IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立楼宇技▲術▼(▲広▼州)有限公司の特許一覧

特許7280437エレベータードアに異物が挟まれていることを検出する方法、装置およびコンピュータ装置
<>
  • 特許-エレベータードアに異物が挟まれていることを検出する方法、装置およびコンピュータ装置 図1
  • 特許-エレベータードアに異物が挟まれていることを検出する方法、装置およびコンピュータ装置 図2
  • 特許-エレベータードアに異物が挟まれていることを検出する方法、装置およびコンピュータ装置 図3
  • 特許-エレベータードアに異物が挟まれていることを検出する方法、装置およびコンピュータ装置 図4
  • 特許-エレベータードアに異物が挟まれていることを検出する方法、装置およびコンピュータ装置 図5
  • 特許-エレベータードアに異物が挟まれていることを検出する方法、装置およびコンピュータ装置 図6
  • 特許-エレベータードアに異物が挟まれていることを検出する方法、装置およびコンピュータ装置 図7
  • 特許-エレベータードアに異物が挟まれていることを検出する方法、装置およびコンピュータ装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-15
(45)【発行日】2023-05-23
(54)【発明の名称】エレベータードアに異物が挟まれていることを検出する方法、装置およびコンピュータ装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 13/26 20060101AFI20230516BHJP
   B66B 13/14 20060101ALI20230516BHJP
【FI】
B66B13/26 Z
B66B13/14 K
B66B13/14 D
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022517995
(86)(22)【出願日】2020-09-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-21
(86)【国際出願番号】 CN2020115775
(87)【国際公開番号】W WO2021052396
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-03-18
(31)【優先権主張番号】201910895208.7
(32)【優先日】2019-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520433920
【氏名又は名称】日立楼宇技▲術▼(▲広▼州)有限公司
【氏名又は名称原語表記】HITACHI BUILDING TECHNOLOGY (GUANGZHOU) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.2, NANXIANG 3 ROAD, SCIENCE CITY, HIGH‐TECH INDUSTRIAL DEVELOPMENT ZONE, GUANGZHOU, GUANGDONG 510660, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】頼敏桂
(72)【発明者】
【氏名】劉賢▲しょう▼
(72)【発明者】
【氏名】張彩霞
(72)【発明者】
【氏名】黄立明
(72)【発明者】
【氏名】仲兆峰
(72)【発明者】
【氏名】潘海華
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-122577(JP,U)
【文献】国際公開第2008/091239(WO,A2)
【文献】実開昭59-050970(JP,U)
【文献】特開2019-210086(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112960524(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 13/00 - 13/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターのドアパネルが完全に閉じたことを検出する時、エレベータードアモータの戸閉トルクを撤去して、前記エレベーターのドアパネルをリバウンドさせるステップ、
前記エレベーターのドアパネルのリバウンド距離およびリバウンド速度を取得するステップ、および
前記リバウンド距離および/またはリバウンド速度に基づき、前記エレベーターのドアパネルに異物が挟まれているか否かを確定するステップ、を含むことを特徴とするエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法。
【請求項2】
エレベーターのドアパネルが完全に閉じたことを検出すると、エレベータードアモータの戸閉トルクを撤去して、前記エレベーターのドアパネルをリバウンドさせる前に、
前記エレベータードアモータが前記エレベーターのドアパネルの閉合を制御するように、前記エレベータードアモータへ戸閉信号を送信すること、および
前記エレベーターかごロックの回路閉合信号を検出すると、前記エレベーターのドアパネルが完全に閉じたことを確定すること、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記エレベーターのドアパネルのリバウンド距離およびリバウンド速度を取得することには、
前記エレベーターのドアパネルのリバウンドが停止すると、前記エレベーターのドアパネルのプリセットポイントの第1の位置情報を取得すること、
前記エレベーターのドアパネルの第2の位置から前記第1の位置までのリバウンド速度を確定し、前記第2の位置情報は、前記エレベーターのドアパネルが完全に閉じた時のプリセットポイントの位置情報であること、および
前記第1の位置情報および前記第2の位置情報に基づき、前記エレベーターのドアパネルのリバウンド距離を取得すること、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記プリセットポイントに対しては、
前記エレベータードアモータが前記エレベーターの上部に設けられた場合、前記プリセットポイントが前記エレベーターのドアパネルの上部および/または中部に設けられること、および
前記エレベータードアモータが前記エレベーターの底部に設けられた場合、前記プリセットポイントが前記エレベーターのドアパネルの底部および/または中部が設けられること、を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記リバウンド距離および/またはリバウンド速度に基づき、前記エレベーターのドアパネルに異物が挟まれているか否かを確定することには、
