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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-15
(45)【発行日】2023-05-23
(54)【発明の名称】基地局、送信方法及び集積回路
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/231 20230101AFI20230516BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
H04W72/231
H04L27/26 113
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022047145
(22)【出願日】2022-03-23
(62)【分割の表示】P 2019525153の分割
【原出願日】2018-04-17
(65)【公開番号】P2022091863
(43)【公開日】2022-06-21
【審査請求日】2022-03-23
(31)【優先権主張番号】P 2017118607
(32)【優先日】2017-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2017153346
(32)【優先日】2017-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀内 綾子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
【審査官】田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/024569(WO,A1)
【文献】特表2014-527348(JP,A)
【文献】特表2014-527339(JP,A)
【文献】Intel Corporation,"Considerations on blind decoding for NR PDCCH",3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #89 R1-1707382,[online],2017年05月07日,pages 1-5,[retrieved on 2022-02-15], <URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_89/Docs/R1-1707382.zip>
【文献】Samsung,"Configurations for NR-PDCCH Monitoring",3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #88bis R1-1705386,[online],2017年03月25日,pages 1-3,[retrieved on 2022-02-15], <URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88b/Docs/R1-1705386.zip>
【文献】Intel Corporation,"CORESETs for NR PDCCH",3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #89 R1-1707379,[online],2017年05月07日,pages 1-5,[retrieved on 2022-02-15], <URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_89/Docs/R1-1707379.zip>
【文献】Samsung,"NR-PDCCH Design for URLLC",3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #88bis R1-1705383,[online],2017年03月24日,pages 1-7,[retrieved on 2022-02-15], <URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_88b/Docs/R1-1705383.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
H04L 27/00-27/38
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サブキャリア間隔に基づいて、信号におけるPhysical Downlink control channel(PDCCH)サーチスペースセット期間中のスロット内制御チャネル候補の最大数を決定する回路と、
前記信号を端末へ送信する、送信部と、
を具備し、
前記送信された信号の前記PDCCHサーチスペースセット期間中の制御チャネル候補は、前記スロット内制御チャネル候補の最大数に基づいて、前記端末によりモニタされる、
基地局。
【請求項2】
前記サブキャリア間隔が広くなると、前記スロット内制御チャネル候補の最大数は減少する、
請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
第1のサブキャリア間隔は第2のサブキャリア間隔より狭く、
前記第1のサブキャリア間隔での前記スロット内制御チャネル候補の第1の最大数は、前記第2のサブキャリア間隔での前記スロット内制御チャネル候補の第2の最大数より大きい、
請求項1に記載の基地局。
【請求項4】
前記第1のサブキャリア間隔は前記第2のサブキャリア間隔の4分の1の広さであり、
前記第1のサブキャリア間隔での前記スロット内制御チャネル候補の前記第1の最大数は、前記第2のサブキャリア間隔での前記スロット内制御チャネル候補の前記第2の最大数の4倍より小さい、
請求項3に記載の基地局。
【請求項5】
前記第1のサブキャリア間隔は前記第2のサブキャリア間隔の2分の1の広さであり、
前記第1のサブキャリア間隔での前記スロット内制御チャネル候補の前記第1の最大数は、前記第2のサブキャリア間隔での前記スロット内制御チャネル候補の前記第2の最大数の2倍より小さい、
請求項3に記載の基地局。
【請求項6】
前記PDCCHサーチスペースセット期間中の前記スロット内制御チャネル候補の数は、control channel element (CCE) aggregation levelに依存する、
請求項1に記載の基地局。
【請求項7】
前記スロット内制御チャネル候補の前記最大数は、control channel element (CCE) aggregation level毎の前記スロット内制御チャネル候補の数に依存する、
請求項1に記載の基地局。
【請求項8】
前記送信部は、上位レイヤのシグナリングにより、前記CCE aggregation level毎の前記スロット内制御チャネル候補の数を通知する、
請求項7に記載の基地局。
【請求項9】
前記PDCCHサーチスペースセット期間中のPDCCHによりスケジュールされるphysical downlink shared channel (PDSCH)のプロセッシング時間が短くなると、前記スロット内制御チャネル候補の最大数は減少する、
請求項1に記載の基地局。
【請求項10】
前記スロット内制御チャネル候補の最大数は、前記端末のCapabilityに依存する、
請求項1に記載の基地局。
【請求項11】
前記スロット内制御チャネル候補の最大数は、前記サブキャリア間隔毎に決定される、
請求項1に記載の基地局。
【請求項12】
前記スロット内制御チャネル候補の最大数と前記サブキャリア間隔の関係は、完全な反比例とは異なる、
請求項2に記載の基地局。
【請求項13】
スロット内の連続するシンボルにつき前記スロット内制御チャネル候補の最大数が定義される、
請求項1に記載の基地局。
【請求項14】
サブキャリア間隔に基づいて、信号におけるPhysical Downlink control channel(PDCCH)サーチスペースセット期間中のスロット内制御チャネル候補の最大数を決定する工程と、
前記信号を端末へ送信する工程と、
を含み、
前記送信された信号の前記PDCCHサーチスペースセット期間中の制御チャネル候補は、前記スロット内制御チャネル候補の最大数に基づいて、前記端末によりモニタされる、
送信方法。
【請求項15】
サブキャリア間隔に基づいて、信号におけるPhysical Downlink control channel(PDCCH)サーチスペースセット期間中のスロット内制御チャネル候補の最大数を決定する処理と、
前記信号を端末へ送信する処理と、
を制御し、
前記送信された信号の前記PDCCHサーチスペースセット期間中の制御チャネル候補は、前記スロット内制御チャネル候補の最大数に基づいて、前記端末によりモニタされる、
集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基地局、送信方法及び集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代移動通信システム(5G)と呼ばれる通信システムが検討されている。5Gでは、通信トラフィックの増大、接続する端末数の増大、高信頼性、低遅延などが必要とされる様々なユースケース毎に機能を柔軟に提供することが検討されている。代表的なユースケースとして、拡張モバイルブロードバンド(eMBB:enhanced Mobile Broadband)、大規模コミュニケーション/多数接続(mMTC:massive Machin Type Communications)、超信頼性・低遅延 コミュニケーション(URLLC:Ultra Reliable and Low Latency Communicant)の3つがある。国際標準化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、LTEシステムの高度化と、New RAT(Radio Access Technology)(例えば、非特許文献1を参照)の両面から、通信システムの高度化を検討している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】RP-161596, "Revision of SI: Study on New Radio Access Technology", NTT DOCOMO, September 2016
【文献】R1-1702764, "Discussion on group common PDCCH", Panasonic, February 2017
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
New RAT では、DCI(Downlink Control Indicator)を配置するPDCCH(Physical Downlink Control Channel)領域として、複数のcontrol resource set(以下、「CORESET」と呼ぶ)を端末(UE:User Equipment)に設定することが検討されている。しかしながら、UEが、CORESETにおいて、DCIが配置されるPDCCH領域の候補(以下、「NR-PDCCH候補」と呼ぶ)の位置であるサーチスペースをモニタ(Blind Decoding)してDCIを検出する方法については十分に検討がなされていない。
【0005】
