(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-15
(45)【発行日】2023-05-23
(54)【発明の名称】圧迫ガーメント用コントローラ及び圧迫ガーメントを含むシステム
(51)【国際特許分類】
A61H 7/00 20060101AFI20230516BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20230516BHJP
A61B 5/022 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
A61H7/00 322B
A61B5/02 E
A61B5/022 J
(21)【出願番号】P 2019571947
(86)(22)【出願日】2018-06-28
(86)【国際出願番号】 US2018039948
(87)【国際公開番号】W WO2019006092
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2021-06-07
(32)【優先日】2017-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517408184
【氏名又は名称】ケイピーアール ユーエス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】デンソン、 ジェシー
(72)【発明者】
【氏名】キース、 ローラ
(72)【発明者】
【氏名】ウディカ、 スコット
(72)【発明者】
【氏名】アブドゥール、 ザヒール
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0033307(US,A1)
【文献】特開2004-065725(JP,A)
【文献】特開2016-064125(JP,A)
【文献】特開2005-348903(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2001/0000262(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0069507(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0324429(US,A1)
【文献】米国特許第04718427(US,A)
【文献】国際公開第2002/055007(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
A61B 5/02
A61B 5/022
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガーメントの着用者に圧迫療法治療を提供するために、前記ガーメントの少なくとも1つのブラダの膨張及び収縮を制御するためのコントローラであって、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサに、
圧迫療法治療サイクルの圧力保持期間中に、圧力センサから、前記ガーメントの少なくとも1つのブラダ内の流体圧力を示す信号を受信させ、
前記少なくとも1つのブラダ内の流体圧力を示す信号の1つ以上の波形を分析して、受信した信号が時間の関数として
の振動振幅を含むか否かを判定させ、
前記受信した信号が時間の関数として
の振動振幅を含むか否かの判定に基づいて、
前記受信した信号に基づいて前記ガーメントの着用者の血圧を推定させる
ためのコンピュータ実行可能命令を含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体と
を備え
、
前記時間の関数としての振動振幅は前記着用者の心拍を示す、コントローラ。
【請求項2】
前記流体圧力を示す信号を受信するための命令は、前記少なくとも1つのブラダが膨張している間に前記流体圧力を示す信号を受信するための命令を含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項3】
前記流体圧力を示す信号を受信するための命令は、前記少なくとも1つのブラダが実質的に一定の圧力で膨張している間に前記流体圧力を示す信号を受信するための命令を含む、請求項2に記載のコントローラ。
【請求項4】
前記実質的に一定の圧力は、前記判定の期間にわたって10パーセント未満だけ変化する、請求項3に記載のコントローラ。
【請求項5】
前記流体圧力を示す信号を受信するための命令は、約5秒よりも長く約60秒よりも短い期間にわたって前記流体圧力を示す信号を受信するための命令を含む、請求項2に記載のコントローラ。
【請求項6】
前記流体圧力を示す信号を受信するための命令は、所定の間隔で前記流体圧力を示す信号を受信するための命令を含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項7】
前記流体圧力を示す信号を受信するための命令は、前記少なくとも1つのブラダの治療的圧迫サイクル間に前記信号を受信するための命令を含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項8】
前記流体圧力を示す信号を受信するための命令は、ユーザー入力に基づいて前記信号を受信するための命令を含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項9】
前記非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、前記1つ以上のプロセッサに前
記ガーメントの少なくとも1つのブラダが前記圧力センサと連通しているか否かを検出させるためのコンピュータ実行可能命令をさらに含み、前記流体圧力を示す信号を受信するための命令は、前記少なくとも1つのブラダと前記圧力センサとの間の連通の検出に基づいて前記信号を受信するための命令を含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項10】
前
記ガーメントと前記圧力センサとの間で検出される連通は、流体連通である、請求項9に記載のコントローラ。
【請求項11】
前記流体圧力を示す信号を受信するための命令は、前記少なくとも1つのブラダが非治療圧力まで膨張している間に前記流体圧力を示す信号を受信するための命令を含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項12】
前記非治療圧力は約160mmHg以上である、請求項11に記載のコントローラ。
【請求項13】
前記流体圧力を示す信号を受信するための命令は、第1のブラダ内の流体圧力を示す第1の信号を受信し、第2のブラダ内の流体圧力を示す第2の信号を受信するための命令を含み、前記受信した信号が振動振幅を含むか否かを判定するための命令は、前記第1の信号及び前記第2の信号がそれぞれ振動振幅を含むか否かを判定するための命令を含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項14】
前記受信した信号が振動振幅を含むか否かを判定するための命令は、約0.5Hzから約25Hzの周波数を抽出するために前記受信した信号を帯域通過フィルタ処理するための命令を含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項15】
前記受信した信号が振動振幅を含むか否かを判定するための命令は、帯域通過フィルタ処理された信号を平滑化するための命令をさらに含む、請求項14に記載のコントローラ。
【請求項16】
前記受信した信号が振動振幅を含むか否かを判定するための命令は、帯域通過フィルタ処理された信号を約5Hz以下の周波数で低域通過フィルタ処理するための命令をさらに含む、請求項14に記載のコントローラ。
【請求項17】
