺部材と、
前記長尺部材が巻き付けられたリールと、
前記リールの回転を規制するための規制部材と、
を備え、
前記火災感知器が火災の発生を感知すると、前記規制部材による規制が解除され、前記長尺部材が前記リールから送り出されることによって前記カメラが下降する請求項1
又は請求項
2に記載の監視システム。
【請求項4】
前記規制部材による規制が解除されると、前記カメラは、自重によって下降する請求項
3に記載の監視システム。
【請求項5】
火災の発生を感知した前記火災感知器からの情報に基づいて、火災が発生した区画を特定する特定手段と、
下降制御手段と、
を備え、
複数の前記カメラが備えられ、
前記複数のカメラのそれぞれに対して前記支持装置が備えられ、
前記下降制御手段は、前記複数のカメラのうち、前記特定手段によって特定された区画に存在するカメラを前記第2位置に下降させる請求項1から請求項
4の何れか一項に記載の監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カメラを備えた監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、防犯カメラシステムが記載されている。特許文献1に記載されたシステムは、カメラ、ライト、及びセンサを備える。センサによって異常が検出されると、ライトによって監視エリアが照らされ、カメラによってそのエリアが撮影される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建物で火災が発生すると、煙が天井付近に滞留する。このため、天井付近にカメラが設置されていると、火災発生時にカメラによる撮影が困難になるといった問題があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされた。この発明の目的は、火災が発生して煙が天井付近に滞留してもカメラによる撮影が可能な監視システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る監視システムは、火災の発生を感知する火災感知器と、カメラと、カメラを支持し、カメラを第1位置に配置する支持装置と、を備える。支持装置は、火災感知器が火災の発生を感知すると、第1位置より低い第2位置にカメラを配置する。カメラは、第2位置に配置されると床に接触する。第2位置に配置されたカメラは、支持装置に支持されなくなる。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る監視システムであれば、火災が発生して煙が天井付近に滞留してもカメラによる撮影が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1における監視システムの例を示す図である。
【
図2】実施の形態1における監視システムの例を示す図である。
【
図3】第2位置に配置されたカメラの例を示す図である。
【
図4】実施の形態1における監視システムの他の例を示す図である。
【
図5】第2位置に配置されたカメラの他の例を示す図である。
【
図6】実施の形態1における監視システムの他の例を示す図である。
【
図7】実施の形態2における監視システムの例を示す図である。
【
図8】監視装置のハードウェア資源の例を示す図である。
【
図9】監視装置のハードウェア資源の他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付の図面を参照し、本発明を説明する。重複する説明は、適宜簡略化或いは省略する。各図において、同一の符号は同一の部分又は相当する部分を示す。
【0010】
実施の形態1.
図1及び
図2は、実施の形態1における監視システムの例を示す図である。
図1は、ある部屋Aに監視システムが備えられた例を示す。監視システムは、例えば火災感知器1、カメラ2、及び支持装置3を備える。
図2では、支持装置3を断面で示している。
【0011】
火災感知器1は、火災の発生を感知する。火災感知器1が火災の発生を感知する方法は、如何なる方法でも良い。例えば、火災感知器1は、温度に基づいて火災の発生を感知する。火災感知器1は、温度変化に基づいて火災の発生を感知しても良い。火災感知器1は、煙に基づいて火災の発生を感知しても良い。
【0012】
