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特許7279491バッグインボックス内袋の外包装方法および個包装バッグインボックス内袋
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-15
(45)【発行日】2023-05-23
(54)【発明の名称】バッグインボックス内袋の外包装方法および個包装バッグインボックス内袋
(51)【国際特許分類】
   B65B 9/06 20120101AFI20230516BHJP
   B65D 77/04 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
B65B9/06
B65D77/04 F
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019079918
(22)【出願日】2019-04-19
(65)【公開番号】P2020083470
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-02-25
(31)【優先権主張番号】P 2018217881
(32)【優先日】2018-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001830
【氏名又は名称】弁理士法人東京UIT国際特許
(72)【発明者】
【氏名】田桑 良彦
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-238129(JP,A)
【文献】特開平02-166073(JP,A)
【文献】特開2010-173652(JP,A)
【文献】特開2015-016885(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 9/00- 9/24
B65B47/00-47/10
B65D67/00-79/02
B65D81/18-81/30
B65D81/38
B65D85/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が充填されたバッグインボックス内袋を,上記バッグインボックス内袋に取り付けられている注出口を上向きにして搬送装置によって上流から下流に搬送し,
バッグインボックス内袋を搬送中の搬送装置に向けてフィルムロールから送り出される連続するフィルムを供給し,
上記フィルムの側縁部同士をシールし,これによって上記フィルムを,上記バッグインボックス内袋を周方向に包囲する筒状に形成しかつ背シール部を形成し,
上記筒状フィルム内に入っている上記バッグインボックス内袋をその前後から挟む二カ所において上記筒状フィルムをシールして前後端シール部を形成し,これによって上記バッグインボックス内袋を外袋によって個包装する,バッグインボックス内袋の外包装方法において,
上記バッグインボックス内袋を搬送装置上に載せ,
上記バッグインボックス内袋を上記搬送装置を含めて上記フィルムにより覆い,
上記フィルムの側端部同士を,上記搬送装置の下方または側方においてシールして背シール部を形成する,
バッグインボックス内袋の外包装方法。
【請求項2】
上記注出口を上記搬送装置の搬送方向の後方に位置させる,
請求項1に記載のバッグインボックス内袋の外包装方法。
【請求項3】
上記フィルムが平坦フィルムである,
請求項1または2に記載のバッグインボックス内袋の外包装方法。
【請求項4】
上記フィルムが2つ折りフィルムである,
請求項1または2に記載のバッグインボックス内袋の外包装方法。
【請求項5】
背シール部,前端シール部および後端シール部の少なくともいずれかに易開封構造を形成する,
請求項1からのいずれか一項に記載のバッグインボックス内袋の外包装方法。
【請求項6】
上記筒状フィルム内に気体を送り込み,
上記バッグインボックス内袋とこれを個包装する外袋の間に気体を封入する,
請求項1からのいずれか一項に記載のバッグインボックス内袋の外包装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はバッグインボックス内袋の外包装方法に関する。またこの発明は,個包装バッグインボックス内袋に関する。
【背景技術】
【0002】