前記受信した信号が振動振幅を含むか否かを判定するための命令は、前記信号のピークを検出するための命令を含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項18】
前記信号のピークを検出するための命令は、約0.5Hzから約4Hzの周波数範囲でピークを検出するための命令を含む、請求項17に記載のコントローラ。
【請求項19】
前記信号のピークを検出するための命令は、約0.05mmHgを超える流体圧力の変動に対応するピークを検出するための命令を含む、請求項18に記載のコントローラ。
【請求項20】
前記受信した信号が振動振幅を含むか否かを判定するための命令は、約0.5Hzから約4Hzの周波数範囲内で繰り返し信号を検出するための命令を含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項21】
前記受信した信号の時間の関数としての振動振幅は、前記ガーメントの着用者の脈拍を表す、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項22】
前記非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、推定された血圧を前記着用者の動脈血圧と相関させるためのコンピュータ実行可能命令をさらに含む、請求項1に記載のコントローラ。
【請求項23】
少なくとも1つの膨張及び収縮可能なブラダを含む圧迫ガーメントであって、
着用者の1つ以上の手足の周りに固定可能な圧迫ガーメントと、
メモリ及び1つ以上のプロセッサを備えるコントローラであって、前記メモリは、前記1つ以上のプロセッサに、
圧迫療法治療サイクルの圧力保持期間中に、圧力センサから、前記少なくとも1つの膨張及び収縮可能なブラダ内の流体圧力を示す信号を受信させ、
前記少なくとも1つのブラダ内の流体圧力を示す信号の1つ以上の波形を分析して、受信した信号が時間の関数として
の振動振幅を含むか否かを判定させ、
前記受信した信号が時間の関数として
の振動振幅を含むか否かの判定に基づいて、
前記受信した信号に基づいて前記着用者の血圧を推定させる
ためのコンピュータ実行可能命令を含むコントローラと
を備え
、
前記時間の関数としての振動振幅は前記着用者の心拍を示す、システム。
【請求項24】
ポンプ及び少なくとも1つの弁をさらに備え、前記少なくとも1つの弁は、前記ポンプ及び前記少なくとも1つの膨張及び収縮可能なブラダと流体連通し、前記少なくとも1つの弁は、前記コントローラと電気的に連通し、前記コントローラのメモリは、前記1つ以上のプロセッサに前記少なくとも1つの弁を作動させ、前記ポンプと前記少なくとも1つの膨張及び収縮可能なブラダとの間の流体連通を制御させるためのコンピュータ実行可能命令をさらに含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記少なくとも1つの膨張及び収縮可能なブラダと流体連通するポンプをさらに備え、前記ポンプは前記コントローラと電気的に連通し、前記コントローラのメモリは、前記1つ以上のプロセッサに前記ポンプの速度を調節させるためのコンピュータ実行可能命令をさらに含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項26】
前記少なくとも1つの膨張可能ブラダは、前記着用者の手足の周りに固定されると、前記着用者の手足の一部の周りに少なくとも部分的に延びる、請求項23に記載のシステム。
【請求項27】
ガーメントの着用者に圧迫療法治療を提供するために、前記ガーメントの少なくとも1つのブラダの膨張及び収縮を制御するためのコントローラであって、
メモリと、
1つ以上のプロセッサと
を備え、前記メモリは、前記1つ以上のプロセッサに、
圧迫療法治療サイクルの圧力保持期間中に、圧力センサから、前記ガーメントの少なくとも1つのブラダ内の流体圧力を示す信号を受信させ、
受信した信号が前記着用者の脈拍の表示を含むか否かを判定させ、
前記受信した信号が前記着用者の脈拍を示す信号を含むか否かの判定に基づいて、前記ガーメントの着用者の血圧を推定させる
ためのコンピュータ実行可能命令を含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を含む、コントローラ。
【請求項28】
前記流体圧力を示す信号を受信するための命令は、前記少なくとも1つのブラダが膨張している間に前記流体圧力を示す信号を受信するための命令を含む、請求項27に記載のコントローラ。
【請求項29】
前記流体圧力を示す信号を受信するための命令は、前記少なくとも1つのブラダが実質的に一定の圧力で膨張している間に前記流体圧力を示す信号を受信するための命令を含む、請求項28に記載のコントローラ。
【請求項30】
前記受信した信号が前記着用者の脈拍の表示を含むか否かを判定するための命令は、約0.5Hzから約4Hzの周波数範囲内で繰り返し信号を検出するための命令を含む、請求項27に記載のコントローラ。
【請求項31】
前記コンピュータ実行可能命令は、推定された血圧を前記着用者の動脈血圧と相関させるための命令を含む、請求項27に記載のコントローラ。
【請求項32】
少なくとも1つの膨張及び収縮可能なブラダを含む圧迫ガーメントであって、着用者の手足の周りに固定可能な圧迫ガーメントと、
請求項27から30のいずれか一項に記載のコントローラと
を備えるシステム。
【請求項33】
ポンプ及び少なくとも1つの弁をさらに備え、前記少なくとも1つの弁は、前記ポンプ及び前記少なくとも1つの膨張及び収縮可能なブラダと流体連通し、前記少なくとも1つの弁は、前記コントローラと電気的に連通し、前記コントローラの非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、前記1つ以上のプロセッサに少なくとも1つの弁を作動させ、前記ポンプと前記少なくとも1つの膨張及び収縮可能なブラダとの間の流体連通を制御させるためのコンピュータ実行可能命令をさらに含む、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記少なくとも1つの膨張及び収縮可能なブラダと流体連通するポンプをさらに備え、前記ポンプは前記コントローラと電気的に連通し、前記コントローラの非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、前記1つ以上のプロセッサに前記ポンプの速度を調節させるためのコンピュータ実行可能命令さらに含む、請求項32に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、圧迫ガーメント着用者の血圧及び/又は脈拍数を特定するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願への相互参照
本出願は、2017年6月30日に出願された米国仮特許出願第62/527,155号による優先権を主張し、当該米国仮特許出願の開示は、その中に含まれる参考文献の内容及び教示を含め、参照によりその全体が含まれるものとする。
【0003】