本開示の一態様は、UEがCORESET内のサーチスペースをモニタしてDCIを適切に検出することができる基地局、送信方法及び集積回路の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る基地局は、端末において制御信号を検出する対象となる複数の制御チャネル候補を含む少なくとも1つのサーチスペースを設定する回路と、前記サーチスペース内の前記複数の制御チャネル候補の何れかにマッピングされた前記制御信号を送信する送信機と、を具備し、前記端末による前記サーチスペースの検出回数は、前記端末の設定に基づいて決定される。
【0007】
本開示の一態様に係る基地局は、端末において制御信号を検出する対象となる複数の制御チャネル候補を含む少なくとも1つのサーチスペースを設定する回路と、前記サーチスペース内の前記複数の制御チャネル候補の何れかにマッピングされた前記制御信号を送信する送信機と、を具備し、前記端末による前記サーチスペースの検出回数の最大値が、前記複数の制御チャネル候補が配置されるシンボル毎に設定され、前記回路は、前記複数の制御チャネル候補の各々に対する前記検出回数を、当該制御チャネル候補が配置されるシンボルのうち最終シンボルにおいて前記最大値以内に設定する。
【0008】
本開示の一態様に係る端末は、信号を受信する受信機と、端末において制御信号を検出する対象となる複数の制御チャネル候補を含む少なくとも1つのサーチスペースを検出して、前記信号から自機宛ての前記制御信号を特定する回路と、を具備し、前記端末による前記サーチスペースの検出回数は、前記端末の設定に基づいて決定される。
【0009】
本開示の一態様に係る端末は、信号を受信する受信機と、端末において制御信号を検出する対象となる複数の制御チャネル候補を含む少なくとも1つのサーチスペースを検出して、前記信号から自機宛ての前記制御信号を特定する回路と、を具備し、端末による前記サーチスペースの検出回数の最大値が、前記複数の制御チャネル候補が配置されるシンボル毎に設定され、前記複数の制御チャネル候補の各々に対する前記検出回数は、当該制御チャネル候補が配置されるシンボルのうち最終シンボルにおいて前記最大値以内に設定される。
【0010】
本開示の一態様に係る通信方法は、端末において制御信号を検出する対象となる複数の制御チャネル候補を含む少なくとも1つのサーチスペースを設定し、前記サーチスペース内の前記複数の制御チャネル候補の何れかにマッピングされた前記制御信号を送信し、前記端末による前記サーチスペースの検出回数は、前記端末の設定に基づいて決定される。
【0011】
本開示の一態様に係る通信方法は、端末において制御信号を検出する対象となる複数の制御チャネル候補を含む少なくとも1つのサーチスペースを設定し、前記サーチスペース内の前記複数の制御チャネル候補の何れかにマッピングされた前記制御信号を送信し、前記端末による前記サーチスペースの検出回数の最大値が、前記複数の制御チャネル候補が配置されるシンボル毎に設定され、前記複数の制御チャネル候補の各々に対する前記検出回数は、当該制御チャネル候補が配置されるシンボルのうち最終シンボルにおいて前記最大値以内に設定される。
【0012】
本開示の一態様に係る通信方法は、信号を受信し、端末において制御信号を検出する対象となる複数の制御チャネル候補を含む少なくとも1つのサーチスペースを検出して、前記信号から自機宛ての前記制御信号を特定し、前記端末による前記サーチスペースの検出回数は、前記端末の設定に基づいて決定される。
【0013】
本開示の一態様に係る通信方法は、信号を受信し、端末において制御信号を検出する対象となる複数の制御チャネル候補を含む少なくとも1つのサーチスペースを検出して、前記信号から前記端末宛ての前記制御信号を特定し、前記端末による前記サーチスペースの検出回数の最大値が、前記複数の制御チャネル候補が配置されるシンボル毎に設定され、前記複数の制御チャネル候補の各々に対する前記検出回数は、当該制御チャネル候補が配置されるシンボルのうち最終シンボルにおいて前記最大値以内に設定される。
【0014】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本開示の一態様によれば、UEがCORESET内のサーチスペースをモニタしてDCIを適切に検出することができる。
【0016】
本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、実施の形態1に係る基地局の一部の構成を示す。
図2図2は、実施の形態1に係る端末の一部の構成を示す。
図3図3は、実施の形態1に係る基地局の構成を示す。
図4図4は、実施の形態1に係る端末の構成を示す。
図5図5は、実施の形態1に係る基地局及び端末の動作例を示す。
図6図6は、スロットの構成例を示す。
図7図7は、サブキャリア間隔が15kHz又は30kHzのシンボルの一例を示す。
図8図8は、実施の形態1の動作例1-1に係るサーチスペース検出回数の設定例を示す。
図9図9は、実施の形態1の動作例1-1に係るサーチスペース検出回数の他の設定例を示す。
図10A図10Aは、実施の形態1の他の動作例に係る端末に割り当てられるCORESETの配置例を示す。
図10B図10Bは、実施の形態1の他の動作例に係る端末に割り当てられるCORESETの配置例を示す。
図11A図11Aは、Time first mappingの一例を示す。
図11B図11Bは、Frequency first mappingの一例を示す。
図12図12は、実施の形態2の動作例2-1に係る端末に割り当てられるCORESETの配置例を示す。
図13A図13Aは、実施の形態2の動作例2-1に係るCORESET Aのサーチスペース検出回数の設定例を示す。
図13B図13Bは、実施の形態2の動作例2-1に係るCORESET Bのサーチスペース検出回数の設定例を示す。
図13C図13Cは、実施の形態2の動作例2-1に係るCORESET Cのサーチスペース検出回数の設定例を示す。
図14A図14Aは、実施の形態2の動作例2-1に係るCORESET Dのサーチスペース検出回数の設定例を示す。
図14B図14Bは、実施の形態2の動作例2-1に係るCORESET Eのサーチスペース検出回数の設定例を示す。
図15図15は、実施の形態2の動作例2-2に係る端末に割り当てられるCORESETの配置例を示す。
図16図16は、実施の形態2の動作例2-2に係るCORESETのサーチスペース検出回数の設定例を示す。
図17図17は、実施の形態2の動作例2-2に係るCORESETのサーチスペース検出回数の他の設定例を示す。
図18図18は、実施の形態2の動作例2-2に係るCORESETのサーチスペース検出回数の他の設定例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
LTE/LTE-Advancedにおいて、下り制御信号(DCI)を運ぶチャネルとして、PDCCH及びEPDCCH(Enhanced PDCCH)が使用される。1つのサブフレーム内では、PDCCH又はEPDCCHが配置されるシンボル数は一定である。特に、EPDCCHにおいて2つのEPDCCH PRB set(NRにおけるCORESETに相当)を検出するように設定された場合、2つのEPDCCH PRB setのシンボルはサブフレームの最終シンボルまで存在する。よって、2つのEPDCCH PRB setに対してサーチスペースの検出(ブラインド復号(Blind Decoding)とも呼ばれる)を開始できる時刻は同じである。
【0020】
また、LTE/LTE-Advancedでは、UEがDLデータ(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)を受信し、ACK/NACK(応答信号)を送信するために必要な時間を考慮して、UEによるサーチスペースの検出回数が設定されている。ただし、サーチスペースの検出回数は、どのUEに対してもDCI formatあたりに同一の値が設定されている。
【0021】
一方、NRでは、UE毎に、又はCORESET毎にサーチスペース検出能力(検出回数)が異なることが考えられる。
【0022】
NRでは、LTE/LTE-AdvancedにおけるPDCCH又はEPDCCHのように、サーチスペースの検出回数を一様に決定すると、UEによってはサーチスペース検出能力を使用しきれない、又は、UEのサーチスペース検出能力以上の検出回数が設定されてしまうという課題がある。
【0023】
そこで、以下では、UE毎又はCORESET毎のサーチスペースを柔軟に設定し、UEが1つ又は複数のCORESETのサーチスペースをモニタしてDCIを適切に検出する方法について説明する。
【0024】
[通信システムの概要]
本開示の各実施の形態に係る通信システムは、基地局100(gNB)及び端末200(UE)を備える。
【0025】
図1は本開示の実施の形態に係る基地局100の一部の構成を示すブロック図である。図1に示す基地局100において、検出回数設定部102は、端末200において制御信号(DCI)を検出する対象となる複数の制御チャネル候補を含む少なくとも1つのサーチスペースを設定し、送信部108は、サーチスペース内の複数の制御チャネル候補の何れかにマッピングされた制御信号を送信する。
【0026】
図2は本開示の実施の形態に係る端末200の一部の構成を示すブロック図である。図2に示す端末200において、受信部201は、信号を受信し、DCI受信部203は、端末200において制御信号を検出する対象となる複数の制御チャネル候補を含む少なくとも1つのサーチスペースを検出して、信号から自機宛ての制御信号を特定する。
【0027】
ここで、端末200によるサーチスペースの検出回数は、端末200の設定に基づいて決定される。
【0028】
(実施の形態1)
[基地局の構成]
図3は、本実施の形態に係る基地局100の構成を示すブロック図である。図3において、基地局100は、CORESET設定部101と、検出回数設定部102と、CORESET設定情報生成部103と、DCI生成部104と、誤り訂正符号化部105と、変調部106と、信号割当部107と、送信部108と、受信部109と、信号分離部110と、復調部111と、誤り訂正復号部112とを有する。
【0029】
CORESET設定部101は、端末200(UE)毎に少なくとも1つのCORESETを設定し、設定したCORESETを示す情報を検出回数設定部102、CORESET設定情報生成部103及び信号割当部107に出力する。CORESETの設定(定義)とは、例えば、各CORESETが配置されるPRB(Physical Resource Block)番号、シンボル番号、シンボル数、interleavingの有無、CORESETのスクランブリングに使用するID等が含まれる。
【0030】
検出回数設定部102は、端末200において制御信号(DCI)を検出する対象となる複数のNR-PDCCH候補を含む少なくとも1つのサーチスペース(検出回数)を設定する。具体的には、検出回数設定部102は、CORESET設定部101から入力されるCORESETの情報、及び、CORESETが配置されるスロット又はシンボル構成を示す情報(図示せず)に基づいて、シンボルあたりのサーチスペースの最大検出回数及びコンポーネントキャリア(セル)あたりのサーチスペースの最大検出回数、又は、CORESET毎のサーチスペースの検出回数を設定する。例えば、検出回数設定部102は、スロット又はシンボル構成の時間間隔が長い場合、サーチスペースの検出回数を多く設定し、スロット又はシンボル構成の時間間隔が短い場合、サーチスペースの検出回数を少なく設定する。検出回数設定部102は、設定した検出回数を示す情報をCORESET設定情報生成部103及び信号割当部107に出力する。
【0031】
CORESET設定情報生成部103は、CORESET設定部101から入力されるCORESETの情報、及び、検出回数設定部102から入力されるサーチスペースの検出回数を示す情報を用いて、CORESET設定用の上位レイヤのシグナリング(CORESET設定情報)を生成し、誤り訂正符号化部105に出力する。
