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特許72799752次元カメラを利用して客体制御を支援する方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-15
(45)【発行日】2023-05-23
(54)【発明の名称】2次元カメラを利用して客体制御を支援する方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/60 20230101AFI20230516BHJP
   H04N 23/63 20230101ALI20230516BHJP
   H04N 23/611 20230101ALI20230516BHJP
   G06T 7/20 20170101ALI20230516BHJP
   G06F 3/0346 20130101ALI20230516BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
H04N23/60 500
H04N23/63
H04N23/611
G06T7/20 300A
G06F3/0346 423
G06F3/01 570
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021555246
(86)(22)【出願日】2020-03-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-12
(86)【国際出願番号】 KR2020003063
(87)【国際公開番号】W WO2020184890
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-09-13
(31)【優先権主張番号】10-2019-0027623
(32)【優先日】2019-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520407437
【氏名又は名称】ブイタッチ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソク ジュン
【審査官】大濱 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-523420(JP,A)
【文献】特表2003-533817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60
H04N 23/63
H04N 23/611
G06T 7/20
G06F 3/0346
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次元カメラを利用して客体制御を支援する方法であって、
2次元カメラから使用者の身体に関する2次元イメージを獲得する段階、および
前記2次元イメージ内で前記使用者の第1身体部位および第2身体部位それぞれに対応する2次元相対座標に基づいて特定される候補対象領域を参照して制御対象領域を決定する段階を含み、
前記候補対象領域および前記制御対象領域は前記2次元カメラを基準として設定される基準面上で決定され、
前記決定段階で、前記候補対象領域は、前記基準面上で前記2次元カメラが位置する地点および仮想の地点によって特定され、
前記基準面上で前記2次元カメラが位置する地点と前記仮想の地点の間の位置関係は、前記2次元イメージ内で前記第1身体部位および前記第2身体部位それぞれに対応する2次元相対座標の間の位置関係によって特定される、方法。
【請求項2】
前記2次元相対座標は、前記2次元カメラに関連する相対座標系で特定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
2次元カメラを利用して客体制御を支援する方法であって、
2次元カメラから使用者の身体に関する2次元イメージを獲得する段階、および
前記2次元イメージ内で前記使用者の第1身体部位および第2身体部位それぞれに対応する2次元相対座標に基づいて特定される候補対象領域を参照して制御対象領域を決定する段階を含み、
前記候補対象領域および前記制御対象領域は前記2次元カメラを基準として設定される基準面上で決定され、
前記決定段階で、前記候補対象領域のうち、前記使用者のジェスチャーに関連するものと判断される領域を前記制御対象領域として決定する、方法。
【請求項4】
前記ジェスチャーには、前記使用者が前記第1身体部位または前記第2身体部位を動かすジェスチャーが含まれる、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記決定段階は、
