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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-15
(45)【発行日】2023-05-23
(54)【発明の名称】オーバーレイ測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20230516BHJP
   G01B 11/02 20060101ALI20230516BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
G01B11/00 C
G01B11/02 Z
H01L21/66 J
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022515113
(86)(22)【出願日】2020-09-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-10
(86)【国際出願番号】 KR2020012096
(87)【国際公開番号】W WO2021049845
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-03-07
(31)【優先権主張番号】10-2019-0111950
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515309575
【氏名又は名称】オーロステクノロジー, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100109553
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 一郎
(72)【発明者】
【氏名】パク ギュナム
(72)【発明者】
【氏名】シン ヒョンギ
(72)【発明者】
【氏名】イ ソンス
【審査官】飯村 悠斗
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-048104(JP,A)
【文献】特開2006-350078(JP,A)
【文献】特開2018-138906(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
H01L 21/64-21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハに形成された互いに異なる層にそれぞれ形成された第1オーバーレイマークと第2オーバーレイマークとの誤差を測定する装置であって、
第1ビームを照射する第1光源と、
前記第1光源から出て前記ウェーハの測定位置で反射された前記第1ビームによる信号を取得する第1検出器と、
前記第1ビームとは波長が異なる第2ビームを照射する第2光源と、
前記第2光源から出て前記ウェーハの前記測定位置で反射された前記第2ビームによる信号を取得する第2検出器と、
前記第1ビームと前記第2ビームを前記ウェーハの前記測定位置に集光させ、前記測定位置で反射されたビームを収集する対物レンズと、
前記ウェーハに対する前記対物レンズの光軸方向の相対位置を調節するアクチュエータと、
前記アクチュエータを制御する制御手段と、
前記ウェーハに対する前記対物レンズの前記光軸方向の相対位置の変化による前記第1検出器の信号の変化に基づいて前記第1オーバーレイマークの高さを検出し、前記ウェーハに対する前記対物レンズの前記光軸方向の相対位置の変化による前記第2検出器の信号の変化に基づいて前記第2オーバーレイマークの高さを検出する高さ検出手段と、
前記第1オーバーレイマークと前記第2オーバーレイマークの画像を取得するように構成された光学系を含み、
前記高さ検出手段で検出された前記第1オーバーレイマークの高さと前記第2オーバーレイマークの高さを用いて、前記第1オーバーレイマークと前記第2オーバーレイマークとの間に焦点を合わせた後、前記光学系を用いて前記第1オーバーレイマークと前記第2オーバーレイマークの画像を一度に取得するように構成されたオーバーレイ測定装置。
【請求項2】
前記第1光源と前記対物レンズとの間に配置され、前記第1光源から出た前記第1ビームのうちの長波長の光を前記対物レンズに向けて反射させるホットミラーをさらに含む、請求項1に記載のオーバーレイ測定装置。
【請求項3】
前記第2光源と前記対物レンズとの間に配置され、前記第2光源から出た前記第2ビームのうちの短波長の光を前記対物レンズに向けて反射させるコールドミラーをさらに含む、請求項1に記載のオーバーレイ測定装置。
【請求項4】
前記第1光源から出た前記第1ビームの形態を前記第1オーバーレイマークの形態に対応する形態に変更する第1絞りをさらに含む、請求項1に記載のオーバーレイ測定装置。