カメラ2は、例えば監視用のカメラである。カメラ2は、例えばディスプレイ4及びレコーダ5に接続される。カメラ2によって撮影された映像は、ディスプレイ4に表示される。ディスプレイ4は、例えば管理室に設けられる。管理室にいる監視員がディスプレイ4を見て、部屋Aを監視する。また、カメラ2によって撮影された映像は、レコーダ5に記憶される。例えば、監視員は、特定の操作を行うことにより、レコーダ5に記憶された映像を後からディスプレイ4に表示させることができる。
【0013】
支持装置3は、カメラ2を支持する。支持装置3は、例えば部屋Aの天井6に設けられる。基本的に、支持装置3は、天井6に近い第1位置にカメラ2を配置する。
図1及び
図2は、カメラ2が第1位置に配置された例を示す。カメラ2が第1位置に配置されていれば、カメラ2によって部屋Aの特定の範囲が撮影される。
【0014】
支持装置3は、天井6から離れた第2位置にカメラ2を配置することが可能である。第2位置は、第1位置より低い位置である。支持装置3は、火災感知器1が火災の発生を感知すると、カメラ2を第2位置に配置する。以下に、支持装置3が有する機能について具体的に説明する。
【0015】
支持装置3は、例えば支持部材10、及び規制部材20を備える。支持部材10は、伸縮自在である。支持部材10の先端部に、カメラ2が連結される。
図2は、支持部材10が、第1部材11、第2部材12、第3部材13、及び第4部材14を備える例を示す。
【0016】
第1部材11は、例えば筒状である。第1部材11の下端部に、カメラ2を連結するための連結部11aが備えられる。第1部材11の上端部に、掛かり部11bが備えられる。掛かり部11bは、例えば円盤状である。掛かり部11bは、第1部材11の筒状の部分から外側に広がるように形成される。
【0017】
第2部材12は、例えば筒状である。第2部材12は、第1部材11の外側に配置される。第2部材12の下端部に、受け部12aが備えられる。受け部12aは、例えば円盤状である。受け部12aは、第2部材12の筒状の部分の内側に配置される。第2部材12の上端部に、掛かり部12bが備えられる。掛かり部12bは、例えば円盤状である。掛かり部12bは、第2部材12の筒状の部分から外側に広がるように形成される。
【0018】
第3部材13は、例えば筒状である。第3部材13は、第2部材12の外側に配置される。第3部材13の形状は、第2部材12の形状と同様である。第3部材13の下端部に受け部13aが備えられる。第3部材13の上端部に掛かり部13bが備えられる。
【0019】
第4部材14は、例えば筒状である。第4部材14は、第3部材13の外側に配置される。第4部材14の下端部に、受け部14aが備えられる。受け部14aは、例えば円盤状である。受け部14aは、第4部材14の筒状の部分の内側に配置される。第4部材14の上端部は、天井6に固定される。
【0020】
図2は、支持部材10が縮んだ状態を示す。規制部材20は、支持部材10の伸縮を規制し、支持部材10を縮んだ状態に保持する。規制部材20は、火災感知器1が火災の発生を感知すると、支持部材10の規制を解除する。
図2は、規制部材20が、棒状部21、及び保持部22を備える例を示す。
【0021】
例えば、棒状部21に、第1部材11、第2部材12、及び第3部材13が掛けられる。保持部22は、第4部材14に設けられる。保持部22は、棒状部21を、第1部材11、第2部材12、及び第3部材13が掛けられた状態で保持する。
【0022】
図2に示す例において、火災感知器1が火災の発生を感知すると、棒状部21がB方向に回転し、規制部材20による規制が解除される。規制部材20による規制が解除されると、支持部材10は伸長可能な状態になる。このため、支持部材10が伸びることによってカメラ2が下降する。
図2は、規制部材20による規制が解除されることにより、カメラ2が自重によって下降する例を示す。即ち、火災感知器1が火災の発生を感知すると、カメラ2は第2位置に配置される。
【0023】
図3は、第2位置に配置されたカメラ2の例を示す図である。
図3では、支持装置3を断面で示している。カメラ2が第2位置に配置されると、第4部材14の受け部14aに第3部材13の掛かり部13bが上方から接触し、第3部材13が第4部材14に支持される。第3部材13の受け部13aに第2部材12の掛かり部12bが上方から接触し、第2部材12が第3部材13に支持される。第2部材12の受け部12aに第1部材11の掛かり部11bが上方から接触し、第1部材11が第2部材12に支持される。
【0024】
