(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-15
(45)【発行日】2023-05-23
(54)【発明の名称】ピッキング設備
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20230516BHJP
B65G 1/00 20060101ALN20230516BHJP
【FI】
B65G1/137 F
B65G1/00 501B
(21)【出願番号】P 2019159679
(22)【出願日】2019-09-02
【審査請求日】2021-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】宮本 雅哉
(72)【発明者】
【氏名】春田 博章
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/110499(WO,A1)
【文献】特開昭54-131278(JP,A)
【文献】特開2018-012586(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0305123(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00-1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者が第1ピッキング作業を行う第1ピッキング部と、
ロボットが第2ピッキング作業を行う第2ピッキング部と、
容器を収容する収容部と、
前記容器を搬送する搬送部と、
前記搬送部を制御する制御部と、を備え、
前記容器には、前記第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が収容された第1容器と、出荷用の容器である第2容器と、前記第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が収容された第3容器と、第4容器とが含まれ、
前記第1ピッキング作業は、出荷する対象物品を示す情報であるオーダー情報に基づいて前記第1容器から取り出した前記対象物品を前記第2容器に収容する作業であり、
前記第2ピッキング作業は、前記オーダー情報に基づいて前記第3容器から取り出した前記対象物品を前記第4容器に収容する作業であり、
前記制御部は、
前記オーダー情報に基づいて前記第1ピッキング作業と前記第2ピッキング作業とのうちの前記第1ピッキング作業のみを行う場合は、前記第1容器を前記収容部から前記第1ピッキング部に搬送すると共に、前記第2容器を前記収容部から前記第1ピッキング部に搬送し、前記第1ピッキング作業が行われた後、当該第1ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第2容器を出荷部に搬送するように、前記搬送部を制御し、
前記オーダー情報に基づいて前記第1ピッキング作業と前記第2ピッキング作業との双方を行う場合は、前記第3容器を前記収容部から前記第2ピッキング部に搬送すると共に、前記第4容器を前記収容部から前記第2ピッキング部に搬送し、前記第2ピッキング作業が行われた後、当該第2ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第4容器を
、一旦前記収容部へ搬送して収容し、その後前記第4容器を前記第2容器として前記第1ピッキング部に搬送すると共に、前記第1容器を前記収容部から前記第1ピッキング部に搬送し、前記第1ピッキング作業が行われた後、当該第1ピッキング作業及び前記第2ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第2容器を前記出荷部に搬送するように、前記搬送部を制御する、ピッキング設備。
【請求項2】
作業者が第1ピッキング作業を行う第1ピッキング部と、
ロボットが第2ピッキング作業を行う第2ピッキング部と、
容器を収容する収容部と、
前記容器を搬送する搬送部と、
前記搬送部を制御する制御部と、を備え、
前記容器には、前記第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が収容された第1容器と、出荷用の容器である第2容器と、前記第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が収容された第3容器と、第4容器とが含まれ、
前記第1ピッキング作業は、出荷する対象物品を示す情報であるオーダー情報に基づいて
第1位置にある前記第1容器から取り出した前記対象物品を
、前記第1位置とは異なる第2位置にある前記第2容器に収容する作業であり、
前記第2ピッキング作業は、前記オーダー情報に基づいて前記第3容器から取り出した前記対象物品を前記第4容器に収容する作業であり、
前記搬送部は、搬送される前記容器の並び順を変更するソータ部と、第1経路に沿って前記第1位置に前記第1容器を搬送する第1搬送部と、前記第1経路とは少なくとも一部が異なる第2経路に沿って前記第2位置に前記第2容器を搬送する第2搬送部と、を含み、
前記制御部は、
前記オーダー情報に基づいて前記第1ピッキング作業と前記第2ピッキング作業とのうちの前記第1ピッキング作業のみを行う場合は、前記第1容器を前記収容部から前記第1ピッキング部に搬送すると共に、前記第2容器を前記収容部から前記第1ピッキング部に搬送し、前記第1ピッキング作業が行われた後、当該第1ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第2容器を出荷部に搬送するように、前記搬送部を制御し、
前記オーダー情報に基づいて前記第1ピッキング作業と前記第2ピッキング作業との双方を行う場合は、前記第3容器を前記収容部から前記第2ピッキング部に搬送すると共に、前記第4容器を前記収容部から前記第2ピッキング部に搬送し、前記第2ピッキング作業が行われた後、当該第2ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第4容器を前記第2容器として前記第1ピッキング部に搬送すると共に、前記第1容器を前記収容部から前記第1ピッキング部に搬送し、前記第1ピッキング作業が行われた後、当該第1ピッキング作業及び前記第2ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第2容器を前記出荷部に搬送するように、前記搬送部を制御
し、
複数の前記オーダー情報に対応する、複数の前記第1容器、及び、前記第2ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第4容器を含む複数の前記第2容器を、前記収容部から前記ソータ部に搬送し、前記ソータ部において複数の前記第1容器と複数の前記第2容器とが対応する前記オーダー情報毎に並ぶように並び順を変更して搬出し、前記ソータ部から搬出された前記第1容器のそれぞれを前記第1搬送部により搬送し、前記ソータ部から搬出された前記第2容器のそれぞれを前記第2搬送部により搬送し、前記第1ピッキング部において、1つの前記オーダー情報に対応する前記第1容器と前記第2容器とが同時期に前記第1位置と前記第2位置とにあるように、前記搬送部を制御する、ピッキング設備。
【請求項3】
