IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イノ-アイティー・カンパニー・リミテッドの特許一覧

特許7280365誘導加熱ヒータを有する微細粒子発生装置
<>
  • 特許-誘導加熱ヒータを有する微細粒子発生装置 図1
  • 特許-誘導加熱ヒータを有する微細粒子発生装置 図2
  • 特許-誘導加熱ヒータを有する微細粒子発生装置 図3
  • 特許-誘導加熱ヒータを有する微細粒子発生装置 図4
  • 特許-誘導加熱ヒータを有する微細粒子発生装置 図5
  • 特許-誘導加熱ヒータを有する微細粒子発生装置 図6
  • 特許-誘導加熱ヒータを有する微細粒子発生装置 図7
  • 特許-誘導加熱ヒータを有する微細粒子発生装置 図8
  • 特許-誘導加熱ヒータを有する微細粒子発生装置 図9
  • 特許-誘導加熱ヒータを有する微細粒子発生装置 図10
  • 特許-誘導加熱ヒータを有する微細粒子発生装置 図11
  • 特許-誘導加熱ヒータを有する微細粒子発生装置 図12
  • 特許-誘導加熱ヒータを有する微細粒子発生装置 図13
  • 特許-誘導加熱ヒータを有する微細粒子発生装置 図14
  • 特許-誘導加熱ヒータを有する微細粒子発生装置 図15
  • 特許-誘導加熱ヒータを有する微細粒子発生装置 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-15
(45)【発行日】2023-05-23
(54)【発明の名称】誘導加熱ヒータを有する微細粒子発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20230516BHJP
【FI】
A24F40/465
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021536340
(86)(22)【出願日】2019-12-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-17
(86)【国際出願番号】 KR2019018324
(87)【国際公開番号】W WO2020130752
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2021-08-18
(31)【優先権主張番号】10-2018-0167863
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0172899
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521268886
【氏名又は名称】イノ-アイティー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】INNO-IT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】(KNN Walseok Art Hall,Udong)24,Centum seo-ro,Haeundae-gu Busan 48058,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】クォン・ジュンハク
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/073376(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/195335(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第104095291(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00~47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にエアロゾル形成基材を含み、外部がラッピングペーパーでラッピングされた喫煙物品が挿入できる空洞を有し、空洞に挿入された喫煙物品のエアロゾル形成基材を加熱してエアロゾルを形成させる、把持及び携帯が可能なサイズの微細粒子発生装置において、
装置内に提供され、数回巻線された励磁コイルと、
装置内において励磁コイルにより囲まれるように励磁コイル内に提供され、空洞を定義する中空円筒形状の薄板からなり、励磁コイルと反応して渦電流損失による誘導加熱によって400℃以下の温度まで加熱される金属材質のサセプタであって、サセプタの内表面が空洞内に挿入された喫煙物品のラッピングペーパーの外表面の少なくとも一部と接触し、誘導加熱されたサセプタが熱伝逹によりラッピングペーパー内のエアロゾル形成基材を加熱して、エアロゾルを形成させる第1のサセプタと、
装置内において第1のサセプタ及び励磁コイル間に提供され、第1のサセプタの熱が励磁コイルに伝達されることを防止し、その外側面に励磁コイルが巻線されて励磁コイルの巻線を支持する役割を果たす断熱パイプと、
装置内に提供され、第1のサセプタを支持する構造物と、
装置内に提供され、第1のサセプタの温度を得るためのサセプタ温度獲得部と、
装置内に提供され、直流電源として働く再充電可能なバッテリと、
励磁コイル、サセプタ温度獲得部及びバッテリと電気的に連結され、バッテリから供給される直流電源を受信して、第1のサセプタの温度に応じて、共振周波数の交流電流又は共振周波数と差がある周波数の交流電流を励磁コイルに供給して、第1のサセプタを所望の温度に誘導加熱する制御部とを含むことを特徴とする、誘導加熱ヒータを有する把持及び携帯が可能なサイズの微細粒子発生装置。
【請求項2】
空洞に挿入される喫煙物品の下部の中央を挿通して、喫煙物品内のエアロゾル形成基材と直接的に接触して加熱させる第2のサセプタをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の微細粒子発生装置。
【請求項3】
第1のサセプタ及び/又は第2のサセプタは、ステンレス鋼の薄板を加工して作られることを特徴とする、請求項1又は2に記載の微細粒子発生装置。
【請求項4】
断熱パイプと第1のサセプタとの間に提供される第1の空気層、及び/又は第2のサセプタの中空内に提供される第2の空気層をさらに含むことを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一項に記載の微細粒子発生装置。
【請求項5】
断熱パイプ及び構造物は、第1のサセプタの熱が励磁コイルに伝達されることを防止するように構成される断熱プラスチック構造物であることを特徴とする、請求項1乃至4の何れか一項に記載の微細粒子発生装置。
【請求項6】
断熱プラスチック構造物は、第1のサセプタの外側で第1のサセプタの少なくとも一部を支持することを特徴とする、請求項5に記載の微細粒子発生装置。
【請求項7】
断熱プラスチック構造物は、第1のサセプタとの間に熱伝導率が低いセラミックパウダーで作られた熱絶縁体リングを別に介在して第1のサセプタを支持することで、第1のサセプタからの熱が外側に漏出されることを防止することを特徴とする、請求項5に記載の微細粒子発生装置。
【請求項8】
励磁コイルの外側面には、励磁コイルと接触するようにフェライトシートがラッピングされることで、励磁コイルの外側に磁束が漏出されることを防止することを特徴とする、請求項1乃至7の何れか一項に記載の微細粒子発生装置。
【請求項9】
励磁コイルの外側面にグラファイトシートがラッピングされることで、励磁コイルの熱を外部に放熱させることを特徴とする、請求項1乃至8の何れか一項に記載の微細粒子発生装置。
【請求項10】
励磁コイルの外側面に、フェライトシート及びグラファイトシートの合紙がラッピングされることで、励磁コイルの外側に磁束が漏出されることを防止すると同時に、励磁コイルの熱を外部に放熱させることを特徴とする、請求項1乃至9の何れか一項に記載の微細粒子発生装置。
【請求項11】
空洞と連通する気流パスに、空洞内に挿入された喫煙物品に対するユーザのパフによる音圧を感知する圧力センサをさらに含むことを特徴とする、請求項1乃至10の何れか一項に記載の微細粒子発生装置。
【請求項12】
サセプタ温度獲得部は、第1のサセプタの温度変化によって変化するインダクタンス又はリアクタンスの値に応じて、第1のサセプタを加熱する電流及び電圧の変化を測定する電流センサ及び電圧センサからの電流及び電圧の変化によってサセプタの温度を計算することを特徴とする、請求項1乃至11の何れか一項に記載の微細粒子発生装置。
【請求項13】
サセプタ温度獲得部は、第1のサセプタの外側面に接触され、第1のサセプタの温度変化による抵抗値の変化を感知して温度を測定する温度センサであり、温度センサのリード線は制御部と電気的に連結されることを特徴とする、請求項1乃至12の何れか一項に記載の微細粒子発生装置。
【請求項14】
温度センサ及び温度センサのリード線は、第1のサセプタの外面を囲む耐熱性収縮チューブにより取り囲まれることで、第1のサセプタの外側面と接触することを特徴とする、請求項13に記載の微細粒子発生装置。