バッグインボックス(Bag In Box,以下,「BIB」と略する)は,プラスチック製の内袋(Bag)と内袋を収納する外容器(Box)とから構成される液体(粘体や固形入り液体を含む)用組合せ容器であり,省資源化,省エネルギー化,易廃棄化等の要求に応えることができる環境配慮型包装容器として注目を集めている。
【0003】
BIB内袋を外容器,たとえばクレート(上方が開口した箱,コンテナ)に収納してエンドユーザに配送する場合,クレートに外袋(ポリ袋)をセットし,クレートにセットされた外袋内にBIB内袋を入れて配送することがある。BIB内袋には充填された内容物を外に注ぎ出すための注出口(スパウト)が取り付けられており,BIB内袋を外袋に入れることによって注出口を清潔に保つことができる。この態様のバッグインボックスは,BIB内袋,外袋およびクレートの組合せ容器となる。
【0004】
一般には,人手によってクレートに外袋を一袋ずつセットし,自動投入機によってBIB内袋をクレート内に投入し,最後に人手によって外袋の上端を結ぶ,または外袋の上端をロール状に巻いた後に外袋上端が元に戻って開かないように封印ラベルを貼っている。クレートに外袋をセットする作業員と外袋の上端を閉鎖する作業員の二人の作業員が必要とされる。また,外袋上端を結ぶまたは封印ラベルを貼るだけでは密封性に欠け,配送中に外袋内に虫が混入するおそれがある。
【0005】
クレートに外袋を自動的にセットする外袋セット装置,および外袋がセットされたクレートから外袋上端をたくし上げてシールするオートクローザ装置が知られている(たとえば,特許文献1は袋敷設装置を開示する)。しかしながら,外袋セット装置およびオートクローザ装置を用いると,広大な設置スペースおよび高額なコストが必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2002-36390号公報
【発明の開示】
【0007】
この発明は,BIB生産における外包装作業の作業員不足の解消および製造コストダウンを図ることを目的とする。
【0008】
この発明はまた,BIB内袋を外包装によって完全密封し,これによってバージンシール性を持たせることを目的とする。
【0009】
この発明によるバッグインボックスの内袋の外包装方法は,内容物が充填されたバッグインボックス内袋を,上記バッグインボックス内袋に取り付けられている注出口を上向きにして搬送装置によって上流から下流に搬送し,バッグインボックス内袋を搬送中の搬送装置に向けてフィルムロールから送り出される連続するフィルムを供給し,上記フィルムの側縁部同士をシールし,これによって上記フィルムを,上記バッグインボックス内袋を周方向に包囲する筒状に形成しかつ背シール部を形成し,上記筒状フィルム内に入っている上記バッグインボックス内袋を前後から挟む二カ所において上記筒状フィルムをシールして前後端シール部を形成し,これによって上記バッグインボックス内袋を外袋によって個包装する。外袋によって個包装されたバッグインボックス内袋はその後クレート内に収納される。
【0010】
この発明によると,クレートにあらかじめ外袋をセットしておき,クレートへの収納時にバッグインボックス内袋を外袋によって包装するのではなく,外袋によってあらかじめ個包装されたバッグインボックス内袋をクレート内に収納することができる。クレートに外袋をセットする作業,クレートにセットされた外袋をたくし上げ,外袋の上端を閉鎖する作業が不要であり,昨今課題となってきている作業員不足の解消および製造コストダウンを図ることができる。
【0011】
また,バッグインボックス内袋は外袋によって完全密封されるので,搬送中等に外袋内に虫が混入する可能性を格段に低めることができ,バッグインボックス内袋を清潔に保つことができる。また,未開封(未使用)状態を保証するバージンシール性を担保することもできる。
【0012】
バッグインボックス内袋に内容物を充填する充填工程に連続させて,上述したバッグインボックス内袋の外包装工程,クレートへの収納工程を実行するとよい。すべて機械による自動運転を達成できるので,出荷に至るまでの工程を短時間のうちに終えることができる。
【0013】
好ましくは,上記注出口を上記搬送装置の搬送方向の後方に位置させる。搬送方向の前方に注出口を位置させる場合に比べて注出口を保護することができる。
【0014】
