(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-15
(45)【発行日】2023-05-23
(54)【発明の名称】ホールセンサ及びこのようなセンサを動作させる方法
(51)【国際特許分類】
G01R 33/07 20060101AFI20230516BHJP
【FI】
G01R33/07
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019132661
(22)【出願日】2019-07-18
【審査請求日】2022-01-28
(31)【優先権主張番号】10 2018 005 676.8
(32)【優先日】2018-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】312016609
【氏名又は名称】ティディケイ-ミクロナス ゲー・エム・ベー・ハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マーク バウマン
(72)【発明者】
【氏名】ダーフィト ムータース
(72)【発明者】
【氏名】トーマス デーゼル
【審査官】田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-247341(JP,A)
【文献】特開平06-229778(JP,A)
【文献】実開平04-109371(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0252599(US,A1)
【文献】特開2017-215307(JP,A)
【文献】特表2017-510056(JP,A)
【文献】実開昭62-115679(JP,U)
【文献】特開2010-054301(JP,A)
【文献】特開2016-125969(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 33/00-33/26、
H01L 27/22、
29/82、
43/00-43/14、
G01R 15/00-17/22、
G01D 5/00-5/252、
5/39-5/62、
G01B 7/00-7/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)互いに離隔された複数の接続箇所(3A、3B、3C、3D)を備えたホールセンサ素子(2)を有するホールセンサ(1)を準備し、給電電流又は給電電圧を出力する給電端子(6A、6B)を有する電流又は電圧供給源(7)を準備するステップと、
b)前記給電電圧を前記ホールセンサ素子(2)に印加するために又は前記給電電流を前記ホールセンサ素子(2)に導通させるために、前記ホールセンサ素子(2)の第1接続箇所(3A)と第1給電端子(6A)とを接続し、前記ホールセンサ素子(2)の第2接続箇所(3B)と第2給電端子(6B)とを接続するステップと、
を有する、ホールセンサ(1)を動作させる方法において、
c)前記ホールセンサ素子(2)の第3接続箇所(3C)における電圧に対し、下方基準値(T1)及び上方基準値(T2)を準備するステップと、
d)前記電圧について第1電圧値を検出するステップと、
e)前記第1電圧値と、前記下方基準値(T1)及び前記上方基準値(T2)とを比較するステップと、
f)前記比較の結果に依存してエラー信号を形成するステップと、
g)前記ホールセンサ素子(2)の第4接続箇所(3D)における電圧について第2電圧値を検出するステップと、
h)前記第2電圧値と、前記下方基準値(T1)及び前記上方基準値(T2)とを比較するステップと、
i)前記比較の結果に依存して前記エラー信号を形成するステップと、
j)前記ホールセンサ素子(2)の前記第1接続箇所(3A)における電圧について第3電圧値を検出するステップと、
k)前記第3電圧値と、前記下方基準値(T1)及び前記上方基準値(T2)とを比較するステップと、
l)前記比較の結果に依存して前記エラー信号を形成するステップと、
をさらに有する、
ことを特徴する、ホールセンサ(1)を動作させる方法。
【請求項2】
a)前記ホールセンサ素子(2)の前記第2接続箇所(3B)における電圧について第4電圧値を検出するステップと、
b)前記第4電圧値と、前記下方基準値(T1)及び前記上方基準値(T2)とを比較するステップと、
c)前記比較の結果に依存して前記エラー信号を形成するステップと、
をさらに有する、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
請求項1に列挙した方法ステップb)、d)、e)及びf)と、場合によっては、請求項
1に列挙した方法ステップg)、h)、i)及び/又は請求項
1に列挙した方法ステップj)、k)、l)及び/又は請求項
2に列挙した方法ステップとを複数回実行し、
2回目の実行時に、及び、場合によっては、それぞれの他の実行時に、前記ホールセンサ素子(2)の前記接続箇所(3A、3B、3C、3D)をそれぞれ、有利にはサイクリックに交換することを特徴とする、請求項
