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特許7280329Yポート・ニードル・フリー・コネクターを備えた閉鎖式IVアクセス・デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-15
(45)【発行日】2023-05-23
(54)【発明の名称】Yポート・ニードル・フリー・コネクターを備えた閉鎖式IVアクセス・デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/26 20060101AFI20230516BHJP
   A61M 39/10 20060101ALI20230516BHJP
   A61M 39/24 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
A61M39/26
A61M39/10 120
A61M39/24
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021177076
(22)【出願日】2021-10-29
(62)【分割の表示】P 2018521913の分割
【原出願日】2016-10-07
(65)【公開番号】P2022009711
(43)【公開日】2022-01-14
【審査請求日】2021-10-29
(31)【優先権主張番号】62/247,690
(32)【優先日】2015-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バークホルツ、ジョナサン カール
(72)【発明者】
【氏名】マンスール、ジョージ ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】イエ、ジョナサン
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-505551(JP,A)
【文献】特表2015-505485(JP,A)
【文献】特開2013-022415(JP,A)
【文献】特開2013-059390(JP,A)
【文献】特表平11-507275(JP,A)
【文献】特開平09-108361(JP,A)
【文献】特表2005-524497(JP,A)
【文献】特表2012-521797(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0027270(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/26
A61M 39/10
A61M 39/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングであって、前記ハウジングは、前記ハウジングの上側部分に第1の入力ポートを含み、また、前記ハウジングの前記上側部分の側壁部から所定の角度で延在している第2の入力ポートを含む、ハウジングと、
前記ハウジングの中に長手方向に配設されている圧縮可能なシーリング部材が圧縮されているときに、前記圧縮可能なシーリング部材が前記第2の入力ポートを封鎖することを防止するために、前記ハウジングの前記第2の入力ポートにおいて前記上側部分の前記側壁部を横切って延在しているスタンドオフ・フィーチャーと、
前記第1および第2の入力ポートに流体連結されている出力ポートと
を含む、ニードル・フリー・コネクター。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記第1の入力ポートおよび前記第2の入力ポートに流体連結されているチャンバーを画定する内部表面を含み、前記圧縮可能なシーリング部材は、前記ハウジングの前記チャンバーの中に長手方向に配設されている、請求項1に記載のニードル・フリー・コネクター。
【請求項3】
前記スタンドオフ・フィーチャーは、開口部を有する多孔性のスクリーンを含み、流体が前記開口部を通って流れることを可能にする、請求項2に記載のニードル・フリー・コネクター。
【請求項4】
前記多孔性のスクリーンは、前記第2の入力ポートから前記チャンバーの中へ延在することが可能であり、前記圧縮可能なシーリング部材の圧縮の間に、前記圧縮可能なシーリング部材の移動を阻止またはガイドする、請求項3に記載のニードル・フリー・コネクター。
【請求項5】
前記スタンドオフ・フィーチャーは、前記ハウジングの上側部分の内側壁部から延在する突出部を含む、請求項2に記載のニードル・フリー・コネクター。
【請求項6】
前記突出部は、前記ハウジングの前記上側部分の前記内側壁部から前記チャンバーの中へ延在し、前記圧縮可能なシーリング部材の圧縮の間に、圧縮可能なシーリング部材の移動を阻止またはガイドする、請求項5に記載のニードル・フリー・コネクター。
【請求項7】
前記圧縮可能なシーリング部材は、非圧縮状態および圧縮状態を有しており、前記非圧縮状態では、前記圧縮可能なシーリング部材が、前記第1の入力ポートをシールし、前記圧縮状態は、前記第1の入力ポートと前記出力ポートとの間の連続的な流体通路を可能にする、請求項5に記載のニードル・フリー・コネクター。
【請求項8】
前記連続的な流体通路は、第1の連続的な流体通路を含み、前記ニードル・フリー・コネクターは、前記第2の入力ポートと前記出力ポートとの間に第2の連続的な流体通路をさらに含む、請求項に記載のニードル・フリー・コネクター。
【請求項9】
前記ニードル・フリー・コネクターは、前記チャンバーのフラッシングを促進させる、前記第2の入力ポートから前記チャンバーの中への第3の連続的な流体通路をさらに含む、請求項に記載のニードル・フリー・コネクター。
【請求項10】
前記圧縮可能なシーリング部材は、ポジティブ・ディスプレイスメント・バルブまたはネガティブ・ディスプレイスメント・バルブの圧縮可能なシーリング部材を形成している、請求項2に記載のニードル・フリー・コネクター。
【請求項11】
前記ハウジングは、長手方向軸線を有する細長い中央部分を含み、前記第1の入力ポートは、前記長手方向軸線に沿って形成されているニードル・フリー・バルブを含み、前記第2の入力ポートは、前記細長い中央部分の側壁部からのチューブ状のエクステンションを含む、請求項1に記載のニードル・フリー・コネクター。
【請求項12】
患者流体送達システムであって、前記患者流体送達システムは、
流体供給源から患者へ流体を提供するように構成されているチュービングと、
前記流体供給源と前記チュービングとの間に連結するように構成されているニードル・フリー・コネクターと
を含み、前記ニードル・フリー・コネクターは、
ハウジングと、
前記ハウジングの中の第1の入力ポートと、
前記ハウジングの中の第2の入力ポートと、
前記第1の入力ポートおよび前記第2の入力ポートに流体連結されている出力ポートと、
前記上側ハウジングの中に長手方向に配設されている圧縮可能なシーリング部材であって、前記圧縮可能なシーリング部材は、非圧縮状態および圧縮状態を有しており、前記非圧縮状態では、前記圧縮可能なシーリング部材が、前記第1の入力ポートをシールし、前記圧縮状態は、前記第1の入力ポートと前記出力ポートとの間の連続的な流体通路を可能にする、圧縮可能なシーリング部材と、
前記圧縮可能なシーリング部材が圧縮されているときに、前記圧縮可能なシーリング部材が前記第2の入力ポートを封鎖することを防止するために、前記第2の入力ポートにおいて前記ハウジングの中に配設されているスタンドオフ・フィーチャーと
を含む、患者流体送達システム。
【請求項13】
前記非圧縮状態において、前記圧縮可能なシーリング部材は、前記ハウジングの上部表面と共通の平面において、平面的なスワバブル表面(1200)を形成する、請求項12に記載の患者流体送達システム。
【請求項14】
前記第2の入力ポートは、オープンLuerアクセス・ポートを含む、請求項12に記載の患者流体送達システム。
【請求項15】
前記オープンLuerアクセス・ポートは、ネジ山付きのLuerポートを含む、請求項14に記載の患者流体送達システム。
【請求項16】
前記チュービングに一体的に取り付けられているカテーテル・アッセンブリをさらに含む、請求項12に記載の患者流体送達システム。
【請求項17】
前記カテーテル・アッセンブリは、パドル・グリップ、ストレート・グリップ、またはポーテッド・グリップを有する、ニードル・ハブを含む、請求項16に記載の患者流体送達システム。
【請求項18】
前記第2の入力ポートをシールするように構成されている端部キャップをさらに含む、請求項17に記載の患者流体送達システム。
【請求項19】
前記第2の入力ポートの中の抗菌性コーティングまたは抗菌性インサート・リングと、
前記圧縮可能なシーリング部材の上の抗菌性潤滑剤と
をさらに含む、請求項12に記載の患者流体送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ニードル・フリー・コネクターに関し、より具体的には、複数のポートを備えたニードル・フリー・コネクターに関する。
【背景技術】
【0002】