一実施態様では,上記フィルムロールから送り出されるフィルムを上記搬送装置上に載せ,上記フィルム上に上記バッグインボックス内袋を載せ,上記フィルムの側縁部同士を上記搬送装置の上方においてシールして背シール部を形成する。
【0015】
バッグインボックス内袋に取り付けられている注出口が上向きであるので,上述のように背シール部を搬送装置の上方において形成すると,注出口と背シール部とが重なってしまうことがある。好ましくは,上記バッグインボックス内袋に取り付けられている注出口に重なり合わない位置に上記背シール部を形成する(たとえば,背シール部形成位置をずらす)。外袋の背シール部に外袋内に入っているバッグインボックス内袋に取り付けられた注出口が押し付けられないので,背シール部を発端とする外袋の破損を未然に防止することができる。
【0016】
他の実施態様では,上記バッグインボックス内袋を搬送装置上に載せ,上記バッグインボックス内袋を上記搬送装置を含めて上記フィルムにより覆い,上記フィルムの側端部同士を,上記搬送装置の下方または側方においてシールして背シール部を形成する。外袋内に入っているバッグインボックス内袋に取り付けられた注出口と重ならない位置に,外袋の背シール部を形成することができる。
【0017】
好ましくは,背シール部,前端シール部および後端シール部の少なくともいずれかに易開封構造を形成する。易開封構造は,ノッチ(切欠き)でも,マジックカット(登録商標)でもよい。外袋からバッグインボックス内袋を取出すときに簡単に外袋を破くことができる。
【0018】
一実施態様では,上記筒状フィルム内に気体(典型的には空気)を送り込み,上記バッグインボックス内袋とこれを個包装する外袋の間に気体を封入する。クッション効果によってバッグインボックス内袋を保護することができる。
【0019】
この発明は,個包装バッグインボックス内袋も提供する。この発明による個包装バッグインボックス内袋は,内容物が充填されたバッグインボックス内袋と,フィルム側端部同士がシールされて形成される背シール部,およびフィルム側縁部同士がシールされることで形成される筒状フィルムの開口両端部においてフィルム同士がシールされて形成される両端シール部を備え,上記バッグインボックス内袋を個包装する外袋と,を備えている。バッグインボックス内袋を清潔に保つことができる。
【0020】
好ましくは,上記外袋の背シール部が,上記バッグインボックス内袋に取り付けられている注出口に重なり合わない位置に形成されている。上述したように,外袋の背シール部に,外袋内に入っているバッグインボックス内袋に取り付けられた注出口が押し付けられないので,背シール部を発端とする外袋の破損を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】個包装BIB内袋を示す斜視図である。
図2】(A)は個包装BIB内袋の製造装置の平面図を,(B)はその側面図を,それぞれ示す。
図3】他の実施例の個包装BIB内袋を示す斜視図である。
図4】他の実施例の個包装BIB内袋の包装機の側面図を示す。
図5】さらに他の実施例の個包装BIB内袋の包装機の斜視図を示す。
図6図5に示す個包装BIB内袋の包装機を正面から概略的に示す。
図7】変形例を示すもので,個包装BIB内袋の包装機を正面から概略的に示す。
【実施例
【0022】
図1は個包装BIB(Bag In Box)(バッグインボックス)内袋1を示している。
【0023】
個包装BIB内袋1は,内容物たとえば水,牛乳,生クリーム等の液状食品,化学薬品等の液体製品が充填されたBIB内袋2と,BIB内袋2の全体を覆い,BIB内袋2を個包装する外袋3とから構成される。外袋3は透明であっても,半透明であっても,不透明であってもよい。図1(および後述する図3)には透明の外袋3が図示されている。
【0024】
BIB内袋2は,たとえば長方形の正面フィルムと背面フィルムとをそれらの四辺において熱溶着させた四方シール・タイプのもので,正面フィルムの上部中央に,射出成形によって成形されたキャップ付注出口(スパウト)4が熱溶着によって取り付けられたものである。正面,背面フィルムには複数種類のフィルムを積層させた50μm~60μm程度の厚さの積層フィルムが用いられる。積層フィルムの内層フィルムには,たとえばLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)が用いられ,外層フィルムにはLLDPEと各種のバリア基材(延伸ナイロン,EVOH(エチレン-ビニルアルコール共重合体)など)のラミネートフィルムが用いられる。
