(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-15
(45)【発行日】2023-05-23
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示装置、表示制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G09G 5/02 20060101AFI20230516BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20230516BHJP
G09G 5/37 20060101ALI20230516BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20230516BHJP
【FI】
G09G5/02 B
G09G5/00 510H
G09G5/00 550C
G09G5/37 320
H04N23/60 500
(21)【出願番号】P 2019001886
(22)【出願日】2019-01-09
【審査請求日】2021-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】九蘭 武彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 秀弘
(72)【発明者】
【氏名】塩田 和則
(72)【発明者】
【氏名】今出 悦郎
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/179923(WO,A1)
【文献】特開2011-082965(JP,A)
【文献】特開平09-107484(JP,A)
【文献】特開平11-085952(JP,A)
【文献】特開2018-207497(JP,A)
【文献】特開2013-017218(JP,A)
【文献】国際公開第2014/175273(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/02
G09G 5/00
G09G 5/37
H04N 23/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に表示された映像の一部の領域を抽出領域として選択する操作が操作部に対して実行されたことを検出した場合、前記表示部に表示された映像のうち、選択された領域を抽出領域として設定する抽出領域設定部と、
前記抽出領域設定部が設定した前記抽出領域から色を抽出する色抽出部と、
前記色抽出部が抽出した抽出色に基づいて、色の範囲を選択する操作が前記操作部に対して実行されたことを検出した場合、選択された色の範囲を指定色の範囲として設定する色設定部と、
前記表示部に表示される映像に対して、前記色設定部で設定された前記指定色を残して、前記指定色の他の色は単色とする処理を実行するパートカラー処理部と、
前記パートカラー処理部によって処理された処理後映像データを前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記指定色の範囲に含まれる全ての画素について
前記色設定部が前記指定色を設定した際の各画素のRGB値の比率を基準の比率として記憶しておき、前記画素のRGB値の比率が前記基準の比率に対して変化した場合、RGB値の比率を前記基準の比率に近づける補正処理部と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記指定色の範囲は、彩度の範囲と色相の範囲とによって規定される、
請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示部に表示された映像のうち、パートカラー処理を実行する処理領域を選択する操作が前記操作部に対して実行されたことを検出した場合、選択された領域を処理領域として設定する処理領域設定部、
を備える請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の表示制御装置を備える表示装置であって、
映像を表示する表示部と、映像を記録する記憶部との少なくもどちらか一方をさらに備える表示装置。
【請求項5】
表示部に表示された映像の一部の領域を抽出領域として選択する操作が実行されたことを検出した場合、前記表示部に表示された映像のうち、選択された領域を抽出領域として設定する抽出領域設定ステップと、
前記抽出領域設定ステップによって設定された前記抽出領域から色を抽出する色抽出ステップと、
前記色抽出ステップによって抽出された抽出色に基づいて、色の範囲を選択する操作が実行されたことを検出した場合、選択された色の範囲を指定色の範囲として設定する色設定ステップと、
前記表示部に表示される映像に対して、前記色設定ステップによって設定された前記指定色を残して、前記指定色の他の色は単色とする処理を実行するパートカラー処理ステップと、
前記パートカラー処理ステップによって処理された処理後映像データを前記表示部に表示させる表示制御ステップと、
前記指定色の範囲に含まれる全ての画素について
前記色設定部が前記指定色を設定した際の各画素のRGB値の比率を基準の比率として記憶しておき、前記画素のRGB値の比率が前記基準の比率に対して変化した場合、RGB値の比率を前記基準の比率に近づける補正処理ステップと、
を含むことを特徴とする表示制御方法。
【請求項6】
表示部に表示された映像の一部の領域を抽出領域として選択する操作が実行されたことを検出した場合、前記表示部に表示された映像のうち、選択された領域を抽出領域として設定する抽出領域設定ステップと、