ニードル・フリーポートは、静脈内(IV)流体送達システムの中で一般的に使用されている。いくつかの状況において、複数の異なる流体を患者に提供することができることが望ましい。複数の入力ポートを備えたニードル・フリーポートが開発されてきた。しかし、そのような従来の複数の入力デバイスに接続するとき、および、それらから切り離すときに、注意が払われない場合には、切り離しのときの微生物侵入、定着、および血液逆流のリスクが高くなる可能性がある。したがって、改善されたマルチ・ポート・コネクターを提供することができることが望ましいこととなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
マルチ・ポート・コネクターには、一次的な流体経路のバルブ・コンポーネントの遠位に進入する二次的な流体経路が設けられる場合がある。しかし、この構成では、十分なフラッシング(flushing)を妨げる複雑な内部流体幾何学形状が生成される可能性があり、したがって、マルチ・ポート・コネクターの中の微生物定着のリスクを与える。本開示のさまざまな態様によれば、一次的な流体経路および二次的な流体経路を含むマルチ・ポート・コネクターが提供され得り、二次的な流体経路は、たとえば、yポートなどであり、yポートは、コネクターのフラッシャビリティーを改善するように、したがって、微生物定着のリスクを低減させるように、コネクターにアクセスする。
【0004】
いくつかの態様によれば、ハウジングと、ハウジングの中の第1の入力ポートと、ハウジングの中の第2の入力ポートと、第1の入力ポートおよび第2の入力ポートに流体連結されている、ハウジングの中のチャンバーと、チャンバーに流体連結されている出力ポートとを含む、ニードル・フリー・コネクターが提供される。
【0005】
他の態様によれば、ニードル・フリー・コネクターのためのハウジングであって、ハウジングは、長手方向軸線を有する細長い中央部分と、長手方向軸線に沿って形成されているニードル・フリー・バルブと、長手方向軸線に沿って形成されている出力ポートと、細長い中央部分の側壁部からのエクステンションを含むオープンLuerポートと、細長い中央部分の中のチャンバーであって、チャンバーは、ニードル・フリー・バルブ、オープンLuerポート、および出力ポートに流体連結されている、チャンバーとを含む、ハウジングが提供される。
【0006】
他の態様によれば、患者流体送達システムであって、患者流体送達システムは、流体を含有するように構成されている少なくとも1つの流体供給源と、流体を患者へ提供するように構成されているチュービングと、少なくとも1つの流体供給源とチュービングとの間に連結するように構成されているニードル・フリー・コネクターとを含み、ニードル・フリー・コネクターは、ハウジングと、ハウジングの中の第1の入力ポートと、ハウジングの中の第2の入力ポートと、第1の入力ポートおよび第2の入力ポートに流体連結されている、ハウジングの中のチャンバーと、チャンバーに流体連結されている出力ポートと、ハウジングの中の圧縮可能なシーリング部材であって、圧縮可能なシーリング部材は、非圧縮状態および圧縮状態を有しており、非圧縮状態では、圧縮可能なシーリング部材が、第1の入力ポートをシールし、圧縮状態は、第1の入力ポートと出力ポートとの間の連続的な流体通路を可能にする、圧縮可能なシーリング部材とを含む、患者流体送達システムが提供される。
【0007】
他の態様によれば、ニードル・フリー・コネクターの第1の入力ポートから、コネクターのチャンバーを通して、コネクターの出力ポートへ、第1の流体を提供するステップと、コネクターの第2の入力ポートからチャンバーを通して出力ポートへ第2の流体を提供するステップとを含む、方法が提供される。
【0008】
他の態様によれば、側壁部を有する下側ハウジングと、ニードル・フリー・バルブであって、ニードル・フリー・バルブは、上側ハウジング、および、上側ハウジングと下側ハウジングとの間に配設されている圧縮可能なシーリング部材を有する、ニードル・フリー・バルブと、下側ハウジングの一部分から形成されているyポートであって、yポートは、下側ハウジングの側壁部から非平行の角度で延在している、yポートと、下側ハウジングの中の出力ポートであって、出力ポートは、ニードル・フリー・バルブおよびyポートに流体連結されている、出力ポートとを含む、ニードル・フリー・コネクターが提供される。
【0009】
主題の技術のさまざまな構成は、本開示から当業者に容易に明らかになることとなり、主題の技術のさまざまな構成が、例証として示されて説明されているということが理解される。認識されることとなるように、主題の技術は、他の構成および異なる構成が可能であり、そのいくつかの詳細は、主題の技術の範囲から全く逸脱することなく、さまざまな他の観点において修正が可能である。したがって、概要、図面、および詳細な説明は、本質的に例示目的としてみなされるべきであり、限定的なものとしてみなされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付の図面は、さらなる理解を提供するために含まれ、本明細書の中に組み込まれ、本明細書の一部を構成しており、添付の図面は、開示されている実施形態を図示しており、説明とともに、開示されている実施形態の原理を説明する役割を果たしている。
【0011】
図1】本開示の態様による、ニードル・フリー・コネクターを有するIVシステムの例を図示する図である。
図2】本開示の態様による、ニードル・フリー・コネクターの例を図示する図である。
図3】従来のコネクターを図示する図である。
図4】本開示の態様による、ニードル・フリー・コネクターの流体経路の例を図示する図である。
図5】本開示の態様による、ポジティブ・ディスプレイスメント(positive displacement)・ニードル・フリー・バルブおよびネガティブ・ディスプレイスメント(negative-displacement)・ニードル・フリー・バルブとして実装される第1の入力ポートを有するニードル・フリー・コネクターの例の斜視図を図示する図である。
図6】本開示の態様による、図5のニードル・フリー・コネクターの側面図を図示する図である。
図7】本開示の態様による、図5のネガティブ・ディスプレイスメント・ニードル・フリー・バルブの拡大斜視図を図示する図である。
図8】本開示の態様による、複数のニードル・フリー・コネクターを有するシステムの例の斜視図を図示する図である。
図9】本開示の態様による、図8のニードル・フリー・コネクターのうちの1つの側面図を図示する図である。
図10】本開示の態様による、図9のコネクターの分解側面図を図示する図である。
図11】本開示の態様による、第1および第2の入力ポートならびに出力ポートを有するニードル・フリー・コネクターの2つの追加的な実施形態を示す図である。
図12】本開示の態様による、ニードル・フリー・コネクターの断面図を示す図である。
図13】本開示の態様による、端部キャップがコネクターのyポートの上にある状態の、図12のコネクターの断面図を示す図である。
図14】本開示の態様による、図12のコネクターの斜視図を図示する図である。
図15】本開示の態様による、図13のコネクターの斜視図を示す図である。
図16】本開示の態様による、上側ハウジングと、中間ハウジングと、yポートを備えた下側ハウジングとを有する、ニードル・フリー・コネクターの分解斜視図を図示する図である。
図17】本開示の態様による、上側ハウジングと、yポートを備えた下側ハウジングとを有する、ニードル・フリー・コネクターの分解斜視図を図示する図である。
図18】本開示の態様による、yポートを備えた上側ハウジングと、下側ハウジングとを有する、ニードル・フリー・コネクターの分解斜視図を図示する図である。
図19】本開示の態様による図16図17、および図18のコネクターの側面図を図示する図である。
図20】本開示の態様による、図16図17、および図18のコネクターの斜視上面図を図示する図である。
図21】本開示の態様による、ニードル・フリー・コネクターの例の斜視底面図を図示する図である。
図22】本開示の態様による、端部キャップがyポートの上にある状態のニードル・フリー・コネクターの例の斜視底面図を図示する図である。
図23】本開示の態様による、端部キャップがyポートの上にあり、ニードルレス・シリンジがニードル・フリー・バルブに取り付けられている状態の、ニードル・フリー・コネクターの例の斜視図を図示する図である。
図24】本開示の態様による、第1のニードルレス・シリンジがニードル・フリー・バルブに取り付けられており、また、第2のニードルレス・シリンジがyポートに取り付けられている状態の、ニードル・フリー・コネクターの例の斜視図を図示する図である。
図25】本開示の態様による、上側ハウジングと、中間ハウジングと、yポートを備えた下側ハウジングとを有する、ニードル・フリー・コネクターの例の分解側面斜視図を示す図である。
図26】本開示の態様による、組み立てられた構成になっている、図25のニードル・フリー・コネクターの側面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
