(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-15
(45)【発行日】2023-05-23
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
F21S 41/29 20180101AFI20230516BHJP
F21S 41/143 20180101ALI20230516BHJP
F21S 41/19 20180101ALI20230516BHJP
F21S 45/48 20180101ALI20230516BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20230516BHJP
F21W 102/13 20180101ALN20230516BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230516BHJP
【FI】
F21S41/29
F21S41/143
F21S41/19
F21S45/48
F21V29/503
F21W102:13
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2019076626
(22)【出願日】2019-04-12
【審査請求日】2022-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】高橋 悠也
(72)【発明者】
【氏名】片山 昌彦
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-050173(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0338049(US,A1)
【文献】特開2012-164572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/29
F21S 41/143
F21S 41/19
F21S 45/48
F21V 29/503
F21W 102/13
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に実装された光源と、
前記光源からの光を制御する第1光制御部材と、
前記第1光制御部材からの光を制御する第2光制御部材と、
前記第1光制御部材
と、前記第2光制御部材を保持するホルダと、を備え、
前記基板は、第1位置決め穴を含み、
前記ホルダは、前記第1位置決め穴に挿入される第1位置決めピン
と、第1フランジ部を含み、
前記第2光制御部材は、第2フランジ部を含み、
前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部のうち一方は第2位置決めピンを含み、他方は前記第2位置決めピンが挿入される第2位置決め穴を含み、
前記第1光制御部材は、前記第1位置決めピンが前記第1位置決め穴に挿入された状態で前記光源の前方に配置され
、
前記第2光制御部材は、前記第2位置決めピンが前記第2位置決め穴に挿入され、かつ、前記第2フランジ部が前記第1フランジ部に当接した状態で前記第1光制御部材の前方に配置される車両用灯具。
【請求項2】
前記ホルダは、前記基板に当接する当接部をさらに含み、
前記第1光制御部材は、前記第1位置決めピンが前記第1位置決め穴に挿入され、かつ、前記当接部が前記基板に当接した状態で前記光源の前方に配置される請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記第2光制御部材のサイズは、前記基板のサイズより大きい請求項
1に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記第1光制御部材と前記ホルダは、物理的に分離した別々の部品として構成されている請求項1から
3のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記第1光制御部材と前記ホルダは、一体成形された一部品として構成されている請求項1から
3のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【請求項6】
前記第1光制御部材は、レンズ及び導光レンズのうち少なくとも一方である請求項1から
5のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【請求項7】
基板と、
前記基板に実装された光源と、
前記光源からの光を制御する第1光制御部材と、
前記第1光制御部材からの光を制御する第2光制御部材と、
前記第1光制御部材
と、前記第2光制御部材を保持するホルダと、を備え、
前記ホルダは、第1位置決め穴
と、第1フランジ部とを含み、
前記第2光制御部材は、第2フランジ部を含み、
前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部のうち一方は第2位置決めピンを含み、他方は前記第2位置決めピンが挿入される第2位置決め穴を含み、
前記基板は、前記第1位置決め穴に挿入される第1位置決めピンを含み、
前記第1光制御部材は、前記第1位置決めピンが前記第1位置決め穴に挿入された状態で前記光源の前方に配置され
、
前記第2光制御部材は、前記第2位置決めピンが前記第2位置決め穴に挿入され、かつ、前記第2フランジ部が前記第1フランジ部に当接した状態で前記第1光制御部材の前方に配置される車両用灯具。
【請求項8】
基板と、
前記基板に実装された光源と、
前記光源からの光を制御する第1光制御部材を含む光学ユニットと、
前記第1光制御部材からの光を制御する第2光制御部材と、を備え、
前記基板は、第1位置決め穴を含み、
前記光学ユニットは、前記第1位置決め穴に挿入される第1位置決めピン
と、第1フランジ部とを含み、
