(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-15
(45)【発行日】2023-05-23
(54)【発明の名称】自動運転車両の操作装置
(51)【国際特許分類】
B60K 35/00 20060101AFI20230516BHJP
B60Q 1/34 20060101ALI20230516BHJP
B60Q 1/52 20060101ALI20230516BHJP
B60Q 5/00 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
B60K35/00 Z
B60Q1/34 C
B60Q1/52
B60Q5/00 620C
B60Q5/00 660L
(21)【出願番号】P 2019121410
(22)【出願日】2019-06-28
【審査請求日】2021-05-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山ノ内 勇智
(72)【発明者】
【氏名】木下 晶晴
【審査官】西藤 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-103422(JP,A)
【文献】特開2018-000156(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00
B60Q 1/34
B60Q 1/52
B60Q 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転可能な自動運転車両の操作装置であって、
前記自動運転車両の自動運転モードによる走行を開始させる発進ボタン及び自動運転モード中に前記自動運転車両を減速させるための減速ボタンの少なくとも一方、
ウィンカ動作、ハザード動作、及びホーンの鳴動の少なくとも1つを実行するための報知ボタン、並びに、前記自動運転車両が有する機器を制御するための機器制御ボタン群を表示又は拡大させるためのタブスイッチとが、同一画面上に表示されたタッチパネルを備え、
前記タブスイッチは、画面の上下左右いずれかの端部に表示され、オペレータにより画面中央方向にスライド操作されることで、前記機器制御ボタン群が表示又は拡大される、
ことを特徴とする自動運転車両の操作装置。
【請求項2】
前記タブスイッチは、前記自動運転車両が有する機器に対応しており、前記タブスイッチが操作されると、当該タブスイッチに対応した機器を制御するための前記機器制御ボタン群が表示又は拡大される、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動運転車両の操作装置。
【請求項3】
前記タッチパネルにおいて、さらに、前記自動運転車両の状態が前記同一画面上に表示される、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動運転車両の操作装置。
【請求項4】
前記機器制御ボタン群の少なくとも一部は、前記自動運転車両の状態を示す状態標識の少なくとも一部分の上に重なるように表示又は拡大される、
ことを特徴とする請求項3に記載の自動運転車両の操作装置。
【請求項5】
前記機器制御ボタン群が表示又は拡大された状態で、前記発進ボタン及び前記減速ボタンの少なくとも一方、又は、前記報知ボタンが操作可能である、
ことを特徴とする請求項4に記載の自動運転車両の操作装置。
【請求項6】
前記タブスイッチは複数設けられ、
複数の前記タブスイッチに対応する複数の前記機器制御ボタン群は、同時に表示又は拡大可能である、
ことを特徴とする請求項2に記載の自動運転車両の操作装置。
【請求項7】
前記タッチパネルにおいて、さらに、前記タブスイッチに対応する前記機器とは異なる前記自動運転車両が有する機器を制御するための常設機器制御ボタンが前記同一画面上に表示される、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動運転車両の操作装置。
【請求項8】
自動運転可能な自動運転車両の操作装置であって、
前記自動運転車両の自動運転モードによる走行を開始させる発進ボタン及び自動運転モード中に前記自動運転車両を減速させるための減速ボタンの少なくとも一方、
ウィンカ動作、ハザード動作、及びホーンの鳴動の少なくとも1つを実行するための報知ボタン、前記自動運転車両が有する機器を制御するための機器制御ボタン群を表示又は拡大させるためのタブスイッチ、並びに、前記自動運転車両の状態とが、同一画面上に表示されたタッチパネルを備え、
前記機器制御ボタン群の少なくとも一部は、前記自動運転車両の状態を示す状態標識の少なくとも一部分の上に重なるように表示又は拡大される、
ことを特徴とする自動運転車両の操作装置。
【請求項9】
自動運転可能な自動運転車両の操作装置であって、
前記自動運転車両の自動運転モードによる走行を開始させる発進ボタン及び自動運転モード中に前記自動運転車両を減速させるための減速ボタンの少なくとも一方、
ウィンカ動作、ハザード動作、及びホーンの鳴動の少なくとも1つを実行するための報知ボタン、並びに、前記自動運転車両が有する機器を制御するための機器制御ボタン群を表示又は拡大させるためのタブスイッチとが、同一画面上に表示されたタッチパネルを備え、