下記に述べられている詳細な説明は、主題の技術のさまざまな構成を説明しており、主題の技術が実施され得る唯一の構成を表すことを意図していない。詳細な説明は、主題の技術の完全な理解を提供する目的のために特定の詳細を含む。したがって、寸法は、非限定的な例として、特定の態様に関して提供され得る。しかし、これらの特定の詳細なしでも、主題の技術が実施され得るということが当業者には明らかになることとなる。いくつかの場合において、周知の構造体およびコンポーネントが、主題の技術の概念を曖昧にすることを回避するために、ブロック図の形態で示されている。
【0013】
本開示は、主題の技術の例を含み、添付の特許請求の範囲の範囲を限定しないということが理解されるべきである。ここで、主題の技術のさまざまな態様が、特定であるが非限定的な例にしたがって開示されることとなる。本開示において説明されているさまざまな実施形態は、異なる方式およびバリエーションで、ならびに、所望の用途または実装形態にしたがって、実施され得る。
【0014】
流体の供給源(たとえば、IVバッグまたはシリンジ)への可撓性のチュービングおよびフィッティング(「IVセット」と一般的に称される)の構成体を通して、接続されている静脈内(IV)カテーテルを使用して、患者へ医療用流体(たとえば、生理食塩水または液体の医薬)を注入するためのシステムおよび方法が提供される。フィッティングは、国際標準化機構(ISO)規格に一致する「Luerテーパー」を有する相互接続可能なオス型およびメス型ニードルレス・コネクター、または、他のニードルレス・コネクターを含むことが可能である。コネクターは、自己シーリング・フィーチャーを有することが可能であり、コネクターが嵌合するコネクターから切り離されているときに、取り付けられているチュービングからの流体の漏出を防止する。
【0015】
図1は、患者流体送達システム100の例を図示している。示されているように、システム100は、閉鎖式システム血管アクセス・デバイス、たとえば、閉鎖式静脈内カテーテル・システムなどとして実装され得り、閉鎖式システム血管アクセス・デバイスは、カテーテル・アッセンブリ113などのような患者インターフェースを有しており、また、第1の入力ポート104と、第2の入力ポート106と、出力ポート108とを備えたニードル・フリー・コネクター102を有している。図1の例では、ニードル・フリー・コネクター(NFC)102は、チュービング110を介してカテーテル・アッセンブリ113に取り付けられている。カテーテル・アッセンブリ113は、ニードル・ハブ115およびカテーテル・アダプター112を含むことが可能である。カテーテル・アッセンブリ113は、ニードル・ハブからカテーテル・アダプターを通過する関連のイントロデューサー・ニードルを備えたカテーテル114を含むことが可能である。カテーテル114および関連のイントロデューサー・ニードルは、図1では、保護シース119(たとえば、ニードルのための除去可能なカバー)の中に示されている。
【0016】
カテーテル・アダプター112は、一体的にまたは除去可能にチュービング110に接続され得る。ニードル・ハブ115は、カテーテル・アダプター112に除去可能に連結され得る。ニードル・ハブ115は、グリップ部分(図1では、パドル・グリップ118として実装されている)を含むことが可能である。ニードル・ハブ115は、ニードルの近位側に取り付けるように構成され得り、その両方が、カテーテルの挿入および設置の後に除去され得る。
【0017】
ニードル・ハブ115には、パドル・グリップ118が設けられ得り、または、他のタイプのグリップ、たとえば、ストレート・グリップまたはポーテッド・グリップなど、および/または、当業者によって理解されることとなるようなエクステンション・セットが設けられ得る。図1のカテーテル・アッセンブリは、単に、例示目的のものである。他の実施形態では、ニードル・フリー・コネクター102は、(たとえば、チュービング110を介して)他のタイプのカテーテル・システムに連結され得る。(たとえば、チュービングを介して)ニードル・フリー・コネクター102に流体連結され得るカテーテル・システムのいくつかの例が、米国特許第5,935,110号、米国特許第6,638,252号、および米国特許第8,337,461号に説明されており、そのすべてが、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0018】
ニードル・フリー・コネクター102は、末梢IVカテーテル・システムの一体型コンポーネントとして提供され得り、または、別々に提供され、末梢IVカテーテル・システムのチュービング110に接続され得る。ニードル・フリー・コネクター102は、ニードル・フリー・バルブによって実装される第1の入力ポート104と、Luerアクセスyポートとして実装される第2の入力ポート106とを含むことが可能である。さらに詳細に以降に説明されているように、入力ポート104には、平坦なスワバブル(swabable)表面が設けられ得る。いくつかの実施形態では、ニードル・フリー・コネクター102には、1つまたは複数の抗菌フィーチャーが設けられ得り、それは、たとえば、バルブのチャンバーの中の1つまたは複数の場所において、インサート・リング、コーティング、または潤滑剤として実装される、クロルヘキシジン溶出抗菌フィーチャーなどである。
【0019】
ニードル・フリー・コネクター102は、クリーニングを容易にするための平面的なスワバブル表面を有する、ポジティブ・ディスプレイスメント、ネガティブ・ディスプレイスメント、またはニュートラル・ディスプレイスメント・ニードル・フリー・コネクターによってコンパクトなサイズの連続的なおよび断続的な注入を行うための複数のアクセス・ポートを提供する。さまざまな実施形態では、ポート104、106、および/または108のうちのいずれかまたはすべては、シリンジまたはチュービングに直接的に取り付けられ得り、または、たとえば、ネジ山付きのメス型Luerアダプターに接続するための外側端部において、ネジ式接続部を有することが可能である。
【0020】
図2は、実施形態による複数の入力ポートを備えたニードル・フリー・コネクターの斜視図を示している。図2に示されているように、ニードル・フリー・コネクター102は、ハウジング200の中に、ポジティブ・ディスプレイスメント・ニードル・フリー・コネクター入力ポート104およびオープンyポート106を含むことが可能である。ハウジング200は、モノリシックのハウジング構造体であることが可能であり、または、内部チャンバーを囲む上側ハウジング201および下側ハウジング203を含むことが可能であり、内部チャンバーの中には、バルブ部材204(たとえば、圧縮可能なシリコン・シーリング部材)が配設されている。
【0021】
図2に示されているように、上側ハウジング201は、長手方向軸線205に沿って延在する細長いメイン構造体207(本明細書で、細長い中央部分と称される場合もある)を含むことが可能である。第2の入力ポート106は、長手方向軸線に対して非平行の角度で細長いメイン構造体207の側壁部から延在する、ハウジング200のエクステンション210から形成され得る。第2の入力ポート106は、ニードル・フリー・バルブ104が閉じている(たとえば、IVバッグまたはシリンジなどのような流体供給源に接続されていない)かまたは開いている(たとえば、IVバッグまたはシリンジなどのような流体供給源に接続されている)間に、流体投与または吸引(すなわち、血液または流体を引き出す)を行うために、上側ハウジング201とバルブ部材204との間の流体経路の中への二次的なアクセス・ポートを可能にする。
【0022】
さまざまな実施形態では、ニードル・フリー・バルブ104は、ポジティブ・ディスプレイスメント・バルブ、ニュートラル・ディスプレイスメント・バルブ、またはネガティブ・ディスプレイスメント・バルブであることが可能である。バルブ部材204は、可撓性の材料から作製された崩壊可能な(collapsible)内部バルブ部材であることが可能である。(たとえば、オス型Luerコネクター(図示せず)の先端部によって)バルブ部材204の上部に力が加えられるときに、バルブは、折り畳まれるか、または、そうでなければ、圧縮もしくは開放することが可能であり、それによって、コネクター102を通る流路を開放する。図2に示されている閉位置(すなわち、バルブ部材204に関して圧縮されていない状態)では、シールが、たとえば、バルブのショルダー部とハウジング200のシーリング・リッジとの間に、および/または、バルブ部材204の外部表面の周りのリム部とハウジング200の上部表面202の中の開口部の縁部との間に、形成され得る。
【0023】
図2に示されている実施形態は、ニードル・フリー・バルブとして実装されている第1の入力ポート104と、オープンLuerアクセス・ポートとして実装されている第2の入力ポート106とを示しているが、これは、単に例示目的のためのものであり、入力ポート104および106のいずれかまたは両方が、ニードル・フリー・バルブ、オープンLuerポート、または他のニードル・フリー・コネクターとして実装され得る。