前記第2光制御部材は、第2フランジ部を含み、
前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部のうち一方は第2位置決めピンを含み、他方は前記第2位置決めピンが挿入される第2位置決め穴を含み、
前記第1光制御部材は、前記第1位置決めピンが前記第1位置決め穴に挿入された状態で前記光源の前方に配置され
、
前記第2光制御部材は、前記第2位置決めピンが前記第2位置決め穴に挿入され、かつ、前記第2フランジ部が前記第1フランジ部に当接した状態で前記第1光制御部材の前方に配置される車両用灯具。
【請求項9】
前記光学ユニットは、前記基板に当接する当接部をさらに含み、
前記第1光制御部材は、前記第1位置決めピンが前記第1位置決め穴に挿入され、かつ、前記当接部が前記基板に当接した状態で前記光源の前方に配置される請求項
8に記載の車両用灯具。
【請求項10】
ヒートシンクをさらに備え、
前記基板は、前記ヒートシンクに固定されている請求項1から
9のいずれか1項に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関し、特に、光制御部材を光源に対して設計どおりの位置関係(位置精度)で配置することができる(その結果、設計意図どおりの配光を形成することができる)車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヒートシンクと、ヒートシンクに固定された基板と、基板に実装された光源と、光源からの光を制御する光制御部材(例えば、レンズ)と、光制御部材を保持するホルダと、を備えた車両用灯具が知られている(例えば、特許文献1(
図3等)参照)。
【0003】
特許文献1においては、光制御部材は、当該光制御部材を保持するホルダの一部がヒートシンクに当接することで光源に対して位置決めされた状態で光源の前方に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者らが検討したところ、光制御部材を保持するホルダの一部をヒートシンクに当接させることで光源に対して位置決めする場合、光制御部材を光源に対して設計どおりの位置関係(位置精度)で配置することが難しい(その結果、設計意図どおりの配光を形成するのが難しい)ことが判明した。これは、ヒートシンク(例えば、アルミダイカスト製のヒートシンク)の寸法精度が比較的低いため、光制御部材を保持するホルダの一部をヒートシンクに当接させることで光源に対して位置決めすると、光制御部材の光源に対する位置決め精度がヒートシンクの寸法精度に依存して低くなることによるものである。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、光制御部材を光源に対して設計どおりの位置関係(位置精度)で配置することができる(その結果、設計意図どおりの配光を形成することができる)車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一つの側面は、基板と、前記基板に実装された光源と、前記光源からの光を制御する第1光制御部材と、前記第1光制御部材からの光を制御する第2光制御部材と、前記第1光制御部材と、前記第2光制御部材を保持するホルダと、を備え、前記基板は、第1位置決め穴を含み、前記ホルダは、前記第1位置決め穴に挿入される第1位置決めピンと、第1フランジ部を含み、前記第2光制御部材は、第2フランジ部を含み、前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部のうち一方は第2位置決めピンを含み、他方は前記第2位置決めピンが挿入される第2位置決め穴を含み、前記第1光制御部材は、前記第1位置決めピンが前記第1位置決め穴に挿入された状態で前記光源の前方に配置され、前記第2光制御部材は、前記第2位置決めピンが前記第2位置決め穴に挿入され、かつ、前記第2フランジ部が前記第1フランジ部に当接した状態で前記第1光制御部材の前方に配置される車両用灯具であることを特徴とする。
【0008】
この側面によれば、第1光制御部材を光源に対して設計どおりの位置関係で配置することができる(その結果、設計意図どおりの配光を形成することができる)車両用灯具を提供することができる。
【0009】
これは、第1光制御部材が、基板に対して直接位置決めされた状態で配置されることによるものである。具体的には、ホルダの第1位置決めピンが基板の第1位置決め穴に挿入されることで第1光制御部材が基板に対して直接位置決めされた状態で光源の前方に配置されることによるものである。
【0010】
また、上記発明において、好ましい態様は、前記ホルダは、前記基板に当接する当接部をさらに含み、前記第1光制御部材は、前記第1位置決めピンが前記第1位置決め穴に挿入され、かつ、前記当接部が前記基板に当接した状態で前記光源の前方に配置されることを特徴とする。
【0011】
この態様によれば、第1光制御部材を光源に対して設計どおりの位置関係で配置することができる(その結果、設計意図どおりの配光を形成することができる)車両用灯具を提供することができる。
【0012】
これは、第1光制御部材が、基板に対して直接位置決めされた状態で配置されることによるものである。具体的には、ホルダの第1位置決めピンが基板の第1位置決め穴に挿入され、かつ、ホルダの当接部が基板に当接することで第1光制御部が基板に対して直接位置決めされた状態で光源の前方に配置されることによるものである。
【0014】
上記発明の側面によれば、第2光制御部材を光源に対して設計どおりの位置関係で配置することができる(その結果、設計意図どおりの配光を形成することができる)。
【0015】