【請求項15】
喫煙物品は、内部に液状カートリッジを含むことを特徴とする、請求項1乃至14の何れか一項に記載の微細粒子発生装置。
【請求項16】
液状カートリッジは、グリセリンVGを含む液状又はゲル状組成物を含むことを特徴とする、請求項15に記載の微細粒子発生装置。
【請求項17】
喫煙物品内において、液状カートリッジの上流又は下流にタバコ体をさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の微細粒子発生装置。
【請求項18】
喫煙物品は、フィルター及びチューブをさらに含み、フィルター、チューブ及び液状カートリッジが一つのラッピングペーパーでラッピングされて形成されることを特徴とする、請求項15に記載の微細粒子発生装置。
【請求項19】
喫煙物品は、グリセリンVGが含まれたタバコ体を含むことを特徴とする、請求項1乃至18の何れか一項に記載の微細粒子発生装置。
【請求項20】
喫煙物品は、フィルター及びチューブをさらに含み、フィルター、チューブ及びタバコ体が一つのラッピングペーパーでラッピングされて形成されることを特徴とする、請求項19に記載の微細粒子発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導加熱ヒータを有する微細粒子発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、従来技術の国際公開第2015/177255号に記載されたエアロゾル形成基材を加熱するための誘導加熱装置を示す図である。誘導加熱装置1は、プラスチックからなることができる装置ハウジング10、及び、充電式バッテリ11aを有するDC電源を含む。
【0003】
誘導加熱装置1は、充電式バッテリ11aを充電するための充電ステーション(charging station)や充電装置に、誘導加熱装置1をドッキングするためのピン12aを有するドッキングポート(docking port)12を含む。また、誘導加熱装置1は、所望の周波数、例えば5MHzの周波数で作動するように構成された電力供給電子機器13を含む。電力供給電子機器13は、適切な電気連結部13aを介して充電式バッテリ11aに電気的に連結される。
【0004】
サセプタ(susceptor)21を含むタバコ-含有固体エアロゾル形成基材20は、装置ハウジング10の近位末端で空洞14内に受容され、作動の間に、インダクタ(inductor)L2(螺旋形状で巻線された円筒形インダクタコイル)が喫煙物品2のタバコ-含有固体エアロゾル形成基材20のサセプタ21に誘導結合される。喫煙物品2のフィルター部22は、誘導加熱装置1の空洞14の外部に配列され、作動の間に、消費者がフィルター部22を介してエアロゾルを吸引することもできる。
【0005】
誘導加熱装置はエアロゾル形成基材に熱的に隣接して配列されるインダクタを含み、エアロゾル形成基材はサセプタを含む。インダクタの交番磁場は、サセプタにヒステリシス損失(hysteresis loss)及び渦電流(eddy current)を発生させることで、サセプタが、エアロゾルを形成する揮発性成分が放出できる温度までエアロゾル形成基材を加熱させることになる。サセプタの加熱は非接触式で遂行されるので、エアロゾル形成基材の温度を直接的に測定できない。かかる理由により、喫煙実行の間にユーザがいつパフ(puff)を行うかを決定することも難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第95/27411号
【文献】国際公開第2015/177257号
【文献】国際公開第2015/177255号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、サセプタを装置の一部として含み、サセプタの温度を直接的に測定することで、サセプタの発熱を容易に制御できる誘導加熱式微細粒子発生装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の目的は、励磁コイルにより発熱する磁化発熱体が発熱し、励磁コイルに熱を伝達することで、効率の低下が改善できる誘導加熱式微細粒子発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、励磁コイルと、励磁コイルと反応して渦電流損失により誘導加熱を発生させるサセプタと、サセプタ及び励磁コイル間の熱を遮蔽する断熱部材とを含む誘導加熱式微細粒子発生装置を提供する。
【0010】
また、本発明は、励磁コイルと、液状保存空間と液状を気化させるための発熱部材とがサセプタにより具備される誘導加熱式微細粒子発生装置を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る誘導加熱式微細粒子発生装置は、サセプタを装置の一部として含み、サセプタの温度を直接的に測定することで、サセプタの発熱を容易に制御できる。
【0012】
本発明に係る誘導加熱式微細粒子発生装置は、円筒形で巻線された1ピースの励磁コイルにより磁化発熱体が加熱でき、磁化発熱体及び励磁コイル間に断熱パイプを備えることで、励磁コイルの過熱を防止して磁化発熱体の発熱効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】従来技術に係るエアロゾル形成基材を加熱するための誘導加熱装置を示す図である。
図2】本発明に用いられる喫煙物品の好適な一例を示す概略分解断面図である。
図3】本発明に用いられる喫煙物品の好適な他の例を示す概略分解断面図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る微細粒子発生装置の分解斜視図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る微細粒子発生装置の分解断面図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る微細粒子発生装置に用いられる断熱パイプの斜視図である。
図7】本発明の第1の実施形態に係る微細粒子発生装置に用いられる第1のインナーパートを示す図である。
図8】本発明の第1の実施形態に係る微細粒子発生装置に用いられるヒットスティックを示す図である。
図9】本発明の第1の実施形態に係る微細粒子発生装置に用いられる第2のインナーパートを示す図である。
図10】本発明の第1の実施形態に係る微細粒子発生装置の断面図である。
図11】本発明の第2の実施形態に係る微細粒子発生装置の断面図である。
図12】本発明の第2の実施形態に係る微細粒子発生装置の分解斜視図である。
図13】本発明の第3の実施形態に係る微細粒子発生装置の一部を示す断面図である。
図14】本発明の第4の実施形態に係る微細粒子発生装置の一部を示す断面図である。
図15】本発明に係る微細粒子発生装置における誘導加熱のための回路ブロック図の一実施形態を示す図である。
図16】本発明に係る微細粒子発生装置における誘導加熱のための回路ブロック図の他の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、内部にエアロゾル形成基材(aerosol-forming substrate)を含み、外部がラッピングペーパー(wrapping paper)でラッピングされた喫煙物品(smoking article)が挿入できる空洞を有し、空洞に挿入された喫煙物品のエアロゾル形成基材を加熱してエアロゾルを形成させる、把持及び携帯が可能なサイズの微細粒子発生装置において、装置内に提供され、数回巻線された励磁コイルと、装置内において励磁コイルにより囲まれるように励磁コイル内に提供され、空洞を定義する中空円筒形状の薄板からなり、励磁コイルと反応して渦電流損失による誘導加熱によって400℃以下の温度まで加熱される金属材質のサセプタであって、サセプタの内表面が空洞内に挿入された喫煙物品のラッピングペーパーの外表面の少なくとも一部と接触し、誘導加熱されたサセプタが熱伝逹によりラッピングペーパー内のエアロゾル形成基材を加熱して、エアロゾルを形成させるサセプタと、装置内においてサセプタ及び励磁コイル間に提供され、サセプタの熱が励磁コイルに伝達されることを防止する断熱部と、装置内に提供され、サセプタ及び励磁コイルの一つ以上の少なくとも一部を支持する構造物と、装置内に提供され、サセプタの温度を得るためのサセプタ温度獲得部と、装置内に提供され、直流電源として働く再充電可能なバッテリと、励磁コイル、サセプタ温度獲得部及びバッテリと電気的に連結され、バッテリから供給される直流電源を受信して、サセプタの温度に応じて、共振周波数の交流電流又は共振周波数と差がある周波数の交流電流を励磁コイルに供給して、サセプタを所望の温度に誘導加熱する制御部とを含むことを特徴とする、誘導加熱ヒータを有する把持及び携帯が可能なサイズの微細粒子発生装置を提供する。
【0015】
ここで、空洞に挿入される喫煙物品の下部の中央を挿通して、喫煙物品内のエアロゾル形成基材と直接的に接触して加熱させるサセプタをさらに含むことが望ましい。
【0016】
