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特許7280469リモートセンターコンプライアンス装置、マニピュレータ構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-16
(45)【発行日】2023-05-24
(54)【発明の名称】リモートセンターコンプライアンス装置、マニピュレータ構造
(51)【国際特許分類】
   B25J 17/02 20060101AFI20230517BHJP
【FI】
B25J17/02 G
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019005028
(22)【出願日】2019-01-16
(65)【公開番号】P2020110892
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2022-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000110642
【氏名又は名称】シリウスビジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127764
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 泰州
(74)【代理人】
【識別番号】100084630
【弁理士】
【氏名又は名称】澤 喜代治
(72)【発明者】
【氏名】川上 孝司
(72)【発明者】
【氏名】小猿 伊吹
【審査官】國武 史帆
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-162032(JP,A)
【文献】特開平04-101740(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
B23P 19/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定プレートと、円盤状の可動プレートと、を具備してなり、マニピュレータの出力端側に固定された前記固定プレートに対して、効果器側に固定された前記可動プレートが傾いたり、ずれたりすることによって、ワークの個体差や位置ずれ等の誤差を緩衝するリモートセンターコンプライアンス装置であって、
前記固定プレートと前記可動プレートとの合わせ面間を弾性的に支持する複数個の弾性支持部材と、
前記可動プレートに設けられた貫通孔に軸部が挿通された状態で前記固定プレートに締結されることによって、前記合わせ面間の間隔を決定する複数本のボルトと、
を具備してなり、
前記貫通孔の内径が、前記軸部の外径を超えた寸法となされ、
複数個の弾性支持部材のうち、一の弾性支持部材が前記可動プレートの中心に相当する位置に配され、且つ、前記一の弾性支持部材を囲む位置に他の弾性支持部材が配され、
前記一の弾性支持部材の付勢力が、前記他の弾性支持部材の付勢力より大きく設定されてなることを特徴とするリモートセンターコンプライアンス装置。
【請求項2】
請求項1に記載のリモートセンターコンプライアンス装置において、
他の弾性支持部材が、一の弾性支持部材を中心とする同一円上に配されてなるリモートセンターコンプライアンス装置。
【請求項3】
請求項2に記載のリモートセンターコンプライアンス装置において、
他の弾性支持部材が、隣接する他の弾性支持部材を順に結ぶ仮想直線にて正多角形を描くように配されてなるリモートセンターコンプライアンス装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のリモートセンターコンプライアンス装置において、
前記貫通孔の内径が前記軸部の外径より0.01~1.0mm大きい寸法となされたリモートセンターコンプライアンス装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載のリモートセンターコンプライアンス装置において、
前記固定プレートと前記可動プレートとの合わせ面の間隔が、0.5~1mmとなされたリモートセンターコンプライアンス装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載のリモートセンターコンプライアンス装置が、マニピュレータに取り付けられたことを特徴とするマニピュレータ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マニピュレータに取り付けられて、ワークの個体差や位置ずれ等の誤差を緩衝するリモートセンターコンプライアンス装置、及び前記リモートセンターコンプライアンス装置が備えられたマニピュレータ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
「リモートセンターコンプライアンス装置」は、ロボットアーム等のマニピュレータに取り付けられ、前記マニピュレータの出力端側に固定された固定プレートに対して、チャック等の効果器側に固定された可動プレートが傾いたり、ずれたりすることによって、ワークの個体差や位置ずれ等の誤差を緩衝する装置である。
【0003】
従来のリモートセンターコンプライアンス装置では、前記固定プレートと前記可動プレートとの間にゴム等のエラストマーを介在させることによって、前記固定プレートに対する前記可動プレートの相対移動が可能となる仕組みとなされていた。
