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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-05-16
(45)【発行日】2023-05-24
(54)【発明の名称】計測装置及び計測方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/087 20060101AFI20230517BHJP
   A61B 5/107 20060101ALI20230517BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20230517BHJP
【FI】
A61B5/087
A61B5/107 300
A61B5/16 130
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019165410
(22)【出願日】2019-09-11
(65)【公開番号】P2021040963
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-06-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2019年8月7日付で、出願に係る発明に関して、諸麥 俊司が下記URLに係るウェブページ上にて公開。https://shingi.jst.go.jp/kobetsu/toyo-sophia-chuo/2019_toyo-sophia-chuo/tech_property.html#pbBlock98699
(73)【特許権者】
【識別番号】599011687
【氏名又は名称】学校法人 中央大学
(73)【特許権者】
【識別番号】504205521
【氏名又は名称】国立大学法人 長崎大学
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100097238
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 治
(74)【代理人】
【識別番号】100211395
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】諸麥 俊司
(72)【発明者】
【氏名】鮎瀬 卓郎
【審査官】磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-142642(JP,A)
【文献】特開平09-262224(JP,A)
【文献】特開2004-113329(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102743246(CN,A)
【文献】国際公開第2014/030737(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/08-5/097
A61B 5/113
A47G 9/10
A61F 5/56
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人間の睡眠中の呼吸の大きさを計測する計測装置であって、
前記人間の頭部を支持する、変形可能な支持部と、
前記人間の呼吸の大きさを計測する、呼吸センサと、
前記支持部を変形させて、前記呼吸センサにより複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさを計測し、睡眠中において呼吸がしやすい頭部の姿勢を特定する、制御部と、を備える、計測装置。
【請求項2】
前記呼吸センサは、前記人間の呼気及び吸気の少なくとも一方の流量を計測する、流量センサである、請求項1に記載の計測装置。
【請求項3】
前記人間の鼻及び口の少なくとも一方を覆うマスクを更に備え、
前記呼吸センサは、前記マスクにおける前記呼吸の大きさを計測可能な位置に設置されている、請求項1又は2に記載の計測装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記支持部を変形させ、所定の時間だけ前記支持部の形状を維持することを繰り返す、請求項1から3のいずれか一項に記載の計測装置。
【請求項5】
前記人間の頭部の姿勢を計測する、姿勢センサを更に備え、
前記制御部は、前記姿勢センサで計測された情報に基づいて、前記支持部を変形させる、請求項1から4のいずれか一項に記載の計測装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記支持部を変形させて、垂直方向における前記頭部の高さを変更する、請求項1から5のいずれか一項に記載の計測装置。
【請求項7】
前記支持部は、前記頭部を後頭部から支持する第1支持部材を含み、
前記制御部は、前記第1支持部材を変形させて、前記垂直方向における前記頭部の高さを変更する、請求項6に記載の計測装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記支持部を変形させて、水平方向に対する前記頭部の前後の傾きを変更する、請求項1から7のいずれか一項に記載の計測装置。
【請求項9】
前記支持部は、前記頭部を下顎部から支持する第2支持部材を含み、