また、サセプタは、ステンレス鋼の薄板からなることが望ましい。
【0017】
また、断熱部は、サセプタ及び励磁コイル間に提供される空気層であることが望ましい。
【0018】
また、サセプタ及び励磁コイルの一つ以上の少なくとも一部を支持する構造物が、耐熱プラスチックで作られてサセプタ及び励磁コイル間に提供されることで、サセプタの熱が励磁コイルに伝達されることを防止する断熱部として働く断熱プラスチック構造物であり得る。
【0019】
また、断熱プラスチック構造物は、サセプタの外側でサセプタの少なくとも一部を支持し、構造物の外側面に励磁コイルが巻線される断熱パイプであり得る。
【0020】
また、断熱プラスチック構造物は、サセプタとの間に熱伝導率が低いセラミックパウダーで作られた熱絶縁体リングを別に介在してサセプタを支持することで、サセプタからの熱が外側に漏出されることが防止できる。
【0021】
また、励磁コイルの外側面には、励磁コイルと接触するようにフェライトシート(ferrite sheet)がラッピングされることで、励磁コイルの外側に磁束が漏出されることが防止できる。
【0022】
また、励磁コイルの外側面にグラファイトシート(graphite sheet)がラッピングされることで、励磁コイルの熱を外部に放熱させることができる。
【0023】
また、励磁コイルの外側面に、フェライトシート及びグラファイトシートの合紙がラッピングされることで、励磁コイルの外側に磁束が漏出されることを防止すると同時に、励磁コイルの熱を外部に放熱させることができる。
【0024】
また、空洞と連通する気流パスに、空洞内に挿入された喫煙物品に対するユーザのパフによる音圧を感知する圧力センサをさらに含むことができる。
【0025】
また、サセプタ温度獲得部は、サセプタの温度変化によって変化するインダクタンス又はリアクタンスの値に応じて、サセプタを加熱する電流及び電圧の変化を測定する電流センサ及び電圧センサからの電流及び電圧の変化によってサセプタの温度が計算できる。
【0026】
また、サセプタ温度獲得部は、サセプタの外側面に接触され、サセプタの温度変化による抵抗値の変化を感知して温度を測定する温度センサであり、温度センサのリード線は制御部と電気的に連結できる。
【0027】
また、温度センサ及び温度センサのリード線は、サセプタの外面を囲む耐熱性収縮チューブにより取り囲まれてサセプタの外側面と接触できる。
【0028】
ここで、喫煙物品は、内部に液状カートリッジを含むことができる。
【0029】
また、液状カートリッジは、グリセリンVGを含む液状又はゲル状組成物を含むことが望ましい。
【0030】
また、喫煙物品内において、液状カートリッジの上流又は下流にタバコ体をさらに含むことができる。
【0031】
また、喫煙物品は、フィルター及びチューブをさらに含み、フィルター、チューブ及び液状カートリッジが一つのラッピングペーパーでラッピングされて形成されることが望ましい。
【0032】
また、喫煙物品は、グリセリンVGが含まれたタバコ体を含むことができる。
【0033】
また、喫煙物品は、フィルター及びチューブをさらに含み、フィルター、チューブ及びタバコ体が一つのラッピングペーパーでラッピングされて形成されることが望ましい。
【0034】
本発明は、多様な変換が可能であり、色々な実施形態を持つが、特定の実施形態を図に例示し、詳細な説明に詳しく説明する。本発明の効果及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、図と共に詳細に後述する実施形態等を参照すれば明確になる。ところが、本発明は、以下で開示する実施形態等に限定されず、多様な形態で具現できる。
【0035】
以下の実施形態において、単数の表現は、文脈上において明確に特定しない限り、複数の表現を含む。
【0036】
以下の実施形態において、「含む」又は「有する」などのような用語は、明細書上に記載された特徴や構成要素が存在することを意味し、一つ以上の異なる特徴や構成要素が付加される可能性を予め排除するものではない。
【0037】
以下の実施形態において、「上流」及び「下流」とは、ユーザが喫煙物品を用いて空気を吸引する方向を基準として、喫煙物品を構成するセグメント等の相対的な位置を示すために使用された用語である。喫煙物品は、上流端部(即ち、空気が入る部分)及びこれに対向する下流端部(即ち、空気が出る部分)を含む。喫煙物品の使用時、ユーザは喫煙物品の下流端部を銜えることができる。下流端部は上流端部の下流に位置し、一方、「端部」という用語も「末端」として記述できる。
【0038】
図では、説明の便宜上、構成要素らがその大きさが誇張又は縮小され得る。例えば、図に示す各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意に示すので、本発明は、必ずしも示したものに限定されない。
【0039】
以下では、添付図面に基づき、本発明の実施形態に関して、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。ところが、本発明は、ここで説明する実施形態に限定されず、多様な異なる形態で具現できる。
【0040】
以下では、本発明の好適な一実施形態に係る微細粒子発生装置に用いられる、加熱によりエアロゾルを発生させる喫煙物品に挿入可能な液状カートリッジと、このような液状カートリッジを含む加熱式喫煙物品とを添付図面に基づいて説明するが、説明の便宜上、加熱式喫煙物品の構成要素を各々説明しながら、それに含まれる液状カートリッジを説明する。ここで、加熱式喫煙物品とは、燃焼によらず、電気抵抗方式や誘導加熱方式などにより喫煙物品を加熱することで、喫煙物品からエアロゾルを生成させ、ユーザがこのようなエアロゾルを吸入して使用する形態である。このような喫煙物品は、従来の喫煙物品のタバコ一本と類似な回数の吸入行為をするのに適当な量のエアロゾル形成基材及び/又はタバコ刻葉を喫煙物品内に含み、既定の量だけエアロゾルが発生した後には、それ以上有意味な量のエアロゾルを発生させず、ユーザによって使い捨てられる。
【0041】
図2及び図3に一例を示す本発明の微細粒子発生装置に用いられる加熱式喫煙物品50は、エアロゾル形成基材として、後述するように、通常のタバコ刻葉及びグリセリンなどのような液状組成物を含む。本発明の好適な第1の実施形態に係る加熱式喫煙物品50は、上流端部にエアロゾル形成基材としてタバコ刻葉58、その直下流にもう一つのエアロゾル形成基材として液状組成物カートリッジ56、その直下流にエアロゾル移動通路を提供するチューブ54、及び、マウスピースとして働くフィルター52が積層された構造を持つ。液状組成物カートリッジ56及びタバコ刻葉やタバコ体58の相対的な位置は反対になり得、これとは異なり、図3に示すように、タバコ刻葉やタバコ体58が省略されるか、或いは、現在市販中の加熱式喫煙物品50と同様に液状組成物カートリッジ56が省略されることもできる。
【0042】
本発明に係る液状カートリッジ56は、液状又はゲル状組成物と、液状又はゲル状組成物が吸湿された液状又はゲル状吸湿体と、液状又はゲル状吸湿体を7乃至20mmの長さ及び5乃至8mmの直径を有するシリンダ形状で側面をラッピング(wrapping)するラッピングペーパーとを含み、液状又はゲル状吸湿体は、液状カートリッジ内の液状又はゲル状吸湿体に70乃至120mgの液状組成物を吸湿して液状カートリッジ内に維持するのに充分な吸湿率を持つ。7乃至20mmの長さ及び5乃至8mmの直径を有するシリンダ形状は、現在使用されている通常のタバコ又は加熱式喫煙物品の規格に符合するサイズであって、このような規格を持つ液状カートリッジ56は、加熱式喫煙物品に挿入されて別途のラッピングペーパー60でラッピングされる場合、ユーザの立場から見れば、通常のタバコ又は加熱式喫煙物品と差異がない。
【0043】
本発明は、このような規格を持つ液状カートリッジ56の液状吸湿体に70乃至120mgの液状又はゲル状組成物を吸湿させることを特徴とするが、このような数値範囲は、一本の加熱式喫煙物品に提供されるタバコ刻葉からエアロゾルをユーザが吸入する時、液状組成物から由来するエアロゾルを共に提供できる量の液状組成物の量を示す。前記下限値(70mg)未満の液状又はゲル状組成物が液状吸湿体に吸湿される場合には、ユーザが加熱式喫煙物品に提供されるタバコ刻葉から由来するエアロゾルを吸入する過程において、液状組成物から由来するエアロゾルが不足になり得るため、液状カートリッジに吸湿される液状組成物が、前記下限値(70mg)以上にならなければならない。前記上限値(120mg)を超過する液状又はゲル状組成物が液状吸湿体に吸湿される場合には、液状組成物が前記の規格を持つ液状カートリッジ内の液状吸湿体が液状組成物を吸湿したままに維持し難いため、液状組成物が液状カートリッジから流出される恐れがある。したがって、液状カートリッジ56に吸湿される液状又はゲル状組成物は、前記上限値(120mg)以下にならなければならない。望ましい範囲は80乃至110mgであり、より望ましい範囲は90乃至105mgである。
【0044】