【0004】
しかしながら、エラストマーは強度や環境耐性に劣る。そのため、最近では、前記固定プレートに対する前記可動プレートの相対移動を可能にする仕組みとして様々な機械構造が提案されている(例えば、下記特許文献1~4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平9‐150391号公報
【文献】特開2005‐297106号公報
【文献】特開2015‐3363号公報
【文献】特開2015‐182200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1~4において提案されているリモートセンターコンプライアンス装置は、いずれも構造が複雑なことから装置の小型化や軽量化が困難であり、又、高価格であったため、使用条件や使用箇所が限定されていた。
【0007】
本発明は、前記技術的課題に鑑みて完成されたものであり、簡単な構造でワークの個体差や位置ずれ等の誤差を緩衝し得る新規なリモートセンターコンプライアンス装置、及び前記リモートセンターコンプライアンス装置が備えられたマニピュレータ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術的課題を解決する本発明のリモートセンターコンプライアンス装置は 固定プレートと、円盤状の可動プレートと、を具備してなり、マニピュレータの出力端側に固定された前記固定プレートに対して、効果器側に固定された前記可動プレートが傾いたり、ずれたりすることによって、ワークの個体差や位置ずれ等の誤差を緩衝するリモートセンターコンプライアンス装置であって、前記固定プレートと前記可動プレートとの合わせ面間を弾性的に支持する複数個の弾性支持部材と、前記可動プレートに設けられた貫通孔に軸部が挿通された状態で前記固定プレートに締結されることによって、前記合わせ面間の間隔を決定する複数本のボルトと、を具備してなり、前記貫通孔の内径が、前記ボルトの軸部の外径を超えた寸法となされ、一の弾性支持部材が前記可動プレートの中心に相当する位置に配され、且つ、一の弾性支持部材を囲む位置に他の弾性支持部材が配され、一の弾性支持部材の付勢力が、他の弾性支持部材の付勢力より大きく設定されてなることを特徴とする(以下、「本発明装置」と称する。)。
【0009】
前記本発明装置においては、他の弾性支持部材が、一の弾性支持部材を中心とする同一円上に配されてなるものが好ましい態様となる。
【0010】
前記本発明装置においては、他の弾性支持部材が、隣接する他の弾性支持部材を順に結ぶ仮想直線にて正多角形を描くように配されてなるものが好ましい態様となる。
【0011】
前記本発明装置においては、前記貫通孔の内径が前記支柱の外径より0.01~1.0mm大きい寸法となされたものが好ましい態様となる。
【0012】
前記本発明装置においては、前記固定プレートと前記可動プレートとの合わせ面の間隔が、0.5~1mmとなされたものが好ましい態様となる。
【0013】
前記技術的課題を解決する本発明のマニピュレータ構造は、前記本発明装置がマニピュレータに備えられたことを特徴とする(以下、「本発明マニピュレータ構造」と称する。)。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、簡単な構造でワークの個体差や位置ずれ等の誤差を緩衝することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態1に係る本発明装置を示す分解斜視図である。
図2図2は、前記本発明装置を備えた本発明マニピュレータ構造を示す斜視図である。
図3図3は、前記本発明マニピュレータ構造の出力動作と効果器動作を示す斜視図である。
図4図4は、前記本発明装置の固定プレートを示す正面図である。
図5図5は、前記本発明装置のボルトの存する部分を拡大して示す断面図である。
図6図6は、前記本発明装置の固定プレートに弾性支持部材を挿入配置した状態を示す斜視図である。
図7図7は、前記本発明装置を示す断面図である。
図8図8(a)、(b)は、前記本発明装置における固定プレートに対して可動プレートが相対移動する様子を示す側面図である。
図9図9は、実施形態2に係る本発明装置を示す分解斜視図である。
図10図10は、前記本発明装置のボルト部分を拡大して示す断面図である。
図11図11は、前記本発明装置の弾性支持部材の存する部分を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
【0017】
[実施形態1]
図1に、実施形態1に係る「本発明装置(1)」を示す。前記本発明装置1は、「固定プレート(2)」と、「可動プレート(3)」と、「弾性支持部材(4)」と、「ボルト(5)」と、を具備する。図2に示すように、この本発明装置1は、「マニピュレータ(10)」に取り付けられて、「本発明マニピュレータ構造(100)」を構築する。図3に示すように、本実施形態におけるマニピュレータ10は、回転動作を出力するものであり、その出力端にチャッキング動作を行う「効果器(11)」が備えられている。前記本発明装置1は、前記マニピュレータ10の出力端と前記効果器11との間に取り付けられて、寸法誤差や位置誤差等の誤差を受動的に緩衝する装置である。
【0018】