前記制御部は、前記第2支持部材を変形させて、前記水平方向に対する前記頭部の前後の傾きを変更する、請求項8に記載の計測装置。
【請求項10】
前記人間が睡眠中であるか否かを示す情報を計測する、睡眠センサを更に備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の計測装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさの可視化情報を生成する、請求項1から10のいずれか一項に記載の計測装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の計測装置により、人間の睡眠中の呼吸の大きさを計測する計測方法であって、
前記制御部が、
前記支持部を変形させるステップと、
前記呼吸センサにより複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさを計測し、睡眠中において呼吸がしやすい頭部の姿勢を特定するステップと、
を含む、計測方法。
【請求項13】
前記制御部が、前記支持部を変形させるステップにおいて、前記支持部を変形させたのち、所定の時間だけ前記支持部の形状を維持することを繰り返す、請求項12に記載の計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間の睡眠中の呼吸の大きさを計測する、計測装置及び計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、睡眠中に呼吸が断続的に停止する睡眠時無呼吸症候群(SAS)が健康及び生活の質を害する睡眠障害の一つとして問題視されている。そのため、睡眠中の人間の気道を確保するための器具が提案されている。例えば、特許文献1には、人間の異常呼吸を検出した場合に、当該人間の頭部の姿勢を、気道が確保される姿勢に変えることで気道を確保する、気道確保装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2014/030737号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、睡眠中において、気道が確保され、呼吸がしやすい頭部の姿勢は、個人によって異なる。そのため、睡眠中における呼吸がしやすい頭部の姿勢を特定することに寄与し得る、複数の頭部の姿勢における人間の睡眠中の呼吸の大きさを計測することが求められている。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、複数の頭部の姿勢における人間の睡眠中の呼吸の大きさを計測することができる、計測装置及び計測方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の計測装置は、
人間の睡眠中の呼吸の大きさを計測する計測装置であって、
前記人間の頭部を支持する、変形可能な支持部と、
前記人間の呼吸の大きさを計測する、呼吸センサと、
前記支持部を変形させて、前記呼吸センサにより複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさを計測する、制御部と、を備える。
【0007】
本発明の計測方法は、
上述した計測装置により、人間の睡眠中の呼吸の大きさを計測する計測方法であって、
前記制御部が、
前記支持部を変形させるステップと、
前記呼吸センサにより複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさを計測するステップと、
を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の頭部の姿勢における人間の睡眠中の呼吸の大きさを計測することができる、計測装置及び計測方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る計測装置の概略構成を示す概略図である。
図2図1に示す計測装置1を装着した人間を正面視で示す概略図である。
図3】利用者の頭部の高さ及び前後の傾きの一例を示す概略図である。
図4】一実施形態に係る計測装置の処理の流れを示すフローチャートである。
図5】一実施形態に係る計測装置の動作を示す模式図である。
図6】複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさの可視化情報の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る計測装置1を具体的に例示説明する。
【0011】