【0024】
出力ポート108は、たとえば、上側ハウジング201のメイン構造体207によって画定される長手方向軸線に沿って延在する、中空の円筒形状の底部エクステンション208から形成され得る。エクステンション208は、コネクター102のためのチュービング取り付けを形成するように構成されている下側ハウジング構造体203の拡張された部分であることが可能である。ハウジング200の上のリブ206などのようなフィーチャーは、対応する内部フィーチャーを有することが可能であり、それは、入力106から出力108への連続的な流体通路を形成するようにバルブが圧縮されるときに、バルブ部材204の運動をガイドする、チャンバーを形成することを助ける。
【0025】
スタンドオフ構造体などのような追加的な内部フィーチャーが、エクステンション210において、または、エクステンション210の近くに形成され得り、さらに詳細に以降で議論されているように(たとえば、図13を参照)、バルブ部材204の圧縮が入力106から出力108への流体経路を封鎖または遮断することを防止する。そのようなスタンドオフ・フィーチャーは、ニードル・フリー・コネクター・ポートがアクセスされ、バルブが崩壊させられているときに、yポート流体経路が開いたままになっていることを確実にすることを助けることが可能である。ネジ山212および214が、それぞれ、流体供給源または受容部(たとえば、IVバッグまたはシリンジ)への接続のためのネジ山付きのポートを形成するための入力106および104において、上側ハウジング201の外側表面(または、内側表面)の上に形成され得る。
【0026】
図4に示されているように、上側ハウジング201の側壁部部分においてコネクター102にアクセスするオープン・ポート106は、従来の機械的なバルブ(図3を参照。図3は、従来のバルブ300を示しており、従来のバルブ300は、バルブ・コンポーネント302に遠位に進入する流体経路306を備えた追加的なポート304を有しており、それによって、相対的により複雑な内部流体幾何学形状を生成させ、それは、流体経路306からの非フラッシャブル・エリア303の中の十分なフラッシングを妨げ、したがって、微生物定着のリスクを著しく増加させる可能性がある)と比較して、コンパクトな長さおよび最大フラッシャビリティーを可能にする。図4に示されているように、yポート106は、上側ハウジング201を通ってコネクター102にアクセスすることが可能であり、それは、内部チャンバー経路400Aおよび400Bを含む流体経路400を提供することが可能であり、それは、コネクターのフラッシャビリティーを改善し、したがって、微生物定着のリスクを低減させる。
【0027】
図5は、ポジティブ・ディスプレイスメント・バルブ104を備えたコネクター102(左)の斜視図、および、ネガティブ・ディスプレイスメント・ニードル・フリー・バルブ104’を備えたコネクター102’の別の実施形態の斜視図を図示している。図5に示されているように、図の左にあるコネクター102は、図1図2、および図4にあるような、上側ハウジングの中のyポート・アクセスを有しており、図の右にあるコネクター102’は、下側ハウジング構造体502において、yポート・アクセス106’を含む。下側ハウジング構造体502は、圧縮可能なネガティブ・ディスプレイスメント・バルブ104’を囲む上側ハウジング500と係合するか、または、その他の方法で、それに取り付けられ得る。下側ハウジング502は、下側ハウジングの長手方向軸線に沿って出力ポート108’を含むことが可能である。
【0028】
図6は、図5のコネクター102および102’の側面図を示している。図6に示されているように、Luerアクセスyポート106は、Luer開口部の遠位端部602において抗菌性溶出インサートまたはコーティング600を含み、微生物定着リスクのさらなる低減を提供することが可能である。抗菌性溶出コーティング、リング、および/または潤滑剤は、(たとえば、出力ポート108を取り囲む)ハウジングの下側部分などのような他の内部場所に含まれ得り、ならびに/または、圧縮可能な内部シーリング部材の上におよび/もしくはその周りに含まれ得る(たとえば、バルブ104の上の、または、バルブが圧縮および/もしくは解放されるときにそれに沿ってトラベルするハウジングの一部分の上の抗菌性溶出潤滑剤)。いくつかの実施形態では、バルブ104およびポート106のうちの1つまたは複数は、機械的なバルブのフィーチャー(たとえば、1つまたは複数のOリング、ピストン、ピストン・チャンバー、1つまたは複数のガスケット、1つまたは複数のスプリングなど)を含むことが可能である。これらの実施形態では、抗菌性溶出フィーチャーは、1つまたは複数のOリングの付近に(たとえば、バルブの上側Oリングおよび下側Oリングの付近に)、ピストンの付近に、ピストン・チャンバーの付近に、1つまたは複数のガスケットの付近に、および/または、1つまたは複数のスプリングの付近に配設され得る。
【0029】
抗菌性溶出フィーチャーは、流体がフィーチャーに接触するときに、物質を溶出することが可能である(たとえば、クロルヘキシジン、オクテニジン、銀、および/または他の抗菌剤が、溶出され得る)。抗菌性溶出フィーチャーは、抗菌性溶出リング、コーティング、または潤滑剤のいずれかとして実装され得る。また、本明細書で説明されているコネクター102’または他のコネクター実装形態には、1つまたは複数の抗菌性溶出コーティング、リング・インサート、または潤滑剤が設けられ得る。本明細書で説明されているニードル・フリー・コネクターの中に提供され得る抗菌フィーチャーの例は、米国特許出願公開第2015/0231307号、米国特許第8,426,348号および米国特許第8,754,020号、ならびに米国特許出願第12/397,760号に説明されており、それらのすべてが、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0030】
図7は、ニードル・フリー・コネクター102’の拡大斜視図を示しており、どのようにネガティブ・ディスプレイスメント・ニードル・フリー・バルブ700が上側ハウジング500と下側ハウジング502との間でチャンバー702の中に設けられ得るかということを示している。示されているように、上側ハウジング500は、IVチュービングまたはシリンジなどのような供給源に連結するためのネジ山付きのフィーチャー704を含むことが可能である。示されているように、第2の入力ポート106’は、下側ハウジング502の細長い中央部分の側壁部から延在し、チャンバー702へのアクセスを提供している。
【0031】
図8は、複数のコネクター801および808を有するシステム800の例を示している。示されているように、コネクター801は、ハウジング802を備えたポジティブ・ディスプレイスメント・ニードル・フリー・バルブ805を含むことが可能であり、ハウジング802は、yポート804を有する下側ハウジング803と係合しており、ニードル・フリー・バルブ805の出力が、下側ハウジング803の中へ流れ込み、yポート804からの流体経路と合流し、チュービング810に連結するようになっている。除去可能な端部キャップ806が示されており、それは、yポートのオープン端部に据え付けられているときに、yポート804をシールする。
【0032】
図9は、(たとえば、yポートへのシリンジの接続を可能にするために)端部キャップ806がyポート804から解除されている状態の、図8のコネクター801の側面図を示している。
【0033】
図10は、図8のコネクター801の分解側面図を示しており、どのように圧縮可能なシーリング部材1002が上側ハウジング802と下側ハウジング803との間に配設され、ニードル・フリー・バルブ805を形成することが可能であるかということを示している。下側ハウジング803の上の係合フィーチャー1008を見ることができ、それは、上側ハウジング802の対応する内部フィーチャーと係合し、ハウジング構造体の中に形成されたチャンバーの中にバルブ部材1002をシールし、および/または、それは、部材1002の一部分の周りに、下側ハウジング803の中の出力ポートへの流体経路を提供している。また、ネジ山付きのフィーチャー1006が、上側ハウジング802の外側表面の上に示されている。
【0034】
このように、ニードル・フリー・コネクター801が設けられており、ニードル・フリー・コネクター801は、側壁部820を有する下側ハウジング803と、上側ハウジング802、および、上側ハウジング802と下側ハウジング803との間に配設されている圧縮可能なシーリング部材1002を含むニードル・フリー・バルブ805と、下側ハウジング803の側壁部820から非平行の角度で延在する、下側ハウジングの一部分から形成されているyポート804と、下側ハウジング803の中の出力ポート822であって、出力ポートは、ニードル・フリー・バルブ805およびyポート804に流体連結されている、出力ポート822とを含む。下側ハウジング803は、上側ハウジング802の中の圧縮可能なシーリング部材1002を通過して流れる流体が下側ハウジング803の中へそして出力ポート822へ通ることを可能にする、1つまたは複数の開口部(図10では、見ることができない)を含むことが可能である。