【0032】
DCI生成部104は、DL(Downlink)データ信号又はUL(Uplink)データ信号を割り当てるリソースを示すリソース割当情報(DL割当情報又はUL割当情報)を含む制御信号(DCI)を生成し、DCI(DL割当情報及びUL割当情報)を信号割当部107へ出力する。また、DCI生成部104は、生成した制御信号のうち、DL割当情報を信号割当部107に出力し、UL割当情報を信号分離部110へ出力する。
【0033】
誤り訂正符号化部105は、送信データ信号(DLデータ信号)及び、CORESET設定情報生成部103から入力される上位レイヤのシグナリング(CORESET設定情報)を誤り訂正符号化し、符号化後の信号を変調部106へ出力する。
【0034】
変調部106は、誤り訂正符号化部105から受け取る信号に対して変調処理を施し、変調後の信号を信号割当部107へ出力する。
【0035】
信号割当部107は、DCI生成部104から入力されるDL割当情報に基づいて、変調部106から受け取る信号(DLデータ信号、CORESET設定情報)を、下りリソースに割り当てる。また、信号割当部107は、DCI生成部104から入力されるDCIをリソース(CORESET)に割り当てる。なお、信号割当部107は、CORESET設定部101から入力されるCORESET設定情報に基づいてDCIを割り当てるリソースを決定する。例えば、信号割当部107は、CORESET設定部101から入力される情報に含まれるCORESETのシンボル数に応じて、REG(Resource Element Group)からCCE(Control Channel Element)へのマッピング、及び、CCEからサーチスペースへのマッピングを変更する。また、信号割当部107は、検出回数設定部102から入力される検出回数に基づいて、CORESET内のNR-PDCCH候補を決定し、NR-PDCCH候補の中から、DCIを割り当てるリソースを決定する。このようにして、NR-PDCCH候補の何れかにマッピングされたDCIを含む送信信号が形成される。形成された送信信号は、送信部108へ出力される。
【0036】
送信部108は、信号割当部107から入力される送信信号に対してアップコンバート等の無線送信処理を施し、アンテナを介して端末200へ送信する。
【0037】
受信部109は、端末200から送信された信号をアンテナを介して受信し、受信信号に対してダウンコンバート等の無線受信処理を施し、信号分離部110へ出力する。
【0038】
信号分離部110は、DCI生成部104から入力されるUL割当情報に基づいて、受信部109から受け取る受信信号からULデータ信号を分離して復調部111へ出力する。
【0039】
復調部111は、信号分離部110から入力される信号に対して復調処理を施し、得られた信号を誤り訂正復号部112へ出力する。
【0040】
誤り訂正復号部112は、復調部111から入力される信号を復号し、端末200からの受信データ信号(ULデータ信号)を得る。
【0041】
[端末の構成]
図4は、本実施の形態に係る端末200の構成を示すブロック図である。図4において、端末200は、受信部201と、信号分離部202と、DCI受信部203と、復調部204と、誤り訂正復号部205と、CORESET設定情報受信部206と、検出回数設定部207と、誤り訂正符号化部208と、変調部209と、信号割当部210と、送信部211と、を有する。
【0042】
受信部201は、アンテナを介して受信した受信信号に対してダウンコンバート等の受信処理を施した後に信号分離部202へ出力する。受信信号には、例えば、DLデータ信号、又は、上位レイヤシグナリング(CORESET設定情報を含む)等が含まれる。
【0043】
信号分離部202は、受信部201から受け取る受信信号から、CORESET設定情報を含む上位レイヤのシグナリングが割り当てられる可能性のあるリソースに配置された信号を分離して、復調部204へ出力する。
【0044】
また、信号分離部202は、CORESET設定情報受信部206から入力される情報に基づいて、自機がモニタすべきCORESET(分離すべきCORESET)に対応するリソースを特定し、当該リソースに配置された信号を分離する。具体的には、信号分離部202は、CORESET設定情報受信部206から入力される情報に含まれるCORESETのシンボル数に応じて分離すべきリソース(信号)を変更する。また、信号分離部202は、検出回数設定部207から入力されるサーチスペースの検出回数に基づいて、CORESET内のNR-PDCCH候補を特定し、NR-PDCCH候補(端末200のサーチスペース)であるリソースに配置された信号をDCI受信部203へ出力する。
【0045】
また、信号分離部202は、DCI受信部203から入力されるDL割当情報に基づいて、受信信号からDLデータ信号を分離して、復調部204へ出力する。
【0046】
DCI受信部203は、信号分離部202から入力される信号(NR-PDCCH候補(サーチスペース)であるリソースに配置された信号)を検出(モニタ、ブラインドデコーディング)し、自機宛てのDCIを特定して復号(受信)する。DCI受信部203は、受信したDCIに示されるUL割当情報を信号割当部210へ出力し、DL割当情報を信号分離部202へ出力する。
【0047】
復調部204は、信号分離部202から入力される信号を復調し、復調後の信号を誤り訂正復号部205へ出力する。
【0048】
誤り訂正復号部205は、復調部204から受け取る復調信号を復号し、得られた受信データ信号を出力し、得られた上位レイヤのシグナリングをCORESET設定情報受信部206へ出力する。
【0049】
CORESET設定情報受信部206は、誤り訂正復号部205から出力される上位レイヤのシグナリンに含まれるCORESET設定情報に基づいて、端末200毎のCORESETの設定を特定する。そして、CORESET設定情報受信部206は、特定した情報を信号分離部202及び検出回数設定部207へ出力する。
【0050】
検出回数設定部207は、CORESET設定情報受信部206から入力されるCORESETの情報に基づいて、シンボルあたりのサーチスペースの最大検出回数及びコンポーネントキャリア(セル)あたりのサーチスペースの最大検出回数、又は、CORESET毎のサーチスペースの検出回数を設定する。検出回数設定部207は、設定した検出回数を示す情報を信号分離部202に出力する。
【0051】
誤り訂正符号化部208は、送信データ信号(ULデータ信号)を誤り訂正符号化し、符号化後のデータ信号を変調部209へ出力する。
【0052】
変調部209は、誤り訂正符号化部208から入力されるデータ信号を変調し、変調後のデータ信号を信号割当部210へ出力する。
【0053】
信号割当部210は、DCI受信部203から入力されるUL割当情報に基づいて、ULデータが割り当てられるリソースを特定する。そして、信号割当部210は、変調部209から入力されたデータ信号を特定したリソースに割り当て、送信部211へ出力する。
【0054】
送信部211は、信号割当部210から入力される信号に対してアップコンバート等の送信処理を施し、アンテナを介して送信する。
【0055】
[基地局100及び端末200の動作]
以上の構成を有する基地局100及び端末200における動作について詳細に説明する。
【0056】
図5は基地局100及び端末200の動作を示すシーケンス図である。
【0057】
基地局100は、端末200に対するCORESET及びCORESET内のサーチスペース(NR-PDCCH候補)の設定(CORESETのリソース、サーチスペース検出回数等)を行う(ST101)。基地局100は、設定したCORESET及びサーチスペース(検出回数)の設定を示すCORESET設定情報を、上位レイヤのシグナリングを用いて端末200へ送信する(ST102)。
【0058】
次いで、基地局100は、ST101で設定したCORESET内のサーチスペースの何れかにDCI(リソース割当情報等)を配置して、端末200へ送信する(ST103)。
【0059】
一方、端末200は、ST102で受信した上位レイヤのシグナリングに含まれるCORESET設定情報に基づいて、自機がモニタするCORESET及びCORESET内でDCIの検出対象となるサーチスペース(NR-PDCCH候補)を特定する(ST104)。そして、端末200は、特定したCORESET内のサーチスペースをモニタして、自機宛てのDCIを検出する(ST105)。
【0060】
次に、端末200に設定されるCORESET内のサーチスペースの検出回数の設定方法について説明する。
【0061】
本実施の形態では、基地局100は、端末200に設定されるCORESET内のサーチスペースの検出回数を、CORESET(NR-PDCCH候補)が配置されるスロット又はシンボル構成(時間リソース構成)に基づいて決定する。
【0062】
サーチスペースの検出処理において、検出回数が多くなるほど検出処理に要する時間が長くなることが予想される。したがって、サーチスペースの検出回数の上限値は、検出処理に使用可能な時間によって可変となる。
【0063】
図6は、14シンボルから構成されるスロット(時間軸)の一例を示す。図6では、シンボル#0にPDCCHが配置され、シンボル#1から#11にPDSCH(DLデータ)が配置され、シンボル#13にACK/NACKが配置されている。また、図6の下部に示す矢印は、PDCCH検出(PDCCH detection)、PDSCH復号(PDSCH decoding)及びACK/NACK生成(ACK/NACK preparation)の各処理の処理時間の一例を示している。端末200は、PDSCHを復号する時間を確保し、PDSCHの受信結果よりACK/NACK信号を生成し、シンボル#13でACK信号又はNACK信号を送信できるように、PDCCHの検出処理を終了する。
【0064】
すなわち、サーチスペース検出回数は、このPDCCHの検出処理時間内で検出できる回数にする必要がある。
【0065】
例えば、基地局100は、スロット又はシンボル構成の時間間隔が長い場合、サーチスペースの検出回数を多く設定し、スロット又はシンボル構成の時間間隔が短い場合、サーチスペースの検出回数を少なく設定する。
【0066】
このようにすると、スロット又はシンボル構成の時間間隔が長く、端末200でのサーチスペースの検出時間に余裕がある場合には、検出回数を増やすことができ、サーチスペースにおける信号同士の衝突確率を低減することができる。また、スロット又はシンボル構成の時間間隔が短く、端末200でのサーチスペースの検出時間に余裕がない場合には、検出回数を減らすことで、端末200は時間内にDCIの検出を完了させることができる。
【0067】
また、本実施の形態では、サーチスペースの検出回数を、シンボルあたりの最大検出回数及びコンポーネントキャリア(セル)あたりの最大検出回数、又は、CORESETあたりの検出回数とする。シンボルあたりの最大検出回数、及び、コンポーネントキャリア(セル)あたりの最大検出回数は、特に、端末200に対して複数のCORESETが割り当てられた場合に、複数のCORESETのシンボルあたりの検出回数の合計値が、最大値を超えないように定められる値である。CORESETあたりの検出回数は、特にcommon search space又はgroup common search space等において検出回数を予め規定する場合に使用される。何れの場合においても以下の動作例を適用することができる。
【0068】
次に、本実施の形態に係る具体的な動作例について説明する。
【0069】