【請求項5】
前記第2光源から出た前記第2ビームの形態を前記第2オーバーレイマークの形態に対応する形態に変更する第2絞りをさらに含む、請求項1に記載のオーバーレイ測定装置。
【請求項6】
前記第1光源から出た前記第1ビームをラインビーム(line beam)に変更する第1シリンダーレンズをさらに含む、請求項1に記載のオーバーレイ測定装置。
【請求項7】
前記第2光源から出た前記第2ビームをラインビーム(line beam)に変更する第2シリンダーレンズをさらに含む、請求項1に記載のオーバーレイ測定装置。
【請求項8】
前記第1ビームは赤外線領域のビームであり、前記第2ビームは紫外線領域のビームである、請求項1に記載のオーバーレイ測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーバーレイ測定装置に関する。より詳細には、互いに異なる波長の光源を使用するオートフォーカス(Auto focus)システムを備えたオーバーレイ測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の発展に伴い、半導体デバイスのサイズが小さくなり、集積回路の密度増加が求められている。このような要求事項を満たすためには、さまざまな条件が満足されなければならず、その中でもオーバーレイ許容誤差は重要な指標の一つである。
【0003】
半導体デバイスは、数多くの製造プロセスを介して製造される。集積回路をウェーハに形成するためには、特定の位置で所望の回路構造及び要素が順次形成されるように多くの製造プロセスを経なければならない。製造プロセスは、ウェーハ上にパターン化された層を順次生成するようにする。このような繰り返される積層工程を介して、集積回路内に電気的に活性化されたパターンを生成する。このとき、それぞれの構造が生産工程で許容する誤差範囲内に整列されなければ、電気的に活性化されたパターン間に干渉が発生し、このような現象により製造された回路の性能及び信頼度に問題が生じるおそれがある。これらの層間に整列誤差を測定及び検証するために、オーバーレイ測定ツールが使用される。
【0004】
一般なオーバーレイ測定及び方法は、2つの層間に整列が許容誤差内にあるか測定及び検証を行う。その一つの方法によって基板上で特定の位置にオーバーレイマークと呼ばれる構造物を形成し、この構造物を光学的なイメージ取得装備で撮影してオーバーレイを測定する方法がある。測定のための構造物は、それぞれの層ごとにX方向及びY方向のうちの少なくとも一つの方向のオーバーレイを測定することができるように設計されている。各構造物は、対称構造で設計されており、対称方向に配置された構造物間の中心値を計算してその層の代表値として使用し、そのそれぞれの層の代表値の相対的差を計算してオーバーレイ誤差を導出する。
【0005】
2つの層のオーバーレイを測定する場合には、図1及び図2に示すように、略ボックス状の第1オーバーレイマーク1と、第1オーバーレイマーク1に比べて小さい略ボックス状の第2オーバーレイマーク2とを連続した2つの層にそれぞれ形成した後、図3及び図4に示すように、第1オーバーレイマーク1を焦点面(focal plane)として得た信号の位置別強度の変化を示す波形を取得し、第1オーバーレイマーク1の中心値C1を取得し、第2オーバーレイマーク2を焦点面として得た信号の位置別強度の変化を示す波形を取得して、第2オーバーレイマーク2の中心値C2を取得することにより、2層間のオーバーレイ誤差を測定する。
【0006】
しかし、このような方法は、第1オーバーレイマーク1と第2オーバーレイマーク2とが互いに異なる物質で形成され、第1オーバーレイマーク1は、第2オーバーレイマーク2が形成された層によって覆われていることなどを考慮せず、単一光源を使用するオートフォーカス装置を用いて第1オーバーレイマーク1と第2オーバーレイマーク2の高さを測定するという点において問題がある。
【0007】
オートフォーカス装置は、ウェーハとの距離に応じた検出器信号(detector signal)の大きさの変化を用いて第1オーバーレイマーク1と第2オーバーレイマーク2の高さを測定する。例えば、オーバーレイマークイメージのコントラストの変化を利用して、第1オーバーレイマーク1と第2オーバーレイマーク2の高さを測定することができる。
【0008】
図5は単一波長の光源を使用する場合にウェーハと対物レンズとの距離による検出器信号の大きさの変化を示す図である。図5の(a)は短波長の光源を使用した場合であり、図5の(b)は長波長の光源を使用した場合である。
【0009】