これは、第2光制御部材が、ヒートシンクより寸法精度が高いホルダに対して位置決めされた状態で配置されることによるものである。具体的には、ホルダ(又は第2光制御部)の第2位置決めピンが第2光制御部(又はホルダ)の第2位置決め穴に挿入され、かつ、第2光制御部材(第2フランジ部)がホルダ(第1フランジ部)に当接することで第2光制御部がホルダに対して位置決めされた状態で第1光制御部材の前方に配置されることによるものである。
【0016】
また、上記発明において、好ましい態様は、前記第2光制御部材のサイズは、前記基板のサイズより大きいことを特徴とする。
【0017】
この態様によれば、第2光制御部材のサイズが基板のサイズより大きく、当該第2光制御部材を直接基板に位置決めできない場合であっても、第2光制御部材を光源に対して設計どおりの位置関係で配置することができる(その結果、設計意図どおりの配光を形成することができる)。
【0018】
これは、第2光制御部材が、ヒートシンクより寸法精度が高いホルダに対して位置決めされた状態で配置されることによるものである。
【0019】
また、上記発明において、好ましい態様は、前記第1光制御部材と前記ホルダは、物理的に分離した別々の部品として構成されていることを特徴とする。なお、前記第1光制御部材と前記ホルダは、一体成形された一部品として構成されていてもよい。
【0020】
前記第1光制御部材は、レンズ及び導光レンズのうち少なくとも一方であることを特徴とする。
【0021】
上記目的を達成するために、本発明の別の一つの側面は、基板と、前記基板に実装された光源と、前記光源からの光を制御する第1光制御部材と、前記第1光制御部材からの光を制御する第2光制御部材と、前記第1光制御部材と、前記第2光制御部材を保持するホルダと、を備え、前記ホルダは、第1位置決め穴と、第1フランジ部とを含み、前記第2光制御部材は、第2フランジ部を含み、前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部のうち一方は第2位置決めピンを含み、他方は前記第2位置決めピンが挿入される第2位置決め穴を含み、前記基板は、前記第1位置決め穴に挿入される第1位置決めピンを含み、前記第1光制御部材は、前記第1位置決めピンが前記第1位置決め穴に挿入された状態で前記光源の前方に配置され、前記第2光制御部材は、前記第2位置決めピンが前記第2位置決め穴に挿入され、かつ、前記第2フランジ部が前記第1フランジ部に当接した状態で前記第1光制御部材の前方に配置される車両用灯具であることを特徴とする。
【0022】
この側面によれば、第1光制御部材を光源に対して設計どおりの位置関係で配置することができる(その結果、設計意図どおりの配光を形成することができる)車両用灯具を提供することができる。
【0023】
これは、第1光制御部材が、基板に対して直接位置決めされた状態で配置されることによるものである。具体的には、基板の第1位置決めピンがホルダの第1位置決め穴に挿入されることで第1光制御部材が基板に対して直接位置決めされた状態で光源の前方に配置されることによるものである。
【0024】
上記目的を達成するために、本発明の別の一つの側面は、基板と、前記基板に実装された光源と、前記光源からの光を制御する第1光制御部材を含む光学ユニットと、前記第1光制御部材からの光を制御する第2光制御部材と、を備え、前記基板は、第1位置決め穴を含み、前記光学ユニットは、前記第1位置決め穴に挿入される第1位置決めピンと、第1フランジ部とを含み、前記第2光制御部材は、第2フランジ部を含み、前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部のうち一方は第2位置決めピンを含み、他方は前記第2位置決めピンが挿入される第2位置決め穴を含み、前記第1光制御部材は、前記第1位置決めピンが前記第1位置決め穴に挿入された状態で前記光源の前方に配置され、前記第2光制御部材は、前記第2位置決めピンが前記第2位置決め穴に挿入され、かつ、前記第2フランジ部が前記第1フランジ部に当接した状態で前記第1光制御部材の前方に配置される車両用灯具であることを特徴とする。
【0025】
この側面によれば、光学ユニット(第1光制御部材)を光源に対して設計どおりの位置関係で配置することができる(その結果、設計意図どおりの配光を形成することができる)車両用灯具を提供することができる。
【0026】
これは、光学ユニット(第1光制御部材)が、基板に対して直接位置決めされた状態で配置されることによるものである。具体的には、光学ユニットの第1位置決めピンが基板の第1位置決め穴に挿入されることで光学ユニット(第1光制御部材)が基板に対して直接位置決めされた状態で光源の前方に配置されることによるものである。
【0027】
また、上記発明において、好ましい態様は、前記光学ユニットは、前記基板に当接する当接部をさらに含み、前記第1光制御部材は、前記第1位置決めピンが前記第1位置決め穴に挿入され、かつ、前記当接部が前記基板に当接した状態で前記光源の前方に配置されることを特徴とする。
【0028】
この態様によれば、光学ユニット(第1光制御部材)を光源に対して設計どおりの位置関係で配置することができる(その結果、設計意図どおりの配光を形成することができる)車両用灯具を提供することができる。
【0029】
これは、光学ユニット(第1光制御部材)が、基板に対して直接位置決めされた状態で配置されることによるものである。具体的には、光学ユニットの第1位置決めピンが基板の第1位置決め穴に挿入され、かつ、光学ユニットの当接部が基板に当接することで光学ユニット(第1光制御部材)が基板に対して直接位置決めされた状態で光源の前方に配置されることによるものである。
【0030】
また、上記発明において、好ましい態様は、ヒートシンクをさらに備え、前記基板は、前記ヒートシンクに固定されていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図5】ヒートシンク20に対して位置決めされた状態で固定された基板30の斜視図である。
【