前記リバウンド距離が第1の閾値に達する場合、および/または前記リバウンド速度が第2の閾値に達する場合、前記エレベーターのドアパネルに異物が挟まれていることを確定することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記エレベーターのドアパネルに異物が挟まれていることを確定した場合、前記エレベーターマスタコントロールへ動作停止信号を送信して、前記エレベーターの動作を停止させること、をさらにを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記エレベーターへ動作停止信号を送信した後、
前記エレベーターが水平層に位置する場合、前記エレベータードアモータへ戸開信号を送信して、前記エレベーターのドアパネルを開放させるステップ、
エレベーター警報装置へ警報信号を送信することにより、前記エレベーター警報装置が予め設定された警報情報を出力するステップ、
エレベーターモニタリングセンターへ警告情報を送信することにより、前記エレベーターモニタリングセンターのアジャスターが前記エレベーターのドアパネルを点検するように通知するステップのうちのいずれか一方を少なくとも実行することを含む、ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
エレベーターのドアパネルが完全に閉じたことを検出すると、エレベータードアモータの戸閉トルクを撤去して、前記エレベーターのドアパネルをリバウンドさせるためのリバウンドモジュールと、
前記エレベーターのドアパネルのリバウンド距離およびリバウンド速度を取得するための取得モジュールと、
前記リバウンド距離および/またはリバウンド速度に基づき、前記エレベーターのドアパネルに異物が挟まれているか否かを確定するための判断モジュールと、を含むことを特徴とするエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための装置。
【請求項9】
前記エレベーターのドアパネルに異物が挟まれていることを確定した場合、前記エレベーターへ動作停止信号を送信して、前記エレベーターの動作を停止させるための停止モジュールをさらに含む、ことを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
プロセッサと、コンピュータプログラムが記憶されているメモリーとを含むコンピュータ装置であって、
前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行する際に、請求項1~7のいずれか一項に記載のエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法のステップを実現する、ことを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項11】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行される際に、請求項1~7のいずれか一項に記載のエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法のステップを実現する、ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベーターの技術分野に関し、特に、エレベータードアに異物が挟まれていることを検出する方法、装置、コンピュータ装置およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
高層ビルにおいて、エレベーターは、建物内の人が異なる階を通行することを実現する重要な装置である。通常、エレベーターは、エレベータードアが物体検出機能を備えている。従来のエレベーターにおける物体検出装置は、不感帯があり、小さな物体を検出することができない。エレベータードアで小さな物体がエレベータードアを塞いでいる場合、エレベーターもドアが閉合状態となったと判断し、その時エレベーターは、正常に動作することができる。しかしながら、エレベーターのドア間に物体が依然として存在する。エレベーターの動作過程で、エレベータードア間に物体が存在するため、セキュリティー上のリスクをもたらす。
【0003】
そのため、従来のエレベータードアに異物が挟まれていることを検出する方法には、検出が不正確であるという問題が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに基づき、従来のエレベータードアが物体を検出する方法は不正確であるという技術的問題に対して、エレベータードアに異物が挟まれていることを検出する方法、装置、コンピュータ装置およびコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
エレベーターのドアパネルが完全に閉じたことを検出すると、エレベータードアモータの戸閉トルクを撤去して、前記エレベーターのドアパネルをリバウンドさせるステップ、
前記エレベーターのドアパネルのリバウンド距離およびリバウンド速度を取得するステップ、および
前記リバウンド距離および/またはリバウンド速度に基づき、前記エレベーターのドアパネルに異物が挟まれているか否かを確定するステップを含む、エレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法。
【0006】
一実施例において、エレベーターのドアパネルが完全に閉じたことを検出すると、エレベータードアモータの戸閉トルクを撤去して、前記エレベーターのドアパネルをリバウンドさせる前に、
前記エレベータードアモータが前記エレベーターのドアパネルの閉合を制御するように、前記エレベータードアモータへ戸閉信号を送信すること、および
前記エレベーターかごロックの回路閉合信号を検出すると、前記エレベーターのドアパネルが完全に閉じたことを確定することをさらに含む。
【0007】
一実施例において、前記エレベーターのドアパネルのリバウンド距離およびリバウンド速度を取得することには、
前記エレベーターのドアパネルのリバウンドが停止すると、前記エレベーターのドアパネルのプリセットポイントの第1の位置情報を取得すること、
前記エレベーターのドアパネルの第2の位置から前記第1の位置までのリバウンド速度を確定し、前記第2の位置情報は、前記エレベーターのドアパネルが完全に閉じた時のプリセットポイントの位置情報であること、および
前記第1の位置情報および前記第2の位置情報に基づき、前記エレベーターのドアパネルのリバウンド距離を取得することを含む。
【0008】
一実施例において、前記プリセットポイントに対しては、
前記エレベータードアモータが前記エレベーターの上部に設けられた場合、前記プリセットポイントが前記エレベーターのドアパネルの上部および/または中部に設けられること、および
前記エレベータードアモータが前記エレベーターの底部に設けられた場合、前記プリセットポイントが前記エレベーターのドアパネルの底部および/または中部が設けられること、を含む。
【0009】
一実施例において、前記リバウンド距離および/またはリバウンド速度に基づき、前記エレベーターのドアパネルに異物が挟まれているか否かを確定することには、