前記抽出領域設定ステップによって設定された前記抽出領域から色を抽出する色抽出ステップと、
前記色抽出ステップによって抽出された抽出色に基づいて、色の範囲を選択する操作が実行されたことを検出した場合、選択された色の範囲を指定色の範囲として設定する色設定ステップと、
前記表示部に表示される映像に対して、前記色設定ステップによって設定された前記指定色を残して、前記指定色の他の色は単色とする処理を実行するパートカラー処理ステップと、
前記パートカラー処理ステップによって処理された処理後映像データを前記表示部に表示させる表示制御ステップと、
前記指定色の範囲に含まれる全ての画素について
前記色設定部が前記指定色を設定した際の各画素のRGB値の比率を基準の比率として記憶しておき、前記画素のRGB値の比率が前記基準の比率に対して変化した場合、RGB値の比率を前記基準の比率に近づける補正処理ステップと、
を表示制御装置として動作するコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、表示制御装置、表示装置、表示制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像中の特定の色のみを残し、他の色をモノクロ表示する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術では、ユーザによる選択操作が促されている間、画像中の色を非単色で出力し、ユーザによる選択操作が終了した後、画像中の指定色の他の色を単色で出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ユーザがパートカラー処理で残す色を選択する画面において、残す色の部分の面積が小さい場合、または、残す色の近傍にその他の色が複数混在しているような場合、残す色を適切に選択することが難しいことがある。このように、パートカラー処理は、改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、パートカラー処理をより適切に実行可能な表示制御装置、表示装置、表示制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る表示制御装置は、表示部に表示された映像の一部の領域を抽出領域として選択する操作が操作部に対して実行されたことを検出した場合、前記表示部に表示された映像のうち、選択された領域を抽出領域として設定する抽出領域設定部と、前記抽出領域設定部が設定した前記抽出領域から色を抽出する色抽出部と、前記色抽出部が抽出した抽出色に基づいて、色の範囲を選択する操作が前記操作部に対して実行されたことを検出した場合、選択された色の範囲を指定色の範囲として設定する色設定部と、前記表示部に表示される映像に対して、前記色設定部で設定された指定色を残して、前記指定色の他の色は単色とする処理を実行するパートカラー処理部と、前記パートカラー処理部によって処理された処理後映像データを前記表示部に表示させる表示制御部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る表示装置は、上記の表示制御装置と、映像を表示する表示部と、映像を記録する記憶部との少なくもどちらかと、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る表示制御方法は、表示部に表示された映像の一部の領域を抽出領域として選択する操作が実行されたことを検出した場合、前記表示部に表示された映像のうち、選択された領域を抽出領域として設定する抽出領域設定ステップと、前記抽出領域設定ステップによって設定された前記抽出領域から色を抽出する色抽出ステップと、前記色抽出ステップによって抽出された抽出色に基づいて、色の範囲を選択する操作が実行されたことを検出した場合、選択された色の範囲を指定色の範囲として設定する色設定ステップと、前記表示部に表示される映像に対して、前記色設定ステップによって設定された指定色を残して、前記指定色の他の色は単色とする処理を実行するパートカラー処理ステップと、前記パートカラー処理ステップによって処理された処理後映像データを前記表示部に表示させる表示制御ステップと、を含む。
【0009】
本発明に係るプログラムは、表示部に表示された映像の一部の領域を抽出領域として選択する操作が実行されたことを検出した場合、前記表示部に表示された映像のうち、選択された領域を抽出領域として設定する抽出領域設定ステップと、前記抽出領域設定ステップによって設定された前記抽出領域から色を抽出する色抽出ステップと、前記色抽出ステップによって抽出された抽出色に基づいて、色の範囲を選択する操作が実行されたことを検出した場合、選択された色の範囲を指定色の範囲として設定する色設定ステップと、前記表示部に表示される映像に対して、前記色設定ステップによって設定された指定色を残して、前記指定色の他の色は単色とする処理を実行するパートカラー処理ステップと、前記パートカラー処理ステップによって処理された処理後映像データを前記表示部に表示させる表示制御ステップと、を表示制御装置として動作するコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、パートカラー処理をより適切に実行可能な表示制御装置、表示装置、表示制御方法及びプログラムを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態に係る表示装置の構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る映像処理部における抽出領域設定処理の一