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特許7279448エレベーターのかごの内部の換気機能を備えた換気装置
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  • 特許-エレベーターのかごの内部の換気機能を備えた換気装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-15
(45)【発行日】2023-05-23
(54)【発明の名称】エレベーターのかごの内部の換気機能を備えた換気装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 11/02 20060101AFI20230516BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
B66B11/02 F
B66B3/00 Q
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019054800
(22)【出願日】2019-03-22
(65)【公開番号】P2020152560
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 怜介
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-063947(JP,A)
【文献】特開平06-247669(JP,A)
【文献】特開2000-219460(JP,A)
【文献】特開2018-194188(JP,A)
【文献】特開2002-020061(JP,A)
【文献】特開平07-108192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 11/00-11/08
B66B 3/00- 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターのかごの外部と内部とをつなぐ風路を内側に形成した筐体と、
前記筐体の風路に設けられ、前記かごの外部から空気を吸い込んで、当該空気を前記かごの内部に送るファンと、
前記筐体の風路における前記かごの外部の側の開口部に設けられ、前記ファンに吸い込まれた空気中に含まれる塵埃を捕集するフィルタ体と、
前記筐体の風路において前記ファンよりも前記かごの外部の側であって、前記筐体の風路において前記フィルタ体よりも前記かごの内部の側に設けられ、前記ファンに吸い込まれた空気中に含まれる塵埃を帯電する帯電体と、
前記筐体の風路において前記ファンと前記帯電体との間に設けられ、前記帯電体により帯電された塵埃を捕集する捕集体と、
前記風路において前記ファンと前記捕集体との間に外部から挿入し得るように設けられ、挿入されたときに前記風路をふさぐ蓋体と、
を備えたエレベーターの換気装置。
【請求項2】
前記筐体は、前記開口部が水平方向に開口するように設けられた請求項1に記載のエレベーターの換気装置。
【請求項3】
前記蓋体が前記ファンと前記捕集体との間に挿入された際に、前記ファンと前記帯電体と前記捕集体との動作が停止する請求項1または請求項2に記載のエレベーターの換気装置。
【請求項4】
前記筐体の上面に設けられ、前記捕集体に捕集された塵埃の量が予め設定された量よりも多くなったことを報知する報知体、
を備えた請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のエレベーターの換気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エレベーターのかごの内部の換気機能を備えた換気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーターの換気装置を開示する。当該換気装置によれば、かごの内部の騒音を減らし得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平7-315728公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の換気装置は、かごの外部から空気とともに塵埃を吸い込む。当該塵埃は、かごの内部に流入する。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされた。この発明の目的は、かごの内部に流入する塵埃の量を減らすことができるエレベーターシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るエレベーターの換気装置は、エレベーターのかごの外部と内部とをつなぐ風路を内側に形成した筐体と、筐体の風路に設けられ、かごの外部から空気を吸い込んで、当該空気をかごの内部に送るファンと、筐体の風路におけるかごの外部の側の開口部に設けられ、ファンに吸い込まれた空気中に含まれる塵埃を捕集するフィルタ体と、筐体の風路においてファンよりもかごの外部の側であって、筐体の風路においてフィルタ体よりもかごの内部の側に設けられ、ファンに吸い込まれた空気中に含まれる塵埃を帯電する帯電体と、筐体の風路においてファンと帯電体との間に設けられ、帯電体により帯電された塵埃を捕集する捕集体と、ファンと捕集体との間に外部から挿入し得るように設けられる蓋体と、を備えた。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、捕集体は、帯電体により帯電された塵埃を捕集する。このため、かごの内部に流入する塵埃の量を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1におけるエレベーターの換気装置が適用されるエレベーターの構成図である。
図2】実施の形態1におけるエレベーターの換気装置の縦断面図である。
図3】実施の形態2におけるエレベーターの換気装置の縦断面図である。
図4】実施の形態3におけるエレベーターの換気装置の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0010】
実施の形態1.