前記リバウンド距離が第1の閾値に達する場合、および/または前記リバウンド速度が第2の閾値に達する場合、前記エレベーターのドアパネルに異物が挟まれていることを確定することを含む。
【0010】
一実施例において、前記エレベーターのドアパネルに異物が挟まれていることを確定した場合、前記エレベーターマスタコントロールへ動作停止信号を送信して、前記エレベーターの動作を停止させることをさらに含む。
【0011】
一実施例において、前記エレベーターへ動作停止信号を送信した後、
前記エレベーターが水平層に位置する場合、前記エレベータードアモータへ戸開信号を送信して、前記エレベーターのドアパネルを開放させるステップ、
エレベーター警報装置へ警報信号を送信することにより、前記エレベーター警報装置が予め設定された警報情報を出力するステップ、
エレベーターモニタリングセンターへ警告情報を送信することにより、前記エレベーターモニタリングセンターのアジャスターが前記エレベーターのドアパネルを点検するように通知するステップのうちのいずれか一方を少なくとも実行することを含む。
【0012】
エレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための装置であって、
エレベーターのドアパネルが完全に閉じたことを検出すると、エレベータードアモータの戸閉トルクを撤去して、前記エレベーターのドアパネルをリバウンドさせるためのリバウンドモジュールと、
前記エレベーターのドアパネルのリバウンド距離およびリバウンド速度を取得するための取得モジュールと、
前記リバウンド距離および/またはリバウンド速度に基づき、前記エレベーターのドアパネルに異物が挟まれているか否かを確定するための判断モジュールと、を含む。
【0013】
一実施例において、前記装置は、
前記エレベーターのドアパネルに異物が挟まれていることを確定した場合、前記エレベーターへ動作停止信号を送信して、前記エレベーターの動作を停止させるための停止モジュールをさらに含む。
【0014】
プロセッサと、コンピュータプログラムが記憶されているメモリーとを含むコンピュータ装置であって、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行する際に、上述したようなエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法を実現するコンピュータ装置。
【0015】
コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサにより実行される際に、上述したようなエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法を実現する。
【発明の効果】
【0016】
上述したエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法、装置、コンピュータ装置および記憶媒体は、エレベーターのドアパネルが完全に閉じた場合、エレベータードアモータの戸閉トルクを撤去することにより、エレベーターのドアパネルをリバウンドさせ、エレベータードアモータにおけるエンコーダによってリバウンド過程でエレベーターのドアパネルのリバウンド距離およびリバウンド速度を取得し、エレベーターのドアパネルのリバウンド距離および/またはリバウンド速度に基づき、エレベーターのドアパネルに異物が挟まれているか否かを確定することができる。従来技術と比較すると、本発明は、エレベーターのドアパネルに異物が挟まれているか否かをより的確に検出することができるため、エレベーターが動作過程で異物を運んで動作することなく、エレベーターの安全な動作を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、一実施例におけるエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法の適用シーンを示す図である。
図2図2は、一実施例におけるエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法においてエレベーターが正常に閉じる場合の構造模式図である。
図3図3は、一実施例におけるエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法においてエレベーターが閉じるときに異物が挟まれている構造模式図である。
図4図4は、一実施例におけるエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法のフローチャートである。
図5図5は、一実施例におけるエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法においてエレベーターがリバウンドした後の構造模式図である。
図6図6は、一実施例におけるエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法におけるエレベーターリバウンド過程の経時模式図である。
図7図7は、一実施例におけるエレベーターのドアパネルに挟まれた異物の検出装置の構造ブロック図である。
図8図8は、一実施例におけるコンピュータ装置の内部構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の目的、技術案および利点をより明瞭にするために、以下、図面および実施例を結び付けて、本発明をさらに詳細に説明する。ここで記載される具体的な実施例は、本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定するためのものではないことを理解すべきである。
【0019】
なお、本発明の実施例に係る用語「第1\第2\第3」は、類似する対象を区別するためのものに過ぎず、対象に対する特定の順番を代表しない。「第1\第2\第3」は、許可される場合に特定の順番または前後の順序を互いに置換可能である。「第1\第2\第3」で区別される対象は、適当な場合に互いに置換可能であるため、ここで記載される本発明の実施例が、ここで図示または記載されるもの以外の順番で実施可能であることを理解すべきである。
【0020】
本発明に係るエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法は、図1に示す適用シーンに適用されることができる。図1は、一実施例におけるエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法の適用シーン図である。そのうち、エレベーター102は、ネットワークに介してエレベーターモニタリングセンター104と通信する。エレベーター102は、その中のエレベータードアモータによってエレベータードアの閉合を制御する。
【0021】