[動作例1-1]
動作例1-1では、基地局100は、端末200に設定されるサブキャリア間隔(SCS:Subcarrier spacing)に基づいて、サーチスペースの検出回数を決定する。すなわち、動作例1-1では、スロット又はシンボル構成を示すパラメータとして、サブキャリア間隔(SCS:Subcarrier spacing)、つまり、シンボルあたりの時間を用いる。
【0070】
NRでは、サブキャリア間隔として、2m * 15kHz(m is non-negative integer)を満たす複数の間隔が検討されている。例えば、サブキャリア間隔は、15kHz, 30kHz, 60kHz, 120kHz, 240kHz等である。サブキャリア間隔が広くなるにつれて、シンボルあたりの時間は短くなる。例えば、図7に示すように、30kHz間隔のシンボル長は、15kHz間隔のシンボル長の半分の長さとなる。ただし、サブフレーム間隔を調整するため、0.5m second毎に他のシンボルより16 Ts(Ts=1/(15000×2048) second)長いシンボルが存在するので、当該シンボルは、15kHz間隔のシンボル長に対して正確な半分の長さではない。
【0071】
動作例1-1では、基地局100は、端末200に設定されるサブキャリア間隔が狭いほど(つまり、シンボルあたりの時間が長いほど)、サーチスペースの検出回数を多く設定し、サブキャリア間隔が広いほど(つまり、シンボルあたりの時間が短いほど)、サーチスペースの検出回数を少なく設定する。これは、サーチスペースの検出に使用できるシンボル数が同じであっても、サブキャリア間隔が広いほど、シンボルあたりの時間が短くなり、サーチスペースの検出に使用できる絶対時間が短くなるからである。
【0072】
例えば、図8に示すように、基地局100は、サブキャリア間隔が15kHの場合のサーチスペース検出回数を基準(Y回)とし、他のサブキャリア間隔の場合のサーチスペース検出回数を、サブキャリア間隔の反比例になるように設定してもよい。つまり、サーチスペース検出回数は、シンボル長とは比例関係となる。
【0073】
このようにすると、基地局100は、スロット又はシンボルの絶対時間に比例して、サーチスペースの検出回数を設定することができる。例えば、基地局100は、シンボルの絶対時間が長いほど、サーチスペースの検出回数を多く設定することができる。
【0074】
なお、サブキャリア間隔(シンボルの絶対時間)と、サーチスペース検出回数との対応関係は、図8に示す例に限らず、例えば、基地局100は、図9に示すように、完全には反比例とはならないが、サブキャリア間隔が広くなるにつれ、サーチスペース回数を段階的に低減せるように設定してもよい。
【0075】
また、端末200に設定されるサブキャリア間隔と、端末200に設定される周波数帯域には関連がある。例えば、6GHzより低い帯域(below 6GHz)では、狭いサブキャリア間隔である15kHz, 30kHz, 60kHzが使用され、6GHzより高い帯域(above 6GHz)では、広いサブキャリア間隔である120kHz, 240kHzが使用されることが考えられる。これは、高い周波数帯では、時間軸方向で変動する位相雑音の影響が大きくなるためであり、サブキャリア間隔を広くすることでシンボル間隔を短くし、位相雑音の影響を低減できるからである。したがって、基地局100は、端末200に設定される周波数帯域に基づいてサーチスペースの検出回数を設定してもよい。例えば、基地局100は、周波数帯域が高いほど、サーチスペース検出回数を少なく設定してもよい。
【0076】
[動作例1-2]
動作例1-2では、基地局100は、端末200に設定されるスロットを構成するシンボル数に基づいて、サーチスペースの検出回数を決定する。すなわち、動作例1-2では、スロット又はシンボル構成を示すパラメータとして、スロット内のシンボル数を用いる。
【0077】
ここで、スロットは、1つ又は複数のシンボルを含む時間単位である。スロット構成とは、例えば、14シンボルのスロット、7シンボルのスロット、ミニスロット等を示す。
【0078】
NRでは、サブキャリア間隔が60kHz以下では、14シンボルのスロット又は7シンボルのスロットが検討されており、サブキャリア間隔が60kHzよりも広い場合、14シンボルのスロットが検討されている。
【0079】
また、ミニスロットのシンボル数としては、6GHzより高い帯域では、1シンボル長から複数シンボル長が検討されている。ミニスロットは、URLLCのように遅延に厳しいシステム、unlicensed band等の時間リソースの割り当てに制限がある場合、又は、複数の端末(UE)のデータをTDM(Time Division Multiplexing)多重する場合等に使用されることが想定されている。
【0080】
ここで、ミニスロットのシンボル数が7シンボルよりも少ない場合を想定すると、14シンボルのスロット、7シンボルのスロット、ミニスロットの順に、 サーチスペースの検出に使用可能な時間が短くなる。これは、スロット内のシンボル数が短いほど、端末200においてPDSCHの復号に使用できる時間が短いからである。一方、端末200においてPDSCHの復号に使用できる時間が長い場合、サーチスペースの検出に時間がかかったとしても、PDSCHを高速に復号することで、PDSCHの復号時間を確保できる可能性がある。
【0081】
したがって、動作例1-2では、基地局100は、14シンボルのスロットでは、7シンボルのスロット及びミニスロットよりもサーチスペースの検出回数を多く設定し、7シンボルのスロットでは、ミニスロットよりもサーチスペースの検出回数を多く設定する。すなわち、基地局100は、ミニスロット、7シンボルのスロット、14シンボルのスロットの順に、サーチスペースの検出回数を多く設定する。
【0082】
このように、基地局100は、スロット内のシンボル数が多い場合には、PDSCHの復号に時間的余裕があるので、サーチスペースの検出回数を多く設定できる。特に、14シンボルのスロットでは、複数のUEのデータが同時に割り当てられることが想定されるので、サーチスペースの検出回数を増加させることで、UE間のサーチスペースが衝突する確率を低減できる。
【0083】
また、基地局100は、スロット内のシンボル数が少ない場合には、PDSCHの復号に時間的余裕が無いので、サーチスペースの検出回数を少なく設定する。ただし、7シンボル又はミニスロットでは、14シンボルのスロットと比較して、同時に割り当てられるUE数が少ないことが想定され、UE間のサーチスペースの衝突確率が高くない。よって、7シンボル又はミニスロットに対するサーチスペース検出回数を少なく設定しても、UE間のサーチスペースの衝突に対する影響が少ない。また、サーチスペースの検出回数を少なく設定することにより、端末200における処理の複雑度を低減することができ、端末200の消費電力を抑えることができる。
【0084】
なお、14シンボルのスロット、7シンボルのスロット、ミニスロット等のスロットフォーマットの区別は、PBCH(Physical Broadcast Channel)に含まれるSIB1によって端末200へ通知されてもよく、RACH procedure中に端末200が判別できるようにしてもよく、UE個別の上位レイヤのシグナリング(RRC(Radio Resource Control)シグナリング)によって通知されてもよく、DCIの割り当てに使用されるCORESETを設定する際に同時に設定されてもよい。
【0085】
なお、SIB1又はRACH procedureによってスロットフォーマットが区別される場合、スロットフォーマットが頻繁に変更されることはなく、UEでは同一のスロットフォーマットでの受信継続が想定される。また、スロットフォーマットの通知が、UE個別の上位レイヤのシグナリングによる場合又はCORESETの設定と関連付けられている場合には、上位レイヤのシグナリングによりスロットフォーマットを変更することが可能である。
【0086】
また、上位レイヤのシグナリングにより、スロット内のPDSCHのシンボル数と、PDSCHの最終シンボルからACK/NACK送信までの時間間隔(何シンボル後にACK/NACKを送信するか)が予め設定されることも検討されている。PDSCHの最終シンボルからACK/NACK送信までの時間間隔が長い場合、PDSCHの復号時間に余裕があるので、サーチスペースの検出時間も長くできる。よって、基地局100は、PDSCHの最終シンボルからACK/NACK送信までの時間間隔が長い場合にはサーチスペースの検出回数を多く設定し、PDSCHの最終シンボルからACK/NACK送信までの送信時間が短い場合にはサーチスペースの検出回数を少なく設定してもよい。
【0087】
[その他の動作例]
(1)サーチスペース検出回数は、UE capability又はCategoryに基づいて設定されてもよい。
【0088】
UE capability又はCategory とは、UEが最大で送受信できるTrans port block size、ソフトバッファのサイズ、サポートする空間多重のレイヤ数等から規定されるUEの性能である。例えば、Trans port block size、ソフトバッファのサイズが大きく、空間多重のレイヤ数が多いUEほど高い性能のUE(UE capabilityが高い)といえる。
【0089】
また、基地局100は、UE capability又はCategory として、PRB処理、復調処理、Polar符号等の復号処理に対するUEの性能に基づいて、サーチスペース検出回数を設定してもよい。ここで、PRB処理とは、受信信号に対して、NR-PDCCH候補となる所望のPRBを抽出し、チャネル推定処理、必要に応じてチャネル等化処理等を実施する一連の処理である。これら、PRB処理、もしくは復調処理の単位時間当たりの実施可能回数が大きいUEほど高い性能のUEといえる。
【0090】
したがって、低い性能のUEと比較して、高い性能のUEの処理能力が高いことが予想される。そこで、基地局100は、高い性能のUEに対するサーチスペース検出回数を多く設定し、低い性能のUEに対するサーチスペース検出回数を少なく設定してもよい。
【0091】
ここで、UE capability又はCategory としてのPRB処理、復調処理、Polar符号等の復号処理に対するUEの性能に基づいて、サーチスペース検出回数を設定する例として、チャネル推定処理の単位時間当たりの実施可能回数に基づいてサーチスペース検出回数を設定する方法について説明する。なお、上述の通り、サーチスペース検出処理又は検出時間は、チャネル推定処理の実施可能回数(channel estimation capabilityとも呼ばれる)に依存するため、以降の説明では、サーチスペース検出回数の大小を、チャネル推定処理の単位時間当たりの実施可能回数であるPRB数(あるいは複数PRBで構成されるCCE数)で表現する。
【0092】
図10Aおよび図10Bは、UE capability又はCategory としてチャネル推定処理の実施可能回数が32PRBと規定された場合に、基地局100がCORESET設定部101、および検出回数設定部102により複数のCORESETを設定する例を示している。
【0093】
図10Aは、基地局100が2つのCORESET A、およびCORESET Bを設定する例を示している。CORESET Aには、UEのチャネル推定処理の実施可能回数である32PRBのうち、16PRB分が設定される。同様に、CORESET Bには、UEのチャネル推定処理の実施可能回数である32PRBのうち、16PRB分が設定される。
【0094】