【0035】
圧縮可能なシーリング部材1002は、円周方向のフランジ1009を含むことが可能である。下側ハウジング803の係合フィーチャー1008は、係合フィーチャー1011(たとえば、リップ)を含むことが可能であり、係合フィーチャー1011は、係合フィーチャー1011と上側ハウジング802の内部表面1013の一部分との間に円周方向のフランジ1009を固定する。たとえば、円周方向のフランジ1009は、ショルダー部1022を有することが可能である。ショルダー部1022は、さらに詳細に以降に説明されているように、内部表面1013の一部分の形状に対応する形状を有している。
【0036】
図10に示されているように、圧縮可能なシーリング部材1002は、部材1002の圧縮を促進およびガイドする1つまたは複数のフィーチャー、たとえば、ネック部分1021の中のノッチ1020などを含むことが可能である。ネック部分1021は、ネック部分1021とフランジ1009との間に配設されている、相対的により幅の広い円筒形状の中央部分1023から延在していることが可能である。上側ショルダー部1024が、円筒形状の中央部分1023とネック部分1021との間に形成され得る。ショルダー部1022は、円筒形状の中央部分1023とフランジ1009との間に形成されている下側ショルダー部であることが可能である。
【0037】
図11は、第1および第2の入力ポートならびに出力ポートを有するニードル・フリー・コネクターの2つの追加的な実施形態を示している。図11の左にある例では、ニードル・フリー・コネクター1100は、第1の入力ポート1102、垂直な第2の入力ポート1104、および出力ポート1106を含む。コネクター1100は、上側ハウジング1108、下側ハウジング1110、およびバルブ(たとえば、圧縮可能なシーリング部材)1114を含み、バルブ1114は、第2の入力ポート(たとえば、オープンLuerポート)1104に対して垂直になっているニードル・フリー・バルブを形成している。カップリング部材1112が、出力ポート1106を、たとえば、チュービングまたは別の出力コンテナと係合させるために、下側ハウジング1110の上に形成されている。図11の右にあるコネクター1100’は、相対的により幅の狭い第2の入力ポート1120がどのように設けられ得るかということを示している。
【0038】
図12は、実施形態によるコネクター102の断面図を示している。図12の例では、バルブ部材204が、上側ハウジング201の中のチャンバー1208の中に配設されており、上側ハウジング201および下側ハウジング203によって囲まれている。yポート106の中の内部ボア1210が、チャンバー1208に流体接続されるように示されている。また、下側ハウジング203は、チュービング110を受け入れるための内部ボア1214を含む。バルブ部材204は、ショルダー部1024などのようなフィーチャーを含むことが可能であり、ショルダー部1024は、圧縮可能なシーリング部材204が図12に示されている非圧縮状態になっているときに、チャンバー1208の中の凹部1206と係合し、ニードル・フリー・バルブ104をシールすることを助ける。上部表面1200を押されると、圧縮可能なシーリング部材204は、圧縮状態まで変形させられ得り、圧縮状態は、流体がバルブ104と出力ポート108との間に流れることを可能にする。バルブ部材204は、圧縮可能なシーリング部材204の中にカットアウト部1020などのような1つまたは複数のフィーチャーを含むことが可能であり、カットアウト部1020は、バルブ104の中にキャビティー1230を形成しており、キャビティー1230は、バルブが圧縮状態になっているときに、所望の流体経路が形成されることを確実にする。
【0039】
図12に示されているように、圧縮可能なシーリング部材204は、中央キャビティー1220を含むことが可能であり、中央キャビティー1220は、圧縮のためのフレキシビリティーを提供することを助ける。図12は、非圧縮状態において、圧縮可能なシーリング部材204の上部表面1200が、どのように、上側ハウジング201の上部表面1202と共通の平面において平面的な表面を形成することが可能であるかということを示している。このように、使用の前および/または後に容易にクリーニングされる平坦な(平面的な)スワバブル表面が提供され得る。
【0040】
また、図12は、どのようにショルダー部1022がハウジング201の内側表面の一部分の中の凹部1222に一致することができるかということを示している。また、フランジ1009の内側部分は、下側ハウジング203の突出部1224とインターフェース接続し、上側ハウジング201と下側ハウジング203との間に圧縮可能なシーリング部材204を固定することを助けることが可能である。凹部1240が、下側ハウジング203の中に設けられ得り、いくつかの実装形態では、圧縮可能なシーリング部材204の内側ショルダー部1232が、圧縮の間に、下側ハウジング203の中へ移動することが可能である。
【0041】
図12に示されているように、カットアウト部1242が、上側ハウジング201の内側表面の中に設けられ得り、それは、いくつかの場所において、ハウジング201の中のチャンバー1208のサイズを拡大しており、圧縮可能なシーリング部材204が圧縮されているときに、流体経路が、ニードル・フリー・バルブ104の入力ポートから、チャンバー1208を通り、下側ハウジング203の開口部1234を通り、出力ポート108へ至る間に確立され得るようになっている。示されているように、yポート106は、シーリング部材204が圧縮されているかどうかにかかわらず、チャンバー1208の中への流体経路1246を提供することが可能である。このように、チャンバー1208がハウジング201の中に設けられており、それは、望まれる場合には、ポート106またはポート104を介してフラッシュされ得る。また、流体流路1244が、ポート106から開口部1234を通して出力ポート108へ提供され得る。流体流路1246は、流体流路1244の一部分であることが可能であり、それは、出力ポート108から流れ出る前に、チャンバー1208の中へおよびチャンバー1208の中を流れる。
【0042】
図12に示されているバルブ104の構成は、単に例示目的のものであり、ニードル・フリー・バルブの他の実装形態も、ニードル・フリー・バルブを備えた共通のチャンバーに給送するyポートと組み合わせて使用され得る。ニードル・フリー・バルブ構成のさまざまな例が、米国特許出願第13/801,399号、米国特許出願第13/801,412号、および米国特許出願第13/801,422号に説明されており、それらのすべてが、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0043】
図13は、図12のコネクター102の断面図を示しており、端部キャップ1300が、端部キャップ1300の上のネジ山付きのフィーチャー1302とyポート106の上の対応するネジ山付きのフィーチャー212との間の係合を介して、yポート・コネクター106の上に係合されている。また、図13は、スタンドオフ・フィーチャー1304および1306などのような随意的なフィーチャーを示しており、スタンドオフ・フィーチャー1304および1306は、圧縮可能なシーリング部材204が圧縮された構成でポート106を封鎖することを防止するために設けられ得る。たとえば、スタンドオフ・フィーチャー1304は、上側ハウジング201の内側壁部からの突出部であることが可能であり、突出部は、チャンバー1208の中へ延在し、圧縮の間に、圧縮可能なシーリング部材204の移動を阻止および/またはガイドする。別の例として、スタンドオフ・フィーチャー1306は、開口部1308を有する多孔性のスクリーンであることが可能であり、流体が開口部1308を通って流れることを可能にする。スクリーン1306は、ポート106からチャンバー1208の中へ延在することが可能であり、圧縮の間に、圧縮可能なシーリング部材204の移動を阻止および/またはガイドする。
【0044】
図14は、コネクター102の斜視図であり、バルブ部材204の上部表面1200およびハウジング200の上部表面1202から形成された平面的な平坦なスワバブル表面を示している。図15は、図14のコネクター102の斜視図を示しており、端部キャップ1300が、yポート・コネクター106の上に(たとえば、エクステンション210の上に)係合されている。
【0045】
図16図17、および図18は、さまざまな実施形態によるニードル・フリー・バルブおよびyポートを有するニードル・フリー・コネクターのいくつかのそれぞれの実施形態の分解斜視図を示している。図16の例では、ニードル・フリー・コネクター1601は、(a)上側ハウジング1602、圧縮可能なシーリング部材1600、および中間ハウジング1604から形成されたニードル・フリー・バルブ104と、(b)中間ハウジング1604と係合するように構成された下側ハウジング1608の中に形成されているyポート106と、(c)下側ハウジング1608の中の出力ポート108とを含む。