【0025】
外袋3は,平坦なフィルムの両側部内面同士を熱溶着することによって筒状とし,さらに筒状フィルムの開口両端部を熱溶着した合掌タイプのもので,合掌箇所に形成される背シール部5と,背シール部5の両端部に形成される前後端シール部6,7とを備えている。
【0026】
上述したように,BIB内袋2には,充填された内容物を外に注ぎ出すための注出口4が取り付けられており,注出口4が外に露出している。外袋3によってBIB内袋2を個包装することによって注出口4を清潔に保つことができる。外袋3内(BIB内袋2と外袋3の間)に内容物は充填されないので,BIB内袋2に要求される程度の強度は外袋3には要求されない。たとえば50μm程度の厚さのポリエチレンフィルムが用いられて,外袋3は形成される。
【0027】
図2(A),(B)は,内容物が充填されたBIB内袋2を外袋3によって個包装し,BIB内袋2と外袋3とから構成される個包装BIB内袋1をクレートに収納(投入)するための装置(包装機,包装ライン)を示している。図2(A)は包装機の平面図を,図2(B)はその側面図を,それぞれ示している。
【0028】
BIB充填機40において内容物が充填されたBIB内袋2が,BIB充填機40から排出される。たとえば8個~10個/分程度の生産能力で,BIB充填機40から内容物が充填されたBIB内袋2が間欠的に排出される。
【0029】
BIB充填機40から排出されたBIB内袋2は包装機(包装ライン)に受け渡される。包装機はコンベア81,82,83,84を含む搬送機構を備えており,注出口4を上向きにして,かつコンベア81~84の搬送方向の後方に位置させて,BIB内袋2はコンベア81~84上を搬送される。注出口4を上向きかつ後方に位置させるのは注出口4を保護する(搬送機構に接触するのを避ける等)ためである。BIB充填機40から排出されたBIB内袋2および次に説明するフィルムを上流から下流に搬送しつつ,以下に説明するようにして,外袋3によってBIB内袋2を個包装する。個包装BIB内袋1がクレート30に収納される。
【0030】
連続する平坦なフィルム10がフィルムロールから送り出され,コンベア82上において平坦フィルム10上にBIB内袋2が載せられる。
【0031】
フィルムロールから送り出された平坦フィルム10は,その両側縁部が上方に曲げられて一対のガイド部材21,22の間に挟まれることで両側縁部のフィルム内面同士が重ね合わされ,これによって筒状フィルム11が形成される。BIB充填機40から排出されたBIB内袋2は筒状フィルム11によって周方向に包囲され,筒状フィルム11内に入った状態で,筒状フィルム11とともに下流に搬送される。
【0032】
BIB充填機40からはBIB内袋2が間欠的に排出されるので,搬送方向に隣り合うBIB内袋2の間にはギャップが確保される。BIB充填機40と包装ラインとの間にアキュームコンベアを設置し,充填ラインの処理速度(BIB充填機40からのBIB内袋2の排出速度)と,包装ラインにおける処理速度の違いをアキュームコンベアにおいて調整し,これによって搬送方向に隣り合うBIB内袋2の間のギャップを調整してもよい。
【0033】
筒状フィルム11は一対の背シール装置23,24に進む。一対の背シール装置23,24は,筒状フィルム11の重なり部分(平坦フィルム10の両側縁部)をその両側方から挟む箇所にそれぞれ設けられており,かつ互いの間隔を狭めるまたは広げる方向に駆動可能である。背シール装置23,24の内面にはロールヒータ等のシール装置が設けられており,背シール装置23,24の間隔が狭められたときにロールヒータが筒状フィルム11の重なり部分に両側方から押し付けられ,これによって筒状フィルム11の重なり部分が熱溶着される。熱溶着される筒状フィルム11の重なり部分が外袋3の背シール部5になる。
【0034】
ロールヒータを用いたヒートシールに代えて,ヒートシールバー,超音波シールまたはインパルスシールを採用することもできる。
【0035】
背シール部5が形成された筒状フィルム11は,次に一対の前後端シール/切断装置25,26に進む。
【0036】