一方、図10Bは、基地局100が3つのCORESET C、CORESET D、およびCORESET Eを設定する例を示している。CORESET Cには、UEのチャネル推定処理の実施可能回数である32PRBのうち、16PRB分が設定される。同様に、CORESET D、およびCORESET Eには、UEのチャネル推定処理の実施可能回数である32PRBのうち、それぞれ、8PRB分が設定される。
【0095】
図10Aおよび図10Bに示した通り、基地局100は、規定されたUEのチャネル推定処理の実施可能回数の範囲内で、複数のCORESETを設定することができる。なお、図10A、および図10Bでは、1シンボルをCORESETに設定する場合を説明したが、これに限定されず、規定されたUEのチャネル推定処理の実施可能回数の範囲内で複数シンボルをCORESETに設定してもよい。
【0096】
(2)サーチスペース検出回数は、サービスカテゴリに基づいて設定されてもよい。
【0097】
サービスカテゴリとは、eMBB, URLLC, mMTC等である。例えば、ULRRCは、遅延に厳しいので、サーチスペースの検出の遅延を低減するために、eMBBと比較して、サーチスペース検出回数が少なく設定されることが考えらえる。また、mMTCは、UEの性能が低いこと、及び、消費電力を低減するために、eMBBと比較して、サーチスペース検出回数が少なく設定されることが考えられる。
【0098】
(3)サーチスペース検出回数は、デジタルビームフォーミング、アナログビームフォーミング、及び、hybrid ビームフォーミング(デジタルビームフォーミングとアナログビームフォーミングとの組み合わせ)に基づいて設定されてもよい。
【0099】
デジタルビームフォーミングを使用する場合には、複数のUEが同一スロットに多重されることが考えられる。一方、アナログビームフォーミングを使用する場合には、ビームの方向の自由度が低いので、同一スロットに割り当てるUE数がデジタルビームフォーミングと比較して少なくなることが予想される。よって、アナログビームフォーミングの場合、UE間のサーチスペースの衝突確率が低いので、サーチスペースの検出回数が低減されても影響が少ない。
【0100】
そこで、基地局100は、アナログビームフォーミングが適用される端末200に対するサーチスペースの検出回数を、デジタルビームフォーミングが適用される端末200に対するサーチスペース検出回数よりも少なく設定する。これにより、アナログビームフォーミングが適用される端末200では、サーチスペース検出処理の複雑度を低減し、端末200の消費電力を抑えることができるという利点がある。
【0101】
また、hybrid ビームフォーミングは、デジタルビームフォーミングとアナログビームフォーミングとの中間にあたるので、基地局100は、hybrid ビームフォーミングが適用される端末200に対するサーチスペース検出回数を、デジタルビームフォーミングが適用される場合のサーチスペース検出回数よりも少なく設定してもよく、アナログビームフォーミングが適用される場合のサーチスペース検出回数よりも多く設定してもよい。これにより、hybrid ビームフォーミングが適用される端末200に対して必要なサーチスペースの検出回数を確保しつつ、検出回数を低減することができる。
【0102】
以上、本実施の形態に係る具体的な動作例について説明した。
【0103】
なお、上記動作例は、単独で適用されてもよく、複数の動作例が組み合わせて適用されてもよい。
【0104】
このようにして、本実施の形態では、基地局100は、端末200の設定(例えば、スロット又はシンボル構成、UE capability又はCategory、サービスカテゴリ、ビームフォーミング設定等)に基づいて、当該端末200がDCIを検出する対象となるサーチスペース(NR-PDCCH候補)の検出回数を設定する。
【0105】
これにより、例えば、端末200においてサーチスペースの検出時間に余裕がある場合には、サーチスペース検出回数を増加させることで、UE間でのサーチスペースの衝突確率を低減することができる。また、サーチスペースの検出時間に余裕が無い場合には、サーチスペース検出回数を低減させることで、端末200が時間内にDCIの検出を完了させることができる。
【0106】
すなわち、本実施の形態によれば、端末200の設定に応じて、当該端末200に対するサーチスペース検出回数を可変に設定することで、端末200毎又はCORESET毎にサーチスペースを柔軟に設定することができる。これにより、端末200がサーチスペース検出能力(検出回数)を使用しきれないこと、又は、端末200のサーチスペース検出能力以上の検出回数が設定されてしまうことを防ぐことができる。
【0107】
以上より、本実施の形態によれば、端末200がCORESET内のサーチスペースをモニタしてDCIを適切に検出することができる。
【0108】
なお、本実施の形態では、サーチスペース検出回数が上位レイヤのシグナリングで通知される場合について説明した。しかし、サーチスペース検出回数が、基地局100と端末200との間で同一の情報及び計算式を用いて、基地局100及び端末200の各々において算出できる場合、サーチスペース検出回数の上位レイヤのシグナリングによる通知は不要となる。
【0109】
この場合、基地局100(図3を参照)では、検出回数設定部102において設定されたサーチスペース検出回数を示す情報は、CORESET設定情報生成部103へは出力されず、信号割当部107に出力される。また、端末200(図4を参照)では、基地局100の検出回数設定部102と同様、検出回数設定部207が、CORESET設定情報受信部206から入力される情報、及び、CORESETが配置されるスロット又はシンボルの構成(図示せず)に基づいて、シンボルあたりの最大検出回数及びコンポーネントキャリア(セル)あたりの最大検出回数、又は、CORESET毎の検出回数を決定する。例えば、端末200は、スロット又はシンボル構成の時間間隔が長い場合にはサーチスペース検出回数を多く設定し、スロット又はシンボル構成が短い場合にはサーチスペースの検出回数を少なく設定する。そして、検出回数設定部207は、設定した検出回数を示す情報を信号分離部202へ出力する。
【0110】
(実施の形態2)
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、図3及び図4を援用して説明する。
【0111】
[time first mapping / frequency first mappingの説明]
制御信号であるNR-PDCCHは、1つ又は複数のCCEに配置される。NR-PDCCHが配置されるCCE数は「Aggregation level」(以下、「AL」と略すこともある)と呼ばれる。
【0112】
また、CCEは複数のREGで構成される。NRでは、1CCEあたりのREG数を6とすることが検討されている。また、NRでは、REGの1つの形態として、PRB内の1シンボルをREGとすることが検討されている。
【0113】
このような形態の場合、CCEの構成として、図11Aに示すように、複数のシンボルに配置されるREGによってCCEを構成する場合(以下、「Time first mapping」と呼ぶ)と、図11Bに示すように、同一のシンボルに配置されるREGによってCCEを構成する場合(以下、「Frequency first mapping」と呼ぶ)とが考えらえる。
【0114】
図11Aに示すTime first mappingでは、シンボル毎に使用可能な送信電力に制限がある場合、NR-PDCCHが複数のシンボルで送信されることで、NR-PDCCHの送信電力を向上できるという利点がある。また、図11Bに示すFrequency first mappingでは、CCEが占有するシンボル数が削減され、PDSCHに割り当てられるリソース量が増加するという利点がある。
【0115】
以上、time first mapping及びfrequency first mappingについて説明した。
【0116】
NR-PDCCHでは、UEが複数のCORESETのサーチスペースを検出するように設定される場合、CORESET毎にシンボル数を可変にすることも検討されている。CORESETのシンボル数については、スロット又はサブフレーム内の1シンボル~全シンボルが考えられており、特に、1~3シンボルとすることが検討されている。
【0117】
このように、NR-PDCCHでは、CORESET毎のシンボル数が可変であるので、CORESETによってサーチスペースの検出を開始できる時刻が異なる可能性がある。したがって、CORESET毎にサーチスペースの検出回数を決定し、CORESET毎のサーチスペースの検出回数の合計を最大値とすると、UEによってはサーチスペース検出能力(検出回数)を使いきれないこと、又は、UEの検出能力以上の検出回数が設定されるという課題がある。
【0118】
そこで、本実施の形態では、基地局100は、コンポーネントキャリア(セル)あたりの最大検出回数をシンボル毎に設定し、シンボル毎の最大値を超えない範囲で、端末200に対する各CORESETのサーチスペースの検出回数を設定する。この際、基地局100は、サーチスペース内のNR-PDCCH候補の各々に対して、当該NR-PDCCH候補が配置されるシンボルのうち最終シンボルにおいてサーチスペース検出回数をカウントする。
【0119】
すなわち、本実施の形態では、端末200によるサーチスペースの検出回数の最大値(最大検出回数)が、複数のNR-PDCCH候補(CORESET)が配置されるシンボル毎に設定される。そして、基地局100(検出回数設定部102)は、CORESETのサーチスペース内の複数のNR-PDCCH候補の各々に対する検出回数を、当該NR-PDCCH候補が配置されるシンボルのうち最終シンボルにおいて最大検出回数以内に設定する。
【0120】
このようにすると、最終シンボルが異なるCORESET(NR-PDCCH候補)間では、検出回数が別々にカウントされるので、複数のCORESET(複数のNR-PDCCH候補)における検出回数の合計を増加させることができる。
【0121】
なお、基地局100(gNB)は、上位レイヤのシグナリング、例えばRRCシグナリングによって、端末200に対して、各CORESETにおけるAggregation level毎の検出回数を通知(設定)する。このようにすると、基地局100は、端末200毎及びAggregation level毎に検出回数を詳細に設定することができる。
【0122】
以下、本実施の形態に係る具体的な動作例について説明する。
【0123】
[動作例2-1:Time first mapping]
Time first mappingでは、図11Aに示すように、1つのCCEが複数のシンボルに配置されることが想定される。よって、CORESET内のNR-PDCCH候補はCORESETの最終シンボルまで配置される。つまり、Time first mappingでは、NR-PDCCH候補が配置されるシンボルのうち最終シンボルは、CORESETが配置される最終シンボルである。
【0124】
したがって、Time first mappingでは、基地局100は、各CORESETの最終シンボルにおいてサーチスペースの検出回数をカウントする。そして、基地局100は、カウントする検出回数がシンボル毎の最大値を超えない範囲で、端末200に対する各CORESETのサーチスペース検出回数をそれぞれ設定する。
【0125】
図12は、動作例2-1において、シンボル数3(シンボル#0~#2)のCORESET A、シンボル数2(シンボル#0,#1)のCORESET B、及び、シンボル数1(シンボル#0)のCORESET Cが端末200に割り当てられている例を示す。また、図12では、シンボルあたりの最大検出数をY回とする。
【0126】