間欠的空気圧迫(IPC)システムは、空気などの加圧流体を患者又は着用者の手足に当てるのに使用されるデバイスを含む。場合によっては、深部静脈血栓症(DVT)に関連する血の塊(血栓)の形成の危険がある患者の下肢に加圧空気が当てられる。IPCシステムは、通常、流体の加圧を管理するポンプユニットと、ポンプユニットを超えて流体の送達を延長するためのチューブセットと、患者の手足に巻き付けられかつ加圧流体を含む圧迫ガーメントとを含む。IPCシステムは断続的にガーメントを加圧して、患者の手足に治療的圧迫を加え、手足のその領域から血液を移動させる。多くのIPCシステムは、フィードバックの唯一の手段として圧力センサを利用している。圧力センサの出力を使用して、圧迫ガーメントへの流体送達を調節し、所定の圧力を維持するが、測定可能な圧力は圧迫ガーメント及び管内の圧力に制限される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様において、ガーメントの着用者に圧迫療法治療を提供するためにガーメントの少なくとも1つのブラダの膨張及び収縮を制御するためのコントローラは、メモリと、1つ以上のプロセッサと、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体とを含む。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上のプロセッサに、圧力センサからガーメントの少なくとも1つのブラダ内の流体圧力を示す信号を受信させ、受信した信号が時間の関数として振動振幅を含むか否かを判定させるためのコンピュータ実行可能命令を含む。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体はまた、受信した信号が時間の関数として振動振幅を含むか否かの判定に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上のプロセッサにガーメントの着用者の血圧を推定させるためのコンピュータ実行可能命令を含む。
【0005】
別の態様において、システムは、少なくとも1つの膨張及び収縮可能なブラダを含む圧迫ガーメントを含み、圧迫ガーメントは着用者の手足の周りに固定可能である。システムは、ガーメントの着用者に圧迫療法治療を提供するためにガーメントの少なくとも1つのブラダの膨張及び収縮を制御するためのコントローラをさらに含む。コントローラは、メモリと、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサに圧力センサからガーメントの少なくとも1つのブラダ内の流体圧力を示す信号を受信させ、受信した信号が時間の関数として振動振幅を含むか否かを判定させるための命令を含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体とを含む。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体はまた、受信した信号が時間の関数として振動振幅を含むか否かの判定に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上のプロセッサにガーメントの着用者の血圧を推定させるためのコンピュータ実行可能命令を含む。
【0006】
別の態様において、ガーメントの着用者に圧迫療法治療を提供するためにガーメントの少なくとも1つのブラダの膨張及び収縮を制御するためのコントローラは、メモリと、1つ以上のプロセッサと、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体とを含む。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上のプロセッサに、圧力センサからガーメントの少なくとも1つのブラダ内の流体圧力を示す信号を受信させ、受信した信号が着用者の脈拍の表示を含むか否かを判定させるためのコンピュータ実行可能命令を含む。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体はまた、受信した信号が着用者の脈拍を示す信号を含むか否かの判定に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上のプロセッサにガーメントの着用者の血圧を特定させるためのコンピュータ実行可能命令を含む。
【0007】
別の態様において、システムは、少なくとも1つの膨張及び収縮可能なブラダを含む圧迫ガーメントを含み、圧迫ガーメントは着用者の手足の周りに固定可能である。システムは、ガーメントの着用者に圧迫療法治療を提供するためにガーメントの少なくとも1つのブラダの膨張及び収縮を制御するためのコントローラをさらに含む。コントローラは、メモリと、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサに、圧力センサからガーメントの少なくとも1つのブラダ内の流体圧力を示す信号を受信させ、受信した信号が着用者の脈拍の表示を含むか否かを判定させるための命令を含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体とを含む。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体はまた、受信した信号が着用者の脈拍を示す信号を含むか否かの判定に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上のプロセッサにガーメントの着用者の血圧を特定させるためのコンピュータ実行可能命令を含む。
【0008】
実施形態は、以下の利点のうちの1つ以上を含むことができる。
【0009】
いくつかの実施形態において、着用者の血圧の特定は、静的期間中の圧迫ガーメントの膨張可能ブラダ内の圧力を示す信号を用いて行われ、着用者の血圧のリアルタイムの自動表示を提供する。介護者が行う複数の医療デバイスの監視と比較して、本明細書に記載の着用者の血圧のリアルタイムの自動表示は、より正確な血圧測定、治療プロトコルへの患者のコンプライアンスのより正確な表示を提供することができ、かつ/又は、患者のバイタルパラメータの監視に関して介護者の負担を軽減することができる。治療を受けている着用者のバイタルパラメータを監視するのに比べて、本明細書に記載の着用者の血圧の表示は、最小限の機器及び改善された快適さで着用者のバイタルパラメータの監視を提供することができる。
【0010】
他の態様、特徴、及び利点は、説明及び図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】圧迫ガーメント及びコントローラ5を含む圧迫システムの斜視図である。
【0012】
【
図2】空気圧回路の概略図を含む、
図1の例示的な圧迫システムの概略図である。
【0013】
【
図3】空気圧回路の概略図を含む、
図1の別の例示的な圧迫システムの概略図である。
【0014】
【
図4A】システムの圧迫ガーメントが着用者の手足に巻き付けられた配置にあるとき、
図1の圧迫システムによって生成される圧力プロファイルのグラフ表示である。
【
図4B】システムの圧迫ガーメントが着用者の手足に巻き付けられた配置にあるとき、
図1の圧迫システムによって生成される圧力プロファイルのグラフ表示である。
【
図4C】システムの圧迫ガーメントが着用者の手足に巻き付けられた配置にあるとき、
図1の圧迫システムによって生成される圧力プロファイルのグラフ表示である。
【
図4D】システムの圧迫ガーメントが着用者の手足に巻き付けられた配置にあるとき、
図1の圧迫システムによって生成される圧力プロファイルのグラフ表示である。
【0015】
【
図5】
図1の圧迫システムを用いたコンプライアンス監視の方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書で使用される場合、「近位」及び「遠位」という用語は、ガーメントが着用されたときの圧迫ガーメントのコンポーネント、部品などの相対的な位置を表す。例えば、「近位」コンポーネントは着用者の胴体に最も隣接して配置され、「遠位」コンポーネントは着用者の胴体から最も離れて配置され、「中間」コンポーネントは一般に近位コンポーネントと遠位コンポーネントの間の任意の場所に配置される。さらに、本明細書で使用される場合、「巻き付けられている」及び「巻き付けられていない」という用語は、ガーメントが着用者の手足に適切に付けられている(例えば、巻き付けられている、着用されているなど)ガーメントの状態を定義し、ガーメントが着用者の手足から取り外されている(例えば、巻き付けられていない、着用されていないなど)ガーメントの状態を定義する。
【0017】