図7】(a)光学ユニット40(リテーナ90省略)の側面図、(b)下面図である。
【
図11】背面側から見たホルダ60の斜視図である。
【
図13】ホルダ60に対して位置決めされた状態で配置された導光レンズ70の斜視図である。
【
図14】プライマリレンズ80の拡大斜視図である。
【
図15】導光レンズ70に対して位置決めされた状態で配置されたプライマリレンズ80の斜視図である。
【
図17】基板30に対して位置決めされた状態で配置された光学ユニット40の斜視図である。
【
図18】セカンダリレンズ50の拡大斜視図である。
【
図19】セカンダリレンズ50と基板30の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の一実施形態である車両用灯具10について添付図面を参照しながら説明する。各図において対応する構成要素には同一の符号が付され、重複する説明は省略される。
【0033】
【0034】
図1に示す車両用灯具10は、ロービーム用配光パターン又はADB(Adaptive Driving Beam)用配光パターンを形成可能な車両用前照灯であり、車両(図示せず)の前端部の左側及び右側に搭載される。ロービーム用配光パターン及びADB用配光パターンは、車両前面に正対した仮想鉛直スクリーン(車両前面から約25m前方に配置されている)上に形成される。なお、以下、説明の便宜のため、XYZ軸を定義する。X軸は車両前後方向に延びており、Y軸は車幅方向に延びており、Z軸は鉛直方向に延びている。
【0035】
【0036】
図2に示すように、本実施形態の車両用灯具10は、ヒートシンク20、基板30、光学ユニット40、セカンダリレンズ50等を備える。車両用灯具10は、図示しないが、アウターレンズとハウジングとによって構成される灯室内に配置され、ハウジング等に取り付けられる。
【0037】
【0038】
図3に示すように、ヒートシンク20は、基板30に実装された光源で発生する熱を放熱すための放熱部材で、ベース21と放熱フィン22とを含む。ヒートシンク20は、例えば、アルミダイカスト等の金属製である。
【0039】
ベース21は、前面21aとその反対側の後面21bとを含む。前面21aは、基板取付面21a1と当該基板取付面21a1を取り囲むフランジ面21a2とを含む。基板取付面21a1及びフランジ面21a2は、例えば、Y軸及びZ軸を含む平面に対して平行な平面である。ヒートシンク20(基板取付面21a1等)の寸法精度は、基板30の寸法精度や樹脂成形品(例えば、ホルダ60)の寸法精度より低い。
【0040】
基板取付面21a1は、ネジS1(
図2参照)が螺合するネジ穴H
21a1(
図3中、3箇所)及び基板30の位置決め穴H
301に挿入される位置決めピン23(
図3中、2箇所)を含む。
【0041】
フランジ面21a2は、ネジS2(
図2参照)が挿入される貫通穴H
21a2(
図3中、4箇所)を含む。
【0042】
放熱フィン22は、ベース21の後面21bに複数設けられる。
【0043】
【0044】
図4に示すように、基板30は、光源31、32が実装された表面30aとその反対側の裏面30bとを含む。基板30(例えば、表面30a)の寸法精度は、ヒートシンク20の寸法精度より高い。基板30としては、アルミや銅等の熱伝導性の良い金属製の基板(金属ベース基板)、エポキシ基板等の各種の基板を用いることができる。
【0045】
基板30は、ヒートシンク20の位置決めピン23が挿入される位置決め穴H
301(
図4中、2箇所)、ホルダ60の位置決めピン67(
図7、
図11参照)が挿入される位置決め穴H
302(
図4中、2箇所)及びネジS1(
図2参照)が挿入される切欠部N
30(
図4中、3箇所)を含む。位置決め穴H
302は、本発明の第1位置決め穴の一例である。位置決め穴H
302は、貫通穴であってもよいし、有底の穴であってもよいし、切欠き部であってもよい。他の位置決め穴についても同様である。
【0046】
基板30の表面30aには、ロービーム用光源31、ADB用光源32及びコネクタ33等が実装される。
【0047】
ロービーム用光源31は、上段かつ横方向(Y軸方向)に複数配置される。ADB用光源32は、下段かつ横方向(Y軸方向)に複数配置される。
【0048】
ロービーム用光源31及びADB用光源32は、それぞれ、白色光を発光するLED等の半導体発光素子である。ロービーム用光源31及びADB用光源32は、それぞれ、発光面(例えば、1mm角の矩形の発光面)を備える。
【0049】
図5は、ヒートシンク20に対して位置決めされた状態で固定された基板30の斜視図である。
【0050】
上記構成の基板30は、
図5に示すように、切欠部N30に挿入されたネジS1をヒートシンク20(ネジ穴H
21a1)に螺合させることでヒートシンク20に固定される。具体的には、基板30は、ヒートシンク20の位置決めピン23が当該基板30の位置決め穴H
301に挿入され、かつ、基板30の裏面30bがヒートシンク20の基板取付面21a1に当接することでヒートシンク20に位置決めされた状態で固定される。
【0051】
図6は、光学ユニット40の拡大斜視図である。
図7(a)は光学ユニット40(リテーナ90省略)の側面図、
図7(b)は下面図である。
図8は、光学ユニット40の一部横断面図である。
図9は、光学ユニット40の分解斜視図である。
【0052】
図9に示すように、光学ユニット40は、ホルダ60、導光レンズ70、プライマリレンズ80、リテーナ90等を備える。
【0053】
【0054】
図10に示すように、ホルダ60は、ホルダ本体61と、筒状部62と、上フランジ部63aと、下フランジ部63bと、を含む。ホルダ60は、アクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂を射出成形することで成形される。
【0055】
