(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-15
(45)【発行日】2023-05-23
(54)【発明の名称】ディスプレイ用保護フィルム及びその位置合わせ方法
(51)【国際特許分類】
G09F 9/00 20060101AFI20230516BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
G09F9/00 342
G09F9/00 302
G09F9/00 313
B32B27/00 M
(21)【出願番号】P 2019105126
(22)【出願日】2019-06-05
【審査請求日】2022-04-05
(73)【特許権者】
【識別番号】514096339
【氏名又は名称】株式会社IDクリエイト
(74)【代理人】
【識別番号】100141852
【氏名又は名称】吉本 力
(72)【発明者】
【氏名】梅野 豊
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-002246(JP,A)
【文献】特開2015-148650(JP,A)
【文献】国際公開第2015/159452(WO,A1)
【文献】特開2015-184661(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0098120(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0298838(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0041799(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
B32B 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材フィルム層と、前記基材フィルム層の表面に形成された第1粘着層と、前記第1粘着層に貼り合わせられた剥離フィルム層とが積層された、ディスプレイ用保護フィルムの位置合わせ方法であって、
前記ディスプレイ用保護フィルムの一部を屈曲又は湾曲させることにより位置合わせ用突起を形成する突起形成ステップと、
前記位置合わせ用突起をディスプレイの側面に接触させることにより、前記ディスプレイに対する前記ディスプレイ用保護フィルムの位置合わせを行う位置合わせステップとを含む、ディスプレイ用保護フィルムの位置合わせ方法。
【請求項2】
前記位置合わせステップでは、前記位置合わせ用突起の縁を前記ディスプレイの側面に接触させる、請求項1に記載のディスプレイ用保護フィルムの位置合わせ方法。
【請求項3】
前記突起形成ステップでは、屈曲又は湾曲させた前記ディスプレイ用保護フィルムの一部の先端部を前記ディスプレイ用保護フィルムに形成されたスリットに差し込むことにより、ループ状の位置合わせ用突起を形成する、請求項2に記載のディスプレイ用保護フィルムの位置合わせ方法。
【請求項4】
前記ディスプレイ用保護フィルムは、前記剥離フィルム層における前記第1粘着層側とは反対側の表面に形成された第2粘着層を含み、
前記突起形成ステップでは、屈曲又は湾曲させた前記ディスプレイ用保護フィルムの一部の先端部を前記第2粘着層に貼り付けることにより、ループ状の位置合わせ用突起を形成する、請求項2に記載のディスプレイ用保護フィルムの位置合わせ方法。
【請求項5】
前記位置合わせステップでは、前記位置合わせ用突起の表面を前記ディスプレイの側面に対面して接触させる、請求項1に記載のディスプレイ用保護フィルムの位置合わせ方法。
【請求項6】
前記ディスプレイ用保護フィルムは、前記剥離フィルム層における前記第1粘着層側とは反対側の表面に形成された第2粘着層を含み、
前記位置合わせステップでは、前記位置合わせ用突起における前記第2粘着層を前記ディスプレイの側面に粘着させる、請求項5に記載のディスプレイ用保護フィルムの位置合わせ方法。
【請求項7】
基材フィルム層と、前記基材フィルム層の表面に形成された第1粘着層と、前記第1粘着層に貼り合わせられた剥離フィルム層とが積層された、ディスプレイ用保護フィルムであって、
前記ディスプレイ用保護フィルムの一部を屈曲又は湾曲させることにより位置合わせ用突起を形成するための切込みが形成されている、ディスプレイ用保護フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材フィルム層と、前記基材フィルム層の表面に形成された第1粘着層と、前記第1粘着層に貼り合わせられた剥離フィルム層とが積層された、ディスプレイ用保護フィルム及びその位置合わせ方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機、ゲーム機又はタブレット端末などの各種機器のディスプレイには、少なくとも表示領域を保護するために保護フィルムが貼り付けられる場合がある。この種の保護フィルムの中には、単にディスプレイの表示領域を保護するためだけでなく、光反射防止機能などの他の機能を有するものもある。
【0003】