前記制御部は、前記オーダー情報に基づいて前記第1ピッキング作業と前記第2ピッキング作業とのうちの前記第2ピッキング作業のみを行う場合は、前記第3容器を前記収容部から前記第2ピッキング部に搬送すると共に、前記第4容器を前記収容部から前記第2ピッキング部に搬送し、前記第2ピッキング作業が行われた後、当該第2ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第4容器を前記出荷部に搬送するように、前記搬送部を制御する、請求項1
又は2に記載のピッキング設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピッキング作業を行うピッキング部を備えたピッキング設備に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなピッキング設備として、例えば、特開2019-042828号公報(特許文献1)に記載されたものや、特開2012-162376号公報(特許文献2)に記載されたものが知られている。以下、背景技術の説明において、かっこ書きの符号又は名称は、先行技術文献における符号又は名称とする。特許文献1に記載のピッキング設備は、ロボット(移載装置3)がピッキング作業を行うピッキング部と、第一容器C1を搬送する第一コンベヤ1と、第二容器C2を搬送する第二コンベヤ2と、を備えている。ピッキング部では、ピッキング作業として、オーダー情報に基づいて第一容器C1から取り出した対象物品を第二容器C2に収容する作業が行われている。また、特許文献2に記載のピッキング設備は、1つのオーダー情報に示されている対象物品が、複数の容器(物品収納容器U)に分かれて収容されている場合に、複数の容器の1つを出荷用の容器として、出荷用の容器以外の容器から対象物品を取り出して出荷用の容器に収容する作業が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-042828号公報
【文献】特開2012-162376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のようなピッキング設備において、ロボットがピッキング作業を行うピッキング部(以下、第2ピッキング部と称する)に加えて、作業者がピッキング作業を行うピッキング部(以下、第1ピッキング部と称する)を備える場合がある。例えば、形状や大きさに起因して、ロボットによってピッキング作業を行うことができない対象物品が存在する場合に、その対象物品に対して第1ピッキング部において作業者によるピッキング作業を行う場合がある。このような場合では、1つのオーダー情報に示されている対象物品に、ロボットによってピッキング作業を行うことができる対象物品と、ロボットによってピッキング作業を行うことができない対象物品とが存在する場合に、1つのオーダー情報に示されている対象物品が複数の容器に分かれて収容される場合がある。そして、このように、1つのオーダー情報に示されている対象物品が複数の容器に分けて収容された場合に、特許文献2に示されているように、複数の容器の1つを出荷用の容器として、出荷用の容器以外の容器から対象物品を取り出して出荷用の容器に収容する作業を行って、1つのオーダー情報に示されている対象物品を1つの容器に纏める作業が、ピッキング作業に加えて行われる場合があった。
このように、ピッキング設備に、作業者がピッキング作業を行う第1ピッキング部と、ロボットがピッキング作業を行う第2ピッキング部と、を備える場合において、ピッキング設備において行われる作業の簡素化の余地があった。
【0005】
そこで、作業の簡素化を図ることができるピッキング設備の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記に鑑みた、ピッキング設備の特徴構成は、作業者が第1ピッキング作業を行う第1ピッキング部と、ロボットが第2ピッキング作業を行う第2ピッキング部と、容器を収容する収容部と、前記容器を搬送する搬送部と、前記搬送部を制御する制御部と、を備え、前記容器には、前記第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が収容された第1容器と、出荷用の容器である第2容器と、前記第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が収容された第3容器と、第4容器とが含まれ、前記第1ピッキング作業は、出荷する対象物品を示す情報であるオーダー情報に基づいて前記第1容器から取り出した前記対象物品を前記第2容器に収容する作業であり、前記第2ピッキング作業は、前記オーダー情報に基づいて前記第3容器から取り出した前記対象物品を前記第4容器に収容する作業であり、前記制御部は、前記オーダー情報に基づいて前記第1ピッキング作業と前記第2ピッキング作業とのうちの前記第1ピッキング作業のみを行う場合は、前記第1容器を前記収容部から前記第1ピッキング部に搬送すると共に、前記第2容器を前記収容部から前記第1ピッキング部に搬送し、前記第1ピッキング作業が行われた後、当該第1ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第2容器を出荷部に搬送するように、前記搬送部を制御し、前記オーダー情報に基づいて前記第1ピッキング作業と前記第2ピッキング作業との双方を行う場合は、前記第3容器を前記収容部から前記第2ピッキング部に搬送すると共に、前記第4容器を前記収容部から前記第2ピッキング部に搬送し、前記第2ピッキング作業が行われた後、当該第2ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第4容器を、一旦前記収容部へ搬送して収容し、その後前記第4容器を前記第2容器として前記第1ピッキング部に搬送すると共に、前記第1容器を前記収容部から前記第1ピッキング部に搬送し、前記第1ピッキング作業が行われた後、当該第1ピッキング作業及び前記第2ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第2容器を前記出荷部に搬送するように、前記搬送部を制御する点にある。
【0007】
本構成によれば、オーダー情報に示される対象物品が、第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品のみである場合は、オーダー情報に基づいて第1ピッキング作業と第2ピッキング作業とのうちの第1ピッキング作業のみを行う。この場合では、第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が収容された第1容器と、第2容器とが第1ピッキング部に搬送される。そして、第1容器と第2容器とが第1ピッキング部にある状態で、作業者によって第1ピッキング作業が行われることで、オーダー情報に示された対象物品を全て第2容器に収容することができ、対象物品が全て収容された第2容器を出荷部に搬送して、第2容器に対する出荷作業を行うことができる。