前記タブスイッチは、前記自動運転車両が有する機器に対応しており、前記タブスイッチが操作されると、当該タブスイッチに対応した機器を制御するための前記機器制御ボタン群が表示又は拡大され、
前記タブスイッチは複数設けられ、
複数の前記タブスイッチに対応する複数の前記機器制御ボタン群は、同時に表示又は拡大可能である、
ことを特徴とする自動運転車両の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、自動運転車両の操作装置を開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動運転可能な自動運転車両が知られている。自動運転とは、操作者(オペレータ)の操作によらずに、加減速制御、ブレーキ制御、あるいはステアリング制御などを含む運転制御をコンピュータが実行することを意味する。
【0003】
従来、自動運転車両には、オペレータが種々の指示を入力するための操作装置が設けられていた。例えば、特許文献1には、自動運転車両が有する機器(空調など)を操作するための機械式のスイッチがダッシュボード付近に設けられ、自動運転のオンオフを行うための自動化オンオフスイッチが運転席の側方に設けられた自動運転車両が開示されている。また、特許文献2には、タッチパネルを備えた自動運転車両であって、運転モードの変更をタッチパネルにより行う自動運転車両が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-6277号公報
【文献】特開2017-24521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、自動運転車両が有する機器を制御するための操作をタッチパネルによって行うようにすることが考えられる。この場合、機器を制御するための機器制御ボタンをタッチパネルに表示させ、オペレータがこれらのボタンを操作することで、機器の制御が実現される。
【0006】
自動運転車両に設けられた1つの機器を制御するために複数のボタンが必要となる場合、あるいは、自動運転車両が複数の機器を有する場合などには、タッチパネルに表示される機器制御ボタンの数が多くなってしまう。このように、タッチパネルに多数の機器制御ボタンが表示されると、タッチパネルの画面が煩雑化し、オペレータが操作したいボタンを探すのに時間が掛かってしまうなど、タッチパネルの操作性が低下してしまうおそれがある。
【0007】
特に、機器制御ボタンに加えて、発進制御、停止制御、及び加減速制御を含む自動運転車両の車速制御を行うための車速制御ボタン、及び、ウィンカ、ハザード、あるいはホーンの動作などの車両外部へ向けた報知を行うための報知ボタンをタッチパネルに表示させる場合、車速制御ボタン及び報知ボタンのいずれも、操作頻度が高いと考えられ、あるいは、オペレータが素早く操作を行う必要がある場合が想定される。したがって、車速制御ボタン及び報知ボタンが表示されるタッチパネルにおいて、複数の機器制御ボタンを表示させることでタッチパネルの操作性が低下することは特に望ましくない。
【0008】
本明細書で開示される自動運転車両の操作装置の目的は、自動運転車両の車速制御、車両外部へ向けた報知、及び自動運転車両が有する機器の制御を行うためのタッチパネルの操作性の低下を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書で開示される自動運転車両の操作装置は、自動運転可能な自動運転車両の操作装置であって、前記自動運転車両の自動運転モードによる走行を開始させる発進ボタン及び自動運転モード中に前記自動運転車両を減速させるための減速ボタンの少なくとも一方、ウィンカ動作、ハザード動作、及びホーンの鳴動の少なくとも1つを実行するための報知ボタン、並びに、前記自動運転車両が有する機器を制御するための機器制御ボタン群を表示又は拡大させるためのタブスイッチとが、同一画面上に表示されたタッチパネルを備え、前記タブスイッチは、画面の上下左右いずれかの端部に表示され、オペレータにより画面中央方向にスライド操作されることで、前記機器制御ボタン群が表示又は拡大される、ことを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、タブスイッチを操作する前は、機器制御ボタン群がタッチパネルに表示されない、あるいは、縮小表示されているから、車速制御ボタン(発進ボタン及び減速ボタンの少なくとも一方)及び報知ボタンを含む画面の煩雑化が抑制される。これにより、タッチパネルにて自動運転車両の車速制御及び車両外部へ向けた報知に加え、自動運転車両が有する機器の制御を可能としつつも、タッチパネルの操作性の低下を抑制することができる。また、車速制御ボタン、報知ボタン、及びタブスイッチが同一画面上に表示されているから、オペレータは、車速制御ボタン又は報知ボタンを操作している状態から、すぐにタブスイッチを操作して機器制御ボタン群を表示させることができる。
【0011】