各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。本実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る計測装置1の概略構成を示す概略図である。図1に示すように、計測装置1の利用者である人間は、ヘッドギア2を装着して、例えばベッド等の寝床面Bに仰向けに横になった仰臥姿勢で、睡眠をとる。計測装置1は、仰臥姿勢にある人間の頭部を支持する、変形可能な支持部3を変形させる。計測装置1は、支持部3を変形させることによって、利用者の頭部の姿勢を変更することができる。計測装置1は、例えば、利用者の頭部の高さと、頭部の前後の傾きを変更することで、利用者に複数の頭部の姿勢を取らせる。本実施形態では、仰臥姿勢にある人間の目線を胴体側に移す方向に頭部を回転させることを、頭部を前に傾けると称し、逆に、目線を胴体とは反対側に移す方向に頭部を回転させることを、頭部を後ろに傾けると称す。計測装置1は、呼吸センサ6により、複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさを計測する。これによって、計測装置1は、複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさを計測することができる。計測装置1によって計測された複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさは、例えば、利用者が睡眠中において呼吸をしやすい頭部の姿勢を特定するための情報として活用される。
【0013】
(計測装置)
図1及び図2を参照して、計測装置1の構成について、詳細に説明する。図2は、図1に示す計測装置1を装着した人間を正面視で示す概略図である。図1に示すように、本実施形態では、計測装置1は、ヘッドギア2、支持部3、ポンプ4、姿勢センサ5、呼吸センサ6、マスク7、睡眠センサ8、通信部9、表示部10、入力部11、記憶部12、及び制御部13を備えている。本実施形態では、通信部9、表示部10、入力部11、記憶部12、及び制御部13は、例えば、携帯電話、スマートフォン、及びパーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータ14に搭載されていてもよい。
【0014】
ヘッドギア2は、利用者の頭部に装着され、頭部の少なくとも一部を覆う装着具である。本実施形態では、ヘッドギア2は、利用者の前頭部、後頭部、及び下顎部を覆う形状をしている。ヘッドギア2は、例えばポリエステル製の風通しの良いメッシュ生地又は発泡ウレタン等の材料で構成されている。ヘッドギア2は、利用者の頭部にフィットするように、伸縮性を有する材料で構成されてもよい。ヘッドギア2には、支持部3及び姿勢センサ5が所定の位置に固定されている。これによって、睡眠中における利用者の寝返り等によって、支持部3及び姿勢センサ5が利用者の頭部から位置ずれしにくい。
【0015】
支持部3は、人間の頭部を支持する。具体的には、支持部3は、ヘッドギア2を装着した人間の頭部を支持するようにヘッドギア2に固定されている。更に、支持部3は、変形可能である。これにより、支持部3を変形させることで、支持部3が支持する人間の頭部の姿勢を変更させ得る。支持部3は、例えば、ポンプ4により空気等の流体が供給されることで変形可能であってもよい。本実施形態では、支持部3が、空気で膨らむエアバッグであるものとして説明する。しかしながら、支持部3の変形方法は、ポンプ4による流体の供給に限られず、モーター等により頭部との接触面を上下させる等、任意の方法が用いられてもよい。
【0016】
更に、支持部3は、複数の支持部材で形成されていてもよい。本実施形態では、支持部3は、人間の頭部を後頭部から支持する第1支持部材3Aと、人間の頭部を下顎部から支持する第2支持部材3Bとを含む。
【0017】
第1支持部材3Aは、利用者の頭部を後頭部から支持する、変形可能な支持部材である。第1支持部材3Aは、例えば塩化ビニル樹脂等の合成樹脂材料で構成された、エアバッグである。第1支持部材3Aは、ヘッドギア2を装着した人間の後頭部の近傍に位置するように、ヘッドギア2に固定されている。本実施形態では、第1支持部材3Aは、寝床面Bに仰向けに横になった利用者の頭部を後頭部から安定的に支持するように平板状とされている。さらに、第1支持部材3Aは、後述する第2支持部材3Bを取り付けるために、ヘッドギア2を装着した利用者の後頭部から首まで亘る形状とされている。
【0018】
第1支持部材3Aは、ポンプ4と通気可能に接続されている。第1支持部材3Aは、ポンプ4により空気が供給されることで膨張し、或いは、ポンプ4により空気が外部に放出されることで収縮する。これによって、第1支持部材3Aは、第1支持部材3Aの上に載せられた利用者の頭部の姿勢を変更することができる。より具体的には、第1支持部材3Aは、仰向けに横になった利用者の頭部を寝床面Bから押し上げて、垂直方向における利用者の頭部の高さを変更する。
【0019】
第2支持部材3Bは、利用者の頭部を下顎部から支持する、変形可能な支持部材である。第2支持部材3Bは、例えば塩化ビニル樹脂等の合成樹脂材料で構成された、エアバッグである。第2支持部材3Bは、ヘッドギア2を装着した利用者の下顎部の近傍に位置するように、ヘッドギア2の固定されている。本実施形態では、第2支持部材3Bは、一例として、図1に示されるように側面形状がL字状とされ、図2に示されるように正面形状がU字型とされている。これによって、第2支持部材3Bは、利用者の頭部を下顎部から安定的に支持することができ、かつ、利用者に装着しやすくなる。第2支持部材3Bは、ヘッドギア2に加え、第1支持部材3Aの、利用者の首を支持する部分の近傍に固定されている。
【0020】