例を説明する図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る映像処理部における色設定処理の一例を説明する図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る映像処理部における処理領域設定処理の一例を説明する図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る映像処理部における処理領域設定処理の他の例を説明する図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る映像処理部における補正処理の一例を説明する図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る映像処理部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る映像処理部(表示制御装置)、表示装置、表示制御方法及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0013】
図1は、実施形態に係る表示装置の構成例を示すブロック図である。表示装置10は、例えば、カメラまたはビデオカメラなどの撮像装置である。本実施形態では、表示装置10の一例として、ビデオカメラについて説明する。表示装置10は、パートカラー処理を実行する機能を有する。表示装置10は、撮像部20と、記憶部30と、カードI/F40と、入出力I/F50と、モニタ60と、タッチパネル(操作部)70と、映像処理部80とを備える。
【0014】
撮像部20は、映像を撮像する。撮像部20は、光軸LAのカメラである。撮像部20は、例えば、ズームレンズ21、フォーカスレンズ22、絞り23、及び撮像素子24を有する。ズームレンズ21は図示しないズームアクチュエータによって駆動されて、光軸LAに沿って移動する。フォーカスレンズ22は、図示しないフォーカスアクチュエータによって駆動されて、光軸LAに沿って移動する。絞り23は、図示しない絞りアクチュエータによって駆動されて、動作する。撮像素子24は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などである。撮像素子24は、ズームレンズ21、フォーカスレンズ22、及び絞り23を通過した光を電気信号に変換してアナログ映像信号を生成する。撮像部20は、生成したアナログ映像信号を、アナログ信号処理部25、アナログ/デジタル変換部(以下、「A/D変換部」という。)26、及び映像入力コントローラ27を介して、バス100へ出力する。
【0015】
アナログ信号処理部25は、撮像部20から出力されたアナログ映像信号を増幅して、A/D変換部26へ出力する。
【0016】
A/D変換部26は、増幅されたアナログ映像信号をデジタル映像データに変換する。A/D変換部26は、変換したデジタル映像データを映像信号として映像入力コントローラ27へ出力する。
【0017】
映像入力コントローラ27は、A/D変換部26から出力されたデジタル映像データを撮像映像データとして取得する。映像入力コントローラ27は、取得した撮像映像データをバス100を介して記憶部30に記録させる。
【0018】
記憶部30は、表示装置10におけるデータの一時記憶などに用いられる。記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。
【0019】
カードI/F40は、図示しないカード型記録媒体が着脱可能である。ここで、カード型記録媒体は、例えば、SDカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)のようなカード型の外部メモリである。カード型記録媒体には、例えば、撮像部20が撮像した撮像映像の撮像映像データを含む映像データが圧縮して記録される。カード型記録媒体は、外部の記憶部として機能する。カードI/F40は、メディア制御部41を介して映像処理部80からの指示に従って、カード型記録媒体にデータを書き込みしたり、記録されたデータを読み出したりする。
【0020】
入出力I/F50は、表示装置10と入出力部とを接続する。入出力I/F50には、モニタ60と、タッチパネル70とが接続されている。
【0021】
モニタ60は、例えば、撮像映像、カードI/F40に装着された外部メモリから読み出した記録映像を含む各種映像、及び各種情報を表示面60aに表示する。モニタ60は、タッチパネル式ディスプレイであり、各種操作を入力可能である。モニタ60は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイなどを含む。モニタ60は、映像処理部80からの制御信号に基づいて、各種映像及び各種情報を表示面60aに表示する。表示面60aに表示された映像のうち撮像映像または記録映像を表示映像という。
【0022】
タッチパネル70は、表示装置10に対する操作を受付可能である。タッチパネル70は、モニタ60の表示面60aと対面して配置されるタッチ式の入力装置である。タッチパネル70は、表示面60aに表示された映像または画像に対する操作を受付可能である。タッチパネル70は、表示面60aに対応したタッチ操作を検出する検出領域を有する。タッチパネル70は、タッチ操作を受け付けると、操作情報を入出力I/F50を介してバス100へ出力する。
【0023】