保護フィルムは、ディスプレイの表示領域を覆って保護する基材フィルム層に、粘着層を介して他のフィルム層を積層することにより構成されている。具体的には、基材フィルム層の一方の面に粘着層を介して剥離フィルム層が積層されており、当該剥離フィルム層を粘着層から剥離した後、粘着層をディスプレイの表示領域に貼り付けることができる。基材フィルム層の他方の面には、必要に応じて、各種機能に対応するフィルム層が積層される。
【0004】
一般的な保護フィルムでは、1枚の剥離フィルム層が粘着層全体を覆っており、当該剥離フィルム層を剥離して粘着層全体を露出させた後、ディスプレイの表示領域に貼り付けられる。このとき、ユーザは、表示領域に対して保護フィルムを位置合わせしながら貼り付けることとなり、通常、1回で正確な位置に貼り付けることは困難である。
【0005】
そこで、保護フィルムの位置合わせを簡単かつ正確に行うことができるような構成が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に記載された構成では、簡単かつ正確に保護フィルムを位置合わせすることはできるが、剥離フィルム層上の一部に付着部材を固定する必要があるため、製造コストが比較的高くなる。そのため、より簡単な構成で保護フィルムの位置決めを行うことができるような構成が望まれる。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、より簡単な構成で位置合わせを行うことができるディスプレイ用保護フィルム及びその位置合わせ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明に係るディスプレイ用保護フィルムの位置合わせ方法は、ディスプレイ用保護フィルムの位置合わせ方法であって、突起形成ステップと、位置合わせステップとを含む。前記ディスプレイ用保護フィルムは、基材フィルム層と、前記基材フィルム層の表面に形成された第1粘着層と、前記第1粘着層に貼り合わせられた剥離フィルム層とが積層されている。前記突起形成ステップでは、前記ディスプレイ用保護フィルムの一部を屈曲又は湾曲させることにより位置合わせ用突起を形成する。前記位置合わせステップでは、前記位置合わせ用突起をディスプレイの側面に接触させることにより、前記ディスプレイに対する前記ディスプレイ用保護フィルムの位置合わせを行う。
【0010】
このような構成によれば、ディスプレイ用保護フィルムの一部を屈曲又は湾曲させるだけで、簡単に位置合わせ用突起を形成することができる。この位置合わせ用突起をディスプレイの側面に接触させることにより、より簡単な構成で位置合わせを行うことができる。
【0011】
(2)前記位置合わせステップでは、前記位置合わせ用突起の縁を前記ディスプレイの側面に接触させてもよい。
【0012】
このような構成によれば、位置合わせの際、位置合わせ用突起の縁がディスプレイの側面に接触するため、ディスプレイ用保護フィルムの一部を屈曲又は湾曲させることにより形成された位置合わせ用突起が、ディスプレイの側面との接触時に元に戻りにくい。したがって、より安定して位置合わせを行うことができる。
【0013】
(3)前記突起形成ステップでは、屈曲又は湾曲させた前記ディスプレイ用保護フィルムの一部の先端部を前記ディスプレイ用保護フィルムに形成されたスリットに差し込むことにより、ループ状の位置合わせ用突起を形成してもよい。
【0014】
このような構成によれば、位置合わせの際、ループ状に形成された位置合わせ用突起の縁がディスプレイの側面に接触する。位置合わせ用突起をループ状に形成することにより、位置合わせ用突起の強度が増し、さらに安定して位置合わせを行うことができる。特に、屈曲又は湾曲させたディスプレイ用保護フィルムの一部の先端部をディスプレイ用保護フィルムに形成されたスリットに差し込むだけの簡単な作業で、位置合わせ用突起を形成することができる。
【0015】
(4)前記ディスプレイ用保護フィルムは、前記剥離フィルム層における前記第1粘着層側とは反対側の表面に形成された第2粘着層を含んでいてもよい。この場合、前記突起形成ステップでは、屈曲又は湾曲させた前記ディスプレイ用保護フィルムの一部の先端部を前記第2粘着層に貼り付けることにより、ループ状の位置合わせ用突起を形成してもよい。
【0016】
このような構成によれば、位置合わせの際、ループ状に形成された位置合わせ用突起の縁がディスプレイの側面に接触する。位置合わせ用突起をループ状に形成することにより、位置合わせ用突起の強度が増し、さらに安定して位置合わせを行うことができる。特に、屈曲又は湾曲させたディスプレイ用保護フィルムの一部の先端部を第2粘着層に貼り付けるだけの簡単な作業で、位置合わせ用突起を形成することができる。
【0017】
(5)前記位置合わせステップでは、前記位置合わせ用突起の表面を前記ディスプレイの側面に対面して接触させてもよい。
【0018】
このような構成によれば、位置合わせの際に、位置合わせ用突起の表面がディスプレイの側面に対面して接触するため、ディスプレイの側面に対する位置合わせ用突起の接触面積が大きい。したがって、より精度よく位置合わせを行うことができる。
【0019】
(6)前記ディスプレイ用保護フィルムは、前記剥離フィルム層における前記第1粘着層側とは反対側の表面に形成された第2粘着層を含んでいてもよい。この場合、前記位置合わせステップでは、前記位置合わせ用突起における前記第2粘着層を前記ディスプレイの側面に粘着させてもよい。
【0020】