図5の(a)及び(b)に示されているように、第1オーバーレイマーク1は、先ず、形成された以前層に位置するので、ウェーハと対物レンズとの距離が近い領域で第1オーバーレイマーク1による検出器信号が最大値を有し、第2オーバーレイマーク2は、以前層の上に形成された現在層に位置するので、ウェーハと対物レンズとの距離が遠い領域で第2オーバーレイマーク2による検出器信号が最大値を有する。
【0010】
ところが、図5の(a)と(b)から分かるように、光源の種類によって最大値の大きさに大きな差がある。短波長の光源を使用する場合には、第2オーバーレイマーク2による検出器信号の最大値は非常に大きいが、これに対し、第1オーバーレイマーク1による検出器信号の最大値は非常に小さい。したがって、短波長の光源を使用する場合には、第1オーバーレイマーク1の高さを正確に測定することが困難であるという問題がある。これに対し、長波長の光源を使用する場合には、第2オーバーレイマーク2の高さを正確に測定することが困難であるという問題がある。
【0011】
半導体工程技術の発展により高さ差が大きく、光学的性質が異なる層間のオーバーレイ誤差を正確に測定する必要がある現在では、これらの問題点の解決に対する要求が一層高まっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】韓国公開特許特2003-0054781号
【文献】韓国登録特許第10-0689709号
【文献】韓国登録特許第10-1564312号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上述した問題点を改善するためのもので、その目的は、高さ差が大きく、光学的性質が異なる層間のオーバーレイ誤差を正確に測定することができる新規なオーバーレイ測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明は、ウェーハに形成された互いに異なる層にそれぞれ形成された第1オーバーレイマークと第2オーバーレイマークとの誤差を測定する装置であって、第1ビームを照射する第1光源と、前記第1光源から出て前記ウェーハの測定位置で反射された前記第1ビームによる信号を取得する第1検出器と、前記第1ビームとは波長が異なる第2ビームを照射する第2光源と、前記第2光源から出て前記ウェーハの前記測定位置で反射された前記第2ビームによる信号を取得する第2検出器と、前記第1ビームと前記第2ビームを前記ウェーハの前記測定位置に集光させ、前記測定位置で反射されたビームを収集する対物レンズと、前記ウェーハに対する前記対物レンズの光軸方向の相対位置を調節するアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御手段と、前記ウェーハに対する前記対物レンズの前記光軸方向の相対位置の変化による前記第1検出器の信号の変化に基づいて前記第1オーバーレイマークの高さを検出し、前記ウェーハに対する前記対物レンズの前記光軸方向の相対位置の変化による前記第2検出器の信号の変化に基づいて前記第2オーバーレイマークの高さを検出する高さ検出手段と、を含む、オーバーレイ測定装置を提供する。
【0015】
また、前記第1光源と前記対物レンズとの間に配置され、前記第1光源から出た前記第1ビームのうちの長波長の光を前記対物レンズに向けて反射させるホットミラーをさらに含む、オーバーレイ測定装置を提供する。
【0016】
また、前記第2光源と前記対物レンズとの間に配置され、前記第2光源から出た前記第2ビームのうちの短波長の光を前記対物レンズに向けて反射させるコールドミラーをさらに含む、オーバーレイ測定装置を提供する。
【0017】
また、前記第1光源から出た前記第1ビームの形態を前記第1オーバーレイマークの形態に対応する形態に変更する第1絞りをさらに含む、オーバーレイ測定装置を提供する。
【0018】
また、前記第2光源から出た前記第2ビームの形態を前記第2オーバーレイマークの形態に対応する形態に変更する第2絞りをさらに含む、オーバーレイ測定装置を提供する。
【0019】
また、前記第1光源から出た前記第1ビームをラインビーム(line beam)に変更する第1シリンダーレンズをさらに含む、オーバーレイ測定装置を提供する。
【0020】
また、前記第2光源から出た前記第2ビームをラインビーム(line beam)に変更する第2シリンダーレンズをさらに含む、オーバーレイ測定装置を提供する。
【0021】
また、第1ビームは赤外線領域のビームであり、第2ビームは紫外線領域のビームである、オーバーレイ測定装置を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によるオーバーレイ測定装置は、層ごとに異なる波長の光を用いて高さを測定するので、正確に高さを測定することができる。よって、高さ差が大きく、光学的性質が互いに異なる層間のオーバーレイ誤差を正確に測定することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】オーバーレイマークの平面図である。