前記使用者が前記候補対象領域を認知できるように助けるガイド情報を提供する段階、および
前記ガイド情報が提供された後に認識される前記使用者のジェスチャーに関連するものと判断される領域を前記制御対象領域として決定する段階を含む、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記獲得段階で、第1の2次元カメラから使用者の身体に関する第1の2次元イメージを獲得し、第2の2次元カメラから前記使用者の身体に関する第2の2次元イメージを獲得し、
前記決定段階で、前記第1の2次元イメージ内で前記使用者の前記第1身体部位および前記第2身体部位それぞれに対応する2次元相対座標に基づいて特定される第1候補対象領域と前記第2の2次元イメージ内で前記使用者の前記第1身体部位および前記第2身体部位それぞれに対応する2次元相対座標に基づいて特定される第2候補対象領域を参照して制御対象領域を決定し、
前記第1候補対象領域、前記第2候補対象領域および前記制御対象領域は、前記第1の2次元カメラおよび前記第2の2次元カメラを基準として設定される基準面上で決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記決定段階で、前記第1候補対象領域および前記第2候補対象領域が互いに共通する領域を前記制御対象領域として決定する、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記決定段階で、前記制御対象領域に含まれる客体を前記使用者によって制御される客体として決定する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
請求項1または3に記載された方法を実行するためのコンピュータプログラムを記録する、非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項10】
2次元カメラを利用して客体制御を支援するシステムであって、
2次元カメラから使用者の身体に関する2次元イメージを獲得するイメージ獲得部、および
前記2次元イメージ内で前記使用者の第1身体部位および第2身体部位それぞれに対応する2次元相対座標に基づいて特定される候補対象領域を参照して制御対象領域を決定する制御対象領域決定部を含み、
前記候補対象領域および前記制御対象領域は前記2次元カメラを基準として設定される基準面上で決定され、
前記制御対象領域決定部により、前記候補対象領域は、前記基準面上で前記2次元カメラが位置する地点および仮想の地点によって特定され、
前記基準面上で前記2次元カメラが位置する地点と前記仮想の地点の間の位置関係は、前記2次元イメージ内で前記第1身体部位および前記第2身体部位それぞれに対応する2次元相対座標の間の位置関係によって特定される、システム。
【請求項11】
2次元カメラを利用して客体制御を支援するシステムであって、
2次元カメラから使用者の身体に関する2次元イメージを獲得するイメージ獲得部、および
前記2次元イメージ内で前記使用者の第1身体部位および第2身体部位それぞれに対応する2次元相対座標に基づいて特定される候補対象領域を参照して制御対象領域を決定する制御対象領域決定部を含み、
前記候補対象領域および前記制御対象領域は前記2次元カメラを基準として設定される基準面上で決定され、
前記制御対象領域決定部は、前記候補対象領域のうち、前記使用者のジェスチャーに関連するものと判断される領域を前記制御対象領域として決定する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2次元カメラを利用して客体制御を支援する方法、システムおよび非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、増強現実(AR:Augmented Reality)や仮想現実(VR:Virtual Reality)に関する関心が高まり、関連技術分野の研究開発が活発に進行されるにつれて、使用者の身体部位を利用して客体を制御する多様な技術が紹介されている。
【0003】