このような構成によれば、位置合わせの際に、位置合わせ用突起における第2粘着層がディスプレイの側面に粘着されるため、位置合わせ後にディスプレイに対するディスプレイ保護フィルムの位置がずれにくい。したがって、さらに精度よく位置合わせを行うことができる。
【0021】
(7)本発明に係るディスプレイ用保護フィルムは、基材フィルム層と、前記基材フィルム層の表面に形成された第1粘着層と、前記第1粘着層に貼り合わせられた剥離フィルム層とが積層されている。前記ディスプレイ用保護フィルムには、当該ディスプレイ用保護フィルムの一部を屈曲又は湾曲させることにより位置合わせ用突起を形成するための切込みが形成されている。
【0022】
このような構成によれば、切込みからディスプレイ用保護フィルムの一部を屈曲又は湾曲させるだけで、簡単に位置合わせ用突起を形成することができる。この位置合わせ用突起をディスプレイの側面に接触させることにより、より簡単な構成で位置合わせを行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、簡単に位置合わせ用突起を形成することができ、この位置合わせ用突起をディスプレイの側面に接触させることにより、より簡単な構成で位置合わせを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る保護フィルムの構成例を示した底面図である。
【
図3】
図1の保護フィルムにおける剥離フィルム層の一部を屈曲させた状態を示す底面図である。
【
図5】上記実施形態の第1変形例について説明するための保護フィルムの部分側面図である。
【
図6】上記実施形態の第2変形例について説明するための保護フィルムの部分底面図である。
【
図8】上記実施形態の第2変形例について説明するための保護フィルムの部分底面図である。
【
図11】本発明の第2実施形態に係る保護フィルムの構成例を示した底面図である。
【
図12】
図11の保護フィルムにおける剥離フィルム層の一部を屈曲させた状態を示す底面図である。
【
図13】本発明の第3実施形態に係る保護フィルムの構成例を示した底面図である。
【
図14】
図13の保護フィルムにおける剥離フィルム層の一部を屈曲させた状態を示す底面図である。
【
図15】
図14の状態の保護フィルムを長手方向に沿って見た側面図である。
【
図16】
図14の状態の保護フィルムを短手方向に沿って見た側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、本発明の一実施形態に係るディスプレイ用保護フィルム(以下、単に「保護フィルム」という。)の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の実施形態において図示された保護フィルムの各層は、説明を分かりやすくするために、実際の厚みよりも大きい厚みで示されている。
【0026】
1.第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る保護フィルム100の構成例を示した底面図である。また、
図2は、
図1の保護フィルム100の側面図である。本実施形態に係る保護フィルム100は、携帯電話機、ゲーム機又はタブレット端末などの各種機器のディスプレイに貼り付けられ、当該ディスプレイの少なくとも表示領域を保護する。
【0027】
保護フィルム100は、基材フィルム層10と剥離フィルム層20とが、粘着層30を介して積層されることにより構成されている。すなわち、基材フィルム層10の一方の面に粘着層30が形成され、粘着層30上に剥離フィルム層20が設けられている。基材フィルム層10の他方の面には、例えば光反射防止機能などの各種機能に応じた任意のフィルム層が積層されていてもよい。また、基材フィルム層10自体が、このような各種機能を有していてもよい。
【0028】
なお、基材フィルム層10、剥離フィルム層20及び粘着層30は、いずれも透明である。そのため、
図1に示す保護フィルム100の底面図では、上面側にある基材フィルム層10及び粘着層30が、剥離フィルム層20を透過して底面側から視認可能となっている。ただし、基材フィルム層10及び粘着層30の少なくとも一方は、半透明であってもよい。また、剥離フィルム層20は、半透明又は不透明であってもよい。
【0029】
基材フィルム層10は、ディスプレイの表示領域を覆うことができる形状を有している。より具体的には、基材フィルム層10は、ディスプレイの表示領域と同一、又は、それよりも大きい形状を有している。この例では、基材フィルム層10が長方形状に形成されているが、ディスプレイの表示領域の形状に応じて、正方形状などの他の矩形状に形成されていてもよいし、矩形状に限らず円形や楕円形などの他の各種形状に形成されていてもよい。
【0030】
粘着層30は、基材フィルム層10の一方の面の全体に形成されている。剥離フィルム層20は、基材フィルム層10よりも大きい形状を有しており、基材フィルム層10の周縁よりも外側に張り出した状態で積層されている。剥離フィルム層20は、粘着層30に対して剥離可能に貼り合わせられている。したがって、剥離フィルム層20を剥離させて粘着層30を露出させ、当該粘着層30をディスプレイの表示領域に貼り付けることにより、表示領域を基材フィルム層10で覆って保護することができる。