図2に示すように、図2は、一実施例におけるエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法においてエレベーターが正常に閉じる場合の構造模式図である。そのうち、エレベーターのドアパネル302は、エレベーターかごの四面に取り付けられて、エレベーターを開放または閉合状態とするために用いられる装置であってもよい。エレベーターのドアパネル302は、エレベーターのレールフレームに吊り下げられ、エレベータードアモータにより牽引されることにより、戸開/戸閉の動作を行うことができる。レールフレームは、レールを支持し固定するために用いられる部材であり、シャフト壁またはビームに取り付けられてもよい。それは、レールの空間的位置を固定し、レールによる様々な動作を受けることができる。エレベータードアモータは、エレベーターのドアパネル302の戸開/戸閉の動作を行うことを制御する装置であってもよく、その内部にエンコーダを含む。
【0022】
エレベーター102は、その中のエレベータードアモータによりエレベーターのドアパネル302の閉合を制御した後、エレベーターのドアパネル302が閉じた後にエレベータードアモータの戸閉トルクを撤去して、前記エレベーターのドアパネル302をリバウンドさせ、リバウンド後のリバウンド距離およびリバウンド中のリバウンド速度を取得し、リバウンド距離および/またはリバウンド速度に基づき、エレベーターのドアパネル302に異物404が挟まれているか否かを確定しながら、ネットワークでエレベーターモニタリングセンター104と通信し、関連人員にエレベーターを点検するように通知することができる。
【0023】
そのうち、エレベーター102は、様々な乗客用エレベーター、貨物用エレベーター、医用エレベーター、雑貨用エレベーター、観光用エレベーター、車両用エレベーター、船舶用エレベーター及び建築工事用エレベーターなどであってもよいがそれらに限定されない。エレベーターモニタリングセンター104は、PCなどの端末装置であってもよい。エレベーターモニタリングセンター104は、さらに、独立したサーバ、または複数のサーバからなるサーバクラスタにより実現することができる。
【0024】
一実施例において、図4に示すように、エレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法が提供される。図4は、一実施例におけるエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法のフローチャートである。該方法が図1に適用されるエレベーターを例として説明すると、該エレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法は、以下のステップを含んでもよい。
【0025】
ステップS201:エレベーターのドアパネル302が完全に閉じたことを検出すると、エレベータードアモータの戸閉トルクを撤去して、エレベーターのドアパネル302をリバウンドさせる。
【0026】
本実施例において、図3に示すように、図3は、一実施例におけるエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法におけてエレベーターが閉じた場合に異物が挟まれている構造模式図である。エレベータードアモータは、エレベーターのドアパネル302に対して戸閉方向におけるトルクを加えることにより、エレベーターのドアパネル302の戸閉を制御することができる。そのうち、戸閉のトルクの大きさは、限定されない。エレベーターの正常の戸閉状況は、図2に示される。エレベータードアモータは、エレベーターのドアパネル302が完全に閉じるように制御することができる。エレベーターは、その内に設けられたかごロックにより、かごロックがロックした後、エレベーターのドアパネル302が完全に閉じたと確認することができる。しかしながら、エレベーターのドアパネル302に異物404が挟まれていると、エレベーターのドアパネル302は完全に閉じることができない。たとえば、図3に示すように、エレベータードアモータがエレベーターの上部に取り付けられた場合、エレベーターのドアパネル302の閉合過程で、エレベーターのドアパネル302に異物404が挟まれていると、エレベーターのドアパネル302は、依然として閉じることができるが、その際にエレベーターのドアパネル302の下部に異物404があり、エレベーターのドアパネル302はその際に「A」字型を呈する。エレベータードアモータがエレベーターの下部に取り付けられた場合、エレベーターの閉合過程で、エレベーターのドアパネル302に異物404が挟まれていると、エレベーターのドアパネル302は、「V」字型を呈する。エレベーターのドアパネル302に取り付けられたエレベーターかごロックは閉じることができるため、その際のエレベーターは動作条件を満たす。しかしながら、その際にエレベーターを動作させると、エレベーターのセキュリティー上のリスクをもたらす恐れがある。
【0027】
エレベータードアモータの戸閉トルクを撤去して、エレベーターのドアパネル302をリバウンドさせる。リバウンドとは、エレベーターのドアパネル302に戸閉トルクが失われた後、戸閉方向と反対する方向へ移動することであってもよい。エレベーターのドアパネル302間に異物404が挟まれていないと、エレベータードアモータの戸閉トルクが撤去された後、エレベーターのドアパネル302は、リバウンドすることができ、この時の、リバウンド距離および/またはリバウンド速度は小さい。エレベーターのドアパネル302間に異物404が挟まれていると、エレベータードアモータの戸閉トルクが撤去された後、エレベーターのドアパネル302は、リバウンドすることもでき、この時の、リバウンド距離および/またはリバウンド速度は大きい。
【0028】
ステップS202:エレベーターのドアパネル302のリバウンド距離およびリバウンド速度を取得する。
【0029】
図5に示すように、図5は、一実施例におけるエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法においてエレベーターがリバウンドした後の構造模式図である。エレベーターのドアパネル302は、リバウンドする時にリバウンド距離およびリバウンド速度を発生する。そのうち、リバウンド距離とは、エレベーターのドアパネル302のエレベーターのドアパネル302の閉合位置からリバウンド終了後の静止位置までの距離であってもよい。リバウンド速度とは、エレベーターのドアパネル302がリバウンド過程でリバウンド終了後の静止位置までに移動する期間に発生した速度であってもよい。そのうち、リバウンド速度は、最高速度であってもよいし、平均速度であってもよいし、リバウンド過程におけるある時点の瞬間速度であってもよく、その具体的な形態は、限定されない。リバウンドが終了し静止した後のエレベーターのドアパネル302の状態は、図5に示される。エレベーターのドアパネル302間に異物404が挟まれているため、戸閉トルクが撤去された後、エレベーターのドアパネル302は、戸開方向へ移動して、垂直状態に回復し、すなわちリバウンドする。エレベータードアモータは、その内に設けられたエンコーダにより上記リバウンド距離およびリバウンド速度を記録する。そのうち、エンコーダの数及び構造は、限定されない。
