(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-15
(45)【発行日】2023-05-23
(54)【発明の名称】キャップの取付構造
(51)【国際特許分類】
E04H 17/14 20060101AFI20230516BHJP
F16L 55/00 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
E04H17/14 103Z
F16L55/00 S
(21)【出願番号】P 2019102538
(22)【出願日】2019-05-31
【審査請求日】2022-03-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000002462
【氏名又は名称】積水樹脂株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中村 秀敏
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-046578(JP,A)
【文献】実開昭55-101921(JP,U)
【文献】米国特許第05645270(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 17/00 - 17/26
F16L 55/00
E04G 21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状体の長手方向の端部に取付けられるキャップの取付構造であって、
前記キャップは、前記筒状体の端部を覆う蓋部と
、
前記蓋部の裏面から立設されて前記筒状体の内部に挿入される挿入部と、
前記挿入部に取付けられるばね鋼からなる弾性部材とを備え、
前記弾性部材は板状であって、前記挿入部より幅狭の基部と
、
前記基部の両端部からそれぞれ蓋部側に折り曲げられて形成された爪部とを有し、
前記挿入部は、前記弾性部材の基部が中央部を蓋部側に付勢された状態で固定される固定部を備え、
前記爪部が前記筒状体の内壁面に圧接されている
ことを特徴とするキャップの取付構造。
【請求項2】
前記蓋部は、裏面から立設されて前記筒状体の外壁面に当接しうる複数の規制部を備え、
前記挿入部は、前記筒状体の内壁面に対向する対向面
を有し、
前記固定部は、前記
対向面とは反対側に向けて開口しており
、
前記固定部に挿入された
前記弾性部材の反力によって、該
固定部の上壁面が上方に付勢されるとともに、
前記対向面は、少なくともその一部が前記筒状体の内壁面に当接しうる
ことを特徴とする請求項1に記載のキャップの取付構造。
【請求項3】
前記挿入部の対向面には、上下方向に沿って形成されて前記内壁面に当接しうる突条が複数形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載のキャップの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塀やフェンス等に用いられるパイプの端部を塞ぐためのキャップの取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、住宅や工場等の敷地境界部や隣地境界部に設けられる塀やフェンス等に用いられるパネルには、メッシュ状の形態、多数の縦桟を有する縦格子状の形態、板状の形態等、様々な形態が用いられている。この中で、縦格子状の形態からなるパネルは、多数の縦材を横材で固定したものが多く、このうち、縦材は、鋼管やアルミ押出型材等の内部に中空部を有するパイプが用いられており、パイプの開口部には、パイプ材の中への雨水等の浸入や、塀等の付近を通行する通行人がパイプ材の端部に触れても怪我等をしないようにキャップが取付けられている。
【0003】