【0031】
本実施形態では、剥離フィルム層20の一方の短辺に切込み121が形成されている。切込み121は、上記短辺から剥離フィルム層20の長手方向D1に沿って延びた後、短手方向D2に沿って延びるように、L字状に形成されている。これにより、切込み121において分離されている剥離フィルム層20の一部を屈曲又は湾曲させることができる。剥離フィルム層20の上記短辺には、剥離フィルム層20の長手方向D1に沿って延びるミシン目122が形成されている。ミシン目122は、直線状に延びており、その終端が切込み121の終端に位置している。
【0032】
また、本実施形態では、剥離フィルム層20の各長辺にも切込み123が形成されている。各切込み123は、各長辺から剥離フィルム層20の短手方向D2に沿って延びた後、長手方向D1に沿って延びるように、L字状に形成されている。これにより、各切込み123において分離されている剥離フィルム層20の一部を屈曲又は湾曲させることができる。剥離フィルム層20の各長辺には、剥離フィルム層20の短手方向D2に沿って延びるミシン目124が形成されている。ミシン目124は、直線状に延びており、その終端が切込み123の終端に位置している。
【0033】
切込み121,123において分離されている剥離フィルム層20の一部を屈曲又は湾曲させる際には、ミシン目122,124に沿って当該一部を屈曲又は湾曲させることができる。すなわち、ミシン目122,124は、剥離フィルム層20の一部を屈曲又は湾曲させる際のガイドとして機能する。ただし、ガイドは、剥離フィルム層20の一部を屈曲又は湾曲させやすくするものであれば、ミシン目に限らず、例えば窪みや単なる目印などであってもよい。
【0034】
剥離フィルム層20は、短手方向D2に沿って延びる切断線20Aにより、第1剥離フィルム層21及び第2剥離フィルム層22に分割されている。第1剥離フィルム層21及び第2剥離フィルム層22は、長手方向D1に沿って並んでいる。これにより、第1剥離フィルム層21及び第2剥離フィルム層22を個別に粘着層30から剥離させることができる。各切込み121,123は、第1剥離フィルム層21又は第2剥離フィルム層22のいずれか一方にのみ形成されていてもよいし、第1剥離フィルム層21及び第2剥離フィルム層22の両方に形成されていてもよい。
【0035】
図3は、
図1の保護フィルム100における剥離フィルム層20の一部を屈曲させた状態を示す底面図である。また、
図4は、
図3の状態の保護フィルム100の側面図である。
【0036】
図1及び
図2に示す状態から、切込み121,123において分離されている剥離フィルム層20の一部を屈曲させた場合には、
図3及び
図4に示すように、剥離フィルム層20の残りの部分に対して突出する突起125,126が形成される(突起形成ステップ)。各突起125,126は、ディスプレイ1に対する保護フィルム100の位置合わせを行うための位置合わせ用突起を構成している。
【0037】
剥離フィルム層20の各長辺に形成された1対の突起126間の距離L1は、ディスプレイ1の幅(対向する1対の側面1A間の距離)と略同一である。「略同一」とは、距離L1がディスプレイ1の幅と同一の場合だけでなく、距離L1がディスプレイ1の幅よりも若干量(例えば数mm以下)だけ大きい場合も含む概念である。
【0038】
したがって、
図3及び
図4に示すように、剥離フィルム層20の各長辺に形成された1対の突起126をディスプレイ1の1対の側面1Aに接触させることにより、ディスプレイ1に対する保護フィルム100の短手方向D2の位置合わせを行うことができる(位置合わせステップ)。剥離フィルム層20に対する基材フィルム層10の短手方向D2の位置は、1対の突起126により位置合わせされたときのディスプレイ1の表示領域の位置に対応している。
【0039】
また、ディスプレイ1に対する保護フィルム100の位置合わせの際には、剥離フィルム層20の短辺に形成された突起125に、ディスプレイ1の上記1対の側面1A以外の側面1Bが接触する。剥離フィルム層20に対する基材フィルム層10の長手方向D1の位置は、突起125により位置合わせされたときのディスプレイ1の表示領域の位置に対応している。
【0040】
このように、ディスプレイ1に対する保護フィルム100の位置合わせは、各突起125,126をディスプレイ1の各側面1A,1Bに接触させることにより行われる。このとき、各突起125,126の縁がディスプレイ1の各側面1A,1Bに接触する。すなわち、各突起125,126が延びる方向は、各突起125,126が接触する各側面1A,1Bに対して交差(例えば直交)している。
【0041】
本実施形態では、保護フィルム100(剥離フィルム層20)の一部を屈曲又は湾曲させるだけで、簡単に各突起125,126を形成することができる。これらの突起125,126をディスプレイ1の各側面1A,1Bに接触させることにより、より簡単な構成で位置合わせを行うことができる。特に、位置合わせの際、各突起125,126の縁がディスプレイ1の各側面1A,1Bに接触するため、保護フィルム100の一部を屈曲又は湾曲させることにより形成された各突起125,126が、ディスプレイ1の各側面1A,1Bとの接触時に元に戻りにくい。したがって、より安定して位置合わせを行うことができる。