図12では、端末200は、各CORESETが配置された最終シンボルの受信処理後に、各CORESET内の検出処理を開始する。すなわち、図12では、端末200は、CORESET Aに対してシンボル#2での受信処理後に検出処理を開始し、CORESET Bに対してシンボル#1での受信処理後に検出処理を開始し、CORESET Cに対してシンボル#0での受信処理後に検出処理を開始する。つまり、CORESET毎に端末200での検出開始タイミングが異なる。
【0127】
動作例2-1では、基地局100は、例えば、各CORESETが配置される最終シンボルにおいて、シンボルあたりの最大検出回数Yまで、各CORESETに対する検出回数を設定する。上述したように、図12では、端末200に対して異なるシンボル数のCORESET A, B, Cが割り当てられ、各CORESETの最終シンボルが異なるので、基地局100は、各CORESETに対してサーチスペース検出回数をY回(すなわち、シンボルあたりの最大検出回数)ずつ設定することができる。
【0128】
具体的には、基地局100は、シンボル#0においてCORESET Cに対してY回の検出回数を設定し、シンボル#1においてCORESET Bに対してY回の検出回数を設定し、シンボル#2においてCORESET Aに対してY回の検出回数を設定する。つまり、基地局100は、図12に示すCORESET A, B, Cがそれぞれ配置されたシンボル#0~#2における最大検出回数(3Y回)を、各CORESETに対して最大限(Y回ずつ)割り当てることができる。換言すると、図12では、異なるシンボル数のCORESETに対して、シンボル毎の最大検出回数(Y回)をCORESET間で分配する必要がなくなる。
【0129】
また、基地局100は、各CORESETについて、Aggregation level毎のサーチスペース回数を設定する(図示せず)。
【0130】
そして、基地局100は、端末200に対して、上位レイヤのシグナリングを用いて、CORESET毎かつAggregation level毎にサーチスペース検出回数を通知する。
【0131】
例えば、図13A図13B図13Cに示すように、端末200に対して、シンボル数の異なるCORESET A, B, Cが設定された場合(例えば、図12を参照)、各CORESETが配置された最終シンボルにおいて、シンボル毎の最大検出回数(Y回)を超えないように、各Aggregation levelの検出回数が通知されてもよい。
【0132】
図13A図13B図13Cでは、シンボル毎の最大検出回数Yを16回とする。図13A図13B図13Cに示すように、各CORESETに対して、異なるシンボルにおいて16回ずつ検出回数が割り当てられる。なお、各CORESETの検出回数が個別に通知される場合、各CORESETによってAggregation level毎の検出数が異なってもよい。
【0133】
また、基地局100は、端末200に対して同一シンボル長のCORESETが複数割り当てられた場合、シンボル毎の最大検出回数(Y回)を超えないように、当該複数のCORESETの検出回数をそれぞれ割り当てればよい。
【0134】
図14A及び図14Bは、端末200に対して、シンボル数1の2個のCORESET(CORESET D, CORESET E)が割り当てられた場合の検出回数の割当例を示す。図14A及び図14Bにおいて、シンボルあたりの最大検出数は16とする。図14Aに示すようにCORESET Dの検出回数の合計が6回であり、図14Bに示すようにCORESET Eの検出回数の合計が10であり、シンボル#0における検出回数の合計が16回となっている。なお、同一シンボル数の複数のCORESETに対するサーチスペースの検出回数は、図14A及び図14BのようにCORESET毎に検出回数が異なってもよく、CORESET間で均等な値(同じ値)でもよい。
【0135】
このように、動作例2-1では、基地局100は、同一シンボル長のCORESET間で最大検出回数がシンボルあたりの最大値を超えないように、各CORESETにおける検出回数を設定する。このようにすると、シンボル数の異なるCORESET間では、サーチスペース検出回数を分け合う必要がなくなる。よって、端末200に対してシンボル数の異なるCORESETを割り当てることで、端末200でのサーチスペース検出回数を増加させ、UE間のサーチスペースの衝突確率を低減することができる。
【0136】
なお、CORESETのシンボル数が長い場合、低いAggregation levelでは、NR-PDCCH候補がCORESET内の全シンボルを使用せずに、一部のシンボルを使用することも考えらえる。この場合、基地局100は、CORESETの最終シンボルではなく、NR-PDCCH候補が配置される最終シンボルにおいて、当該NR-PDCCH候補の検出回数をカウントしてもよい。すなわち、基地局100は、CORESET内の複数のシンボルにおいて各々における検出回数をカウントしてもよい。
【0137】
[動作例2-2:Frequency first mapping]
Frequency first mappingでは、図11Bに示すように、1つのCCEが1つのシンボルに配置されることが想定される。よって、CORESET内のNR-PDCCH候補はCORESET内の1シンボル、又は、複数のシンボルに配置される。
【0138】
したがって、Frequency first mappingでは、基地局100は、各CORESET内の各NR-PDCCH候補が配置されるシンボルのうち最終シンボルにおいて当該NR-PDCCH候補に関するサーチスペースの検出回数をカウントする。そして、基地局100は、カウントする検出回数がシンボル毎の最大値を超えない範囲で、端末200に対する各NR-PDCCH候補のサーチスペース検出回数をそれぞれ設定する。
【0139】
図15は、動作例2-2において、シンボル数3(シンボル#0~#2)のCORESET A、シンボル数2(シンボル#0,#1)のCORESET B、及び、シンボル数1(シンボル#0)のCORESET Cが端末200に割り当てられている例を示す。また、図15では、シンボルあたりの最大検出数をY回とする。
【0140】
図15では、端末200は、各CORESETにおいて、NR-PDCCH候補が配置された最終シンボルの受信処理後に、当該NR-PDCCH候補に対する検出を開始する。したがって、端末200は、CORESET内におけるNR-PDCCHの配置によっては、CORESETが配置される最終シンボルの受信を待たずに検出処理を開始できる。
【0141】
例えば、図15に示すシンボル数3のCORESET Aには、シンボル#0のみに配置されるNR-PDCCH候補と、シンボル#0,#1又はシンボル#1のみに配置されるNR-PDCCH候補(シンボル#1を最終シンボルとするNR-PDCCH候補)と、シンボル#0,#1,#2又はシンボル#2のみに配置されるNR-PDCCH候補(シンボル#2を最終シンボルとするNR-PDCCH候補)とが含まれるとする。同様に、図15に示すシンボル数2のCORESET Bには、シンボル#0のみに配置されるNR-PDCCH候補と、シンボル#0,#1又はシンボル#1のみに配置されるNR-PDCCH候補(シンボル#1を最終シンボルとするNR-PDCCH候補)とが含まれるとする。また、図15に示すシンボル数1のCORESET Cには、シンボル#0のみに配置されるNR-PDCCH候補が含まれるとする。
【0142】
この場合、端末200は、各シンボルにおいて各NR-PDCCH候補を受信した時点で検出を開始する。
【0143】
よって、動作例2-2では、端末200に対してシンボル数の異なる複数のCORESETが割り当てられた場合、各CORESETが配置された各々のシンボルにおいて、シンボルあたりの最大検出回数(Y回)まで、各CORESETのNR-PDCCH候補に対して検出回数を割り当てることができる。例えば、図15では、基地局100は、シンボル#0においてCORESET A, B, C内のシンボル#0を最終シンボルとするNR-PDCCH候補に対して、最大検出回数(Y回)を超えないように検出回数をそれぞれ設定する。同様に、基地局100は、シンボル#1においてCORESET A, B内のシンボル#1を最終シンボルとするNR-PDCCH候補に対して、最大検出回数(Y回)を超えないように検出回数をそれぞれ設定する。また、基地局100は、シンボル#2においてCORESET A内のシンボル#2を最終シンボルとするNR-PDCCH候補に対して最大検出回数(Y回)を超えないように検出回数を設定する。
【0144】
基地局100は、端末200に対して、上位レイヤのシグナリングを用いて、CORESET毎、シンボル毎、かつAggregation level毎にサーチスペース検出回数を通知する。
【0145】
例えば、図16に示すように、端末200に対して、シンボル数の異なるCORESET A, B, Cが設定された場合(例えば、図15を参照)、各CORESETが配置された各シンボルにおいて、シンボル毎の最大検出回数(Y回)を超えないように、各Aggregation levelの検出回数が通知されてもよい。なお、図16では、シンボル毎の最大検出回数Yを16回とする。一例として、図16に示すシンボル#0では、CORESET Aに対するNR-PDCCH候補の検出回数(各Aggregation levelの検出回数の合計)が5回に設定され、CORESET Bに対するNR-PDCCH候補の検出回数(各Aggregation levelの検出回数の合計)が5回に設定され、CORESET Cに対するNR-PDCCH候補の検出回数(各Aggregation levelの検出回数の合計)が6回に設定されている。他のシンボルについても同様である。
【0146】
また、Frequency first mappingでは、シンボル#1で検出するNR-PDCCH候補は、シンボル#0,#1、又は、シンボル#1のみに配置される。したがって、NR-PDCCH候補が配置されるシンボル数を区別して検出回数が設定され、上位レイヤで検出回数が通知されてもよい。
【0147】
図17は、NR-PDCCH候補が配置されるシンボル数を区別して検出回数が設定される例を示す。図17では、Aggregation levelが2以上(AL2)では、NR-PDCCH候補が1シンボルのみに配置される場合と、NR-PDCCH候補が複数シンボルに配置される場合とを区別して検出回数がそれぞれ設定されている。
【0148】
このようにすると、基地局100は、例えば、パワーブースティングが必要な場合には、複数シンボルに跨がるNR-PDCCH候補を使用して信号を割り当て、他のUEと時間多重したい場合には、1シンボルのみに配置されるNR-PDCCH候補を使用して信号を割り当てるというように、用途に応じてNR-PDCCH候補を使い分けることができる。
【0149】
また、Frequency first mappingでは、図18に示すように、各シンボルで検出するAggregation levelに対するNR-PDCCH候補の検出回数を等しく設定してもよい。このようにすると、上位レイヤのシグナリングのオーバヘッドを削減することができる。
【0150】
以上、動作例2-1及び動作例2-2について説明した。
【0151】
このように、本実施の形態によれば、基地局100は、端末200に設定するCORESETの検出回数を設定する際に、サーチスペース内のNR-PDCCH候補毎の最終シンボルにおいて、各NR-PDCCH候補に対する検出回数をカウントする。また、コンポーネントキャリア(セル)あたりの最大検出回数がシンボル毎に設定される。そして、基地局100は、シンボル毎の最大検出回数を超えない範囲で、シンボル毎の検出回数を設定する。
【0152】