第2支持部材3Bは、ポンプ4と通気可能に接続されている。第2支持部材3Bは、ポンプ4により空気が供給されることで膨張し、或いは、ポンプ4により空気が外部に放出されることで収縮する。これによって、第2支持部材3Bは、第2支持部材3Bの上に載せられた利用者の頭部の姿勢を変更することができる。より具体的には、第2支持部材3Bは、仰向けに横になった利用者の頭部を下顎部から押して、水平方向に対する利用者の頭部の前後の傾きを変更する。
【0021】
ポンプ4は、例えばエアーポンプである。ポンプ4は、ゴムチューブ等を介して、第1支持部材3A及び第2支持部材3Bに通気可能に接続されている。本実施形態では、ポンプ4は、第1支持部材3A及び第2支持部材3Bのそれぞれに独立して空気を供給するように構成されている。例えば、上述したゴムチューブに電磁弁等の弁を設けることで、ポンプ4から第1支持部材3A及び第2支持部材3Bのそれぞれに独立して空気が供給され得る。或いは、ポンプ4が、第1支持部材3A及び第2支持部材3Bのそれぞれに個別に用意されていてもよい。
【0022】
本実施形態では、支持部3は、第1支持部材3A及び第2支持部材3Bを備えるものとして説明するが、この限りではない。支持部3は、1つ以上の任意の数の支持部材で構成されていてもよい。例えば、第2支持部材3Bが、利用者の下顎部を右側から又は左側からそれぞれ支持する2つの部材に更に分けられていてもよい。また例えば、第1支持部材3A及び第2支持部材3Bが1つの袋状の支持部材とされてもよい。或いは、支持部3は、第1支持部材3Aのみで構成されていてもよい。
【0023】
姿勢センサ5は、利用者の頭部の姿勢を計測する。本実施形態では、姿勢センサ5は、例えば、センサ自身が位置する地点の三次元座標を出力する、三次元位置センサである。しかしながら、姿勢センサ5は、三次元位置センサに限られず、加速度センサ、角速度センサ、又はジャイロセンサ等であってもよい。図1に示すように、計測装置1は、2つの姿勢センサ5A及び5Bを備えている。姿勢センサ5Aは、利用者の額の近傍に位置するようにヘッドギア2に取り付けられ、利用者の額の位置を計測する。姿勢センサ5Bは、利用者の下顎部の近傍に位置するようにヘッドギア2に取り付けられ、利用者の下顎の位置を計測する。
【0024】
本実施形態では、姿勢センサで計測される利用者の頭部の姿勢には、垂直方向における利用者の頭部の高さと、水平方向に対する頭部の前後の傾きとが含まれる。図3は、利用者の頭部の高さ及び前後の傾きの一例を示す概略図である。本実施形態では、例えば、利用者の頭部の基準位置Pの高さ及び前後の傾きが、利用者の頭部の高さ及び前後の傾きとされてもよい。具体的には、図3に示すように、制御部13は、2つの姿勢センサ5A及び5Bのそれぞれで計測された位置から基準位置Pの位置を算出し、算出された基準位置Pの寝床面Bに対する高さを、垂直方向における頭部の高さHとすることができる。基準位置Pは、寝床面Bから姿勢センサ5Aの位置までの垂線の中点と寝床面Bから姿勢センサ5Bの位置までの垂線の中点とを結んだ線と、姿勢センサ5A及び5Bの位置の水平方向における中点を通る垂線が交わる点である。また、制御部13は、2つの姿勢センサ5A及び5Bのそれぞれで計測された位置を結んだ直線が水平方向となす角度を算出し、算出された角度を、基準位置Pにおける水平方向に対する頭部の前後の傾きLとすることができる。利用者の頭部の高さ及び傾きは、基準位置Pに限られず、寝床面Bにおいて仰臥姿勢にある人間の頭部のうち最も寝床面Bに近い位置、或いは姿勢センサ5A及び5Bを直線で結んだ中点等、任意の位置とされてもよい。
【0025】
本実施の形態では、計測装置1が2つの姿勢センサ5A及び5Bを備えているものとして説明するが、この限りではない。1つ以上の任意の数の姿勢センサ5によって、利用者の垂直方向における頭部の高さ、及び水平方向に対する頭部の前後の傾きが算出されてもよい。
【0026】
呼吸センサ6は、利用者の呼吸の大きさを計測する。本実施形態では、呼吸センサ6は、呼吸の大きさとして、利用者の呼気及び吸気の少なくとも一方の流量を計測する、流量センサである。しかしながら、呼吸センサ6は、流量センサに限られず、温度センサ等であってもよい。呼吸センサ6が温度センサである場合、呼吸センサ6は、呼吸の大きさとして、センサに利用者の呼気が吹きかけられることによって変化したセンサ自身の温度を計測する。呼吸センサ6は、利用者の口及び鼻の少なくとも一方の近傍に設けられ、呼吸流量等の、利用者の呼吸の大きさを計測する。
【0027】
マスク7は、利用者の鼻及び口の少なくとも一方を覆う。本実施形態では、マスク7は、利用者の鼻及び口を覆うように、利用者に装着される。呼吸センサ6は、マスク7における呼吸の大きさを計測可能な位置に設置されている。呼吸センサ6は、例えば、マスク7の、ゴムチューブ等が接続される開口部の近傍に取り付けられてもよい。
【0028】
睡眠センサ8は、利用者が睡眠中であるか否かを示す情報を計測する。睡眠センサ8は、例えば、利用者の手首に装着されることで、利用者の脈拍数又は心拍数等の情報を計測し、計測した情報を利用者が睡眠中であるか否かを示す情報として出力する。
【0029】
通信部9は、例えば有線LAN(Local Area Network)又は無線LAN等の規格に対応した通信モジュールを含む。本実施形態において、計測装置1は、通信部9を介して外部機器と通信することができる。
【0030】