【0030】
ステップS203:リバウンド距離および/またはリバウンド速度に基づき、エレベーターのドアパネル302に異物404が挟まれているか否かを確定する。
【0031】
図5に、エレベーターのドアパネル302のリバウンド終了後の状態が示されている。エレベーターのドアパネル302間に異物404が挟まれているため、エレベーターのドアパネル302は完全に閉じることができない。エレベータードアモータは、その内に設けられたエンコーダによりエレベーターのドアパネル302のリバウンド距離およびリバウンド速度を記録し、エレベーターのドアパネル302に異物404が挟まれていない場合のリバウンド距離およびリバウンド速度は小さく、異物404が挟まれている場合のリバウンド距離および/またはリバウンド速度は大きいので、リバウンド距離およびリバウンド速度のうちのいずれか一方および両方に基づいてエレベーターのドアパネル302に異物404が挟まれているか否かを確定することができる。
【0032】
一実施例において、リバウンド距離および/またはリバウンド速度に基づき、エレベーターのドアパネル302に異物404が挟まれているか否かを確定することには、リバウンド距離が第1の閾値に達する、および/または、リバウンド速度が第2の閾値に達すると、エレベーターのドアパネル302に異物404が挟まれているか否かを確定することを含む。
【0033】
本実施例において、エレベータードアモータにおけるエンコーダは、リバウンド距離と設定された第1の閾値を比較し、リバウンド速度と設定された第2の閾値を比較することができる。エレベータードアモータにおけるエンコーダは、リバウンド距離が第1の閾値よりも大きいか否か、或いは、リバウンド速度が第2の閾値よりも大きいか否かに基づき、エレベーターのドアパネル302間に異物404が挟まれているか否かを判断することができる。また、エレベータードアモータにおけるエンコーダは、さらに、リバウンド距離およびリバウンド速度と対応する閾値を比較することにより、エレベーターのドアパネル302間に異物404が挟まれているか否かを判断することができる。リバウンド距離とリバウンド速度を結び付けて判断することで、エレベーターのドアパネル302間に異物404が挟まれているか否かをより的確に判断することができる。エレベーターのドアパネル302は、正常であり、異物404が挟まれていない場合、リバウンド距離およびリバウンド速度は小さく、エレベーターのドアパネル302の下部に異物404が挟まれている場合、受力が大きいので、リバウンド距離およびリバウンド速度は大きい。リバウンド速度またはリバウンド距離のいずれか一方が対応する閾値を超えると、エレベーターのドアパネル302に異物404が挟まれているか否かを確定することができる。そのうち、第1の閾値は、リバウンド距離の閾値であってもよいし、第2の閾値は、リバウンド速度の閾値であってもよく、閾値の大きさは、実際に応じて設定されてもよい。本実施例は、対応する距離閾値および速度閾値を設定するとともに、対応するリバウンド距離およびリバウンド速度と比較することにより、リバウンド距離またはリバウンド速度のうちの一方または両方が対応する閾値を超えれば、エレベーターのドアパネル302に異物404が挟まれていることをより精確に確定することができる。
【0034】
一実施例において、エレベーターのドアパネル302が完全に閉じたことを検出すると、エレベータードアモータの戸閉トルクを撤去して、エレベーターのドアパネル302をリバウンドさせる前、エレベータードアモータがエレベーターのドアパネル302の閉合を制御するように、エレベータードアモータへ戸閉信号を送信すること、およびエレベーターかごロックの回路閉合信号を検出すると、エレベーターのドアパネル302が完全に閉じたことを確定すること、をさらに含む。
【0035】
本実施例において、戸閉信号とは、エレベータードアモータがエレベーターのドアパネル302の戸閉を制御するための信号であってもよい。エレベータードアモータは、該信号を受信した後、エレベーターのドアパネル302の閉合を制御することができる。エレベーターかごロックは、エレベーターのドアパネル302に設けられたドアロックであってもよい。エレベーターのドアパネル302が閉じた後、ドアロックの機械的ロックフックが噛合する。その際に、エレベーターの安全回路が閉合する。エレベーターのドアパネル302が開放される場合、エンコーダの値は、設定されたものであってもよい。エレベーターのドアパネル302が閉合する時、エンコーダの値は、他の設定されたものであってもよい。その際に、エレベータードアモータは、エンコーダの値に基づき、エレベーターのドアパネル302が完全に閉じるか否かことを確定するとともに、完全に閉じたと判断した場合、エレベータードアが完全に閉合した信号をエレベーターマスタコントロールに送信することができる。その際に、エレベーターマスタコントロールは、エレベーターのドアパネル302が完全に閉じた状態となったと判定してから、動作を開始させることができ、エレベーターの動作をさらに安全に確保することができる。
【0036】
本実施例では、エレベーターが正常に閉じられても、エレベーターのドアパネル302の下部に異物404が挟まれているか否かことを点検することができるように、エレベーターが閉合状態となったことを確定した後に戸閉トルクを撤去するステップを実行することができる。
【0037】
一実施例において、エレベーターのドアパネル302のリバウンド距離およびリバウンド速度を取得することには、エレベーターのドアパネル302のリバウンドが停止する場合、前記エレベーターのドアパネル302のプリセットポイントの第1の位置情報を確定することと、第2の位置から第1の位置までのエレベーターのドアパネル302のリバウンド速度を確定し、第2の位置情報は、エレベーターのドアパネル302が完全に閉じた場合のプリセットポイントの位置情報であることと、第1の位置情報および第2の位置情報に基づき、エレベーターのドアパネル302のリバウンド距離を取得することと、を含む。
【0038】
本実施例において、図6に示すように、図6は、一実施例におけるエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法におけるエレベーターのリバウンド過程の経時模式図である。第1の位置P1情報は、エレベーターのリバウンド過程でエレベーターのドアパネル302が垂直状態に回復した時のプリセットポイントの位置情報であってもよい。第2の位置P2情報は、エレベータードアモータがトルクF1を加えることによりエレベーターのドアパネル302が完全に閉じた時のプリセットポイントの位置情報であってもよい。
【0039】
リバウンド速度は、エレベータードアモータにおけるエンコーダを用いてプリセットポイントの第2の位置P2から第1の位置P1までの速度を記録したものであってもよい。そのうち、プリセットポイントは、エレベーターのドアパネル302に設けられてもよい。リバウンド速度は、第2の位置P2から第1の位置P1までの最高速度であってもよいし、第2の位置P2から第1の位置P1までの平均速度であってもよいし、第2の位置P2から第1の位置P1までのある時点における瞬間速度であってもよく、その具体的な形態は、実際の状況に応じて設定されてもよい。