一対の前後端シール/切断装置25,26は,筒状フィルム11の搬送路の上下のそれぞれに設置され,かつ搬送路に向かって進退可能に設けられている。前後端シール/切断装置25,26の先端にはヒートシールバーが設けられており,前後端シール/切断装置25,26の間隔が狭められたときにヒートシールバーが筒状フィルム11に押し付けられ,これによって筒状フィルム11の前後端部が熱溶着される。ヒートシールバーを用いたヒートシールに代えて,超音波シール,インパルスシールを採用することもできる。
【0037】
前後端シール/切断装置25,26による筒状フィルム11の前後端部の熱溶着は,筒状フィルム11内において前後方向にギャップを確保して下流に向けて搬送される,前後に隣り合う2つのBIB内袋2同士の間(すなわち,BIB内袋2が存在しないギャップ箇所)の筒状フィルム11に対して行われる。前後端シール/切断装置25,26が筒状フィルム11に上下から押し付けられると,前方を搬送されているBIB内袋2を覆っている筒状フィルム11の後端シール部6が形成され,外袋3によるBIB内袋2の個包装(個包装BIB内袋1)が完成する。それと同時に,その一つ後ろを搬送されているBIB内袋2を覆っている筒状フィルム11の前端シール部7も形成される。一般には,BIB内袋2の先端位置または後端位置を検知する位置センサからの出力信号に基づいて,前後端シール/切断装置25,26の動作タイミングは制御される。
【0038】
前後端シール/切断装置25,26の先端にはさらに切断刃(図示略)も設けられており,これによって筒状フィルム11と外袋3とが切り離される。筒状フィルム11と外袋3とを切り離すときに,前端シール部7もしくは後端シール部6,またはこれらの両方に,ノッチ(切欠き),マジックカット(登録商標)等の易開封構造を形成してもよい。背シール部5に易開封構造を形成することもできる。
【0039】
BIB内袋2が外袋3によって個包装された個包装BIB内袋1は,最後にシュータ50を経てクレート30内に投入される。一つのクレート30に一または複数の個包装BIB内袋1が収納される。
【0040】
筒状フィルム11内の空気を抜くバキューム装置,または筒状フィルム11内に空気を入れるブロワ装置を用いて,外袋3内(BIB内袋2とこれを個包装する外袋3の間)に封入される空気量を調整してもよい。外袋3内に空気を入れないようにすることによって個包装BIB内袋1の容積を少なくすることができる。外袋3内に空気を入れることによってエアクッションによるBIB内袋2の保護効果が生じる。
【0041】
クレート30内に個包装BIB内袋1を投入するときに,外袋3の背シール部5を把持して持ち上げ,クレート30に静かに投入するようにしてもよい。外袋3およびBIB内袋2の破れ(ピンホールの発生)を防止することができる。
【0042】
図3は他の実施例の個包装BIB内袋1Aを示している。図1に示す個包装BIB内袋1とは,背シール部5がBIB内袋2の長手方向と直交する方向に形成され,かつ前後端シール部6,7がBIB内袋2の長辺側に形成されている点が異なる。包装装置に受け渡すときにBIB内袋2を90度回転させることによって,図3に示す態様の個包装BIB内袋1Aを形成することができる。
【0043】
個包装BIB内袋1Aでは,BIB内袋2に取り付けられている注出口4と,外袋3の背シール部5の位置がずれている。このように注出口4に重なり合わない位置に背シール部5を形成することによって,外袋3の背シール部5に外袋3内のBIB内袋2の注出口4が押し付けられないことになるので,背シール部5を発端とする外袋3の破損(破れ)を効果的に防止することができる。
【0044】
BIB内袋2における注出口4の取付け位置をずらす,または背シール部5の形成箇所をずらす(たとえば,上述した包装ラインにおけるガイド部材21,22および背シール装置23,24の設置位置を,搬送方向に直交する方向の中央から左右のいずれかにずらす)ことによっても,BIB内袋2に取り付けられている注出口4に重なり合わない位置に,背シール部5を形成することができる。
【0045】
図4は他の実施例の個包装BIB内袋の製造装置(包装機)の側面図を概略的に示している。図2(A),(B)に示すBIB充填機40およびクレート30の図示は,図4において省略されている。
【0046】