映像処理部80は、撮像映像の撮像映像データ、または、記録映像の記録映像データに、パートカラー処理を実行して処理後映像データを生成する。映像処理部80は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や映像処理用プロセッサなどで構成された演算処理装置(制御部)である。映像処理部80は、記憶部30に記憶されているプログラムをメモリにロードして、プログラムに含まれる命令を実行する。映像処理部80は、一または複数の装置で構成されていてもよい。映像処理部80は、表示制御部81と、抽出領域設定部82、色抽出部83、色設定部84、処理領域設定部85、パートカラー処理部86、及び補正処理部87を有する。
【0024】
表示制御部81は、モニタ60の表示面60aに映像または各種情報を表示させる映像信号を生成して出力する。表示制御部81は、映像の撮像時、撮像映像データに基づいて、表示面60aに表示させる映像信号を生成して出力する。表示制御部81は、記録映像の再生時、記録映像データに基づいて、表示面60aに表示させる映像信号を生成して出力する。表示制御部81は、パートカラー処理の実行時、処理後映像データに基づいて、表示面60aに表示させる映像信号を生成して出力する。表示制御部81は、表示面60aに各種設定画面を表示させる映像信号を生成して出力する。
【0025】
抽出領域設定部82は、パートカラー処理で残す色(指定色)を含む領域を抽出領域として設定する。抽出領域設定部82は、モニタ60の表示面60aに表示された表示映像の一部の領域を抽出領域として選択する操作が、タッチパネル70に対して実行されたことを検出した場合、表示面60aに表示された表示映像のうち、選択された領域を抽出領域として設定する。より詳しくは、ユーザは、表示面60aに表示された表示映像のうち、パートカラー処理で残す色を含む領域をタッチ操作する。抽出領域設定部82は、ユーザがタッチパネル70をタッチ操作して、表示映像における抽出領域を設定する操作を実行したことを検出した場合、選択された領域を抽出領域として設定する。抽出領域設定部82は、設定された抽出領域を示す抽出領域情報を取得する。
【0026】
図2を用いて、抽出領域設定部82について詳しく説明する。
図2は、実施形態に係る映像処理部における抽出領域設定処理の一例を説明する図である。例えば、まず、ユーザがメニュー画面からパートカラー処理の項目画像を選択操作すると、
図2に示す抽出領域の設定操作が可能になる。
図2(a)に示すように、モニタ60の表示面60aに表示された表示映像に対して、ユーザは、パートカラー処理で残す色を含む領域をタッチ操作する。
図2(a)では、ユーザは、表示映像に写された赤色のリンゴをタッチ操作する。
【0027】
図2(b)に示すように、抽出領域設定部82は、ユーザがタッチパネル70をタッチ操作したことを検出した場合、タッチ操作された位置を中心にした枠アイコン200を表示面60aに表示する。枠アイコン200は、例えば、矩形状、円形状、楕円形状、または、タッチ操作された位置の撮影物の形状に合わせた形状である。本実施形態では、枠アイコン200は、一辺が数10画素程度の長さの正方形状である。
図2(b)では、赤色のリンゴの一部が枠アイコン200の内側に位置する。
【0028】
図2(c)に示すように、ユーザは、表示面60aに表示された枠アイコン200の大きさを変更して、枠アイコン200によって示される抽出領域の大きさを変更する。
図2(c)では、赤色のリンゴの全体が枠アイコン200の内側に位置するように、ユーザは、枠アイコン200を拡大する。
【0029】
図2(d)に示すように、ユーザは、表示面60aに表示された枠アイコン200の位置を変更して、枠アイコン200によって示される抽出領域の位置を変更する。
図2(d)では、赤色のリンゴが枠アイコン200の中央部に位置するように、ユーザは、枠アイコン200を移動する。
【0030】
図2(c)、
図2(d)に示す手順によって、ユーザは、パートカラー処理で残す色の部分に枠アイコン200を合せる。
【0031】
図2(e)は、設定が完了した枠アイコン200を示す。
図2(e)では、赤色のリンゴの全体が枠アイコン200の内側に位置し、赤色のリンゴが枠アイコン200の中央部に位置する。ユーザは、枠アイコン200の設定が終了すると、例えば、設定完了ボタンを押下して完了動作を実行する。抽出領域設定部82は、ユーザによる完了動作を検出すると、
図2(e)に示す枠アイコン200の位置および大きさで規定される領域を抽出領域として設定する。抽出領域設定部82は、設定された抽出領域の抽出領域情報を取得する。
【0032】
色抽出部83は、抽出領域設定部82が設定した抽出領域から色を抽出する。色抽出部83は、抽出領域設定部82によって設定した抽出領域に含まれるオブジェクトの色、言い換えると、パートカラー処理で残す色のRBG(Red Green Blue)値を抽出する。例えば、色抽出部83は、抽出領域に含まれる全画素のRGB値の平均値をパートカラー処理で残す色のRBG値として抽出してもよい。例えば、色抽出部83は、抽出領域の中心に位置する画素のRGB値をパートカラー処理で残す色のRBG値として抽出してもよい。色抽出部83が抽出した色を抽出色という。色抽出部83は、抽出された抽出色の情報を取得する。
【0033】
色設定部84は、パートカラー処理で残す色の範囲を設定する。色設定部84において、色を設定する方法は限定されない。色設定部84は、例えば、色の範囲を、RGB色空間において、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、及びイエローの6色を基準にして設定してもよい。本実施形態では、色設定部84は、パートカラー処理で残す色の範囲を、HSV(Hue Saturation Value‐Brightness)色空間によって色の範囲として設定する。