また、オーダー情報に示される対象物品に、第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品と、第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品と、がある場合は、第1ピッキング作業と第2ピッキング作業との双方を行う。このような場合では、まず、第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が収容された第3容器と、第4容器とが第2ピッキング部に搬送される。そして、第3容器と第4容器とが第2ピッキング部に搬送された状態で、ロボットによって第2ピッキング作業が行われることで、オーダー情報に示された対象物品のうちの第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品を第4容器に収容することができる。このように第2ピッキング作業が行われた後、第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が収容された第1容器と、第2容器とが第1ピッキング部に搬送される。この場合における第1ピッキング部に搬送される第2容器は、第2ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第4容器であり、第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が既に収容されている。そのため、第1容器と第2容器とが第1ピッキング部にある状態で、作業者によって第1ピッキング作業が行われることで、第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品と第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品とが混在したオーダー情報に示された対象物品を全て第2容器に収容することができる。そして、このような対象物品が全て収容された第2容器を出荷部に搬送して、第2容器に対して出荷作業を行うことができる。
このように、本構成によれば、第1ピッキング作業と第2ピッキング作業との双方を行う場合において、第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品と、第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品とを、第1ピッキング部における第1ピッキング作業において、同じ第2容器に収容することができる。そのため、第1ピッキング作業と第2ピッキング作業とで対象物品を異なる容器に収容した後に対象物品を1つの容器に纏める場合に比べて、作業の簡素化を図ることができる。
また、本構成によれば、第2ピッキング作業によって対象物品が収容された第4容器を、一旦収容部に収容することで、第1ピッキング部から第2ピッキング部に直接に第4容器を第2容器として搬送する場合のように第1ピッキング部から第2ピッキング部までの搬送経路の途中に第4容器を一時的に貯留するバッファ部を設ける必要がない。そのため、ピッキング設備の簡素化を図ることができる。
【0008】
上記に鑑みた、ピッキング設備の他の特徴構成は、作業者が第1ピッキング作業を行う第1ピッキング部と、ロボットが第2ピッキング作業を行う第2ピッキング部と、容器を収容する収容部と、前記容器を搬送する搬送部と、前記搬送部を制御する制御部と、を備え、前記容器には、前記第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が収容された第1容器と、出荷用の容器である第2容器と、前記第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が収容された第3容器と、第4容器とが含まれ、前記第1ピッキング作業は、出荷する対象物品を示す情報であるオーダー情報に基づいて第1位置にある前記第1容器から取り出した前記対象物品を、前記第1位置とは異なる第2位置にある前記第2容器に収容する作業であり、前記第2ピッキング作業は、前記オーダー情報に基づいて前記第3容器から取り出した前記対象物品を前記第4容器に収容する作業であり、前記搬送部は、搬送される前記容器の並び順を変更するソータ部と、第1経路に沿って前記第1位置に前記第1容器を搬送する第1搬送部と、前記第1経路とは少なくとも一部が異なる第2経路に沿って前記第2位置に前記第2容器を搬送する第2搬送部と、を含み、前記制御部は、前記オーダー情報に基づいて前記第1ピッキング作業と前記第2ピッキング作業とのうちの前記第1ピッキング作業のみを行う場合は、前記第1容器を前記収容部から前記第1ピッキング部に搬送すると共に、前記第2容器を前記収容部から前記第1ピッキング部に搬送し、前記第1ピッキング作業が行われた後、当該第1ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第2容器を出荷部に搬送するように、前記搬送部を制御し、前記オーダー情報に基づいて前記第1ピッキング作業と前記第2ピッキング作業との双方を行う場合は、前記第3容器を前記収容部から前記第2ピッキング部に搬送すると共に、前記第4容器を前記収容部から前記第2ピッキング部に搬送し、前記第2ピッキング作業が行われた後、当該第2ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第4容器を前記第2容器として前記第1ピッキング部に搬送すると共に、前記第1容器を前記収容部から前記第1ピッキング部に搬送し、前記第1ピッキング作業が行われた後、当該第1ピッキング作業及び前記第2ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第2容器を前記出荷部に搬送するように、前記搬送部を制御し、複数の前記オーダー情報に対応する、複数の前記第1容器、及び、前記第2ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第4容器を含む複数の前記第2容器を、前記収容部から前記ソータ部に搬送し、前記ソータ部において複数の前記第1容器と複数の前記第2容器とが対応する前記オーダー情報毎に並ぶように並び順を変更して搬出し、前記ソータ部から搬出された前記第1容器のそれぞれを前記第1搬送部により搬送し、前記ソータ部から搬出された前記第2容器のそれぞれを前記第2搬送部により搬送し、前記第1ピッキング部において、1つの前記オーダー情報に対応する前記第1容器と前記第2容器とが同時期に前記第1位置と前記第2位置とにあるように、前記搬送部を制御する点にある。
【0009】
本構成によれば、オーダー情報に示される対象物品が、第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品のみである場合は、オーダー情報に基づいて第1ピッキング作業と第2ピッキング作業とのうちの第1ピッキング作業のみを行う。この場合では、第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が収容された第1容器と、第2容器とが第1ピッキング部に搬送される。そして、第1容器と第2容器とが第1ピッキング部にある状態で、作業者によって第1ピッキング作業が行われることで、オーダー情報に示された対象物品を全て第2容器に収容することができ、対象物品が全て収容された第2容器を出荷部に搬送して、第2容器に対する出荷作業を行うことができる。