1又は2に記載の方法。
【請求項4】
互いに離隔された複数の接続箇所(3A、3B、3C、3D)を有するホールセンサ素子(2)と、給電電流又は給電電圧を出力する第1給電端子(6A)及び第2給電端子(6B)を有する電流又は電圧供給源(7)とを備えたホールセンサ(1)であって、
前記ホールセンサ素子(2)に電流を供給するために、前記第1給電端子(6A)は前記ホールセンサ素子(2)の第1接続箇所(3A)に、前記第2給電端子(6B)は前記ホールセンサ素子(2)の第2接続箇所(3B)に接続されている又は接続可能である、ホールセンサ(1)において、
前記ホールセンサ(1)は、
第3接続箇所(3C)に接続されている第1入力部(14)と、上方基準値信号用の基準信号発生器(15)に接続されている第2入力部(16)と、第1比較信号用の出力部(17)とを備えた第1比較装置(13)を有し、
前記ホールセンサ(1)は、前記第3接続箇所(3C)に接続されている第3入力部(19)と、下方基準値信号用の基準信号発生器(20)に接続されている第4入力部(21)と、第2比較信号用の出力部(22)とを備えた第2比較装置(18)を有し、
前記第1比較装置(13)の前記出力部(17)及び前記第2比較装置(18)の前記出力部(22)が、
第1比較信号及び
第2比較信号に依存するエラー信号を形成する評価装置(47)に接続されて
おり、
前記ホールセンサ(1)は、第4接続箇所(3D)に接続されている第5入力部(24)と、前記上方基準値信号用の前記基準信号発生器(15)に接続されている第6入力部(25)と、第3比較信号用の出力部(26)とを備えた第3比較装置(23)を有し、
前記ホールセンサ(1)は、前記第4接続箇所(3D)に接続されている第7入力部(28)と、前記下方基準値信号用の前記基準信号発生器(20)に接続されている第8入力部(29)と、第4比較信号用の出力部(30)とを備えた第4比較装置(27)を有し、
前記第3比較装置(23)の前記出力部(26)及び前記第4比較装置(27)の前記出力部(30)は、前記評価装置(47)に接続されており、
前記評価装置(47)は、前記エラー信号が第3比較信号及び第4比較信号にも依存するように構成されており、
前記ホールセンサ(1)は、前記第1接続箇所(3A)に接続されている第9入力部(32)と、前記上方基準値信号用の基準信号発生器(15)に接続されている第10入力部(33)と、第5比較信号用の出力部(34)とを備えた第5比較装置(31)を有し、
前記ホールセンサ(1)は、前記第1接続箇所(3A)に接続されている第11入力部(36)と、前記下方基準値信号用の前記基準信号発生器(20)に接続されている第12入力部(37)と、第6比較信号用の出力部(38)とを有する第6比較装置(35)を有し、
前記評価装置(47)は、前記エラー信号が第5比較信号及び第6比較信号にも依存するように構成されている、
ことを特徴とするホールセンサ(1)。
【請求項5】
前記ホールセンサ(1)は、前記第2接続箇所(3B)に接続されている第13入力部(40)と、前記上方基準値信号用の基準信号発生器(15)に接続されている第14入力部(41)と、第7比較信号用の出力部(42)とを備えた第7比較装置(39)を有し、
前記ホールセンサ(1)は、前記第2接続箇所(3B)に接続されている第15入力部(44)と、前記下方基準値信号用の前記基準信号発生器(20)に接続されている第16入力部(45)と、第8比較信号用の出力部(46)とを有する第8比較装置(43)を有し、
前記評価装置(47)は、前記エラー信号が
第7比較信号及び
第8比較信号にも依存するように構成されている、
ことを特徴とする請求項
4に記載のホールセンサ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
a)互いに離隔された複数の接続箇所を備えたホールセンサ素子を有するホールセンサを準備し、給電電流又は給電電圧を出力する給電端子を有する電流又は電圧供給源を準備するステップと、
b)給電電圧をホールセンサ素子に印加するために又は給電電流をホールセンサ素子に導通させるために、ホールセンサ素子の第1接続箇所と第1給電端子とを接続し、ホールセンサ素子の第2接続箇所と第2給電端子とを接続するステップと、
を有する、ホールセンサを動作させる方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、互いに離隔された複数の接続箇所を有するホールセンサ素子と、給電電流又は給電電圧を出力する第1給電端子及び第2給電端子を有する電流又は電圧供給源とを備えたホールセンサであって、ホールセンサ素子に電流を供給するために、第1給電端子はホールセンサ素子の第1接続箇所に、第2給電端子はホールセンサ素子の第2接続箇所に接続されている又は接続可能である、ホールセンサに関する。
【背景技術】
【0003】