前記タブスイッチは、前記自動運転車両が有する機器に対応しており、前記タブスイッチが操作されると、当該タブスイッチに対応した機器を制御するための前記機器制御ボタン群が表示又は拡大されるとよい。
【0013】
前記タッチパネルにおいて、さらに、前記自動運転車両の状態が前記同一画面上に表示されるとよい。
【0014】
前記機器制御ボタン群の少なくとも一部は、前記自動運転車両の状態を示す状態標識の少なくとも一部分の上に重なるように表示又は拡大されるとよい。
【0015】
前記機器制御ボタン群が表示又は拡大された状態で、前記発進ボタン及び前記減速ボタンの少なくとも一方、又は、前記報知ボタンが操作可能であるとよい。
【0016】
前記タブスイッチは複数設けられ、複数の前記タブスイッチに対応する複数の前記機器制御ボタン群は、同時に表示又は拡大可能であるとよい。
【0017】
前記タッチパネルにおいて、さらに、前記タブスイッチに対応する前記機器とは異なる前記自動運転車両が有する機器を制御するための常設機器制御ボタンが前記同一画面上に表示されるとよい。
また、本明細書で開示される自動運転車両の操作装置は、自動運転可能な自動運転車両の操作装置であって、前記自動運転車両の自動運転モードによる走行を開始させる発進ボタン及び自動運転モード中に前記自動運転車両を減速させるための減速ボタンの少なくとも一方、ウィンカ動作、ハザード動作、及びホーンの鳴動の少なくとも1つを実行するための報知ボタン、前記自動運転車両が有する機器を制御するための機器制御ボタン群を表示又は拡大させるためのタブスイッチ、並びに、前記自動運転車両の状態とが、同一画面上に表示されたタッチパネルを備え、前記機器制御ボタン群の少なくとも一部は、前記自動運転車両の状態を示す状態標識の少なくとも一部分の上に重なるように表示又は拡大される、ことを特徴とする。
また、本明細書で開示される自動運転車両の操作装置は、自動運転可能な自動運転車両の操作装置であって、前記自動運転車両の自動運転モードによる走行を開始させる発進ボタン及び自動運転モード中に前記自動運転車両を減速させるための減速ボタンの少なくとも一方、ウィンカ動作、ハザード動作、及びホーンの鳴動の少なくとも1つを実行するための報知ボタン、並びに、前記自動運転車両が有する機器を制御するための機器制御ボタン群を表示又は拡大させるためのタブスイッチとが、同一画面上に表示されたタッチパネルを備え、前記タブスイッチは、前記自動運転車両が有する機器に対応しており、前記タブスイッチが操作されると、当該タブスイッチに対応した機器を制御するための前記機器制御ボタン群が表示又は拡大され、前記タブスイッチは複数設けられ、複数の前記タブスイッチに対応する複数の前記機器制御ボタン群は、同時に表示又は拡大可能である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本明細書で開示される自動運転車両の操作装置によれば、自動運転車両の車速制御、車両外部へ向けた報知、及び自動運転車両が有する機器の制御を行うためのタッチパネルの操作性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施形態に係る自動運転車両の外観図である。
【
図2】本実施形態に係る自動運転車両の車室内を示す第1の斜視図である。
【
図3】本実施形態に係る自動運転車両の車室内を示す第2の斜視図である。
【
図4】本実施形態に係る自動運転車両の機能ブロック図である。
【
図5】自動運転モードであって自動運転車両が停止している場合のタッチパネルの画面を示す図である。
【
図6】自動走行時のタッチパネルの画面を示す図である。
【
図7】タブスイッチをスライド操作する様子を示す図である。
【
図8】機器制御ウィンドウが表示されたタッチパネルの画面を示す図である。
【
図9】複数の機器制御ウィンドウが表示されたタッチパネルの画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本実施形態に係る自動運転車両10の外観図である。本明細書の各図において、前(FR)及び後の用語は車両前後方向の前後を意味し、左(LH)及び右の用語は前を向いたときの左右を意味し、上(UP)及び下は車両上下方向の上下を意味する。
【0021】
自動運転車両10は、略直方体であって前後対象の形状を有しており、その外観意匠も前後対称となっている。平面視の四隅には上下方向に伸びるピラー12が設けられており、各ピラー12の下側にホイール14が設けられている。自動運転車両10の前後左右の側面壁の大部分は半透明のパネル16となっている。パネル16はディスプレイパネルとなっていてもよく、そこに文字などが表示されてもよい。
【0022】
左側面の一部のパネル16はスライド可能なドア18となっており、当該ドア18がスライドして開くことで乗員が乗降することができる。なお、
図1においては不図示であるが、ドア18の下部には出し入れ可能なスロープが収容されている。当該スロープは、車椅子の乗降のためなどに用いられる。
【0023】
また、自動運転車両10は、自動運転可能な車両である。具体的には、自動運転車両10は、自動運転モード、半自動運転モード、及び手動運転モードを含む複数の運転モードで運転することが可能となっている。
【0024】