表示部10は、画像及び音等で情報を表示する。表示部10は、例えばディスプレイである。表示部10は、後述するように、計測装置1で計測された、複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさの可視化情報を表示する。
【0031】
入力部11は、入力操作を受け付ける。入力部11は、例えばボタン、タッチパネル又はマイクである。
【0032】
記憶部12は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等である。記憶部12は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部12は、計測装置1の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部12は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及び組み込みソフトウェア等を記憶する。
【0033】
記憶部12は、後述する計測装置1の処理で用いられる、利用者の呼吸の大きさの計測が行われる、複数の頭部の姿勢に関する情報を記憶していてもよい。複数の頭部の姿勢に関する情報は、垂直方向における頭部の高さと水平方向における頭部の前後の傾きとの組み合わせで定義されていてもよい。例えば、複数の頭部の姿勢に関する情報には、n段階の高さとm段階の傾きとの組み合わせによって、合計n×mパターンの頭部の姿勢が定義されていてもよい。本実施形態では、n段階の高さ及びm段階の傾きは、それぞれ等間隔とされるが、等間隔でなくてもよい。また、n段階の高さ及びm段階の傾きは、絶対値で定義されていてもよく、何らかの基準に対する相対値で定義されていてもよい。記憶部12に記憶される情報は、例えば上述した通信部9又は入力部11を介して受け付けた情報で更新され得る。
【0034】
制御部13は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であってもよい。制御部13は、プロセッサに限られず、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってもよい。制御部13は、計測装置1に含まれる各機能の各々と有線又は無線によって通信可能に接続されている。制御部13は、例えば、ポンプ4、姿勢センサ5、呼吸センサ6、睡眠センサ8、通信部9、表示部10、入力部11、及び記憶部12等のそれぞれと有線又は無線によって通信可能に接続されている。これによって、制御部13は、計測装置1を動作させる。
【0035】
(計測装置の処理例)
図4図5、及び図6を参照して、本実施形態に係る計測装置1が実行する、計測装置1の利用者である人間の睡眠中の呼吸の大きさを計測する処理の一例を説明する。本処理において、計測装置1の制御部13は、姿勢センサ5で計測された情報に基づいて、支持部3を変形させて、呼吸センサ6により複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさを計測する。図4は、一実施形態に係る計測装置1の処理の流れを示すフローチャートである。図5は、一実施形態に係る計測装置1の動作を示す模式図である。図6は、複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさの可視化情報の一例である。
【0036】
なお、本処理は、本実施形態に係る計測方法に相当する。本処理は、計測装置1のヘッドギア2を装着した利用者が寝床面Bに仰向けに横になった状態で開始されるものとして説明する。また、本処理は、支持部3には空気が充填されていない状態で開始されるものとして説明する。また、本処理では、複数の頭部の姿勢として、n段階の垂直方向における頭部の高さと、m段階の水平方向に対する頭部の前後の傾きとの組み合わせによる、合計n×mパターンの頭部の姿勢における利用者の呼吸の大きさが計測されるものとして説明する。本実施形態では、n×mパターンの頭部の姿勢における利用者の呼吸の大きさの計測を行うことを、1サイクルと称する。
【0037】
ステップS101において、制御部13は、本処理に必要な初期化を行う。
【0038】
具体的には、制御部13は、前述した1サイクルをカウントするための内部カウンターをリセットする。また、本実施形態では、制御部13は、支持部3に空気が充填されていない状態で利用者の頭部の姿勢を計測し、利用者の頭部の初期姿勢として、記憶部12に記憶する。
【0039】
ステップS102において、制御部13は、支持部3を変更させて、利用者の垂直方向における頭部の高さを変更する。
【0040】
具体的には、制御部13は、ポンプ4を制御して、第1支持部材3Aを変形させて、垂直方向における頭部の高さを変更する。制御部13は、姿勢センサ5によって計測された情報から、垂直方向における頭部の高さHを算出して、高さHが所定の頭部の高さとなるように、ポンプ4による空気の供給又は放出を制御する。図5に示すように、制御部13は、第1支持部材3Aを膨張させることによって、垂直方向における頭部の高さを、例えば1cm等、1段階分上昇させる。
【0041】
ステップS103において、制御部13は、支持部3を変更させて、利用者の水平方向に対する頭部の前後の傾きを変更する。
【0042】