図2図1に示されたオーバーレイマークの側面図である。
図3図1に示された第1オーバーレイマークを焦点面として取得された信号の位置別強度の変化波形を示す。
図4図1に示された第2オーバーレイマークを焦点面として取得された信号の位置別強度の変化波形を示す。
図5】単一波長の光源を使用する場合にウェーハと対物レンズとの距離による検出器信号の大きさの変化を示す図である。
図6】本発明の一実施形態によるオーバーレイ測定装置の概念図である。
図7】第1光源を使用する場合にウェーハと対物レンズとの距離による第1検出器信号の大きさの変化を示す図である。
図8】第2光源を使用する場合にウェーハと対物レンズとの距離による第2検出器信号の大きさの変化を示す図である。
図9】第1ビームの一例を示す図である。
図10】第2ビームの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明の実施形態は、様々な異なる形態に変形することができ、本発明の範囲は、後述する実施形態に限定されると解釈されてはならない。本発明の実施形態は、当技術分野における通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状などは、より明確な説明を強調するために誇張されたものであり、図面において同一の符号で表示された要素は同一の要素を意味する。
【0025】
図6は本発明の一実施形態によるオーバーレイ測定装置の概念図である。オーバーレイ測定装置は、ウェーハwに形成された互いに異なる層にそれぞれ形成された第1オーバーレイマークと第2オーバーレイマークとの誤差を測定する装置である。
【0026】
例えば、図1及び図2に示されているように、第1オーバーレイマーク1は、以前層(previous layer)に形成されたオーバーレイマークであり、第2オーバーレイマーク2は、現在層(current layer)に形成されたオーバーレイマークであり得る。オーバーレイマークは、ダイ(die)領域に半導体デバイス形成のための層が形成されるとき、スクライブライン(scribe line)に形成される。例えば、第1オーバーレイマーク1は、絶縁膜パターンと共に形成され、第2オーバーレイマーク2は、絶縁膜パターン上に形成されるフォトレジストパターンと共に形成されることができる。
【0027】
このような場合、第2オーバーレイマーク2は、外部に露出しているが、第1オーバーレイマーク1は、フォトレジスト層によって覆われた状態であり、フォトレジスト材料からなる第2オーバーレイマーク2とは光学的性質が異なる酸化物からなる。また、第1オーバーレイマーク1と第2オーバーレイマーク2とは、高さが互いに異なる。
【0028】
本発明では、第1オーバーレイマーク1と第2オーバーレイマーク2の高さを測定するために、互いに異なる波長のビームを使用する。すなわち、それぞれのマークをなす材料の光学的特性、それぞれのマークの高さ、形状に適した波長のビームを用いてそれぞれのマークの高さを測定する。例えば、第1オーバーレイマーク1の高さは赤外線ビームを用いて測定し、第2オーバーレイマーク2の高さは紫外線ビームを用いて測定することができる。
【0029】
オーバーレイマークとしては、ボックスインボックス(box in box、BIB、図1参照)やAIM(advanced imaging metrology)オーバーレイマークなど、現在使用されている様々な形態のオーバーレイマークを使用することができる。以下では、主に構造が簡単なボックスインボックス状のオーバーレイマークを基準に説明する。
【0030】
図6に示されているように、本発明の一実施形態によるオーバーレイ測定装置は、第1オーバーレイマーク1の高さ測定に使用される第1光源11、第1ビームスプリッタ(beam splitter)13、ホットミラー(hot mirroer)16、及び第1検出器18を含む。
【0031】
また、第2オーバーレイマークの高さ測定に使用される第2光源21、第2ビームスプリッタ23、コールドミラー(cold mirror)26、及び第2検出器28を含む。
【0032】
また、第1オーバーレイマーク1の高さ測定と第2オーバーレイマーク2の高さ測定に共通に使用される対物レンズ31、アクチュエータ32、制御手段41、及び高さ検出手段42を含む。
【0033】
まず、オーバーレイ測定装置の第1オーバーレイマーク1の高さ測定に関する構成について説明する。
【0034】
第1光源11としては、ハロゲンランプ、キセノンランプ、スーパーコンティニウムレーザー(supercontinuum laser)、発光ダイオード、レーザー励起ランプ(laser induced lamp)などを使用することができる。第1光源11は、以前層に形成された第1オーバーレイマーク1に光を照射するための光源として使用される。