自動運転モードとは、運転制御の大部分を自動運転車両10に搭載されたコンピュータ(運転制御部(後述))が行う運転モードである。本明細書においては、運転制御とは、ギア変更制御、車速制御、ステアリング制御、あるいは、自動運転車両10の外部(車外)への報知を含む概念である。車速制御とは、自動運転車両10の発進制御、停止制御、及び加減速制御を含む概念である。また、車外への報知とは、例えば、ウィンカ動作、ハザード動作、あるいはホーンの鳴動などが含まれる。
【0025】
自動運転車両10は、複数の自動運転車両10を管理及び制御する管理センタと通信可能となっており、自動運転モードにおいては、自動運転車両10は、管理センタの制御により予め定められたルートを走行する。自動運転モードにおいては、管理センタからの運転指示に従ってコンピュータによって運転制御が行われるが、停止状態からの発進制御だけは自動運転車両10に搭乗したオペレータの操作によって行われる。
【0026】
また、自動運転モードにおいて、管理センタからの制御に加え、オペレータの操作によっても車速制御及び車外への報知をすることができるようになっている。本実施形態では、自動走行中に、車速制御のうち減速制御がオペレータの操作によって可能になっている。もちろん、減速制御以外の車速制御が可能であってもよい。また、車外への報知のうちウィンカ及びハザードの作動及び停止、並びに、ホーンの鳴動がオペレータの操作によって可能になっている。
【0027】
半自動運転モードとは、自動運転モード同様に、自動運転車両10の運転制御の大部分を自動運転車両10に搭載されたコンピュータが行う運転モードである。半自動モードにおいては、管理センタからの指示に依らず、自動運転車両10に設けられた種々のセンサ(例えばカメラあるいはライダなど)による検出結果に基づいてコンピュータが運転制御を行い、予め定められたルートを走行する。半自動運転モードにおいても、停止状態からの発進制御だけは自動運転車両10に搭乗したオペレータの操作によって行われ、オペレータの操作によっても車速制御及び車外への報知を行うことができるようになっている。
【0028】
手動運転モードとは、自動運転車両10が自動運転を行わず、自動運転車両10に乗車したオペレータが自動運転車両10の運転制御を行うモードである。
【0029】
自動運転車両10は、不特定多数の乗員が乗り合う乗合型の車両である。本実施形態では、自動運転車両10は、特定の敷地内において、規定のルートに沿って走行しながら、乗客を輸送するバスとして利用される。したがって、自動運転車両10は、比較的、高頻度で、停車と発進を繰り返すことが想定されている。また、自動運転車両10は、比較的、低速(例えば30km/h以下)での走行が想定されている。
【0030】
ただし、本明細書で開示する自動運転車両10の利用形態は、適宜、変更可能であり、例えば、自動運転車両10は、移動可能なビジネススペースとして利用されてもよく、各種商品を陳列販売する小売店や、飲食物を調理提供する飲食店などの店舗として用いられてもよい。また、別の形態として、自動運転車両10は、事務作業や顧客との打ち合わせなどを行うためのオフィスとして用いられてもよい。また、自動運転車両10の利用シーンは、ビジネスに限らず、例えば、自動運転車両10は、個人の移動手段として用いられてもよい。また、自動運転車両10の走行パターンや走行速度も、適宜変更されてもよい。
【0031】
自動運転車両10は、原動機として、バッテリからの電力供給を受ける駆動モータを有する電気自動車である。当該バッテリは、充放電可能な二次電池であり、定期的に外部電力により充電される。なお、自動運転車両10は、電気自動車に限らず、他の形式の自動車でもよい。例えば、自動運転車両10は、原動機としてエンジンを搭載したエンジン自動車でもよいし、原動機としてエンジンおよび駆動モータを搭載したハイブリッド自動車でもよい。さらに、自動運転車両10は、燃料電池で発電した電力で駆動モータを駆動する水素自動車でもよい。
【0032】
図2及び
図3は、自動運転車両10の車室内を示す斜視図である。上述のように、自動運転車両10はバスとして利用されるから、車室内の中央部は、立って乗車する乗員のためあるいは乗員が座った車椅子を載置するためのフロア20となっている。また、車室内の側壁に沿って、乗員用の座席22が設けられている。
【0033】
自動運転車両10には、自動運転車両10の運転制御、車外へ向けた報知(ウィンカ、ハザード、ホーンなど)、及び、自動運転車両10が有する各機器(エアコン、ワイパ、ヘッドライト、テールライトなど)の操作を行うオペレータ用のオペレータ席24が設けられている。
図2では、オペレータ席24の座部24aが下げられ座面24bが現れた状態が示されているが、座部24aは跳ね上げ可能となっている。本実施形態では、オペレータ席24は、車室内の左側面であってドア18の前側近傍に設けられているが、オペレータ席24は、車室内の右側面に設けられてもよい。
【0034】