こうすることで、配置される最終シンボルが異なるCORESET(NR-PDCCH候補)間では、検出回数が別々にカウントされるので、端末200に対するサーチスペースの検出回数の合計を増加させることができる。これにより、UE間のサーチスペースの衝突確率を低減することができる。
【0153】
また、本実施の形態によれば、基地局100は、上位レイヤのシグナリング(例えば、RRCシグナリング)によって、CORESET毎かつAggregation level毎の検出回数を設定する。これにより、端末200毎及びAggregation level毎に検出回数の細かい設定が可能となる。
【0154】
なお、Frequency first mapping及びTime first mappingの何れにおいても、CORESETの最終シンボルで、各CORESETに対する検出回数をカウントしてもよい。このようにすると、基地局100は、異なるシンボル数のCORESETに対して別々に検出回数を設定すればよく、検出回数の設定が簡略化される。
【0155】
また、各シンボルでの検出回数は、最大検出回数以下に設定すればよく、上位レイヤのシグナリングで通知される検出回数の合計数が最大検出回数未満でもよい。
【0156】
また、最大検出回数(Y回)の設定方法として、実施の形態1で説明した方法を適用することができる。
【0157】
また、ここでは、一例として、Aggregation level(AL)が1,2,4,8の場合について説明したが、Aggregation levelの値はこれらに限定されず、例えば、AL=8よりも大きい値が使用される場合もある。特に、Aggregation levelは、2のべき乗の値に限定して設定されることも考えられる。
【0158】
また、ここでは、検出回数をシンボル毎にカウントする場合について説明したが、検出回数は、2シンボル毎、又は、Zシンボル毎にカウントされてもよい。Zシンボル毎に検出回数をカウントする方法は、例えば、端末200がZシンボルを受信後に、サーチスペースの検出を開始する処理を行う場合に適している。特に、サブキャリア間隔が広く、シンボル間隔が短い場合は、このような処理を行うことで、処理を簡略化することできる。
【0159】
また、時間軸において、NR-PDCCH候補間で参照信号(DMRS:Demodulation Reference Signal)が共通に使用される場合、端末200は、DMRSを用いた推定処理が完了しないと、NR-PDCCHの復調処理を行うことができない。そこで、基地局100は、NR-PDCCHが配置されるシンボルの最終シンボルよりも、参照しなければならなないDMRSが後方のシンボルにある場合、DMRSのシンボル位置において、当該NR-PDCCHの検出回数をカウントしてもよい。なお、NR-PDCCHよりも後方のシンボルでDMRSを推定処理に使用するか否かについては、CORESETの設定と同時に設定されてもよい。
【0160】
また、CORESETのシンボル数として、シンボル数1,2,3が検討されているが、スロット内のCORESET配置として、連続するシンボルに割り当ててもよい。例えば、CORESETのシンボル数3の場合、CORESETはスロット内の前方のシンボル#0,#1,#2に配置される。また、帯域幅に応じてサポートされるCORESETのシンボル数は異なる。例えば、帯域幅がX未満ではシンボル数3以下(つまり、シンボル数1,2,3の何れか)のCORESETがサポートされ、帯域幅がX以上ではシンボル数2以下(つまり、シンボル数1,2の何れか)のCORESETがサポートされる。
【0161】
更に、これに加えて、スロットの構成によってサポートされるシンボル数を限定してもよい。例えば、14シンボルスロットでは、CORESETのシンボル数として1,2,3をサポートし、7シンボルスロットでは、CORESETのシンボル数として1,2をサポートしてもよい。このようにすると、シンボル数の少ない7シンボルスロットにおいて、CORESETのシンボル数が長くなり、PDSCH及びPUSCHを配置可能なシンボル数が短くなることを防止することができる。
【0162】
また、PDSCHの復調に使用するDMRSは、CORESETの長さ(シンボル数)に関わらず、固定のシンボルに配置されることが検討されている。この場合、DMRSの配置位置は、帯域幅、スロット構成(14シンボル又は7シンボル)から定まる最長のCORESETシンボル数から決定されてもよい。例えば、最長のCORESETシンボル数が3の場合、第4シンボルにPDSCH用のDMRSを配置し、最長のCORESETシンボルが2の場合、第3シンボルにPDSCH用のDMRSを配置してもよい。このようにすると、実際に割り当てられるCORESETのシンボル長に依らず、CORESETのシンボルと重ならないシンボルのうち前方に、PDSCH用のDMRSの位置を固定に設定することができる。DMRSをスロット内の前方に配置することで、端末200はチャネル推定を早期に終了でき、PDSCHの復号処理の開始時刻を早くできるという利点がある。
【0163】
(実施の形態3)
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、図3及び図4を援用して説明する。
【0164】
本実施の形態では、基地局100及び端末200は、端末200に対するサーチスペースのAggregation level毎の検出回数を、基地局100と端末200との間で共有する情報、及び、規定された計算式に基づいて決定する。このようにすると、実施の形態2と比較して、RRCのシグナリング数を削減することができる。
【0165】
なお、以下では、サーチスペースの検出回数のコンポーネントキャリア(セル)あたりの最大値Yは、実施の形態2と同様に予め定められているとする。また、最大値Yは、実施の形態1と同様の方法で決定してもよい。
【0166】
以下、本実施の形態にかかる具体的な動作例について説明する。
【0167】
[動作例3-1]
動作例3-1では、端末200に対して複数のCORESETが割り当てられた場合、CORESET間でのサーチスペース検出回数の分配において、CORESETに含まれるREG数及びCCE数が多いCORESETにより多くの検出回数を割り当てる。ここで、REG数及びCCE数は、CORESETのサイズの大きさを示している。
【0168】
例えば、同一シンボル数の複数のCORESETにおいてサーチスペースの検出回数(例えば、最大検出回数)を分配する場合、基地局100及び端末200は、各CORESETに含まれるREG数及びCCE数が同じである場合には検出回数を均等に分配し、REG数及びCCE数が異なる場合、より大きいサイズのCORESETに多くの検出回数を分配する。こうすることで、より大きいサイズのCORESETが配置されるリソースにおいて、UE間のサーチスペースの衝突確率を低減することができる。
【0169】
動作例3-1の方法は、特に、Time first mappingに適している。Time first mappingでは、端末200は、CORESETの最終シンボルの受信処理後に全てのNR-PDCCH候補の検出を開始することが考えられる。したがって、動作例3-1では、CORESETのサイズが大きいほど、UE間のサーチスペースの衝突確率が低くなるように、より多くの検出回数を割り当てることが効果的である。
【0170】
また、基地局100及び端末200は、構成するPRB数が多いCORESETに対して、より多くの検出回数を割り当ててもよい。このようにすると、シンボルあたりのPRB数が多いCORESETに対して、多くの検出回数を割り当てることができる。この方法は、特に、シンボル毎にサーチスペースの検出が行われるfrequency first mappingに適している。
【0171】
例えば、端末200に対して2つのCORESET(CORESET#0、CORESET#1)が割り当てられ、サイズ(ここではCORESETあたりのREG数)をそれぞれN0、N1とする。また、シンボルあたりのサーチスペースの最大検出回数をY回とする。この場合、CORESET#0に割り当てる検出回数は、Y*N0/(N0+N1)により求められ、CORESET#1に割り当てる検出回数は、Y*N1/(N0+N1)により求められる。例えば、これらの式に従うと、基地局100及び端末200は、2つのCORESETのサイズが等しい場合には各CORESETに対して均等に検出回数(Y/2回)を分配することができる。
【0172】
また、UE specific search space用のCORESET、Common search space用のCORESET、及び、group common search space用のCORESETが同一シンボルに配置され、検出回数を分配する場合、基地局100及び端末200は、まず、common search space用のCORESET及びgroup common search space用のCORESETに対する検出回数(つまり、共通サーチスペース用CORESETの検出回数)をそれぞれ確保する。そして、基地局100及び端末200は、共通サーチスペースの検出回数を確保した後、UE specific search space用のCORESETの検出回数を分配する。このようにすると、重要な情報が送信される可能性のあるCommon search space及びgroup common search spaceの検出回数を優先して確保することできる。
【0173】
なお、Common search space用のCORESETは、PBCHに含まれる情報により特定できる。また、group common search space用のCORESETは、SIBに含まれる情報から特定、又は、SIBで設定を通知することにより特定できる。また、Common search space及びgroup common search spaceの何れもUE specific search spaceが設定される前に設定されることが想定される。
【0174】
例えば、端末200に対して2つのUE specific search space用のCORESET(CORESET#0、CORESET#1)が割り当てられ、サイズ(ここではCORESETあたりのREG数)をそれぞれN0、N1とする。また、最大検出回数をYとする。また、Common search space用のCORESETに割り当てられる検出回数をNcとする。この場合、CORESET#0に割り当てる検出回数は、(Y-Nc)*N0/(N0+N1)により求められ、CORESET#1に割り当てる検出回数は、(Y-Nc)*N1/(N0+N1)により求められる。
【0175】
[動作例3-2]
動作例3-2では、1つのCORESET内でのAggregation level毎のサーチスペース検出回数の分配は、下記の条件の1つ又は複数に従って決定される。
【0176】
(1)CORESETあたりのREG数及びCCE数が多い場合又はCORESETあたりのPRB数が多い場合に、CORESETあたりのREG数及びCCE数が少ない場合又はCORESETあたりのPRB数が少ない場合と比較して、高いAggregation levelのNR-PDCCH候補に対する検出回数が多く設定される。
【0177】
これにより、CORESETあたりのREG数及びCCE数が多い場合又はCORESETあたりのPRB数が多い場合には、NR-PDCCH候補位置(検出回数)が多くなるので、UE間のサーチスペースの衝突確率を低減することができる。したがって、CORESETあたりのREG数及びCCE数が多い場合又はCORESETあたりのPRB数が多い場合には、高いAggregation levelが使用されても、他のUEのサーチスペースを占拠してしまう確率が低くなる。
【0178】