建物で火災が発生すると、煙が部屋Aに進入する。煙は上方に移動するため、煙は部屋Aの天井6付近に滞留する。本実施の形態に示す例では、火災感知器1が火災の発生を感知すると、カメラ2が下降し、第2位置に配置される。即ち、天井6付近に滞留した煙の下方にカメラ2を配置することができる。このため、火災が発生した場合であっても、カメラ2によって部屋Aの状況を撮影することができる。例えば、管理室にいる監視員は、ディスプレイ4を見て、部屋Aに取り残されている人がいるか否かを確認できる。
【0025】
本実施の形態では、カメラ2が支持装置3を介して部屋Aの天井6に設けられる例を示した。これは一例である。カメラ2は、支持装置3を介して部屋Aの壁に設けられても良い。カメラ2は、支持装置3を介して廊下或いはロビーの天井に設けられても良い。
【0026】
本実施の形態では、火災感知器1が火災の発生を感知すると、カメラ2が自重で下降する例を示した。これは一例である。カメラ2の下降は電動制御されても良い。
【0027】
本実施の形態では、火災感知器1が火災の発生を感知すると、支持装置3がカメラ2を第2位置で支持する例について説明した。これは一例である。カメラ2が第2位置に配置されると、カメラ2が部屋Aの床に接触しても良い。即ち、第2位置に配置されたカメラ2は、支持装置3に支持されなくても良い。
【0028】
図1から
図3は、本システムが、カメラ2の撮影方向を設定する手段を更に備える例を示す。この設定手段は、第2位置に配置されたカメラ2の撮影方向を、第1位置に配置されたカメラ2の撮影方向より上向きに設定する。例えば、第1位置に配置されたカメラ2の撮影方向は、矢印Cで示される。第2位置に配置されたカメラ2の撮影方向は、矢印Dで示される。
図3に示すように、カメラ2は、第1位置から第2位置に配置されると、その撮影方向が角度θだけ上向きに設定される。
【0029】
例えば、本システムに、上記設定手段として、回転軸30、ばね31、位置決め部32、及び位置決め部33が備えられる。
【0030】
カメラ2は、回転軸30を介して支持部材10の連結部11aに連結される。回転軸30は、例えば水平に配置される。このため、カメラ2は、レンズ部2aが上下に移動するように、回転軸30を中心に変位する。ばね31は、カメラ2と支持部材10の第1部材11との間に設けられる。カメラ2は、レンズ部2aが上方に移動するようにばね31から力を受ける。
【0031】
位置決め部32は、支持部材10の伸縮が規制部材20によって規制されている時にカメラ2の位置を決めるための部材である。即ち、位置決め部32によって第1位置におけるカメラ2の姿勢(撮影方向)が決まる。
図2に示す例では、位置決め部32は、支持部材10の第4部材14に設けられる。位置決め部32は、第4部材14から下方に延びるように配置される。位置決め部32の下端がカメラ2に上方から接触することにより、第1位置におけるカメラ2の姿勢が決まる。
【0032】
位置決め部33は、規制部材20による規制が解除された時にカメラ2の位置を決めるための部材である。即ち、位置決め部33によって第2位置におけるカメラ2の姿勢(撮影方向)が決まる。
図2及び
図3に示す例では、位置決め部33は、支持部材10の第1部材11に設けられる。位置決め部33は、第1部材11の連結部11aから下方に突出するように配置される。位置決め部33の下端がカメラ2に上方から接触することにより、第2位置におけるカメラ2の姿勢が決まる。
【0033】
図4は、実施の形態1における監視システムの他の例を示す図である。
図4に示す例では、カメラ2の撮影方向を設定する手段が、
図2及び
図3に示す例と相違する。
図4に示す例では、第1部材11の代わりに、支持部材10に第5部材15及び第6部材16が備えられる。上記設定手段の機能は、第5部材15及び第6部材16によって実現される。
【0034】
第5部材15は、棒状である。第5部材15は、第2部材12の内側に配置される。第5部材15の下端部は、水平な回転軸を介してカメラ2に連結される。第5部材15の上端部に掛かり部15aが備えられる。
【0035】
第6部材16は、棒状である。第6部材16は、第2部材12の内側に配置される。第6部材16の下端部は、水平な回転軸を介してカメラ2に連結される。第6部材16は、第5部材15がカメラ2に連結される位置よりレンズ部2aに近い位置でカメラ2に連結される。第6部材16の上端部に掛かり部16aが備えられる。
【0036】