オペレータ席24の前側には、オペレータ席24に座ったオペレータが腕を置くための前後方向に伸長したアームレスト26が設けられている。上述の通り、本実施形態では、オペレータ席24が車室内の左側面に設けられているから、アームレスト26は車室内の左側端部に配置されている。オペレータ席24が車室内の右側面に設けられているのであれば、アームレスト26は車室内の右側端部に配置される。アームレスト26は、着座可能状態におけるオペレータ席24の座面24bよりも上側に設けられている。
【0035】
アームレスト26の前端部には、アームレスト26の上面から上側に立設したタッチパネル28が設けられている(
図3参照)。タッチパネル28は、表示面(操作面)が後側(つまりオペレータ席24側)を向いている。したがって、オペレータは、オペレータ席24に座り、腕をアームレスト26に置きながら、手でタッチパネル28を操作することが可能になっている。タッチパネル28によって、車速制御指示の入力、車外への報知指示の入力、自動運転車両10が有する機器に対する機器制御指示の入力、及び、運転モードの変更指示の入力などが可能となっている。タッチパネル28の表示画面の詳細については後述する。
【0036】
なお、アームレスト26には、自動運転車両10に対して、運転制御指示を入力するための機械式操作部(不図示)が設けられてもよい。機械式操作部としては、例えば前後左右に倒すことが可能なスティック状のものであってよい。機械式操作部は、自動運転車両10のいずれの運転モードでも操作可能であってよいが、主に、手動運転モードのときに用いられる。
【0037】
車室内の前側左隅には、自動運転車両10に関する情報が表示されるディスプレイ30が設けられている(
図3参照)。ディスプレイ30には、例えば、自動運転車両10の車速、外気温、次に停止する停留所などの情報が表示される。
【0038】
本実施形態では、自動運転車両10の操作装置は、タッチパネル28及び機械式操作部を含んで構成される。なお、自動運転車両10には、従来の自動車などに設けられていた、アクセルペダルあるいはブレーキペダルのような、車速制御指示を入力するための、足で操作するフットペダルは設けられていない。
【0039】
図4は、自動運転車両10の機能ブロック図である。自動運転車両10は、タッチパネル28に加え、運転モード選択部40、運転制御部42、及び表示制御部44を含んで構成される。運転モード選択部40、運転制御部42、及び表示制御部44は、プロセッサなどのハードウェア、及び、当該ハードウェアを動作させるためのソフトウェアの協働により実現される。
【0040】
運転モード選択部40は、オペレータがタッチパネル28から入力した運転モードの変更指示に基づいて、自動運転モード、半自動運転モード、及び手動運転モードの中から自動運転車両10の運転モードを選択する。
【0041】
運転制御部42は、運転モード選択部40が選択した運転モードに応じて、タッチパネル28又は機械式操作部から入力された運転制御指示、管理センタから受信した運転制御指示、自動運転車両10が備える種々のセンサによる検出結果に基づいて、自動運転車両10の運転制御を行う。
【0042】
表示制御部44は、タッチパネル28に種々の画面を表示させる制御を行う。以下に、タッチパネル28の種々の画面について説明するが、これらの画面は、全て表示制御部44による制御によって表示される。
【0043】
以下、
図5~
図9を参照しつつ、タッチパネル28の表示画面について説明する。
【0044】
図5は、自動運転車両10が自動運転モードであって停止しているときのタッチパネル28の表示画面を示す図である。以下においては、運転モードが自動運転モードである場合のタッチパネル28の表示画面について説明するが、タッチパネル28の表示画面は、どの運転モードであっても大部分は同じである。
【0045】
タッチパネル28には、自動運転車両10に車速制御指示を入力するための車速制御ボタン50、及び、車外へ向けた報知指示を入力するための報知ボタン52が表示される。本実施形態では、自動運転車両10が停止している場合、車速制御ボタン50として、自動運転車両10に対して発進指示を入力するための発進ボタンとしてのGOボタン50aが表示される。自動運転車両10が自動運転での走行を開始すると、
図6に示すように、車速制御ボタン50として、GOボタン50aに代えて、減速指示を入力するための減速ボタンとしてのSLOWDOWNボタン50bが表示される。なお、SLOWDOWNボタン60bを操作し続けることで、自動運転車両を停止させることができる。したがって、SLOWDOWNボタン60bは、自動運転車両を停止させるための停止指示を入力するものであるともいえる。また、本実施形態では、報知ボタン52として、ウィンカの作動/停止指示を入力するためのウィンカボタン52a、ハザードの作動/停止指示を入力するためのハザードボタン52b、及び、ホーンの鳴動指示を入力するためのホーンボタン52cが表示される。このように、本実施形態では、複数の報知ボタン52が表示されるが、報知ボタン52は1つであってもよい。また、上記以外の種類の報知ボタン52が表示されてもよい。
【0046】
また、タッチパネル28には、タブスイッチ54が表示される。
図5に示される通り、本実施形態では、2つのタブスイッチ54-1及び54-2が表示される。もちろん、タブスイッチ54は1つのみ、あるいは3つ以上表示されてもよい。タブスイッチ54がオペレータによって操作されると、自動運転車両10が有する機器を操作するための機器操作ボタン群がタッチパネル28に表示される。