本明細書の開示の態様は、2016年10月11日に出願された米国特許出願第15/290,026号、2016年10月10日に出願されたPCT出願番号PCT/US2016/056296号、及び優先権を主張する出願、すなわち、すべて2015年10月9日に出願された米国仮特許出願第62/239,527号、第62/239,493号、及び第62/239,566号、2016年4月29日に出願された米国仮特許出願第62/329,233号に関するものである。上記に特定された出願の全内容は、その中に含まれる参考文献の内容及び教示を含め、参照により本明細書に明示的に含まれるものとする。
【0018】
図1及び
図2を参照すると、圧迫システム1は、着用者の手足に連続圧迫療法を行うための圧迫ガーメント10と、1つ以上のプロセッサ7及び非一時的なコンピュータ可読記憶媒体(例えばメモリ)33上で具現化されるコンピュータ実行可能命令を有するコントローラ5とを含む。コンピュータ実行可能命令は、1つ以上のプロセッサ7に圧迫システム1の動作を制御させるための命令を含む。圧迫ガーメント10は、遠位膨張可能ブラダ13aと、中間膨張可能ブラダ13bと、近位膨張可能ブラダ13cとを含む。圧迫ガーメント10は、着用者の手足の周りに固定することができ、いくつかの実施形態において、異なる周囲の手足に適合するように調節可能である。膨張可能ブラダ13a、13b、13cは、いくつかの実施形態において、着用者の手足の一部の周りに少なくとも部分的に延在する。例えば、膨張可能ブラダ13a、13b、13cは臀部専用ブラダであることができる。
【0019】
以下でさらに詳細に説明するように、コントローラ5は、膨張可能ブラダ13a、13b、13cのうちの1つ以上の測定圧力に少なくとも部分的に基づいて、その手足の周りに圧迫ガーメント10が付けられている(すなわち、周囲に巻き付けられた配置にある)着用者の血圧及び/又は脈拍数を特定し、いくつかの実施形態において、血圧を動脈血圧と相関させ、特定された血圧及び/又は相関する動脈血圧の指標を(例えば、可聴アラームを提供すること及び/又はグラフィカルユーザーインターフェイスに視覚的な表示を提供することにより)提供する。追加又は代替の実施形態において、コントローラ5は、膨張可能なブラダ13a、13b、13cのうちの1つ以上の測定圧力に少なくとも部分的に基づいて、着用者の呼吸数、末梢抵抗の変化(例えば、血管拡張薬/血管収縮薬などによる)、及び/又は着用者の動き(例えば、患者の動きの監視)を特定する。以下でさらに詳細に説明するように、コントローラ5は、圧迫システム1の動作を制御して膨張サイクルを行うことができ、膨張サイクルにおいて、膨張可能ブラダ13a、13b、13cは膨張して着用者の手足に圧力を加え、例えば、1つ以上の圧迫サイクル中に圧迫ガーメント10の膨張可能ブラダ13a、13b、13cによって着用者の手足に加えられる勾配圧力を確立する。以下でさらに詳細に説明するように、各治療的圧迫サイクルは、ブラダ13a、13b、13cのそれぞれの膨張段階と、ブラダ13a及び13bのそれぞれの減衰段階と、ブラダ13a、13b、13cのそれぞれの減圧又は通気段階とを含むことができる。各ブラダ13a、13b、13cのサイクル終了圧力は、それぞれのブラダ13a、13b、13cの減圧段階の開始前の各ブラダ13a、13b、13c内の圧力である。
【0020】
圧迫ガーメント10は、着用者の脚の周りに配置可能な大腿部までの長さのスリーブであり、遠位ブラダ13aは着用者の足首の周りに、中間ブラダ13bは着用者のふくらはぎの周りに、近位ブラダ13cは着用者の大腿部の周りにある。膨張可能ブラダ13a、13b、13cは、コントローラ5と電気的に連通する加圧流体源21(例えば、ポンプ又は圧縮機)から送達される流体(例えば、空気又は他の流体)の影響を受けて膨張及び収縮する。加圧流体源21は、管23を通して膨張可能ブラダ13a、13b、13cに加圧流体(例えば、空気)を送達する。
【0021】
図2を参照すると、各膨張可能ブラダ13a、13b、13cは、それぞれの弁25a、25b、25cと流体連通している。圧力センサ27は、マニホールド29と連通(例えば、流体連通及び/又は機械的連通)し、マニホールド29内の圧力を示す信号を測定する。マニホールド29とそれぞれの膨張可能ブラダ13a、13b、13cとの間の流体連通は、それぞれの弁25a、25b、25cの位置の制御により(例えば、それぞれの弁25a、25b、25cの作動及び/又は非作動により)制御することができる。圧力センサ27は、プロセッサ7が圧力センサ27から、マニホールド29及び/又はそれぞれの弁25a、25b、25cの位置の結果としてマニホールド29との流体連通している1つ以上の膨張可能ブラダ13a、13b、13cの圧力を示す信号を受信するように、プロセッサ7と電気的に連通する。1つのブラダ13a、13b、又は13cのみがマニホールド29と流体連通している場合、圧力センサ27から受信した信号は、マニホールド29と流体連通しているそれぞれのブラダ13a、13b、13cの圧力を示す。例えば、圧力センサ27は、弁25aが開いており、弁25b、25cが閉じているときに、膨張可能ブラダ13a内の圧力を示す信号を提供する。同様に、圧力センサ27は、弁25bが開いており、弁25a及び25cが閉じているときに、ブラダ13b内の圧力を示す信号を提供する。同様に、圧力センサ27は、弁25cが開いており、弁25a及び25bが閉じているときに、膨張可能ブラダ13c内の圧力を示す信号を提供する。通気弁25dは、マニホールド29と周囲大気に通気する通気ポートとの間の流体連通を制御するように作動可能である。通気弁25dを用いてすべてのブラダ13a、13b、13cを通気することができる。
【0022】
各弁25a、25b、25cは、2方向/2位置常開ソレノイド弁である。各弁25a、25b、25cは、2つのポートを含み、第1開放位置において入口ポートをブラダポートと流体連通させるように作動可能である。各弁25a、25b、25cはさらに、入口ポートとブラダポートとの間の流体連通を遮断するように作動可能である。各弁25a、25b、25cの入口ポートは、加圧流体源21及びマニホールド29と流体連通している。各弁25a、25b、25cのブラダポートは、それぞれの膨張可能ブラダ13a、13b、13cと流体連通している。
【0023】
ブラダ13a、13b、13cのいずれか1つは、それぞれの弁25a、25b、25cによって加圧流体源21及びマニホールド29と流体連通して配置され、ブラダ13a、13b、13cに加圧流体を送達することができる。ブラダ13a、13b、13cが膨張した後、それぞれの弁25a、25b、25cを閉じて、それぞれのブラダ13a、13b、13c内に流体を保持することができる。したがって、圧迫ガーメント10のブラダ13a、13b、13cは、開かれた弁25a、25b、25cに関連付けられた1つのブラダ13a、13b、13cのみが加圧流体源21及びマニホールド29と流体連通するように、それぞれの弁25a、25b、25cを開き、他の弁25a、25b、25cを閉じることにより個別に膨張させることができる。
【0024】
通気弁25dも2方向/2位置常開ソレノイド弁である。通気弁25dは2つのポートを含み、第1の位置において入口ポートを通気ポートと流体連通させるように作動可能である。通気入口ポートは、第1の位置において通気ポートと流体連通している。通気弁25dはさらに、入口ポートと通気ポートとの間の流体連通を遮断するように作動可能である。通気弁25dの入口ポートは、加圧流体源21及びマニホールド29と流体連通している。通気弁25dの通気ポートは、周囲大気と流体連通している。
【0025】
当然のことながら、
図2の弁25a、25b、25c、25dは、本開示の範囲から逸脱することなく、他のタイプであることができ、圧迫システム1内に他の配置を有することができる。例えば、
図3を参照すると、弁は、3方向/2位置ソレノイド弁であり、通気弁なしでブラダ13a、13b、13c内の圧力を制御するように作動可能である、弁35a、35b、35cであることができる。