【0046】
図17の例では、ニードル・フリー・コネクター1701は、(a)上側ハウジング1602、圧縮可能なシーリング部材1600、および下側ハウジング部材1700から形成されたニードル・フリー・バルブ104と、(b)下側ハウジング1700の中に形成されたyポート106であって、係合フィーチャー1702を有する下側ハウジング1700は、上側ハウジング1602および/または圧縮可能なシーリング部材1600と係合するように構成されている、yポート106と、(c)下側ハウジング1700の中の出力ポート108とを含む。
【0047】
図17に示されているように、圧縮可能なシーリング部材1600は、ショルダー部1722を有する円周方向のフランジ1709を含むことが可能である。ショルダー部1722は、上側ハウジング1602の内部表面の一部分の形状に対応する形状を有することが可能である。
【0048】
圧縮可能なシーリング部材1600は、部材1600の圧縮を促進およびガイドする1つまたは複数のフィーチャー、たとえば、ネック部分1721の中のノッチ1720、および/または、円筒形状の中央部分1723の中のノッチ1739などを含むことが可能である。ネック部分1721は、円筒形状の中央部分1723から延在することが可能である。円筒形状の中央部分1723は、ネック部分1721とフランジ1709との間に配設され得る。上側ショルダー部1704は、円筒形状の中央部分1723とネック部分1721との間に形成され得る。ショルダー部1722は、円筒形状の中央部分1723とフランジ1709との間に形成されている下側ショルダー部であることが可能である。
【0049】
図17の実装形態では、下側ハウジング1700は、円形突出部1731を含み、円形突出部1731は、円形突出部1731の内部に円形凹部1740を形成している。フランジ1709の内側表面は、いくつかの実装形態では、図12の突出部1224および凹部1240に関連して上記に説明されているものと同様の様式で、上側表面1730、突出部1731、および凹部1740とインターフェース接続することが可能である。流体は、上側ハウジング1602から下側ハウジング1700の中へ、そして、下側ハウジング1730の中の開口部1734を介して出力ポート108へ流れることが可能である。
【0050】
図18の例では、ニードル・フリー・コネクター1801は、(a)上側ハウジング1800、圧縮可能なシーリング部材1600、および下側ハウジング部材1802から形成されたニードル・フリー・バルブ104と、(b)上側ハウジング1800の中に形成されたyポート106であって、係合フィーチャー1804を有する下側ハウジング1802は、上側ハウジング1800と係合するように構成されている、yポート106と、(c)下側ハウジング1802の中の出力ポート108とを含む。
【0051】
図18の実装形態では、下側ハウジング1802は、円形突出部1831を含み、円形突出部1831は、円形突出部1831の内部に円形凹部1840を形成している。フランジ1709の内側表面は、いくつかの実装形態では、図12の突出部1224および凹部1240に関連して上記に説明されているものと同様の様式で、上側表面1830、突出部1831、および凹部1840とインターフェース接続することが可能である。たとえば、下側ハウジング1802は、下側ハウジング203の実装形態であることが可能であり、突出部1224が、円形突出部1831として実装されており、凹部1240が、円形凹部1840として実装されている。流体は、上側ハウジング1800から(たとえば、ポート104および/またはポート106から)下側ハウジング1802の中へ、そして、下側ハウジング1802の中の開口部1834を介して出力ポート108へ流れることが可能である。
【0052】
図19は、図16図17、および図18のコネクター1601、1701、および1801の組み立てられた側面図を示している。図20は、図16図17、および図18のコネクター1601、1701、および1801の組み立てられた斜視上面図を示しており、それぞれがどのようにバルブの上部表面および上側ハウジングの上部表面によって形成される平坦なスワバブル表面を有するかということを示している。
【0053】
図21は、図2のニードル・フリー・コネクター102の斜視底面図を示している。図22は、図21のニードル・フリー・コネクター102を示しており、端部キャップ2200が、第2の入力ポート106の上に密封して係合されている。図23は、図21のニードル・フリー・コネクター102を示しており、端部キャップ2200が、第2の入力ポート106の上に密封して係合されており、ニードルレス・シリンジ2300が、ニードル・フリー・バルブ104に取り付けられている。図23に示されているように、シリンジ2300などのようなコネクターがニードル・フリー・バルブ104に接続されているときに、圧縮可能なシーリング部材204は、圧縮された構成204Cまで変形させられ得り、圧縮された構成204Cでは、流体経路2302が、ニードル・フリー・バルブ104から出力ポート108へ形成されている。
【0054】
図24は、図21のニードル・フリー・コネクター102を示しており、第1のニードルレス・シリンジ2300が、ニードル・フリー・バルブ104に取り付けられており、また、第2のニードルレス・シリンジ2400が、yポート106に取り付けられている。図24に示されているものなどのような構成では、第1の流体が、第1のシリンジ2300から、ニードル・フリー・バルブ104を介して、コネクターの中のチャンバー(たとえば、図12のチャンバー1208を参照)の中へ、第1の流体経路2302に沿って提供され得り、また、第1および第2のシリンジが両方ともニードル・フリー・コネクター102に連結されている間に、第2の流体は、流体通路2306に沿って、第2のシリンジ2400から同じチャンバーの少なくとも一部分の中へ提供され得る。また、第2のシリンジ2400からの第2の流体は、第3の流体流路2304に沿ってポート106から出力ポート108を通って流れることが可能である。チャンバーの中へ流体経路2306に沿って流れる第2の流体のうちのいくらかまたはすべては、チャンバーにフラッシュすることが可能であり、また、チャンバーから出ていき、出力ポート108から流れ出ることが可能である。また、ポート104からの第1の流体は、ポート106からの流体の送達の後に、チャンバーからの任意の残りの第2の流体にフラッシュすることが可能である。第1および第2の流体は、断続的にまたは組み合わせて、出力ポート108を介して患者に提供され得る。
【0055】
図25は、上側ハウジング、yポートを有する下側ハウジング、および中間ハウジングを備えて実装されている、コネクター801の分解側面斜視図を示している。図25に示されているように、中間ハウジング2500は、上側ハウジング802と下側ハウジング803との間に介在され得り、フランジ1009が、組み立てられた構成(たとえば、図26を参照)で中間ハウジング2500とインターフェース接続するようになっている。中間ハウジング2500は、円筒形状の中央エクステンション2504を備えて提供され得る。エクステンション2504は、コネクター801の中心軸線と共通の中心軸線を有することが可能であり、また、組み立てられた構成で、下側ハウジング803の中の対応する開口部2506の中へ延在することが可能である。中間ハウジング2500は、開口部2502などのような1つまたは複数の開口部を含むことが可能であり、上側ハウジング802の中の圧縮可能なシーリング部材1002を通過して流れる流体が、開口部2502を通って、中間ハウジング2500の中へ、エクステンション2504を通って、下側ハウジング803の中へ、そして、出力ポート822を通過することが可能である。中間ハウジング2500は、上側ハウジング802の内部フィーチャーと係合し、上側ハウジング802および中間ハウジング2500によって形成されたチャンバーの中にバルブ部材1002をシールすることが可能である。
【0056】
このように、ニードル・フリー・コネクター801が設けられており、ニードル・フリー・コネクター801は、側壁部2508を有する下側ハウジング803と、上側ハウジング802、中間ハウジング2500、および、上側ハウジング802と中間ハウジング2500との間に配設されている圧縮可能なシーリング部材1002を含むニードル・フリー・バルブ805と、下側ハウジング803の側壁部2508から非平行の角度で延在する、下側ハウジングの一部分から形成されているyポート804と、下側ハウジング803の中の出力ポート822であって、出力ポートは、ニードル・フリー・バルブ805およびyポート804に流体連結されている、出力ポート822とを含む。
【0057】