具体的には、制御部13は、ポンプ4を制御して、第2支持部材3Bを変形させて、水平方向に対する頭部の前後の傾きを変更する。制御部13は、姿勢センサ5によって計測された情報から、水平方向に対する頭部の前後の傾きLを計測して、傾きLが所定の頭部の傾きとなるように、ポンプ4による空気の供給又は放出を制御する。図5に示すように、制御部13は、第2支持部材3Bを膨張させることによって、水平方向に対する頭部の前後の傾きを、例えば1度等、1段階分後方に傾かせる。
【0043】
ステップS104において、制御部13は、利用者が睡眠中であるか否かを判定する。
【0044】
具体的には、制御部13は、睡眠センサ8により、利用者が睡眠中であるか否かを示す情報を計測する。制御部13は、計測された情報に基づいて、利用者が睡眠中であるか否かを判定する。制御部13は、睡眠中であるか否かの判定結果を、姿勢センサ5によって計測された頭部の姿勢と関連付けて、記憶部12に記憶する。
【0045】
ステップS105において、制御部13は、呼吸センサ6により、呼吸の大きさを計測する。
【0046】
具体的には、制御部13は、呼吸センサ6により、呼気及び吸気の少なくとも一方の流量を、呼吸の大きさとして計測する。制御部13は、計測された呼吸の大きさを頭部の姿勢と関連付けて、記憶部12に記憶する。制御部13は、1つの頭部の姿勢において、複数回、呼吸の大きさを計測してもよい。複数回計測して、それらの平均値又は代表値を算出することによって、計測精度を向上させることができる。
【0047】
本実施形態では、利用者が睡眠中ではないと判定された場合でも、呼吸の大きさが計測されるが、この限りではない。制御部13は、ステップS104において、利用者が睡眠中であると判定された場合にのみ、ステップS105の処理を行ってもよい。これによって、計測装置1は、装置の消費電力及び記憶容量を抑えることができる。
【0048】
ステップS106において、制御部13は、所定の頭部の高さにおいて、利用者の頭部の前後の傾きを変えた計測が完了したか否かを判定する。
【0049】
具体的には、制御部13は、上述した、m段階の頭部の前後の傾きのうち、何段階目まで計測が行われたかを判定する。制御部13は、m段階目までの計測が完了したと判定した場合(ステップS106-Yes)、ステップ107に進み、次の段階の頭部の高さにおける利用者の呼吸の大きさの計測を開始する。一方、制御部13は、m段階目までの計測が完了していないと判定した場合(ステップS106-No)、次の段階における頭部の前後の傾きを所定の頭部の傾きに設定して、ステップ103からの処理を繰り返す。
【0050】
ステップS107において、制御部13は、利用者の頭部の高さを変えた計測が完了したか否かを判定する。
【0051】
具体的には、制御部13は、複数の頭部の姿勢に関する情報に含まれるn段階の頭部の高さのうち、何段階目まで計測が行われたかを判定する。制御部13は、n段階目までの計測が完了したと判定した場合(ステップS107-Yes)、ステップ108に進む。一方、制御部13は、n段階目までの計測が完了していないと判定した場合(ステップS107-No)、次の段階における頭部の高さを所定の頭部の高さに設定して、ステップ102からの処理を繰り返す。
【0052】
本実施形態では、制御部13は、合計n×mパターンの頭部の姿勢における利用者の呼吸の大きさの計測を、1サイクル分実行する例を示したが、複数サイクル繰り返して実行してもよい。これによって、制御部13は、例えば、あるサイクルの計測の途中で利用者の眠りが浅くなって、一部の頭部の姿勢において、睡眠中の呼吸の大きさを正しく計測できなかった場合に、次のサイクルで正しく計測することができる。
【0053】
また、本実施形態では、制御部13は、支持部3を変形させ、例えば30秒など、所定の時間だけ支持部3の形状を維持することを繰り返す。これによって、制御部13は、支持部3を変形させて、利用者の頭部の姿勢を動かしたことによって、一時的に利用者の眠りが浅くなった場合でも、所定の時間が経過する中で、再び利用者が安定して、その頭部の姿勢における睡眠中の呼吸の大きさを正しく計測することができる。更に、所定の時間は、利用者の睡眠中に実行されるサイクル数に応じて、変更されてもよい。具体的には、実行されるサイクル数を増やす場合には、所定の時間は短くされてもよい。
【0054】
ステップS108において、制御部13は、計測結果を生成する。
【0055】
具体的には、制御部13は、上述の処理を繰り返して計測された、複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさに基づいて、計測結果として、複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさの可視化情報を生成する。図6には、複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさの可視化情報の一例が示されている。図6では、頭部の高さを縦軸、頭部の前後の傾きを横軸として、複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさが、円の大きさとして表されている。これによって、図6を参照することによって、利用者の睡眠中において呼吸がしやすい頭部の姿勢の特定が行われ得る。制御部13は、生成した可視化情報を記憶部12に記憶する。図6に示した可視化情報は一例であって、可視化の方法は図6の例に限られない。