【0026】
再び
図2を参照すると、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体33上で具現化されるコンピュータ実行可能命令は、1つ以上のプロセッサ7に膨張可能ブラダ13a、13b、13cを加圧(例えば、膨張)させ、着用者の手足に周期的な治療的圧縮圧力を提供するための命令を含むことができる。例えば、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体33上に具現化されるコンピュータ実行可能命令は、1つ以上のプロセッサ7に加圧流体源21及び/又は弁25a、25b、25c、25dを制御させて膨張可能ブラダ13a、13b、13cを所定の時間、治療的圧縮圧力に加圧して、膨張可能ブラダ13a、13b、13cの下にある領域から手足の血液を移動させる。例えば、1つ以上のプロセッサ7は、タイマー31によって提供されるタイミング信号及び/又はタイミングデータを使用して、膨張可能ブラダ13a、13b、13cが加圧される時間を測定することができる。1つ以上の実施形態によれば、タイマー31は、クロック、1つ以上のタイマー回路(例えば、555タイマー集積回路など)、タイミングルーチンを備えるコンピュータ実行可能命令、及び/又は当業者によく知られている他のタイマーで構成することができる。ブラダ13a、13b、13cが圧縮圧力に保持される時間は、本明細書では減衰段階と呼ばれる。減衰段階に続くのは減圧段階である。コンピュータ実行可能命令は、1つ以上のプロセッサ7に加圧流体源21及び/又は弁25a、25b、25c、25dを制御させて、膨張可能ブラダ13a、13b、13c内の圧力をより低い圧力(例えば、大気圧)まで低下させる命令を含む。
【0027】
圧迫システム1は、その手足の周りに圧迫ガーメント10が付けられている(すなわち、巻き付けられた配置にある)着用者の血圧、脈拍数、呼吸数、末梢抵抗の変化、及び/又は動きを特定することができ、特定の実施形態において、その特定の表示を提供することができ、これは、例えば、圧迫ガーメント10で着用者のバイタルパラメータを監視すること、圧迫ガーメント10の処方された治療的使用に対する着用者のコンプライアンスを追跡することを容易にすることができる。例えば、圧迫ガーメント10によってバイタルパラメータを監視することは、圧迫ガーメント10に加えて血圧計などを利用することに起因する着用者の快適性への悪影響を軽減する。また、圧迫ガーメント10によってバイタルパラメータを監視することにより、医療従事者(例えば、看護師)が複数の医療デバイスを監視する必要性が低下し、情報の欠落やエラーの可能性が減少する。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体33上に具現化されるコンピュータ実行可能命令は、1つ以上のプロセッサ7に、圧迫システム1の治療サイクルの静的期間中に圧力センサ27から受信した圧力信号データを分析させる命令を含む。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体33上に具現化されるコンピュータ実行可能命令は、1つ以上のプロセッサ7に、着用者の心拍範囲に相関する圧力センサ27の出力の波形ピークを検出させ、波形ピークの周波数を特定させ、血圧推定のために振動振幅を評価させる命令を含む。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体33上に具現化されるコンピュータ実行可能命令は、1つ以上のプロセッサ7に、振動振幅の大きさに基づいて1つ以上のアルゴリズムを利用させてその手足の周りに圧迫ガーメント10が付けられている着用者の血圧を推定させる命令を含む。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体33上に具現化されるコンピュータ実行可能命令は、1つ以上のプロセッサ7に、振動振幅の大きさに基づく着用者の推定血圧をその手足の周りに圧迫ガーメント10が付けられている着用者の対応する動脈血圧と相関させる命令を含む。
【0028】
例示的な実施形態において、コンピュータ実行可能命令は、1つ以上のプロセッサ7に圧力センサ27から圧力信号データを受信させる。コンピュータ実行可能命令は、1つ以上のプロセッサ7に1つ以上のブラダ13a、13b、13c内の圧力を表す単一の波形を処理させる命令を含むことができる。当然のことながら、1つ以上のプロセッサ7は、本開示の範囲から逸脱することなく複数の波形を処理することができる。例えば、治療サイクルの静的期間中に圧力信号及び対応する圧力データを監視することにより、1つ以上のプロセッサ7は、着用者の心拍を示す波形上の特定の特徴を検出することができる。特定の実施形態において、静的期間中、圧力センサ27は、1つ以上のブラダ13a、13b、13cと一定の連通(例えば、流体連通及び/又は機械的連通)のままである(か又は意図的に一定の連通にされる)。例示的な静的期間は、非治療サイクル(例えば、ブラダ13a、13b、13c内の圧力が約25mmHg未満)、最初のガーメント検出期間のサブセット、治療サイクルの延長、及び/又は静脈補充測定期間を含む。
【0029】
3方向/2位置弁が利用される
図3の実施形態の例示的な動作では、コンピュータ可読記憶媒体33上に具現化されるコンピュータ実行可能命令は、圧力センサ27とブラダ13a、13b、13cの1つ以上との間に流体経路が確立されるように、1つ以上のプロセッサ7に特定のブラダ13a、13b、13cの1つ以上のための1つ以上の弁35a、35b、35cを作動させる命令を含む。
【0030】
2方向/2位置弁が利用される
図2の実施形態の例示的な動作では、コンピュータ可読記憶媒体33上に具現化されるコンピュータ実行可能命令は、マニホールド29がもはや通気できないように、1つ以上のプロセッサ7に通気弁25dを開閉させる命令を含む。1つ以上のコンピュータ実行可能命令は、1つ以上のプロセッサ7に、圧力センサ27から受信した信号が圧迫ガーメント10の着用者の心拍(すなわち、脈拍)の存在を示す振動特性(例えば、実質的に正弦波パターン)を含むか否かを判定させる。ある量の流体(例えば、空気)がブラダ13a、13b、13cの1つ以上及びマニホールド29内に保持されるので、圧迫ガーメントの着用者の脈拍は、全体的な圧力波形で運ばれる振動特性を備えた信号を生成することができる。当然のことながら、これらの振動特性は、全体的な圧力波形の信号処理によって抽出されることができる。
【0031】
図4Aを参照すると、典型的なブラダ膨張期間41及び圧力保持期間43中の圧力センサ27からの信号、圧迫ガーメント10の巻き付けられた配置のブラダ13a、13b、13cの1つの圧力プロファイルが示されている。この実施形態において、圧力保持期間43は、持続時間が約20秒であり、約200mmHgまで膨張したブラダ13a、13b、又は13cの1つを表す。いくつかの実施形態において、ブラダ13a、13b、又は13cは、着用者の血圧を検出するために約160mmHg以上まで膨張させることができる。
【0032】
次に
図4Bを参照すると、圧力保持期間43中の受信圧力信号の典型的なサブセット部分が示されている。本明細書での説明のために、
図4Bの圧力保持期間43のサブセット部分を対象サブセット信号と称する。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体33上に具現化されるコンピュータ実行可能命令は、1つ以上のプロセッサ7にブラダ膨張期間41及び圧力保持期間43中のブラダ圧力を示す圧力センサ27からの信号を受信させる命令を含む。コンピュータ実行可能命令は、1つ以上のプロセッサ7に圧力センサ27からの信号を精製させ、圧力保持期間43中に受信した信号から、典型的な人間の心臓周期に関連する周波数を抽出させる命令をさらに含むことができる。例えば、1つ以上のプロセッサ7は、0.5Hzから25Hzの範囲の周波数を(例えば、帯域通過フィルタ処理により)抽出することができる。