このようなホールセンサ及びこのような方法は、独国特許発明第10204427号明細書(DE 102 04 427 B4)から公知である。ホールセンサは、その縁部に、周方向に互いに離隔された複数の接続箇所を有するほぼプレート状のホールセンサ素子を有する。これらの接続箇所は、2つずつの接続箇所が互いに直径上で対向するように、中心を基準にして同じ角度間隔で並べられている。直径上で互いに対向する2つの接続箇所と、電流又は電圧供給源の給電端子とを接続することにより、ホールセンサ素子に励起電流が供給され、磁束密度が、プレート面に対して垂直にホールセンサ素子を貫通する場合、プレート面内で電子をその移動方向に対して横方向に移動させるローレンツ力が、電流の移動する電子に作用する。これにより、ホールセンサ素子において、電流方向に対して横方向に電場が発生し、この電場は、給電端子に接続されていない接続箇所間で、電圧として取り出すことが可能である。この電圧は、ホール電圧と称される。
【0004】
しかしながら、ホールセンサの実践的な使用においては、ホール電圧には、望ましくないオフセット電圧が重畳される。ホールセンサ素子は、一般に、供給源及び信号処理のための電子装置と共に集積回路として作製され、チップ支持体及びプラスチック製のケーシングに取り付けられる。製造許容差に起因して、また、取り付けの際に、半導体結晶に機械的な応力が生じることがあり、この応力は、オフセット電圧を生じさせることがある。
【0005】
オフセット電圧を補償するため、独国特許発明第10204427号明細書から公知の方法においては、いわゆるスピニング・ホール原理が使用される。ここでは、励起電流は、ホールセンサ素子を通して種々異なる方向に導通され、測定される複数の電圧についての平均値が形成される。
【0006】
独国特許発明第10204427号明細書から公知のホールセンサ及びここから公知の方法は、実践において、多くの応用における有効性が実証されているが、これには、改善に値するものがある。例えば自動車に組み込まれるホールセンサの個数がつねに増大することに起因して、ホールセンサの信頼性についての要求が増大している。すなわち、エラーが識別されず、また、場合によっては、対応する手段によって補償されない場合には、ただ1つのホールセンサの故障だけで自動車の誤動作に結び付いてしまうことがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、ホールセンサの動作中に場合によって発生し得る誤りを、簡単に検出して表示することが可能な、冒頭に述べた形式のホールセンサ及び冒頭に述べた形式の、ホールセンサを動作させる方法を提供するという課題が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
方法についてのこの課題は、請求項1の特徴的構成によって解決される。この特徴的構成により、冒頭に述べたステップa)及びb)に加えて、以下のさらなるステップが特定される。すなわち、
c)ホールセンサ素子の第3接続箇所における電圧に対し、下方基準値及び上方基準値を準備するステップと、
d)この電圧について第1電圧値を検出するステップと、
e)第1電圧値と、下方基準値及び上方基準値とを比較するステップと、
f)この比較の結果に依存してエラー信号を形成するステップと、
がさらに特定される。
【0010】
すなわち、有利には、第3接続箇所における電圧が、あらかじめ設定した領域外にあり、従って、信頼できない場合にエラー信号が形成される。特に、第1電圧値が下方基準値よりも大きくない場合に、及び/又は、第1電圧値が上方基準値より小さくない場合に、エラーが識別される。ここで前提とされるのは、第3接続箇所における電圧が、実質的に、供給源によって第1接続箇所と第2接続箇所との間に加えられる電圧によって、又は、これらの接続箇所を介してホールセンサ素子を通って導通される励起電流によって影響を受けることであり、これに比べ、ホール電圧が第1電圧値に与える影響が小さいことである。特に、ホールセンサ素子においてホール電圧の誘導によって生じる、第1電圧値に含まれる電圧の割合は、第1電圧値の4分の1よりも、場合によっては6分の1よりも、好ましくは10分の1よりも小さい。すなわち、第3接続箇所においては、ホールセンサを通って電流が流れる際に、ホールセンサ素子のオーム抵抗の部分抵抗における電圧降下によって生じる電圧が測定される。
【0011】
下方基準値と、上方基準値との間の間隔は、通常時に予想される最大のホール電圧よりも大きく選択される。下方基準値と上方基準値との間の間隔又は許容範囲の幅は、電流又は電圧供給源の第1給電端子と第2給電端子との間に印加される電圧の少なくとも5%、場合によっては少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、また特に少なくとも30%を取り得る。第1電圧値は、複数の給電端子のうちの1つの電位に対し、又はこれらの給電端子の電位を基準にした、これらの給電端子の電位とは異なる固定の基準電位に対して測定される。