これに関する、従来技術の一例として、韓国公開特許公報第2012-126508号に開示された技術が挙げられるが、これによると、互いに異なる位置に配置される2個以上のイメージセンサで構成され、前記表示面の前方の使用者身体を撮影する映像獲得部と、前記映像獲得部から受信した映像を利用して前記使用者身体の3次元座標データを算出する空間座標算出部と、前記空間座標算出部から受信した第1空間座標と第2空間座標を利用して、前記第1空間座標と第2空間座標を連結する直線が前記表示面と会う接点座標データを算出するタッチ位置算出部および前記タッチ位置算出部から受信した前記接点座標データに対応するように設定された動作を遂行する命令コードを生成して、前記電子機器の主制御部に入力する仮想タッチ処理部で構成される仮想タッチ装置を通じて、(A)指先の3次元座標データ(X1、Y1、Z1)と片方の目の中心点の3次元座標データ(X2、Y2、Z2)を処理してディスプレイ表示面Cと、指先点Bと、片方の目の接点Aをそれぞれ検出する段階と、(B)前記検出された指先点の深さの変化、軌跡の変化、維持時間および変化の速度のうち少なくとも一つを算出する段階と、(C)算出された指先点の深さの変化、軌跡の変化、維持時間および変化の速度のうち少なくとも一つに基づいて電子機器の操作が可能であり、また、タッチパネルの特定部分をタッチするように該当領域を選択する段階を含むことを特徴とする、ポインタを使わない仮想タッチ装置でのタッチ認識方法が紹介されたことがある。
【0004】
前記のような従来技術をはじめとしてこれまで紹介された技術によると、客体を選択したり制御するためには3次元カメラを利用して使用者身体部位の3次元座標を獲得する過程が必須として要求された。しかし、3次元カメラはそれ自体の価格が高いだけでなく、3次元データ処理過程で多くの遅延が発生し、その遅延を解決するためにはさらに高い性能の演算処理装置(CPU)等が要求されるため、全体的に価格がさらに高くなることになった。
【0005】
そこで、本発明者は、3次元カメラがなくても従来の2次元カメラをのみ利用して、使用者が自身が意図する対象客体を効率的かつ正確に選択または制御できるように支援する新規かつ進歩した技術を提案するところである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述した従来技術の問題点をすべて解決することをその目的とする。
【0007】
また、本発明は、3次元カメラなどの精密なセンシング手段を利用せず、2次元カメラを通じて獲得される情報のみを利用して使用者の意図に符合する制御対象領域を正確に決定することをその目的とする。
【0008】
また、本発明は、少ないリソースを利用して制御対象領域を効率的に決定することをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するための本発明の代表的な構成は次の通りである。
【0010】
本発明の一態様によると、2次元カメラを利用して客体制御を支援する方法であって、2次元カメラから使用者の身体に関する2次元イメージを獲得する段階、および前記2次元イメージ内で前記使用者の第1身体部位および第2身体部位それぞれに対応する2次元相対座標に基づいて特定される候補対象領域を参照して制御対象領域を決定する段階を含み、前記候補対象領域および前記制御対象領域は前記2次元カメラを基準として設定される基準面上で決定される方法が提供される。
【0011】
本発明の他の態様によると、2次元カメラを利用して客体制御を支援するシステムであって、2次元カメラから使用者の身体に関する2次元イメージを獲得するイメージ獲得部、および前記2次元イメージ内で前記使用者の第1身体部位および第2身体部位それぞれに対応する2次元相対座標に基づいて特定される候補対象領域を参照して制御対象領域を決定する制御対象領域決定部を含み、前記候補対象領域および前記制御対象領域は前記2次元カメラを基準として設定される基準面上で決定されるシステムが提供される。
【0012】
この他にも、本発明を具現するための他の方法、他のシステムおよび前記方法を実行するためのコンピュータプログラムを記録する非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体がさらに提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、3次元カメラなどの精密なセンシング手段を利用せず、2次元カメラを通じて獲得される情報をのみ利用して使用者の意図に符合する制御対象領域を正確に決定することができる。
【0014】
本発明によると、少ないリソースを利用して制御対象領域を効率的に決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施例に係る客体制御支援システムの内部構成を詳細に図示する図面である。
図2】本発明の一実施例により2次元カメラを利用して候補対象領域を決定する構成を例示的に示す図面である。
図3】本発明の一実施例により2次元カメラを利用して候補対象領域を決定する構成を例示的に示す図面である。
図4】本発明の第1実施例により制御対象領域を決定する構成を例示的に示す図面である。
図5】本発明の他の実施例により制御対象領域を決定する構成を例示的に示す図面である。