図4は、支持部材10が縮んだ状態を示す。
図4に示す例では、規制部材20の棒状部21に、第5部材15、第6部材16、第2部材12、及び第3部材13が掛けられる。保持部22は、棒状部21を、第5部材15、第6部材16、第2部材12、及び第3部材13が掛けられた状態で保持する。規制部材20によって支持部材10の伸縮が規制された状態では、
図2に示す例と同様に、カメラ2の撮影方向は矢印Cで示される。また、規制部材20によって支持部材10の伸縮が規制された状態では、第6部材16の掛かり部16aは、第5部材15の掛かり部15aより低い位置に配置される。
【0037】
図4に示す例において、火災感知器1が火災の発生を感知すると、棒状部21がB方向に回転し、規制部材20による規制が解除される。規制部材20による規制が解除されると、支持部材10は伸長可能な状態になる。このため、支持部材10が伸びることによってカメラ2が下降する。
図4は、規制部材20による規制が解除されることにより、カメラ2が自重によって下降する例を示す。即ち、火災感知器1が火災の発生を感知すると、カメラ2は第2位置に配置される。
【0038】
図5は、第2位置に配置されたカメラ2の他の例を示す図である。
図5では、支持装置3を断面で示している。カメラ2が第2位置に配置されると、第3部材13が第4部材14に支持され、第2部材12が第3部材13に支持される。また、第2部材12の受け部12aに第5部材15の掛かり部15aが上方から接触し、第5部材15が第2部材12に支持される。同様に、第2部材12の受け部12aに第6部材16の掛かり部16aが上方から接触し、第6部材16が第2部材12に支持される。
【0039】
カメラ2が第2位置に配置されると、
図5に示すように、第5部材15の掛かり部15aと第6部材16の掛かり部16aとは同じ高さに配置される。このため、カメラ2は、第6部材16の下端部に設けられた回転軸を中心に、レンズ部2aが上方に移動するように回転する。これにより、第2位置に配置されたカメラ2の撮影方向は、第1位置に配置されたカメラ2の撮影方向より上向きに設定される。第2位置に配置されたカメラ2の撮影方向は、矢印Dで示される。
図5に示すように、カメラ2は、第1位置から第2位置に配置されると、その撮影方向が角度θだけ上向きに設定される。
【0040】
図6は、実施の形態1における監視システムの他の例を示す図である。
図6に示す例では、カメラ2を支持する支持装置3が
図2及び
図3に示す例と相違する。支持装置3は、支持部材10、及び規制部材20を備える。また、
図6に示す例では、上記設定手段の機能が支持装置3によって実現される。
【0041】
図6に示す例では、支持部材10は、ロープ17、リール18、及びカバー19を備える。ロープ17は、長尺な部材の一例である。例えば、支持部材10は、ロープ17の代わりにチェーンを備えても良い。ロープ17の一端にカメラ2が連結される。リール18に、ロープ17が巻き付けられる。リール18は、例えば天井6を形成する部材に固定される。カメラ2は、ロープ17によって吊り下げられた状態で支持される。
図6は、3本のロープ17でカメラ2を支持する例を示す。カメラ2を支持するロープ17の本数は
図6に示す例に限定されない。カバー19は、ロープ17の周囲を覆うように配置される。
【0042】
規制部材20は、リール18の回転を規制する。
図6は、リール18の回転が規制部材20によって規制されることにより、カメラ2が第1位置に配置された状態を示す。第1位置に配置されたカメラ2の撮影方向は、矢印Cで示される。
【0043】
図6に示す例において、火災感知器1が火災の発生を感知すると、規制部材20による規制が解除される。規制部材20による規制が解除されると、リール18は回転可能な状態になる。このため、ロープ17がリール18から送り出されることによってカメラ2が下降する。
図6は、規制部材20による規制が解除されることにより、カメラ2が自重によって下降する例を示す。即ち、火災感知器1が火災の発生を感知すると、カメラ2は第2位置に配置される。
【0044】
また、
図6に示す例では、各ロープ17がリール18から送り出される長さを適切に調節することにより、第2位置に配置されたカメラ2の撮影方向を、第1位置に配置されたカメラ2の撮影方向より上向きに設定することができる。例えば、カメラ2は、第1位置から第2位置に配置されると、その撮影方向が角度θだけ上向きに設定される。
【0045】
実施の形態2.