また、オーダー情報に示される対象物品に、第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品と、第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品と、がある場合は、第1ピッキング作業と第2ピッキング作業との双方を行う。このような場合では、まず、第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が収容された第3容器と、第4容器とが第2ピッキング部に搬送される。そして、第3容器と第4容器とが第2ピッキング部に搬送された状態で、ロボットによって第2ピッキング作業が行われることで、オーダー情報に示された対象物品のうちの第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品を第4容器に収容することができる。このように第2ピッキング作業が行われた後、第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が収容された第1容器と、第2容器とが第1ピッキング部に搬送される。この場合における第1ピッキング部に搬送される第2容器は、第2ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第4容器であり、第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が既に収容されている。そのため、第1容器と第2容器とが第1ピッキング部にある状態で、作業者によって第1ピッキング作業が行われることで、第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品と第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品とが混在したオーダー情報に示された対象物品を全て第2容器に収容することができる。そして、このような対象物品が全て収容された第2容器を出荷部に搬送して、第2容器に対して出荷作業を行うことができる。
このように、本構成によれば、第1ピッキング作業と第2ピッキング作業との双方を行う場合において、第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品と、第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品とを、第1ピッキング部における第1ピッキング作業において、同じ第2容器に収容することができる。そのため、第1ピッキング作業と第2ピッキング作業とで対象物品を異なる容器に収容した後に対象物品を1つの容器に纏める場合に比べて、作業の簡素化を図ることができる。
また、本構成によれば、1つのオーダー情報に対応する第1容器と第2容器とが同時期に第1ピッキング部にあるように、複数のオーダー情報に対応する複数の第1容器及び複数の第2容器を順次搬送することができる。そのため、第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品を第1容器から取り出して第2容器に物品を収容させる第1ピッキング作業を適切に行うことができる。
また、本構成によれば、複数のオーダー情報に対応する、複数の第1容器、及び、第2ピッキング作業によって対象物品が収容された第4容器を含む複数の第2容器を、順不同で収容部から搬送することができるため、収容部からの第1容器及び第2容器の搬送を効率よく行うことができる。そして、ソータ部において、複数の第1容器と複数の第4容器とが対応するオーダー情報毎に並ぶように並び順を変更して搬出すると共に、第1ピッキング部において、1つのオーダー情報に対応する第1容器と第2容器とが同時期に第1位置と第2位置とにあるように搬送することができる。そのため、上述の如く収容部からの第1容器及び第2容器の搬出を効率よく行いながら、第1ピッキング部における第1ピッキング作業も効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】第1ピッキング部及び第2ピッキング部の斜視図
【
図5】第1ピッキング作業と第2ピッキング作業とを示す図
【
図6】第1ピッキング作業を行う場合の容器の搬送を示す図
【
図7】第2ピッキング作業を行う場合の容器の搬送を示す図
【
図8】第1ピッキング作業と第2ピッキング作業とを行う場合の容器の搬送を示す図
【
図9】第1ピッキング作業と第2ピッキング作業とを行う場合の容器の搬送を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.実施形態
ピッキング設備の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、ピッキング設備は、第1ピッキング部1と、第2ピッキング部2と、容器Cを収容する収容部としての自動倉庫3と、容器Cを搬送する搬送部4と、ピッキング設備から容器Cを出荷する作業を行う出荷部5と、を備えている。
図2及び
図5に示すように、第1ピッキング部1は、作業者Mが第1ピッキング作業を行うピッキング部であり、第2ピッキング部2は、ロボットRが第2ピッキング作業を行うピッキング部である。
【0012】
図2に示すように、容器Cには、第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品W(以下、第1物品W1と称する)が収容された第1容器C1と、出荷用の容器Cである第2容器C2と、第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品W(以下、第2物品W2と称する)が収容された第3容器C3と、第4容器C4とが含まれている。第1ピッキング作業は、出荷する対象物品WTを示す情報であるオーダー情報に基づいて第1容器C1から取り出した対象物品WTを第2容器C2に収容する作業である。第2ピッキング作業は、オーダー情報に基づいて第3容器C3から取り出した対象物品WTを第4容器C4に収容する作業である。
【0013】
本実施形態では、ロボットRによる第2ピッキング作業が可能な物品種別の物品Wを、第2物品W2とし、ロボットRによる第2ピッキング作業が不可能な物品種別の物品Wを、第1物品W1としている。第1物品W1は、物品種別ごとに異なる第1容器C1に収容されており、第2物品W2は、物品種別ごとに異なる第3容器C3に収容されている。尚、物品Wの物品種別は、このピッキング設備において取り扱う対象となり得る各種の物品Wを、予め定めた基準に従って分けた分類のことである。本実施形態では、物品種別を、JANコードやEANコード等によって分けられた、物品Wの識別名称や識別符号等に基づいて分類している。
【0014】
本実施形態では、
図1に示すように、自動倉庫3は、物品Wが収容されている第1容器C1及び第3容器C3を収容する第1倉庫部3Aと、物品Wが収容されていない第2容器C2及び第4容器C4を収容する第2倉庫部3Bと、を含んでいる。また、第1倉庫部3Aには、第2ピッキング作業によって対象物品WTが収容された第4容器C4も収容される。本実施形態では、容器Cとして折り畳み可能なコンテナを用いており、第2倉庫部3Bは、折り畳んだコンテナを段積み状態で収容しておき、組立装置(図示せず)によって箱状にしたコンテナを第2容器C2又は第4容器C4として出庫する。
【0015】