図1は実施の形態1におけるエレベーターの換気装置が適用されるエレベーターの構成図である。
【0011】
図1のエレベーターについて、昇降路1は、図示されない建築物の各階を貫く。機械室2は、昇降路1の直上に設けられる。複数の乗場3の各々は、建築物の各階に設けられる。複数の乗場3の各々は、昇降路1に対向する。
【0012】
巻上機4は、機械室2に設けられる。主ロープ5は、巻上機4に巻き掛けられる。
【0013】
かご6は、昇降路1の内部に設けられる。かご6は、主ロープ5の一側に支持される。釣合おもり7は、昇降路1の内部に設けられる。釣合おもり7は、主ロープ5の他側に支持される。
【0014】
複数の乗場ドア8の各々は、複数の乗場3の各々の出入口に設けられる。かごドア9は、かご6の出入口に設けられる。換気装置10は、かご6の天井に設けられる。
【0015】
制御装置11は、機械室2に設けられる。制御装置11は、エレベーターを全体的に制御し得るように設けられる。
【0016】
次に、図2を用いて、換気装置10を説明する。
図2は実施の形態1におけるエレベーターの換気装置の縦断面図である。
【0017】
図2に示されるように、換気装置10は、筐体12とファン13とフィルタ体14と帯電体15と捕集体16と報知体17と蓋体18を備える。
【0018】
例えば、筐体12は、金属で形成される。筐体12は、かご6の外部と内部とをつなぐ風路を形成する。筐体12の風路において、かご6の外部の側の開口部は、水平方向に開口する。ファン13は、筐体12の風路に設けられる。ファン13は、かご6の外部から空気を吸い込んでかご6の内部に送り得るように設けられる。
【0019】
フィルタ体14は、筐体12の風路におけるかご6の外部の側の開口部に設けられる。フィルタ体14は、ファン13に吸い込まれた空気中に含まれる比較的大きな塵埃を捕集し得るように設けられる。帯電体15は、筐体12の風路においてファン13よりもかご6の外部の側に着脱自在に設けられる。帯電体15は、フィルタ体14を通過した空気中に含まれる比較的小さな塵埃を帯電し得るように設けられる。捕集体16は、筐体12の風路においてファン13と帯電体15との間に着脱自在に設けられる。捕集体16は、帯電体15により帯電された比較的小さな塵埃を捕集し得るように設けられる。
【0020】
例えば、報知体17は、筐体12の上面に設けられる。報知体17は、捕集体16に捕集された比較的小さな塵埃の量が予め設定された量よりも多くなった場合にその旨を示すことを発光等により報知し得るように設けられる。蓋体18は、筐体12の外部からファン13と捕集体16との間に挿入し得るように設けられる。蓋体18は、ファン13と捕集体16との間に挿入された際にファン13と帯電体15と捕集体16との動作を停止させ得るように設けられる。
【0021】
以上で説明した実施の形態1によれば、捕集体16は、帯電体15により帯電された塵埃を捕集する。このため、かご6の内部に流入する塵埃の量を減らすことができる。その結果、かご6の内部の意匠面が塵埃で汚れることを抑制できる。
【0022】
また、筐体12の風路において、かご6の外部の側の開口部は、水平方向に開口する。このため、かご6が昇降する際に筐体12の内部に空気が勢いよく流入することを抑制できる。
【0023】
また、報知体17は、捕集体16に捕集された塵埃の量が予め設定された量よりも多くなったことを報知する。このため、捕集体16の清掃のタイミングを作業員に知らせることができる。
【0024】
実施の形態2.