本発明のもう一つの特徴は、前記の規格を持つ液状カートリッジ56内の液状吸湿体が、前記のような範囲を持つ液状組成物を液状カートリッジ内に維持させるのに充分な吸湿率を持つことにある。すなわち、液状組成物は、液状カートリッジ内の液状吸湿体に吸湿されたままに維持され、液状カートリッジの外部に流出されない。ここで、吸湿とは、吸湿体が液状組成物により吸湿されるが、これが外部に流出されないことを示す。後述するように、フィルター-チューブ-液状カートリッジ-タバコ体は、ラッピングペーパーでラッピングされて加熱式喫煙物品を形成し、液状カートリッジは、上流又は下流の方に別個の部材なしにタバコ体やチューブやフィルターと直接的に接触するようになるが、液状カートリッジ内の液状吸湿体に吸湿された液状組成物は、液状吸湿体に吸湿されて保存されるだけであり、タバコ体やチューブやフィルターの方に流出されない。このために、液状組成物は、液状吸湿体の単位体積当たり0.13乃至0.32mg/mmの量で液状吸湿体に吸湿されることが望ましい。この数値限定の理由は、本発明の液状吸湿体に吸湿される液状組成物の量に対する数値限定の理由と類似する。すなわち、前記下限値(0.13mg/mm)未満である場合には、液状吸湿体に吸湿された液状組成物の量が不充分になるため、ユーザが加熱式喫煙物品に提供されるタバコ刻葉から由来するエアロゾルを吸入する過程において、液状組成物から由来するエアロゾルが不足になり得るので、液状カートリッジに吸湿される液状組成物は、前記下限値(0.13mg/mm)以上にならなければならない。前記上限値(0.32mg/mm)を超過する液状組成物が液状吸湿体に吸湿される場合には、液状組成物が前記の規格を持つ液状カートリッジ内の液状吸湿体が液状組成物を吸湿したままに維持し難いため、液状組成物が液状カートリッジから流出される恐れがある。
【0045】
液状組成物は、グリセリンVGを含み、選択的にグリセリンPG、水、香味剤を含むが、液状組成物は、重量%として、70乃至100%のグリセリンVG、0乃至20%のグリセリンPG、0乃至10%の水を含み、このように得られた液状組成物の全体重量対比10%以下に加味される香味剤をさらに含む。好適な一実施形態によれば、本発明は、重量%として、100%のグリセリンVGからなる液状組成物を使用する。好適な他の実施形態によれば、本発明は、重量%として、80%のグリセリンVG及び20%のグリセリンPGからなる液状組成物を使用する。好適なまた他の実施形態によれば、本発明は、重量%として、75%のグリセリンVG、20%のグリセリンPG及び5%の水からなる液状組成物を使用する。好適なまた他の実施形態によれば、本発明は、このように得られた液状組成物の全体重量対比10%以下に加味する香味剤をさらに含む。例えば、香味剤(flavorant)としては、甘草、蔗糖、果糖シロップ、イソスイート(isosweet)、ココア、ラベンダ、シナモン、カルダモン、セロリ、コロハ、カスカリラ、白檀、ベルガモット、ゼラニウム、ハニーエッセンス、ローズオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、ミントオイル、キャラウェー、コニャック、ジャスミン、カモマイル、メントール、カッシア、イランイラン、セージ、スペアミント、ジンジャー、コリアンダー又はコーヒーなどを含むことができる。さらに、液状組成物はニコチンを含んでもよく、含まなくてもよい。
【0046】
好適な一実施形態によれば、本発明に係る液状吸湿体は、メラミン系発泡樹脂からなる厚さ2乃至3mmの帯を折り又は巻きによりシリンダ形態で作ったものであり、好適な他の実施形態によれば、本発明に係る液状吸湿体は、メラミン系発砲樹脂をシリンダ形状で加工して作られたものであるが、メラミン系発泡樹脂からなる液状吸湿体は、より望ましくは0.01乃至0.013mg/mmである単位体積当たりの重量を有する。100mgの液状組成物が吸湿された液状吸湿体を有する液状カートリッジを含む加熱式喫煙物品に対して行なった実験の結果によれば、実験中に液状組成物が外部に流出される問題なしに液状吸湿体に吸湿されたままに維持され、液状組成物から由来する充分なエアロゾルが確認された。
【0047】
好適な他の実施形態によれば、本発明に係る液状吸湿体は、パルプ又はパルプを含む生地を折り又は巻きによりシリンダ形状で作ったり、シリンダ形状で加工して作ったりしたものであるが、パルプ又はパルプを含む生地で作られた液状吸湿体は、より望ましくは0.25乃至0.4mg/mmの単位体積当たりの重量を有する。100mgの液状組成物が吸湿された液状吸湿体を有する液状カートリッジを含む加熱式喫煙物品に対して行なった実験の結果によれば、実験中に液状組成物が外部に流出される問題なしに液状吸湿体に吸湿されたままに維持され、液状組成物から由来する充分なエアロゾルが確認された。
【0048】
好適な他の実施形態によれば、本発明に係る液状吸湿体は、綿の織造生地又は不織布生地を折り又は巻きによりシリンダ形状で作ったり、シリンダ形状で加工して作ったりしたものであるが、綿の織造生地又は不織布生地で作られた液状吸湿体は、より望ましくは0.2乃至0.35mg/mmの単位体積当たりの重量を有する。100mgの液状組成物が吸湿された液状吸湿体を有する液状カートリッジを含む加熱式喫煙物品に対して行なった実験の結果によれば、実験中に液状組成物が外部に流出される問題なしに液状吸湿体に吸湿されたままに維持され、液状組成物から由来する充分なエアロゾルが確認された。
【0049】
好適な他の実施形態によれば、本発明に係る液状吸湿体は、竹繊維の織造生地又は不織布生地を折り又は巻きによりシリンダ形状で作ったり、シリンダ形状で加工して作ったりしたものであるが、竹繊維の織造生地又は不織布生地で作られた液状吸湿体は、より望ましくは0.15乃至0.25mg/mmの単位体積当たりの重量を有する。100mgの液状組成物が吸湿された液状吸湿体を有する液状カートリッジを含む加熱式喫煙物品に対して行なった実験の結果によれば、実験中に液状組成物が外部に流出される問題なしに液状吸湿体に吸湿されたままに維持され、液状組成物から由来する充分なエアロゾルが確認された。
【0050】
本発明に係る微細粒子発生装置に適用できる喫煙物品は、また、ゲル状エアロゾル形成基材カートリッジであって、常温でゲル状又は固体状で存在し、150乃至300℃の温度範囲でエアロゾルに気化する、グリセリンVG、水、ゼラチンを含み、選択的にグリセリンPGを含むゲル状エアロゾル形成基材と、ゲル状エアロゾル形成基材が受容されるゲル受容体と、ゲル受容体を7乃至20mmの長さ及び5乃至8mmの直径を有するシリンダ形状で側面をラッピングするラッピングペーパーとを含むこともできる。7乃至20mmの長さ及び5乃至8mmの直径を有するシリンダ形状は、現在使用されている通常のタバコ又は加熱式喫煙物品の規格に符号するサイズであって、このような規格を持つゲル状エアロゾル形成基材カートリッジは、加熱式喫煙物品に挿入されて別途のラッピングペーパーでラッピングされる場合、ユーザ立場から見れば、通常のタバコ又は加熱式喫煙物品と差異がない。
【0051】
ここで、ゲル状エアロゾル形成基材は、重量%として、80乃至100%のグリセリンVG、0乃至20%のグリセリンPGからなる状組成物を含むが、60乃至80%の液状組成物及び20乃至40%の水の体積割合で混合された混合物100ml対比1乃至6gの重量のゼラチンを含み、選択的に液状組成物の全体重量対比10%以下に加味される香味剤を含むことができる。ここで、望ましくは、液状組成物はゲル受容体内に70乃至120mgの量で含まれる。これとは異なり、液状組成物は、ゲル受容体の単位体積当たり0.13乃至0.32mg/mmの量でゲル受容体に含まれることもできる。
【0052】
好適な一実施形態によれば、ラッピングペーパー60は、アルミニウムフォイルが紙に付着されて形成され、アルミニウムフォイルが液状吸湿体に接触するようにシリンダ形状でラッピングされる。図2乃至図3に示す液状カートリッジの構成から分かるように、液状吸湿体はラッピングペーパーによりラッピングされるが、このとき、ラッピングペーパーはアルミニウムフォイルが紙に付着された形態で提供でき、アルミニウムフォイルが液状吸湿体に接触するようにシリンダ形状でラッピングされることが望ましい。結果として、望ましくは、液状カートリッジ56をラッピングする(アルミニウムフォイルが紙に付着されて形成される)ラッピングペーパーが必要であり、喫煙物品50を形成するためにフィルター52、チューブ54、液状カートリッジ56及び/又はタバコ体58(前述したように、両者の順序は変化でき、その一つが省略されることもできる)を直列に配列してラッピングするための図2及び図3に示すラッピングペーパー60が必要である(ラッピングペーパーの種類に関しては後述する)。
【0053】
本発明に係る微細粒子発生装置に用いられる加熱式喫煙物品50は、図2及び図3に示すように、エアロゾルの移動通路を提供するチューブ54を含むことができるが、チューブ54には、PLAが挿入されてエアロゾルの温度を低下させて、ユーザがエアロゾル吸入時に火傷を負うことを防止することもできる。
【0054】