搬送部4は、搬送される容器Cの並び順を変更するソータ部4Sと、容器Cを第1搬送経路L1に沿って第1倉庫部3Aからソータ部4Sに搬送する第1搬送装置4Aと、容器Cを第2搬送経路L2に沿ってソータ部4Sから第1ピッキング部1又は第2ピッキング部2に搬送する第2搬送装置4Bと、容器Cを第3搬送経路L3に沿って第2倉庫部3Bから第1ピッキング部1又は第2ピッキング部2に搬送する第3搬送装置4Cと、を備えている。また、搬送部4は、容器Cを第4搬送経路L4に沿って第1ピッキング部1又は第2ピッキング部2から第1倉庫部3Aに搬送する第4搬送装置4Dと、容器Cを第5搬送経路L5に沿って第1ピッキング部1又は第2ピッキング部2から出荷部5に搬送する第5搬送装置4Eと、を備えている。更に、搬送部4は、容器Cを第6搬送経路L6に沿って搬送する第6搬送装置4Fと、容器Cを第7搬送経路L7に沿って搬送する第7搬送装置4Gと、を備えている。更に、
図2に示すように、搬送部4は、第1ピッキング部1に設置された第8搬送装置4Hと、第2ピッキング部2に備えられた第9搬送装置4Iと、を備えている。
【0016】
図3に示すように、ソータ部4Sは、上流リフタ11と上流貯留部12と中間リフタ13と下流貯留部14と下流リフタ15とを備えている。上流貯留部12は、複数の一次ソート用コンベヤ16を有している。本実施形態では、上流貯留部12は、一次ソート用第1コンベヤ16A~一次ソート用第4コンベヤ16Dの4つの一次ソート用コンベヤ16を有している。下流貯留部14は、複数の二次ソート用コンベヤ17を有している。本実施形態では、下流貯留部14は、二次ソート用第1コンベヤ17A~二次ソート用第4コンベヤ17Dの4つの二次ソート用コンベヤ17を有している。上流リフタ11は、第1搬送装置4Aから受け取った容器Cを複数の一次ソート用コンベヤ16の何れかに渡すように、容器Cを搬送する。中間リフタ13は、複数の一次ソート用コンベヤ16の何れかから受け取った容器Cを複数の二次ソート用コンベヤ17の何れかに渡すように、容器Cを搬送する。下流リフタ15は、複数の二次ソート用コンベヤ17の何れかから受け取った容器Cを第2搬送装置4Bに渡すように、容器Cを搬送する。
【0017】
図2に示すように、第1ピッキング作業は、第1位置P1にある第1容器C1から取り出した対象物品WT(第1物品W1)を、第2位置P2にある第2容器C2に収容する作業である。第1位置P1及び第2位置P2は、第8搬送装置4Hの搬送経路の途中に設定されている。説明を加えると、第8搬送装置4Hは、第2搬送装置4Bから受け取った第1容器C1を第4搬送装置4Dに渡すように第1容器C1を搬送すると共に、第3搬送装置4Cから受け取った第2容器C2を第5搬送装置4Eに渡すように第2容器C2を搬送する。そして、第8搬送装置4Hにおける第1容器C1の搬送経路の途中に第1位置P1が設定され、第8搬送装置4Hにおける第2容器C2の搬送経路の途中に第2位置P2が設定されている。
【0018】
第2ピッキング作業は、第3位置P3にある第3容器C3から取り出した対象物品WT(第2物品W2)を、第4位置P4にある第4容器C4に収容する作業である。第3位置P3及び第4位置P4は、第9搬送装置4Iの搬送経路の途中に設定されている。説明を加えると、第9搬送装置4Iは、第2搬送装置4Bから受け取った第3容器C3を第4搬送装置4Dに渡すように第3容器C3を搬送すると共に、第3搬送装置4Cから受け取った第4容器C4を第5搬送装置4Eに渡すように第4容器C4を搬送する。そして、第9搬送装置4Iにおける第3容器C3の搬送経路の途中に第3位置P3が設定され、第9搬送装置4Iにおける第4容器C4の搬送経路の途中に第4位置P4が設定されている。尚、第1位置P1と第2位置P2と第3位置P3と第4位置P4とは互いに異なる位置に設定されている。
【0019】
図1及び
図2に示すように、搬送部4は、第1経路21に沿って第1位置P1に第1容器C1を搬送する第1搬送部26と、第1経路21とは少なくとも一部が異なる第2経路22に沿って第2位置P2に第2容器C2を搬送する第2搬送部27と、を含んでいる。本実施形態では、第1搬送部26は、第2搬送装置4Bと第8搬送装置4Hとによって構成され、第2搬送部27は、第3搬送装置4Cと第8搬送装置4Hとによって構成されている。また、搬送部4は、第3経路23に沿って第3位置P3に第3容器C3を搬送する第3搬送部28と、第3経路23とは少なくとも一部が異なる第4経路24に沿って第4位置P4に第4容器C4を搬送する第4搬送部29と、を含んでいる。本実施形態では、第3搬送部28は、第2搬送装置4Bと第9搬送装置4Iとによって構成され、第4搬送部29は、第3搬送装置4Cと第9搬送装置4Iとによって構成されている。
【0020】
図4に示すように、ピッキング設備は、第1ピッキング部1、第2ピッキング部2、第1倉庫部3A、第2倉庫部3B、及び搬送部4を制御する制御装置Hを備えている。制御装置Hは、例えば演算処理部と記憶部とを備えたコンピュータによって構成されている。制御装置Hには、オーダー情報を管理する管理装置Aが接続されている。管理装置Aは、仕分け先からの注文に基づいて、集品すべき物品Wの種類とその数量とを定める態様で仕分け先に対応付けて作成されたオーダー情報を管理するデータベースDを備えて構成されている。オーダー情報には、オーダーIDを示すオーダーID情報と、仕分け先に出荷する物品Wの物品種別を示す種別情報と、物品Wの種別毎の個数を示す個数情報と、作業順序を示す順序情報と、が含まれている。尚、制御装置Hが、搬送部4を制御する制御部に相当する。
【0021】
そして、管理装置AのデータベースDには、物品Wが第1物品W1か第2物品W2かを示す作業情報が記憶されているとともに、物品Wの種別情報と作業情報との関係を示す関係情報が記憶されている。つまり、制御装置Hは、管理装置AのデータベースDを参照することで、オーダー情報に示されている分類情報から、当該オーダー情報に示される物品Wが、第1物品W1のみであるか、第2物品W2のみか、第1物品W1と第2物品W2との双方を含むか、の情報を取得することが可能となっている。そして、制御装置Hは、オーダー情報に示される物品Wが第1物品W1のみの場合は、オーダー情報に基づいて第1ピッキング作業と第2ピッキング作業とのうちの第1ピッキング作業をのみを行うように、搬送部4を制御する。また、制御装置Hは、オーダー情報に示される物品Wが第2物品W2のみの場合は、オーダー情報に基づいて第1ピッキング作業と第2ピッキング作業とのうちの第2ピッキング作業をのみを行うように、搬送部4を制御する。また、制御装置Hは、オーダー情報に示される物品Wが第1物品W1と第2物品W2との双方を含む場合は、オーダー情報に基づいて第1ピッキング作業と第2ピッキング作業との双方を行うように、搬送部4を制御する。
【0022】
制御装置Hは、オーダー情報に基づいて第1ピッキング作業と第2ピッキング作業とのうちの第1ピッキング作業のみを行う場合は、次のように各種装置を制御する。まず、制御装置Hは、第1容器C1を第1倉庫部3Aから第1ピッキング部1の第1位置P1に搬送(
図6の矢印(1)参照)すると共に、第2容器C2を第2倉庫部3Bから第1ピッキング部1の第2位置P2に搬送(
図6の矢印(2)参照)するように、搬送部4を制御する。尚、制御装置Hは、オーダー情報に示されている第1物品W1の物品種別が複数ある場合は、複数の第1容器C1を第1ピッキング部1の第1位置P1に順次搬送するように、搬送部4を制御する。次に、制御装置Hは、オーダー情報に基づいて第1ピッキング作業の内容を示す作業情報を表示するように、第1ピッキング部1に備えられている表示部30(