【0034】
HSV色空間では、色を、色相、彩度、及び明度で定義する。色相角は、0°から360°の値を取り得る。各色は色相角によって表すことが可能であり、例えば、緑色は色相角120°と表される。彩度は、色相で定義される色の鮮やかさ・濃さを定義する。彩度は、0%以上100%以下の値を取り得る。明度は、色相で定義される色の明るさ・暗さを定義する。明度は、0%以上100%以下の値を取り得る。
【0035】
色設定部84は、色抽出部83が抽出した抽出色に基づいて、彩度の範囲と、色相の範囲とを選択する操作が、タッチパネル70に対して実行されたことを検出した場合、選択された彩度の範囲と色相の範囲とによって規定される色の範囲を指定色の範囲として設定する。より詳しくは、ユーザは、表示面60aに表示された抽出色を示す色選択画像210を参照しながら、彩度の範囲及び色相の範囲をタッチ操作によって設定して色の範囲を選択する。色設定部84は、ユーザがタッチパネル70をタッチ操作して、彩度の範囲及び色相の範囲を設定する操作を実行したことを検出した場合、選択された色の範囲を指定色の範囲として設定する。色設定部84は、選択された指定色の範囲の情報を取得する。
【0036】
図3を用いて、色設定部84について詳しく説明する。
図3は、実施形態に係る映像処理部における色設定処理の一例を説明する図である。抽出領域設定処理が終了すると、続けて
図3に示す色の設定操作が可能になる。
図3(a)に示すように、色設定部84は、色抽出部83が抽出した抽出色のRGB値をHSV値に変換して、HSV値を色選択画像210としてモニタ60の表示面60aに表示する。色選択画像210は、色相環画像211、枠アイコン212、彩度画像213、彩度アイコン214、色相画像215、及び色相アイコン216を含む。色相環画像211は、HSV色空間の色相環を示す画像である。枠アイコン212は、色相環画像211に重ねて表示され、色の範囲を示す。彩度画像213は、HSV色空間の色の彩度を示す画像である。彩度アイコン214は、彩度画像213に重ねて表示され、色の彩度を示す。色相画像215は、HSV色空間の色の色相範囲を示す。色相アイコン216は、色相画像215に重ねて表示され、色の色相範囲を示す。
図3(a)において、枠アイコン212は、抽出色のHSV値に基づいて、所定の彩度の範囲及び所定の色相の範囲で規定される色の範囲を示す。彩度アイコン214は、抽出色のHSV値に基づいて、彩度を示す。色相アイコン216は、抽出色のHSV値に基づいて、色相範囲を示す。
図3(a)では、抽出色である「赤色」の範囲が示されている。
【0037】
図3(b)に示すように、ユーザは、枠アイコン212の横幅を変更して、パートカラー処理で残す色の彩度の範囲を選択する。
図3(b)では、枠アイコン212の横幅を広げて、彩度の範囲を広くする。
【0038】
図3(c)に示すように、ユーザは、枠アイコン212の縦幅を変更して、パートカラー処理で残す色相角の範囲を選択する。
図3(c)では、枠アイコン212の縦幅を広げて、色相角の範囲を広くする。
【0039】
図3(b)、
図3(c)に示す手順によって、ユーザは、パートカラー処理で残す色の範囲に枠アイコン212を合わせる。ユーザは、枠アイコン212の設定が終了すると、例えば、設定完了ボタンを押下して完了動作を実行する。色設定部84は、ユーザによる完了動作を検出すると、枠アイコン212の位置および大きさで規定される領域を指定色の範囲として設定する。色設定部84は、設定された指定色の範囲の情報として取得する。
【0040】
処理領域設定部85は、パートカラー処理を実行する処理領域を設定する。処理領域設定部85は、表示面60aに表示された映像のうち、パートカラー処理を実行する領域を選択する操作が、タッチパネル70に対して実行されたことを検出した場合、選択された領域を処理領域として設定する。より詳しくは、ユーザは、表示面60aに表示された表示映像のうち、パートカラー処理を実行する処理領域をタッチ操作で選択する。処理領域は、表示面60aに表示された表示映像の全体または一部を設定可能である。処理領域設定部85は、ユーザがタッチパネル70をタッチ操作して、表示映像における処理領域を設定する操作を実行したことを検出した場合、選択された領域を処理領域として設定する。処理領域設定部85は、選択された処理領域の情報を取得する。
【0041】
図4を用いて、処理領域設定部85で、表示映像の一部を処理領域として設定して、処理領域にパートカラー処理を実行する場合について説明する。
図4は、実施形態に係る映像処理部における処理領域設定処理の一例を説明する図である。色設定処理が終了すると、続けて
図4に示す処理領域の設定操作が可能になる。
図4(a)に示すように、モニタ60の表示面60aに表示された表示映像に対して、ユーザは、パートカラー処理を実行する処理領域をタッチ操作する。
図4(a)では、ユーザは、表示映像に写された右側の赤色のリンゴをタッチ操作する。
【0042】
図4(b)に示すように、処理領域設定部85は、ユーザがタッチパネル70をタッチ操作したことを検出すると、タッチ操作された位置を中心にした枠アイコン220を表示面60aに表示する。枠アイコン220は、例えば、矩形状、円形状、楕円形状、または、タッチ操作された位置の撮影物の形状に合わせた形状である。本実施形態では、枠アイコン220は、半径が数10画素程度の長さの円形状である。
図4(b)では、右側の赤色のリンゴの一部が枠アイコン220の内側に位置する。
【0043】
図4(c)に示すように、ユーザは、表示された枠アイコン220の大きさを変更して、枠アイコン220によって示される処理領域に右側の赤いリンゴが含まれるようにする。