【0033】
図4Cは、関連する周波数範囲(例えば、0.5Hzから25Hz)が抽出されるように圧力保持期間43の対象信号に適用された帯域通過フィルタ処理技術の結果である波形43’を示す。いくつかの実施形態において、フィルタ処理された信号43’は、着用者の脈拍に関連する振動を明確にし、振動が表示装置によって表示されるときによりよく見られるようにする。追加又は代替として、1つ以上のプロセッサ7は、着用者の脈拍に関連しない周波数を除去するために信号43をフィルタ処理し、結果として生じるフィルタ処理された信号43’に関連するデータが、以下でさらに詳しく説明するように、ピーク検出及びコンプライアンス監視アルゴリズムの一部として1つ以上のプロセッサ7によってさらに分析されるようにする。当然のことながら、本明細書に記載されるように、1つ以上のプロセッサ7は、圧迫ガーメント10の着用者の実際の心拍数ではなく、着用者の心拍に関連する脈動を検出する。
【0034】
図4Dを参照すると、対象の帯域通過フィルタ処理された信号を示す波形43’のサブセット部分(例えば、
図4Cの部分拡大図)が示されている。
【0035】
図5は、圧力センサ27から受信した波形データを分析して、その手足の周りに圧迫ガーメント10が付けられている着用者の心拍に関連する脈動を検出することにより、着用者の血圧及び/又は脈拍数を特定する例示的な方法500の概略図である。この例示的な方法は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体33上で具現化されるためのコンピュータ実行可能命令の実行によって1つ以上のプロセッサ7により行われることができる。
【0036】
1つ以上のプロセッサ7は、コンピュータ実行可能命令を実行して、初期圧力をサンプリングする502。いくつかの実施形態において、初期圧力サンプリングは100Hz以上の頻度で行われ、典型的な信号調整はベースラインノイズを除去するために使用される。追加又は代替として、サンプリング502は、低カットオフ(例えば、0.25Hz)のすぐ下の周波数の減衰を含むように拡張されてもよい。
【0037】
後処理波形分析504は、帯域通過フィルタ506と、追加のフィルタ処理508と、ピーク検出510とをさらに含む。帯域通過フィルタ506の間、対象の信号は、人間の着用者の典型的な心拍数範囲に関連する典型的な周波数の範囲(例えば、人間の着用者の場合は0.5~25Hz)で帯域通過フィルタ処理技術を用いてフィルタ処理される。
【0038】
追加のフィルタ処理508の間、帯域通過フィルタ処理された信号のピークはさらに精製される。追加のフィルタ処理は、フィルタ処理された値を生成するために5Hzのカットオフを有する低域通過フィルタを含むことができる。追加又は代替として、追加のフィルタ処理は、フィルタ処理された値を生成するために移動範囲の最新の5つのサンプルを使用する平滑化アルゴリズムを含むことができる。当然のことながら、追加のフィルタ処理ステップ508の間に、帯域通過フィルタ処理された信号に複数のフィルタ処理技術を適用することができる。
【0039】
ピーク検出510の間に、フィルタ処理された信号のピークが典型的な人間の着用者の心拍範囲に対応することを確認するためにピーク検出が行われる。ピーク検出510は、所定の閾値に基づくことができる(例えば、0.05mmHgよりも大きい大きさのピークのみを見る)。追加又は代替として、ピーク検出510は、大きさに関係なく、(例えば、マージンのために30~120bpmに拡大された)典型的な人間の着用者の心拍範囲内の周波数を有する繰り返し信号の検査に基づくことができる。例えば、典型的な人間の着用者の心拍範囲内の周波数の繰り返し信号が検出されることを確認するために、周波数分析計算を行うことができる。追加又は代替として、ピーク検出510は、最高のピークと、それらのピークの周波数が典型的な人間の着用者の予想される心拍範囲内にあることを確認することとに基づくことができる。当然のことながら、ピーク検出510中に複数のピーク検出技術を使用することができる。いくつかの実施形態において、ピーク検出510は、所定の閾値に基づき、かつ最高のピークと、それらのピークの周波数が典型的な人間の着用者の予想される心拍範囲内にあることを確認することとに基づくピーク検出の組み合わせを含む。これは、信号ノイズ比が十分に高いため、脈拍がはっきりとわかるからである。
【0040】
コンピュータ実行可能命令は、1つ以上のプロセッサ7に、ピーク検出510中に着用者の脈拍の特徴が検出されたか否かを判定512させる。脈拍の特徴が存在すると判定512された場合、肯定判定の結果を表示516することができる。例えば、表示516は、圧迫システム1に関連する表示装置に視覚的な表示を送信することを含むことができる。追加又は代替として、表示516は、タイマー(例えば、タイマー31)のインクリメント及び/又は一時停止を含むことができる。追加又は代替として、脈拍の特徴が存在すると判定512された場合、コンピュータ実行可能命令は、1つ以上のプロセッサ7に、特定された血圧を着用者の動脈血圧と相関させる。表示516すると、プロセスはステップ518で終了し、ステップ502に戻る。ステップ512でインパルスが検出されない場合、コンピュータ実行可能命令は、ステップ514で1つ以上のプロセッサ7にヌル値を返させる。ステップ514の後、プロセスはステップ518で終了し、サンプリング502に戻る。
【0041】
一態様において、ガーメントの着用者に圧迫療法治療を提供するためにガーメントの少なくとも1つのブラダ(例えば、ブラダ13a、13b、13c)の膨張及び収縮を制御するためのコントローラ(例えば、コントローラ5)が、1つ以上のプロセッサ(例えば、プロセッサ7)、及び非一時的なコンピュータ可読記憶媒体(例えば、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体33)を含む。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上のプロセッサに、圧力センサ(例えば、圧力センサ27)から、ガーメントの少なくとも1つのブラダ内の流体圧力を示す信号を受信させ、受信した信号が時間の関数(例えば、タイマー31によって提供されるタイミング信号及び/又はタイミングデータ)として振動振幅を含むか否かを判定させるためのコンピュータ実行可能命令を含む。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体はまた、受信した信号が時間の関数として振動振幅を含むか否かの判定に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上のプロセッサにガーメントの着用者の血圧を推定させるためのコンピュータ実行可能命令を含む。
【0042】
いくつかの実施形態において、流体圧力を示す信号を受信するための命令は、少なくとも1つのブラダが膨張している間に流体圧力を示す信号を受信するための命令を含む。
【0043】
特定の実施形態において、流体圧力を示す信号を受信するための命令は、少なくとも1つのブラダが実質的に一定の圧力で膨張している間に流体圧力を示す信号を受信するための命令を含む。
【0044】
いくつかの実施形態において、実質的に一定の圧力は、判定の期間にわたって10パーセント未満だけ変化する。
【0045】
特定の実施形態において、流体圧力を示す信号を受信するための命令は、約5秒よりも長く約60秒よりも短い期間にわたって流体圧力を示す信号を受信するための命令を含む。
【0046】
いくつかの実施形態において、流体圧力を示す信号を受信するための命令は、所定の間隔で流体圧力を示す信号を受信するための命令を含む。
【0047】
特定の実施形態において、流体圧力を示す信号を受信するための命令は、少なくとも1つのブラダの治療的圧迫サイクル間に信号を受信するための命令を含む。
【0048】