図26は、図25のニードル・フリー・コネクター801の組み立てられた側面図を示している。図26に示されているように、組み立てられた構成では、コネクター801の外側側壁部は、上側ハウジング802、中間ハウジング2500、および下側ハウジング803の一部分から形成され得る。たとえば、側壁部2600の一部分を形成する中間ハウジング2500の一部分は、(たとえば、側壁部2600の連続的な円筒形状の部分を形成するために)下側ハウジング803の一部分と上側ハウジング802の一部分との間に介在され得る。
【0058】
ニードル・フリー・バルブおよびLuerアクセスyポートを有する、本明細書で説明されているタイプのニードル・フリー・コネクターは、有用性、コンパクトな形態、接続のしやすさ、コネクター・バルブ表面のクリーニングのしやすさ、切り離すときのポジティブ流体ディスプレイスメント、および、抗菌有効性の追加的な利益において、かなりの改善を提供することが可能である。ニードル・フリー・バルブおよびLuerアクセスyポートを有する、本明細書で説明されているタイプのニードル・フリー・コネクターは、切り離したときの微生物侵入、定着、および血液逆流のリスクを低減させる形態および構成の二次的なオープン・アクセス・ポートを備えたニードル・フリー・アクセスの機能性のすべてを提供することが可能である。また、本明細書で説明されている概念は、システムの中へ微生物を導入するリスクを低減させるために、アクセスの前のクリーニングのしやすさのための平坦なスワバブル表面を提供することが可能である。
【0059】
主題の技術が、たとえば、上記に説明されているさまざまな態様にしたがって図示されている。これらの態様のさまざまな例は、便宜上、付番された概念または条項(1、2、3、など)として説明されている。これらの概念または条項は、例として提供されており、主題の技術を限定していない。従属的な概念のいずれも、互いに任意に組み合わせて、または、1つまたは複数の他の独立した概念との任意の組み合わせで組み合わせられられ、独立した概念を形成することが可能であるということが留意される。以下は、本明細書で提示されているいくつかの概念の非限定的な概要である。
概念1. ハウジングと、
ハウジングの中の第1の入力ポートと、
ハウジングの中の第2の入力ポートと、
第1の入力ポートおよび第2の入力ポートに流体連結されている、ハウジングの中のチャンバーと、
チャンバーに流体連結されている出力ポートと
を含む、ニードル・フリー・コネクター。
概念2. ニードル・フリー・コネクターは、ハウジングの中に圧縮可能なシーリング部材をさらに含み、圧縮可能なシーリング部材は、非圧縮状態および圧縮状態を有しており、非圧縮状態では、圧縮可能なシーリング部材が、第1の入力ポートをシールし、圧縮状態は、第1の入力ポートと出力ポートとの間の連続的な流体通路を可能にする、概念1または任意の他の概念に記載のニードル・フリー・コネクター。
概念3. 連続的な流体通路は、第1の連続的な流体通路を含み、ニードル・フリー・コネクターは、第2の入力ポートと出力ポートとの間に第2の連続的な流体通路をさらに含む、概念2または任意の他の概念に記載のニードル・フリー・コネクター。
概念4. ニードル・フリー・コネクターは、チャンバーのフラッシングを促進させる、第2の入力ポートからチャンバーの中への第3の連続的な流体通路をさらに含む、概念3または任意の他の概念に記載のニードル・フリー・コネクター。
概念5. 圧縮可能なシーリング部材は、ポジティブ・ディスプレイスメント・バルブまたはネガティブ・ディスプレイスメント・バルブの圧縮可能なシーリング部材を形成している、概念2または任意の他の概念に記載のニードル・フリー・コネクター。
概念6. ニードル・フリー・コネクターは、ハウジングの上に少なくとも1つのエクステンションをさらに含み、少なくとも1つのエクステンションは、圧縮可能なシーリング部材が圧縮状態において第2の入力ポートを遮断することを防止するように構成されている、概念5または任意の他の概念に記載のニードル・フリー・コネクター。
概念7. 非圧縮状態において、圧縮可能なシーリング部材は、ハウジングの上部表面と共通の平面において、平面的なスワバブル表面を形成する、概念2または任意の他の概念に記載のニードル・フリー・コネクター。
概念8. 第2の入力ポートは、オープンLuerアクセス・ポートを含む、概念1または任意の他の概念に記載のニードル・フリー・コネクター。
概念9. オープンLuerアクセス・ポートは、ネジ山付きのLuerポートを含む、概念8または任意の他の概念に記載のニードル・フリー・コネクター。
概念10. ハウジングは、長手方向軸線を有する細長い中央部分を含み、第1の入力ポートは、長手方向軸線に沿って形成されているニードル・フリー・バルブを含み、第2の入力ポートは、細長い中央部分の側壁部からのチューブ状のエクステンションを含む、概念1または任意の他の概念に記載のニードル・フリー・コネクター。
概念11. ニードル・フリー・コネクターのためのハウジングであって、ハウジングは、
長手方向軸線を有する細長い中央部分と、
長手方向軸線に沿って形成されているニードル・フリー・バルブと、
長手方向軸線に沿って形成されている出力ポートと、
細長い中央部分の側壁部からのエクステンションを含むオープンLuerポートと、
細長い中央部分の中のチャンバーであって、チャンバーは、ニードル・フリー・バルブ、オープンLuerポート、および出力ポートに流体連結されている、チャンバーと
を含む、ハウジング。
概念12. ハウジングは、ニードル・フリー・バルブの上に第1のネジ山付きのフィーチャーをさらに含み、また、オープンLuerポートの上に第2のネジ山付きのフィーチャーをさらに含む、概念11または任意の他の概念に記載のハウジング。
概念13. 少なくとも1つの抗菌性溶出フィーチャーをさらに含む、概念11または任意の他の概念に記載のハウジング。
概念14. 少なくとも1つの抗菌性溶出フィーチャーは、側壁部からのエクステンションの内部表面の上に抗菌性溶出コーティングを含む、概念13または任意の他の概念に記載のハウジング。
概念15. 患者流体送達システムであって、患者流体送達システムは、
患者へ流体を提供するように構成されているチュービングと、
少なくとも1つの流体供給源とチュービングとの間に連結するように構成されているニードル・フリー・コネクターと
を含み、ニードル・フリー・コネクターは、
ハウジングと、
ハウジングの中の第1の入力ポートと、
ハウジングの中の第2の入力ポートと、
第1の入力ポートおよび第2の入力ポートに流体連結されている、ハウジングの中のチャンバーと、
チャンバーに流体連結されている出力ポートと、
ハウジングの中の圧縮可能なシーリング部材であって、圧縮可能なシーリング部材は、非圧縮状態および圧縮状態を有しており、非圧縮状態では、圧縮可能なシーリング部材が、第1の入力ポートをシールし、圧縮状態は、第1の入力ポートと出力ポートとの間の連続的な流体通路を可能にする、圧縮可能なシーリング部材と
を含む、患者流体送達システム。
概念16. チュービングに一体的に取り付けられているカテーテル・アッセンブリをさらに含む、概念15または任意の他の概念に記載の患者流体送達システム。
概念17. カテーテル・アッセンブリは、パドル・グリップ、ストレート・グリップ、またはポーテッド・グリップを有する、ニードル・ハブを含む、概念16または任意の他の概念に記載の患者流体送達システム。
概念18. 第2の入力ポートをシールするように構成されている端部キャップをさらに含む、概念17または任意の他の概念に記載の患者流体送達システム。
概念19. 第2の入力ポートの中の抗菌性コーティングまたは抗菌性インサート・リングと、
圧縮可能なシーリング部材の上の抗菌性潤滑剤と
をさらに含む、概念15または任意の他の概念に記載の患者流体送達システム。
概念20. ニードル・フリー・コネクターの第1の入力ポートから、コネクターのチャンバーを通して、コネクターの出力ポートへ、第1の流体を提供するステップと、
コネクターの第2の入力ポートからチャンバーを通して出力ポートへ第2の流体を提供するステップと
を含む、方法。
概念21. 第1の流体を提供するステップは、第1の流体を有する第1の流体供給源を、第1の入力ポートによって形成されるニードル・フリー・バルブに取り付けるステップを含む、概念20または任意の他の概念に記載の方法。
概念22. 第2の流体を提供するステップは、第1の流体供給源が第1の流体供給源に連結されている間に、第2の流体を有する第2の流体供給源を、第2の入力ポートによって形成されるオープンLuerポートに取り付けるステップを含む、概念21または任意の他の概念に記載の方法。
概念23. 第1の流体供給源および第2の流体供給源は、ニードルレス・シリンジをそれぞれ含む、概念22または任意の他の概念に記載の方法。
概念24. 第1の流体および第2の流体を出力ポートから患者へ提供するステップをさらに含む、概念23または任意の他の概念に記載の方法。
概念25. 側壁部を有する下側ハウジングと、
ニードル・フリー・バルブであって、ニードル・フリー・バルブは、