図4(c)では、右側の赤色のリンゴの全体が枠アイコン220の内側に位置するように、ユーザは、枠アイコン220を拡大する。他のリンゴは枠アイコン220の外側に位置する。
【0044】
ユーザは、枠アイコン220の設定が終了すると、例えば、設定完了ボタンを押下して完了動作を実行する。処理領域設定部85は、ユーザによる完了動作を検出すると、枠アイコン220の位置および大きさで規定される領域を処理領域として設定する。処理領域設定部85は、設定された処理領域の処理領域情報を取得する。処理領域設定部85における処理が完了すると、パートカラー処理部86によってパートカラー処理が実行される。
【0045】
図4(d)は、選択された処理領域にパートカラー処理を実行した処理映像を示す。
図4(d)では、右側の赤色のリンゴのみが赤色で表示され、他のリンゴは単色で表示される。例えば、単色は、モノクロとする。
【0046】
図5を用いて、処理領域設定部85で、表示映像の一部を処理領域として設定して、処理領域にグラデーション処理を加えたパートカラー処理を実行する場合について説明する。
図5は、実施形態に係る映像処理部における処理領域設定処理の他の例を説明する図である。
図5(a)に示すように、モニタ60の表示面60aに表示された表示映像に対して、ユーザは、処理領域をタッチ操作する。
図5(a)では、ユーザは、表示映像に写された右側の赤色のリンゴをタッチ操作する。
【0047】
図5(b)に示すように、処理領域設定部85は、ユーザがタッチパネル70をタッチ操作したことを検出すると、タッチ操作された位置を中心にした円形の枠アイコン220を表示面60aに表示する。
図5(b)では、右側の赤色のリンゴの一部が枠アイコン220の内側に位置する。
【0048】
図5(c)に示すように、ユーザは、表示された枠アイコン220の大きさを変更して、枠アイコン220によって示される処理領域に右側の赤いリンゴが含まれるようにする。
図5(c)では、右側の赤色のリンゴの全体が枠アイコン220の内側に位置するように、ユーザは、枠アイコン220を拡大する。左側のリンゴとバナナとは枠アイコン220の外側に位置する。
【0049】
ユーザは、枠アイコン220の設定が終了すると、例えば、設定完了ボタンを押下して完了動作を実行する。処理領域設定部85は、ユーザによる完了動作を検出すると、枠アイコン220の位置および大きさで規定される領域を処理領域として設定する。処理領域設定部85は、設定された処理領域の処理領域情報を取得する。処理領域設定部85における処理が完了すると、パートカラー処理部86によってグラデーション処理を加えたパートカラー処理が実行される。
【0050】
図5(d)は、選択された処理領域に、処理領域の中心から外側に向かって色を薄くするグラデーション処理を加えたパートカラー処理を実行した処理映像を示す。
図5(d)では、右側の赤色のリンゴのみが赤色のグラデーションで表示され、左側のリンゴとバナナとは単色で表示される。
【0051】
パートカラー処理部86は、撮像映像データまたは記録映像データにおいて、設定された指定色を残して、指定色の他の色は単色とする処理を実行する。パートカラー処理部86は、補正処理部87によって映像信号の補正処理が実行された場合、補正後映像データにパートカラー処理を実行する。パートカラー処理部86は、指定色の範囲を残して、指定色の範囲に含まれない色は単色とする。パートカラー処理の処理方法は、公知のいずれの方法でもよく、限定されない。パートカラー処理部86は、グラデーション処理を加えたパートカラー処理を実行してもよい。パートカラー処理部86は、パートカラー処理を実行した処理後映像データを生成する。
【0052】
補正処理部87は、パートカラー処理の実行時、いわゆるホワイトバランスを調整する処理を行う。より詳しくは、補正処理部87は、色設定部84が指定色を設定した際の表示映像において指定色の範囲に含まれる全画素について、画素ごとに基準のRGB値の比率を記憶する。補正処理部87は、撮像映像データまたは記録映像データにおいて指定色の範囲に含まれる画素のRGB値の比率が、当該画素の基準のRGB値の比率に対して変化したか否かを判定する。補正処理部87は、変化したと判定する場合、ホワイトバランスの調整が必要であると判定して、当該画素のRGB値のうちG値を基準として、R値とB値とを補正するRゲイン値とBゲイン値とを算出する。補正処理部87は、撮像映像データまたは記録映像データの映像信号に対して、RGB値のR値とB値とに、Rゲイン値とBゲイン値とを加えて補正する信号処理を実行する。補正処理部87は、変化していないと判定する場合、ホワイトバランスの調整が必要ではないと判定して、映像信号の補正処理を実行しない。このようにして、補正処理部87は、ホワイトバランスの調整が必要であると判定した場合、RGB値の比率を補正して基準のRGB値の比率に近づけた補正後映像データを生成する。
【0053】
図6を用いて、補正処理部87の処理について詳しく説明する。
図6は、実施形態に係る映像処理部における補正処理の一例を説明する図である。
図6(a)は、太陽光の下で撮影されたリンゴの映像と、リンゴの赤色の基準のRGB値の比率とを示す。ここでは、リンゴの赤色は、全画素のRGB値が同じであるものとする。
【0054】
図6(b)は、
図6(a)に示す状態から光源が変化して、照明光の下で撮影されたリンゴの映像と、リンゴのRGB値の比率とを示す。リンゴは、照明光の影響によって、茶色に写されている。リンゴのRGB値は、R値が減少し、G値が増加し、B値が減少している。RGB値の比率は、基準のRGB値の比率に対して変化している。そこで、RGB値の比率を、基準のRGB値の比率に近づけるように、G値を基準として、R値とB値とを制御する補正を実行する。映像信号に、Rゲイン値を加えてR値を増加させ、Bゲイン値を加えてB値を増加させる。