【0047】
タブスイッチ54は、車速制御ボタン50及び報知ボタン52と同一画面上に表示される。ここで、同一画面上に表示されるとは、オペレータが別途の操作(例えば画面の切り替え操作など)をする必要なく、車速制御ボタン50、報知ボタン52、及びタブスイッチ54が操作可能であるようにタッチパネル28に表示されることを意味する。例えば、車速制御ボタン50、報知ボタン52、及びタブスイッチ54が同時に表示された状態である。したがって、例えば、タッチパネル28において、1つの画面に複数の分割画面を表示可能である場合、オペレータが別途の操作をする必要なく車速制御ボタン50、報知ボタン52、及びタブスイッチ54が操作可能に表示される限りにおいて、これらのボタンが複数の分割画面に分散して表示されている場合にも、車速制御ボタン50、報知ボタン52、及びタブスイッチ54が同一画面上に表示されていると言える。
【0048】
本実施形態では、タブスイッチ54は、自動運転車両10が有する機器に対応したものとなっている。例えば、1つのタブスイッチ54は、1つの機器に対応している。
図5の例では、タブスイッチ54-1はエアコンに対応するものであり、タブスイッチ54-2はワイパに対応したものとなっている。各タブスイッチ54がどの機器に対応しているかが明示されているとよい。
図7の例では、エアコンに対応するタブスイッチ54-1にはエアコンを示す「A/C」の文字が、ワイパに対応するタブスイッチ54-2には、ワイパを示す画像が表示されている。もちろん、タブスイッチ54は、機器に対応していなくてもよく、1つの機器を制御するための複数の機器制御ボタンが複数のタブスイッチ54に割り当てられていてもよい。
【0049】
また、タブスイッチ54は、タッチパネル28の画面の端部に表示されるとよい。本実施形態では、タブスイッチ54は、いずれも画面の左端部に表示されているが、右端部、上端部、あるいは下端部に表示されてもよい。また、タブスイッチ54-1を左端部に、タブスイッチ54-2を右端部に表示させるなど、複数のタブスイッチ54を互いに異なる端部に表示させるようにしてもよい。もちろん、タブスイッチ54は、画面の端部ではなく、画面の中央部に表示されてもよい。
【0050】
なお、タブスイッチ54は、車速制御ボタン50又は報知ボタン52よりも上側に表示されるとよい。上述のように、タッチパネル28は、オペレータが腕を置くアームレスト26の上面から上側に立設している。したがって、アームレスト26に腕を置いた状態だと、オペレータは、タッチパネル28の上側よりも下側の方が操作し易く、また、迅速に操作できる。自動運転車両10の車速制御、及び、車外へ向けた報知は、少なくとも自動運転車両10が有する機器の制御よりも実行頻度が高く、また、より迅速に行う必要がある場合が多い。したがって、タブスイッチ54を車速制御ボタン50又は報知ボタン52よりも上側に表示、換言すれば、車速制御ボタン50又は報知ボタン52をタブスイッチ54よりも下側に表示することで、オペレータが、車速制御ボタン50又は報知ボタン52をタブスイッチ54よりも操作し易くなる、あるいは、より迅速に操作可能となる。
【0051】
タブスイッチ54の操作方法や機器操作ボタンの詳細については後述する。
【0052】
さらに、タッチパネル28には、運転モード変更ボタン56、ギア変更ボタン58、Pブレーキボタン60、及び、状態標識62が表示される。
【0053】
運転モード変更ボタン56は、自動運転車両10の運転モードの変更指示を入力するためのボタンである。本実施形態では、運転モードの変更は停車中のみ可能であるため、自動運転車両10が停止しているときは、運転モード変更ボタン56として、自動運転モードに変更するための自動運転モードボタン、半自動運転モードに変更するための半自動運転モードボタン、手動運転モードに変更するための手動運転モードボタンが表示される。一方、走行中は、
図6に示すように、運転モード変更ボタン56としては、現在の運転モードに対応するボタン(
図6の例では自動運転モードボタン)のみが表示される。なお、運転モード変更ボタン56は、現在の運転モードが分かる態様で表示されるとよい。
図5の例では、運転モードが自動運転モードであるため、自動運転モードボタンが、半自動運転モードボタン及び手動運転モードボタンとは異なる態様(
図5の例では異なる色)で表示されている。
【0054】
ギア変更ボタン58は、自動運転車両10のギア(シフト)を変更するためのボタンである。ギア変更ボタン58としては、P(パーキング)、R(リバース)、N(ニュートラル)、D(ドライブ)の各ギアに対応する複数のボタンが表示される。ギア変更ボタン58は、現在のギアが分かる態様で表示されるとよい。
図5の例では、現在のギアがDであるため、ギアDに対応するボタンが他のギアに対応するボタンとは異なる態様(
図5の例では異なる色)で表示されている。
【0055】
Pブレーキボタン60は、電動パーキングブレーキの作動/解除指示を入力するためのボタンである。
【0056】