マウスピースの役割を果たすフィルター52は、図2及び図3に示すように、エアロゾルは通過し、液流入は防止する役割を果たす。フィルターはパルプで製作されることができ、円筒形状又はチューブ形状で製作できる。一方、フィルターは香味剤を含み、ユーザの満足感を向上させることができる。香味剤は、例えば、甘草、蔗糖、果糖シロップ、イソスイート、ココア、ラベンダ、シナモン、カルダモン、セロリ、コロハ、カスカリラ、白檀、ベルガモット、ゼラニウム、ハニーエッセンス、ローズオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、ミントオイル、キャラウェー、コニャック、ジャスミン、カモマイル、メントール、カッシア、イランイラン、セージ、スペアミント、ジンジャー、コリアンダー又はコーヒーなどを含むことができる。
【0055】
場合に応じては、タバコ刻葉からなるタバコ体58なしに液状組成物がニコチンを含み、液状カートリッジにチューブ及びフィルターを順次積層し、ラッピングペーパーでラッピングして、加熱式喫煙物品50を製造することもできる。
【0056】
加熱式喫煙物品50は、通常、複数層のラッピングペーパー60でラッピングされるが、液状カートリッジが位置した部分をラッピングする第1のラッピングペーパー、その下流又は上流に液状カートリッジとタバコ刻葉によるタバコ体とを共にラッピングする第2のラッピングペーパー、その上にチューブを共にラッピングする第3のラッピングペーパー、及び、その上に加熱式喫煙物品の全ての部分をラッピングする第4のラッピングペーパーのように、複数層のラッピングペーパーでラッピングできる。このように、色んな段階のラッピングにより加熱式喫煙物品が得られるが、場合に応じては液状カートリッジを形成する工程が別個に行われてもよく、連続ラインを介して行われてもよい。
【0057】
これとは異なり、製造時間の短縮且つ製造コストの節減のために、加熱式喫煙物品の全ての部分をラッピングする最外周に位置したラッピングペーパー内に、互いに異なる材質又は互いに異なる厚さの包装材を重ねて一度にラッピングすることもできる。
【0058】
図2及び図3に示すように、本発明の一実施形態に係る微細粒子発生装置に適用できる液状カートリッジは、液状組成物が吸湿された液状吸湿体をハウジングの役割を果たすラッピングペーパーがラッピングされる。また、液状カートリッジの下流端部にはチューブ及びフィルターが順次積層されるように設置される。フィルター及びチューブは、液状カートリッジと共にラッピングペーパーでラッピングされる。液状カートリッジ内の液状組成物は、液状吸湿体に吸湿されたままに液状カートリッジ内に維持され、液状カートリッジから流出されず、加熱により気化してエアロゾルを発生させる。ラッピングペーパーは、高熱及び液状との接触によって変形されない、或いは、人体に有害な成分を発生させない、素材で製造されることが望ましい。又は、ラッピングペーパーは、金属薄膜や金属薄板(foil)で製造することも可能であり、前述したように、紙材質のラッピングペーパーに金属薄膜や金属薄板が重畳した形態であり得る。
【0059】
液状カートリッジ56の下流側に提供されるフィルター52は、気流形成のために中空部を有するが、中空部を有していない形態のフィルターを使用してもよい。フィルターは少なくとも一つのセグメントからなり、例えば、チューブフィルター、冷却構造物及びリセスフィルターの少なくとも一つを含むことができる。チューブフィルターは内部に中空を含む形態を持つ。チューブフィルター及びリセスフィルターは酢酸セルロースで製作でき、冷却構造物として働くチューブは純粋なポリ乳酸で製作されたり、異なる分解性ポリマとポリ乳酸とを組合せて製作されたりできる。より具体的に、フィルターは酢酸、紙、PPなどの材質で製造でき、フィルターをラッピングするフィルターのラッピングペーパーは、一般紙、多孔紙、穿孔紙及びNWA(Non Wrapped Acetate)などに分類できる。また、フィルターの形態は一つのセグメントからなるモノフィルター、多数のセグメントからなる複合(二重や三重等)フィルターに分類できる。フィルターは酢酸トウ(acetate tow)、可塑剤、活性炭、X-DNA、巻紙で製造できる。酢酸トウは、酢酸セルロースの連続フィラメントの集合体と言い、フィルターの最も重要な特性である吸引抵抗を決定するのに決定的な役割を果たす。酢酸トウの性質はデニアにより決定される。可塑剤は、酢酸セルロース繊維を軟らかくて柔らかくすることで、繊維間の接触点で結合を形成し、繊維束を一層堅固になるようにする。タバコフィルター用可塑剤はトリアセチンを使用する。吸着剤の一つである活性炭は炭素を主成分とする物質であり、粒子の大きさ及び性状によって区分できる。活性炭に使用される原料としては、植物性原料として木材、木粉、果実殻(ヤシ殻、竹、桃の種)などが挙げられる。X-DNAは海藻類から抽出した後に濃縮加工した機能性粒子である。タバコフィルターに主に用いられる活性炭に比べてタバコ味に影響を及ぼさず、各種発癌物質の除去機能に優れる。
【0060】
ラッピングペーパー60の機能は、フィルター製造の際に、フィルターフロックの形状を維持させる。ラッピングペーパー製造の際には、気孔度、引張強度、伸び率、厚さ、粘着性などの物性を満足させなければならない。例えば、液状カートリッジ56の長さは14.0mmであり、フィルター52又はチューブ54の長さは各々2.5mmであり、タバコ刻葉を含むタバコ体58の長さは9.0mmであり得る。これらの望ましい数値は、前述したように、液状カートリッジ56又はタバコ体58の省略によって異なることになる。
【0061】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る微細粒子発生装置の分解斜視図、図3は本発明の第1の実施形態に係る微細粒子発生装置の分解断面図である。
【0062】
本発明の第1の実施形態に係る微細粒子発生装置は、内部にエアロゾル形成基材(aerosol-forming substrate)を含み、外部がラッピングペーパー60でラッピングされた喫煙物品(smoking article)50が挿入できる空洞100を有し、空洞に挿入された喫煙物品50のエアロゾル形成基材を加熱してエアロゾルを形成させる、把持及び携帯が可能なサイズの微細粒子発生装置である。このような微細粒子発生装置は、示していない下部ケース、上部ケース内で電装品等が配置される。下部ケース及び上部ケースにより定義される空間内において、下部に本発明から直流電源として働く再充電可能なバッテリ210と、本発明で制御部を構成する制御基板220とが配置され、その上部に実際の発熱に用いられる電装品等が配置される。上部ケースには、カバーケースが結合されて上部ケースを取り囲むようになる。本発明は、把持及び携帯が可能なサイズの微細粒子発生装置を対象とする。再充電可能なバッテリ210は、一例としてUSBケーブルのような充電手段を介して再充電可能であり、ユーザは充電済みの微細粒子発生装置の空洞100に喫煙物品50を挿入し、後述するように誘導加熱によりサセプタを加熱させて喫煙物品50内でエアロゾルを発生させ、これを吸入できるようになる。この場合、バッテリ210は直流電源として働き、後述するように、制御部220を介して交流電流として励磁コイル300に供給される。本発明に係る微細粒子発生装置は、把持可能なサイズでユーザが簡便に携帯して使用可能である。
【0063】
発熱に用いられる電装品等は、誘導加熱のための部品等であり、円筒形で数回巻線された励磁コイル300と、励磁コイル300と反応して渦電流損失により誘導加熱されるサセプタ(susceptor;磁化発熱体)400、800とが具備される。ここで、サセプタは、装置内において励磁コイル300が囲むように励磁コイル300内に提供され、喫煙物品50が挿入できる空洞100を定義する中空円筒形状の薄板からなり、励磁コイル300と反応して渦電流損失による誘導加熱によって400℃以下の温度まで加熱される金属材質のヒートパイプ400であることが望ましい。励磁コイル300に印加される交流電流の大きさにより、サセプタの温度は1000℃以上の温度まで加熱できるが、本発明はサセプタを400℃以下の温度まで加熱することを特徴とする。サセプタは、励磁コイル300に印加される交流電流の大きさによって100乃至400℃の温度まで加熱されて、空洞100内に挿入される喫煙物品50内に提供されるエアロゾル形成基材を加熱させてエアロゾルを発生させる。望ましい一例によれば、そのターゲット温度は200乃至350℃の範囲になり得、より望ましい一例によれば、そのターゲット温度は250乃至320℃の範囲になり得る(一例として280℃をターゲット温度とする)。場合に応じては、そのターゲット温度が150乃至250℃の範囲であり得るが(一例として180℃をターゲット温度とする)、これは、エアロゾルを発生させようとする対象が、液状又はゲル状グリセリンであるか、タバコ体であるか、もしくはグリセリンが吸湿されたタバコ体であるかによって変化し得る。どのような場合でも、喫煙物品50内で発生したエアロゾルは、チューブ54及びフィルター52を介してユーザの口の中に吸入されるので、吸入過程で冷却されることを考慮しても、発生したエアロゾルの温度が過度に高くなると、ユーザに不快感を与えるか、或いは、火傷の危険があり、過度なエアロゾルの発生による数回のパフに困難があるので、このような点を勘案してサセプタのターゲット温度が予め決定されなければならない。しかしながら、前記理由のため、サセプタのターゲット温度の上限が前記のように制限される。