ホルダ本体61は、前方側が開口し、後方側が閉塞したカップ状の部材である。ホルダ本体61は、前方に向かって凹の球状の前面61aとその反対側の後面61bとを含む(
図8参照)。
【0056】
図10に示すように、ホルダ本体61の前方側開口端面64は、導光レンズ70の切欠部N
73a(
図12参照)に挿入される位置決めピン65(
図10中、2箇所)及びプライマリレンズ80の位置決め穴H
82b(
図14参照)に挿入される位置決めピン66(
図10中、2箇所)を含む。
【0057】
ホルダ本体61は、導光レンズ70の上導光部72a及び下導光部72b(
図12参照)が挿入される貫通穴H
61を含む(
図8参照)。貫通穴H
61は、ホルダ本体61の前面61aと後面61bとを貫通している。
【0058】
図11は、背面側から見たホルダ60の斜視図である。
【0059】
図7(a)、
図7(b)及び
図11に示すように、ホルダ本体61の後面61bは、基板30の位置決め穴H
302に挿入される位置決めピン67(
図11中、2箇所)、及び、基板30の表面30aに当接する当接部68(
図11中、4箇所)を含む。位置決めピン67は、本発明の第1位置決めピンの一例である。当接部68は、例えば、Y軸及びZ軸を含む平面に対して平行な平面である。
【0060】
図10に示すように、ホルダ本体61には、当該ホルダ本体61の外周部から後方(X軸方向)に向かって延びた筒状部62が設けられる。
【0061】
筒状部62の上部には、光源31、32で発生した熱を外部に放熱するために、貫通穴H
62が設けられる。そして、筒状部62の先端上部には、上フランジ部63aが設けられる。上フランジ部63aは、ネジS2が挿入される貫通穴H
63a及びリテーナ90(上フランジ部92a)の貫通穴H
92a2(
図16参照)に挿入される位置決めピン69、及び、セカンダリレンズ50(筒状部52)の切欠部N
52(
図18参照)に当接するリブ部Rbを含む。位置決めピン69は、本発明の第2位置決めピンの一例である。
【0062】
また、筒状部62の先端下部の左右両側にはそれぞれ下フランジ部63bが設けられる。下フランジ部63bは、ネジS2が挿入される貫通穴H
63a、及び、セカンダリレンズ50(筒状部52)の切欠部N
52(
図18参照)に当接するリブ部Rbを含む。上フランジ部63a及び下フランジ部63bは、本発明の第1フランジ部の一例である。
【0063】
上記構成のホルダ60は、基板30(光源31、32)に対して直接位置決めされた状態で配置される。具体的には、ホルダ60は、当該ホルダ60の位置決めピン67(
図7、
図11参照)が基板30の位置決め穴H
302に挿入されることで基板30に対してYZ方向に関し直接位置決めされ、かつ、ホルダ60の当接部68(
図7、
図11参照)が基板30の表面30aに当接することで基板30に対してX軸方向に関し直接位置決めされた状態で光源31、32の前方に配置される。
【0064】
【0065】
図12に示すように、導光レンズ70は、上レンズ本体71aと、上導光部72aと、下レンズ本体71bと、下導光部72bと、上フランジ部73aと、下フランジ部73bと、を含む。導光レンズ70は、これらが一体成形された一部品として構成される。導光レンズ70は、シリコン樹脂等の透明樹脂を射出成形することで成形される。導光レンズ70は、本発明の第1光制御部材の一例である。
【0066】
レンズ本体71(上レンズ本体71a及び下レンズ本体71b)は、前方側が開口し、後方側が閉塞したカップ状の部材である。
【0067】
上レンズ本体71aは車両用灯具10の光軸AX(
図1参照)より上に配置され、下レンズ本体71bは車両用灯具10の光軸AXより下に配置される。光軸AXは、X軸方向に延びている。
【0068】
上レンズ本体71aは、前方に向かって凹の半球状の前面71a1とその反対側の、前方に向かって凹の後面71a2とを含む(
図8参照)。
【0069】
上レンズ本体71aの前面71a1の下端縁は、カットオフラインに対応した形状の段差付きエッジ部(
図12中図示略)を含む。
【0070】
上導光部72aは、上レンズ本体71a(後面71a2)の下部から後方に向かって延びる導光部で、先端にロービーム用光源31が対向する上入光面72a1(
図8、
図12参照)を有する。ロービーム用光源31からの光は、上入光面72a1から上レンズ本体71a(上導光部72a)に入光し、上導光部72a内を導光されて上レンズ本体71aの前面71a1から出光する。
【0071】
下レンズ本体71bは、前方に向かって凹の半球状の前面71b1とその反対側の、前方に向かって凹の後面とを含む。
【0072】
下レンズ本体71bの前面71b1の上端縁は、上レンズ本体71aの段差付きエッジ部が反転した形状の段差付きエッジ部(
図12中図示略)を含む。
【0073】
下導光部72bは、下レンズ本体71b(後面)の上部から後方に向かって延びる導光部で、先端にADB用光源32が対向する下入光面72b1(
図12参照)を有する。ADB用光源32からの光は、下入光面72b1から下レンズ本体71b(下導光部72b)に入光し、下導光部72b内を導光されて下レンズ本体71bの前面71b1から出光する。
【0074】
上レンズ本体71aの上部には、上フランジ部73aが設けられる。上フランジ部73aは、ホルダ60の位置決めピン69が挿入される切欠部N
73a(
図12中、2箇所)を含む。
【0075】
下レンズ本体71bの下部の左右両側にはそれぞれ下フランジ部73bが設けられる。
【0076】
図13は、ホルダ60に対して位置決めされた状態で配置された導光レンズ70の斜視図である。
【0077】
上記構成の導光レンズ70は、
図13に示すように、ホルダ60に対して位置決めされた状態で配置される。具体的には、導光レンズ70は、導光レンズ70の上導光部72a(下導光部72bも同様)がホルダ60の貫通穴H