【0040】
リバウンド距離は、エレベータードアモータにおけるエンコーダを用いてプリセットポイントの第2の位置P2から第1の位置P1までの距離を記録したものであってもよい。なお、リバウンド過程で、エレベーターのドアパネル302は、慣性のため、第1の位置P1までに達した後に揺れることがあるので、エレベーターのドアパネル302は、リバウンド過程で第1の位置P1を複数回通過する可能性がある。本実施例において、第1の位置P1は、プリセットポイントが初めて第1の位置P1に達する場合の位置情報であってもよい。
【0041】
本実施例において、エレベーターは、トルクF1の作用下で、エレベーターのドアパネル302を閉合させ、t0時点で、エレベーターのドアパネル302が既に閉じたことを確定することができる。その際に、第2の位置P2情報を記録することができる。t0時点であるエレベーターのドアパネル302が完全に閉じた時点で、エレベータードアモータは、トルクF1を撤去して、上記エレベーターのドアパネル302をリバウンドさせることができる。t1時点で、エレベーターのドアパネル302のリバウンドが終了する。その際に、エレベータードアモータにおけるエンコーダは、第1の位置P1情報を記録することができる。リバウンド過程で、上記エンコーダにより記録されたリバウンド速度は、線分602で示される。線分602において、任意の形態でリバウンド速度の具体的な数値形態を確定することができる。リバウンド距離は、上記エンコーダにより記録されたプリセットポイントの第2の位置P2から第1の位置P1までの距離に基づいて確定されてもよい。本実施例によれば、上記エンコーダは、プリセットポイントのリバウンド過程における速度および位置の変化に基づき、具体的なリバウンド速度およびリバウンド距離を確定することができ、リバウンド速度およびリバウンド距離をより的確に取得することができることで、エンコーダは、エレベーターのドアパネル302に異物404が挟まれているか否かをより的確に判断することができる。
【0042】
一実施例において、プリセットポイントに対しては、エレベータードアモータがエレベーターの上部に設けられた場合、プリセットポイントがエレベーターのドアパネル302の上部および/または中部に設けられること、およびエレベータードアモータがエレベーターの底部に設けられた場合、プリセットポイントがエレベーターのドアパネル302の底部および/または中部に設けられることを含む。
【0043】
本実施例において、プリセットポイントは、上記第1の位置情報および第2の位置情報を記録するためのポイントであってもよく、エレベーターに設けられてもよい。通常、エレベータードアモータは、エレベーターの上部に設けられてもよいので、プリセットポイントを検出するための装置もエレベータードアモータと共にエレベーターの上部に取り付けられる。その際に、該装置は、エレベーターのドアパネル302の上部および中部における位置変化を検出することができる。そのため、プリセットポイントは、エレベーターのドアパネル302の上部および/または中部に設けられてもよい。ある実施例において、エレベータードアモータは、エレベーターの底部に設けられてもよい。その際に、上記装置もエレベータードアモータとともにエレベーターの底部に設けられる。その際に、該装置は、エレベーターのドアパネル302の底部および/または中部における位置変化を検出することができる。そのためプリセットポイントは、エレベーターのドアパネル302の底部および/または中部に設けられてもよい。そのうち、プリセットポイントの数は、限定されない。
【0044】
一実施例において、エレベーターのドアパネル302に異物404が挟まれていることを確定した場合、エレベーターマスタコントロールへ動作停止信号を送信して、エレベーターの動作を停止させることをさらに含む。
【0045】
本実施例において、エレベーターマスタコントロールは、エレベーターの動作または停止を制御するための装置であってもよい。動作停止信号は、該装置の動作を停止させる信号であってもよい。そのうち、エレベーターマスタコントロールの取り付け位置は、限定されず、その動作停止信号の受信形態も限定されない。本実施例は、エレベーターのドアパネル302に異物404が挟まれていることを確定した場合、エレベーターマスタコントロールへ動作停止信号を送信することにより、エレベーターが異物を挟みながら動作することを停止させ、エレベーターおよび乗客の安全を確保することができる。
【0046】
一実施例において、エレベーターへ動作停止信号を送信した後、エレベーターが水平層に位置する場合、エレベータードアモータへ戸開信号を送信して、エレベーターのドアパネル302を開放させるステップ、エレベーター警報装置へ警報信号を送信することにより、エレベーター警報装置が予め設定された警報情報を出力するステップ、およびエレベーターモニタリングセンターへ警告情報を送信することにより、エレベーターモニタリングセンターのアジャスターがエレベーターのドアパネル302を点検するように通知するステップのうちのいずれか一方を少なくとも実行する。
【0047】
本実施例において、エレベーターは、動作停止を受信した後、以下のいずれか1つまたは複数のステップを実行することができる。具体的にどのステップを実行するかは、実際の状況に応じて設定されてもよい。たとえば:
【0048】
ある実施例において、エレベーターが水平層に位置すれば、エレベータードアモータへ戸開信号を送信することにより、エレベーターのドアパネル302が開放される。エレベーターが水平層に位置すると、エレベータードアモータは、エレベーター内の乗客が点検してエレベーターのドアパネル302に挟まれている異物404を除去するように、戸開信号を受信してエレベーターを開放させることで、エレベーターは、正常且つ安全に動作することができる。ここで、戸開信号は、上記エレベータードアモータがエレベーターのドアパネル302を制御してエレベーターを開放させることができる信号であってもよい。エレベータードアモータが戸開信号を受信する形態は、限定されない。本実施例は、エレベーターのドアパネル302に異物404が挟まれていることが検出された後、エレベーターが水平層に位置する場合、エレベーターのドアパネルを開放させることで、エレベーター内の乗客がエレベーターのドアパネル302間の異物404を点検するように提示し、エレベーターの安全な動作を確保することができる。また、エレベーターが非水平層に位置する場合、エレベーターのドアパネル302に異物404が挟まれているか否かを検出することができる。エレベーターのドアパネル302に異物404が挟まれていることを検出すると、エレベーター警報装置が警報情報を伝送し、乗客がエレベーターのドアパネル302間の異物404を点検するように提示することで、乗客およびエレベーターの安全を確保することができる。