【0012】
エラー信号は、特に、第3接続箇所と、第1電圧値を検出するために使用される測定装置との間の電気接続が障害を受けている場合に、例えば、断線及び/又は他の電位に至る線路との接続を有する場合に、及び/又は、励起電流がホールセンサ素子を通って導通されない場合に又は誤った電流強度で導通される場合に形成される。
【0013】
本発明の好ましい一実施形態においては、以下のさらなるステップを実行する。すなわち、
a)ホールセンサ素子の第4接続箇所における電圧について第2電圧値を検出するステップと、
b)第2電圧値と、下方基準値及び上方基準値とを比較するステップと、
c)この比較の結果に依存してエラー信号を形成するステップと、
をさらに有する。
【0014】
付加的なこの手段により、特に、第4接続箇所と、第2電圧値を検出するために使用される測定装置との間の電気接続が障害を受けている場合が確認される。というのは、例えば、この接続が、断線及び/又は他の電位に至る線路への接続を有するからである。第2電圧値は、複数の給電端子のうちの1つの電位に対し、又は、これらの給電端子の電位を基準にした、これら給電端子の電位とは異なる固定の基準電位に対して測定される。好ましくは、ホール電圧の誘導によって生じる、第2電圧値に含まれる電圧の割合は、第1電圧値の4分の1よりも、場合によっては6分の1よりも、好ましくは10分の1よりも小さい。すなわち、第4接続箇所においては、ホールセンサを通って電流が流れる際に、ホールセンサ素子のオーム抵抗の部分抵抗における電圧降下によって生じる電圧が測定される。特に、第2電圧値が下方基準値よりも大きくない場合に、及び/又は、第2電圧値が上方基準値より小さくない場合にエラーが識別される。
【0015】
本発明の有利な一実施形態においては、以下のさらなるステップを実行する。すなわち、
a)ホールセンサ素子の第1接続箇所における電圧について第3電圧値を検出するステップと、
b)第3電圧値と、下側の基準値及び上側の基準値とを比較するステップと、
c)この比較の結果に依存してエラー信号を形成するステップと、
をさらに実行する。
【0016】
すなわち、エラー信号は、供給源によって第1接続箇所に加えられる電位が、許容されない値を有する場合にもアクティブ化される。第3電圧値は、複数の給電端子のうちの1つの電位に対し、又は、これらの給電端子の電位を基準にした、これらの給電端子の電位とは異なる固定の基準電位に対して測定される。
【0017】
本発明の好適な一実施形態においては、以下のさらなるステップを実行する。すなわち、
a)ホールセンサ素子の第2接続箇所における電圧について第4電圧値を検出するステップと、
b)第4電圧値と、下方基準値及び上方基準値とを比較するステップと、
c)この比較の結果に依存してエラー信号を形成するステップと、
をさらに実行する。
【0018】
すなわち、エラー信号は、供給源によって第2接続箇所に加えられる電位が、許容されない値を有する場合にもアクティブ化される。第4電圧値は、複数の給電端子のうちの1つの電位に対し、又は、これらの給電端子の電位を基準にした、これらの給電端子の電位とは異なる固定の基準電位に対して測定される。
【0019】
この方法の好ましい一実施形態において、請求項1に列挙した方法ステップb)、d)、e)及びf)と、場合によっては、請求項2及び/又は請求項3及び/又は請求項4に列挙した方法ステップとを複数回実行し、第2回目の実行時、及び、場合によっては、それぞれの他の実行時に、ホールセンサ素子の接続箇所をそれぞれ、有利にはサイクリックに交換する。この際に実行の回数は、好ましくは、少なくとも、ホールセンサの接続箇所の個数と同じである。この際には第1、第2、第3及び/又は第4電圧値をオフセット補償して検出することも可能であり、すなわち、場合によってはそこに含まれるオフセット電圧を算出することも可能である。しかしながら、この電圧値を検出する際にオフセット補償を考慮しないことも考えられる。
【0020】
本発明に係る方法においては、ホール電圧を特定するために、それ自体公知のように、ホールセンサ素子の第3接続箇所と第4接続箇所との間の電圧を測定することが可能である。ホール電圧を測定する際には、好ましくは、場合によっては測定信号に含まれるオフセット電圧を補償するために、スピニング・ホール原理を使用する。
【0021】