【0064】
好適な実施形態によれば、発生したエアロゾルがチューブ54及びフィルター52を経て出る温度がマウスエンド温度(mouth end temperature)として測定できるが、ユーザに不快感を与えないために、エアロゾルの温度は50℃未満、望ましくは45℃以下の温度にならなければならない。望ましいエアロゾルのマウスエンド温度は25乃至45℃の温度範囲を有し、より望ましいエアロゾルのマウスエンド温度は30乃至40℃の温度範囲を有する。
【0065】
サセプタは一つ又は複数個が具備でき、本発明の第1の実施形態では、ケース内に具備されるヒートパイプ400と、ヒットスティック800とがサセプタの役割を果たす。ヒートパイプ400は、略円筒形状である喫煙物品50の外部でサセプタであるヒートパイプ400の内表面が空洞100内に挿入された喫煙物品50のラッピングペーパー60の外表面に少なくとも一部と接触し、誘導加熱されたサセプタが熱伝逹によりラッピングペーパー60内のエアロゾル形成基材を加熱し、ヒットスティック800は、喫煙物品50内に挿入されて喫煙物品50内でエアロゾル形成基材を加熱する形態である。このとき、ヒートパイプ400及びヒットスティック800は、全部薄形で製造され、ヒットスティック800は薄形の中空棒で上端部が尖端形状となって閉鎖される。
【0066】
第1の実施形態に具備されたヒートパイプ400のみを単独に備えるか、或いは、ヒットスティック800のみを単独に備えることができる。ヒートパイプ400のみを単独に備える場合(後述する第2の実施形態に対応する)、前述したように、ヒートパイプ400は、略円筒形状である喫煙物品50の外部でサセプタであるヒートパイプ400の内表面が空洞100内に挿入された喫煙物品50のラッピングペーパー60の外表面に少なくとも一部と接触し、誘導加熱されたサセプタが熱伝逹によりラッピングペーパー60内のエアロゾル形成基材を加熱するので、喫煙物品50内にあるタバコ体58又は液状カートリッジ56と直接的に接触せず、誘導加熱されたヒートパイプ400が熱伝逹により喫煙物品50内にあるタバコ体58内のタバコ刻葉やグリセリンのようなエアロゾル形成基材又は液状カートリッジ56内のグリセリンのようなエアロゾル形成基材を加熱してエアロゾルを発生させるので、エアロゾル形成基材から充分にエアロゾルが発生した後に喫煙物品50を空洞100から除去しても、空洞100内に喫煙物品50から由来するカスなどが残存する可能性が少ない。
【0067】
ヒートパイプ400が形成する空洞100は、喫煙物品50が挿入できる空間であって、喫煙物品50が空洞100内に挿入された後、誘導加熱されたサセプタにより加熱され、所定量のエアロゾルが形成された後、ユーザがそれ以上喫煙物品50からエアロゾルを吸入したくない場合、使用した喫煙物品50を空洞100から除去して捨てるようになる。空洞100の大きさは喫煙物品50が挿入できる程度に大きい必要があるが、空洞100を形成するヒートパイプ400の内表面から喫煙物品50の外表面まで間隔が大きい場合、誘導加熱されたヒートパイプ400から喫煙物品50内のエアロゾル形成基材への熱伝逹が不充分になる。したがって、本発明では、ヒートパイプ400の内表面が空洞100内に挿入された喫煙物品50のラッピングペーパー60の外表面に少なくとも一部と接触することが望ましい。
【0068】
本発明は、サセプタとして働いて中央に空洞100を形成するヒートパイプ400の外表面に温度センサ420を提供することを特徴とする。温度センサ420はサセプタの温度を得るためのサセプタ温度獲得部として働くが、サセプタであるヒートパイプ400の外側面に接触されて、サセプタの温度変化による抵抗値の変化を感知して温度を測定する温度センサ420であり、温度センサのリード線440は制御部として働く制御基板220と電気的に連結される。温度センサ420及び温度センサのリード線440は、サセプタであるヒートパイプ400の外面を囲む耐熱性収縮チューブにより取り囲まれて、サセプタであるヒートパイプ400の外側面と接触するようになる。このように、温度センサ420及び温度センサのリード線440が収縮チューブを用いてヒートパイプ400に取り囲まれることになるため、温度センサ420及びヒートパイプ400の確固な面接触が保証できるようになり、ヒートパイプ400の温度変化による抵抗値の変化を温度センサ420が読み取るのに困難がなくなる。本発明は、サセプタを誘導加熱により400℃以下の温度まで加熱することを特徴とするので、この温度範囲で耐熱性収縮チューブが劣化しないと同時に、充分な弾性により温度センサ420及び温度センサのリード線440を定位置に固定できるようになる。このような方式により温度センサ420をヒートパイプ400の外側面に固定するので、温度センサ420のサセプタの表面に対する接触を保証すると同時に、作業工程の効率を高めることができ、別途に温度センサ420を設置するための機構物や加工が不要であるという長所がある。前述した従来技術では、サセプタが喫煙物品内に提供されるので、サセプタの温度を直接的に測定できないが、本発明では、温度センサ420により直接的にサセプタの温度を測定するか、或いは、後述するように励磁コイルに印加される電流及び電圧を測定することで、サセプタの温度が計算できるので、サセプタの誘導加熱時にサセプタの温度によって励磁コイルに供給される交流電流が制御できるという長所がある。
【0069】
励磁コイル300は、数回巻線されたコイル巻線体であって、サセプタに交流電流を供給してサセプタに渦電流損失による誘導加熱を起こすが、励磁コイル300にサセプタから発生する高熱が伝達される場合、励磁コイル300自体の抵抗が高まるという問題点がある。したがって、後述するように、サセプタ及び励磁コイル間に提供されてサセプタの熱が励磁コイル300に伝達することを防止することが必要になるが、一方、サセプタから励磁コイル300に伝達される熱を外部に放熱させて励磁コイル300の温度を低下させる必要がある。このために、励磁コイル300の外側面にはグラファイトシート(graphite sheet)360がラッピングされることが望ましい。グラファイトシート360は、励磁コイル300の熱を外部に放熱させる機能をする。合わせて、励磁コイル300の外側面にフェライトシート(ferrite sheet)340をラッピングする場合、励磁コイル300の外側への磁気漏れ(magnetic leakage)が遮断でき、励磁コイル300からの磁気力線が励磁コイル300内のサセプタに集中する結果が得られることになる。以上のように、励磁コイル300の外側面でグラファイトシート又はフェライトシートの一つ以上をラッピングして以上の効果が得られるが、より望ましくはグラファイトシート360及びフェライトシート340を図に示すように合紙して、合紙したシートを励磁コイル300の外側にラッピングすることもできる。
【0070】
励磁コイル300及びサセプタ、特にヒートパイプ400間には、誘導加熱されたサセプタの熱が励磁コイル300に伝達されることを防止する断熱部が提供されるが、望ましい一例として断熱部は、別個に提供される空気層530(図13及び図14参照)になり得、図4乃至図6に示すような断熱パイプ500の形態になり得る。図6は、本発明の第1の実施形態に係る誘導加熱式微細粒子発生装置が備える断熱パイプの斜視図である。断熱パイプ500の外周は滑らかな形状であり、励磁コイル300の巻線を支持する役割を兼ね、断熱パイプ500の内周には軸方向に形成された溝510が円周方向に向かって全領域にわたって配置され、また断熱のための空気層を形成し、ヒートパイプ400が断熱パイプ500の内表面に接合する面積を最小化する。第1の実施形態が備える断熱パイプ500の内部の形状は軸方向の溝510が形成された形状であるが、溝は楔形状、螺旋形状、リング形状及び網形状など、接触面を最小とする構造であればどのような形状であっても構わない。接触面を最小化することが誘導加熱されたサセプタから断熱パイプに伝導熱伝逹を最小化する構造になるはずである。
【0071】
断熱パイプ500を励磁コイル300及びサセプタ間に配置することで、サセプタから発生する誘導熱が励磁コイル300に伝達されることが防止できる。励磁コイル300にサセプタから発生する高熱が伝達される場合、励磁コイル300自体の抵抗が高まるため、結果として励磁コイル300が誘導する磁場の強度が弱くなり、サセプタから発生する誘導発熱量が低くなる。したがって、断熱パイプ500又は空気層のような断熱部を励磁コイル300及びサセプタ間に配置することで、サセプタから発生する発熱量を向上させることができる。また、エネルギー損失が少ないため、サセプタの発熱温度の制御が容易になるという長所がある。
【0072】