図6】本発明の他の実施例により二つ以上の2次元カメラからそれぞれ獲得される二つ以上の2次元イメージを利用して、使用者によって意図された制御対象領域を決定する状況を例示的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
後述する本発明に対する詳細な説明は、本発明が実施され得る特定の実施例を例示として図示する添付図面を参照する。このような実施例は、当業者が本発明を充分に実施できるように詳細に説明される。本発明の多様な実施例は互いに異なるが、互いに排他的である必要はないことが理解されるべきである。例えば、本明細書に記載されている特定形状、構造および特性は、本発明の精神と範囲を逸脱することなく一実施例から他の実施例に変更されて具現され得る。また、それぞれの実施例内の個別の構成要素の位置または配置も本発明の精神と範囲を逸脱することなく変更され得ることが理解されるべきである。したがって、後述する詳細な説明は限定的な意味として行われるものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲の請求項が請求する範囲およびそれと均等なすべての範囲を包括するものと理解されるべきである。図面で類似する参照符号は多様な側面に亘って同一または類似する構成要素を示す。
【0017】
以下では、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるようにするために、本発明の多様な好ましい実施例について添付された図面を参照して詳細に説明することにする。
【0018】
(全体システムの構成)
本発明の一実施例に係る全体システムは、通信網、客体制御支援システム100および2次元カメラを含んで構成され得る。
【0019】
まず、本発明の一実施例に係る通信網は有線通信や無線通信のような通信の態様にかかわらず構成され得、近距離通信網(LAN、Local Area Network)、都市圏通信網(MAN、Metropolitan Area Network)、広域通信網(WAN、Wide Area Network)等の多様な通信網で構成され得る。好ましくは、本明細書における通信網は公知のインターネットまたはワールドワイドウェブ(WWW、World Wide Web)であり得る。しかし、通信網はこれに限定される必要はなく、公知の有線/無線データ通信網、公知の電話網または公知の有無線テレビ通信網をその少なくとも一部において含んでもよい。
【0020】
例えば、通信網は無線データ通信網であって、無線周波数(RF、Radio Frequency)通信、ワイファイ(WiFi(登録商標))通信、セルラー(LTEなど)通信、ブルートゥース(登録商標)通信(さらに具体的には、低電力ブルートゥース(BLE、Bluetooth(登録商標) Low Energy))、赤外線通信、超音波通信などのような従来の通信方法を少なくともその一部分において具現するものであり得る。
【0021】
次に、本発明の一実施例に係る客体制御支援システム100はメモリ手段を具備し、マイクロプロセッサを搭載して演算能力を備えたデジタルデバイスであり得る。このような客体制御支援システム100はサーバーシステムであり得る。
【0022】
本発明の一実施例によると、客体制御支援システム100は、後述する2次元カメラと通信網または所定のプロセッサ(図示されず)を通じて連結され得、2次元カメラから使用者の身体に関する2次元イメージを獲得し、2次元イメージ内で使用者の第1身体部位および第2身体部位それぞれに対応する2次元相対座標に基づいて特定される候補対象領域を参照して制御対象領域を決定し、前記候補対象領域および前記制御対象領域は2次元カメラを基準として設定される基準面上で決定されるようにする機能を遂行することができる。
【0023】
ここで、本発明の一実施例に係る2次元相対座標は、2次元カメラに関連する相対座標系で特定される座標であり得る。例えば、本発明の一実施例によると、2次元カメラのレンズ(または2次元カメラによって撮影された2次元イメージ)を中心に特定される2次元座標系(例えば、レンズの中心が(0、0))が前記相対座標系で特定され得、前記2次元相対座標はその相対座標系で特定される座標であり得る。
【0024】
また、本発明の一実施例によると、前記身体部位には、頭、目、鼻、口、手、手先、指、足、足先、足の指などが含まれ得、前記列挙された身体部位にのみ限定されず、本発明の目的を達成できる範囲内で多様な身体部位に変更され得る。
【0025】
また、本発明の一実施例によると、前記制御対象領域は、2次元カメラを基準として設定される基準面上で決定され得る。本発明の一実施例によると、前記2次元カメラを基準として設定される基準面は、2次元カメラを中心に設定される所定大きさの面または2次元カメラと隣接(または所定距離以内)した位置に存在する所定大きさの面を含む概念であり得、前記のような基準面の形状は平面または曲面であり得、ディスプレイ画面、プリントされた紙、壁などを含むことができる。