冒頭に述べた形式のホールセンサについての上で述べた課題は、ホールセンサが、第3接続箇所に接続されている第1入力部と、上方基準値信号用の基準信号発生器に接続されている第2入力部と、第1比較信号用の出力部とを備えた第1比較装置を有し、ホールセンサが、第3接続箇所に接続されている第3入力部と、下方基準値信号用の基準信号発生器に接続されている第4入力部と、第2比較信号用の出力部とを備えた第2比較装置を有し、第1比較装置の出力部及び第2比較装置の出力部が、第1比較信号及び第2比較信号に依存するエラー信号を形成する評価装置に接続されている、ことによって解決される。好ましくは、上方基準値信号の電位は、複数の給電端子の電位を基準にして固定であり、これら給電端子の電位とは異なる。下方基準値信号の電位も、これらの給電端子の電位を基準にして固定であり、これらの給電端子の電位とは異なっていてよい。特に、第1比較装置の第1入力部における電位が、第1比較装置の第2入力部における電位より低くない場合に、及び/又は、第2比較装置の第3入力部における電位が、第2比較装置の第4入力部における電位よりも高くない場合に、エラーが識別される。下方基準値信号の電位と、上方基準値信号の電位との間の間隔又は許容範囲の幅は、電流又は電圧供給源の第1給電端子と第2給電端子と間に印加される電圧の少なくとも5%、場合によっては少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、特に少なくとも30%を取り得る。
【0022】
これにより、ホールセンサは、第3接続箇所における電圧が、基準値信号によってあらかじめ設定される領域外にあり、従って、信頼できない場合にエラー信号を形成することが可能である。ここで前提とされるのは、第3接続箇所における電圧が、実質的に、供給源によって第1接続箇所と第2接続箇所との間に加えられる電圧によって、又は、この接続箇所を介してホールセンサ素子を通って導通される励起電流によって影響を受けることであり、ホール電圧が第1電圧値に与える影響を無視することができることである。エラー信号は、特に、第3接続箇所と、第1電圧値を検出するために使用される測定装置との間の電気接続が障害を受けている場合に、例えば、断線及び/又は他の電位に至る線路との接続を有する場合に、及び/又は、励起電流が、エラーに起因して、ホールセンサ素子を通って導通されない場合に又は誤った電流強度で導通される場合に形成され得る。
【0023】
本発明の好ましい一実施形態において規定されるのは、ホールセンサが、第4接続箇所に接続されている第5入力部と、上方基準値信号用の基準信号発生器に接続されている第6入力部と、第3比較信号用の出力部とを備えた第3比較装置を有し、ホールセンサが、第4接続箇所に接続されている第7入力部と、下方基準値信号用の基準信号発生器に接続されている第8入力部と、第4比較信号用の出力部とを備えた第4比較装置とを有し、第3比較装置の出力部及び第4比較装置の出力部が、評価装置に接続されており、エラー信号が、第3比較信号及び第4比較信号にも依存するように評価装置が構成されていることである。これにより、第4接続箇所と、第5入力部及び/又は第6入力部との間の電気接続とが障害を受けている場合に、例えば、断線及び/又は他の電位に至る線路との接続を有する場合にもエラー信号を形成することができる。特に、第3比較装置の第5入力部における電位が、第3比較装置の第6入力部における電位よりも低くない場合に、及び/又は、第4比較装置の第7入力部における電位が、第4比較装置の第8入力部における電位よりも高くない場合に、エラーが識別される。
【0024】
本発明の有利な一実施形態においては、ホールセンサが、第1接続箇所に接続されている第9入力部と、上方基準値信号用の基準信号発生器に接続されている第10入力部と、第5比較信号用の出力部とを備えた第5比較装置を有し、ホールセンサが、第1接続箇所に接続されている第11入力部と、下方基準値信号用の基準信号発生器に接続されている第12入力部と、第6比較信号用の出力部とを備えた第6比較装置を有し、エラー信号が、第5比較信号及び第6比較信号にも依存するように評価装置が構成されている。これにより、供給源によって第1接続箇所に加えられる電位が、許容されない値を有し、従って、励起電流が、誤った値でホールセンサ素子を通して導通される場合に、又は、ホールセンサ素子を通って導通されない場合にもエラー信号を形成することができる。特に、第5比較装置の第9入力部における電位が、第5比較装置の第10入力部における電位よりも高くない場合に、及び/又は、第6比較装置の第11入力部における電位が、第6比較装置の第12入力部における電位よりも低くない場合に、エラーが識別される。
【0025】
本発明の好適な一実施形態においては、ホールセンサが、第2接続箇所に接続されている第13入力部と、上方基準値信号用の基準信号発生器に接続されている第14入力部と、第7比較信号用の出力部とを備えた第7比較装置を有し、ホールセンサが、第2接続箇所に接続されている第15入力部と、下方基準値信号用の基準信号発生器に接続されている第16入力部と、第8比較信号用の出力部とを備えた第8比較装置とを有し、エラー信号が、第7比較信号及び第8比較信号にも依存するように評価装置が構成されている。この手段によっても、例えば、給電端子と第2接続箇所との間の接触接続誤りに起因して、ホールセンサ素子を通して励起電流が導通されない場合に、励起電流がホールセンサ素子を通る際のエラーを識別することができる。特に、第7比較装置の第13入力部における電位が、第7比較装置の第14入力部における電位よりも低くない場合に、及び/又は、第8比較装置の第15入力部における電位が、第8比較装置の第16入力部における電位よりも低くない場合に、エラーが識別される。