61に挿入され(
図8参照)、ホルダ60の位置決めピン65が導光レンズ70(上フランジ部73a)の切欠部N
73aに挿入され(
図13参照)、上フランジ部73a(下フランジ部73bも同様)がホルダ60の前方側開口端面64に当接する(
図8参照)ことでホルダ60に対して位置決めされた状態でホルダ60の前方に配置される。なお、上レンズ本体71aの後面71a2(下レンズ本体71bの後面も同様)の少なくとも一部がホルダ60の前面61aに当接する場合がある。
【0078】
図14は、プライマリレンズ80の拡大斜視図である。
【0079】
図14に示すように、プライマリレンズ80は、レンズ本体81と、上フランジ部82aと、下フランジ部82bと、を含む。プライマリレンズ80は、アクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂を射出成形することで成形される。プライマリレンズ80は、本発明の第1光制御部材の一例である。
【0080】
レンズ本体81は、前面81aとその反対側の後面81bとを含む球状レンズである(
図8参照)。前面81aは前方に向かって凸の球状面で、後面81bは後方に向かって凸の球状面である。レンズ本体81としては、例えば、特開2015-79660号公報に記載の球状レンズを用いることができる。
【0081】
図14に示すように、レンズ本体81の上部(前面81aと後面81bとの間)には、上フランジ部82aが設けられる。
【0082】
レンズ本体81の下部(前面81aと後面81bとの間)の左右両側にはそれぞれ下フランジ部82bが設けられる。下フランジ部82bは、ホルダ60の位置決めピン66が挿入される位置決め穴H82bを含む。
【0083】
図15は、導光レンズ70に対して位置決めされた状態で配置されたプライマリレンズ80の斜視図である。
【0084】
上記構成のプライマリレンズ80は、
図15に示すように、ホルダ60に対して位置決めされた状態で配置される。具体的には、プライマリレンズ80は、ホルダ60の位置決めピン66がプライマリレンズ80(下フランジ部82b)の位置決め穴H
82bに挿入され、かつ、フランジ部82a、82bが導光レンズ70のフランジ部73a、73bに当接することで導光レンズ70に対して位置決めされた状態で導光レンズ70の前方に配置される。
【0085】
【0086】
図16に示すように、リテーナ90は、リテーナ本体91と、上フランジ部92aと、下フランジ部92bと、フック部93と、を含む。
【0087】
リテーナ本体91は、前方側開口端面91aから後方側開口端面91bに向かうに従って錐体状に広くなる筒体である。リテーナ本体91の上部には、光源31、32で発生した熱を外部に放熱するために、貫通穴H91が設けられる。
【0088】
リテーナ本体91は、プライマリレンズ80のフランジ部82a、82bに当接するフランジ部94を含む。なお、
図8に示す断面では、プライマリレンズ80のフランジ部82b(82aも同様)とフランジ部94は当接していないが、別の断面では、両者は当接している(図示せず)。
【0089】
リテーナ本体91の先端上部には、上フランジ部92aが設けられる。上フランジ部92aは、ネジS2が挿入される貫通穴H
92a1(
図16中、2箇所)及びホルダ60の位置決めピン69が挿入される貫通穴H
92a2(
図16中、2箇所)を含む。
【0090】
リテーナ本体91の先端下部の左右両側にはそれぞれ下フランジ部92bが設けられる。下フランジ部92bは、ネジS2が挿入される貫通穴H92bを含む。
【0091】
リテーナ本体91の先端左右両側にはそれぞれホルダ60の側面(係合部)に係合するフック部93が設けられる。
【0092】
上記構成のリテーナ90は、
図6、
図8に示すように、フック部93をホルダ60の側面(係合部)に係合させることで、当該リテーナ90とホルダ60との間に導光レンズ70及びプライマリレンズ80を挟持した状態(
図8参照)でホルダ60に固定される。具体的には、リテーナ90は、ホルダ60の位置決めピン69が当該リテーナ90の貫通穴H
92a2に挿入され、かつ、フランジ部92a、92bがホルダ60のフランジ部63a、63bに当接することでホルダ60に対して位置決めされた状態で固定される。
【0093】
以上のようにして光学ユニット40が構成される。
【0094】
図17は、基板30に対して直接位置決めされた状態で配置された光学ユニット40の斜視図である。
【0095】
上記構成の光学ユニット40は、
図17に示すように、基板30(光源31、32)に対して直接位置決めされた状態で配置される。具体的には、光学ユニット40は、ホルダ60の位置決めピン67(
図7、
図11参照)が基板30の位置決め穴H
302に挿入されることで基板30に対してYZ軸方向に関し直接位置決めされ、かつ、ホルダ60(ホルダ本体の後面)の当接部68(
図7、
図11参照)が基板30の表面30aに当接することで基板30に対してX軸方向に関し直接位置決めされた状態で光源31、32の前方に配置される。
【0096】
図18は、セカンダリレンズ50の拡大斜視図である。
【0097】
図18に示すように、セカンダリレンズ50は、レンズ本体51と、筒状部52と、上フランジ部53aと、下フランジ部53bと、を含む。セカンダリレンズ50は、アクリルやポリカーボネイト等の透明樹脂を射出成形することで成形される。セカンダリレンズ50は、本発明の第2光制御部材の一例である。
【0098】
レンズ本体51は、前面51aとその反対側の後面とを含む平凸レンズである。前面51aはY軸及びZ軸を含む平面に対して平行な平面で、後面は後方に向かって凸の球状面である。セカンダリレンズ50としては、例えば、特開2015-79660号公報に記載の平凸レンズを用いることができる。
【0099】
図19は、セカンダリレンズ50と基板30の正面図である。
【0100】