【0056】
制御部13は、複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさから特定された、睡眠中において呼吸がしやすい頭部の姿勢を示す情報を、計測結果として生成してもよい。例えば、制御部13は、複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさから、呼吸の大きさが最も大きい頭部の姿勢、或いは所定の閾値よりも大きい頭部の姿勢を判定して、睡眠中において呼吸がしやすい頭部の姿勢としてもよい。
【0057】
生成された可視化情報等の計測結果は、例えば、制御部13によって、表示部10に表示されてもよく、或いは、通信部9から外部機器に送信されてもよい。
【0058】
以上述べたように、本実施形態に係る計測装置1は、利用者である人間の睡眠中の呼吸の大きさを計測する計測装置1である。計測装置1は、人間の頭部を支持する、変形可能な支持部3と、人間の呼吸の大きさを計測する、呼吸センサ6と、支持部3を変形させて、呼吸センサ6により複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさを計測する、制御部13と、を備える。かかる構成によれば、計測装置1は、睡眠中において呼吸がしやすい頭部の姿勢の特定に寄与し得る、複数の頭部の姿勢における人間の睡眠中の呼吸の大きさを計測することができる。
【0059】
本実施形態に係る計測装置1では、呼吸センサ6は、人間の呼気及び吸気の少なくとも一方の流量を計測する、流量センサであることが好ましい。かかる構成によれば、計測装置1は、計測に伴い人間の睡眠を妨げることなく、人間の呼吸の大きさを容易に計測することができる。
【0060】
本実施形態に係る計測装置1では、人間の鼻及び口の少なくとも一方を覆うマスク7を備え、呼吸センサ6は、マスク7における呼吸の大きさを計測可能な位置に設置されていることが好ましい。かかる構成によれば、計測装置1は、計測環境における風の強さ等、外的要因による、計測結果への影響を低減することができる。
【0061】
本実施形態に係る計測装置1では、制御部13は、支持部3を変形させ、所定の時間だけ支持部3の形状を維持することを繰り返すことが好ましい。かかる構成によれば、計測装置1は、支持部3を変形させて、利用者の頭部の姿勢を動かしたことによって、一時的に利用者の眠りが浅くなった場合でも、所定の時間が経過する中で、再び利用者が安定して、その頭部の姿勢における睡眠中の呼吸の大きさを正しく計測することができる。
【0062】
本実施形態に係る計測装置1では、人間の頭部の姿勢を計測する、姿勢センサ5を備え、制御部13は、姿勢センサ5で計測された情報に基づいて、支持部3を変形させることが好ましい。かかる構成によれば、計測装置1は、複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさを計測する精度を向上させることができる。
【0063】
本実施形態に係る計測装置1では、制御部13は、支持部3を変形させて、垂直方向における頭部の高さを変更することが好ましい。更に、本実施形態に係る計測装置1では、支持部3は、頭部を後頭部から支持する第1支持部材3Aを含み、制御部13は、第1支持部材3Aを変形させて、垂直方向における頭部の高さを変更することが好ましい。かかる構成によれば、計測装置1は、複数の頭部の高さにおける呼吸の大きさを計測することができ、例えば、睡眠中に舌根沈下が生じない程度の頭部の高さ等、人間が睡眠中において呼吸がしやすい頭部の高さを特定するための情報を提供することができる。
【0064】
本実施形態に係る計測装置1では、制御部13は、支持部3を変形させて、水平方向に対する頭部の前後の傾きを変更することが好ましい。更に、本実施形態に係る計測装置1では、支持部3は、頭部を下顎部から支持する第2支持部材3Bを含み、制御部13は、第2支持部材3Bを変形させて、水平方向に対する頭部の前後の傾きを変更することが好ましい。かかる構成によれば、計測装置1は、複数の頭部の前後の傾きにおける呼吸の大きさを計測することができ、例えば、睡眠中に口が開かない程度の傾き等、人間が睡眠中において呼吸がしやすい頭部の前後の傾きを特定するための情報を提供することができる。
【0065】
本実施形態に係る計測装置1では、人間が睡眠中であるか否かを示す情報を計測する、睡眠センサ8を備えることが好ましい。かかる構成によれば、計測装置1は、計測された呼吸の大きさが、睡眠中のものであるか否かを詳細に判定することができ、人間の睡眠中の呼吸の大きさを計測する精度を向上させることができる。
【0066】
本実施形態に係る計測装置1では、制御部13は、複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさの可視化情報を生成することが好ましい。かかる構成によれば、計測装置1は、計測装置1によって計測された複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさから、利用者が睡眠中において呼吸がしやすい頭部の姿勢を特定することを容易にすることができる。
【0067】