ヒートパイプ400及びヒットスティック800は、励磁コイル300により磁化可能な金属材質で形成される。本発明の望ましい一例はステンレス鋼である。ステンレス鋼は比較的低価に入手可能であり、優れた加工性を持つため、薄板シリンダタイプで容易に加工され、サセプタとして働いて発熱するため、優れた磁化特性を持つ。ヒートパイプ400の下端部を支持し、ヒットスティック800を固定するための第1のインナーパート600が具備され、第2のインナーパート700は第1のインナーパート500の下部に結合されて、第1のインナーパート600と共にヒットスティック800を固定する。第1のインナーパート600及び第2のインナーパート700は耐熱プラスチックで製造され、ヒートパイプ500及びヒットスティック800の発熱を耐えることができる。一例として、PEEKのようなエンジニアリングプラスチックが射出成形により第1のインナーパート600及び第2のインナーパート700のような構造物が形成できる。
【0073】
断熱のために適用される断熱パイプ500の外壁に断熱遮蔽機能付きのフィラーを利用する断熱フィルムを付着することで、断熱パイプ500の断熱効果を上昇させることができる。断熱フィラーとしては、熱伝導率が低いジルコニアのようなセラミックパウダー、多孔性シリカゲル、多孔性アルミナ、エアロゲルなどのようなセラミックパウダーが用いられる。
【0074】
又は、断熱のために適用される断熱パイプ500の外壁に断熱遮蔽機能付きのフィラーを利用する断熱塗料を塗って付着することで、インシュレーターの断熱効果を上昇させることができる。断熱フィラーとしては、熱伝導率が低いジルコニアのようなセラミックパウダー、多孔性シリカゲル、多孔性アルミナ、エアロゲルなどのようなセラミックパウダーが用いられる。
【0075】
また、他の例として、断熱パイプは内部に溝の代りに中空チューブに代替できる。中空チューブを用いてサセプタから発生した熱をエアロゾル発生部位に限定することで、効率性を期することができる。中空チューブの内部は空気層を持つ形態が最も望ましいが、エアロゾルパウダーやゼオライトのような多孔性材質の断熱材で充填できる。また、充填しない状態の中空構造にも空気層による断熱効果を充分に得られる。
【0076】
図7は、本発明の第1の実施形態に係る誘導加熱式微細粒子発生装置が備える第1のインナーパートを示す図である。図4図5及び図7を参照すれば、第1のインナーパート600は、上部に円形溝610を備え、円形溝610内にヒートパイプ400の下端の一部が挿入されて支持される。このとき、ヒートパイプ400の断熱のために、円形溝610には複数個のリブ(rib)612が形成され、円形溝610の底面から所定間隔をおいて配置される。すなわち、円形溝610の底面及びヒートパイプ400の底面間に空気層が形成される。また、円形溝610の側面を貫通する貫通孔614を備えることで、後述する気流パスを通じて流入した空気の出入が可能になる。このような気流パスは、ヒートパイプ400により定義される空洞100と連通する気流パスを形成するが、空洞100に挿入される喫煙物品50に対するユーザのパフによる音圧を感知する圧力センサ(図示せず)が気流パス上の適切な位置に提供される。圧力センサは、空洞100内に挿入された喫煙物品50に対するユーザのパフによる音圧を感知して、望ましくは後述する制御部でパフ回数をカウントしたり、より望ましくは累積パフ量を計算したりすることに用いられる。圧力センサは、本実施形態だけでなく他の実施形態でも空洞100に連通する気流パス上の適切な位置に提供され、空洞100に挿入された喫煙物品50に対するユーザのパフによる音圧を感知することに用いられる。
【0077】
また、円形溝610の底面の中央にはホール616が形成されが、これをヒットスティック800の上部が貫通し、ヒットスティック800の上部の一部はヒートパイプ400内に位置することになる。また、第1のインナーパート600の外側の一側には、励磁コイル300のリードワイヤをガイドする案内部620が具備される。案内部620を介して励磁コイル300のリードドワイヤ320が引出されることで、制御基板220と電気的な接点が形成できる。また、第1のインナーパート600を、バッテリ210及び制御基板220を固定するブラケットなどに固定するための固定部630が具備される。本発明の第1の実施形態では、第1のインナーパート600及びブラケットは螺合し、これにより、固定部630はネジ孔である。一方、第1のインナーパート600の下部にはヒットスティック800の一部が位置し、ヒットスティック800を固定させる第2のインナーパート700が挿入されて固定されるための受容部640(図5参照)を備える。選択的には、ヒットスティック800が提供されない場合、第2のインナーパート700が不要になり、その場合に後述する第2の実施形態のように、中央のホール616が形成されないように構成できるが、これとは異なり、中央のホール616及び第2のインナーパート700を受容するための受容部640の空間を気流パスのための空間及び圧力センサ設置のための空間として適用できる。勿論、どのような場合でも、圧力センサは、空洞100に挿入される喫煙物品50と連通する気流パス上に設置されなければならない。
【0078】
図8は、本発明の第1の実施形態に係る誘導加熱式微細粒子発生装置が備えるヒットスティックを示す図である。図4図5及び図8を参照すれば、ヒットスティック800は、前述したように、第1のインナーパート600を貫通してヒートパイプ400内に位置する上部棒810と、ヒットスティック800の所定長さだけ第1のインナーパート600を貫通してヒートパイプ400内に位置するようにし、ヒットスティック800の固定を助けるフランジ部820と、フランジ部820の下部に突出された下部棒830とを含む。このとき、ヒットスティック800は中空棒であって、上部棒810の上端が尖端形状となって閉鎖された形態である。ヒットスティック800の中央は空気層が形成されて断熱効果が与えられ、中空形態でないものに比べて容易に誘導加熱が可能であるという長所がある。図に示すように、ヒットスティック800は棒状で形成されてもよく、図8に示す棒の中が充填されたものとして想定する場合、その中央断面と同様な形状の板状材料で製造されてもよい。これとは異なり、このような板状材料が十字形態で交差する形状で製作されることができる。どのような場合でも、ヒットスティック800は、但し磁化可能な金属材料、望ましい一例としてステンレス鋼の薄板を加工して作られるもので、被加工物であるヒットスティック800に追加的に他の構成要素(例えば、ヒータパターン等)を設置するものでないため、所望の形状で製造してこれを固定するための構造物に固定するだけで充分である。他の部分で説明した通り、ヒットスティック800は、喫煙物品50内に挿入されて喫煙物品50内にあるエアロゾル形成基材に直接的に接触した状態において、誘導熱により加熱させることができるという長所がある。すなわち、喫煙物品内で直接的に接触して熱伝逹が可能となる。しかしながら、使用した喫煙物品50を空洞100から除去する場合、喫煙物品50内にあるエアロゾル形成基材のカスが空洞100内に残存する危険が高まるため、清掃の必要性があり得るという短所がある。つまり、長所を維持しながら短所を最小化できると、ヒットスティック800を使用する必要性は高まるが、これは、ヒットスティック800の形状が喫煙物品50内に容易に挿入されると同時に、除去時に喫煙物品50からカスが空洞100内に残存しないようにすることにある。このような挿入及び除去が可能な形状でヒットスティック800が提供されると、前述した長所を維持しながら短所が最小化できる。
【0079】
図9は、本発明の第1の実施形態に係る誘導加熱式微細粒子発生装置が備える第2のインナーパートを示す図である。図4乃至図9を参照すれば、第2のインナーパート700は、第1のインナーパート600の下部に形成された受容部640(図5参照)に挿入されて固定され、ヒットスティック800のフランジ部820及び下部棒830が係合してヒットスティック800を固定する役割を果たす。第2のインナーパート700の上部710は、ヒットスティック800のフランジ部820と係合する形状を備える。また、上部710の中央には、ヒットスティック800の下部棒830が挿入される挿入溝720を備える。また、下部には第1のインナーパート600と締結するための締結部730が具備される。第1の実施形態では、第1のインナーパート600及び第2のインナーパート700が螺合されるので、締結部730はネジ溝が形成された締結ボスである。
【0080】
図10は、本発明の第1の実施形態に係る誘導加熱式微細粒子発生装置の断面図である。本発明の第1の実施形態に係る誘導加熱式微細粒子発生装置は、示していないカバーケースに形成された孔を通じて流入された外気が、上部ケースに形成された気流孔140を経由して、第1のインナーパート600の貫通孔614(図7参照)及び気流パス空間120を通じてヒートパイプ400内に流入され、ヒートパイプ400に挿入された喫煙物品50の加熱により発生した微細粒子又はエアロゾルをユーザが吸入できるようになる。
【0081】