【0026】
本発明に係る客体制御支援システム100の構成と機能については、以下でさらに詳察することにする。一方、客体制御支援システム100について前記のように説明したが、このような説明は例示的なものであり、客体制御支援システム100に要求される機能や構成要素の少なくとも一部が必要に応じて外部システム(図示されず)内で具現されたり、外部システム内に含まれてもよいことは当業者に自明である。
【0027】
次に、本発明の一実施例に係る2次元カメラは通信網または所定のプロセッサによって客体制御支援システム100と通信が遂行され得、使用者の身体に関する2次元イメージを獲得する機能を遂行することができる。例えば、本発明の一実施例に係る前記2次元カメラには、電荷結合素子(CCD、Charge Coupled Device)、相補的金属酸化膜半導体(CMOS、Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の多様な類型のイメージセンサが含まれ得る。
【0028】
(客体制御支援システムの構成)
以下では、本発明の具現のために重要な機能を遂行する客体制御支援システム100の内部構成および各構成要素の機能について詳察することにする。
【0029】
図1は、本発明の一実施例に係る客体制御支援システム100の内部構成を詳細に図示する図面である。
【0030】
図1に図示された通り、客体制御支援システム100は、イメージ獲得部110、制御対象領域決定部120、通信部130および制御部140を含んで構成され得る。本発明の一実施例によると、イメージ獲得部110、制御対象領域決定部120、通信部130および制御部140は、そのうち少なくとも一部が外部のシステムと通信するプログラムモジュールであり得る。このようなプログラムモジュールは、運営システム、アプリケーションモジュールまたはその他のプログラムモジュールの形態で客体制御支援システム100に含まれ得、物理的には多様な公知の記憶装置に保存され得る。また、このようなプログラムモジュールは客体制御支援システム100と通信可能な遠隔記憶装置に保存されてもよい。一方、このようなプログラムモジュールは本発明により後述する特定の業務を遂行したり、特定の抽象データ類型を実行するルーチン、サブルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを包括するが、これに制限されはしない。
【0031】
まず、本発明の一実施例に係るイメージ獲得部110は2次元カメラから使用者の身体に関する2次元イメージを獲得する機能を遂行することができる。
【0032】
例えば、本発明の一実施例に係るイメージ獲得部110は、使用者の目(例えば、両眼または主眼)および指(例えば、人差し指の先)を含む身体を撮影した2次元イメージを獲得することができる。
【0033】
次に、本発明の一実施例に係る制御対象領域決定部120は、2次元イメージ内で使用者の第1身体部位および第2身体部位それぞれに対応する2次元相対座標に基づいて特定される候補対象領域を参照して制御対象領域を決定することができる。ここで、本発明の一実施例に係る制御対象領域決定部120は前記候補対象領域および前記制御対象領域を2次元カメラを基準として設定される基準面上に決定することができる。
【0034】
具体的には、本発明の一実施例によると、前記候補対象領域は仮想の基準面上で2次元カメラが位置する地点および仮想の地点によって特定され得、仮想の基準面上で2次元カメラが位置する地点および仮想の地点の間の位置関係は、2次元イメージ内で第1身体部位および第2身体部位それぞれに対応する2次元相対座標の間の位置関係によって特定され得る。
【0035】
図2および図3は、本発明の一実施例により2次元カメラを利用して候補対象領域を決定する構成を例示的に示す図面である。
【0036】
図2および図3の実施例において、本発明の一実施例に係る2次元カメラは客体表示デバイスに含まれ得、必要に応じてその客体表示デバイスと隣接した位置に配置され得る。この場合に、本発明の一実施例に係る客体表示デバイスの表示画面は、2次元カメラを基準として設定される基準面300上に存在するか、互いにマッチングされる位置関係を有することができる。
【0037】
また、図2および図3の実施例において、客体表示デバイスの表示画面上には「a」~「t」の客体がディスプレイまたはプリントされる状況を仮定してみることができる。また、本発明に係る客体表示デバイス上に表示される客体は電子的にディスプレイされ得るだけでなく、本発明の目的を達成できる範囲内でプリンティング、陰刻、陽刻などのような多様な方式でも表示され得る。