‐固定プレート2‐
前記固定プレート2は、前記マニピュレータ10の出力端側に固定される(図2参照)。図1に示すように、本実施形態における前記固定プレート2は、円盤状の全体形状を有する金属プレートであり、表裏を貫通して設けられた固定プレート取付孔20を利用して、前記マニピュレータ10の出力端側に固定し得る仕組みとなされている。又、前記固定プレート2には、複数の弾性支持部材取付孔21と、雌ネジを有する複数のボルト締結孔22とが設けられている。図4に示すように、本実施形態においては、前記弾性支持部材取付孔21につき、前記固定プレート2の中心と、その中心を囲む位置の三箇所(さらに詳しくは、前記固定プレート2の中心に設けた弾性支持部材取付孔21を中心とする同一円(S)上で、隣接する弾性支持部材取付孔21を結ぶ仮想直線(T)が正多角形(本実施形態では正三角形)を描く位置)に設けている。又、前記ボルト締結孔22につき、前記円(S)上で正多角形(本実施形態では正三角形)を描く位置に設けている。更に、前記弾性支持部材取付孔21と前記ボルト締結孔22とは、等間隔の位相差(本実施形態においては60度の位相差)を持った位置関係となされている。
【0019】
‐可動プレート3‐
前記可動プレート3は、前記マニピュレータ10の効果器11側に固定される(図2参照)。図1に示すように、本実施形態における前記可動プレート3は、円盤状の全体形状を有する金属プレートであり、表裏を貫通して設けられた可動プレート取付孔30を利用して、前記効果器11に固定し得る仕組みとなされている。又、前記可動プレート3には、複数の「貫通孔(31)」が設けられており、この貫通孔31は、前記固定プレート2に設けられた前記ボルト締結孔22に相対する位置に設けられている。
【0020】
‐弾性支持部材4‐
前記弾性支持部材4は、前記固定プレート2と前記可動プレート3との合わせ面間を弾性的に支持する役割を担う。本実施形態においては、前記弾性支持部材4として、ケーシングに内蔵されたバネの付勢力によって先端のボール(センターピン)を弾性的に出没可能とする仕組みとなされたプランジャ(ボールプランジャ)を用いた。又、各弾性支持部材4は、前記固定プレート2に設けられた各弾性支持部材取付孔21にそれぞれ挿入配置される仕組みとなされている(図1参照)。
【0021】
‐ボルト5‐
図5に示すように、前記ボルト5は、前記可動プレート3に設けられた貫通孔31に軸部51が挿通された状態で前記固定プレート2に締結されることによって、前記固定プレート2と前記可動プレート3との合わせ面間の間隔(X)を決定する役割を担う。本実施形態においては、前記ボルト5として、頭部50と、先端のみ雄ネジが設けられた軸部51とを具備する中ボルト(半ネジ)用い、前記軸部51を前記可動プレート3に設けられた貫通孔31に挿通させた状態で、前記軸部51の雄ネジを前記固定プレート2に設けられたボルト締結孔22の雌ネジに螺合させ、螺合の程度を調節することによって、前記合わせ面間の間隔(X)が0.7mmとなるようにしている。
【0022】
そして、本発明においては、前記貫通孔31の内径(R)につき、前記ボルト5の軸部51の外径(r)を超えた寸法となされる。なお、前記軸部51の外径(r)は、前記本発明装置1を構築した際に、前記貫通孔31の内壁によって囲まれる位置の外径寸法を意味する。本実施形態においては、前記貫通孔31の内径(R)を前記軸部51の外径(r)より0.4mm大きくし、前記ボルト5の軸部51の周囲に都合0.2mmのクリアランス(Y)が生じるようにしている。
【0023】
又、本発明においては、一の弾性支持部材4(41)が前記可動プレート3の中心に相当する位置に配され、且つ、一の弾性支持部材4(41)を囲む位置に他の弾性支持部材4(42)が配される。本実施形態においては、図6に示すように、前記固定プレート2の中心と、その中心を囲む位置に設けられた弾性支持部材取付孔21に、弾性支持部材4をそれぞれ挿入配置することによって、各弾性支持部材4の位置関係がその関係になるようにしている。
【0024】
更に、本発明においては、図7に示すように、一の弾性支持部材4(41)の付勢力(F)が、他の弾性支持部材4(42)の付勢力(f)より大きくなるように設定される。本実施形態においては、前記弾性支持部材取付孔21に各弾性支持部材4を挿入配置した際に、一の弾性支持部材4(41)が、他の弾性支持部材4(42)に対して突出する状態となるように各弾性支持部材取付孔21の形状(弾性支持部材4を支持する高さ)が設定されており(図6参照)、従って、各弾性支持部材4の弾性力が等価であれば、前記本発明装置1を構築した際に、一の弾性支持部材4(41)の付勢力(F)が、他の弾性支持部材4(42)の付勢力(f)より大きくなる。
【0025】
前記構成を有する本発明装置1は、前記ボルト5の軸部51の周囲にクリアランス(Y)が設けられているから、図8(a)に示すように、前記固定プレート2に対して前記可動プレート3が、360度にわたって、前記クリアランス(Y)に応じた距離分、水平移動することができる。
【0026】
又、前記本発明装置1は、前記固定プレート2と前記可動プレート3との間に形成させた間隙が、前記弾性支持部材4によって弾性的に支持されており、しかも前記可動プレート3の中心に相当する位置に配された一の弾性支持部材4(41)の付勢力(F)が、他の弾性支持部材4(42)の付勢力(f)より大きくなるように設定されているから、図8(b)に示すように、前記可動プレート3が、一の弾性支持部材4(42)を支点として揺動する。