図2参照)を制御する。このように、表示部30に作業情報を表示することで、作業者Mは表示部30の表示に基づいて第1ピッキング作業を行うことができる。そして、制御装置Hは、第1ピッキング作業が行われた後、当該第1ピッキング作業によって対象物品WTが収容された第2容器C2を出荷部5に搬送(
図6の矢印(3)参照)し、対象物品WTが取り出された第1容器C1を第1倉庫部3Aに搬送(
図6の矢印(4)参照)するように、搬送部4を制御する。
【0023】
また、制御装置Hは、オーダー情報に基づいて第1ピッキング作業と第2ピッキング作業とのうちの第2ピッキング作業のみを行う場合は、次のように各種装置を制御する。まず、制御装置Hは、第3容器C3を第1倉庫部3Aから第2ピッキング部2の第3位置P3に搬送(
図7の矢印(5)参照)すると共に、第4容器C4を第2倉庫部3Bから第2ピッキング部2の第4位置P4に搬送(
図7の矢印(6)参照)するように、搬送部4を制御する。尚、制御装置Hは、オーダー情報に示されている第2物品W2の物品種別が複数ある場合は、複数の第3容器C3を第2ピッキング部2の第3位置P3に順次搬送するように、搬送部4を制御する。次に、制御装置Hは、オーダー情報に基づいて第2ピッキング作業を行うように、ロボットRを制御する。そして、制御装置Hは、第2ピッキング作業が行われた後、当該第2ピッキング作業によって対象物品WTが収容された第4容器C4を出荷部5に搬送(
図7の矢印(7)参照)し、対象物品WTが取り出された第3容器C3を第1倉庫部3Aに搬送(
図7の矢印(8)参照)するように、搬送部4を制御する。
【0024】
また、制御装置Hは、オーダー情報に基づいて第1ピッキング作業と第2ピッキング作業との双方を行う場合は、次のように各種装置を制御する。すなわち、制御装置Hは、先に第2ピッキング作業を行い、次に第1ピッキング作業を行う。そのために、まず、制御装置Hは、第3容器C3を第1倉庫部3Aから第2ピッキング部2の第3位置P3に搬送(
図8の矢印(9)参照)すると共に、第4容器C4を第2倉庫部3Bから第2ピッキング部2の第4位置P4に搬送(
図8の矢印(10)参照)するように、搬送部4を制御する。次に、制御装置Hは、オーダー情報に基づいて第2ピッキング作業を行うように、ロボットRを制御する。そして、制御装置Hは、第2ピッキング作業が行われた後、当該第2ピッキング作業によって対象物品WTが収容された第4容器C4を第1倉庫部3Aに搬送(
図8の矢印(11)参照)すると共に、対象物品WTが取り出された第3容器C3を第1倉庫部3Aに搬送(
図8の矢印(12)参照)するように、搬送部4を制御する。このように、第2ピッキング作業によって対象物品WTが収容された第4容器C4を、一旦第1倉庫部3Aへ搬送して収容する。次に、制御装置Hは、その後第1ピッキング作業を行う際に、第1容器C1を第1倉庫部3Aから第1ピッキング部1の第1位置P1に搬送(
図9の矢印(13)参照)すると共に、第4容器C4を第2容器C2として第1倉庫部3Aから第1ピッキング部1の第2位置P2に搬送(
図9の矢印(14)参照)するように、搬送部4を制御する。この第2位置P2に搬送される第2容器C2には、
図5に示すように、第2ピッキング作業によって対象物品WT(第2物品W2)が既に収容されている。次に、制御装置Hは、オーダー情報に基づいて第1ピッキング作業の内容を示す作業情報を表示するように、第1ピッキング部1に備えられている表示部30を制御する。これにより、作業者Mによる第1ピッキング作業が行われる。そして、制御装置Hは、第1ピッキング作業が行われた後、当該第1ピッキング作業及び第2ピッキング作業によって対象物品WTが収容された第2容器C2を出荷部5に搬送(
図9の矢印(15)参照)し、対象物品WTが取り出された第1容器C1を第1倉庫部3Aに搬送(
図9の矢印(16)参照)するように、搬送部4を制御する。
【0025】
このように、制御装置Hは、オーダー情報に基づいて第1ピッキング作業と第2ピッキング作業との双方を行う場合は、第2ピッキング作業によって対象物品WTが収容された第4容器C4を第2容器C2として第1ピッキング部1に搬送すると共に、第1容器C1を第1倉庫部3Aから第1ピッキング部1に搬送し、第1ピッキング作業が行われた後、当該第1ピッキング作業及び第2ピッキング作業によって対象物品WTが収容された第2容器C2を出荷部5に搬送するように、搬送部4を制御する。
【0026】
従って、第1倉庫部3Aには、第1物品W1を収容した複数の第1容器C1、第2物品W2を収容した複数の第3容器C3、及び、第2ピッキング作業によって対象物品WT(第2物品W2)が収容された第4容器C4であって第1ピッキング部1に第2容器C2として搬送される複数の容器Cが収容されている。複数のオーダー情報に基づいて第1ピッキング作業や第2ピッキング作業を行う場合は、制御装置Hは、複数のオーダー情報に対応する、複数の第1容器C1及び複数の第3容器C3、並びに、第2ピッキング作業によって対象物品WTが収容された元第4容器C4である第2容器C2を、順不同で第1倉庫部3Aから出庫してソータ部4Sに搬送する。なお、本実施形態では、第1倉庫部3Aから出庫してソータ部4Sに搬送される第2容器C2は、全て、第2ピッキング作業によって対象物品WTが収容された第4容器C4である。
【0027】
そして、制御装置Hは、1つのオーダー情報に対応する容器Cが複数ある場合は、これら複数の容器Cが連続してソータ部4Sから搬出されるように、ソータ部4Sを制御する。例えば、制御装置Hは、1つのオーダー情報に対応する容器Cとして複数の第1容器C1がある場合は、これら複数の第1容器C1が連続してソータ部4Sから搬出されるように、ソータ部4Sを制御する。また、制御装置Hは、1つのオーダー情報に対応する容器Cとして複数の第1容器C1と1つの第2容器C2とがある場合は、これらの複数の第1容器C1と1つの第2容器C2とが連続してソータ部4Sから搬出されるように、ソータ部4Sを制御する。また、制御装置Hは、1つのオーダー情報に対応する容器Cとして複数の第3容器C3が複数ある場合は、これら複数の第3容器C3が連続してソータ部4Sから搬出されるように、ソータ部4Sを制御する。ここで、「1つのオーダー情報に対応する複数の容器Cが連続してソータ部4Sから搬出される」とは、それら複数の容器Cが搬送方向に順に並んだ状態であって、1つのオーダー情報に対応する複数の容器Cの間に、別のオーダー情報に対応する容器Cが配置されない並び順で、ソータ部4Sから搬出されることを指す。このように、制御装置Hは、ソータ部4Sにおいて複数の第1容器C1、第2容器C2、及び、複数の第3容器C3が、対応するオーダー情報毎に並ぶように並び順を変更して搬出するように、ソータ部4Sを制御する。
【0028】
制御装置Hは、ソータ部4Sから搬出された第1容器C1のそれぞれを第1搬送部26により第1ピッキング部1の第1位置P1に搬送し、第2倉庫部3Bから出庫された第2容器C2のそれぞれを第2搬送部27により第1ピッキング部1の第2位置P2に搬送する。この場合、制御装置Hは、第1ピッキング部1において、1つのオーダー情報に対応する第1容器C1と第2容器C2とが同時期に第1位置P1と第2位置P2とにあるように、ソータ部4Sからの第1容器C1の搬出のタイミングや第2倉庫部3Bからの第2容器C2の出庫のタイミングを制御する。
【0029】