【0026】
本発明の一発展形態においては、ホールセンサが、供給源に接続されておりかつ制御装置に制御接続されている切換装置を有し、この切換装置は、
a)第1動作状態において、
・第1入力部及び第3入力部と、第3接続箇所とを接続し、
・第5入力部及び第7入力部と、第4接続箇所とを接続し、
・第9入力部及び第11入力部と、第1接続箇所とを接続し、
・第13入力部及び第15入力部と、第2接続箇所とを接続し、
b)第2動作状態において、
・第1入力部及び第3入力部と、第4接続箇所とを接続し、
・第5入力部及び第7入力部と、第1接続箇所とを接続し、
・第9入力部及び第11入力部と、第2接続箇所とを接続し、
・第13入力部及び第15入力部と、第3接続箇所とを接続し、
c)第3動作状態において、
・第1入力部及び第3入力部と、第1接続箇所とを接続し、
・第5入力部及び第7入力部と、第2接続箇所とを接続し、
・第9入力部及び第11入力部と、第3接続箇所とを接続し、
・第13入力部及び第15入力部と、第4接続箇所とを接続し、
d)第4動作状態において、
・第1入力部及び第3入力部と、第2接続箇所とを接続し、
・第5入力部及び第7入力部と、第3接続箇所とを接続し、
・第9入力部及び第11入力部と、第4接続箇所とを接続し、
・第13入力部及び第15入力部と、第1接続箇所とを接続し、
第2入力部、第6入力部、第10入力部及び第14入力部が、それぞれ、上方基準値信号用の基準値発生器に接続され、第4入力部、第8入力部、第12入力部及び第16入力部が、それぞれ、下方基準値信号用の基準値発生器に接続されるように構成されている。
【0027】
磁束密度がホールセンサ素子を貫通する際に発生するホール電圧を測定するために、ホールセンサは、測定装置を有することが可能であり、この測定装置により、第3接続箇所と第4接続箇所との間に印加される電圧を測定することができる。ホールセンサは、好ましくは、場合によっては望ましくない、ホール電圧に重畳されるオフセット電圧を補償するために、スピニング・ホール原理に従って動作する。さらに言及すべきであるのは、本発明に係る方法においても、また、本発明に係るホールセンサにおいても、ホールセンサ素子は、垂直方向のホールセンサ素子としても、又は、水平方向のホールセンサ素子としても構成することができることである。垂直方向のホールセンサ素子とは、半導体チップのチップ表面に平行に並んでいる磁束密度を感知するホールセンサ素子のことであると理解される。水平方向又は横方向のホールセンサ素子とは、半導体チップのチップ表面に対して直角に並んでいる磁束密度を感知するホールセンサ素子のことであると理解される。
【0028】
以下においては、図面に基づき、本発明の実施例を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】スピニング・ホール原理に従って動作するホールセンサのブロック図である。
【
図2】ホールセンサのホールセンサ素子の接続箇所において、アース電位に対して測定した電圧のグラフである。
【
図3】ホールセンサ素子の接続箇所C1、C2、C3、C4における電圧をリストアップした表である。
【
図4】許容範囲及び基準値T1、T2が書き込まれた、
図2と同様の図である。
【
図5】ホールセンサ素子の接続箇所C1、C2、C3、C4における電圧が、これらの電圧用に規定された許容範囲内にあるか否かを検査することが可能な監視装置を有する、スピニング・ホール原理に従って動作するホールセンサのブロック図である。
【
図6】ホールセンサの正常動作において、ホールセンサ素子の接続箇所C1、C2、C3、C4における電圧と、基準値T1、T2とが比較されている表である。
【
図7】表の値として、比較装置によって形成される論理信号レベルが示されている、
図6と類似の図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1において全体を参照符号1で示したホールセンサは、プレート状のホールセンサ素子2が集積されている半導体チップを有する。ホールセンサ素子2は、例えばケイ素のような半導体材料から成り、その縁部に互いに離隔された接続箇所3A、3B、3C、3Dを有し、これらの接続箇所は、ホールセンサ素子2によって張られる面に対して直交方向に配置されかつ対称中心点4を通って延在する仮想的な中心軸に関して、90°だけ互いに回転させられている。
【0031】
接続箇所3A、3B、3C、3Dは、それぞれの接続箇所3A、3B、3C、3D毎に1つずつのマルチプレクサ5A、5B、5C、5Dを有する切換装置に接続されている。それぞれのマルチプレクサ5A、5B、5C、5Dの出力端子は、それぞれ、それに対応付けられている接続箇所3A、3B、3C、3Dに接続されている。それぞれのマルチプレクサ5A、5B、5C、5Dは、電流又は電圧供給源7の給電端子6A、6Bに接続されているそれぞれ2つの入力部を有する。供給源7によって供給される給電電圧VBは、ホールセンサ素子2に励起電流を供給するために使用される。