図19に示すように、セカンダリレンズ50(レンズ本体51)は、正面視で基板30と重なった状態で配置される。セカンダリレンズ50(レンズ本体51)のサイズ(例えば、直径R)は、正面視で基板30のサイズ(例えば、高さH及び幅W)より大きい。
【0101】
レンズ本体51には、当該レンズ本体51の外周部から後方(X軸方向)に向かって延びた筒状部52が設けられる。
【0102】
筒状部52の上部には、光源31、32で発生した熱を外部に放熱するために、貫通穴H52が設けられる。
【0103】
筒状部52の左右両側にはそれぞれ、ホルダ60のリブ部Rbが当接する切欠部N52が設けられる。
【0104】
筒状部52の先端上部には、上フランジ部53aが設けられる。上フランジ部53aは、ホルダ60の位置決めピン69が挿入される位置決め穴H53aを含む。位置決め穴H53aは、本発明の第2位置決め穴の一例である。位置決め穴H53aは、貫通穴であってもよいし、有底の穴であってもよいし、切欠き部であってもよい。
【0105】
筒状部52の先端下部両側それぞれには、下フランジ部53bが設けられる。上フランジ部53a及び下フランジ部53bは、本発明の第2フランジ部の一例である。
【0106】
上記構成のセカンダリレンズ50は、
図1に示すように、ヒートシンク20の貫通穴H
21a2及びホルダ60の貫通穴H
63aに挿入されたネジS2をセカンダリレンズ50の上フランジ部53aに螺合させることでホルダ60に対して直接位置決めされた状態で固定される。具体的には、セカンダリレンズ50は、ホルダ60のリブ部Rbがセカンダリレンズ50(筒状部52)の切欠部N
52に当接し(
図1参照)、ホルダ60の位置決めピン69が当該セカンダリレンズ50の貫通穴H
53aに挿入され、かつ、フランジ部53a、53bがホルダ60のフランジ部63a、63bに当接することでホルダ60に対して直接位置決めされた状態で固定される。
【0107】
上記構成の車両用灯具10においては、ロービーム用光源31を点灯すると、ロービーム用光源31からの光は、上入光面72a1から上レンズ本体71a(上導光部72a)に入光し、上導光部72a内を導光されて、上レンズ本体71aの前面71a1から出光し、さらに、プライマリレンズ80及びセカンダリレンズ50によって構成される投影レンズによって投影される。これにより、上端縁にカットオフラインを含むロービーム用配光パターンが形成される。
【0108】
一方、ADB用光源32を点灯すると、ADB用光源32からの光は、下入光面から下レンズ本体71b(下導光部72b)に入光し、下導光部72b内を導光されて、下レンズ本体71bの前面71b1から出光し、さらに、プライマリレンズ80及びセカンダリレンズ50によって構成される投影レンズによって投影される。これにより、ADB用光源32の点消灯(減光を含む)に応じて個別に点消灯される複数領域を含むADB用配光パターンが形成される。
【0109】
以上説明したように、本実施形態によれば、ヒートシンク20の寸法精度に関わらず、光源ユニット40(導光レンズ70、プライマリレンズ80等)を光源31、32に対して設計どおりの位置関係(位置精度)で配置することができる(その結果、設計意図どおりの配光を形成することができる)車両用灯具10を提供することができる。
【0110】
これは、光源ユニット40が、基板30に対して直接位置決めされた状態で配置されることによるものである。具体的には、光源ユニット40の位置決めピン(ホルダ60の位置決めピン67)が基板30の位置決め穴H302に挿入されることで光源ユニット40(導光レンズ70、プライマリレンズ80等)が基板30に対して直接位置決めされた状態で光源31、32の前方に配置されることによるものである。
【0111】
詳述すると、光源ユニット40の位置決めピン(ホルダ60の位置決めピン67。
図7、
図11参照)が基板30の位置決め穴H
302に挿入されることで光源ユニット40が基板30に対してYZ方向に関し直接位置決めされ、かつ、光源ユニット40の当接部(ホルダ60の当接部68。
図7、
図11参照)が基板30の表面30aに当接することで光源ユニット40が基板30に対してX軸方向に関し直接位置決めされた状態で光源31、32の前方に配置されることによるものである。
【0112】
また、本実施形態によれば、セカンダリリレンズ50を光源31、32に対して設計どおりの位置関係で配置することができる(その結果、設計意図どおりの配光を形成することができる)。特に、セカンダリレンズ50のサイズが基板30のサイズより大きく(
図19参照)、当該セカンダリレンズ50を直接基板30に位置決めできない場合であっても、セカンダリレンズ50(レンズ本体51)を光源31、32に対して設計どおりの位置関係で配置することができる(その結果、設計意図どおりの配光を形成することができる)。
【0113】
これは、セカンダリレンズ50が、ヒートシンク20より寸法精度が高い樹脂成形品であるホルダ60に対して位置決めされた状態で配置されることによるものである。具体的には、ホルダ60(又はセカンダリレンズ50)の位置決めピン69がセカンダリレンズ50(又はホルダ60)の位置決め穴H53aに挿入され、かつ、セカンダリレンズ50(フランジ部53a、53b)がホルダ60(フランジ部63a、63b)に当接することでセカンダリレンズ50がホルダ60に対して位置決めされた状態で光学ユニット40の前方に配置されることによるものである。
【0114】
また、本実施形態によれば、複数の光学部品(導光レンズ70、プライマリレンズ80、セカンダリレンズ50等)がホルダ60に集約して基板30(光源31、32)に対して位置決めされるため、光学部品同士の位置ズレが発生しにくいという利点もある。
【0115】