【0055】
図6(c)は、RGB値の比率を補正した後のリンゴの映像と、リンゴのRGB値の比率とを示す。RGB値の比率が補正されて、基準のRGB値の比率に近づけられている。リンゴが赤色に補正されている。
【0056】
次に、
図7を用いて、映像処理部80が実行する処理の方法及び作用について説明する。
図7は、実施形態に係る映像処理部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0057】
ユーザが、モニタ60の表示面60aに表示されたメニュー画面の中からパートカラー処理の項目画像を選択操作すると、
図7に示す処理が実行される。表示面60aに撮像映像が表示されている状態においてパートカラー処理を実行した場合、撮像映像を撮像しながらパートカラー処理が実行されて、表示面60aに処理映像が表示される。表示面60aに記録映像が表示されている状態においてパートカラー処理を実行した場合、記録映像を再生しながらパートカラー処理が実行されて、表示面60aに処理映像が表示される。
【0058】
映像処理部80は、抽出領域設定部82によって、表示面60aに表示された表示映像の抽出領域の設定処理を実行する(ステップS101)。より詳しくは、抽出領域設定部82は、ユーザがタッチパネル70をタッチ操作したことを検出すると、タッチ操作された位置を中心にした矩形状の枠アイコン200を表示面60aに表示する。ユーザは、枠アイコン200の設定が終了すると、例えば、設定完了ボタンを押下して完了動作を実行する。抽出領域設定部82は、ユーザによる完了動作を検出すると、表示面60aに表示された枠アイコン200の位置および大きさで規定される領域を抽出領域として設定する。抽出領域設定部82は、設定された抽出領域の抽出領域情報を取得する。映像処理部80は、ステップS102に進む。
【0059】
映像処理部80は、色抽出部83によって、抽出領域からパートカラー処理で残す色のRGB値を抽出する(ステップS102)。例えば、色抽出部83は、抽出領域に含まれる全画素のRGB値の平均値をパートカラー処理で残す色のRBG値として抽出する。色抽出部83は、抽出された抽出色の情報を取得する。映像処理部80は、ステップS103に進む。
【0060】
映像処理部80は、色設定部84によって、パートカラー処理で残す色の範囲を設定する(ステップS103)。色設定部84は、抽出色を示す色選択画像210を表示面60aに表示する。色設定部84は、彩度の範囲と、色相の範囲とを選択する操作が、タッチパネル70に対して実行されたことを検出した場合、選択された彩度の範囲と色相の範囲とによって規定される色の範囲を指定色の範囲として設定する。色設定部84は、選択された指定色の範囲の情報を取得する。映像処理部80は、ステップS104に進む。
【0061】
映像処理部80は、処理領域設定部85によって、表示面60aに表示された表示映像のうち、パートカラー処理を実行する処理領域を設定する(ステップS104)。処理領域設定部85は、表示面60aに表示された映像のうち、パートカラー処理を実行する領域を選択する操作が、タッチパネル70に対して実行されたことを検出した場合、選択された領域を処理領域として設定する。映像処理部80は、ステップS105に進む。
。
【0062】
映像処理部80は、ホワイトバランスの調整が必要かを判定する(ステップS105)。映像処理部80は、撮像映像データまたは記録映像データに含まれる指定色のRGB値の比率が、基準のRGB値の比率に対して変化したか否かを判定する。映像処理部80は、基準のRGB値の比率に対して変化したと判定する場合、ホワイトバランスの調整が必要であると判定する(ステップS105でYes)。映像処理部80は、ステップS106に進む。映像処理部80は、基準のRGB値の比率に対して変化していないと判定する場合、ホワイトバランスの調整が必要ではないと判定する(ステップS105でNo)。映像処理部80は、ステップS107に進む。
【0063】
ホワイトバランスの調整が必要である場合(ステップS105でYes)、映像処理部80は、補正処理部87によって、補正処理を行う(ステップS106)。より詳しくは、補正処理部87は、撮像映像データまたは記録映像データに含まれる指定色のRGB値の比率が、基準のRGB値の比率に対して変化した場合(ステップS105でYes)、表示映像に含まれる指定色のRGB値の比率を補正して、基準のRGB値の比率に近づけた補正後映像データを生成する。映像処理部80は、ステップS107に進む。
【0064】
映像処理部80は、パートカラー処理部86によって、設定された指定色を残して、指定色の他の色は単色とするパートカラー処理を実行する(ステップS107)。パートカラー処理部86は、ステップS106において補正処理を行った場合、補正後映像にパートカラー処理を行った処理後映像を生成する。表示制御部81は、ステップS106において補正処理を行っていない場合、表示映像にパートカラー処理を行った処理後映像を生成する。映像処理部80は、ステップS108に進む。
【0065】
映像処理部80は、表示制御部81によって、モニタ60の表示面60aにパートカラー処理を実行した処理後映像を表示する(ステップS108)。表示制御部81は、ステップS106において補正処理を行った場合、補正処理を行い、さらにパートカラー処理を行った処理後映像を表示する。表示制御部81は、ステップS106において補正処理を行っていない場合、表示面60aにパートカラー処理を行った処理後映像を表示する。