【0027】
即ち、前記本発明装置1は、前記固定プレート2に対して前記可動プレート3が相対移動することができる仕組みとなされた装置である。従って、前記本発明装置1がマニピュレータ10に備えられた本発明マニピュレータ構造100において、寸法誤差や位置誤差等の誤差を受動的に緩衝することができる。
【0028】
そして、前記本発明装置1は、前記固定プレート2と、前記可動プレート3と、前記弾性支持部材4と、前記ボルト5と、からなる部品の種類が少ない簡単な構造であり、小型化や軽量化が容易で、従来品と比較して低価格にて製造することができる。
【0029】
ところで、本実施形態においては、前記固定プレート2につき円盤状の金属プレートを用いたが、前記固定プレート2の形状は円盤状に限られない。
【0030】
本実施形態においては、前記弾性支持部材4としてプランジャを用いたが、本発明において、前記弾性支持部材4はプランジャに限られない。又、前記弾性支持部材4に弾性力を与える要素もバネに限られない。前記弾性支持部材4としては、例えば、エラストマーや磁力によって弾性力が付与され仕組みのものであっても良い。
【0031】
そして、本実施形態においては、一の弾性支持部材4(41)を中心とする同一円(S)上に他の弾性支持部材4(42)を配し、更に、隣接する他の弾性支持部材4(42)を順に結ぶ仮想直線(T)にて正多角形を描くように配しているが、各弾性支持部材4の配置は、前記可動プレート3の中心に相当する位置に配した一の弾性支持部材4(41)を他の弾性支持部材4(42)にて囲む配置とすれば良い。
【0032】
更に、本実施形態においては、一の弾性支持部材4(42)の付勢力(F)を、他の弾性支持部材4(42)の付勢力(f)より大きく設定するにあたり、前記弾性支持部材取付孔21に各弾性支持部材4を挿入配置した際に、一の弾性支持部材4(41)が、他の弾性支持部材4(42)に対して突出する状態となるようにしているが、各弾性支持部材4の付勢力の設定は、この方法に限られない。例えば、一の弾性支持部材4(41)として、他の弾性支持部材4(42)の弾性力より大きな弾性力を有するものを用いても良い。
【0033】
加えて、本実施形態においては、前記固定プレート2に取り付けられた弾性支持部材4によって、前記可動プレート3を支持する仕組みとしているが、前記可動プレート3に弾性支持部材4を取り付けて、前記固定プレート2を支持する仕組みとしても良い。
【0034】
なお、本実施形態においては、前記固定プレート2と前記可動プレート3との合わせ面間の間隔(X)を0.7mmとしているが、係る合わせ面の間隔(X)は前記本発明装置1に要求される性能に応じて決定すればよく、特に限定されない。本発明においては、前記固定プレート2と前記可動プレート3との合わせ面間の間隔(X)は、0.5~1mmとすることが好ましい。
【0035】
又、本実施形態においては、前記貫通孔31の内径(R)を前記軸部51の外径(r)より0.4mm大きくし、前記ボルト5の軸部51の周囲に都合0.2mmのクリアランス(Y)が生じるようにしているが、前記クリアランス(Y)についても前記本発明装置1に要求される性能に応じて決定すればよく、特に限定されない。本発明においては、前記貫通孔31の内径(R)につき、前記ボルト5の軸部51外径より0.01~1.0mm大きい寸法とすることが好ましい。
【0036】
[実施形態2]
図9に、実施形態2に係る本発明装置1を示す。本実施形態に係る本発明装置1と、前記実施形態1に係る本発明装置1とは、可動プレート3に設けられる貫通孔31が貫通孔本体32と前記貫通孔本体32に嵌合されるブッシュ33によって構築される点と、弾性支持部材4が当接する位置にストップピン6を備えた点において異なり、その余は共通する。
【0037】
図10に示すように、前記可動プレート3に設けられる貫通孔31につき、前記貫通孔本体32と前記ブッシュ33によって構築する仕組みとすれば、前記ブッシュ33を内径が異なるものに替えるだけでクリアランス(Y)を変更することができる。
【0038】
又、図11に示すように、前記弾性支持部材4が当接する位置に前記ストップピン6を備えた構造とすれば、前記ストップピン6の支持位置を変えるだけで、前記弾性支持部材4の付勢力を調整することができる。
【0039】
その余は、前記実施形態1と同様のため、繰り返しを避けるべくここでは説明を省略する。
【0040】
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0041】
前記本発明は、マニピュレータに取り付けられて、寸法誤差や位置誤差等の誤差を受動的に緩衝する装置として好適に用いられる。
【符号の説明】
【0042】
1 本発明装置(リモートセンターコンプライアンス装置)
2 固定プレート
20 固定プレート取付孔
21 弾性支持部材取付孔
22 ボルト締結孔
3 可動プレート
30 可動プレート取付孔
31 貫通孔
32 貫通孔本体
33 ブッシュ
4 弾性支持部材
5 ボルト
50 頭部
51 軸部
6 ストップピン
10 マニピュレータ
11 効果器
100 本発明マニピュレータ構造(マニピュレータ構造)

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11