上述した図2(A),(B)に示す包装機では,コンベア82上に載せられた平坦フィルム10上にBIB内袋2が載せられ,平坦フィルム10の両側縁部が上方に曲げられることでコンベア82上において形成される筒状フィルム11によってBIB内袋2が包囲される。これに対して図4に示す包装機では,平坦フィルム10の両側縁部が下方に曲げられて筒状フィルム11が形成され,筒状フィルム11によってBIB内袋2のみならずコンベア82も包囲される。
【0047】
フィルムロールから送り出される連続する平坦フィルム10は,コンベア82の上方からコンベア82に向けて送り出され,その両側縁部がコンベア82の下方に設けられた一対のガイド部材21,22の間に挟まれる。ガイド部材21,22によって平坦フィルム10の両側縁部のフィルム内面同士がコンベア82の下方において重ね合わされる。BIB内袋2はコンベア82を含めて筒状フィルム11によって周方向に包囲される。
【0048】
一対の背シール装置23,24はコンベア82の下方に設けられており,コンベア82の下方において筒状フィルム11の重なり部分が両側方から押し付けられ,これによって筒状フィルム11の重なり部分が熱溶着される。コンベア82の下方において筒状フィルム11に背シール部5が形成される。
【0049】
背シール部5が形成された筒状フィルム11は前後端シール/切断装置25,26に進み,ここで筒状フィルム11の前後端が熱溶着され,かつ切断される。BIB内袋2が外袋3によって個包装された個包装BIB内袋1Bが完成する。
【0050】
個包装BIB内袋1Bにおいて,外袋3の背シール部5はBIB内袋2の背面側に形成される。外袋3の背シール部5にBIB内袋2の注出口4が押し付けられることがないので,背シール部5を発端とする外袋3の破損(破れ)を効果的に防止することができる。
【0051】
図5はさらに他の実施例の個包装BIB内袋の製造装置(包装機)の斜視図を示している。図2(A),(B)に示すBIB充填機40およびクレート30の図示は,図5においても省略されている。図6図5に示す包装機を正面から見た概略図である。
【0052】
図2(A),(B)および図4に示す包装機と異なり,図5に示す包装機では,あらかじめ2つ折りにされたフィルム60がフィルムロールに巻かれており,2つ折りフィルム60がフィルムロールから送り出される。
【0053】
コンベア82の両側方に方向転換具86が設置されており,コンベア82の上方からコンベア82に向けて送り出された2つ折りフィルム60は,方向転換具86によって,その進行方向が,コンベア82の搬送方向の向きに転換される。方向転換具86の先端部分において,2つ折りフィルム60は,その折り目61の箇所において表裏が裏返されて筒状フィルム62となる。図5に示す包装機においても,BIB内袋2はコンベア82を含めて筒状フィルム62によって周方向に包囲され,コンベア82の下方において筒状フィルム62の両側縁部が重ね合わされて熱溶着され,背シール部5(図6参照)が形成される。
【0054】
背シール部5が形成された筒状フィルム62は前後端シール/切断装置25,26に進み,ここで筒状フィルム62の前後端が熱溶着され,かつ切断される。BIB内袋2が外袋3によって個包装された個包装BIB内袋1Bが完成する。図5に示す包装機においても,背シール部5はBIB内袋2の背面側に形成されるので,背シール部5にBIB内袋2の注出口4が押し付けられることはなく,背シール部5を発端とする外袋3の破損(破れ)を効果的に防止することができる。
【0055】
図7に示すように,2つ折りフィルム60をコンベア82の一側方からコンベア82に向けて供給し,コンベア82の他側方において背シール部5を形成してもよい。この態様であっても背シール部5にBIB内袋2の注出口4が押し付けられることがないので,背シール部5を発端とする外袋3の破損(破れ)を効果的に防止することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 個包装BIB内袋
2 BIB内袋
3 外袋
4 注出口
5 背シール部
6 後端シール部
7 前端シール部
10,60 フィルム
11,62 筒状フィルム
23,24 背シール装置
25,26 前後端シール/切断装置
30 クレート
40 BIB充填機
82,83,84 コンベア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7