キャップの形態としては、パイプ材に外嵌されるもの、パイプ材に内嵌されるもの、ビスやボルト等の締結部材でキャップとパイプ材とを接合するもの、キャップとパイプ材とを溶接や接着剤等を用いた接合手段で接合するもの、あるいはこれらを組み合わせたもの等が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、基板と、基板の周縁部に設けた周壁と、基板から周壁と同じ方向に延出しかつ中間部分を弾性変形可能としたアームの先端に設けた外向き係止爪を備え、周壁を建築用部材に外側から対向させて、外向き係止爪をアームとともに建築用部材の内部に位置させて建築用部材に設けた係止孔に内部から係止させ、周壁により係止孔を被覆した建築用部材の端部キャップが開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、管端に被せられるキャップ本体と、板状ばね鋼を折曲してなり前記キャップ本体の内側天井面に固定された複数の管壁係合脚とからなり、前記管壁係合脚は、キャップ本体の内側天井面に固定される基部と,この基部から管奥方向に向けて立ち上げた立ち上げ部と、この立ち上げ部の先端から外側に折り返した折り返し部とを有することを特徴とする管端用キャップが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平10-2173号公報
【文献】実開平07-28297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、弾性変形可能な係止爪やばね鋼を用いたキャップを利用することによって、形材や管等の筒状体の端部に強固に取付けることができる。一般に合成樹脂やアルミニウム合金等で前記の係止爪を一体的に形成するものよりは、ばね鋼を用いた方が大きな弾性力を得やすく、特許文献2のように、前記のような基部と立ち上げ部と折り返し部を有するばね鋼であると、筒状体にキャップを取付けやすいが、キャップを筒状体に取付けた後、キャップを抜き出そうとすると、立ち上げ部の先端側である折り返し部に近い方が内側に弾性的に変形しうるので、抜き出しに抗する弾性力が低下するおそれがあった。
【0008】
本発明は、前記の如き問題点を解消し、筒状体に対して強固に取付けることができるキャップの取付構造を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。
すなわち本発明に係るキャップの取付構造は、筒状体の長手方向の端部に取付けられるキャップの取付構造であって、前記キャップは、前記筒状体の端部を覆う蓋部と、前記蓋部の裏面から立設されて前記筒状体の内部に挿入される挿入部と、前記挿入部に取付けられるばね鋼からなる弾性部材とを備え、前記弾性部材は板状であって、前記挿入部より幅狭の基部と、前記基部の両端部からそれぞれ蓋部側に折り曲げられて形成された爪部とを有し、前記挿入部は、前記弾性部材の基部が中央部を蓋部側に付勢された状態で固定される固定部を備え、前記爪部が前記筒状体の内壁面に圧接されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係るキャップの取付構造において、前記蓋部は、裏面から立設されて前記筒状体の外壁面に当接しうる複数の規制部を備え、前記挿入部は、前記筒状体の内壁面に対向する対向面を有し、前記固定部は、前記対向面とは反対側に向けて開口しており、前記固定部に挿入された前記弾性部材の反力によって、該固定部の上壁面が上方に付勢されるとともに、前記対向面は、少なくともその一部が前記筒状体の内壁面に当接しうるようにしてもよい。
【0011】
また、前記キャップの取付構造において、前記挿入部の対向面には、上下方向に沿って形成されて前記内壁面に当接しうる突条が複数形成されているようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るキャップによれば、キャップを筒状体内に取付ける時はキャップの挿入部を筒状体内に挿入しやすく、キャップを筒状体から抜き出そうとする時は、弾性部材の爪部からキャップの内壁面に対して弾性力が大きくなるように作用するので、キャップは筒状体から容易には抜け出しにくくなるので、筒状体に対してキャップを強固に取付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係るキャップを用いたフェンスの第一の実施形態を示す正面図である。
【
図2】本発明に係るキャップを用いたフェンスの第一の実施形態を示す側面図である。
【
図5】キャップが取付けられた筒状体の説明図である。
【
図7】
図6の弾性部材の説明図であって、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【
図10】本発明に係るキャップの他の実施形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照し、具体的に説明する。
【0015】
図において、10は筒状体、20は筒状体10の長手方向の端部に取付けられるキャップである。そして