【0042】
このようにして位置合わせを行った後、第2剥離フィルム層22が剥離されることにより粘着層30の一部が露出される。そして、位置合わせされた状態を保ったまま、露出された粘着層30の一部がディスプレイ1の表示領域に貼り付けられる。その後、第1剥離フィルム層21が剥離されることにより、粘着層30の残りの部分が露出され、当該部分がディスプレイ1の表示領域に貼り付けられる。
【0043】
2.変形例
2-1.第1変形例
図5は、上記実施形態の第1変形例について説明するための保護フィルム100の部分側面図である。この例では、各突起126におけるディスプレイ1側の縁126Aが、ディスプレイ1の側面1Aに対して平行ではなく、ディスプレイ1の側面1Aに対して傾斜している点が上記実施形態とは異なっている。以下では、突起126について説明するが、突起125についても同様の構成が採用されてもよい。
【0044】
各突起126の縁126Aは、各突起126の先端に向かって徐々にディスプレイ1の側面1Aから遠ざかるように傾斜している。すなわち、各突起126は、先端に向かって先細りした台形状に形成されている。互いに対向する突起126間の距離(縁126A間の距離)は、各突起126の先端(下端)においてはディスプレイ1の幅よりも大きく、各突起126の根元(上端)においてはディスプレイ1の幅よりも小さい。
【0045】
したがって、
図5に示すように、剥離フィルム層20の各長辺に形成された1対の突起126をディスプレイ1の1対の側面1Aに接触させることにより、ディスプレイ1に対する保護フィルム100の短手方向D2の位置合わせを行ったときには(位置合わせステップ)、剥離フィルム層20における基材フィルム層10に対向する領域が、ディスプレイ1の表示領域から離間した状態となる。このように、剥離フィルム層20における基材フィルム層10に対向する領域は、ディスプレイ1の表示領域に対して離間していてもよいし、上記実施形態のように接触していてもよい。
【0046】
図5に示した状態では、各突起126の縁126Aから、当該縁126Aに接触するディスプレイ1の1対の側面1Aに対して、当該ディスプレイ1の中心側に向かう力が作用する。その結果、保護フィルム100の位置がディスプレイ1に対して安定しやすくなるため、より安定して位置合わせを行うことができる。
【0047】
各突起126の高さ(根元から先端までの長さ)は、ディスプレイ1の厚さよりも大きい。これにより、台の上に載置されたディスプレイ1に対して、各突起126を突出させた状態の保護フィルム100を位置合わせするときには、各突起126の先端が台に接触し、各突起126を脚として保護フィルム100が台上に立設された状態となる。
【0048】
このような構成の場合には、ディスプレイ1に対する保護フィルム100の位置合わせの際に、剥離フィルム層20における基材フィルム層10に対向する領域をディスプレイ1の表示領域に対して接触させることなく、位置合わせを行うことができる。
【0049】
なお、各突起126の先端部には、水平方向(
図5における左右方向)に沿って延びるミシン目などのガイドが形成されていてもよい。この場合、ガイドに沿って各突起126の先端部を切断又は屈曲することにより、各突起126の高さ調整を行うことができる。これにより、
図5のように各突起126の先端を台に精度よく接触させ、保護フィルム100を台上に安定して立設させることができる。このような高さ調整を複数段階で行うことができるように、互いに平行に延びる複数のガイドが各突起126に形成されていてもよい。あるいは、上記のようなガイドが各突起126に形成されておらず、ユーザが任意の位置で各突起126の先端部を切断又は屈曲することにより高さ調整を行ってもよい。
【0050】
上記実施形態では、剥離フィルム層20の一部を屈曲又は湾曲させることにより形成された各突起125,126の先端部が、それぞれ自由端となっている。しかし、このような構成に限らず、各突起125,126の先端部が固定端となっていてもよい。
【0051】
2-2.第2変形例
図6は、上記実施形態の第2変形例について説明するための保護フィルム100の部分底面図である。また、
図7は、
図6の保護フィルム100の部分側面図である。この例では、切込み121において分離されている剥離フィルム層20の一部の先端部127に、剥離フィルム層20の長手方向D1に沿って延びる第1スリット127Aが形成されている。また、剥離フィルム層20における切込み121が形成された短辺には、切込み121から離れた位置に、剥離フィルム層20の長手方向D1に沿って延びる第2スリット127Bが形成されている。第1スリット127A及び第2スリット127Bは、互いに逆方向に延びており、それぞれの終端の位置が剥離フィルム層20の長手方向D1において略一致している。
【0052】
切込み121において分離されている剥離フィルム層20の一部を屈曲又は湾曲させる際には、
図7に示すように、剥離フィルム層20の当該一部の先端部127が、第2スリット127Bに差し込まれる。これにより、先端部127が固定端となり、ループ状の突起128が形成される。ループ状の突起128は、剥離フィルム層20の一部を円弧状又は矩形状などの任意の形状に屈曲又は湾曲させて形成することができる。
【0053】