本実施形態に係る計測方法は、上述した計測装置1により、人間の睡眠中の呼吸の大きさを計測する計測方法である。計測方法は、制御部13が、人間の頭部を支持する、変形可能な支持部3を変形させるステップと、呼吸センサ6により複数の頭部の姿勢における呼吸の大きさを計測するステップと、を含む。かかる構成によれば、計測装置1によって、睡眠中において呼吸がしやすい頭部の姿勢の特定に寄与し得る、複数の頭部の姿勢における人間の睡眠中の呼吸の大きさを計測することができる。
【0068】
本実施形態に係る計測方法では、制御部13が、支持部3を変形させるステップにおいて、支持部3を変形させたのち、所定の時間だけ支持部3の形状を維持することを繰り返すことが好ましい。かかる構成によれば、計測装置1によって、支持部3を変形させて、利用者の頭部の姿勢を動かしたことによって、一時的に利用者の眠りが浅くなった場合でも、所定の時間が経過する中で、再び利用者が安定して、その頭部の姿勢における睡眠中の呼吸の大きさを正しく計測することができる。
【0069】
本発明を諸図面及び実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本発明に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各実施形態に含まれる構成又は機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能である。また、各実施形態に含まれる構成又は機能等は、他の実施形態に組み合わせて用いることができ、複数の構成又は機能等を1つに組み合わせたり、分割したり、或いは一部を省略したりすることが可能である。
【0070】
例えば、上述した実施形態では、制御部13が、初めに利用者の頭部の高さを維持して、その高さにおいて、頭部の前後の傾きを変えることを繰り返して、利用者の呼吸の大きさを段階的に計測するものとして説明したが、この限りではない。制御部13が、初めに利用者の頭部の前後の傾きを維持して、その傾きにおいて、頭部の高さを変えることを繰り返して、利用者の呼吸の大きさを段階的に計測してもよい。
【0071】
また、上述した実施形態では、通信部9、表示部10、入力部11、記憶部12、及び制御部13は、汎用のコンピュータ14に搭載されているものとして説明したが、この限りではない。これらの機能の少なくとも一部は、計測装置1に専用のコンピュータに実装されてもよい。かかる場合、計測装置1に専用のコンピュータは、ヘッドギア2又は支持部3等に固定されてもよい。
【0072】
また、本実施形態に係る計測装置1の機能は、計測装置1の機能を定義したプログラムを、コンピュータのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、計測装置1の機能は、ソフトウェアにより実現される。このため、計測装置1の動作に含まれるステップの処理をコンピュータに実行させることで、当該ステップの処理に対応する機能をコンピュータに実現させることができる。
【0073】
計測装置1の機能を定義したプログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読取り可能な記録媒体は、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD(digital versatile disc)又はCD-ROM(compact disc read only memory)などの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することによって行われる。或いは、プログラムを所定のサーバのストレージに格納しておき、所定のサーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させることができる。プログラムはプログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0074】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又は所定のサーバから転送されたプログラムを、一旦、メモリに格納する。そして、コンピュータは、メモリに格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータに所定のサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。所定のサーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP(application service provider)型のサービスによって処理を実行してもよい。プログラムには、コンピュータによる処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【符号の説明】
【0075】
1 計測装置
2 ヘッドギア
3 支持部
3A 第1支持部材
3B 第2支持部材
4 ポンプ
5 姿勢センサ
6 呼吸センサ
7 マスク
8 睡眠センサ
9 通信部
10 表示部
11 入力部
12 記憶部
13 制御部
14 コンピュータ
B 寝床面
P 基準位置
H 高さ
L 前後の傾き
図1
図2
図3
図4
図5
図6