図1~
図3は本発明に係るキャップ20を取付けた筒状体10を用いたフェンス100を示すものであって、
図1は正面図、
図2は側面図、
図3は
図1の支柱110付近の拡大平面図である。すなわち、このフェンス100は、複数の支柱110が立設され、支柱110の間に上下に間隔をおいて複数の胴縁120が取付けられ、更に複数の縦桟としての筒状体10と、他の形態の縦桟130と、これらを支持する横桟140とからなる縦格子パネル150が胴縁120に取付けたものである。
【0016】
図4は
図2のA-A線拡大断面図であって筒状体10の断面図を示すものである。筒状体10は、本形態では、前後方向に間隔をあけて略平行に配置された二個の平板部11,12と、半円筒状であって凸側が対向しており平板部11,12間に配置された湾曲部13,14と、湾曲部13,14の前後方向中間部を接続して平板部11,12と略平行に配置された中間壁部15とを備えており、更に平板部11、湾曲部13,14、中間壁部15に囲まれて形成された中空部16と、平板部12、湾曲部13,14、中間壁部15に囲まれて形成された中空部17とを有している。
【0017】
なお、筒状体10の内壁面とは、筒状体10の側面を形成する面において中空部を形成する壁面を指し、それ以外の面は特に説明のない限り外壁面と記載する。すなわち、中空部16は、平板部11、湾曲部13,14、中間壁部15において中空部16に面する内壁面11a、13a、14a、15aに囲まれて形成されている。また、中空部17は、平板部12、湾曲部13,14、中間壁部15において中空部17に面する内壁面12a、13a、14a、15bに囲まれて形成されている。
【0018】
筒状体10は、長手方向に中空部が連続的に形成されたものであればよく、断面形状は、本形態に限定されるものではなく、例えば、矩形状、小判型等でもよい。また筒状体10の素材としては、合成樹脂、アルミニウム合金等を押出成形により製造された成形体や、鋼管のような金属管を挙げることができる。
【0019】
図5はキャップ20が取付けられた筒状体10の説明図、
図6は
図5のキャップ20の説明図、
図7は
図6の弾性部材30の説明図であって、(a)は正面図、(b)は平面図である。
図5に示すように、キャップ20は筒状体10の上下端部にそれぞれ取付けられたものである。なお、キャップ20については、以後、筒状体10の下端部に取付けた形態について主に説明し、筒状体10の上端部に取付けた形態については相違点のみ説明する。
【0020】
キャップ20は、
図6に示すように、筒状体10の下端部を覆う蓋部21と、筒状体10内に挿入される挿入部22とを備えている。蓋部21は、薄い平板状に形成されており、一部に水抜き孔21aが上下方向に貫通して形成されている。なお、筒状体10の上端部に取付けられるキャップ20は、
図5に示すように水抜き孔を備えていないものである。
【0021】
挿入部22は、蓋部21の裏面(
図6において蓋部21の上面)に立設されている。本形態において、筒状体10は二個の中空部16,17を有しているので、本形態に係る挿入部22は、中空部16内に挿入される第一の挿入部23と、中空部17内に挿入される第二の挿入部24とを備えている。
【0022】
第一の挿入部23には、ばね鋼からなる弾性部材30が取付けられている。弾性部材30は板状であって、第一の挿入部23の前後方向の幅よりも狭い幅狭の基部31と、基部31の両端部から蓋部21側に向けて折り曲げられて形成された爪部32,33を備えており、基部31と爪部32,33とにより略コ字状に形成されている。弾性部材30で用いるばね鋼としては、例えば、ばね用ステンレス鋼帯(JIS G4313)、ばね用冷間圧延鋼帯(JIS G4802)等を用いることができる。
【0023】
筒状体10の中空部16に挿入された第一の挿入部23は、柱状に形成されており、
図4に示すように、中空部16を囲む内壁面13aに対向する対向面25を有し、対向面25の反対側には弾性部材30が取付けられている。そして、弾性部材30の爪部32,33の先端部が中空部16を囲む内壁面11a、15aに圧接されており、この構造により、筒状体10に対してキャップ20を強固に取付けることができる。なお、第二の挿入部24は第一の挿入部23と同様な構造であり、中空部17は中空部16と同様な構造であるので、その説明は省略する。
【0024】
また、
図4,