また、CORESETあたりのREG数及びCCE数が多い場合又はCORESETあたりのPRB数が多い場合は、CORESETあたりのREG数及びCCE数が少ない場合と比較して、高いAggregation levelの配置に適している。
【0179】
(2)帯域に応じて、使用されるAggregation levelを可変とする。具体的には、低い帯域では、Aggregation levelを低くし、高い帯域ではAggregation levelを高くする。
【0180】
高い帯域では、電波の減衰が大きく、セルのカバレッジが小さくなるという特徴がある。したがって、カバレッジを広げるためには、高いAggregation levelを使用することが求められる。特に、6GHzより低い帯域(below 6GHz)と、6GHzより高い帯域(above 6GHz)との間で、サポートするAggregation levelの幅を異ならせてもよい。
【0181】
(3)サブキャリア間隔に応じて、使用されるAggregation levelを可変とする。具体的には、狭いサブキャリア間隔ではAggregation levelを低くし、広いサブキャリア間隔ではAggregation levelを高くする。
【0182】
広いサブキャリア間隔は、高い周波数帯で使用することが想定されるので、高い周波数帯でセルのカバレッジが小さくなる場合に、高いAggregation levelを用いることでカバレッジを拡張することが効果的である。
【0183】
(4)UE capability又はCategoryに応じて、使用されるAggregation levelが設定される。
【0184】
UE capability又はCategoryとは、UEが最大で送受信できるTrans port block size 、ソフトバッファのサイズ、サポートする空間多重のレイヤ数等から規定されるUEの性能である。性能が高いUEほど、アンテナダイバーシチの効果等によって回線品質を向上できる可能性がある。したがって、性能が高いUEほど、低いAggregation levelを割り当て、性能が低いUEほど、高いAggregation levelを割り当てることが効果的である。
【0185】
また、基地局100は、UE capability又はCategory として、PRB処理、復調処理、Polar符号等の復号処理に対するUEの性能に基づいて、Aggregation levelを設定してもよい。ここで、PRB処理とは、受信信号に対して、NR-PDCCH候補となる所望のPRBを抽出し、チャネル推定処理、必要に応じてチャネル等化処理等を実施する一連の処理である。これら、PRB処理、もしくは復調処理の単位時間当たりの実施可能回数が大きいUEほど高い性能のUEといえる。性能が高いUEほど、アンテナダイバーシチの効果等によって回線品質を向上できる可能性がある。したがって、これら、PRB処理、もしくは復調処理の単位時間当たりの実施可能回数が大きいUEほど、低いAggregation levelを割り当て、PRB処理、もしくは復調処理の単位時間当たりの実施可能回数が小さいUEほど、高いAggregation levelを割り当てることが効果的である。
【0186】
(5)サービスカテゴリに応じて、使用されるAggregation levelが設定される。
【0187】
サービスカテゴリとは、eMBB, URLLC, mMTCなどである。ULRRCは、遅延に厳しいので、DCIに求められる誤り率が他のサービスカテゴリよりも高い。したがって、URLLCでは、eMBBと比較して高いAggregation levelを用いることができる。また、eMTCでは、回線品質が悪い場所に配置される可能性がある。その場合、高いAggregation levelを用いて、受信品質を高めることができる。
【0188】
以上、動作例3-1及び動作例3-2について説明した。
【0189】
このように、本実施の形態によれば、基地局100及び端末200は、共有する情報及び規定された計算式に従って、端末200に設定されるサーチスペースのAggregation level毎の検出回数を決定する。こうすることで、サーチスペースの設定に関して、基地局100から端末200へのシグナリング(例えば、RRCシグナリング)量を削減することができる。
【0190】
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
【0191】
なお、上記実施の形態では、サーチスペース検出回数はコンポーネントキャリア毎に設定される場合について説明したが、サーチスペース検出回数は、全てのコンポートキャリアで共通でもよく、コンポーネントキャリア毎に異なってもよい。
【0192】
また、上記実施の形態では、周波数領域(PRB#)について、物理的なマッピングを一例として説明したが、論理的なマッピングについても適用することができる。論理的なマッピングの場合、論理的なマッピングから物理的なマッピングに変更されるので、論理的なマッピングにおいて連続している周波数領域であっても、物理的には離れた位置に配置されるので、周波数ダイバーシチ効果が得られる。
【0193】
また、control resource set(CORESET)は、search space又はPDCCH PRB setと呼ばれることもある。
【0194】
また、複数のCORESETがUEに割り当てられることも可能である。また、上記実施の形態では、CORESETの先頭シンボルがシンボル#0(スロットの先頭シンボル)である場合を一例として説明したが、CORESETは、スロットの後方のシンボルから配置されてもよい。
【0195】
また、上位レイヤのシグナリングは、MACのシグナリングに置き換えてもよい。MACのシグナリングの場合、RRCのシグナリングと比較して、UEに設定するケースの変更の頻度を上げることができる。
【0196】
また、上記DMRSは、異なる名前の参照信号(Reference signal)であってもよい。
【0197】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0198】
本開示の基地局は、端末において制御信号を検出する対象となる複数の制御チャネル候補を含む少なくとも1つのサーチスペースを設定する回路と、前記サーチスペース内の前記複数の制御チャネル候補の何れかにマッピングされた前記制御信号を送信する送信機と、を具備し、前記端末による前記サーチスペースの検出回数は、前記端末の設定に基づいて決定される。
【0199】
本開示の基地局において、前記サーチスペースの検出回数は、前記制御チャネル候補が配置される時間リソースの構成に基づいて決定される。
【0200】
本開示の基地局において、前記時間リソースの構成を示すパラメータは、スロットを構成するシンボル数、又は、シンボルあたりの時間である。
【0201】
本開示の基地局において、前記サーチスペースの検出回数は、前記端末に設定されるサブキャリア間隔に基づいて決定される。
【0202】
本開示の基地局において、前記サーチスペースの検出回数は、前記端末に設定されるサービスカテゴリ又は前記端末のカテゴリに基づいて決定される。
【0203】
本開示の基地局は、端末において制御信号を検出する対象となる複数の制御チャネル候補を含む少なくとも1つのサーチスペースを設定する回路と、前記サーチスペース内の前記複数の制御チャネル候補の何れかにマッピングされた前記制御信号を送信する送信機と、を具備し、前記端末による前記サーチスペースの検出回数の最大値が、前記複数の制御チャネル候補が配置されるシンボル毎に設定され、前記回路は、前記複数の制御チャネル候補の各々に対する前記検出回数を、当該制御チャネル候補が配置されるシンボルのうち最終シンボルにおいて前記最大値以内に設定する。
【0204】
本開示の基地局において、前記少なくとも1つのサーチスペースの各々のAggregation level毎の前記検出回数は、上位レイヤのシグナリングによって前記端末へ通知される。
【0205】
本開示の基地局において、前記少なくとも1つのサーチスペースの各々のAggregation level毎の前記検出回数は、前記基地局と前記端末との間で共有される情報に基づいて決定される。
【0206】
本開示の端末は、信号を受信する受信機と、端末において制御信号を検出する対象となる複数の制御チャネル候補を含む少なくとも1つのサーチスペースを検出して、前記信号から自機宛ての前記制御信号を特定する回路と、を具備し、前記端末による前記サーチスペースの検出回数は、前記端末の設定に基づいて決定される。
【0207】
本開示の端末は、信号を受信する受信機と、端末において制御信号を検出する対象となる複数の制御チャネル候補を含む少なくとも1つのサーチスペースを検出して、前記信号から自機宛ての前記制御信号を特定する回路と、を具備し、端末による前記サーチスペースの検出回数の最大値が、前記複数の制御チャネル候補が配置されるシンボル毎に設定され、前記複数の制御チャネル候補の各々に対する前記検出回数は、当該制御チャネル候補が配置されるシンボルのうち最終シンボルにおいて前記最大値以内に設定される。
【0208】
本開示の通信方法は、端末において制御信号を検出する対象となる複数の制御チャネル候補を含む少なくとも1つのサーチスペースを設定し、前記サーチスペース内の前記複数の制御チャネル候補の何れかにマッピングされた前記制御信号を送信し、前記端末による前記サーチスペースの検出回数は、前記端末の設定に基づいて決定される。
【0209】
本開示の通信方法は、端末において制御信号を検出する対象となる複数の制御チャネル候補を含む少なくとも1つのサーチスペースを設定し、前記サーチスペース内の前記複数の制御チャネル候補の何れかにマッピングされた前記制御信号を送信し、前記端末による前記サーチスペースの検出回数の最大値が、前記複数の制御チャネル候補が配置されるシンボル毎に設定され、前記複数の制御チャネル候補の各々に対する前記検出回数は、当該制御チャネル候補が配置されるシンボルのうち最終シンボルにおいて前記最大値以内に設定される。
【0210】
本開示の通信方法は、信号を受信し、端末において制御信号を検出する対象となる複数の制御チャネル候補を含む少なくとも1つのサーチスペースを検出して、前記信号から自機宛ての前記制御信号を特定し、前記端末による前記サーチスペースの検出回数は、前記端末の設定に基づいて決定される。
【0211】
本開示の通信方法は、信号を受信し、端末において制御信号を検出する対象となる複数の制御チャネル候補を含む少なくとも1つのサーチスペースを検出して、前記信号から前記端末宛ての前記制御信号を特定し、前記端末による前記サーチスペースの検出回数の最大値が、前記複数の制御チャネル候補が配置されるシンボル毎に設定され、前記複数の制御チャネル候補の各々に対する前記検出回数は、当該制御チャネル候補が配置されるシンボルのうち最終シンボルにおいて前記最大値以内に設定される。
【産業上の利用可能性】
【0212】
本開示の一態様は、移動通信システムに有用である。
【符号の説明】
【0213】
100 基地局
101 CORESET設定部
102,207 検出回数設定部
103 CORESET設定情報生成部
104 DCI生成部
105,208 誤り訂正符号化部
106,209 変調部
107,210 信号割当部
108,211 送信部
109,201 受信部
110,202 信号分離部
111,204 復調部
112,205 誤り訂正復号部
200 端末
203 DCI受信部
206 CORESET設定情報受信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
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