【0038】
また、図2および図3の実施例において、本発明の一実施例に係る客体表示デバイスは客体制御支援システム100と通信網または所定のプロセスを通じて連結され得、使用者によって制御される客体を表示する機能を遂行することができる。例えば、本発明の一実施例によると、客体表示デバイスは、液晶表示装置(LCD、Liquid Crystal Display)、超薄膜液晶表示装置(TFT-LCD、Thin Film Transistor LCD)、発光ダイオード(LED、Light Emitting Diode)、有機発光ダイオード(OLED、Organic LED)、能動型有機発光ダイオード(AMOLED、Active Matrix OLED)、フレキシブルディスプレイ(Flexible Display)および3次元ディスプレイなどで構成され得る。
【0039】
まず、図2を参照すると、本発明の一実施例に係る制御対象領域決定部120は、2次元カメラから獲得される2次元イメージ200内で特定される使用者の目201の相対座標と使用者の指先202の2次元相対座標を互いにつなぐ直線203と2次元イメージ内で予め設定される基準線204の間の角度205を特定することができる。ここで、本発明の一実施例によると、2次元イメージ200内で予め設定される基準線204は、2次元イメージ200の横軸(または縦軸)により特定される水平線(または垂直線)であるか、2次元イメージ200内で使用者の両眼をつなぐ直線と平行な直線であり得る。
【0040】
次に、図3を参照すると、本発明の一実施例に係る制御対象領域決定部120は、2次元カメラを基準として設定される基準面300上で2次元カメラが位置する地点301と仮想の地点302をつなぐ仮想の直線303と所定の基準線304がなす角度305が、図2の2次元イメージ200上で特定される角度205と実質的に同一となるようにする仮想の地点302を特定することができ、基準面300上で2次元カメラが位置する地点301と仮想の地点302をつなぐ仮想の直線303の周辺部に該当する領域306を候補対象領域として特定することができる。ここで、本発明の一実施例によると、基準面300上で特定される所定の基準線304は、2次元イメージ200内で予め設定される基準線204と平行な直線であるか、2次元カメラを含む客体表示デバイスの横軸に対応する直線であり得る。
【0041】
また、本発明の一実施例によると、制御対象領域決定部120は前記特定される候補対象領域を参照して、使用者の制御意図に符合するものと判断される制御対象領域を決定することができる。
【0042】
具体的には、本発明の一実施例によると、制御対象領域決定部120は前記特定される候補対象領域のうち、使用者のジェスチャーに関連するものと判断される領域を制御対象領域として決定することができる。ここで、本発明の一実施例によると、使用者のジェスチャーは使用者の第1身体部位または第2身体部位を動かすジェスチャーを含むことができ、例えば、使用者が2次元カメラによって撮影されている指先を自身が意図した方向にそって移動させるジェスチャーを含むことができる。
【0043】
図4は、本発明の第1実施例により制御対象領域を決定する構成を例示的に示す図面である。
【0044】
図4を参照すると、本発明の一実施例に係る制御対象領域決定部120は、2次元イメージ内で使用者の第2身体部位に該当する2次元相対座標202が左下方向202’に移動するジェスチャーが感知されることに対応して、基準面300上の候補対象領域306内で相対的に右下方向に位置する部分領域307を制御対象領域として決定することができ、ひいては、候補対象領域306に位置する二つの客体308、309のうち、制御対象領域307に位置する客体309を使用者によって制御(または選択)される客体として決定することができる。すなわち、本発明の一実施例によると、前記候補対象領域306には客体「i」308および客体「t」309が含まれ、制御対象領域307には客体「t」309のみが含まれるため、客体「t」309が使用者によって意図される制御対象客体として決定され得ることになる。
【0045】
一方、本発明の一実施例によると、制御対象領域決定部120は使用者が客体制御支援システム100によって特定されている候補対象領域を認知できるように助けるガイド情報を提供することができ、前記ガイド情報が提供された後に認識される使用者のジェスチャーに関連するものと判断される領域を制御対象領域として決定することができる。
【0046】