図6に示すように、キャップ20は、蓋部21の裏面から立設された複数の規制部21b,21cを有している。規制部21b,21cは、それぞれ筒状体10の外壁面に対向して配置されており、左右に間隔をあけて配置された規制部21b,21bによって筒状体10に対するキャップ20の左右方向の移動を規制し、前後に間隔をあけて配置された規制部21c,21cによって筒状体10に対するキャップ20の前後方向の移動を規制する。これにより、中空部16に挿入された第一の挿入部23と相まって、筒状体10に取付けられたキャップ20の前後方向、左右方向の位置ずれを抑えることができる。
【0025】
図8は図
6のB-B線拡大断面図である。次に、キャップ20に対する弾性部材30の取付構造について
図6,
図8を用いて説明する。第一の挿入部23は、弾性部材30の基部31が取付けられる固定部41と爪部32が配置可能な切欠部42とを備えている。固定部41は、対向面25とは反対側に向けて連続して形成されている。
【0026】
固定部41は、上壁面43と下壁面44と有しており、対向面25側に当たる右側は有底であり、左側、前後両側は開口されている。上壁面43は中央部が下方に向けて突出する突状に形成されており、下壁面44は中央部が下方に向けて凹んだ凹状に形成されている。
【0027】
弾性部材30の基部31を固定部41内に取付ける際、基部31の中央部を下方に向けて弾性的に撓ませることで配置可能となる。すなわち、基部31の中央部の上部は上壁面43により下方に付勢され、基部31の両端部は下壁面44の両端部により上方に付勢された状態で取付可能となるため、基部31は固定部41内に弾性的に固定されることとなる、固定部41内から容易に抜け出すことなくなる。
【0028】
切欠部42は、固定部41と連続して形成されたものであって、第一の挿入部23の内壁面11a側が上下方向に切り欠かれて、縦壁部45と底壁部46とを備えている。
【0029】
図9は
図5のC-C線拡大断面図である。
図8に示されたキャップ20の第一の挿入部23を中空部16に挿入した際、弾性部材30の爪部32は、内壁面11aと切欠部42によって形成された空間内に配置される。なお、爪部33は、第一の挿入部23と内壁面15aとの間に配置することができる。ここで、弾性部材30の爪部32,33の先端部は、内壁面11a、15aによって内側に弾性的に変形するところ、その変形量は、単に弾性部材30を筒状体10内に挿入したときより大きくなる。
【0030】
すなわち、第一の挿入部23も取付けられた弾性部材30は、
図8に示すように、爪部32,33の先端部が相対的に上方に移動することとなるので、弾性部材30の爪部32,33の先端部間の距離L1は、基部31を固定部41内に取付ける前の距離L2よりも長くなる。
【0031】
これにより、第一の挿入部23を中空部16に挿入した際、弾性部材30に生じる弾性力がより大きくなり、その結果、弾性部材30の弾性変形によって、爪部32,33を通じて内壁面11a、15aが受ける弾性力も大きくなるので、挿入部22は、筒状体10から抜け出しにくくなる。
【0032】
また、キャップ20を筒状体10内に挿入する際、基部31側が先に挿入されるところ、基部31の幅は、爪部32,33の先端部間の距離より狭いので、弾性部材30の爪部32,33は、挿入につれて徐々に弾性的に変形することになるので、挿入する際に大きな力を必要としない。一方、キャップ20を筒状体10に取付けた後に引き抜こうとすると、弾性部材30が筒状体10の下端部側へ移動しようとするが、爪部32,33の先端部が筒状体10の内壁面11a、15aに圧接した状態で滑りにくいため、爪部32,33の先端部はより内壁面11a、15aを押圧するように作用する。これにより、キャップ20は筒状体から抜け出しにくくなる。
【0033】
更に、
図8に示すように弾性部材30の基部31は下向きに撓んだ状態であるので、それに伴って発生する反力により、固定部41の上壁面43には上向きに付勢されるので、固定部41の前側の開口が上向きに開き、連動して対向面25の上部が外方に向けて変形して反りが生じるおそれがある。すると、第一の挿入部23を中空部16に挿入する際、対向面25が内壁面13aと干渉して、挿入作業に支障が出たり、部材の一部が損傷したりするおそれがある。
【0034】
そこで、本形態では、対向面25において上下方向に沿って突条26を形成し、突条26の頂部を内壁面13aに向けて配置することにより、挿入作業中に、上記干渉が生じても、突条26と内壁面13aとの接触面積が少なくなるので、挿入作業に対する影響を低減することができる。また、内壁面13aと対向面25とが比較的広い範囲にわたって干渉しうる場合は、