一方、第1の実施形態では、ヒートパイプ400及びヒットスティック800が全部サセプタとして用いられたが、また他の実施形態において、ヒートパイプ400を磁化が不可な材質に変更することで、発熱することなく喫煙物品50の受容のみが可能なパイプとして用い、サセプタとしてヒットスティック800のみを用いることも可能である。
【0082】
図11は、本発明の第2の実施形態に係る誘導加熱式微細粒子発生装置の断面図、図12は、本発明の第2の実施形態に係る誘導加熱式微細粒子発生装置の分解斜視図である。本発明の第2の実施形態に係る誘導加熱式微細粒子発生装置は、サセプタとしてヒットスティックは含まず、喫煙物品50が挿入されるヒートパイプ400のみを備える。したがって、インナーパートもヒートパイプ400を支持するための第1のインナーパート600のみを備え、第1の実施形態とは異なり、第2のインナーパートは含まない。第2の実施形態が備える第1のインナーパート600aは、ヒットスティックが貫通する必要がないので、底面に貫通孔を備えない。以外は第1の実施形態と同様に、ヒートパイプ400の下端が係止されるように複数個のリブが形成され、空気が流入できる貫通孔を側面に備える。
【0083】
喫煙物品50の構成要素がよく表現されるように誇張して示しているが、サセプタとして働くヒートパイプ400内の空洞100の中に喫煙物品50のエアロゾル形成基材56、58が挿入可能なサイズでなければならない。これにより、ヒートパイプの加熱によりエアロゾル形成基材56、58の加熱が行われ、喫煙物品50内でエアロゾルが発生される。
【0084】
前述したように、ヒットスティックを含まない差異点の以外は、第2の実施形態が第1の実施形態の構成を全部含む。特に、気流パス空間120を通じて喫煙物品50によりユーザが吸入する音圧を適切な位置に設置される圧力センサにより感知できる。
【0085】
図13は、本発明に係る誘導加熱式微細粒子発生装置の第3の実施形態を示す断面図、図14は、本発明に係る誘導加熱式微細粒子発生装置の第4の実施形態を示す断面図である。第3の実施形態及び第4の実施形態は、サセプタとして働くヒートパイプ400が、第1の実施形態及び第2の実施形態とは異なり、断熱パイプ500内に位置せず、断熱パイプ520(図14参照)及びサセプタとして働くヒートパイプ400間に空気層530が明確に提供される例を示す。空気層530が断熱部として働いてヒートパイプ400から励磁コイル300に向かう熱を遮断する役割を果たす。
【0086】
ヒートパイプ400の下端は、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、第1のインナーパートにより支持されるが、その形状を多少異にするため、図面番号を異にして第1のインナーパート支持部650として記載した。しかしながら、第1の実施形態及び第2の実施形態と同様に、ヒートパイプ400の下端部を支持している。
【0087】
ヒートパイプ400の上端は、第1の実施形態及び第2の実施形態の断熱パイプに対応する断熱構造物520により支持される。断熱構造物520は、ヒートパイプ400の上端を支持すると同時に、その外周に励磁コイル300が巻線される空間を提供する。前述したように、空気層530及び断熱構造物520によりサセプタであるヒートパイプ400から励磁コイル300に伝達される熱が最小化できる。
【0088】
その他、ヒートパイプ400の外面には、前述した収縮チューブ460が提供されることで、温度センサ420及び温度センサのリード線440をヒートパイプ400に接触するように固定する役割を遂行し、励磁コイルの外側面には、グラファイトシート360及びフェライトシート340を合紙したシートを励磁コイル300の外側にラッピングした。
【0089】
その他、第4の実施形態に示すように、全部断熱プラスチック構造物である第1のインナーパート支持部650及び断熱構造物520がサセプタであるヒートパイプ400を支持する位置に、熱伝導率が低いセラミックパウダーで作られた熱絶縁体リング560、562を別に介在してヒートパイプ400を支持することで、ヒートパイプから熱が構造物を介して外部に伝達されることが防止できる。
【0090】
図15は、本発明に係る誘導加熱式微細粒子発生装置における誘導加熱のための回路ブロック図の一実施形態を示す図である。
【0091】
図15を参照すれば、本発明に係る誘導加熱式微細粒子発生装置は、インダクションヒーティングを用いてサセプタ2007を加熱するが、具体的に説明すれば、MCU2001は、電源昇圧回路2002を制御して、バッテリ2003から供給された直流電圧を電源昇圧回路2002がインダクションヒーティングのために増幅させて、インダクションヒータコントロールロジック2004に直流電流を供給する。電源昇圧回路2002は、誘導加熱のための電源としてバッテリ2003を用いる時、サセプタ2007を誘導加熱するのに必要な安定した電源供給のために適用される。また、MCU2001は、インダクションヒータコントロールロジック2004にPWM信号を入力する。インダクションヒータコントロールロジック2004は、MCU2001から入力するPWM信号によってスイッチング動作をしながら、電源昇圧回路2002から供給された直流電流を交流電流に変換し、コイル2006に供給して、サセプタ2007が誘導加熱されるようにする。
【0092】
MCU2001では、初期駆動の際、サセプタ2007の温度を上昇させるために、コイル2006及びキャパシタ2005の値により得られた共振周波数を伝達するように、PWM信号をインダクションヒータコントロールロジック2004に入力し、インダクションヒータコントロールロジック2004は、共振周波数で交流電流をコイル2006に供給する。
【0093】
MCU2001では、既定の所定時間が経過すれば、サセプタ2007の温度がもう上昇しないように、共振周波数よりも遠い周波数になるようにPWM信号をインダクションヒータコントロールロジック2004に入力し、インダクションヒータコントロールロジック2004は、これにより共振周波数よりも遠い周波数で交流電流をコイル2006に供給する。
【0094】
前記のように、MCU2001が既定の通り、時間によって周波数を調節するようにPWM信号をインダクションヒータコントロールロジック2004に入力でき、実施形態に応じては、電流センサ2008及び電圧センサ2009により感知された値によってサセプタ2007の温度を計算し、必要な温度によってPWM信号の周波数を調節し、インダクションヒータコントロールロジック2004に入力して、インダクションヒータコントロールロジック2004からコイル2006に供給される交流電流の周波数が制御できるが、具体的に説明すれば、インダクションヒータコントロールロジック2004からコイル2006に交流電流を供給すれば、サセプタ2007の誘導加熱によりサセプタ2007の温度が変化し、インダクタンス又はリアクタンスの値が変化することで、サセプタ2007を加熱する電流及び電圧が変更される。電流センサ2008はコイル2006に供給される電流を測定してMCU2001に入力し、電圧センサ2009はコイル2006に供給される交流電圧を直流電圧に変換してMCUが確認可能な電圧レベルに変換してMCU2001に入力し、MCU2001では電流センサ2008及び電圧センサ2009を介して入力された電流及び電圧の値の変化によってサセプタ2007の温度を計算し、サセプタ2007の温度変化を感知し、必要な温度によってPWM信号の周波数を調節して、インダクションヒータコントロールロジック2004に入力し、インダクションヒータコントロールロジック2004は、MCU2001から入力されたPWM信号により周波数を調節しながら、コイル2006に交流電流が供給できる。
【0095】
図16は、本発明に係る誘導加熱式微細粒子発生装置における誘導加熱のための回路ブロック図の他の実施形態を示す図である。図16では、図15と同一の符号の構成はその動作が同一であり、図16を参照すれば、サセプタ2007の温度を感知する温度センサ2010を備え、温度センサ2010で感知された値をMCU2001に入力し、これに応じて、MCU2001ではサセプタ2007の温度変化を感知して、必要な温度によってPWM信号の周波数を調節し、インダクションヒータコントロールロジック2004に入力し、インダクションヒータコントロールロジック2004は、MCU2001から入力されたPWM信号によって周波数を調節しながら、コイル2006に交流電流が供給できる。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明によれば、誘導加熱式微細粒子発生装置がサセプタを装置の一部として含み、サセプタの温度を直接的に測定することで、サセプタの発熱を容易に制御できる。
【0097】
本発明によれば、誘導加熱式微細粒子発生装置が円筒形で巻線された1ピースの励磁コイルにより磁化発熱体が加熱でき、磁化発熱体及び励磁コイル間に断熱パイプを備えることで、励磁コイルの過熱を防止して、磁化発熱体の発熱効率を向上させることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16