例えば、本発明の一実施例に係る制御対象領域決定部120は、客体表示デバイスに対応して基準面が設定される場合に、客体表示デバイス上で候補対象領域自体を強調して表示するか、候補対象領域内に位置している客体を強調して表示することによって、使用者にガイド情報を提供することができる。また、本発明の一実施例に係る制御対象領域決定部120は、ガイド情報の提供を受けた使用者が、候補対象領域内で自身が制御しようとする制御対象領域を正確に特定するために行うジェスチャーを認識することによって、候補対象領域内で制御対象領域を決定することができる。
【0047】
一方、本発明の一実施例に係る通信部130は、イメージ獲得部110および制御対象領域決定部120からの/へのデータの送受信を可能にする機能を遂行することができる。
【0048】
最後に、本発明の一実施例に係る制御部140は、イメージ獲得部110、制御対象領域決定部120および通信部130間のデータの流れを制御する機能を遂行することができる。すなわち、本発明に係る制御部140は客体制御支援システム100の外部からの/へのデータの流れまたは客体制御支援システム100の各構成要素間のデータの流れを制御することによって、イメージ獲得部110、制御対象領域決定部120および通信部130でそれぞれ固有の機能を遂行するように制御することができる。
【0049】
一方、本発明の他の実施例によると、客体制御支援システム100は二つ以上の2次元カメラからそれぞれ獲得される使用者の身体に関する二つ以上の2次元イメージから得られる情報に基づいて、使用者によって意図されたものと判断される制御対象領域を決定してもよい。
【0050】
具体的には、本発明の他の実施例に係る客体制御支援システム100は、第1の2次元カメラから使用者の身体を撮影した第1の2次元イメージを獲得し、第2の2次元カメラから使用者の身体を撮影した第2の2次元イメージを獲得することができる。
【0051】
次に、本発明の他の実施例に係る客体制御支援システム100は、第1の2次元イメージ内で使用者の第1身体部位および第2身体部位それぞれに対応する2次元相対座標に基づいて特定される第1候補対象領域と第2の2次元イメージ内で使用者の第1身体部位および第2身体部位それぞれに対応する2次元相対座標に基づいて特定される第2候補対象領域のすべてを参照して、制御対象領域を決定することができる。例えば、本発明の他の実施例に係る客体制御支援システム100は、第1候補対象領域および第2候補対象領域が互いに共通する領域を制御対象領域として決定することができる。ここで、本発明の他の実施例によると、制御対象領域は第1の2次元カメラおよび第2の2次元カメラを基準として設定される基準面上で決定され得る。
【0052】
図5は、本発明の他の実施例により制御対象領域を決定する構成を例示的に示す図面である。
【0053】
まず、図5の(a)を参照すると、本発明の他の実施例に係る客体制御支援システム100は、第1の2次元カメラから獲得される第1の2次元イメージ510内で特定される使用者の目511の相対座標と使用者の指先512の2次元相対座標を互いにつなぐ直線513と第1の2次元イメージ510内で予め設定される基準線514の間の第1角度515を特定することができる。
【0054】
次に、図5の(b)を参照すると、本発明の他の実施例に係る客体制御支援システム100は、第2の2次元カメラから獲得される第2の2次元イメージ520内で特定される使用者の目521の相対座標と使用者の指先522の2次元相対座標を互いにつなぐ直線523と第2の2次元イメージ520内で予め設定される基準線524の間の第2角度525を特定することができる。
【0055】
次に、図5の(c)を参照すると、本発明の他の実施例に係る客体制御支援システム100は、第1の2次元カメラおよび第2の2次元カメラを基準として設定される基準面530上で第1の2次元カメラが位置する地点531と第1仮想の地点をつなぐ第1仮想の直線532と所定の第1基準線がなす角度533が、図5の(a)の第1の2次元イメージ510上で特定される第1角度515と実質的に同一となるようにする第1仮想の地点を特定することができ、基準面530上で第1の2次元カメラが位置する地点531と第1仮想の地点をつなぐ第1仮想の直線532の周辺に該当する領域534を第1候補対象領域として特定することができる。ここで、本発明の他の実施例によると、基準面530上で特定される第1基準線は、第1の2次元イメージ510内で予め設定される基準線514と平行な直線または客体表示デバイスの横軸に対応する直線であり得る。
【0056】
引き続き、図5の(c)を参照すると、本発明の他の実施例に係る客体制御支援システム100は、基準面530上で第2の2次元カメラが位置する地点535と第2仮想の地点をつなぐ第2仮想の直線536と所定の第2基準線がなす角度537が、図5の(b)の第2の2次元イメージ520上で特定される第2角度525と実質的に同一となるようにする第2仮想の地点を特定することができ、基準面530上で第2の2次元カメラが位置する地点535と第2仮想の地点をつなぐ第2仮想の直線536の周辺に該当する領域538を第2候補対象領域として特定することができる。ここで、本発明の他の実施例によると、基準面530上で特定される第2基準線は、第2の2次元イメージ520内で予め設定される基準線524と平行な直線または客体表示デバイスの横軸に対応する直線であり得る。