【0066】
映像処理部80は、ユーザによってパートカラー処理を終了する操作が実行された場合、映像の撮像処理が終了された場合、または、映像の再生処理が終了された場合、処理を終了する。
【0067】
パートカラー処理で残す色が複数ある場合、ステップS101ないしステップS104の処理を繰り返して、複数の色について設定処理を行う。
【0068】
このように、抽出領域設定部82は、表示面60aに表示された表示映像の一部の領域を選択する操作が、タッチパネル70に対して実行されたことを検出した場合、表示面60aに表示された表示映像のうち、選択された領域を抽出領域として設定する。色設定部84は、色抽出部83が抽出した抽出色に基づいて、彩度の範囲と、色相の範囲とを選択する操作が、タッチパネル70に対して実行されたことを検出した場合、選択された彩度の範囲と色相の範囲とによって規定される色の範囲を指定色の範囲として設定する。処理領域設定部85は、表示面60aに表示された映像のうち、パートカラー処理を実行する領域を選択する操作が、タッチパネル70に対して実行されたことを検出した場合、選択された領域を処理領域として設定する。これらの処理によって設定された情報に基づいて、パートカラー処理部86は、撮像映像データまたは記録映像データにおいて、設定された指定色を残して、指定色の他の色は単色とする処理を実行する。さらに、補正処理部87は、撮像映像データまたは記録映像データに含まれる指定色のRGB値の比率が、基準のRGB値の比率に対して変化した場合、撮像映像データまたは記録映像データに含まれる指定色のRGB値の比率を補正して、基準のRGB値の比率に近づける。
【0069】
上述したように、本実施形態では、抽出領域設定部82によって、表示面60aに表示された表示映像の一部の領域を選択する操作が、タッチパネル70に対して実行されたことを検出した場合、表示面60aに表示された表示映像のうち、選択された領域を抽出領域として設定することができる。本実施形態によれば、表示映像において残す色の部分の面積が小さい場合、または、残す色の近傍にその他の色が複数混在しているような場合でも、残す色を含む領域を設定することによって、抽出領域を適切に設定することができる。
【0070】
本実施形態では、色設定部84によって、色抽出部83が抽出した抽出色に基づいて、彩度の範囲と、色相の範囲とを選択する操作が、タッチパネル70に対して実行されたことを検出した場合、選択された彩度の範囲と色相の範囲とによって規定される色の範囲を指定色の範囲として設定することができる。本実施形態によれば、表示映像において、残す色の部分の面積が小さい場合、または、残す色の近傍にその他の色が複数混在しているような場合でも、残す色を適切に設定することができる。本実施形態によれば、抽出領域設定部82で設定した抽出領域が所望の位置からずれていても、色設定部84による色設定処理で残す色を適切に設定することができる。
【0071】
本実施形態では、処理領域設定部85によって、表示面60aに表示された映像のうち、パートカラー処理を実行する領域を選択する操作が、タッチパネル70に対して実行されたことを検出した場合、選択された領域を処理領域として設定することができる。本実施形態によれば、ユーザがパートカラー処理を実行する処理領域を適切に設定することができる。
【0072】
本実施形態では、上記の処理によって設定された情報に基づいて、パートカラー処理部86によって、撮像映像データまたは記録映像データにおいて、設定された指定色を残して、指定色の他の色は単色とする処理を実行することができる。本実施形態によれば、パートカラー処理をより適切に実行することができる。
【0073】
さらに、本実施形態では、補正処理部87によって、撮像映像データまたは記録映像データに含まれる指定色のRGB値の比率が、基準のRGB値の比率に対して変化した場合、撮像映像データまたは記録映像データに含まれる指定色のRGB値の比率を補正して、基準のRGB値の比率に近づけることができる。本実施形態によれば、指定色を設定した後、光源が変化して、色が変化する場合でも、処理領域に含まれる指定色を基準の色に近い色で表示することができる。本実施形態は、光源が変化した場合でも、パートカラー処理をより適切に実行して、演出効果を高めることができる。
【0074】
これに対して、補正処理部87による補正処理を実行しない場合、光源が変化した場合、パートカラー処理で残す色が適切に追従できないおそれがある。このように、パートカラー処理を適切に実行できず、演出効果を損なうおそれがある。
【0075】
これまで本発明に係る表示装置10について説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0076】
図示した表示装置10の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0077】
表示装置10の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0078】
上記に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記に記載した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【符号の説明】
【0079】
10 表示装置
20 撮像部
60 モニタ(表示部)
70 タッチパネル(操作部)
80 映像処理部(表示制御装置)
81 表示制御部
82 抽出領域設定部
83 色抽出部
84 色設定部
85 処理領域設定部
86 パートカラー処理部
87 補正処理部