いくつかの実施形態において、流体圧力を示す信号を受信するための命令は、少なくとも部分的にユーザー入力に基づいて信号を受信するための命令を含む。
【0049】
特定の実施形態において、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上のプロセッサに圧迫ガーメントの少なくとも1つのブラダが圧力センサと連通しているか否かを検出させるためのコンピュータ実行可能命令をさらに含み、流体圧力を示す信号を受信するための命令は、少なくとも1つのブラダと圧力センサとの間の連通の検出に少なくとも部分的に基づいて信号を受信するための命令を含む。
【0050】
いくつかの実施形態において、圧迫ガーメントと圧力センサとの間で検出される連通は、流体連通である。
【0051】
特定の実施形態において、流体圧力を示す信号を受信するための命令は、少なくとも1つのブラダが非治療圧力まで膨張している間に流体圧力を示す信号を受信するための命令を含む。
【0052】
いくつかの実施形態において、非治療圧力は約160mmHg以上である。
【0053】
特定の実施形態において、流体圧力を示す信号を受信するための命令は、第1のブラダ内の流体圧力を示す第1の信号を受信し、第2のブラダ内の流体圧力を示す第2の信号を受信するための命令を含み、受信した信号が振動振幅を含むか否かを判定するための命令は、第1の信号及び第2の信号がそれぞれ振動振幅を含むか否かを判定するための命令を含む。
【0054】
いくつかの実施形態において、受信した信号が振動振幅を含むか否かを判定するための命令は、約0.5Hzから約25Hzの周波数を抽出するために受信した信号を帯域通過フィルタ(例えば、帯域通過フィルタ506)処理するための命令を含む。
【0055】
特定の実施形態において、受信した信号が振動振幅を含むか否かを判定するための命令は、帯域通過フィルタ処理された信号を平滑化する(例えば、追加のフィルタ処理508)ための命令をさらに含む。
【0056】
いくつかの実施形態において、受信した信号が振動振幅を含むか否かを判定するための命令は、帯域通過フィルタ処理された信号を約5Hz以下の周波数で低域通過フィルタ処理する(例えば、追加のフィルタ処理508)ための命令をさらに含む。
【0057】
特定の実施形態において、受信した信号が振動振幅を含むか否かを判定するための命令は、信号のピークを検出する(例えば、ピーク検出510)ための命令を含む。
【0058】
いくつかの実施形態において、信号のピークを検出するための命令は、約0.5Hzから約4Hzの周波数範囲でピークを検出するための命令を含む。
【0059】
特定の実施形態において、信号のピークを検出するための命令は、約0.05mmHgを超える流体圧力の変動に対応するピークを検出するための命令を含む。
【0060】
いくつかの実施形態において、受信した信号が振動振幅を含むか否かを判定するための命令は、約0.5Hzから約4Hzの周波数範囲内で繰り返し信号を検出するための命令を含む。
【0061】
特定の実施形態において、受信した信号の時間の関数としての振動振幅は、ガーメントの着用者の脈拍を表す。
【0062】
いくつかの実施形態において、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、推定された血圧を着用者の動脈血圧と相関させるためのコンピュータ実行可能命令をさらに含む。
【0063】
別の態様において、システム(例えば、圧迫システム1)は、少なくとも1つの膨張及び収縮可能なブラダ(例えば、ブラダ13a、13b、13c)を含む圧迫ガーメント(例えば、圧迫ガーメント10)を含み、圧迫ガーメントは着用者の1つ以上の手足の周りに固定可能である。システムは、ガーメントの着用者に圧迫療法治療を提供するためにガーメントの少なくとも1つのブラダの膨張及び収縮を制御するためのコントローラ(例えば、コントローラ5)をさらに含む。コントローラ5は、1つ以上のプロセッサ(例えば、プロセッサ7)と、1つ以上のプロセッサに、圧力センサ(例えば、圧力センサ27)から、ガーメントの少なくとも1つのブラダ内の流体圧力を示す信号を受信させ、受信した信号が時間(例えば、タイマー31によって提供されるタイミング信号及び/又はタイミングデータ)の関数として振動振幅を含むか否かを判定させるための命令を含むメモリ(例えば、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体33)とを含む。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体はまた、受信した信号が時間の関数として振動振幅を含むか否かの判定に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上のプロセッサにガーメントの着用者の血圧を推定させるためのコンピュータ実行可能命令を含む。例えば、これは、下にある動脈血管をつぶすのに十分な圧力までブラダを膨張させる振動測定法を含むことができる。一実施形態において、つぶれ圧は収縮期圧と呼ばれ、最大脈動振幅をもたらす圧力は平均動脈圧と呼ばれる。代替技術は、脈波速度理論を活用して、より連続的な血圧測定を提供することができる。例えば、振動波形はまずブラダの1つで測定され、第2のブラダを使用して、同じ圧力波形が動脈樹に沿って第2のブラダまで移動するのにかかる時間を測定する。所要時間が短いほど、根本的な圧力は高くなる。さらに別の実施形態において、第1のブラダの膨張プロファイルを使用して、第2のブラダにおける測定信号を生成することができる。その結果、既知の生成された信号を使用して、患者の動きに関連するノイズをキャンセルし、根本的な血圧波形の忠実度を向上させることができる。
【0064】
特定の実施形態において、システムは、ポンプ(例えば、加圧流体源21)と、ポンプ及び少なくとも1つの膨張及び収縮可能なブラダと流体連通する少なくとも1つの弁(例えば、弁25a、25b、25c)とをさらに含む。少なくとも1つの弁は、コントローラと電気的に連通し、コントローラの非一時的なコンピュータ可読記憶媒体はまた、1つ以上のプロセッサに少なくとも1つの弁を作動させてポンプと少なくとも1つの膨張及び収縮可能なブラダとの間の流体連通を制御させるためのコンピュータ実行可能命令を含む。
【0065】
いくつかの実施形態において、システムはまた、少なくとも1つの膨張及び収縮可能なブラダと流体連通するポンプを含む。ポンプはコントローラと電気的に連通し、コントローラの非一時的なコンピュータ可読記憶媒体はまた、1つ以上のプロセッサにポンプの速度を調節させるためのコンピュータ実行可能命令を含む。
【0066】
特定の実施形態において、少なくとも1つの膨張及び収縮可能なブラダは、着用者の手足の周りに固定されると、着用者の手足の一部(例えば、周囲まで及び周囲を含む)の周りに少なくとも部分的に延びる。
【0067】
別の態様において、着用者に圧迫療法治療を提供するためにガーメント(例えば、圧迫ガーメント10)の少なくとも1つのブラダ(例えば、ブラダ13a、13b、13c)の膨張及び収縮を制御するためのコントローラ(例えば、コントローラ5)が、1つ以上のプロセッサ(例えば、プロセッサ7)と、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体(例えば、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体33)とを含む。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、1つ以上のプロセッサに、圧力センサ(例えば、圧力センサ27)から、ガーメントの少なくとも1つのブラダ内の流体圧力を示す信号を受信させ、受信した信号が着用者の脈拍の表示を含むか否かを判定させるためのコンピュータ実行可能命令を含む。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体はまた、受信した信号が着用者の脈拍を示す信号を含むか否かの判定に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上のプロセッサにガーメントの着用者の血圧を特定させるためのコンピュータ実行可能命令を含む。