図3は実施の形態2におけるエレベーターの換気装置の縦断面図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0025】
実施の形態2において、筐体12は、上部風路12aと折り返し風路12bと下部風路12cとを形成する。
【0026】
上部風路12aは、かご6の外部から水平方向に延びる。折り返し風路12bは、上部風路12aから下方に折り返される。下部風路12cは、折り返し風路12bから上部風路12aの下方に延びてかご6の内部につながる。
【0027】
ファン13は、下部風路12cに設けられる。帯電体15は、下部風路12cにおいてファン13よりも折り返し風路12bの側に設けられる。捕集体16は、下部風路12cにおいてファン13と帯電体15との間に設けられる。
【0028】
以上で説明した実施の形態2によれば、筐体12は、下方に折り返されることにより風路を形成する。このため、かご6の天井において換気装置10の設置面積を小さくすることができる。
【0029】
また、帯電体15と捕集体16とは、下部風路12cに設けられる。このため、かご6の一対のガイドレールおよび釣合おもり7の一対のガイドレール等からの油が帯電体15と捕集体16とに到達することをより確実に抑制できる。
【0030】
なお、上部風路12aと下部風路12cとの境界で筐体12を分割できるようにしてもよい。この場合、上部風路12aを下部風路12cから取り外した際に帯電体15と捕集体16とが上方に露出するようにすれば、帯電体15と捕集体16とを容易に清掃することができる。
【0031】
実施の形態3.
図4は実施の形態3におけるエレベーターの換気装置の横断面図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0032】
実施の形態3において、筐体12は、第1風路12dと折り返し風路12eと第2風路12fとを形成する。
【0033】
第1風路12dは、かご6の外部から水平方向に延びる。折り返し風路12eは、上部風路12aから横方向に折り返す。第2風路12fは、折り返し風路12eから第1風路12dに沿って延びてかご6の内部につながる。
【0034】
ファン13は、第2風路12fに設けられる。帯電体15は、第2風路12fにおいてファン13よりも折り返し風路12eの側に設けられる。捕集体16は、第2風路12fにおいてファン13と帯電体15との間に設けられる。
【0035】
以上で説明した実施の形態3によれば、筐体12は、横方向に折り返されることにより風路を形成する。このため、かご6の天井において換気装置10の高さを低くすることができる。
【0036】
また、帯電体15と捕集体16とは、第2風路12fに設けられる。このため、かご6の一対のガイドレールおよび釣合おもり7の一対のガイドレール等からの油が帯電体15と捕集体16とに到達することをより確実に抑制できる。
【0037】
なお、第2風路12fの上面に蓋体18を設けてもよい。この場合、蓋体18を開けることで帯電体15と捕集体16とが上方に露出するようにすれば、帯電体15と捕集体16とを容易に清掃することができる。
【0038】
なお、実施の形態1から実施の形態3の換気装置10の筐体12の風路において、かご6の外部の側の開口部をかご6の一対のガイドレールおよび釣合おもり7の一対のガイドレールに向かないようにすればよい。例えば、かご6の外部の側の開口部を釣合おもり7の一対のガイドレールの間に向くようにすればよい。この場合、ガイドレールからの油が筐体12の風路に進入することをより確実に抑制できる。
【0039】
また、実施の形態1から実施の形態3の換気装置10の筐体12において、掃除機のノズルの差し込み部を集塵体の付近に形成してもよい。この場合、掃除機のノズルが差し込み部に差し込まれた際にファン13と帯電体15と集塵体との動作が停止するようにすれば、安全かつ効率的に集塵体を清掃することができる。
【0040】
また、実施の形態1から実施の形態3の換気装置10において、ファン13の動作を停止した際に帯電体15と集塵体との動作も停止するようにしてもよい。この場合、冬場等においてファン13を停止した場合に帯電体15と集塵体とが無用に動作することを抑制できる。
【符号の説明】
【0041】
1 昇降路、 2 機械室、 3 乗場、 4 巻上機、 5 主ロープ、 6 かご、 7 釣合おもり、 8 乗場ドア、 9 かごドア、 10 換気装置、 11 制御装置、 12 筐体、 12a 上部風路、 12b 折り返し風路、 12c 下部風路、 12d 第1風路、 12e 折り返し風路、 12f 第2風路、 13 ファン、 14 フィルタ体、 15 帯電体、 16 捕集体、 17 報知体、 18 蓋体
図1
図2
図3
図4