図4,
図6に示すように、対向面25の幅方向に対して突条26を複数形成しておけば、挿入作業に対する影響を低減することができる。更に、筒状体10にキャップ20を取付けた後、弾性部材30の反力により、対向面25が内壁面13a側に反りが生じて接触する場合はあるが、それ以上の弾性的な変形は内壁面13aにより抑えられるので、弾性部材30が取付けられた固定部41付近の破損を抑えることができる。
【0035】
図10は、本発明に係るキャップの他の実施形態を示す説明図であって、
図8に対応した縦断面図であるので、主に相違点を説明する。それ以外で、既に説明した内容と同じ構成要素には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0036】
第一の挿入部23は、弾性部材30の基部31が配置可能な固定部41を備えている点は共通しているが、下壁面44の中央部が下方に向けて隙間47が形成されたものである。また、第一の挿入部23の切欠部42において、底壁部46は内壁面11aに向けて下方に傾斜する傾斜面48を有している。これにより、内壁面11aと底壁部46との隙間に弾性部材30の爪部32が引っ掛かるような不具合を抑えることができる。
【0037】
以上のように本実施形態のキャップの取付構造は、筒状体10の長手方向の端部に取付けられるキャップ20の取付構造であって、キャップ20は、筒状体10の端部を覆う蓋部21と、蓋部21の裏面から立設されて筒状体10の内部に挿入される挿入部22と、挿入部22に取付けられるばね鋼からなる弾性部材30とを備え、弾性部材30は板状であって、挿入部22より幅狭の基部31と、基部31の両端部からそれぞれ蓋部21側に向けて折り曲げられて形成された爪部32,33とを有し、爪部32,33が筒状体10の内壁面11a、15aに圧接されていることを特徴とするものである。
【0038】
この構成により、弾性部材30の爪部32,33は、基部31の両端部からそれぞれ蓋部21側に折り曲げられて形成されており、筒状体10の内壁面11a、15aに圧接されるため、キャップ20は筒状体10から容易には抜け出しにくくなり、筒状体10にキャップ20を強固に取付けることができる。
【0039】
ここで、蓋部21は、裏面から立設されて筒状体10の外壁面に当接する複数の規制部21b,21cを備え、挿入部22は、筒状体10の内壁面13aに対向する対向面25と、対向面25とは反対側に向けて開口しており、弾性部材30の基部31が中央部を下方向に付勢された状態で配置可能な固定部41を備え、固定部41に挿入された弾性部材30の反力によって、固定部41の上壁面43が上方に付勢されるとともに、対向面25は、少なくともその一部が筒状体10の内壁面13aに当接しうるようになされている。
【0040】
この構成により、対向面25が筒状体10の内壁面13aに当接しうるので、筒状体10に対するキャップ20の位置ずれを抑えることができる。
【0041】
また、挿入部22の対向面25には、上下方向に沿って形成されて内壁面13aに当接しうる突条26が複数形成されている。
【0042】
この構成により、挿入部22の対向面25が筒状体10の内壁面13aに当接する場合であっても、接触面積を少なくすることができるので、キャップ20を筒状体10内にスムーズに挿入することができる。
【0043】
以上、本発明のキャップについて、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明によれば、パイプに対するキャップの施工が容易になされるので、塀やフェンス等に用いられる桟材や支柱に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0045】
10 筒状体
11、12 平板部
13、14 湾曲部
15 中間壁部
16、17 中空部
11a、12a、13a、14a、15a、15b 内壁面
20 キャップ
21 蓋部
21a 水抜き孔
21b、21c 規制部
22 挿入部
23 第一の挿入部
24 第二の挿入部
25 対向面
26 突条
30 弾性部材
31 基部
32,33 爪部
41 固定部
42 切欠部
43 上壁面
44 下壁面
45 縦壁部
46 底壁部
47 隙間
48 傾斜面
100 フェンス
110 支柱
120 胴縁
130 縦桟
140 横桟
150 縦格子パネル