【0068】
いくつかの実施形態において、流体圧力を示す信号を受信するための命令は、少なくとも1つのブラダが膨張している間に流体圧力を示す信号を受信するための命令を含む。
【0069】
特定の実施形態において、流体圧力を示す信号を受信するための命令は、少なくとも1つのブラダが実質的に一定の圧力で膨張している間に流体圧力を示す信号を受信するための命令を含む。
【0070】
いくつかの実施形態において、受信した信号が着用者の脈拍の表示を含むか否かを判定するための命令は、約0.5Hzから約4Hzの周波数範囲内で繰り返し信号を検出するための命令を含む。
【0071】
特定の実施形態において、コンピュータ実行可能命令は、特定された血圧を着用者の動脈血圧と相関させるための命令を含む。
【0072】
別の態様において、システム(例えば、圧迫システム1)は、少なくとも1つの膨張及び収縮可能なブラダ(例えば、ブラダ13a、13b、13c)を含む圧迫ガーメント(例えば、圧迫ガーメント10)を含み、圧迫ガーメントは着用者の手足の周りに固定可能である。システムは、ガーメントの着用者に圧迫療法治療を提供するためにガーメントの少なくとも1つのブラダの膨張及び収縮を制御するためのコントローラ(例えば、コントローラ5)をさらに含む。コントローラは、1つ以上のプロセッサ(例えば、プロセッサ7)と、1つ以上のプロセッサに、圧力センサ(例えば、圧力センサ27)から、ガーメントの少なくとも1つのブラダ内の流体圧力を示す信号を受信させ、受信した信号が着用者の脈拍の表示を含むか否かを判定させるための命令を含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体(例えば、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体33)とを含む。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体はまた、受信した信号が着用者の脈拍を示す信号を含むか否かの判定に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上のプロセッサにガーメントの着用者の血圧を特定させるためのコンピュータ実行可能命令を含む。
【0073】
いくつかの実施形態において、システムはまた、ポンプ(例えば、加圧流体源21)と、少なくとも1つの弁(例えば、弁25a、25b、25c)とを含む。少なくとも1つの弁は、ポンプ及び少なくとも1つの膨張及び収縮可能なブラダと流体連通している。少なくとも1つの弁はまた、コントローラと電気的に連通している。コントローラの非一時的なコンピュータ可読記憶媒体はまた、1つ以上のプロセッサに少なくとも1つの弁を作動させてポンプと少なくとも1つの膨張及び収縮可能なブラダとの間の流体連通を制御させるためのコンピュータ実行可能命令を含む。
【0074】
特定の実施形態において、システムはまた、少なくとも1つの膨張及び収縮可能なブラダと流体連通するポンプを含む。ポンプはコントローラと電気的に連通している。コントローラの非一時的なコンピュータ可読記憶媒体はまた、1つ以上のプロセッサにポンプの速度を調節させるためのコンピュータ実行可能命令を含む。
【0075】
実施形態は、以下の利点のうちの1つ以上を含むことができる。
【0076】
いくつかの実施形態において、着用者の血圧の特定は、静的期間中の圧迫ガーメントの膨張可能ブラダ内の圧力を示す信号を用いて行われ、着用者の血圧のリアルタイムの自動表示を提供する。介護者が行う複数の医療デバイスの監視と比較して、本明細書に記載の着用者の血圧のリアルタイムの自動表示は、より正確な血圧測定、治療プロトコルへの患者のコンプライアンスのより正確な表示を提供することができ、かつ/又は、患者のバイタルパラメータの監視に関して介護者の負担を軽減することができる。治療を受けている着用者のバイタルパラメータを監視するのに比べて、本明細書に記載の着用者の血圧の表示は、最小限の機器及び改善された快適さで着用者のバイタルパラメータの監視を提供することができる。
【0077】
特定の実施形態について説明したが、追加又は代替として他の実施形態も可能である。
【0078】
圧迫システムは、大腿部までの長さの圧迫スリーブと共に使用されるものとして説明されているが、当然のことながら、圧迫システムは、追加又は代替として他のタイプの圧迫ガーメントと共に使用されることができる。例えば、圧迫システムは、大腿部までの長さの圧迫スリーブ及び/又は着用者の身体の異なる領域に配置されるように構成された異なる数のブラダを有するスリーブと共に使用されることができる。
【0079】
実施形態は、デジタル電子回路、又はコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせに実装されることができる。圧迫システムのコントローラは、プログラム可能なプロセッサによる実行のために、機械可読記憶装置内に有形に実施され又は格納されるコンピュータプログラム製品に実装されることができ、方法の動作は、命令のプログラムを実行するプログラム可能なプロセッサが、入力データで動作して出力を生成することにより、圧迫システムのコントローラの機能を実行することで行われることができる。圧迫システムのコントローラは、データストレージシステム及び少なくとも1つの入力デバイスからデータ及び命令を受信し、データストレージシステム及び少なくとも1つの出力デバイスにデータ及び命令を送信するように連結された少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサを含むプログラム可能なシステムで実行可能な1つ以上のコンピュータプログラムに実装されることができる。各コンピュータプログラムは、高レベルの手続き型プログラミング言語もしくはオブジェクト指向プログラミング言語で、又は必要に応じてアセンブリ言語又は機械言語で実装されることができる。いずれにせよ、言語はコンパイルされた言語又はインタープリター言語であり得る。
【0080】
適切なプロセッサは、例として、専用マイクロプロセッサを含む。一般に、プロセッサは読み取り専用メモリやランダムアクセスメモリから命令及びデータを受け取る。一般に、コンピュータはデータファイルを保存するための1つ以上の大容量ストレージデバイスを含む。このようなデバイスは、内蔵ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、及び光ディスクを含む。コンピュータプログラムの命令及びデータを有形に実施するのに適したストレージデバイスは、例として、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイスなど、すべての形式の不揮発性メモリ、内蔵ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、及びCD-ROMディスクを含む。前述のいずれも、ASIC(特定用途向け集積回路)又はFPGA(フィールドプログラマブルロジックアレイ)によって補完され又はそれらに組み込まれることができる。
【0081】
多くの実施形態が説明された。それでもなお、本開示の主旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正を行い得ることが理解されるであろう。例えば、単一の圧力センサを備えたコントローラについて説明したが、本開示の範囲から逸脱することなく、追加の圧力センサ(例えば、各膨張可能ブラダに1つ)を使用することができる。したがって、他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内にある。