【0049】
ある実施例において、エレベーター警報装置へ警報信号を送信することにより、エレベーター警報装置が予め設定された警報情報を出力する。エレベーターの動作が停止した後、エレベーター警報装置は、警報信号を受信して、エレベーターかごの内部へ警報情報を送信することで、エレベーター内の乗客はエレベーターの動作状況が安全ではないことを知ることができる。ここで、警報情報の形態は、限定されず、たとえば、音声、ライトなどであってもよい。本実施例は、エレベーターの動作が停止する場合、エレベーター警報装置を用いて警報情報を伝送することにより、乗客および関連人員にエレベーターが異常状態となったことを直ちに提示することができる。
【0050】
ある実施例において、エレベーターの動作が停止した後、エレベーターモニタリングセンターへ警告信号を送信し、エレベーターモニタリングセンターのアジャスターがエレベーターのドアパネル302を点検するように通知し、エレベーターが安全な動作状態となることを確保することができる。ある実施例において、エレベーターは、上述したエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法により、エレベーターのドアパネル302の閉合状態を検出することができる。たとえば、エレベータードアモータがエレベーターのドアパネル302の上部に取り付けられた場合、上述したエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法により、エレベーターのドアパネル302が閉じた際に「A」型ドアとなるか否かを検出し、エレベータードアモータがエレベーターのドアパネル302の下部に取り付けられた場合、上述したエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法により、エレベーターのドアパネル302が閉じた際に「V」型ドアとなるか否かを検出することができる。エレベーターのドアパネル302が垂直閉合状態ではないことを検出すると、上記警告信号を送信し、エレベーターモニタリングセンターがエレベーターを検出するように通知することができる。検出時に、エレベーターレールまたはドア吊り下げシステムを検出し、対応する処理を行うことにより、エレベーターが安全な動作状態にあることを確保することができる。本実施例において、エレベーターモニタリングセンターへ警報情報を送信することにより、エレベーターのアジャスターが故障しているエレベーターを検出し、メンテナンスするように直ちに通知することができ、エレベーターの安全な動作を確保することができる。
【0051】
上述したエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法は、エレベーターのドアパネル302が完全に閉じた際に、エレベータードアモータの戸閉トルクを撤去することにより、エレベーターのドアパネル302をリバウンドさせる。エレベータードアモータは、リバウンド過程で、プリセットポイントの位置変化によれば、リバウンド距離およびリバウンド速度を取得することができると共に、エレベーターのドアパネル302のプリセットポイントのリバウンド距離および/またはリバウンド速度に基づき、エレベーターのドアパネル302に異物404が挟まれているか否かを確定することができる。それと同時に、エレベーターは、異なる情況にある場合に異なる緊急応答を行うことができる。従来技術と比較して、本態様は、エレベーターのドアパネル302に異物404が挟まれているか否かをより的確に検出することができ、エレベーターが動作過程で異物404を運ばず、エレベーターの安全な動作を確保することができる。
【0052】
一実施例において、図7に示すように、エレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための装置が提供される。図7は、一実施例におけるエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための装置の構造ブロック図である。該エレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための装置は、
エレベーターのドアパネル302が完全に閉じたことを検出すると、エレベータードアモータの戸閉トルクを撤去して、エレベーターのドアパネル302をリバウンドさせるためのリバウンドモジュール702と、
エレベーターのドアパネル302のリバウンド距離およびリバウンド速度を取得するための取得モジュール704と、
リバウンド距離および/またはリバウンド速度に基づき、エレベーターのドアパネル302に異物404が挟まれているか否かを確定するための判断モジュール706と、を含む。
【0053】
一実施例において、上記エレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための装置は、エレベーターのドアパネル302に異物404が挟まれていることを確定した場合、エレベーターへ動作停止信号を送信して、エレベーターの動作を停止させるための動作停止モジュールをさらに含む。
【0054】
一実施例において、上記エレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための装置は、エレベータードアモータが前記エレベーターのドアパネル302の閉合を制御するように、エレベータードアモータへ戸閉信号を送信し、前記エレベーターかごロックの回路閉合信号を検出すると、前記エレベーターのドアパネル302が完全に閉じることを確定するための閉合判定モジュールをさらに含む。
【0055】
一実施例において、上記取得モジュール704は、さらに、エレベーターのドアパネル302のリバウンドが停止すると、エレベーターのドアパネル302のプリセットポイントの第1の位置情報を取得し、エレベーターのドアパネル302の第2の位置から第1の位置までのリバウンド速度を確定し、第2の位置情報は、エレベーターのドアパネル302が完全に閉じたときのプリセットポイントの位置情報であり、第1の位置情報および第2の位置情報に基づき、エレベーターのドアパネル302のリバウンド距離を取得するために用いられる。
【0056】
一実施例において、上記判断モジュール706は、さらに、リバウンド距離が第1の閾値に達するおよび/またはリバウンド速度が第2の閾値に達すると、エレベーターのドアパネル302に異物404が挟まれていることを確定するために用いられる。
【0057】
一実施例において、上記エレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための装置は、エレベーターが水平層に位置する場合、エレベータードアモータへ戸開信号を送信して、エレベーターのドアパネル302を開放させるための戸開モジュール、エレベーター警報装置へ警報信号を送信することにより、前記エレベーター警報装置が予め設定された警報情報を出力するための警報モジュール、エレベーターモニタリングセンターへ警告情報を送信することにより、エレベーターモニタリングセンターのアジャスターがエレベーターのドアパネル302を点検するように通知するための通知モジュールのうちの少なくとも1つのモジュールをさらに含む。