このとき、先端部127に形成された第1スリット127Aが第2スリット127Bから差し込まれることにより、各スリット127A,127Bの終端が互いに当接した状態となる。これにより、先端部127が第2スリット127Bに係止されるため、先端部127が第2スリット127Bから外れにくく、突起128の形状を安定してループ状に保持することができる。
【0054】
ディスプレイ1に対する保護フィルム100の位置合わせの際には、ループ状に形成された突起128の縁がディスプレイ1の側面1Bに接触する。突起128をループ状に形成することにより、突起128の強度が増し、さらに安定して位置合わせを行うことができる。特に、屈曲又は湾曲させた保護フィルム100(剥離フィルム層20)の一部の先端部127を保護フィルム100に形成された第2スリット127Bに差し込むだけの簡単な作業で、突起128を形成することができる。
【0055】
上記のような構成は、剥離フィルム層20の短辺だけでなく、剥離フィルム層20の各長辺に形成された切込み123の周辺にも採用可能である。なお、ミシン目122などのガイドは、剥離フィルム層20に形成されていてもよいし、形成されていなくてもよい。
【0056】
2-3.第3変形例
図8は、上記実施形態の第3変形例について説明するための保護フィルム100の部分底面図である。また、
図9及び
図10は、
図8の保護フィルム100の部分側面図である。この例では、
図9に示すように、保護フィルム100が、粘着層40及び剥離フィルム層50をさらに備えている。具体的には、基材フィルム層10、粘着層30、剥離フィルム層20、粘着層40及び剥離フィルム層50が、この順序で積層されることにより、保護フィルム100が構成されている。例えば、粘着層30はシリコン粘着剤により形成され、粘着層40はアクリル粘着剤により形成されるが、これに限られるものではない。剥離フィルム層20と剥離フィルム層50とで仕様を異ならせることにより、剥離フィルム層20よりも剥離フィルム層50の方が粘着層40から剥離しやすくなっている。剥離フィルム層20は、第1剥離フィルム層21及び第2剥離フィルム層22に分割され、剥離層40も同様に2つの領域に分割されているが、剥離フィルム層50は分割されていなくてもよい。
【0057】
基材フィルム層10をディスプレイ1の表示領域に貼り付ける際には、まず、剥離フィルム層50が粘着層40から剥離されることにより、粘着層40が露出される。そして、ディスプレイ1に対する保護フィルム100の位置合わせが行われた上で、粘着層40がディスプレイ1の表示領域に貼り合わせられる。その後、位置合わせされた状態を保ったまま、剥離フィルム層20が粘着層40とともに粘着層30から剥離され、露出した粘着層30がディスプレイ1の表示領域に貼り付けられる。このように、粘着層40を表示領域に一旦貼り合わせた後、当該粘着層40を表示領域から剥離させることにより、表示領域に付着している埃などの異物を除去することができる。
【0058】
この例では、剥離フィルム層20、粘着層40及び剥離フィルム層50を貫通するように、切込み121が形成されている。剥離フィルム層50を粘着層40から剥離させた後、切込み121において分離されている剥離フィルム層20の一部を粘着層40とともに屈曲又は湾曲させる。これにより、
図10に示すように、剥離フィルム層20の当該一部の先端部127が、粘着層40に貼り付けられる。その結果、先端部127が固定端となり、ループ状の突起129が形成される。ループ状の突起129は、剥離フィルム層20の一部を円弧状又は矩形状などの任意の形状に屈曲又は湾曲させて形成することができる。
【0059】
ディスプレイ1に対する保護フィルム100の位置合わせの際には、ループ状に形成された突起129の縁がディスプレイ1の側面1Bに接触する。突起129をループ状に形成することにより、突起129の強度が増し、さらに安定して位置合わせを行うことができる。特に、屈曲又は湾曲させた保護フィルム100(剥離フィルム層20)の一部の先端部127を粘着層40に貼り付けるだけの簡単な作業で、突起129を形成することができる。
【0060】
上記のような構成は、剥離フィルム層20の短辺だけでなく、剥離フィルム層20の各長辺に形成された切込み123の周辺にも採用可能である。なお、ミシン目122などのガイドは、剥離フィルム層20に形成されていてもよいし、形成されていなくてもよい。
【0061】
なお、
図1~4に示した第1実施形態、
図5に示した第1変形例、
図6及び
図7に示した第2変形例の構成についても、第3変形例のような積層構造を有する防埃仕様の保護フィルム100に適用可能である。各切込み121,123が第1剥離フィルム層21及び第2剥離フィルム層22の両方に形成されている場合には、各切込み121において分離されている剥離フィルム層20の一部を屈曲又は湾曲させて突起を形成する方向(
図1では左方から右方)が同一であり、各切込み123において分離されている剥離フィルム層20の一部を屈曲又は湾曲させて突起を形成する方向(
図1では下方から上方)が同一であることが好ましい。この場合、分割されていない剥離フィルム層50を一度に粘着層40から剥離する際、予め形成された各突起が剥離の抵抗になりにくく、剥離フィルム層50を剥離しやすい。このような点については、以下の第2実施形態においても同様である。