また、制御装置Hは、ソータ部4Sから搬出された第3容器C3のそれぞれを第3搬送部28により第2ピッキング部2の第3位置P3に搬送し、第2倉庫部3Bから出庫された第4容器C4のそれぞれを第4搬送部29によって第2ピッキング部2の第4位置P4に搬送する。この場合、制御装置Hは、第2ピッキング部2において、1つのオーダー情報に対応する第3容器C3と第4容器C4とが同時期に第3位置P3と第4位置P4とにあるように、ソータ部4Sからの第3容器C3の搬出のタイミングや第2倉庫部3Bからの第4容器C4の出庫のタイミングを制御する。
【0030】
更に、制御装置Hは、ソータ部4Sから搬出された第1容器C1のそれぞれを第1搬送部26により第1ピッキング部1の第1位置P1に搬送し、ソータ部4Sから搬出された元第4容器C4である第2容器C2を第2搬送部27により第1ピッキング部1の第2位置P2に搬送する。この場合、制御装置Hは、1つのオーダー情報に対応する第1容器C1と、元第4容器C4である第2容器C2とがソータ部4Sから連続して搬出されるようにソータ部4Sを制御する。これにより、第1ピッキング部1において、これら1つのオーダー情報に対応する第1容器C1と第2容器C2とが同時期に第1位置P1と第2位置P2とにあるように、搬送部4が制御される。
【0031】
2.その他の実施形態
次に、ピッキング設備のその他の実施形態について説明する。
【0032】
(1)上記の実施形態では、第1ピッキング作業と第2ピッキング作業との双方を行う場合に、第2ピッキング作業によって対象物品WTが収容された第4容器C4を、一旦第1倉庫部3Aに搬送して収容する構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、第1ピッキング作業と第2ピッキング作業との双方を行う場合に、第2ピッキング作業によって対象物品WTが収容された第4容器C4を、第1倉庫部3Aに搬送せずに、第2容器C2として直接に第1ピッキング部1に搬送する、又は、第1倉庫部3Aとは別の箇所に一旦貯留した後に第2容器C2として第1ピッキング部1に搬送するようにしてもよい。
【0033】
(2)上記の実施形態では、搬送部4にソータ部4Sを備える構成を例として説明した。しかし、このような構成に限定されない。例えば、搬送部4にソータ部4Sを備えない構成としてもよい。具体的には、複数の第1容器C1、及び、第2ピッキング作業によって対象物品WTが収容された第4容器C4を、対応するオーダー情報毎に並ぶように第1倉庫部3Aから搬出するようにしてもよい。この場合、第1倉庫部3Aがソータ部4Sの機能も果たすことになる。
【0034】
(3)上記の実施形態では、第1倉庫部3Aと第2倉庫部3Bとが別の倉庫である構成を例として説明したが、これには限定されない。第1倉庫部3Aと第2倉庫部3Bとが1つの倉庫であってもよい。この場合において、当該倉庫から出庫された第2容器C2及び第4容器C4が、第1容器C1及び第3容器C3と同様にソータ部4Sを通る構成としてもよいし、空の第2容器C2や第4容器C4がソータ部4Sを迂回して搬送されるように、ソータ部4Sと並列にバイパス経路が設けられた構成としてもよい。
【0035】
(4)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0036】
3.上記実施形態の概要
以下、上記において説明したピッキング設備の概要について説明する。
【0037】
ピッキング設備は、作業者が第1ピッキング作業を行う第1ピッキング部と、ロボットが第2ピッキング作業を行う第2ピッキング部と、容器を収容する収容部と、前記容器を搬送する搬送部と、前記搬送部を制御する制御部と、を備え、前記容器には、前記第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が収容された第1容器と、出荷用の容器である第2容器と、前記第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が収容された第3容器と、第4容器とが含まれ、前記第1ピッキング作業は、出荷する対象物品を示す情報であるオーダー情報に基づいて前記第1容器から取り出した前記対象物品を前記第2容器に収容する作業であり、前記第2ピッキング作業は、前記オーダー情報に基づいて前記第3容器から取り出した前記対象物品を前記第4容器に収容する作業であり、前記制御部は、前記オーダー情報に基づいて前記第1ピッキング作業と前記第2ピッキング作業とのうちの前記第1ピッキング作業のみを行う場合は、前記第1容器を前記収容部から前記第1ピッキング部に搬送すると共に、前記第2容器を前記収容部から前記第1ピッキング部に搬送し、前記第1ピッキング作業が行われた後、当該第1ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第2容器を出荷部に搬送するように、前記搬送部を制御し、前記オーダー情報に基づいて前記第1ピッキング作業と前記第2ピッキング作業との双方を行う場合は、前記第3容器を前記収容部から前記第2ピッキング部に搬送すると共に、前記第4容器を前記収容部から前記第2ピッキング部に搬送し、前記第2ピッキング作業が行われた後、当該第2ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第4容器を前記第2容器として前記第1ピッキング部に搬送すると共に、前記第1容器を前記収容部から前記第1ピッキング部に搬送し、前記第1ピッキング作業が行われた後、当該第1ピッキング作業及び前記第2ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第2容器を前記出荷部に搬送するように、前記搬送部を制御する。
【0038】
本構成によれば、オーダー情報に示される対象物品が、第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品のみである場合は、オーダー情報に基づいて第1ピッキング作業と第2ピッキング作業とのうちの第1ピッキング作業のみを行う。この場合では、第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が収容された第1容器と、第2容器とが第1ピッキング部に搬送される。そして、第1容器と第2容器とが第1ピッキング部にある状態で、作業者によって第1ピッキング作業が行われることで、オーダー情報に示された対象物品を全て第2容器に収容することができ、対象物品が全て収容された第2容器を出荷部に搬送して、第2容器に対する出荷作業を行うことができる。
【0039】