【0058】
本発明に係るエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための装置は、本発明に係るエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法に対応し、エレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための装置に対する具体的な限定については、以上のエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法に対する限定を参照することができる。上述したエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法の実施例に記載された技術的特徴および有益な効果は、いずれも、エレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための装置の実施例に適用することができ、ここでは繰り返し説明しない。上述したエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための装置における各モジュールの一部または全部は、ソフトウェア、ハードウェアおよびそれらの組合せにより実現することができる。上記各モジュールは、プロセッサが各モジュールに対応する操作を呼び出して実行するように、ハードウェアの形態でコンピュータ装置におけるプロセッサに内蔵される、または独立することができ、ソフトウェアの形態で、コンピュータ装置におけるメモリーに記憶されることもできる。
【0059】
一実施例において、コンピュータ装置が提供される。該コンピュータ装置は、エレベータードアモータ装置であってもよく、その内部構造図は図8に示される。該コンピュータ装置は、システムバスにより接続されたプロセッサ、メモリー、ネットワークインターフェースおよびデータベースを含む。そのうち、該コンピュータ装置におけるプロセッサは、計算及び制御機能を提供するために用いられる。該コンピュータ装置におけるメモリーは、不揮発性記憶媒体および内部メモリーを含む。該不揮発性記憶媒体には、操作システム、コンピュータプログラムおよびデータベースが記憶されている。該内部メモリーは、不揮発性記憶媒体における操作システムおよびコンピュータプログラムの動作のために環境を提供する。該コンピュータ装置におけるデータベースは、エレベーターのリバウンド速度およびリバウンド距離などのデータを記憶するために用いられてもよい。該コンピュータ装置におけるネットワークインターフェースは、ネットワークによって外部の端末と接続して通信するために用いられる。該コンピュータプログラムは、プロセッサにより実行されてエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法を実現する。
【0060】
当業者であれば、図8に示された構造は、本発明の態様に関する構造の一部のブロック図に過ぎず、本発明の態様に適用されたコンピュータ装置を限定するためのものではないことを理解すべきである。具体的なコンピュータ装置は、図示したものよりも多くの、またはそれよりも少ない部材を含んでもよいし、ある部材を組み合わせてもよいし、異なる部材の配置を有してもよい。
【0061】
一実施例において、プロセッサおよびメモリーを含むコンピュータ装置が提供される。前記メモリーにコンピュータプログラムが記憶されている。前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する際に、上記のいずれか1つの実施例に記載のエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法を実現する。
【0062】
当業者であれば、上記のいずれか1つの実施例に記載のエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法の一部または全部の手順を実現することは、コンピュータプログラムが関連するハードウェアに指示することにより完成することができることを理解すべきである。前記コンピュータプログラムは、不揮発性コンピューター読み取り可能な記憶媒体に記憶することができる。該コンピュータプログラムは、実行時に上記各方法の実施例における手順を含んでもよい。そのうち、本発明に係る各実施例に用いられるメモリー、記憶、データベースまたは他の媒体に対するいずれの援用は、いずれも不揮発性および/または揮発性メモリーを含んでもよい。不揮発性メモリーは、読み取り専用メモリー(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)またはフラッシュメモリーを含んでもよい。揮発性メモリーは、ランダムアクセスメモリー(RAM)または外部キャッシュメモリーを含んでもよい。限定ではなく説明として、RAMは、静的RAM(SRAM)、動的RAM(DRAM)、同期DRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDRSDRAM)、補強型SDRAM(ESDRAM)、同期リンク(Synchlink) DRAM(SLDRAM)、メモリーバス(Rambus)ダイレクトRAM(RDRAM)、ダイレクトメモリーバス動的RAM(DRDRAM)、およびメモリーバス動的RAM(RDRAM)などの複数種の形態を有してもよい。
【0063】
これにより、一実施例において、コンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、該プログラムがプロセッサにより実行される際に、上述したいずれか一実施例に記載のエレベータードアに異物が挟まれていることを検出するための方法を実現するコンピュータ読み取り可能な記憶媒体がさらに提供される。
【0064】
上記実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることができる。説明を簡単にするために、上記各実施例における各技術的特徴の全ての組合可能な形態については記載していないが、これら技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、本明細書に記載の範囲とみなされるべきである。
【0065】
上記の実施例は、本発明のいくつかの実施形態の例示にすぎず、その説明は、具体的且つ詳細であるが、本発明の範囲を限定するものではないと理解すべきである。当業者であれば、本発明の思想から逸脱しない前提で、いくつかの変形及び改良を行うことができ、これらがすべて本発明の保護範囲に属することは明らかである。したがって、本発明の保護範囲は、請求の範囲により決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8