【0062】
3.第2実施形態
図11は、本発明の第2実施形態に係る保護フィルム200の構成例を示した底面図である。また、
図12は、
図11の保護フィルム200における剥離フィルム層20の一部を屈曲させた状態を示す底面図である。本実施形態では、切込み221,223において分離されている剥離フィルム層20の一部を屈曲又は湾曲させることにより突起225,226が形成される点は第1実施形態と同様であるが、切込み221,223の位置が第1実施形態とは異なっている。切込み221,223の周辺の構成以外は第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と同様の構成については、図に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0063】
剥離フィルム層20の一方の短辺側に形成された切込み221は、当該短辺から延びるように形成されているのではなく、当該短辺よりも内側(剥離フィルム層20の中央側)に形成されている。切込み221は、剥離フィルム層20の短手方向D2に沿って一方向に延びた後、長手方向D1に沿って延びてから、再び短手方向D2に沿って逆方向に延びるように、U字状に形成されている。これにより、切込み221において分離されている剥離フィルム層20の一部を屈曲又は湾曲させることができる。剥離フィルム層20には、U字状の切込み221の両端を結ぶように、剥離フィルム層20の長手方向D1に沿って延びるミシン目222が形成されている。
【0064】
剥離フィルム層20の各長辺側に形成された切込み223は、各長辺から延びるように形成されているのではなく、各長辺よりも内側(剥離フィルム層20の中央側)に形成されている。各切込み223は、剥離フィルム層20の長手方向D1に沿って一方向に延びた後、短手方向D2に沿って延びてから、再び長手方向D1に沿って逆方向に延びるように、U字状に形成されている。これにより、各切込み223において分離されている剥離フィルム層20の一部を屈曲又は湾曲させることができる。剥離フィルム層20には、U字状の各切込み221の両端を結ぶように、剥離フィルム層20の短手方向D2に沿って延びるミシン目224が形成されている。
【0065】
切込み221,223において分離されている剥離フィルム層20の一部を屈曲又は湾曲させる際には、ミシン目222,224に沿って当該一部を屈曲又は湾曲させることができる。すなわち、ミシン目222,224は、剥離フィルム層20の一部を屈曲又は湾曲させる際のガイドとして機能する。ただし、ガイドは、剥離フィルム層20の一部を屈曲又は湾曲させやすくするものであれば、ミシン目に限らず、例えば窪みや単なる目印などであってもよい。
【0066】
図11に示す状態から、切込み221,223において分離されている剥離フィルム層20の一部を屈曲させた場合には、
図12に示すように、剥離フィルム層20の残りの部分に対して突出する突起225,226が形成される(突起形成ステップ)。各突起225,226は、ディスプレイ1に対する保護フィルム200の位置合わせを行うための位置合わせ用突起を構成している。
【0067】
剥離フィルム層20の各長辺に形成された1対の突起226間の距離L2は、ディスプレイ1の幅(対向する1対の側面1A間の距離)と略同一である。「略同一」とは、距離L2がディスプレイ1の幅と同一の場合だけでなく、距離L2がディスプレイ1の幅よりも若干量(例えば数mm以下)だけ大きい場合も含む概念である。
【0068】
したがって、
図12に示すように、剥離フィルム層20の各長辺に形成された1対の突起226をディスプレイ1の1対の側面1Aに接触させることにより、ディスプレイ1に対する保護フィルム200の短手方向D2の位置合わせを行うことができる(位置合わせステップ)。剥離フィルム層20に対する基材フィルム層10の短手方向D2の位置は、1対の突起226により位置合わせされたときのディスプレイ1の表示領域の位置に対応している。
【0069】
また、ディスプレイ1に対する保護フィルム200の位置合わせの際には、剥離フィルム層20の短辺に形成された突起225に、ディスプレイ1の上記1対の側面1A以外の側面1Bが接触する。剥離フィルム層20に対する基材フィルム層10の長手方向D1の位置は、突起225により位置合わせされたときのディスプレイ1の表示領域の位置に対応している。
【0070】
このように、ディスプレイ1に対する保護フィルム200の位置合わせは、各突起225,226をディスプレイ1の各側面1A,1Bに接触させることにより行われる。このとき、各突起225,226の縁がディスプレイ1の各側面1A,1Bに接触する。すなわち、各突起225,226が延びる方向は、各突起225,226が接触する各側面1A,1Bに対して交差(例えば直交)している。
【0071】
4.第3実施形態
図13は、本発明の第3実施形態に係る保護フィルム300の構成例を示した底面図である。また、
図14は、
図13の保護フィルム300における剥離フィルム層20の一部を屈曲させた状態を示す底面図である。
図15は、
図14の状態の保護フィルム300を長手方向D1に沿って見た側面図である。
図16は、