また、本実施形態によれば、基板30とヒートシンク20との位置関係が変化した場合であっても(例えば、振動でネジS1が緩んで基板30とヒートシンク20との位置関係が変化した場合であっても)、基板30と光学ユニット40(及びセカンダリレンズ50)との位置関係は変化しないため(すなわち、光学ユニット40等が基板30に追従するため)、ロービーム用配光パターン及びADB用配光パターンに対する影響を抑制することができる。
【0116】
次に、変形例について説明する。
【0117】
また上記実施形態では、位置決めピン67をホルダ60(又は光学ユニット40)に設け、位置決めピン67が挿入される位置決め穴H302を基板30に形成した例について説明したが、これに限らない。例えば、逆に、位置決めピン67を基板30に設け、位置決めピン67が挿入される位置決め穴H302をホルダ60(又は光学ユニット40)に形成してもよい。当接部68についても同様である。
【0118】
また、上記実施形態では、基板30の位置決め穴H302に挿入される位置決めピン67をホルダ60に設けた例について説明したが、これに限らない。すなわち、基板30の位置決め穴H302に挿入される位置決めピン67は、光学ユニット40を構成するいずれの光学部品に設けてもよい。
【0119】
また上記実施形態では、位置決めピン69をホルダ60に設け、位置決めピン69が挿入される貫通穴H53aをセカンダリレンズ50(上フランジ部53a)に形成した例について説明したが、これに限らない。例えば、逆に、位置決めピン69をセカンダリレンズ50に設け、位置決めピン69が挿入される貫通穴H53aをホルダ60に形成してもよい。
【0120】
また、上記実施形態では、第1光制御部材として、導光レンズ70、プライマリレンズ80を用い、第2光制御部材として、セカンダリレンズ50を用いた例について説明したが、これに限らない。第1光制御部材、第2制御部材として、リフレクタ等のレンズ以外の光学部材を用いてもよい。
【0121】
また、上記実施形態では、導光レンズ70とホルダ60が物理的に分離した別々の部品として構成されている例について説明したが、これに限らない。例えば、導光レンズ70とホルダ60は、一体成形された一部品として構成されていてもよい。
【0122】
また、上記実施形態では、導光レンズ70を構成する上レンズ本体71aと下レンズ本体71bが一体成形された一部品として構成されている例について説明したが、これに限らない。例えば、上レンズ本体71aと下レンズ本体71bは物理的に分離した別々の部品として構成されていてもよい。
【0123】
また、上記実施形態では、導光レンズとして、上レンズ本体71aと、上導光部72aと、下レンズ本体71bと、下導光部72bと、を含む導光レンズ70を用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、導光レンズとして、上レンズ本体71aと上導光部72aとを含み、下レンズ本体71bと下導光部72bとを含まないレンズ体を用いてもよい。つまり、下レンズ本体71bと下導光部72bは省略してもよい。
【0124】
また、上記実施形態では、投影レンズとして、プライマリレンズ80及びセカンダリレンズ50の二枚のレンズによって構成される投影レンズを用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、投影レンズとして、図示しないが、一枚のレンズによって構成される投影レンズを用いてもよいし、三枚以上のレンズによって構成される投影レンズを用いてもよい。
【0125】
また、上記実施形態では、ADB用光源32からの光が入光する下導光部52bを用いた例について説明したが、これに限らない。例えば、図示しないが、ADB用光源32からの光が入光する下導光部52bに代えて、ハイビーム用光源からの光が入光する下導光部を用いてもよい。
【0126】
上記実施形態で示した各数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができるのは無論である。
【0127】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。上記実施形態の記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0128】
10…車両用灯具、20…ヒートシンク、21…ベース、21a…前面、21a1…基板取付面、21a2…フランジ面、21b…後面、22…放熱フィン、23…位置決めピン、30…基板、30a…表面、30b…裏面、31…ロービーム用光源、32…ADB用光源、33…コネクタ、40…光学ユニット、50…セカンダリレンズ、51…レンズ本体、51a…前面、52…筒状部、52b…下導光部、53a…上フランジ部、53b…下フランジ部、60…ホルダ、61…ホルダ本体、61a…前面、61b…後面、62…筒状部、63a…上フランジ部、63b…下フランジ部、64…前方側開口端面、65…位置決めピン、66…位置決めピン、67…位置決めピン、68…当接部、69…位置決めピン、70…導光レンズ、71…レンズ本体、71a…上レンズ本体、71a1…前面、71a2…後面、71b…下レンズ本体、71b1…前面、72a…上導光部、72a1…上入光面、72b…下導光部、72b1…下入光面、73a…上フランジ部、73b…下フランジ部、80…プライマリレンズ、81…レンズ本体、81a…前面、81b…後面、82a…上フランジ部、82b…下フランジ部、90…リテーナ、91…リテーナ本体、91a…前方側開口端面、91b…後方側開口端面、92a…フランジ部、92a…上フランジ部、92b…下フランジ部、93…フック部、94…フランジ部、S1、S2…ネジ、Rb…リブ部、H21a1…ネジ穴、H21a2…貫通穴、H301…位置決め穴、H302、H82b…位置決め穴、H52…貫通穴、H53a、H61、H62、H63a、H91、H92a1、H92a2、H92b…貫通穴、N30、N52、N73a…切欠部