図7は、実施の形態2における監視システムの例を示す図である。本実施の形態では、建物に複数の火災感知器1と複数のカメラ2とが備えられる例について説明する。支持装置3は、上記複数のカメラ2のそれぞれに対して備えられる。支持装置3については、実施の形態1で開示した何れの例が採用されても良い。
【0046】
図7は、建物の内部がn個の防火区画に分けられた例を示す。各区画に、複数の火災感知器1と複数のカメラ2とが備えられる。なお、建物内に、火災感知器1が1台しか備えられていない区画があっても良い。同様に、カメラ2が1台しか備えられていない区画があっても良い。
【0047】
本監視システムは、例えば、複数の火災感知器1、複数組のカメラ2及び支持装置3、監視装置40、ディスプレイ4、及びレコーダ5を備える。監視装置40、ディスプレイ4、及びレコーダ5は、例えば建物内の管理室に設けられる。
【0048】
各火災感知器1は、監視装置40に接続される。各火災感知器1は、火災の発生を感知すると、監視装置40に火災情報を送信する。火災情報には、火災感知器1を特定するための信号が含まれる。各カメラ2は、監視装置40に接続される。各支持装置3は、監視装置40に接続される。監視装置40は、例えば特定部41、及び下降制御部42を備える。
【0049】
特定部41は、火災感知器1からの火災情報に基づいて、火災が発生した区画を特定する。下降制御部42は、監視装置40に接続された上記複数のカメラ2のうち、特定部41によって特定された区画に存在するカメラ2を第2位置に配置させる。
【0050】
例えば、区画E3で火災が発生した場合を考える。かかる場合、区画E3に備えられた火災感知器1が火災の発生を感知する。火災の発生を感知した火災感知器1は、監視装置40に火災情報を送信する。特定部41は、受信した火災情報に基づいて、火災が発生した区画が区画E3であることを特定する。特定部41によって区画E3が特定されると、下降制御部42は、区画E3に存在するカメラ2が第2位置に配置されるように、対応の支持装置3に下降指令を送信する。即ち、下降制御部42は、区画E3のカメラ2を支持する支持装置3に下降指令を送信する。下降指令を受信した支持装置3では、規制部材20による規制が解除される。これにより、カメラ2が第2位置に配置される。
【0051】
符号41~42に示す各部は、監視装置40が有する機能を示す。
図8は、監視装置40のハードウェア資源の例を示す図である。監視装置40は、ハードウェア資源として、例えばプロセッサ51とメモリ52とを含む処理回路50を備える。監視装置40は、メモリ52に記憶されたプログラムをプロセッサ51によって実行することにより、符号41~42に示す各部の機能を実現する。
【0052】
図9は、監視装置40のハードウェア資源の他の例を示す図である。
図9に示す例では、監視装置40は、例えばプロセッサ51、メモリ52、及び専用ハードウェア53を含む処理回路50を備える。
図9は、監視装置40が有する機能の一部を専用ハードウェア53によって実現する例を示す。監視装置40が有する機能の全部を専用ハードウェア53によって実現しても良い。
【符号の説明】
【0053】
1 火災感知器、 2 カメラ、 2a レンズ部、 3 支持装置、 4 ディスプレイ、 5 レコーダ、 6 天井、 10 支持部材、 11 第1部材、 11a 連結部、 11b 掛かり部、 12 第2部材、 12a 受け部、 12b 掛かり部、 13 第3部材、 13a 受け部、 13b 掛かり部、 14 第4部材、 14a 受け部、 15 第5部材、 15a 掛かり部、 16 第6部材、 16a 掛かり部、 17 ロープ、 18 リール、 19 カバー、 20 規制部材、 21 棒状部、 22 保持部、 30 回転軸、 31 ばね、 32 位置決め部、 33 位置決め部、 40 監視装置、 41 特定部、 42 下降制御部、 50 処理回路、 51 プロセッサ、 52 メモリ、 53 専用ハードウェア