状態標識62は、自動運転車両10の状態を示すものである。本実施形態では、状態標識62は、自動運転車両10のバッテリ残量、ドア18の開閉状態、スロープの状態、及び自動運転車両10に設けられた各種センサの検知状態を示す図である。もちろん、状態標識62としては、図ではなくその他の形式で表示されてもよく、また上記以外の状態を示すものであってもよい。状態標識62は、あくまで標識であってボタンではないため、オペレータが操作できるものではない。なお、上述のように、運転モード変更ボタン56において現在の運転モードを示すことが可能であり、ギア変更ボタン58によって現在のギアを示すことが可能であることから、運転モード変更ボタン56やギア変更ボタン58も、自動運転車両10の状態を表示するものであると言える。
【0057】
状態標識62は、タブスイッチ54から見て画面中央側に表示される。本実施形態では、タブスイッチ54がタッチパネル28の画面の左端部に設けられているから、状態標識62は、タブスイッチ54の右側に表示される。
【0058】
運転モード変更ボタン56、ギア変更ボタン58、及び、Pブレーキボタン60は、車速制御ボタン50、報知ボタン52、及びタブスイッチ54と同一画面上に表示されるとよい。これにより、車速制御ボタン50、報知ボタン52、及びタブスイッチ54と、運転モード変更ボタン56、ギア変更ボタン58、及び、Pブレーキボタン60との間で、操作の切り替えを容易に行うことができる。
【0059】
また、状態標識62も、車速制御ボタン50、報知ボタン52、及びタブスイッチ54と同一画面上に表示されるとよい。状態標識62、あるいは、運転モード変更ボタン56やギア変更ボタン58によって、車速制御ボタン50、報知ボタン52、及びタブスイッチ54と同一画面上に自動運転車両10の状態が表示されることで、オペレータは、自動運転車両10の状態を確認してすぐに、車速制御ボタン50、報知ボタン52、又はタブスイッチ54を操作することができる。
【0060】
以下、タブスイッチ54の操作方法と、機器制御ボタン群の表示態様について説明する。
【0061】
本実施形態では、オペレータがタブスイッチ54をスライド操作することで機器制御ボタン群が表示される。なお、スライド操作とは、オペレータが指又はスタイラス(以下単に「指」と記載する)でタッチパネル28の画面をタッチし、指と画面との接触を維持したまま指を移動させる操作である。特に、本実施形態では、タブスイッチ54がタッチパネル28の画面の端部に表示されているので、
図7に示される通り、オペレータがタブスイッチ54を画面中央方向(
図7の例だと右側方向)にスライド操作することで、当該タブスイッチ54の画面中央側に機器制御ボタンが表示される。もちろん、タブスイッチ54の操作方法はスライド操作に限られず、タップ操作(タブスイッチ54を指で1回タッチする操作)や、ダブルタップ操作(タブスイッチ54を短時間内に指で2回タッチする操作)などであってもよい。
【0062】
図8に、機器制御ボタン群64(複数の機器制御ボタン64a)が表示されたタッチパネル28の画面が示されている。
図8は、エアコンに対応するタブスイッチ54-1(
図5参照)が操作された場合の画面であるので、エアコンを制御するための機器制御ボタン群64が表示されている。本実施形態では、タブスイッチ54が操作されると、機器制御ボタン群64を含む機器制御ウィンドウ66が表示される。また、機器制御ウィンドウ66は、さらにウィンドウ消去ボタン68を含んでおり、ウィンドウ消去ボタン68が操作されると、機器制御ウィンドウ66が消去され、再度タブスイッチ54が表示される。なお、タブスイッチ54が操作された場合に、機器制御ウィンドウ66を表示させずに、機器制御ボタン群64を画面に表示させるようにしてもよい。
【0063】
このように、本実施形態では、タブスイッチ54を操作する前は、機器制御ボタン群64が表示されておらず、タブスイッチ54が操作された後に、機器制御ボタン群64が表示される。これにより、タブスイッチ54を操作する前の状態においては、車速制御ボタン50及び報知ボタン52を含む画面に表示される機器制御ボタン64aの数が低減され、画面の煩雑化が抑制される。したがって、タッチパネル28により機器を制御可能としたことに起因する、車速制御ボタン50及び報知ボタン52を含む画面の操作性の低下を抑制することができる。
【0064】
また、車速制御ボタン50、報知ボタン52、及びタブスイッチ54とが同一画面上に表示されているから、オペレータは、車速制御ボタン50又は報知ボタン52と、タブスイッチ54との間で、操作の切り替えを容易に行うことができる。すなわち、車速制御ボタン50又は報知ボタン52を操作をしている状態から、すぐにタブスイッチ54を操作して機器制御ボタン群64を表示させることができ、ひいては、車速制御ボタン50又は報知ボタン52を操作をしている状態からすぐに自動運転車両10が有する機器の制御を行うことができる。
【0065】
本実施形態では、タブスイッチ54は自動運転車両10が有する機器に対応しているから、オペレータは、タブスイッチ54を操作することで、当該タブスイッチ54に対応する機器を制御するための機器制御ボタン群64をまとめて表示することができる。これにより、機器を制御する際のタッチパネル28の操作性が向上する。