【0035】
第1ビームスプリッタ13は、第1光源11から出たビームを2つのビームに分離させる役割を果たす。すなわち、第1ビームスプリッタ13は、第1光源11から出たビームの一部は透過させ、一部は反射させることにより、第1光源11から出たビームを2つのビームに分離させる。
【0036】
ホットミラー16は、第1ビームスプリッタ13を透過したビームの経路に対して45°をなすように設置される。ホットミラー16は、第1ビームスプリッタ13を透過したビームのうち、長波長のビームを反射させ、短波長のビームは透過させる。
【0037】
対物レンズ31は、ホットミラー16で反射された長波長のビームをウェーハwの測定位置に集光させ、測定位置での反射されたビームを収集する役割を果たす。対物レンズ31は、対物レンズ31を光軸方向に沿って直線移動させることができるように構成されたアクチュエータ(actuator)32に設置される。制御手段41は、アクチュエータ32を制御して、ウェーハwに対する対物レンズ31の光軸方向の相対位置を調節する。
【0038】
第1検出器18は、対物レンズ31で収集された後にコールドミラー26を透過し、ホットミラー16で反射された後、第1ビームスプリッタ13で反射された第1ビームを検出する。
【0039】
高さ検出手段42は、ウェーハwに対する対物レンズ31の光軸方向の相対位置の変化による第1検出器18の信号の変化に基づいて第1オーバーレイマーク1の高さを検出することができる。
【0040】
例えば、図7に示されているように、第1検出器18で得られた信号の大きさの変化を確認して、信号の大きさが最高点であるときのウェーハwに対する対物レンズ31の光軸方向の相対位置を用いて第1オーバーレイマーク1の高さを検出することができる。
【0041】
図7に示されているように、第1光源11を使用した場合には、第1オーバーレイマーク1による第1検出器18の信号の大きさの最大値が第2オーバーレイマーク2による第1検出器18の信号の大きさの最大値に比べて大きい。したがって、第1光源11では、第1オーバーレイマーク1の高さを正確に測定することができる。
【0042】
次に、第2オーバーレイマーク2の高さ測定に関する構成について説明する。
【0043】
第2光源21も、第1光源11と同様に、ハロゲンランプ、キセノンランプ、スーパーコンティニウムレーザー(supercontinuum laser)、発光ダイオード、レーザー励起ランプ(laser induced lamp)などを使用することができる。第2光源21は、現在層に形成された第2オーバーレイマーク2に光を照射するための光源として使用される。第2光源21のビームは、第1光源11のビームに比べて短波長のビームであることが好ましい。上述したように、第1光源11のビームは赤外線領域のビームであり、第2光源21のビームは紫外線領域のビームであり得る。
【0044】
第2ビームスプリッタ23は、第2光源21から出たビームを2つのビームに分離する役割を果たす。
【0045】
コールドミラー26(cold mirror)は、第2ビームスプリッタ23を透過したビームの経路に対して45°をなすように設置される。コールドミラー26は、第2ビームスプリッタ23を透過したビームのうち、短波長のビームを反射させ、長波長のビームは透過させる。
【0046】
対物レンズ31は、コールドミラー26で反射された短波長のビームをウェーハwの測定位置に集光させ、測定位置での反射されたビームを収集する。制御手段41は、アクチュエータ(actuator)32を制御して、ウェーハwに対する対物レンズ31の光軸方向の相対位置を調節する。
【0047】
第2検出器28は、対物レンズ31で収集されてコールドミラー26で反射された後、第2ビームスプリッタ23で反射された第2ビームを検出する。
【0048】
高さ検出手段42は、ウェーハwに対する対物レンズ31の光軸方向の相対位置の変化による第2検出器28の信号の変化に基づいて第2オーバーレイマーク2の高さを検出することができる。
【0049】
例えば、図8に示されているように、第2検出器28で取得された第2オーバーレイマーク2による信号の大きさの変化を確認して、信号の大きさが最高点であるときのウェーハwに対する対物レンズの光軸方向の相対位置を用いて第2オーバーレイマーク2の高さを検出することができる。
【0050】
図8に示されているように、第2光源21を使用した場合には、第2オーバーレイマーク2による第2検出器28の信号の大きさの最大値が第1オーバーレイマーク1のイメージによる第2検出器28の信号の大きさの最大値に比べて遥かに大きい。したがって、第2光源21では、第2オーバーレイマーク2の高さを正確に測定することができる。