【0032】
通電の第1フェーズにおいて、第1給電端子6Aは、第1マルチプレクサ5Aを介して、ホールセンサ素子2の第1接続箇所3Aに接続され、第2給電端子6Bは、第2マルチプレクサ5Bを介して、ホールセンサ素子2の第2接続箇所3Bに接続される。
【0033】
通電の第2フェーズにおいて、第2給電端子6Bは、第3マルチプレクサ5Cを介して、ホールセンサ素子2の第3接続箇所3Cに接続され、第1給電端子6Aは、第4マルチプレクサ5Dを介して、ホールセンサ素子2の第4接続箇所3Dに接続される。
【0034】
通電の第3フェーズにおいて、第1給電端子6Aは、第2マルチプレクサ5Bを介して、ホールセンサ素子2の第2接続箇所3Bに接続され、第2給電端子6Bは、第1マルチプレクサ5Aを介して、ホールセンサ素子2の第1接続箇所3Aに接続される。従って、励起電流は、第3フェーズにおいて、第1フェーズとは逆向きに流れる。
【0035】
通電の第4フェーズにおいて、第1給電端子6Aは、第3マルチプレクサ5Cを介して、ホールセンサ素子2の第3接続箇所3Cに接続され、第2給電端子6Bは、第4マルチプレクサ5Dを介して、ホールセンサ素子2の第4接続箇所3Dに接続される。従って、励起電流は、第4フェーズにおいて、第2フェーズとは逆向きに流れる。
【0036】
それぞれのマルチプレクサ5A、5B、5C、5Dの他の2つの入力部は、直径上で互いに対向する接続箇所3A、3B又は3C、3Dを測定するために設けられている測定装置8の入力端子11、12に電気接続されている。測定装置8は、測定した電圧をデジタル化するために、図面には詳しく図示していないデジタル/アナログコンバータを有し、このデジタル/アナログコンバータは、測定値を格納するためにデータ記憶装置9に接続されている。データ記憶装置9は、評価装置47に接続されており、評価装置47においては、そこに含まれており、ホール電圧に重畳されているオフセット電圧を補償するために、測定した電圧値が処理される。ホールセンサ素子2には、ホール電圧の測定中に、その延在面に対して垂直に磁束密度が流れ、この磁束密度は、図面に詳しく示されておらず、例えば、
図1の図平面に流れ込むことが可能である。
【0037】
マルチプレクサ5A、5B、5C、5Dは、共通の制御装置10と制御接続されているそれぞれ1つの制御入力部を有する。対応する制御信号を制御入力部に送信することにより、マルチプレクサ5A、5B、5C、5Dの出力端子に接続される接続箇所3A、3B、3C、3Dが、選択的又は交互に、マルチプレクサ5A、5B、5C、5Dの複数の入力部のうちの1つに電気接続されるように又はこれらから切り離されるように、該当するマルチプレクサ5A、5B、5C、5Dをそれぞれ設定することができる。
【0038】
図2には、ホールセンサ1の動作中に、アース電位に対する、個々の接続箇所3A、3B、3C、3Dに印加される電圧がグラフで図示されている。第1フェーズにおいては、ホールセンサ1に欠陥がなければ、ホールセンサ素子2の第1接続箇所3A(電圧V
C1)に給電電圧V
Bが加わり、第2接続箇所3B(電圧V
C2)はアース電位にある。ホールセンサ素子2は、ホイートストン測定ブリッジと類似の振る舞いをするため、第3接続箇所及び第4接続箇所(電圧V
C3及びV
C4)には、ホール電圧及びオフセット電圧がない場合には、それぞれアースに対して給電電圧V
Bの半分が印加される(
図3)。実際の動作においては、4つの接続箇所3A、3B、3C、3Dにおける電圧は、ホール電圧及びオフセット電圧に起因して、これらの値からやや偏差することがある。このことは、
図2において許容範囲によって略示されている。
【0039】
図4から分かるように3つの許容範囲があり、これらの許容範囲のうち、下の許容範囲は、アース電位から下方基準値T1まで延在している。中間の許容範囲は、下方基準値T1から上方基準値T2まで延在しており、上の許容範囲は、上方基準値T2から給電電圧V
Bまで延在している。上方基準値T2は、値(2/3)×V
Bを有し、下方基準値T1は、値(1/3)×V
Bを有し、V
Bは、第1接続箇所3Aと第2接続箇所3Bとの間に印加される、供給源7によって供給される給電電圧である。
【0040】
電圧が、この電圧用に規定された許容範囲内にあるか否かをチェックするために、ホールセンサ1は、監視装置を有する。
図5から分かるように、監視装置は、第1比較装置13を有し、これは、第3接続箇所3Cに接続されている第1入力部14と、上方基準値信号用の基準信号発生器15の第1端子に接続されている第2入力部16と、第1比較信号用の出力部17とを有する。基準信号発生器15の第2端子は、アース電位にある。
図6から分かるように、ホールセンサ1に欠陥がなければ、第3接続箇所3Cにおける電圧は、フェーズ1において、上方基準値T2よりも小さいはずである。このことは、第1比較装置13によってチェックされる。比較結果がこれと一致しない場合、すなわち、論理値「1」(