【0066】
タブスイッチ54によって表示される機器制御ボタン群64の少なくとも一部は、状態標識62の少なくとも一部分の上に重なるように表示されるとよい。本実施形態では、状態標識62がタブスイッチ54の画面中央側、すなわち右側に表示され、タブスイッチ54が画面中央側にスライド操作されることで、機器制御ボタン群64がタブスイッチ54の画面中央側に表示される。これにより、機器制御ボタン群64の一部の機器制御ボタン64aが状態標識62の一部分に重なって表示される。
【0067】
機器制御ボタン群64の少なくとも一部が状態標識62の少なくとも一部分の上に重なるように表示されることで、タッチパネル28に表示された他のボタンの上に機器制御ボタン群64が重なることが抑制され、機器制御ボタン群64が表示されている間に、他のボタンが操作できなくなることが抑制される。特に、機器制御ボタン群64は、車速制御ボタン50及び報知ボタン52の上に重ならないように表示されるとよい。これにより、機器制御ボタン群64が表示されている間にも、オペレータは車速制御ボタン50及び報知ボタン52を操作することができる。
【0068】
複数のタブスイッチ54に対応する複数の機器制御ボタン群64が同時に表示されてもよい。
図9に、タブスイッチ54-1(
図5参照)に対応する、エアコンを制御するための機器制御ボタン群64-1を含む機器制御ウィンドウ66-1、及び、タブスイッチ54-2(
図5参照)に対応する、ワイパを制御するための機器制御ボタン群64-2を含む機器制御ウィンドウ66-2が同時に表示された画面が示されている。このように、複数のタブスイッチ54に対応する複数の機器制御ボタン群64を同時に表示可能とすることで、複数の機器を制御する場合におけるタッチパネル28の操作性が向上する。
【0069】
上述の実施形態では、タブスイッチ54の操作前ではタッチパネル28に表示されていなかった機器制御ボタン群64が、タブスイッチ54が操作されることによって新たに表示されていたが、タブスイッチ54の操作前において機器制御ボタン群64を縮小表示しておき、タブスイッチ54が操作された場合に、当該タブスイッチ54に対応する機器制御ボタン群64を拡大表示するようにしてもよい。タブスイッチ54の操作前の縮小表示された機器制御ボタン群64は、操作しても機器制御指示の入力を受け付けないものであってもよい。すなわち、機能的にはボタンではなくアイコンとして表示されていてもよい。
【0070】
タブスイッチ54の操作によって機器制御ボタン群64が拡大表示される場合であっても、タブスイッチ54を操作する前は、機器制御ボタン群64が縮小表示されているから、機器制御ボタン群64を表示するためのタッチパネル28上のスペースは小さくて済み、タッチパネル28の表示内容の煩雑化が抑制される。したがって、タッチパネル28により機器を制御可能としたことに起因する、車速制御ボタン50及び報知ボタン52を含む画面の操作性の低下を抑制することができる。
【0071】
また、タブスイッチ54が操作されることによって表示される機器制御ボタン群64とは別に、車速制御ボタン50及び報知ボタン52(及びタブスイッチ54)と同一画面上に、自動運転車両10が有する機器を制御するための常設機器制御ボタン70が表示されてもよい。常設機器制御ボタン70は、機器制御ボタン群64によって制御される機器とは異なる機器を制御するためのボタンである。本実施形態では、
図9に示す通り、常設機器制御ボタン70として、ヘッドライト・テールライトの制御指示を入力するためのライトボタンが表示される。
【0072】
車速制御ボタン50及び報知ボタン52と同一画面上に常設機器制御ボタン70が表示されることで、車速制御ボタン50又は報知ボタン52と、常設機器制御ボタン70との間で、操作の切り替えを容易に行うことができる。特に、タブスイッチ54が操作されておらず機器制御ウィンドウ66が表示されていない状態においては、常設機器制御ボタン70は機器制御ボタン64aよりも容易に操作できる。したがって、自動運転車両10が有する機器のうち、比較的、制御する頻度が高い機器、迅速に制御する必要がある機器、あるいは制御のためのボタンの数が少ない機器を常設機器制御ボタン70に対応させ、それ以外の機器に、タブスイッチ54を操作することによって表示される機器制御ボタン群64を対応させるとよい。上記実施形態では、常設機器制御ボタン70としてライトボタンが表示されているが、常設機器制御ボタン70としては、ワイパを制御するためのワイパボタンであってもよい。
【0073】
以上、本開示に係る自動運転車両の操作装置の実施形態を説明したが、本開示に係る自動運転車両の操作装置は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0074】
10 自動運転車両、28 タッチパネル、40 運転モード選択部、42 運転制御部、44 表示制御部、50 車両制御ボタン、52 報知ボタン、54,54-1,54-2 タブスイッチ、62 状態標識、64 機器制御ボタン群、64a 機器制御ボタン、66 機器制御ウィンドウ、68 ウィンドウ消去ボタン、70 常設機器制御ボタン。