【0051】
また、オーバーレイ測定装置は、オーバーレイ誤差測定のために、第1オーバーレイマーク1と第2オーバーレイマーク2を撮影するための第3照明51、第3検出器53及びチューブレンズ52をさらに含む。
【0052】
オーバーレイ誤差は、次の方法で測定することができる。
【0053】
まず、取得された第1オーバーレイマーク1の高さと第2オーバーレイマーク2の高さを用いて、第1オーバーレイマーク1と第2オーバーレイマーク2との間に焦点面が位置するようにする。焦点面は、例えば、第1オーバーレイマーク1と第2オーバーレイマーク2との中間に位置することができる。
【0054】
次に、第1オーバーレイマーク1と第2オーバーレイマーク2のイメージを一度に取得する。
【0055】
そして、第1オーバーレイマーク1のイメージの中心と第2オーバーレイマーク2のイメージの中心とを比較してオーバーレイ誤差を測定することもできる。
【0056】
また、第1オーバーレイマーク1のイメージと第2オーバーレイマーク2のイメージをそれぞれ取得した後、2つのイメージを比較してオーバーレイ誤差を測定することもできる。
【0057】
より詳細に説明すると、第1オーバーレイマーク1を撮影する際には、高さ検出手段42で取得された第1オーバーレイマーク1の高さを用いて、第1オーバーレイマーク1に焦点面が位置するようにした後、第3照明51でイメージ取得のためのビームを照射し、しかる後に、反射されたビームを第3検出器53で検出して第1オーバーレイマーク1の鮮明なイメージを取得する。
【0058】
次に、第2オーバーレイマーク2を撮影する際には、第2オーバーレイマーク2の高さを用いて、第2オーバーレイマーク2に焦点面が位置するようにした後、第2オーバーレイマーク2の鮮明なイメージを取得する。
【0059】
そして、第1オーバーレイマーク1のイメージと第2オーバーレイマーク2のイメージとの中心を比較してオーバーレイ誤差を測定する。
【0060】
また、オーバーレイ測定装置は、第1オーバーレイマーク1の高さと第2オーバーレイマーク2の高さをより正確に測定するために、第1絞り(aperture)12と第2絞り22をさらに含む。
【0061】
第1絞り12は、第1光源11と第1ビームスプリッタ13との間に配置される。第2絞り22は、第2光源12と第2ビームスプリッタ23との間に配置される。
【0062】
第1絞り12は、第1ビームを第1オーバーレイマーク1の撮影に適した形態に変更する役割を果たす。
【0063】
例えば、図9に示されているように、第1オーバーレイマーク1がボックスインボックス(BIB)オーバーレイマークの外部ボックスである場合には、第1ビームB1をドーナツ形態に変更することができる。BIBオーバーレイマークの第1オーバーレイマーク1の中心部が空いている四角枠の形態であるので、中心部に第1ビームB1を照射する必要がない。
【0064】
第2絞り22は、第2ビームを第2オーバーレイマーク2の撮影に適した形態に変更する役割を果たす。
【0065】
例えば、図10に示されているように、第2オーバーレイマーク2がボックスインボックス(BIB)オーバーレイマークの内部ボックスである場合には、第2ビームB2を、直径が内部ボックスの対角線長さ程度である円形に変更することができる。
【0066】
また、オーバーレイ測定装置は、第1オーバーレイマーク1の高さと第2オーバーレイマーク2の高さをより正確に測定するために、第1シリンダーレンズ(cylinder lens)14と第2シリンダーレンズ17とを含む。
シリンダーレンズは、ラインビーム(line beam)が必要な場合に使用する。シリンダーレンズは、一側にのみ曲面があるレンズであって、シリンダーレンズを通過したビームは、ラインビームになる。ラインビームを使用すると、光学収差(astigmatism)によって敏感度が上昇して、より精巧な高さ測定が可能である。
【0067】
また、オーバーレイ測定装置は、ホットミラー16とコールドミラー26の前段に配置され、通過する光を偏光状態に変える偏光板(waveplate)15、25と、第1検出器18と第2検出器28の前段に配置され、光を集めるレンズ17、27などをさらに含むことができる。
【0068】
以上説明した実施形態は、本発明の好適な実施形態を説明したものに過ぎず、本発明の権利範囲は、説明された実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想と特許請求の範囲内で当該分野における当業者によって様々な変更、変形または置換することができ、それらの実施形態も本発明の範囲に属するものと理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10