【0057】
引き続き、図5の(c)を参照すると、本発明の他の実施例に係る客体制御支援システム100は、基準面300上で第1候補対象領域534と第2候補対象領域538が互いに共通する領域539を制御対象領域として決定することができ、ひいては、客体表示デバイス上に表示される客体のうち、制御対象領域539に位置する客体を使用者によって制御(または選択)される客体として決定することができる。
【0058】
すなわち、本発明の他の実施例によると、二つ以上の2次元カメラからそれぞれ獲得される二つ以上の2次元イメージを利用することによって、使用者の制御意図をより正確かつ精密に認識できることになる。
【0059】
図6は、本発明の他の実施例により二つ以上の2次元カメラからそれぞれ獲得される二つ以上の2次元イメージを利用して、使用者によって意図された制御対象領域を決定する状況を例示的に示す図面である。
【0060】
図6を参照すると、本発明の他の実施例に係る客体制御支援システム100は、モバイルデバイス600に備えられた二つ以上の2次元カメラ601、602を通じてそれぞれ獲得される二つ以上の2次元イメージから得られる情報を利用して、モバイルデバイス600の表示画面上に表示されているアイコン603、モバイルデバイス600の表示画面上に表示されている電子地図内の特定地点604、モバイルデバイス600の表示画面の外の任意の地点605等を使用者によって意図される制御対象領域であると決定することができる。
【0061】
以上で説明された本発明に係る実施例は、多様なコンピュータ構成要素を通じて実行され得るプログラム命令語の形態で具現されてコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録され得る。前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、プログラム命令語、データファイル、データ構造などを単独でまたは組み合わせて含むことができる。前記コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されるプログラム命令語は、本発明のために特別に設計されて構成されたものであるか、コンピュータソフトウェア分野の当業者に公知になっている使用可能なものであり得る。コンピュータ読み取り可能な記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスクおよび磁気テープのような磁気媒体、CD-ROMおよびDVDのような光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気-光媒体(magneto-optical medium)、およびROM、RAM、フラッシュメモリなどのような、プログラム命令語を保存し実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令語の例には、コンパイラによって作られるような機械語コードだけでなく、インタープリタなどを使ってコンピュータによって実行され得る高級言語コードも含まれる。ハードウェア装置は本発明に係る処理を遂行するために一つ以上のソフトウェアモジュールに変更され得、その逆も同じである。
【0062】
以上、本発明が具体的な構成要素などのような特定の事項と限定された実施例および図面によって説明されたが、これは本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものに過ぎず、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であればこのような記載から多様な修正と変更を試みることができる。
【0063】
したがって、本発明の思想は前述した実施例に限定されて定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なまたはこれから等価的に変更されたすべての範囲は本発明の思想範疇に属するものと言える。
【符号の説明】
【0064】
100:客体制御支援システム
110:イメージ獲得部
120:制御対象領域決定部
130:通信部
140:制御部
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図5(c)】
図6(a)】
図6(b)】
図6(c)】