また、オーダー情報に示される対象物品に、第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品と、第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品と、がある場合は、第1ピッキング作業と第2ピッキング作業との双方を行う。このような場合では、まず、第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が収容された第3容器と、第4容器とが第2ピッキング部に搬送される。そして、第3容器と第4容器とが第2ピッキング部に搬送された状態で、ロボットによって第2ピッキング作業が行われることで、オーダー情報に示された対象物品のうちの第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品を第4容器に収容することができる。このように第2ピッキング作業が行われた後、第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が収容された第1容器と、第2容器とが第1ピッキング部に搬送される。この場合における第1ピッキング部に搬送される第2容器は、第2ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第4容器であり、第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が既に収容されている。そのため、第1容器と第2容器とが第1ピッキング部にある状態で、作業者によって第1ピッキング作業が行われることで、第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品と第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品とが混在したオーダー情報に示された対象物品を全て第2容器に収容することができる。そして、このような対象物品が全て収容された第2容器を出荷部に搬送して、第2容器に対して出荷作業を行うことができる。
【0040】
このように、本構成によれば、第1ピッキング作業と第2ピッキング作業との双方を行う場合において、第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品と、第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品とを、第1ピッキング部における第1ピッキング作業において、同じ第2容器に収容することができる。そのため、第1ピッキング作業と第2ピッキング作業とで対象物品を異なる容器に収容した後に対象物品を1つの容器に纏める場合に比べて、作業の簡素化を図ることができる。
【0041】
ここで、前記第1ピッキング作業は、第1位置にある前記第1容器から取り出した前記対象物品を、前記第1位置とは異なる第2位置にある前記第2容器に収容する作業であり、前記搬送部は、搬送される前記容器の並び順を変更するソータ部と、第1経路に沿って前記第1位置に前記第1容器を搬送する第1搬送部と、前記第1経路とは少なくとも一部が異なる第2経路に沿って前記第2位置に前記第2容器を搬送する第2搬送部と、を含み、前記制御部は、複数の前記オーダー情報に対応する、複数の前記第1容器、及び、前記第2ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第4容器を含む複数の前記第2容器を、前記収容部から前記ソータ部に搬送し、前記ソータ部において複数の前記第1容器と複数の前記第2容器とが対応する前記オーダー情報毎に並ぶように並び順を変更して搬出し、前記ソータ部から搬出された前記第1容器のそれぞれを前記第1搬送部により搬送し、前記ソータ部から搬出された前記第2容器のそれぞれを前記第2搬送部により搬送し、前記第1ピッキング部において、1つの前記オーダー情報に対応する前記第1容器と前記第2容器とが同時期に前記第1位置と前記第2位置とにあるように、前記搬送部を制御すると好適である。
【0042】
本構成によれば、1つのオーダー情報に対応する第1容器と第2容器とが同時期に第1ピッキング部にあるように、複数のオーダー情報に対応する複数の第1容器及び複数の第2容器を順次搬送することができる。そのため、第1ピッキング作業の対象となる物品種別の物品を第1容器から取り出して第2容器に物品を収容させる第1ピッキング作業を適切に行うことができる。
また、本構成によれば、複数のオーダー情報に対応する、複数の第1容器、及び、第2ピッキング作業によって対象物品が収容された第4容器を含む複数の第2容器を、順不同で収容部から搬送することができるため、収容部からの第1容器及び第2容器の搬送を効率よく行うことができる。そして、ソータ部において、複数の第1容器と複数の第4容器とが対応するオーダー情報毎に並ぶように並び順を変更して搬出すると共に、第1ピッキング部において、1つのオーダー情報に対応する第1容器と第2容器とが同時期に第1位置と第2位置とにあるように搬送することができる。そのため、上述の如く収容部からの第1容器及び第2容器の搬出を効率よく行いながら、第1ピッキング部における第1ピッキング作業も効率的に行うことができる。
【0043】
また、前記制御部は、前記オーダー情報に基づいて前記第1ピッキング作業と前記第2ピッキング作業との双方を行う場合において、先に前記第2ピッキング作業を行った後、当該第2ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第4容器を、一旦前記収容部へ搬送して収容し、その後前記第1ピッキング作業を行う際に、前記第4容器を前記第2容器として前記第1ピッキング部に搬送するように、前記搬送部を制御すると好適である。
【0044】
本構成によれば、第2ピッキング作業によって対象物品が収容された第4容器を、一旦収容部に収容することで、第1ピッキング部から第2ピッキング部に直接に第4容器を第2容器として搬送する場合のように第1ピッキング部から第2ピッキング部までの搬送経路の途中に第4容器を一時的に貯留するバッファ部を設ける必要がない。そのため、ピッキング設備の簡素化を図ることができる。
【0045】
また、前記制御部は、前記オーダー情報に基づいて前記第1ピッキング作業と前記第2ピッキング作業とのうちの前記第2ピッキング作業のみを行う場合は、前記第3容器を前記収容部から前記第2ピッキング部に搬送すると共に、前記第4容器を前記収容部から前記第2ピッキング部に搬送し、前記第2ピッキング作業が行われた後、当該第2ピッキング作業によって前記対象物品が収容された前記第4容器を前記出荷部に搬送するように、前記搬送部を制御すると好適である。
【0046】
本構成によれば、オーダー情報に示される対象物品が、第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品のみである場合は、オーダー情報に基づいて第1ピッキング作業と第2ピッキング作業とのうちの第2ピッキング作業のみを行う。このような場合では、第2ピッキング作業の対象となる物品種別の物品が収容された第3容器と、第4容器とが第2ピッキング部に搬送される。そして、第3容器と第4容器とが第2ピッキング部にある状態で、ロボットによって第2ピッキング作業が行われることで、オーダー情報に示された対象物品を全て第4容器に収容することができ、対象物品が全て収容された第4容器を出荷部に搬送して、第4容器に対する出荷作業を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本開示に係る技術は、作業者がピッキング作業を行うピッキング部を備えたピッキング設備に利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1:第1ピッキング部
2:第2ピッキング部
3:自動倉庫(収容部)
4:搬送部
4S:ソータ部
21:第1経路
22:第2経路
26:第1搬送部
27:第2搬送部
C:容器
C1:第1容器
C2:第2容器
C3:第3容器
C4:第4容器
H:制御装置(制御部)
M:作業者
P1:第1位置
P2:第2位置
W:物品
WT:対象物品