図7)が得られる場合、エラー信号が形成される。
【0041】
さらにホールセンサ1は、第2比較装置18を有し、これは、第3接続箇所に接続されている第3入力部19と、下方基準値信号用の基準信号発生器20の第1端子に接続されている第4入力部21と、第2比較信号用の出力部22とを有する。基準信号発生器20の第2端子は、アース電位にある。
図6から分かるように、ホールセンサ1に欠陥がなければ、第3接続箇所3Cにおける電圧は、フェーズ1において、下方基準値T1よりも大きいはずである。このことは、第2比較装置18によってチェックされる。比較結果がこれと一致しない場合、すなわち、論理値「0」(
図7)が得られる場合、エラー信号が形成される。
【0042】
第3比較装置23は、第4接続箇所3Dに接続されている第5入力部24と、上方基準値信号用の基準信号発生器15に接続されている第6入力部25と、第3比較信号用の出力部26とを有する。
図6から得られるように、ホールセンサ1に欠陥がなければ、第4接続箇所3Dにおける電圧は、フェーズ1において、上方基準値T2よりも小さいはずである。このことは、第3比較装置23によってチェックされる。比較結果がこれと一致しない場合、すなわち、論理値「1」(
図7)が得られる場合、エラー信号が形成される。
【0043】
ホールセンサ1の第4比較装置27は、第4接続箇所3Dに接続されている第7入力部28と、下方基準値信号用の基準信号発生器20に接続されている第8入力部29と、第4比較信号用の出力部30とを有する。
図6から分かるように、ホールセンサ1に欠陥がなければ、第4接続箇所3Dにおける電圧は、フェーズ1において、下方基準値T1よりも大きいはずである。このことは、第4比較装置27によってチェックされる。比較結果がこれと一致しない場合、すなわち、論理値「0」(
図7)が得られる場合、エラー信号が形成される。
【0044】
図5からさらに分かるように、ホールセンサ1は、さらに、第5比較装置31を有し、これは、第1接続箇所3Aに接続されている第9入力部32と、上方基準値信号用の基準信号発生器15に接続されている第10入力部33と、第5比較信号用の出力部34とを有する。
図6から得られるように、ホールセンサ1に欠陥がなければ、第1接続箇所3Aにおける電圧は、フェーズ1において、上方基準値T2よりも大きいはずである。このことは、第5比較装置31によってチェックされる。比較結果がこれと一致しない場合、すなわち、論理値「0」(
図7)が得られる場合、エラー信号が形成される。
【0045】
第6比較装置35は、第1接続箇所3Aに接続されている第11入力部36と、下方基準値信号用の基準信号発生器20に接続されている第12入力部37と、第6比較信号用の出力部38とを有する。
図6から得られるように、ホールセンサ1に欠陥がなければ、第1接続箇所3Aにおける電圧は、フェーズ1において、下方基準値T1よりも大きいはずである。このことは、第6比較装置35によってチェックされる。比較結果がこれと一致しない場合、すなわち、論理値「0」(
図7)が得られる場合、エラー信号が形成される。
【0046】
ホールセンサ1の第7比較装置39は、第2接続箇所3Bに接続されている第13入力部40と、上方基準値信号用の基準信号発生器15に接続されている第14入力部41と、第7比較信号用の出力部42とを有する。
図6から分かるように、ホールセンサ1に欠陥がなければ、第2接続箇所3Bにおける電圧は、フェーズ1において、上方基準値T2よりも小さいはずである。このことは、第7比較装置39によってチェックされる。比較結果がこれと一致しない場合、すなわち、論理値「1」(
図7)が得られる場合、エラー信号が形成される。
【0047】
最後に、ホールセンサ1は、第8比較装置43を有し、これは、第2接続箇所3Bに接続されている第15入力部44と、下方基準値信号用の基準信号発生器20に接続されている第16入力部45と、第8比較信号用の出力部46とを有する。
図6から得られるように、ホールセンサ1に欠陥がなければ、第2接続箇所3Bにおける電圧は、フェーズ1において、下方基準値T1よりも小さいはずである。このことは、第8比較装置43によってチェックされる。比較結果がこれと一致しない場合、すなわち、論理値「1」(
図7)が得られる場合、エラー信号が形成される。
【0048】
第2、第3及び第4フェーズにおいては、接続箇所3A、3B、3C、3Dにおける電圧が、
図6の表の行2、3及び4のエントリに対応して比較される。少なくとも1つのチェックにおいて、目標値から逸脱していることが確認される場合、評価装置47によってエラー信号が形成され、エラー信号出力部48に出力される。
図6にリストアップした(目標)比較結果は、テーブルの形で評価装置47又はデータ記憶装置9に格納することが可能である。従って、個々の比較結果は、評価装置47において互いに結びつけられる。