上側ハウジング、および、
上側ハウジングと下側ハウジングとの間に配設されている圧縮可能なシーリング部材
を含む、ニードル・フリー・バルブと、
下側ハウジングの一部分から形成されているyポートであって、yポートは、下側ハウジングの側壁部から非平行の角度で延在している、yポートと、
下側ハウジングの中の出力ポートであって、出力ポートは、ニードル・フリー・バルブおよびyポートに流体連結されている、出力ポートと
を含む、ニードル・フリー・コネクター。
概念26. 圧縮可能なシーリング部材は、円周方向のフランジを含み、下側ハウジングは、係合フィーチャーを含み、係合フィーチャーは、係合フィーチャーと上側ハウジングの内側表面との間に円周方向のフランジを固定する、概念25または任意の他の概念に記載のニードル・フリー・コネクター。
概念27. 上側ハウジングと下側ハウジングとの間に介在される中間ハウジングをさらに含む、概念25または任意の他の概念に記載のニードル・フリー・コネクター。
【0060】
本開示は、本明細書で説明されているさまざまな態様を任意の当業者が実施することを可能にするために提供されている。本開示は、主題の技術のさまざまな例を提供しており、主題の技術は、これらの例に限定されるものではない。これらの態様に対するさまざまな修正例が当業者には容易に明らかになることとなり、本明細書において定義される一般原理は、他の態様にも適用され得る。
【0061】
単数形でのエレメントへの言及は、特にそのように記述されない限り、「1つ、および、1つだけ」を意味することを意図しているのではなく、むしろ、「1つまたは複数」を意味することを意図している。特にそうでないことが記述されていない限り、「いくつかの」という用語は、1つまたは複数を表している。男性形の代名詞(たとえば、彼の)は、女性形及び中性形(たとえば、彼女の及びその)を含み、また、その逆も同様である。表題及び副題は、もしあれば、便宜上使用されるにすぎず、本発明を限定するものではない。
【0062】
「例示的な」という語は、本明細書において、「例または例証としての役割を果たす」ことを意味するために使用されている。本明細書において「例示的な」として説明されている任意の態様または設計は、必ずしも、他の態様または設計を上回る好適なまたは有利なものとして解釈されるわけではない。1つの態様では、本明細書で説明されているさまざまな代替的な構成および動作は、少なくとも同等であると考えられ得る。
【0063】
本明細書で使用されているように、一連のアイテムに先行する「のうちの少なくとも1つ」という語句は、アイテムのいずれかを分離するための「または」という用語とともに、リストのそれぞれのアイテムというよりもむしろ、全体としてリストを修飾する。「のうちの少なくとも1つ」という語句は、少なくとも1つのアイテムの選択を必要としない。むしろ、その語句は、アイテムのうちの任意の1つのうちの少なくとも1つ、および/または、アイテムの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つ、および/または、アイテムのそれぞれのうちの少なくとも1つを含む意味を許容する。例として、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」という語句は、Aだけ、Bだけ、もしくはCだけ;または、A、B、およびCの任意の組み合わせを表すことが可能である。
【0064】
「態様」などのような語句は、そのような態様が主題の技術にとって必須であるということ、または、そのような態様が主題の技術のすべての構成に適用されるということを暗示するものではない。態様に関する開示は、すべての構成、または、1つもしくは複数の構成に適用され得る。態様は、1つまたは複数の例を提供することが可能である。態様などのような語句は、1つまたは複数の態様を表すことが可能であり、また、その逆も同様である。「実施形態」などのような語句は、そのような実施形態が主題の技術にとって必須であるということ、または、そのような実施形態が主題の技術のすべての構成に適用されるということを暗示するものではない。実施形態に関する開示は、すべての実施形態、または、1つもしくは複数の実施形態に適用され得る。実施形態は、1つまたは複数の例を提供することが可能である。実施形態などのような語句は、1つまたは複数の実施形態を表すことが可能であり、また、その逆も同様である。「構成」などのような語句は、そのような構成が主題の技術にとって必須であるということ、または、そのような構成が主題の技術のすべての構成に適用されるということを暗示するものではない。構成に関する開示は、すべての構成、または、1つもしくは複数の構成に適用され得る。構成は、1つまたは複数の例を提供することが可能である。構成などのような語句は、1つまたは複数の構成を表すことが可能であり、また、その逆も同様である。
【0065】
1つの態様では、別段の記述がない限り、すべての測定値、値、等級、位置、大きさ、サイズ、および、以下に続く特許請求の範囲を含む本明細書において述べられている他の仕様は、近似的なものであり、正確なものではない。1つの態様では、それらは、それらが関連する機能、および、それらが属する技術分野において慣例であるものと一致する、合理的な範囲を有することが意図されている。
【0066】
開示されているプロセスまたは方法の中のステップまたは動作の特定の順序または階層は、例示的なアプローチの図示であるということが理解される。実装形態の優先度またはシナリオに基づいて、ステップ、動作、またはプロセスの特定の順序または階層は、再配置され得るということが理解される。ステップ、動作またはプロセスのうちのいくつかは、同時に実施され得る。いくつかの実装形態の優先度またはシナリオでは、特定の動作が、実施されてもよく、または実施されなくてもよい。ステップ、動作、またはプロセスのうちのいくつかまたはすべては、ユーザーの介入なしに、自動的に実施され得る。添付の方法の請求項は、さまざまなステップ、動作、またはプロセスのエレメントをサンプル順序で提示しており、提示されている特定の順序または階層に限定されることを意味していない。
【0067】
当業者に知られているかまたは当業者に後に知られるようになる、本開示の全体を通して説明されているさまざまな態様のエレメントに対するすべての構造的なおよび機能的な均等物は、明確に参照により本明細書に組み込まれており、また、特許請求の範囲によって包含されるということが意図されている。そのうえ、本明細書で開示されているものには、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているか否かにかかわらず、公衆に提供されることが意図されているものはない。請求項のいずれのエレメントも、「~するための手段(means for)」という語句を使用して、そのエレメントが明示的に記載されていない限り、または、方法の請求項の場合において「~するためのステップ(step for)」という語句を使用してそのエレメントが記載されていない限り、米国特許法第112条(f)の既定の下で解釈されるべきではない。そのうえ、「含む」または「有する」などの用語が使用される限りにおいて、そのような用語は、「含む(comprise)」が請求項の中の移行句として用いられるときに解釈されるように、「含む(comprise)」という用語と同様の様式で包括的であるということが意図されている。
【0068】
本開示の名称、背景、概要、図面の簡単な説明、および要約は、これによって本開示に組み込まれており、本開示の限定的な説明としてではなくではなく、本開示の例示目的の例として提供されている。これらが特許請求の範囲の範囲又は趣旨を限定するように使用されることとはならないという理解とともに、本開示は提出される。それに加えて、詳細な説明において、説明は例示目的の例を提供しており、また、本開示を合理化する目的でさまざまな実施例においてさまざまな特徴が一緒にグループ化されるということが理解され得る。本開示の方法は、特許請求されている主題がそれぞれの請求項の中で明示的に記載されているよりも多くの特徴を要するという意図を示すものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が示すように、本発明の主題は、単一の開示されている構成又は動作のすべての特徴よりも小さいところにある。以下の特許請求の範囲は、これによって詳細な説明に組み入れられ、それぞれの請求項は、別々に特許請求されている主題としてそれ自体に基づく。
【0069】
特許請求の範囲は、本明細書で説明されている態様に限定されることを意図しているのではなく、特許請求の範囲の文言と一致する完全な範囲を与えられるべきであり、すべての法的均等物を包含することを意図している。それにもかかわらず、請求項のいずれも、米国特許法第101条、第102条、または第103条の要件を満たすことができない主題を包含することを意図しておらず、また、それらは、そのように解釈されるべきではない。
図1
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