図14の状態の保護フィルム300を短手方向D2に沿って見た側面図である。本実施形態では、切込み321,323の形状及び位置が第1実施形態とは異なっている。切込み321,323の周辺の構成以外は第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と同様の構成については、図に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0072】
本実施形態における保護フィルム100は、
図9に示した第3変形例と同様に、基材フィルム層10、粘着層(第1粘着層)30、剥離フィルム層(第1剥離フィルム層)20、粘着層(第2粘着層)40及び剥離フィルム層(第2剥離フィルム層)50が、この順序で積層されることにより構成されている。切込み321,323は、剥離フィルム層20、粘着層40及び剥離フィルム層50を貫通するように形成されている。剥離フィルム層50を粘着層40から剥離させた後、切込み321,323において分離されている剥離フィルム層20の一部を粘着層40とともに屈曲又は湾曲させる。
【0073】
剥離フィルム層20の一方の短辺側に形成された切込み321は、当該短辺から剥離フィルム層20の長手方向D1に沿って一直線状に延びるように、短手方向D2に間隔を隔てて2つ形成されている。これにより、2つの切込み321の間の剥離フィルム層20の一部を屈曲又は湾曲させることができる。剥離フィルム層20には、2つの切込み321の終端同士を結ぶように、剥離フィルム層20の短手方向D2に沿って延びるミシン目322が形成されている。
【0074】
剥離フィルム層20の各長辺側に形成された切込み323は、各長辺から剥離フィルム層20の短手方向D2に沿って一直線状に延びるように、長手方向D1に間隔を隔てて2つずつ形成されている。これにより、各長辺における2つの切込み323の間の剥離フィルム層20の一部を屈曲又は湾曲させることができる。剥離フィルム層20には、各長辺における2つの切込み323の終端同士を結ぶように、剥離フィルム層20の長手方向D1に沿って延びるミシン目324が形成されている。
【0075】
切込み321,323において分離されている剥離フィルム層20の一部を屈曲又は湾曲させる際には、ミシン目322,324に沿って当該一部を屈曲又は湾曲させることができる。すなわち、ミシン目322,324は、剥離フィルム層20の一部を屈曲又は湾曲させる際のガイドとして機能する。ただし、ガイドは、剥離フィルム層20の一部を屈曲又は湾曲させやすくするものであれば、ミシン目に限らず、例えば窪みや単なる目印などであってもよい。
【0076】
図13に示す状態から、切込み321,323において分離されている剥離フィルム層20の一部を屈曲させた場合には、
図14に示すように、剥離フィルム層20の残りの部分に対して突出する突起325,326が形成される(突起形成ステップ)。剥離フィルム層20の短辺に形成された2つの切込み321の間の剥離フィルム層20の一部が、粘着層40を内側(剥離フィルム層20の中央側)にして屈曲されることにより、突起325が形成される。この突起325は、ディスプレイ1に対する保護フィルム300の位置合わせを行うための位置合わせ用突起を構成している。一方、剥離フィルム層20の各長辺に形成された2つの切込み323の間の剥離フィルム層20の一部が、粘着層40を外側(剥離フィルム層20の中央側とは反対側)にして屈曲されることにより、各突起326が形成される。これらの各突起326は、保護フィルム300の位置合わせの際にユーザが指を当てて保護フィルム300を保持するために用いられる。
【0077】
図14~
図16に示すように、ディスプレイ1に対する保護フィルム300の位置合わせの際には、剥離フィルム層20の短辺に形成された突起325の表面に、ディスプレイ1の側面1Bが対面して接触する。このとき、突起325における粘着層40が、ディスプレイ1の側面1Bに接触して粘着される。剥離フィルム層20に対する基材フィルム層10の長手方向D1の位置は、突起325により位置合わせされたときのディスプレイ1の表示領域の位置に対応している。
【0078】
本実施形態では、位置合わせの際に、突起325の表面がディスプレイ1の側面1Bに対面して接触するため、ディスプレイ1の側面1Bに対する突起325の接触面積が大きい。したがって、より精度よく位置合わせを行うことができる。特に、位置合わせの際に、突起325における第2粘着層40がディスプレイ1の側面1Bに粘着されるため、位置合わせ後にディスプレイ1に対する保護フィルム300の位置がずれにくい。したがって、さらに精度よく位置合わせを行うことができる。
【0079】
5.その他の変形例
位置合わせ用突起は、剥離フィルム層20の長辺又は短辺のいずれか一方にのみ形成されてもよい。また、位置合わせ用突起は、剥離フィルム層20に限らず、保護フィルム100における他の層に形成されてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 ディスプレイ
1A 側面
1B 側面
10 基材フィルム層
20,50 剥離フィルム層
30,40 粘着層
100,200,300 保護フィルム
121,123,221,223,321,323 切込み
122,124,222,224,322,324 ミシン目
125,126,128,129,225,226,325,326 突起
127 先端部